説明

触媒変換プロセス

リアクタ内で中程度の孔サイズを有するゼオライトが豊富な触媒と接触する炭化水素原料の接触分解反応を含む触媒変換プロセスであって、反応温度、重量空間速度、及び触媒/原料重量比が、前記原料の12重量%から60重量%の間の流動式接触分解ガスオイルの収率を達成するのに十分であり、前記重量空間速度は25h−1から100h−1の間であり、前記反応温度は450℃から600℃の間であり、前記触媒/原料重量比は1から30の間である。本発明は触媒変換プロセスに関し、特に重質原料オイルから高オクタン価ガソリンを製造し、かつプロピレンの収率が高い。より詳細には、本発明は、ドライガス及びコークスの収率を有意に減少し石油資源を効率よく使用するためのプロセスに関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は触媒変換プロセスに関する。より具体的には、本発明は重質原材料を高オクタン価ガソリンに変換し、かつプロピレンの収率が高い触媒変換プロセスに関し、ドライガス及びコークスの収率は有意に減少し、それによって石油資源が効率よく使用される。
【背景技術】
【0002】
プロピレン等の軽質オレフィンは重要な有機化学原材料である。商業的なプロピレンは、ポリプロピレン、アクリロニトリル、及び他の化学物質を製造するのに使用される。ポリプロピレン誘導体に対する需要が急速に増加するとともに、プロピレンの必要性は年々増加している。世界的な年間あたりのプロピレンの必要量は、20年前の1520万トンから2000年の5120万トンに増加し、平均年間増加率は6.3%であった。2010年のプロピレンの必要量は8600万トン、その期間の平均年間増加率は5.6%と見積もられている。
【0003】
水蒸気分解及び流動式接触分解(FCC)はプロピレンを製造するための主なプロセスである。エチレン及びプロピレンを製造する水蒸気分解において、ナフサのような軽油を原材料として使用することができ、プロピレンの収率は約15重量%程度である。しかしながら、FCCプロセスの原材料は真空軽油(VGO)等の重油である。現在、61%の量のプロピレンがエチレンを製造する水蒸気分解プロセスの副生成物からのものであり、34%の量のプロピレンがFCCによって製造され、約5%の量のプロピレンがプロパンの脱水素化及びエチレン−ブテンメタセシスプロセスによって製造される。
【0004】
もしもエチレン及びプロピレンが水蒸気分解等の従来の石油化学プロセスによって製造される場合、石油化学産業は、軽質原材料の不足、処理容量の不足、高コスト、及び他の制限的な因子に直面するだろう。
【0005】
FCCは原料の幅広い適応性及び柔軟な操作という利点を有するため、FCCの役割に対する関心は高まりつつある。約50%の量のプロピレンが米国のFCCによるものである。プロピレン収率が高い接触分解法は急速に改良されている。
【0006】
米国特許第4,980,053号明細書は炭化水素の触媒変換により気相のオレフィンを製造する方法を開示する。残油及び原油を含む石油の様々な留分は、温度500℃から650℃、及び圧力0.15MPaから0.3MPaで、重量空間速度0.2hr−1から20hr−1及び触媒/油比2から12で、固体酸性触媒を有する、流動床又は移動床リアクタ内で触媒的に変換される。触媒はリアクタと再生器との間で継続的に再生される。プロピレン及びブテンの全収率は原料重量に対して約40%、及びプロピレンの収率は原料重量に対して約26.34%である。
【0007】
国際公開第00/31215号明細書は、軽質オレフィンを製造するための接触分解プロセスを開示し、この方法は活性成分としてのZSM−5及び/又はZSM−11と、マトリックスとして大部分を占める不活性物質とを含む触媒を使用する。しかしながら、プロピレンの収率はVGOの重量に対して20%未満である。
【0008】
米国特許第4,422,925号明細書は流動式接触分解法を開示し、この方法において少なくとも一つの気相パラフィン系炭化水素原料及び少なくとも一つの液体炭化水素原料を含む炭化水素原料の複数のクラッキング性能は、より高い収率の軽質オレフィンを製造するための再生触媒の存在下で、幾つかの反応領域において様々なクラッキング反応条件に従う。
【0009】
経済の発展に起因して一定量のガソリン車が急速に実現され、高品質のガソリンに対する要求は増加しつつある。現在改良されつつあるガソリンのオクタン価技術は、触媒改質、アルキル化、異性化、ガソリンオクタン価を向上する添加物の添加、等を含む。触媒改質の利点は高いオクタン価を有するガソリンの重質留分であるが、ガソリンの軽質留分のオクタン価は低く、特に、改質触媒のコストが高く、かつ原料の品質が厳しく要求される。アルキル化及び異性化技術により、高いオクタン価を有しかつ良好な感度を有するガソリン、これは望ましい高オクタン価クリーンガソリン成分である、を製造することができるが、しかしながら、使用される触媒には腐食及び環境保護問題が存在する。MTBE及びETBE等オクタン価を向上する添加剤は、ガソリンのオクタン価を高めることができ、自動車の性能を改善するが、コストが高い。接触分解ガソリンは、自動車用ガソリンストックの主なソースである。接触分解ガソリンのオクタン価は低オクタン価重質ガソリン留分によって影響される。一般的には、FCCディーゼルの品質は、ストレート−ランディーゼルオイルよりも低い。FCCディーゼルオイルは単環芳香族炭化水素が豊富であり、これは高オクタンガソリン成分及びプロピレン生成物に触媒的に変換することができる。
【0010】
従来技術は、パラフィン分子触媒変換において不十分であり、したがってドライガスはプロピレン収率が増加するとき、急速に増加する。高オクタンガソリン及び軽質オレフィンを製造することができるディーゼルオイルのガソリンの潜在的含量が十分に活用されていないため、ガソリンの品質及び収率を改善する余地が未だ存在する。したがって、軽質オレフィン及びガソリンに対する市場の要求を満たすように高オクタン価ガソリンの収率を増加し、かつプロピレンの収率を増加して製造する、重質原料の接触分解プロセスを開発することが望ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】米国特許第4,980,053号明細書
【特許文献2】国際公開第00/31215号明細書
【特許文献3】米国特許第4,422,925号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明の目的は、特に重質原料を高オクタン価ガソリンに変換し、かつプロピレンの収率を高めるための触媒変換プロセスを提供することであり、ドライガス及びコークスの収率が有意に減少し、それによって石油資源が効率よく使用される。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の実施形態において、本発明により提供される触媒変換プロセスは、リアクタ中において中程度の孔サイズを有するゼオライトが豊富な触媒と接触する炭化水素原料の接触分解反応を含み、反応温度、重量空間速度(WHSV)、及び触媒/原料重量比(C/O)は前記原料の12重量%から60重量%の間の流動式接触分解ガスオイル(FGO)を生成するのに十分なものであり、前記WHSVは25h−1から100h−1の間であり、前記反応温度は450℃から600℃の間であり、前記C/Oは1から30の間である。
