説明

複数窪み容器の位置決め装置、システム、コンピュータ・プログラム生成物、及び方法

本発明は、複数窪み容器の位置決め装置及びシステムを提供する。ある実施形態では、それらの機構及びシステムは、容器が後続の処理のために正確に位置決めされるように、複数窪み容器の構造上の欠陥又は不規則さを補うために構成される。いくつかの実施形態では、複数窪み容器の位置決め装置及びシステムは、所望の順序で位置決め装置で選択された位置に複数窪み容器を保持するために使用可能な複数のチャンバーを含む。さらに、関連するコンピュータ・プログラム生成物及び方法も提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願との相互参照
本出願は、2005年1月19日に出願された先の仮特許出願USSN 60/645,502に優先権を主張しその利益を主張する。その開示内容は、すべての目的のためにその全体が参考としてここに組み入れられる。
【0002】
著作権の通知
37C.F.R.§1.71(e)により、出願人は、この開示の一部が著作権保護に従う材料を含むことを述べる。特許書類又は特許明細書は特許商標庁にて特許ファイル又は記録にて現れるので、著作権者は、それらのいずれにより複写再生ことに反対しない。しかし他の点では、著作権及びそのようなものの全てを保有する。
【0003】
技術分野
本発明は、一般的には対象物の位置決めに関し、より詳しくは、材料の移送及び定量検出を含む、さらなる処理用の、複数窪み容器を位置決めし保持するための装置、システム、コンピュータ・プログラム生成物、及び方法に関する。
【背景技術】
【0004】
化学合成及び化合物スクリーニングの処理能力を増強するため、これらの処理は、しばしば、複数の窪みを有する種々の容器構成を利用して並行して行なわれる。マイクロプレート(microtiter plates)のような、複数窪み容器は、一般的に、例えば何百又は何千もの多数の個々の試料用窪みを有する。各々の窪みは、試料又は試薬が入れられる容器を形成する。分析又は合成は、それぞれの試料用窪みにて処理されることから、何百、何千もの分析又は合成が単一のプレートを用いて同時に行なうことができる。多くの市販のマイクロプレートは、窪みの数(例えば96の窪み、384の窪み、1536の窪み、さらに高い窪み密度)、窪みの比率、及び、全体のプレート寸法に関して工業規格に合うように構成される。さらに、複数窪み容器の使用と自動処理システムとの連結は、一般的に、一日で合成及び/又はテスト可能な化合物の数をさらに増加する。例示すると、自動化された材料取扱装置のような、自動装置は、適切に構成された複数窪み容器を受け入れることができ、窪みへ試料又は試薬を入れることができる。ロボットの転置装置のような、他の既知の自動装置は、また、複数窪み容器にて試料の処理及び試験を容易にすることができる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
所望の信頼度及び再現性と並行して多くの数の分析を行なうために、高処理能力システムは、一般的に、個々の、処理用の複数窪み容器を、正確に、効率的に、確実に配置されねばならない。例えば、複数窪み容器は、試料及び試薬のような材料が正しい試料用窪みへ入れられることを可能にするため、材料取扱装置(例えば流体ディスペンサー又は同種のもの)に対して、一般的に正確に置かれなければならない。複数窪み容器を正確に配置することの試みがなされるとき、複数窪み容器自身に通常に存在する構造上の欠陥又は不規則さにより、さらに複雑なことにしばしば直面する。例示すると、一定の、複数窪み容器の構造は、しばしば、容器の安定した位置決めに否定的に影響可能な反りの度合が変化することを含み、例えば材料取り扱い及び/又は洗浄装置に対する窪みの深さの変化を生成する。複数窪み容器の不正確な配置、容器の構造上の欠陥、又はそれらの組み合わせのいずれにしろ、わずか数千分の1インチの位置決めエラーは、他の意図しない結果の中、例えば、試料又は試薬が間違った試料用窪みへ入れられたり、窪みへの注入及び/又は窪みからの除去される材料の量が不正確となったりする。このような誤りは、偏ったテスト結果を導き、このことは、患者に関する医療行為の方針のような重大な決定要素に関して信頼されるかもしれない。さらに、小さな位置決めするエラーでさえ、材料取扱装置及び/又は洗浄装置の針、ピン、又は先端を、複数窪み容器の表面に衝突させることがあり、それは装置及び複数窪み容器を損傷可能である。
【0006】
従来の多くの自動位置決め装置は、自動処理用の高密度の複数窪み容器を確実に反復可能に配置するための十分な位置決め精度及び正確さを欠く。さらに、先在する装置は、一般的に、複数窪み容器に関する構造の変更を説明していない。それは、また位置決めエラーを導く。例えば、一般的なロボットシステムは、約1mmの位置決め許容誤差を一般に達成することができる。そのような許容誤差は、低密度の容器には適しているが、そのような許容誤差は、1536若しくはそれを超える窪みを備えたマイクロプレートのような高密度容器に関して多くの場合不適切である。例を挙げて説明すると、1536の窪みを有するマイクロプレートに関し、X軸又はY軸に沿った1mmの位置決めエラーは、試料又は試薬を完全に間違った窪みに注入し、又はシステムの部品に損傷を与えることがある。さらに、位置決めされた複数窪み容器において、例えばZ軸に沿った変化による位置決めエラーは、材料除去又は洗濯装置により窪みから除去される材料の量を不正確にする場合がある。
【0007】
上述のことから、処理用の複数の窪みを有する試料容器を正確に及び精度良く位置決めするために使用可能な装置が非常に望まれていることは明白である。さらに、それらの装置、コンピュータ・プログラム生成物、及び複数窪み容器を位置決めするのに関連する方法を含む自動システムは、また望ましい。これら及び本発明の様々な追加の特徴は、以下の開示内容の完全な評価により明白になるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、一般的に、多くの先在する装置よりも非常に高い精度及び正確さにて所望の位置に複数窪み容器を位置決めし保持するための位置決め装置に関する。複数窪み容器の3つの直進軸に沿った位置決め精度及び正確さは、しばしば、規定の密度の窪みを有する容器が特定のシステム及び/又は工程で利用可能か否かを決定するための考慮における閾値となる。並行して実行される合成、検査、スクリーニング、又は他の工程の処理能力及び信頼度は、1000を超える窪みを有するような高密度の容器を精度良く及び正確に位置決めすることができない装置により、しばしば制限される。ある実施形態では、本発明の位置決め装置は、そのような高密度の容器を含み、本質的に、複数の窪みを有するいずれの容器も位置決めするように構成された、複数窪み容器用ステーションを含む。
【0009】
1つの態様では、本発明は、複数窪み容器の位置決め装置を提供する。複数窪み容器の位置決め装置は、少なくとも1つの、複数窪み容器用ステーションを有する少なくとも1つの支持構造を含む。複数窪み容器用ステーションは、少なくとも1つの、複数窪み容器を支持するように構成された少なくとも1つの真空板を含んでいる。少なくとも1つ、しかしながら一般的には複数のオリフィスが真空板を貫通して設けられている。オリフィスは、複数窪み容器が真空板上の選択された位置に位置決めされたとき、複数窪み容器の少なくとも二つの隣接する窪み間に配置される、複数窪み容器の底面領域にほぼ位置合わせされるように構成される。隣接する窪み間の領域は、一般的に、規定の複数窪み容器の窪みの直下に配置される領域よりもより大きい構造的な強度又は完全性を有する。いくつかの実施形態では、例えば、オリフィスは、複数窪み容器が真空板上の選択された位置に位置決めされたとき、複数窪み容器の4つの隣接する窪み間に配置される、複数窪み容器の底面領域にほぼ位置合わせされるように構成される。さらに例示すると、複数窪み容器が真空板上の選択された位置に位置決めされたとき、オリフィスの中心、及び隣接する窪み間に配置される、複数窪み容器の底面領域の中間点は、一般的に互いに実質的に同軸上にある。さらに、複数窪み容器用ステーションは、また、チャンバー内が負圧になり、複数窪み容器が真空板上の選択された位置に位置決めされたとき、作用された負圧が真空板上の選択された位置に複数窪み容器を保持するように、オリフィスと連通する少なくとも1つのチャンバーを含む。
【0010】
別の態様では、本発明は、少なくとも1つの複数窪み容器ステーションを有する少なくとも1つの支持構造を含む複数窪み容器位置決め装置を提供する。上記複数窪み容器ステーションは、少なくとも2つのオリフィスが真空板を通り配置される少なくとも1つの複数窪み容器を支持するように構成される少なくとも1つの真空板を含んでいる。上記複数窪み容器ステーションは、また、少なくとも2つのチャンバーを含み、該チャンバーは、少なくとも1つに負圧が作用し、複数窪み容器が真空板に位置決めされたとき、上記負圧が複数窪み容器を位置決め装置に保持するように、真空板を通して配置される異なるオリフィスと連通する。
【0011】
ここに記載された複数窪み容器位置決め装置は、様々な実施形態を含む。例えばいくつかの実施形態では、複数窪み容器位置決め装置は、複数の複数窪み容器ステーションを含む。任意に、複数窪み容器ステーションは、加熱エレメントを含み、該加熱エレメントは、複数窪み容器が真空板に位置決めされ、電源に操作しやすく接続されるとき、複数窪み容器の一つ若しくは複数の窪みにおける温度を調整可能に調節する。ある実施形態では、複数窪み容器位置決め装置は、支持構造に連結された少なくとも1つの位置センサを含む。位置センサは、複数窪み容器が真空板に位置決めされたときに、複数窪み容器の位置を検出するように構成される。いくつかの実施形態では、複数窪み容器ステーションは、真空板のまわりで少なくとも部分的に配置された少なくとも1つのリップ表面を備える。リップ表面は、一般的に真空板に対してくぼんでおり、複数窪み容器が真空板に位置決めされるときに、複数窪み容器の外側壁の位置決め端を受け入れるように構成されている。任意に、複数窪み容器ステーションは、複数窪み容器が真空板の選択された位置に位置決めされたときを示す信号を生成する少なくとも1個のスイッチ(例えば真空作動スイッチなど)を含んでいる。
【0012】
いくつかの実施形態では、複数のオリフィスは、ここに記載された複数窪み容器位置決め装置の真空板を通して配置される。一般的には、それぞれのオリフィスは、複数窪み容器が例えば選択位置にて真空板に位置決めされたとき、複数窪み容器の2つ若しくはそれ以上の隣接する窪み間に配置される複数窪み容器の底面の異なる領域にほぼ位置合わせされるように構成される。複数窪み容器位置決め装置が複数のチャンバーを備えるとき、少なくとも2つのチャンバーは、一般に、真空板を通って配置された異なるオリフィスと連通する。
これらの実施形態のうちのいくつかでは、例えば、チャンバーは、複数窪み容器ステーションにて同心的に配置される。
【0013】
一般的には、負圧がチャンバーに作用し、複数窪み容器が例えば選択位置にて真空板に位置決めされたとき、作用した負圧は、複数窪み容器の一若しくは複数の構造的欠陥又はふぞろいさを補償するため、複数窪み容器の底面の少なくとも一部をオリフィス側に引っ張る。いくつかの実施形態では、例えば、複数窪み容器が選択位置にて真空板に位置決めされたとき、真空板は、複数窪み容器の底面と接触する。底面は、複数窪み容器の窪み領域の下に横たわる。これらの実施形態では、負圧がチャンバ内に作用し、複数窪み容器が例えば選択位置にて真空板に位置決めされたとき、作用した負圧は、複数窪み容器の底面の少なくとも一部の形状を、真空板の少なくとも一部の輪郭に実質的に従わせる。さらに例示すると、負圧がチャンバ内に作用し、複数窪み容器が、例えばある実施形態にて選択位置に真空板に位置決めされたときに、作用した負圧は、複数窪み容器の少なくとも1つの部分を実質的に平らにする。
【0014】
いくつかの実施形態において、ここに記載された容器位置決め装置は、一つ又は複数のチャンバに操作しやすく接続された少なくとも1つの負圧源(例えば真空源など)を含む。ある実施形態では、例えば、複数窪み容器位置決め装置は、チャンバーの一つ又は複数における負圧源により作用された負圧を調節する少なくとも1つのバルブを介して負圧源に操作しやすく接続された複数のチャンバーを含む。一般的には、少なくとも1つのコントローラーは、負圧源に操作しやすく接続される。コントローラーは、負圧源によって作用された負圧を制御するように一般に構成される。いくつかの実施形態では、複数窪み容器位置決め装置は、複数のチャンバー及び複数の負圧源を含む。これらの実施形態では、負圧源は、一般的に異なったチャンバーと連通する。さらに、コントローラーは、一般的にそれぞれの負圧源に操作しやすく接続される。コントローラーは、一般的には、2つ若しくはそれ以上のチャンバに実質的に同時に又は選択された順番にて圧力を作用するように負圧源に命じる一若しくは複数の論理命令を有する少なくとも1つの論理回路を備える。
【0015】
ある実施形態では、ここに記載された複数窪み容器位置決め装置の複数窪み容器ステーションは、複数窪み容器が真空板に位置決めされたとき、複数窪み容器の位置合わせ受け入れ領域の内壁に係合するように位置決めされる少なくとも1つの位置合わせ部材を備える。一般的に、複数窪み容器ステーションは、真空板から延在する、及び/又は真空板に隣接する複数の位置合わせ部材を備え、位置合わせ部材の少なくとも2つは、複数窪み容器が真空板に位置決めされるとき、複数窪み容器の位置合わせ部材受け入れ領域の異なる内壁に係合するように位置決めされる。いくつかの実施形態では、複数窪み容器ステーションは、複数窪み容器が真空板に位置決めされるとき、複数窪み容器を受け入れるように構成されたネストをともに形成する複数の位置合わせ部材を備える。任意に、複数の位置合わせ部材の少なくとも1つは、複数窪み容器がネスト内へ置かれるとき、ネスト内へ複数窪み容器を誘導するように構成された角度付けられた面を備える。ある実施形態では、位置合わせ部材は、複数窪み容器の位置合わせ部材受入れ領域の内壁に係合するように構成された湾曲面を備える。さらに例示すると、位置合わせ部材は、真空板から又は真空板に隣接して延在する位置決めピンを任意に備える。
【0016】
いくつかの実施形態では、ここに記載する容器位置決め装置は、支持構造に連結された一若しくは複数のプッシャーを含み、該プッシャーは、複数窪み容器が真空板に位置決めされるとき、複数窪み容器を位置合わせ部材で接点に押圧するように構成されている。一般的には、複数のプッシャーは、支持構造に連結される。これらの実施形態では、少なくともプッシャーの2つは、複数窪み容器が真空板に位置決めされるときに、異なる方向に複数窪み容器を押すように一般に構成される。少なくとも1つのコントローラーは、一般にプッシャーの少なくとも1つに操作しやすく接続される。コントローラーは、複数窪み容器が真空板に位置決めされるときに、位置合わせ部材で複数窪み容器を接点へ押すようにプッシャーに命じる。ある実施形態では、プッシャーの少なくとも1つは、複数窪み容器が真空板に位置決めされるときに、複数窪み容器に接触するように構成された低摩擦接触点(例えばローラーなど)を備える。任意に、ここに記載された複数窪み容器位置決め装置は、ピボットのようなカップリングによって支持構造に回転可能に連結された少なくとも1つのレバーアームを含む。複数のプッシャーの少なくとも第1プッシャーは、複数窪み容器が真空板に位置決めされるとき、レバーアームが位置合わせ部材で接点へ複数窪み容器を押して回転するようにレバーアームを押すように一般的に構成される。ある実施形態では、複数窪み容器が真空板に位置決めされるとき、複数窪み容器を第1方向に押すために、レバーアームは、複数窪み容器へ一定の力を第1プッシャーに作用させる弾性の連結(例えばバネなど)に連結される。
【0017】
別の態様では、本発明はコンピュータプログラム生成物を提供する。例示すると、1つのコンピュータプログラム生成物は、真空板を通り配置された少なくとも一つのオリフィスが少なくとも一つのプッシャーを使用する複数窪み容器の隣接する窪みの少なくとも2つの間に配置される複数窪み容器の底面領域に実質的に位置合わせされるように、複数窪み容器位置決め装置の真空板に複数窪み容器を位置決めするための一若しくは複数の論理命令を有するコンピュータ読取り可能な媒体を含む。いくつかの実施形態では、コンピュータプログラム生成物は、複数窪み容器の底面の少なくとも一部の形状が、少なくとも一つの負圧源を使用して真空板の少なくとも一部の輪郭に実質的に従うように、オリフィスを通して負圧を作用するための少なくとも1つの論理命令を含む。別の模範的なコンピュータプログラム生成物は、複数窪み容器位置決め装置の複数のチャンバーへ実質的に同時に又は選択された順番にて作用した負圧の少なくとも1つの入力選択を受け入れるための、及び上記入力選択に従い負圧源にて複数窪み容器位置決め装置のチャンバーへ負圧を作用するための一つ若しくは複数の論理命令を有するコンピューター読取り可能な媒体を含んでいる。いくつかの実施形態では、コンピュータプログラム生成物は、少なくとも1つのプッシャーを用いる複数窪み容器位置決め装置の真空板の選択位置に少なくとも一つの複数窪み容器を押圧するための少なくとも1つの論理命令を含む。任意に、コンピュータプログラム生成物は、複数窪み容器位置決め装置の一つ若しくは複数のチャンバーに印加する少なくとも1つの入力圧力レベルを受け入れるための少なくとも1つの論理命令を含んでいる。
【0018】
別の態様では、本発明は、少なくとも1つの複数窪み容器ステーションを有する少なくとも一つの支持構造を備えた少なくとも一つの複数窪み容器位置決め装置を含むシステムを提供する。複数窪み容器ステーションは、少なくとも1つのオリフィスが真空板を通して配置されている少なくとも1つの複数窪み容器を支持するように構成された少なくとも1つの真空板を含む。複数窪み容器が真空板の選択位置に位置決めされるとき、上記オリフィスは、複数窪み容器の隣接する窪みの少なくとも2つの間に配置される複数窪み容器の底面領域に実質的に位置合わせされるように構成されている。又、複数窪み容器ステーションは、上記オリフィスと連通する少なくとも1つのチャンバーを含む。いくつかの実施形態では、複数窪み容器位置決め装置は、複数の複数窪み容器ステーションを備える。上記システムは、また、チャンバーに操作しやすく接続された少なくとも1つの負圧源(例えば真空源など)を含んでいる。負圧源は、複数窪み容器を選択位置に保持するため、チャンバー内を負圧するよう構成されている。システムは、また、少なくとも1つの材料取扱装置を含む。材料取扱装置は、一般的には、流体取扱装置(例えばピン・ツール、ピペッター、及び/又は同種のもの)を備える。さらに、システムは、また、負圧源及び材料取扱装置に操作しやすく接続された少なくとも1つのコントローラーを含んでいる。コントローラーは、複数窪み容器位置決め装置のチャンバーへ負圧を印加するように負圧源に命じ、及び複数窪み容器が真空板の選択位置に位置決めされるとき、複数窪み容器の選択された窪みへ物質を分配する、及び/又は選択された窪みから物質を除去するように材料取扱装置に命じる。
【0019】
別の態様では、本発明は、少なくとも1つの複数窪み容器ステーションを有する少なくとも一つの支持構造を備える少なくとも1つの複数窪み容器位置決め装置を含むシステムを提供する。上記複数窪み容器ステーションは、少なくとも1つの真空板を含み、該真空板は、少なくとも2つのオリフィスが真空板を通り配置される少なくとも1つの複数窪み容器を支持するように構成されている。複数窪み容器ステーションは、また、真空板を通って配置された異なるオリフィスと連通する少なくとも2つのチャンバーを含んでいる。システムは、また、チャンバーに操作しやすく接続された少なくとも1つの負圧源を含んでいる。負圧源は、真空板上の選択位置に複数窪み容器を保持するようにチャンバーに負圧を印加するように構成される。システムは、さらに流体取扱装置(例えばピン・ツール、ピペッター及び/又は同種のもの)のような、少なくとも1つの材料取扱装置を含んでいる。さらに、システムは、また、負圧源及び材料取扱装置に操作しやすく接続された少なくとも1つのコントローラーを含んでいる。コントローラーは、複数窪み容器位置決め装置のチャンバーに負圧を印加する負圧源に命じ、及び複数窪み容器が真空板の選択位置に位置決めされるとき、複数窪み容器の選択された窪みへ物質を分配する、及び/又は選択された窪みから物質を除去するように材料取扱装置に命じる。
【0020】
いくつかの実施形態では、ここに記載されたシステムの複数窪み容器ステーションは、少なくとも1つの位置合わせ部材を備える。これらの実施形態では、複数窪み容器ステーションは、また、一般的には支持構造に連結され、操作しやすくコントローラーに接続された少なくとも1つのプッシャーを含んでいる。コントローラーは、一般に、複数窪み容器が複数窪み容器ステーションに位置決めされるとき位置合わせ部材にて接点へ複数窪み容器を押すようにプッシャーにさらに命じる。
【0021】
