親密度判定方法及び親密度判定装置
【課題】1枚の写真に写っている被写体である人物間の親密度に基づいて、多数の写真の中から目的とする写真を検索できるが、多数の写真全体における人物間の親密度を判定することができない。
【解決手段】取得した各画像から人物の顔領域を検出する顔領域検出部52と、検出された顔領域の特徴量に基づいて、顔領域の人物に関する人物情報を生成する人物情報生成部53とを有する。そして、人物情報に基づいて、複数の人物の顔領域が含まれる画像について当該画像における各人物間の親密度を判定して、複数の画像全体における各人物間の親密度を判定する親密度判定部54と、を有する。
【解決手段】取得した各画像から人物の顔領域を検出する顔領域検出部52と、検出された顔領域の特徴量に基づいて、顔領域の人物に関する人物情報を生成する人物情報生成部53とを有する。そして、人物情報に基づいて、複数の人物の顔領域が含まれる画像について当該画像における各人物間の親密度を判定して、複数の画像全体における各人物間の親密度を判定する親密度判定部54と、を有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、親密度判定方法及び親密度判定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、デジタルカメラ等で撮影した多数の写真の中から、目的とする写真を被写体の人物に基づいて検索して、より効率的に写真を検索及び分類する方法が提供されている。
例えば、特許文献1では、画像内に二人以上の人物が検出された場合に、画像データから被写体である人物間の親密度に関するパラメーターを自動的に算出し、親密度に基づく写真の効率的な検索、視聴等を可能とする画像処理装置を提供している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−41964号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載されているような画像処理装置の場合、1枚の写真に写っている被写体である人物間の親密度に基づいて、多数の写真の中から目的とする写真を検索、視聴等を行う方法である。このため、多数の写真全体における各人物間の親密度を判定することができない。例えば、多数の写真の中から、人物Aと人物B間で親密度が高い写真が1枚だけ検索されたとする。一方、人物Cと人物D間で親密度が高い写真が10枚以上検索されたとする。この場合、多数の写真全体においては、人物Cと人物Dの親密度の方が人物Aと人物Bの親密度よりも高いと判定できるが、特許文献1では、このように判定することができない。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態又は適用例として実現することが可能である。
【0006】
[適用例1]複数の画像を取得する画像取得工程と、前記取得した各画像から人物の顔領域を検出する顔領域検出工程と、前記検出された顔領域の特徴量に基づいて、前記顔領域の人物に関する人物情報を生成する人物情報生成工程と、前記人物情報を記憶する記憶工程と、前記記憶されている人物情報に基づいて、複数の人物の顔領域が含まれる画像について当該画像における各人物間の親密度を判定して、前記複数の画像全体における各人物間の親密度を判定する親密度判定工程と、を有することを特徴とする親密度判定方法。
【0007】
上記した親密度判定方法によれば、顔領域検出工程において、取得した各画像から人物の顔領域を検出し、人物情報生成工程において、顔領域の人物に関する人物情報を生成する。そして、親密度判定工程において、人物情報に基づいて画像における各人物間の親密度を判定して、複数の画像全体における各人物間の親密度を判定する。
これにより、親密度判定工程では、各人物間の親密度について、各画像単位に判定した親密度に基づいて、複数の画像全体における親密度を判定することができる。この結果、複数の画像全体における各人物間の親密度を適正に判定することができる。
【0008】
[適用例2]前記人物情報は、前記各画像に含まれる前記顔領域の人物を識別するための画像人物識別情報と、前記各画像の画像領域における前記人物の顔位置を示す顔位置情報と、前記人物の表情が笑顔であるか否かを示す笑顔度情報と、を含み、前記親密度判定工程において、前記画像人物識別情報に基づいて前記各画像に一緒に含まれる人物間の頻度に応じた一緒度を算出し、前記顔位置情報に基づいて前記人物間の顔位置の近接度を算出し、前記笑顔度情報に基づいて前記人物間の楽しい度を算出し、前記一緒度、前記近接度及び前記楽しい度の高い人物間の親密度を高いと判定することを特徴とする上記親密度判定方法。
【0009】
上記した親密度判定方法によれば、一緒度、近接度及び楽しい度の高い人物間の親密度を高いと判定する。これにより、各画像に一緒に含まれる頻度が多い人物間は親密度が高いと判定される。また、各画像において顔位置が近い人物間は親密度が高いと判定される。また、表情が笑顔で楽しそうな人物間は親密度が高いと判定される。
【0010】
[適用例3]前記人物情報は、前記人物の性別の情報を更に含み、前記親密度判定工程において、前記親密度を判定する対象となる二者が同性である場合は、前記近接度に比して前記楽しい度の割合が高くなるように重み付けし、前記二者が異性である場合は、前記楽しい度に比して前記近接度の割合が高くなるように重み付けすることを特徴とする上記親密度判定方法。
【0011】
上記した親密度判定方法によれば、対象となる二者が同性の場合は、顔位置が近い人物間よりも表情が笑顔で楽しそうな人物間の方を親密度が高いと判定することができる。一方、対象となる二者が異性の場合は、表情が笑顔で楽しそうな人物間よりも顔位置が近い人物間の方を親密度が高いと判定することができる。
【0012】
[適用例4]複数の画像を取得する画像取得部と、前記取得した各画像から人物の顔領域を検出する顔領域検出部と、前記検出された顔領域の特徴量に基づいて、前記顔領域の人物に関する人物情報を生成する人物情報生成部と、前記人物情報を記憶する記憶部と、前記記憶されている人物情報に基づいて、複数の人物の顔領域が含まれる画像について当該画像における各人物間の親密度を判定して、前記複数の画像全体における各人物間の親密度を判定する親密度判定部と、を有することを特徴とする親密度判定装置。
【0013】
上記した親密度判定装置によれば、顔領域検出部が、取得した各画像から人物の顔領域を検出し、人物情報生成部が、顔領域の人物に関する人物情報を生成する。そして、親密度判定部が、人物情報に基づいて画像における各人物間の親密度を判定して、複数の画像全体における各人物間の親密度を判定する。
これにより、親密度判定部では、各人物間の親密度について、各画像単位に判定した親密度に基づいて、複数の画像全体における親密度を判定することができる。この結果、複数の画像全体における各人物間の親密度を適正に判定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】画像処理装置のハードウエア構成を示すブロック図。
【図2】画像処理装置の機能構成を示すブロック図。
【図3】画像処理装置の動作を示すフローチャート。
【図4】親密度判定処理を示すフローチャート。
【図5】親密度を判定する対象となる複数枚の画像の例を示す図。
【図6】複数枚の画像に基づいて生成した人物情報の例を示す図。
【図7】各人物間の親密度を算出する例を示す図。
【図8】親密度が高い順に人物間をソートした例を示す図。
【図9】第2実施形態における親密度判定処理を示すフローチャート。
【図10】第2実施形態における親密度を判定する対象となる複数枚の画像の例を示す図。
【図11】第2実施形態における複数枚の画像に基づいて生成した人物情報の例を示す図。
【図12】第2実施形態における各人物間の親密度を算出する例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
(第1実施形態)
以下、第1実施形態に係る親密度判定装置を適用した画像処理装置について、図面を参照して説明する。
【0016】
<画像処理装置の構成>
最初に、本実施形態に係る画像処理装置の構成について説明する。