【0014】
さらに好ましい実施形態において、反応温度は450℃から600℃の間、好ましくは460℃から580℃の間、及びより好ましくは480℃から540℃の間である。
【0015】
さらに好ましい実施形態において、WHSVは30h−1から80h−1の間であり、好ましくは40h−1から60h−1の間である。
【0016】
さらに好ましい実施形態において、C/Oは1から30の間であり、好ましくは2から25の間であり、より好ましくは3から14の間である。
【0017】
さらに好ましい実施形態において、反応圧力は0.10MPaから1.00MPaの間である。
【0018】
さらに好ましい実施形態において、前記原料は石油炭化水素及び/又は他の鉱油から選択され又はそれらを含み、石油炭化水素は真空軽油(VGO)、常圧軽油(AGO)、コーカーガスオイル(CGO)、脱アスファルトオイル(DAO)、真空残渣(VR)、及び常圧残渣(AR)からなる群、又はそれらの混合物から選択される一つであり、他の鉱油は石炭液化油、タールサンドオイル、及びシェール油からなる群、又はそれらの混合物から選択される一つである。
【0019】
さらに好ましい実施形態において、前記触媒はゼオライト、無機酸化物、及び任意に粘土を含み、各々触媒の全重量に対して以下のパーセンテージの割合を占める:ゼオライト1〜50重量%、無機酸化物5〜99重量%、及び粘土0〜70重量%。前記ゼオライトは、中程度の孔サイズを有するゼオライト、及び任意に大きな孔サイズを有するゼオライトから選択される。前記中程度の孔サイズを有するゼオライトはゼオライトの全重量の51〜100%、好ましくはゼオライトの全重量の70〜100%を占める。前記大きな孔サイズを有するゼオライトはゼオライトの全重量の0〜49%、好ましくはゼオライトの全重量の0〜30%を占める。前記中程度の孔サイズを有するゼオライトはZSM系ゼオライト及び/又はZRPゼオライトから選択され、前記大きな孔サイズを有するゼオライトはY系ゼオライトから選択される。
【0020】
さらに好ましい実施形態において、前記リアクタはライザー、等線速度流動床、等直径流動床、下降トランスファーライン及び上昇トランスファーライン又はそれらの組合せ、又は同じリアクタの組合せ(二つ以上のリアクタ)から選択され、前記組合せはカスケード及び/又はパラレルを含む。前記ライザーは従来の等直径ライザー又は様々な異なる直径のライザーである。
【0021】
さらに好ましい実施形態において、前記原料は一つの位置から、又はそれらの高さが同じか又は異なっている二つ以上の位置から、リアクタ内部に充填される。
【0022】
さらに好ましい実施形態において、前記プロセスは以下を含む:
(1)反応生成物及び触媒が分離され、触媒はストリッピングされ、コークスを燃焼除去することによって再生され、その後リアクタに戻される。
(2)分離された生成物はプロピレン、高オクタン価ガソリン、及びFGOを含む。
【0023】
さらに好ましい実施形態において、前記FGOの初期の沸点は少なくとも260℃であり、前記FGOの水素含量は少なくとも10.5重量%である。
【0024】
さらに好ましい実施形態において、前記FGOの初期の沸点は少なくとも330℃であり、前記FGOの水素含量は少なくとも10.8重量%である。
【0025】
他の実施形態は以下を提供する:
触媒変換プロセスであって、原料はリアクタ内で中程度の孔サイズのゼオライトが豊富な触媒と接触することによって反応され、以下を含む:
(1)前記原料はハードクラックアビリティ原料(hard crackability feedstock)及びイージークラックアビリティ原料(easy crackability feedstock)を含み、原料は一つの位置から、又は高さが同じか異なっている二つ以上の位置からリアクタ内部に注入される。
(2)ハードクラックアビリティ原料は、イージークラックアビリティ原料と同時か又はそれよりも早くリアクタ内で反応する。
(3)反応温度、WHSV、及びC/Oはイージークラックアビリティ原料の12重量%から60重量%の間のFGOを生成するのに十分なものである。
(4)イージークラックアビリティ原料のWHSVは5〜100h−1である。
【0026】
さらに好ましい実施形態において、前記ハードクラックアビリティ原料は、スラリー、ディーゼル、ガソリン、炭素原子4〜8個を有する炭化水素から選択される一つであるか、又はこれらを含み、又はそれらの混合物である。
【0027】
さらに好ましい実施形態において、前記イージークラックアビリティ原料は石油炭化水素及び/又は他の鉱油から選択され又はそれらを含み、石油炭化水素はVGO、AGO、CGO、DAO、VR、及びARからなる群、又はそれらの混合物から選択される一つであり、他の鉱油は石炭液化油、タールサンドオイル、及びシェール油からなる群、又はそれらの混合物から選択される一つである。
【0028】
さらに好ましい実施形態において、前記触媒はゼオライト、無機酸化物、及び任意に粘土を含み、各々触媒の全重量の以下のパーセンテージの割合を占める:ゼオライト1〜50重量%、無機酸化物5〜99重量%、及び粘土0〜70重量%。前記ゼオライトは、中程度の孔サイズを有するゼオライト、及び任意に大きな孔サイズを有するゼオライトから選択される。前記中程度の孔サイズを有するゼオライトはゼオライトの全重量の51〜100%を占め、前記大きな孔サイズを有するゼオライトはゼオライトの全重量の0〜49%を占める。前記中程度の孔サイズを有するゼオライトはZSM系ゼオライト及び/又はZRPゼオライトから選択され、前記大きな孔サイズを有するゼオライトはY系ゼオライトから選択される。
【0029】
さらに好ましい実施形態において、前記リアクタはライザー、等線速度流動床、等直径流動床、下降トランスファーライン及び上昇トランスファーライン又はそれらの組合せ、又は同じリアクタの組合せ(二つ以上のリアクタ)から選択され、前記組合せはカスケード及び/又はパラレルを含む。前記ライザーは従来の等直径ライザー又は様々な異なる直径のライザーである。
【0030】
さらに好ましい実施形態において、ハードクラックアビリティ原料の反応条件は、反応温度が600℃から750℃の間、WHSVが100h−1から800h−1の間、C/Oが30から150の間、反応圧力が0.10MPaから1.00MPaの間であり、蒸気/ハードクラックアビリティ原料の重量比は0.05から1.00の間である。
【0031】
さらに好ましい実施形態において、イージークラックアビリティ原料の反応条件は、反応温度が450℃から600℃の間、WHSVが5h−1から100h−1の間、C/Oが1から30の間、反応圧力が0.10MPaから1.00MPaの間、蒸気/イージークラックアビリティ原料の重量比は0.05から1.00の間である。
【0032】
さらに好ましい実施形態において、イージークラックアビリティ原料の反応条件は、反応温度が460℃から580℃の間、WHSVが10h−1から90h−1の間、好ましくは20h−1から60h−1の間、より好ましくは30h−1から50h−1の間、C/Oが3から14の間である。
【0033】
さらに好ましい実施形態において、それは以下を含む:反応生成物及び触媒が分離され、触媒はストリッピングされ、コークスを燃焼除去することによって再生され、その後リアクタに戻され、分離された生成物はプロピレン、高オクタン価ガソリン、及びFGOを含む。
