説明

計数装置並びにこれに用いられる表示装置及び計数装置を備えた計数機能付き注入用具

【課題】患者に対する薬液の注入量の管理に必要な情報を確実に得ること。
【解決手段】ボタン8が操作されたか否かを検出する操作検出部27と、収容室S2内に所定量の薬液が充填されているか否かを検出する充填量検出部28と、操作検出部27によりボタン8の操作が検出された場合に、充填量検出部28による検出結果に基づいて、操作検出部27により検出された操作が薬液を導出させる導出操作であるか否かを判定する判定部29と、導出操作の回数を記憶する計数記憶部30とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、薬液注入装置の計数装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、薬液吐出装置から吐出された薬液を所定量充填するとともに、患者の操作に応じて前記所定量の薬液を導出する注入用具が知られている。
【0003】
例えば、特許文献1に記載のアセンブリは、加圧下の液体源を供給するための液体源供給手段と、制限されたボウラス投与量の液体を提供するためのボウラス投与量装置とを備えている。前記ボウラス投与量装置は、前記液体源供給手段からの液体を充填可能な投与量溜めを有し、この投与量溜めは、圧縮されることによりその内容物を排出可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特表平03−505538号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記注入用具(特許文献1に記載のボウラス投与量装置)に規定される所定の充填量は、期待される効果を得ることができる充填量に設定されている。
【0006】
そのため、期待される効果を確実に得るために、近年では、前記薬液吐出装置からの充填量が前記所定の充填量に満たない状態においては、患者が操作しても、薬液の導出が規制される注入用具が開発されている。
【0007】
しかしながら、この種の注入用具を用いた場合、医療従事者が患者の管理を行うことが困難になるという問題がある。具体的に、前記注入用具を用いた場合、患者による操作回数と薬液の注入回数とが必ずしも一致しないため、単に注入用具の操作回数を管理するだけでは、患者に対する薬液の注入量を把握することができない。
【0008】
本発明の目的は、患者に対する薬液の注入量の管理に必要な情報を確実に得ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明は、所定量の薬液を充填可能な充填容器と、前記充填容器から薬液を導出させるための操作を受ける導出操作部とを有し、前記充填容器に前記所定量の薬液が充填された状態で前記導出操作部が操作されることにより前記充填容器内の薬液を導出する一方、前記充填容器に前記所定量未満の薬液が充填された状態で前記導出操作部が操作されても薬液の導出が規制される注入用具に装着可能であり、前記注入用具による薬液の注入回数を計数する計数装置であって、前記導出操作部が操作されたか否かを検出する操作検出部と、前記充填容器内に前記所定量の薬液が充填されているか否かを検出する充填量検出部と、前記操作検出部により前記導出操作部の操作が検出された場合に、前記充填量検出部による検出結果に基づいて、前記操作検出部により検出された操作が薬液を導出させる導出操作であるか否かを判定する判定部と、前記導出操作の回数を記憶する計数記憶部と、を備えている、注入用具の計数装置を提供する。
【0010】
本発明によれば、操作検出部及び充填量検出部により、充填容器内に所定量の薬液が注入された状態で導出操作部が操作されたか否かを検出することができるとともに、導出操作の回数を計数記憶部に記憶することができる。そのため、薬液の注入量の管理に必要な導出操作の回数を確実に得ることができる。
【0011】
前記計数装置において、前記計数記憶部は、前記操作検出部により検出された操作が前記導出操作以外の操作である空打ち操作であると前記判定部により判定された場合に、前記空打ち操作の回数を記憶することが好ましい。
【0012】
この態様では、空打ち操作の回数、つまり、結果的に薬液が導出されなかった導出操作部の操作の回数を得ることができる。これにより、患者が薬液を必要とした回数(薬液が麻酔薬の場合には患者が痛みを感じた回数)を確実に把握することができる。そのため、より確実に患者の様態を管理することが可能となる。
【0013】
前記計数装置において、前記充填量検出部は、薬液の充填に伴う前記充填容器の容積変化を検出することが好ましい。
【0014】
この態様では、充填容器の容積変化を利用して所定量の薬液が充填されているか否かを検出することができる。
【0015】
前記計数装置において、前記判定部は、前記充填量検出部により所定量の薬液が充填されていると判定された状態で、前記操作検出部により前記導出操作部の操作が検出され、かつ、前記操作検出部による操作の検出後に前記充填量検出部により薬液の充填量が前記所定量ではないと判定された場合に、前記操作検出部により検出された操作が前記導出操作であると判定することが好ましい。
【0016】
この態様では、導出操作部の操作の前後で薬液の充填量が変化している場合に、その操作が導出操作であると判定する。そのため、充填容器内に所定量の薬液が充填された状態で導出操作部が操作されたにもかかわらず、薬液が導出されないという注入用具の誤動作が生じた場合に、前記操作が導出操作として計数されるのを避けることができる。したがって、より正確な薬液の注入回数を得ることができる。
【0017】
前記計数装置において、前記判定部は、前記操作検出部により前記導出操作部の操作が検出された後、所定の待機期間経過後に、前記充填量検出部による検出を行うことが好ましい。
【0018】
この態様では、導出操作部の操作後、所定の待機期間だけ注入用具の動作を待って充填量を検出する。そのため、前記注入用具の誤動作について操作回数が計数されるのをより確実に防ぐことができる。なお、前記待機期間は、例えば、10秒である。
【0019】
前記計数装置において、前記判定部は、規定期間内に前記操作検出部による前記導出操作部の操作が複数回検出された場合に、前記規定期間内の操作を1回の操作であると判定することが好ましい。
【0020】
この態様では、規定期間内の複数の操作を1回の操作であると判定する。これにより、例えば、薬液の必要に迫られて(例えば、薬液が麻酔薬である場合には、痛みが激しくなって)複数回慌てて導出操作部を操作した場合に、これらの操作を実質的に1回の操作とみなして計数することができる。
【0021】
また、注入用具は、通常、短期間で複数回操作されても前記所定量以上に薬液が導出されないように構成されている。具体的に、薬液の導出頻度を制限するために、充填容器内には、所定量の薬液が一定の時間(いわゆる、ロックアウトタイム)をかけて充填される。したがって、前記ロックアウトタイムよりも短い期間内に複数回の操作が行われても、前記所定の注入量以上に薬液が注入されることはない。したがって、注入用具の仕様の面から考えても、規定期間内の複数の操作は、実質的に1回の操作であるとみなすことが望ましい。
【0022】
したがって、前記態様では、薬液の注入回数を正確に計数することができる。
【0023】
