説明

角形鋼管用ケーシングキャップ及び角形ケーシングを用いた土壌改良工法

【課題】本発明は、角形ケーシングを、既存の杭打ち機に適合でした角形鋼管用ケーシングキャップ及び角形ケーシングを用いた土壌改良工法を提供するものである。
【解決手段】本発明の角形鋼管用ケーシングキャップ1は、杭打ち機30のガイドポスト33に沿って昇降可能に保持される円筒部5と、円筒部5の下部に設けられて、角形鋼管からなる角形ケーシング3を着脱可能に嵌合する矩形部7とを備えたものである。前記円筒部に対して、前記矩形部が相対回転可能に連結されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、土壌改良工法等において、特に地中に建て込まれるケーシングとして角形鋼管からなる矩形断面形状の角形ケーシングを、既存の杭打ち機に適合できるようにしたケーシングキャップ及び該角形ケーシングを用いた土壌改良工法に関する。
【背景技術】
【0002】
敷地内の汚染土壌を通常土に置換える場合等であって、汚染土壌が地中内の深い位置まで浸透している場合には、杭打ち機を用いて中空ケーシングを土中所定深度まで建て込み、その内部に同軸配置されたスクリューオーガによって地中を攪拌しつつ排土し、計画深度まで到達したら、前記オーガを引上げてケーシング内部の土壌を地表部に排土し、中空ケーシング内に通常の良質土砂その他の浄化材などの埋め戻し材を埋め戻し、その後中空ケーシングを引抜くという工程を敷地内の全対象領域に亘って繰返すことにより、完全な置換えを行う方法がある。排出された汚染残土は適宜の場所に搬送され、無害化処理がなされる。
【0003】
また他の処理方法としては、敷地境界線に沿って前記と同じ施工を行って敷地内を埋め戻し材による地中連続壁により仕切ったうえで、これに囲われた敷地内部の汚染土壌の無害化処理を現場で行う方法もある。
【0004】
いずれにしろ地盤掘削に用いられるケーシングとしては、下記特許文献1,2に示すように、円筒形鋼管から成る円筒形ケーシングを用いるのが一般的であった。
【0005】
しかしながら、この工法において、隣合う施工域で汚染土壌の取残しを生ずることなく排土するためには、円筒形ケーシングの断面である円の一部がオーバラップするように連続して当該円筒形ケーシングを建て込まなくてはならい。その結果、そのオーバラップ分だけ施工ピッチ及び壁厚ともに狭まり、施工能率が低下するとともに、埋め戻し材まで汚染土壌とともに大量に排土するため、資材に無駄が生ずるという問題があった。
【0006】
そこで、円筒形ケーシングに代えて、角形鋼管からなる角形ケーシングを用いれば、隣工区に対する重複量を最小に出来、これによって施工ピッチを大きくとれ、また壁厚は角形ケーシングの断面そのままとなる利点があるが、新たに次に述べる課題が生じる。
【0007】
【特許文献1】特開2003−10832号公報
【特許文献2】特開2003−126837号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
まず、第1の課題は、既存の杭打ち機のチャックは円筒形にしか適合できず、角形ケーシング専用に特化した杭打ち機などを新たに製作するには費用がかかり過ぎ、現実的でない。
また、円筒形ケーシングの内径は、スクリューオーガの外径より僅かに大きく形成され、建て込みと引抜き動作により、円筒ケーシングの場合はほぼケーシング内の汚染土は除去できるが、角形ケーシングの場合にはケーシングの四隅部とオーガの掘削による内円との間に残土が生じ、その残土を排出する処理を新たに必要とする。
【0009】
さらに、円筒形ケーシングの場合には、無方向性であるため、杭打ち機のベースマシンが旋回し、角度を変えても、連続した建て込みが可能であるが、角形ケーシングの場合は、断面に方向性があり、辺を揃えて建て込まなくてはならないため、ベースマシンそのものの旋回が出来ず、角形の辺を一定に揃えるためには、ベースマシン全体の方向転換を行って常時ベースマシンの先端をケーシングの辺に合わせなくてはならず、作業が面倒であり、特に隣地境界などで工事を行う場合に施工が不能となる箇所も生じる。
【0010】
本発明は、上記事情に鑑みなされたものであって、その目的は、角形ケーシングを既存の杭打ち機に適合できるようにした角形鋼管用ケーシングキャップを提供するものである。