【0034】
さらに好ましい実施形態において、FGOの初期の沸点は少なくとも260℃であり、FGOの水素含量は少なくとも10.5重量%である。
【0035】
さらに好ましい実施形態において、FGOの初期の沸点は少なくとも330℃であり、FGOの水素含量は少なくとも10.8重量%である。
【0036】
第3の実施形態は提供する:
プロピレン及び高オクタン価ガソリンを製造するための方法であって、前記方法は以下を含む:
(1)ハードクラックアビリティ原料を含む原料は中程度の孔サイズのゼオライトが豊富な触媒と接触され、反応温度が600℃から750℃の間、WHSVが100h−1から800h−1の間、反応圧力が0.10MPaから1.00MPaの間、C/Oが30から150の間、蒸気/ハードクラックアビリティ原料の重量比は0.05から1.00の間である条件下でリアクタ内において接触分解される。
(2)ハードクラックアビリティ原料を含む反応蒸気は、イージークラックアビリティ原料と共に、反応温度が450℃から600℃の間、WHSVが5h−1から100h−1の間、反応圧力が0.10MPaから1.00MPaの間、C/Oが1.0から30.0の間、蒸気/イージークラックアビリティ原料の重量比は0.05から1.00の間である条件下で、さらに接触分解される。
(3)使用済み触媒及び生成物蒸気はサイクロンセパレータによって分離される。任意に、使用された触媒はストリッピングセクションに充填されてストリッピングされる。ストリッピングされた使用済み触媒はコークスを燃焼除去することによって再生され、リアクタに戻される。生成物蒸気は、プロピレン、高オクタン価ガソリン、及びFGOを含む生成物を得るために分離される。
(4)前記FGOは水素処理され及び/又は芳香族炭化水素で抽出され、水素処理されたFGO(HFGO)及び/又はFGOのラフィネート(RFGO)を得る。前記HFGO及び/又はRFGOはハードクラックアビリティ原料及び/又はイージークラックアビリティ原料として段階(1)及び/又は段階(2)に戻る。
【0037】
さらに好ましい実施形態において、前記ハードクラックアビリティ原料は、スラリー、ディーゼル、ガソリン、炭素原子4〜8個を有する炭化水素から選択される一つであるか、又はこれらを含み、又はそれらの混合物である。前記イージークラックアビリティ原料は石油炭化水素及び/又は他の鉱油から選択され又はそれらを含み、石油炭化水素はVGO、AGO、CGO、DAO、VR、及びARからなる群、又はそれらの混合物から選択される一つであり、他の鉱油は石炭液化油、タールサンドオイル、及びシェール油からなる群、又はそれらの混合物から選択される一つである。前記ガソリンは、このプロセスから得られるガソリン、接触分解ガソリン、ストレートランガソリン、コーカーガソリン、パイロリシスガソリン、熱分解ガソリン、及びハイドロガソリンから選択される一つであるか又はこれらを含み、又はそれらの混合物であって、接触分解ガソリン、ストレートランガソリン、コーカーガソリン、パイロリシスガソリン、熱分解ガソリン、及びハイドロガソリンは本発明のプロセスからは得られないものである。前記ディーゼルは、このプロセスから得られるディーゼル、接触分解ディーゼル、ストレートランディーゼル、コーカーディーゼル、パイロリシスディーゼル、熱分解ディーゼル、及びハイドロディーゼルから選択される一つであるか又はこれらを含み、又はそれらの混合物であり、接触分解ディーゼル、ストレートランディーゼル、コーカーディーゼル、パイロリシスディーゼル、熱分解ディーゼル、及びハイドロディーゼルは本発明のプロセスからは得られないものである。前記炭素原子4〜8個を有する炭化水素は、このプロセスから得られるもの、又は従来の接触分解プロセス、コーキングプロセス、パイロリシスプロセス、熱分解プロセス、水素処理プロセス等から得られるものから選択される一つ、又はこれらを含むものである。
【0038】
さらに好ましい実施形態において、前記触媒はゼオライト、無機酸化物、及び任意に粘土を含み、各々触媒の全重量の以下のパーセンテージの割合を占める:ゼオライト1〜50重量%、無機酸化物5〜99重量%、及び粘土0〜70重量%。前記ゼオライトは、中程度の孔サイズを有するゼオライト、及び任意に大きな孔サイズを有するゼオライトから選択される。前記中程度の孔サイズを有するゼオライトはゼオライトの全重量の51〜100%を占め、前記大きな孔サイズを有するゼオライトはゼオライトの全重量の0〜49%を占める。中程度の孔サイズのゼオライトはZSM系ゼオライト及び/又はZRPゼオライト、又は例えばリン及び/又は鉄、コバルト及びニッケル等の遷移金属等の非金属元素で修飾されたZSM及びZRPゼオライトから選択される。ZRPゼオライトのより詳細な記述に関しては米国特許第5,232,675号明細書を参照されたい。ZSM系ゼオライトは、ZSM−5,ZSM−11,ZSM−12,ZSM−23,ZSM−35,ZSM−38,ZSM−48,及び同様の構造を有する他のゼオライトからなる群、又はそれらの混合物から選択される一つである。ZSM−5ゼオライトのより詳細な記述に関しては米国特許第3,702,886号明細書を参照されたい。大きな孔サイズのゼオライトはY系ゼオライトから選択され、これは希土類Y(REY)、希土類HY(REHY)、超安定Y及び異なるプロセスによって得られる高シリカY、又はそれらの混合物を含む。バインダーとしての無機酸化物は、シリカ(SiO)及び/又はアルミナ(Al)から選択される。マトリックス(すなわち支持体)としての粘土はカオリン及び/又はハロイサイトから選択される。各リアクタの接触分解触媒は同じか又は相違してよい。
【0039】
さらに好ましい実施形態において、段階(3)における生成物蒸気は分離され、蒸留範囲180〜260℃の留分を得ることができる。この留分はハードクラックアビリティ原料及び/又はイージークラックアビリティ原料として段階(1)及び/又は段階(2)に戻すことができる。蒸留範囲180〜260℃の前記留分はこのプロセスから得られてよく、又は従来の接触分解プロセス、コーキングプロセス、パイロリシスプロセス、熱分解プロセス、水素処理プロセス等から得られてもよく、又は任意に単環芳香族が豊富な他の留分を含む。
【0040】
さらに好ましい実施形態において、前記リアクタはライザー、等線速度流動床、等直径流動床、下降トランスファーライン及び上昇トランスファーライン又はそれらの組合せ、又は同じリアクタの組合せ(二つ以上のリアクタ)から選択され、前記組合せはカスケード及び/又はパラレルを含む。前記ライザーは従来の等直径ライザー又は様々な異なる直径のライザーである。流動床内のガスの速度は0.1m/sから2.0m/sの間である(触媒は無視される)。ライザー内のガスの速度は2m/sから30m/sの間である(触媒は無視される)。
【0041】
本発明の最良の実施形態は、様々な直径を有するライザーリアクタで実行される。このリアクタのより詳細な記述は、中国特許出願CN1237477号明細書に示される。
【0042】