図1は、本実施形態に係る画像処理装置1のハードウエア構成を示すブロック図である。この画像処理装置は、例えば、フォトビューワー、プリンター、プロジェクター、パソコン、デジタルカメラ、携帯電話などの情報処理機器の一機能として実施することができる。
【0017】
画像処理装置1は、CPU11、内部メモリー12、操作部13、表示部14、通信インターフェイス15、記憶部16等を備えている。
【0018】
CPU(Central Processing Unit)11は、上記の各部を制御して、内部メモリー12に格納されているプログラムに応じて各種の処理を実行する。内部メモリー12は、CPU11が実行する各種プログラムや各種データを格納するROM(Read Only Memory)、及びCPU11が実行対象とするプログラムやデータを一時的に格納するRAM(Random Access Memory)によって構成されている。
【0019】
操作部13は、ボタンやタッチパネル等により構成され、ユーザーからの操作内容をCPU11に通知する。表示部14は、例えば液晶ディスプレイ等により構成され、CPU11から供給されたデータに対応する画像を表示する。通信インターフェイス15は、例えばデジタルカメラ等の情報機器から画像データなどのやり取りを行うためのインターフェイスである。
【0020】
記憶部16は、例えば、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)やフラッシュメモリーのような不揮発性メモリー、又はハードディスクにより構成される。記憶部16には、画像ファイル17及び人物情報18等が記憶されている。
画像ファイル17には、例えばデジタルカメラ等の情報機器から通信インターフェイス15を介して入力された人物画像や風景画像等の複数枚の画像が保存されている。また、人物情報18は、画像ファイル17に保存された各画像に基づいて生成され、各画像に含まれる人物に関する情報を含んでいる。人物情報18は、画像人物識別情報18a、顔位置情報18b及び笑顔度情報18cによりデータ構成される。なお、これらの情報の詳細については後述する。
【0021】
図2は、画像処理装置1の機能構成を示すブロック図である。同図に示すように、画像処理装置1は、画像取得部51、顔領域検出部52、人物情報生成部53、親密度判定部54等の各機能を備えている。これらの機能は、CPU11が、内部メモリー12に記憶されている所定のプログラムを実行することよって実現される。
【0022】
画像取得部51は、記憶部16に保存されている画像ファイル17から処理対象となる画像データを取得する。なお、画像取得部51は、記憶部16に記憶された画像ファイル17に限られず、通信インターフェイス15を介して例えばデジタルカメラ等の情報機器から、画像データを直接取得しても良い。
【0023】
顔領域検出部52は、画像取得部51により取得した画像データに基づく画像に含まれる全ての顔領域を検出する。本実施形態では、例えば、テンプレートを利用したパターンマッチングによる方法等の公知の検出方法を用いて顔領域を検出する。
【0024】
人物情報生成部53は、顔領域検出部52により検出された顔領域から顔の特徴量を検出する。この特徴量は、顔、目及び口の器官輪郭と、それらの顔領域における相対位置を表している。そして、この特徴量に基づいて、顔認識を行い顔領域の人物を特定するとともに、顔の表情が笑顔であるか否かを判定する。本実施形態では、顔の特徴量の検出及び笑顔であるか否かの判定は、上記した顔領域の検出と同様に、例えば、テンプレートを利用したパターンマッチングによる方法等の公知の方法を用いる。
【0025】
人物情報生成部53は、上記した顔認識及び笑顔であるか否かの判定に基づいて、画像に含まれる顔領域の人物に関する人物情報18を生成して記憶部16に記憶する。この人物情報18は、図1に示すように、画像人物識別情報18a、顔位置情報18b及び笑顔度情報18cによりデータ構成される。画像人物識別情報18aは、各画像の識別及び当該画像に含まれる人物を識別するための情報である。顔位置情報18bは、各画像に含まれる人物について、画像領域における人物の顔位置を示す情報である。笑顔度情報18cは、各画像に含まれる人物の顔の表情が笑顔であるか否かを割合で示す情報である。
【0026】
親密度判定部54は、記憶部16に記憶されている人物情報18に基づいて、各画像に含まれる人物間の親密度を各画像単位に算出する。そして、算出された各画像単位の人物間の親密度の総和をとることにより、画像取得部51により取得した複数の画像全体における各人物間の親密度を判定する。
【0027】
なお、本実施形態では、各画像に含まれる人物のうち二者間の親密度を判定する。しかし、二者間の親密度に限られず、例えば三者間とかこれ以上の数の人物間の親密度を判定するようにしても良い。例えば、三者間の親密度を判定する場合、各画像単位に三者間の親密度を算出し、算出した親密度の総和をとることにより、複数の画像全体における三者間の親密度を判定する。
【0028】
<画像処理装置の動作>
次に、本実施形態に係る画像処理装置の動作について説明する。
図3は、本実施形態に係る画像処理装置1の動作を示すフローチャートである。同図に示すフローチャートは、画像処理装置1が、複数枚の画像全体に対して親密度を判定する動作を示している。
【0029】
先ず、画像処理装置1は、親密度を判定する対象となる複数枚の画像を、記憶部16の画像ファイル17から選択する(ステップS10)。これらの画像は、例えば、操作部13を介してユーザーから指定を受け付けた画像に基づいて選択する。
【0030】
次に、画像処理装置1は、画像取得部51により、ステップS10において選択された複数枚の画像の中から、1枚の画像の画像データを画像ファイル17から取得する(ステップS20)。そして、画像処理装置1は、顔領域検出部52により、取得した1枚の画像に含まれる全ての顔領域を検出する(ステップS30)。なお、本フローチャートでは、ステップS10において選択された各画像に人物の顔が含まれる人物画像を例にして説明する。
【0031】
次に、画像処理装置1は、人物情報生成部53により、ステップS30において検出された顔領域の1つに対して、顔領域の特徴量に基づいて顔認識を行うとともに、画像人物識別情報18a、顔位置情報18b及び笑顔度情報18cによりデータ構成される人物情報18を生成して記憶部16に記憶する(ステップS40)。
【0032】
次に、画像処理装置1は、ステップS30において検出された顔領域の中に、未処理の次の顔領域があるか否かを判定する(ステップS50)。次の顔領域がある場合(ステップS50:Yes)は、ステップS40における人物情報18を生成する処理を次の顔領域がなくなるまで繰り返す。
他方、次の顔領域がない場合(ステップS50:No)、即ち画像に含まれる全ての顔領域に対して人物情報18を生成した場合は、次のステップS60へ進む。
【0033】
ステップS60では、画像処理装置1は、ステップS10において選択された画像の全てに対して、処理が終了したか否かを判定する。画像の全てに対して処理が終了していない場合(ステップS60:No)、即ち顔領域の検出及び人物情報18を生成する処理を行っていない画像が残っている場合は、ステップS20に戻りこれらの処理を繰り返す。
他方、全ての画像に対して処理が終了した場合(ステップS60:Yes)は、次のステップS70へ進む。
【0034】
図5は、親密度を判定する対象となる複数枚の画像の例を示す図である。また、図6は、複数枚の画像に基づいて生成した人物情報18の例を示す図であり。図6に示す人物情報18は、図5に示す3枚の画像G1〜G3に基づいて生成されており、画像人物識別情報18a、顔位置情報18b及び笑顔度情報18cを表形式で表している。
図5の例では、最初に画像G1の画像データを取得し、画像G1に含まれる人物P1,P2の顔領域を検出する。そして、検出された人物P1の顔領域に基づいて、図6のNo.1に示す人物情報18を生成する。ここでは、人物P1の顔位置を画像領域における横方向X軸、縦方向をY軸の2次元の座標(X,Y)として、(40,50)で表している。また、人物P1の表情を笑顔度0〜100%(数値が高いほど笑顔)における「80%」で表している。
【0035】
