説明

親水性不織布

【課題】 高い温度に曝されたあとであっても、親水性を発現し得る親水性不織布を提供する。
【解決手段】 親水性不織布は、親水剤を含有するオレフィン系重合体からなる不織布であって、1時間の加熱処理後において、親水性を発現し得ることを特徴とする。親水性不織布が、親水剤をオレフィン系重合体(A)に含有させたマスターバッチとオレフィン系重合体(B)とを用いて製造されるものであって、マスターバッチのMFRが、不織布を構成するオレフィン系重合体組成物のMFRと同等かもしくはそれよりも低いものであることが好ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、親水性不織布に関する。さらに詳しくは、高い温度の環境下に曝されても親水性を持続することの出来る親水性不織布に関する。
【背景技術】
【0002】
不織布に親水性を付与する従来の手法は、繊維に親水剤を塗布する手法及び繊維を構成する樹脂に親水剤を添加する手法が知られている(例えば、特開2003−201670号公報参照)(特許文献1)。また、WO02−42530号公報(特許文献2)には、樹脂への練り込み親水剤が開示されている。しかしながら、塗布による親水性付与の手法は繰り返し使用時、塗布剤の脱落によって連続親水性能を維持することが困難である。また、樹脂に添加する手法は、連続親水性を有するものの、高い温度に曝されたあとの親水性能の維持が困難であった。
【特許文献1】特開2003−201670号公報
【特許文献2】WO02−42530号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、高い温度に曝されたあとであっても、親水性を発現し得る親水性不織布を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、親水剤を含む特定のマスターバッチを樹脂に添加することで、連続親水性を有しつつ、耐熱親水性も維持した親水性不織布が得られることを見出し、本発明に至った。
【0005】
本発明は、加熱処理後、室温で2時間以上放置した後、EDANA 150.2−93に示される液通過速度の測定で10秒以内で液通過が認められるポリオレフィンからなる不織布を提供する。
【0006】
本発明の加熱処理の方法として、40℃、1時間の加熱処理を用いることができ、室温で2時間以上48時間以内放置してから液通過速度を測定することは好ましい態様の1つである。
【0007】
また、本発明に用いられる加熱処理の方法として、60℃、1時間の加熱処理を行い、室温で2時間以上放置してから液通過速度を測定することは好ましい態様の1つである。
【0008】
さらに、乾燥方法が、JIS L1042−1992に記載の低温タンブル乾燥法を用いるのは好ましい態様の1つである。
【0009】
液通過性の試験は、上記何れの場合も2時間以上室温下で放置してから行うことはさらに好ましい態様の1つである。
【0010】
本発明に用いられるポリオレフィンは、親水性の化合物を含有するオレフィン重合体である。また、本発明に用いられるポリオレフィンが、親水性の化合物が練り込まれて含有しているオレフィン重合体である不織布は、本発明の好ましい態様の1つである。
【0011】
前記不織布が、親水剤をオレフィン系重合体(A)に含有させたマスターバッチとオレフィン系重合体(B)とを用いて製造されるものであって、マスターバッチのMFR(メルトフローレート)が、不織布を構成するオレフィン系重合体組成物のMFRと同等かもしくはそれよりも低いものであることは、本発明の好適な態様である。
【0012】
本発明により、親水剤をオレフィン系重合体(A)に含有させたマスターバッチであって、そのMFRが、不織布を構成するオレフィン系重合体組成物のMFRと同等かもしくはそれよりも低いものを、オレフィン系重合体(B)とともに押出機で溶融、混練したあと、紡糸ノズルから押し出して製造することを特徴とする前記親水性不織布の製造方法が提供される。
【発明の効果】
【0013】
本発明により、高温の環境下に曝されても、親水性を発現し得る、耐熱性に優れた親水性不織布を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明に係るオレフィン系重合体、親水剤、不織布および該不織布を積層した複合不織布について具体的に説明する。
【0015】
