説明

複流充填弁

【課題】 二次チューブの占有空間への影響を少くし、流動性原料と接触する機械部分を最小とし、漏洩の防止するシールを最小限とする。
【解決手段】 原料流路を有し、内部流域を画成する一次充填チューブ38、及び別の原料流路を有し、一次充填チューブ38の内部流域に少なくとも部分的に入り込む二次充填チューブ40、及び、一次二次の充填チューブの内部流域間の流体連通を調整する弁プラグ66を備え、弁プラグ66を移動させるため、二次充填チューブ40の流域外に配置される作動器58を操作して、複数の流体を混合する。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は複流充填弁(dual stream filling valve )に関する。特に、本発明は、複数の流動性製品(flowable products )を充填装置の容器中へ導入する複流充填弁に関する。
【0002】
【従来の技術】当該技術分野においては、各種タイプの充填装置が知られている。一つのタイプのそのような充填装置においては、二つ又はそれ以上の、例えば液体の流れが、単一の容器に共に混合されて入れられた牛乳とクリームのように、単一のパッケージ中へ導入される。そのような混合は、各材料が適正な量と比率で容器に添加されるように調整、計量された態様で行う必要がある。
【0003】消費者には、例えばスキムミルクや「1%」および「2%」牛乳、並びに全乳のような様々な乳脂肪含有量(milk fat content)の牛乳が販売されていることが直ちに認められる。乳脂肪含有量は一般に最終製品における牛乳に対するクリームの比率によって調整される。種々の比率の乳脂肪含有量のものを製造するためにスキムミルクにクリームがよく添加される。これは、複流充填弁を使用しうる典型的な一方法である。そのような方法において、牛乳は一次流体、クリームは二次流体と称される。そのような装置は、例えば、乾燥した製品、粒状製品あるいは粉末製品並びに固体(例えば、粒状あるいは粉末状原料)と液状原料との組み合わせのような、牛乳以外の流動性の製品に対しても使用出来ることが認められる。
【0004】周知の一装置においては、単一の容器内での一次および二次流体の組み合わせは複流充填弁を用いて実行される。複流充填弁は、それぞれの液体保存タンクあるいはリザーバ(reservoirs)と連通している同心状の外側および内側(それぞれ一次および二次)充填チューブを有している。前記容器中へ導入される二次流体の量を計量すなわち調整するために、例えばプラグ(plug)のような弁要素が前記二次チューブの底に位置されている。周知の形態においては、前記プラグは、前記二次チューブに入り込み、頂部から、それが弁のプラグと接合されている底まで前記二次チューブの内部を長手方向に横切っているロッドによって移動、すなわち作動させられる。この装置から明らかなように、前記充填チューブを横切っているロッドはそうでなければ二次流体の流れに占有される空間すなわち容積を必要とする。更に、この装置は、典型的には食料製品である二次流体に、移動している機械的要素を直接位置させる。更に、各充填チューブを通してロッドが入り込むには、食料製品が完全に周りから遮断されることが確実になるように1個以上のシールを使用する必要がある。
【0005】そのような周知の複流充填弁は良く機能するが、一方それらは著しい保全と検査とを必要とする。各シールは漏洩の可能性があることは明らかである。更に、前述のように、そのような装置は二次チューブ内の空間を必要とするが、それによって結果的に二次チューブの直径を大きくする。また更に、周知の複流充填装置は食料製品の望ましくない堆積を促進する局所スポット(localize spots)すなわち個所(locations )を発生させる可能性がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従って、二次充填チューブの使用可能な空間すなわち容積に影響をあたえない、すなわち減少させることのない、あるいは逆にいえばこのチューブの直径を大きくさせる必要のない複流充填弁に対する要求が常にある。そのような複流充填弁は、この装置における流動性原料、典型的には食料製品と直接接触する、移動する機械的部材を最小とするものである。さらに、そのような複流充填弁は、本弁の中へ、あるいは本弁からの漏洩の可能性を低下させるに必要なシールの数と複雑性が最小であるものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】複流充填弁は少なくとも二種類の流動性原料を容器中へ導入する流動性原料充填装置に使用される。複流充填弁はそこを貫通する原料流路を画成する。前記弁は入口端と排出端とを有する一次充填チューブを含み、一次充填チューブの内部流域を画成する。一次充填チューブは前記入口端と排出端の中間に第1の開口を有している。
【0008】二次充填チューブは入口端と排出端とを有し、内部流域を画成している。二次充填チューブは一次充填チューブの内部流域内に少なくとも部分的に配置されている。前記二次チューブは第1の開口を通して前記一次充填チューブへ入り込んでおり、前記排出端が前記一次充填チューブの内部流域内に来るように位置されることが好ましい。
【0009】弁プラグのような弁手段が前記二次充填チューブに対して作動可能であり、前記一次充填チューブの内部流域に位置することができる。前記プラグは、前記一次および二次充填チューブの間で流体連通がなされている開放状態と前記一次および二次充填チューブの内部流域の間で流体連通が停止している閉鎖状態との間で前記二次充填チューブに対して移動可能である部分を含んでいる。
【0010】複流充填弁は弁プラグを前記開放位置と閉鎖位置との間で移動させる弁作動器を含む。この作動器は前記二次充填チューブの流域の完全に外側に配置されている。
【0011】一実施例においては、一次および二次充填チューブは相互に対し静止している。前記充填弁は前記一次充填チューブの第2の開口を通して少なくとも部分的に延びる作動レバーを含みうる。前記レバーは弁プラグに操作可能に接続され、該プラグを前記開放位置と閉鎖位置との間で移動させる。作動レバーは前記第1の開口と前記入口端との中間で前記一次充填チューブに入り込むことが好ましい。