同様にして、画像G1に含まれる人物P2、画像G2に含まれる人物P1,P2,P3、及び画像G3に含まれる人物P1,P3に対しても顔領域の検出及び人物情報18を生成する処理を行う。ここで、画像G2に含まれる人物P3、及び画像G3に含まれる人物P1,P3の表情については、笑顔度「10%」で表している。
【0036】
ステップS70では、画像処理装置1は、選択された複数枚の画像全体における各人物間の親密度を判定する親密度判定処理を行い、図3のフローチャートに示す画像処理装置1の動作を終了する。
【0037】
図4は、親密度判定処理を示すフローチャートである。同図に示すように、先ず、画像処理装置1は、図3のステップS20において取得した画像の中から、記憶部16に記憶されている人物情報18に対応する1枚の画像を選択する(ステップS110)。
【0038】
次に、画像処理装置1は、ステップS110において選択された画像の中に、複数の人物の顔が含まれるか否かを判定する(ステップS120)。複数の人物の顔が含まれる場合(ステップS120:Yes)は、画像に含まれる人物間の親密度を算出するために、次のステップS130へ進む。
他方、複数の人物の顔が含まれない場合(ステップS120:No)は、画像に含まれる人物間の親密度を算出する必要がないことから、次の画像の判定処理を行うためにステップS180へ進む。
【0039】
ステップS130では、画像処理装置1は、画像に含まれる複数の人物の顔の中から、対象とする二者間の組み合わせに対して一緒度をカウントアップする。ここで、例えば、画像に含まれる人物が二人の場合は、対象とする二者間の組み合わせは1通りとなるが、画像に含まれる人物が三人の場合は、対象とする二者間の組み合わせは2通りとなる。
【0040】
次に、画像処理装置1は、人物情報18の顔位置情報18bに基づいて、対象とする二者間の近接度を算出する(ステップS140)。そして、画像処理装置1は、人物情報18の笑顔度情報18cに基づいて、対象の二者間の楽しい度を算出する(ステップS150)。
【0041】
次に、画像処理装置1は、ステップS130〜S150において算出した一緒度、近接度及び楽しい度の各度数の総和をとることにより、対象とする二者間の親密度を算出する(ステップS160)。なお、二者間の親密度を算出する際に、一緒度、近接度及び楽しい度の各度数の総和を用いるのではなく、例えば、各度数の平均値や最大値等を用いても良い。
【0042】
次に、画像処理装置1は、画像に含まれる複数の人物の顔の中から、次に対象とする二者間の組み合わせがあるか否かを判定する(ステップS170)。対象とする二者間の組み合わせがある場合(ステップS170:Yes)は、次に対象とする二者間の組み合わせに対してステップS130〜S160における親密度を算出する処理を繰り返す。
他方、次に対象とする二者間の組み合わせがない場合(ステップS170:No)、即ち画像に含まれる二者間の組み合わせの全てに対して親密度を算出した場合は、次のステップS180へ進む。
【0043】
ステップS180では、画像処理装置1は、記憶部16に記憶されている人物情報18に対応する画像の全てに対して、処理が終了したか否かを判定する。画像の全てに対して処理が終了していない場合(ステップS180:No)、即ち親密度を算出していない画像が残っている場合は、ステップS110に戻りこれらの処理を繰り返す。
他方、全ての画像に対しての処理が終了した場合(ステップS180:Yes)は、次のステップS190へ進む。
【0044】
ステップS190では、画像処理装置1は、記憶部16に記憶されている人物情報18に対応する画像全体における各人物間の親密度を算出する。本実施形態では、画像全体における各人物間の親密度は、各画像における各人物間の親密度の総和をとることにより算出するが、総和に限られず、別の方法を用いて算出しても良い。
【0045】
次に、画像処理装置1は、ステップS190において算出した画像全体における各人物間の親密度を用いて、親密度の度数が高い順にソートして並び替えることにより、画像全体における親密度のレベルを判定する(ステップS200)。なお、親密度の度数が高い順にソートするのではなく、度数が低い順にソートする等、用途に応じた順番に並び替えても良い。
【0046】
図7は、各人物間の親密度を算出する例を示す図である。同図は、図6に示す人物情報18に基づいて生成されており、画像G1〜G3のそれぞれに含まれる人物間の一緒度、近接度、楽しい度及び親密度を示している。図7に示すように、画像G1,G3では1通りの二者間の組み合わせがあるが、画像G2では3通りの二者間の組み合わせがある。そして、各人物間の組み合わせに対して、一緒度、近接度、楽しい度及び親密度を算出する。
例えば、図5に示す画像G1に含まれる人物P1,P2の場合、図7においては、人物間「P1−P2」に対して、一緒度「1」が無条件にカウントアップされる。また、人物P1,P2の顔位置が極めて近いことから、近接度「2」が算出される。また、人物P1,P2の表情については、例えば笑顔度50%以上を笑顔とし、50%未満を笑顔でないとすると、人物P1,P2ともに笑顔度が「80%」であり笑顔度50%以上の笑顔とみなされることから、楽しい度「2」が算出される。そして、一緒度「1」、近接度「2」及び楽しい度「2」の各度数の総和をとることにより親密度「5」が算出される。
【0047】
同様にして、画像G2に含まれる人物P1,P2,P3の三者間の組み合わせ、及び画像G3に含まれる人物P1,P3の二者間の組み合わせに対しても親密度を算出する。
ここで、画像G2に含まれる人物P1,P3の顔位置が遠いことから、近接度「0」が算出され、画像G2に含まれる人物P2,P3及び画像G3に含まれる人物P1,P3の顔位置が近いことから、近接度「1」が算出される。また、画像G2に含まれる人物P1,P3及び人物P2,P3では、片方のみが笑顔とみなされることから、楽しい度「1」が算出され、画像G3に含まれる人物P1,P3では、両方とも笑顔でないとみなされることから、楽しい度「0」が算出される。
【0048】
また、図8は、親密度が高い順に人物間をソートした例を示す図である。同図に示す各人物間の親密度は、図7に示す画像G1〜G3の画像単位における各人物間の親密度に対して各人物間で総和をとり、画像G1〜G3全体の親密度として算出したものである。例えば、画像G1〜G3全体における人物P1,P2の親密度は、画像G1における親密度「5」と画像G2における親密度「5」との総和をとることにより、親密度「10」を算出している。
【0049】
なお、画像取得工程は、上記の図3のステップS10,S20に相当する。また、顔領域検出工程は、図3のステップS30に相当する。また、人物情報生成工程及び記憶工程は、図3のステップS40に相当する。また、親密度判定工程は、図3のステップS70に相当する。
【0050】
上述した実施形態では、各画像の顔領域に基づいて、画像人物識別情報18a、顔位置情報18b及び笑顔度情報18cによりデータ構成される人物情報18を生成する。また、各画像単位に、人物情報18に基づいて算出した一緒度、近接度及び楽しい度の総和により親密度を算出する。そして、各画像単位の二者間の親密度に基づいて、複数の画像全体における二者間の親密度を算出して親密度の順にソートして親密度を判定する。
【0051】
これにより、各画像に含まれる二者間について、複数の画像全体においてはどのような親密度なのかを把握することができる。例えば、図5の画像G2,G3に示す人物P1,P3の二者間の親密度と、人物P2,P3の二者間の親密度とを比較した場合、各画像単位では人物P1,P3よりも人物P2,P3の二者間の親密度の方が高い。しかし、画像G1〜G3全体では、図8に示すように、人物P2,P3よりも人物P1,P3の二者間の親密度の方が高いと判定することができる。
【0052】
また、複数の画像全体における親密度の判定結果に基づいて、例えば、画像全体における親密度の高い順又は低い順にランキング表示したり、特定の人物に関して仲良しの人物との写真をピックアップしたり、特定の人物間よりも更に仲良しの関係にある人物間の写真をピックアップしたり等、様々な用途に活用することができる。
【0053】
(第2実施形態)
以下、第2実施形態に係る親密度判定装置を適用した画像処理装置について、図面を参照して説明する。
【0054】
第2実施形態に係る画像処理装置のハードウエア構成は、図1に示す第1実施形態に係る画像処理装置1のハードウエア構成と同様である。