また本発明は、スクリューオーガ引抜き後の角形ケーシング内部の残土処理を簡単に行えることにより、角形ケーシングを用いることによる利点を享有しつつ、その欠点を解消できるようにした角形ケーシングを用いた土壌改良工法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記目的を達成するため、本発明の第1の態様は、杭打ち機のガイドポストに沿って昇降可能な円筒部と、該円筒部の下部に設けられて、角形鋼管からなるケーシングを着脱可能に嵌合する矩形部とを備えたことを特徴とする角形鋼管用ケーシングキャップである。
本発明の第1の態様によれば、通常の杭打ち機であっても円筒部をクランプし、ガイドポストに沿って昇降できるので、角形ケーシングであっても支障を生ずることなく地中への建て込み、引抜きを行うことができる。
【0012】
本発明の第2の態様は、第1の態様において、前記円筒部に対して、前記矩形部が相対回転可能に連結されていることを特徴とするものである。
本発明の第2の態様によれば、第1の態様の作用効果に加え、杭打ち機のベースマシンが旋回しても円筒部に対する矩形部の相対的な回動により、角形ケーシングの辺を先行工区の縁に沿って合わせることが出来るため、杭打ち機の方向転換が容易にできる。
【0013】
本発明の第3の態様は、第1の態様または第2の態様において、記矩形部には前記角形ケーシングの上部フランジ部に進退可能に突出して前記ケーシングキャップからの前記角形ケーシングの抜止めを行う複数のフック部を備えたことを特徴とするものである。
本発明の第3の態様によれば、第1の態様または第2の態様の作用効果に加え、フック部の進退動作だけで角形ケーシングをケーシングキャップに対して脱着できるため取付、取り外し作業を簡単に行うことができる。
【0014】
本発明の第4の態様は、第1の態様乃至第3の態様のいずれかにおいて、前記円筒部と矩形部とを同軸上に相対回転駆動するための駆動機構を備えたことを特徴とするものである。
本発明の第4の態様によれば、第1の態様乃至第3の態様のいずれかの作用効果に加え、駆動機構を駆動することで、自動的にケーシングの辺を隣工区に合致させることができ、作業性が良い。
【0015】
本発明の第5の態様は、ケーシングキャップに吊下された角形ケーシングを杭打ち機のガイドポストに沿って下降させることで、地中に建て込み、前記角形ケーシング内に同心配置されたスクリューオーガにより地中を攪拌しつつ排土し、前記角形ケーシング先端が地盤内の所定深度まで建て込まれた段階で前記オーガを引上げて排土する工程と、前記角形ケーシング内の主に四隅に残留する残土をテレスコクラム等の排土手段を使用して排土する工程と、前記角形ケーシング内を埋め戻し材により埋め戻す工程と、次いで前記角形ケーシングを地上部まで引上げる工程と、を隣施工区域毎に一部重複しつつ繰返すことを特徴とする角形ケーシングを用いた土壌改良工法である。
【0016】
本発明の第5の態様によれば、円筒形ケーシングを用いる場合に比べて隣工区との施工の重複部を最小限にできるとともに、施工ピッチを大きくとれ、また壁厚は角形ケーシングの断面そのままとなる利点を共有することができる。そして、角形ケーシングの特に四隅部に残された汚染土をテレスコクラム等の排土手段によって掻き取ることによって、角形ケーシングを用いた場合の欠点を解消できる。
【0017】
本発明の第6の態様は、第5の態様において、前記排土手段による排土工程の後に、前記角形ケーシングの断面形状に相似する矩形状ベースプレートの外周部に多段のブラシを植設するとともに、前記ベースプレートの下部外周に前記角形ケーシングの内壁に接する掻き落し用のスクレーパ本体を備えたスクレーパにより、当該角形ケーシングの四隅に残る残土を除去する工程を有することを特徴とするものである。
本発明の第6の態様によれば、第5の態様の作用効果に加え、前記スクレーパにより当該角形ケーシングの四隅に残る残土を除去するので、角形ケーシングの特に四隅部に残される汚染土の量を一層減少させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下本発明の実施の形態につき添付図面を用いて説明する。
図1〜図5は本発明に係る土壌改良工法に用いられる角形鋼管用ケーシングキャップ及びこれに脱着される角形鋼管からなる中空の角形ケーシングの第1実施形態を示している。
【0019】
[第1実施形態]
各図において、角形鋼管用ケーシングキャップ1は、後述する杭打ち機のガイドポストにチャックされて昇降可能にガイドされる上下開口し、外周に複数の補強リブを突設した所定高さの円筒部5と、円筒部5の下縁に接続されて円筒部5と同様に開口した所定高さの矩形部7とからなっている。矩形部7の各辺中央部は外側に膨出し、この膨出部7aの内部には各辺合計4つのクランプ部9が設けられている。
