説明

触媒反応装置

【課題】放電によって発生する紫外線やオゾンの量や状態を制御することが可能な触媒反応装置を提供する。
【解決手段】触媒反応装置1は、各回路へ電源供給を行なう電源回路2と、放電電圧を決定する放電電圧可変回路3と、放電電圧可変回路3の指示に従って放電電圧を発生する放電装置としての放電回路4と、電極5a,5b間に光触媒6を挟み込んでなる光触媒部5と、放電電流を検知する電流センサ7と、電流センサ7の出力信号から高周波成分のみを増幅・検出する高周波増幅器8とから構成される。放電電圧可変回路3は、高周波増幅器8からのフィードバック信号に基づいて、電極5a,5b間の放電量を判断し、放電電圧ひいては紫外線とオゾンの量を可変させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放電を行う触媒反応装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、放電を利用して紫外線を得る触媒反応装置(例えば特許文献1)の場合、高電圧を電極に印加してコロナ放電させるので、温度・湿度・気圧などによりそのコロナ放電の量や状態が影響を受ける。例えば、低温・低湿度の雰囲気では同じ高電圧を同じ電極に印加しても、コロナ放電の量が少なくて得られる紫外線量やオゾンの発生量も低くなる。一方、高温・高湿の雰囲気では反対にコロナ放電の量が多くなり紫外線量やオゾンの発生量も高くなる。この場合、コロナ放電の量が多くなることで、条件によっては火花放電に発展してしまう場合もあり、コロナ放電の量や状態を一定に保つことが望まれていた。
【0003】
また、使用上一時的に、コロナ放電の量を増やして光触媒反応を高めたい時や、コロナ放電の量を抑えて光触媒反応を抑えたい時もあるが、火花放電を起こさない高電圧の上限値やコロナ放電を確実に発生させる高電圧の下限値の設定に余裕度を設ける必要性から、高電圧の電圧可変幅は限られており、電圧印加の通電率でコロナ放電の量を可変するなどの工夫を要するものの、その可変幅は限られていた。
【0004】
一方、脱臭器として触媒反応装置を用いた場合(例えば特許文献2)には、コロナ放電によって発生するオゾンによっても脱臭を行なうため効果的であるものの、コロナ放電の量が多過ぎると余剰オゾンを分解する目的に具備されたオゾン分解触媒の磨耗が進み、その触媒の寿命を短くすることがある。
【特許文献1】特開2004−321879号公報
【特許文献2】特開2005−13383号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
コロナ放電によって発生する紫外線やオゾンの量を、例えば紫外線センサー,オゾン(ガス)センサーなどを利用して監視し、制御することも考えられる。しかし、これらのセンサーは応答速度が遅く、紫外線エネルギーが所定量まで増えないと検知できないという欠点がある。
【0006】
従来の触媒反応装置を用いた触媒脱臭器は手動で運転・停止する仕様が主で、脱臭対象の臭気がほとんど無くなっても無駄な運転を継続するという欠点があった。また、タイマー機能を搭載し、所定時間経過後に運転停止する脱臭器等も考案されたが、その都度タイマーモードに手動でしなければならず、面倒な点があった。
【0007】
そこで本発明は上記問題点に鑑み、放電によって発生する紫外線やオゾンの量や状態を制御することが可能な触媒反応装置を提供することを目的とする。
【0008】
また本発明は上記問題点に鑑み、所定の曜日・所定の時間に自動運転することが可能な触媒反応装置を提供することを別の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明における請求項1の触媒反応装置では、放電装置の放電電流から検出した信号を監視することにより、放電量ひいては紫外線とオゾンの量を判断することができるため、紫外線センサーやオゾンセンサー等を利用しなくても紫外線とオゾンの発生量を制御することができる。これにより、触媒反応装置の使用状況に応じて、広範囲にその能力を可変でき、火花放電を防止でき、余剰オゾン発生量を減少させてオゾン分解触媒の寿命を延ばすことができる。
【0010】
本発明における請求項2の触媒反応装置では、印加する電圧を可変することで紫外線とオゾンの量を可変させる。
【0011】
本発明における請求項3の触媒反応装置では、電圧周期を可変することで紫外線とオゾンの量を可変させる。
【0012】
