説明

視野角制御装置、表示装置、視野角制御方法、プログラム

【課題】周囲環境に応じた表示部の視野角制御を行うにあたり消費電力量の低減が図られるようにする。
【解決手段】視野角制御部は、位置情報取得部(GPS)により取得された位置情報に基づいて視野角可変表示部の視野角を制御する。ただし、RFIDタグの通信結果とRFIDタグの通信履歴情報に基づいて、通勤などの既定行動により公共交通機関を利用している状態であることを判定した場合には、位置情報取得部の動作を停止させたうえで、視野角を狭くするように制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば液晶表示デバイスなどの視野角を制御する視野角制御装置、表示装置、視野角制御方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話などに代表される携帯型端末装置は、例えば電車やバスの車内などをはじめとする公共の場で使用される機会も多い。この際、画面に表示された内容が他人に見えてしまうことでユーザのプライバシーが侵害されるという問題がある。
【0003】
また、近年においては、視野角を制御可能な液晶ディスプレイが知られるようになってきている。一例として、特許文献1には、2枚のガラス板の間に封入された液晶分子の配向を変更することにより液晶ディスプレイの視野角を変更制御する技術が記載されている。
【0004】
上記したことを背景として、機器の表示部の視野角制御に関して特許文献2に記載される技術が知られている。つまり、携帯電話装置の視野角の変更が可能な表示部を設けるとともに、位置・視野角対応テーブルを記憶させる。この位置・視野角対応テーブルは、位置情報と視野角とを対応付けた構造を有している。そのうえで、携帯電話は、内蔵のGPSを利用して位置情報を取得し、位置・視野角対応テーブルから、上記取得した位置情報に対応付けられている視野角を検索する。そして、この検索された視野角を表示部に設定するというものである(例えば、特許文献1参照)。このような構成により、携帯電話の周囲環境に応じて表示部の視野角を自動的に変更することが可能になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−62094号公報
【特許文献2】特開2007−33935号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、上記特許文献2に記載の構成では、周囲環境に応じた視野角制御のために定常的に自己の位置情報を取得する動作を実行している必要があり、具体的には、GPS対応の通信部を常時動作させている必要があることになる。このために、GPS対応の通信部による電力消費量が増加してしまい、バッテリの持続時間が短くなってしまうなどの問題を招く。
【0007】
そこで、本発明は、上述の課題を解決することのできる視野角制御装置、表示装置、視野角制御方法、プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上述の課題を解決すべくなされたもので、本発明の一態様による視野角制御装置は、位置情報を取得する位置情報取得部と、位置情報に視野角を対応付けた位置情報/視野角テーブルを少なくとも記憶する記憶部と、外部環境において設置されるリーダ/ライタ装置と通信を行う通信タグと、前記通信タグと前記リーダ/ライタ装置の通信結果を通信履歴情報に登録し、当該通信履歴情報を前記記憶部に記憶させる通信履歴情報管理部と、今回の前記通信タグと前記リーダ/ライタ装置の通信結果と同じとみなされる内容の通信結果が前記通信履歴情報に登録済みであるか否かについて判定する登録状況判定部と、前記登録状況判定部により登録済みでないと判定された場合には、前記位置情報取得部に位置情報を取得させるとともに、当該取得された位置情報に対応付けられた視野角を前記位置情報/視野角テーブルから検索し、当該検索された視野角となるように表示部に対する視野角制御を実行し、前記登録状況判定部により登録済みであると判定された場合には、前記位置情報取得部による位置情報の取得を停止させるとともに、所定の視野角となるように前記表示部に対して視野角制御を実行する視野角制御部とを備える。
【0009】
また、本発明の一態様による表示装置は、視野角が可変の表示部と、位置情報を取得する位置情報取得部と、位置情報に視野角を対応付けた位置情報/視野角テーブルを少なくとも記憶する記憶部と、外部環境において設置されるリーダ/ライタ装置と通信を行う通信タグと、前記通信タグと前記リーダ/ライタ装置の通信結果を通信履歴情報に登録し、当該通信履歴情報を前記記憶部に記憶させる通信履歴情報管理部と、今回の前記通信タグと前記リーダ/ライタ装置の通信結果と同じとみなされる内容の通信結果が前記通信履歴情報に登録済みであるか否かについて判定する登録状況判定部と、前記登録状況判定部により登録済みでないと判定された場合には、前記位置情報取得部に位置情報を取得させるとともに、当該取得された位置情報に対応付けられた視野角を前記位置情報/視野角テーブルから検索し、当該検索された視野角となるように前記表示部に対する視野角制御を実行し、前記登録状況判定部により登録済みであると判定された場合には、前記位置情報取得部による位置情報の取得を停止させるとともに、所定の視野角となるように前記表示部に対して視野角制御を実行する視野角制御部とを備える。
【0010】
また、本発明の一態様による視野角制御方法は、外部環境において設置されるリーダ/ライタ装置と通信タグとの通信結果を通信履歴情報に登録し、当該通信履歴情報を記憶部に記憶させる通信履歴情報管理ステップと、今回の前記通信タグと前記リーダ/ライタ装置の通信結果と同じとみなされる内容の通信結果が前記通信履歴情報に登録済みであるか否かについて判定する登録状況判定ステップと、前記登録状況判定ステップにより登録済みでないと判定された場合には、位置情報取得部により位置情報を取得させるとともに、当該取得された位置情報に対応付けられた視野角を前記記憶部に記憶される位置情報/視野角テーブルから検索し、当該検索された視野角となるように表示部に対する視野角制御を実行し、前記登録状況判定ステップにより登録済みであると判定された場合には、前記位置情報取得部による位置情報の取得を停止させるとともに、所定の視野角となるように前記表示部に対して視野角制御を実行する視野角制御ステップとを備える。
【0011】