前記計数装置において、前記計数装置を作動するための電力を供給する電池と、前記電池からの電力供給を阻止した状態から前記電力供給を許容した状態に切り換え操作を行うための切換操作部と、前記切換操作部の操作により前記電力供給が許容された時点からの時間をカウントアップするカウントアップ部とを備え、前記計数記憶部は、前記操作検出部により前記導出操作部の操作が検出された時点における前記カウントアップ部により計測されたカウント数と、前記操作検出部により検出された導出操作とを対応付けて記憶することが好ましい。
【0024】
この態様では、現在時刻ではなく、電力供給時からカウントアップされたカウント数との関係で導出操作を記憶する。これにより、現在時刻を保持することが不要となるため、計数装置の電池の容量を小さくしつつ、導出操作の回数及び導出操作がされた時間を特定するための情報を得ることができる。具体的に、現在時刻を保持するためには製品完成時から常時電力が供給されていることを要するのに対し、カウントアップ部を作動させるためには、使用開始後(切換操作部が操作された後)からの電力供給で済む。そして、現時点においてカウントアップ部が計測したカウント数と現在時刻とに基づいて、カウントアップ部による過去のカウント数と時刻との関係を特定することができる。したがって、導出操作部が操作された時点における時刻を特定することができる。
【0025】
前記計数装置において、前記計数記憶部は、前記操作検出部により検出された操作が前記導出操作以外の操作である空打ち操作であると前記判定部により判定された場合に、前記空打ち操作の回数を記憶するとともに、前記空打ち操作が検出された時点における前記カウントアップ部により計測されたカウント数と前記空打ち操作とを対応付けて記憶することが好ましい。
【0026】
この態様では、空打ち操作検出時におけるカウント数と空打ち操作とを対応付けて記憶する。これにより、患者が薬液を必要とした回数及び時刻(薬液が麻酔薬であれば痛みを感じた回数及び時刻)を把握することができる。
【0027】
また、本発明は、前記計数装置に記憶された情報を表示するための表示装置であって、前記計数記憶部に記憶された情報を出力するために前記計数装置に設けられた第1通信部との間で通信可能な第2通信部と、現在時刻を保持するとともに、現在時刻と前記カウントアップ部により計測されたカウント数とに基づいて前記操作検出部により検出された操作の時刻を特定する時間特定部と、前記第2通信部を介して入力された操作内容と、前記時間特定部により特定された時刻とを関連付けて表示する表示部とを備えている、表示装置を提供する。
【0028】
本発明によれば、操作検出部により検出された操作内容(導出操作又は空打ち操作)と、その操作時刻とを関連付けて表示することができる。これにより、医療従事者は、薬液が導出された時刻及びその回数、又は、患者が薬液を必要とした時刻及びその回数を把握することができる。したがって、患者の管理を確実に行うことができる。
【0029】
また、本発明に係る表示装置には、現在時刻を保持する時間特定部が設けられているため、計数装置の電池の容量を小さくすることができる。具体的に、現在時刻を保持するためには製品完成時から常時電力が供給されていることを要するのに対し、カウントアップ部を作動させるためには、使用開始後(切換操作部が操作された後)からの電力供給で済む。ここで、表示装置は、表示部を作動するために計数装置に比べて大容量の電源を要する。そのため、現在時刻を保持するための電力を表示装置に負担させても、表示装置の電源の容量に与える影響は少ない。
【0030】
さらに、本発明は、前記計数装置に記憶された情報を表示するための表示装置であって、前記計数記憶部に記憶された情報を出力するために前記計数装置に設けられた第1通信部との間で通信可能な第2通信部と、前記第2通信部を介して入力された情報を表示可能な表示部を備えている、表示装置を提供する。
【0031】
本発明によれば、計数記憶部に記憶された情報(例えば、導出操作の操作回数)を表示することができる。これにより、医療従事者は、例えば、導出操作の回数を把握することができ、患者の管理を確実に行うことができる。
【0032】
前記表示装置において、前記表示装置に設けられた電源による電力を前記計数装置に提供可能な電力提供部をさらに備え、前記計数記憶部は、不揮発性のメモリからなることが好ましい。
【0033】
この態様では、計数装置の不揮発性メモリ(計数記憶部)に対して表示装置から電力を供給することができる。そのため、計数装置における電力が不足した場合であっても、不揮発性メモリからなる計数記憶部に情報を保持することができるとともに、表示装置から電力を供給することによって計数記憶部に記憶された情報を表示部に表示させることができる。
【0034】
前記表示装置において、複数の計数装置と順次通信することにより前記複数の計数装置の計数記憶部からそれぞれ入力された情報を記憶可能な表示記憶部と、前記表示記憶部に記憶された情報のうち前記表示部に表示させる情報を切り替えるための表示操作部とを有することが好ましい。
【0035】
この態様では、複数の計数装置に記憶された情報を記憶するとともに表示することができる。そのため、複数の計数装置について1つの表示装置を共通に使用することができる。したがって、表示部を有することに起因して計数装置に比べて高価な表示装置の使用数量を減らすことができる。
【0036】
前記表示装置において、前記表示記憶部に記憶された情報を他の管理機器に出力可能な第3通信部をさらに備えていることが好ましい。
【0037】
この態様では、第3通信部を介して表示記憶部に記憶された情報を他の管理機器(例えば、パーソナルコンピュータ)に出力可能である。そのため、医療従事者は、前記管理機器を用いて複数人の患者を集中して管理することが可能となる。
【0038】
前記表示装置において、前記計数装置に対して着脱可能であることが好ましい。
【0039】
この態様によれば、注入用具の使用時には計数装置から取り外すことができるので、注入用具の操作回数を計数していることを患者に意識させずに済む。これにより、患者の意図的な操作又は非操作を抑制することができ、注入用具の操作回数を正確に計数することが可能となる。
【0040】
また、本発明は、前記計数装置と、前記計数装置が装着されるとともに前記計数装置により薬液の注入回数が計数される注入用具とを備えた計数機能付き注入用具あって、前記注入用具は、所定量の薬液を充填可能な充填容器と、前記充填容器から薬液を導出させるための操作を受ける導出操作部とを備え、前記充填容器に前記所定量の薬液が充填された状態で前記導出操作部が操作されることにより前記充填容器内の薬液を導出する一方、前記充填容器に前記所定量未満の薬液が充填された状態で前記導出操作部が操作されても薬液の導出が規制される、注入用具を提供する。
【発明の効果】
【0041】
本発明によれば、患者に対する薬液の注入量の管理に必要な情報を確実に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明の好ましい実施形態に係る管理システムの概略図である。
【図2】図1の注入用具と計数装置とを取り外した状態を示す斜視図である。
【図3】図2のIII−III線断面図である。
【図4】図3の一部を拡大して示す断面図である。
【図5】表示装置の全体構成を示す斜視図である。
【図6】図1の注入用具及び計数装置の側面断面図であり、所定量の薬液が充填され、かつ、ボタンが操作されていない状態を示す。
【図7】図1の注入用具及び計数装置の側面断面図であり、所定量の薬液が充填され、かつ、ボタンが操作されている状態を示す。
【図8】図1の注入用具及び計数装置の側面断面図であり、所定量の薬液が充填されておらず、かつ、ボタンが操作されている状態を示す。
【図9】図1の管理システムの電気的構成を示すブロック図である。
【図10】図9の計数装置により実行される処理を示すフローチャートである。
