説明

複素環式化合物の製造方法

【課題】 高収率、高純度かつ安価に、アニリノ基が置換した複素環式化合物を製造する方法を提供すること。
【解決手段】 分子内に少なくとも1つ以上の離脱基を有する複素環式化合物と、アニリン誘導体とを、ルイス酸の存在下で反応させることを特徴とする、アニリノ基が置換した複素環式化合物の製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複素環式化合物の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
下記一般式(3)で示されるような複素環式化合物は、写真用添加剤、増感色素、染料、電子材料、医農薬などの機能性化合物の合成中間体として有用な化合物である。
【0003】
【化1】

【0004】
(式中、Hetは複素環を表し、nは1、2または3の整数の値を表し、R1からR6はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表す。)
【0005】
一般式(3)で表される複素環式化合物(以下、アニリノ基が置換した複素環式化合物という)の一般的な合成法としては、(A)アミノ基が置換した複素環式化合物とハロゲン化アリール誘導体の求核置換反応、(B)離脱基を有する複素環式化合物とアニリン誘導体の求核置換反応が挙げられる。これら代表的な求核置換反応は、非特許文献1や非特許文献2に記載されている。その中でも、銅触媒の添加(ウルマン反応)やパラジウム触媒の添加は汎用性のある合成法として古くから知られている。
上記(B)のタイプの求核置換反応は、複素環式化合物に電子求引性基が置換した場合、アニリン誘導体に電子供与性基が置換した場合に反応性が高い。しかし、電子的に有利な状況でも反応点の近傍に立体的に嵩高い基が置換している場合は、極端に反応性が低下する問題があった。
【非特許文献1】山中宏ほか著“ヘテロ環化合物の化学”、(株)講談社、1988年4月1日
【非特許文献2】鈴木仁美著“有機化学講座2、有機反応II、芳香族化合物”、(株)丸善、昭和59年6月15日
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このように、離脱基を有する複素環式化合物とアニリン誘導体の求核置換反応に関して、特に、アニリン誘導体のオルト位が立体的に嵩高い基で置換されている場合、大幅に反応性が低下することが分かった。従って、本発明の目的は、高収率、高純度かつ安価に、一般式(3)で表されるアニリノ基が置換した複素環式化合物を製造する方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、従来のこうした課題を克服すべく検討を行った結果、離脱基を有する複素環式化合物とアニリン誘導体の求核置換反応が、ルイス酸の存在下で加速することを見出し、目的とするアニリノ基が置換した複素環式化合物を高収率、高純度かつ安価に得られるようになった。
本発明は、以下のとおりである。
【0008】
1)分子内に少なくとも1つ以上の離脱基を有する下記一般式(1)で表される複素環式化合物と、下記一般式(2)で表されるアニリン誘導体とを、ルイス酸の存在下で反応させることを特徴とする、下記一般式(3)で表される複素環式化合物の製造方法。
【0009】
【化2】

【0010】
(式中、Hetは複素環を表し、X1は離脱基を表し、nは1、2または3の整数の値を表し、R1からR6はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表す。R1とR6、R1とR2、R2とR3、R3とR4、R4とR5は互いに結合して環状構造を形成していてもよい。)
【0011】
2)前記Hetが含窒素複素環であることを特徴とする前記1)に記載の製造方法。
【0012】
3)前記Hetがピリジン環であることを特徴とする前記2)に記載の製造方法。
4)前記一般式(1)で表される複素環式化合物が、一般式(4)で表される複素環式化合物であることを特徴とする上記1)に記載の製造方法。
【0013】
【化3】

【0014】
(式中、X2は離脱基を表し、R8は水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基または置換もしくは無置換のアリール基を表し、R7およびR9は、それぞれ独立に水素原子または電子求引性基を表す。)
【0015】
5)前記一般式(1)で表される複素環式化合物が、下記化合物(5)で表される複素環式化合物であることを特徴とする上記4)に記載の製造方法。
【0016】
【化4】