ここに記載されたシステムは、様々な追加の部品を任意に含んでいる。ある実施形態では、例えば、システムは、コントローラーに操作しやすく接続された少なくとも1つのロボットの転置装置を含んでいる。コントローラーは、さらに一般的には、複数窪み容器位置決め装置へ複数窪み容器を転置し、及び/又は複数窪み容器位置決め装置から複数窪み容器を転置するように、転置装置に命じる。いくつかの実施形態では、システムは、複数窪み容器位置決め装置に連結された少なくとも1つの平行移動機構(translational mechanism)を含んでいる。平行移動機構は、少なくとも1つの直進軸に沿って複数窪み容器位置決め装置を平行移動するために一般に構成される。任意に、システムは、コントローラーに操作しやすく接続された少なくとも1つの複数窪み容器洗浄装置を含む。これらの実施形態では、コントローラーは、複数窪み容器が真空板の選択位置に位置決めされるとき、複数窪み容器の一若しくは複数の選択された窪みを洗浄するように複数窪み容器洗浄装置に命じる。いくつかの実施形態では、システムは、コントローラーに操作しやすく接続された少なくとも1つの検知器を含んでいる。これらの実施形態では、コントローラーは、一般的にはさらに、複数窪み容器が複数窪み容器ステーションに位置決めされるとき、複数窪み容器の一若しくは複数の選択された窪みにて生成した一若しくは複数の検出可能信号を検出するように検知器に命じる。
【0022】
別の態様では、本発明は、複数窪み容器位置決め装置に複数窪み容器を位置決めする方法を提供する。該方法は、(a)複数窪み容器の隣接する窪みの少なくとも2つの間に配置される複数窪み容器の底面の少なくとも一つの領域が、真空板を通り配置された少なくとも一つのオリフィスと位置合わせされるように、複数窪み容器位置決め装置の真空板に複数窪み容器を置くことを含む。いくつかの実施形態では、上記(a)は、複数窪み容器の少なくとも2つの隣接する窪みの複数組の間に配置される複数窪み容器の底面の複数の領域が、真空板を通して配置される複数のオリフィスと実質的に位置合わせされるように、複数窪み容器位置決め装置の真空板に複数窪み容器を置くことを備える。上記方法は、また、(b)複数窪み容器の少なくとも上記領域が真空板上に保持され、それにより複数窪み容器位置決め装置に複数窪み容器を位置決めするように、上記オリフィスを介して複数窪み容器の底面領域に負圧を印加することを含む。任意に、上記(b)は、複数窪み容器の複数の領域が真空板に保持されるように、複数のオリフィスを介して複数窪み容器の底面の複数領域に負圧を印加することを含む。ある実施形態では、例えば、上記(b)は、選択された順番にて複数のオリフィスを通して複数窪み容器の底面の複数領域に負圧を印加することを含む。いくつかの実施形態では、上記(b)は、複数窪み容器の底面の少なくとも一部の形状が真空板の少なくとも1つの部分の輪郭に実質的に従うように、オリフィスを通して複数窪み容器の底面領域に負圧を印加することを備える。
【0023】
別の態様では、本発明は、複数窪み容器位置決め装置に複数窪み容器を位置決めする方法を提供する。該方法は、(a)少なくとも2つのオリフィスが真空板を通り配置された複数窪み容器位置決め装置の真空板に複数窪み容器を置くことを含む。任意に、上記(a)は、複数窪み容器の少なくとも2つの隣接する窪みの複数組の間に配置された複数窪み容器の底面の複数領域が真空板を通り配置される複数のオリフィスと実質的に位置合わせされるように、複数窪み容器位置決め装置の真空板に複数窪み容器を置くことを備える。上記方法は、また、(b)複数窪み容器の少なくとも第1領域が複数窪み容器位置決め装置の真空板に保持されるように、少なくとも第1オリフィスを通して複数窪み容器の底面の少なくとも第1領域に少なくとも第1負圧を加えることを含んでいる。さらに、上記方法は、また、(c)複数窪み容器の少なくとも第2領域が複数窪み容器位置決め装置の真空板に保持され、それにて複数窪み容器を上記位置決め装置に位置決めするように、少なくとも第2オリフィスを通して複数窪み容器の底面の少なくとも第2領域に少なくとも第2負圧を加えることを含んでいる。いくつかの実施形態では、上記(b)及び上記(c)は、複数窪み容器の底面の少なくとも一部の形状が真空板の少なくとも一部の輪郭に実質的に従うように、上記第1及び第2のオリフィスを通して複数窪み容器の底面の上記第1及び第2の領域に上記第1及び第2の負圧を印加することを含む。ある実施形態では、上記(b)及び(c)は、実質的に同時に行なわれる。しかし、他の形態では、上記(b)及び(c)は、連続して行なわれる。
【0024】
ここに記載された方法は、様々な実施形態を含んでいる。いくつかの実施形態では、例えば、複数窪み容器位置決め装置は、少なくとも1つのプッシャー、及び少なくとも1つの位置合わせ部材を備え、(a)複数窪み容器を真空板に位置合わせするため、プッシャーにより複数窪み容器を位置合わせ部材にて接点へ押圧することを備える。任意に、上記(a)は、ロボットの転置装置で、真空板に複数窪み容器を置くことを含む。ある実施形態では、上記方法は、材料取扱装置にて、複数窪み容器の選択された窪み内へ物質を分配すること、及び/又は上記窪みから物質を除去することを含む。任意に、上記方法は、検知器にて、複数窪み容器の一若しくは複数の選択された窪みにて生成された一若しくは複数の検出可能な信号を検出することを含む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
I. 定義
本発明を詳細に記載する前に、本発明は特別の実施形態に限定されないということを理解されるべきである。また、ここに用いられる術語は、特別の実施形態を記載するためだけにあり、制限するようには意図されないということを理解されるべきである。単位、接頭辞、及び記号は、他の方法で明示されないならば、国際単位系(SI)によって提案された形式で表示される。数値範囲は、その範囲を規定する始めと終わりの数を含んでいる。さらに、もし他の方法で定義されないならば、ここに用いられる全ての技術的、科学的用語は、本発明が関係する当業者によって一般に理解されるのと同じ意味を有している。以下に定義された用語、及びその文法の変形、その全体の中で明細書への言及によってより完全に定義される。
【0026】
用語「隣接した窪み」は、別の窪みがそれらの間に配置されずに、容器にて互いに隣接して配置される(例えば、横に並んで、互いから対角線上に横切って、など)複数窪み容器の窪みを指す。ある実施形態では、例えば、1セットの隣接した窪みは、2、3、又は4つの窪みを含むことができる。
【0027】
用語「位置合わせ」は、互いに関連する2つ以上の品目の位置決め又は調整状態を示す。ある実施形態では、例えば、真空板のオリフィスは、容器の隣接した窪み間で配置される、複数窪み容器の底面の一つ以上領域と位置合わせされる。
【0028】
用語「底」は、複数窪み容器、及び又はそのようなものを位置決めするように、一般的に設計された又は意図された操作上の使用のために配向されたときに、対象物、装置、システム、又はそれらの部品の最も下の点、レベル、面、又は部分を指す。
【0029】
用語「同軸の」又は「同心の」は、2つ以上の対象物又はその部品が一致する中心又は軸を有している状態を指す。ある実施形態において、例えば、複数窪み容器位置決め装置の真空板の選択位置に複数窪み容器が位置決めされたとき、真空板のオリフィスの中心と、複数窪み容器の底面の、隣接する窪み間に配置される対応領域の中間点とは、一致する軸を有している。さらに例示すると、複数窪み容器位置決め装置は、例えば同心円、同心の正方形、同心の長方形、又は他の同心の形状の形態における共通の中心を有する複数のチャンバーを任意に含む。
【0030】
チャンバーを介してオリフィスを通り圧力を印加可能なとき、複数窪み容器位置決め装置のチャンバーは、装置のオリフィスと「連通する」。
【0031】
複数窪み容器の位置決めの文脈における用語「補償する」は、複数窪み容器における欠陥、反り、不規則さ、不完全さ、及び又は他の構造的な変化を相殺するか又は和らげることを指す。いくつかの実施形態では、例えば、負圧は、容器の構造の変化を和らげるために真空板オリフィスの方へ複数窪み容器の底面を引くように加えられる。
【0032】
用語「一致する」は、たとえ単に一時的であっても、対象物又はその一部分を、他の対象物の少なくとも一部のように、同一の又は類似の形状、外形、若しくは輪郭にする動作あるいは工程を指す。いくつかの実施形態では、例えば、複数窪み容器の底面の少なくとも一部分の形状は、印加された圧力下で複数窪み容器位置決め装置の真空板の少なくとも一部分の輪郭とみなされるように、少なくとも一時的に変更される。真空板が平坦な実施形態では、複数窪み容器の底面の少なくとも一部分は、圧力が容器に加えられるときに、真空板のこの輪郭に一致するように一般的に平坦化される。
【0033】
用語「輪郭」は、品目の周囲の少なくとも一部分が形成する外形又は形状を指す。例示すると、真空板の少なくとも一部分の好例となる輪郭は、任意に、例えば規則的なn面を有する多角形、不規則なn面を有する多角形、三角形、正方形、長方形、台形、円形、楕円形、それらの部分、又は同種のものを含む。いくつかの実施形態では、真空板の輪郭は、実質的に平坦である。
【0034】
複数窪み容器の位置決めの文脈における用語「保持する」は、少なくとも一時的に選択された位置に複数窪み容器を保持することを指す。例えば、選択された位置は、複数窪み容器の欠陥、反り、不規則さ、不完全さ、及び又は他の構造の変化が補償される位置を含むことができる。
【0035】
用語「実質的に」は、近似を指す。ある実施形態では、例えば、容器が真空板の選択された位置に位置決めされるときに、隣接した窪み間に配置される複数窪み容器の底面領域にオリフィスが少なくとも近似して整列するように、オリフィスが真空板を通って配置される。さらに例示すると、ここに記載された容器位置決め装置の真空板の輪郭に、複数窪み容器の底面の形状が少なくともおおよそ一致するように、印加された負圧は、一般的に少なくとも一時的に複数窪み容器の底面の形状を変更する。
【0036】
用語「上部の」は、複数窪み容器、及び又はそのようなものを位置決めするように、一般的に設計された又は意図された操作上の使用のために配向されたときに、対象物、装置、システム、又はそれらの部品の最も高い点、レベル、面、又は部分を指す。
【0037】
用語「直進軸」は、三次元の直交座標系における3つの直線の軸(つまり、X、Y、及びZ軸)を指す。「X軸」は、水平面と実質的に平行で、Y及びZ軸の両方にほぼ垂直である。「Y軸」は、水平面と実質的に平行で、X及びZ軸の両方にほぼ垂直である。「Z軸」は、鉛直面と実質的に平行で、X及びY軸の両方にほぼ垂直である。

II.概論
【0038】
複数窪み容器が構造上の不規則さ又は不完全さを有しているときにさえ、本発明は、容器ステーションの真空板の所望の位置に複数窪み容器を正確にかつ精度良く位置決めし保持する位置決め装置を提供する。これらの装置の容器ステーションは、1000を超える窪みを有する高密度容器を含むいずれの複数窪み容器を本質的に位置決めするように構成される。これらの真空板上の所望の位置又は選択された位置にひとたび配置されたならば、複数窪み容器は、一般的にさらなる処理に供される。例えば、ここに記載された位置決め装置を含む本発明のシステムは、所望の特性を備えた化合物用のふるい(screens)を含み、広範囲の合成を支持し、フォーマットを分析する。本発明のシステムは、例えば研究所及び産業の場にて使用者の最小の介入で高生産性にて繰り返し使用するため、一般的に高自動化されている。また、ここに記載した装置、システム、ソフトウェア、及び方法は、様々な試料及び試料分析が試料に関する情報を得るために提供可能なように、容易に適応可能である。
【0039】
さらに例示すると、複数窪み容器は、ある実例において、処理用容器の安定した正確な位置決めを妨げる低い又は底の面の不完全さを有する。そのような不完全さは、例えば反り、高さ変化、及び他の構造上の不規則さを含むことができる。例えばマイクロプレートのような複数窪み容器の底面は、容器の中央部が容器の周囲端より下に延在するように、少なくとも僅かに曲がることがある。このような不完全さは、不完全さ又は不規則さがなんとかして考慮されないならば、これらの容器の中央部だけが位置決め支持体に通常接触するように、不安定な位置決めとなる。さらに、これらのような補償されない不完全さは、また、窪みの深さの変化を形成する傾向にあり、例えば、所定の処理の使用中に、材料取扱又は洗浄装置が窪みにアクセスするときにエラーに導くことがある。例えば、ある複数窪み容器洗浄システムは、動作中に流体及び/又は他の物質を除去するために複数窪み容器の窪みに入る先端を有する材料除去ヘッドを含む。複数窪み容器の反りは、これらのシステムの適切な機能に悪影響を与えることがある。より詳しくは、そのようなシステムの材料除去ヘッドにより残った残余の流体体積量は、少なくとも一部分で、所定の先端の端部と、上記先端によりアクセスされる特定の窪みの底との間の距離により調節される。材料除去ヘッドの先端は、一般的に、許容誤差(例えば、+/−0.025mm)に近づくように調整可能である。反った(例えば曲がった凹部を上にする、等)複数窪み容器から問題が生じる。ある場合、複数窪み容器における中心の窪みから外側の窪みへの高さの差が例えば約0.40mmまでにて変化可能である。このことは、次に続く材料除去ヘッドによる流体除去で、複数窪み容器の周囲側への窪みにおける残余の流体量と比較して中央の窪みの残余の流体量において、幾つかの容器では約1μLの体積差を生成することがある。ある適用例では、目標残留量は、約1.0+/−0.1μLである。したがって、反った複数窪み容器が平坦にならないならば、各窪みに関する目標残留体積は、一般的に達成することができない。この問題は、図1Aに模式的に示される。図1Aは、非真空板108上に支持される反った複数窪み容器106の窪み104に配置された材料除去ヘッド102の先端100を示す。示されるように、窪み104における先端100の端部と、窪み104の底との間の距離は、いくつかの先端100が窪み104内の流体に接触し、一方、他の先端100が窪み104内の流体110に接触しない状態にて、変化する。複数窪み容器洗浄システムも、例えばMicklash II等により、2004年8月4日に出願された「MULTI-WELL CONTAINER PROCESSING SYSTEMS」と名称付けられた、米国の仮特許出願番号60/598,994に、及びMicklash II等により2004年4月7日に出願された「MATERIAL REMOVAL AND DISPENSING DEVICES、SYSTEMS、AND METHODS」と名称付けられた、国際公開番号WO 2004/091746に、記述されている。これらの両方は、参考として組み込まれる。
【0040】
従って、いくつかの実施形態では、ここに記載された容器ステーションは、x及びy軸に沿って複数窪み容器を位置合わせさせるための位置合わせ部材と、例えば容器に存在するかもしれない構造上の不完全さ又は不規則さを補償するため、z軸に沿って互いに関して容器の窪みを均一に位置決めするために負圧が作用されるオリフィスを有する真空板とを含む。より詳しくは、負圧は、複数窪み容器の少なくとも底面の少なくとも部分の形状を真空板の輪郭に実質的に従わせるのに十分な程度にて一般的に印加される。いくつかの実施形態では、例えば、真空板の輪郭は、実質的に平坦であるか、又は複数窪み容器が印加された圧力の下で平坦化され、よれにより複数窪み容器に存在するかもしれない構造上の不完全さ又は不規則さを減じるような程度である。述べたように、それらのz軸に沿った実質的に同じ位置にて複数窪み容器の窪みを位置決めする利点は、窪み深さの変化、及び処理動作中に複数窪み容器が不安定に位置決めされる状態に材料取扱装置があるならば他の状態になるかもしれないシステムの損傷及び他の処理エラーの低減である。さらに例示すると、図1Bは、真空板112に支持された反った複数窪み容器106の窪み104に入る材料除去ヘッド102の先端100を模式的に示している。示されるように、オリフィス114は、真空板112を通って配置される。印加された負圧(下方へ指す矢によって表わされた)下では、複数窪み容器106は、真空板112の表面の輪郭に従い実質的に平らになる。その結果、窪み104内の先端100の端と窪み104の底との間の距離は、材料除去ヘッド102による流体除去の後の複数窪み容器106の窪み104に残る残余体積がまた実質的に均一になるように、実質的に均一である。
【0041】
一般的には、真空板のオリフィスは、最も大きな構造上の完全性又は強さ(例えば引張力など)を有している複数窪み容器の部分と実質的に位置合わせして構成される。例示すると、真空板のオリフィスは、実質的に、隣接した窪み(例えば隣接した窪み間の壁を形成する領域、等)間で配置される、複数窪み容器の底面領域と実質的に位置合わせされ又はそうでなければ一致するように、一般的に構成される。これらのオリフィス構成は、オリフィスが窪み自体と位置合わせされるならば、印加された圧力下でそうでなければ発生することがあるくぼむ効果及び他の構造のひずみを、排除できないならば、最小にする傾向がある。くぼむことは、透明な底のマイクロプレートなどのような薄い底壁を有する複数窪み容器にて通常良く発生する。他の構造の不規則さでのように、圧力に引き起こされたひずみは、また、複数窪み容器の処理エラーとなることがある。
【0042】
さらに例示すると、くぼませる効果は、図2Aに模式的に示されている。図2Aは、複数窪み容器200の一部と、複数窪み容器200の窪み206の基礎となる複数窪み容器200の底面領域に真空板202のオリフィス204が実質的に位置合わせされる真空板202の一部を通る断面を示す。作用した負圧(下方を指す矢印により表わされた)の下で、複数窪み容器200の窪み206の底は、下方へ引かれ、へこみ208を形成する。
対照的に、図2Bは、複数窪み容器200の一部と、複数窪み容器200の隣接する窪み206間に配置された複数窪み容器200の底面領域に真空板202のオリフィス204が実質的に位置合わせされた真空板202の一部とを通る断面を模式的に示している。示すように、負圧がオリフィス204に加えられたとき(下方へ指す矢印により表わされる)、このくぼむ効果は観察されない。
【0043】
本発明は、また、複数のオリフィスが通って配置された真空板を有する複数窪み容器ステーションと、異なるオフィスと連通する複数のチャンバーとを含む複数窪み容器位置決め装置を提供する。動作中、例えば容器に存在するかもしれない構造上の不完全さを補償するため、複数窪み容器の異なる領域が真空板に漸増的に位置決めされ、保持される(例えば選択されたステージ等にて)ように、負圧は、選択された順序にてチャンバーに作用される。任意に、真空板への容器の位置決め及び保持を達成するため、負圧は、チャンバーへ実質的に同時に作用することができる。
【0044】
複数窪み容器位置決め装置に加えて、本発明は、これらの位置決め装置及び関連するコンピュータ・プログラム生成物を含む自動システムをさらに提供する。本発明のシステムは、システムの位置決め装置に位置決めされた複数窪み容器の選択された窪みに材料を分配し及び/又は除去するための材料取扱装置を含んでいる。本発明のシステムは、また、多くの異なるタイプの化学合成、化合物スクリーニング、及び他の処理を行なうための種々の追加構成部分を一般的に含んでいる。本発明は、また、追加の処理、材料移動及び検出分析を含むため、ここに記載された装置に複数窪み容器を位置決めする方法を提供する。
【0045】
本発明は少数の特定の実施形態を参照して記載されているが、説明は本発明の例示であり、本発明を制限するものとして解釈されるものではない。本発明への様々な修正は、添付の請求範囲により定義されるような本発明の真の範囲から逸脱せずに、例示的な実施形態に対して当業者によってなすことができる。文脈が別の方法で示さなければ、よりよい理解のため、種々の図面の全体にわたり、同様の部品には同様の文字及び/又は数字が示されていることに注意されたい。

III. 複数窪み容器位置決め装置及びシステム
【0046】
概観として、図3は、本発明の1つの実施形態による代表的なシステム300を模式的に示している。示されるように、システム300は、支持構造318を含む複数窪み容器位置決め装置302を含んでいる。支持構造318は、真空板308及び310を含む容器ステーション304及び306を含む。真空板308及び310は、材料取扱装置314(流体移送装置として示される)及びロボットの転置装置316に対する複数窪み容器312のような複数窪み容器を位置決めするようにそれぞれ構成されている。示されるように、真空板308及び310は、各々真空板308及び310の下に配置されたチャンバー(図内に無し)と連通するオリフィス313を含んでいる。チャンバーは、真空源のような負圧源(図内にない)と連通する。上記真空源は、例えば、そうしなければz軸に沿って容器の窪みに非均一さを生成する、複数窪み容器の構造的な欠陥又は不規則さを補償するため、複数窪み容器の底面を真空板308及び310側へ引くようにオリフィス313に負圧を生じる。真空板308は、容器が真空板308に位置決めされたときに複数窪み容器の窪みにおける温度を調整可能に調節する加熱エレメント320を含んでいる。
また示されるように、複数窪み容器位置決め装置302は、また支持構造318に連結されたプッシャー315を含む。プッシャー315は、例えばx軸及び/又はy軸に沿って容器を位置合わせするために容器が真空板308及び310に置かれたときに、複数窪み容器を位置合わせ部材(不図示)にて接点へ押すように構成される。任意に、容器ステーション304は、試料化合物を含んでいる複数窪み板を位置決めするために利用され、容器ステーション306は、容器ステーション304に位置決めされた試料化合物複数窪み板から流体移送装置314を用いて化合物が移送される分析複数窪み板を位置決めするのに利用される。ロボットの転置装置316は、複数窪み板を、容器ステーション304及び306へ及び/又は容器ステーション304及び306から転置するために用いられる。これらのシステムの構成部分の各々は、非常に詳しく以下に記載されている。