また、本発明の一態様によるプログラムは、コンピュータを、外部環境において設置されるリーダ/ライタ装置と通信タグとの通信結果を通信履歴情報に登録し、当該通信履歴情報を記憶部に記憶させる通信履歴情報管理手段、今回の前記通信タグと前記リーダ/ライタ装置の通信結果と同じとみなされる内容の通信結果が前記通信履歴情報に登録済みであるか否かについて判定する登録状況判定手段、前記登録状況判定ステップにより登録済みでないと判定された場合には、位置情報取得部により位置情報を取得させるとともに、当該取得された位置情報に対応付けられた視野角を前記記憶部に記憶される位置情報/視野角テーブルから検索し、当該検索された視野角となるように表示部に対する視野角制御を実行し、前記登録状況判定ステップにより登録済みであると判定された場合には、前記位置情報取得部による位置情報の取得を停止させるとともに、所定の視野角となるように前記表示部に対して視野角制御を実行する視野角制御手段として機能させる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、周囲環境に応じた表示部の視野角制御を行うにあたり消費電力量の低減が図られるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施形態としての携帯電話の外観例を示す図である。
【図2】本実施形態における視野角可変表示部の視野角について説明するための図である。
【図3】本実施形態としての携帯電話の構成例を示す図である。
【図4】本実施形態としての携帯電話における視野角制御に関連する機能部の構成を示す図である。
【図5】本実施形態における位置情報/視野角テーブルの構造例を示す図である。
【図6】本実施形態における通信履歴情報の構造例を示す図である。
【図7】本実施形態の携帯電話が実行する視野角制御のための処理手順例を示す図である。
【図8】本実施形態の携帯電話が実行する視野角補正のための処理手順例を示す図である。
【図9】本実施形態の携帯電話が実行する通信履歴情報作成のための処理手順例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1は、本実施形態としての視野角制御装置を備える携帯電話100の外観例を示している。本実施形態の携帯電話100は、折りたたみ型または二つ折り型などといわれるタイプとされ、この図においては、その上側筐体部101が下側筐体部102に対して開かれた状態を示している。図1(a)は、携帯電話100を正面からみた正面図であり、図1(b)は側面図であり、図1(c)は背面図である。
【0015】
図1(a)に示すように、携帯電話100の上側筐体部101の正面側のパネルには、視野角可変表示部180の表示画面部が配置される。また、同じ上側筐体部101の正面パネルには、光度センサ193が設けられる。なお、光度センサ193については、携帯電話100の周囲の光度を検出できるようにされていれば、携帯電話100におけるどの位置に設けられてもよい。また、下側筐体部102の正面側のパネルには各種のキーが配置された操作部170が設けられる。
【0016】
また、図1(c)に示すように、携帯電話100の下側筐体部102の背面には撮像部160におけるレンズ部分が配置されている。また、携帯電話100の内部にはRFIDタグ194が備えられる。このRFIDタグ194を備えることで、本実施形態の携帯電話100は、乗車カードとしての機能を有する。
【0017】
また、携帯電話100には、表示部として視野角可変表示部180を備える。視野角可変表示部180は、その視野角を変更可能に構成されている。図2は、視野角可変表示部180の視野角を模式的に示している。この図は、視野角可変表示部180を平面方向からみている。
【0018】
図2に示すように、視野角可変表示部180はα°からβ°の範囲で視野角を変化させることができる。なお、図においては、視野角がα°のときが最も視野角が狭い状態であり、これより外側の角度から視野角可変表示部180の画面部を観察しても表示画像は見えない。
【0019】
なお、視野角可変表示部180としての視野角を変更可能なディスプレイデバイスについては特に限定されるものではなく、例えばこれまでに知られている構造のもののうちから適当なものを選択して採用すればよい。
【0020】
図3は、携帯電話100の内部構成例を示している。なお、この図において図1と同一とされる部位には同一符号を付している。この図に示す携帯電話100は、CPU110、記憶部120、RAM130、送受信部140、音声入出力部150、撮像部160、操作部170、視野角可変表示部180およびセンサ部190を備える。
【0021】
CPU(Central Processing Unit)100は、記憶部120に記憶されるプログラムを実行することにより、携帯電話100における各種処理および各機能部に対する制御を実行する部位である。
【0022】
記憶部120は、補助記憶装置であり、上記CPU100が実行するプログラムのほか、CPU100が利用する各種データを記憶する部位である。この記憶部120のハードウェアとしては、例えばフラッシュメモリなどを採用できる。
【0023】
RAM130は、主記憶装置であり、記憶部120から読み出されたプログラムが展開されるとともに、CPU110が演算に際して作業領域として使用される部位である。
【0024】
送受信部140は、無線通信における送信および受信動作を実行する部位である。CPU110は、例えば送話音声のデータやネットワーク対応の送信データを送受信部140に転送する。送受信部140は転送された送信データを変調してアンテナより電波として送出する。また、送受信部140は、アンテナにて受信した信号を復調して受話音声の音声信号やネットワーク対応のデータを復元する。例えば、復元されたネットワーク対応のデータはCPU110に転送される。CPU110は転送されたデータに応じて所定の処理や制御を実行する。また、復元された受話音声信号は、例えば後述の音声入出力部150におけるスピーカから放出される。
【0025】
なお、送受信部140による通信は、例えば携帯電話の通信網に対応して周囲に設けられる基地局との間で行われるものとなる。本実施の形態において、基地局からは、その基地局と通信が可能な他の携帯電話の数を示す情報(端末数情報)が送信され、送受信部140はこの端末数情報を受信することができる。この端末数情報は、後述するように、CPU110が視野角可変表示部180の視野角を制御するのに利用される。
