解剖学的導管用内部人工器官
本発明により、内部人工器官の一体型管状ボディ(2)は、可撓性のある中間部(2I)を有し、上記中間部(2I)は、その両方に位置する上記ボディ(2)の部分(2A,2B)の相対的な方位合わせを可能にするものである。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一体型の解剖学的導管用内部人工器官に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、ほぼ円筒状で一体型の管状ボディからなり、その全長に亘って内部内腔を画定する解剖学的導管用内部人工器官は米国特許第5,236,446号から周知である。このような内部人工器官は、解剖学的導管が詰まったり壊れたりする傾向にあるとき、上記解剖学的導管を開いた状態に維持することを主な目的とする。その結果、上記内部人工器官は、高い耐圧潰性を示し、従って、上記内部人工器官は、シリコンエラストマーなどの生物的適合性のある半硬性素材からなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第5,236,446号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような内部人工器官を使うことは、解剖学的導管が設けられる位置が、人工器官の形状であるとき、何の問題もない。しかし、内部人工器官が位置決めされた後にその位置の形状が曲げられるとすぐに、あるいはその位置の形状が修正されそうなとき、問題が生じる。
【0005】
そこで、周知の解決策としては、高額のオーダーメードでこのような内部人工器官を製造することだけである。
【0006】
解剖学的導管と内部人工器官との間の形状の相違という欠点は、最も困るものであり、その理由は、上述の内部人工器官は、その一部が除去された解剖学的導管の複数箇所の間を接続することを目的として管状の移植片を内部で補強するためにうまく使用できることが最近発見されたからである。実際に、たとえば気管または 気管支などの解剖学的導管の一部が悪性腫瘍の源であるとき、手術が行なわれることが可能であり、これは、エマニュエル マルチノド(Emmanuel Martinod)教授によって確立された手順(プロトコル)で、解剖学的導管の一部を除去し、その部分と、例えば、大動脈または動脈部といった管状の移植片とを交換する方法からなり、これは上記除去された部分の両側に設けられた上記解剖学的導管の複数箇所の間を繋ぐものである。上記内部人工器官は解剖学的導管の上記箇所の間の接続を補強し、上記移植片が崩れるのを防ぐ。
【0007】
しかし、上記内部人工器官は、最適で所望の解剖学的適合性を有することができないこと、及びまたは移植片が位置決めされた後に、解剖学的導管の上記複数の箇所は、他方に対して一方を動かすことが生じる可能性がある。
【0008】
従って、本発明の目的は、上記周知の内部人工器官を改良して、それが少なくとも部分的に解剖学的適合性に適応でき、及びまたはそれが挿入される解剖学的導管の相対的な動きに適応できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
このため、本発明によれば、解剖学的導管の2つの箇所の間を接続する管状の移植片を内部で支持するための内部人工器官で、この内部人工器官は、生物的適合性のある半硬性素材製であり、その全長に亘った内部内腔を画定する管状ボディを有する内部人工器官であって、この内部人工器官は、上記管状ボディが少なくとも1つの可撓性のある管状中間部を有し、上記管状中間部は、管状ボディの部分と一体的であるため、そのアセンブリと上記可撓性のある管状中間部は一体型であり、上記可撓性のある管状中間部の両側に位置する上記一体型管状ボディの半硬性部の相対的な方位を合わせることができることを特徴とする。
【0010】
従って、本発明によれば、上記内部人工器官は、その半硬性部のおかげで耐圧潰性がありながら、解剖学的導管の適合性および変形に適応できる特性を有する。
【0011】
上記中間部は、外面が環状であるので可撓性があることが好ましい。
【0012】
上記解剖学的導管の形状の機能として、上記一体型管状ボディは円筒状、円錐状、二股に分岐された形状などであることが可能である。
【0013】