【0047】
さらに本発明の態様を例示すると、図4Aは、本発明の1つの実施形態による複数窪み容器ステーション400を模式的に図示する。示されるように、複数窪み容器ステーション400は、複数窪み容器404(1536窪みのマイクロプレートとして示されている)を支持するように構成された真空板402を含んでいる。真空板402は、オリフィス406を含む。オリフィスは、複数窪み容器404が真空板402の選択位置に位置決めされたとき、複数窪み容器404の隣接する窪み間に配置された複数窪み容器404の底面領域に実質的に位置合わせするように構成される。オリフィス406は、複数窪み容器404の領域に位置合わせされるように、より高い構造上の完全さにより上記領域が窪みの下に直接に配置される方法で構成される。これは、圧力がオリフィス406を通して複数窪み容器404に作用したとき、窪みの底面での発生からのへこみの影響又は他の構造的な歪みを、排除できないならば、最小にする。そうしなければ複数窪み容器404に損傷を与えるかもしれず、及び/又は所定の応用部にエラーを引き起こすかもしれない。へこみ影響のようなひずみは、さらに上に説明される。
【0048】
例えば、圧力誘発歪み(例えばへこみ等)が容器位置決め処理の間、少なくとも最小化されると同時に複数窪み容器の構造上の不完全さ(例えば反り等)が補償可能であるように、窪みの下に直接に配置されるよりも大きい強度を有する複数窪み容器の領域にオリフィスが実質的に位置合わせされる限り、本質的に、いかなるオリフィスの構成(例えば、所定の真空板に位置決めするオリフィス、オリフィスの断面形状、オリフィスの断面寸法、オリフィスの断面積、及び/又はそのようなもの)も、任意に利用される。例えば、真空板は、例えば6、12、24、48、96、192、384、768、1536、3456、9600、以上の窪みを含む複数窪み容器を支持し、位置決めし、かつ保持する(例えば、構造の不完全さなどを補う)ように一般的に組み立てられる。負圧流量が、真空板側へ複数窪み容器を引くのに十分に大きな圧力差を生成可能なように、オリフィスの断面積は、一般に十分に大きい必要がある。いくつかの実施形態では、しかしながら、真空板は、特別の複数窪み容器の窪みの下に直接に配置された領域と実質的に位置合わせされる一若しくは複数のオリフィスを含んでいる。オリフィスは、一般に、例えば規則的なn面を有する多角形、不規則なn面を有する多角形、T字形、十字形、三角形、正方形、完全な正方形、長方形、完全な長方形、台形、円形、楕円形、及びその他同種のものから選択された断面形状を有する。例示すると、図5A〜図5Iは、これらの横断面の形のうちのいくつかを有している様々な代表的なオリフィス500を模式的に図示し、そのオリフィス500は、各々、複数窪み容器の隣接する窪み502間に配置される複数窪み容器(図内の部分だけ)の底面領域に実質的に位置合わせされる。互いに異なる断面形状を有する一若しくは複数のオリフィスを含む真空板も、ある実施形態に任意に利用される。他の一般的なオリフィス構成は、例示され、及び/又はそうでなければここに記載される。オリフィスは、一般に、ここに記載される複数窪み容器位置決め装置の真空板に機械加工、成型、又は他の状態で形成される。装置の製作は、さらに以下に記載される。
【0049】
複数窪み容器404の窪みにおいて、へこみの影響が最小にされると同時に、オリフィス406を通り印加される圧力は、複数窪み容器404の窪み領域の基礎となる底面の形状を真空板402の輪郭に実質的に一致させる。このことは、この実施形態では実質的に平坦なものとして図示される。したがって、印加された十分な圧力の下で、複数窪み容器404の窪み領域の基礎となる底面の形状は、平坦化され、複数窪み容器404の構造(少なくとも窪み領域の下)に存在するかもしれない不完全さ又は不規則さ(例えば反り、高さの変化、等)を低減又は排除する。
【0050】
ここに記載された複数窪み容器位置決め装置は、また、圧力源がオリフィスを通して圧力を作用可能なように、真空板のオリフィスと連通するチャンバー、マニホルド、又は他の構造を含む。例示すると、図4Bは、複数窪み容器ステーション400の部分的に拡大した模式的な斜視図を示す。示されるように、複数窪み容器ステーション400は、複数窪み容器ステーション400へ機械加工されたチャンバー408の一部分を含んでいる。
完全なチャンバー408は、図4Bに示すように、例えばボルト、接着、溶接、ボンディング、又は2つの構成部分を互いに取り付ける他の方法により、複数窪み容器ステーション400の残りの部分に真空板402を取り付けて形成される。チャンバー408は、孔412及びチューブ414を介して、負圧源410(例えば真空ポンプ、遠心ブロワ、及び同種のもの)と連通する。図4Bに示すように、複数窪み容器ステーション400は、一つのチャンバーを含んでいる。他の実施形態では、複数窪み容器ステーションは、複数のチャンバーを含んでいる。これらの実施形態のいくつかでは、例えば、複数窪み容器ステーションは、例えば2、3、4、5、6、7、8、9、10、又はこれを超えるチャンバーを含んでいる。任意に、これらの複数のチャンバーは、同じ負圧源又は異なった負圧源と連通する。ある実施形態では、チャンバーは、負圧源及びオリフィスを互いに接続するチューブ又は他の導管のような、単に、負圧源とオリフィスとの間に操作可能な接続を備える。他の例示的なチャンバー形式は、さらに以下に例示され、及び/又は記述される。
【0051】
また、図4A及び図4Bに示すように、複数窪み容器ステーション400は、プッシャー(不図示)を受け入れるように構成された開口416を含んでいる。以下に記述するプッシャーは、x軸及び/又はy軸に沿って複数窪み容器を選択位置に位置合わせするため、複数窪み容器を位置合わせ部材(不図示)にて接点へ押すように構成されている。
【0052】
さて図6Aを参照し、それは、本発明の他の実施形態による複数窪み容器ステーション600を模式的に斜視図にて示す。示されるように、真空板602は、複数窪み容器を複数窪み容器ステーション600に位置決めし保持するため負圧が作用するオリフィス603を含む。真空板602は、また孔605を含んでいる。それは、複数窪み容器ステーション600の残っている部分に真空板602を取り付けるため、ボルト、ねじ、又は他の締結部材を受け入れるように構成されている。また示されるように、複数窪み容器ステーション600は、真空板602に隣接して配置された位置合わせ部材604を含む。上述したように、位置合わせ部材604は、3つの直進軸の少なくとも2つに沿って複数窪み容器を位置合わせするのに使用される。位置合わせ部材もさらに以下に記載される。
【0053】
さらに例示すると、図6Bは、真空板602の無い複数窪み容器ステーション600を模式的に斜視図で示す。示されるように、複数窪み容器ステーション600は、複数窪み容器ステーション600に同心に配置されたチャンバー606、608及び610の一部分を含む。ガスケット615も、組み立てられた装置において互いからチャンバ606、608及び610を効果的にシールするため含まれる。また示されるように、チャンバー606、608及び610は、開口612、614及び616をそれぞれ含んでいる。動作中に、負圧は、開口612、614及び616を介してチャンバー606、608及び610に加えられる。図6C及び図6Dは、複数窪み容器ステーション600を模式的に底面から斜視図で示す。示されるように、複数窪み容器ステーション600は、開口612、614及び616とそれぞれ連通するポート618、620及び622を含む。図示していないが、真空板602のオリフィス603を通って圧力を加えることができるように、一若しくは複数の負圧源は、一般的に、チューブ又は他の導管を介してポート618、620及び622と連通する。ある実施形態では、これらの導管は、負圧源によって加えられた圧力を調節するために用いられる一若しくは複数のバルブを含んでいる。
【0054】
図6E及び図6Fは、複数窪み容器ステーション600の真空板602に位置決めされた複数窪み容器624を上面図及び斜視図にてそれぞれ模式的に示す。示されるように、真空板602のオリフィス603は、それぞれ、4つの隣接した窪み626間で配置された複数窪み容器624の窪み領域下で配置された底面の領域と実質的に位置合わせされる。
【0055】
他の例示的な複数窪み容器位置決め装置の構成部分の実施形態は、図7及び図8に提供されている。特に、図7A及び図7Bは、本発明の1つの実施形態による複数窪み容器ステーション700を斜視図及び上面図でそれぞれ模式的に示す。示されるように、複数窪み容器ステーション700は、真空板702を通り配置されるオリフィス704及び孔706を有する真空板702を含んでいる。孔706は、支持構造708に真空板702を取り付けるための締結部材(例えば、ボルト、ねじ、リベットなど)を受け入れるように構成されている。また示されるように、複数窪み容器ステーション700は、プッシャーを受け入れるように構成されている位置合わせ部材710及び開口712を含んでいる。さらに例示すると、図7C及び図7Dは、複数窪み容器ステーション700を模式的に側面図及び斜視図でそれぞれ示す。示されるように、複数窪み容器ステーション700は、チャンバー(図内にない)を介して真空板702のオリフィス704と連通するポート714を含んでいる。チューブ又は他の導管は、ポート714及び負圧源に一般的に接続される。
【0056】
図8Aは、本発明の1つの実施形態による複数窪み容器位置決め装置800を上から斜視図で模式的に示している。示されるように、複数窪み容器位置決め装置800は、複数窪み容器ステーション804を有する支持構造802を含む。複数窪み容器ステーション804は、支持構造802に取り付けられた真空板806を含んでいる。支持構造802は、ここに記載するような複数窪み容器を保持するためのオリフィス808、及び支持構造802に真空板806を取り付けるための孔810を含んでいる。さらに、図8Bは、チャンバー812の部分を露出するため、真空板806の無い複数窪み容器位置決め装置800を上からの斜視図で模式的に図示する。さらに例示すると、図8Cは、複数窪み容器位置決め装置800を底からの斜視図で模式的に示す。示されるように、チャンバー812は、開口814を介してポート816と連通する。負圧源は、一般的にポート816に操作しやすく接続される。
【0057】
いくつかの実施形態では、本発明の位置決め装置は、例えば所定の分析を行うとき物質の移送のため複数の容器を位置決めするために、複数窪み容器ステーションを含む。任意に、複数窪み容器ステーションの少なくとも2つは、層をなしている、すなわち、異なるレベルに配置されている。ロボットの平行移動装置を含むシステムでは、層をなした複数窪み容器ステーションは、一つの層における容器ステーションに位置決めされた第1の複数窪み容器に対して、別の層における複数窪み容器ステーションに位置決めされた第2の複数窪み容器に接触することなく、例えば複数窪み容器の上面(即ち、窪みが配置された表面)に実質的に平行な平面に少なくとも沿って、ロボット装置がアクセスし処理可能であるという利点を有する。さらに、本発明の容器ステーションは、2つ以上の複数窪み容器ステーションに位置決めされた複数窪み容器の窪みが実質的に同時に(例えば、流体取扱装置又は同種のものを用いて)アクセス可能(例えば容器の上面に実質的に垂直な軸に沿って)であるように、一般的に構成されている。層をなした複数窪み容器ステーションを有する複数窪み容器位置決め装置は、例えば、Evansにより2004年8月3日に出願され、「MULTI-WELL CONTAINER POSITIONING DEVICES AND RELATED SYSTEMS AND METHODS」と名称付けられた、国際出願番号PCT/US04/025079に記載されている。それは、参考として組込まれる。さらに、複数窪み容器位置決めの態様は、また、Mainquistらにより2001年6月15日に出願され、「AUTOMATED PRECISION OBJECT HOLDER」と名称付けられた、国際公開番号WO 01/96880、及び、Evansらにより2004年8月3日に出願され、「NON-PRESSURE BASED FLUID TRANSFER IN ASSAY DETECTION SYSTEMS AND RELATED METHODS」と名称付けられた、国際出願番号PCT/US04/25170に記載されている。それは両方とも参考として組込まれる。
【0058】
本発明の位置決め装置の複数窪み容器ステーションは、また、任意に、例えば分析が該装置を使用して行われるとき、複数窪み容器における温度を調節するため、加熱エレメント(例えば、複数窪み容器ステーションの外部に、又は一体型にて)を含む。本発明の装置及びシステムでの使用に適応可能な適切な加熱エレメントは、技術的に一般に知られており、様々な商業元から容易に購入可能である。加熱エレメントは、一般的に、エレメントの動作を制御する電源及び/又はコントローラーに操作しやすく接続される。例示的な加熱エレメントは、複数窪み容器ステーション304の真空板308に配置された加熱エレメント320を示す図3に模式的に示される。
【0059】
本発明の位置決め装置は、複数窪み容器が材料取扱装置及び/又は他のシステム構成部分と位置合わせするように、複数窪み容器が複数窪み容器ステーションに位置決めされたときに、複数窪み容器の表面(例えば位置合わせ受入れ領域の内壁、等)に接触して位置決めされる位置合わせ部材を一般的に含む。複数窪み容器の位置合わせ受入れ領域は、より詳しく以下に記載される。さらに、これらの位置決め装置は、また、複数窪み容器が複数窪み容器ステーションに位置決めされたとき、位置合わせ部材にて接点へ複数窪み容器を押すプッシャーを一般的に含む。本発明の複数窪み容器位置決め装置のこれらの態様の実施形態は、図9A〜図9Eに示される。より詳細には、図9Aは、複数窪み容器位置決め装置900の上面図を模式的に示す。示されるように、複数窪み容器位置決め装置900は、位置合わせ部材916(調整面(trimmed face)を有する位置決めピンとして示される)及び位置合わせ部材918(曲面を有する位置決めピンとして示される)を含む。それらは、真空板911及び913をそれぞれ含む複数窪み容器ステーション910及び912に位置決めされた標準の複数窪み板の内面に位置合わせされる。複数窪み容器ステーション910の位置合わせ部材918のように、2つを超える位置合わせ部材が実質的に同一線に沿って含まれるとき、接触する3点のみが複数窪み容器の位置を決定する(例えば2つの位置合わせ部材918及び一つの位置合わせ部材916)ので、それらの部材の少なくとも1つは、一般的に、上記線における他のものからわずかに食い違う。また示されるように、複数窪み容器位置決め装置900は、さらに、位置合わせ部材916及び918に対して容器の位置決め達成する空気駆動のプッシャー920及び922(例えば空気シリンダー又は同種のもの)を含む。プッシャー920及び922は、プッシャーマウント924を介して支持構造902に装着され、及び操作しやすく圧力源(不図示)に接続される。プッシャー920は、ばねプランジャー926及びプランジャーポスト928を含んでいる。プッシャー922は、容器に接触するレバーアーム932を押すため、レバーアーム932と接触するノブ930を含んでいる。レバーアーム932は、ピボットのようなカップリングを形成するピン捕獲ブロック934及びレバーシャフト936を介して支持構造902に装着される。また図9Aに示すように、複数窪み容器位置決め装置900は、複数窪み容器ステーション910及び912のそれぞれにおいて複数窪み容器の存在を検出する位置センサ又はレーザーアッセンブリー937及び938を含む。図9B及び図9Cは、位置決め装置900を側面図で示す。さらに、図9Dは、位置決め装置900を模式的に斜視図で示す。
【0060】
さらに本発明の態様を例示すると、図9Eは、平行移動機構941に装着された図9Aの複数窪み容器位置決め装置900を斜視図にて示す。位置決め装置が図3に模式的に示される自動システム300のようなシステムに含まれるときに、平行移動機構は、例えば、使用者、ロボットの転置装置、及び/又はそのようなものにより複数窪み容器位置決め装置に位置決めされた複数窪み容器へのアクセスを容易にするため、複数窪み容器位置決め装置が直進軸の少なくとも一つに沿って移動可能であるように任意に含まれている。示された実施形態では、平行移動機構941は、位置決め装置900が取り付けられ、位置決め装置900が滑動するレール又は通路943を含んでいる。さらに、アクチュエーター945(例えば空気シリンダー、モータなど)は、ブラケット947を介して複数窪み容器位置決め装置900の支持構造902に操作しやすく接続される。コントローラーに一般に操作しやすく接続されるアクチュエーター945は、通路943に沿って複数窪み容器位置決め装置900の転置を達成する。さらに平行移動機構は、以下に記載される。
【0061】
図10Aは、複数窪み容器位置決め装置900の位置合わせ部材916を詳細な上面図にて示し、一方、図10B及び図10Cは、位置合わせ部材916をそれぞれ詳細な側面図及び底面図にて示している。さらに、図11Aは、複数窪み容器位置決め装置900の位置合わせ部材918を模式的に詳細な平面図にて示す。一方、図11B及び図11Cは、位置合わせ部材918を模式的に詳細な側面図及び底面図にてそれぞれ図示する。さらに、図12A〜図12Cは、プランジャー・ポスト928を模式的に詳細な正面図、側面図、及び背面図にてそれぞれ示す。他の材料が任意に用いられるが、これらの構成部分は、一般的にアルミニウムから作製され、任意に黒色の陽極酸化処理で仕上げられる。
【0062】
図13〜図15は、プッシャー922と関係する様々なプッシャー構成部分の詳細を模式的に示す。特に、図13A〜図13Cは、レバーアーム932を詳細な正面図、裏面図、及び斜視図にて模式的にそれぞれ示す。図14A〜図14Dは、レバーシャフト936を詳細な正面図、側面図、上面図、及び斜視図にて模式的にそれぞれ図示する。さらに、図15A〜図15Cは、ピン捕獲ブロック934を詳細な上面図、側面図、及び底面図にて模式的にそれぞれ示す。本発明の容器位置決め装置の他の構成部分でのように、他の材料が任意に利用されるが、これらの構成部分もアルミニウムから一般的に作製され、任意に黒色の陽極酸化処理で仕上げられる。プッシャーは、当業者に公知の手段にて移動可能である。例えば空気シリンダー、ばね、ピストン、弾性部材、電磁石又は他の磁石、歯車駆動、及び同種のもの、又は、それらの組み合わせが、選択された位置へ複数窪み容器を移動するようにプッシャーを移動するのに適している。
【0063】
本発明の複数窪み容器位置決め装置の真空板は、また、他の実施形態を含んでいる。例えば、図16は、真空板1602を含むネスト1600を斜視図にて模式的に示す。複数窪み容器は、他のシステムの構成部分に対して複数窪み容器を位置決めし保持するためにネスト1600に置くことができる。ネスト1600は、複数窪み容器がネスト1600にしっかりと(つまり実質的に横向きの移動などの余地なしで)入るように、一般的に正確に作製される(例えば、機械加工、成型、など)。構成部分の製作は、さらに以下に記載される。示されるように、複数窪み容器がネスト1600に置かれるとき、複数窪み容器をネスト1600内に向けるように構成された傾斜面を含む複数の位置合わせ部材1604を、ネスト1600は含んでいる。示されていないが、ネスト及び他の真空板実施形態は、複数窪み容器位置が、例えば材料取扱装置、ロボットの転置装置、及び同種のものと位置合わせするように調整可能であるように、例えば、それらの構成部分に位置決めされた複数窪み容器の中心の周りに回転するように任意に製作される。これは、これらの他のシステムの構成部分において対応の回転調整を含める必要性を排除する。しかしながら、いくつかの実施形態では、これらの他の回転調整は、また、様々なシステム構成部分の位置合わせに対するさらなる制御のために含まれている。回転カップリングを備えたネストは、また、例えば、Evansにより2004年8月3日に出願され、「MULTI-WELL CONTAINER POSITIONING DEVICES AND RELATED SYSTEMS AND METHODS」と名称付けられた、国際出願番号PCT/US04/025079に記載されている。それは、参考として組込まれる。
【0064】
2つの異なる軸に沿って位置決めすることについて、本発明の位置決め装置は、一般に、複数窪み容器の2つの軸の各々を受け入れるように位置決めされた一若しくは複数の位置合わせ部材(上で説明された)を有する。例えば、図17A及び図17Bは、本発明による複数窪み容器ステーション1700の一実施形態を示している。示されるように、複数窪み容器ステーション1700は、位置決め装置(一部分だけが示される)の支持構造1702に配置される。支持構造1702は、真空板1704を支持する。突起1706及び1708は、位置合わせ部材として機能する。複数窪み容器ステーション1700の図示された実施形態は、支持構造1702から延在する2つのy軸突起1708と1つのx軸突起1706とを有している。従って、y軸突起1708及びx軸突起1706は、ここに記載されるように、一度、それが位置決めされたならば、その位置に複数窪み容器を保持又は「ロック」する真空板1704も対して固定して位置決めされる。y軸配置突起1708は、複数窪み容器のy軸表面(例えばマイクロプレートのy軸壁)と協働するように構築され、一方、x軸突起1706は、上記容器のx軸表面(例えばマイクロプレートのx軸壁)と協働するように構築されている。
