説明

視力訓練時にヘッドマウントディスプレイを用いて視覚刺激を与えるための方法および装置

被験者の視力を診断または訓練するためのヘッドマウントディスプレイ。一実施形態において、ヘッドマウントディスプレイは、被験者の視野における指定のゾーンに関する対象とする識別された位置において、被験者の第1の眼に第1の視覚映像を提示する第1のディスプレイを含む。この実施形態はまた、被験者の視野における指定のゾーンに関する対象とする識別された位置において、被験者の第2の眼に第2の視覚映像を提示する第2のディスプレイを含み得る。この実施形態はまた、第1のディスプレイおよび該第2のディスプレイに連結された前方サポート部を含み得、該前方サポート部は、被験者の眼の前にディスプレイの方向を定め、また、前方サポート部に連結された後方サポート部を含み得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(優先権)
本出願は、2005年3月30日出願の米国仮特許出願第60/666,455号および2006年1月31日出願の米国仮特許出願第60/763,589号からの優先権を主張し、その両方の出願の全体が本明細書に援用される。
【0002】
(技術分野)
本発明は、視覚障害を持つ患者を含む被験者に対して視力訓練を提供するシステムと方法に関する。本発明は、特に視力訓練の一部として被験者によって着用されるヘッドマウントディスプレイに視覚刺激を与えることに向けられる。
【背景技術】
【0003】
視力訓練治療法は、視力障害を持つ患者の視力を、視覚刺激を用いて彼らの視覚系を刺激することによって改善することに向けられる。例えば、本明細書に援用される特許文献1および米国特許出願第10/503,869号において文書化されているように、人間の視覚系の移行帯(transition zone)および/または健全な視力の領域に視覚刺激を提示することは、被験者の視力の改善を可能にし得る。本明細書および添付の特許請求の範囲のどこにおいても用いられる「移行帯」は、悪化した視力または残された視力機能、もしくは部分的な視覚系障害の領域をいう。健全な視力の領域は、視力欠損がないように見える被験者の視野の中の領域をいう。視力訓練のその他の応用は以下に検討される。そのような訓練は、家庭用のパソコン上で実行され得、訓練は、一定時間(例えば、1時間)毎日の予定のセッションで実行される。
【0004】
被験者の視野において視覚刺激を提示し、正確なゾーンまたは領域を正しく刺激するために用いられるディスプレイに対して被験者のヘッドの位置および方向を識別するために、以前の訓練養生法は、特定の位置に凝視を固定している被験者に頼った。比較的長時間、サポートされないで固定した位置にあった後に動くという人間の自然な傾向は、被験者の視野に対する視覚刺激の位置合わせ不良を引き起こし得る。そのような位置合わせ不良は、訓練セッションの効果を制限し得る。被験者がディスプレイに対して自分のヘッドを固定しようと試みるとしても、適切な位置を識別することは、特に臨床設定外の個々の個人にとって、困難であり得る。さらに、被験者の視野とディスプレイの相対位置を正しく並べるために必要な時間は、かなりであり得る。
【特許文献1】米国特許第6,664,356号明細書
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0005】
(本発明の概要)
本発明の一実施形態は、被験者の視力を診断または訓練するためのヘッドマウントディスプレイに向けられる。この実施形態のヘッドマウントディスプレイは、被験者の眼の現在の特徴づけに従って視覚映像を形成する手段、および視覚映像を被験者の眼に表示する手段を含む。本発明のヘッドマウントディスプレイはまた、被験者の眼の前に表示する手段を取り付ける手段を含む。取り付け手段は、眼の位置を追跡するためのセンサを含む。本発明のヘッドマウントディスプレイはまた、ヘッドマウントディスプレイを被験者のヘッドに連結する手段を含む。
【0006】
本発明の別の実施形態は、被験者の視力の診断または訓練のためのヘッドマウントディスプレイに向けられる。この実施形態のヘッドマウントディスプレイは、第1のディスプレイを含み、このディスプレイは、第1の視覚映像を、被験者の視野における指定のゾーンに関して識別された位置における被験者の第1の眼に提示する。この実施形態のヘッドマウントディスプレイはまた、第2の視覚映像を、被験者の視野における指定のゾーンに関して識別された位置における被験者の第2の眼に提示する第2のディスプレイを含み、この場合、第1の視覚映像は、第2の視覚映像とは異なる。この実施形態のヘッドマウントディスプレイはまた、第1および第2のディスプレイに連結された前方サポート部であって、被験者の眼の前にディスプレイの方向を定める前方サポート部、および前方サポート部に連結された後方サポート部を含む。