上記一体型管状ボディが二股に分岐された形状を有して、その結果として、上記内部人工器官が、二股に分岐された解剖学的導管に適応されるとき、
上記二股に分岐された管状ボディは少なくとも
− 1つの共有管状部と、
− 2つの二股に分岐された管状部と、
− 上記共有管状部と二股に分岐された管状部の1つとの間に設けられた少なくとも1つの可撓性のある管状中間部と
を備える。
【0014】
本発明の内部人工器官を上記二股に分岐された導管の解剖学的角度に合わせるために、二股に分岐した2つの管状部間の角度を変えることが可能である。
【0015】
好都合なことに、一体型管状ボディの各端部は、外部に張り出す厚みのあるリングを備えている。従って、上記厚みのあるエンドリングによって、本発明の内部人工器官の端部は、解剖学的導管における内部人工器官を効率よく固定するのに充分なほど硬い。
【0016】
上記解剖学的導管における上記リングを固定しやすくするために、解剖学的導管は外側突出部を有することが好ましい。このような固定用突出部は、スタッドからなることが可能であり、これは、EP1,681,040に記載されている。このような場合、上記突出部は、その固定機能に加えて、活性生成物のための容器、または放射線不透過性の生成物のためのハウジングや標識として機能する。
【0017】
さらに、いくつかの解剖学的導管が、その周辺で均等の機械抵抗を有していないことは周知である。このような場合、本発明の内部人工器官は、解剖学的導管の最も弱い部分よりもより抵抗力があるという利点がある。このため、上記一体型ボディの少なくとも1つの部分の少なくとも周辺部は、上記可撓性のある中間部以外に、外側長手方向のリブを有し、上記周辺部を硬化させることができる。
【0018】
2つの隣接した突出する長手方向リブ間に形成された凹所は、層またはシートとしての活性生成物などのためのハウジングとして機能できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の一体型人工器官の代表的実施例を示す。
【図2】図1の人工器官のII−II線軸方向断面図である。
【図3】図1の人工器官のIII−III線断面図である。
【図4】図1の人工器官の平面図である。
【図5】図2と同様の視点で、人工器官の一端部の他方に対する方位合わせの可能性を示す。
【図6】本発明の人工器官の実施例を示す
【図7】本発明の人工器官の実施例を示す
【図8】本発明の一体型人工器官の実施例を示す。
【図9】図8の人工器官のIX−IX線長手方向断面図に該当する。
【図10】図9と同様の視点で、人工器官の一端部の他方に対する方位合わせの可能性を示す。
【図11】本発明の一体型人工器官の他の代表的実施例を示す。
【図12】図11に示す人工器官の長手方向断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
添付図面の図により、本発明がどのように実施されるかが明確に理解される。これらの図中、同一符合は、同一要素を示す。
図1から5によって図示される本発明の人工器官Aは、例えば、半硬性シリコンエラストマー製の一体型管状ボディ2でなり、滑らかで均一の内部内腔3を長手方向軸線L−Lで画定する。一体型管状ボディ2は、中間管状部(中間部)2Iを備え、可撓性があるように外面が環状で、2つの半硬性管状部2Aと2Bとを繋ぐ。
【0021】
図5に図示されたように、このような中間部2Iは、上記ボディ2に横方向の可撓性を与え、その結果、その2つの部分である2Aおよび2Bは、他方に対して、一方は、限定された方向に方位を合わせることが可能である。
同図では、部分2Bの軸線l−lは、人工器官および部分2Aの軸線L−Lに対して角度aだけ撓むことができる。
【0022】
さらに、半硬性管状部2Aおよび2Bは、それぞれエンドリング4,5に設けられ、上記エンドリング4,5は上記部分2Aおよび2Bの管状壁6に対して突出している。実際に、管状壁6の厚みeは、リング4と5の厚みEより小さく、従って、上記管状壁6に対して外側へ突出している。管状壁6は、外層の外側の長手方向に硬化しているリブ7を有する。
【0023】
上記硬性リブ7は、管状壁6の周りに均等に分布される。それに比べて、図示されたように、リブは、壁2Aおよび2Bの管状壁6の周辺の一部に設けることができるだけである。
【0024】