【図11】図9の表示装置により実行される処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0043】
以下、本発明の好ましい実施形態について図面を参照して説明する。
【0044】
図1は、本発明の好ましい実施形態に係る管理システムの概略図である。
【0045】
図1を参照して、管理システム1は、複数人の患者に対する薬液の注入量、及び複数人の患者が薬液を必要した回数を集中して管理するためのものである。具体的に、管理システム1は、患者に薬液を注入するための注入用具2と、この注入用具2の操作回数及び操作時間を記憶するための計数装置3と、この計数装置3に記憶された情報を表示するための表示装置4と、この表示装置4に記憶された情報を集中管理するためのPC(personal computer:管理装置)5とを備えている。
【0046】
注入用具2は、図外のポンプ(薬液吐出装置)及び患者に接続され、前記ポンプから吐出された薬液を所定量蓄えるとともに、患者の操作に応じて前記所定量の薬液を患者に注入可能である。具体的に、注入用具2は、前記所定量の薬液が充填された状態で患者からの操作を受けることにより前記所定量の薬液を導出する。一方、前記所定量未満の薬液が充填された状態で注入用具2が患者によって操作されても、注入用具2からの薬液の導出は、規制される。以下、注入用具2の具体的構成を説明する。
【0047】
図2は、図1の注入用具2と計数装置3とを取り外した状態を示す斜視図である。図6は、図1の注入用具2及び計数装置3の側面断面図である。なお、図2及び図6の上下方向を用いて以下説明する。
【0048】
注入用具2は、上下方向に延びる筒状のケース6と、このケース6の下部の開口を塞ぐための底部材7と、前記ケース6の上端部に設けられたボタン(導出操作部)8と、前記ケース6内に設けられた充填吐出機構9とを備えている。
【0049】
ケース6は、上下方向に延びる筒状のケース本体6aと、このケース本体6aの上部で内側に突出する突出壁6bと、この突出壁6bの上下位置でそれぞれ前記ケース本体6aを貫通する一対の検出孔6c、6dと、前記ケース本体6aの下部で前記底部材7を係止するための係止溝6eと、前記計数装置3を係止するための一対の係止孔6f、6f(図2では1つ示す)及び一対の係止孔6g、6g(図2では1つ示す)とを備えている。突出壁6bには、上下方向に貫通する挿通孔6hが形成されている。この挿通孔6hには、後述するボタン8の押圧子8bが挿通する。検出孔6cは、前記突出壁6bの上に形成されている。この検出孔6cには、ボタン8の押込操作を検出するための後述するレバー22が配置される。検出孔6dは、前記突出壁6bの下に形成されている。この検出孔6dには、所定量の薬液が充填されていることを検出するための後述するレバー22が配置される。係止溝6eは、ケース本体6aを貫通する溝である。一対の係止孔6f、6fは、ケース本体6aの周方向の異なる位置で、かつ、上下方向の同位置に形成されている。一対の係止孔6g、6gは、ケース本体6aの周方向において各係止孔6f、6fと同位置となるように、各係止孔6f、6fの直下の位置に形成されている。これら係止孔6f、6f、6g、6gは、後述する計数装置3の係止爪18g、18g、18h、18hを係止するためのものである。
【0050】
底部材7は、前記ケース本体6aの下部の開口を塞ぐように配置された蓋板7aと、この蓋板7aから側方に突出する係止突起7bと、蓋板7a上に立設された支軸7cとを備えている。係止突起7bは、前記ケース6と底部材7とを上下方向に係止するために、前記ケース本体6aの係止溝6e内に挿入される。支軸7cは、後述する充填吐出機構9を下から支持する。
【0051】
ボタン8は、ケース6に対して上下方向に変位可能となるように、前記ケース本体6aの上部の開口に対して上から挿入されている。具体的に、ボタン8は、患者が押圧する押圧面を有する円板状の操作部8aと、この操作部8aから下に突出する押圧子8bとを備えている。操作部8aは、図外の係止爪を有する。この係止爪がケース本体6aと係止することにより、ボタン8は、ケース6から上方へ抜け止めされている。押圧子8bは、上下方向に摺動可能となるように、前記ケース本体6aの挿通孔6h内に挿通されている。また、押圧子8bは、後述する充填吐出機構9による薬液の導出を開始させるスイッチとして機能する。
【0052】
充填吐出機構9は、ポンプから吐出された薬液を所定量充填するとともに、前記所定量の薬液が充填された状態で前記ボタン9を操作することに応じて、前記ポンプによる吐出圧によって前記所定量の薬液を患者へ導出する。一方、充填吐出機構9は、前記所定量未満の薬液が充填された状態で前記ボタン9を操作しても、薬液の吐出を規制する。具体的に、充填吐出機構9は、前記ケース本体6a内で上下に摺動可能な摺動部材10と、この摺動部材10の上端に設けられた第1蛇腹11と、前記摺動部材10の下端に設けられた第2蛇腹12と、前記摺動部材10を上下に貫通する弁部材14と、この弁部材14の周囲に設けられたパッキン15a〜15cと、前記摺動部材10に内蔵された流量調整部材16と、前記第2蛇腹12の下端を封止するための封止部材17とを備えている。
【0053】
摺動部材10には、当該摺動部材10を上下に貫通する貫通孔10aと、前記ポンプに接続されるポンプ通路10bと、患者に接続される患者通路10cと、前記貫通穴10aから分岐する分岐通路10dとが形成されている。貫通孔10aは、前記弁部材14を挿入するための孔である。ポンプ通路10bの一端は、摺動部材10の側面から側方に向けて開口し、ポンプ通路10bの他端は、摺動部材10の上面から上に向けて開口する。患者通路10cの一端は、摺動部材10の側方に向けて開口し、患者通路10cの他端は、前記貫通孔10aに合流する。分岐通路10dは、前記患者通路10cの合流点よりも上の位置で貫通孔10aから分岐し、摺動部材10の下面から下に向けて開口する。
【0054】
第1蛇腹11は、前記摺動部材10の上に収容室S1が形成されるように、摺動部材10の上端に上向きに設けられている。具体的に、第1蛇腹11は、閉じられた上端と、下向きに開口する下端とを有する。第1蛇腹11の下端が全周にわたり前記摺動部材10の上端に固定されることにより、当該第1蛇腹11と摺動部材10との間に収容室S1が形成されている。そして、前記収容室S1は、前記貫通孔10a及びポンプ通路10bに連通する。また、第1蛇腹11の上端部には、図6に示すように、ケース本体6aの挿通孔6h内に挿入可能な突出部が形成されている。
【0055】
第2蛇腹12は、前記摺動部材10の下に収容室S2が形成されるように、摺動部材10の下端と封止部材17との間に設けられている。具体的に、第2蛇腹12は、上向きに開口する上端と、封止部材17により閉じられた下端とを有する。前記第2蛇腹12の上端は、全周にわたり前記摺動部材10の下端に固定されている。また、第2蛇腹12の下端は、全周にわたり封止部材17に固定されている。これにより、第2蛇腹12と摺動部材10と封止部材17との間に収容室S2が形成されている。本実施形態では、収容室S2を構成するための第2蛇腹12、摺動部材10及び封止部材17は、所定量の薬液を充填可能な充填容器に相当する。そして、前記収容室S2は、前記貫通孔10a及び分岐通路10dに連通する。なお、封止部材17は、前記底部材7の支軸7cに固定されている。
【0056】