本発明において「親水性」とは、シート状の素材中を一定量の水または水溶液が透過する時間を測定した場合に、10秒以内に透過が終了するものを指すが、「液通過速度」「液通過時間」等の言葉を同義で使用する。
【0016】
本発明の不織布に用いることの出来るオレフィン系重合体(B)としては、例えば、エチレンの単独重合体、エチレンと他のα−オレフィンとの共重合体などのエチレン系重合体、プロピレンの単独重合体、プロピレンと他のα−オレフィンとの共重合体などのプロピレン系重合体、或いはこれらの混合物があげられる。なかでもプロピレン系重合体が好ましい。
【0017】
[プロピレン系重合体]
本発明において用いることのできるプロピレン系重合体は、プロピレンの単独重合体、またはプロピレンを主モノマー成分とし、少なくとも一種の他のα−オレフィンとの共重合体である。他のα−オレフィンとしては、エチレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、4−メチル−1−ペンテン等の炭素数2〜20、好ましくは炭素数2〜8のα−オレフィンを挙げることができる。これらの単独重合体または共重合体は、1種単独でもしくは2種以上を組み合わせても用いることができる。
【0018】
本発明において用いることのできるプロピレン系重合体は、MFRが通常15〜2000g/10分、好ましくは1.5〜900g/10分、より好ましくは10〜100g/10分で、更に好ましくは30〜80g/10分のものである。MFRの測定は、各樹脂に応じて規格に基づいて測定され、例えばプロピレン系重合体は、ASTMD1238に基づいて、230℃、荷重2.16kgで測定されるものである。
【0019】
本発明において用いることのできるプロピレン系重合体の重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比Mw/Mnは、通常1.5〜8、好ましくは1.5〜5である。更に紡糸性が良好で、かつ繊維強度が特に優れる繊維が得られる点で、Mw/Mnは1.5〜3が好ましい。本発明において、良好な紡糸性とは、紡糸ノズルからの吐出時および延伸中に糸切れを生じず、フィラメントの融着が生じないことをいう。本発明において、Mw/Mnは、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)によって、通常の方法で測定されるものである。
【0020】
本発明の不織布の製造で使用する樹脂には、本発明の目的を損なわない範囲で必要に応じて他の成分を含有していてもよい。他の成分としては、他の機能を付与するために配合する添加剤であり、用途に合わせて選択し、適宜配合することができる。
【0021】
この他の成分としては、例えば、従来公知の耐熱安定剤、耐候安定剤、各種安定剤、帯電防止剤、スリップ剤、アンチブロッキング剤、防曇剤、滑剤、染料、顔料、天然油、合成油、ワックス、充填剤等が挙げられる。
【0022】
安定剤としては、例えば、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール(BHT)等の老化防止剤;テトラキス[メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸アルキルエステル、2,2’−オキザミドビス[エチル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)]プロピオネート、Irganox1010(ヒンダードフェノール系酸化防止剤の商品名)等のフェノール系酸化防止剤;ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、1,2−ヒドロキシステアリン酸カルシウムなどの脂肪酸金属塩;グリセリンモノステアレート、グリセリンジステアレート、ペンタエリスリトールモノステアレート、ペンタエリスリトールジステアレート、ペンタエリスリトールトリステアレート等の多価アルコール脂肪酸エステルなどを挙げることができる。また、これらを組み合わせて用いることもできる。
【0023】
また、充填剤としては、シリカ、ケイ藻土、アルミナ、酸化チタン、酸化マグネシウム、軽石粉、軽石バルーン、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、塩基性炭酸マグネシウム、ドロマイト、硫酸カルシウム、チタン酸カリウム、硫酸バリウム、亜硫酸カルシウム、タルク、クレー、マイカ、アスベスト、ケイ酸カルシウム、モンモリロナイト、ベントナイト、グラファイト、アルミニウム粉、硫化モリブデン等の充填剤が挙げられる。