【0026】
音声入出力部150は、音声入力および音声出力に対応する部位を一括して示している。具体的に、図示は省略するが、音声入出力部150は、音声入力に対応する部位として、マイクロフォンと音声信号処理部を備える。マイクロフォンは、通話音声などを集音して電気信号に変換する。音声信号処理部は、上記マイクロフォンにより得られる信号をデジタル音声信号に変換する。また、音声入出力部150は、音声出力に対応する部位として、音声信号再生処理部とスピーカを備える。音声信号再生処理部は、デジタル音声信号をアナログ信号に変換して増幅を行い、例えばスピーカから音声として放出させる。
【0027】
撮像部160は、撮像を行って得られた画像から画像信号を生成する部位である。例えば撮像部160は、CMOSセンサやCCDなどの撮像素子やレンズなどの光学系から成るカメラ部と、当該カメラ部により撮像された画像をデジタル画像信号に変換する画像信号処理部から成る。撮像部160にて生成されたデジタル画像信号は、CPU110の制御に応じて記憶部120に記憶させることができる。
【0028】
操作部170は、携帯電話100が備える各種キーなどの操作子を一括して示している。操作部170は、操作子に対して行われた操作に応じた操作信号を出力する。CPU110は、入力した操作信号に応じて所定の制御や処理を実行する。これにより、携帯電話100においてユーザ操作に応じた所定の動作が実行される。
【0029】
視野角可変表示部180は、CPU110の制御に応じて各種の画像を表示する部位であり、また、その表示画面の視野角が変更可能とされている。一例として、待ち受け状態においては、視野角可変表示部180に待ち受け画面としての画像が表示される。また、通信相手の呼出時には呼出状況を示す画像が表示される。また、記憶部120に記憶されている画像データが再生表示される。さらに、撮像モードにおいては、撮像部160により撮像されている画像がモニタ画像として表示される。そのうえで、視野角可変表示部180は、CPU110の制御によって、先に図2に例示したように画像表示時の視野角が変更される。
【0030】
センサ部190は、CPU110が視野角可変表示部180に対する視野角制御を行うにあたり必要となる所定の複数の情報を取得するための複数のセンサを一括して示したものである。なお、本実施の形態においては、図1(c)に示したRFIDタグ194の通信結果も視野角制御に利用されることから、RFIDタグ194もセンサ部190に含めることとしている。
【0031】
図4は、携帯電話100において、主として視野角制御に関する部位の構成例を示している。なお、この図において、図3と同一部分には同一符号を付している。この図に示す携帯電話100は、視野角制御に関する部位として、CPU110、記憶部120、送受信部140、センサ部190を備える。
【0032】
まず、センサ部190について説明する。この図に示すように、センサ部190は、位置情報取得部191、加速度センサ192、光度センサ193およびRFIDタグ194を含む。
【0033】
位置情報取得部191は、現在における携帯電話100の位置情報を取得する部位である。ここで取得された位置情報は、後述するように、携帯電話100の周囲環境に応じた視野角を特定するのに使用される。また、この位置情報取得部191による動作の実行/停止は、後述する視野角制御部114により制御される。
【0034】
本実施の形態において、この位置情報取得部191にはGPS(Global Positioning System)に対応した測位装置が採用されているものとする。ただし、GPSに限定されることなく、他の方式により自己の位置を測位できる測位装置があれば、これを適用してよい。
【0035】
加速度センサ192は、携帯電話100が加速度を検出するセンサである。加速度センサ192により検出される加速度は、後述の移動判定部111が、一定以上の速度で移動中の状態にあるか否かを判定するのに利用される。
【0036】
光度センサ193は、携帯電話100の周囲における光度を検出するセンサである。この光度センサにより検出された光度は、視野角補正部115により視野角可変表示部180に対して設定された視野角を補正するのに用いられる。
【0037】
RFIDタグ194は、前述のように電車やバスなどの公共交通機関に対応する乗車カードとして利用することができる。そして、本実施の形態においては、後述のように、乗車カードとしてのRFIDタグ194の通信結果を示す情報が視野角制御に利用される。
【0038】
次に、CPU110がプログラムを実行することにより実現される、視野角制御に対応した機能部について説明する。これらの機能部として、CPU110は、移動判定部111、通信履歴情報管理部112、登録状況判定部113、視野角制御部114および視野角補正部115を備える。
【0039】
移動判定部111は、加速度センサ192により検出された加速度に基づいて、携帯電話100が一定以上の速度で移動している状態であるか否かについて判定する。本実施の形態において、携帯電話100が一定以上の速度で移動している状態は、携帯電話100を携帯しているユーザが、電車やバスなどの公共交通機関に乗車中の状態であるものとしてあつかわれる。
【0040】
通信履歴情報管理部112は、RFIDタグ194が乗車カードとして使用される際のリーダ/ライタ装置との通信結果に基づいて、記憶部120に記憶される通信履歴情報122を管理する部位である。
【0041】
通信履歴情報管理部112は、通信履歴情報122を作成することができる。例えば、上記リーダ/ライタ装置は、電車の駅の改札機(またはバスの運賃支払機)に備えられるものとする。電車(またはバス)に乗車するために乗車駅の改札を通過する際(またはバスに乗り込む際)に、ユーザは、RFIDタグ194を改札機(またはバスの運賃支払機)のリーダ/ライタ装置と通信させる。通信履歴情報管理部112は、この際の通信結果として、その乗車駅(またはバス停)の名称と改札(または運賃支払機)を通過した時刻(乗車対応時刻)を、乗車履歴情報として通信履歴情報122に登録する。また、電車(またはバス)から降車して降車駅の改札を通過する際(またはバスを降りる際)にも、そのときのリーダ/ライタ装置との通信結果として、その降車駅(またはバス停)の名称と改札(または運賃支払機)を通過した時刻(降車対応時刻)を、降車履歴情報として通信履歴情報122に登録する。このように通信履歴情報管理部112は、通信履歴情報を作成して管理することができる。なお、通信履歴情報122の構造例については後述する。
