説明

角速度センサ

【課題】 1枚のセンサ基板上に構成可能であって、且つ、組み立て作業等が不要で半導体製造プロセスのみで容易に製造可能な流体式の角速度センサを提供する。
【解決手段】 本発明に係る角速度センサ1は、ガス流路2に、互いに逆向きにガスを噴射する一対のノズル10a,10bが設けられるとともに、該一対のノズル10a,10bからガスの流れ方向下流側に略等しい距離ずつ離間し、且つ、一対のノズル10a,10bがそれぞれ噴射するガスの流れの中心線から略同じ方向に略同じ距離ずつ離間した位置に、一対の温度センサ19A,19Bがそれぞれ設けられたものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガスが流通するガス流路と、このガス流路に配置されて温度変化に応じて抵抗値が変化する温度センサと、この温度センサの抵抗値変化を検知することによって角速度の作用によるガスの流れの変化を検知するブリッジ回路と、を備えた角速度センサに関する。
【背景技術】
【0002】
物体に作用する角速度の大きさを検知する角速度センサとしては、その検出方式の違いにより、予め定められた基準方向に振動する錘体に角速度の作用によって新たな振動成分が生じるのを検知する振動式や、筐体内で周回するレーザ光の筐体回転に伴う受光タイミング変化を利用する光学式や、所定の流路内にガスを流通させて角速度の作用に伴うガスの流れの変化を検知する流体式等が従来提唱されている。
【0003】
図13は、従来例に係る流体式の多軸型角速度センサの一例であって、互いに直交する2軸廻りの角速度を検出可能な2軸角速度センサ70の構成を示す分解斜視図である(特許文献1参照)。2軸角速度センサ70は、半導体からなる4枚のセンサ基板71,72,73,74が積層されたものである。ここで、最上層のセンサ基板71には、ガス流入口75が貫通形成されるとともに、その裏側面に所定深さの空間部76が形成されている。また、上から2層目と3層目の各センサ基板72,73には、前記ガス流入口75と前記空間部76に対応する形状の貫通部77がそれぞれ形成されている。更に、最下層のセンサ基板74には、その上面に所定深さの空間部78が形成されている。これにより、ガス流入口75から流入したガスが、空間部76と各貫通部77と空間部78によって形成されるガス流路の内部をY軸方向に流れるものとなっている。
【0004】
そして、図13に示すように、上から3層目のセンサ基板73には、その貫通部77を横断するようにしてブリッジ部79が設けられ、このブリッジ部79には、水平方向に所定距離だけ離間した位置に、一対のZ軸用温度センサ80がそれぞれ設けられている。各Z軸用温度センサ80は、温度変化に応じて抵抗値が変化する細線状の部材である。このような構成によれば、2軸角速度センサ70に対してZ軸廻りの角速度が作用した場合、コリオリ力の作用によってガスの流れに変化が生じ、各Z軸用温度センサ80に吹き付けられるガスの量に差が生じる。これにより、各Z軸用温度センサ80間で温度変化に差が生じ、その抵抗値変化にも差異が生じる。この抵抗値変化の差を前記ブリッジ部79が検出することにより、Z軸廻りの角速度の大きさを検知可能となっている。
【0005】
一方、上から2層目のセンサ基板72には、その貫通部77を横断するようにしてブリッジ部81が設けられ、このブリッジ部79のX軸方向中央部には、1本のX軸用温度センサ82が設けられている。また、上から4層目のセンサ基板71にも、その空間部78を横断するようにしてブリッジ部83が設けられ、このブリッジ部83には、X軸用温度センサ82の直下方に位置するようにして、1本のX軸用温度センサ84が設けられている。このような構成によれば、2軸角速度センサ70に対してX軸廻りの角速度が作用した場合、ガスの流れに変化が生じることによって上下一対のX軸用温度センサ82,84に吹き付けられるガスの量に差が生じる。これにより、各X軸用温度センサ82,84間で温度変化に差が生じ、その抵抗値変化にも差異が生じる。この抵抗値変化の差を前記ブリッジ部81,83が検出することにより、X軸廻りの角速度の大きさを検出可能となっている。
【0006】
また、図に詳細は示さないが、2軸角速度センサ70の構成に加えて、X軸方向にガスを流すためのガス流路を設けるとともに、このガス流路中に上下一対のY軸用温度センサを設ければ、Y軸廻りの角速度をも検出可能な3軸角速度センサを構成することができる。
【0007】
【特許文献1】特開平7−260818号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、従来の2軸角速度センサ70に代表される多軸型角速度センサは、各軸廻りの角速度を検出する1軸角速度センサを組み合わせたものであって、各1軸角速度センサを構成する複数枚のセンサ基板71,72,73,74が積層されるため、センサ全体として大型化するという問題がある。更に、複数枚のセンサ基板71,72,73,74の組み立て作業が必要な分、製造工程が煩雑になるという問題もある。