リング4と5は、外側に突出しているスタッド8と9をそれぞれ支持しており、これは、例えば、EP1,681,040の記載と同様である。
【0025】
上述の内部人工器官Aは、崩壊しがちな解剖学的導管を内側で補強するため、または詰まりがちな解剖学的導管の内腔を維持するために使用可能である。
【0026】
図6および図7に示されるように、内部人工器官Aは、解剖学的導管の2つの箇所を接続することを目的とする移植片を支持するため提供されることもできる。
【0027】
図6では、一部概略図において、悪性腫瘍の源である部分21を有する解剖学的導管20が図示されている。上記部分21は、上記腫瘍の両側に位置する解剖学的導管20の健康な部分24と25に設けられた切断線22,23に沿って切除されて、解剖学的導管20から除去される。上記部分21と健康な部分24および25が切除された後、解剖学的導管20は2つの分離した箇所26、27を備える。
【0028】
図7に図示されたように、上記2つの分離した箇所26,27は人工器官Aと、リング4,5とスタッド8,9とによって繋がれ、それらは、上記箇所の内側に収容されているが、移植片28は人工器官Aの周りで外部からそれらを接続する。
【0029】
その可撓性のある中間部2Iを介して、人工器官Aは、両方の箇所26、27のうちの一方を他方に対して可能性のある相対的にシフト(位置変え)することに適応でき、その後、上記箇所および移植片28が互いに一体になる。
【0030】
図1から図5および図7に図示された代表的実施例Aにおいて、上記ボディ2と内腔3は少なくともほぼ円筒形状をしている。
【0031】
あるいは、図8から10の代表的実施例Bにおいて、ボディ2および内腔3は、少なくともほぼ円錐形状である。従って、一体型内部人工器官Bは、円錐状の解剖学的導管にも適応できる。その可撓性のある中間部2Iを介して、上記内部人工器官Bは、上記解剖学的導管に対して高い適応性を持つ(図10参照)。
【0032】
本発明による一体型内部人工器官の実施例Cは、図11および12に図示されており、二股に分岐された解剖学的導管のためのものであり、二股に分岐された形状を有する。上記内部人工器官Cの一体型ボディ2は、
− 上述の部分2Aに匹敵する1つの共有管状部2Cと、
− 上述の部分2Bに匹敵する2つの二股に分岐された管状部2D,2Eと、
− 上記共有管状部2Cと二股に分岐された管状部2D,2Eの1つとの間にそれぞれ設けられた、上述の部分2Iに匹敵する2つの可撓性のある管状中間部2I1,2I2、
とを備える。
【0033】
上述の記載から、好ましくは、環状の可撓性のある中間部2I1および2I2が二股の枝部2Dおよび2Eの間に矢印で示す角度bを設け、上記角度が設けられる二股に分岐された解剖学的導管を解剖学に適応できると理解するのは容易である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、一体型の解剖学的導管用内部人工器官に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、ほぼ円筒状で一体型の管状ボディからなり、その全長に亘って内部内腔を画定する解剖学的導管用内部人工器官は米国特許第5,236,446号から周知である。このような内部人工器官は、解剖学的導管が詰まったり壊れたりする傾向にあるとき、上記解剖学的導管を開いた状態に維持することを主な目的とする。その結果、上記内部人工器官は、高い耐圧潰性を示し、従って、上記内部人工器官は、シリコンエラストマーなどの生物的適合性のある半硬性素材からなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第5,236,446号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような内部人工器官を使うことは、解剖学的導管が設けられる位置が、人工器官の形状であるとき、何の問題もない。しかし、内部人工器官が位置決めされた後にその位置の形状が曲げられるとすぐに、あるいはその位置の形状が修正されそうなとき、問題が生じる。
【0005】
そこで、周知の解決策としては、高額のオーダーメードでこのような内部人工器官を製造することだけである。
【0006】