【0012】そのような実施例において、接続部材が前記作動レバーと、好ましくは弁球である弁プラグとの間を延び、前記球を支持する。該接続部材は、前記球がケージ(cage)内で回転自在であるように前記弁球を支持する、ケージに入ったロッド組み立て体(caged rod assembly)として構成することが出来る。そのような構成において、前記弁球は自動調心性(self-aligning )で、かつ自動清浄性(self-cleaning )であることが有利である。
【0013】代替実施例において、弁プラグは前記排出端の近傍で前記一次充填チューブに固定的に取付けられている。前記一次充填チューブは静止した上側本体部分と、静止した下側本体部分と、前記の静止した上側および下側本体部分の間で往復動する中間ハウジング部分とを含む。前記中間ハウジングは協働する、好ましくは摺動する継ぎ手によって上側と下側の静止した本体部分に接続されている。
【0014】二次充填チューブは中間ハウジングにおいて前記一次充填チュ―ブへ入り込み、協働継ぎ手の移動により弁プラグに対して中間ハウジングと共に往復動する。好適な装置においては、複流充填弁のこの実施例は摺動継ぎ手をこの弁中の流動性原料から遮断するために前記協働継ぎ手の周りを延びるダイアフラムを含んでいる。前記摺動継ぎ手の好適形態は環状の内側および外側摺動部材を含む。
【0015】弁プラグは弁コーンとして形成することができる。好適なコーンは、該コーンの頂部から下方へ前記コ―ンの長さにわたって延びる少なくとも1個の、好ましくは4個のV字形溝を含む。該V字形溝は断面が前記コーンの長さにわたって減少する。
【0016】複流充填弁の更に別の実施例においては、前記二次充填チューブは一次充填チューブに対して静止しており、その間でシールされた通路を画成するように前記一次充填チューブに対して位置している。弁プラグは、前記閉鎖位置と開放位置との間で前記二次充填チューブに対して移動する圧力応答座要素を含む。この座要素は該座要素を開放位置あるいは閉鎖位置のいずれかに弾圧するように弾圧要素(biasing element )に作動可能に接続されていることが好ましい。
【0017】例えば空気あるいは窒素のような気体により前記座要素に圧力を与えることができる。代替的に、前記圧力応答座要素は真空により作動するように構成してもよい。更に別の形態においては、圧力応答座要素は、例えば液圧装置(hydraulic system)のように液体により作動させることも可能である。
【0018】本発明のその他の特徴や利点は以下の説明、添付図面、および特許請求の範囲から明らかとなる。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明は種々の形態で実施が可能であるが、本明細書での開示は本発明の例示であると見なすべきであり、ここに示す特定の実施例によって限定される意図でないとの理解の下に現在好適と考えられる好適実施例について図面に示し、以下説明する。
【0020】さて、図面、特に図2から図4を参照すれば、本発明の原理を採用した複流充填弁10の一実施例が示されている。前記弁10は充填装置12内に設置されている。前述のように、前記充填装置12は、特定の、例えば2%の牛乳脂肪分を含有している牛乳を製造するために単一の容器内で、例えばスキムミルクとクリームの双方のような流動性原料をパッケージにいれるために使用することができる。本発明の説明のために、スキムミルクのための流路は、14で示す、一次原料通路すなわち一次原料充填通路と称し、クリームのための流路は、16で示す、二次原料通路すなわち二次原料充填通路と称する。前記一次および二次充填通路14、16の中の要素は同様に一次および二次要素と称される。
【0021】本発明は特定的に液体充填装置あるいは液体充填環境(liquid filling environment)における使用を参照しているが、本発明の適用はそのように限定されるものでないことを理解すべきである。本発明の複流充填弁の各種の実施例は限定的ではないが、乾燥原料、粒体、粉末、および粒状化した原料のような固体原料並びに液状製品を含むいずれの流動性原料に対しても使用可能なことがわかっている。更に、例えば、スープのような固体原料と液体原料との組み合わせを、本発明を用いてパッケージにいれることが可能なこともわかっている。パッケージに入れられた流動性原料の全てのそのような用途や組み合わせも本発明の範囲内である。
【0022】図1は本装置12を概略的に示している。図2はそのような装置12の一物理的配置(physical arrangement)を示す。本装置12は全体的に一次製品あるいは原料のリザーバすなわち貯蔵タンク18と、二次リザーバ20と、それぞれ一次および二次原料用の一次および二次原料ポンプ22、24と、前記ポンプ22、24から複流充填弁10までそれぞれの流動性原料を転送するための一次および二次原料転送接続部26、28とを含む。一次流路14は、容器中への原料の流れが停止する結果による何らかの圧力上昇すなわちスパイク(spike )を吸収する減圧弁(resuction valve )30を含みうる。このことによって前記流れの停止以降の時間や原料が流れている時間の間で原料が滴下すなわち落下するのを阻止する。
【0023】典型的な配置においては、充填装置12の構成要素は、搾乳場の留め具(dairy clamps)34によって相互にクランプすなわち接続されているフランジ32を含む。該フランジ32は、充填路すなわち流路14、16の構成要素と周囲環境との間を密封状態に保ちやすくする、例えばOリングのようなシール要素を含みうる。
【0024】弁10はそれぞれ、一次および二次、すなわち外側および内側の同心状に配置された製品転送、すなわち充填チューブ38、40を含む。外側の、すなわち一次転送チューブ38は、例えば、スキムミルクを一次貯蔵タンク18から運び、一方内側、すなわち二次チューブ40は例えば、二次タンク20からクリームを運ぶことが出来る。本配置においては、流動性原料は、それらが共通の容器中へ導入される前に、あるいは導入されるときに直ちに混合することができる。すなわち、一次および二次原料は一次充填チューブ38の排出端42の周りで混合される。代替的に、前記原料の一方をまず容器中へ導入し、その後他方の原料をその中へ導入することが出来る。