【0042】
登録状況判定部113は、通信履歴情報122の登録状況として、RFIDタグ194による通信結果と同じとみなされる内容の乗車履歴情報が登録済みであるか否かについて判定する。ここで、RFIDタグ194による通信結果と同じとみなされる内容の乗車履歴情報が登録済みであると判定された場合、今回のRFIDタグ194の通信に応じたユーザの行動としては、以下のようなものであると想定できる。つまり、ユーザは、通勤や通学などのために、いつもとほぼ同じ時間帯に乗車駅の改札を通過したものと想定することができる。このような登録状況判定部113の判定結果は、後述するように、視野角制御部114が視野角の制御および位置情報取得部191の動作制御を行う際に利用される。
【0043】
視野角制御部114は、視野角可変表示部180の視野角を制御する部位である。この視野角制御部114は、位置情報取得部191により取得された位置情報に基づいて視野角可変表示部180に対する視野角制御を実行可能とされている。この際、視野角制御部114は、後述するように、記憶部120に記憶される位置情報/視野角テーブル121から位置情報取得部191により取得された位置情報に対応する視野角を特定し、この特定した視野角となるように視野角可変表示部180に対する制御を実行する。
【0044】
また、視野角制御部114は、登録状況判定部113の判定結果に基づいて視野角制御を実行可能とされている。RFIDタグ194による通信結果と同じとみなされる内容の乗車履歴情報が登録済みであると登録状況判定部113によって判定される場合、前述のように、ユーザは、通勤や通学などのためにいつもとほぼ同じ時間帯に乗車駅の改札(またはバスの運賃支払機)を通過するという、既定の行動を行ったことを意味する。そして、この後のユーザの状態としては駅のホームに居る、または、電車(またはバス)に乗車中の状態であり、したがって、その周囲は公共の場であって、かつ、周囲に他人が少なからず存在している状況であることになる。
【0045】
そこで、視野角制御部114は、公共交通機関の利用時に対応して予め設定した視野角(公共交通機関対応視野角)となるように視野角可変表示部180の視野角を制御する。また、この際には、位置情報取得部191により取得される位置情報は不要になる。そこで、視野角制御部114は、公共交通機関対応視野角により視野角可変表示部180の視野角を制御している期間においては、位置情報取得部191の動作を停止させる。
【0046】
また、視野角制御部114は、移動判定部111の判定結果に基づいて視野角制御を実行可能とされている。移動判定部111により一定以上の速度で移動中であるとの判定結果が得られる場合とは、前述のように、携帯電話100のユーザが電車やバスなどの公共交通機関の車両に乗車しているものとしてあつかわれる。そこで、移動判定部111により移動中であるとの判定結果が得られているときには、公共交通機関対応視野角により視野角可変表示部180の視野角を制御する。また、この場合にも、視野角制御部114は位置情報取得部191の動作を停止させる。これにより、例えばユーザがRFIDタグを乗車カードとして使用せずに、例えば切符などを購入して公共交通機関を利用するような場合にも対応して自動的に視野角制御を実行することが可能になる。
【0047】
また、視野角制御部114は、基地局から通知される端末数情報に基づいて視野角制御を実行可能とされている。前述のように、送受信部140は、基地局から通知される端末数情報を受信する。視野角制御部114は、送受信部140にて受信された端末数情報が示す端末数に応じて視野角を設定し、この設定した視野角となるように視野角可変表示部180の視野角を制御する。
【0048】
具体例として、端末数情報が示す端末数が一定以下の場合には、周囲にほとんど人が存在しておらず、したがって、携帯電話100の表示画面が他人から覗かれる機会もほとんどないと考えられる。この場合、視野角制御部114は、視野角を狭くするための視野角制御は行わない。
【0049】
そして、端末数が一定以上となった場合、周囲に一定以上の人が存在して表示画面が他人から覗かれる機会も増えることになる。そこで、この場合、視野角制御部114は、視野角を狭くするための視野角制御を行う。このように端末数情報に基づいて視野角制御を実行している際にも、視野角制御部114は位置情報取得部191の動作を停止させる。
【0050】
なお、上記端末数情報に基づく視野角制御に際して設定する視野角は、予め定めた固定値としてもよいが、例えば端末数情報が示す端末数に応じて変更してもよい。つまり、端末数が多くなるほど周囲に存在する人の数が多くなり表示画面を覗かれる機会が増加することになる。そこで、端末数が多くなるのに応じて視野角を狭くするように変更する。このようにすれば、周囲の人の数に応じて視野角が変更されることになる。
【0051】
このように本実施の形態においては、位置情報取得部191により取得される位置情報、登録状況判定部113によるRFIDタグ194の通信結果についての判定結果、移動判定部111による移動状態の判定結果、または、端末数情報のいずれかに基づいて視野角制御を実行することができる。これにより、本実施の形態では、携帯電話100の周囲環境に応じて常に適切に視野角制御が行われる。
【0052】
そのうえで、本実施形態は、位置情報取得部191により取得される位置情報以外に基づいて視野角制御を行う際には、位置情報取得部191の動作を停止させることとしている。つまり、位置情報取得部191は定常的に動作するのではなく、位置情報に基づいた視野角制御が必要なときにのみ動作する。これにより、消費電力量が削減され、例えばバッテリの持続時間をより長くすることができる。
【0053】
また、視野角補正部115は、光度センサ193により検出される光度に基づいて、上記視野角制御部114により設定された視野角を補正する。光度センサ193により検出される光度は、携帯電話100の周囲の明るさを示す。視野角制御はプライバシー保護のために行われるが、表示画面が同じ輝度であっても、周囲が明るくなるのに応じて見にくくなり、逆に周囲が暗くなるほど表示画面の明るさが際立って見やすくなる傾向にある。つまり、周囲が暗くなるほど他人から表示画面が覗かれやすくなる。したがって、周囲が暗くなるのに応じて視野角を狭くしていくように調整を行えば、周囲の明るさに応じてプライバシー保護を的確に行うことが可能になる。