本発明における請求項4の触媒反応装置では、印加時間を可変することで紫外線とオゾンの量を可変させる。
【0013】
本発明における請求項5の触媒反応装置では、電極に供給するパルスを可変することで紫外線とオゾンの量を可変させる。
【0014】
本発明における請求項6の触媒反応装置では、運転制御手段により所望の曜日・時間に自動運転させることができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明の請求項1によると、放電によって発生する紫外線やオゾンの量や状態を制御することが可能な触媒反応装置を提供することができる。
【0016】
本発明の請求項2によると、印加する電圧を可変するだけで、容易に紫外線とオゾンの量を可変させることができる。
【0017】
本発明の請求項3によると、電圧周期を可変するだけで、容易に紫外線とオゾンの量を可変させることができる。
【0018】
本発明の請求項4によると、印加時間を可変するだけで、容易に紫外線とオゾンの量を可変させることができる。
【0019】
本発明の請求項5によると、電極に供給するパルスを可変するだけで、容易に紫外線とオゾンの量を可変させることができる。
【0020】
本発明の請求項6によると、所定の曜日・所定の時間に自動運転することが可能な触媒反応装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、添付図面を参照しながら、本発明における触媒反応装置の好ましい各実施例を説明する。なお、これらの各実施例において、同一箇所には同一符号を付し、共通する部分の説明は重複するため極力省略する。
【実施例1】
【0022】
図1は、本第1実施例における触媒反応装置の主構成を示す放電制御回路のブロック図である。
【0023】
触媒反応装置1は、例えば商用電源などから所望の電力を取り出して各回路へ電源供給を行なう電源回路2と、放電電圧を決定する制御手段としての放電電圧可変回路3と、放電電圧可変回路3の指示に従って放電電圧を発生する放電装置としての放電回路4と、電極5a,5b間に光触媒6を挟み込んでなる光触媒部5と、放電電流を検知する検知手段たる電流検知手段としての電流センサ7と、電流センサ7の出力信号を増幅・検出する高周波検出手段としての高周波増幅器8とから構成される。
【0024】
放電回路4は、数kV〜数十kVの高電圧を発生し、電極5a,5b間に印加するものであり、光触媒6の両面にある電極5a,5bとの間でコロナ放電を起こさせる。コロナ放電が起きると、紫外線とオゾンが発生し、その紫外線によって光触媒6が励起される。例えば、触媒反応装置1を脱臭機として用いた場合には、当該光触媒反応によって、空気中の臭いの元となっている臭気成分や揮発性有機化合物などが、紫外線の照射量に従って一定量分解される。また、同時に発生するオゾンの酸化作用によっても空気中の臭気成分等が分解され、光触媒6の反応と共に脱臭効果を高めることができる。
【0025】
電流センサ7は、放電回路4から電極5a,5bへ流れる放電電流を検出するセンサであり、紫外線センサーやオゾンセンサー等に比べて応答速度が飛躍的に高い。電流センサ7から出力される信号は、放電電流に連動して変化し、高周波増幅器8へ入力される。
【0026】
高周波増幅器8は、電流センサ7の出力信号から高周波成分のみを増幅・検出するものであり、例えばハイパスフィルタとオペアンプとの組合わせ回路などからなる。本第1実施例では、高周波増幅器8は1MHz以上の信号成分を増幅・検出するよう構成されている。高周波増幅器8の出力信号は、フィードバック信号として放電電圧可変回路3へ入力される。
【0027】
放電電圧可変回路3は、高周波増幅器8からのフィードバック信号に基づいて、電極5a,5b間の放電量を判断し、放電電圧ひいては紫外線とオゾンの発生量を可変させるものである。ここで、放電電圧可変回路3の制御処理について図2を参照しながら説明する。図2は、放電電圧可変回路3における一連の制御処理の流れを示す放電量制御フローである。放電電圧可変回路3は、高周波増幅器8の出力信号を監視し(ステップS1)、当該出力信号が所定値未満であれば、放電回路4で発生させる放電電圧を上げ(ステップS2)、当該出力信号が所定値を超えていれば、放電回路4で発生させる放電電圧を下げ(ステップS3)、当該出力信号が所定値と同じであれば、放電回路4で発生させる放電電圧を現状維持する(ステップS4)。このようにして、放電電圧可変回路3は、光触媒部5における放電量ひいては紫外線とオゾンの発生量が一定となるように放電回路4を制御する。
