説明

解体物管理システム

【課題】解体した後の解体物が属していた設備物を追跡かつ把握することができる解体物管理システムを提供する。
【解決手段】解体物管理システム10における解体前管理では、連番テープ11が解体前のテーブルに貼付され、解体前のテーブルに貼付された連番テープ11のバーコード14が表す番号のうちの先頭番号と最後尾番号とがバーコードリーダ12によって読み取られ、コンピュータ13がテーブルを特定する設備物特定識別子と先頭番号から最後尾番号までの番号とを関連付けて格納し、システム10における解体後管理では、テーブルを解体した後の解体物に貼付された連番テープ11のバーコード14がバーコードリーダ12によって読み取られ、コンピュータ13がそれら解体物に貼付された連番テープ11のバーコード14が表す番号に対応する設備物特定識別子からそれら解体物が解体される前のテーブルを特定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建造物に設備された各種の設備物を解体した後の複数の解体物を管理する解体物管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
建築物の部屋を形成する表層部材で覆われてその表層部材の内部に配置された再利用可能な内部部材を損傷させることなく、建築物を解体する解体方法がある(特許文献1参照)。この解体方法では、内部部材の情報を記憶したRFIDをあらかじめ内部部材に取り付け、解体前に表層部材の表面を探知装置を利用して走査し、RFIDに記憶された情報を取得するとともに、RFIDに記憶された情報に基づいて内部部材の種別および位置を特定する。
【0003】
また、原子力設備の内壁面の放射性物質および塗膜を除去手段によって除去する工程と、放射性物質および塗膜が除去された原子力設備を所定の大きさの解体物に解体手段によって解体する工程と、解体された解体物を運搬用容器に収容して原子力施設からそれに隣接するタービン建屋に運搬する工程と、タービン建屋において運搬用容器に収容された解体物を細断手段によって所定の大きさに細断する工程と、細断された解体物を除染手段によって除染した後に容器に収容する工程とを有する原子力設備の解体工法がある(特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−255680号公報
【特許文献2】特開2010−8091号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記特許文献1に開示の建築物の解体方法は、ICチップを有するRFIDを利用して内部部材の情報をそのRFIDに格納し、そのRFIDを内部部材に取り付け、解体前に探知装置を利用して再利用可能な内部部材の種別と位置とを判定することで、表層部材に隠れた再利用可能な内部部材を確認することができる。しかし、建築物を解体した後の複数の解体物について、それらが属する建築物を解体後に特定することができず、建築物の解体後にそれら解体物が属していた建築物を追跡することができない。
【0006】
また、前記特許文献2に開示の建築物の解体工法は、解体された原子力設備の複数の解体物の放射性物質の汚染レベルや危険性、材質、特定情報、解体日時等の属性を解体後に特定することができず、原子力設備を解体した後に複数の解体物において、それらが属していた原子力設備を特定することができないのみならず、それら解体物の属性を各解体物毎に把握することができず、それら解体物をその属性に基づいて管理することができない。特に、原子力設備における解体作業では、放射能汚染を厳格に防ぐ目的から、解体物が属する解体前の設備物を解体後に追跡かつ把握可能であることが要求されるとともに、解体物の属性が解体後に追跡かつ把握可能であることが要求され、解体物の属性毎の管理が要求される。しかし、前記特許文献2に開示の解体工法は、原子力施設の解体に要求されるそのような条件を満足させることができない。
【0007】
本発明の目的は、解体した後の解体物が属する設備物を解体後に特定することができ、設備物の解体後にそれら解体物が属していた設備物を追跡かつ把握することができる解体物管理システムを提供することにある。本発明の他の目的は、原子力関連施設を解体した解体物が属する設備物の属性を解体後に追跡かつ把握することができ、原子力関連施設を解体した解体物を属性毎に管理することができる解体物管理システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するための本発明の前提は、建造物に設備された各種の設備物を解体した後の複数の解体物を管理する解体物管理システムである。
【0009】
前記前提における本発明の特徴としては、解体物管理システムが、連続する番号を表す印刷可能な複数の識別コードが表示された連番テープと、連番テープに表示された識別コードを読み取る識別コードリーダと、識別コードリーダから識別コードの番号が転送されるコンピュータとを利用し、設備物を解体する前の解体前管理と、設備物を解体した後の解体後管理とを実行し、解体前管理では、連番テープが解体前の設備物に貼付され、解体前の設備物に貼付された連番テープの識別コードが表す番号のうちの先頭番号と最後尾番号とが識別コードリーダによって読み取られ、コンピュータが各設備物を特定する設備物特定識別子と先頭番号から最後尾番号までの番号とを関連付けて格納する設備物格納手段を実行し、解体後管理では、設備物を解体した後の解体物に貼付された連番テープの識別コードが識別コードリーダによって読み取られ、コンピュータがそれら解体物に貼付された連番テープの識別コードが表す番号に対応する設備物特定識別子からそれら解体物が属する設備物を特定する設備物特定手段を実行することにある。
【0010】
本発明の一例として、それら解体物に貼付された連番テープには、少なくとも1つの識別コードが読み取り可能に残存している。
【0011】
本発明の他の一例として、コンピュータには、それら設備物の各種の属性が設備物特定識別子に関連付けられた状態で格納され、解体後管理では、解体物が属する設備物の属性が出力される。
【0012】
本発明の他の一例として、解体物管理システムでは、各種複数の色によって区別された複数種類の連番テープが利用され、設備物の属性が連番テープの色によって認識可能である。
【0013】
本発明の他の一例として、解体物管理システムでは、色彩の濃淡によって区別された複数種類の連番テープが利用され、設備物の属性が連番テープの色彩の濃淡によって認識可能である。
【0014】
本発明の他の一例として、解体物管理システムでは、各種複数の形によって区別された複数種類の連番テープが利用され、設備物の属性が連番テープの形によって認識可能である。
【0015】
本発明の他の一例として、解体物管理システムでは、各種複数の記号によって区別された複数種類の連番テープが利用され、設備物の属性が連番テープに表示された記号によって認識可能である。
【0016】
本発明の他の一例としては、建造物が原子力関連施設である。
【0017】
本発明の他の一例としては、設備物の属性が原子力関連施設におけるそれら設備物の放射性物質による汚染レベルである。
【0018】
本発明の他の一例としては、設備物の属性が原子力関連施設におけるそれら設備物の危険性である。
【0019】
本発明の他の一例としては、設備物の属性が原子力関連施設におけるそれら設備物の材質および系統である。
【0020】
本発明の他の一例としては、設備物の属性が原子力関連施設におけるそれら設備物の特定情報および解体日時である。
【発明の効果】
【0021】
本発明にかかる解体物管理システムによれば、解体前管理において、連番テープが設備物に貼付され、設備物に貼付された連番テープの識別コードが表す番号のうちの先頭番号と最後尾番号とが識別コードリーダによって読み取られ、コンピュータが各設備物を特定する設備物特定識別子と先頭番号から最後尾番号までの番号とを関連付けて格納し、解体後管理において、設備物を解体した後の解体物に貼付された連番テープの識別コードが識別コードリーダによって読み取られ、コンピュータがそれら解体物に貼付された連番テープの識別コードが表す番号に対応する設備物特定識別子からそれら解体物が属する設備物を特定するから、連番テープに表示された識別コードを利用することで、複数の解体物が属する設備物を各解体物毎に特定することができ、設備物の解体後にそれら解体物が属していた設備物を追跡かつ把握することができる。解体物管理システムは、建造物に設備された設備物が細かく解体されて複数の解体物が発生したとしても、それら解体物に貼付された連番テープの識別コードを介してそれら解体物の解体前の設備物を確実に特定することができるから、所定の設備物を解体した解体物がその設備物の解体物群からはぐれたり、所定の設備物を解体した解体物が他の設備物の解体物として紛れ込んだとしても、その解体物の解体前の設備物を明らかにすることができ、解体物の帰属不明を防ぐことができる。
【0022】
少なくとも1つの識別コードが解体物に貼付された連番テープに読み取り可能に残存している解体物管理システムは、少なくとも1つの読み取り可能なバーコードが解体物に残存していることで、その識別コードから解体物が属する設備物を特定することができ、設備物の解体後に各解体物が属していた設備物を確実に追跡かつ把握することができる。
【0023】
設備物の属性が設備物特定識別子に関連付けられた状態でコンピュータに格納され、解体後管理において解体物が属する設備物の属性が出力される体物管理システムは、解体物が属する設備物を解体後に追跡かつ把握することができる他、設備物の解体後にであっても、解体物が属するその設備物の属性を各解体物毎に把握することができるから、解体物を各設備物毎であって属性毎に区分して管理することができる。
【0024】
各種複数の色によって区分された複数種類の連番テープを利用し、設備物の属性が連番テープの色によって認識可能な解体物管理システムは、解体物が属する設備物を解体後に追跡かつ把握することができる他、設備物の解体後にであっても、連番テープの色によって解体物が属する設備物の属性を各解体物毎に把握することができるから、連番テープを利用することで、解体物を設備物毎であって属性毎に区分して管理することができる。
【0025】
色彩の濃淡によって区別された複数種類の連番テープが利用され、設備物の属性が連番テープの色彩の濃淡によって認識可能な解体物管理システムは、解体物が属する設備物を解体後に追跡かつ把握することができる他、設備物の解体後にであっても、連番テープの色彩の濃淡によって解体物が属する設備物の属性を各解体物毎に把握することができるから、連番テープを利用することで、解体物を設備物毎であって属性毎に区分して管理することができる。
【0026】
各種複数の形によって区別された複数種類の連番テープを利用し、設備物の属性が連番テープの形によって認識可能な解体物管理システムは、解体物が属する設備物を解体後に追跡かつ把握することができる他、設備物の解体後にであっても、連番テープの形によって解体物が属する設備物の属性を各解体物毎に把握することができるから、連番テープを利用することで、解体物を設備物毎であって属性毎に区分して管理することができる。
【0027】
各種複数の記号によって区別された複数種類の連番テープを利用し、設備物の属性が連番テープに表示された記号によって認識可能な解体物管理システムは、解体物が属する設備物を解体後に追跡かつ把握することができる他、設備物の解体後にであっても、連番テープに表示された記号によって解体物が属する設備物の属性を各解体物毎に把握することができるから、連番テープを利用することで、解体物を設備物毎であって属性毎に区分して管理することができる。
