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複次曲面サンドイッチパネル
説明

複次曲面サンドイッチパネル

【課題】第1に、2次,または3次の複次曲面の外形、および内部の複雑構造成形性に優れ、第2に、もって比較的板厚が厚い場合でもそのまま成形可能であり、加工コスト面に優れ、第3に、荷重に応じて内部構造を調節可能であり、軽量性に優れ、第4に、しかも既存の型設備に対応可能であって適応性に優れ、第5に従来の製造方法より簡単容易に製造可能な、複次曲面サンドイッチパネルを提供する。
【解決手段】積層造形法によって中空コア材Aを予め別に成形しておくことにより、表裏形状が大きく異なる複次曲面の表裏面に、面番1,2を接合することで、座屈やしわ等の有害な変形が発生するのを防止して、軽量、安価かつ容易に複次曲面を有するサンドイッチパネルを製造することが出来る。特に、中空コア材Aを、積層造形法によって成型することにより、外形、内部構造共に複雑な形状の中空コア材Aを簡易、軽量かつ安価に成形することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2次、または3次の複次曲面サンドイッチパネルに関する。すなわち、光造形法や粉末造形法等を代表とする積層造形法によって内部にハニカム形状、または多面体の集合体に成形した中空コア材と、繊維強化プラスチック等の表裏面板よりなり、各種構造体として曲面成形に供される複次曲面成形用サンドイッチパネルに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の航空機等の構造部材に用いるサンドイッチパネルの構成は、図6に示すように平面板形状のハニカムコアDの表裏両面にアルミニウムや繊維強化プラスチック等の面板10,11を接合してなる積層体である。
【0003】
通常は成型時の有害な変形を避けるために図6のように平面に成形するが、曲面に成形する場合は、図5に示すように予めハニカムコアCを曲面に切削加工したり、成形後に曲面に加圧加工するなど、多くの工程が必要となりコストも増大する。しかも、そのような方法によって製造された曲面サンドイッチパネルであっても、ハニカムコアがノーメックスやアラミド等、紙由来の材料を主とするため、ハニカム形状の内部中空構造を維持する剛性が低く、面板との接合時に加えられる圧力によって、中空構造を形成するセル壁が変形し、成形後の面板に座屈やしわ等の有害な不整面が発生し、所定の形状が成型できず、また強度や剛性の低下による歩留り低下の問題が生じる。
【0004】
更に、座屈やしわの発生を防止するために、平面状のコア材を用いるため、表面形状と裏面形状はコア材の厚みを隔てて略並行形状でなければならず、円錐形状のような2次、3次元曲面のサンドイッチパネルの成形は困難であった。(例えば特許文献1,2参照)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平5−237955号公報
【特許文献2】特開平10−329250号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は曲面サンドイッチパネルを成形する場合における上記従来の問題点を解消するためになされたものであり、その目的は、サンドイッチパネルを、表裏面板に座屈やしわ等の有害な変形を生じることなしに、複次曲面で成形することを可能とする複次曲面サンドイッチパネルを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するための本発明による曲面サンドイッチパネルは、図1から図3に示すように、ハニカム形状や多面体形状による中空構造を内部に有するコア材Aを、3次元CAD等で予め所定の形状に設計したデータを用い、面板1,2と接合する以前に、コア材自体が独立して所定の立体形状になるよう、光造形法や粉末造形法を代表とする積層造形法によって製造することで、複次曲面形状に成形することを構成上の特徴とする。
【0008】
コア材Aの内部にハニカム形状を形成する場合、曲率半径が小さい裏面板2と接する部分のセル壁間隔4を小さく、表面板1と接するセル壁間隔3を大きくするなど、隣り合うセル壁の角度を制御して、自然な立体曲面形を成形することを構成上の第2の特徴とする。
【0009】
更に、積層造形法で中空のコア材Bを成形することにより、図3のように予め外表面板7を内部のセル壁と同素材で一体成形しておくことが可能であるため、この外表面板7を、更に高強度な表裏面板5、6との接着面に利用することで接着が強固となり、もって製品強度が向上することを構成上の第3の特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る複次曲面サンドイッチパネルは、以上説明したように、中空コア材の製作に積層造形法を用いることにより、次の効果を発揮する。