【0009】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、1枚のセンサ基板上に構成可能であって、且つ、組み立て作業等が不要で半導体製造プロセスのみで容易に製造可能な流体式の角速度センサを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するための請求項1記載の角速度センサは、ガスが流通するガス流路と、該ガス流路に設けられて温度変化に応じて抵抗値が変化する複数の温度センサと、該各温度センサに生じた抵抗値変化の差を検出することにより、角速度の作用によって生じたガスの流れの変化を検出するブリッジ回路と、を備えてなる角速度センサにおいて、前記ガス流路に、互いに逆向きにガスを噴射する一対のノズルが設けられるとともに、該一対のノズルからガスの流れ方向下流側に略等しい距離ずつ離間し、且つ、前記一対のノズルがそれぞれ噴射するガスの流れの中心線から略同じ方向に略同じ距離ずつ離間した位置に、一対の温度センサがそれぞれ設けられたものである。
【0011】
請求項2記載の角速度センサは、前記一対のノズルがそれぞれ噴射するガスの流れの中心線を挟んで前記一対の温度センサの反対側に、他の一対の温度センサがそれぞれ設けられたものである。
【0012】
請求項3記載の角速度センサは、前記ガス流路に、前記一対のノズルとは別の他のノズルが設けられるとともに、該他のノズルのガスの流れ方向下流側に、ガスの流れ方向に向かって所定間隔で、一対の温度センサがそれぞれ設けられたものである。
【0013】
請求項4記載の角速度センサは、前記他のノズルが噴射するガスの流れの中心線を挟んで、ガスの流れに略直交する方向に向かってガスの流れの中心線から略等しい距離ずつ離間した位置に、一対の温度センサがそれぞれ設けられたものである。
【0014】
請求項5記載の角速度センサは、ガスが流通するガス流路と、該ガス流路に設けられて温度変化に応じて抵抗値が変化する複数の温度センサと、該各温度センサに生じた抵抗値変化の差を検出することにより、角速度の作用によって生じたガスの流れの変化を検出するブリッジ回路と、を備えてなる角速度センサにおいて、前記ガス流路に、ガスを噴射するノズルが設けられるとともに、該ノズルのガスの流れ方向下流側に、ガスの流れ方向に向かって所定間隔で、一対の温度センサがそれぞれ設けられたものである。
【0015】
請求項6記載の角速度センサは、前記ノズルが噴射するガスの流れの中心線を挟んで、ガスの流れに略直交する方向に向かってガスの流れの中心線から略等しい距離ずつ離間した位置に、一対の温度センサがそれぞれ設けられたものである。
【発明の効果】
【0016】
本発明の請求項1に係る角速度センサによれば、容易な製造工程で且つ安価なコストで流体式の1軸角速度センサを量産することができる。また、従来の振動式の角速度センサと比較して、錘体を用いないので衝撃に強く、耐久性に優れている。
【0017】
また、本発明の請求項2に係る角速度センサによれば、ノズルからのガスの流れに生じた変化を2倍の感度で検出することができる。
【0018】
また、本発明の請求項3に係る角速度センサによれば、一対のノズルからのガスの流れに生じた変化と、他のノズルからのガスの流れに生じた変化をそれぞれ検出することにより、互いに直交する2軸廻りの角速度の大きさを検出することができる。また、1枚のセンサ基板に半導体製造プロセスを施すだけで2軸角速度センサを構成することができるので、複数枚のセンサ基板を組み立てる場合と比較して、センサ全体として小型化を図ることができるとともに、組み立て工程が不要な分、製造工程が簡略化されて安価なコストでの量産が可能になる。
【0019】
また、本発明の請求項4に係る角速度センサによれば、一対のノズルからのガスの流れに生じた変化と、他のノズルからのガスの流れに生じた変化をそれぞれ検出することにより、互いに直交する3軸廻りの角速度の大きさを検出することができる。また、1枚のセンサ基板に半導体製造プロセスを施すだけで3軸角速度センサを構成することができるので、複数枚のセンサ基板を組み立てる場合と比較して、センサ全体として小型化を図ることができるとともに、組み立て工程が不要な分、製造工程が簡略化されて安価なコストでの量産が可能になる。
【0020】
また、本発明の請求項5に係る角速度センサによれば、容易な製造工程で且つ安価なコストで流体式の1軸角速度センサを量産することができる。また、従来の振動式の角速度センサと比較して、錘体を用いないので衝撃に強く、耐久性に優れている。
【0021】