【0028】
建造物が原子力関連施設である解体物管理システムは、連番テープに表示された識別コードを利用することで、複数の解体物が属する原子力関連施設の設備物を各解体物毎に特定することができ、設備物の解体後にそれら解体物が属していた原子力関連施設の設備物を追跡かつ把握することができる。解体物管理システムは、原子力関連施設に設備された設備物が細かく解体されて複数の解体物が発生したとしても、それら解体物に貼付された連番テープの識別コードを介してそれら解体物の解体前の設備物を確実に特定することができるから、ある原子力関連施設の設備物を解体した解体物がその原子力関連施設の設備物の解体物群からはぐれたり、ある原子力関連施設の設備物を解体した解体物が他の原子力関連施設の設備物の解体物として紛れ込んだとしても、その解体物の解体前の設備物を明らかにすることができ、解体物の帰属不明を防ぐことができる。原子力関連施設における解体作業では、放射能汚染を厳格に防ぐ目的から、複数の解体物が属する設備物の属性が解体後に追跡可能かつ把握可能であることが要求され、解体後のそれら解体物の属性毎の管理が要求されるが、この解体物管理システムは、原子力関連施設の解体に要求されるそのような条件を満足させることができる。
【0029】
設備物の属性が原子力関連施設におけるそれら設備物の放射性物質による汚染レベルである解体物管理システムは、連番テープに表示された識別コードを利用することで、解体物が属する設備物を解体後に追跡かつ把握することができる他、各解体物の放射性物質の汚染レベルを各解体物毎に管理することができ、解体物を介した放射能汚染を未然に防ぐことができる。解体物管理システムは、連番テープの色や濃淡、形、記号を利用することで、設備物の放射性物質による汚染レベルを各解体物毎に把握することができ、各解体物をそれらの汚染レベルに基づいて管理することができる。
【0030】
設備物の属性が原子力関連施設におけるそれら設備物の危険性である解体物管理システムは、連番テープに表示された識別コードを利用することで、解体物が属する設備物を解体後に追跡かつ把握することができる他、各解体物が属する設備物の危険性を各解体物毎に管理することができ、解体物が属する設備物の危険性の不明を未然に防ぐことができる。解体物管理システムは、連番テープの色や濃淡、形、記号を利用することで、各解体物が属する設備物の危険性を各解体物毎に把握することができ、各解体物をそれらが属する設備物の危険性の高低に基づいて管理することができる。
【0031】
設備物の属性が原子力関連施設におけるそれら設備物の材質および系統である解体物管理システムは、連番テープに表示された識別コードを利用することで、解体物が属する設備物を解体後に追跡かつ把握することができる他、各解体物が属する設備物の材質および系統を各解体物毎に管理することができ、解体物が属する設備物の材質および系統の不明を未然に防ぐことができる。解体物管理システムは、連番テープの色や濃淡、形、記号を利用することで、各解体物が属する設備物の材質および系統を各解体物毎に把握することができ、各解体物をそれらが属する設備物の材質および系統に基づいて管理することができる。
【0032】
設備物の属性が原子力関連施設におけるそれら設備物の特定情報および解体日時である解体物管理システムは、連番テープに表示された識別コードを利用することで、解体物が属する設備物を解体後に追跡かつ把握することができる他、各解体物が属する設備物の特定情報および解体日時を各解体物毎に管理することができ、解体物が属する設備物の特定情報および解体日時の不明を未然に防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】一例として示す解体物管理システムの概略構成図。
【図2】連番テープの一例を示す図。
【図3】鉄筋鉄骨コンクリート建築物に設備されたテーブルの斜視図。
【図4】鉄筋鉄骨コンクリート建築物に設備されたロッカーの斜視図
【図5】テーブルの解体作業の一例を示す図。
【図6】ロッカーの解体作業の一例を示す図。
【図7】テーブルを解体した後の解体物を示す図。
【図8】ロッカーを解体した後の解体物を示す図。
【図9】原子力発電所の一例を示す図。
【図10】原子力発電所の解体に利用される連番テープの一例を示す図。
【図11】連番テープの他の一例を示す図。
【図12】連番テープの他の一例を示す図。
【図13】図10に示す連番テープが貼付されたドアの斜視図。
【図14】各ドアの解体作業の一例を示す図。
【図15】各ドアを解体した後の解体物を示す図。
【図16】図11に示す連番テープが貼付された照明装置の斜視図。
【図17】各照明装置の解体作業の一例を示す図。
【図18】各照明装置を解体した後の解体物を示す図。
【図19】図12に示す連番テープが貼付されたダクトの斜視図。
【図20】各ダクトの解体作業の一例を示す図。
【図21】各ダクトを解体した後の解体物を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0034】
一例として示す解体物管理システムの概略構成図である図1等の添付の図面を参照し、本発明にかかる解体物管理システムの詳細を説明すると、以下のとおりである。なお、図2は、連番テープ11の一例を示す図である。解体物管理システム10は、連番テープ11とバーコードリーダ12(識別コードリーダ)とコンピュータ13とから形成されている。解体物管理システム10は、連番テープ11やバーコードリーダ12、コンピュータ13を利用し、建造物に設備された各種の設備物の解体前管理を実行するとともに、設備物を解体した後の解体後管理を実行する。
【0035】
解体用の連番テープ11は、図1に示すように、その平面形状が細長い帯であり、その帯を巻き取った巻物状に加工されている。連番テープ11の表面には、連続する無制限の番号(たとえば、1,2,3・・・nの連続番号があるが、偶数2,4,6・・・nの連続番号や奇数1,3,5・・・nの連続番号等であってもよい)を表す複数のバーコード14(識別コード)が表示(印刷)されている。それらバーコード14は、連結テープ11の長さ方向(一方向)へ等間隔離間した状態で連続して一列に並んでいる。連番テープ11は、合成樹脂シートまたは紙シート若しくは合成樹脂シートと紙シートとの複合シートから作られ、その裏面に粘着材(図示せず)が塗布されている。なお、その粘着材が剥離紙(図示せず)によって被覆・保護されていてもよい。
【0036】
図2には、バーコードとして、一次元バーコード14を図示しているが、一次元バーコード14の他に、QRコードやベリコード、マキシコード等のマトリックス式の二次元バーコードを使用することもでき、Code49やCode16K、Codablock、SuperCode等のスタック式の二次元バーコードを使用することもできる。また、カメレオンコードを使用することもできる。なお、バーコードの他に、デジタルマーク(識別コード)やカラーマーク(識別コード)を使用することもできる。デジタルマークを使用する場合は、バーコードリーダ12に代えて、デジタルマークを読み取るデジタルマークリーダを使用し、カラーマークを使用する場合は、バーコードリーダ12に代えて、カラーマークを読み取るカラーマークリーダを使用する。
【0037】
バーコードリーダ12は、インターフェイス(有線または無線)を介してコンピュータ13に接続されている。図1には3台のバーコードリーダ12が図示されているが、バーコードリーダ12の台数に特に限定はなく、バーコードリーダ12が1台または4台以上であってもよい。なお、各バーコードリーダ12には、プライベートIPアドレスやMACアドレスが設定されており、それらアドレス情報に基づいて各バーコードリーダ12を個別に特定することができる。
【0038】
バーコードリーダ12は、連番テープ11に表示されたバーコード14を読み取り、読み取ったバーコード14が表すデータをデジタル信号としてコンピュータ13に転送する。なお、図示はしていないが、各バーコードリーダ12には、テンキーユニットやディスプレイが附属している。テンキーユニットを利用し、バーコードリーダ12からコンピュータ13に必要なデータを送信することができ、ディスプレイを利用し、バーコードリーダ12からコンピュータ13に送信するデータを表示、確認することができるとともに、コンピュータ13からのメッセージを表示、確認することができる。
【0039】
コンピュータ13は、中央処理部(CPUまたはMPU)とメモリ(記憶部)とを有し、大容量ハードディスクを内蔵している。図1には3台のコンピュータ13(携帯用ノート型コンピュータ)が図示されているが、コンピュータ13の台数に特に限定はなく、コンピュータ13が1台または4台以上であってもよい。解体前管理において各コンピュータ13の1台に各バーコードリーダ12の1台以上を接続してバーコード14の読み取り作業やデータの格納作業が行われる。なお、コンピュータ13には、プライベートIPアドレスやMACアドレスが設定されており、それらアドレス情報に基づいて各コンピュータ13を個別に特定することができる。コンピュータ13には、通信ポートが内蔵され、キーボード15やマウス16等の入力装置、ディスプレイ17やプリンタ(図示せず)等の出力装置がインターフェイスを介して接続されている。
【0040】
コンピュータ13は、ホスト名とそのホスト名に割り当てるIPアドレスとの対応付けを設定するDNSサーバ機能、ホームページを公開するために必要なWebサーバ機能、他のコンピュータや他のサーバからの要求を受け付けて各種情報を読み書きする機能を提供するデータベースサーバ機能、電子メールの送受信用のメールサーバ機能、作成された文章や画像等のデータをすべて保存してそれらのデータを検索可能にするドキュメントサーバ機能等を有する。各コンピュータ13は、インターネットに接続可能であり、ネットワーク間において各種データを送受信可能である。ネットワーク内では、コンピュータ13どうしで各種データを送受信可能である。
【0041】
コンピュータ13には、バーコードリーダ12のアドレス情報やバーコードリーダ12が読み取ったバーコード14が表すデータがデジタルデータとして入力される。コンピュータ13のメモリには、解体物管理アプリケーションが格納されている。コンピュータ13の中央処理部は、オペレーティングシステムによる制御に基づいて、メモリに格納された解体物管理アプリケーションを起動し、そのアプリケーションに従って後記する各手段を実行する。
【0042】
図3は、鉄筋鉄骨コンクリート建築物に設備されたテーブル18の斜視図であり、図4は、鉄筋鉄骨コンクリート建築物に設備されたロッカー19の斜視図である。図5は、テーブル18の解体作業の一例を示す図であり、図6は、ロッカー19の解体作業の一例を示す図である。図3では、テーブル18に連番テープ11が貼付され、そのテープ11のバーコード14がバーコードリーダ12によって読み取られている。図4では、ロッカー19に連番テープ11が貼付され、そのテープのバーコード14がバーコードリーダ12によって読み取られている。解体対象の建造物には、建築物や乗物等の人工的に作られたあらゆる物が含まれる。図3,4では、建造物の設備物としてテーブル18、ロッカー19を例示しているが、設備物をそれらに限定するものではなく、建造物に設備される他のあらゆる設備物が含まれる。