【0065】
本発明の別の態様は、マイクロプレートの位置決めに特に適用する。例示すると、マイクロプレート1800は、図18A〜図18Cに示される。示されるように、マイクロプレート1800は、試料及び試薬を保持する多数の個々の試料窪みを有する窪み領域1802を備える。マイクロプレート(例えば透明な底板、固体の底板、ガラス底板など)は、6、12、24、48、96、192、384、768、1536、3456、9600、又はこれを超える窪みを有する一般に利用可能な板を含み、種々様々の試料窪みにて作製される。マイクロプレートは、例えばGreiner America社(レイクメリー、フロリダ、米国)を含む様々なメーカーから購入可能である。本発明の位置決め装置を用いて、任意に位置決めされる例示的なマイクロプレートもまた、例えば、Zhangらにより2004年9月3日に出願された、「MULTI-WELL CONTAINERS、SYSTEMS、AND METHODS OF USING THE SAME」と名称付けられた、国際特許出願番号PCT/US2004/029068 に記載されている。これは参考として組込まれる。マイクロプレート1800は、その底に位置決め端1806を有する外側壁1804を有している。さらに、マイクロプレート1800は、マイクロプレート1800の底側の窪み領域より下の底面1808を含んでいる。底面1808は、位置合わせ部材受入れ領域1810によって外側壁1804から分離される。位置合わせ部材受入れ領域1810は、外側壁1804の表面、及び底面1808の端にある内側壁1812によって境界付けられる。位置合わせ部材受入れ領域1810にいくつかの側壁保持1814があることがあるが、これらの領域は、内側壁1812と外側壁1804の内面との間に一般に開いている。
【0066】
本発明のある態様によれば、マイクロプレートを位置決めするために、複数窪み容器ステーションの位置合わせ部材は、マイクロプレートの内側壁1812と協働するように任意に配置される。壁1804のような、板1800の外側壁に比べて、内側壁1812が一般的により正確に形成され試料窪み領域の周囲とより近くに結合するので、内側壁1812は、有利に用いられる。従って、位置合わせ部材に対してマイクロプレートの内側壁(例えば内側壁1812)を位置合わせすることは、壁1804のような外側壁と位置合わせする代わりに一般に用いられる。位置合わせ面として内側面を使用することにより得られる位置決め精度の向上は、1536の窪み板のような高密度マイクロプレートの使用を可能にする。さらに、板1800の内側壁1812と協働する位置合わせ部材(例えば位置合わせ突起1706及び1708)を有することにより、板の外部に隣接して最小の構造が必要である。このような方法で、ロボットアーム又は他の移送装置は板1800に容易にアクセスすることができる。内側壁1812に隣接して突起を位置決めすることは、板1800の移動を容易にする。しかしながら、位置合わせ部材又は突起は、他の位置に置くことができ、さらに板の正確な位置決めを容易にすることができることは認識されるだろう。
【0067】
また図17A及び図17Bに示されるように、複数窪み容器ステーション1700は、x軸とy軸の両方に沿ってマイクロプレートを位置決めするプッシャー1712及び1718を含んでいる。マイクロプレートが一般にx軸及びy軸突起に隣接して位置決めされるとき、マイクロプレートの底面は、真空板1704の上面1710の直上にある。支持構造1702における溝穴1714を通って延在するY軸プッシャー1712は、マイクロプレートのy軸側壁に圧力を加えるために用いられる。マイクロプレートをy軸突起1708に押しつけるために、十分な力が板接点1716にて板に適用される。マイクロプレートがy軸突起1708に押しつけられるとき、支持構造1702の溝穴1720を通って延在するx軸プッシャー1718は、x軸突起1706側へのマイクロプレートのx軸壁を押すために用いられる。このように、マイクロプレートは、正確に精度良く、x軸及びy軸突起の両方に対して位置決めされる。必要ではないが、外側壁よりもむしろマイクロプレートの内側壁に一若しくは複数のプッシャーを接触させることが、時々有利である。この配置で、位置合わせ部材及びプッシャーは、マイクロプレートの下にある。これは、板の外部を取り巻く領域を、例えば支持体にマイクロプレートを置く他の装置と別の方法で干渉する可能な突起から自由にする。
【0068】
上述したように、図17A及び図17Bに示す実施形態の複数窪み容器位置決め装置は、選択位置に適切に位置決めされた容器を保持し平らにするように、保持装置として機能する真空板1704を含んでいる。y軸プッシャー1712及びx軸プッシャー1718の両方がマイクロプレートを正確に置くために十分な力を与えている状態で、真空源(不図示)は、オリフィス1724を通して真空ライン1722を介して真空を作用する。空気源(不図示)は、プッシャーの移動を達成するためエアーライン1723を通して空気圧を加える。ここで記載される装置を用いて複数窪み容器を位置決めする方法は、さらに以下に記述されている。
【0069】
さらに例示すると、図19は、本発明の複数窪み容器位置決め装置に任意に含まれる容器ステーションの1つの実施形態を示す。真空源(不図示)は、真空入口1902及び1904に接続する真空ライン1900に接続される。真空ライン入口1902及び1904は、容器ステーションのチャンバー(不図示)に接続され、連通する。
【0070】
本発明の位置決め装置は、また、複数窪み容器と真空板との間に真空効果が存在するか否かを検出するための検出スイッチ又は他の手段を含むことができる。例えば、図17Bは、真空スイッチ孔1732を示す。真空スイッチ孔は、複数窪み容器の下の十分なレベルの真空を確認する真空検出スイッチに真空度を伝える。このような方法で、複数窪み容器を保持する真空力は、容器が真空板1704に保持されている間、測定されモニター可能である。真空度が不十分ならば、検出スイッチは、コントローラー又は操作者に、容器が適切に位置決め、及び/又は保持されておらず、よってさらなる処理に対する準備ができていない旨の信号を送ることができる。反対に、真空が感知されるならば、スイッチは、さらに処理を続ける信号をコントローラーへ送ることができる。
【0071】
検出装置を含んでいる容器ステーションの例は、一般に支持構造の上面に位置決めされた真空板1704を有する支持構造の底側を示す図19に示される。図19の底面図では、真空板は見えないが、点線1906は、支持構造の反対側の真空板の一般的な位置を示す。真空スイッチ孔は、真空スイッチライン1912を通して真空スイッチ1910に接続する真空スイッチ入口1908と連通する。真空スイッチ1910は、コントローラー1914に真空状態を伝えるコントロールライン1916を通ってコントローラー1914に電気的に接続される。その点において、真空板に対してマイクロプレートを強固に引くために十分な真空が真空板にて達成されたとき、コントローラー1914は信号を受信する。コントローラー1914は、また、コントロールライン1918を介して真空源と通じることができ、及び任意で、コントロールライン1920を介して空気供給源(以下に記載された)に通じることができる。コントローラー1914は、また、傾向を受信でき、及びシステム接続ライン1922を介して他のシステム構成部分に状況情報を送ることができる。コントローラーは、さらに以下に記載される。
【0072】
一旦、真空源が真空板に対してマイクロプレート又は他の対象物を安定して保持したならば、追加の処理(例えば材料の移送など)は、マイクロプレートにて確実に正確に実行可能である。マイクロプレート又は他の対象物の処理が完了するとき、真空源は、真空板から対象物を解放するために一般的に非作動にされる。
【0073】
本発明の複数窪み容器位置決め装置は、上記装置の異なる構成部分又は上記装置を含むシステムの動作と調和するコントローラー又はコントロールシステムを一般的に有する。図20は、本発明の位置決め装置の容器ステーション1915用のコントロールシステム1900の1つの例を示す。コントロールシステム1900は、コントロールライン1917を通り容器ステーション1915に接続されたコントローラー1914を一般的に備える。コントロールライン1917は、容器ステーション1915上の制御コネクター1934を接続するため接続を容易にするようにコネクター1919で終端可能である。この配置は、構成部分の接続及び分離を容易にする。コントローラー1914も、例えばシステム接続ライン1922を通して高生産性システムでの他のシステム構成部分に接続可能である。例えば、コントローラー1914は、中央制御システムからの指示をマトリックス化し、状況情報を戻りで報告する。
【0074】
この実施形態におけるコントローラー1914は、また、真空源コントロールライン1918を通して真空源1921を制御し、空気供給コントロールライン1920を介して任意に空気供給1923を制御する。このような方法で、コントローラーは、指示を受理し、又は高生産性システムコントローラーへ状況情報を送り、複数窪み容器の正確な位置を制御しモニターすることができる。
【0075】
いくつかの実施形態では、x軸プッシャー1718及びy軸プッシャー1712の両方は、空気ピストンによって作動される。空気供給1923は、y軸空気供給ライン1924及びx軸空気供給ライン1926に向けられる空気供給ライン1920を通して加圧空気を提供する。y軸空気供給ライン1924は、y軸供給ライン1924を開き又は閉じるバルブとして作動するy軸空気スイッチ1928へ受け入れられる。y軸空気スイッチは、x軸空気スイッチコントロールライン1930を通してコントローラー1914により管理される。コントローラー1914がy軸空気スイッチ1928を開位置に向けるとき、空気圧は、y軸ピストン空気供給ライン1932へ入る。y軸ピストン空気供給ライン1932は、y軸アーム1936を駆動するy軸空気ピストン1934に接続される。例えば水撃ポンプ、電磁気アクチュエーター、又は歯車伝動のようなプッシャーを作動させるための他のメカニズムが用いられてもよいことが認識されるだろう。
【0076】
y軸アーム1936は、ピボット1940のまわりにレバー1938を駆動する。従って、空気ピストン1934が作動されるとき、y軸プッシャーピン1712は、その休息位置から移動する。休息位置は、レバー1938とバネ支持1944との間に取り付けられるバネ1942によって規定される。このような方法にて、バネ1942は、レバー1938を枢軸点1940から回転させる。いくつかの実施形態では、空気ピストン1934が作動していないとき、バネは、マイクロプレートにy軸プッシャー1712を強固に係合させる。従って、空気ピストン1934が作動するとき、y軸プッシャー1712は、マイクロプレートの壁から離れ移動する。
【0077】
空気ピストン1934は、磁気スイッチコントロールライン1948を介してコントローラー1914にy軸アーム位置1936を伝えるy軸磁気スイッチ1946を有している。かかる方法で、コントローラーは、y軸アーム1936の位置状態を示す信号を受ける。例えば、マイクロプレートからy軸プッシャー1712を完全に非係合とする位置に空気ピストン1934がy軸アーム1936を動かしたとき、信号は、ライン1948に出力可能である。
【0078】
x軸空気スイッチ1950は、x軸空気スイッチコントロールライン1952を通してコントローラー1914に接続される。コントローラー1914がx軸空気スイッチ1950を作動させるとき、空気圧は、X軸ピストン空気供給ライン1954にかけられる。該空気圧は、x軸空気ピストン1958のx軸アーム1956を駆動する。x軸アーム1956の位置を示す信号を生成するため、x軸磁気スイッチ1960は、磁気スイッチコントロールライン1962を通りコントローラー1914と情報伝達する。いくつかの実施形態では、x軸空気ピストン1958は、空気ピストン1958が非作動のときにx軸プッシャー1718を引っ込ませて、かつx軸空気ピストン1958が作動するとき、マイクロプレートに対してx軸プッシャー1718を押すように構成される。x軸空気ピストン1958が作動され、x軸プッシャー1718がマイクロプレートに対して駆動されたとき、磁気スイッチ1960は、一般的に、マイクロプレートがx軸に沿って位置決めされたことをコントローラー1914に示す信号をライン1962に生成する。
【0079】
また、図21〜図23を参照して、y軸プッシャーの1つの実施形態の動作をさらに記載する。この実施形態におけるy軸プッシャーは、垂直部1964及び水平部1956を有する一般にL字形の部材である。接触コネクター1966は、板接点1716を付ける垂直部1964の頂端部に位置する。水平部1956は、垂直部1964から直角に延在し、拡大したアーム接点1968で終端となる。アーム接点1968は、y軸ピストン1934のy軸アーム1936と協働するように構成され配置される。いくつかの実施形態では、y軸アーム1936は、y軸アーム1936の長さを調節するための調整機構で終端する。
【0080】
レバー1938の水平部1956は、y軸プッシャー1712を枢軸点1940に関して回転可能とするピボットピンを受け入れるピボット1940を有している。水平部1956は、また、バネ1942の一端を受け入れるバネコネクター1970を有している。バネ1942他端は、安定した支持体1944のような安定した支持体に接続される。1つの構成では、バネ支持1944は、y軸空気ピストン及び位置決め装置の支持構造に取り付けられる。バネ1942が、バネ接点1970と安定した支持体1944との間に接続されるとき、バネは、空気ピストン1934の方へアーム接点1968を引っ張る。図示する例において、レバー1938は、枢軸点1940に関して回転するように構成され、板接点1716は、空気ピストンから遠ざかる方向に一般に回転する。
【0081】
図示された実施形態では、空気ピストン1934が非作動のとき、バネ1942は、真空板1704のy軸壁1733側へ板接点1716を押すように作用する。マイクロプレートが真空板1704に一般に置かれるならば、板接点1716は、マイクロプレートのy軸壁と接触し、y軸突起1708側へ板を押す。最適の位置決め動作のため、y軸プッシャー1712は、マイクロプレートのy軸壁へ一定で安定した位置決め力を提供すべきである。一定の圧力を保証するために、y軸プッシャー1712により作用する力は、バネ1942によって決定される。バネは、一般的に一定の力を提供するので、マイクロプレートは、既知で一定の引張力で位置決めされるであろう。
【0082】
ある実施形態では、マイクロプレートがy軸に対して位置決めされた後、y軸プッシャーは、マイクロプレートのy軸壁に対する力を作用し続ける。x軸プッシャーが作動するとき、x軸プッシャー1718は、x軸突起1706側へマイクロプレートを移動する。従って、y軸プッシャーがマイクロプレートに対して力を作用し続ける間、マイクロプレートは、板接点及びレバー1938に関連して移動される。より詳細には、レバー1938は、ひずむのを防止しかつ一定で安定したy軸力を維持するため、一般的にはx軸方向に安定性を維持する。レバー1938のかかる安定性を達成するため、レバー1938は、枢軸点1940に関して回転する回転するレバーとして構成される。枢軸点1940及び板接点は、マイクロプレートのx軸に一般的に位置合わせされるので、ピボットは、板接点1716のx軸位置を実質的に安定させるように作用する。従って、y軸プッシャー1712がマイクロプレートを十分に押し、かつx軸プッシャー1718がマイクロプレートをx軸突起1706側へ移動するとき、y軸プッシャー1712は、一定で安定したy軸力を維持する。また、マイクロプレートと低摩擦接点を有するように板接点1716を構成することにより、ひずみを避けることができる。
【0083】
いくつかの実施形態では、y軸プッシャーは回転レバーとして形成されるが、y軸突起側へマイクロプレートを移動させるために、他の構成が用いられてもよいことは、認識されるだろう。例えば、マイクロプレート壁の方へ板接点を安定して一定に移動させるために、一定で安定した空気力にて空気ピストンが駆動されている状態で、板接点1716が空気ピストンアームに直接取り付けられてもよい。
【0084】
一旦、真空源が真空板1704に対してしっかりとマイクロプレートを保持したならば、追加の処理をマイクロプレートに確実に正確に行なうことができる。マイクロプレートの処理が完了したとき、真空源は、真空板1704からマイクロプレートを解放するために一般的に非作動とされる。このプロセスでは、x軸プッシャー1718及びy軸プッシャー1712の両方は、解放される。真空がオフとなり、プッシャーが解放されることで、マイクロプレートは、さらなる処理のために、例えば、手動で、ロボットの転置装置などを用いて、容易に位置決め装置から持ち上げ移動することができる。
【0085】
さらに図19を参照し、該図は、本発明の1つの実施形態による複数窪み容器位置決め装置用の複数窪み容器ステーションの構成部分の1つの例示的な配置を図示する。図19は、一般に、支持構造1907の上面に位置決めされた、真空板1704を有する支持構造1907の底側を示す。図19の底面図からは、真空板1704は見えないが、点線1906は、支持構造1907の反対側の真空板1704の一般的な位置を示す。
【0086】
空気源(不図示)は、一般的に、支持構造1907の周囲でy軸空気供給ライン1924及びx軸空気供給ライン1926へ延びる空気供給1937に接続される。y軸空気供給ライン1924は、y軸空気スイッチ1928に接続され、また、x軸空気供給ライン1926は、x軸空気スイッチ1950に接続される。空気スイッチ1928及び1950は、電気コネクター1934に電線1930及び1952を介して電気的に接続され、コネクタ1919及びコントロールライン1917を通りコントローラー1914に接続される。従って、コントローラー1914は、空気ピストンを作動又は非作動とするように空気スイッチを管理することができる。例えば、コントローラー1914は、y軸空気スイッチ1928を作動させることができ、それによって、y軸空気供給ライン1932を加圧し、空気ピストン1934のアーム1936を駆動する。アーム1936が駆動されたとき、レバー1938は、枢軸点1940の周りに回転し、真空板からy軸プッシャーレバーを引き離す。コントローラー1922がy軸空気スイッチ1928を非作動としたとき、ピストン1934から空気が抜かれ、バネ接点1970と安定支持体1944との間で張力下にあるバネ1942は、真空板側へy軸プッシャーに張力をかける。磁気スイッチ1946は、y軸プッシャー位置を示すためにコントロールライン1948を通ってコントローラー1914と情報伝達する。
【0087】
コントローラー1914は、また、開かれたときに、x軸空気ピストン1960のx軸アーム1956を駆動するためx軸ピストン空気供給ライン1954を加圧するx軸空気スイッチ1950を制御する。従って、x軸プッシャー1718は、真空板1704の方へ推進される。いくつかの実施形態では、x軸プッシャー1718は、x軸アーム1956に直接に取り付けられる。x軸アームにx軸プッシャーを取り付けるために、他の構成及び配置が用いられてもよいことが認識されるだろう。例えば、これらの他の実施形態は、さらに上に記載される。スペースを節約するために、空気圧がピストン1958に加えられるときに、アーム1956がピストン本体1958へ引かれるようにx軸ピストンは配置される。圧力が解放されるときに、x軸プッシャー1718が保持されたいずれのマイクロプレートから解放されるようにアーム1956は移動する。x軸プッシャー1718がマイクロプレートに対して完全に係合しているという信号をコントローラー1914が受信できるように、磁気スイッチ1960は、ライン1962を介してコントローラー1914に接続される。
【0088】
本発明は、また、例えば高生産性スクリーニング又は洗浄処理の一部として、複数窪み容器の選択された窪みから及び/又は窪みへ流体を迅速に除去及び/又は分配可能な複数窪み容器処理システムを提供する。ある実施形態では、例えば、これらのシステムは、一般的に高度に自動化され、少なくとも一つの流体除去ヘッドに加え、真空ポンプのような少なくとも一つの負圧源と、遠心ブロワと、又はその他同種のものを含む流体除去構成部分を含んでいる。複数窪み容器からの流体除去を達成するため、負圧源により流体除去ヘッドの先端へ入口で負圧が作用可能なように、負圧源は、一般的に、チューブ又は他の導管を介して流体除去ヘッドに操作しやすく接続される。本発明のシステムで任意に利用される流体除去ヘッドは、さらに以下に記載され、かつ、例えば、Micklash IIらにより2004年8月4日に出願され、「MULTI-WELL CONTAINER PROCESSING SYSTEMS, SYSTEM COMPONENTS、AND RELATED METHODS」と名称付けられた、米国の仮特許出願番号60/598,994、及び、Micklash IIらによって2004年4月7日に出願され、「MATERIAL REMOVAL AND DISPENSING DEVICES、SYSTEMS、AND METHODS」と名称付けられた国際公開番号WO 2004/091746 に記載されている。これらは両方とも参考として組み込まれる。ここに記載する、複数窪み容器位置決め装置に加え、それらの複数窪み容器処理システムは、また、複数窪み容器の選択された窪み内へ物質(例えば流体材料など)を分配するように構成された分配構成部分を一般的に含んでいる。例えば、分配用の構成部分は、複数窪み容器がディスペンサーに隣接して配置されたとき、一若しくは複数の複数窪み容器に配置された窪みに位置合わせされる少なくとも一つのディスペンサーを一般的に含んでいる。コントローラーも、また、一若しくは複数のシステム構成部分に一般的に操作しやすく接続されている。様々な他の構成部分も、本発明のシステムに任意に含まれている。これらのあるものがさらに以下に記載される。