また、本発明の請求項6に係る角速度センサによれば、ノズルからのガスの流れに生じた変化をそれぞれ検出することにより、互いに直交する2軸廻りの角速度の大きさを検出することができる。また、1枚のセンサ基板に半導体製造プロセスを施すだけで2軸角速度センサを構成することができるので、複数枚のセンサ基板を組み立てる場合と比較して、センサ全体として小型化を図ることができるとともに、組み立て工程が不要な分、製造工程が簡略化されて安価なコストでの量産が可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明に係る角速度センサの構成について図面に基づいて説明する。図1は、本発明の第1実施例に係る角速度センサ1の外観を示す概略斜視図である。角速度センサ1は、所定のガス流路2が形成されたセンサ基板3と、該センサ基板3の上面に配設されて互いに直交する3軸廻りの角速度を検出する角速度検出ユニット4と、センサ基板3を覆うようにして設けられる上下一対のキャップ部材5とを備えた、流体式の3軸角速度センサである。
【0023】
図2は、センサ基板3の構成を示す概略平面図である。センサ基板3は、シリコン等の半導体からなる所定厚さの板状部材であって、平面視で略矩形に形成されている。このセンサ基板3の上面には、所定深さを有する溝状のガス流路2が形成されるとともに、このガス流路2に隣接した位置には、センサ基板3の上面から段落ちしてポンプ空間6が形成されている。ガス流路2は、その中央部に位置する主空間7と、主空間7の外周を循環する循環路8と、循環路8と主空間7を連通して設けられたメインノズル9と、循環路8の一部が幅狭に形成されてなる左右一対のサブノズル10a,10bとを有している。一方、ポンプ空間6は、図1に示すように、その中央部に薄膜状のダイアフラム11が配設されるとともに、その左右両端部に設けられたガス送出口12を介してガス流路2に連通されている。
【0024】
このような構成により、ダイアフラム11が所定の周波数と振幅で振動することにより、図2に示すように、ポンプ空間6内のガスが、左右のガス送出口12からガス流路2へとそれぞれ送り出される。このガスは、循環路8を下流側へ流れ、左右のサブノズル10a,10bからそれぞれ噴射された後、循環路8を更に下流側へ流れて合流し、メインノズル9から主空間7へと噴射される。そして、このガスは主空間7を下流側へ流れ、再び循環路8に戻るものとなっている。
【0025】
図1に示すキャップ部材5は、センサ基板3を封止するためのものである。このキャップ部材5は、センサ基板3の上方を覆う上キャップ13と、下方を覆う下キャップ14とから構成される。上キャップ13の裏側面には、センサ基板3のガス流路2に対応する形状の溝部15が形成されており、この溝部15がガス流路2の上方を覆うことによってガス流路2の内部にガスが密封される。また、上キャップ13には、センサ基板3のポンプ空間6に対応する位置に、ガス導入孔16が貫通形成されており、このガス導入孔16を介して例えば不活性ネオンガスを外部からポンプ空間6に導入することが可能となっている。他方、下キャップ14の長手方向一端側には、ハーネス17を接続するためのハーネス接続部18が設けられており、センサ基板3を図示しない電源等に対して電気的に接続することが可能となっている。
【0026】
図3は、図1におけるガス流路2近傍を拡大した部分拡大斜視図である。図1及び図3に示すように、前記角速度検出ユニット4は、X軸廻りの角速度を検出する一対のX軸用温度センサ19A,19Bと、Y軸廻りの角速度を検出する一対のY軸用温度センサ20A,20Bと、Z軸廻りの角速度を検出する一対のZ軸用温度センサ21A,21Bと、各温度センサをガス流路2上に支持するワイヤ支持体22と、各温度センサに生じた抵抗値変化をそれぞれ検出するブリッジ回路部23とを備えている。尚、本発明に係る温度センサとは、サーミスタや、サーモパイルや、PN接合等を意味している。
【0027】
一対のX軸用温度センサ19A,19Bは、温度変化に応じて抵抗値が変化する白金やタングステン等からなる細線状の部材である。このX軸用温度センサ19A,19Bは、図2に示すように、循環路8におけるメインノズル9より若干上流側の位置に、その長手方向をX軸方向に向けてすなわち循環路8を横切るようにしてそれぞれ配置され、その長手方向両端部が前記ワイヤ支持体22によってそれぞれ支持されている。ここで、図4は、図3のA−A断面を示す概略縦断面図である。左右一対のX軸用温度センサ19A,19Bは、左右のサブノズル10a,10bよりZ軸方向上方に、左右のX軸用温度センサ19A,19B同士が略同じ高さ位置になるようにそれぞれ配置されている。
【0028】
一対のY軸用温度センサ20A,20Bは、X軸用温度センサ19A,19Bと同様の材質及び形状を有する部材である。各Y軸用温度センサ20A,20Bは、図3に示すように、主空間7の内部に、その長手方向をY軸方向に向けて、且つ、左右のY軸用温度センサ20A,20B間に所定の間隔が設けるようにしてそれぞれ配置され、その長手方向両端部は前記ワイヤ支持体22によってそれぞれ支持されている。ここで、図5は、図3のB−B断面を示す概略縦断面図である。左右一対のY軸用温度センサ20A,20Bは、メインノズル9よりZ軸方向上方に、左右のY軸用温度センサ20A,20B同士が略同じ高さ位置となるようにそれぞれ配置されている。