解剖学的導管と内部人工器官との間の形状の相違という欠点は、最も困るものであり、その理由は、上述の内部人工器官は、その一部が除去された解剖学的導管の複数箇所の間を接続することを目的として管状の移植片を内部で補強するためにうまく使用できることが最近発見されたからである。実際に、たとえば気管または 気管支などの解剖学的導管の一部が悪性腫瘍の源であるとき、手術が行なわれることが可能であり、これは、エマニュエル マルチノド(Emmanuel Martinod)教授によって確立された手順(プロトコル)で、解剖学的導管の一部を除去し、その部分と、例えば、大動脈または動脈部といった管状の移植片とを交換する方法からなり、これは上記除去された部分の両側に設けられた上記解剖学的導管の複数箇所の間を繋ぐものである。上記内部人工器官は解剖学的導管の上記箇所の間の接続を補強し、上記移植片が崩れるのを防ぐ。
【0007】
しかし、上記内部人工器官は、最適で所望の解剖学的適合性を有することができないこと、及びまたは移植片が位置決めされた後に、解剖学的導管の上記複数の箇所は、他方に対して一方を動かすことが生じる可能性がある。
【0008】
従って、本発明の目的は、上記周知の内部人工器官を改良して、それが少なくとも部分的に解剖学的適合性に適応でき、及びまたはそれが挿入される解剖学的導管の相対的な動きに適応できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
このため、本発明によれば、解剖学的導管の2つの箇所の間を接続する管状の移植片を内部で支持するための内部人工器官で、この内部人工器官は、生物的適合性のある半硬性素材製であり、その全長に亘った内部内腔を画定する管状ボディを有する内部人工器官であって、この内部人工器官は、上記管状ボディが少なくとも1つの可撓性のある管状中間部を有し、上記管状中間部は、管状ボディの部分と一体的であるため、そのアセンブリと上記可撓性のある管状中間部は一体型であり、上記可撓性のある管状中間部の両側に位置する上記一体型管状ボディの半硬性部の相対的な方位を合わせることができることを特徴とする。
【0010】
従って、本発明によれば、上記内部人工器官は、その半硬性部のおかげで耐圧潰性がありながら、解剖学的導管の適合性および変形に適応できる特性を有する。
【0011】
上記中間部は、外面が環状であるので可撓性があることが好ましい。
【0012】
上記解剖学的導管の形状の機能として、上記一体型管状ボディは円筒状、円錐状、二股に分岐された形状などであることが可能である。
【0013】
上記一体型管状ボディが二股に分岐された形状を有して、その結果として、上記内部人工器官が、二股に分岐された解剖学的導管に適応されるとき、
上記二股に分岐された管状ボディは少なくとも
− 1つの共有管状部と、
− 2つの二股に分岐された管状部と、
− 上記共有管状部と二股に分岐された管状部の1つとの間に設けられた少なくとも1つの可撓性のある管状中間部と
を備える。
【0014】
本発明の内部人工器官を上記二股に分岐された導管の解剖学的角度に合わせるために、二股に分岐した2つの管状部間の角度を変えることが可能である。
【0015】
好都合なことに、一体型管状ボディの各端部は、外部に張り出す厚みのあるリングを備えている。従って、上記厚みのあるエンドリングによって、本発明の内部人工器官の端部は、解剖学的導管における内部人工器官を効率よく固定するのに充分なほど硬い。
【0016】
上記解剖学的導管における上記リングを固定しやすくするために、解剖学的導管は外側突出部を有することが好ましい。このような固定用突出部は、スタッドからなることが可能であり、これは、EP1,681,040に記載されている。このような場合、上記突出部は、その固定機能に加えて、活性生成物のための容器、または放射線不透過性の生成物のためのハウジングや標識として機能する。
【0017】
さらに、いくつかの解剖学的導管が、その周辺で均等の機械抵抗を有していないことは周知である。このような場合、本発明の内部人工器官は、解剖学的導管の最も弱い部分よりもより抵抗力があるという利点がある。このため、上記一体型ボディの少なくとも1つの部分の少なくとも周辺部は、上記可撓性のある中間部以外に、外側長手方向のリブを有し、上記周辺部を硬化させることができる。
【0018】