【0020】
クランプ部9は、特に図4に示すように、矩形部7の中央内側に向けて進退可能に配置されたクランプブロック11と、クランプブロック11の上下及び両側を囲う形で固定配置されたガイドプレート13、15と、膨出部7aの外周部にあって、クランプブロック11の後端位置に配置された固定プレート17と、固定プレート17とクランプブロック11間に介在されて常時クランプブロック11を内側に向けて突出付勢する圧縮コイルバネ19と、両側ガイドプレート15に形成された長孔15a及び前記クランプブロック11の両側部を貫通して形成された長孔11aに挿通されることによって、クランプブロック11を後退位置に保持するためのアンクランプ用レバー21並びに膨出部7aの最外周部に垂設され、前記固定プレート17にボルトなどを介して接合した外周カバー23とを備えている。
【0021】
以上の角形鋼管用ケーシングキャップ1に吊下支持される角形ケーシング3の上縁外周には、前記クランプブロック11に係止されるフランジ25が一体に突出しているとともに上縁側各辺中央には
、ワイヤ掛用のフック部3aが突設されている。
【0022】
以上の角形鋼管用ケーシングキャップ1に角形ケーシング3を吊下げ保持するには、まず、図5(a)に示すように、レバー21を前記各長孔11a,15aに差込むことにより、クランプブロック11はバネ圧に抗して後退し、矩形部7の内側より退避した状態にあり、角形ケーシング3は角形鋼管用ケーシングキャップ1に対しフリーな状態にある。この状態より角形ケーシング3を矩形部7の内側に挿通し、レバー21を各長孔11a,15aから抜出することで、前記コイルバネ19のバネ圧によりクランプブロック11の先端は矩形部7の内側に突出し、フランジ25の下部側に位置する。従って、以上のレバー21の抜出作業を合計4箇所で行うことで、角形ケーシング3は角形鋼管用ケーシングキャップ1に吊下げ状態にロックされ、使用可能となる。
【0023】
図6、図7は、以上の角形ケーシング3を用いた改良工法における作業手順を示し、まず図6(a)において、前述の杭打ち機30は、一般に用いられるキャタピラー走行式であって、アウトリガーにより固定支持されたベースマシン31と、ベースマシン31の先端に複数の支持ロッドを介して3点式に垂直に立設保持されたガイドポスト33と、ガイドポスト33に沿って昇降かつ回転自在に支持されたスクリューオーガ35と、ガイドポスト33の下部に配置された下部ガイド37とを備えている。
【0024】
そして、ガイドポスト33には従来と同じく、円筒ケーシング用のチャック部39が備えられ、このチャック部39により前記ケーシングキャップ1の円筒部5の外周をチャックすることで、前記角形ケーシング3を前記オーガ35の外周に同心状であって、ガイドポスト33に沿って昇降可能に取付けられる。
【0025】
そして、まず図6(a)に示すように、オーガ35を少し先行して土中に貫入しその回転により、土中の攪拌を行い、地中を軟化させた状態で、引続きチャック部39を介してガイドポスト33に沿って角形ケーシング3を下降させる。図6(b)に示すように、角形ケーシング3の先端が所定深度Dの位置まで着底した段階でオーガ35を上昇させる。以上までの工程で、オーガ35の回転により角形ケーシング3内の土壌がある程度外部に排出される。図6(c)は引き上げたオーガ35を杭打ち機30から外した状態を示し、この段階では、図示のように角形ケーシング3の四隅で残土が生じている。
【0026】
この深度Dは、例えば汚染深度を地下部10m程度を目安とた場合には、角形ケーシング3の縦寸法は10m程度とするが、その寸法は土壌の汚染深度に応じて適宜設定すれば良い。
【0027】
次に、角形ケーシング3の四隅に付着した残土の除去処理を説明する。図7(a)に示したように、排土手段であるテレスコクラム50のアーム53を角形ケーシング3内に差し込み、その先端のクラムシェル形バケット55を開いた状態でケーシング内壁に沿って下降させ前記バケット55の先端をケーシング内壁に擦り付けて、そこに付着した残土を剥離し、底部に落下、堆積する。この堆積した残土をバケット55で集めて、アーム53を引上げれば、地表部に回収できる。
【0028】
この段階で、埋め戻し材を埋め戻すこともできるが、本実施の形態では、更に角形ケーシング3の四隅に残っている残土を除去する処理が行われる。すなわち、図7(b)に示すようにスクレーパ60を用いて角形ケーシング3の四隅に残っている残土を除去する。