【0054】
そこで、視野角補正部115は、視野角制御部114が指定する視野角の値について、光度センサ193により検出された光度が低くなるのに応じて小さく(狭く)するように補正して視野角可変表示部180に対して出力する。これにより、視野角可変表示部180は、周囲の明るさに応じてその視野角が調整されることになる。
【0055】
なお、例えば視野角可変表示部180が視野角駆動用の電圧値に応じて視野角が可変される構成である場合、視野角制御部114は、目標の視野角に応じた電圧値を視野角可変表示部180内の駆動回路に指定する。これに応じて、視野角補正部115は、光度に応じて、上記視野角に応じた電圧値を補正するように動作する。
【0056】
記憶部120は、視野角制御に対応してCPU110が利用するデータとして、位置情報/視野角テーブル121と通信履歴情報122を記憶する。
【0057】
位置情報/視野角テーブル121は、位置情報に視野角が対応付けられた情報内容を有するもので、位置情報取得部191により取得された位置情報に基づいて視野角制御部114が視野角制御を実行する際に利用される。
【0058】
通信履歴情報122は、前述のように通信履歴情報管理部112により作成されるもので、RFIDタグ194を乗車カードとして機能させた際の通信結果が記録される。通信履歴情報122は、視野角制御に際して登録状況判定部113により利用される。つまり、登録状況判定部113は、乗車に対応してRFIDタグ194が実行した通信により得られた通信結果の内容について、通信履歴情報122に登録済みであるか否かを判定する。前述のように、登録済みであると判定された場合、今回の乗車に応じたRFIDタグ194の通信は、通勤や通学などに対応して毎日ほぼ同じ時刻においてユーザが改札口を通過するという既定の行動が行われたことを意味する。
【0059】
上記位置情報/視野角テーブル121と通信履歴情報122の構造例について説明する。まず、図5は、位置情報/視野角テーブル121の構造例を示している。この図に示すように位置情報/視野角テーブル121は、位置情報ごとに対して場所と視野角の値が対応付けられた構造を有する。位置情報は、例えば緯度および経度からなる。なお、緯度と経度に対してさらに高さの情報が含められてもよい。場所は、対応の位置情報が示す位置が含まれる施設名などを示す。
【0060】
視野角制御部114は、位置情報/視野角テーブル121から、位置情報取得部191により取得された位置情報に一致するとされる位置情報に対応付けられた視野角を取得する。なお、この位置情報/視野角テーブル121は、製造者側において予め作成して記憶部120に記憶させておくこととすればよい。そのうえで、例えば、ユーザによって新たな位置情報、場所および視野角範囲の組み合わせを追加登録できるようにしてもよい。また、位置情報/視野角テーブル121において、場所の属性は省略することができる。しかし、例えば上記のようにユーザによる登録が可能なように構成した場合に、場所の属性を含めて、位置情報/視野角テーブル121の管理のために表示される管理画面に場所の名称を表示できるようにすれば、ユーザが管理しやすくなって好ましい。
【0061】
図6は、通信履歴情報122の構造例を示している。この図に示す通信履歴情報は、乗車履歴情報と降車履歴情報を対応付けたレコードを複数格納した構造を有する。乗車履歴情報は、乗車駅(またはバス停)名と乗車対応時刻から成る。乗車駅名は、乗車した駅の名称を示す。この乗車駅名の情報は、乗車駅の改札機(またはバスの運賃支払機)のリーダ・ライタ装置とRFIDタグ194が通信を行った際にリーダ・ライタ装置から送信される駅名(またはバス停)のデータを受信することにより取得できる。また、乗車対応時刻は、乗車駅の改札機(またはバスの運賃支払機)のリーダ・ライタ装置とRFIDタグ194が通信を行った時刻を示す。例えば、この時刻の情報もリーダ・ライタ装置から送信される時刻のデータをRFIDタグ194が受信することにより取得できる。
【0062】
また、降車履歴情報は、降車駅名と降車対応時刻から成る。降車駅名は、降車した駅の名称を示す。乗車対応時刻は、乗車駅の改札機のリーダ・ライタ装置とRFIDタグ194が通信を行った時刻を示す。
【0063】
図7のフローチャートは、視野角制御のためにCPU110が実行する処理手順例を示している。この図に示す処理は、図4に示した移動判定部111、登録状況判定部113、視野角制御部114のいずれかが適宜実行するものとしてみることができる。
【0064】
まず、登録状況判定部113は、RFIDタグ194が公共交通機関の乗車時に対応した改札機との通信(乗車対応通信)を実行したか否かについて判定する(ステップS101)。ここで、RFIDタグ194が上記乗車対応通信を実行したと判定された場合(ステップS101−YES)、登録状況判定部113は、通信履歴情報122を参照する(ステップS102)。そして、今回の乗車対応通信の通信結果として取得された乗車履歴情報(乗車駅名と乗車対応時刻)が通信履歴情報122に登録済みであるか否かについて判定する(ステップS103)。
【0065】
上記の判定処理に際して、登録状況判定部113は、今回の乗車対応通信により取得された乗車履歴情報(乗車駅名と乗車対応時刻)と一致する内容の乗車履歴情報を通信履歴情報122から検索することになる。しかし、乗車対応時刻に関しては、例えば通勤や通学などのために毎日ほぼ同じ時刻に改札口を通過するとしても、或る程度のばらつきがあるために完全に一致するものではない。そこで、上記検索に際して、乗車対応時刻については、今回の通信結果が示す乗車対応時刻の前後に一定のマージンを設定し、このマージンの範囲に含まれていれば乗車対応時刻が一致するものとしてあつかうものとする。
【0066】
そして、今回の通信結果としての乗車履歴情報に一致するとされる乗車履歴情報が通信履歴情報122から検索されたのであれば、今回の通信に応じた乗車履歴情報が、通信履歴情報122に登録済みであると判定することになる。登録済みであるということは、前述のように、今回の通信に応じた改札口の通過が、通勤や通学などの毎日同じユーザの行動において行われたものであることを意味する。つまり、周囲環境としては駅のホームまたは車内であり、多くの人が存在しているものと想定されることになる。