【0028】
次に触媒反応装置1の動作と共にその作用について説明する。
【0029】
電源回路1が通電すると、放電電圧可変回路3に電源が供給される。電流センサ7は電極5a,5b間に流れる電流波形を信号化する。当該信号は、この信号に含まれる高周波成分の信号のみが高周波増幅器8で増幅・検出された状態で、放電電圧可変回路3に送られる。放電電圧可変回路3は、高周波増幅器8からの情報(高周波信号)を基に放電電圧を決定し、放電回路4へ放電量を伝え、放電回路4より光触媒部5の電極5a,5b間に高電圧を印加して所定のコロナ放電を行い、紫外線とオゾンを発生させる。
【0030】
ところで、気体中で高電圧を電極間に印加してコロナ放電を起こさせる場合、一般にコロナ放電に伴い脈流又は振動電流が流れ、この電流の量とコロナ放電の量は比例関係にあることが知られている。大気中のコロナ放電では、この脈流波形の周波数成分は数十MHz付近から数百MHz以上に渡っており、1MHz以上の周波数成分を増幅すれば、例え、電極間に印加する電圧が数十kHzの交流波形であっても、その電圧波形によって流れる交流電流成分から分離することができ、コロナ放電に伴う上記電流量を検出することが可能である。
【0031】
これを利用して、電極5a,5b間に流れる放電電流から、電流センサ7及び高周波増幅器8によりコロナ放電の量と比例関係にある高周波信号を取り出して、当該高周波信号を放電電圧可変回路3にフィードバックすることで、放電電圧可変回路3が、ほぼ一定量の紫外線とオゾン発生量に制御することができる。すなわち、放電電圧可変回路3は、そのコロナ放電の量が所定値に達していなければ印加電圧を上げてやり、所定値を超えた場合には印加電圧を下げてやって、所定量のコロナ放電をさせるように放電回路4の出力制御をする。
【0032】
このように、本第1実施例の触媒反応装置1は、放電によって発生する紫外線やコロナ放電の状態を、放電電流に含まれる高周波電流を検出することで判断し、放電量を左右する電極間の電圧を可変することで、発生する紫外線やオゾンの量を制御することのできるものであり、コロナ放電によって発生する紫外線量やオゾン発生量を一定に保つことができる。その結果、光触媒反応装置の使用状況に応じて、広範囲にその能力を可変できる。また、コロナ放電が使用環境によって、火花放電に発展することを防止できる。また、必要に応じて放電量を抑えることにより余剰オゾン発生量を減少させることができ、オゾン分解触媒の寿命が延びる。
【0033】
本第1実施例では、放電電圧可変回路3により放電回路4の放電電圧レベルを可変したが、電圧を一定にして電圧を印加する通電率を可変したり、印加する高電圧を交流またはパルスとしてその周波数を可変することでも放電量を制御可能である。より詳細には、電極間に印加する、電圧値を高くした場合、高電圧周期を短くした場合、高電圧パルスの立ち上がりスピードを上げた場合に、紫外線及びオゾンの発生量が増加する。もちろん、上記の電圧,周波数,通電率を組合わせれば、その可変範囲はより広くなる。その他、電極間の距離や周囲温度・湿度などをコントロールしてもよい。
【0034】
以上のように本実施例の触媒反応装置1では、光触媒6と、紫外線とオゾンを電極5a,5b間の放電によって発生させる放電装置としての放電回路4と、この放電回路4の放電電流を検知する電流検知手段としての電流センサ7と、この電流センサ7の出力信号から1MHz以上の信号成分を増幅又は検出した信号によって電極5a,5b間の放電量を判断し、前記紫外線と前記オゾンの発生量を可変させる制御手段としての放電電圧可変回路3とを備えている。
【0035】
このようにすると、放電回路4の放電電流から検出した信号を監視することにより、電極5a,5b間の放電量ひいては紫外線とオゾンの発生量を判断することができるため、紫外線センサーやオゾンセンサー等を利用しなくても紫外線とオゾンの発生量を制御することができる。これにより、触媒反応装置1の使用状況に応じて、広範囲にその能力を可変でき、火花放電を防止でき、余剰オゾン発生量を減少させてオゾン分解触媒の寿命を延ばすことができる。以上により、放電によって発生する紫外線やオゾンの量や状態を制御することが可能な触媒反応装置を提供することができる。
【0036】
また本実施例の触媒反応装置1では、放電電圧可変回路3は、電極5a,5b間に印加する電圧を可変することで前記紫外線と前記オゾンの発生量を可変させるものであることを特徴とする。