【0024】
[親水剤]
本発明で使用する親水剤は、マスターバッチ化可能な親水剤であれば特に限定されない。具体的には脂肪酸グリセライド、アルコキシ化アルキルフェノール、ポリオキシアルキレン脂肪酸エステル、アルキルポリオキシエチレンアルコール、脂肪酸アミド等の非イオン界面活性剤、脂肪酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、特殊アニオン等の界面活性剤の群、ポリエチレングリコール、ビニルアルコールとエチレンとの共重合体、及びポリエーテルブロックアミド共重合体のような化合物群から適宜に選択したものがあげられる。これらは単独であるいは混合物で用いることが出来る。
【0025】
なかでも以下の構造式を有するものが好ましい。
【0026】
−(親水性オリゴマー)
上式中、Rは直鎖または分岐のアルキル基で、炭素数が22から40のものが好ましい。また親水性オリゴマーは、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、エチレングリコール、エピクロロヒドリン、アクリル酸、メタクリル酸、エチレンイミン、カプロラクトン、ビニルアルコール、酢酸ビニル由来の単一またはオリゴマー単位からなり、その単位が2〜10で構成されているものが好ましい。
【0027】
より好ましくは、以下の構造式を有するものがあげられる。
【0028】
(OCHCHOH
上式中、xは2〜10の数である。
【0029】
更に具体的には、例えば、CHCH(CHCH13CHCH(OCHCH2.5OHがあげられる。ここで、エチレンオキサイドの付加数2.5は平均的な値である。
これらの構造の化合物は、2種類以上混合して用いることが出来る。
【0030】
本発明に適用可能な親水剤は、たとえばオレフィン系重合体(A)がプロピレン系重合体の場合、230℃、荷重2.16kgで測定されるMFRが好ましくは1.5〜2000g/10分、より好ましくは5〜800g/10分のオレフィン系重合体(A)に5〜70wt%の割合で含有するマスターバッチの形で添加することが好ましい。ここで用いるオレフィン系重合体(A)には、不織布を構成するオレフィン系重合体(B)と同種のものが好ましい。更に添加するマスターバッチとしてのMFRは、製造された不織布を構成するオレフィン重合体組成物のMFRと同等か、もしくはそれよりも低いことが好ましい。そのためには、マスターバッチを添加するプロピレン系重合体のMFRが、マスターバッチのMFRと同等かもしくはそれよりも低くすればよい。
【0031】
マスターバッチの添加量の範囲は、好ましくは0.1〜10wt%、より好ましくは0.5〜5wt%である。ここで、MFRが同等とは、オレフィン系重合体組成物のMFRと親水剤マスターバッチのMFRが測定誤差範囲を考慮したときに同じと見なせるものを言う。
【0032】
[不織布]
本発明の親水性不織布の目付量は、通常3〜100g/mであり、好ましくは20〜60g/mである。
【0033】
本発明の不織布はスパンボンド不織布か、またはメルトブロー不織布であることが好ましい。スパンボンド不織布の製造は、例えば次のようになる。親水剤を所定濃度となるようにオレフィン系重合体(A)に加え溶融混練して作製した親水剤マスターバッチ(ここで用いるオレフィン系重合体(A)は、不織布を構成するオレフィン系重合体(B)と同種のものが好ましい。)と不織布を構成するオレフィン系重合体(B)とを所定割合で混合し、押出機等で溶融し、溶融物を紡糸ノズルを有する紡糸口金から吐出させて、長繊維を紡出させる。そして紡出された複合長繊維を、冷却流体により冷却し、さらに延伸エアによって長繊維に張力を加えて所定の繊度とし、そのまま捕集ベルト上に捕集して所定の厚さに堆積させる。次いで、ニードルパンチ、ウォータージェット、超音波シール等の手段による交絡処理、あるいは熱エンボスロールによる熱融着処理等を行う。熱エンボスロールによる熱融着処理の場合、エンボスロールのエンボス面積率は、通常5〜30%が好ましい。
【0034】