【0043】
この解体管理システム10を利用しつつ、鉄筋鉄骨コンクリート建築物(建造物)(図示せず)に設備されたテーブル18(設備物)やロッカー19(設備物)を解体する手順を説明すると、以下のとおりである。最初に、鉄筋鉄骨コンクリート建築物に設備された解体対象の設備物(テーブル18、ロッカー19)を区分けする。解体対象の設備物を区分けした後、その設備物に連番テープ11を貼付する。具体的には、図3に示すように、テーブル18に連番テープ11をランダムに貼付し、図4に示すように、ロッカー19に連番テープ11をランダムに貼付する。
【0044】
連番テープ11のテーブル18やロッカー19に対する貼付箇所や貼付長さに特に限定はなく、設備物や解体物の大きさ、解体数等を参酌し、テーブル18やロッカー19の任意の箇所に貼付するとともに、テーブル18やロッカー19に任意の長さを貼付することができる。また、テーブル18やロッカー19に貼付する連番テープ11に表示されたバーコード14の数に特に限定はなく、任意の数のバーコード14を貼付することができる。
【0045】
連番テープ11をテーブル18に貼付した後、図3に示すように、テープ11に表示されたバーコード14のうち、先頭に位置するバーコード14をバーコードリーダ12によって読み取るとともに、最後尾に位置するバーコード14をバーコードリーダ12によって読み取る。なお、先頭に位置するバーコード14と最後尾に位置するバーコード14との間に並ぶ中間のバーコード14は読み取らない。
【0046】
さらに、バーコードリーダ12のテンキーユニットまたはコンピュータ13のキーボード15やマウス16を利用し、鉄筋鉄骨コンクリート建築物(名称)を入力するとともに(ディスプレイ17に表示された建造物表示のプルダウンリストから鉄筋鉄骨コンクリート建築物を選択することもできる)、テーブル(名称)を入力する(ディスプレイ17に表示された設備物表示のプルダウンリストからテーブルを選択することもできる)。
【0047】
バーコードリーダ12のテンキーユニットまたはコンピュータ13のキーボード15やマウス16を利用し、鉄筋鉄骨コンクリート建築物の特定情報(名称、住所、地図、写真、電話番号、URL等)、解体日時(年月日、時間)、用途、建物容積等の属性を入力するとともに(建造物属性入力)、テーブル18の特定情報(テーブル名、1階ショールームの1番テーブル、2階事務室の3番テーブル等)、解体日時(年月日、時間)、材質(木製、コンクリート製、モルタル製、金属製等)、強度等の属性を入力する(設備物属性入力)。なお、入力可能な建造物の属性に特に限定はなく、例示の属性に限らず、建造物の物性や性状等の他のあらゆる属性を入力することができる。また、入力可能な設備物の属性に特に限定はなく、例示の属性に限らず、設備物の物性や性状等の他のあらゆる属性を入力することができる。
【0048】
バーコードリーダ12は、読み取ったバーコード14が表すデータ(先頭番号データ、最後尾番号データ)、鉄筋鉄骨コンクリート建築物を表す建造物データ、鉄筋鉄骨コンクリート建築物の建造物属性データ、テーブル18を表す設備物データ、テーブル18の設備物属性データをデジタルデータに変換し、それらデータをコンピュータ13に転送する。コンピュータ13の中央処理部は、バーコードリーダ12からそれらデータを受け取ると、その鉄筋鉄骨コンクリート建築物(建造物)を特定する建造物特定識別番号(建造物特定識別子)を生成するとともに、そのテーブル18(設備物)を特定する設備物特定識別番号(設備物特定識別子)を生成する。
【0049】
それら識別番号を生成した後、コンピュータ13の中央処理部は、建造物特定識別番号に設備物特定識別番号を関連付けるとともに、バーコードリーダ12から転送された先頭番号から最後尾番号までの番号データ(たとえば、先頭番号が0001、最後尾番号が0020の場合、0001〜0020までの番号)を建造物特定識別番号と設備物特定識別番号とに関連付ける。さらに、転送された建造物属性データを建造物特定識別番号と設備物特定識別番号とに関連付けるとともに、転送された設備物属性データを設備物特定識別番号に関連付ける。それらの関連づけが完了した後、中央処理部は、建造物特定識別番号、設備物特定識別番号、番号データ、建築物の建造物属性データ、テーブル18の設備物属性データをハードディスクに格納する(設備物格納手段)。バーコードリーダ12やコンピュータ13のディスプレイ17には、建築物→テーブル18のデータ格納完了メッセージが表示される。
【0050】
建築物→テーブル18のデータ格納完了メッセージを確認した後、そのテーブル18の解体作業を行う。解体作業では、図5に示すように、テーブル18を細かく解体し、テーブル18を複数個の解体物20に分解する。解体されたテーブル18の解体物20には連番テープ11が残存しており、そのテープ11に表示されたバーコード14が1つの場合、2つの場合、3つの場合等がある。なお、テーブル18のそれら解体物20に貼付された連番テープ11には、少なくとも1つのバーコード14が読み取り可能に残存している必要がある。
【0051】
連番テープ11をロッカー19に貼付した後、図4に示すように、テープ11に表示されたバーコード14のうち、先頭に位置するバーコード14をバーコードリーダ12によって読み取るとともに、最後尾に位置するバーコード14をバーコードリーダ12によって読み取る。さらに、バーコードリーダ12のテンキーユニットまたはコンピュータ13のキーボード15やマウス16を利用し、鉄筋鉄骨コンクリート建築物(名称)を入力するとともに、ロッカー(名称)を入力する(ディスプレイ17に表示された設備物表示のプルダウンリストからロッカーを選択することもできる)。
【0052】
バーコードリーダ12のテンキーユニットまたはコンピュータ13のキーボード15やマウス16を利用し、鉄筋鉄骨コンクリート建築物の特定情報(名称、住所、地図、電話番号、URL等)、解体日時(年月日、時間)、用途、建物容積等の属性を入力するとともに(建造物属性入力)、ロッカー19の特定情報(ロッカー名、3階作業室、4階会議室等)、解体日時(年月日、時間)、材質(木製、コンクリート製、モルタル製、金属製等)、強度を入力する(設備物属性入力)。
【0053】
バーコードリーダ12は、読み取ったバーコード14が表すデータ(先頭番号データ、最後尾番号データ)、鉄筋鉄骨コンクリート建築物を表す建造物データ、鉄筋鉄骨コンクリート建築物の建造物属性データ、ロッカー19を表す設備物データ、ロッカー19の設備物属性データをデジタルデータに変換し、それらデータをコンピュータ13に転送する。コンピュータ13の中央処理部は、バーコードリーダ12からそれらデータを受け取ると、そのロッカー19(設備物)を特定する設備物特定識別番号(設備物特定識別子)を生成する。
【0054】
設備物特定識別番号を生成した後、コンピュータ13の中央処理部は、テーブル18の解体において生成した建造物特定識別番号に設備物特定識別番号を関連付けるとともに、バーコードリーダ12から転送された先頭番号から最後尾番号までの番号データ(たとえば、先頭番号が0050、最後尾番号が0080の場合、0050〜0080までの番号)を建造物特定識別番号と設備物特定識別番号とに関連付ける。さらに、転送された建造物属性データを建造物特定識別番号と設備物特定識別番号とに関連付けるとともに、転送された設備物属性データを設備物特定識別番号に関連付ける。それらの関連づけが完了した後、中央処理部は、建造物特定識別番号、設備物特定識別番号、番号データ、建築物の建造物属性データ、ロッカー19の設備物属性データをハードディスクに格納する(設備物格納手段)。バーコードリーダ12やコンピュータ13のディスプレイ17には、建築物→設備19のデータ格納完了メッセージが表示される。
【0055】
建築物→ロッカー19のデータ格納完了メッセージを確認した後、ロッカー19の解体作業を行う。解体作業では、図6に示すように、ロッカー19を細かく解体し、ロッカー19を複数個の解体物21に分解する。解体されたロッカー19の解体物21には連番テープ11が残存しており、そのテープ11に表示されたバーコード14が1つの場合、2つの場合、3つの場合等がある。なお、ロッカー19のそれら解体物21に貼付された連番テープ11には、少なくとも1つのバーコード14が読み取り可能に残存している必要がある。
【0056】
図7は、テーブル18を解体した後の解体物20を示す図であり、図8は、ロッカー19を解体した後の解体物21を示す図である。図7では、テーブル18の解体物20を1つだけ示し、他の解体物の図示を省略している。図8では、ロッカー19の解体物21を1つだけ示し、他の解体物の図示を省略している。図7,8では、それら解体物20,21に貼付された連番テープ11のバーコード14がバーコードリーダ12によって読み取られている。
【0057】
テーブル18を解体した解体物20は、廃棄処分されるが、廃棄処分前や廃棄処分時、廃棄処分後に、バーコードリーダ12を利用して解体物20(テーブル18の解体物20)に貼付された連番テープ11のバーコード14を読み取ることで、その解体物20が解体される以前の建造物(鉄筋鉄骨コンクリート建築物)および設備物(テーブル18)、その鉄筋鉄骨コンクリート建築物およびそのテーブル18の各属性を確認することができる。
【0058】
解体物20の連番テープ11のバーコード14を読み取ると、そのバーコード14が表す番号データがバーコードリーダ12からコンピュータ13に転送される。コンピュータ13は、バーコードリーダ12から転送された番号データ(たとえば、0005)とハードディスクに格納された番号データ(0001〜0020)とを比較し、解体物20がテーブル18の解体物20であると判断する(設備物特定手段)。
【0059】
コンピュータ13は、テーブル18の設備物特定識別番号に対応する建造物特定識別番号を特定し、その建造物特定識別番号に対応する鉄筋鉄骨コンクリート建築物を特定する。さらに、建造物特定識別番号と設備物特定識別番号とに対応する建造物属性データを特定し、設備物特定識別番号に対応する設備物属性データを特定する。そのテーブル18が設備されていた鉄筋鉄骨コンクリート建築物の属性データ(特定情報、解体日時、用途、建物容積時等)、そのテーブル18の属性データ(特定情報、解体日時、材質、強度等)をハードディスクから取り出し、鉄筋鉄骨コンクリート建築物・テーブル18をディスプレイ17に表示するとともに、それら属性データや番号データをディスプレイ17に表示する。ディスプレイ17に表示された各データは、プリンタから出力することができる。
【0060】
ロッカー19を解体した解体物21は、廃棄処分されるが、廃棄処分前や廃棄処分時、廃棄処分後に、バーコードリーダ12を利用して解体物21(ロッカー19の解体物21)に貼付された連番テープ11のバーコード14を読み取ることで、その解体物21が解体される以前の建造物(鉄筋鉄骨コンクリート建築物)および設備物(ロッカー19)、その鉄筋鉄骨コンクリート建築物およびそのロッカー19の属性等を確認することができる。
【0061】
解体物21の連番テープ11のバーコード14を読み取ると、そのバーコード14が表す番号データがバーコードリーダ12からコンピュータ13に転送される。コンピュータ13は、バーコードリーダ12から転送された番号データ(たとえば、0065)とハードディスクに格納された番号データ(0050〜0080)とを比較し、解体物21がロッカー19の解体物21であると判断する(設備物特定手段)。