【0089】
さらに本発明のシステムを例示すると、図24Aは、複数窪み容器処理システムの1つの実施形態を模式的に斜視図にて示す。示されるように、複数窪み容器処理システム2400は、Y及びZ軸転置構成部分2402に装着された流体除去ヘッド2401を含んでいる。転置構成部分2402は、例えば、流体除去のため複数窪み容器にアクセスするために、流体除去ヘッド2401、及び/又はZ軸に沿った分配構成部分(さらに以下に記載する)のような他の構成部分を移動させるように構成される。転置構成部分2402もまた、例えば、複数窪み容器をまたいで、流体除去ヘッド2401及び分配構成部分を移動させるためにY軸に沿ってこれらの構成部分を移動するように構成される。より詳細には、駆動機構2438は、Z軸平行移動を達成し、一方、駆動機構2440は、これらの構成部分のY軸移動を達成する。駆動機構2438及び2440は、一般的に、サーボモータ、ステッピングモーター、又はその他同種のものである。図24Aには示していないが、チューブ又は他の導管は、操作しやすく負圧源に流体除去ヘッド2401を接続する。本質的に、ここに記載されるように複数窪み容器の位置決め、及び/又は流体除去を達成するために、いかなる負圧源も、これらのシステムで任意に利用される。いくつかの実施形態では、例えば、負圧源は、吸水力を生み出すことができる真空又は遠心ブロワのポンプのようなポンプを含んでいる。この性質の様々なポンプは、技術的に知られており、様々なサプライヤーから商業的に入手可能である。負圧源は、様々な速度で負圧を加えられるように一般に構成される(例えばコントローラーで管理され)。負圧源からの圧力流れを調節するように構成された少なくとも1つのバルブ(例えば電磁弁など)は、一般に、流体除去ヘッド2401及び/又はチューブに操作しやすく接続される。さらに、一若しくは複数のトラップ(例えば流体トラップ、容器、フィルタなど)が、後に続く分配のため複数窪み容器から除去される物質(例えば廃棄物又は同種のもの)をトラップし蓄えるために、流体除去ヘッド2401と負圧源との間の流体ラインに一般的に配置される。
【0090】
また示されるように、複数窪み容器処理システム2400は、転置構成部分2402に装着された分配構成部分2404及び2406をさらに含んでいる。転置構成部分2402は、また、Y及びZ軸に沿って分配構成部分2404及び2406を平行移動、又は移動させる。分配構成部分2404及び2406は、分配ヘッド2408及び2410を含む。示されていないが、チューブ又は他の流体導管は、一般的に、マニホルド2416及び2418にそれぞれ電磁弁2412及び2414を接続する。これらのシステムの分配構成部分は、任意に、蠕動ポンプ、シリンジポンプ、ボトルバルブなどを含んでいる。マニホルド2416及び2418は、また、チューブ又は他の流体導管(不図示)を介して一若しくは複数の容器(例えば流体容器2420及び2422)と一般的に流体で連通している。流体は、ポンプ又は同種のもののような操作しやすく接続された流体方向構成部分により、それらの容器から分配ヘッド2408及び2410へ一般に搬送される。
【0091】
図24B及び図24Cは、図24Aの複数窪み容器処理システム2400からの流体除去ヘッド2401及び分配ヘッド2408の詳細な上面図及び底面図をそれぞれ斜視図にて模式的に示す。示された実施形態にて、ディスペンサー、あるいは分配先端2424は、垂直な即ちZ軸に関する角度にて分配ヘッド2408に配置される。動作中、一旦、流体が複数窪み容器から除去されたならば、分配ヘッド2408は、板の選択された窪みを、例えば洗浄液、試薬、又はその他同種のもので満たすように、任意に利用される。分配先端2424は、流体が分配されるとき、選択された窪みの底に存在する除去されていない物質(例えば細胞等)が邪魔をしないことを確保するため、流体が選択された窪みの側面に分配されるように、角度付けされている。任意に、分配先端は、例えば、Z軸に実質的に平行に配置される。これは、例えば、分配ヘッド2410に示されている。いくつかの実施形態では、分配する構成部分は、複数の、複数窪み容器に物質を実質的に同時に分配するように構成されている。複数の、複数窪み容器に流体を分配する分配構成部分は、任意に本発明のシステムでの使用に適応され、例えば、Downs 等による「APPARATUS AND METHODS FOR PREPARING FLUID MIXTURES」と名称付けられた米国特許番号6,659,142、及びDowns 等により2002年3月27日に出願され、「MASSIVELY PARALLEL FLUID DISPENSING SYSTEMS AND METHODS」と名称付けられた国際公開番号WO 02/076830 に記載されている。これらは両方とも参考として組み込まれる。
【0092】
また、図24Aに示されるように、複数窪み容器処理システム2400は、複数窪み容器位置決め装置2426を含む。該複数窪み容器位置決め装置2426は、物質が複数窪み容器の選択された窪みから除去可能、及び/又は選択された窪みへ分配可能なように、流体除去ヘッド2401及び分配ヘッド2408及び2410に対して複数窪み容器を正確に位置決めし及び保持する(ここに記載するように)。位置決め装置2426は、X軸転置構成部分2428に取り付けられる。該X軸転置構成部分2428は、先端入口を有する複数窪み容器に配置された窪みを流体除去ヘッド2401、並びに分配ヘッド2408及び2410の分配先端に位置合わせするため、X軸に沿って位置決め装置2426を移動(例えば滑動させる)させる。位置決め装置2426及び/又は他の構成部分の移動を達成するために、サーボモータ、ステッピングモーター、又は同種のもののような駆動機構(不図示)は、X軸転置構成部分2428に一般に操作しやすく接続される。
【0093】
複数窪み容器処理システム2400は、また、流体除去ヘッド2401、及び分配ヘッド2408、2410の分配先端を洗浄又は別の方法で清浄にするように構成された掃除又は洗浄構成部分2430を含んでいる。洗浄構成部分2430は、また、X軸転置構成部分2428(例えば複数窪み容器移動構成部分など)に装着される。位置決め装置2426を移動させることに加えて、転置構成部分2328は、また、流体除去ヘッド2401、及び分配ヘッド2408,2410の分配先端を洗浄構成部分2430の構成部分に位置合わせするように、X軸に沿って洗浄構成部分2430を移動(例えば、滑動させる)させる。より特別に、洗浄構成部分2430は、例えば、位置決め装置2426に位置決めさせ保持された複数窪み容器から物質が除去された後、転置構成部分2402が洗浄のために流体除去ヘッド2401を沈める再循環槽又はトラフ2432を含んでいる。さらに、洗浄構成部分2430は、また、例えば分配先端の外表面に付着した流体又は他の物質を除去するため、転置構成部分2402により分配先端ヘッド2408及び2410がそれぞれ沈められる真空ポート2434及び2436を含んでいる。
【0094】
本発明のシステムは、任意にさらに様々な保温構成部分及び/又は複数窪み容器貯蔵構成部分を含む。いくつかの実施形態では、例えば、システムは、複数窪み容器内の温度を保温又は調節するように構成された保温構成部分を含む。例示すると、多数の細胞を基にした、あるいは他のタイプの分析は、保温ステップを含んでおり、これらのシステムを用いて行なうことができる。本発明のシステムを備え使用に任意に適応される保温装置に関する追加の細部は、例えば、Weselakらによって2002年7月18日に出願され、「HIGH THROUGHPUT INCUBATION DEVICES」と名称付けられた国際公開番号WO 03/008103 に記載されている。これは、参考として組み込まれる。ある実施形態では、本発明の複数窪み容器処理システムは、一つ若しくは複数の複数窪み容器を蓄えるように構成された複数窪み容器貯蔵構成部分を含んでいる。かかる貯蔵構成部分は、一般的に技術的に知られており、Beckman Coulter社(フラートン、カリフォルニア、アメリカ)のような様々な商用サプライヤーから容易に入手可能な、複数窪み容器ホテル又はカルーセルを含んでいる。例えば、1つの実施形態では、本発明の複数窪み容器処理システムは、ユーザが、板の自動処理用のシステムの一若しくは複数の貯蔵構成部分へ、洗浄すべき又は他の方法で処理すべき多くの複数窪み容器を乗せるスタンド・アロンのステーションを含んでいる。これらの実施形態では、本発明のシステムは、また、一般的には、板を、例えば、保温又は貯蔵の構成部分と位置決め構成部分との間で板を移動する一若しくは複数のロボットのグリッパー装置を含む。本発明のシステムで使用するに適しているロボットのグリッパーは、さらに以下に記載されるか、又はそうでなければ技術的に知られている。例えば、Clontech(パロアルト、カリフォルニア、アメリカ)から入手可能である、TECANR(登録商標)ロボットは、ここに記載されたシステムでの使用に任意に適応される。
【0095】
ある実施形態では、本発明のシステムは、また、例えば、複数窪み容器の窪み内で生成された検出可能な信号を検出するように構成された少なくとも1つの検知器又は検出構成部分を含んでいる。これらのシステムで任意に利用される適切な信号検知器は、例えば蛍光、燐光、放射能、質量、濃度、pH、電荷、吸光度、屈折率、ルミネッセンス、温度、磁気、又はその他同種のものを検知する。検知器は、任意に、例えば所定の分析ステップの動作の上流及び/又は下流からの一若しくは複数の信号をモニターする。例えば、検知器は、位置における「リアル・タイム」の結果に対応する複数の光学信号を任意にモニターする。例示の検知器又はセンサーは、光電子増倍管、CCDアレイ、光学センサー、温度センサー、圧力センサー、pHセンサー、導電性センサー、走査検知器、又は同種のものを含んでいる。それらの各々、並びに、他のタイプのセンサーは、ここに記載されたシステムに任意に容易に組み入れられる。検知器は、任意に、複数窪み容器若しくは他の分析構成部分に対して移動し、又は、その代わりに、複数窪み容器又は他の分析構成部分は、検知器に対して移動する。ある実施形態では、例えば、検出構成部分は、ここに記載されたシステムの位置決め装置に位置決めされた複数窪み容器に対して検出構成部分を移動させる平行移動構成部分に連結される。任意に、本発明のシステムは、複数の検知器を含んでいる。これらのシステムでは、検出器が複数窪み容器又は他の容器との知覚のコミュニケーション内にあるように(即ち、検知器が検出を意図する板又は容器、又はそれらの一部分の特性、板又は容器の一部分の内容、又は同種のものを検出器が検出することができる。)、上記検知器は、例えば複数窪み容器又は他の器のいずれかに、又は隣接して、一般的に置かれる。
【0096】
検知器は、任意にコンピューターを含んでいるか、又はコンピューターに操作しやすくリンクされており、例えば、検出器は検知器信号情報を分析結果情報又はその他同種のものに変換するためのシステムソフトを有している。例えば、検知器は、任意に別個のユニットとして存在するか、又はコントローラーとともに単一のユニット内に統合される。単一のユニットへのこれらの機能の統合は、システム構成部分間の情報伝送用の少数又は単一の通信ポートの使用を可能にすることにより、コンピューターとのこれらの装置との接続を容易にする。コンピューターとコントローラーは、さらに以下に記載される。本発明のシステムに任意に含まれる検出構成部分は、さらに、例えばSkoog等著、Principles of Instrumental Analysis, 第5編、Harcourt Brace College Publishers (1998) 及び、Currell著、Analytical Instrumentation: Performance Characteristics and Quality, John Wiley & Sons 社, (2000) に記載されている。これらは、両方とも参考として組み込まれる。
【0097】
本発明のシステムは、また、複数窪み容器処理システムの構成部分、及び/又は複数窪み容器処理システムと他の場所(例えば他のワークステーションなど)との間で複数窪み容器をつかみ移動するように構成された、少なくとも1つのロボットの把持構成部分を任意に含んでいる。ある実施形態では、例えば、システムは、位置決めする構成部分間、保温構成部分間、及び/又は検出構成部分間で、複数窪み容器を移動させる把持構成部分をさらに含んでいる。様々な利用可能なロボットエレメント(ロボットアーム、移動可能なプラットフォームなど)は、これらのシステムで使用可能か、又は使用するために修正可能である。このロボットエレメントは、一般的に、それらの移動及び他の機能を制御するコントローラーに操作しやすく接続される。本発明のシステムでの使用に任意に適応される例示的なロボットの把持装置は、例えば、Downs等による、2003年7月15日に発行され、「GRIPPER MECHANISM」と名称付けられた米国特許番号6,592,324、及び、Downs等による、2002年2月26日に出願され、「GRIPPING MECHANISMS、APPARATUS、AND METHODS」と名称付けられた国際公開番号WO 02/068157 に記載されている。これらは両方とも参考として組み込まれる。
【0098】
本発明の複数窪み容器処理システムは、また、システムの一若しくは複数の構成部分(例えば複数窪み容器位置決め装置、電磁弁、ポンプ、転置構成部分など)の動作を制御するため、上記構成部分に操作しやすく接続されるコントローラーを一般的に含む。より詳しくは、コントローラーは、一般に、別個として、又は統合されたシステム構成部分として含まれる。上記システム構成部分は、例えば負圧源(例えば、真空板オリフィスに、流体除去ヘッド先端入口にて、など)により作用される圧力、分配ヘッドから分配される試料、試薬、洗浄液、あるいはた同種のものの量、例えば、流体除去又は分配ヘッドに対する複数窪み容器の位置決めのときのプッシャーの動作、転置構成部分の動作、等を調節するのに利用される。コントローラー及び/又は他のシステム構成部分は、適切にプログラムされたプロセッサー、コンピューター、デジタル装置、あるいは他の情報機器(例えば、必要とされるような、アナログからデジタル、又はデジタルからアナログへの変換器を含む)に任意に接続される。それらは、予めプログラムされた又はユーザ入力の命令、受信データ、それらの機器から情報に従いそれらの機器の動作を指示し、この情報をユーザへ解釈し、操作し、報告するように機能する。
【0099】
いかなるコントローラー又はコンピューターも、多くの場合陰極線管(「CRT」)ディスプレイ、平面パネルディスプレイ(例えば能動的なマトリックス液晶ディスプレイ、液晶ディスプレイなど)又は他のものであるモニターを任意に含む。コンピューター回路は、マイクロプロセッサー、メモリ、インターフェース回路、及び他のもののような多数の集積回路チップを含む箱内にしばしば置かれる。箱は、また任意にハードディスクドライブ、フロッピー(登録商標)ディスクドライブ、書き込み可能なCD−ROMのような高容量リムーバブルドライブ装置、及び他の普通の周辺エレメントを含んでいる。キーボード又はマウスのような入力装置は、ユーザからの入力用に任意に備える。
【0100】
コンピューターは、ユーザの命令、例えばGUIにおける一組のパラメータフィールドへのユーザ入力の形態、又は例えば、様々な異なる特定操作のためにプリプログラムされたプリプログラム命令の形態を受け入れる適切なソフトウェアを一般的に含んでいる。そのソフトウェアは、例えば様々なシステム構成部分の動作の速度又はモードの修正又は選択、ロボットの把持装置、流体除去ヘッド、流体分配ヘッドの平行移動の管理、又は、一若しくは複数の複数窪み容器又は他の容器、又は同種のものの所望の動作を実行するために、一若しくは複数のコントローラの動作を指示するためにそれらの命令を適切な言語に変換する。コンピューターは、例えばシステム内に含まれたセンサー/検知器からデータを受け、そのデータを解釈し、それをユーザが理解したフォーマットにて提供し、あるいは、例えば、保温温度、検出できる信号強度又は同種のものをモニターするようなプログラムに従い、さらにコントローラー命令を起こすためにそのデータを用いる。より詳細には、ここに記載されたシステムの動作を制御するために利用されるソフトウェアは、複数窪み容器の窪み内の第1位置へ流体除去ヘッドの先端を降ろすように転置構成部分を管理する、及び、先端が降ろされ及び/又は一旦先端が窪み内の第1位置にあるとき、第1負圧を先端に作用するように負圧源を管理する論理命令を含んでいる。さらに、このソフトウェアは、例えば、流体の選択された体積が窪みから除去された後、窪みにおける第2位置へ若しくは開口に近接して窪みへ先端を上げるように転置構成部分を管理し、及び、先端から及び窪みの側面から付着している流体の除去を達成するためにベント開口を通して空気が引かれるように、第1負圧よりも大きい第2負圧を先端に作用させるように負圧源を管理する論理命令を、また一般に含んでいる。コンピュータ・プログラム生成物は、さらに以下に記載される。
【0101】
コンピューターは、例えば、PC(Intel x86、又はPentium(登録商標)のチップ互換のDOSTM、OS2TM、WINDOWS(登録商標)TM、WINDOWS(登録商標) NTTM、WINDOWS(登録商標)95TM、WINDOWS(登録商標)98TM、WINDOWS(登録商標)2000TM、WINDOWS(登録商標) XPTM、LINUXベースのマシン、MACINTOSHTM、パワーPC、又はUNIX(登録商標)ベースの(例えばSUNTM ワークステーション)マシン)、又は当業者に知られた市販の他の通常のコンピューターであることができる。ワードプロセッシングソフトウエア(例えばMicrosoft WordTM又はCorel WordPerfectTM)、及びデータベース・ソフトウェア(例えば、Microsoft ExcelTM, Corel Quattro ProTM のような表計算ソフト、あるいは、Microsoft AccessTM,ParadoxTM のようなデータベースプログラム)のような標準のデスクトップアプリケーションは、本発明に適応可能である。例えば、複数窪み容器位置決め、複数窪み容器の選択された窪みからの流体除去を行なうためのソフトウェアは、AppleScript、Visual basic,Fortran,Basic、Java(登録商標)、その他同様のもののような標準のプログラミング言語を用いる技術の一つにより任意に構成される。
【0102】
図25は、本発明の種々の態様が具体化可能な情報機器を含む例示的な複数窪み容器処理システムを示す模式図である。ここに提供される教えからの当業者により理解されるであろうように、本発明は、ハードウェア及びソフトウェアで任意に実行される。いくつかの実施形態では、本発明の異なった態様は、クライアント側ロジック又はサーバー側ロジックのいずれかにて実行される。また、当業者にて理解されるように、それの本発明又はその構成部分は、適切に構成された計算装置にロードされたとき、本発明に従い装置又はシステムに実行させる論理命令及び/又はデータを含む媒体プログラム構成(例えば、固定の媒体コンポーネント)にて具体化可能である。さらに当業者にて理解されるように、論理命令を含む固定媒体は、ビューアーのコンピューターへ物理的にロードするための固定媒体上のビューアーに提供可能であり、又は、論理命令を含む固定媒体は、プログラム構成をダウンロードするために、ビューアーが通信媒体を通ってアクセスするリモート・サーバ上で存在可能である。
【0103】
