説明

複素環式ボロン酸化合物

【課題】免疫系を抑制すること無く、DPP−IVを阻害するために有用な化合物を提供すること。
【解決手段】次式(I)を有する化合物を提供し、nは1〜3、Xは、CH2、S、O、CF2またはC(CH32基であり、Zは、H、ハロゲン、OH、(C1−6)アルコキシ、(C1−12)アルキル、(C3−12)シクロアルキル、フェニル、もしくはヘテロアリールであり、R7で単置換もしくは独立に複数置換することができ、また、Xと隣接する環員炭素原子とZとが縮合シクロプロピルを形成し、また、オプションとしてXを含んだ環の結合のうちのひとつが二重結合である。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(IV):
【化1】

の化合物であって、すべてのその環式異性体、その立体異性体、その溶媒和物、その水和物および薬学的に許容されるそれらの塩およびあらゆるそのプロドラッグを含み、ここで:
R1およびR2は、独立にあるいは共に、−OH、−OMであり、ここで、Mは、薬学的に許容されるカチオン、ボロン酸保護基を有するヒドロキシル基、または、生理pHの水溶液中もしくは生体液中において水和されてヒドロキシル基となることができる基、であり;
Rx は、水素原子、(C1-8)アルキル基、(C3-12)シクロアルキル基、ベンジル基、もしくはフェニル基であって、ここで、前記ベンジル基および前記フェニル基は、非置換であるか、または、R12で環上を単置換もしくは独立に二置換されるものであり;
R12は、ハロゲン基、トリフルオロメチル基、シアノ基、ニトロ基、(C1−6)アルキル基、(C1−6)アルコキシ基、シクロアルキル基、カルボキシ基、アセトアミド基、ヒドロキシ基、ヒドロキシ(C1−6)アルキル基、ヒドロキシメチル基、トリフルオロメトキシ基、スルファモイル基、カルバモイル基、スルホンアミド基、アルキルスルホニル基(alkylsufonyl)、フェニルスルホニル基、アリール基、もしくはヘテロアリール基であって;ここで前記アリール基および前記ヘテロアリール基は、非置換であるか、または、R7で単置換もしくは独立に複数置換されるものであり;
R7 は、ハロゲン基、(C1−10)アルキル基、(C1−10)アルコキシ基、(C1−10)アルキルアミノ基、(C1−10)ジアルキルアミノ基、ベンジル基、ベンジルオキシ基、ヒドロキシル(C1−6)アルキル基、ヒドロキシメチル基、ニトロ基、トリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基、トリフルオロメチルチオ基、N−ヒドロキシイミノ基、シアノ基、カルボキシ基、アセトアミド基、ヒドロキシ基、スルファモイル基、スルホンアミド基、もしくはカルバモイル基であり;
不斉炭素CaおよびCbにおける波線は、独立に各不斉炭素のR立体配置およびS立体配置、またはこの両方の立体配置の混合物を示し、すべての立体異性体およびすべての立体異性体の混合物が含まれる、化合物、あるいは、
式(VIb):
【化2】

を有するその環式異性体、あるいは、
式(VI)の化合物および式(VIb)の環式異性体の混合物。
【請求項2】
式(VII):
【化3】

を有する請求項1に記載の化合物、または、その環式異性体、もしくはあらゆる薬学的に許容されるその塩、あらゆるそのプロドラッグもしくはあらゆるその溶媒和物であって、ここで:
不斉炭素CaおよびCbにおける波線は、独立に各不斉炭素のR立体配置およびS立体配置、またはこの両方の立体配置の混合物を示し、すべての立体異性体およびすべての立体異性体の混合物が含まれる、化合物、あるいは;
式(VIIb):
【化4】