【0062】
コンピュータ13は、ロッカー19の設備物特定識別番号に対応する建造物特定識別番号を特定し、その建造物特定識別番号に対応する鉄筋鉄骨コンクリート建築物を特定する。さらに、建造物特定識別番号と設備物特定識別番号とに対応する建造物属性データを特定し、設備物特定識別番号に対応する設備物属性データを特定する。そのロッカー19が設備されていた鉄筋鉄骨コンクリート建築物の属性データ(特定情報、解体日時、用途、建物容積等)、そのロッカー19の属性データ(特定情報、解体日時、材質、強度等)をハードディスクから取り出し、鉄筋鉄骨コンクリート建築物・ロッカー19をディスプレイ17に表示するとともに、それら属性データや番号データをディスプレイ17に表示する。ディスプレイ17に表示された各データは、プリンタから出力することができる。
【0063】
解体物管理システム10は、解体前管理において、連番テープ11がテーブル18やロッカー19(設備物)に貼付され、テーブル18やロッカー19に貼付されたテープ11のバーコード14が表す番号のうちの先頭番号と最後尾番号とがバーコードリーダ12によって読み取られ、コンピュータ13がテーブル18やロッカー19を特定する設備物特定識別番号と先頭番号から最後尾番号までの番号とを関連付けて格納し、解体後管理において、テーブル18やロッカー19を解体した後の複数の解体物20,21に貼付された連番テープ11のバーコード14がバーコードリーダ12によって読み取られ、コンピュータ13がそれら解体物20,21に貼付されたテープ11のバーコード14が表す番号に対応する設備物特定識別番号からそれら解体物20,21が属するテーブル18やロッカー19を特定するとともに、テーブル18やロッカー19が属する鉄筋鉄骨コンクリート建築物を特定するから、連番テープ11に表示されたバーコード14を利用することで、複数の解体物20,21が属する建造物や設備物を各解体物20,21毎に特定することができ、テーブル18やロッカー19の解体後にそれら解体物20,21が属していた建造物や設備物(テーブル18やロッカー19)を追跡かつ把握することができる。
【0064】
解体物管理システム10は、鉄筋鉄骨コンクリート建築物を構成するテーブル18やロッカー19が細かく解体されて複数の解体物20,21が発生したとしても、それら解体物20,21に貼付された連番テープ11のバーコード14を介してそれら解体物20,21の解体前の設備物(テーブル18やロッカー19)を各解体物20,21毎に確実に特定することができる。解体物管理システム10は、連番テープ11のバーコード14を利用してそれら解体物20,21の解体前の設備物を特定することができるから、テーブル18やロッカー19を解体した解体物20,21がその設備物の解体物群からはぐれたり、テーブル18やロッカー19を解体した解体物20,21が他の設備物の解体物として紛れ込んだとしても、それら解体物20,21の解体前の設備物を明らかにすることができ、解体物20,21の帰属不明を防ぐことができる。
【0065】
解体物管理システム10は、鉄筋鉄骨コンクリート建築物の属性が建造物特定識別番号に関連付けられた状態でコンピュータ13に格納され、テーブル18やロッカー19の属性が設備物特定識別番号に関連付けられた状態でコンピュータ13に格納されているから、テーブル18やロッカー19の解体後であっても連番テープ11のバーコード14を利用して解体物20,21が属する建造物や設備物の属性を各解体物20,21毎に把握することができ、解体物20,21を各建造物毎であって属性毎に区分して管理することができるとともに、解体物20,21を各設備物毎であって属性毎に区分して管理することができる。
【0066】
図9は、解体物管理システム10を利用して解体される原子力発電所22の一例を示す図である。連番テープ11とバーコードリーダ12とコンピュータ13とから形成された図1に示す解体物管理システム10は、原子力発電所22(建造物)の解体に有効に利用することができる。なお、システム10は、原子力発電所22のみならず、他の原子力関連施設(建造物)の解体にも有効に利用することができる。他の原子力関連施設には、中間貯蔵施設、再処理工場、MOX燃料工場、高速増殖炉、高速増殖炉用燃料工場、高速増殖炉用再処理工場、高レベル放射性廃棄物最終処分施設等がある。
【0067】
原子力発電所22は、中央制御室23、タービン建屋24、原子炉建屋25から形成されている。原子力発電所22の解体では、放射能漏れや放射能汚染を厳格に防ぐ目的から、その解体物が厳しく管理されるとともに、解体物が属する解体前の設備物を解体後に追跡かつ把握可能であることが要求される。さらに、解体物が属する設備物の属性が解体後に追跡かつ把握可能であることが要求され、解体物の属性毎の管理が要求される。
【0068】
図10は、原子力発電所22の解体に利用される連番テープ11(a)〜11(b)の一例を示す図であり、図11は、連番テープ11(d)〜11(f)の他の一例を示す図である。図12は、連番テープ11(g)〜11(i)の他の一例を示す図である。それら図に示す連番テープ11(a)〜11(i)は、各種複数の色、色彩(有彩色および無彩色)の各種複数の濃淡、各種複数の形、各種複数の記号によって区分されている。それらテープ11(a)〜11(i)は、その色が原子力発電所22の設備物の各種の属性に対応し、その色彩の濃淡が設備物の各種の属性に対応するとともに、その形が設備物の各種の属性に対応し、その記号が設備物の各種の属性に対応している。
【0069】
連番テープ11(a)〜11(i)は、図示はしていないが、図1と同様に、その平面形状が細長い帯に成型され、その帯を巻き取った巻物状に加工されている。それらテープ11(a)〜11(i)の表面には、連続する無制限の番号を表す複数のバーコード14が表示(印刷)されている。テープ11(a)〜11(i)は、合成樹脂シートまたは紙シート若しくは合成樹脂シートと紙シートとの複合シートから作られ、その裏面に粘着剤が塗布されている。
【0070】
連番テープ11(a)〜11(i)の色に対応する原子力発電所22の設備物の属性には、設備物の放射性物質による汚染レベル、設備物の名称、設備物の材質、設備物の危険性等があるが、連番テープ11(a)〜11(i)の色に対応する設備物の属性に特に限定はなく、属性を自由に設定することができる。テープ11(a)〜11(i)の色にも特に限定はなく、目視可能かつ識別可能な全ての色が含まれる。
【0071】
テープ11(a)〜11(i)の色彩の濃淡に対応する設備物の属性には、設備物の放射性物質による汚染レベル、設備物の名称、設備物の材質、設備物の危険性等があるが、連番テープ11(a)〜11(i)の色彩の濃淡に対応する設備物の属性に特に限定はなく、属性を自由に設定することができる。テープ11(a)〜11(i)の色彩の濃淡にも特に限定はなく、テープ11(a)〜11(i)の色彩の濃淡を自由に設定することができる。
【0072】
テープ11(a)〜11(i)の形に対応する設備物の属性には、設備物の放射性物質による汚染レベル、設備物の名称、設備物の材質、設備物の危険性等があるが、連番テープ11(a)〜11(i)の形に対応する設備物の属性に特に限定はなく、属性を自由に設定することができる。テープ11(a)〜11(i)の形にも特に限定はなく、テープ11(a)〜11(i)の形を自由に設定することができる。
【0073】
テープ11(a)〜11(i)の記号に対応する設備物の属性には、設備物の放射性物質による汚染レベル、設備物の名称、設備物の材質、設備物の危険性等があるが、連番テープ11(a)〜11(i)の形に対応する設備物の属性に特に限定はなく、属性を自由に設定することができる。テープ11(a)〜11(i)の記号にも特に限定はなく、テープ11(a)〜11(i)の記号を自由に設定することができる。
【0074】
図10に示す連番テープ11(a)〜11(c)のうちの(a)のテープ11(a)は、長さ方向へ円弧を画くように起伏する形であり、1番薄い青色に着色され、記号(A)が表示されている。テープ11(a)は、その一例として、中央制御室23の設備物であるドア26の解体に利用され、ドア26の属性の一例として、名称(ドア)(たとえば、テープの形が名称を表す。)、材質(木製)(たとえば、テープの色が材質を表す。)、放射性物質の汚染レベル(低)(たとえば、テープの色彩の濃淡が放射性物質の汚染レベルを表す。)、危険性(小)(たとえば、テープの記号が危険性を表す。)を表す。
【0075】
図10の(a)のテープ11(a)に表示されたバーコード14には、番号データを表すコードのみならず、テープ11(a)の色を表すコード、テープ11(a)の色彩の濃淡を表すコード、テープ11(a)の形を表すコード、テープ11(a)の記号を表すコードが含まれている(ただし、バーコード14にそれらのコードが含まれていない場合もある。)。コンピュータ13のハードディスクには、複数の原子力発電所の原子力発電所コードとそれらコードに対応する複数の建造物特定識別番号(建造物特定識別子)とが格納され、中央制御室コードやタービン建屋コード、原子炉建屋コード等とそれらコードに対応する複数の建造物特定識別番号(建造物特定識別子)とが格納されている。
【0076】
コンピュータ13のハードディスクには、テープ11(a)の色を表すコードデータ、テープ11(a)の色彩の濃淡を表すコードデータ、テープ11(a)の形を表すコードデータ、テープ11(a)の記号を表すコードデータ、中央制御室23のドア26の前記属性データ(名称(ドア)、材質(木製)、放射性物質の汚染レベル(低)、危険性(小))が互いに関連付けられた状態で格納されている。
【0077】
図10に示す連番テープ11(a)〜11(c)のうちの(b)のテープ11(b)は、長さ方向へ円弧を画くように起伏する形であり、2番目に濃い青色に着色され、記号(B)が表示されている。テープ11(b)は、その一例として、タービン建屋24の設備物であるドア27の解体に利用され、ドア27の属性の一例として、名称(ドア)、材質(木製)、放射性物質の汚染レベル(中)、危険性(中)を表す。
【0078】
図10の(b)のテープ11(b)に表示されたバーコード14には、番号データを表すコードのみならず、テープ11(b)の色を表すコード、テープ11(b)の色彩の濃淡を表すコード、テープ11(b)の形を表すコード、テープ11(b)の記号を表すコードが含まれている(ただし、バーコード14にそれらのコードが含まれていない場合もある。)。コンピュータ13のハードディスクには、テープ11(b)の色を表すコードデータ、テープ11(b)の色彩の濃淡を表すコード、テープ11(b)の形を表すコードデータ、テープ11(b)の記号を表すコードデータ、タービン建屋24のドア27の前記属性データ(名称(ドア)、材質(木製)、放射性物質の汚染レベル(中)、解体危険性(中))が互いに関連付けられた状態で格納されている。
【0079】
図10に示す連番テープ11(a)〜11(c)のうちの(c)のテープ11(c)は、長さ方向へ円弧を画くように起伏する形であり、1番濃い青色に着色され、記号(C)が表示されている。テープ11(c)は、その一例として、原子炉建屋25の設備物であるドア28の解体に利用され、ドア28の属性の一例として、名称(ドア)、材質(木製)、放射性物質の汚染レベル(高)、危険性(高)を表す。
【0080】