図25は、固定媒体2522を有するサーバー2520に任意に接続可能な媒体2517及び/又はネットワーク・ポート2519からの指示を読み取ることができる論理的な装置(例えばコンピューターなど)として理解可能な情報機器又はデジタル装置2500を示す。技術的に理解されるように、情報機器2500は、本発明の態様を具体化するためにサーバー又はクライアント・ロジックを管理するためそれらの指示を用いることができる。本発明を具体化可能な1つのタイプの論理的な装置は、CPU2507、オプションの入力装置2509、2511、ディスクドライブ2515、及びオプションのモニター2505を含む、2500にて示されるようなコンピューターシステムである。固定媒体2517、あるいはポート2519上の固定媒体2522は、そのようなシステムをプログラムするために使用可能であり、及び、ディスク・タイプの光学又は磁気メディア、磁気テープ、ソリッドステートの動的又はスタティック・メモリー、又は同種のものを表すことができる。特定の実施形態では、本発明の態様は、この固定媒体に記録されたソフトウェアの全体又は一部分として具体化されることができる。例示的なコンピュータ・プログラム生成物は、さらに以下に記載される。通信ポート2519は、また、かかるシステムをプログラムするために用いられる命令を最初に受け入れるために使用可能であり、及び、通信接続のいずれのタイプを表すことができる。任意に、本発明の態様は、特定用途向け集積回路(ACIS)又はプログラム可能論理デバイス(PLD)の回路内の全体又は一部分にて具体化される。かかる場合、本発明の態様は、ASIC又はPLDを作成するのに使用可能なコンピューターが理解可能なディスクリプタ言語で具体化可能である。図25は、また、複数窪み容器位置決め装置及び流体除去ステーション2524、ロボットの把持構成部分2529、保温構成部分2531、複数窪み容器貯蔵構成部分2533、及び検出構成部分2535を含む複数窪み容器処理システム2527を含んでいる。これらのシステム構成部分は、サーバー2520を介して又は直接に情報機器2500に一般的に操作しやすく接続される。動作中、流体除去ステーション2524は、例えば容器を洗浄するための工程の一部として、流体除去ステーション2524の位置決め装置に位置決めされ保持された複数窪み容器の選択された窪みから流体を一般的に取り除き、及び、ロボットの把持構成部分2529は、複数窪み容器処理システム2527の構成部分間で容器を移動させる。
【0104】
システム構成部分(例えば複数窪み容器位置決め装置構成部分、材料取扱装置構成部分、洗浄ステーション構成部分など)は、例えば、機械加工、プレス加工、彫刻法、射出成型、鋳造成型、エンボス、押し出し成型、エッチング(例えば電気化学エッチングなど)、又は他の技術のような、様々な製造技術、又はそのような技術の組み合わせによって任意に形成される。これら及び他の適切な製造技術は、技術的に一般に知られており、例えば、Altintas、Manufacturing Automation: Metal Cutting Mechanics, Machine Tool Vibrations, and CNC Design, ケンブリッジ大学出版局(2000), Molinariら(編集者)、Metal Cutting and High Speed Machining, Kluwer Academic Publishers (2002), Stephenson 等、Metal Cutting Theory and Practice, Marcel Dekker (1997), Rosato, Injection Molding Handbook, 第3編、Kluwer Academic Publishers (2000), Fundamentals of Injection Molding, W.J.T.Associates (2000), Whelan, Injection Molding of Thermoplastics Materials, Vol.2, Chapman & Hall (1991), Fisher, Extrusion of Plastics, Halsted Press (1976), 及び Chung, Extrusion of Plymers: Theory and Practice, Hanser-Gardner Publications (2000) に記載されている。ある実施形態では、以下の製造システム構成部分は、例えば、構成要素の表面と、試薬、試料又はその他同種のものとの間の相互作用を防ぐために、例えば、親水性のコーティング、疎水性のコーティング(例えば、Whitford株式会社(ウェストチェスター、ペンシルバニア、米国)から入手可能な、Xylan 1010DF/870 Black coating)、又は同種のものにより、任意にさらに処理される。
【0105】
装置及びシステムの構成部分製造材料は、反応不活性、耐久性、費用、又はその他同種のもののような特性に従い一般に選択される。いくつかの実施形態では、例えば、構成部分は、ステンレス鋼、陽極酸化アルミニウム、又はその他同種のもののような様々な金属材料から作製される。任意に、構成部分は、ポリテトラフルオロエチレン(テフロン(登録商標)TM)、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリスルホン、ポリエチレン、ポリメチルペンテン、ポリジメチルシロキサン(PDMS)、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリメチルメタクリル酸塩(PMMA)、又は同種のもののような高分子材料から作製される。ポリマーの部分は、製造するのが一般的に経済的であり、使い捨てとすることができる。構成部分は、また、例えばガラス、シリコン、又は同種のものを含む他の材料から任意に作製される

IV. コンピュータ・プログラム生成物
【0106】
本発明の様々な実施形態は、一般的な目的又は特殊な目的の情報処理器具の少なくとも一部で実行可能な複数窪み容器を位置決めし保持するための、Java、C++、C#、Perl、Python、Cobol、C、Pascal、Fortran、PL1、LISP、アッセンブリーなどのような適切なプログラム言語、及び適切なデータ又はHTML、XML、dHTML、tab-delimited text, バイナリー、等のようなフォーマット仕様を使用する、方法及び/又はシステムを提供することは認識されるだろう。明瞭さのため、実際の実施のすべての特徴は、ここに記載されるとは限らない。そのようないずれの実際の実施(いずれのソフトウェア開発プロジェクトのように)の開発において、ある実施から他の実施へ変化するであろう、システムと関連し及び/又はビジネスと関連する制約に応じるような開発者の特定の目標及びサブ目標を達成するために、多数の実施に特有の決定を行なわなければならないことは、理解されるだろう。さらに、かかる開発努力が複雑なことがあり時間を消費することがあるがしかし、それにもかかわらず、この開示の利益を有する当業者のためのソフトウェア工学のルーチン仕事になるであろうことは認識されるだろう。
【0107】
本発明の態様を実行可能なある制御ソフトウェアを一般に例示すると、1つのコンピュータ・プログラム生成物は、真空板を通り配置されたオリフィスが複数窪み容器の隣接する窪み間に配列される複数窪み容器の底面領域に少なくとも一つのプッシャーを用いて実質的に位置合わせされるように、ここに記載するような複数窪み容器位置決め装置の真空板に複数窪み容器を位置決めする論理命令を有するコンピューター読取り可能な媒体を含んでいる。プッシャーは、さらに上に記載される。ある実施形態では、コンピュータ・プログラム生成物は、また、複数窪み容器の底面の形状が、少なくとも1つの負圧源を用いて真空板の輪郭に実質的に一致するように、オリフィスを通り負圧を加えるための論理命令を含んでいる。例示的なコンピューター読取り可能な媒体は、例えばCD−ROM、フロッピー(登録商標)ディスク、テープ、フラッシュメモリデバイス又は部品、システム・メモリデバイス又は部品、ハードドライブ、搬送波に組み入れられたデータ信号、及び同種のものを含む。
【0108】
他の例示的なコンピュータ・プログラム生成物は、ここに記載するような複数窪み容器位置決め装置の複数のチャンバーへ印加された負圧の入力選択を実質的に同時に又は選択された順序にて受け入れ、かつ、上記入力選択に従い負圧源を有する複数窪み容器位置決め装置のチャンバーへ負圧を作用するための論理命令を有するコンピューター読取り可能な媒体を含んでいる。いくつかの実施形態では、コンピュータ・プログラム生成物は、複数窪み容器位置決め装置の真空板の選択された位置に少なくとも1つのプッシャーを用いて複数窪み容器を押し込むための論理命令を含んでいる。ある実施形態では、コンピュータ・プログラム生成物は、複数窪み容器位置決め装置の一若しくは複数のチャンバーに加える入力圧力レベルを受け入れるための論理命令を含んでいる。

V. 複数窪み容器位置決め方法
【0109】
本発明は、また、他の処理の中、流体分配、物質除去、分析、合成反応のような、さらなる処理のために複数窪み容器を位置決めする方法を提供する。図26のA〜Dを参照して例示すると、複数窪み容器ステーション2600に複数窪み容器を位置決めする一般的な工程の1つの実施形態が記載されている。位置決め装置が、真空板の選択位置へ複数窪み容器を移動させるために示されたものと同等のアプローチを使用可能であることが認識される。同様に、図はマイクロプレートの位置決めを特に示すが、マイクロプレート以外の対象物を位置決めするために位置決め装置の構成部分の配列を容易に改作可能である。特に、図26のA〜Dは、真空板(図内にはない)に置かれているマイクロプレート2600の単純化された底面を示す。図26のAは、マイクロプレート2600が相対的なX軸及びY軸位置合わせ部材2606及び2608に概ね位置決めされた装荷位置を示す。概ね位置決めされたとき、y軸位置合わせ部材2608がマイクロプレートのy軸端に沿った位置合わせ部材受入れ領域2610に受け入れられ、かつ、x軸位置合わせ部材2606がマイクロプレートのx軸端に沿った位置合わせ部材受入れ領域2610に受け入れられように、マイクロプレート2600は位置決めされる。従って、この実施形態では、突起は、内側壁2612と外側壁2604との間の位置合わせ部材受入れ領域2610に位置決めされる。概ねに位置決めされた方向にマイクロプレートを置くために、位置合わせ部材が他の構成においてマイクロプレートと協働可能であることが認識されるだろう。さらに、装荷を容易にするため、y軸プッシャー2613及びx軸プッシャー2618の両方がマイクロプレート2600から遠ざけて位置決めされる。
【0110】
図26のBを参照して、y軸プッシャー2613は、マイクロプレート2600の外側のy軸端と接触するように移動される。上述したように、マイクロプレートの内側の窪み表面と接触するようにプッシャーを配置することができる。y軸プッシャー2613は、マイクロプレート2600の壁2604で接点2616へ板2600を移動させるに十分な力で移動される。y軸プッシャー2613がマイクロプレート2600に対して加圧されたとき、必要ならば、y軸位置合わせ部材2608に対して内側壁2612を位置決めするためにマイクロプレートは移動される。y軸プッシャー2613が中央位置にてマイクロプレート2600のy軸端と概ね接触するとき、マイクロプレート2600は、最小の歪み力で移動される。このようにして、マイクロプレート2600は、しっかりと確実にy軸に位置決めされる。
【0111】
y軸にマイクロプレート2600を位置決めした状態で、図26のCは、マイクロプレート2600のx軸壁に対してx軸プッシャー2618が移動されることを示す。このような方法で、x軸プッシャー2618は、x軸位置合わせ部材2606に対して内側壁2612を位置決めするようにマイクロプレート2600を移動させる。x軸プッシャー2618がx軸位置合わせ部材2606に対して板2600を移動し保持している間、y軸プッシャー2613は、マイクロプレート2600のy軸壁に対して加圧したままである。接点2616に対してx方向におけるマイクロプレート2600の移動を容易にするため、接点2616は、一般的に低摩擦エレメントとなるように構成される。例えば、低摩擦接触点2616は、マイクロプレート2600がx軸プッシャー2618によりx軸に移動可能とされる間、マイクロプレート2600に対して一定の力を維持可能な、バネ装填部材に取り付けることができる。図22は、適切なバネ装填部材の例を示す。接触点は、また、テフロン(登録商標)TM及び同種のもののような、低摩擦材料で被覆可能である。低摩擦接触点は、また、例えばローラー又は回転する接触点、又は、摩擦を低減する他の手段を使用して構成することができる。DELRINTMボール・プランジャは、適切な低摩擦接触点の他の例である。
【0112】
図26のDに示すように、マイクロプレート2600がx軸プッシャー2618により位置(例えばマイクロプレート2600の隣接した窪み間に配置された領域に真空板のオリフィスが実質的に位置合わせされるように)へ移動されたときに、マイクロプレート2600は、さらに処理のために正確に位置決めされる。板2600が正確に位置決めされた状態で、例えば、マイクロプレート2600を平らにするため、真空源(不図示)は、真空板に対してマイクロプレート2600を安定して引くように作動される。すなわち、単一又は複数のチャンバーのいずれを介したにせよ、単一のステージに真空が作用される。従って、マイクロプレート2600は、マイクロプレート2600の構造において存在するかもしれないいずれの反りが補償された状態で、正確な位置に安定して保持され、それによって、正確で信頼できるさらなる処理が可能となる。
【0113】
ある実施形態では、複数窪み容器は、段階的に又は増加して複数窪み容器位置決め装置に位置決めし保持される。例えば、複数窪み容器の剛性が高いとき、このプロセスは有用になりえる。これらの実施形態のうちのいくつかでは、複数のチャンバーを介してマイクロプレートに段階的に真空が適用されることにより、後に続く図26のA〜Cに関して上述したように、複数窪み容器は位置決めされる。例えば、図6A及び図6Bに模式的に示される複数窪み容器ステーション600を参照して、第1段階では、板を位置に保持し反った複数窪み容器の揺動を防ぐため、容器の中央部分にチャンバー610を介して真空が作用可能である。このことは、複数窪み容器の平滑化工程を開始する。第2段階では、真空は、チャンバー608を介して複数窪み容器の中間領域に作用される。最後に、第3段階では、負圧は、容器を完全に平らにするために、チャンバー606を介して複数窪み容器の最も外側の領域に加えられる。複数のチャンバーを有する装置を使用する複数窪み容器に真空を作用する他の順序もまた任意に利用される。複数窪み容器の剛性又は非柔軟性が増すとき、容器を平らにするために利用される段階の数は、一般的に増加する。しかしながら、上述したように、適切な複数窪み容器の平滑化は、ある場合(例えば、真空板のオリフィスで加えられた負圧量又はレベルに依存して、等)では、単一の真空ステージを用いて達成可能である。
【0114】
方法は、また、複数窪み容器位置決め装置の選択された容器ステーションに複数窪み容器を手動で及び/又はロボットで配置することを一般的に含んでいる。回転連結により支持構造に連結される容器ステーションを含む位置決め装置の実施形態に関し、方法は、また、回転連結された容器ステーションを回転軸の周りに選択位置まで回転することを一般的に含んでいる。さらに、方法は、また、材料取扱装置、材料除去装置、又は同種のもので、複数窪み容器の選択された窪みへ物質(例えば、薬品候補及び目標分子、細胞を含む試料、組み合わせのライブラリ・メンバー、ラベル付けられた分子、等)を分配し、及び/又は上記選択された窪みから除去することを一般的に含んでいる。ある実施形態では、方法は、複数窪み容器の一若しくは複数の選択された窪みにて生成された一若しくは複数の検出可能な信号を検出器にて検出することをさらに含む。本質的に、いかなる生化学又は細胞の分析も、本発明のシステムでの実施に適合可能である。ここに記載されたシステムで任意に実行される例示的な分析は、例えば、細胞内のカルシウム流出分析、膜電位分析、核酸雑種形成分析、技術的に知られている他の多くのものを含む。

VI. 複数窪み容器位置決めキット
【0115】
本発明は、また、ここに記載された装置又はシステムの少なくとも1つの構成部分を含んでいるキットを提供する。例えば、キットは、装置又はシステムを組み立てるため、選択されたオリフィス形態を有する一若しくは複数の真空板、物質分配又は除去ヘッド、先端、ガスケット、弾力性のカップリング(例えば、バネ、エラストマー材料などを形成したもの、等)、及び/又は締結部品(例えば、ネジ、ボルト、又は同種のもの)を任意に含む。ある場合には、キットは、任意にあらかじめ組み立てられる、又は組み立てられていない全部の装置又はシステムを含む。任意に、キットは、ここに記載された一若しくは複数のコンピューター・プログラム生成物を含む、コンピューター読取り可能な媒体を含んでいる。さらに、キットは、装置、システム、又はそれらの構成部分を組み立て、利用し、維持するのための適切な指示をさらに一般的に含んでいる。キットは、また一般的に、キットの構成部分を保持するための包装材料又は容器を含んでいる。
【0116】
上述の発明は、明瞭さと理解の目的のためにかなり詳細に記載されているが、当業者には、この開示を読むことで、本発明の真の範囲から外れることなく、形態及び細部において種々の変更が可能であることが明らかになろう。例えば、上述された技術及び装置の全ては、様々な組み合わせにて用いることができる。この明細書にて引用した全ての刊行物、特許、特許出願、及び/又は他の文献は、個々の刊行物、特許、特許出願、及び/又は他の文献のそれぞれが全ての目的のため参考として組み込まれることを個々に示しているかのように、全ての目的のため同じ範囲までそっくりそのまま参考として組み込まれる。
【図面の簡単な説明】
【0117】
【図1A】図1Aは、反った複数窪み容器に入っている複数窪み容器洗浄システムの物質除去ヘッドを断面にて模式的に示している。
【図1B】図1Bは、複数窪み容器の反りを補償した複数窪み容器に入っている複数窪み容器洗浄システムの物質除去ヘッドを断面にて模式的に示している。
【図2A】図2Aは、複数窪み容器の一部、及び複数窪み容器の窪みの基礎となる複数窪み容器の底面領域に真空板のオリフィスが実質的に位置合わせされている真空板の一部の断面を模式的に示している。
【図2B】図2Bは、複数窪み容器の一部、及び複数窪み容器の隣接する窪みの間に配置される複数窪み容器の底面領域に真空板のオリフィスが実質的に位置合わせされている真空板の一部の断面を模式的に示している。
【図3】図3は、本発明の1つの実施形態によるシステムを斜視図にて示す。
【図4A】図4Aは、本発明の1つの実施形態による複数窪み容器ステーションを斜視図にて示す。
【図4B】図4Bは、図4Aの複数窪み容器ステーションの一部を拡大した斜視図にて示す。
【図5A】図5Aは、部分的に透明状態にて示した底面図であり、複数窪み容器の隣接する窪み間に配置され、複数窪み容器の一部の底面領域に実質的に位置合わせされた種々の代表オリフィスを模式的に示す。
【図5B】図5Bは、部分的に透明状態にて示した底面図であり、複数窪み容器の隣接する窪み間に配置され、複数窪み容器の一部の底面領域に実質的に位置合わせされた種々の代表オリフィスを模式的に示す。
【図5C】図5Cは、部分的に透明状態にて示した底面図であり、複数窪み容器の隣接する窪み間に配置され、複数窪み容器の一部の底面領域に実質的に位置合わせされた種々の代表オリフィスを模式的に示す。
【図5D】図5Dは、部分的に透明状態にて示した底面図であり、複数窪み容器の隣接する窪み間に配置され、複数窪み容器の一部の底面領域に実質的に位置合わせされた種々の代表オリフィスを模式的に示す。
【図5E】図5Eは、部分的に透明状態にて示した底面図であり、複数窪み容器の隣接する窪み間に配置され、複数窪み容器の一部の底面領域に実質的に位置合わせされた種々の代表オリフィスを模式的に示す。
【図5F】図5Fは、部分的に透明状態にて示した底面図であり、複数窪み容器の隣接する窪み間に配置され、複数窪み容器の一部の底面領域に実質的に位置合わせされた種々の代表オリフィスを模式的に示す。
【図5G】図5Gは、部分的に透明状態にて示した底面図であり、複数窪み容器の隣接する窪み間に配置され、複数窪み容器の一部の底面領域に実質的に位置合わせされた種々の代表オリフィスを模式的に示す。
【図5H】図5Hは、部分的に透明状態にて示した底面図であり、複数窪み容器の隣接する窪み間に配置され、複数窪み容器の一部の底面領域に実質的に位置合わせされた種々の代表オリフィスを模式的に示す。
【図5I】図5Iは、部分的に透明状態にて示した底面図であり、複数窪み容器の隣接する窪み間に配置され、複数窪み容器の一部の底面領域に実質的に位置合わせされた種々の代表オリフィスを模式的に示す。
【図6A】図6Aは、本発明の1つの実施形態に係る複数窪み容器ステーションを斜視図にて示す。
【図6B】図6Bは、図6Aの複数窪み容器ステーションで真空板の無いものを斜視図にて示す。
【図6C】図6Cは、図6Aの複数窪み容器ステーションを底から見た斜視図を示す。
【図6D】図6Dは、図6Aの複数窪み容器ステーションを底から見た斜視図を示す。
【図6E】図6Eは、図6Aの複数窪み容器ステーションに位置決めされた複数窪み容器を上から見た図を示す。
【図6F】図6Fは、図6Aの複数窪み容器ステーションに位置決めされた複数窪み容器を斜視図にて示す。
【図7A】図7Aは、本発明の1つの実施形態に係る複数窪み容器ステーションを斜視図にて示した図である。
【図7B】図7Bは、図7Aの複数窪み容器ステーションの上面図である。
【図7C】図7Cは、図7Aの複数窪み容器ステーションの側面図である。
【図7D】図7Dは、図7Aの複数窪み容器ステーションを底から見た斜視図である。
【図8A】図8Aは、本発明の1つの実施形態に係る複数窪み容器位置決め装置を上から見た斜視図を示す。
【図8B】図8Bは、図8Aの複数窪み容器位置決め装置で真空板の無いものを上から見た斜視図を示す。
【図8C】図8Cは、図8Aの複数窪み容器位置決め装置を底から見た斜視図である。
【図9A】図9Aは、図3の支持構造を含む複数窪み容器位置決め装置の上面図である。
【図9B】図9Bは、図9Aの複数窪み容器位置決め装置の正面図である。