を有する式(VII)の化合物の環式異性体、あるいは、
式(VII)の化合物および式(VIIb)の環式異性体の混合物。
【請求項3】
Rx は、水素原子、メチル基、ベンジル基または(C1−8)アルキル基である、請求項1に記載の化合物または混合物。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載の化合物または混合物であって、R1 および R2 が、独立に、もしくは共に、(+)−ピナンジオール、ピナコール、1,2−ジシクロヘキシルエタンジオール、1,2−エタンジオール、2,2−ジエタノールアミン、1,3−プロパンジオール、2,3−ブタンジオール、ジイソプロピルタルトラート、1,4−ブタンジオール、ジイソプロピルエタンジオール、(S,S,)−5,6−デカンジオール、1,1,2−トリフェニル−1,2−エタンジオール、(2R,3R)−1,4−ジメトキシ−1,1,4,4−テトラフェニル−2,3−ブタンジオール、メタノール、エタノール、イソプロパノール、カテコール、もしくは1−ブタノールから形成されたボロン酸保護基を有するヒドロキシル基であるか;あるいは、R1および R2 が、独立に、もしくは共に、生理pHの水溶液中もしくは生体液中において、水和されてヒドロキシル基となることができる基であって、前記化合物が、1,2−ジシクロヘキシルエタンジオール、1,2−エタンジオール、1,3−プロパンジオール、2,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ジイソプロピルエタンジオール、メタノール、エタノール、イソプロパノール、もしくは1−ブタノールから形成されるものである、化合物または混合物。
【請求項5】
R1 および R2 が、ヒドロキシル基である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の化合物または混合物。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか一項に記載の化合物または混合物と、少なくとも一種の薬学的に許容される担体または賦形剤とを含有する、薬学的組成物。
【請求項7】
ジペプチジルペプチダーゼ−IVを阻害する方法であって、前記方法は、ジペプチジルペプチダーゼ−IVと、請求項1〜5のいずれか一項に記載の化合物の有効量、または請求項6に記載の組成物とを接触させるステップを含む、方法。
【請求項8】
前記化合物または混合物が、少なくとも一種の他のジペプチジルペプチダーゼより優先して、ジペプチジルペプチダーゼ−IVを選択的に阻害する、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
ジペプチジルペプチダーゼ−IV の阻害を介して調節もしくは正常化できるような哺乳類の悪性状態を処置するための医薬の製造のための、請求項1〜5のいずれか一項に記載の化合物もしくは混合物、または請求項6に記載の組成物、の使用。
【請求項10】
前記悪性状態が代謝障害または糖尿病である、請求項9に記載の使用。
【請求項11】
製造において、さらに、インスリン分泌の増大、インスリン感度の増大、胃腸器官系からの糖の取り込みの低減、血糖制御に影響する内因性ペプチドもしくは蛋白質の作用の増強、または、血糖制御に影響する内因性ペプチドもしくは蛋白質の置換の提供、あるいはこれらの組み合わせ、を行うための第二薬剤からなる群から選択される抗糖尿病薬、あるいはこれらの組み合わせを含む第二薬剤の治療上有効な量の使用を含む、請求項9または10に記載の使用。
【請求項12】
哺乳類の患者の、(1)高血糖症、(2)低耐糖能、(3)インスリン抵抗性、(4)肥満、(5)脂質異常、(6)低脂血症、(7)高脂血症、(8)高トリグリセリド血症、(9)高コレステロール血症、(10)低HDL症、(11)高LDL症、(12)アテローム性動脈硬化症およびその続発症、(13)血管再狭窄、(14)過敏性腸症候群、(15)クローン病および潰瘍性大腸炎を含む炎症性腸疾患、(16)関節リウマチ、(17)他の炎症、(18)膵炎、(19)腹部肥満、(20)神経変性疾患、(21)多発性硬化症、(22)網膜障害、(23)腎障害、(24)神経障害、(25)シンドロームX、(26)卵巣アンドロゲン過剰症、(27)移植における同種移植拒否反応、(28)II型糖尿病、(29)成長ホルモン欠乏症、(30)好中球減少症、(31)貧血、(32)神経細胞異常、(33)腫瘍の生長および転移、(34)前立腺肥大症、(35)歯齦炎、(36)高血圧、(37)骨粗鬆症、ならびに、ジペプチジルペプチダーゼ−IVの阻害によって処置することができるような他の症状、から成る群から選択されるひとつもしくは複数の症状の、処置、抑制、もしくは抑止を必要とする患者において、前記ひとつもしくは複数の症状を、処置、抑制、もしくは抑止するための医薬の製造のための、請求項1〜5のいずれかに記載の化合物または混合物の治療上有効な量、ならびに、
a)他のジペプチジルペプチダーゼ−IV阻害剤、
b)(i)PPARアゴニスト、(ii)ビグアニド類、および(iii)蛋白質ホスファターゼ−1B阻害剤、から成る群から選択されるインスリン増感剤、
c)インスリン、もしくはインスリン模倣物質、
d)スルホニル尿素類、もしくは他のインスリン分泌促進物質、
e)α−グルコシダーゼ阻害剤、
f)グルカゴン受容体アゴニスト、
g)GLP−1、GLP−1模倣物質、および GLP−1受容体アゴニスト、
h)GLP−2、GLP−2模倣物質、および GLP−2受容体アゴニスト、
i)GIP、GIP模倣物質、および GIP受容体アゴニスト、
j)PACAP、PACAP模倣物質、および PACAP受容体3アゴニスト、
k)(i)HMG−CoA還元酵素阻害剤、(ii)捕捉剤、(iii)ニコチニルアルコール、ニコチン酸、もしくはそれらの塩、(iv)PPARαアゴニスト、(v)PPARα/γ二重アゴニスト、(vi)コレステロール吸収阻害剤、(vii)アシル−CoA(コレステロール−アシルトランスフェラーゼ阻害剤)、ならびに(viii)抗酸化剤、から成る群から選択されるコレステロール低下薬、
l)PPARδアゴニスト、
m)抗肥満物質、
n)腸内胆汁酸輸送体阻害剤、
o)抗炎症薬、
p)G−CSF、G−CSF模倣物質、および G−CSF受容体アゴニスト、;ならびに、
q)EPO、EPO模倣物質、および EPO受容体アゴニスト、
から成る群から選択されるひとつもしくは複数の第二薬剤の治療上有効な量、の使用。
【請求項13】
請求項1〜5のいずれかに記載の化合物または混合物、および
インスリン分泌の増大、インスリン感度の増大、胃腸からの糖の取り込みの低減、血糖制御に影響する内因性ペプチドもしくは蛋白質の作用の増強、または、血糖制御に影響する内因性ペプチドもしくは蛋白質の置換の提供、あるいはこれらの組み合わせ、を行うための抗糖尿病薬、を含む薬学的配合物。
【請求項14】
前記化合物と前記抗糖尿病薬との重量比が、約0.01:1〜約100:1である、請求項13に記載の薬学的配合物。
【請求項15】
前記抗糖尿病薬が、メトホルミン、グリブリド、グリメピリド、グリピリド、グリピジド、クロロプロパンアミド、グリクラジド、アカルボース、ミグリトール、ピオグリタゾン、トログリタゾン、ロジグリタゾン、インスリン、Gl−262570、イサグリタゾン、JTT−501、NN−2344、L895645、YM−440、R−119702、AJ9677、レパグリニド、ナテグリニド、KAD1129、APR−HO39242、GW−409544、KRP297、AC2993、Exendin−4、LY307161、NN2211、および/もしくは LY315902、のうちの一種、二種、三種、あるいはそれ以上の種類である、請求項13に記載の薬学的配合物。
【請求項16】
式(VI)の化合物、式(VIb)の化合物またはこれらの混合物を調製する方法であって、前記方法は:
請求項1〜5のいずれか一項に記載の、式(VI)の化合物、式(VIb)の化合物またはこれらの混合物を提供するのに適切な条件下で、式(XXX):
【化5】