【0007】
本発明の別の実施形態は、被験者の視力を診断または訓練するための装置に向けられる。この実施形態のデバイスは、ヘッドマウントディスプレイ、およびディスプレイと通信するプロセッサであって、ディスプレイによって提示される視覚刺激を生成し、眼の現在の特徴づけに基づき視覚刺激を生成するように構成されたプロセッサを含む。
【0008】
本発明の別の実施形態において、被験者の視力を訓練するためのシステムが開示される。この実施形態のシステムは、視覚映像を個人の眼に提示するためのディスプレイであって、40度〜60度の視野が可能であるディスプレイを含む。この実施形態のシステムはまた、ディスプレイを被験者の眼の前に方向を定めるための前方サポート部およびディスプレイに対して被験者のヘッドを位置付けるための後方のサポート部を含む。このシステムにおいて、被験者の視力は、ディスプレイ上に視覚刺激を提示することによって訓練される。
【0009】
本発明の別の実施形態は、ヘッドを有する被験者の視力を診断または訓練するための前方に取り付けられたディスプレイに向けられる。この実施形態のヘッドマウントディスプレイは、被験者の第1の眼の現在の特徴づけに従って第1の視覚映像を形成するプロセッサを含む。この実施形態のヘッドマウントディスプレイはまた、第1の視覚映像を被験者の第1の眼に表示する第1のディスプレイと、第1のディスプレイを被験者の第1の眼の前に位置させるサポート部分であって、第1の眼の位置を追跡するセンサを含むサポート部分とを含む。
【0010】
本発明は、例えば、人間の視覚系の移行帯および/または健全な視覚の領域を訓練するために用いられ得る。本発明はまた、米国仮特許出願第60/763,589号に開示されているように、人間の視覚系の1つ以上の盲目領域を訓練するために用いられ得る。さらに、本発明は、本明細書に援用される、2006年1月31日に出願された、名称「Methods for Treatment of Retinal Diseases」の米国特許出願第11/343,960号に開示されているように、網膜の病気の治療に用いられ得る。
【0011】
本発明の前述の特徴は、添付の図面を参照して解され、以下の詳細な説明を参照することによって、より容易に理解される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
(特定の実施形態の詳細な説明)
本明細書に記述される本発明の種々の実施形態は、視力の障害を補償するために被験者を訓練するための装置および方法に向けられる。そのような実施形態は、被験者の眼をディスプレイおよびディスプレイ映像に対して位置づけるヘッドマウントディスプレイの使用を含み得る。ディスプレイは、被験者によって見られる視覚刺激を提示し、刺激は被験者の障害のある視力を訓練する結果となる。サイドピースを有するヘッドマウントディスプレイは、本明細書において「ゴーグル」と呼ばれる。
【0013】
本発明の1つの特定の実施形態は、図1に描かれる。ヘッドマウントディスプレイ100は、左ディスプレイ110、右ディスプレイ120、前方サポート部130、および後方サポート部140を有するように示される。左ディスプレイ110は、左視覚映像115を被験者の左眼に提示する。右ディスプレイ120は、右視覚映像125を被験者の右眼に提示する。前方サポート部130は、左ディスプレイ110および右ディスプレイ120に連結され、左ディスプレイ110を被験者の左眼の前および右ディスプレイ120を被験者の右眼の前に方向を定める。後方サポート部140は、前方サポート部130に連結され、ヘッドマウントディスプレイ100を被験者のヘッド150に固定する。但し、ヘッドマウントディスプレイ100を被験者のヘッド150に固定する他のアレンジメントは本発明の範囲内である。
【0014】
ヘッドマウントディスプレイ100は、被験者の視野の特定のゾーンまたは領域を刺激することによって視力訓練の利益を与えるために、視覚刺激を被験者に提示する。刺激され得る被験者の視野のゾーンは、特に、人間の視覚系の移行帯および/または健全な視覚の領域を含み、用語「移行帯」および「健全な視覚の領域」は、上に定義されている。
【0015】
視覚訓練の技術は、米国特許第6,664,356号および米国特許出願第10/503,869号において検討され、その内容は、本明細書に援用される。そのような訓練の技術および対応する診断法は、典型的には、ディスプレイに対して被験者のヘッドを長時間にわたり維持する。例えば、視力の診断試験時、診断セッションは、典型的には、3回反復で約2時間にわたり行なわれ、各反復は中断があり、約30分継続する。同様に、視力を少なくとも部分的に回復させる治療法セッションは、約30分継続し、1日に2回、1週間に6日行なわれる。従って、ヘッドマウントディスプレイを利用することは、長時間にわたり特定のヘッドの位置を維持することに伴う緊張を減少させ、除去するために有利である。さらに、ヘッドマウントディスプレイは、被験者の眼の緊張を軽減させ得る。固定状態は強制されない。被験者の凝視は動き回ることが可能であり、被験者に提示される映像は、被験者の眼の現在の位置を補償するように調整される。眼の現在の位置は、例えば、Advance Science Laboratoriesによって生産されるASLシリーズアイトラッカによって監視され得る。