【0067】
上記のように登録済みであると判定した場合(ステップS103−YES)、視野角制御部114は、位置情報取得部191の動作を停止させる(ステップS104)。これとともに、例えば公共交通機関の乗車時において適切であるとして予め設定した視野角(公共交通機関対応視野角)となるように視野角可変表示部180に対する視野角制御を実行する(ステップS105)。具体的には、例えば設定した視野角に対応した視野角駆動用の電圧値を視野角可変表示部180に対して出力する。
【0068】
また、登録状況判定部113は、上記ステップS105による視野角制御が実行されている状態のもとで、RFIDタグ194が公共交通機関の乗車に対応した改札機との通信(降車対応通信)を実行するのを待機している(ステップS106−NO)。降車対応通信が行われたということは、ユーザが公共交通機関の車両を降りたことを意味している。そこで、降車対応通信が行われたことが判定された場合には(ステップS106−YES)、ステップS101に戻る。
【0069】
また、乗車対応通信が実行されない(ステップS101−NO)、または、今回の通信結果としての乗車履歴情報が通信履歴情報122に登録済みでないと判定された場合(ステップS103−NO)には、移動判定部111により以下の処理が実行される。
【0070】
つまり、移動判定部111は、加速度センサ192にて検出される加速度値を入力する(ステップS107)。そして、移動判定部111は、例えば入力した加速度値の単位時間における変動パターンに基づいて、一定以上の速度で移動中の状態にあるか否かについて判定する(ステップS108)。
【0071】
そして、移動中の状態であると判定された場合(ステップS108−YES)、視野角制御部114は、ステップS104と同様に、位置情報取得部191の動作を停止させる(ステップS109)。また、ステップS105と同様に、公共交通機関対応視野角となるように視野角可変表示部180に対する視野角制御を実行する(ステップS110)。
【0072】
次に、移動判定部111は、上記ステップS110により視野角制御が実行されている状態のもとで、移動中の状態ではなくなるのを待機している(ステップS111−NO)。そして、例えば携帯電話100のユーザがこれまで乗車していた車両から降車したのに応じて、移動判定部111により移動中の状態ではなくなったと判定されると(ステップS111−YES)、ステップS101に戻る。
【0073】
次に、先のステップS108において移動中の状態ではないと判定された場合(ステップS108−NO)、視野角制御部114は、送受信部140が基地局から受信した端末数情報を入力する(ステップS112)。そして、入力した端末数情報が示す端末数が一定以上であるか否かについて判定する(ステップS113)。
【0074】
ここで、端末数が一定以上であると判定した場合(ステップS113−YES)、視野角制御部114は、位置情報取得部191の動作を停止させる(ステップS114)。また、これとともに、視野角制御部114は、端末数に応じた視野角を求め、この設定した視野角となるように視野角可変表示部180に対する視野角制御を実行する(ステップS115)。
【0075】
視野角制御部114は、上記ステップS115による視野角制御を実行している状態のもとで、端末数が一定未満となるのを待機しており(ステップS116−NO)、端末数が一定未満になったことを判定すると(ステップS116−YES)、ステップS101に戻る。
【0076】
また、ステップS113において端末数が一定以上ではないと判定した場合、視野角制御部114は、位置情報取得部191を動作させて位置情報を取得させ、この位置情報を入力する(ステップS117)。次に、視野角制御部114は、位置情報/視野角テーブル121を参照して、上記ステップS117により取得した位置情報に対応付けられている視野角を検索する(ステップS118)。
【0077】
なお、ステップS117により取得した位置情報と位置情報/視野角テーブル121に格納される位置情報が完全に一致していなくとも、両者が近似していれば、同じ場所や環境におかれているとみてよい。そこで、視野角を検索する際には、位置情報取得部191により取得された位置情報に対して一定のマージンを与えて、このマージン範囲に含まれる位置情報を一致したものとしてあつかうこととする。または、位置情報/視野角テーブル121に格納される位置情報について、対応の場所に応じた範囲を設定してもよい。そして、視野角制御部114は、上記のように検索した視野角となるように視野角可変表示部180に対する視野角制御を実行する(ステップS119)。
【0078】
図8は、CPU110における視野角補正部115が実行する視野角補正のための処理手順例を示している。まず、視野角補正部115は、光度センサ193にて検出されている光度値を入力する(ステップS201)。次に、視野角補正部115は、入力した光度値に基づいて補正量を算出する(ステップS202)。
【0079】
なお、補正量算出処理の具体例についてはいくつか考えられるが、例えば、所定の関数に対して光度値を代入して演算を行うことにより補正量を求めることが考えられる。また、補正量としては、視野角制御部114が設定した視野角に対する増減値とすることが考えられる。また、視野角制御部114が設定した視野角に対する補正比率とすることも考えられる。
【0080】
次に、視野角補正部115は、上記ステップS202により算出した補正量に基づいて、前述のように視野角制御部114により視野角可変表示部180に対して設定された視野角を補正する(ステップS203)。
【0081】
上記のように視野角補正部115が処理を実行することにより、携帯電話100の周囲の明るさに応じて視野角可変表示部180の視野角が調整されることになる。
【0082】
図9のフローチャートは、通信履歴情報管理部112が通信履歴情報122を作成するための処理手順例を示している。通信履歴情報管理部112は、RFIDタグ194による乗車対応通信が実行されるのを待機している(ステップS301−NO)。そして、乗車対応通信が実行されたことを判定すると、記憶部120に記憶されている通信履歴情報122を参照する(ステップS302)。
【0083】