【0037】
このようにすると、電極5a,5b間に印加する電圧を可変することで紫外線とオゾンの発生量を可変させる。従って、電極5a,5b間に印加する電圧を可変するだけで、容易に紫外線とオゾンの発生量を可変させることができる。
【0038】
さらに本実施例の触媒反応装置1では、前記制御手段は、電極5a,5b間の電圧周期を可変することで前記紫外線と前記オゾンの発生量を可変させるものとすることもできる。
【0039】
このようにすると、電極5a,5b間の電圧周期を可変することで紫外線とオゾンの発生量を可変させる。従って、電極5a,5b間の電圧周期を可変するだけで、容易に紫外線とオゾンの発生量を可変させることができる。
【0040】
また本実施例の触媒反応装置1では、前記制御手段は、電極5a,5b間の印加時間を可変することで前記紫外線と前記オゾンの発生量を可変させるものとすることもできる。
【0041】
このようにすると、電極5a,5b間の印加時間を可変することで紫外線とオゾンの発生量を可変させる。従って、電極5a,5b間の印加時間を可変するだけで、容易に紫外線とオゾンの発生量を可変させることができる。
【0042】
さらに本実施例の触媒反応装置1では、前記制御手段は、電極5a,5b間に供給するパルスの立ち上がり速度を可変することで前記紫外線と前記オゾンの発生量を可変させるものとすることもできる。
【0043】
このようにすると、電極5a,5b間に供給するパルスの立ち上がり速度を可変することで紫外線とオゾンの発生量を可変させる。従って、電極5a,5b間に供給するパルスの立ち上がり速度を可変するだけで、容易に紫外線とオゾンの発生量を可変させることができる。
【実施例2】
【0044】
図3乃至図6は本発明の第2実施例を示すもので、触媒反応装置としての触媒脱臭器の構成が図示されている。同図において、11は触媒脱臭器の外郭をなす筐体であり、12は筐体11の正面に開口形成された吸気口、13は筐体11の上面に開口形成された排気口で、筐体11の内部には、吸気口12から排気口13に連通する風路14が形成される。風路14内には、吸気口12側から、吸気口12に対向して塵埃を除去する集塵フィルタ20と、紫外線を放電によって発生させて光触媒を励起する触媒反応部21と、触媒反応部21で発生するオゾンを分解除去するオゾン分解触媒22と、送風手段としてのファン23とが順に配置される。ファン23が負圧を発生させることにより、吸気口2から脱臭すべき空気が吸い込まれ、集塵フィルタ20,触媒反応部21,およびオゾン分解触媒22の順に通過して、ファン23から排気され、排気口13から外部に放出されるようになっている。
【0045】
ここで、触媒反応部21の概略構成を図7に基づき説明すると、31は数KV〜数十KVの高電圧を発生する高電圧発生用電源、32,32は一対の光触媒で、光触媒32,32の間にプラス側の電極33を配置すると共に、この電極33とにより各光触媒32,32を挟むようにしてマイナス側の電極である別の対極34,34を配置している。また、高電圧発生用電源31のプラス側リード端子35は電極33に接続されると共に、高電圧発生用電源31のマイナス側リード端子36は各対極34,34に接続され、前記高電圧発生用電源31からの高電圧が電極33と対極34,34との間に印加される。そして、電極33および対極34,34と、高電圧発生用電源31とにより、電極33と対極34との間の放電により紫外線を発生させて光触媒32を励起させる触媒反応部21が構成される。筐体11内においては、触媒反応部21のケースの中に光触媒32、その光触媒32を挟むように+電極と−電極(対極34)が配置されている。
【0046】
再度、図3乃至図6に戻って説明すると、29は、後述する高電圧発生用電源31などを組み込んだ高電圧発生装置であり、筐体11の内部下方に配置されている。触媒反応部21の電極33,34間に高電圧を印加する高電圧発生装置は高圧トランスを含む回路としてPC板に設けられ、筐体11内に設置される。電源PC板はAC100Vを入力とし、各PC板及び電装部品へ電気を供給する。
【0047】
また、運転制御手段40は、例えばマイコンなどを含む回路として制御PC板に組み込まれ、筐体11の正面上部に配置された操作・表示部45の裏側に配設されている。図8をも参照しながら、運転制御手段40及び操作・表示部45の構成について説明する。
【0048】