【0017】
6)前記一般式(2)におけるR1およびR5が、炭素数2以上の置換もしくは無置換のアルキル基であることを特徴とする上記1)〜5)のいずれかに記載の製造方法。
7)前記一般式(2)で表されるアニリン誘導体が、2,6−ジエチルアニリンまたは2,6−ジエチル−4−メチルアニリンであることを特徴とする上記1)〜5)のいずれかに記載の製造方法。
【0018】
8)前記ルイス酸が、塩化鉄(III)または塩化亜鉛(II)であることを特徴とする上記1)〜7)のいずれかに記載の製造方法。
【0019】
9)触媒量のルイス酸が使用されることを特徴とする上記1)〜8)のいずれかに記載の製造方法。
【発明の効果】
【0020】
本発明のアニリノ基が置換した複素環式化合物の製造方法によれば、前記一般式(3)で表される1つ以上のアニリノ基を有する複素環式化合物、特にアニリノ基のオルト位に立体的に嵩高い基で置換したアニリノ基を有するピリジン環誘導体が、高収率、高純度かつ安価に得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明のアニリノ基が置換した複素環式化合物の製造方法について説明する。
まず、本発明の製造方法で製造されるアニリノ基が置換した複素環式化合物について詳細に説明する。
本発明の製造方法で得られるアニリノ基が置換した複素環式化合物は、前記一般式(3)で表される化合物である。
【0022】
一般式(2)および一般式(3)において、R1〜R6は水素原子または置換基を表し、置換基としては以下の基が挙げられる。
例えば、ハロゲン原子、アルキル基(シクロアルキル基、ビシクロアルキル基を含む)、アルケニル基(シクロアルケニル基、ビシクロアルケニル基を含む)、アルキニル基、アリール基、複素環基、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、カルボキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、複素環オキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アミノ基、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキルまたはアリールスルホニルアミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、複素環チオ基、スルファモイル基、スルホ基、アルキルまたはアリールスルフィニル基、アルキルまたはアリールスルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アリールまたは複素環アゾ基、イミド基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、シリル基が例として挙げられる。
【0023】
更に詳しくは、ハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
【0024】
アルキル基としては、直鎖、分岐、環状の置換もしくは無置換のアルキル基が挙げられ、シクロアルキル基、ビシクロアルキル基、更に環構造が多いトリシクロ構造なども包含するものである。以下に説明する置換基の中のアルキル基(例えば、アルキルチオ基のアルキル基)もこのような概念のアルキル基を表す。詳細には、アルキル基としては、好ましくは、炭素数1から30のアルキル基、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、t−ブチル基、n−オクチル基、エイコシル基、2−クロロエチル基、2−シアノエチル基、2―エチルヘキシル基等が挙げられ、シクロアルキル基としては、好ましくは、炭素数3から30の置換または無置換のシクロアルキル基、例えば、シクロヘキシル基、シクロペンチル基、4−n−ドデシルシクロヘキシル基等が挙げられ、ビシクロアルキル基としては、好ましくは、炭素数5から30の置換もしくは無置換のビシクロアルキル基、つまり、炭素数5から30のビシクロアルカンから水素原子を一個取り去った一価の基、例えば、ビシクロ[1,2,2]ヘプタン−2−イル基、ビシクロ[2,2,2]オクタン−3−イル基等が挙げられる。
【0025】
アルケニル基としては、直鎖、分岐、環状の置換もしくは無置換のアルケニル基が挙げられ、シクロアルケニル基、ビシクロアルケニル基を包含する。詳細には、アルケニル基としては、好ましくは、炭素数2から30の置換または無置換のアルケニル基、例えば、ビニル基、アリル基、プレニル基、ゲラニル基、オレイル基等が挙げられ、シクロアルケニル基としては、好ましくは、炭素数3から30の置換もしくは無置換のシクロアルケニル基、つまり、炭素数3から30のシクロアルケンの水素原子を一個取り去った一価の基、例えば、2−シクロペンテン−1−イル基、2−シクロヘキセン−1−イル基等が挙げられ、ビシクロアルケニル基としては、置換もしくは無置換のビシクロアルケニル基、好ましくは、炭素数5から30の置換もしくは無置換のビシクロアルケニル基、つまり二重結合を一個持つビシクロアルケンの水素原子を一個取り去った一価の基、例えば、ビシクロ[2,2,1]ヘプト−2−エン−1−イル基、ビシクロ[2,2,2]オクト−2−エン−4−イル基等が挙げられる。
アルキニル基としては、好ましくは、炭素数2から30の置換または無置換のアルキニル基、例えば、エチニル基、プロパルギル基、トリメチルシリルエチニル基等が挙げられる。
【0026】
アリール基としては、好ましくは、炭素数6から30の置換もしくは無置換のアリール基、例えば、フェニル基、p−トリル基、ナフチル基、m−クロロフェニル基、o−ヘキサデカノイルアミノフェニル基等が挙げられる。
複素環基としては、好ましくは、5または6員の置換もしくは無置換の芳香族もしくは非芳香族の複素環化合物から一個の水素原子を取り除いた一価の基であり、更に好ましくは、炭素数3から30の5または6員の芳香族の複素環基、例えば、2−フリル基、2−チエニル基、2−ピリミジニル基、2−ベンゾチアゾリル基等が挙げられる。
アルコキシ基としては、好ましくは、炭素数1から30の置換もしくは無置換のアルコキシ基、例えば、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、t−ブトキシ基、n−オクチルオキシ基、2−メトキシエトキシ基等が挙げられる。
なお、本願明細書において、「アルコキシ」とは「アルキルオキシ」と同義であり、アルキルオキシのアルキルは前記と同義である。
【0027】