2つの隣接した突出する長手方向リブ間に形成された凹所は、層またはシートとしての活性生成物などのためのハウジングとして機能できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の一体型人工器官の代表的実施例を示す。
【図2】図1の人工器官のII−II線軸方向断面図である。
【図3】図1の人工器官のIII−III線断面図である。
【図4】図1の人工器官の平面図である。
【図5】図2と同様の視点で、人工器官の一端部の他方に対する方位合わせの可能性を示す。
【図6】本発明の人工器官の実施例を示す
【図7】本発明の人工器官の実施例を示す
【図8】本発明の一体型人工器官の実施例を示す。
【図9】図8の人工器官のIX−IX線長手方向断面図に該当する。
【図10】図9と同様の視点で、人工器官の一端部の他方に対する方位合わせの可能性を示す。
【図11】本発明の一体型人工器官の他の代表的実施例を示す。
【図12】図11に示す人工器官の長手方向断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
添付図面の図により、本発明がどのように実施されるかが明確に理解される。これらの図中、同一符合は、同一要素を示す。
図1から5によって図示される本発明の人工器官Aは、例えば、半硬性シリコンエラストマー製の一体型管状ボディ2でなり、滑らかで均一の内部内腔3を長手方向軸線L−Lで画定する。一体型管状ボディ2は、中間管状部(中間部)2Iを備え、可撓性があるように外面が環状で、2つの半硬性管状部2Aと2Bとを繋ぐ。
【0021】
図5に図示されたように、このような中間部2Iは、上記ボディ2に横方向の可撓性を与え、その結果、その2つの部分である2Aおよび2Bは、他方に対して、一方は、限定された方向に方位を合わせることが可能である。
同図では、部分2Bの軸線l−lは、人工器官および部分2Aの軸線L−Lに対して角度aだけ撓むことができる。
【0022】
さらに、半硬性管状部2Aおよび2Bは、それぞれエンドリング4,5に設けられ、上記エンドリング4,5は上記部分2Aおよび2Bの管状壁6に対して突出している。実際に、管状壁6の厚みeは、リング4と5の厚みEより小さく、従って、上記管状壁6に対して外側へ突出している。管状壁6は、外層の外側の長手方向に硬化しているリブ7を有する。
【0023】
上記硬性リブ7は、管状壁6の周りに均等に分布される。それに比べて、図示されたように、リブは、壁2Aおよび2Bの管状壁6の周辺の一部に設けることができるだけである。
【0024】
リング4と5は、外側に突出しているスタッド8と9をそれぞれ支持しており、これは、例えば、EP1,681,040の記載と同様である。
【0025】
上述の内部人工器官Aは、崩壊しがちな解剖学的導管を内側で補強するため、または詰まりがちな解剖学的導管の内腔を維持するために使用可能である。
【0026】
図6および図7に示されるように、内部人工器官Aは、解剖学的導管の2つの箇所を接続することを目的とする移植片を支持するため提供されることもできる。
【0027】
図6では、一部概略図において、悪性腫瘍の源である部分21を有する解剖学的導管20が図示されている。上記部分21は、上記腫瘍の両側に位置する解剖学的導管20の健康な部分24と25に設けられた切断線22,23に沿って切除されて、解剖学的導管20から除去される。上記部分21と健康な部分24および25が切除された後、解剖学的導管20は2つの分離した箇所26、27を備える。
【0028】
図7に図示されたように、上記2つの分離した箇所26,27は人工器官Aと、リング4,5とスタッド8,9とによって繋がれ、それらは、上記箇所の内側に収容されているが、移植片28は人工器官Aの周りで外部からそれらを接続する。
【0029】
その可撓性のある中間部2Iを介して、人工器官Aは、両方の箇所26、27のうちの一方を他方に対して可能性のある相対的にシフト(位置変え)することに適応でき、その後、上記箇所および移植片28が互いに一体になる。
【0030】
図1から図5および図7に図示された代表的実施例Aにおいて、上記ボディ2と内腔3は少なくともほぼ円筒形状をしている。
【0031】
あるいは、図8から10の代表的実施例Bにおいて、ボディ2および内腔3は、少なくともほぼ円錐形状である。従って、一体型内部人工器官Bは、円錐状の解剖学的導管にも適応できる。その可撓性のある中間部2Iを介して、上記内部人工器官Bは、上記解剖学的導管に対して高い適応性を持つ(図10参照)。