次に、通信履歴情報管理部112は、上記ステップS302により通信履歴情報122を参照した結果から、今回の乗車対応通信により取得された乗車履歴情報と同じ内容とみなされる乗車履歴情報が通信履歴情報122に登録済みであるか否かについて判定する(ステップS303)。
【0084】
ここで、今回の乗車対応通信により取得された乗車履歴情報は通信履歴情報122に登録済みであると判定されたとする(ステップS303−YES)。この場合、今回のRFIDタグ194の通信は、通勤や通学などのためにいつもとほぼ同じ同時刻に改札口を通過するという既定の動作に対応して行われたものであることになる。したがって、今回のRFIDタグ194の通信結果(乗車履歴情報)については、通信履歴情報122に新規登録する必要はない。そこで、この場合にはステップS301に戻る。
【0085】
これに対して、今回の乗車対応通信により取得された乗車履歴情報が登録済みではないと判定した場合(ステップS303−NO)、通信履歴情報管理部112は、今回のRFIDタグ194の通信結果としての乗車履歴情報を、通信履歴情報122に対して新規に登録する(ステップS304)。
【0086】
次に、通信履歴情報管理部112は、今回の乗車に対応する降車により、RFIDタグ194により降車対応通信が実行されるのを待機している(ステップS305)。そして、降車対応通信が実行されたことを判定すると、通信履歴情報管理部112は、この降車対応通信の結果としての降車履歴情報を、ステップS304により登録した乗車履歴情報に対応付けるように通信履歴情報122に登録し(ステップS306)、ステップS301に戻る。
【0087】
上記の処理が実行されることにより、ユーザが携帯電話100のRFIDタグ194を乗車カードとして使用して公共交通機関を利用するのに応じて、通信履歴情報122の新規登録を行っていくことができる。
【0088】
なお、図7に示した処理では、以下の4つの視野角制御が可能とされている。つまり、位置情報取得部191により取得される位置情報に基づく視野角制御、RFIDタグ194の通信結果が通信履歴情報122に登録済みである場合の視野角制御、加速度値に基づいて一定以上の速度で移動中であると判定された場合の視野角制御、および、端末数情報に基づく視野角制御が可能とされている。そして、これら4つの視野角制御のうちの1つが択一的に行われるものとしている。
【0089】
しかし、例えば端末数情報に基づく視野角制御に関しては、他の3つの視野角制御と併用することが可能である。つまり、例えば図7のステップS105、S110およびS119のいずれかにより視野角制御を実行しているときに、端末数情報が示す端末数に応じて視野角を調整するように変更するというものである。なお、この処理を採用する場合には、端末数情報が示す端末数を視野角の補正に利用しているとみることができる。
【0090】
また、次のような視野角制御も考えられる。つまり、画面を見られたくない人の顔を撮像した画像データを予め登録しておく。そして、撮像部160により撮像された画像において登録された顔が存在していることが認識された場合に視野角を狭くするように制御するというものである。
【0091】
また、これまでの説明では、視野角制御に際して、視野角可変表示部180の表示画面部全体の視野角を変更することとしているが、表示画面部において例えばメールアドレスが表示された部分のみの視野角を狭くするなど、表示画面部における所定の一部領域のみの視野角を制御するように構成することとしてもよい。
【0092】
また、上記実施形態においては、折りたたみ型の携帯電話100に備えられる視野角可変表示部180の視野角制御を行う場合を例に挙げているが、これ以外のタイプの携帯電話やスマートフォンといわれる携帯端末にも適用することができる。さらに、近年普及しつつある、スマートフォンより大型のタブレット端末といわれる携帯型端末装置などにも適用することができる。
【0093】
また、上述の携帯電話100は、内部にコンピュータシステムを有している。そして、上述した各処理の過程は、プログラムの形式でコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶されており、このプログラムをコンピュータが読み出して実行することによって、上記処理が行われる。ここでコンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、DVD−ROM、半導体メモリ等をいう。また、このコンピュータプログラムを通信回線によってコンピュータに配信し、この配信を受けたコンピュータが当該プログラムを実行するようにしても良い。
【0094】
また、図4における各機能部を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより、これまでに説明した視野角制御に関連する動作を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータシステム」は、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)を備えたWWWシステムも含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
【0095】
また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
【符号の説明】
【0096】
100 携帯電話
101 上側筐体部
102 下側筐体部
110 CPU
111 移動判定部
112 通信履歴情報管理部
113 登録状況判定部
114 視野角制御部
115 視野角補正部
120 記憶部
121 位置情報/視野角テーブル
122 通信履歴情報
140 送受信部
150 音声入出力部
160 撮像部
170 操作部
180 視野角可変表示部
190 センサ部
191 位置情報取得部
192 加速度センサ
193 光度センサ
194 RFIDタグ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
位置情報を取得する位置情報取得部と、
位置情報に視野角を対応付けた位置情報/視野角テーブルを少なくとも記憶する記憶部と、
外部環境において設置されるリーダ/ライタ装置と通信を行う通信タグと、
前記通信タグと前記リーダ/ライタ装置の通信結果を通信履歴情報に登録し、当該通信履歴情報を前記記憶部に記憶させる通信履歴情報管理部と、