アリールオキシ基としては、好ましくは、炭素数6から30の置換もしくは無置換のアリールオキシ基、例えば、フェノキシ基、2−メチルフェノキシ基、4−t−ブチルフェノキシ基、3−ニトロフェノキシ基、2−テトラデカノイルアミノフェノキシ基等が挙げられる。
複素環オキシ基としては、好ましくは、炭素数2から30の置換もしくは無置換の複素環オキシ基、例えば、1−フェニルテトラゾール−5−オキシ基、2−テトラヒドロピラニルオキシ基等が挙げられる。
アシルオキシ基としては、好ましくは、ホルミルオキシ基、炭素数2から30の置換もしくは無置換のアルキルカルボニルオキシ基、炭素数6から30の置換もしくは無置換のアリールカルボニルオキシ基、例えば、アセチルオキシ基、ピバロイルオキシ基、ステアロイルオキシ基、ベンゾイルオキシ基、p−メトキシフェニルカルボニルオキシ基等が挙げられる。
カルバモイルオキシ基としては、好ましくは、炭素数1から30の置換もしくは無置換のカルバモイルオキシ基、例えば、N,N−ジメチルカルバモイルオキシ基、N,N−ジエチルカルバモイルオキシ基、モルホリノカルボニルオキシ基、N,N−ジ−n−オクチルアミノカルボニルオキシ基、N−n−オクチルカルバモイルオキシ基等が挙げられる。
【0028】
アルコキシカルボニルオキシ基としては、好ましくは、炭素数2から30の置換もしくは無置換アルコキシカルボニルオキシ基、例えば、メトキシカルボニルオキシ基、エトキシカルボニルオキシ基、t−ブトキシカルボニルオキシ基、n−オクチルカルボニルオキシ基等が挙げられる。
アリールオキシカルボニルオキシ基としては、好ましくは、炭素数7から30の置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニルオキシ基、例えば、フェノキシカルボニルオキシ基、p−メトキシフェノキシカルボニルオキシ基、p−n−ヘキサデシルオキシフェノキシカルボニルオキシ基等が挙げられる。
アミノ基としては、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、複素環アミノ基を含み、好ましくは、アミノ基、炭素数1から30の置換もしくは無置換のアルキルアミノ基、炭素数6から30の置換もしくは無置換のアニリノ基、例えば、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、アニリノ基、N−メチル−アニリノ基、ジフェニルアミノ基等が挙げられる。
アシルアミノ基としては、好ましくは、ホルミルアミノ基、炭素数1から30の置換もしくは無置換のアルキルカルボニルアミノ基、炭素数6から30の置換もしくは無置換のアリールカルボニルアミノ基、例えば、アセチルアミノ基、ピバロイルアミノ基、ラウロイルアミノ基、ベンゾイルアミノ基、3,4,5−トリ−n−オクチルオキシフェニルカルボニルアミノ基等が挙げられる。
【0029】
アミノカルボニルアミノ基としては、好ましくは、炭素数1から30の置換もしくは無置換のアミノカルボニルアミノ基、例えば、カルバモイルアミノ基、N,N−ジメチルアミノカルボニルアミノ基、N,N−ジエチルアミノカルボニルアミノ基、モルホリノカルボニルアミノ基等が挙げられる。
アルコキシカルボニルアミノ基としては、好ましくは、炭素数2から30の置換もしくは無置換アルコキシカルボニルアミノ基、例えば、メトキシカルボニルアミノ基、エトキシカルボニルアミノ基、t−ブトキシカルボニルアミノ基、n−オクタデシルオキシカルボニルアミノ基、N−メチルーメトキシカルボニルアミノ基等が挙げられる。
アリールオキシカルボニルアミノ基としては、好ましくは、炭素数7から30の置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニルアミノ基、例えば、フェノキシカルボニルアミノ基、p−クロロフェノキシカルボニルアミノ基、m−n−オクチルオキシフェノキシカルボニルアミノ基等が挙げられる。
スルファモイルアミノ基としては、好ましくは、炭素数0から30の置換もしくは無置換のスルファモイルアミノ基、例えば、スルファモイルアミノ基、N,N−ジメチルアミノスルホニルアミノ基、N−n−オクチルアミノスルホニルアミノ基等が挙げられる。
【0030】
アルキルまたはアリールスルホニルアミノ基としては、好ましくは、炭素数1から30の置換もしくは無置換のアルキルスルホニルアミノ基、炭素数6から30の置換もしくは無置換のアリールスルホニルアミノ基、例えば、メチルスルホニルアミノ基、ブチルスルホニルアミノ基、フェニルスルホニルアミノ基、2,3,5−トリクロロフェニルスルホニルアミノ基、p−メチルフェニルスルホニルアミノ基等が挙げられる。
アルキルチオ基としては、好ましくは、炭素数1から30の置換もしくは無置換のアルキルチオ基、例えば、メチルチオ基、エチルチオ基、n−ヘキサデシルチオ基等が挙げられる。
アリールチオ基としては、好ましくは、炭素数6から30の置換もしくは無置換のアリールチオ基、例えば、フェニルチオ基、p−クロロフェニルチオ基、m−メトキシフェニルチオ基等が挙げられる。
複素環チオ基としては、好ましくは、炭素数2から30の置換または無置換の複素環チオ基、例えば、2−ベンゾチアゾリルチオ基、1−フェニルテトラゾール−5−イルチオ基等が挙げられる。
スルファモイル基としては、好ましくは、炭素数0から30の置換もしくは無置換のスルファモイル基、例えば、N−エチルスルファモイル基、N−(3−ドデシルオキシプロピル)スルファモイル基、N,N−ジメチルスルファモイル基、N−アセチルスルファモイル基、N−ベンゾイルスルファモイル基、N−(N‘−フェニルカルバモイル)スルファモイル基等が挙げられる。
【0031】
アルキルまたはアリールスルフィニル基としては、好ましくは、炭素数1から30の置換または無置換のアルキルスルフィニル基、6から30の置換または無置換のアリールスルフィニル基、例えば、メチルスルフィニル基、エチルスルフィニル基、フェニルスルフィニル基、p−メチルフェニルスルフィニル基等が挙げられる。
アルキルまたはアリールスルホニル基としては、好ましくは、炭素数1から30の置換または無置換のアルキルスルホニル基、6から30の置換または無置換のアリールスルホニル基、例えば、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、フェニルスルホニル基、p−メチルフェニルスルホニル基等が挙げられる。
アシル基としては、好ましくは、ホルミル基、炭素数2から30の置換または無置換のアルキルカルボニル基、炭素数7から30の置換もしくは無置換のアリールカルボニル基、炭素数2から30の置換もしくは無置換の炭素原子でカルボニル基と結合している複素環カルボニル基、例えば、アセチル基、ピバロイル基、2−クロロアセチル基、ステアロイル基、ベンゾイル基、p−n−オクチルオキシフェニルカルボニル基、2−ピリジルカルボニル基、2−フリルカルボニル基等が挙げられる。