また、第2実施形態に係る画像処理装置1の機能構成は、図2に示す第1実施形態に係る画像処理装置1の機能構成と同様であるが、人物情報生成部53と親密度判定部54における処理内容が第1実施形態とは異なる。
【0055】
第2実施形態の人物情報生成部53では、顔領域の特徴量に基づいて生成する人物情報18のデータ構成が異なる。第2実施形態では、第1実施形態の人物情報18のデータ構成に加えて図示しない性別情報を生成する。この性別情報は、顔領域の特徴量に基づいて公知の方法を用いて検出した女性及び男性の識別を示す情報である。
【0056】
第2実施形態の親密度判定部54では、上記した性別情報を含む人物情報18に基づいて、各画像に含まれる人物間の親密度を各画像単位に算出する。そして、第1実施形態と同様に、算出された各画像単位の人物間の親密度の総和をとることにより、画像取得部51により取得した複数の画像全体における各人物間の親密度を判定する。
【0057】
次に、第2実施形態に係る画像処理装置1の動作について説明する。
第2実施形態に係る画像処理装置1の動作は、図3に示す第1実施形態に係る画像処理装置1の動作を示すフローチャートがそのまま適用できるが、ステップS40における人物情報18を生成して記憶する処理と、ステップS70における親密度判定処理とが異なる処理内容となっている。
【0058】
第2実施形態の場合、図3に示すフローチャートにおけるステップS40において、画像人物識別情報18a、顔位置情報18b及び笑顔度情報18cに加えて、性別情報を含めたデータ構成の人物情報18を生成する。
【0059】
図10は、第2実施形態における親密度を判定する対象となる複数枚の画像の例を示す図である。同図に示すように、画像G11,G12には異性の二人が含まれており、画像G13,G14には同性の二人が含まれている。また、図11は、第2実施形態における複数枚の画像に基づいて生成した人物情報18の例を示す図である。図11に示す人物情報18は、図10に示す4枚の画像G11〜G14に基づいて生成されている。図11に示す人物情報18では、図6に示す第1実施形態の人物情報18の項目に加えて性別の項目が設けられており、例えば、画像G11に含まれる人物F1は女性であることから性別「F]で表し、人物M1は男性であることから性別「M]で表している。
【0060】
図9は、第2実施形態における親密度判定処理を示すフローチャートである。同図に示すフローチャートにおけるステップS110〜S150及びステップS160〜S200は、図4に示す第1実施形態におけるフローチャートのステップS110〜S150及びステップS160〜S200と同様の処理内容であり、その説明を省略する。図9に示す第2実施形態におけるフローチャートでは、図4に示す第1実施形態におけるフローチャートに対してステップS151〜S153の処理が追加されている。
【0061】
図9に示すフローチャートのステップS151では、画像処理装置1は、人物情報18の性別情報に基づいて、ステップS130〜S150において対象とした二者が異性であるか又は同性であるかを判定する。二者が異性である場合(ステップS151:異性)は、楽しい度に比して近接度の割合が高くなるように、つまり親密度の算出において近接度が優先されるように重み付けして(ステップS152)、ステップS160へ進む。
他方、二者が同性である場合(ステップS151:同性)は、近接度に比して楽しい度の割合が高くなるように、つまり親密度の算出において楽しい度が優先されるように重み付けして(ステップS153)、ステップS160へ進む。
【0062】
従って、ステップS160では、ステップS130〜S150において算出した一緒度、近接度及び楽しい度に対してステップS152又はS153において重み付けした近接度又は楽しい度の各度数の総和をとることにより、対象とした二者間の親密度を算出することになる。
【0063】
図12は、第2実施形態における各人物間の親密度を算出する例を示す図である。同図は、図11に示す人物情報18に基づいて生成されており、画像G11〜G14のそれぞれに含まれる人物間の一緒度、近接度、楽しい度及び親密度を示している。図12に示すように、画像G11に含まれる人物F1と人物M1、及び画像G12に含まれる人物F2と人物M2はそれぞれが異性の関係であることから、ここでは、近接度に対して重み係数r=2の重み付けを行っている。また、画像G13に含まれる人物F1と人物F2、及び画像G14に含まれる人物F3と人物F4はそれぞれが同性の関係であることから、ここでは、楽しい度に対して重み係数r=2の重み付けを行っている。
【0064】
上述した実施形態では、各画像の顔領域に基づいて生成される人物情報18のデータ構成に各人物の性別情報を加えている。そして、各画像単位に親密度を算出する際に、対象とする二者が異性である場合は、近接度が優先されるように重み付けし、同性である場合は、楽しい度が優先されるように重み付けする。
これにより、対象とする二者が異性同士であるか同性同士であるかに応じて、木目細かくより適正に判断して親密度を判定することができる。
【0065】
(変形例)
上述した実施形態では、各画像に含まれる人物について、画像領域における顔位置、表情が笑顔であるか否かの識別、及び対象とする人物同士が異性であるか同性であるかに基づいて、親密度を判定するようにしている。しかし、これに限られず、例えば、人物の年齢、顔の傾き、顔の向き等に基づいて親密度を判定するようにしても良い。
【0066】
例えば、人物の年齢に基づいて親密度を算出する場合、対象とする二者の年齢差が大きいときは親子の可能性があるので親密度を高くすることができる。また、顔の傾き及び向きに基づいて親密度を算出する場合、対象とする二者の顔がお互いに接近するような顔の傾き及び向きのときは、より愛情が深いと思われるので親密度を高くすることができる。
【符号の説明】
【0067】
1…画像処理装置、11…CPU、12…内部メモリー、13…操作部、14…表示部、15…通信インターフェイス、16…記憶部、17…画像ファイル、18…人物情報、18a…画像人物識別情報、18b…顔位置情報、18c…笑顔度情報、51…画像取得部、52…顔領域検出部、53…人物情報生成部、54…親密度判定部。
【技術分野】
【0001】
本発明は、親密度判定方法及び親密度判定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、デジタルカメラ等で撮影した多数の写真の中から、目的とする写真を被写体の人物に基づいて検索して、より効率的に写真を検索及び分類する方法が提供されている。
例えば、特許文献1では、画像内に二人以上の人物が検出された場合に、画像データから被写体である人物間の親密度に関するパラメーターを自動的に算出し、親密度に基づく写真の効率的な検索、視聴等を可能とする画像処理装置を提供している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−41964号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載されているような画像処理装置の場合、1枚の写真に写っている被写体である人物間の親密度に基づいて、多数の写真の中から目的とする写真を検索、視聴等を行う方法である。このため、多数の写真全体における各人物間の親密度を判定することができない。例えば、多数の写真の中から、人物Aと人物B間で親密度が高い写真が1枚だけ検索されたとする。一方、人物Cと人物D間で親密度が高い写真が10枚以上検索されたとする。この場合、多数の写真全体においては、人物Cと人物Dの親密度の方が人物Aと人物Bの親密度よりも高いと判定できるが、特許文献1では、このように判定することができない。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態又は適用例として実現することが可能である。
【0006】
[適用例1]複数の画像を取得する画像取得工程と、前記取得した各画像から人物の顔領域を検出する顔領域検出工程と、前記検出された顔領域の特徴量に基づいて、前記顔領域の人物に関する人物情報を生成する人物情報生成工程と、前記人物情報を記憶する記憶工程と、前記記憶されている人物情報に基づいて、複数の人物の顔領域が含まれる画像について当該画像における各人物間の親密度を判定して、前記複数の画像全体における各人物間の親密度を判定する親密度判定工程と、を有することを特徴とする親密度判定方法。