【0025】本装置12を用いて、原料の各種組み合わを行うようにされる。例えば、一次および二次貯蔵タンク18、20は所望の製品を製造するために、それぞれスキムミルクと全乳とを入れることができる。代替的に、タンク18、20内の原料をその他の所望の製品を作るよう交換することも可能である。また、前述のように、本発明の充填装置12を用いて、その他の、非液状および部分的に液状の流動性原料並びにそれらの組み合わせをパッケージにいれることが出来る。本明細書で流動性原料、原料、流動性製品、製品等と称する場合は、食料製品および非食料製品を含み、全てのそのような液状、非液状、および部分的に液状で流動性の原料を含むものと解釈すべきである。
【0026】当該技術分野の専門家には、一次充填チューブ38はその排出端42における充填ノズル44を含んでいることが認められる。前記ノズル44は、流動性原料が該ノズル44を出て行くにつれて充填される容器のサイズと形状に一致している。典型的には、そのようなノズル44は例えばFDAにより承認された食品等級のシリコンゴムのような柔軟な材料から形成されており、製品が流れはじめると容器の開口に合致するように外方へ開き、製品の流れが終了すると内方へ折り畳まれる形状とされている。ノズル44は内方へ折りたたまれることによって容器と容器の充填の間で材料が滴下すなわち落下するのを最小とする。
【0027】さて、図3から図5までを参照すれば、一次充填チューブ38は、一次原料がポンプ22からノズル44までそこを通って流れる流路14を画成する本体部46を有している。本体部46は、一次チューブ38のそれぞれの入口端と排出端50、42との中間で位置され、二次チューブ40を受け入れる形状とされた二次チューブの開口すなわち侵入部(penetration )48を含む。前記侵入部48は二次チューブ40の周りでシールされ流路14を周りの環境から遮断している。
【0028】二次チューブ40には弁手段54が組合わされている。前記弁手段54と二次チューブ40とは、二次チューブ40からの二次原料の流れを開始したり停止させたりするように少なくとも部分的に、相互に対して移動する。該弁手段54は、例えば弁球あるいはプラグのような弁コーンを含みうる。前記弁手段54は原料の流路16に位置する。前記弁手段54が開放位置、すなわち開放状態にあると、一次および二次充填チューブ38および40の間で流体連通がなされ、原料が二次チューブ40から一次チューブ38まで流れるようになる。逆に、前記弁54が閉鎖位置すなわち閉鎖状態にあると、一次および二次チューブ38および40の間の流体連通、すなわち原料あるいは製品の流れが停止する。
【0029】図3から図5までにおいて最良に判るように、一実施例においては一次および二次充填チューブ38、40は基本的に剛性構造とされている。二次チューブ40は一次チューブの本体46に固定されている。弁手段54は、二次チューブの侵入部48と一次チューブ38の入口端50との中間に位置する侵入部59において一次チューブの本体46へ入り込む弁レバー58を有する作動手段56を含む。弁レバー58は一次チューブの流域60中へ延び、全体的に前記流路14に沿って長手方向に枢動する。前記レバー58は、ダイアフラムシール64から一次流路14中へ延びるスリーブ状要素62内に位置し、かつ枢動する。シール64とスリーブ62は前記一次チューブ38の内部と前記レバー58の部分を隔離し、一次原料を周囲から遮断する。
【0030】レバー58は前記弁手段54に作動可能に接続され二次充填チューブ40からの流れを開始したり閉鎖したりする。本実施例においては、弁手段54は、作動ロッド組み立て体68によってレバー58に作動可能に接続された弁球66である。弁球66は、たとえば前述のシリコンのような高分子材から形成されている。シリコンは二次チューブ40の開口に一致できるため、液密あるいは原料に対する緊密なシールを提供することが出来、かつ衛生的、例えば掃除が出来る特性があるため、本発明の用途に対して理想的な材料であることが判明している。
【0031】ロッド組み立て体68は、図3から図4において判るように、二次充填チューブ40の周りで、二つの側に沿って延び、すなわち二次充填チューブ40の周りで180度延びている長方形のフープ(hoop)70を含み、かつ基本的にロッドケージ(rod cage)76を形成しているフープ70の基部74から延びたJ字形部材72を含みうる。前記ケージ76は基本的には前記二次チューブ40の外側に沿って「乗り上げる(ride)」形状とされている。前記ロッド70、72と前記チューブ40との間の約1/4mmの距離、すなわち空隙はロッド70、72とチューブ40との間のかじりを阻止するに十分であり、一方ロッド70、72の案内された移動を許容するに十分であると考えられる。このように、弁球66はロッドケージ76により90度の間隔で囲まれており、球66は前記ケージ76内で回転自在である。
【0032】球66が回転自在であるようにすることは前記球66が前記二次チューブ40をシールする能力を高めるため有利である。前記球66が回転するので、二次チューブの排出端78に対して圧縮される前記球66の面積は一つの圧縮から次の圧縮まで変化しやすい。このように、前記球66が回転自在であるため該球66に対する圧縮を該球66の表面により大きく分配し、軟質で柔軟性の球66が二次チューブ40に対して連続的に圧縮される結果局部的な摩耗が少なくなる。更に、前記球66の回転自在性により該球66の「自動清浄」性を増大させることが考えられている。すなわち、前記球66上での製品の堆積が少なくなり、前記球66の前記チューブの排出端78における着座が不適性になる可能性を低下させる。
【0033】ロッド組み立て体68は前記レバー58を受け入れるようにされた接続部材80を含む。前記接続部材80とレバー58とは、該レバー58が枢動するにつれてロッドケージ76が前記二次チューブの排出端78に向かって、あるいは離れる方向に動くような形状とされている。前記ケージ76が前記排出端78に向かって、あるいは離れる方向に動くにつれて、前記球66は前記チューブ40に着座したり、離座したりする。