アリールオキシカルボニル基としては、好ましくは、炭素数7から30の置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニル基、例えば、フェノキシカルボニル基、o−クロロフェノキシカルボニル基、m−ニトロフェノキシカルボニル基、p−t−ブチルフェノキシカルボニル基等が挙げられる。
【0032】
アルコキシカルボニル基としては、好ましくは、炭素数2から30の置換もしくは無置換アルコキシカルボニル基、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニル基、n−オクタデシルオキシカルボニル基等が挙げられる。
カルバモイル基としては、好ましくは、炭素数1から30の置換もしくは無置換のカルバモイル基、例えば、カルバモイル基、N−メチルカルバモイル基、N,N−ジメチルカルバモイル基、N,N−ジ−n−オクチルカルバモイル基、N−(メチルスルホニル)カルバモイル基等が挙げられる。
アリールまたは複素環アゾ基としては、好ましくは炭素数6から30の置換もしくは無置換のアリールアゾ基、炭素数3から30の置換もしくは無置換の複素環アゾ基、例えば、フェニルアゾ、p−クロロフェニルアゾ、5−エチルチオ−1,3,4−チアジアゾール−2−イルアゾ等が挙げられる。
【0033】
イミド基としては、好ましくは、N−スクシンイミド基、N−フタルイミド基等が挙げられる。
ホスフィノ基としては、好ましくは、炭素数2から30の置換もしくは無置換のホスフィノ基、例えば、ジメチルホスフィノ基、ジフェニルホスフィノ基、メチルフェノキシホスフィノ基等が挙げられる。
ホスフィニル基としては、好ましくは、炭素数2から30の置換もしくは無置換のホスフィニル基、例えば、ホスフィニル基、ジオクチルオキシホスフィニル基、ジエトキシホスフィニル基等が挙げられる。
ホスフィニルオキシ基としては、好ましくは、炭素数2から30の置換もしくは無置換のホスフィニルオキシ基、例えば、ジフェノキシホスフィニルオキシ基、ジオクチルオキシホスフィニルオキシ基等が挙げられる。
ホスフィニルアミノ基としては、好ましくは、炭素数2から30の置換もしくは無置換のホスフィニルアミノ基、例えば、ジメトキシホスフィニルアミノ基、ジメチルアミノホスフィニルアミノ基が挙げられる。
シリル基としては、好ましくは、炭素数3から30の置換もしくは無置換のシリル基、例えば、トリメチルシリル、t−ブチルジメチルシリル、フェニルジメチルシリル等が挙げられる。
【0034】
上記の置換基の中で、水素原子を有するものは、該水素原子が上記の置換基で置換されていても良い。そのような置換基の例としては、アルキルカルボニルアミノスルホニル基、アリールカルボニルアミノスルホニル基、アルキルスルホニルアミノカルボニル基、アリールスルホニルアミノカルボニル基が挙げられる。その例としては、メチルスルホニルアミノカルボニル基、p−メチルフェニルスルホニルアミノカルボニル基、アセチルアミノスルホニル基、ベンゾイルアミノスルホニル基が挙げられる。
【0035】
1およびR5として好ましくは、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、カルボキシル基、アルコキシ基、アシルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基であり、特に好ましくはアルキル基であり、炭素数2以上の置換もしくは無置換のアルキル基が最も好ましい。
2、R3およびR4として好ましくは、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、アルコキシ基、アシルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、スルホ基であり、特に好ましくは、水素原子またはアルキル基である。
6として好ましくは、水素原子、アルキル基、アリール基、アシル基、アルコキシカルボニル基であり、特に好ましくは水素原子である。
一般式(2)で表されるアニリン誘導体の具体例としては、2,6−ジエチルアニリン、2,6−ジエチル−4−メチルアニリンが挙げられる。
【0036】
一般式(1)および一般式(3)においてHetは、複素環を表す(ただし、キサンテンを除く)。本願明細書において、複素環とは、環を構成する元素として炭素原子のほかにヘテロ原子と呼ばれる酸素、硫黄、窒素などを含むものをいう。複素環としては、例えば、ピロール、フラン、チオフェン、ベンゾピロール、ベンゾフラン、ベンゾチオフェン、ピラゾール、イソキサゾール、イソチアゾール、ベンゾピラゾール、ベンゾイソキサゾール、ベンゾイソチアゾール、イミダゾール、オキサゾール、チアゾール、ベンゾイミダゾール、ベンゾオキサゾール、ベンゾチアゾール、ピリジン、キノリン、イソキノリン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、フタラジン、キナゾリン、キノキサリン、アクリジン、カルバゾール、プリン、プテリジン、チアジアゾール、トリアゾール、テトラゾールなどが挙げられる。
Hetとして好ましくは、含窒素複素環である。含窒素複素環とは、環を構成する元素として窒素を含む複素環をいう。含窒素複素環としては、例えば、ピロール、ベンゾピロール、イミダゾール、ベンゾイミダゾール、ピリジン、キノリン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジンなどが挙げられる。含窒素複素環として好ましくは、イミダゾール、ピリジン、ピリダジンであり、特に好ましくはピリジンである。
【0037】
一般式(1)および一般式(3)においてnは、1、2または3の整数の値を表す。nとして好ましくは1または2であり、特に好ましくは2である。
【0038】
一般式(1)においてX1は離脱基を表す。離脱基としては、例えば、ハロゲン原子、ニトロ基、アルキルまたはアリールスルホニルオキシ基、アルキルまたはアリールスルフィニルオキシ基、アルキルまたはアリールチオ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、4級アルキルアンモニウム塩、ジアゾニウム塩を表す。離脱基として好ましくは、ハロゲン原子またはアルキルまたはアリールスルホニルオキシ基であり、特に好ましくはハロゲン原子である。
【0039】
一般式(1)の好ましい形態としては、下記一般式(4)で表される。
【0040】
【化5】