リアクタの下流領域における触媒/原料比及び触媒活性を増加するために、媒体の一部が供給されてよく、これは熱/冷再生触媒、再生触媒、半再生触媒、使用済触媒、新しい触媒等から選択され、及び/又はそれらを含む。冷却された再生触媒及び冷却された半再生触媒は、使用済触媒が各々二段階及び一段階再生において再生された後、触媒冷却器を通して触媒を冷却することによって得られる。再生触媒とは、残りの炭素の含量が0.1重量%未満、より好ましくは0.05重量%未満である触媒を指す。半再生触媒とは、残りの炭素の含量が0.1重量%から0.9重量%、より好ましくは0.15重量%から0.7重量%である触媒を指す。使用済触媒とは、残りの炭素の含量が約0.9重量%、より好ましくは0.9重量%から1.2重量%である触媒を指す。
【0043】
反応生成物から例えばプロピレン等の生成物を分離する方法は、従来技術において当業者によく知られるものと同じである。蒸留範囲180〜260℃、より好ましくは190〜250℃の留分が、存在するFCC分画カラム又は個々の分画カラムに分離され得る。初期の沸点が250℃よりも高い、又は260℃よりも高い、又は330℃よりも高いFGO留分に関して、それは重質芳香族生成物及び非芳香族生成物(すなわち、ラフィネートオイル)を得るために抽出器に、又は水素処理FGOを得るために水素処理器に輸送されてよく、又はFCCの原料として使用されることもできる。
【0044】
FGOの抽出溶媒は、ジメチルスルホキシド、フルフラール、ジメチルホルムアミド、モノエタノールアミン、エチレングリコール、及び1,2−プロパンジオール、又はそれらの混合物から選択される一つであるか、またはそれらを含む。抽出溶媒は再利用することができる。
【0045】
抽出温度は100℃であり、溶媒/原料体積比は0.5から5.0の間である。抽出された重質芳香族は望まれる生成物であり、FGOラフィネートオイル(すなわち、非芳香族炭化水素)はFCC原料の一つとして使用することができる。
【0046】
FGOの水素処理は、水素ガスの存在下で以下の条件で触媒と接触することによって実行される:水素分圧3.0MPa〜20.0MPa、反応温度300〜450℃、水素/オイル体積比300〜2000、体積空間速度0.1〜3.0h−1。水素処理されたFGOはFCCの原料として使用することができる。
【0047】
本発明の実施形態は、流動接触分解プロセスをFGO水素処理プロセス及び/又は芳香族FGOの溶媒抽出プロセスと一体化することができ、相対的に水素含量が低い重質原料から、高オクタン化ガソリンを得て及び軽質オレフィン(特にプロピレン)の収率を改善する。本発明は従来技術と比較して以下の点において幾つかの重要な利点を有する。
1.LGPにおけるプロピレンの収率及びプロピレン選択性は大きく改善され、プロピレンの収率は27重量%の高さである。
2.ガソリンの収率は明らかに増加し、ガソリンのオクタン価は有意に改善される。
3.ドライガス及びコークスの収率は減少し、一方でプロピレンの収率は顕著に増加する。
4.軽質油収率は増加し、スラリー収率は有意に減少する。その結果、本発明の方法は石油資源を有効に使うことができる。
5.水素処理ユニットの運転時間は非常に増加する。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明の方法の第1の実施形態の概略図である。
【図2】本発明の方法の第2の実施形態の概略図である。
【図3】本発明の方法の第3の実施形態の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0049】
この明細書に組み込まれる添付の図面は、説明のために与えられる記述と共に本発明の幾つかの実施形態を説明するが、本発明の範囲を制限しない。したがって、以下に提示されるクレームの範囲から逸脱することなく記述されるように本発明に特定の変更がなされ得ることは当業者には明確であろう。
【0050】
本発明の第1の特定の実施形態によれば、本発明の方法は図1に示されるスキームに従って実行することができる。
【0051】
プレリフト媒体は、ライザーリアクタ2の底部内にライン1を通じて導入される。スタンドパイプ16からの再生触媒はプレリフト媒体によって持ち上げられ、上方へ移動する。ライン3からの原料の一部は、ライン4からの噴霧された蒸気と共に、ライザーリアクタ2の反応領域Iの底部内に導入され、ライザーリアクタ内に存在する蒸気と混合される。前記原料は熱触媒の上で分解し、上方へ移動する。ライン5からの原料の他の部分は、ライン6からの噴霧された蒸気と共に、ライザーリアクタ2の反応領域Iの中央部上方内に注入され、ライザーリアクタ内に存在する蒸気と混合される。原料は、その上に堆積されたコークスを有する下方の触媒上で分解し、反応領域II内へと上方に移動し、反応を続ける。得られる反応生成物蒸気及び不活性となった使用済触媒は、ライン7を通じて、分離器(disengager)8のサイクロンセパレータに入り、使用済触媒及び反応生成物蒸気は分離される。反応生成物蒸気はサイクロンを出て、プレナムチャンバ9内部に流れる。微細な触媒粒子はディップレッグを通じて分離器に戻る。分離器内の使用済触媒はストリッピングセクション10に流入し、ライン11からの蒸気と接触する。使用済触媒からストリッピングされた反応生成物蒸気は、サイクロンを通じて、プレナムチャンバ9に入る。ストリッピングされた使用済触媒はスタンドパイプ12を通じて再生器13内部に流れる。主空気は使用済触媒上に堆積されたコークスを燃焼除去するため導管14を通じて再生器に入り、不活性となった使用済触媒を再生する。燃焼排気はライン15を通じてタービン内に流れる。再生触媒はスタンドパイプ16を通じてライザーリアクタ内部に回収される。
【0052】
プレナムチャンバ9内の反応生成物蒸気は輸送ライン17を通じて輸送され、その後の分離システム18内に導入される。分離されたLPG生成物はライン20を通じて移動される;分離されたガソリン生成物はライン21を通じて移動される;分離されたドライガス生成物はライン19を通じて移動される;分離されたディーゼル生成物はライン22を通じて移動される;及び分離されたFGO生成物はライン23を通じて移動される。様々な留分の沸騰範囲は精製装置の条件に従って調整することができる。
【0053】
本発明の第2の特定の実施形態によれば、本発明のプロセスは図2に示されるスキームに従って実行することができる。
【0054】
プレリフト媒体はライザーリアクタ2の底部内にライン1を通じて導入される。スタンドパイプ16からの再生触媒はプレリフト媒体によって持ち上げられ、上方へ移動する。ライン3からのハードクラックアビリティ原料は、ライン4からの噴霧された蒸気と共に、ライザーリアクタ2の反応領域Iの底部内に注入され、ライザーリアクタ内に存在する蒸気と混合される。前記ハードクラックアビリティ原料は熱触媒の上で分解し、上方へ移動する。ライン5からのイージークラックアビリティ原料は、ライン6からの噴霧された蒸気と共に、ライザーリアクタ2の反応領域Iの中央部上方内に注入され、ライザーリアクタ内に存在する蒸気と混合される。イージークラックアビリティ原料は、その上に堆積されたコークスを有する下方の触媒上で分解し、反応領域II内へと上方に移動し、反応を続ける。得られる反応生成物蒸気及び不活性となった使用済触媒は、ライン7を通じて、分離器8のサイクロンセパレータに入り、使用済触媒及び反応生成物蒸気は分離される。反応生成物蒸気はサイクロンを出て、プレナムチャンバ9内部に流れる。微細な触媒粒子はディップレッグを通じて分離器に戻る。分離器内の使用済触媒はストリッピングセクション10に流入し、ライン11からの蒸気と接触する。使用済触媒からストリッピングされた反応生成物蒸気は、サイクロンを通じて、プレナムチャンバ9に入る。ストリッピングされた使用済触媒はスタンドパイプ12を通じて再生器13内部に流れる。主空気は使用済触媒上に堆積されたコークスを燃焼除去するため導管14を通じて再生器に入り、不活性となった使用済触媒を再生する。燃焼排気はライン15を通じてタービン内に流れる。再生触媒はスタンドパイプ16を通じてライザーリアクタ内部に回収される。