弁部材14は、当該弁部材14の長手方向の異なる位置に設けられた3つのパッキン15a〜15cと協働して切換弁として機能する。具体的に、弁部材14は、前記摺動部材10の貫通孔10aに挿入可能な棒状の部材である。パッキン15a〜15cは、それぞれ弁部材14の外側に設けられた環状の部材である。また、各パッキン15a〜15cは、弁部材14の外側に設けられた状態で、貫通孔10a内に配置されることにより弁部材14と摺動部材10との間の薬液の流通を遮断する。そして、弁部材14は、図6に示す第1切換位置と、図7に示す第2切換位置との間で切換操作可能である。
【0057】
図6に示す第1切換位置では、最上段のパッキン15aが貫通孔10aの上(外側)に配置されるとともに、中段のパッキン15b及び下段のパッキン15cがそれぞれ貫通孔10a内に配置されている。この第1切換位置では、収容室S1と、分岐通路10dと、収容室S2とが連通し、パッキン15cによって収容室S2から患者通路10cが遮断される。したがって、弁部材14が第1切換位置に配置されることにより、ポンプから吐出された薬液は、ポンプ通路10b、収容室S1、貫通孔10a、及び分岐通路10dを通って収容室S2内に導かれる。ここで、収容室S2の受圧面積を規定する直径寸法D2は、収容室S1の受圧面積を規定する直径寸法D1よりも大きく設定されている。そのため、収容室S1、S2内に同一のポンプ圧が与えられた状態で、収容室S1から摺動部材10が受ける力よりも収容室S2から摺動部材10が受ける力は大きい。したがって、弁部材14が第1切換位置に切り換えられた状態では、第1蛇腹11の縮小及び第2蛇腹12の伸長を伴い摺動部材10が上に移動することにより、第2蛇腹12内に薬液が充填される。なお、摺動部材10の移動の上限位置は、ケース6に設けられた図外のストッパにより規定されている。また、摺動部材10の移動の下限位置は、図8に示すように摺動部材10の下面が封止部材17の上面に当接した位置である。そして、摺動部材10の上限位置と下限位置との間で変化する収容室S2の容積に相当する薬液の量が、本実施形態の所定量に相当する。
【0058】
一方、図7に示す第2切換位置では、最上段のパッキン15a及び中段のパッキン15bが貫通孔10a内に配置されているとともに、下段のパッキン15cが貫通孔10aの下(外側)には位置されている。この第2切換位置では、ポンプ通路10b及びこれと連通する収容室S1が貫通孔10aから遮断されるとともに、分岐通路10dと、収容室S2と、患者通路10cとが連通する。したがって、ポンプの吐出圧が収容室S1内に生じて第1蛇腹11が伸張することにより、第2蛇腹12を縮小させつつ摺動部材10が下に移動する。これにより、収容室S2内に充填された所定量の薬液が患者に注入される(注入用具2から導出される)。
【0059】
なお、弁部材14は、図6に示すように所定量の薬液が収容室S2内に充填された状態でボタン8により押圧操作可能であり、図7に示すように所定量未満の薬液が収容室S2内に充填された状態でボタン8により押圧操作不能である。具体的に、弁部材14は、図6の状態において、その上端部がケース6の挿通孔6h内に配置されるとともに、図7の状態において、その上端部が挿通孔6hよりも下に配置される長さを有する。したがって、注入用具2は、所定量の薬液が収容室S2内に充填された状態でボタン8の押圧操作により弁部材14を第2切換位置に切り換えることができる一方、所定量未満の薬液が収容室S2内に充填された状態ではボタン8を操作しても弁部材14を第1切換位置に維持することができる。
【0060】
流量調整部材16は、ポンプから収容室S2内に導かれる薬液の流量を調整する(絞る)。具体的に、流量調整部材16は、外側面にらせん状の溝が形成された有底の円筒部材である。前記らせん状の溝が形成されていることにより、流量調整部材16の外側面と分岐通路10dとの間には、微小断面積の通路が形成されている。この微小断面積の通路を薬液が通過する際に圧力損失が生じることにより、薬液の流量が絞られる。この流量調整部材16により収容室S2内に所定量の薬液を充填するために要する時間(いわゆる、ロックアウトタイム)が定義される。このロックアウトタイムが設定されていることにより、短期間で多量の薬液が導出されるのを抑制することができる。
【0061】
以下、前記注入用具2の動作について説明する。
【0062】
図6は、ロックアウトタイムを経て収容室S2内に所定量の薬液が充填された状態を示す。この状態において、ボタン8を押圧操作すると、図7に示すように、ボタン8の押圧子8bにより弁部材14が第2切換位置に押し下げられる。これにより、収容室S2と患者通路10cとが連通するため、収容室S1内に生じるポンプ圧により摺動部材10が下に移動する。これにより、収容室S2内の薬液は、患者通路10cを通じて患者に注入される。なお、第2切換位置において、弁部材14の下端部は、摺動部材10の下面から下に突出する。
【0063】
薬液の注入がさらに進行すると、図8に示すように、摺動部材10の下面が封止部材17の上面に当接する。この摺動部材10の動作の過程において、弁部材14は、封止部材17によって第1切換位置に押し上げられる。これにより、収容室S2から患者通路10cが遮断されることにより、薬液の導出が停止する。また、弁部材14が第1切換位置に切り換えられることにより、ポンプ通路10bと分岐通路10dとが連通する。そのため、ポンプから吐出された薬液は、流量調整部材16により流量が絞られつつ、収容室S2二充填される。これにより、摺動部材10が上に移動して、図6の状態に戻る。
【0064】
以下、前記注入用具2のボタン8の操作回数を計数するための計数装置3について、図2〜図4及び図6を参照して説明する。図3は、図2のIII−III線断面図である。図4は、図3の一部を拡大して示す断面図である。
【0065】
計数装置3は、上下方向に延びる有底容器18と、この有底容器18内に設けられた制御基板19と、前記有底容器18との間で前記制御基板19を挟持する蓋部材20と、前記有底容器18の下端に着脱可能なキャップ25とを備えている。
【0066】
有底容器18は、上下方向に延びる底板18aと、この底板18aの周囲から立ち上がる上板18b、下板18c、側板18d、及び側板18eとを備えている。底板18aには、有底容器18の内側に向けて突出する複数の突起18f、18f(図3では2つ示す)が形成されている。各突起18f、18fは、後述するプリント基板19aを支持するためのものである。下板18cには、当該下板18cを上下に貫通する連絡孔18iが形成されている。連絡孔18iは、後述するプリント基板19aの第1通信部19eに対する外部からのアクセスを許容する。各側板18d、18eは、それぞれ上板18b及び下板18cよりも長い突出寸法を有する。側板18dの先端部には、側板18eに向けて突出する上下一対の係止爪18g、18gが形成されている。一方、側板18eの先端部には、側板18dに向けて突出する上下一対の係止爪18h、18hが形成されている。これら係止爪18g、18g、18h、18hは、注入用具2のケース6に係止するためのものである。具体的に、各係止爪18g、18g、18h、18hが注入用具2の係止孔6f、6f、6g、6g内にそれぞれ挿入されることにより、注入用具2に対して計数装置3を装着することができる。一方、各側板18d、18eを互いに広げることにより、係止爪18g、18g、18h、18hと係止孔6f、6f、6g、6gとの係止を解除して、注入用具2から計数装置3を取り外すことができる。
【0067】