【0041】
一般式(4)においてX2は離脱基を表し、R8は水素原子、置換基もしくは無置換のアルキル基または置換もしくは無置換のアリール基を表し、R7およびR9は、それぞれ独立に水素原子または電子求引性基を表す。
【0042】
一般式(4)におけるX2は、前記一般式(1)のX1と同義である。
8は水素原子、置換基もしくは無置換のアルキル基または置換もしくは無置換のアリール基を表し、好ましくは、置換基もしくは無置換のアルキル基であり、特に好ましくはメチル基である。
【0043】
7およびR9は、それぞれ独立に水素原子または電子求引性基を表し、電子求引性基とは電子効果で電子求引的な性質を有する置換基であり、置換基の電子求引性や電子供与性の尺度であるハメットの置換基定数σp値を用いれば、σp値が大きい置換基である。例えば、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子、スルホ基、トリフルオロメチル基、カルボニル基、カルボキシアルキル基などが挙げられる。ハメットの置換基定数σp値について若干説明する。ハメット則は、ベンゼン誘導体の反応又は平衡に及ぼす置換基の影響を定量的に論ずるため、1935年にL.P.Hammettより提唱された経験則であるが、これは今日広く妥当性が認められている。ハメット則に求められた置換基定数にはσp値とσm値があり、これらの値は多くの一般的な成書に見出すことができるが、例えば、J.A.Dean編“Lange's Handbook of Chemistry”第12版、1979年(Mc Graw-Hill)や「化学の領域」増刊、122号、96〜103頁、1979年(南光堂)に詳しい。
7およびR9として好ましくは、水素原子、シアノ基、ニトロ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基であり、特に好ましくは、水素原子またはシアノ基である。
【0044】
一般式(1)の最も好ましい形態としては、下記化合物(5)で表される。
【0045】
【化6】

