説明

計数装置

【課題】簡単な構成で正確な計数を行うことができる計数装置を提供する。
【解決手段】照射装置101は、複数の袋Bの側方に対して斜め方向からレーザ光LBを照射する。当該レーザ光LBは、袋Bの側面を一部含む領域である照射領域SRに照射される。したがって、レーザ光LBは、隣り合う一方の袋Bと他方の袋Bとの間における非照射領域NRには照射されない。よって、レーザ光LBを平面的に見た場合に、当該レーザ光LBは断続的(不連続)なものとなる。計数部103は、袋Bの計数の際に、断続的なレーザ光LBの個数を計測する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品の計数を行う計数装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、物品の計数を行う計数装置が開発されている。例えば、特許文献1には、レーザ式本数カウント装置が開示されている。
【0003】
このレーザ式本数カウント装置は、搬送テーブルの水平方向に対して傾斜させて取り付けたレーザ投光器と、当該レーザ投光器から投光されるレーザビームが反射する方向に配設されたCCDシャッターカメラと、当該CCDシャッターカメラからの信号を処理する画像処理装置とを主に備える。
【0004】
上記レーザ式本数カウント装置においては、レーザ投光器から出射された直線のレーザビームが搬送中の棒鋼に照射されると、当該棒鋼の表面上に三日月状のレーザ軌跡が結像される。当該レーザ軌跡がCCDシャッターカメラにより撮影されて取り込まれ、放射光とレーザ軌跡とが分離されたビデオ出力信号が得られる。
【0005】
上記のビデオ出力信号が画像処理装置により処理されて、外部表示器に計数値が表示される。具体的には、CCDシャッターカメラにより得られた棒鋼の本数と同じだけ存在する三日月状の画像が画像処理装置で信号処理されることにより、当該画像処理装置の処理サイクルにおいて棒鋼の本数が外部表示器に連続的に表示される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平9−305737号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記従来のレーザ式本数カウント装置では、レーザ投光器から出射されたレーザビームの反射角によっては的確に棒鋼の本数を計測することが困難な場合がある。そして、棒鋼の材質または色等によってもレーザビームの反射の度合いが異なるので、正確な計数ができない場合が生じる。
【0008】
本発明の目的は、簡単な構成で正確な計数を行うことができる計数装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
(1)一の局面に従う計数装置は、物品が封入され、互いに接するように整列された複数の袋に対してレーザ光を照射する照射部と、照射部により照射された複数の袋を撮像する撮像部と、撮像部による撮像画像における断続的なレーザ光に基づいて複数の袋の計数を行う計数部と、を備えるものである。
【0010】
一の局面に従う計数装置においては、物品が封入され、互いに接するように整列された複数の袋に対して照射部によりレーザ光が照射される。照射部により照射された複数の袋が撮像部により撮像される。撮像画像における断続的なレーザ光に基づいて複数の袋の計数が計数部により行われる。
【0011】
この場合、互いに接するように整列された複数の袋に対してレーザ光が照射されると、袋の中央部と端部との厚みが異なるので、撮像画像において隣り合う袋と袋との境界部分でレーザ光が不連続となる。したがって、断続的なレーザ光を構成する複数の光を計数、または断続的なレーザ光の不連続部分を計数することによって、複数の袋の計数を行うことができる。
【0012】
(2)計数部は、撮像画像において断続的に存在するレーザ光を計数することで複数の袋の計数を行ってもよい。この場合、複数の袋の計数を確実に行うことができるので、正確な袋の数を認識できる。
【0013】
(3)計数部は、撮像画像において断続的なレーザ光の不連続部分を計数することで複数の袋の計数を行ってもよい。この場合、複数の袋の計数を確実に行うことができるので、正確な袋の数を認識できる。
【0014】
(4)照射部は、複数の袋の側方に対して斜め方向からレーザ光を照射するように配設されることが好ましい。この場合、各袋においてレーザ光が照射されない領域を作ることができるので、レーザ光を不連続なものとすることができる。それにより、袋の個数に応じたレーザ光を計測することで、袋の計数を行うことができる。
【0015】
(5)照射部は、袋の種類に応じて、RGBの各色に対応するレーザ光を単一または併用で照射する。この場合、袋の色と異なる色のレーザ光を少なくとも照射できるので、袋の色とレーザ光の色とが差別が付き難いことによって正確な計数が行えなくなることを防止できる。
【発明の効果】
【0016】
本発明に係る計数装置によれば、簡単な構成で正確な計数を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本実施形態に係る計数装置の構成を示す模式的上面図である。
【図2】袋における照射領域および非照射領域を説明するための模式図である。
【図3】袋に対するレーザ光の照射角度について説明するための図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の一実施形態に係る計数装置について図面を参照しながら説明する。図1は本実施形態に係る計数装置100の構成を示す模式的上面図である。
【0019】
図1に示すように、本実施形態に係る計数装置100は、照射装置101、撮像装置102、計数部103および表示装置104を主として備える。
【0020】
図1において、複数の袋Bが互いに接するように整列されて置き台900上に載置されている。一端部の袋Bが側壁901にもたれ掛かるように載置されていることで、複数の袋Bがそれぞれ立姿勢で整列されている。なお、各袋Bの中には物品(図示せず)が含まれている。