【0011】
第1に中空コア材の外表面形状、及び内部構造を、面板と接合する以前に、独立して成形可能である。すなわち、本発明の複次曲面サンドイッチパネルに用いる中空コア材は、光造形法や粉末造形法を代表とする積層造形法を用いてなり、この積層造形法では、3次元CADで予め所定の形状に設計したデータ通りに、内部構造も含め、コア材の形状を成形できるので、前述した従来例において用いられていた平面ハニカムコア材に比べ、この積層造形法で成形したコア材は、はるかに優れた成形の自由度を備えている。
【0012】
そこで、このような光造形法や粉末造形法等の積層造形法で成形した中空コア材を採用した本発明の複次曲面サンドイッチパネルは、前述した従来例が不可能であった複次曲面への成形が可能である。すなわち、中空コア材は、それ自体が強度を有し、独立して所定の立体形状を有するために、表裏の面板を接合する際の圧力によって発生するコア材の変形を防ぎ、もって表面に有害なしわや座屈が生じる事を防止できる。これにより、この複次曲面サンドイッチパネルを用いれば、例えば、高性能化が進むと同時に形状が複雑化し、厳しい曲率半径が採用される最近の航空機翼の前縁部分の構造部材として、また、ロケットなどの飛翔体の先端部分として、更に風車のブレードとして、製品化が容易に可能である。つまり、板厚を自在に変化させることが可能であり、高精度であると同時に、厳しい曲率半径の複雑な形状成型の要求に、十分対応可能である。
【0013】
第2に、もって加工コスト面にも優れている。すなわち、本発明の複次曲面サンドイッチパネルは、上述したように、優れた成形性を備えている。そこで、比較的厚い板厚のものでも、そのまま所定曲率に成形することが可能となる。前述した従来のサンドイッチパネルのコア材のように、予め板厚と曲率を調整した複数のコア材を用意し、これをそれぞれ所定曲率に成形して同心円状に積層する工程が不要となる。すなわち、本発明の複次曲面サンドイッチパネルは、例えば、最近の航空機の主翼前縁のようにR=20mm程度の曲率の厳しい前縁半径を有する曲面パネルを製作する場合、前縁形状に応じた外半径と、所定強度を達するに必要な厚みになる内半径を有する断面形状のコア材を積層造形法で予め別に成型しておき、これをそのままサンドイッチパネルのコア材として使用することができるために、成形用の型ワクが不要となる。このように本複次曲面サンドイッチパネルは、その加工費が大幅に低減される等、加工コスト面に優れている。
【0014】
第3に、軽量性にも優れている。すなわち、本発明の複次曲面サンドイッチパネルは、積層造形法でコア材を成形するために、優れた内部構造の設計自由度を備えている。そこで、大きな強度が必要なところはコア内部の中空構造を形成するセル開口断面を小さくして密度を高くし、それ以外のところはセル開口断面を大きくして密度を低くするような調整を施したり、セル壁の板厚を各個別に調整することにより、従来の均一な板厚のコア材では避けられなかった不要な重量増加を防ぐことができる。このように複次曲面サンドイッチパネルを用いることにより、部材重量が大幅に軽減される等、軽量性に優れている。
【0015】
第4に、しかも適応性に優れている。すなわち、コア材を、すでにサンドイッチパネル製造に用いている既成の型ワクに合わせて積層造形法で、予め別に成形し、このコア材を用いてサンドイッチパネルを製造し直すことにより、既成のサンドイッチパネルが軽量・高強度で、更に低コストに改善される等、既存製造設備を用いたサンドイッチパネル製造への適応性に優れている。
【0016】
第5に、しかも簡単容易に製造可能である。すなわち、本発明の複次曲面サンドイッチパネルは、積層造形法により、簡単容易に製造可能である。すなわち、3次元CADによって設計したコア形状データを積層造形装置に入力すれば、コア材が複次曲面形状で成形できるため、このコアを型ワク代わりに用いてサンドイッチパネルを製造すれば、簡単容易に、製造コストに優れて軽量な複次曲面サンドイッチパネルが製造可能である。このように、従来例に存した課題が大きく解決される等、本発明の発揮する効果は顕著である。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明における複次曲面サンドイッチパネルを一部切り欠いた斜視図。
【図2】図1の一部断面図。