【0046】
一般式(2)および一般式(3)におけるR1〜R6の置換基として拡散性を低下させるために写真用素材で使用されるバラスト基や銀塩への吸着基や水溶性を付与する基を有していてもよいし、互いに重合してポリマーを形成してもよいし、置換基同士が互いに結合してビス型、トリス型、テトラキス型を形成してもよい。R1とR6、R1とR2、R2とR3、R3とR4、R4とR5は互いに結合して環状構造を形成していてもよい。
【0047】
次に具体例として一般式(3)の好ましい化合物例を挙げるが、本発明はこれらに限定されない。
【0048】
【化7】

【0049】
【化8】

【0050】
【化9】

【0051】
【化10】

【0052】
前記アニリノ基が置換した複素環式化合物は、置換基の種類によっては、互変異性体として存在することがある。純粋な形態の任意の互変異性体、互変異性体の任意の混合物は、いずれも本発明の化合物に包含される。
【0053】
前記アニリノ基が置換した複素環式化合物には、その合成過程や単離法などによって対塩を伴っているものも含まれる。対塩としてはいずれのものでもよいが、例えば、ハロゲン化物イオン、硫酸イオン、硝酸イオン、炭酸イオン、スルホン酸イオン、リン酸イオン、酢酸イオン、金属イオン、アンモニウムイオンなどが挙げられる。構造によっては分子内塩を形成しても良い。
【0054】
次に、前記一般式(3)で表される化合物の製造方法(本発明のアニリノ基が置換した複素環式化合物の製造方法)について詳しく述べる。
本発明の製造方法は、上記一般式(1)で表わされる1つ以上の離脱基を有する複素環式化合物と一般式(2)で表されるアニリン誘導体をルイス酸の存在下で反応させることを特徴とする。
【0055】
本発明の製造方法において用いられるルイス酸とは、少なくとも1つの電子対を受け取ることのできる空の軌道をもった物質をいう。ルイス酸としては、例えば、臭化アルミニウム(III)、塩化アルミニウム(III)、塩化ガリウム(III)、塩化鉄(III)、塩化アンチモン(V)、塩化スズ(IV)、塩化チタン(IV)、塩化亜鉛(II)、フッ化ホウ素(III)、塩化ホウ素(III)、トリフルオロメタンスルホン酸銅(II)、トリフルオロメタンスルホン酸亜鉛(II)、五酸化二リン、Mo(CO)6などの金属カルボニル錯体、Nafion−H(Du Pont社商品名)に代表されるフッ素樹脂系の固体酸触媒、トリフルオロメタンスルホン酸スカンジウム(III)に代表されるトリフルオロメタンスルホン酸ランタノイド系の錯体などが挙げられる。ルイス酸として好ましくは、塩化亜鉛(II)または塩化鉄(III)である。
【0056】
ルイス酸の使用量は適宜選択可能であるが、触媒量で用いられることが好ましく、通常は一般式(1)で表される化合物1モルに対して0.001〜3モル程度用いることができ、より好ましくは0.01〜1モル程度であり、特に好ましくは、0.05〜0.3モル程度を用いることができる。ここで、触媒量とは、一般式(1)の使用モル数に対してルイス酸の使用モル数が小さいことを意味する。
【0057】
本発明の製造方法に用いられる一般式(2)で表されるアニリン誘導体の使用量は、適宜選択可能であるが、通常は一般式(1)で表される化合物1モルに対して0.5〜25モル程度用いることができ、より好ましくは1〜15モル程度であり、特に好ましくは、1.5〜10モル程度用いることができる。
【0058】
一般式(3)で表される化合物を製造するにあたり無溶媒であることが好ましいが、有機溶媒を用いても同様に反応は進行する。有機溶媒の種類は反応系に応じて適宜選択することが可能であるが、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、アセトニトリル、プロピオニトリル、ブチロニトリル、アルコール(例えば、メタノール、エタノール、i−プロピルアルコール等)、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン、酢酸エチル、酢酸ブチル、ベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキサン、シクロヘキサン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAC)、N,N−ジメチルイミダゾリジノン(DMI)、スルホラン、ジメチルスルホキシド(DMSO)、N−メチルピロリドン(NMP)等が挙げられる。これらの有機溶媒を適宜組み合わせて混合物として用いてもよい。
本発明の製造方法における有機溶媒として好ましくは、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、DMF、DMAC、DMI、スルホラン、DMSO、NMPであり、特に好ましくはDMI、スルホラン、NMPである。
用いる反応溶媒の使用量は特に限定されず、反応系の種類などに応じて適宜選択することができるが、通常は一般式(1)で表される化合物に対して有機溶媒を質量比でそれぞれ0〜100倍程度が適当であり、0〜10倍が好ましく、特に好ましくは0〜5倍程度である。