今回の前記通信タグと前記リーダ/ライタ装置の通信結果と同じとみなされる内容の通信結果が前記通信履歴情報に登録済みであるか否かについて判定する登録状況判定部と、
前記登録状況判定部により登録済みでないと判定された場合には、前記位置情報取得部に位置情報を取得させるとともに、当該取得された位置情報に対応付けられた視野角を前記位置情報/視野角テーブルから検索し、当該検索された視野角となるように表示部に対する視野角制御を実行し、前記登録状況判定部により登録済みであると判定された場合には、前記位置情報取得部による位置情報の取得を停止させるとともに、所定の視野角となるように前記表示部に対して視野角制御を実行する視野角制御部と
を備えることを特徴とする視野角制御装置。
【請求項2】
前記通信履歴情報管理部は、
前記通信結果として、公共交通機関への乗車に応じて前記リーダ/ライタ装置と通信した際の乗車対応時刻と、降車に応じて前記リーダ/ライタ装置と通信した際の降車対応時刻とを少なくとも対応付けて前記通信履歴情報に登録し、
前記登録状況判定部は、
今回の前記通信タグと前記リーダ/ライタ装置の通信結果が示す乗車対応時刻が、前記通信履歴情報に登録されている乗車対応時刻と同じとされる場合に、今回の前記通信タグと前記リーダ/ライタ装置の通信結果が前記通信履歴情報に登録済みであると判定し、
前記視野角制御装置は、
前記登録状況判定部により登録済みであるとの判定に応じて実行した視野角制御を前記降車対応時刻に至ったタイミングで終了させる
ことを特徴とする請求項1に記載の視野角制御装置。
【請求項3】
一定以上の速度で移動中であるか否かについて判定する移動判定部をさらに備え、
前記視野角制御装置は、
前記移動判定部により一定以上の速度で移動中であると判定されている場合に、前記位置情報取得部による位置情報の取得を停止させるとともに、所定の視野角となるように前記表示部に対する視野角制御を実行する
ことを特徴とする請求項1または2に記載の視野角制御装置。
【請求項4】
前記視野角制御部は、
外部との無線通信により取得された端末数情報が示す周囲の無線端末装置の数が一定以上である場合に、前記位置情報取得部による位置情報の取得を停止させるとともに、前記端末数情報が示す無線端末装置の数に応じて設定した視野角となるように前記表示部に対する視野角制御を実行する
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の視野角制御装置。
【請求項5】
光度センサにより検出された光度に基づいて前記視野角制御部により制御される前記表示部の視野角を補正する視野角補正部をさらに備える
ことを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の視野角制御装置。
【請求項6】
視野角が可変の表示部と、
位置情報を取得する位置情報取得部と、
位置情報に視野角を対応付けた位置情報/視野角テーブルを少なくとも記憶する記憶部と、
外部環境において設置されるリーダ/ライタ装置と通信を行う通信タグと、
前記通信タグと前記リーダ/ライタ装置の通信結果を通信履歴情報に登録し、当該通信履歴情報を前記記憶部に記憶させる通信履歴情報管理部と、
今回の前記通信タグと前記リーダ/ライタ装置の通信結果と同じとみなされる内容の通信結果が前記通信履歴情報に登録済みであるか否かについて判定する登録状況判定部と、
前記登録状況判定部により登録済みでないと判定された場合には、前記位置情報取得部に位置情報を取得させるとともに、当該取得された位置情報に対応付けられた視野角を前記位置情報/視野角テーブルから検索し、当該検索された視野角となるように前記表示部に対する視野角制御を実行し、前記登録状況判定部により登録済みであると判定された場合には、前記位置情報取得部による位置情報の取得を停止させるとともに、所定の視野角となるように前記表示部に対して視野角制御を実行する視野角制御部と
を備えることを特徴とする表示装置。
【請求項7】
外部環境において設置されるリーダ/ライタ装置と通信タグとの通信結果を通信履歴情報に登録し、当該通信履歴情報を記憶部に記憶させる通信履歴情報管理ステップと、
今回の前記通信タグと前記リーダ/ライタ装置の通信結果と同じとみなされる内容の通信結果が前記通信履歴情報に登録済みであるか否かについて判定する登録状況判定ステップと、
前記登録状況判定ステップにより登録済みでないと判定された場合には、位置情報取得部により位置情報を取得させるとともに、当該取得された位置情報に対応付けられた視野角を前記記憶部に記憶される位置情報/視野角テーブルから検索し、当該検索された視野角となるように表示部に対する視野角制御を実行し、前記登録状況判定ステップにより登録済みであると判定された場合には、前記位置情報取得部による位置情報の取得を停止させるとともに、所定の視野角となるように前記表示部に対して視野角制御を実行する視野角制御ステップと
を備えることを特徴とする視野角制御方法。
【請求項8】
コンピュータを、
外部環境において設置されるリーダ/ライタ装置と通信タグとの通信結果を通信履歴情報に登録し、当該通信履歴情報を記憶部に記憶させる通信履歴情報管理手段、
今回の前記通信タグと前記リーダ/ライタ装置の通信結果と同じとみなされる内容の通信結果が前記通信履歴情報に登録済みであるか否かについて判定する登録状況判定手段、
前記登録状況判定ステップにより登録済みでないと判定された場合には、位置情報取得部により位置情報を取得させるとともに、当該取得された位置情報に対応付けられた視野角を前記記憶部に記憶される位置情報/視野角テーブルから検索し、当該検索された視野角となるように表示部に対する視野角制御を実行し、前記登録状況判定ステップにより登録済みであると判定された場合には、前記位置情報取得部による位置情報の取得を停止させるとともに、所定の視野角となるように前記表示部に対して視野角制御を実行する視野角制御手段
として機能させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−15649(P2013−15649A)
【公開日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−147920(P2011−147920)
【出願日】平成23年7月4日(2011.7.4)
【出願人】(310006855)NECカシオモバイルコミュニケーションズ株式会社 (1,081)
【Fターム(参考)】