【0029】
一対のZ軸用温度センサ21A,21Bも、X軸用温度センサ19A,19Bと同様の材質及び形状を有する部材である。各Z軸用温度センサ21A,21Bは、図3に示すように、主空間7の内部であってX軸方向に向かって一対のY軸用温度センサ20A,20Bの中間位置に、その長手方向をX軸方向に向けてそれぞれ配置され、その長手方向一端側が前記ワイヤ支持体22によってそれぞれ支持されている。ここで、図6は、図3において一対のZ軸用温度センサ21A,21Bを上方から見た概略平面図である。一対のZ軸用温度センサ21A,21Bは、メインノズル9を挟んでこれからY軸方向に略等しい距離だけ離間した位置にそれぞれ配置されている。
【0030】
ブリッジ回路部23は、図1に詳細は示さないが、X軸用温度センサ19A,19Bの抵抗値変化を検出するX軸用ブリッジ回路と、Y軸用温度センサ20A,20Bの抵抗値変化を検出するY軸用ブリッジ回路と、Z軸用温度センサ21A,21Bの抵抗値変化を検出するZ軸用ブリッジ回路とを備えるものである。ここで、図1に示すように、ブリッジ回路部23は、電気配線Dを介して各軸用の温度センサ19A,19B,20A,20B,21A,21Bにそれぞれ接続されており、各軸用の温度センサ19A,19B,20A,20B,21A,21Bを含んで各軸用のブリッジ回路が構成されている。また、ブリッジ回路部23は、下キャップ14のハーネス接続部18に対しても電気的に接続されており、ハーネス17を介して各軸用のブリッジ回路に電源が供給されている。図7は、X軸用ブリッジ回路24の構成を示す図である。X軸用ブリッジ回路24は、2個の可変抵抗としてのX軸用温度センサ19A,19Bと、2個の参照抵抗Rc,R´cとを備えたいわゆるハーフブリッジ回路である。このX軸用ブリッジ回路24によれば、2個のX軸用温度センサ19A,19Bの抵抗値が変化することによって回路全体としてのバランスが崩れると、不平衡電圧として出力電圧を検出し、この出力電圧の大きさによって、X軸廻りに作用した角速度の大きさを検出することが可能となっている。尚、Y軸用ブリッジ回路とZ軸用ブリッジ回路に関しては、X軸用ブリッジ回路24と同様の構成であるため、ここでは説明を省略する。
【0031】
以下、角速度センサ1による各軸廻りの角速度の検出について、図4乃至図6を用いて説明する。まず、X軸廻りの角速度の検出について図4を用いて説明する。角速度センサ1に対してX軸廻りの角速度が作用しない場合、左右のサブノズル10a,10bから相対向するように噴射されたガスは、図中に点線で示すように、流れのZ軸方向中心線Gcが各サブノズル10a,10bからそれぞれ略水平方向に向くような流れになる。この時、サブノズル10aからX軸用温度センサ19Aに吹き付けられるガスの量と、サブノズル10bからX軸用温度センサ19Bに吹き付けられるガスの量が等しいため、左右のX軸用温度センサ19A,19Bの表面温度は等しく、その抵抗値も等しい大きさである。従って、前記X軸用ブリッジ回路24のバランスは崩れず、出力電圧も検出されないことから、X軸廻りの角速度の大きさは0であると検出される。
【0032】
他方、角速度センサ1に対してX軸廻りの角速度が作用した場合、コリオリ力の作用によって、図4に示すように、左右のサブノズル10a,10bから噴射されたガスの流れにそれぞれ変化が生じる。具体的には、サブノズル10aから噴射されたガスは、流れのZ軸方向中心線Gcが鉛直下方に向かってカーブするように、すなわちX軸用温度センサ19Aから遠ざかるように流れが変化する。一方、サブノズル10bから噴射されたガスは、流れのZ軸方向中心線Gcが鉛直上方に向かってカーブするように、すなわちX軸用温度センサ19Bに近付くように流れが変化する。従って、X軸用温度センサ19Aは、サブノズル10aから吹き付けられるガスの量が減少することにより、その表面温度が上昇し、抵抗値が大きくなる。一方、X軸用温度センサ19Bは、サブノズル10bから吹き付けられるガスの量が増加することにより、その表面温度が低下し、抵抗値が小さくなる。これにより、前記X軸用ブリッジ回路24のバランスが崩れて出力電圧が検出され、その大きさによりX軸廻りの角速度の大きさが検出される。
【0033】