【0029】
このスクレーパ60は、図8に拡大して示すように角形ケーシング3の断面形状に相似する平板四角形のベースプレート61の外周部に多段(図では単純化して1段で示されている)に除去用ブラシ63を植設するとともに、ベースプレート61の下部外周に角形ケーシング3の内壁、特に四隅に残る残土を掻き落すための矩形状のスクレーパ本体65を配置したものである。ベースプレート61の上部中心には前記テレスコクラム50のアーム53の先端に付け替え式に取付けられる取付部67が設けられている。
【0030】
従って、バケット55による残土回収作業後、取付部67を介してスクレーパ60をアーム53の先端に付け替え、アーム53を下降することにより角形ケーシング3の四隅に残っている残土が除去される。この後は、図7(c)に示すように、再びバケット55に付け替え、孔底部に堆積された残土を回収する。
【0031】
その後、図7(d)に示すように、ダンプトラック70によって搬入された良質土砂などの埋め戻し材をバックホウ40など用いて埋め戻すことによって、完全にその工区の土壌改良がなされることになる。最後に角形ケーシング3が前記ケーシングキャップ1を用いて地中から引き抜かれる。以上の一連の作業を順次一部重複させつつ繰返すことにより、敷地内全体あるいは敷地の周囲を囲う全域の土壌改良がなされることになる。
【0032】
なお、以上の施工手順ではスクレーパ60による残土除去工程を含めた(図7(b),(c)参照)が、この工程は必ずしも必要でなく、単にテレスコクラム50による残土掻き落しと、地表部への回収作業を行った後に、埋め戻し材で埋め戻すようにしても良い。
【0033】
なお、本ケーシングキャップ1は、その用途は土壌改良工法に限るものではない。例えば、図7(b)までの工程により、角形ケーシング3を地中に残置させ、本設杭等の構造体として使用することも可能である。
【0034】
[第2実施形態]
次に図9,図10は、本発明の第2実施形態を示している。図において角形鋼管用ケーシングキャップ100の円筒部101とその下部に配置される矩形部103とはラジアル及びスラストボールベアリングなどを介して同軸上に相対回転可能に連結されている。円筒部101の下部外周には大径のギア105が1体に形成されているとともに、矩形部103の上面にはモータ107がブラケット109を介して倒立状態に配置され、その出力軸に軸結されたピニオン111を前記ギア107に噛合させている。なお、矩形部の103の各辺中央内側に設けたクランプ部9を構成する部材構成、及びその作用については前記第1実施形態と同一であるので、符号のみ付してその説明を省略する。
【0035】
以上の構成では、モータ107の駆動により、円筒部101と矩形部103とは相対回転可能となる。前記円筒部101は杭打ち機30のチャック39(図6参照)により回転を規制され固定されるので、矩形部103が角形ケーシング3とともに、円筒部101周りに同軸回転可能となる。
【0036】
図11は、その一例を示すものであり、まず、図11(a)においては、杭打ち機30のベースマシン31は、杭の連続する方向に平行してそのキャタピラ31aを向け、ガイドポスト33の先端に前記ケーシングキャップ100を介して角形ケーシング3の建て込み、引抜き作業がなされる。従ってこの状態では一施工毎に順次キャタピラ31aを後進させることで、改良施工が連続的になされる。
【0037】
この状態から、杭打ち機30が隣地境界にさしかかった場合には、ベースマシン31は境界をはみ出すことは出来ず、その状態で敷地内に杭打ち機30を保持したまま方向転回などをする場合には、図11(b)に示すようにキャタピラ31aに対して、ベースマシン31を45°旋回させて境界部分の隅部を施工することになり、この例では45°旋回すると、そのままでは角形ケーシング3の各辺が施工位置に対して45°の傾きとなるが、前記モータ107の駆動により矩形部103を±45°旋回させることにより、角形ケーシング3の辺を揃えて施工を続行することができる。その他隣地境界が変形した敷地の土壌改良作業であっても、その都度ベースマシン31を変形角度に応じて旋回させても、その旋回角度に応じて矩形部103を逆側に旋回させることにより、常時角形ケーシング3の辺を揃えて連続施工を行うことができる。
【0038】