【0007】
上記した親密度判定方法によれば、顔領域検出工程において、取得した各画像から人物の顔領域を検出し、人物情報生成工程において、顔領域の人物に関する人物情報を生成する。そして、親密度判定工程において、人物情報に基づいて画像における各人物間の親密度を判定して、複数の画像全体における各人物間の親密度を判定する。
これにより、親密度判定工程では、各人物間の親密度について、各画像単位に判定した親密度に基づいて、複数の画像全体における親密度を判定することができる。この結果、複数の画像全体における各人物間の親密度を適正に判定することができる。
【0008】
[適用例2]前記人物情報は、前記各画像に含まれる前記顔領域の人物を識別するための画像人物識別情報と、前記各画像の画像領域における前記人物の顔位置を示す顔位置情報と、前記人物の表情が笑顔であるか否かを示す笑顔度情報と、を含み、前記親密度判定工程において、前記画像人物識別情報に基づいて前記各画像に一緒に含まれる人物間の頻度に応じた一緒度を算出し、前記顔位置情報に基づいて前記人物間の顔位置の近接度を算出し、前記笑顔度情報に基づいて前記人物間の楽しい度を算出し、前記一緒度、前記近接度及び前記楽しい度の高い人物間の親密度を高いと判定することを特徴とする上記親密度判定方法。
【0009】
上記した親密度判定方法によれば、一緒度、近接度及び楽しい度の高い人物間の親密度を高いと判定する。これにより、各画像に一緒に含まれる頻度が多い人物間は親密度が高いと判定される。また、各画像において顔位置が近い人物間は親密度が高いと判定される。また、表情が笑顔で楽しそうな人物間は親密度が高いと判定される。
【0010】
[適用例3]前記人物情報は、前記人物の性別の情報を更に含み、前記親密度判定工程において、前記親密度を判定する対象となる二者が同性である場合は、前記近接度に比して前記楽しい度の割合が高くなるように重み付けし、前記二者が異性である場合は、前記楽しい度に比して前記近接度の割合が高くなるように重み付けすることを特徴とする上記親密度判定方法。
【0011】
上記した親密度判定方法によれば、対象となる二者が同性の場合は、顔位置が近い人物間よりも表情が笑顔で楽しそうな人物間の方を親密度が高いと判定することができる。一方、対象となる二者が異性の場合は、表情が笑顔で楽しそうな人物間よりも顔位置が近い人物間の方を親密度が高いと判定することができる。
【0012】
[適用例4]複数の画像を取得する画像取得部と、前記取得した各画像から人物の顔領域を検出する顔領域検出部と、前記検出された顔領域の特徴量に基づいて、前記顔領域の人物に関する人物情報を生成する人物情報生成部と、前記人物情報を記憶する記憶部と、前記記憶されている人物情報に基づいて、複数の人物の顔領域が含まれる画像について当該画像における各人物間の親密度を判定して、前記複数の画像全体における各人物間の親密度を判定する親密度判定部と、を有することを特徴とする親密度判定装置。
【0013】
上記した親密度判定装置によれば、顔領域検出部が、取得した各画像から人物の顔領域を検出し、人物情報生成部が、顔領域の人物に関する人物情報を生成する。そして、親密度判定部が、人物情報に基づいて画像における各人物間の親密度を判定して、複数の画像全体における各人物間の親密度を判定する。
これにより、親密度判定部では、各人物間の親密度について、各画像単位に判定した親密度に基づいて、複数の画像全体における親密度を判定することができる。この結果、複数の画像全体における各人物間の親密度を適正に判定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】画像処理装置のハードウエア構成を示すブロック図。
【図2】画像処理装置の機能構成を示すブロック図。
【図3】画像処理装置の動作を示すフローチャート。
【図4】親密度判定処理を示すフローチャート。
【図5】親密度を判定する対象となる複数枚の画像の例を示す図。
【図6】複数枚の画像に基づいて生成した人物情報の例を示す図。
【図7】各人物間の親密度を算出する例を示す図。
【図8】親密度が高い順に人物間をソートした例を示す図。
【図9】第2実施形態における親密度判定処理を示すフローチャート。
【図10】第2実施形態における親密度を判定する対象となる複数枚の画像の例を示す図。
【図11】第2実施形態における複数枚の画像に基づいて生成した人物情報の例を示す図。
【図12】第2実施形態における各人物間の親密度を算出する例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
(第1実施形態)
以下、第1実施形態に係る親密度判定装置を適用した画像処理装置について、図面を参照して説明する。
【0016】
<画像処理装置の構成>
最初に、本実施形態に係る画像処理装置の構成について説明する。
図1は、本実施形態に係る画像処理装置1のハードウエア構成を示すブロック図である。この画像処理装置は、例えば、フォトビューワー、プリンター、プロジェクター、パソコン、デジタルカメラ、携帯電話などの情報処理機器の一機能として実施することができる。
【0017】
画像処理装置1は、CPU11、内部メモリー12、操作部13、表示部14、通信インターフェイス15、記憶部16等を備えている。
【0018】
CPU(Central Processing Unit)11は、上記の各部を制御して、内部メモリー12に格納されているプログラムに応じて各種の処理を実行する。内部メモリー12は、CPU11が実行する各種プログラムや各種データを格納するROM(Read Only Memory)、及びCPU11が実行対象とするプログラムやデータを一時的に格納するRAM(Random Access Memory)によって構成されている。
【0019】
操作部13は、ボタンやタッチパネル等により構成され、ユーザーからの操作内容をCPU11に通知する。表示部14は、例えば液晶ディスプレイ等により構成され、CPU11から供給されたデータに対応する画像を表示する。通信インターフェイス15は、例えばデジタルカメラ等の情報機器から画像データなどのやり取りを行うためのインターフェイスである。
【0020】
記憶部16は、例えば、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)やフラッシュメモリーのような不揮発性メモリー、又はハードディスクにより構成される。記憶部16には、画像ファイル17及び人物情報18等が記憶されている。
画像ファイル17には、例えばデジタルカメラ等の情報機器から通信インターフェイス15を介して入力された人物画像や風景画像等の複数枚の画像が保存されている。また、人物情報18は、画像ファイル17に保存された各画像に基づいて生成され、各画像に含まれる人物に関する情報を含んでいる。人物情報18は、画像人物識別情報18a、顔位置情報18b及び笑顔度情報18cによりデータ構成される。なお、これらの情報の詳細については後述する。
【0021】
図2は、画像処理装置1の機能構成を示すブロック図である。同図に示すように、画像処理装置1は、画像取得部51、顔領域検出部52、人物情報生成部53、親密度判定部54等の各機能を備えている。これらの機能は、CPU11が、内部メモリー12に記憶されている所定のプログラムを実行することよって実現される。
【0022】
画像取得部51は、記憶部16に保存されている画像ファイル17から処理対象となる画像データを取得する。なお、画像取得部51は、記憶部16に記憶された画像ファイル17に限られず、通信インターフェイス15を介して例えばデジタルカメラ等の情報機器から、画像データを直接取得しても良い。
【0023】
顔領域検出部52は、画像取得部51により取得した画像データに基づく画像に含まれる全ての顔領域を検出する。本実施形態では、例えば、テンプレートを利用したパターンマッチングによる方法等の公知の検出方法を用いて顔領域を検出する。
【0024】