制御基板19は、プリント基板19aと、プリント基板19aに電力を供給するための電池19bと、この電池19bと前記プリント基板19aとを電気的に接続するための接続板19cと、この接続板19cと電池19bとの間に設けられた絶縁プレート(切換操作部)19dとを備えている。プリント基板19aには、後述する図9に示す電気的構成を実現するための回路が形成されている。また、プリント基板19aの下端部は、後述する表示装置4と通信するための第1通信部19eを構成する。具体的に、第1通信部19eは、表示装置4に設けられた雌コネクタに接続可能な雄コネクタを構成する。絶縁プレート19dは、電池19bからの電力供給を阻止した状態から電力供給を許容した状態に切換操作可能である。具体的に、絶縁プレート19dは、その途中部が電池19bと接続板19cとの間に配置された状態で、図2に示すように、有底容器18の外側に導出された操作端を有する。この操作端を引っ張り操作することにより、絶縁プレート19dを電池19bと接続板19cとの間から抜き出すことができる。これにより、電池19bと接続板19cとが電気的に接続され、プリント基板19aに電力が供給される。
【0068】
蓋部材20は、前記有底容器19の底板18aと対向する蓋本体21と、この蓋本体21に対して揺動可能に設けられた上下一対のレバー22、22と、前記蓋本体21と前記プリント基板19aとの間に設けられた上下一対のバスバー24、24とを備えている。
【0069】
蓋本体21には、前記各レバー22、22をそれぞれ挿通するために前記蓋本体21を貫通する一対の貫通孔21a、21aが形成されている。各貫通孔21a、21aは、前記注入用具2のケース6に形成された検出孔6c、6dに対応する位置にそれぞれ設けられている。また、蓋本体21には、底板18a側に突出する上下一対の突起21b、21bが設けられている。各突起21b、21bは、後述するバスバー24、24を保持する。
【0070】
レバー22、22は、図4に示すように、前記各貫通孔21a、21aに挿通するレバー本体22a、22aと、各レバー本体22a、22aをそれぞれ蓋本体21に対して上下方向のと直交する軸回りに回動可能に軸支する回動軸22b、22bとを備えている。レバー本体22a、22aは、前記回動軸22b、22bによる支持点から当該回動軸22b、22bと直交する方向であって、かつ互いに異なる方向に延びる一対の操作片を有する鉤状の部材である。そして、一方の操作片が蓋本体21の内側(底板18a側)に配置されているとともに、他方の操作片が蓋本体21の外側(底板18aの反対側)に配置されている。上のレバー本体22aの外側の操作片は、図6に示すように、注入用具2の検出孔6cを通ってボタン8の下方に配置されている。具体的に、上のレバー本体22aは、押圧操作されたボタン8の下面でレバー本体22aの外側の操作片が押圧されることにより図6の反時計回りに回動するように、配置されている。一方、下のレバー本体22aの外側の操作片は、注入用具2の検出孔6dを通って摺動部材10に形成された検出用突起10eの上方に配置されている。具体的に、下のレバー本体22aは、収容室S2内に所定量の薬液が充填されるまで摺動部材10が上昇することにより、当該摺動部材10の検出用突起10eでレバー本体22aの外側の操作片が押圧されることにより図6の時計回りに回動するように、配置されている。
【0071】
バスバー24、24は、図4に示すように、金属版からなるバスバー本体24aと、このバスバー本体24aの端部で当該バスバー本体24aを貫通する保持穴24bとをそれぞれ有する。バスバー24、24は、それぞれ保持穴24b、24b内に前記蓋本体21、21の突起21b、21bが嵌合することにより、蓋本体21、21に保持されている。そして、バスバー24、24の自由端は、それぞれ突起21b、21bを支点として、図4の実線で示すようにプリント基板19aと平行する通常姿勢から、図4の二点差線で示すようにプリント基板19aに当接した当接姿勢に弾性変形可能である。また、バスバー本体24aの自由端は、前記レバー本体22aとプリント基板19aとの間に配置されている。そのため、前記レバー本体22aが図4の二点鎖線で示す位置に回動すると、当該レバー本体22aの内側の操作片がバスバー本体24aを押圧することにより、当該バスバー本体24aが前記当接姿勢に弾性変形する。一方、レバー本体22aが図4の実線で示す位置に回動すると、当該レバー本体22aの内側の操作片がバスバー本体24aから離間して、当該バスバー本体24aが前記通常姿勢に弾性復帰する。
【0072】
なお、前記プリント基板19aには、前記当接姿勢に弾性変形したバスバー本体24a、24aとそれぞれ電気的に接続可能な一対の電極パッド(図示せず)が設けられている。そのため、バスバー本体24a、24aが当接姿勢に変形したか否かは、プリント基板19aにおいて電気的に検知することができる。換言すると、上のレバー22、上のバスバー24及びプリント基板19aは、ボタン8が押圧操作されたか否かを検出する操作検出部27(図9参照)として機能する。また、下のレバー22、下のバスバー24及びプリント基板19aは、薬液が所定量充填されているか否かを検出する充填量検出部28(図9参照)として機能する。
【0073】
以下、図9を参照して、計数装置3の電気的構成について説明する。
【0074】
計数装置3は、前記絶縁プレート19d(図2参照)を抜き出した時点からの時間をカウントアップするカウントアップ部26と、ボタン8が操作されたか否かを検出する操作検出部27と、収容室S2内に所定量の薬液が充填されているか否かを検出する充填量検出部28と、操作検出部27により検出された操作が薬液を導出させる導出操作であるか否かを判定する判定部29と、導出操作の計数を記憶する計数記憶部30と、計数記憶部30に記憶された情報を出力するための前記第1通信部19eと、第1通信部19eを介して提供された電力を前記プリント基板19aに供給可能な電力供給部31とを備えている。
【0075】
カウントアップ部26は、絶縁プレート19dの抜出操作によりプリント基板19aに対する電池19bからの電力供給が許容された時点からの時間をカウントアップする。
【0076】
操作検出部27は、ボタン8が予め設定された押下位置まで押圧操作されたか否かを検出する。具体的に、操作検出部27は、図8に示すように、ボタン8の押圧操作に応じて回動するレバー22によってバスバー本体24aをプリント基板19aに電気的に接続させることにより、ボタン8の押圧操作を検出する。
【0077】
充填量検出部28は、摺動部材10が予め設定された上昇位置まで上昇したか否かを検出する。つまり、充填量検出部28は、収容室S2の容積変化を検出する。具体的に、充填量検出部28は、図6に示すように、摺動部材10の上昇に応じて回動するレバー22によってバスバー本体24aをプリント基板19aに電気的に接続させることにより、摺動部材10が予め設定された上昇位置(薬液の充填量が所定量)であることを検出する。
【0078】
判定部29は、ボタン8の操作が薬液の注入を生じさせる導出操作であるか、薬液の注入を生じさせない空打ち操作であるかを判定する。具体的に、判定部29は、充填量検出部28により所定量の薬液が充填されていることが検出されている状態で、操作検出部27によりボタン8の操作が検出され、かつ、ボタン8の操作検出後に充填量検出部により薬液の充填量が所定量ではないときに、当該操作が導出操作であると判定する。一方、判定部29は、前記導出操作以外の操作を空打ち操作であると判定する。なお、判定部29は、所定の待機期間(例えば、1.5秒)内に複数回の操作が行われたと操作検出部27により検出された場合には、当該待機期間内の操作を1回の操作と判定する。
【0079】