尚、X軸廻りの角速度が本実施例とは逆廻りに作用する場合も、同様にして角速度の大きさが検出される。すなわち、図に詳細は示さないが、サブノズル10aから噴射されたガスは、流れのZ軸方向中心線GcがX軸用温度センサ19Aに近付くように流れが変化し、サブノズル10bから噴射されたガスは、流れのZ軸方向中心線GcがX軸用温度センサ19Bから遠ざかるように流れが変化する。これにより、X軸用温度センサ19Aはサブノズル10aから吹き付けられるガスの量が増加する一方、X軸用温度センサ19Bはサブノズル10bから吹き付けられるガスの量が減少するため、前述と同様にしてX軸用ブリッジ回路24のバランスが崩れ、出力電圧が検出される。また、本実施例では、左右のX軸用温度センサ19A,19Bを左右のサブノズル10a,10bよりZ軸方向上方にそれぞれ配置しているが、これに代えて左右のサブノズル10a,10bよりZ軸方向下方にそれぞれ配置することも可能である。この場合も、X軸廻りの角速度が作用して、左右のサブノズル10a,10bから噴射されるガスの流れに変化が生じると、左右のX軸用温度センサ19A,19Bに吹き付けられるガスの量に差が生じるため、上記と同様の作用効果が得られる。更に、図4に詳細は示さないが、本実施例に加えて、左右のサブノズル10a,10bよりZ軸方向下方にも2個のX軸用温度センサ19A,19Bを配置して、計4個のX軸用温度センサを配置することも可能である。この場合、2個のX軸用温度センサ19A,19Bを配置する場合と比較して、2倍の感度が得られるという利点がある。
【0034】
次に、Y軸廻りの角速度の検出について図5を用いて説明する。角速度センサ1に対してY軸廻りの角速度が作用しない場合、メインノズル9から噴射されたガスは、図中に点線で示すように、流れのZ軸方向中心線Gcがメインノズル9から略水平方向に向くような流れになる。この時、左右のY軸用温度センサ20A,20Bは、メインノズル9から吹き付けられるガスの量が等しいため、その表面温度は等しく、抵抗値も等しい大きさである。従って、前記Y軸用ブリッジ回路のバランスは崩れず、出力電圧も検出されないことから、Y軸廻りの角速度の大きさは0であると検出される。
【0035】
他方、角速度センサ1に対してY軸廻りの角速度が作用した場合、コリオリ力の作用によって、図5に示すように、メインノズル9から噴射されたガスの流れに変化が生じる。具体的には、メインノズル9から噴射されたガスは、流れのZ軸方向中心線Gcが鉛直上方に向かってカーブするように、すなわち各Y軸用温度センサ20A,20Bに近付くように流れが変化する。ここで、各Y軸用温度センサ20A,20Bは、前述のように、メインノズル9よりZ軸方向上方に、左右のY軸用温度センサ20A,20B同士が略同じ高さ位置となるようにそれぞれ配置されているため、Y軸用温度センサ20A,20Bがメインノズル9から吹き付けられるガスの量は共に増加する。しかし、図5に示すように、X軸方向に向かってメインノズル9から離間したY軸用温度センサ20Bの方が、メインノズル9に近接したY軸用温度センサ20Aよりも、ガスの流れのZ軸方向中心線Gcにより近付く分、吹き付けられるガスの増量分は多くなる。従って、Y軸用温度センサ20A,20Bは、共にその表面温度が低くなり、抵抗値が小さくなるものの、その度合いは、Y軸用温度センサ20Bの方がY軸用温度センサ20Aよりも大きくなる。これにより、前記Y軸用ブリッジ回路のバランスが崩れて出力電圧が検出され、その大きさによりY軸廻りの角速度の大きさが検出される。
【0036】
尚、Y軸廻りの角速度が本実施例とは逆廻りに作用する場合も、同様にして角速度の大きさが検出される。すなわち、図に詳細は示さないが、メインノズル9から噴射されたガスは、流れのZ軸方向中心線Gcが各Y軸用温度センサ20A,20Bから遠ざかるように流れが変化する。しかし、Y軸用温度センサ20Bの方が、Y軸用温度センサ20Aよりもガスの流れのZ軸方向中心線Gcからより遠ざかる分、吹き付けられるガスの減量分は多くなり、前述と同様にしてY軸用ブリッジ回路のバランスが崩れ、出力電圧が検出される。また、本実施例では、各Y軸用温度センサ20A,20Bをメインノズル9よりZ軸方向上方にそれぞれ配置しているが、これに代えてメインノズル9よりZ軸方向下方にそれぞれ配置することも可能である。この場合も、Y軸廻りの角速度が作用して、メインノズル9から噴射されるガスの流れに変化が生じると、各Y軸用温度センサ20A,20Bに吹き付けられるガスの量に差が生じるため、上記と同様の作用効果が得られる。更に、図5に詳細は示さないが、本実施例に加えて、左右のメインノズル9よりZ軸方向下方にも2個のY軸用温度センサ20A,20Bを配置して、計4個のY軸用温度センサを配置することも可能である。この場合、2個のY軸用温度センサ20A,20Bを配置する場合と比較して、2倍の感度が得られるという利点がある。
【0037】
次に、Z軸廻りの角速度の検出について図6を用いて説明する。角速度センサ1に対してZ軸廻りの角速度が作用しない場合、メインノズル9から噴射されたガスは、図中に点線で示すように、流れのY軸方向中心線Gcがメインノズル9からX軸方向に向くような流れになる。この時、各Z軸用温度センサ21A,21Bは、メインノズル9から吹き付けられるガスの量が等しいため、その表面温度は等しく、抵抗値も等しい大きさである。従って、前記Z軸用ブリッジ回路のバランスは崩れず、出力電圧も検出されないことから、Z軸廻りの角速度の大きさは0であると検出される。