図10の(c)のテープ11(c)に表示されたバーコード14には、番号データを表すコードのみならず、テープ11(c)の色を表すコード、テープ11(c)の色彩の濃淡を表すコード、テープ11(c)の形を表すコード、テープ11(c)の記号を表すコードが含まれている(ただし、バーコード14にそれらのコードが含まれていない場合もある。)。コンピュータ13のハードディスクには、テープ11(c)の色を表すコードデータ、テープ11(c)の色彩の濃淡を表すコードデータ、テープ11(c)の形を表すコードデータ、テープ11(c)の記号を表すコードデータ、原子炉建屋25のドア28の前記属性データ(名称(ドア)、材質(木製)、放射性物質の汚染レベル(高)、解体危険度(高))が互いに関連付けられた状態で格納されている。
【0081】
図11に示す連番テープ11(d)〜11(f)のうちの(a)のテープ11(d)は、長さ方向へ複数の三角形を画く形であり、1番薄い黄色に着色され、記号(A)が表示されている。図11の(a)のテープ11(d)は、その一例として、中央制御室23の設備物である照明器具29の解体に利用され、照明器具29の属性の一例として、名称(照明器具)(たとえば、テープの形が名称を表す。)、材質(合成樹脂製)(たとえば、テープの色が材質を表す。)、放射性物質の汚染レベル(低)(たとえば、テープの色彩の濃淡が放射性物質の汚染レベルを表す。)、危険性(小)(たとえば、テープの記号が危険性を表す。)を表す。
【0082】
図11の(a)のテープ11(d)に表示されたバーコード14には、番号データを表すコードのみならず、テープ11(d)の色を表すコード、テープ11(d)の色彩の濃淡を表すコード、テープ11(d)の形を表すコード、テープ11(d)の記号を表すコードが含まれている(ただし、バーコード14にそれらのコードが含まれていない場合もある。)。コンピュータ13のハードディスクには、テープ11(d)の色を表すコードデータ、テープ11(d)の色彩の濃淡を表すコードデータ、テープ11(d)の形を表すコードデータ、テープ11(d)の記号を表すコードデータ、中央制御室23の照明器具29の前記属性データ(名称(照明器具)、材質(合成樹脂製)、放射性物質の汚染レベル(低)、危険性(小))が互いに関連付けられた状態で格納されている。
【0083】
図11に示す連番テープ11(d)〜11(f)のうちの(b)のテープ11(e)は、長さ方向へ複数の三角形を画く形であり、2番目に濃い黄色に着色され、記号(B)が表示されている。テープ11(e)は、その一例として、タービン建屋24の設備物である照明器具30の解体に利用され、照明器具30の属性の一例として、名称(照明器具)、材質(合成樹脂製)、放射性物質の汚染レベル(中)、危険性(中)を表す。
【0084】
図11の(b)のテープ11(e)に表示されたバーコード14には、番号データを表すコードのみならず、テープ11(e)の色を表すコード、テープ11(e)の色彩の濃淡を表すコード、テープ11(e)の形を表すコード、テープ11(e)の記号を表すコードが含まれている(ただし、バーコード14にそれらのコードが含まれていない場合もある。)。コンピュータ13のハードディスクには、テープ11(e)の色を表すコードデータ、テープ11(e)の色彩の濃淡を表すコードデータ、テープ11(e)の形を表すコードデータ、テープ11(e)の記号を表すコードデータ、タービン建屋24の照明器具30の前記属性データ(名称(照明器具)、材質(合成樹脂製)、放射性物質の汚染レベル(中)、危険性(中))が互いに関連付けられた状態で格納されている。
【0085】
図11に示す連番テープ11(d)〜11(f)のうちの(c)のテープ11(f)は、長さ方向へ複数の三角形を画く形であり、1番濃い黄色に着色され、記号(C)が表示されている。テープ11(f)は、その一例として、原子炉建屋25の設備物である照明器具31の解体に利用され、照明器具31の属性の一例として、名称(柱)、材質(合成樹脂製)、放射性物質の汚染レベル(高)、危険性(高)を表す。
【0086】
図11の(c)のテープ11(f)に表示されたバーコード14には、番号データを表すコードのみならず、テープ11(f)の色を表すコード、テープ11(f)の色彩の濃淡を表すコード、テープ11(f)の形を表すコード、テープ11(f)の記号を表すコードが含まれている(ただし、バーコード14にそれらのコードが含まれていない場合もある。)。コンピュータ13のハードディスクには、テープ11(f)の色を表すコードデータ、テープ11(f)の色彩の濃淡を表すコードデータ、テープ11(f)の形を表すコードデータ、テープ11(f)の記号を表すコードデータ、原子炉建屋25の照明器具31の前記属性データ(名称(照明器具)、材質(合成樹脂製)、放射性物質の汚染レベル(高)、危険性(高))が互いに関連付けられた状態で格納されている。
【0087】
図12に示す連番テープ11(g)〜11(i)のうちの(a)のテープ11(g)は、長さ方向へ複数の四角形を画く形であり、1番薄い赤色に着色され、記号(A)が表示されている。図12の(a)のテープ11(g)は、その一例として、中央制御室23の設備物であるダクト32の解体に利用され、ダクト32の属性の一例として、名称(通気ダクトまたは排気ダクト)(たとえば、テープの形が名称を表す。)、材質(金属)(たとえば、テープの色が材質を表す。)、放射性物質の汚染レベル(低)(たとえば、テープの色彩の濃淡が放射性物質の汚染レベルを表す。)、危険性(小)(たとえば、テープの記号が危険性を表す。)を表す。
【0088】
図12の(a)のテープ11(g)に表示されたバーコード14には、番号データを表すコードのみならず、テープ11(g)の色を表すコード、テープ11(g)の色彩の濃淡を表すコード、テープ11(g)の形を表すコード、テープ11(g)の記号を表すコードが含まれている(ただし、バーコード14にそれらのコードが含まれていない場合もある。)。コンピュータ13のハードディスクには、テープ11(g)の色を表すコードデータ、テープ11(g)の色彩の濃淡を表すコードデータ、テープ11(g)の形を表すコードデータ、テープ11(g)の記号を表すコードデータ、中央制御室23のダクト32の前記属性データ(名称(ダクト)、材質(金属)、放射性物質の汚染レベル(低)、危険性(小))が互いに関連付けられた状態で格納されている。
【0089】
図12に示す連番テープ11(g)〜11(i)のうちの(b)のテープ11(h)は、長さ方向へ複数の四角形を画く形であり、2番目に濃い赤色に着色され、記号(B)が表示されている。テープ11(h)は、その一例として、タービン建屋24の設備物であるダクト33の解体に利用され、ダクト33の属性の一例として、名称(通気ダクトまたは排気ダクト)、材質(金属)、放射性物質の汚染レベル(中)、危険性(中)を表す。
【0090】
図12の(b)のテープ11(h)に表示されたバーコード14には、番号データを表すコードのみならず、テープ11(h)の色を表すコード、テープ11(h)の色彩の濃淡を表すコード、テープ11(h)の形を表すコード、テープ11(h)の記号を表すコードが含まれている(ただし、バーコード14にそれらのコードが含まれていない場合もある。)。コンピュータ13のハードディスクには、テープ11(h)の色を表すコードデータ、テープ11(h)の色彩の濃淡を表すコードデータ、テープ11(h)の形を表すコードデータ、テープ11(h)の記号を表すコードデータ、タービン建屋24のダクト33の前記属性データ(名称(ダクト)、材質(金属)、放射性物質の汚染レベル(中)、危険性(中))が互いに関連付けられた状態で格納されている。
【0091】
図12に示す連番テープ11(g)〜11(i)のうちの(c)のテープ11(i)は、長さ方向へ複数の四角形を画く形であり、1番濃い赤色に着色され、記号(C)が表示されている。テープ11(i)は、その一例として、原子炉建屋25の設備物であるダクト34の解体に利用され、ダクト34の属性の一例として、名称(通気ダクトまたは排気ダクト)、材質(金属)、放射性物質の汚染レベル(高)、危険性(高)を表す。
【0092】
図12の(c)のテープ11(i)に表示されたバーコード14には、番号データを表すコードのみならず、テープ11(i)の色を表すコード、テープ11(i)の色彩の濃淡を表すコード、テープ11(i)の形を表すコード、テープ11(i)の記号を表すコードが含まれている(ただし、バーコード14にそれらのコードが含まれていない場合もある。)。コンピュータ13のハードディスクには、テープ11(i)の色を表すコードデータ、テープ11(i)の色彩の濃淡を表すコードデータ、テープ11(h)の形を表すコードデータ、テープ11(h)の記号を表すコードデータ、原子炉建屋25のダクト34の前記属性データ(名称(ダクト)、材質(金属)、放射性物質の汚染レベル(高)、危険性(高))が互いに関連付けられた状態で格納されている。
【0093】
図13は、図10に示す連番テープ11(a)〜11(c)が貼付されたドア26〜28の斜視図であり、図14は、各ドア26〜28の解体作業の一例を示す図である。図15は、各ドア26〜28を解体した後の解体物35〜37を示す図である。図13では、中央制御室23、タービン建屋24、原子炉建屋25の各ドア26〜28にテープ11(a)〜11(c)が貼付され、それら連番テープ11(a)〜11(c)に表示されたバーコード14がバーコードリーダ12によって読み取られている。図15では、それらドア26〜28の解体物35〜37を1つだけ示し、それら解体物35〜37に貼付された連番テープ11(a)〜11(c)のバーコード14がバーコードリーダ12によって読み取られている。図13〜図15に基づいてドア26〜28の解体を説明すると、以下のとおりである。
【0094】
原子力発電所22(建造物)の中央制御室23、タービン建屋24、原子炉建屋25(建造物)に設備された解体対象の設備物(ドア、照明器具、ダクト)を区分けした後、それらドア26〜28に連番テープ11(a)〜11(c)を貼付する。具体的には、図13(a)に示すように、図10の(a)のテープ11(a)を中央制御室23のドア26の一面にランダムに貼付し、図13(b)に示すように、図10の(b)のテープ11(b)をタービン建屋24のドア27の一面にランダムに貼付するとともに、図13(c)に示すように、図10の(c)のテープ11(c)を原子炉建屋25のドア28の一面にランダムに貼付する。
【0095】
それら連番テープ11(a)〜11(c)を各ドア26〜28に貼付した後、テープ11(a)〜11(c)に表示されたバーコード14のうち、先頭に位置するバーコード14をバーコードリーダ12によって読み取るとともに、最後尾に位置するバーコード14をバーコードリーダ12によって読み取る。なお、先頭に位置するバーコード14と最後尾に位置するバーコード14との間に並ぶ中間のバーコード14は読み取らない。
【0096】
さらに、バーコードリーダ12のテンキーユニットまたはコンピュータ13のキーボード15やマウス16を利用し、原子力発電所22の名称を入力し(ディスプレイ17に表示された複数の原子力発電所のプルダウンリストから発電所名を選択することもできる。)、中央制御室、タービン建屋、原子炉建屋(名称)のいずれかを入力するとともに(ディスプレイ17に表示された原子力発電所建造物のプルダウンリストからそれらを選択することもできる。)、ドア(名称)を入力する(ディスプレイ17に表示された設備物表示のプルダウンリストからドアを選択することもできる)。