【0034】前記弁球66も自動調心性(self aligning )であることが有利である。すなわち、前記球66が前記チューブ40と接触するようになるにつれて、たとえ該球が中心からわずかに外れたとしても、前記球66の球形状が該球を排出端78に対して整合させるよう該球を動かし、排出端に亘って密封する。例えば、他の弁コーン形状や本明細書において開示した弁形式並びに、標準的なプラグあるいはプラグコック、切頭円錐形プラグ−コック、フラットタイプの弁等も本ロッド組み立て体68に対して使用することが出来る。弁プラグのそのような他の形状や形態も本発明の範囲内である。
【0035】レバー58は、流動性原料から隔離された外部の駆動源(external drive)82によって作動する。このように、必要あるいは希望に応じて、「湿った」あるいは「接触した」前記装置12の構成要素の衛生上の基準を容易に守ることが出来る。このことは、食料製品等をパッケージにいれる上で本装置12を使用するのに特に適している。前記レバー58の作動方法には機械的駆動、電気−機械的駆動、液圧駆動、および空気駆動装置(pneumatic drive )が含まれる。そのような駆動装置、およびそれらの使用並びに適用については当該技術分野の専門家には直ちに認められる。
【0036】複流充填弁10の本実施例についての図面および前記説明から明らかなように、一次および二次充填チューブ38、40は基本的には剛性で、固定された流動性原料搬送導管である。作動させるには、弁球66および二次チューブ40は相互に対して移動する。このような配置によって、作動組み立て体68の機械的構成要素を取り外すことにより弁球66を保全や検査のために容易に近接可能にする。
【0037】複流充填弁110の代替実施例が図6(a)および図6(b)に示されている。本実施例においては、一次チューブ112は、第1と第2の、例えば、上側および下側の静止本体部分114、116と、前記上側および下側本体部分114、116の間に位置した中間のハウジング部分118とを含む。二次チューブ122用の開口、すなわち侵入部120を含む中間ハウジング118は前記上側および下側本体部分114、116の間で、かつそれらに対して往復動する。図示した弁コーン126のような弁手段124が前記静止本体部分114、116の一方に、好ましくは下側本体部分116に固定されている。
【0038】図6(a)と図6(b)とを参照すれば、中間ハウジング118が往復動すると、二次チューブ122も同様に往復動し、弁コーン126と接触したり、接触から外れたりする。例えば、中間ハウジング118が一次チューブ112の排出端128に向かって下方へ移動されると(図6(b))、二次チューブ122は弁コーン126と接触するように移動され、そこからの原料の流れが停止する。逆に、中間ハウジング118が一次チューブ112の入口端130に向かって上方へ移動されると(図6(a))、二次チューブ122は弁コーン126との接触から外れる。この位置において、弁124が開き一次および二次チューブ112、122の間の流体連通を発生させる。
【0039】上側本体部分114と中間ハウジング118と、および中間ハウジング118と下側本体部分116とは、協働し、移動するコネクタすなわち継ぎ手132、134によって相互に接続されている。前記継ぎ手132、134は中間ハウジング118が固定された上側および下側本体部分114、116に対しかつそれらの間で往復動出来るようにする。この形態において、二次充填チューブ122を中間ハウジング118に固定させることにより、該二次充填チューブ122は上側および下側本体部分114、116に対して同様に往復動する。
【0040】図6(a)および図6(b)から最良に判るように、各摺動コネクタ132,134は、相互に対して同心状である内側摺動部材132a,134aと外側摺動部材132b,134bとを含む。内側摺動部材132a,134aはそれぞれの外側摺動部材132b,134b内で伸縮自在に(in a telescopic manner)摺動する形態とされている。外側部材132b,134bは、それぞれ、内側部材132a,134aが外側部材132b,134b中へ挿入され過ぎないようにする停止手段すなわち端壁136を含んでいる。
【0041】摺動部材132、134は、図示した可撓性ダイアフラムのようなシール要素138によって流動性原料から隔離されている。ダイフラム138は、継ぎ手132、134が140で図示した後退状態(retracted state )と、142で図示した伸長状態(extended state)との間で摺動する。ダイフラム138は、フランジ148に形成された溝146に位置した、ダイアフラム138と一体のリングすなわちリップ144によって適所に保持されている。フランジ148が共に圧縮されるにつれてダイアフラム138は適所に固定される。
【0042】前述したように、典型的な配置においては、構成要素は搾乳場の留め具(図3の留め具34を参照のこと)によってフランジ148で共に固定されている。前記留め具34は本装置12の構成要素をしっかりと保持し、かつ原料の流れを周囲環境から隔離した状態に保つ。ダイフラム138は弁ノズル150と同様に、例えばシリコンゴムのような食品等級の材料から形成されている。ダイアフラム138の材料は、中間ハウジング118および二次充填チューブ122が往復動するにつれて繰り返しおよび連続的な撓みに耐えるように十分な弾性を有している。このように、移動するコネクタ132、134を流動性製品から隔離しながら、使用手順において必要とされるか、あるいは所望される衛生上の基準は容易に達成される。
【0043】図6(a)および図6(b)は、それぞれ開放位置および閉鎖位置における弁110を示す。図から明らかなように、継ぎ手132,134は同じような方向とされ、中間ハウジング118が固定された直線空間内において往復動しうるよう相互に協働する。このように、一方の継ぎ手、例えば、上側の継ぎ手132が(図6(b)に示すように)伸長位置にあると、他方の継ぎ手134は後退位置にある。このように、双方の継ぎ手132,134は部材132a,134aと同様に部材132b,134bと同様にそれぞれ他方の継ぎ手と連続的に接触している。このため、弁110の構造的安定性および剛性を保つ。本実施例においては、中間ハウジング118は、ストロークの頂点、すなわち図6(a)に示す開放位置からストロークの底点、すなわち図6(b)に示す閉鎖位置まで約10ミリから13ミリの間を往復動する。