【0032】
本発明による一体型内部人工器官の実施例Cは、図11および12に図示されており、二股に分岐された解剖学的導管のためのものであり、二股に分岐された形状を有する。上記内部人工器官Cの一体型ボディ2は、
− 上述の部分2Aに匹敵する1つの共有管状部2Cと、
− 上述の部分2Bに匹敵する2つの二股に分岐された管状部2D,2Eと、
− 上記共有管状部2Cと二股に分岐された管状部2D,2Eの1つとの間にそれぞれ設けられた、上述の部分2Iに匹敵する2つの可撓性のある管状中間部2I1,2I2、
とを備える。
【0033】
上述の記載から、好ましくは、環状の可撓性のある中間部2I1および2I2が二股の枝部2Dおよび2Eの間に矢印で示す角度bを設け、上記角度が設けられる二股に分岐された解剖学的導管を解剖学に適応できると理解するのは容易である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
解剖学的導管の2つの箇所の間を接続する管状の移植片を内部で支持するための内部人工器官で、上記内部人工器官は、生物的適合性のある半硬性素材製であり、その全長に亘った内部内腔(3)を画定する管状ボディ(2)を有する内部人工器官であって、
上記管状ボディ(2)が少なくとも1つの可撓性のある管状中間部(2I;2I1,2I2)を有し、上記管状中間部は、管状ボディ(2)の部分と一体的であるため、そのアセンブリと上記可撓性のある管状中間部は一体型であり、上記可撓性のある管状中間部の両側に位置する上記一体型管状ボディ(2)の半硬性部の相対的な方位合わせを可能にすることを特徴とする内部人工器官。
【請求項2】
上記可撓性のある中間部(2I;2I1,2I2)が外面が環状であることを特徴とする請求項1に記載の内部人工器官。
【請求項3】
上記一体型管状ボディ(2)は、ほぼ円筒状であることを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の内部人工器官。
【請求項4】
上記一体型管状ボディ(2)は、ほぼ円錐状であることを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の内部人工器官。
【請求項5】
上記一体型管状ボディ(2)は、二股に分岐された形状であることを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の内部人工器官。
【請求項6】
上記二股に分岐された管状ボディ(2)は少なくとも
− 1つの共有管状部と、
− 2つの二股に分岐された管状部(2D,2E)と、
− 上記共有管状部と二股に分岐された管状部の1つとの間に設けられた少なくとも1つの可撓性のある管状中間部(2I1,2I2)と
を備えることを特徴とする請求項5に記載の内部人工器官。
【請求項7】
上記一体型管状部(2)は外部に張り出す厚みのあるリング(4、5)を備えることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の内部人工器官。
【請求項8】
上記エンドリング(4,5)は外側突出部(8,9)を有することを特徴とする請求項7に記載の内部人工器官。
【請求項9】
上記外側突出部(8,9)はスタッド形状を有することを特徴とする請求項8に記載の内部人工器官。
【請求項10】
上記可撓性のある中間部以外の上記一体型管状ボディ(2)の少なくとも一部は、外側長手方向リブ(7)を有することを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載の内部人工器官。
【請求項11】
上記外側長手方向リブ(7)の間に画定されたスペースは活性生成物を収容することを特徴とする請求項10に記載の内部人工器官。
【請求項12】
上記外側長手方向リブ(7)は上記管状部の周辺に不均等に分布されていることを特徴とする請求項10または11のいずれかに記載の内部人工器官。
【請求項1】
解剖学的導管の2つの箇所の間を接続する管状の移植片を内部で支持するための内部人工器官で、上記内部人工器官は、生物的適合性のある半硬性素材製であり、その全長に亘った内部内腔(3)を画定する管状ボディ(2)を有する内部人工器官であって、