【0097】
バーコードリーダ12のテンキーユニットまたはコンピュータ13のキーボード15やマウス16を利用し、原子力発電所22の特定情報(名称、住所、地図、写真、電話番号、URL等)、中央制御室23やタービン建屋24、原子炉建屋25の特定情報(名称、住所、地図、写真等)、解体日時(年月日、時間)、用途、建物容積等を入力するとともに(建造物属性入力)、ドア26〜28の特定情報(中央制御室23の1番ドア、タービン建屋24の出口ドア等)、解体日時(年月日、時間)、強度等を入力する(設備物属性入力)。なお、入力可能な原子力発電所22や中央制御室23、タービン建屋24、原子炉建屋25の属性に特に限定はなく、例示の属性に限らず、他のあらゆる属性を入力することができる。また、入力可能なドア26〜28の属性に特に限定はなく、例示の属性に限らず、他のあらゆる属性を入力することができる。
【0098】
バーコードリーダ12は、読み取ったバーコード14が表すデータや入力されたデータをデジタルデータに変換し、それらデータをコンピュータ13に転送する(キーボード15やマウス16からデータを入力した場合、バーコードリーダ12は、読み取ったバーコード14が表すデータのみをコンピュータ13に転送する)。
【0099】
コンピュータ13の中央処理部は、バーコードリーダ12からそれらデータを受け取ると、バーコードが表す番号、テープ11(a)〜11(c)の色、テープ11(a)〜11(c)の色彩の濃淡、テープ11(a)〜11(c)の形、テープ11(a)〜11(c)の記号、バーコードが表す各属性(名称、材質、放射性物質の汚染レベル、危険性)、入力された原子力発電所22や中央制御室23、タービン建屋24、原子炉建屋25の建造物属性およびドア26〜28の設備物属性をディスプレイ17に表示する。
【0100】
各データをディスプレイ17に表示し、それらデータの確認が行われた後、コンピュータ13の中央処理部は、原子力発電所22や中央制御室23、タービン建屋24、原子炉建屋25(建造物)を特定する建造物特定識別番号(建造物特定識別子)を生成するとともに、ドア26〜28(設備物)を特定する設備物特定識別番号(設備物特定識別子)を生成する。
【0101】
建造物特定識別番号と設備物特定識別番号とを生成した後、コンピュータ13の中央処理部は、原子力発電所22を特定する建造物特定識別番号に設備物特定識別番号を関連付け、中央制御室23、タービン建屋24、原子炉建屋25のいずれかを特定する建造物特定識別番号に設備物特定識別番号を関連付けるとともに、バーコードリーダ12から転送された先頭番号から最後尾番号までの番号データ(たとえば、図10(a)のテープ11(a)の先頭番号が0001、最後尾番号が0020の場合、0001〜0020までの番号、図10(b)のテープ11(b)の先頭番号が0021、最後尾番号が0040の場合、0021〜0040までの番号、図10(c)のテープ11(c)の先頭番号が0041、最後尾番号が0060の場合、0041〜0060までの番号)を建造物特定識別番号と設備物特定識別番号とに関連付ける。
【0102】
さらに、転送された建造物属性データを建造物特定識別番号と設備物特定識別番号とに関連付け、転送された設備物属性データを設備物特定識別番号に関連付けるとともに、バーコード14が表す属性データを設備物特定識別番号に関連付ける。それらの関連づけが完了した後、コンピュータ13の中央処理部は、建造物特定識別番号、設備物特定識別番号、番号データ、建造物属性データ、ドア26〜28の設備物属性データ、バーコード14が表す属性データをハードディスクに格納する(設備物格納手段)。バーコードリーダ12やコンピュータ13のディスプレイ17には、中央制御室23→ドア26、タービン建屋24→ドア27、原子炉建屋25→ドア28のデータ格納完了メッセージが表示される。
【0103】
各データがコンピュータ13のハードディスクに格納された後、それらドア26〜28の解体作業を行う。解体作業では、図14(a)〜(c)に示すように、ドア26〜28を細かく解体し、ドア26〜28を複数個の解体物35〜37に分解する。解体されたドア26〜28の解体物35〜37には連番テープ11(a)〜11(c)が残存しており、それらテープ11(a)〜11(c)に表示されたバーコード14が1つの場合、2つの場合、3つの場合等がある。なお、ドア26〜28のそれら解体物35〜37に貼付された連番テープ11(a)〜11(c)には、少なくとも1つのバーコード14が読み取り可能に残存している。
【0104】
ドア26〜28を解体した解体物35〜37の廃棄処分前や廃棄処分時、廃棄処分後に、図15(a)〜(c)に示すように、バーコードリーダ12を利用して解体物35〜37(ドア26〜28の解体物35〜37)に貼付された連番テープ11(a)〜11(c)のバーコード14を読み取ることで、それら解体物35〜37が解体される以前の建造物(原子力発電所22、中央制御室23、タービン建屋24、原子炉建屋25)および設備物(ドア26〜28)を確認することができるとともに、それら建造物および設備物の属性等を確認することができる。
【0105】
解体物35〜37の連番テープ11(a)〜11(c)のバーコード14を読み取ると、そのバーコード14が表す番号データがバーコードリーダ12からコンピュータ13に転送される。コンピュータ13の中央処理部は、バーコードリーダ12から転送された番号データとハードディスクに格納された番号データとを比較し、解体物35〜37がドア26〜28の解体物35〜37であると判断する(設備物特定手段)。
【0106】
たとえば、バーコードリーダ12から転送された番号データが0007である場合、ハードディスクに格納された番号データと比較し、その解体物36が中央制御室23に設備されていたドア26の解体物36であると判断する。バーコードリーダ12から転送された番号データが0035である場合、ハードディスクに格納された番号データと比較し、その解体物37がタービン建屋24に設備されていたドア27の解体物37であると判断する。さらに、バーコードリーダ12から転送された番号データが0053である場合、ハードディスクに格納された番号データと比較し、その解体物38が原子炉建屋25に設備されていたドア28の解体物38であると判断する。
【0107】
コンピュータ13の中央処理部は、ドア26〜28(設備物)の設備物特定識別番号に対応する建造物特定識別番号を特定し、その建造物特定識別番号に対応する原子力発電所22(建造物)を特定しつつ、中央制御室23、タービン建屋24、原子炉建屋25のいずれかを特定する。さらに、建造物特定識別番号と設備物特定識別番号とに対応する建造物属性データを特定し、設備物特定識別番号に対応する設備物属性データを特定する。
【0108】
コンピュータ13の中央処理部は、中央制御室23→ドア26やタービン建屋24→ドア27、原子炉建屋25→ドア28の別とともに、バーコードが表す番号、テープ11(a)〜11(c)の色、テープ11(a)〜11(c)の色彩の濃淡、テープ11(a)〜11(c)の形、テープ11(a)〜11(c)の記号、バーコード14が表すドア26〜28の各属性(名称、材質、放射性物質の汚染レベル、危険性)、入力された原子力発電所22や中央制御室23、タービン建屋24、原子炉建屋25の建造物属性およびドア26〜28の設備物属性をディスプレイ17に表示する。ディスプレイ17に表示された各データは、プリンタから出力することができる。
【0109】
図16は、図11に示す連番テープ11(d)〜11(f)が貼付された照明装置29〜31の斜視図であり、図17は、各照明器具29〜31の解体作業の一例を示す図である。図18は、各照明器具29〜31を解体した後の解体物38〜40を示す図である。図16では、中央制御室23、タービン建屋24、原子炉建屋25の各照明器具29〜31にテープ11(d)〜11(f)が貼付され、それら連番テープ11(d)〜11(f)に表示されたバーコード14がバーコードリーダ12によって読み取られている。図18では、それら照明器具29〜31の解体物38〜40を1つだけ示し、それら解体物38〜40に貼付された連番テープ11(d)〜11(f)のバーコード14がバーコードリーダ12によって読み取られている。図16〜図18に基づいて照明器具29〜31の解体を説明すると、以下のとおりである。
【0110】
原子力発電所22(建造物)の中央制御室23、タービン建屋24、原子炉建屋25(建造物)に設備された解体対象の各照明器具29〜31に連番テープ11(d)〜11(f)を貼付する。具体的には、図16(a)〜(c)に示すように、図11の(a)のテープ11(d)を中央制御室23の照明器具29にランダムに貼付し、図11の(b)のテープ11(e)をタービン建屋24の照明器具30にランダムに貼付するとともに、図11の(c)のテープ11(f)を原子炉建屋25の照明器具31にランダムに貼付する。
【0111】
それら連番テープ11(d)〜11(f)を各照明器具29〜31に貼付した後、テープ11(d)〜11(f)に表示されたバーコード14のうち、先頭に位置するバーコード14をバーコードリーダ12によって読み取るとともに、最後尾に位置するバーコード14をバーコードリーダ12によって読み取る。さらに、バーコードリーダ12のテンキーユニットまたはコンピュータ13のキーボード15やマウス16を利用し、原子力発電所22の名称を入力し、中央制御室、タービン建屋、原子炉建屋(名称)のいずれかを入力するとともに、照明器具(名称)を入力する(ディスプレイ17に表示された設備物表示のプルダウンリストから照明器具を選択することもできる)。
【0112】
バーコードリーダ12のテンキーユニットまたはコンピュータ13のキーボード15やマウス16を利用し、原子力発電所22の特定情報、中央制御室23やタービン建屋24、原子炉建屋25の特定情報、解体日時、用途、建物容積等を入力するとともに(建造物属性入力)、照明器具29〜31の特定情報(中央制御室23の入口、原子炉建屋25の入口等)、解体日時、強度等を入力する(設備物属性入力)。なお、入力可能な照明器具29〜31の属性に特に限定はなく、例示の属性に限らず、他のあらゆる属性を入力することができる。
【0113】
バーコードリーダ12は、読み取ったバーコード14が表すデータや入力されたデータをコンピュータ13に転送する。コンピュータ13の中央処理部は、バーコードリーダ12からそれらデータを受け取ると、バーコードが表す番号、テープ11(d)〜11(f)の色、テープ11(d)〜11(f)の色彩の濃淡、テープ11(d)〜11(f)の形、テープ11(d)〜11(f)記号、バーコードが表す照明器具29〜31の各属性(名称、材質、放射性物質の汚染レベル、危険性)、入力された原子力発電所22や中央制御室23、タービン建屋24、原子炉建屋25の建造物属性および照明器具29〜31の設備物属性をディスプレイ17に表示する。
【0114】
各データをディスプレイ17に表示し、それらデータの確認が行われた後、コンピュータ13の中央処理部は、照明器具29〜31(設備物)を特定する設備物特定識別番号(設備物特定識別子)を生成する。なお、原子力発電所22や中央制御室23、タービン建屋24、原子炉建屋25(建造物)を特定する建造物特定識別番号は、ドア26〜28の格納において生成されたそれらを使用する。
【0115】