人物情報生成部53は、顔領域検出部52により検出された顔領域から顔の特徴量を検出する。この特徴量は、顔、目及び口の器官輪郭と、それらの顔領域における相対位置を表している。そして、この特徴量に基づいて、顔認識を行い顔領域の人物を特定するとともに、顔の表情が笑顔であるか否かを判定する。本実施形態では、顔の特徴量の検出及び笑顔であるか否かの判定は、上記した顔領域の検出と同様に、例えば、テンプレートを利用したパターンマッチングによる方法等の公知の方法を用いる。
【0025】
人物情報生成部53は、上記した顔認識及び笑顔であるか否かの判定に基づいて、画像に含まれる顔領域の人物に関する人物情報18を生成して記憶部16に記憶する。この人物情報18は、図1に示すように、画像人物識別情報18a、顔位置情報18b及び笑顔度情報18cによりデータ構成される。画像人物識別情報18aは、各画像の識別及び当該画像に含まれる人物を識別するための情報である。顔位置情報18bは、各画像に含まれる人物について、画像領域における人物の顔位置を示す情報である。笑顔度情報18cは、各画像に含まれる人物の顔の表情が笑顔であるか否かを割合で示す情報である。
【0026】
親密度判定部54は、記憶部16に記憶されている人物情報18に基づいて、各画像に含まれる人物間の親密度を各画像単位に算出する。そして、算出された各画像単位の人物間の親密度の総和をとることにより、画像取得部51により取得した複数の画像全体における各人物間の親密度を判定する。
【0027】
なお、本実施形態では、各画像に含まれる人物のうち二者間の親密度を判定する。しかし、二者間の親密度に限られず、例えば三者間とかこれ以上の数の人物間の親密度を判定するようにしても良い。例えば、三者間の親密度を判定する場合、各画像単位に三者間の親密度を算出し、算出した親密度の総和をとることにより、複数の画像全体における三者間の親密度を判定する。
【0028】
<画像処理装置の動作>
次に、本実施形態に係る画像処理装置の動作について説明する。
図3は、本実施形態に係る画像処理装置1の動作を示すフローチャートである。同図に示すフローチャートは、画像処理装置1が、複数枚の画像全体に対して親密度を判定する動作を示している。
【0029】
先ず、画像処理装置1は、親密度を判定する対象となる複数枚の画像を、記憶部16の画像ファイル17から選択する(ステップS10)。これらの画像は、例えば、操作部13を介してユーザーから指定を受け付けた画像に基づいて選択する。
【0030】
次に、画像処理装置1は、画像取得部51により、ステップS10において選択された複数枚の画像の中から、1枚の画像の画像データを画像ファイル17から取得する(ステップS20)。そして、画像処理装置1は、顔領域検出部52により、取得した1枚の画像に含まれる全ての顔領域を検出する(ステップS30)。なお、本フローチャートでは、ステップS10において選択された各画像に人物の顔が含まれる人物画像を例にして説明する。
【0031】
次に、画像処理装置1は、人物情報生成部53により、ステップS30において検出された顔領域の1つに対して、顔領域の特徴量に基づいて顔認識を行うとともに、画像人物識別情報18a、顔位置情報18b及び笑顔度情報18cによりデータ構成される人物情報18を生成して記憶部16に記憶する(ステップS40)。
【0032】
次に、画像処理装置1は、ステップS30において検出された顔領域の中に、未処理の次の顔領域があるか否かを判定する(ステップS50)。次の顔領域がある場合(ステップS50:Yes)は、ステップS40における人物情報18を生成する処理を次の顔領域がなくなるまで繰り返す。
他方、次の顔領域がない場合(ステップS50:No)、即ち画像に含まれる全ての顔領域に対して人物情報18を生成した場合は、次のステップS60へ進む。
【0033】
ステップS60では、画像処理装置1は、ステップS10において選択された画像の全てに対して、処理が終了したか否かを判定する。画像の全てに対して処理が終了していない場合(ステップS60:No)、即ち顔領域の検出及び人物情報18を生成する処理を行っていない画像が残っている場合は、ステップS20に戻りこれらの処理を繰り返す。
他方、全ての画像に対して処理が終了した場合(ステップS60:Yes)は、次のステップS70へ進む。
【0034】
図5は、親密度を判定する対象となる複数枚の画像の例を示す図である。また、図6は、複数枚の画像に基づいて生成した人物情報18の例を示す図であり。図6に示す人物情報18は、図5に示す3枚の画像G1〜G3に基づいて生成されており、画像人物識別情報18a、顔位置情報18b及び笑顔度情報18cを表形式で表している。
図5の例では、最初に画像G1の画像データを取得し、画像G1に含まれる人物P1,P2の顔領域を検出する。そして、検出された人物P1の顔領域に基づいて、図6のNo.1に示す人物情報18を生成する。ここでは、人物P1の顔位置を画像領域における横方向X軸、縦方向をY軸の2次元の座標(X,Y)として、(40,50)で表している。また、人物P1の表情を笑顔度0〜100%(数値が高いほど笑顔)における「80%」で表している。
【0035】
同様にして、画像G1に含まれる人物P2、画像G2に含まれる人物P1,P2,P3、及び画像G3に含まれる人物P1,P3に対しても顔領域の検出及び人物情報18を生成する処理を行う。ここで、画像G2に含まれる人物P3、及び画像G3に含まれる人物P1,P3の表情については、笑顔度「10%」で表している。
【0036】
ステップS70では、画像処理装置1は、選択された複数枚の画像全体における各人物間の親密度を判定する親密度判定処理を行い、図3のフローチャートに示す画像処理装置1の動作を終了する。
【0037】
図4は、親密度判定処理を示すフローチャートである。同図に示すように、先ず、画像処理装置1は、図3のステップS20において取得した画像の中から、記憶部16に記憶されている人物情報18に対応する1枚の画像を選択する(ステップS110)。
【0038】
次に、画像処理装置1は、ステップS110において選択された画像の中に、複数の人物の顔が含まれるか否かを判定する(ステップS120)。複数の人物の顔が含まれる場合(ステップS120:Yes)は、画像に含まれる人物間の親密度を算出するために、次のステップS130へ進む。
他方、複数の人物の顔が含まれない場合(ステップS120:No)は、画像に含まれる人物間の親密度を算出する必要がないことから、次の画像の判定処理を行うためにステップS180へ進む。
【0039】
ステップS130では、画像処理装置1は、画像に含まれる複数の人物の顔の中から、対象とする二者間の組み合わせに対して一緒度をカウントアップする。ここで、例えば、画像に含まれる人物が二人の場合は、対象とする二者間の組み合わせは1通りとなるが、画像に含まれる人物が三人の場合は、対象とする二者間の組み合わせは2通りとなる。
【0040】
次に、画像処理装置1は、人物情報18の顔位置情報18bに基づいて、対象とする二者間の近接度を算出する(ステップS140)。そして、画像処理装置1は、人物情報18の笑顔度情報18cに基づいて、対象の二者間の楽しい度を算出する(ステップS150)。
【0041】
次に、画像処理装置1は、ステップS130〜S150において算出した一緒度、近接度及び楽しい度の各度数の総和をとることにより、対象とする二者間の親密度を算出する(ステップS160)。なお、二者間の親密度を算出する際に、一緒度、近接度及び楽しい度の各度数の総和を用いるのではなく、例えば、各度数の平均値や最大値等を用いても良い。
【0042】
次に、画像処理装置1は、画像に含まれる複数の人物の顔の中から、次に対象とする二者間の組み合わせがあるか否かを判定する(ステップS170)。対象とする二者間の組み合わせがある場合(ステップS170:Yes)は、次に対象とする二者間の組み合わせに対してステップS130〜S160における親密度を算出する処理を繰り返す。
他方、次に対象とする二者間の組み合わせがない場合(ステップS170:No)、即ち画像に含まれる二者間の組み合わせの全てに対して親密度を算出した場合は、次のステップS180へ進む。
【0043】
ステップS180では、画像処理装置1は、記憶部16に記憶されている人物情報18に対応する画像の全てに対して、処理が終了したか否かを判定する。画像の全てに対して処理が終了していない場合(ステップS180:No)、即ち親密度を算出していない画像が残っている場合は、ステップS110に戻りこれらの処理を繰り返す。