【0038】
他方、角速度センサ1に対してZ軸廻りの角速度が作用した場合、コリオリ力の作用によって、図6に示すように、メインノズル9から噴射されたガスの流れに変化が生じる。具体的には、メインノズル9から噴射されたガスは、流れのY軸方向中心線Gcが図中で下方に向かってカーブするように、すなわちZ軸用温度センサ21A,21Bに近付くように流れが変化する。従って、Z軸用温度センサ21Bは、メインノズル9から吹き付けられるガスの量が増加することにより、その表面温度が低下し、抵抗値が小さくなる。一方、Z軸用温度センサ21Aは、メインノズル9から吹き付けられるガスの量が減少することにより、その表面温度が上昇し、抵抗値が大きくなる。これにより、前記Z軸用ブリッジ回路のバランスが崩れて出力電圧が検出され、その大きさによりZ軸廻りの角速度の大きさが検出される。
【0039】
尚、Z軸廻りの角速度が本実施例とは逆廻りに作用する場合も、同様にして角速度の大きさが検出される。すなわち、図に詳細は示さないが、メインノズル9から噴射されたガスは、流れのY軸方向中心線Gcが図中で上方に向かってカーブするように、すなわちZ軸用温度センサ21Aに近付くように流れが変化する。従って、Z軸用温度センサ21Aに吹き付けられるガスの量が増加し、Z軸用温度センサ21Bに吹き付けられるガスの量が減少することにより、前述と同様にしてZ軸用ブリッジ回路のバランスが崩れて出力電圧が検出される。
【0040】
尚、本実施例では説明の便宜上、互いに直交する3軸のうち、ある1つの軸成分だけを持つ角速度が作用した場合を例に説明したが、2つ以上の軸成分を持つ角速度が作用した場合には、各軸用の温度センサや各軸用のブリッジ回路によって各軸成分がそれぞれ同時に検出される。また、本実施例では、図1に示すように、センサ基板3の長手方向をX軸方向に、幅方向をY軸方向に、厚み方向をZ軸方向にそれぞれ設定したが、このX軸方向、Y軸方向、及びZ軸方向を相互に入れ替えて設定することも可能である。
【0041】
また、本実施例に角速度センサ1は、X軸用温度センサ19A,19B、Y軸用温度センサ20A,20B、及びZ軸用温度センサ21A,21Bをセンサ基板3上に設けることで3軸角速度センサとして構成したが、これに限られず、例えばX軸用温度センサ19A,19Bのみを設けて1軸角速度センサとして構成したり、X軸用温度センサ19A,19BとY軸用温度センサ20A,20Bを設けて2軸角速度センサとして構成してもよい。
【0042】
次に、本発明の第2実施例に係る角速度センサの構成について図面に基づいて説明する。第2実施例に係る角速度センサ30は、図に詳細は示さないが、第1実施例に係る角速度センサ1と同様に、センサ基板と、角速度検出ユニットと、上下一対のキャップ部材とを備えた流体式の3軸角速度センサである。
【0043】
図8は、角速度センサ30を構成するセンサ基板31の構成を示す概略平面図である。センサ基板31は、平面視で略矩形に形成され、その中央部には、上面から段落ちしてポンプ空間32が形成されている。そして、センサ基板31の上面には、ポンプ空間32から四方に広がるようにして溝状のガス流路33がそれぞれ形成されるとともに、各ガス流路33とポンプ空間32を連通するようにして幅狭のノズル34がそれぞれ設けられている。一方、ポンプ空間32には、薄膜上のダイアフラム35が配設されている。また、図9に示すように、キャップ部材のうちセンサ基板31の上方を覆う上キャップ36には、その裏側面に、センサ基板31のガス流路33に対応する形状の溝部37が形成されるとともに、センサ基板31のポンプ空間32に対応する位置に、ガス導入孔38が貫通形成されている。このような構成により、ダイアフラム35が振動することにより、図8と図9に示すように、ガス導入孔38から導入されたポンプ空間32内のガスが、ノズル34を介して各ガス流路33へとそれぞれ送り出され、各ガス流路33の他端部に設けられたガス排出口39からセンサ基板31の外部へ排出されるものとなっている。
【0044】
一方、図8に示すように、角速度センサ30を構成する各速度検出ユニット40は、X軸廻りの角速度を検出する一対のX軸用温度センサ41A,41Bと、Y軸廻りの角速度を検出する一対のY軸用温度センサ42A,42Bと、Z軸廻りの角速度を検出する一対のZ軸用温度センサ43A,43B,43C,43Dと、各温度センサをガス流路2上に支持するワイヤ支持体44と、各温度センサに生じた抵抗値変化をそれぞれ検出するブリッジ回路部(図8には不図示)とを備えている。
【0045】