【0044】一例の弁コーン126が図6(a)および図6(b)において弁110の適所において示されている。前記コーン126は、他の非金属の湿ったシリコン構成要素と類似の、例えばシリコンゴムから形成されている。弁コーン126は、一次充填チューブ112の内面から内方に延びている複数の剛性支持要素154によって一次流れ室(primary flow chamber)152に適所に支持されている。前記要素154は流れている原料との干渉を最小とするために前記一次チューブ流れ室(primary tube flow chamber )152の周りに位置している。
【0045】一実施例においては、コーン126は該コーン126を二次チューブ122との整合状態に保つ案内手段156を含む。該案内手段は、往復動する二次チューブ122をコーン126に対して適正に着座させやすくするために図6(a)および図6(b)においてコーン126上に示すリブ156を含みうる。
【0046】V字形弁コーン170として示す別のコーン170の例が図10に示され、該V字形弁コーン170は円筒形のバレル状本体部172を含む。コーン170は前記本体172に形成され、174で示す複数のV字形の傾斜溝(angled grooves)を有している。各溝174の角度は、該溝174の断面積がコーン170の頂部176において最大であり、前記コーン170の長さlと溝174に沿って下方へ減少するようになっている。前記溝174は、図10から見て、またコーン170の頂部176から見て、コーンの前部および側部178,180から見てV字形を有している。代替的に、該溝174は、コーン170の頂部176から見て、断面が、4分円や半円形および放物線状の断面のような曲線断面を有しうる。そのような断面形状の全ては本発明の範囲内である。
【0047】前述のV字溝174の形状は流量調整特性を高めることが認められた。図示したV字溝形態174において、コーン170は、閉鎖位置にあると、二次チューブ122の排出端158内に位置し、それによってコーン170とチューブ122との整合性を保つ。コーン170は該コーン170と二次チューブ122とが相互に係合するにつれてコーン170を二次チューブ122に対して整合状態に保つ案内すなわち整合手段を含む。そのような案内手段は前記チューブ122の内側あるいはコーン170の外側に位置させることが出来る。
【0048】図6(a)および図6(b)に示すコーン126において、コーン126とチューブ122とはコーン170から外方に延びるリブ156によって整合される。代替的に、図10のコーン170に示すように、前記整合は前記コーン170の頂部176と側部180に沿った斜めに切られた端部すなわち面取り182によって保たれる。当該技術分野の専門家には、二次チューブ122とこれらのコーン126、170の形態並びにその他のコーン形態の整合状態を保つために各種手段を使用出来ることが認められる。
【0049】中間ハウジング122は、機械的駆動、電気―機械的駆動、油圧駆動、および空気駆動を含む各種の駆動手段160のいずれかにより往復動することが出来る。そのような駆動手段、それらの使用および適用については当該技術分野の専門家には直ちに認められる。そのような駆動手段の使用は本発明の範囲内に入る。
【0050】複流充填弁210の更に別の実施例が図7に示されている。この実施例においては、一次および二次チューブ212,214は相互に対して静止している。図示した弁プラグ216のような弁手段が前記チューブ212,214内に固定されている。一次チューブ212は、その間で密閉された通路、すなわち空間218を画成する内側および外側部分212a,212bを有している。内側部分212aは圧力通路導管222を画成する内方へ延びた部分220を含む。図8を参照すれば、前記導管222は前記内側部分212aを内方に延び、環状の圧力マニホルド224を形成している。前記マニホルド224は、それぞれ中央のプラグ受入れ領域230を画成する上側および下側フランジ226,228を含んでいる。本実施例においては、圧力通路導管222は相互に対して180度離れた内側部分212aの相対する二つの側から延び、マニホルド224を画成している。
【0051】弁210は圧力作動のプラグ部分216を含んでいる。前記プラグ216は可撓性の座要素232と反対方向に向いた剛性のキャップ部分234とを含む。座要素232とキャップ部分234とは前記プラグ受入れ領域230において前記マニホルド224内に位置している。Oリング等のシール236が前記キャップ234と前記座要素232との間に配置され、その間で気密、あるいは真空密のシールを形成し、かつ前記プラグ216内で圧力領域238を画成している。プラグ216は、上側および下側フランジ226,228の間で、それらに対して取り付けられたマニホルド224に位置している。キャップ部分234と下側フランジ228とはマニホルド224において前記プラグ216を適所に保持するための相補的ネジ(complementary threads )を含むことが出来る。前記キャップ234はマニホルド224と圧力領域238とに対して開放した圧力ポート240を含む。
【0052】座要素232は可撓性であり、マニホルド224から上方へ延びている。座要素232は伸長状態において、二次充填チューブ214の排出端250と係合する。ピン252がプラグ216内に位置しており、前記座要素232の頂壁と内方に延びるリップ256との間でプラグ216内に位置する頭部分254を含む。図示したコイルばねのような弾圧部材(biasing member)258がピン252の周りに位置している。
【0053】前記ばね258はプラグ216の開放位置まで弾圧されている。すなわち、圧力領域238内の圧力がばね258によって座要素232に加えられる力を下回ると、ピン252はばね258の力によって下方へ押圧される。このため、座要素232は二次チューブ214から外され、二次チュ―ブの排出端250を開放してそこから原料が流れ出るようになる。