【0055】
プレナムチャンバ9内の反応生成物蒸気は輸送ライン17を通じて輸送され、その後の分離システム18内に導入される。分離されたプロピレン生成物はライン219を通じて移動される;分離されたプロパン生成物はライン228を通じて移動される;C4オレフィンはライン220を通じて移動され、その一部はライザーリアクタ2に回収されて戻る;接触分解されたドライガスはライン221を通じて移動される;沸騰範囲180〜260℃の留分はライン222を通じてライザーリアクタ2に回収されて戻る;沸騰範囲260〜330℃のディーゼル留分はライン229を通じて移動されてよい、又はFGOと共に抽出ユニット224内部に移動されてよい;FGOはライン223を通じて抽出ユニット224内部に導入され、分離された重質芳香族生成物はライン226を通じて移動され、RFGOはライン225を通じてライザーリアクタ2に回収されて戻る;高オクタン価ガソリン生成物(C5〜180℃)はライン227を通じて移動される。様々な留分の沸騰範囲は精製装置の条件に従って調整することができる。
【0056】
本発明の第3の特定の実施形態によれば、本発明のプロセスは図3に示されるスキームに従って実行することができる。
【0057】
プレリフト媒体はライザーリアクタ2の底部内にライン1を通じて導入される。スタンドパイプ16からの再生触媒はプレリフト媒体によって持ち上げられ、上方へ移動する。ライン3からのハードクラックアビリティ原料は、ライン4からの噴霧された蒸気と共に、ライザーリアクタ2の反応領域Iの底部内に注入され、ライザーリアクタ内に存在する蒸気と混合される。前記ハードクラックアビリティ原料は熱触媒の上で分解し、上方へ移動する。ライン5からのイージークラックアビリティ原料は、ライン6からの噴霧された蒸気と共に、ライザーリアクタ2の反応領域Iの中央部上方内に注入され、ライザーリアクタ内に存在する蒸気と混合される。イージークラックアビリティ原料は、その上に堆積されたコークスを有する下方の触媒上で分解し、反応領域II内へと上方に移動し、反応を続ける。得られる反応生成物蒸気及び不活性となった使用済触媒は、ライン7を通じて、分離器8のサイクロンセパレータに入り、使用済触媒及び反応生成物蒸気は分離される。反応生成物蒸気はサイクロンを出て、プレナムチャンバ9内部に流れる。微細な触媒粒子はディップレッグを通じて分離器に戻る。分離器内の使用済触媒はストリッピングセクション10内部に流入し、ライン11からの蒸気と接触する。使用済触媒からストリッピングされた反応生成物蒸気は、サイクロンを通じて、プレナムチャンバ9に入る。ストリッピングされた使用済触媒はスタンドパイプ12を通じて再生器13内部に流れる。主空気は使用済触媒上に堆積されたコークスを燃焼除去するために導管14を通じて再生器に入り、不活性となった使用済触媒を再生する。燃焼排気はライン15を通じてタービン内に流れる。再生触媒はスタンドパイプ16を通じてライザーリアクタ内部に回収される。
【0058】
プレナムチャンバ9内の反応生成物蒸気は輸送ライン17を通じて輸送され、その後の分離システム18内に導入される。分離されたプロピレンはライン319を通じて移動される;分離されたプロパンはライン328を通じて移動される;C4オレフィンはライン320を通じて移動され、又はライザーリアクタ2の反応領域Iの底部に回収されて戻ってよい;接触分解されたドライガスはライン321を通じて移動される;接触分解されたガソリンはライン327を通じて移動される;沸騰範囲180〜260℃の留分はライン322を通じてライザーリアクタ2の反応領域I底部に回収されて戻る;260℃を超える沸騰範囲の留分はライン323を通じて水素処理ユニット324内部に導入され、分離された軽質成分はライン325を通じて移動され、HFGOはライン326を通じてライザーリアクタ2の反応領域Iの中央部上方に回収されて戻る。様々な留分の沸騰範囲は精製装置の条件に従って調整することができる。
【0059】
以下の例は本発明の効果を示すために使用され、本発明の範囲をここに示される詳細な例示に制限することを意図してはいない。原料の性質は表1に列記される。
【0060】
実施例で使用される触媒は以下のように調製された。
1)20gのNHClは1000gの水に溶解され、100g(乾燥ベース)の結晶化生成物ZRP−1ゼオライト(SiO/Alモル比30、希土類含量RE=2.0重量%,Qilu Petrochemical Co.で製造されたMFI構造ゼオライト)がこの溶液に添加され、90℃で0.5h交換した後、ろ過してフィルターケーキを生成する。4.0gのHPO(85重量%の濃度で)及び4.5gのFe(NOは90gの水に溶解され溶液が得られた。フィルターケーキは得られた溶液を浸み込ませ乾燥された。得られた固体は550℃で2時間焼成され、リン及び鉄を含むMFI構造を有する中程度の孔サイズのゼオライトが生成した。触媒の無水化学式は以下であった。
0.1NaO・5.1Al・2.4P・1.5Fe・3.8RE・88.1SiO
【0061】
2)75.4kgハロイサイト粘土(固体含量71.6重量%、Suzhou Porcelain Clay Co.の工業製品)は250kgの脱イオン水でスラリー化され、そこへ54.8kgの偽ベーマイト(固体含量63重量%、Shandong Alumina Plantの工業製品)が添加された。pHの値は塩酸で2〜4に調整された。スラリーは均一に撹拌され、60〜70℃で1時間エージングのため放置された。温度を60℃未満に下げ、一方でpH値を2〜4に保持し、その後41.5kgのアルミナゾル(Al含量21.7重量%、Qilu Petrochemical Co.の製品)が添加された。40分間撹拌した後、混合されたスラリーが得られた。
【0062】
22.5kg(乾燥ベース、段階1において調製された)のリン及び鉄を含むMFI−構造を有する中程度の孔サイズを有するゼオライト、及び2.0kg(乾燥ベース)DASYゼオライト(ユニットセルサイズ2.445〜2.448nm、Qilu Petrochemical Co.の超安定ゼオライトY製品)が混合スラリー(段階2において調製された)に添加され、スラリーを形成するため均一に撹拌された。得られたスラリーは、スプレードライによって成形され、製品はリン酸二水素アンモニウム溶液(リン含量1重量%)で遊離Naを洗浄された。乾燥の後、接触分解触媒のサンプルが得られた。触媒の組成は、リン及び鉄を含むMFI−構造の中程度の孔サイズを有するゼオライトが18重量%、DASYゼオライト2重量%、偽ベーマイト28重量%、アルミナゾル7重量%、及び残りの量のカオリンであった。
【0063】
実施例1