照明器具29〜31を特定する設備物特定識別番号を生成した後、中央処理部は、原子力発電所22を特定する建造物特定識別番号に設備物特定識別番号を関連付け、中央制御室23、タービン建屋24、原子炉建屋25のいずれかを特定する建造物特定識別番号に設備物特定識別番号を関連付けるとともに、バーコードリーダ12から転送された先頭番号から最後尾番号までの番号データ(たとえば、図11(a)のテープ11(d)の先頭番号が0100、最後尾番号が0120の場合、0100〜0120までの番号、図11(b)のテープ11(e)の先頭番号が0121、最後尾番号が0140の場合、0121〜0140までの番号、図11(c)のテープ11(f)の先頭番号が0141、最後尾番号が00160の場合、0141〜0160までの番号)を建造物特定識別番号と設備物特定識別番号とに関連付ける。
【0116】
さらに、転送された建造物属性データを建造物特定識別番号と設備物特定識別番号とに関連付け、転送された設備物属性データを設備物特定識別番号に関連付けるとともに、バーコード14が表す属性データを設備物特定識別番号に関連付ける。それらの関連づけが完了した後、コンピュータ13の中央処理部は、建造物特定識別番号、設備物特定識別番号、番号データ、建造物属性データ、照明器具29〜31の設備物属性データ、バーコード14が表す属性データをハードディスクに格納する(設備物格納手段)。バーコードリーダ12やコンピュータ13のディスプレイ17には、中央制御室23→照明器具29、タービン建屋24→照明器具30、原子炉建屋25→照明器具31のデータ格納完了メッセージが表示される。
【0117】
各データがコンピュータ13のハードディスクに格納された後、それら照明器具29〜31の解体作業を行う。解体作業では、図17(a)〜(c)に示すように、照明器具29〜31を細かく解体し、照明器具29〜31を複数個の解体物38〜40に分解する。解体された照明器具29〜31の解体物38〜40には連番テープ11(d)〜11(f)が残存しており、それらテープ11(d)〜11(f)に表示されたバーコード14が1つの場合、2つの場合、3つの場合等がある。なお、照明器具29〜31のそれら解体物38〜40に貼付された連番テープ11(d)〜11(f)には、少なくとも1つのバーコード14が読み取り可能に残存している。
【0118】
照明器具29〜31を解体した解体物38〜40の廃棄処分前や廃棄処分時、廃棄処分後に、図18(a)〜(c)に示すように、バーコードリーダ12を利用して解体物38〜40(照明器具29〜31の解体物38〜40)に貼付された連番テープ11(d)〜11(f)のバーコード14を読み取ることで、それら解体物38〜40が解体される以前の建造物(原子力発電所22、中央制御室23、タービン建屋24、原子炉建屋25)および設備物(照明器具29〜31)を確認することができるとともに、それら建造物および設備物の属性等を確認することができる。
【0119】
解体物38〜40の連番テープ11(d)〜11(f)のバーコード14を読み取ると、そのバーコード14が表す番号データがバーコードリーダ12からコンピュータ13に転送される。コンピュータ13の中央処理部は、バーコードリーダ12から転送された番号データとハードディスクに格納された番号データとを比較し、解体物38〜40が照明器具29〜31の解体物38〜40であると判断する(設備物特定手段)。
【0120】
たとえば、バーコードリーダ12から転送された番号データが0109である場合、ハードディスクに格納された番号データと比較し、その解体物39が中央制御室23に設備されていた照明器具29の解体物39であると判断する。バーコードリーダ12から転送された番号データが0129である場合、ハードディスクに格納された番号データと比較し、その解体物40がタービン建屋24に設備されていた照明器具30の解体物40であると判断する。さらに、バーコードリーダ12から転送された番号データが0145である場合、ハードディスクに格納された番号データと比較し、その解体物41が原子炉建屋25に設備されていた照明器具31の解体物41であると判断する。
【0121】
コンピュータ13の中央処理部は、照明器具29〜31(設備物)の設備物特定識別番号に対応する建造物特定識別番号を特定し、その建造物特定識別番号に対応する原子力発電所22(建造物)を特定しつつ、中央制御室23、タービン建屋24、原子炉建屋25(建造物)を特定する。さらに、建造物特定識別番号と設備物特定識別番号とに対応する建造物属性データを特定し、設備物特定識別番号に対応する設備物属性データを特定する。
【0122】
コンピュータ13の中央処理部は、中央制御室23→照明器具29やタービン建屋24→照明器具30、原子炉建屋25→照明器具31の別とともに、バーコードが表す番号、テープ11(d)〜11(f)の色、テープ11(d)〜11(f)の色彩の濃淡、テープ11(d)〜11(f)の形、テープ11(d)〜11(f)の記号、バーコードが表す照明器具29〜31の各属性(名称、材質、放射性物質の汚染レベル、危険性)、入力された原子力発電所22や中央制御室23、タービン建屋24、原子炉建屋25の建造物属性および照明器具29〜31の設備物属性をディスプレイ17に表示する。ディスプレイ17に表示された各データは、プリンタから出力することができる。
【0123】
図19は、図12に示す連番テープ11(g)〜11(i)が貼付されたダクト32〜34の斜視図であり、図20は、各ダクト32〜34の解体作業の一例を示す図である。図21は、各ダクト32〜34を解体した後の解体物41〜43を示す図である。図19では、中央制御室23、タービン建屋24、原子炉建屋25の各ダクト32〜34にテープ11(g)〜11(i)が貼付され、それら連番テープ11(g)〜11(i)に表示されたバーコード14がバーコードリーダ12によって読み取られている。図21では、それらダクト32〜34の解体物41〜43を1つだけ示し、それら解体物41〜43に貼付された連番テープ11(g)〜11(i)のバーコード14がバーコードリーダ12によって読み取られている。図19〜図21に基づいてダクト32〜34の解体を説明すると、以下のとおりである。
【0124】
原子力発電所22(建造物)の中央制御室23、タービン建屋24、原子炉建屋25(建造物)に設備された解体対象の各ダクト32〜34に連番テープ11(g)〜11(i)を貼付する。具体的には、図19(a)〜(c)に示すように、図12の(a)のテープ11(g)を中央制御室23のダクト32の周面にランダムに貼付し、図12の(b)のテープ11(h)をタービン建屋24のダクト33の周面にランダムに貼付するとともに、図12の(c)のテープ11(i)を原子炉建屋25のダクト34の周面にランダムに貼付する。
【0125】
それら連番テープ11(g)〜11(i)を各ダクト32〜34に貼付した後、テープ11(g)〜11(i)に表示されたバーコード14のうち、先頭に位置するバーコード14をバーコードリーダ12によって読み取るとともに、最後尾に位置するバーコード14をバーコードリーダ12によって読み取る。さらに、バーコードリーダ12のテンキーユニットまたはコンピュータ13のキーボード15やマウス16を利用し、原子力発電所22の名称を入力し、中央制御室、タービン建屋、原子炉建屋(名称)のいずれかを入力するとともに、ダクト(名称)を入力する(ディスプレイ17に表示された設備物表示のプルダウンリストからダクトを選択することもできる)。
【0126】
バーコードリーダ12のテンキーユニットまたはコンピュータ13のキーボード15やマウス16を利用し、原子力発電所22の特定情報、中央制御室23やタービン建屋24、原子炉建屋25の特定情報、解体日時、用途、建物容積等を入力するとともに(建造物属性入力)、ダクト32〜34の特定情報(中央制御室23の天井設置、原子炉建屋25の天井設置、給気系統、排気系統等)、解体日時、強度等を入力する(設備物属性入力)。なお、入力可能なダクト32〜34の属性に特に限定はなく、例示の属性に限らず、他のあらゆる属性を入力することができる。
【0127】
バーコードリーダ12は、読み取ったバーコード14が表すデータや入力されたデータをコンピュータ13に転送する。コンピュータ13の中央処理部は、バーコードリーダ12からそれらデータを受け取ると、バーコードが表す番号、テープ11(g)〜11(i)の色、テープ11(g)〜11(i)の色彩の濃淡、テープ11(g)〜11(i)の形、テープ11(g)〜11(i)の記号、バーコードが表すダクト32〜34の各属性(名称、材質、放射性物質の汚染レベル、危険性)、入力された原子力発電所22や中央制御室23、タービン建屋24、原子炉建屋25の建造物属性およびダクト32〜34の設備物属性をディスプレイ17に表示する。
【0128】
各データをディスプレイ17に表示し、それらデータの確認が行われた後、コンピュータ13の中央処理部は、ダクト32〜34(設備物)を特定する設備物特定識別番号(設備物特定識別子)を生成する。なお、原子力発電所22や中央制御室23、タービン建屋24、原子炉建屋25(建造物)を特定する建造物特定識別番号は、ドア26〜28の格納において生成されたそれらを使用する。
【0129】
ダクト32〜34を特定する設備物特定識別番号を生成した後、中央処理部は、原子力発電所22を特定する建造物特定識別番号に設備物特定識別番号を関連付け、中央制御室23、タービン建屋24、原子炉建屋25のいずれかを特定する建造物特定識別番号に設備物特定識別番号を関連付けるとともに、バーコードリーダ12から転送された先頭番号から最後尾番号までの番号データ(たとえば、図12(a)のテープ11(g)の先頭番号が0200、最後尾番号が0230の場合、0200〜0230までの番号、図12(b)のテープ11(h)の先頭番号が0231、最後尾番号が0260の場合、0231〜0260までの番号、図12(c)のテープ11(i)の先頭番号が0261、最後尾番号が0290の場合、0261〜0290までの番号)を建造物特定識別番号と設備物特定識別番号とに関連付ける。
【0130】
さらに、転送された建造物属性データを建造物特定識別番号と設備物特定識別番号とに関連付け、転送された設備物属性データを設備物特定識別番号に関連付けるとともに、バーコード14が表す属性データを設備物特定識別番号に関連付ける。それらの関連づけが完了した後、コンピュータ13の中央処理部は、建造物特定識別番号、設備物特定識別番号、番号データ、建造物属性データ、ダクト32〜34の設備物属性データ、バーコード14が表す属性データをハードディスクに格納する(設備物格納手段)。バーコードリーダ12やコンピュータ13のディスプレイ17には、中央制御室23→ダクト32、タービン建屋24→ダクト33、原子炉建屋25→ダクト34のデータ格納完了メッセージが表示される。
【0131】
各データがコンピュータ13のハードディスクに格納された後、それらダクト32〜34の解体作業を行う。解体作業では、図20(a)〜(c)に示すように、ダクト32〜34を細かく解体し、ダクト32〜34を複数個の解体物41〜43に分解する。解体されたダクト32〜34の解体物41〜43には連番テープ11(g)〜11(i)が残存しており、それらテープ11(g)〜11(i)に表示されたバーコード14が1つの場合、2つの場合、3つの場合等がある。なお、ダクト32〜34のそれら解体物41〜43に貼付された連番テープ11(g)〜11(i)には、少なくとも1つのバーコード14が読み取り可能に残存している。
【0132】