【0016】
ヘッドマウントディスプレイ100は、被験者に対して一定のヘッドの位置および固定点を維持することを要求することなく、またディスプレイの広範囲のキャリブレーションを必要とすることなく、視覚刺激を自動的にかつ正しく被験者に提示する。すなわち、視覚刺激は、眼の現在の特徴づけに基づく。現在の特徴づけは、被験者の眼の位置、被験者の凝視の位置合わせ、および被験者の視野における既知の欠損を含む。ヘッドマウントディスプレイ100は、左眼および右眼の位置およびそれらの方向を検出する。眼に対して自動的な調整があるので、試験は、被験者にとって、はるかにリラックスした快適な経験である。視力訓練の治療法の利益は、被験者が家またはその他の所望の場所で利用し得る可搬の装置において容易に得られ得る。
【0017】
ヘッドマウントディスプレイ100は、ディスプレイまたはヘッド位置決め装置を調整する際のエラーの可能性を減少させ、このことは次善の視力訓練という結果となり得る。視力訓練の潜在的な被験者母集団は、認識障害を持つ人のかなりの部分を含むので、本発明の実施形態に関係する潜在的に増加した使い易さおよび信頼性は、現在あるシステムに対して魅力的な潜在的有利性を提示する。
【0018】
図1の示される本発明の実施形態に戻ると、ヘッドマウントディスプレイ100は、前方サポート部130を含み、前方サポート部は、好ましくは、被験者のヘッドの位置に関してどのヘッドの位置においても、その形状および方向を維持する能力のある軽量で強靭な材料で構成される。例えば、前方サポート部130は、アクリルまたは軽量のポリマ/複合材料で構成され得、被験者のヘッドに接触する前方サポート部130の領域をカバーする弾性材料を含み得る。
【0019】
後方サポート部140は、被験者のヘッド150を快適な方法で安定させるように構成される。後方サポート部140は、好ましくは、被験者の額に対して接触する前方サポート部130を維持する能力のある弾性材料から構成されるヘッドストラップを含み得る。
【0020】
図に描かれた本発明の実施形態は、ヘッドマウントディスプレイ100の後方サポート部140としてヘッドストラップを利用するが、そのようなエレメントなしに後方サポート部130安定させる他の構造もヘッドサポートと一致する。オプションで、後方サポート部140は、めがねの方法で被験者の耳の上への取り付けに適合するように、湾曲した形状の堅い材料であり得る。
【0021】
さらに、後方サポート部は、視覚刺激が進行中、視覚皮質を刺激するのに適したシステムを含み得る。この目的に適したシステムは、米国特許第6,926,660号において開示されているように、通常、うつ病の治療に用いられる経頭蓋磁気刺激(Transcranial Magnetic Stimulation)(TMS)である。TMS刺激は、治療によって決定されるように、移行領域(transition region)、盲目野(blind field)または健全野(intact field)に対応する皮質領域においてニューロンの最適な興奮を達成するために視覚刺激と同期され得る。
【0022】
一実施形態において、ヘッドマウントディスプレイ100は、図2Aに例示されるように、ゴーグル200の一式であり得る。ゴーグル200は、好ましくは、光を遮蔽し、内部面から被験者の左眼と右眼に映像を表示する。別の実施形態において、ヘッドマウントディスプレイ100は、図2Bに例示されるように、夜間可視装置またはバーチャルリアリティゲームにおいて見られる装置に類似した表示装置210を含み得る。別の実施形態において、ヘッドマウントディスプレイは、図2Cに例示されるように、めがね220の一式に類似し得る。この実施形態において、映像は、眼の前の内部面に投影される。用いられるディスプレイのタイプに関わらず、一実施形態においては、ヘッドマウントディスプレイは、40度〜60度の間の視野が可能であるディスプレイを含み得る。一例において、この視野は、ディスプレイ装置として湾曲したディスプレイを用いることによって達成され得る。
【0023】