本発明の実施例の実験は、図1に示されるスキームに従って実行された。原料Aは接触分解の原料として直接使用され、実験はパイロットライザーリアクタプラントにおいて実施された。原料Aは反応領域内に注入され、そこで接触分解反応が実施された。反応温度は530℃、WHSVは30h−1、C/Oは10、及び蒸気/原料の重量比は0.15であった。反応生成物蒸気及びコークス化した使用済触媒は分離器内で分離され、その後生成物は分離され、プロピレン、ガソリン、及びFGOは回収された。操作条件及び生成物の記録は表2に示された。
【0064】
プロピレンの収率は18.29重量%の高さを達成し、ドライガス及びコークスでは各々僅か2.36重量%及び3.95重量%であり、FGO収率は30.12重量%でありその水素含量は11.08重量%であることが表2からわかる。
【0065】
実施例2
本発明の実施例の実験は、図2に示されるスキームに従って実行された。原料Aは接触分解の原料として直接使用され、実験はパイロットライザーリアクタプラントにおいて実施された。イージークラックアビリティ原料は反応領域Iの中央部上方に注入され、反応温度は580℃、WHSVは60h−1、接触分解触媒/イージークラックアビリティ原料(m/m)は10、及び蒸気/イージークラックアビリティ原料の重量比は0.15であった。ハードクラックアビリティ原料は反応領域Iの底部に充填され、反応温度は640℃、WHSVは180h−1、接触分解触媒/ハードクラックアビリティ原料(m/m)は60、及び蒸気/ハードクラックアビリティ原料の重量比は0.20であった。反応領域IIにおいて、反応温度は540℃、WHSVは30h−1、及び蒸気/イージークラックアビリティ原料の重量比は0.15であった。反応生成物蒸気及び使用済触媒は分離器内で分離され、その後生成物は分離され、プロピレン、及びガソリンは回収され、C4オレフィンの一部及び180〜260℃留分はライザーリアクタに戻された。FGO(収率は28.45重量%、及び水素含量は11.01重量%)はフルフラールで抽出され、抽出温度は100℃、溶媒/FGO比は3.0(v/v)であり、その後非芳香族炭化水素及び重質芳香族は分離された。RFGO(前記非芳香族炭化水素である)はイージークラックアビリティ原料と混合され、ライザーリアクタに戻された。操作条件及び生成物の記録は表3に示された。
【0066】
プロピレンの収率は29.02重量%の高さを達成し、ガソリンの収率は33.71重量%であり、そのリサーチオクタン価(RON)及びモーターオクタン価(MON)は各々96.0及び84.0の高さであることが表3からわかる。
【0067】
実施例3
本実施例の実験は実施例2と同じプラントで実行された。原料Bは接触分解の原料として直接使用され、実験はパイロットライザーリアクタプラントにおいて実施された。イージークラックアビリティ原料は反応領域の中央部上方に注入され、反応温度は580℃、WHSVは60h−1、接触分解触媒/イージークラックアビリティ原料(m/m)は10、及び蒸気/イージークラックアビリティ原料の重量比は0.15であった。ハードクラックアビリティ原料は反応領域の底部に充填され、反応温度は640℃、WHSVは180h−1、接触分解触媒/ハードクラックアビリティ原料(m/m)は60、及び蒸気/ハードクラックアビリティ原料の重量比は0.20であった。さらに、ストリッピングされた使用済触媒の一部は、反応領域II内の温度及びWHSVを減少するように、反応領域II底部内のストリッピングセクションから導入された。反応領域IIにおいて、反応温度は530℃、WHSVは20h−1、及び蒸気/イージークラックアビリティ原料の重量比は0.15であった。反応生成物蒸気及び使用済触媒は分離器内で分離され、その後生成物は分離され、プロピレン、及びガソリンは回収され、C4オレフィンの一部及び190〜250℃フラクションはライザーリアクタに戻された。FGO(収率は32.83重量%、及び水素含量は10.98重量%)はフルフラールで抽出され、抽出温度は100℃、溶媒/FGO比は3.0(v/v)であり、その後非芳香族炭化水素及び重質芳香族は分離された。RFGO(前記非芳香族炭化水素である)は原料と混合され、ライザーリアクタに戻された。操作条件及び生成物の記録は表3に示された。
【0068】
プロピレンの収率は28.01重量%の高さを達成し、ガソリンの収率は35.20重量%であり、そのリサーチオクタン価(RON)及びモーターオクタン価(MON)は各々97.1及び85.0の高さであることが表3からわかる。
【0069】
実施例4
本発明の実施例の実験は、図3に示されるスキームに従って実行された。原料Aは接触分解の原料として直接使用され、実験はパイロットライザーリアクタプラントにおいて実施された。イージークラックアビリティ原料は反応領域Iの中央部上方に注入され、反応温度は580℃、WHSVは60h−1、接触分解触媒/イージークラックアビリティ原料(m/m)は10、及び蒸気/イージークラックアビリティ原料の重量比は0.15であった。ハードクラックアビリティ原料は反応領域Iの底部に充填され、反応温度は640℃、WHSVは180h−1、接触分解触媒/ハードクラックアビリティ原料(m/m)は60、及び蒸気/ハードクラックアビリティ原料の重量比は0.20であった。反応領域IIにおいて、反応温度は540℃、WHSVは30h−1、及び蒸気/イージークラックアビリティ原料の重量比は0.15であった。反応生成物蒸気及び使用済触媒は分離器内で分離され、その後生成物は分離され、プロピレン、及びガソリンは回収され、C4オレフィンの一部及び180〜260℃留分はライザーリアクタに戻された。FGO(初期沸点は260℃よりも高く、収率は28.46重量%、及び水素含量は11.01重量%)は水素処理され、反応温度は350℃、水素分圧は18.0MPa、水素/油体積比は1500、及び体積空間速度は1.5h−1であった。得られるHFGOは、上記パイロットライザーリアクタに戻された。操作条件及び生成物の記録は表4に示された。
【0070】
プロピレンの収率は30.02重量%の高さを達成し、ドライガスの収率は僅かに3.32重量%であり、液体収率が90.68重量%であることが表4からわかる。
【0071】
実施例5
本実施例の実験は実施例4と同じプラントで実行された。原料Bは接触分解の原料として直接使用され、実験はパイロットライザーリアクタプラントにおいて実施された。イージークラックアビリティ原料は反応領域Iの中央部上方に注入され、反応温度は580℃、WHSVは60h−1、接触分解触媒/イージークラックアビリティ原料(m/m)は10、及び蒸気/イージークラックアビリティ原料の重量比は0.15であった。ハードクラックアビリティ原料は反応領域Iの底部に充填され、反応温度は640℃、WHSVは180h−1、接触分解触媒/ハードクラックアビリティ原料(m/m)は60、及び蒸気/ハードクラックアビリティ原料の重量比は0.20であった。さらに、ストリッピングされた使用済触媒の一部は、反応領域II内の温度及びWHSVを減少するように、反応領域II底部内へとストリッピングセクションから導入される。反応領域IIにおいて、反応温度は530℃、WHSVは20h−1、及び蒸気/イージークラックアビリティ原料の重量比は0.15であった。反応生成物蒸気及び使用済触媒は分離器内で分離され、その後生成物は分離され、プロピレン、及びガソリンは回収され、C4オレフィンの一部及び180〜260℃留分はライザーリアクタに戻された。FGO(初期沸点は260℃よりも高く、収率は32.56重量%、及び水素含量は10.97重量%)は水素処理され、反応温度は450℃、水素分圧は10.0MPa、水素/油体積比は500、及び体積空間速度は0.5h−1であった。HFGOは、上記パイロットライザーリアクタに戻された。操作条件及び生成物の記録は表4に示された。