【図9C】図9Cは、図9Aの複数窪み容器位置決め装置の別の側面から見た図である。
【図9D】図9Dは、図9Aの複数窪み容器位置決め装置の斜視図である。
【図9E】図9Eは、平行移動機構に取り付けられた図9Aの複数窪み容器位置決め装置の斜視図を示す。
【図10A】図10Aは、複数窪み容器位置決め装置の位置合わせ部材の詳細な上面図である。
【図10B】図10Bは、図10Aの位置合わせ部材の詳細な側面図である。
【図10C】図10Cは、図10Aの位置合わせ部材の詳細な底面図である。
【図11A】図11Aは、位置決め装置の位置合わせ部材の詳細な上面図である。
【図11B】図11Bは、図11Aの位置合わせ部材の詳細な側面図である。
【図11C】図11Cは、図11Aの位置合わせ部材の詳細な底面図である。
【図12A】図12Aは、プッシャー構成部分の詳細な正面図である。
【図12B】図12Bは、図12Aのプッシャー構成部分の詳細な側面図である。
【図12C】図12Cは、図12Aのプッシャー構成部分の詳細な背面図である。
【図13A】図13Aは、プッシャーのレバーアームの詳細な正面図である。
【図13B】図13Bは、図13Aのレバーアームの詳細な背面図である。
【図13C】図13Cは、図13Aのレバーアームの詳細な斜視図である。
【図14A】図14Aは、プッシャーのレバーシャフトの詳細な正面図である。
【図14B】図14Bは、図14Aのレバーシャフトの詳細な側面図である。
【図14C】図14Cは、図14Aのレバーシャフトの詳細な平面図である。
【図14D】図14Dは、図14Aのレバーシャフトの詳細な斜視図である。
【図15A】図15Aは、プッシャーのピン捕獲ブロックの詳細な平面図である。
【図15B】図15Bは、図15Aのピン捕獲ブロックの詳細な側面図である。
【図15C】図15Cは、図15Aのピン捕獲ブロックの詳細な底面図である。
【図16】図16は、本発明の1つの実施形態に係る複数窪み容器を位置決めするネストの斜視図である。
【図17A】図17Aは、本発明の1つの実施形態に係る複数窪み容器ステーションの斜視図である。
【図17B】図17Bは、図17Aの複数窪み容器ステーションの平面図である。
【図18A】図18Aは、マイクロプレートの平面図である。
【図18B】図18Bは、図18Aに示されるマイクロプレートの底面図である。
【図18C】図18Cは、図18Aに示されるマイクロプレートの断面図である。
【図19】図19は、本発明の1つの実施形態に係る容器ステーションの下側の部分配置を示す図である。
【図20】図20は、本発明の1つの実施形態に係る位置決め装置の容器ステーションにおける電気的、真空、及び空気の相互連結を示すブロック図である。
【図21】図21は、本発明の1つの実施形態に係る容器ステーションの部分的な断面図を示す。
【図22】図22は、本発明の1つの実施形態に係るプッシャー用のピストン及びレバー機構の部分的な側面図である。
【図23】図23は、本発明の1つの実施形態に係るプッシャーレバーの斜視図である。
【図24A】図24Aは、複数窪み容器処理システムの1つの実施形態の斜視図である。
【図24B】図24Bは、図24Aのシステムからの流体除去ヘッド及び分配ヘッドの詳細な上から見た斜視図である。
【図24C】図24Cは、図24Aのシステムからの流体除去ヘッド及び分配ヘッドの詳細な底から見た斜視図である。
【図25】図25は、本発明の種々の態様が具体化可能な複数窪み容器から流体を除去する代表的システムを示す図である。
【図26】図26のA〜Dは、マイクロプレートを位置決めするX軸プッシャー及びY軸プッシャーの概略を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一つの複数窪み容器ステーションを有する少なくとも一つの支持構造を備えた複数窪み容器位置決め装置において、上記ステーションは、
少なくとも一つの複数窪み容器を支持するように構成される少なくとも一つの真空板であって、少なくとも一つのオリフィスが上記真空板を通して配置され、上記オリフィスは、上記複数窪み容器が選択位置にて上記真空板に位置決めされたとき、上記複数窪み容器の少なくとも2つの隣接する窪み間に配置される上記複数窪み容器の底面の領域に実質的に位置合わせするように構成される、真空板と、
少なくとも一つのチャンバーであって、負圧が当該チャンバーに作用し、上記複数窪み容器が上記選択位置にて上記真空板に位置決めされたとき、作用された負圧が上記真空板の上記選択位置に上記複数窪み容器を保持するように、上記オリフィスと連通するチャンバーと、
を備えた複数窪み容器位置決め装置。
【請求項2】
複数の、複数窪み容器ステーションを備えた、請求項1記載の複数窪み容器位置決め装置。
【請求項3】
上記負圧が上記チャンバーに作用され、上記複数窪み容器が上記選択位置にて上記真空板に位置決めされるとき、作用される上記負圧は、上記複数窪み容器の一若しくは複数の構造的欠陥又は不規則さを補償するため、上記複数窪み容器の底面の少なくとも一部分を上記オリフィス側へ引く、請求項1記載の複数窪み容器位置決め装置。
【請求項4】
上記オリフィスは、上記複数窪み容器が上記選択位置にて上記真空板に位置決めされたとき、上記複数窪み容器の4つの隣接する窪み間に配置される上記複数窪み容器の上記底面の領域に実質的に位置合わせするように構成される、請求項1記載の複数窪み容器位置決め装置。
【請求項5】
上記オリフィスの中心と、隣接する窪み間に配置される上記複数窪み容器の上記底面の上記領域の中間点は、上記複数窪み容器が上記選択位置にて上記真空板に位置決めされたとき、互いに実質的に同軸上にある、請求項1記載の複数窪み容器位置決め装置。
【請求項6】
上記オリフィスは、規則的なn面を有する多角形、不規則なn面を有する多角形、
T字形、十字形、三角形、正方形、完全な正方形、長方形、完全な長方形、台形、円形、及び楕円形からなるグループから選択された断面形状を備える、請求項1記載の複数窪み容器位置決め装置。
【請求項7】
上記真空板は、6、12、24、48、96、192、384、768、1536、3456、9600、又はこれを超える窪みを備えた複数窪み容器を支持するように構成される、請求項1記載の複数窪み容器位置決め装置。
【請求項8】
上記複数窪み容器ステーションは、上記複数窪み容器が上記真空板に位置決めされたとき、上記複数窪み容器の一若しくは複数の窪みにおける温度を調整可能に調節する加熱エレメントを備え、該加熱エレメントは電源に操作しやすく接続される、請求項1記載の複数窪み容器位置決め装置。
【請求項9】
上記支持構造に連結される少なくとも一つの位置センサを備え、該位置センサは、上記複数窪み容器が上記真空板に位置決めされたとき上記複数窪み容器の位置を検出するように構成される、請求項1記載の複数窪み容器位置決め装置。
【請求項10】
上記複数窪み容器ステーションは、上記真空板の周りで少なくとも部分的に配置された少なくとも一つのリップ表面を備え、該リップ表面は、上記真空板に対して凹状であり、上記複数窪み容器が上記真空板に位置決めされたとき上記複数窪み容器の外側壁の位置決め端を受け入れるように構成される、請求項1記載の複数窪み容器位置決め装置。
【請求項11】
上記複数窪み容器が上記選択位置にて上記真空板に位置決めされたときを示す信号を生成する少なくとも一つのスイッチを備える、請求項1記載の複数窪み容器位置決め装置。
【請求項12】
複数のオリフィスが上記真空板を通して配置され、該オリフィスのそれぞれは、上記複数窪み容器が上記選択位置にて上記真空板に位置決めされたとき、上記複数窪み容器の2つ以上の隣接する窪み間に配置される上記複数窪み容器の上記底面の異なる領域に実質的に位置合わせするように構成される、請求項1記載の複数窪み容器位置決め装置。
【請求項13】
複数のチャンバーを備え、該チャンバーの少なくとも2つは、上記真空板を通して配置される異なるオリフィスと連通する、請求項12記載の複数窪み容器位置決め装置。
【請求項14】
上記チャンバーは、上記複数窪み容器ステーションに同心的に配置される、請求項13記載の複数窪み容器位置決め装置。
【請求項15】
上記真空板は、上記複数窪み容器の上記底面に接触し、該底面は、上記複数窪み容器が上記選択位置にて上記真空板に位置決めされたとき、上記複数窪み容器の窪み範囲の基礎となる、請求項1記載の複数窪み容器位置決め装置。
【請求項16】
上記負圧が上記チャンバーに作用され上記複数窪み容器が上記選択位置にて上記真空板に位置決めされたとき、作用された負圧は、上記複数窪み容器の上記底面の少なくとも一部分の形状を上記真空板の少なくとも一部の輪郭に実質的に一致させる、請求項15記載の複数窪み容器位置決め装置。
【請求項17】
上記負圧が上記チャンバーに作用され上記複数窪み容器が上記選択位置にて上記真空板に位置決めされたとき、作用された負圧は、上記複数窪み容器の少なくとも一部分を実質的に平坦化する、請求項16記載の複数窪み容器位置決め装置。
【請求項18】
上記チャンバーに操作しやすく接続される少なくとも1つの負圧源を備える、請求項1記載の複数窪み容器位置決め装置。
【請求項19】
上記負圧源は真空源を備える、請求項18記載の複数窪み容器位置決め装置。
【請求項20】
一若しくは複数のチャンバーにて上記負圧源により作用される負圧を調節する少なくとも一つのバルブを介して上記負圧源に操作しやすく接続される複数のチャンバーを備える、請求項18記載の複数窪み容器位置決め装置。
【請求項21】
上記負圧源に操作しやすく接続される少なくとも一つのコントローラーを備え、該コントローラーは、上記負圧源により作用される負圧を制御するように構成される、請求項18記載の複数窪み容器位置決め装置。
【請求項22】
複数のチャンバー及び複数の負圧源を備え、上記負圧源は異なるチャンバーと連通し、上記コントローラーはそれぞれの上記負圧源に操作しやすく接続され、上記複数のチャンバーの2つ以上に実質的に同時又は選択された順序にて圧力を加えるため上記負圧源を管理する一若しくは複数の論理命令を有する少なくとも一つの論理デバイスを備える、請求項21記載の複数窪み容器位置決め装置。
【請求項23】
上記複数窪み容器ステーションは、上記複数窪み容器が上記真空板に位置決めされたとき、位置合わせ部材の内側壁を上記複数窪み容器の受け入れ領域に係合して位置決めされる少なくとも1つの位置合わせ部材を備える、請求項1記載の複数窪み容器位置決め装置。
【請求項24】
上記複数窪み容器ステーションは、上記真空板から及び/又は上記真空板に隣接して延在する複数の位置合わせ部材を備え、上記複数の位置合わせ部材の少なくとも2つは、上記複数窪み容器が上記真空板に位置決めされたとき、上記位置合わせ部材の異なる内側壁を上記複数窪み容器の受け入れ領域に係合して位置決めされる、請求項23記載の複数窪み容器位置決め装置。
【請求項25】
上記複数窪み容器ステーションは、上記複数窪み容器が上記真空板に位置決めされたとき、上記複数窪み容器を受け入れるように構成されたネストをともに形成する複数の位置合わせ部材を備える、請求項23記載の複数窪み容器位置決め装置。
【請求項26】
複数の位置合わせ部材の少なくとも一つは、上記複数窪み容器が上記ネストに置かれたとき、上記複数窪み容器をネストへ配向するように構成された角度付けられた面を備える、請求項25記載の複数窪み容器位置決め装置。
【請求項27】
上記位置合わせ部材は、上記位置合わせ部材の上記内側壁を上記複数窪み容器の受け入れ領域に係合するように構成した湾曲面を備える、請求項23記載の複数窪み容器位置決め装置。
【請求項28】
上記位置合わせ部材は、上記真空板から又は上記真空板に隣接して延在する位置決めピンを備える、請求項27記載の複数窪み容器位置決め装置。
【請求項29】
上記支持構造に連結される一若しくは複数のプッシャーを備え、該プッシャーは、上記複数窪み容器が上記真空板に位置決めされるとき、上記複数窪み容器を上記位置合わせ部材で接点へ押すように構成される、請求項23記載の複数窪み容器位置決め装置。
【請求項30】
複数のプッシャーは、上記支持構造に連結され、少なくとも2つのプッシャーは、上記複数窪み容器が上記真空板に位置決めされるとき、複数窪み容器を異なる方向に押す、請求項29記載の複数窪み容器位置決め装置。
【請求項31】
少なくとも一つのプッシャーに操作しやすく接続される少なくとも一つのコントローラーを備え、該コントローラーは、上記複数窪み容器が上記真空板に位置決めされるとき、複数窪み容器を上記位置合わせ部材で接点へ押すようにプッシャーを管理する、請求項29記載の複数窪み容器位置決め装置。
【請求項32】
プッシャーの少なくとも一つは、上記複数窪み容器が上記真空板に位置決めされるとき、複数窪み容器に接触するように構成された低摩擦接触点を備える、請求項29記載の複数窪み容器位置決め装置。
【請求項33】
上記低摩擦接触点はローラーを備える、請求項32記載の複数窪み容器位置決め装置。
【請求項34】
枢軸的なカップリングにより上記支持構造に連結される少なくとも一つのレバーアームを備え、少なくとも第1プッシャーは、上記複数窪み容器が上記真空板に位置決めされるとき、上記レバーアームが回転して複数窪み容器を位置合わせ部材で接点へ押すように上記レバーアームを押すように構成されている、請求項29記載の複数窪み容器位置決め装置。
【請求項35】
上記複数窪み容器が上記真空板に位置決めされるとき、上記複数窪み容器を第1方向に押すために、上記レバーアームは、上記第1プッシャーに一定の力を複数窪み容器へ作用させる弾性的なカップリングに連結される、請求項34記載の複数窪み容器位置決め装置。
【請求項36】
上記弾性的なカップリングはバネを備える、請求項35記載の複数窪み容器位置決め装置。
【請求項37】
少なくとも一つの複数窪み容器ステーションを有する少なくとも一つの支持構造を備えた複数窪み容器位置決め装置において、上記ステーションは、
少なくとも一つの複数窪み容器を支持するように構成される少なくとも一つの真空板であって、少なくとも2つのオリフィスが上記真空板を通して配置される真空板と、
負圧がチャンバーの少なくとも一つに作用されるとき、及び複数窪み容器が上記真空板に位置決めされるとき、作用された負圧が複数窪み容器を位置決め装置に保持するように、上記真空板を通して配置された異なるオリフィスと連通する少なくとも2つのチャンバーと、を備えた複数窪み容器位置決め装置。
【請求項38】
複数の、複数窪み容器ステーションを備える、請求項37記載の複数窪み容器位置決め装置。
【請求項39】
上記負圧が少なくとも一つのチャンバーに作用されて上記複数窪み容器が上記真空板に位置決めされるとき、上記複数窪み容器の一若しくは複数の構造的な欠陥又は不規則性を補償するため、作用された上記負圧は、複数窪み容器の底面の少なくとも一部を上記真空板側へ引く、請求項37記載の複数窪み容器位置決め装置。
【請求項40】
上記複数窪み容器ステーションは、上記複数窪み容器が上記真空板に位置決めされるとき、複数窪み容器の一若しくは複数の窪みの温度を調整可能に調節する加熱エレメントを備え、該加熱エレメントは、電源に操作しやすく接続される、請求項37記載の複数窪み容器位置決め装置。
【請求項41】
上記支持構造に連結される少なくとも一つの位置センサを備え、該位置センサは、上記複数窪み容器が上記真空板に位置決めされたとき、複数窪み容器の位置を検出するように構成される、請求項37記載の複数窪み容器位置決め装置。
【請求項42】
上記複数窪み容器ステーションは、上記真空板の周りの少なくとも部分的に配置される少なくとも一つのリップ表面を備え、該リップ表面は、上記真空板に対して凹んでおり、上記複数窪み容器が上記真空板に位置決めされるとき、複数窪み容器の外側壁の位置決め端を受け入れるように構成されている、請求項37記載の複数窪み容器位置決め装置。
【請求項43】
上記複数窪み容器が上記真空板の選択位置に位置決めされたときを示す信号を発生する少なくとも一つのスイッチを備える、請求項37記載の複数窪み容器位置決め装置。
【請求項44】
上記複数窪み容器ステーションは、3,4,5,6,7,8,9,10、又はこれを超えるチャンバーを備える、請求項37記載の複数窪み容器位置決め装置。
【請求項45】
上記チャンバーは、上記複数窪み容器ステーションに同心状に配置される、請求項37記載の複数窪み容器位置決め装置。
【請求項46】
上記真空板は、上記複数窪み容器の底面に接触し、該底面は、上記複数窪み容器が上記真空板の選択位置に位置決めされたとき、複数窪み容器の窪み領域の根底をなす、請求項37記載の複数窪み容器位置決め装置。
【請求項47】
負圧が上記チャンバーの少なくとも一つに作用され上記複数窪み容器が上記真空板に位置決めされたとき、作用された負圧は、複数窪み容器の底面の少なくとも一部の形状を上記真空板の少なくとも一部の輪郭に実質的に一致させる、請求項46記載の複数窪み容器位置決め装置。
【請求項48】
負圧が上記チャンバーの少なくとも一つに作用され上記複数窪み容器が上記真空板に位置決めされたとき、作用された負圧は、複数窪み容器の少なくとも一部を実質的に平坦にする、請求項47記載の複数窪み容器位置決め装置。
【請求項49】
上記チャンバーに操作しやすく接続される少なくとも一つの負圧源を備える、請求項37記載の複数窪み容器位置決め装置。
【請求項50】
上記負圧源は真空源を備える、請求項49記載の複数窪み容器位置決め装置。
【請求項51】
上記チャンバーは、一若しくは複数のチャンバーに負圧源により作用される負圧を調節する少なくとも一つのバルブを介して負圧源に操作しやすく接続される、請求項49記載の複数窪み容器位置決め装置。
【請求項52】
上記負圧源に操作しやすく接続される少なくとも一つのコントローラーを備え、該コントローラーは、負圧源により作用される負圧を制御するように構成される、請求項49記載の複数窪み容器位置決め装置。
【請求項53】
複数の負圧源を備え、該負圧源は、異なるチャンバーに連通し、コントローラーは、上記負圧源のそれぞれに操作しやすく接続され、2つもしくはそれを超えるチャンバーに、実質的に同時に又は選択された順序にて圧力を加えるように負圧源を管理する一若しくは複数の論理命令を有する少なくとも一つの論理装置を備える、請求項52記載の複数窪み容器位置決め装置。
【請求項54】
上記複数窪み容器ステーションは、上記複数窪み容器が上記真空板に位置決めされたとき、複数窪み容器の位置合わせ部材受け入れ領域の内側壁に係合するように位置決めされる少なくとも一つの位置合わせ部材を備える、請求項37記載の複数窪み容器位置決め装置。
【請求項55】
上記複数窪み容器ステーションは、上記真空板から、及び/又は上記真空板に隣接して延在する複数の位置合わせ部材を備え、上記位置合わせ部材の少なくとも2つは、上記複数窪み容器が上記真空板に位置決めされたとき、上記複数窪み容器の上記位置合わせ部材受け入れ領域の異なる内側壁を係合するように位置決めされる、請求項54記載の複数窪み容器位置決め装置。
【請求項56】
上記複数窪み容器ステーションは、上記複数窪み容器が上記真空板に位置決めされたとき、複数窪み容器を受け入れるように構成されるネストを互いに形成する複数の位置合わせ部材を備える、請求項54記載の複数窪み容器位置決め装置。
【請求項57】
複数の位置合わせ部材の少なくとも一つは、上記複数窪み容器が上記ネストに置かれたとき、ネストへ複数窪み容器を配向するように構成される傾斜した面を備える、請求項56記載の複数窪み容器位置決め装置。
【請求項58】
上記位置合わせ部材は、上記複数窪み容器の上記位置合わせ部材受け入れ領域の上記内側壁に係合するように構成される湾曲面を備える、請求項54記載の複数窪み容器位置決め装置。
【請求項59】
上記位置合わせ部材は、上記真空板から又は上記真空板に隣接して延在する位置決めピンを備える、請求項58記載の複数窪み容器位置決め装置。
【請求項60】
上記支持構造に連結される一若しくは複数のプッシャーを備え、該プッシャーは、上記複数窪み容器が上記真空板に位置決めされるとき、複数窪み容器を位置合わせ部材で接点へ押すように構成される、請求項54記載の複数窪み容器位置決め装置。
【請求項61】
複数のプッシャーは上記支持構造に連結され、上記複数窪み容器が上記真空板に位置決めされるとき、上記プッシャーの少なくとも2つは、複数窪み容器を異なる方向に押すように構成される、請求項60記載の複数窪み容器位置決め装置。
【請求項62】
上記プッシャーの少なくとも一つに操作しやすく接続される少なくとも一つのコントローラーを備え、該コントローラーは、上記複数窪み容器が上記真空板に位置決めされるとき、複数窪み容器を上記位置合わせ部材で接点へ押すようにプッシャーを管理する、請求項60記載の複数窪み容器位置決め装置。
【請求項63】
上記プッシャーの少なくとも一つは、上記複数窪み容器が上記真空板に位置決めされるとき、複数窪み容器に接触するように構成される低摩擦接触点を備える、請求項60記載の複数窪み容器位置決め装置。
【請求項64】
上記低摩擦接触点はローラーを備える、請求項63記載の複数窪み容器位置決め装置。
【請求項65】
枢軸的なカップリングにより上記支持構造に連結される少なくとも一つのレバーアームを備え、少なくとも第1プッシャーは、上記複数窪み容器が上記真空板に位置決めされるとき、上記レバーアームが回転して複数窪み容器を位置合わせ部材で接点へ押すように上記レバーアームを押すように構成されている、請求項60記載の複数窪み容器位置決め装置。
【請求項66】
上記複数窪み容器が上記真空板に位置決めされるとき、上記複数窪み容器を第1方向に押すために、上記レバーアームは、上記第1プッシャーに一定の力を複数窪み容器へ作用させる弾性的なカップリングに連結される、請求項65記載の複数窪み容器位置決め装置。