運転制御手段40は、例えばマイコンからなる制御部41と、例えば電池やキャパシタなどのバックアップ電源等からなるバックアップ手段44とから構成されるものであり、操作・表示部45との間で操作信号・表示信号をやり取りする。制御部41は、制御に必要なデータを記憶保持する記憶手段42と、常時時間(曜日,時刻)を計時する計時手段43を備え、脱臭器の運転制御全般を行なう。停電時などにはデータが消失しないように、バックアップ手段44により、計時手段43の時計データや記憶手段42のプログラム1,2が保持される。
【0049】
とりわけ、本第2実施例の脱臭器では、操作・表示部45の操作により設定され、記憶手段42に格納されたプログラム1,2に従って運転が行なわれる。運転プログラムの具体的な設定登録例としては、例えば、プログラム1は週3回の生ごみ回収の日に合わせて火・木・土のAM8:00運転開始〜AM10:00運転停止に設定し、プログラム2は長期連休時などの特別収集の日に合わせて運転時間を設定するなどである。複数のプログラムを設定を可能とすることで、よりユーザの希望に合わせた自動運転を行なうことが可能となり、脱臭器の利便性を高めることができる。なお、前記制御PC板上にモード切替スイッチを設けて、例えば、プログラム1,2の両方を登録した時間で運転できるモードである「Aパターン」と、プログラム1,2のどちらかに登録した時間を選んで運転するモードである「Bパターン」とを切り替え可能としてもよい。
【0050】
操作・表示部45は、例えば「運転/停止」,「風量切替」,「モード切替」,「タイマー運転」,「曜日設定」,「時刻設定」ボタンなどの各種操作ボタンと、例えば液晶ディスプレイからなる時刻表示部と、例えば「運転/停止表示」,「風量モニター」,「モード表示」,「タイマー運転表示」「曜日表示」などのLED表示部とを備えてなる。
【0051】
次に、上記構成についてその作用を説明する。脱臭器が運転を開始すると、室内の臭気成分や揮発性有機化合物を含む空気は、ファン23によって吸気口12から筐体11内の風路14に吸い込まれ、集塵フィルタ20により塵埃などが除去された後に、触媒反応部21に送られる。この触媒反応部21では、高電圧発生用電源31から数KV〜数十KVの高電圧パルスが電極33と対極34,34との間に印加されることにより、電極33や対極34,34、および光触媒32を通過して流れる空気の絶縁が部分的に破れ、光触媒32の両面にある電極33と対極34,34との間でコロナ放電が起きる。コロナ放電が起きると、紫外線とオゾンが発生し、その紫外線によって光触媒32が励起され、空気中の臭いの元となっている臭気成分や揮発性有機化合物等が、紫外線の照射量に従って一定量分解される。一方、放電によって発生したオゾンも空気中の臭気成分を酸化分解する。オゾンと臭気成分は共に風路14の下流に流れ、臭気成分は空気中でオゾンにより酸化分解されたり、触媒反応部21の下流側に設けられたオゾン分解触媒22にて吸着され、そこで臭気成分等はオゾンにより酸化分解されたりする。このようにして臭気成分を含む空気は浄化される。また、余ったオゾンはオゾン分解触媒22に吸着された後、互いに反応し、酸素となって臭気成分等のない空気と共に排気口13から外部に排気される。
【0052】
タイマー運転をするには予め操作・表示部45を操作して、タイマー設定を行なう必要がある。具体的には、例えば、「モード切替」ボタンを押す度に、運転モード→時刻合わせモード→動作曜日設定モード→動作時刻設定モード→風量設定モード、に切り替わるように構成し、動作曜日設定モード又は動作時刻設定モードでそれぞれ「曜日設定」ボタン又は「時刻設定」ボタンを適宜操作し、タイマー設定を行なえばよい。なお、運転モードでは「運転/停止」ボタン又は「タイマー運転」ボタンの操作により通常運転又はタイマー運転を行なうことができ、時刻合わせモードでは「曜日設定」ボタン又は「時刻設定」ボタンの操作により現在時刻を設定することができ、風量設定モードでは「風量切替」ボタンの操作により風量調整ができる。
【0053】
タイマー運転時には、プログラム1,2に設定された曜日・時刻に従って、運転開始/運転停止する。具体例としては、上述したような、火・木・土のAM8:00運転開始〜AM10:00運転停止などの時間帯指定運転がある。その他、適当な曜日を指定して1日でONまたはOFFのみ設定した場合、AM8:00でONのみ設定のときは、0:00〜8:00の間は停止、8:00〜24:00の間は運転し、AM8:00でOFFのみ設定のときは、0:00〜8:00の間は運転、8:00〜24:00の間は停止する。また、ON設定時刻よりOFF設定時刻が早い場合は、AM8:00でOFF設定、PM5:00でON設定とすると、0:00〜8:00の間は運転、8:00〜17:00の間は停止、17:00〜24:00の間は運転となる。