【0072】
プロピレンの収率は27.55重量%の高さを達成し、ドライガスの収率は僅か3.16重量%であり、液体収率が90.64重量%であることが表4からわかる。
【0073】
【表1】

【0074】
【表2】

【0075】
【表3】

【0076】
【表4】

【符号の説明】
【0077】
1、3、4、5、6、7 ライン
2 ライザーリアクタ
8 分離器
9 プレナムチャンバ
10 ストリッピングセクション
12、16 スタンドパイプ
13 再生器
14 導管

【特許請求の範囲】
【請求項1】
リアクタ内で中程度の孔サイズを有するゼオライトが豊富な触媒と接触する炭化水素原料の接触分解反応を含む触媒変換プロセスであって、
反応温度、重量空間速度、及び触媒/原料重量比が、前記原料の12重量%から60重量%の間の流動接触分解ガスオイルの収率を達成するのに十分であり、前記重量空間速度は25h−1から100h−1の間であり、前記反応温度は450℃から600℃の間であり、前記触媒/原料重量比は1から30の間であることを特徴とする、触媒変換プロセス。
【請求項2】
前記原料は石油炭化水素及び/又は他の鉱油から選択されるか、又はそれらを含み、石油炭化水素は真空軽油、常圧軽油、コーカーガスオイル、脱アスファルトオイル、真空残渣、及び常圧残渣からなる群、又はそれらの混合物から選択される一つであり、前記他の鉱油は石炭液化油、タールサンドオイル、及びシェール油からなる群、又はそれらの混合物から選択される一つであることを特徴とする請求項1に記載のプロセス。
【請求項3】
前記触媒はゼオライト、無機酸化物、及び任意に粘土を含み、各々触媒の全重量の以下のパーセンテージの割合を占める:ゼオライト1〜50重量%、無機酸化物5〜99重量%、及び粘土0〜70重量%:前記ゼオライトは、中程度の孔サイズを有するゼオライト、及び任意に大きな孔サイズを有するゼオライトから選択される:前記中程度の孔サイズを有するゼオライトはゼオライトの全重量の51〜100%を占め、前記大きな孔サイズを有するゼオライトはゼオライトの全重量の0〜49%を占め、前記中程度の孔サイズを有するゼオライトはZSM系ゼオライト及び/又はZRPゼオライトから選択され、前記大きな孔サイズを有するゼオライトはY系ゼオライトから選択されることを特徴とする請求項1に記載のプロセス。
【請求項4】
前記リアクタは、ライザー、等線速度流動床、等直径流動床、下降トランスファーライン及び上昇トランスファーライン又はそれらの組合せ、又は二つ以上の同じリアクタの組合せから選択され、前記組合せはカスケード及び/又はパラレルを含み、前記ライザーは従来の等直径ライザー又は様々な異なる直径のライザーであることを特徴とする請求項1に記載のプロセス。
【請求項5】
前記原料は一つの位置から、又はそれらの高さが同じか異なっている二つ以上の位置から、リアクタ内部に充填されることを特徴とする請求項1に記載のプロセス。
【請求項6】
反応温度が460〜580℃であり、重量空間速度は30〜80h−1、及び触媒/原料重量比が2〜15であることを特徴とする請求項1に記載のプロセス。
【請求項7】
反応温度が480〜540℃であることを特徴とする請求項1に記載のプロセス。
【請求項8】
重量空間速度が40〜60h−1であることを特徴とする請求項1に記載のプロセス。
【請求項9】
触媒/原料重量比が3〜14であることを特徴とする請求項1に記載のプロセス。
【請求項10】
反応が0.1〜1.0MPaの圧力下で実行されることを特徴とする請求項1に記載のプロセス。
【請求項11】
反応生成物をさらに含み、触媒が分離され、触媒がストリッピングされ、コークスを燃焼除去することによって再生され、リアクタに戻され、分離された生成物は、プロピレン、高オクタン価ガソリン、及び流動式接触分解ガスオイルを含むことを特徴とする請求項1に記載のプロセス。
【請求項12】
流動式接触分解ガスオイルの初期沸点は少なくとも260℃であり、流動式接触分解ガスオイルの水素含量は少なくとも10.5重量%であることを特徴とする請求項1に記載のプロセス。
【請求項13】
流動式接触分解ガスオイルの初期沸点は少なくとも330℃であり、流動式接触分解ガスオイルの水素含量は少なくとも10.8重量%であることを特徴とする請求項1に記載のプロセス。
【請求項14】
リアクタ内で中程度の孔サイズを有するゼオライトが豊富な触媒と接触することによって原料が反応する触媒変換プロセスであって、以下を含むことを特徴とする触媒変換プロセス:
(1)前記原料はハードクラックアビリティ原料及びイージークラックアビリティ原料を含み、原料は一つの位置から、又は高さが同じか異なっている二つ以上の位置からリアクタ内部に注入される、
(2)ハードクラックアビリティ原料は、イージークラックアビリティ原料と同時か又はそれよりも早くリアクタ内で反応する、
(3)反応温度、重量空間速度、及び触媒/原料重量比はイージークラックアビリティ原料の12重量%から60重量%の間の流動式接触分解ガスオイルを生成するのに十分なものである、
(4)イージークラックアビリティ原料の前記重量空間速度は5〜100h−1である。
【請求項15】
前記ハードクラックアビリティ原料は、スラリー、ディーゼル、ガソリン、炭素原子4〜8個の炭化水素、又はそれらの混合物から選択される、又はそれらを含むことを特徴とする請求項14に記載の触媒変換プロセス。
【請求項16】
前記イージークラックアビリティ原料は石油炭化水素及び/又は他の鉱油から選択されるか、又はそれらを含み、石油炭化水素は真空軽油、常圧軽油、コーカーガスオイル、脱アスファルトオイル、真空残渣、及び常圧残渣からなる群、又はそれらの混合物から選択される一つであり、前記他の鉱油は石炭液化油、タールサンドオイル、及びシェール油からなる群、又はそれらの混合物から選択される一つであることを特徴とする請求項14に記載のプロセス。
【請求項17】
前記触媒はゼオライト、無機酸化物、及び任意に粘土を含み、各々触媒の全重量の以下のパーセンテージの割合を占める:ゼオライト1〜50重量%、無機酸化物5〜99重量%、及び粘土0〜70重量%:前記ゼオライトは、中程度の孔サイズを有するゼオライト、及び任意に大きな孔サイズを有するゼオライトから選択される:前記中程度の孔サイズを有するゼオライトはゼオライトの全重量の51〜100%を占め、前記大きな孔サイズを有するゼオライトはゼオライトの全重量の0〜49%を占め、前記中程度の孔サイズを有するゼオライトはZSM系ゼオライト及び/又はZRPゼオライトから選択され、前記大きな孔サイズを有するゼオライトはY系ゼオライトから選択されることを特徴とする請求項14に記載のプロセス。
【請求項18】
前記リアクタは、ライザー、等線速度流動床、等直径流動床、下降トランスファーライン及び上昇トランスファーライン又はそれらの組合せ、又は二つ以上の同じリアクタの組合せから選択され、前記組合せはカスケード及び/又はパラレルを含み、前記ライザーは従来の等直径ライザー又は様々な異なる直径のライザーであることを特徴とする請求項14に記載のプロセス。
【請求項19】