メルトブロー不織布の製造は、スパンボンド不織布と同様に、親水剤を所定濃度となるようにオレフィン系重合体(A)に加え溶融混練して作製した親水剤マスターバッチと不織布を構成するオレフィン系重合体(B)とを所定割合で混合し、押出機等で溶融し、溶融物をメルトブロー紡糸口金から吐出されて得られた繊維を、高温高速の気体によって極細繊維に牽引細化後、捕集装置により極細繊維ウェブとし、必要に応じてさらに熱融着処理することによる。
【0035】
本発明の親水性不織布は優れた耐熱親水性を有する。ここで、優れた耐熱親水性とは、例えばスパンボンド成形において熱エンボス加工などの加熱処理を施した後でも親水性能を有することである。とくに、本発明の親水性不織布は、60℃1時間の加熱処理後においても、親水性を発現し得るという顕著な耐熱親水性を有するものである。乾燥あるいは加熱方法はこの方法は特に限定されるものではない。たとえば、JIS L1042−1992に記載のある低温タンブル乾燥法を基づいて乾燥させたもので良いし、汎用の乾燥機等により加熱、乾燥をしても良い。
【0036】
本発明の不織布は、EDANA150.2−93に示される液通過速度を60℃、1時間の処理をした後に一定時間室温で放置した後に測定すると、所定の試験液は10秒以内で通過する。
【0037】
本測定は、通常、熱処理後2時間以上室温に放置した後に行っている。本発明の場合は、2時間後より2週間(336時間)までの間、親水性が持続しているのが特徴である。1〜2週間放置した後に、不織布が親水性的となって液の透過性が認められるようになったとしても、本願の効果ではない。
【実施例1】
【0038】
ポリプロピレン樹脂(三井化学(株)製S119、MFR=60g/10分)に、親水剤としてアルキルポリオキシエチレンアルコール(CHCH(CHCH13CHCH(OCHCH2.5OH)を60重量%となるように添加し、溶融混練してマスターバッチのペレットを作製した。このマスターバッチのMFRは30g/10分であった。次いでこのマスターバッチを、ポリプロピレン樹脂(三井化学(株)製S119、MFR=60g/10分)100重量部に対して3重量部の割合で加え、押出機で溶融し、スパンボンド法により紡糸しエンボス加工して、繊度2.2デニール、目付20g/mのスパンボンド不織布(不織布を構成する樹脂組成物のMFR=60g/10分)を製造した。
【0039】
製造した不織布は、縦200mm、横250mmの試験片として乾燥機(「タバイセイフティオーブン STS222」、縦600mm、横600mm、奥行き600mm、エスペック社製)の中央部付近に、乾燥機の循環風が試験片に垂直に当たる方向に吊り下げた。その後、循環風温度60℃、循環風量調節器のレベル5に設定をし、1時間乾燥させたその後、20℃、65%にて、2時間、4時間、24時間、48時間、168時間(1週間)、336時間(2週間)放置した後、試験片の平均通過時間を測定した。
【0040】
平均通過時間の測定はEDANA150.2−93により以下のように行った。参考パッドは、5層の参照フィルター(「EPT EF3 フィルターペーパー」Hollingsworth&Vose Company Ltd.社製、縦100mm、横100mmm)が用いられる。参照フィルターは、スムーズは面を持ち、平均通過時間は不織布無しで3+/−5秒(10回の平均)である。人工尿は、塩化ナトリウムの水溶液(9g/リットル)が用いられ、その表面張力は70+/−2mN/mである。
【0041】
測定には、Lister(Lenzing Instruments社製)を用いた。漏斗(マグネットバルブ部が搭載され、(3.5+/−0.25)秒で25mlの液を通せるもの)を支えるリングスタンドをセッティングし、ガラス管(容量50ml)を漏斗の中に入るように準備した。装置のベースプレートの上に5枚の濾紙(参照フィルター)を置き、その上に不織布のサンプル(ERT130指定の不織布、縦125mm、横125mm)を、トップ側(スキンと接触する側)が上側になる様に置いた。その際、プレート内の電極が清浄であることを確認するとともに、漏斗がプレートの中心になるように位置を調節した。漏斗がキャビティプレートの上5mm(サンプルの上30mm)となるよに高さを調節した。電極とタイマーが接続されていることを確認し、タイマーを起動させ、ゼロ合わせを行った。次いで、ガラス管に人工尿5mlを注入した。その後、人工尿を漏斗からキャビティプレートに排出し、電極部で液が通り始めてから通り終わるまでの時間を測定し(タイマーが自動的に測定する)、液通過時間とした。
【0042】