【図3】図1の中空コア材Aの外表面に、表裏面板との接合を強固にするための、薄い接合面7を予め一体成型した場合の一部断面図。
【図4】従来工法によって製作された、航空機の翼前縁に適用された複次曲面サンドイッチパネルの構造を一部切り欠いた斜視図。
【図5】図4の一部断面図。
【図6】従来の一般的工法によって製作された、平面サンドイッチパネルの構造を示す斜視図。
【図7】積層造形法の代表例である光造形法による、部品製作工程の断面図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態を、添付の図面に示した本発明の実施の形態に基づいて説明する。
【実施例】
【0019】
以下本発明を実施例によって更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0020】
(第一実施例)
図1〜図2は本発明の第1実施例を示すものである。図1は複次曲面サンドイッチパネルの斜視図、図2は図1の一部断面図であり、図7は積層造形法の代表例である光造形法の断面図である。
まず、図1において、この光造形法や粉末造形法等の積層造形法で成形する中空コア材Aの製造方法を説明する。複次曲面サンドイッチパネルの一例として2次曲面サンドイッチパネルを説明するが、スパン方向に断面形状の変化する、3次曲面サンドイッチパネルとすることもできる。また、ここでは光造形法を代表例として説明する。
【0021】
図7 ( a ) に示すように、光硬化性樹脂を満たしたタンクP内に、図外で駆動される昇降台Qが昇降自在に設定される。昇降台Q上面を光硬化性樹脂の表面より1ピッチ( 例えば0.15 m m ) だけ低い位置にセットすると、昇降台Qの上面には1ピッチ分の光硬化性樹脂層が形成される。この状態で、昇降台Q上の光硬化性樹脂の薄膜に所定パターンの紫外線レーザーRを照射し、その照射部分に対応する光硬化性樹脂を硬化させて第1の樹脂層を成形する。続いて、図7 ( b ) に示すように、昇降台Qを1ピッチ下降させた後に、第1の樹脂層の上面を覆う光硬化性樹脂の薄膜に所定パターンの紫外線レーザーRを照射し、その照射部分に対応する光硬化性樹脂を硬化させて前記第1の樹脂層に積層された第2の樹脂層を成形する。このように、昇降台Qを1ピッチ下降させる度に紫外線レーザーRを照射することにより、中空コア材Aの全体をスパン方向の一端側から他端側に順次成形して行く( 図7 ( c ) 参照) 。
【0022】
このように光造形法を代表とする積層造形法を採用することで、複雑な内部形状を有する中空コア材Aを高精度かつ安価に一体成形することができる。
【0023】
さて、本発明における複次曲面を有するサンドイッチパネルを製作するために使用される中空コア材Aは、図1、Aに示すように、3次元CAD等によって予めそれ自体が独立して所定の複次曲面に設計されており、上記光造形法を代表とする積層造形法によって内部の中空多面体構造と共に一体成形されており、表裏に中空コア材Aの外形に沿った形状の繊維強化プラスチックやアルミ板等の面板1,2を接合することによって、高強度な複次曲面サンドイッチパネルが構成される。
【0024】
(第2実施例)
前述のような本発明の第一実施例では、中空コア材Aが表裏面板1,2と接する部分3,4は、中空コア材Aを構成するセル壁の端面であるため、表裏面板1,2と接する部分が8角形等の線状となり、中空コア材Aと表裏面板1,2を接着する場合、その接合部は極めて細くなり、十分な接着面積が得られないことがある。そこで、第2実施例においては、接着面積を増やし、接着をより強固にするために、図3のように、中空コア材Bを成形する際、予め表面に薄い面板7を外形に沿って同質素材で一体成形しておき、しかる後、表面板5、および裏面板6を中空コア材Bと一体造形してある面板7に接着することで、中空コア材Bと表裏の面板5,6との接着が強固に行われる。
【0025】
このように、中空コア材Bの外周に薄い面板7を一体成型しておくと、中空コア材Bの内部に、硬化されなかった樹脂が残ることになる。そこで、一体成型された薄い面板7に樹脂抜きのための小穴H(直径2mm程度)を設定することができる。この樹脂抜きの小穴Hは、図3のように、中空コア材Bのスパン方向端部側面に、中空コア材Bを貫通させて設定することもできる。小穴Hは、ひとつのセルに2か所以上設けることにより、残留樹脂を効果的に抜くことが出来る。もちろん、小穴Hは開放状態でもよいが、同質の樹脂によって埋めてもよい。
【0026】
(第3実施例)