【0054】
1週間のうちの所定の曜日の所定の時間に運転をする運転制御手段40を設けた脱臭器の構成とすることによって、例えば、ゴミ置き場は生ゴミ等から発生する悪臭により脱臭が必要とされるが、ゴミ出しの日にちは決まっており、その日、またはその日を含む前後に脱臭器が運転されれば良く、脱臭対象の臭気がほとんど無くなるゴミ出しの日以外は運転停止し、無駄な運転をすることも無くなる。また、一度プログラムタイマーをセットすれば自動的に設定された運転制御を行なうので、その都度、運転・停止を手動でする必要が無く、面倒な点が解消できる。
【0055】
以上のように本実施例では、紫外線とオゾンを放電によって発生させる電極33と対極34,34の近傍に光触媒32,32を配置し、電圧を電極34,34に印加する触媒反応部21を具備した触媒反応装置としての脱臭器において、1週間のうちの所定の曜日の所定の時間に運転をする運転制御手段40を設けている。
【0056】
このようにすると、運転制御手段40により所望の曜日・時間に自動運転させることができる。
【0057】
なお、本発明は、上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で変更可能である。本発明の触媒反応装置は、脱臭器のみでなく、各種装置に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】本発明の第1実施例における触媒反応装置の回路構成を示すブロック図である。
【図2】同上、触媒反応装置の放電量制御フロー図である。
【図3】本発明の第2実施例における触媒反応装置の外観を示す正面図である。
【図4】同上、触媒反応装置の外観を示す平面図である。
【図5】同上、触媒反応装置の内部構成を示す正面側から見た要部縦断面図である。
【図6】同上、触媒反応装置の内部構成を示す右側面側から見た要部縦断面図である。
【図7】同上、触媒反応部の構成を示す分解斜視図である。
【図8】同上、制御系の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0059】
1 触媒反応装置
3 放電電圧可変回路(制御手段)
4 放電回路(放電装置)
5a,5b 電極
6 光触媒
7 電流センサ(電流検知手段)
21 触媒反応部
32 光触媒
33 電極
34 対極
40 運転制御手段


【特許請求の範囲】
【請求項1】
触媒と、紫外線とオゾンを放電によって発生させる放電装置と、電流を検知する検知手段と、信号成分を増幅した信号によって放電量を判断し、前記紫外線と前記オゾンの量を可変させる制御手段とを備えたことを特徴とする触媒反応装置。
【請求項2】
前記制御手段は、印加する電圧を可変することで前記紫外線と前記オゾンの量を可変させるものであることを特徴とする請求項1記載の触媒反応装置。
【請求項3】
前記制御手段は、電圧周期を可変することで前記紫外線と前記オゾンの量を可変させるものであることを特徴とする請求項1記載の触媒反応装置。
【請求項4】
前記制御手段は、印加時間を可変することで前記紫外線と前記オゾンの量を可変させるものであることを特徴とする請求項1記載の触媒反応装置。
【請求項5】
前記制御手段は、電極に供給するパルスを可変することで前記紫外線と前記オゾンの量を可変させるものであることを特徴とする請求項1記載の触媒反応装置。
【請求項6】
放電を行う電極近傍に触媒を配置した触媒反応部を具備した触媒反応装置において、所定の日の所定の時間に運転をする運転制御手段を設けたことを特徴とする触媒反応装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−5971(P2008−5971A)
【公開日】平成20年1月17日(2008.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−178020(P2006−178020)
【出願日】平成18年6月28日(2006.6.28)
【出願人】(390010168)東芝ホームテクノ株式会社 (292)
【Fターム(参考)】