上記管状ボディ(2)が少なくとも1つの可撓性のある管状中間部(2I;2I1,2I2)を有し、上記管状中間部は、管状ボディ(2)の部分と一体的であるため、そのアセンブリと上記可撓性のある管状中間部は一体型であり、上記可撓性のある管状中間部の両側に位置する上記一体型管状ボディ(2)の半硬性部の相対的な方位合わせを可能にすることを特徴とする内部人工器官。
【請求項2】
上記可撓性のある中間部(2I;2I1,2I2)が外面が環状であることを特徴とする請求項1に記載の内部人工器官。
【請求項3】
上記一体型管状ボディ(2)は、ほぼ円筒状であることを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の内部人工器官。
【請求項4】
上記一体型管状ボディ(2)は、ほぼ円錐状であることを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の内部人工器官。
【請求項5】
上記一体型管状ボディ(2)は、二股に分岐された形状であることを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の内部人工器官。
【請求項6】
上記二股に分岐された管状ボディ(2)は少なくとも
− 1つの共有管状部と、
− 2つの二股に分岐された管状部(2D,2E)と、
− 上記共有管状部と二股に分岐された管状部の1つとの間に設けられた少なくとも1つの可撓性のある管状中間部(2I1,2I2)と
を備えることを特徴とする請求項5に記載の内部人工器官。
【請求項7】
上記一体型管状部(2)は外部に張り出す厚みのあるリング(4、5)を備えることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の内部人工器官。
【請求項8】
上記エンドリング(4,5)は外側突出部(8,9)を有することを特徴とする請求項7に記載の内部人工器官。
【請求項9】
上記外側突出部(8,9)はスタッド形状を有することを特徴とする請求項8に記載の内部人工器官。
【請求項10】
上記可撓性のある中間部以外の上記一体型管状ボディ(2)の少なくとも一部は、外側長手方向リブ(7)を有することを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載の内部人工器官。
【請求項11】
上記外側長手方向リブ(7)の間に画定されたスペースは活性生成物を収容することを特徴とする請求項10に記載の内部人工器官。
【請求項12】
上記外側長手方向リブ(7)は上記管状部の周辺に不均等に分布されていることを特徴とする請求項10または11のいずれかに記載の内部人工器官。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公表番号】特表2011−509132(P2011−509132A)
【公表日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−541815(P2010−541815)
【出願日】平成21年1月5日(2009.1.5)
【国際出願番号】PCT/FR2009/000002
【国際公開番号】WO2009/112657
【国際公開日】平成21年9月17日(2009.9.17)
【出願人】(510101778)
【氏名又は名称原語表記】NOVATECH SA
【住所又は居所原語表記】Zone Industrielle III,Voie Antiope,13600 LA CIOTAT,France
【Fターム(参考)】
【公表日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年1月5日(2009.1.5)
【国際出願番号】PCT/FR2009/000002
【国際公開番号】WO2009/112657
【国際公開日】平成21年9月17日(2009.9.17)
【出願人】(510101778)
【氏名又は名称原語表記】NOVATECH SA
【住所又は居所原語表記】Zone Industrielle III,Voie Antiope,13600 LA CIOTAT,France
【Fターム(参考)】
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