なお、前記第2実施形態では、モーター駆動により矩形部103を回動できるようにしたが、特にモータを設けることなく、単に相対回転可能としただけであっても、人力による回動操作により、施工角度変更に対応できる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明の第1実施形態による角形鋼管用ケーシングキャップ単体の一部断面側面図。
【図2】同ケーシングキャップ単体の底面図。
【図3】(a)(b)は角形鋼管用ケーシングキャップと角形ケーシングの取付関係を示す斜視図
【図4】図3(b)のA矢視部分における部品構成を示す分解斜視図。
【図5】(a)(b)は角形鋼管用ケーシングキャップに対する角形ケーシングの取付、取外し状態を示す断面説明図。
【図6】(a)〜(c)は同ケーシングキャップを用いた土壌改良工法の作業手順を示す説明用側断面図及び平断面図。
【図7】(a)〜(d)は図6に引続く作業手順を示す説明用側断面図及び平断面図。
【図8】図7(b)のC矢視部分における拡大斜視図。
【図9】本発明の第2実施形態による角形鋼管用ケーシングキャップと角形ケーシングの取付関係を示す側断面図。
【図10】図9のX−X線における平断面図。
【図11】(a)(b)は同ケーシングキャップを用いた施工位置変更例を示す杭打ち機の平面図。
【符号の説明】
【0040】
1,100 角形鋼管用ケーシングキャップ、3 角形ケーシング、5,101 円筒部、7、103 矩形部、7a 膨出部、9 クランプ部、11 クランプブロック、13,15 ガイドプレート、11a,15a 長孔、17 固定プレート、19 圧縮コイルバネ、21 アンクランプ用レバー、23 外周カバー、25 フランジ、3a フック部、30 杭打ち機、31 ベースマシン、31a キャタピラ、33 ガイドポスト、37 下部ガイド、39 チャック部、50テレスコクラム、51 ベースマシン、53 アーム、55 クラムシェル形バケット、60 スクレーパ、61 ベースプレート、63 除去用ブラシ、65 スクレーパ本体、105 大径ギア、107 モータ、109 ブラケット、111 ピニオン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
杭打ち機のガイドポストに沿って昇降可能な円筒部と、該円筒部の下部に設けられて、角形鋼管からなるケーシングを着脱可能に嵌合する矩形部とを備えたことを特徴とする角形鋼管用ケーシングキャップ。
【請求項2】
請求項1記載の角形鋼管用ケーシングキャップにおいて、前記円筒部に対して、前記矩形部が相対回転可能に連結されていることを特徴とする角形鋼管用ケーシングキャップ。
【請求項3】
請求項1または2項記載の角形鋼管用ケーシングキャップにおいて、前記矩形部には前記角形ケーシングの上部フランジ部に進退可能に突出して前記ケーシングキャップからの前記角形ケーシングの抜止めを行う複数のクランプ部を備えたことを特徴とする角形鋼管用ケーシングキャップ。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項記載の角形鋼管用ケーシングキャップにおいて、前記円筒部と矩形部とを同軸上に相対回転駆動するための駆動機構を備えたことを特徴とする角形鋼管用ケーシングキャップ。
【請求項5】
ケーシングキャップに吊下された角形ケーシングを杭打ち機のガイドポストに沿って下降させることで、地中に建て込み、前記角形ケーシング内に同心配置されたスクリューオーガにより地中を攪拌しつつ排土し、前記角形ケーシング先端が地盤内の所定深度まで建て込まれた段階で前記オーガを引上げて排土する工程と、
前記角形ケーシング内の主に四隅に残留する残土をテレスコクラム等の排土手段を使用して排土する工程と、
前記角形ケーシング内を埋め戻し材により埋め戻す工程と、
次いで前記角形ケーシングを地上部まで引上げる工程と、
を隣施工区域毎に一部重複しつつ繰返すことを特徴とする角形ケーシングを用いた土壌改良工法。
【請求項6】
請求項5に記載の角形ケーシングを用いた土壌改良工法において、前記排土手段による排土工程の後に、前記角形ケーシングの断面形状に相似する矩形状ベースプレートの外周部に多段のブラシを植設するとともに、前記ベースプレートの下部外周に前記角形ケーシングの内壁に接する掻き落し用のスクレーパ本体を備えたスクレーパにより、当該角形ケーシングの四隅に残る残土を除去する工程を有することを特徴とする角形ケーシングを用いた土壌改良工法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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