【0054】逆に、圧力が空気、窒素等の気体Gによって圧力領域238に加えられ、プラグ216を閉鎖してもよい。気体Gはタップ260等を介して密閉通路218に提供される。気体Gは通路218を通り、マニホルド224へ流入する。マニホルド224から気体Gはポート240を通してプラグ圧力領域238へ入り、前記領域238を加圧する。前記領域238内の圧力が座要素232をばね258の力に対抗して上方へ押して二次チューブの排出端250と接触させ、チューブ214からの流れを止める。
【0055】前述のように、プラグ216を閉鎖するべく圧力領域238を加圧するために圧縮空気、窒素等の気体Gが使用されることが考えられる。代替的に、前記 プラグ216を加圧するのに液体、例えば液圧系(hydraulic system)を使用してもよい。そのような液体系は本装置12において処理されるのであれば液体製品を使用してよく、また液圧流体(hydraulic system)とか当該技術分野の専門家にて認められるその他の系も使用することが出来る。
【0056】代替的に、プラグ216は真空系(図示せず)を用いて作動させることが出来る。そのような系においては、ばね258は弁216を閉鎖位置へ弾圧する形態とされる。すなわち、ばね258は座要素232を二次チューブの排出端250と接触するように押圧する形態とされる。弁216を閉鎖するために圧力を加えるのと同様に、通路218とマニホルド224へ真空を適用することによって圧力領域238内を真空に引く。そのため、真空で座要素232をばね258の力に抗して下方へ押圧し、排出端250との接触から外し、それにより二次チューブ214を開放してそこから原料が流れうるようにする。
【0057】逆に、圧力領域238内の真空が減少すると、ばね258によって座要素232に加えられていた力が座要素232を二次チューブの排出端250と接触するように上方へ押圧してチューブ214からの流れを停止させる。
【0058】前述の説明から、本発明の真正な精神と新規な概念の範囲とから逸脱することなく多様の修正や変更が可能なることが認められる。図示した特定の実施例に対する限定は何もないことを理解すべきである。本開示は特許請求の範囲によってその範囲に入る全ての修正を網羅する意図である。
【図面の簡単な説明】
【図1】複流充填弁を用いて、二種類の流動性原料を容器内へ導入する流動性原料充填装置の概略図。
【図2】複流充填弁を含む充填装置の充填ステーションの全体装置図。
【図3】本発明の原理を採用した複流充填弁であって、フープ組み立て体と弁球装置とを含み、その頂部に一例の一般的な製品弁(universal product valve )を装着し、図を判り易くするために外側の一次充填チューブを外して示す複流充填弁の一実施例の斜視図。
【図4】(a)と(b)とは、一次充填チューブが適所にあり、複流充填弁を閉鎖位置にて示す、図3の複流充填弁の、それぞれ部分断面正面図および側面図。
【図5】(a)と(b)とは、図4(b)と同様であるが一次チューブを外したもので、複流充填弁を図5(a)と図5(b)の閉鎖位置と開放位置においてそれぞれ示す複流充填弁の部分的な断側面図。
【図6】(a)と(b)とは本発明の原理を採用し、それぞれ開放位置と閉鎖位置とにおいて示す複流充填弁の別の実施例を示す図。
【図7】弁をサイクル運動させるために外側の圧力源あるいは真空源を使用している複流充填弁の更に別の実施例を示す図。
【図8】図7の線8−8に沿って見た図7に示す弁の断面図。
【図9】図7に示す弁の実施例の弁プラグの拡大図。
【図10】図6(a)と図6(b)とに示す弁の実施例に使用しうる弁プラグすなわちコーンの一例の側面図。
【符号の説明】
10,110,210 複流充填弁
12 充填装置
38,112,212 一次充填チューブ
40,122,214 二次充填チューブ
54,124,170,216 弁手段
56 作動手段
64,138,236 シール
66 弁球
68 作動ロッド
80 接続部材
126,170 弁コーン
160 駆動手段
224 マニホルド
232 座要素
238 圧力領域
258 ばね

【特許請求の範囲】
【請求項1】 少なくとも二種類の流動性原料を容器中へ導入する流動性原料充填装置に使用する複流充填弁において、入口端と排出端とを有し、内部流域を画成する一次充填チューブであって、前記入口端と排出端との中間において第1の開口を画成している一次充填チューブと、入口端と排出端とを有し、内部流域を画成する二次充填チューブであって、前記一次充填チューブの内部流域内に少なくとも部分的に配置され、前記第1の開口を介して前記一次充填チューブに入り込んでいる二次充填チューブと、前記一次充填チューブの内部流域に位置し、前記一次および二次充填チューブの内部流域の間で流体連通がなされている開放状態と前記一次および二次充填チューブの内部流域の間で流体連通が停止している閉鎖状態との間で前記二次充填チューブに対し移動可能である部分を含む弁手段と、前記開放位置と閉鎖位置との間で前記弁手段を移動させる作動手段であって、前記二次充填チューブの流域の完全に外側に配置されている作動手段とを含むことを特徴とする複流充填弁。
【請求項2】 前記弁手段が前記一次充填チューブと二次充填チューブとの双方に対して移動可能である部分を含んでいることを特徴とする請求項1に記載の複流充填弁。
【請求項3】 前記一次および二次充填チューブが相互に対して静止していることを特徴とする請求項1に記載の複流充填弁。
【請求項4】 前記弁手段が前記一次充填チューブに対して静止している一部分を含むことを特徴とする請求項1に記載の複流充填弁。
【請求項5】 前記一次充填チューブの第2の開口を通して少なくとも部分的に延びており、前記弁手段の部分に作動可能に接続されて該弁手段の部分を前記開放位置と閉鎖位置との間で移動させる作動レバーを含むことを特徴とする請求項3に記載の複流充填弁。
【請求項6】 前記作動レバーが前記第1の開口と前記入口端との中間において前記一次充填チューブに入り込んでいることを特徴とする請求項5に記載の複流充填弁。
【請求項7】 前記弁手段の部分を支持する接続部材であって、前記作動レバーと前記弁手段の部分との間を延びている接続部材を含むことを特徴とする請求項6に記載の複流充填弁。