他方、全ての画像に対しての処理が終了した場合(ステップS180:Yes)は、次のステップS190へ進む。
【0044】
ステップS190では、画像処理装置1は、記憶部16に記憶されている人物情報18に対応する画像全体における各人物間の親密度を算出する。本実施形態では、画像全体における各人物間の親密度は、各画像における各人物間の親密度の総和をとることにより算出するが、総和に限られず、別の方法を用いて算出しても良い。
【0045】
次に、画像処理装置1は、ステップS190において算出した画像全体における各人物間の親密度を用いて、親密度の度数が高い順にソートして並び替えることにより、画像全体における親密度のレベルを判定する(ステップS200)。なお、親密度の度数が高い順にソートするのではなく、度数が低い順にソートする等、用途に応じた順番に並び替えても良い。
【0046】
図7は、各人物間の親密度を算出する例を示す図である。同図は、図6に示す人物情報18に基づいて生成されており、画像G1〜G3のそれぞれに含まれる人物間の一緒度、近接度、楽しい度及び親密度を示している。図7に示すように、画像G1,G3では1通りの二者間の組み合わせがあるが、画像G2では3通りの二者間の組み合わせがある。そして、各人物間の組み合わせに対して、一緒度、近接度、楽しい度及び親密度を算出する。
例えば、図5に示す画像G1に含まれる人物P1,P2の場合、図7においては、人物間「P1−P2」に対して、一緒度「1」が無条件にカウントアップされる。また、人物P1,P2の顔位置が極めて近いことから、近接度「2」が算出される。また、人物P1,P2の表情については、例えば笑顔度50%以上を笑顔とし、50%未満を笑顔でないとすると、人物P1,P2ともに笑顔度が「80%」であり笑顔度50%以上の笑顔とみなされることから、楽しい度「2」が算出される。そして、一緒度「1」、近接度「2」及び楽しい度「2」の各度数の総和をとることにより親密度「5」が算出される。
【0047】
同様にして、画像G2に含まれる人物P1,P2,P3の三者間の組み合わせ、及び画像G3に含まれる人物P1,P3の二者間の組み合わせに対しても親密度を算出する。
ここで、画像G2に含まれる人物P1,P3の顔位置が遠いことから、近接度「0」が算出され、画像G2に含まれる人物P2,P3及び画像G3に含まれる人物P1,P3の顔位置が近いことから、近接度「1」が算出される。また、画像G2に含まれる人物P1,P3及び人物P2,P3では、片方のみが笑顔とみなされることから、楽しい度「1」が算出され、画像G3に含まれる人物P1,P3では、両方とも笑顔でないとみなされることから、楽しい度「0」が算出される。
【0048】
また、図8は、親密度が高い順に人物間をソートした例を示す図である。同図に示す各人物間の親密度は、図7に示す画像G1〜G3の画像単位における各人物間の親密度に対して各人物間で総和をとり、画像G1〜G3全体の親密度として算出したものである。例えば、画像G1〜G3全体における人物P1,P2の親密度は、画像G1における親密度「5」と画像G2における親密度「5」との総和をとることにより、親密度「10」を算出している。
【0049】
なお、画像取得工程は、上記の図3のステップS10,S20に相当する。また、顔領域検出工程は、図3のステップS30に相当する。また、人物情報生成工程及び記憶工程は、図3のステップS40に相当する。また、親密度判定工程は、図3のステップS70に相当する。
【0050】
上述した実施形態では、各画像の顔領域に基づいて、画像人物識別情報18a、顔位置情報18b及び笑顔度情報18cによりデータ構成される人物情報18を生成する。また、各画像単位に、人物情報18に基づいて算出した一緒度、近接度及び楽しい度の総和により親密度を算出する。そして、各画像単位の二者間の親密度に基づいて、複数の画像全体における二者間の親密度を算出して親密度の順にソートして親密度を判定する。
【0051】
これにより、各画像に含まれる二者間について、複数の画像全体においてはどのような親密度なのかを把握することができる。例えば、図5の画像G2,G3に示す人物P1,P3の二者間の親密度と、人物P2,P3の二者間の親密度とを比較した場合、各画像単位では人物P1,P3よりも人物P2,P3の二者間の親密度の方が高い。しかし、画像G1〜G3全体では、図8に示すように、人物P2,P3よりも人物P1,P3の二者間の親密度の方が高いと判定することができる。
【0052】
また、複数の画像全体における親密度の判定結果に基づいて、例えば、画像全体における親密度の高い順又は低い順にランキング表示したり、特定の人物に関して仲良しの人物との写真をピックアップしたり、特定の人物間よりも更に仲良しの関係にある人物間の写真をピックアップしたり等、様々な用途に活用することができる。
【0053】
(第2実施形態)
以下、第2実施形態に係る親密度判定装置を適用した画像処理装置について、図面を参照して説明する。
【0054】
第2実施形態に係る画像処理装置のハードウエア構成は、図1に示す第1実施形態に係る画像処理装置1のハードウエア構成と同様である。
また、第2実施形態に係る画像処理装置1の機能構成は、図2に示す第1実施形態に係る画像処理装置1の機能構成と同様であるが、人物情報生成部53と親密度判定部54における処理内容が第1実施形態とは異なる。
【0055】
第2実施形態の人物情報生成部53では、顔領域の特徴量に基づいて生成する人物情報18のデータ構成が異なる。第2実施形態では、第1実施形態の人物情報18のデータ構成に加えて図示しない性別情報を生成する。この性別情報は、顔領域の特徴量に基づいて公知の方法を用いて検出した女性及び男性の識別を示す情報である。
【0056】
第2実施形態の親密度判定部54では、上記した性別情報を含む人物情報18に基づいて、各画像に含まれる人物間の親密度を各画像単位に算出する。そして、第1実施形態と同様に、算出された各画像単位の人物間の親密度の総和をとることにより、画像取得部51により取得した複数の画像全体における各人物間の親密度を判定する。
【0057】
次に、第2実施形態に係る画像処理装置1の動作について説明する。
第2実施形態に係る画像処理装置1の動作は、図3に示す第1実施形態に係る画像処理装置1の動作を示すフローチャートがそのまま適用できるが、ステップS40における人物情報18を生成して記憶する処理と、ステップS70における親密度判定処理とが異なる処理内容となっている。
【0058】
第2実施形態の場合、図3に示すフローチャートにおけるステップS40において、画像人物識別情報18a、顔位置情報18b及び笑顔度情報18cに加えて、性別情報を含めたデータ構成の人物情報18を生成する。
【0059】
図10は、第2実施形態における親密度を判定する対象となる複数枚の画像の例を示す図である。同図に示すように、画像G11,G12には異性の二人が含まれており、画像G13,G14には同性の二人が含まれている。また、図11は、第2実施形態における複数枚の画像に基づいて生成した人物情報18の例を示す図である。図11に示す人物情報18は、図10に示す4枚の画像G11〜G14に基づいて生成されている。図11に示す人物情報18では、図6に示す第1実施形態の人物情報18の項目に加えて性別の項目が設けられており、例えば、画像G11に含まれる人物F1は女性であることから性別「F]で表し、人物M1は男性であることから性別「M]で表している。
【0060】
図9は、第2実施形態における親密度判定処理を示すフローチャートである。同図に示すフローチャートにおけるステップS110〜S150及びステップS160〜S200は、図4に示す第1実施形態におけるフローチャートのステップS110〜S150及びステップS160〜S200と同様の処理内容であり、その説明を省略する。図9に示す第2実施形態におけるフローチャートでは、図4に示す第1実施形態におけるフローチャートに対してステップS151〜S153の処理が追加されている。
【0061】
図9に示すフローチャートのステップS151では、画像処理装置1は、人物情報18の性別情報に基づいて、ステップS130〜S150において対象とした二者が異性であるか又は同性であるかを判定する。二者が異性である場合(ステップS151:異性)は、楽しい度に比して近接度の割合が高くなるように、つまり親密度の算出において近接度が優先されるように重み付けして(ステップS152)、ステップS160へ進む。