【0059】
本発明の製造方法における反応温度は特に限定されず、反応系の種類や反応種の化合物の濃度などに応じて適宜選択できるが、通常は0℃〜400℃程度であり、好ましくは、50℃〜300℃、特に好ましくは100℃〜250℃である。
反応時間も特に限定されないが、通常は1分〜24時間程度であり、好ましくは30分〜12時間、特に好ましくは1時間〜6時間である。
【0060】
一般式(1)や一般式(2)で表される化合物、ルイス酸および反応溶媒の反応系内への添加順序は任意であり、特に限定されない。
【実施例】
【0061】
以下、本発明を実施例によりさらに説明するが、本発明は下記例に制限されるものではない。なお、HPLC純度とは、高速液体クロマトグラフィーを用いて検出波長254nmで測定したときの面積パーセントを意味する。
【0062】
(実施例1)
まず、例示化合物D−31の合成例を示す。
<合成例:例示化合物D−31の合成法>
2,6−ジクロロ−4−メチル−3−ピリジンカルボニトリル37.4g(0.2モル)、2,6−ジエチルアニリン149.2g(1.0モル)、無水炭酸ナトリウム10.6g(0.1モル)、N−メチルピロリドン10.0gに無水塩化亜鉛6.82g(0.05モル)を添加して内温200〜205℃で6時間加熱攪拌した(窒素雰囲気下)。この反応液を徐冷して、内温130℃でイソプロパノール100mLを5分間かけて滴下、さらに内温100℃でメタノール200mLを10分かけて滴下した。この反応液を内温40〜50℃でろ過(不溶物を除去するため)して、そのろ液に室温で水125mLを滴下、析出した結晶をろ取、イソプロパノール50mLと水100mLでかけ洗い、乾燥して例示化合物(D−31)を60.2g(淡黄色結晶、収率73.0%、HPLC純度94.8%)で得た。
1H−NMR(300MHz、CDCl3
6.9−7.3(m、6H)、6.28(s、1H)、6.03(s、1H)、5.20(s、1H)、2.4−2.7(m、8H)、2.22(s、3H)、1.21(t、J=7.5Hz、6H)、1.07(t、J=7.5Hz、6H)
【0063】
<合成例:例示化合物D−32の合成法>
2,6−ジクロロ−4−メチル−3−ピリジンカルボニトリル56.1g(0.3モル)、2,6−ジエチル−4−メチルアニリン244.9g(1.5モル)に無水塩化亜鉛8.18g(0.06モル)を添加して内温200〜205℃で6時間加熱攪拌した(窒素雰囲気下)。この反応液を徐冷して、内温130℃でイソプロパノール75mLを20分間かけて滴下、さらに内温100℃でメタノール225mLを20分かけて滴下した。この反応液を内温40〜50℃でろ過(不溶物を除去するため)して、そのろ液に室温で水135mLを15分かけて滴下、析出した結晶をろ取、イソプロパノール75mLと水225mLでかけ洗い、乾燥して例示化合物(D−32)を91.6g(淡黄色結晶、収率70.3%、HPLC純度98.6%)で得た。
1H−NMR(400MHz、CDCl3
6.98(s,2H)、6.92(s,2H)、6.21(s,1H)、5.99(s,1H)、5.17(s,1H)、2.4−2.7(m、8H)、2.35(s、3H)、2.32(s、3H)、2.20(s、3H)、1.18(t、J=7.6Hz、6H)、1.04(t、J=7.7Hz、6H)
【0064】
<合成例:例示化合物D−38の合成法>
2,6−ジクロロ−4−メチル−3−ピリジンカルボニトリル252.5g(1.35モル)、アニリン754.4g(8.1モル)に無水塩化亜鉛18.4g(0.135モル)を添加した後、昇温して外温125℃(内温120〜135℃)で1時間加熱攪拌、さらに昇温して外温150℃(内温140〜145℃)で5時間加熱攪拌した(窒素雰囲気下)。この反応液を徐冷して、内温130℃でイソプロパノール525mLを滴下、内温90℃でメタノール525mLを滴下、さらに内温40℃で2.4mol/l塩酸水3375mLを滴下した。この反応液を室温で1時間攪拌して析出した結晶をろ取、水3300mLでかけ洗い、乾燥して例示化合物(D−38)を337.1g(白色結晶、収率83.1%、HPLC純度99.8%)で得た。
1H−NMR(300MHz、DMSO)
9.37(s,1H)、8.74(s,1H)、7.4−7.6(m,4H)、7.30(t,J=5.4Hz,2H)、7.14(t,J=5.4Hz,2H)、7.06(t,J=5.4Hz,1H)、6.92(t,J=5.4Hz,1H)、6.21(s,1H)、2.30(s,3H)
【0065】
(試験例)
上記の実施例で示した例示化合物D−31、D−32およびD−38の合成法を用い、ルイス酸である塩化亜鉛(II)の有無で反応追跡した。反応経時でのD−31およびD−32の生成率をHPLC測定における面積(%)により求め、ルイス酸の効果について試験した。なお、HPLC測定の検出波長は254nmで行った。
【0066】
【表1】