計数記憶部30は、判定部により判定された導出操作又は空打ち操作と、カウントアップ部26により計測されたカウント数をと対応付けて記憶する。具体的に、計数記憶部30は、導出操作の操作回数、導出操作の操作時刻、空打ち操作の操作回数、空打ち操作の操作時刻を記憶する。また、計数記憶部30は、記憶内容を書き換え可能な不揮発性のメモリ(例えば、EEPROM[Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory] )からなる。そのため、電池19bの残量が不足する場合でも、記憶された情報を保持することができる。
【0080】
電力供給部31は、後述する表示装置から提供された電力をプリント基板19aに供給する。
【0081】
以下、図10を参照して、計数装置3により実行される処理を説明する。
【0082】
計数装置3による処理は、前記絶縁プレート19dの引き抜き操作により開始される。まず、前記カウントアップ部26によるカウントアップを開始する(ステップS1)。
【0083】
次いで、充填量検出部28がONであるか否か、つまり、所定量の薬液が充填されたか否かが判定される(ステップS2)。このステップS2で、図6に示すように薬液が所定量充填されていると判定されると、操作検出部27がONであるか否か、つまり、ボタン8が押圧操作されたか否かが判定される(ステップS3)。このステップS3でボタン8が押圧操作されていないと判定されると、ステップS2を繰り返し実行する。
【0084】
一方、ステップS3で、図7に示すようにボタン8が押圧操作されたと判定されると、所定の期間(例えば、10秒)待機する(ステップS4)。ここで、所定の期間待機するのは、ボタン8の押圧操作後、薬液が導出して摺動部材10が下に移動するための時間を確保するためである。
【0085】
前記待機期間が経過すると(ステップS4でYES)、充填量検出部28がOFFであるか否か、つまり、収容室S2内の薬液が所定量未満であるか否かを検出する(ステップS5)。このステップS5では、図8に示すように、ボタン8の操作後に実際に薬液の導出が開始されたか否かを検出することができる。ステップS5で充填量検出部28がOFFである場合には、図8に示すように薬液の導出が開始されている。そのため、検出された操作が導出操作であると判定する(ステップS6)。一方、ステップS5で充填量検出部28がONである場合には、図7に示すようにボタン8が操作されたにもかかわらず薬液の導出が開始されていない。そのため、検出された操作が空打ち操作であると判定する(ステップS8)。
【0086】
また、前記ステップS2で充填量検出部28がOFFであると判定された場合(ステップS2でNO)、操作検出部27がONであるか否かを判定する(ステップS7)。このステップS7で操作検出部27がOFFであると判定されると、ステップS2を繰り返し実行する。一方、ステップS7で操作検出部27がONであると判定されると、図8に示すように薬液の充填量が所定量未満であるにもかかわらずボタン8が操作されている。そのため、検出された操作を空打ち操作であると判定する(ステップS8)。
【0087】
そして、前記ステップS6及びステップS8の後、判定された操作内容(導出操作又は空打ち操作)とカウントアップ部26により計測されたカウント数とを対応付けて記憶して(ステップS9)、ステップS1にリターンする。
【0088】
以下、前記計数装置3により記憶された情報を表示するための表示装置について図4を参照して説明する。図5は、表示装置4の全体構成を示す斜視図である。
【0089】
図1及び図5を参照して、表示装置4は、図外の制御基板を内蔵するケース32と、このケース32の表面に設けられた表示部33と、この表示部33に表示される内容を選択操作するための表示操作部34と、前記計数装置2の第1通信部19e(図6参照)との間で通信するための第2通信部35と、前記PC5との間で通信を行うための第3通信部36とを備えている。
【0090】
ケース32は、図外の制御基板を収容するためのケース本体32aと、このケース本体32aに形成された凹部32bとを備えている。前記凹部32bは、前記計数装置3を装着するためのものである。具体的に、凹部32bは、計数装置3が装着された注入用具2をその下部から受け入れ可能な大きさを有する。
【0091】
第2通信部35は、ケース32に内蔵された図外の制御基板と電気的に接続され、計数装置3の第1通信部19eに接続可能な雌コネクタである。具体的に、第2通信部35は、凹部32b内に挿入された計数装置3の第1通信部19eに接続されるように、ケース本体32aの凹部32b内に突出して設けられている。
【0092】
第3通信部36は、表示装置4内に記憶された情報をPC5に転送するためのインタフェースであり、例えば、USB(Universal Serial Bus)ポートからなる。
【0093】
以下、図9を参照して、前記表示装置4の電気的構成について説明する。
【0094】
表示装置4は、前記第2通信部35と、前記第2通信部35を介して計数装置3に記憶された情報を抽出する抽出部37と、前記抽出部37により抽出された情報に基づいて操作時間を特定する時間特定部38と、前記抽出部37により抽出された情報及び時間特定部38により特定された時間を記憶する表示記憶部39と、表示記憶部39に記憶された情報を表示する前記表示部33と、表示記憶部39に記憶された情報のうち表示部33に表示させる情報を選択するための前記表示操作部34と、表示装置4に設けられた図外の電源からの電力を前記第2通信部35を介して計数装置3に提供可能な電力提供部40とを備えている。
【0095】
抽出部37は、第2通信部35が計数装置3の第1通信部19eに接続されることにより、前記計数記憶部30に記憶された情報を抽出する。また、抽出部37は、現時点のカウント数を前記カウントアップ部26から抽出する。
【0096】
時間特定部38は、計数装置3により検出された導出操作及び空打ち操作の時刻を特定する。具体的に、時間特定部38は、現在時刻を保持する。そして、時間特定部38は、計数記憶部30から抽出されたカウント数と、カウントアップ部26から抽出された現時点におけるカウント数と、現在時刻とに基づいて、導出操作及び空打ち操作の時刻を特定する。より具体的に、時間特定部38は、現時点におけるカウント数と現在時刻との対応関係に基づいて、過去のカウント数(計数記憶部30から抽出されたカウント数)に対応する時刻を特定する。また、時間特定部38は、現時点におけるカウント数と現在時刻とに基づいて、計数装置3の使用開始時刻も特定可能である。
【0097】
表示記憶部39は、計数装置3により検出された導出操作及び空打ち操作と、これらの操作の時刻とを対応付けて記憶する。具体的に、表示記憶部39は、計数記憶部30から抽出された導出操作及び空打ち操作と、これらの操作について時間特定部38により特定された時刻とを対応付けて記憶する。また、表示記憶部39は、時間特定部38により特定された計数装置3の使用開始時刻も記憶する。さらに、表示記憶部39は、複数の計数装置3が順次表示装置4に接続された場合に、計数記憶部30から抽出された情報を計数装置3ごとに区分けして記憶可能である。
【0098】
表示部33は、表示記憶部39に記憶された情報を表示する。具体的に、表示部33は、導出操作の操作回数、導出操作の操作時刻、空打ち操作の操作回数、空打ち操作の操作時刻、及び計数装置3の使用開始時刻を含む表示項目を表示可能である。
【0099】
表示操作部34は、前記表示部33の表示項目を切換操作可能である。具体的に、表示操作部34は、上記各表示項目の切換操作だけでなく、複数の計数装置3の情報が表示記憶部39に記憶されている場合には、表示させる計数装置3の選択操作も可能である。