一対のX軸用温度センサ41A,41Bは、図8に示すように、Y軸方向に延びるガス流路33を横切るようにしてそれぞれ配置され、その長手方向両端部が前記ワイヤ支持体44によってそれぞれ支持されている。ここで、図9は、図8においてダイアフラム35を通ってY軸に垂直な縦断面を示す概略縦断面図である。左右一対のX軸用温度センサ41A,41Bは、ノズル34よりZ軸方向上方に、左右のX軸用温度センサ41A,41B同士が略同じ高さ位置になるようにそれぞれ配置されている。
【0046】
一対のY軸用温度センサ42A,42Bは、図8に示すように、X軸方向に延びるガス流路33を横切るようにしてそれぞれ配置され、その長手方向両端部は前記ワイヤ支持体44によってそれぞれ支持されている。ここで、図10は、図8においてダイアフラム35を通ってX軸に垂直な縦断面を示す概略縦断面図である。左右一対のY軸用温度センサ42A,42Bは、ノズル34よりZ軸方向上方に、左右のY軸用温度センサ42A,42B同士が略同じ高さ位置になるようにそれぞれ配置されている。
【0047】
二対のZ軸用温度センサ43A,43B,43C,43Dは、図8に示すように、X軸方向に延びるガス流路33に略平行するようにして、且つ、各一対のZ軸用温度センサ43A,43BとZ軸用温度センサ43C,43Dとがそれぞれ所定間隔で相対向するようにしてそれぞれ配置され、その長手方向両端部が前記ワイヤ支持体44によってそれぞれ支持されている。
【0048】
また、角速度センサ30を構成するブリッジ回路部は、図8に詳細は示さないが、X軸用温度センサ41A,41Bの抵抗値変化を検出するX軸用ブリッジ回路と、Y軸用温度センサ42A,42Bの抵抗値変化を検出するY軸用ブリッジ回路と、Z軸用温度センサ43A,43B,43C,43Dの抵抗値変化を検出するZ軸用ブリッジ回路とを備えるものである。ここで、本実施例のX軸用ブリッジ回路は、図7に示す第1実施例のX軸用ブリッジ回路24と同様の構成であって、2個の可変抵抗としてのX軸用温度センサ42A,42Bと、2個の参照抵抗とを備えたいわゆるハーフブリッジ回路であるため、ここでは説明を省略する。同様に、本実施例のY軸用ブリッジ回路も、2個の可変抵抗としてのY軸用温度センサ42A,42Bと、2個の参照抵抗とを備えたいわゆるハーフブリッジ回路である。また、図12は、本実施例のZ軸用ブリッジ回路45の構成を示す図である。Z軸用ブリッジ回路45は、4個の可変抵抗としてのZ軸用温度センサ43A,43B,43C,43Dを備えたいわゆるフルブリッジ回路である。
【0049】
以下、角速度センサ30による各軸廻りの角速度の検出について、図9乃至図11を用いて説明する。まず、X軸廻りの角速度の検出について図9を用いて説明する。角速度センサ30に対してX軸廻りの角速度が作用した場合、コリオリ力の作用によって、図9に示すように、左右のノズル34a,34bから噴射されたガスの流れにそれぞれ変化が生じる。具体的には、ノズル34aから噴射されたガスは、流れのZ軸方向中心線Gcが鉛直下方に向かってカーブするように、すなわちX軸用温度センサ41Aから遠ざかるように流れが変化する。一方、ノズル34bから噴射されたガスは、流れのZ軸方向中心線Gcが鉛直上方に向かってカーブするように、すなわちX軸用温度センサ41Bに近付くように流れが変化する。従って、X軸用温度センサ41Aは、ノズル34aから吹き付けられるガスの量が減少することにより、その表面温度が上昇し、抵抗値が大きくなる。一方、X軸用温度センサ41Bは、ノズル34bから吹き付けられるガスの量が増加することにより、その表面温度が低下し、抵抗値が小さくなる。これにより、前記X軸用ブリッジ回路のバランスが崩れて出力電圧が検出され、その大きさによりX軸廻りの角速度の大きさが検出される。また、Y軸廻りの角速度の検出は、図10に示すように、X軸廻りの角速度の検出方法と同様であるため説明を省略する。
【0050】
次に、Z軸廻りの角速度の検出について図11を用いて説明する。角速度センサ30に対してZ軸廻りの角速度が作用した場合、コリオリ力の作用によって、図11に示すように、ノズル34a,34bから噴射されたガスの流れに変化が生じる。具体的には、ノズル34aから噴射されたガスは、流れのY軸方向中心線Gcが図中で上方に向かってカーブするように、すなわちZ軸用温度センサ43Aに近付き、Z軸用温度センサ43Bから遠ざかるように流れが変化する。従って、Z軸用温度センサ43Aは、ノズル34aから吹き付けられるガスの量が増加して表面温度が低下し、抵抗値が小さくなり、Z軸用温度センサ43Bは、ノズル34aから吹き付けられるガスの量が減少して表面温度が上昇する。一方、ノズル34bから噴射されたガスは、流れのY軸方向中心線Gcが図中で下方に向かってカーブするように、すなわちZ軸用温度センサ43Cから遠ざかり、Z軸用温度センサ43Dに近づくように流れが変化する。従って、Z軸用温度センサ43Cは、ノズル34bから吹き付けられるガスの量が減少して表面温度が上昇し、抵抗値が大きくなり、Z軸用温度センサ43Dは、ノズル34bから吹き付けられるガスの量が増加して表面温度が低下し、抵抗値が小さくなる。これにより、前記Z軸用ブリッジ回路45のバランスが崩れて出力電圧が検出され、その大きさによりZ軸廻りの角速度の大きさが検出される。