ヘッドマウントディスプレイ100は、被験者の視力を訓練するために視覚刺激を提示するディスプレイの方向を定めるために用いられる。左ディスプレイ120は、被験者の左眼の前に位置し、右ディスプレイ130は、被験者の右眼の前に位置する。ディスプレイ映像は、例えば、エレクトロルミネセンスのような自蔵式照明の結果であり得、または、例えば、周囲照明によって照明されるLCDディスプレイのような受動照明の結果であり得る。左ディスプレイ130に隣接するのは、左センサ160であり、右ディスプレイ140に隣接するのは、右センサ170である。センサ160および170は、それぞれ、左眼および右眼の角位置を検出する。眼の位置情報は、CPU180などのプロセッサに送信され、プロセッサは、左眼および右眼の注視の位置および方向を決定する。
【0024】
CPU180は、左ディスプレイ110および右ディスプレイ120によって提示される視覚刺激を生成する。視覚刺激の生成は、左センサ160および右センサ170によってそれぞれ検出されるので、左眼および右眼の方向および位置に部分的に依存する。眼の方向および位置は、ディスプレイのどの部分が被験者の視野にあるかを指示するので、そのような情報によって、CPU180は、被験者の視力を訓練するために、左ディスプレイ110および右ディスプレイ120の適切な部分に視覚刺激を生成する。このことは、被験者の視野の特定のゾーンを特に訓練する際に、特に関連し得る。一部の実施形態において、左ディスプレイ110および右ディスプレイ120に示される映像は、互いに異なり得る。
【0025】
CPU180は、例えば、パソコンまたは専用コンピュータなどの可搬のコンピュータの形態を取り得る。電子形式の映像115および125は、CPU180からヘッドマウントディスプレイ100へ有線または無線の方法で通信され得る。無線の場合、通信は、無線周波数(RF)であり得、ブルートゥース(登録商標)などの通信プロトコルを用い得る。
【0026】
左ディスプレイ110および右ディスプレイ120の自動的なキャリブレーションおよび連続的な調整によって、ヘッドの固定された位置決めの不足および指定された固定点の不足にも関わらず、所望の訓練は左眼および右眼に対して行なわれ得る。その結果、CPU180は、被験者の凝視の性質に関わらずおよびディスプレイをキャリブレーションする必要なしに、同じ視覚刺激を生成するように構成され得る。
【0027】
ヘッドマウントディスプレイ、およびヘッドマウントディスプレイを用いる方法は、非治療的訓練の用途に向けられ得る。ヘッドマウントディスプレイは、目標の迅速な視覚的識別が有利である場合に、特に有用である。非限定の例は、手と目の協調または反応時間の向上のための運動選手(例えば、ゴルファ)の視力の訓練、軍事的用途における訓練(例えば、装置の画面上の目標を識別する際の能力および効率の向上支援)、および航空機パイロットの訓練を含む。
【0028】
本発明の更なる実施形態は、被験者の視力の訓練の前に、被験者の視力の状態を診断する装置および方法に向けられる。本発明の一実施形態において、CPU180は、被験者における視力の状態を診断する際の使用のために、左ディスプレイ110および右ディスプレイ125に提示される視覚刺激を生成し得る。ヘッドマウントディスプレイは、診断作業を実行するために左映像115および右映像125を提示することによって、この診断作業を行なうように特に前もって構成され得る。この診断の実行は、本明細書に記述される本発明の他の実施形態に応じて、後に被験者を訓練するために用いられる視覚刺激を生成するために用いられ得る。訓練を実施する前に診断を実行することを含む対応する方法は、本発明の範囲内である。
【0029】
本発明のすべての上記の実施形態は単に例示的であると意図され、多数の変種および改変は当業者にとって明らかである。すべてのそのような変種および改変は、添付の特許請求の範囲において規定されるように、本発明の範囲内であると意図される。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】図1は、本発明の実施形態に従った、ヘッドマウントディスプレイの斜視図を描く。
【図2A】図2Aは、本発明に従った、ヘッドマウントディスプレイのバーチャルリアリティの実施形態を例示する。
【図2B】図2Bは、本発明に従った、ヘッドマウントディスプレイのゴーグルの実施形態を例示する。
【図2C】図2Cは、本発明に従った、ヘッドマウントディスプレイのめがねの実施形態を例示する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヘッドを有する被験者の視力を診断または訓練するヘッドマウントディスプレイであって、該ヘッドマウントディスプレイは、
該被験者の第1の眼の現在の特徴づけに従って第1の視覚映像を形成する手段と、
該第1の視覚映像を該被験者の該第1の眼に表示する第1の手段と、
該被験者の該第1の眼の前に表示するための該第1の手段を取り付ける手段であって、該取り付ける手段は、該第1の眼の位置を追跡するセンサを含む、取り付ける手段と、
該ヘッドマウントディスプレイを該被験者の該ヘッドに結合する手段と