【0100】
電力提供部40は、表示装置4に設けられた図外の電源の電力を計数装置3に提供する。具体的に、電力提供部40は、計数装置3の第1通信部19eと表示装置4の第2通信部35とが接続された状態で、計数装置3に電力を供給する。なお、電力供給部40は、計数装置3の電池19bの残量を検出し、電池19bの残量が規定量以下である場合に、計数装置3に電力を提供してもよい。
【0101】
第3通信部36は、PC5の第4通信部41との間で通信可能である。この第3通信部36を介して、PC5に対して表示記憶部39内の情報を出力することができる。
【0102】
以下、前記表示装置4により実行される処理について図11を参照して説明する。
【0103】
表示装置4による処理は、当該表示装置4の第2通信部35に対して計数装置3の第1通信部19eが接続されることにより開始される。表示装置4による処理が開始すると、まず、計数装置3へ電力を供給する(ステップT1)。このステップT1により、計数装置3の電池19bの残量が不足している場合であっても、不揮発性のメモリからなる計数記憶部30に記憶された情報を読み出すことができる。
【0104】
次いで、計数記憶部30に記憶された情報を抽出する(ステップS2)。そして、抽出された情報に含まれるカウント数に基づいて、導出操作及び空打ち操作が行われた時刻を特定する(ステップT3)。このステップT3で特定された時刻は、これに対応する操作に対応付けて記憶される(ステップT4)。
【0105】
次いで、表示操作部34による表示内容の指定が入力されているか否かが判定される(ステップT5)。このステップT5で表示内容の指示があると判定されると、指定された内容を表示する(ステップT6)。一方、ステップT5で表示内容の指示がないと判定されると、直近に抽出された操作内容及びその時刻を表示する(ステップT7)。
【0106】
ステップT6及びステップT7において所定の内容が表示されると、表示操作部34が操作されたか否かが判定される(ステップT8)。このステップT8で表示操作部34が操作されていないと判定されると、後述するステップT10を実行する。
【0107】
一方、ステップT8で表示操作部34が操作されていると判定されると、新たな表示内容を指定するための指令を出力し(ステップT9)、計数装置3の接続が解除されたか否かを判定する(ステップT10)。このステップT10で計数装置3の接続が解除されたと判定されると、表示部33の表示を終了して当該処理が終了する。一方、前記ステップT10で計数装置3の接続が解除されていないと判定されると、前記ステップT5を繰り返し実行する。
【0108】
以上説明したように、前記実施形態によれば、操作検出部27及び充填量検出部28により、収容室S2内に所定量の薬液が注入された状態でボタン8が操作されたか否かを検出することができるとともに、導出操作の回数を計数記憶部30に記憶することができる。そのため、薬液の注入量の管理に必要な導出操作の回数を確実に得ることができる。
【0109】
前記実施形態では、空打ち操作の回数、つまり、結果的に薬液が導出されなかったボタン8の操作の回数を得ることができる。これにより、患者が薬液を必要とした回数(薬液が麻酔薬の場合には患者が痛みを感じた回数)を確実に把握することができる。そのため、より確実に患者の様態を管理することが可能となる。
【0110】
そして、前記実施形態では、計数記憶部30に記憶された操作内容(導出操作又は空打ち操作)と、その操作回数とを関連付けて表示することができる。これにより、医療従事者は、薬液が導出された時刻及びその回数、又は患者が薬液を必要とした時刻及びその回数を把握することができる。したがって、患者の管理を確実に行うことができる。
【0111】
前記実施形態では、ボタン8の操作の前後で薬液の充填量が変化している場合に、その操作が導出操作であると判定する(図10のステップS2〜S6)。そのため、収容室S2内に所定量の薬液が充填された状態でボタン8が操作されたにもかかわらず、薬液が導出されないという注入用具2の誤動作が生じた場合に、前記操作が導出操作として計数されるのを避けることができる。したがって、より正確な薬液の注入回数を得ることができる。
【0112】
前記実施形態では、ボタン8の操作後、所定の待機時間だけ注入用具2の動作を待って充填量を検出する(図10のステップS4及びS5)。そのため、注入用具2の前記誤動作について操作回数が計数されるのをより確実に防ぐことができる。
【0113】
前記実施形態では、規定時間内の複数の操作を1回の操作であると判定する。これにより、例えば、薬液の必要に迫られて(例えば、薬液が麻酔薬である場合には、痛みが激しくなって)複数回慌ててボタン8を操作した場合に、これらの操作を実質的に1回の操作とみなして計数することができる。
【0114】
また、前記注入用具2は、短期間で複数回操作されても所定量以上に薬液が導出されないように構成されている。具体的に、薬液の導出頻度を制限するために、収容室S2内には、流量調整部材16により規定されるロックアウトタイムをかけて薬液が充填される。したがって、前記ロックアウトタイムにより短い期間内に複数回の操作が行われても、前記所定の注入量以上に薬液が注入されることはない。したがって、注入用具2の仕様の面から考えても、規定期間内の複数の操作は、実質的に1回の操作であるとみなすことが望ましい。
【0115】
したがって、前記実施形態によれば、薬液の注入回数を正確に計数することができる。
【0116】
前記実施形態に係る計数装置3では、現在時刻ではなく、電力供給時からカウントアップされたカウント数との関係で導出操作を記憶する。これにより、現在時刻を保持することが不要となるため、計数装置3の電池の容量を小さくしつつ、導出操作の回数及び導出操作がされた時間を特定するための情報を得ることができる。具体的に、現在時刻を保持するためには製品完成時から常時電力が供給されていることを要するのに対し、カウントアップ部26を作動させるためには、使用開始後(絶縁プレート19dの引き抜き操作後)からの電力供給で済む。そして、現時点においてカウントアップ部26が計測したカウント数と現在時刻とに基づいて、カウントアップ部26による過去のカウント数と時刻との関係を特定することができる。したがって、ボタン8が操作された時点における時刻を特定することができる。
【0117】
具体的に、前記実施形態に係る表示装置4には、現在時刻を保持する時間特定部38が設けられているため、計数装置3の電池の容量を小さくすることができる。ここで、表示装置4は、表示部33を作動するために計数装置3に比べて大容量の電源を要する。そのため、現在時刻を保持するための電力を表示装置4に負担させても、表示装置4の電源の容量に与える影響は小さい。
【0118】
前記実施形態では、空打ち操作検出時におけるカウント数と空打ち操作とを対応付けて記憶する(図10のステップS9)。これにより、患者が薬液を必要とした回数及び時刻(薬液が麻酔薬であれば痛みを感じた回数及び時刻)を把握することができる。
【0119】
前記実施形態では、計数装置3の計数記憶部30に対して表示装置4の電力提供部40から電力を供給することができる。そのため、計数装置3における電力が不足した場合であっても、不揮発性メモリからなる計数記憶部30に記憶を保持することができるとともに、表示装置4から電力を供給することによって計数記憶部30に記憶された情報を表示部33に表示させることができる。
【0120】