他方、二者が同性である場合(ステップS151:同性)は、近接度に比して楽しい度の割合が高くなるように、つまり親密度の算出において楽しい度が優先されるように重み付けして(ステップS153)、ステップS160へ進む。
【0062】
従って、ステップS160では、ステップS130〜S150において算出した一緒度、近接度及び楽しい度に対してステップS152又はS153において重み付けした近接度又は楽しい度の各度数の総和をとることにより、対象とした二者間の親密度を算出することになる。
【0063】
図12は、第2実施形態における各人物間の親密度を算出する例を示す図である。同図は、図11に示す人物情報18に基づいて生成されており、画像G11〜G14のそれぞれに含まれる人物間の一緒度、近接度、楽しい度及び親密度を示している。図12に示すように、画像G11に含まれる人物F1と人物M1、及び画像G12に含まれる人物F2と人物M2はそれぞれが異性の関係であることから、ここでは、近接度に対して重み係数r=2の重み付けを行っている。また、画像G13に含まれる人物F1と人物F2、及び画像G14に含まれる人物F3と人物F4はそれぞれが同性の関係であることから、ここでは、楽しい度に対して重み係数r=2の重み付けを行っている。
【0064】
上述した実施形態では、各画像の顔領域に基づいて生成される人物情報18のデータ構成に各人物の性別情報を加えている。そして、各画像単位に親密度を算出する際に、対象とする二者が異性である場合は、近接度が優先されるように重み付けし、同性である場合は、楽しい度が優先されるように重み付けする。
これにより、対象とする二者が異性同士であるか同性同士であるかに応じて、木目細かくより適正に判断して親密度を判定することができる。
【0065】
(変形例)
上述した実施形態では、各画像に含まれる人物について、画像領域における顔位置、表情が笑顔であるか否かの識別、及び対象とする人物同士が異性であるか同性であるかに基づいて、親密度を判定するようにしている。しかし、これに限られず、例えば、人物の年齢、顔の傾き、顔の向き等に基づいて親密度を判定するようにしても良い。
【0066】
例えば、人物の年齢に基づいて親密度を算出する場合、対象とする二者の年齢差が大きいときは親子の可能性があるので親密度を高くすることができる。また、顔の傾き及び向きに基づいて親密度を算出する場合、対象とする二者の顔がお互いに接近するような顔の傾き及び向きのときは、より愛情が深いと思われるので親密度を高くすることができる。
【符号の説明】
【0067】
1…画像処理装置、11…CPU、12…内部メモリー、13…操作部、14…表示部、15…通信インターフェイス、16…記憶部、17…画像ファイル、18…人物情報、18a…画像人物識別情報、18b…顔位置情報、18c…笑顔度情報、51…画像取得部、52…顔領域検出部、53…人物情報生成部、54…親密度判定部。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の画像を取得する画像取得工程と、
前記取得した各画像から人物の顔領域を検出する顔領域検出工程と、
前記検出された顔領域の特徴量に基づいて、前記顔領域の人物に関する人物情報を生成する人物情報生成工程と、
前記人物情報を記憶する記憶工程と、
前記記憶されている人物情報に基づいて、複数の人物の顔領域が含まれる画像について当該画像における各人物間の親密度を判定して、前記複数の画像全体における各人物間の親密度を判定する親密度判定工程と、を有することを特徴とする親密度判定方法。
【請求項2】
前記人物情報は、
前記各画像に含まれる前記顔領域の人物を識別するための画像人物識別情報と、
前記各画像の画像領域における前記人物の顔位置を示す顔位置情報と、
前記人物の表情が笑顔であるか否かを示す笑顔度情報と、を含み、
前記親密度判定工程において、
前記画像人物識別情報に基づいて前記各画像に一緒に含まれる人物間の頻度に応じた一緒度を算出し、前記顔位置情報に基づいて前記人物間の顔位置の近接度を算出し、前記笑顔度情報に基づいて前記人物間の楽しい度を算出し、
前記一緒度、前記近接度及び前記楽しい度の高い人物間の親密度を高いと判定することを特徴とする請求項1に記載の親密度判定方法。
【請求項3】
前記人物情報は、前記人物の性別の情報を更に含み、
前記親密度判定工程において、前記親密度を判定する対象となる二者が同性である場合は、前記近接度に比して前記楽しい度の割合が高くなるように重み付けし、前記二者が異性である場合は、前記楽しい度に比して前記近接度の割合が高くなるように重み付けすることを特徴とする請求項2に記載の親密度判定方法。
【請求項4】
複数の画像を取得する画像取得部と、
前記取得した各画像から人物の顔領域を検出する顔領域検出部と、
前記検出された顔領域の特徴量に基づいて、前記顔領域の人物に関する人物情報を生成する人物情報生成部と、
前記人物情報を記憶する記憶部と、
前記記憶されている人物情報に基づいて、複数の人物の顔領域が含まれる画像について当該画像における各人物間の親密度を判定して、前記複数の画像全体における各人物間の親密度を判定する親密度判定部と、を有することを特徴とする親密度判定装置。
【請求項1】
複数の画像を取得する画像取得工程と、
前記取得した各画像から人物の顔領域を検出する顔領域検出工程と、
前記検出された顔領域の特徴量に基づいて、前記顔領域の人物に関する人物情報を生成する人物情報生成工程と、
前記人物情報を記憶する記憶工程と、
前記記憶されている人物情報に基づいて、複数の人物の顔領域が含まれる画像について当該画像における各人物間の親密度を判定して、前記複数の画像全体における各人物間の親密度を判定する親密度判定工程と、を有することを特徴とする親密度判定方法。
【請求項2】
前記人物情報は、
前記各画像に含まれる前記顔領域の人物を識別するための画像人物識別情報と、
前記各画像の画像領域における前記人物の顔位置を示す顔位置情報と、
前記人物の表情が笑顔であるか否かを示す笑顔度情報と、を含み、
前記親密度判定工程において、
前記画像人物識別情報に基づいて前記各画像に一緒に含まれる人物間の頻度に応じた一緒度を算出し、前記顔位置情報に基づいて前記人物間の顔位置の近接度を算出し、前記笑顔度情報に基づいて前記人物間の楽しい度を算出し、
前記一緒度、前記近接度及び前記楽しい度の高い人物間の親密度を高いと判定することを特徴とする請求項1に記載の親密度判定方法。
【請求項3】
前記人物情報は、前記人物の性別の情報を更に含み、
前記親密度判定工程において、前記親密度を判定する対象となる二者が同性である場合は、前記近接度に比して前記楽しい度の割合が高くなるように重み付けし、前記二者が異性である場合は、前記楽しい度に比して前記近接度の割合が高くなるように重み付けすることを特徴とする請求項2に記載の親密度判定方法。
【請求項4】
複数の画像を取得する画像取得部と、
前記取得した各画像から人物の顔領域を検出する顔領域検出部と、
前記検出された顔領域の特徴量に基づいて、前記顔領域の人物に関する人物情報を生成する人物情報生成部と、
前記人物情報を記憶する記憶部と、
前記記憶されている人物情報に基づいて、複数の人物の顔領域が含まれる画像について当該画像における各人物間の親密度を判定して、前記複数の画像全体における各人物間の親密度を判定する親密度判定部と、を有することを特徴とする親密度判定装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2011−170579(P2011−170579A)
【公開日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−33239(P2010−33239)
【出願日】平成22年2月18日(2010.2.18)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年2月18日(2010.2.18)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
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