【請求項8】 前記接続部材がケージに入ったロッド組み立て体を含むことを特徴とする請求項7に記載の複流充填弁。
【請求項9】 前記弁手段が弁球を含んでいることを特徴とする請求項8に記載の複流充填弁。
【請求項10】 前記弁球が前記二次充填チューブに対して自動調心性であることを特徴とする請求項9に記載の複流充填弁。
【請求項11】 前記弁手段が前記排出端の近傍で前記一次充填チューブに固定されていることを特徴とする請求項4に記載の複流充填弁。
【請求項12】 前記一次充填チューブが、静止した上側本体部分と、静止した下側本体部分と、前記の静止した上側本体部分と下側本体部分との間に配置され、それぞれ第1と第2の協働継ぎ手によって該静止した上側本体部分と下側本体部分に作動可能に接続されている中間ハウジング部分とを含み、前記二次充填チューブが前記中間ハウジングにおいて前記一次充填チューブ中へ入り込み、前記協働継ぎ手の移動によって前記弁手段に対して移動可能であることを特徴とする請求項11に記載の複流充填弁。
【請求項13】 前記協働継ぎ手が原料の流路に対してほぼ同一直線上で往復動することを特徴とする請求項12に記載の複流充填弁。
【請求項14】 前記協働継ぎ手から流動性原料を遮断するために前記継ぎ手をシールする手段を含むことを特徴とする請求項13に記載の複流充填弁。
【請求項15】 前記シール手段が前記協働継ぎ手の周りを延びるダイアフラムを含むことを特徴とする請求項14に記載の複流充填弁。
【請求項16】 各協働継ぎ手が環状の内側および外側の摺動部材を含むことを特徴とする請求項12に記載の複流充填弁。
【請求項17】 前記弁手段が弁コーンを含むことを特徴とする請求項12に記載の複流充填弁。
【請求項18】 前記弁コーンが、該コーンの頂部から下方へ該コーンの長さに亘って延びている少なくとも1個のV字形溝を有し、該V字形溝の断面が前記コーンの長さに亘って減少していくことを特徴とする請求項17に記載の複流充填弁。
【請求項19】 前記二次充填チューブが前記一次充填チューブに対して静止しており、かつその間でシールされた通路を画成するように前記一次充填チューブに対して位置され、前記弁手段が、前記閉鎖位置と開放位置との間で前記二次充填チューブに対して移動するよう圧力に応答するシール要素を含むことを特徴とする請求項4に記載の複流充填弁。
【請求項20】 前記一次および二次充填チューブの中の少なくとも一方が液状流動性原料を受入れて流体連通するよう適合されることを特徴とする請求項1に記載の複流充填弁。
【請求項21】 前記二次充填チューブが前記排出端が前記一次充填チューブの内部流域内にあるように位置されていることを特徴とする請求項1に記載の複流充填弁。
【請求項22】 少なくとも二種類の流動性原料を容器中へ導入する流動性原料充填装置に使用する複流充填弁であって、原料に流路を画成する複流充填弁において、入口端と排出端とを有し、内部流域を画成する一次充填チューブであって、前記入口端と排出端との中間で第1の開口を画成している一次充填チューブと、入口端と排出端とを有し、内部流域を画成する二次充填チューブであって、前記一次充填チューブの内部流域内に少なくとも部分的に配置され、前記第1の開口を通して前記一次充填チューブ中へ入り込み、前記一次充填チューブに固定されている二次充填チューブと、前記一次および二次充填チューブの内部流域の間で流体連通がなされている開放状態と前記一次および二次充填チュ―ブの内部流域の間で流体連通が停止している閉鎖状態との間で前記一次および二次充填チューブに対して移動可能である部分を含む弁手段と、前記開放位置と閉鎖位置との間で前記弁手段の部分を移動させる作動手段であって、前記一次および二次充填チューブの中間で部分的に配置され、前記一次充填チューブの外側に部分的に配置されて、前記弁手段の部分を前記開放位置と閉鎖位置との間で移動させるように枢動可能である作動手段とを含むことを特徴とする複流充填弁。
【請求項23】 前記弁手段が、前記一次充填チューブと二次充填チューブとの間で流体連通を設定したり、停止したりするために前記二次充填チューブの排出端と係合可能な弁球を含むことを特徴とする請求項22に記載の複流充填弁。
【請求項24】 前記作動手段が、ロッドフープに作動可能に接続された前記一次充填チューブへの侵入部を通して延びるレバーを含み、前記ロッドフープが前記弁球を支持して前記弁球を前記二次充填チューブの排出端と係合したり、外れたりするよう移動させるように適合されていることを特徴とする請求項23に記載の複流充填弁。
【請求項25】 前記ロッドフープが少なくとも180度の間隔で前記弁球を支持することを特徴とする請求項24に記載の複流充填弁。
【請求項26】 前記ロッドフープが前記弁球を支持するよう該フープから延びた少なくとも1個の追加の支持要素を含むことを特徴とする請求項25に記載の複流充填弁。
【請求項27】 前記レバーの周りの侵入部をシールする手段を含むことを特徴とする請求項24に記載の複流充填弁。
【請求項28】 前記排出端が前記一次充填チューブの内部流域内に来るように前記二次充填チューブが位置されていることを特徴とする請求項22に記載の複流充填弁。
【請求項29】 前記一次および二次充填チューブの少なくとも一方が液状流動性原料を受入れてかつ流体連通を提供するように適合されていることを特徴とする請求項22に記載の複流充填弁。
【請求項30】 少なくとも二種類の流動性原料を容器中へ導入する流動性原料充填装置に使用する複流充填弁であって、原料に流路を画成する複流充填弁において、入口端と排出端とを有し、内部流域を画成する一次充填チューブであって、前記入口端と排出端との中間において第1の開口を画成する一次充填チューブと、入口端と排出端とを有し、内部流域を画成する二次充填チューブであって、前記一次充填チューブの内部に少なくとも部分的に配置され、前記第1の開口を通して前記一次充填チューブへ入り込み、その間でシールされた通路を画成するように前記一次充填チューブに位置している二次充填チューブと、圧力に応答し、前記二次充填チューブの内部流域に位置しており、前記一次および二次充填チューブの内部流域の間が流体連通している開放状態と、前記一次および二次充填チューブの内部流域内で流体連通が終了している閉鎖状態との間で前記二次充填チューブの内部流域に対して移動可能である部分を含む弁手段と、前記開放位置と閉鎖位置との間で前記弁手段の部分を移動させる作動手段とを含むことを特徴とする複流充填弁。