前記実施形態に係る表示装置4は、複数の計数装置3に記憶された情報を記憶するとともに表示することができる。そのため、複数の計数装置3について1つの表示装置4を共通に使用することができる。したがって、表示部33を有することに起因して計数装置3に比べて高価な表示装置4の使用数量を減らすことができる。
【0121】
前記実施形態に係る表示装置4は、第3通信部36を介して表示記憶部39に記憶された情報をPC5に出力可能である。そのため、医療従事者は、PC5を用いて複数人の患者を集中して管理することができる。
【0122】
前記実施形態に係る表示装置4は、計数装置3に着脱可能である。これにより、注入用具2の使用時には表示装置4を計数装置3から取り外すことができる。そのため、注入用具2の操作回数を計数していることを患者に意識させずに済む。したがって、患者の意図的な操作又は非操作を抑制することができ、注入用具2の操作回数を正確に計数することができる。
【0123】
なお、前記実施形態では、計数装置3と表示部33とを別々に備えた構成について説明した。しかし、計数装置3に表示部33を一体に設けることもできる。
【符号の説明】
【0124】
1 管理システム
2 注入用具
3 計数装置
4 表示装置
8 ボタン(導出操作部の一例)
10 摺動部材(充填容器の一例)
12 第2蛇腹(充填容器の一例)
17 封止部材(充填容器の一例)
19a プリント基板
19b 電池
19d 絶縁プレート(切換操作部の一例)
19e 第1通信部
22 レバー
24 バスバー
26 カウントアップ部
27 操作検出部
28 充填量検出部
29 判定部
30 計数記憶部
31 電力供給部
33 表示部
34 表示操作部
35 第2通信部
36 第3通信部
38 時間特定部
39 表示記憶部
40 電力提供部
41 第4通信部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定量の薬液を充填可能な充填容器と、前記充填容器から薬液を導出させるための操作を受ける導出操作部とを有し、前記充填容器に前記所定量の薬液が充填された状態で前記導出操作部が操作されることにより前記充填容器内の薬液を導出する一方、前記充填容器に前記所定量未満の薬液が充填された状態で前記導出操作部が操作されても薬液の導出が規制される注入用具に装着可能であり、前記注入用具による薬液の注入回数を計数する計数装置であって、
前記導出操作部が操作されたか否かを検出する操作検出部と、
前記充填容器内に前記所定量の薬液が充填されているか否かを検出する充填量検出部と、
前記操作検出部により前記導出操作部の操作が検出された場合に、前記充填量検出部による検出結果に基づいて、前記操作検出部により検出された操作が薬液を導出させる導出操作であるか否かを判定する判定部と、
前記導出操作の回数を記憶する計数記憶部と、
を備えている、注入用具の計数装置。
【請求項2】
前記計数記憶部は、前記操作検出部により検出された操作が前記導出操作以外の操作である空打ち操作であると前記判定部により判定された場合に、前記空打ち操作の回数を記憶する、請求項1に記載の注入用具の計数装置。
【請求項3】
前記充填量検出部は、薬液の充填に伴う前記充填容器の容積変化を検出する、請求項1又は2に記載の注入用具の計数装置。
【請求項4】
前記判定部は、前記充填量検出部により所定量の薬液が充填されていると判定された状態で、前記操作検出部により前記導出操作部の操作が検出され、かつ、前記操作検出部による操作の検出後に前記充填量検出部により薬液の充填量が前記所定量ではないと判定された場合に、前記操作検出部により検出された操作が前記導出操作であると判定する、請求項1〜3の何れか1項に記載の注入用具の計数装置。
【請求項5】
前記判定部は、前記操作検出部により前記導出操作部の操作が検出された後、所定の待機期間経過後に、前記充填量検出部による検出を行う、請求項4に記載の注入用具の計数装置。
【請求項6】
前記判定部は、規定期間内に前記操作検出部による前記導出操作部の操作が複数回検出された場合に、前記規定期間内の操作を1回の操作であると判定する、請求項1〜5の何れか1項に記載の注入用具の計数装置。
【請求項7】
前記計数装置を作動するための電力を供給する電池と、前記電池からの電力供給を阻止した状態から前記電力供給を許容した状態に切り換え操作を行うための切換操作部と、前記切換操作部の操作により前記電力供給が許容された時点からの時間をカウントアップするカウントアップ部とを備え、
前記計数記憶部は、前記操作検出部により前記導出操作部の操作が検出された時点における前記カウントアップ部により計測されたカウント数と、前記操作検出部により検出された導出操作とを対応付けて記憶する、請求項1〜6の何れか1項に記載の注入用具の計数装置。
【請求項8】
前記計数記憶部は、前記操作検出部により検出された操作が前記導出操作以外の操作である空打ち操作であると前記判定部により判定された場合に、前記空打ち操作の回数を記憶するとともに、前記空打ち操作が検出された時点における前記カウントアップ部により計測されたカウント数と前記空打ち操作とを対応付けて記憶する、請求項7に記載の注入用具の計数装置。
【請求項9】
請求項7又は8に記載の計数装置に記憶された情報を表示するための表示装置であって、
前記計数記憶部に記憶された情報を出力するために前記計数装置に設けられた第1通信部との間で通信可能な第2通信部と、
現在時刻を保持するとともに、現在時刻と前記カウントアップ部により計測されたカウント数とに基づいて前記操作検出部により検出された操作の時刻を特定する時間特定部と、
前記第2通信部を介して入力された操作内容と、前記時間特定部により特定された時刻とを関連付けて表示する表示部とを備えている、表示装置。
【請求項10】
請求項1〜8の何れか1項に記載の計数装置に記憶された情報を表示するための表示装置であって、
前記計数記憶部に記憶された情報を出力するために前記計数装置に設けられた第1通信部との間で通信可能な第2通信部と、
前記第2通信部を介して入力された情報を表示可能な表示部を備えている、表示装置。
【請求項11】
前記表示装置に設けられた電源による電力を前記計数装置に提供可能な電力提供部をさらに備え、
前記計数記憶部は、不揮発性のメモリからなる、請求項9又は10に記載の表示装置。
【請求項12】
複数の計数装置と順次通信することにより前記複数の計数装置の計数記憶部からそれぞれ入力された情報を記憶可能な表示記憶部と、
前記表示記憶部に記憶された情報のうち前記表示部に表示させる情報を切り替えるための表示操作部とを有する、請求項9〜11の何れか1項に記載の表示装置。
【請求項13】
前記表示記憶部に記憶された情報を他の管理機器に出力可能な第3通信部をさらに備えている、請求項12に記載の表示装置。
【請求項14】
前記計数装置に対して着脱可能である、請求項9〜13の何れか1項に記載の表示装置。
【請求項15】
請求項1〜8の何れか1項に記載の計数装置と、前記計数装置が装着されるとともに前記計数装置により薬液の注入回数が計数される注入用具とを備えた計数機能付き注入用具であって、
前記注入用具は、
所定量の薬液を充填可能な充填容器と、
前記充填容器から薬液を導出させるための操作を受ける導出操作部とを備え、
前記充填容器に前記所定量の薬液が充填された状態で前記導出操作部が操作されることにより前記充填容器内の薬液を導出する一方、前記充填容器に前記所定量未満の薬液が充填された状態で前記導出操作部が操作されても薬液の導出が規制される、注入用具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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