親水性であるかどうかは、液通過時間が10秒以内のものを親水性を有するものとして評価した。結果を表1に示す。
【0043】
ここで、親水性は、EDANA150 2−93に示される液通過速度の測定において10秒以内で液通過が認められたもの親水性を有するものとして評価した。なお、EDANA 150.2−93に示される液通過速度の測定には、Lister(Lenzing Instruments社製)を用いたが、当該装置はEDANA150.4−99に準拠した測定においても同型のものが用いられている。
【実施例2】
【0044】
実施例1で、乾燥温度を40℃とした以外は同様にして不織布を処理し、測定した。評価の結果を表1に示す。
【実施例3】
【0045】
実施例1で、乾燥温度を80℃とした以外は同様にして不織布を処理し、測定した。評価の結果を表1に示す。
【0046】
(比較例1)
実施例1で、マスターバッチのMFRは400g/10分のものを用いた以外は同様にして不織布を製造し、同様の処理(乾燥温度60℃、1時間)を行った測定した。評価の結果を表1に示す。
【0047】
(比較例2)
比較例1で、乾燥温度を40℃としたほかは同様にして不織布を処理し、測定した。評価の結果を表1に示す。
【0048】
(比較例3)
比較例1で、乾燥温度を80℃とした以外は同様にして不織布を処理し、測定した。評価の結果を表1に示す。
【0049】
【表1】

【産業上の利用可能性】
【0050】
本発明の親水性不織布は、優れた耐熱親水性を有するので、従来は、熱エンボス加工した場合、その熱履歴により親水性能が失活するため例えば紙オムツなどへの使用が制限されていたが、本発明により、医療用、衛生材用、包装材、産業用材料などの用途に好適に用いられ、具体的な用途としてシーツ、ペットシート、野菜等のつゆ吸収シート、ドリップシート、ガウン、おしぼり、パップ材、作業着、ワイパー、ウェットティッシュ、ガーゼ、フキン、タオル、オシリフキ、トイレクリーナー、フローリングクリーナー、レンジクリーナー、化粧落とし、めがね拭き等に応用できる。特に使い捨ておむつや生理用ナプキンの部材として好ましく用いることが出来る。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
加熱処理後、室温で2時間以上放置した後、EDANA 150.2−93に示される液通過速度の測定で10秒以内で液通過が認められるポリオレフィンからなる不織布。
【請求項2】
前記加熱処理が、40℃、1時間であり、加熱処理後室温で2時間以上48時間以内放置した後、EDANA 150.2−93に示される液通過速度の測定で10秒以内で液通過が認められるポリオレフィンからなる請求項1記載の不織布。
【請求項3】
前記加熱処理が60℃、1時間であり、室温で2時間以上放置した後、EDANA 150.2−93に示される液通過速度の測定で10秒以内で液通過が認められるポリオレフィンからなる請求項1記載の不織布。
【請求項4】
乾燥方法が、JIS L1042−1992に記載の低温タンブル乾燥法による60℃1時間の加熱処理であり、EDANA 150.2−93に示される液通過速度の測定で10秒以内で液通過が認められるポリオレフィンからなる請求項1記載の不織布。
【請求項5】
前記ポリオレフィンが、親水性の化合物を含有するオレフィン重合体である請求項1に記載の不織布。
【請求項6】
前記ポリオレフィンが、親水性の化合物が練り込まれて含有しているオレフィン重合体である請求項1に記載の不織布。
【請求項7】
親水性の化合物をマスターバッチとして使用してポリオレフィンを成形してなる不織布であって、マスターバッチのメルトフローインデックスがポリオレフィンのメルトフローインデックス以下である請求項1に記載のポリオレフィン不織布。
【請求項8】
スパンボンド不織布またはメルトブロー不織布である請求項1に記載の不織布。

【国際公開番号】WO2005/045114
【国際公開日】平成17年5月19日(2005.5.19)
【発行日】平成19年11月29日(2007.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−515337(P2005−515337)
【国際出願番号】PCT/JP2004/016551
【国際出願日】平成16年11月8日(2004.11.8)
【出願人】(000005887)三井化学株式会社 (2,318)
【Fターム(参考)】