を備えている、ヘッドマウントディスプレイ。
【請求項2】
第2の視覚映像を前記被験者の第2の眼に表示する手段をさらに含む、請求項1に記載のヘッドマウントディスプレイ。
【請求項3】
前記第1の視覚映像と前記第2の視覚映像は異なっている、請求項2に記載のヘッドマウントディスプレイ。
【請求項4】
被験者の視力を診断または訓練するヘッドマウントディスプレイであって、該ヘッドマウントディスプレイは、
前記被験者の視野における特定されたゾーンに関して識別された位置において、該被験者の第1の眼に第1の視覚映像を提示する第1のディスプレイと、
該被験者の視野における特定されたゾーンに関して識別された位置において、該被験者の第2の眼に第2の視覚映像を提示する第2のディスプレイであって、該第1の視覚映像は該第2の視覚映像とは異なっている、第2のディスプレイと、
該第1のディスプレイおよび該第2のディスプレイに結合された前方サポート部であって、該被験者の眼の前に該ディスプレイの方向を定める前方サポート部と、
該前方サポート部に結合された後方サポート部と
を備えている、ヘッドマウントディスプレイ。
【請求項5】
前記視覚映像は、前記被験者に固定点の選択された範囲を提示するように構成されている、請求項4に記載のヘッドマウントディスプレイ。
【請求項6】
前記後方サポート部はヘッドストラップを含む、請求項4に記載のヘッドマウントディスプレイ。
【請求項7】
前記後方サポート部は前記被験者の視覚皮質を刺激するのに適したシステムを含む、請求項6に記載のヘッドマウントディスプレイ。
【請求項8】
ヘッドマウントディスプレイは、光学的刺激を、前記被験者の健全な視野内のゾーン、該被験者の健全な視野外のゾーン、および該被験者の盲目ゾーンに提示して、該ゾーンの1つ以上において視力を訓練するように構成されている、請求項4に記載のヘッドマウントディスプレイ。
【請求項9】
被験者の視力を診察または訓練する装置であって、該装置は、
該被験者の少なくとも1つの眼の位置を追跡するセンサを含むヘッドマウントディスプレイと、
該ディスプレイと通信するプロセッサであって、該ディスプレイによって提示される視覚刺激を生成し、該眼の現在の特徴づけに基づき該視覚刺激を生成するように構成されているプロセッサと
を備えている、装置。
【請求項10】
前記プロセッサは、前記眼の複数の現在の特徴づけに基づき前記視覚刺激を生成するように構成されている、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記プロセッサは、前記被験者の視覚状態を診断する前記視覚刺激を生成するように構成されている、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記プロセッサは、前記被験者の視力を訓練する前記視覚刺激を生成するように構成されている、請求項10に記載の装置。
【請求項13】
被験者の視力を訓練するシステムであって、
視覚映像を個人の眼に提示するディスプレイであって、40度〜60度の視野を可能にするディスプレイと、
該ディスプレイの方向を該被験者の眼の前に定める前方サポート部と、
該ディスプレイに関連して前記ヘッドを位置決めする後方サポート部と
を備え、
該訓練は、視覚刺激を該ディスプレイに提示することによって実行される、システム。
【請求項14】
ヘッドを有する被験者の視力を診断または訓練するヘッドマウントディスプレイであって、該ヘッドマウントディスプレイは、
該被験者の第1の眼の現在の特徴づけに従って、第1の視覚映像を形成するプロセッサと、
該第1の視覚映像を該被験者の該第1の眼に表示する第1のディスプレイと、
該第1のディスプレイを該被験者の該第1の眼の前に位置決めするサポート部分であって、該第1の眼の位置を追跡するセンサを含むサポート部分と
を備えている、ヘッドマウントディスプレイ。
【請求項15】
第2の視覚映像を前記被験者の第2の眼に表示する第2のディスプレイをさらに含む、請求項1に記載のヘッドマウントディスプレイ。
【請求項16】
前記第1の視覚映像と前記第2の視覚映像は異なっている、請求項15に記載のヘッドマウントディスプレイ。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【公表番号】特表2008−534157(P2008−534157A)
【公表日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−504402(P2008−504402)
【出願日】平成18年3月30日(2006.3.30)
【国際出願番号】PCT/US2006/011798
【国際公開番号】WO2006/105358
【国際公開日】平成18年10月5日(2006.10.5)
【出願人】(507324201)ノバビジョン, インコーポレイテッド (6)