ハードクラックアビリティ原料の反応条件は、反応温度が600℃から750℃の間、重量空間速度が100h−1から800h−1の間、触媒/原料重量比が30から150の間、反応圧力が0.10MPaから1.00MPaの間、蒸気/ハードクラックアビリティ原料の重量比は0.05から1.00の間であることを特徴とする請求項14に記載のプロセス。
【請求項20】
イージークラックアビリティ原料の反応条件は、反応温度が450℃から600℃の間、重量空間速度が5h−1から100h−1の間、触媒/原料重量比が1から30の間、反応圧力が0.10MPaから1.00MPaの間、蒸気/ハードクラックアビリティ原料の重量比は0.05から1.00の間であることを特徴とする請求項14に記載のプロセス。
【請求項21】
イージークラックアビリティ原料の反応温度は460℃から560℃の間であることを特徴とする請求項14に記載のプロセス。
【請求項22】
イージークラックアビリティ原料の重量空間速度が10h−1〜90h−1の間であることを特徴とする請求項14に記載のプロセス。
【請求項23】
触媒/原料重量比が1から14の間であることを特徴とする請求項14に記載のプロセス。
【請求項24】
以下をさらに含むことを特徴とする請求項14に記載のプロセス:
(1)反応生成物及び触媒が分離され、触媒はストリッピングされ、コークスを燃焼除去することによって再生され、その後リアクタに戻される、
(2)分離された生成物はプロピレン、高オクタン価ガソリン、及び流動式接触分解ガスオイルを含む。
【請求項25】
流動式接触分解ガスオイルの初期沸点は少なくとも260℃であり、流動式接触分解ガスオイルの水素含量は少なくとも10.5重量%であることを特徴とする請求項14に記載のプロセス。
【請求項26】
流動式接触分解ガスオイルの初期沸点は少なくとも330℃であり、流動式接触分解ガスオイルの水素含量は少なくとも10.8重量%であることを特徴とする請求項14に記載のプロセス。
【請求項27】
プロピレン及び高オクタン価ガソリンを製造するための触媒変換プロセスであって、前記プロセスは以下を含むことを特徴とする触媒変換プロセス:
(1)ハードクラックアビリティ原料を含む原料は中程度の孔サイズのゼオライトが豊富な触媒と接触され、反応温度が600℃から750℃の間、重量空間速度が100h−1から800h−1の間、反応圧力が0.10MPaから1.00MPaの間、触媒/ハードクラックアビリティ原料の重量比が30から150の間、蒸気/ハードクラックアビリティ原料の重量比は0.05から1.00の間である条件下でリアクタ内において接触分解される、
(2)ハードクラックアビリティ原料を含む反応蒸気は、イージークラックアビリティ原料と共に、反応温度が450℃から600℃の間、重量空間速度が5h−1から100h−1の間、反応圧力が0.10MPaから1.00MPaの間、触媒/イージークラックアビリティ原料重量比が1.0から30.0の間、蒸気/イージークラックアビリティ原料の重量比は0.05から1.00の間である条件下でさらに接触分解される、
(3)使用済み触媒及び生成物蒸気はサイクロンセパレータによって分離される;任意に、使用された触媒はストリッピングセクションに充填されてストリッピングされ、ストリッピングされた使用済み触媒はコークスを燃焼除去することによって再生され、リアクタに戻される;生成物蒸気は、プロピレン、高オクタン価ガソリン、及び流動式接触分解ガスオイルを含む生成物を得るために分離される、
(4)前記流動式接触分解ガスオイルは水素処理され及び/又は芳香族炭化水素で抽出され、水素処理された流動式接触分解ガスオイル及び/又は流動式接触分解ガスオイルのラフィネートを得る;前記水素処理された流動式接触分解ガスオイル及び/又は前記流動接触分解ガスオイルのラフィネートはハードクラックアビリティ原料及び/又はイージークラックアビリティ原料として段階(1)及び/又は段階(2)に戻る。
【請求項28】
前記ハードクラックアビリティ原料は、スラリー、ディーゼル、ガソリン、炭素原子4〜8個の炭化水素、又はそれらの混合物から選択される、又はそれらを含む;前記イージークラックアビリティ原料は石油炭化水素及び/又は他の鉱油から選択されるか、又はそれらを含み、石油炭化水素は真空軽油、常圧軽油、コーカーガスオイル、脱アスファルトオイル、真空残渣、及び常圧残渣からなる群、又はそれらの混合物から選択される一つであり、前記他の鉱油は石炭液化油、タールサンドオイル、及びシェール油からなる群、又はそれらの混合物から選択される一つであることを特徴とする請求項27に記載のプロセス。
【請求項29】
前記触媒はゼオライト、無機酸化物、及び任意に粘土を含み、各々触媒の全重量の以下のパーセンテージの割合を占める:ゼオライト1〜50重量%、無機酸化物5〜99重量%、及び粘土0〜70重量%:前記ゼオライトは、中程度の孔サイズを有するゼオライト、及び任意に大きな孔サイズを有するゼオライトから選択される:前記中程度の孔サイズを有するゼオライトはゼオライトの全重量の51〜100%を占め、前記大きな孔サイズを有するゼオライトはゼオライトの全重量の0〜49%を占め、前記中程度の孔サイズを有するゼオライトはZSM系ゼオライト及び/又はZRPゼオライトから選択され、前記大きな孔サイズを有するゼオライトはY系ゼオライトから選択されることを特徴とする請求項27に記載のプロセス。
【請求項30】
流動式接触分解ガスオイルの初期沸点は少なくとも260℃であり、流動式接触分解ガスオイルの水素含量は少なくとも10.5重量%であることを特徴とする請求項27に記載のプロセス。
【請求項31】
流動式接触分解ガスオイルの初期沸点は少なくとも330℃であり、流動式接触分解ガスオイルの水素含量は少なくとも10.8重量%であることを特徴とする請求項27に記載のプロセス。
【請求項32】
段階(3)における前記生成物蒸気は分離され、蒸留範囲180〜260℃の留分が得られる;この留分はハードクラックアビリティ原料及び/又はイージークラックアビリティ原料として段階(1)及び/又は段階(2)に戻ることを特徴とする請求項27に記載のプロセス。
【請求項33】
前記中程度の孔サイズを有するゼオライトはゼオライトの全重量の70〜100%を占めることを特徴とする請求項29に記載のプロセス。
【請求項34】
前記リアクタは、ライザー、等線速度流動床、等直径流動床、下降トランスファーライン及び上昇トランスファーライン又はそれらの組合せ、又は二つ以上の同じリアクタの組合せから選択され、前記組合せはカスケード及び/又はパラレルを含み、前記ライザーは従来の等直径ライザー又は様々な異なる直径のライザーであることを特徴とする請求項27に記載のプロセス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2010−535865(P2010−535865A)
【公表日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−519326(P2010−519326)
【出願日】平成20年8月7日(2008.8.7)
【国際出願番号】PCT/CN2008/001439
【国際公開番号】WO2009/018722
【国際公開日】平成21年2月12日(2009.2.12)
【出願人】(507215460)中國石油化工股▲フン▼有限公司 (4)
【出願人】(507215471)中國石油化工股▲フン▼有限公司石油化工科學研究院 (3)
【Fターム(参考)】