【請求項31】 前記弁手段が可撓性の座要素と流体連通した圧力領域を含み、前記座要素が前記圧力領域の圧力に応答し、前記座要素が前記二次充填チューブの排出端と係合してそこからの流れを終了させる閉鎖位置と、前記座領域が前記二次充填チューブの排出端から外れてそこからの流れを許容する開放位置との間で該座要素が移動可能であることを特徴とする請求項30に記載の複流充填弁。
【請求項32】 前記座要素に作動可能に接続された弾圧部材を含むことを特徴とする請求項31に記載の複流充填弁。
【請求項33】 前記圧力領域に所定の圧力が加えられると、前記座要素が前記二次充填チューブの排出端と係合し、前記圧力領域に前記所定の圧力より低い圧力が加えられると、前記座要素が前記二次充填チューブの排出端から外れることを特徴とする請求項32に記載の複流充填弁。
【請求項34】 前記一次充填チューブの内部流域内に配置された圧力マニホルドを含み、該圧力マニホルドが前記のシールされた通路と弁手段の圧力領域との間で流体連通を設定することを特徴とする請求項31に記載の複流充填弁。
【請求項35】 前記二次充填チューブが、前記排出端が前記一次充填チューブの内部流域内に来るように位置されていることを特徴とする請求項30に記載の複流充填弁。
【請求項36】 前記弁手段が前記一次充填チューブの内部流域内に位置していることを特徴とする請求項30に記載の複流充填弁。
【請求項37】 前記一次および二次充填チューブの少なくとも一方が液状流動性原料を受入れてかつ流体連通を提供することを特徴とする請求項30に記載の複流充填弁。
【請求項38】 少なくとも二種類の流動性原料を容器中へ導入する流動性原料充填装置に使用する複流充填弁であって、原料の流路を画成する複流充填弁において、入口端領域と、排出端領域と、それらの間の中間ハウジングとを有する一次充填チューブであって、内部流路を画成し、前記中間ハウジングにおいて第1の開口を画成する一次充填チューブと、入口端領域と、排出端領域とを有し内部流路を画成する二次充填チューブであって、前記一次充填チューブの内部流路の内部に少なくとも部分的に配置され、前記第1の開口を介して前記一次充填チューブへ入り込む二次充填チューブと、各前記入口端領域および排出端領域とを前記中間ハウジングに作動可能に接続する第1と第2の伸縮自在の摺動継ぎ手と、前記一次充填チューブに対して固定された弁手段とを含み、前記二次充填チューブが、前記弁手段が前記二次充填チューブと係合して前記一次および二次充填チューブの内部流域の間で流体連通が停止する閉鎖状態と、前記弁手段が前記二次充填チューブの排出端から外れて前記一次および二次充填チューブの内部流域の間で流体連通がなされる開放位置との間で、前記一次充填チューブの入口端と排出端に対して移動可能であることを特徴とする複流充填弁。
【請求項39】 前記摺動継ぎ手が原料の流路に対してほぼ同一直線上で往復動することを特徴とする請求項38に記載の複流充填弁。
【請求項40】 前記摺動継ぎ手から前記原料の流路を遮断するために前記摺動継ぎ手をシールする手段を含むことを特徴とする請求項39に記載の複流充填弁。
【請求項41】 前記シール手段が、前記摺動継ぎ手の周りでかつ前記摺動継ぎ手と原料の流路との間を延びるダイアフラムを含むことを特徴とする請求項40に記載の複流充填弁。
【請求項42】 前記弁手段が弁コーンであることを特徴とする請求項38に記載の複流充填弁。
【請求項43】 前記弁コーンが、該コーンの頂部から下方へ前記コーンの長さに亘って延びる少なくとも1個のV字形溝を有し、そのV字形溝が前記コーンの長さにわたって減少している断面積を有していることを特徴とする請求項42に記載の複流充填弁。
【請求項44】 前記二次充填チューブが、前記排出端が前記一次充填チューブの内部流域内に来るように位置されていることを特徴とする請求項38に記載の複流充填弁。
【請求項45】 前記弁手段が前記入口端領域および排出端領域の中間で前記一次チューブの内部流域に位置されていることを特徴とする請求項38に記載の複流充填弁。
【請求項46】 前記一次および二次充填チューブの少なくとも一方が液状流動性原料を受入れて流体連通を提供することを特徴とする請求項38に記載の複流充填弁。
【請求項47】 一次充填チューブと、該一次充填チューブに対し環状の関係で該一次充填チューブに位置されている二次充填チューブとを有し、それに沿って流路を画成する複流充填弁に使用する弁コーンにおいて、前記流路に沿った方向にある長さを有し、その長さの少なくとも一部に沿って延びる少なくとも1個の溝を含む主本体部分で、該溝は前記流路に沿った方向から見てV字形断面を有しかつ前記流路に沿った方向において前記コーンの長さに沿って断面積が減少する主本体部分を含むことを特徴とする弁コーン。
【請求項48】 前記弁コーンが4個のV字形溝を有することを特徴とする請求項47に記載の弁コーン。
【請求項49】 前記V字形溝が前記コーンの長さに亘ってそのV字形断面に対し横切る方向にV字形断面を有することを特徴とする請求項47に記載の弁コーン。
【請求項50】 前記弁コーンが、前記コーンの長さに亘ってそのV字形断面に対し横切る方向に4個のV字形断面を有していることを特徴とする請求項49に記載の弁コーン。

【図1】
image rotate


【図2】
image rotate


【図3】
image rotate


【図8】
image rotate


【図9】
image rotate


【図4】
image rotate


【図5】
image rotate


【図7】
image rotate


【図10】
image rotate


【図6】
image rotate


【公開番号】特開平11−49291
【公開日】平成11年(1999)2月23日
【国際特許分類】
【出願番号】特願平9−333242
【出願日】平成9年(1997)12月3日
【出願人】(591007424)テトラ ラバル ホールデイングス エ フイナンス ソシエテ アノニム (190)