ところで、中空コア材A、Bは、光造形法を代表とする積層造形法により、それ自体が独立して3次元形状に造形されるので、内部の中空構造は自在に構成できる。すなわち、ハニカム形状が代表的であるが、完成時に必要とされる構造特性により、略四面体、切頂八面体等の多面体による空間充填によっても成形可能であり、強度と重量の要件から導かれる任意の内部形状の組み合わせによって構成することができる。
【0027】
(第4実施例)
また、図2において、中空コア材Aの内部を構成するセルの板壁の厚さや形状も自在に設計することが可能であるため、表裏面板1と2が接合される部分の近くで、中空コア材Aの板厚が薄くなる部分を中実に造形して強度を増し、表裏面板1、2を接合する際の有害なしわや座屈を防止したり、複次曲面サンドイッチパネルに要求される強度要件に合わせて、部分的にセル板壁を厚く強化するなど、種々の調整を行うことができる。
【0028】
(第5実施例)
それから、このように製造された複次曲面サンドイッチパネルの内部に補強用の部材を挿入するための穴や切り欠きを中空コア材A,Bの内部に予め成形しておくことも自在である。
【0029】
(第6実施例)
ところで、中空コア材A、Bの表裏に接合される面板1,2及び5,6は、中空コア材A,Bが独立していることから、これを型として、直接、成形前の繊維強化プラスチックを積層して製品を成形することも可能である。しかし、中空コア材A,Bの耐熱性が、面板の成形に使用する繊維強化プラスチックの焼成温度に耐えられない場合、または、工程的に非効率的となる場合や、金属性の面板と接合する場合は、予め中空コア材A,Bと同形状の、別に用意された成形用の型ワクによって面板1,2及び5,6を成形、焼成しておき、その後接着による接合を行うことができる。
【0030】
(第7実施例)
更に、本発明で用いる中空コア材の成形に、金属材料を用いれば、金属による中空コア材の成形が可能となり、この金属製中空コア材に金属製の表裏面板を接合することにより、極めて比強度、比剛性の高い複次曲面サンドイッチパネルを製作することができる。このように中空コア材と表裏面板の材質は、任意の組み合わせを選択できる。
【産業上の利用可能性】
【0031】
本発明は、複次曲面ハニカムパネルとその製造方法に関する。すなわち、2次曲面や3次曲面、更にはこれらの曲面が一体的に連続した曲面その他の複次曲面を備え、航空機の翼前縁やロケットの先端部外壁、風車ブレードを始め種々の機器,構造部材に使用される、複次曲面サンドイッチパネルと、その製造方法に関するものである。
【符号の説明】
【0032】
A 中空コア材
B 表面を薄板で一体造形した中空コア材
C 従来工法による緩曲面のハニカムコア材
D 一般的な平面ハニカムコアを用いたサンドイッチパネル
H 残留樹脂を抜くための小穴
1 表面版
2 裏面板
3 表面側大開口セル
4 裏面側小開口セル
5 表面版
6 裏面板
7 中空コア材に一体成型された薄板
8 表面版
9 裏面板
10 表面版
11 裏面板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に多数の中空多面体構造を有するコア材Aの表裏面に、面板を接合してなる複次曲面サンドイッチパネルにおいて、
前記中空コア材は、面板1,2と接合する以前に、コア材自体が独立して所定の立体形状になるよう積層造形法によって一体成型された2次、または3次となる複次曲面の外形と、多数の中空多面体を構成するセル壁を内部に備えることを特徴としており、このコア材の表裏面に面板を接合することによってなる、複次曲面サンドイッチパネル。
【請求項2】
前記中空コア材Aの内部に、ハニカム構造を備えており、このハニカム構造を構成するセル壁3が表裏面板1,2と略直交する方向に、隣り合うセル壁の角度を制御して一体成型されることを特徴とする、請求項1記載の複次曲面サンドイッチパネル。
【請求項3】
前記中空コア材Aの内部に、1種あるいは数種の多面体を構成するセルからなる空間充填構造を備えており、このセル空間が、立体的集合体であることを特徴とする、請求項1記載の複次曲面サンドイッチパネル。
【請求項4】
前記中空コア材の表裏面に、セル壁と同素材である薄い面板7がセル壁と一体造形されることを特徴とする、請求項1記載の複次曲面サンドイッチパネル。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−224989(P2011−224989A)
【公開日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−77478(P2011−77478)
【出願日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【出願人】(510108205)東京流研株式会社 (2)
【Fターム(参考)】