ダクト32〜34を解体した解体物41〜43の廃棄処分前や廃棄処分時、廃棄処分後に、図21(a)〜(c)に示すように、バーコードリーダ12を利用して解体物41〜43(ダクト32〜34の解体物41〜43)に貼付された連番テープ11(g)〜11(i)のバーコード14を読み取ることで、それら解体物41〜43が解体される以前の建造物(原子力発電所22、中央制御室23、タービン建屋24、原子炉建屋25)および設備物(ダクト32〜34)を確認することができるとともに、それら建造物および設備物の属性等を確認することができる。
【0133】
解体物41〜43の連番テープ11(g)〜11(i)のバーコード14を読み取ると、そのバーコード14が表す番号データがバーコードリーダ12からコンピュータ13に転送される。コンピュータ13の中央処理部は、バーコードリーダ12から転送された番号データとハードディスクに格納された番号データとを比較し、解体物41〜43がダクト32〜34の解体物41〜43であると判断する(設備物特定手段)。
【0134】
たとえば、バーコードリーダ12から転送された番号データが0227である場合、ハードディスクに格納された番号データと比較し、その解体物42が中央制御室23に設備されていたダクト32の解体物42であると判断する。バーコードリーダ12から転送された番号データが0251である場合、ハードディスクに格納された番号データと比較し、その解体物43がタービン建屋24に設備されていたダクト33の解体物43であると判断する。さらに、バーコードリーダ12から転送された番号データが0278である場合、ハードディスクに格納された番号データと比較し、その解体物44が原子炉建屋25に設備されていたダクト34の解体物44であると判断する。
【0135】
コンピュータ13の中央処理部は、ダクト32〜34(設備物)の設備物特定識別番号に対応する建造物特定識別番号を特定し、その建造物特定識別番号に対応する原子力発電所22(建造物)を特定しつつ、設備物特定識別番号から中央制御室23、タービン建屋24、原子炉建屋25(建造物)を特定する。さらに、建造物特定識別番号と設備物特定識別番号とに対応する建造物属性データを特定し、設備物特定識別番号に対応する設備物属性データを特定する。
【0136】
コンピュータ13の中央処理部は、中央制御室23→ダクト32やタービン建屋24→ダクト33、原子炉建屋25→ダクト4の別とともに、バーコードが表す番号、テープ11(g)〜11(i)の色、テープ11(g)〜11(i)の色彩の濃淡、テープ11(g)〜11(i)の形、テープ11(g)〜11(i)の記号、バーコードが表すダクト32〜34の各属性(名称、材質、放射性物質の汚染レベル、危険性)、入力された原子力発電所22や中央制御室23、タービン建屋24、原子炉建屋25の建造物属性およびダクト32〜34の設備物属性をディスプレイ17に表示する。ディスプレイ17に表示された各データは、プリンタから出力することができる。
【0137】
解体物管理システム10は、連番テープ11(a)〜11(i)に表示されたバーコード14を利用することで、解体物35〜43が属する原子力発電所22の中央制御室23やタービン建屋24、原子炉建屋25に設備されたドア26〜28、照明器具29〜31、ダクト32〜34等の設備物を各解体物35〜43毎に特定することができ、ドア26〜28や照明器具29〜31、ダクト32〜34の解体後に各解体物35〜43が属していた原子力発電所22の設備物(ドア26〜28、照明器具29〜31、ダクト32〜34)を追跡かつ把握することができる。
【0138】
解体物管理システム10は、原子力発電所22の中央制御室23やタービン建屋24、原子炉建屋25に設備されたドア26〜28、照明装置29〜31、ダクト32〜34が細かく解体されて複数の解体物35〜43が発生したとしても、それら解体物35〜43に貼付された連番テープ11(a)〜11(i)のバーコード14を介してそれら解体物35〜43の解体前の設備物(ドア26〜28、照明器具29〜31、ダクト32〜34)を確実に特定することができる。解体物管理システム10は、連番テープ11(a)〜11(i)のバーコード14を利用してそれら解体物35〜43の解体前の設備物(ドア26〜28、照明器具29〜31、ダクト32〜34)を特定することができるから、ある原子力発電所22の中央制御室23やタービン建屋24、原子炉建屋25のドア26〜28、照明器具29〜31、ダクト32〜34を解体した解体物35〜43がその原子力発電所22の設備物の解体物群からはぐれたり、ある原子力発電所22の中央制御室23やタービン建屋24、原子炉建屋25のドア26〜28、照明器具29〜31、ダクト32〜34を解体した解体物35〜43が他の原子力関連施設の設備物の解体物として紛れ込んだとしても、ドア26〜28、照明器具29〜31、ダクト32〜34の解体前の原子力発電所22の設備物(ドア26〜28、照明器具29〜31、ダクト32〜34)を明らかにすることができ、解体物35〜43の帰属不明を防ぐことができる。
【0139】
解体物管理システム10は、原子力発電所22や中央制御室23、タービン建屋24、原子炉建屋25の各種属性が建造物特定識別番号と設備物特定識別番号とに関連付けられた状態でコンピュータ13に格納され、ドア26〜28や照明器具29〜31、ダクト32〜34の各種属性が設備物特定識別番号に関連付けられた状態でコンピュータ13に格納されているから、ドア26〜28や照明器具29〜31、ダクト32〜34の解体後であっても解体物35〜43が属する建造物や設備物の属性を各解体物35〜43毎に把握することができ、解体物35〜43を各建造物毎であって属性毎に区分して管理することができるとともに、解体物35〜43を各設備物毎であって属性毎に区分して管理することができる。
【0140】
原子力発電所22の中央制御室23やタービン建屋24、原子炉建屋25における解体作業では、放射能汚染を厳格に防ぐ目的から、ドア26〜28や照明器具29〜31、ダクト32〜34等の設備物の属性が解体後に追跡可能かつ把握可能であることが要求され、解体後のそれら解体物35〜43が属する設備物の属性が追跡可能かつ把握可能であることが要求されるとともに、解体後のそれら解体物35〜43の属性毎の管理が要求されるが、この解体物管理システム10は、原子力発電所22の中央制御室23やタービン建屋24、原子炉建屋25の解体に要求されるそのような条件を満足させることができる。
【符号の説明】
【0141】
10 解体物管理システム
11 連番テープ
11(a)〜11(i) 連番テープ
12 バーコードリーダ(識別コードリーダ)
13 コンピュータ
14 バーコード(識別コード)
18 テーブル(設備物)
19 ロッカー(設備物)
20 解体物
21 解体物
22 原子力発電所(建造物)
23 中央制御室(建造物)
24 タービン建屋(建造物)
25 原子力建屋(建造物)
26 ドア(設備物)
27 ドア(設備物)
28 ドア(設備物)
29 照明器具(設備物)
30 照明器具(設備物)
31 照明器具(設備物)
32 ダクト(設備物)
33 ダクト(設備物)
34 ダクト(設備物)
35〜37 解体物(ドア)
38〜40 解体物(照明器具)
41〜43 解体物(ダクト)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
建造物に設備された各種の設備物を解体した後の複数の解体物を管理する解体物管理システムにおいて、
前記解体物管理システムが、連続する番号を表す印刷可能な複数の識別コードが表示された連番テープと、前記連番テープに表示された識別コードを読み取る識別コードリーダと、前記識別コードリーダから前記識別コードの番号が転送されるコンピュータとを利用し、前記設備物を解体する前の解体前管理と、前記設備物を解体した後の解体後管理とを実行し、
前記解体前管理では、前記連番テープが解体前の前記設備物に貼付され、解体前の前記設備物に貼付された前記連番テープの識別コードが表す番号のうちの先頭番号と最後尾番号とが前記識別コードリーダによって読み取られ、前記コンピュータが各設備物を特定する設備物特定識別子と前記先頭番号から前記最後尾番号までの番号とを関連付けて格納する設備物格納手段を実行し、
前記解体後管理では、前記設備物を解体した後の解体物に貼付された連番テープの識別コードが前記識別コードリーダによって読み取られ、前記コンピュータがそれら解体物に貼付された連番テープの識別コードが表す番号に対応する設備物特定識別子からそれら解体物が属する設備物を特定する設備物特定手段を実行することを特徴とする解体物管理システム。
【請求項2】
それら解体物に貼付された連番テープには、少なくとも1つの識別コードが読み取り可能に残存している請求項1記載の解体物管理システム。
【請求項3】
前記コンピュータには、それら設備物の各種の属性が前記設備物特定識別子に関連付けられた状態で格納され、前記解体後管理では、前記解体物が属する設備物の属性が出力される請求項1または請求項2に記載の解体物管理システム。
【請求項4】
前記解体物管理システムでは、各種複数の色によって区別された複数種類の前記連番テープが利用され、前記設備物の属性が前記連番テープの色によって認識可能である請求項1ないし請求項3いずれかに記載の解体物管理システム。
【請求項5】
前記解体物管理システムでは、色彩の濃淡によって区別された複数種類の前記連番テープが利用され、前記設備物の属性が前記連番テープの色彩の濃淡によって認識可能である請求項1ないし請求項4いずれかに記載の解体物管理システム。
【請求項6】
前記解体物管理システムでは、各種複数の形によって区別された複数種類の前記連番テープが利用され、前記設備物の属性が前記連番テープの形によって認識可能である請求項1ないし請求項5いずれかに記載の解体物管理システム。
【請求項7】
前記解体物管理システムでは、各種複数の記号によって区別された複数種類の前記連番テープが利用され、前記設備物の属性が前記連番テープに表示された記号によって認識可能である請求項1ないし請求項6いずれかに記載の解体物管理システム。
【請求項8】
前記建造物が、原子力関連施設である請求項1ないし請求項7いずれかに記載の解体物管理システム。
【請求項9】
前記設備物の属性が、前記原子力関連施設におけるそれら設備物の放射性物質による汚染レベルである請求項8記載の解体物管理システム。
【請求項10】
前記設備物の属性が、前記原子力関連施設におけるそれら設備物の危険性である請求項8または請求項9に記載の解体物管理システム。
【請求項11】
前記設備物の属性が、前記原子力関連施設におけるそれら設備物の材質および系統である請求項8ないし請求項10いずれかに記載の解体物管理システム。
【請求項12】
前記設備物の属性が、前記原子力関連施設におけるそれら設備物の特定情報および解体日時である請求項8ないし請求項11いずれかに記載の解体物管理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2012−87522(P2012−87522A)
【公開日】平成24年5月10日(2012.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−234638(P2010−234638)
【出願日】平成22年10月19日(2010.10.19)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.QRコード
【出願人】(000153100)株式会社日本環境調査研究所 (30)
【Fターム(参考)】