【0067】
上記の実施例に示されるように本発明の製造方法によれば、ルイス酸の添加、特に触媒量でも反応性が大幅に向上して目的とするアニリノ基が置換した複素環式化合物を高収率、高純度かつ安価に製造可能であることが見出された。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
分子内に少なくとも1つ以上の離脱基を有する下記一般式(1)で表される複素環式化合物と、下記一般式(2)で表されるアニリン誘導体とを、ルイス酸の存在下で反応させることを特徴とする、下記一般式(3)で表される複素環式化合物の製造方法。
【化1】


(式中、Hetは複素環を表し、X1は離脱基を表し、nは1、2または3の整数の値を表し、R1からR6はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表す。R1とR6、R1とR2、R2とR3、R3とR4、R4とR5は互いに結合して環状構造を形成していてもよい。)
【請求項2】
前記Hetが含窒素複素環であることを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
【請求項3】
前記Hetがピリジン環であることを特徴とする請求項2に記載の製造方法。
【請求項4】
前記一般式(1)で表される複素環式化合物が、一般式(4)で表される複素環式化合物であることを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
【化2】

(式中、X2は離脱基を表し、R8は水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基または置換もしくは無置換のアリール基を表し、R7およびR9は、それぞれ独立に水素原子または電子求引性基を表す。)
【請求項5】
前記一般式(1)で表される複素環式化合物が、下記化合物(5)で表される複素環式化合物であることを特徴とする請求項4に記載の製造方法。
【化3】

【請求項6】
前記一般式(2)におけるR1およびR5が、炭素数2以上の置換もしくは無置換のアルキル基であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の製造方法。
【請求項7】
前記一般式(2)で表されるアニリン誘導体が、2,6−ジエチルアニリンまたは2,6−ジエチル−4−メチルアニリンであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の製造方法。
【請求項8】
前記ルイス酸が、塩化鉄(III)または塩化亜鉛(II)であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の製造方法。
【請求項9】
触媒量のルイス酸が使用されることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の製造方法。

【公開番号】特開2006−265207(P2006−265207A)
【公開日】平成18年10月5日(2006.10.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−89404(P2005−89404)
【出願日】平成17年3月25日(2005.3.25)
【出願人】(000005201)富士写真フイルム株式会社 (7,609)
【Fターム(参考)】