の化合物と、 式(XXXI):
【化6】

の化合物とを接触させるステップを含み、ここで:
Lは、脱離基、ハロ基、またはクロロ基を含む、方法。
【請求項17】
請求項16に記載の方法であって、追加のフェニルボロン酸を加えるかまたは加えずに、酸と、R1 および R2 が各々ボロン酸保護基を有するヒドロキシル基である、式(VI)の化合物、式(VIb)の化合物またはこれらの混合物とを接触させることによって、R1および R2 が各々OH基である、式(VI)の化合物、式(VIb)の化合物またはこれらの混合物を調製するステップをさらに含む、方法。
【請求項18】
式(VI):
【化7】

式(VIb):
【化8】

またはこれらの混合物を有する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の化合物または混合物を調製する方法であって、前記方法は:
G保護された式(VI)の化合物、式(VIb)の化合物またはこれらの混合物を提供するのに適切な条件下で、式(XXXII):
【化9】

の化合物と、 式(XXXIII):
【化10】

の化合物とを接触させ、その後、基Gを除去するのに適切な条件下で、G保護された式(VI)の化合物、式(VIb)の化合物またはこれらの混合物を処理し、式(VI)の化合物、式(VIb)の化合物またはこれらの混合物を提供するステップを含み、ここで:
Gは保護基を含み、Lは脱離基を含む、方法。
【請求項19】
Gが、アシル基、スルホニル基、カルバマート形成基、アルキル基またはシリル基である、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
請求項18に記載の方法であって、追加のフェニルボロン酸を加えるかまたは加えずに、酸と、R1 および R2 が各々ボロン酸保護基を有するヒドロキシル基である、式(VI)の化合物、式(VIb)の化合物またはこれらの混合物とを接触させることによって、R1および R2 が各々OH基である、式(VI)の化合物、式(VIb)の化合物またはこれらの混合物を調製するステップをさらに含む、方法。
【請求項21】
Rx は、水素原子、メチル基、ベンジル基または(C1−8)アルキル基である、請求項16〜20のいずれか一項に記載の方法。

【図1】
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【公開番号】特開2009−7377(P2009−7377A)
【公開日】平成21年1月15日(2009.1.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−220344(P2008−220344)
【出願日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【分割の表示】特願2006−539906(P2006−539906)の分割
【原出願日】平成16年11月12日(2004.11.12)
【出願人】(506159943)フェノミックス コーポレーション (8)
【氏名又は名称原語表記】PHENOMIX CORPORATION
【Fターム(参考)】