【請求項67】
上記弾性的なカップリングはバネを備える、請求項66記載の複数窪み容器位置決め装置。
【請求項68】
真空板を通して配置される少なくとも一つのオリフィスが、少なくとも一つのプッシャーを使用して、複数窪み容器の少なくとも2つの隣接する窪み間に配置される複数窪み容器の底面の領域に実質的に位置合わせされるように、複数窪み容器位置決め装置の真空板に複数窪み容器を位置決めするための一若しくは複数の論理命令を有するコンピューター読取り可能な媒体を備えるコンピュータ・プログラム生成物。
【請求項69】
上記複数窪み容器の上記底面の少なくとも一部分の形状が、少なくとも一つの負圧源を使用して、上記真空板の少なくとも一部分の輪郭に実質的に一致するように、オリフィスを通して負圧を印加する少なくとも一つの論理命令を備える、請求項68記載のコンピュータ・プログラム生成物。
【請求項70】
一若しくは複数の論理命令を有するコンピューター読取り可能な媒体を備えるコンピュータ・プログラム生成物であって、上記論理命令は、
複数窪み容器位置決め装置の複数のチャンバーへ、実質的に同時に又は選択された順序にて作用される負圧の少なくとも一つの入力選択を受け入れること、及び
上記入力選択に従い、負圧源にて複数窪み容器位置決め装置のチャンバーへ負圧を印加すること、であるコンピュータ・プログラム生成物。
【請求項71】
少なくとも一つのプッシャーを使用して、複数窪み容器位置決め装置の真空板の選択位置に少なくとも一つの複数窪み容器を押す、少なくとも一つの論理命令を備える、請求項70記載のコンピュータ・プログラム生成物。
【請求項72】
複数窪み容器位置決め装置の一若しくは複数のチャンバーに作用するため少なくとも一つの入力圧レベルを受け入れる、少なくとも一つの論理命令を備える、請求項70記載のコンピュータ・プログラム生成物。
【請求項73】
少なくとも一つの複数窪み容器ステーションを有する少なくとも一つの支持構造を備えた少なくとも一つの複数窪み容器位置決め装置と、
ここで上記複数窪み容器ステーションは、
少なくとも一つの複数窪み容器を支持するように構成される少なくとも一つの真空板であって、少なくとも一つのオリフィスが上記真空板を通して配置され、上記オリフィスは、上記複数窪み容器が選択位置にて上記真空板に位置決めされたとき、上記複数窪み容器の少なくとも2つの隣接する窪み間に配置される上記複数窪み容器の底面の領域に実質的に位置合わせするように構成される、真空板と、
上記オリフィスと連通する少なくとも一つのチャンバーとを有する、
上記チャンバーに操作しやすく接続された少なくとも一つの負圧源であって、複数窪み容器を選択位置に保持するため上記チャンバーに負圧を加えるように構成される負圧源と、
少なくとも一つの材料取扱装置と、及び
上記負圧源及び上記材料取扱装置に操作しやすく接続される少なくとも一つのコントローラーであって、複数窪み容器が選択位置にて真空板に位置決めされるとき、複数窪み容器位置決め装置のチャンバーに負圧を加えるように上記負圧源を管理し、かつ複数窪み容器の選択された窪みへ物質を分配し及び/又は選択された窪みから物質を除去するように材料取扱装置を管理するコントローラーと、
を備えたシステム。
【請求項74】
複数窪み容器位置決め装置は、複数の、複数窪み容器ステーションを備える、請求項73記載のシステム。
【請求項75】
上記負圧源は真空源を備える、請求項73記載のシステム。
【請求項76】
上記コントローラーに操作しやすく接続される少なくとも一つのロボットの転置装置を備え、コントローラーは、複数窪み容器位置決め装置へ及び/又は複数窪み容器位置決め装置から複数窪み容器を転置するように上記ロボットの転置装置をさらに管理する、請求項73記載のシステム。
【請求項77】
上記複数窪み容器位置決め装置に連結される少なくとも一つの平行移動機構を備え、該平行移動機構は、少なくとも一つの直進軸に沿って上記複数窪み容器位置決め装置を平行移動するように構成される、請求項73記載のシステム。
【請求項78】
上記コントローラーに操作しやすく接続される少なくとも一つの複数窪み容器洗浄装置を備え、コントローラーは、複数窪み容器が選択位置にて真空板に位置決めされたとき、複数窪み容器の一若しくは複数の窪みを洗浄するように上記複数窪み容器洗浄装置をさらに管理する、請求項73記載のシステム。
【請求項79】
上記コントローラーに操作しやすく接続される少なくとも一つの検知器を備え、コントローラーは、複数窪み容器が複数窪み容器ステーションに位置決めされたとき、複数窪み容器の一若しくは複数の選択された窪みにて生成された一若しくは複数の検出可能な信号を検出するように上記検知器をさらに管理する、請求項73記載のシステム。
【請求項80】
複数窪み容器ステーションは、少なくとも一つの位置合わせ部材を備える、請求項73記載のシステム。
【請求項81】
支持構造に連結されコントローラーに操作しやすく接続される少なくとも一つのプッシャーを備え、コントローラーは、複数窪み容器が複数窪み容器ステーションに位置決めされたとき、複数窪み容器を位置合わせ部材で接点へ押すようにプッシャーをさらに管理する、請求項80記載のシステム。
【請求項82】
上記材料取扱装置は流体取扱装置を備える、請求項73記載のシステム。
【請求項83】
上記流体取扱装置は、ピンツール及び/又はピペットを備える、請求項82記載のシステム。
【請求項84】
少なくとも一つの複数窪み容器ステーションを有する少なくとも一つの支持構造を備えた少なくとも一つの複数窪み容器位置決め装置と、
ここで上記複数窪み容器ステーションは、
少なくとも一つの複数窪み容器を支持するように構成される少なくとも一つの真空板であって、少なくとも2つのオリフィスが上記真空板を通して配置される真空板と、
上記真空板を通して配置される異なるオリフィスと連通する少なくとも2つのチャンバーとを有する、
上記チャンバーに操作しやすく接続された少なくとも一つの負圧源であって、複数窪み容器を選択位置にて真空板に保持するため上記チャンバーに負圧を加えるように構成される負圧源と、
少なくとも一つの材料取扱装置と、及び
上記負圧源及び上記材料取扱装置に操作しやすく接続される少なくとも一つのコントローラーであって、複数窪み容器が選択位置にて真空板に位置決めされるとき、複数窪み容器位置決め装置のチャンバーに負圧を加えるように上記負圧源を管理し、かつ複数窪み容器の選択された窪みへ物質を分配し及び/又は選択された窪みから物質を除去するように材料取扱装置を管理するコントローラーと、
を備えたシステム。
【請求項85】
複数窪み容器位置決め装置は、複数の、複数窪み容器ステーションを備える、請求項84記載のシステム。
【請求項86】
上記負圧源は真空源を備える、請求項84記載のシステム。
【請求項87】
上記コントローラーに操作しやすく接続される少なくとも一つのロボットの転置装置を備え、コントローラーは、複数窪み容器位置決め装置へ及び/又は複数窪み容器位置決め装置から複数窪み容器を転置するように上記ロボットの転置装置をさらに管理する、請求項84記載のシステム。
【請求項88】
上記複数窪み容器位置決め装置に連結される少なくとも一つの平行移動機構を備え、該平行移動機構は、少なくとも一つの直進軸に沿って上記複数窪み容器位置決め装置を平行移動するように構成される、請求項84記載のシステム。
【請求項89】
上記コントローラーに操作しやすく接続される少なくとも一つの複数窪み容器洗浄装置を備え、コントローラーは、複数窪み容器が選択位置にて真空板に位置決めされたとき、複数窪み容器の一若しくは複数の窪みを洗浄するように上記複数窪み容器洗浄装置をさらに管理する、請求項84記載のシステム。
【請求項90】
上記コントローラーに操作しやすく接続される少なくとも一つの検知器を備え、コントローラーは、複数窪み容器が複数窪み容器ステーションに位置決めされたとき、複数窪み容器の一若しくは複数の選択された窪みにて生成された一若しくは複数の検出可能な信号を検出するように上記検知器をさらに管理する、請求項84記載のシステム。
【請求項91】
複数窪み容器ステーションは、少なくとも一つの位置合わせ部材を備える、請求項84記載のシステム。
【請求項92】
支持構造に連結されコントローラーに操作しやすく接続される少なくとも一つのプッシャーを備え、コントローラーは、複数窪み容器が複数窪み容器ステーションに位置決めされたとき、複数窪み容器を位置合わせ部材で接点へ押すようにプッシャーをさらに管理する、請求項91記載のシステム。
【請求項93】
上記材料取扱装置は流体取扱装置を備える、請求項84記載のシステム。
【請求項94】
上記流体取扱装置は、ピンツール及び/又はピペットを備える、請求項93記載のシステム。
【請求項95】
複数窪み容器位置決め装置に複数窪み容器を位置決めする方法であって、
(a)複数窪み容器の少なくとも2つの隣接する窪み間に配置される複数窪み容器の底面の少なくとも一つの領域が真空板を通して配置される少なくとも一つのオリフィスと位置合わせされるように、複数窪み容器位置決め装置の真空板に複数窪み容器を置き、及び
(b)複数窪み容器の少なくとも上記領域が上記真空板に保持され、それにより上記複数窪み容器を上記複数窪み容器位置決め装置に位置決めする、
ことを備えた複数窪み容器の位置決め方法。
【請求項96】
上記複数窪み容器位置決め装置は、少なくとも一つのプッシャー及び少なくとも一つの位置合わせ部材を備え、上記(a)は、複数窪み容器を真空板に位置合わせするため複数窪み容器をプッシャーで位置合わせ部材にて接点へ押すことを備える、請求項95記載の複数窪み容器の位置決め方法。
【請求項97】
上記(a)は、ロボットの転置装置で真空板に複数窪み容器を置くことを備える、請求項95記載の複数窪み容器の位置決め方法。
【請求項98】
上記(b)は、複数窪み容器の底面の少なくとも一部の形状が真空板の少なくとも一部の輪郭に実質的に一致するように、オリフィスを通して複数窪み容器の底面の領域に負圧を作用することを備える、請求項95記載の複数窪み容器の位置決め方法。
【請求項99】
材料取扱装置で、複数窪み容器の選択された窪みに物質を分配し、及び/又は選択された窪みから物質を除去することを備える、請求項95記載の複数窪み容器の位置決め方法。
【請求項100】
複数窪み容器の選択された一若しくは複数の窪みにて生成された一若しくは複数の検知可能な信号を検知器で検出することを備える、請求項95記載の複数窪み容器の位置決め方法。
【請求項101】
上記(a)は、複数窪み容器の少なくとも2つの隣接する窪みの複数組間に配置される上記複数窪み容器の底面の複数の領域が真空板を通して配置される複数のオリフィスと実質的に位置合わせされるように、上記複数窪み容器位置決め装置の上記真空板に上記複数窪み容器を置くことを備える、請求項95記載の複数窪み容器の位置決め方法。
【請求項102】
上記(b)は、上記複数窪み容器の上記複数の領域が上記真空板に保持されるように、複数のオリフィスを通して上記複数窪み容器の上記底面の上記複数の領域に負圧を作用することを備える、請求項101記載の複数窪み容器の位置決め方法。
【請求項103】
上記(b)は、複数のオリフィスを通して上記複数窪み容器の上記底面の上記複数の領域に選択された順序にて負圧を作用することを備える、請求項102記載の複数窪み容器の位置決め方法。
【請求項104】
複数窪み容器位置決め装置に複数窪み容器を位置決めする方法であって、
(a)複数窪み容器位置決め装置の真空板に複数窪み容器を置き、ここで少なくとも2つのオリフィスが上記真空板を通して配置され、
(b)上記複数窪み容器の底面の少なくとも第1領域が上記複数窪み容器位置決め装置の上記真空板に保持されるように、少なくとも第1オリフィスを通して上記複数窪み容器の少なくとも上記第1領域に少なくとも第1負圧を作用し、及び
(c)上記複数窪み容器の底面の少なくとも第2領域が上記複数窪み容器位置決め装置の上記真空板に保持されるように、少なくとも第2オリフィスを通して上記複数窪み容器の少なくとも上記第2領域に少なくとも第2負圧を作用し、それにより上記複数窪み容器を上記複数窪み容器位置決め装置に位置決めする、
ことを備えた複数窪み容器の位置決め方法。
【請求項105】
上記(a)は、複数窪み容器の少なくとも2つの隣接する窪みの複数組間に配置される上記複数窪み容器の底面の複数の領域が真空板を通して配置される複数のオリフィスと実質的に位置合わせされるように、上記複数窪み容器位置決め装置の上記真空板に上記複数窪み容器を置くことを備える、請求項104記載の複数窪み容器の位置決め方法。
【請求項106】
上記複数窪み容器位置決め装置は、少なくとも一つのプッシャー及び少なくとも一つの位置合わせ部材を備え、上記(a)は、複数窪み容器を真空板に位置合わせするため複数窪み容器をプッシャーで位置合わせ部材にて接点へ押すことを備える、請求項104記載の複数窪み容器の位置決め方法。
【請求項107】
上記(a)は、ロボットの転置装置で真空板に複数窪み容器を置くことを備える、請求項104記載の複数窪み容器の位置決め方法。
【請求項108】
上記(b)及び(c)は、上記複数窪み容器の上記底面の少なくとも一部の形状が上記真空板の少なくとも一部の輪郭に従うように、上記第1及び第2のオリフィスを通して上記複数窪み容器の上記底面の上記第1及び第2の領域に上記第1及び第2の負圧を作用することを備える、請求項104記載の複数窪み容器の位置決め方法。
【請求項109】
上記(b)及び(c)は、実質的に同時に行われる、請求項104記載の複数窪み容器の位置決め方法。
【請求項110】
上記(b)及び(c)は順番に行われる、請求項104記載の複数窪み容器の位置決め方法。
【請求項111】
上記複数窪み容器の選択された窪みへ物質を分配し、及び/又は選択された窪みから物質を除去することを備える、請求項104記載の複数窪み容器の位置決め方法。
【請求項112】
複数窪み容器の選択された一若しくは複数の窪みにて生成された一若しくは複数の検知可能な信号を検知器で検出することを備える、請求項104記載の複数窪み容器の位置決め方法。

【図1A】
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【図1B】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【図5D】
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【図5E】
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【図5F】
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【図5G】
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【図5H】
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【図5I】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図6D】
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【図6E】
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【図6F】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【図7D】
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【図8A】
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【図8B】
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【図8C】
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【図9A】
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【図9B】
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【図9C】
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【図9D】
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【図9E】
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【図10A】
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【図10B】
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【図10C】
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【図11A】
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【図11B】
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【図11C】
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【図12A】
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【図12B】
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【図12C】
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【図13A】
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【図13B】
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【図13C】
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【図14A】
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【図14B】
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【図14C】
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【図14D】
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【図15A】
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【図15B】
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【図15C】
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【図16】
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【図17A】
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【図17B】
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【図18A】
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【図18B】
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【図18C】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24A】
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【図24B】
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【図24C】
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【図25】
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【図26】
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【公表番号】特表2008−534915(P2008−534915A)
【公表日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−552230(P2007−552230)
【出願日】平成18年1月18日(2006.1.18)
【国際出願番号】PCT/US2006/001734
【国際公開番号】WO2006/078714
【国際公開日】平成18年7月27日(2006.7.27)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Linux
【出願人】(503261524)アイアールエム・リミテッド・ライアビリティ・カンパニー (158)
【氏名又は名称原語表記】IRM,LLC
【Fターム(参考)】