【産業上の利用可能性】
【0051】
本発明に係る角速度センサは、自動車のブレーキ制御(ABS),横滑り防止,ナビゲーションシステムや、船舶のローリング制御(スタビライザ)や、カメラの手ぶれ防止や、ロボットや、ゲーム機等に適用が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明の第1実施例に係る角速度センサ1の外観を示す概略斜視図。
【図2】センサ基板3の構成を示す概略平面図。
【図3】図1におけるガス流路2近傍を拡大した部分拡大斜視図。
【図4】図3のA−A断面を示す概略縦断面図。
【図5】図3のB−B断面を示す概略縦断面図。
【図6】図3において一対のZ軸用温度センサ21A,21Bを上方から見た概略平面図。
【図7】第1実施例のX軸用ブリッジ回路24の構成を示す図。
【図8】本発明の第2実施例に係る角速度センサ30の外観を示す概略斜視図。
【図9】図8においてダイアフラム35を通ってY軸に垂直な縦断面を示す概略縦断面図。
【図10】図8においてダイアフラム35を通ってX軸に垂直な縦断面を示す概略縦断面図。
【図11】Z軸廻りの角速度の検出を説明するための説明図。
【図12】第2実施例のZ軸用ブリッジ回路45の構成を示す図。
【図13】従来例に係る流体式の多軸型角速度センサの一例であって、互いに直交する2軸廻りの角速度を検出可能な2軸角速度センサ70の構成を示す分解斜視図。
【符号の説明】
【0053】
1 角速度センサ
2 ガス流路
9 メインノズル
10a,10b サブノズル
19A,19B X軸用温度センサ
20A,20B Y軸用温度センサ
21A,21B Z軸用温度センサ
24 X軸用ブリッジ回路
Gc ガスの流れの中心線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガスが流通するガス流路と、該ガス流路に設けられて温度変化に応じて抵抗値が変化する複数の温度センサと、該各温度センサに生じた抵抗値変化の差を検出することにより、角速度の作用によって生じたガスの流れの変化を検出するブリッジ回路と、を備えてなる角速度センサにおいて、
前記ガス流路に、互いに逆向きにガスを噴射する一対のノズルが設けられるとともに、該一対のノズルからガスの流れ方向下流側に略等しい距離ずつ離間し、且つ、前記一対のノズルがそれぞれ噴射するガスの流れの中心線から略同じ方向に略同じ距離ずつ離間した位置に、一対の温度センサがそれぞれ設けられたことを特徴とする角速度センサ。
【請求項2】
前記一対のノズルがそれぞれ噴射するガスの流れの中心線を挟んで前記一対の温度センサの反対側に、他の一対の温度センサがそれぞれ設けられたことを特徴とする請求項1に記載の角速度センサ。
【請求項3】
前記ガス流路に、前記一対のノズルとは別の他のノズルが設けられるとともに、該他のノズルのガスの流れ方向下流側に、ガスの流れ方向に向かって所定間隔で、一対の温度センサがそれぞれ設けられたことを特徴とする請求項1又は2に記載の角速度センサ。
【請求項4】
前記他のノズルが噴射するガスの流れの中心線を挟んで、ガスの流れに略直交する方向に向かってガスの流れの中心線から略等しい距離ずつ離間した位置に、一対の温度センサがそれぞれ設けられたことを特徴とする請求項3に記載の角速度センサ。
【請求項5】
ガスが流通するガス流路と、該ガス流路に設けられて温度変化に応じて抵抗値が変化する複数の温度センサと、該各温度センサに生じた抵抗値変化の差を検出することにより、角速度の作用によって生じたガスの流れの変化を検出するブリッジ回路と、を備えてなる角速度センサにおいて、
前記ガス流路に、ガスを噴射するノズルが設けられるとともに、該ノズルのガスの流れ方向下流側に、ガスの流れ方向に向かって所定間隔で、一対の温度センサがそれぞれ設けられたことを特徴とする角速度センサ。
【請求項6】
前記ノズルが噴射するガスの流れの中心線を挟んで、ガスの流れに略直交する方向に向かってガスの流れの中心線から略等しい距離ずつ離間した位置に、一対の温度センサがそれぞれ設けられたことを特徴とする請求項5に記載の角速度センサ。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate


【公開番号】特開2008−292230(P2008−292230A)
【公開日】平成20年12月4日(2008.12.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−136372(P2007−136372)
【出願日】平成19年5月23日(2007.5.23)
【出願人】(593006630)学校法人立命館 (359)