【0021】
照射装置101は、複数の袋Bの側方に対して斜め方向からレーザ光LBを照射するように配設される。なお、レーザ光LBはラインレーザ光である。
【0022】
ここで、本実施形態では、照射装置101は、赤色(R)、緑色(G)および青色(B)のレーザ光LBを照射することができる。照射装置101は、袋Bの色に応じて、これらのレーザ光LBのうち1種または2種以上を併用して照射する。
【0023】
まず、照射装置101は、複数の袋Bの側方に対して斜め方向からレーザ光LBを照射する。当該レーザ光LBは、袋Bの側面を一部含む領域である照射領域SRに照射される。したがって、レーザ光LBは、隣り合う一方の袋Bと他方の袋Bとの間における非照射領域NRには照射されない。よって、後で詳述するが、レーザ光LBを平面的に見た場合に、当該レーザ光LBは断続的(不連続)なものとなる。なお、図1においては、照射領域SRを見易くするために太く図示している。
【0024】
撮像装置102は、各袋Bに対してレーザ光LBが照射された状態を撮像する。計数部103は、CPU(中央演算処理装置)、ROM(リードオンリメモリ)、RAM(ランダムアクセスメモリ)等からなり、上記撮像装置102による撮像結果に基づいて袋Bの計数処理を行う。また、表示装置104は計数部103による計数結果を表示する。
【0025】
図2は袋Bにおける照射領域SRおよび非照射領域NRを説明するための模式図である。図2(a)に示すように、袋Bの側方を正面視とした場合、レーザ光LBは断続的なものとなる。
【0026】
図2(b)に示すように、撮像装置102の撮像結果においても、同様に、レーザ光LBは断続的なものとなる。また、このような断続的なレーザ光LBの不連続部分SPは、上述の非照射領域NRに起因するもので、レーザ光LBが当該非照射領域NRには照射されないために生じるものである。
【0027】
計数部103は、袋Bの計数の際には、断続的なレーザ光LBの個数を計測する。例えば、図2(b)では、計数部103は5つのレーザ光LBを計測する。したがって、袋Bの数は5つとなる。
【0028】
図3は袋Bに対するレーザ光LBの照射角度について説明するための図である。図3に示すように、照射装置101の中心軸L1と平行な照射方向L2と、袋Bの横方向軸L3とがなす角度である照射角αは、レーザ光LBが極力明確に分離されるような角度であることが好ましい。これにより、袋Bにおいて照射領域SRと非照射領域NRとを確実に形成することができる。
【0029】
<本実施形態における効果>
上述したように、本実施形態においては、互いに接するように整列された複数の袋Bに対して照射装置101により所定の照射角αでレーザ光LBが照射されると、その状態を撮像した撮像画像において隣り合う袋Bと袋Bとの境界部分でレーザ光LBが不連続となり複数の不連続部分SPが生じる。したがって、この断続的なレーザ光LBを計数、または不連続部分SPを計数することによって、複数の袋Bの計数を簡単な方法でかつ正確に行うことができる。
【0030】
また、本実施形態では、照射装置101によりRGB各色のレーザ光LBのうち1種または2種以上が併用されて照射される。例えば、袋Bの色が赤色または赤色に近い色である場合に、照射装置101によりレーザ光LBの色が赤色であると、撮像装置102による撮像結果において当該レーザ光LBを検出することは難しい。このような場合でも、本実施形態では、袋Bの色に応じて、単一または併用してレーザ光LBが照射されるので、撮像結果において袋Bの数に応じたレーザ光LBを正確に検出でき、当該袋Bの正確な計数を行うことができる。
【0031】
さらに、本実施形態では、照射装置101により所定の照射角αで袋Bに対してレーザ光LBが照射されるので、袋Bにおいてレーザ光が照射されない非照射領域NRを形成することができる。これにより、撮像装置102による撮像結果においてレーザ光LBの不連続部分SPが生じる。したがって、断続的となったレーザ光LBを計数することで、袋Bの計数を行うことができる。
【0032】
<請求項の各構成要素と上記実施形態の各部との対応関係>
上記実施形態においては、計数装置100が計数装置に相当し、照射装置101が照射部に相当し、撮像装置102が撮像部に相当し、計数部103が計数部に相当し、レーザ光LBがレーザ光に相当し、袋Bが袋に相当し、不連続部分SPが不連続部分に相当する。
【0033】
<変形例>
なお、上記実施形態では、計数部103はレーザ光LBの数を計測することとしたが、これに限定されるものではなく、不連続部分SPの数を計測してもよい。この場合、計測された不連続部分SPの数に1を加えることで正確な計数を行うことができる。上述した図2(b)の例では、不連続部分SPは4つとなり、これに1を加えることで袋Bの数が5つとなる。
【0034】
また、上記実施形態では、一の照射装置101を用いたが、これに限定されるものでなく、二つ以上の照射装置を採用してもよい。この場合、他の照射装置の配置の一例として、当該他の照射装置を、照射装置101(図3)を横方向軸L3に対して鏡面反射した位置に配設してもよい。このように、複数の照射装置を採用することで、正確な計数処理を確実に担保できる。
【0035】
また、上記実施形態では、照射装置101から照射されるレーザ光LBをラインレーザ光としたが、これに限定されるものではなく、一定の照射範囲(例えば、整列された複数の袋Bが存在する範囲の大きさ)を有するレーザ光としてもよい。
【0036】
また、上記のように、照射装置101により一定の照射範囲でレーザ光LBを照射した場合には、袋Bの窪みおよび一の袋Bと他の袋Bとの境界領域等に起因して照射領域と非照射領域とが生じるので、これらに基づいて袋Bの形状を認識することもできる。これにより、作業者は形状が歪になっている袋Bを正常な状態に直すことができ、袋Bの整列状態を適切にすることができる。
【0037】
また、上記実施形態では、撮像装置102を袋Bの横方向軸L3に沿って配設することとしたが、これに限定されるものではなく、当該横方向軸L3と所定角をなす位置(袋Bに対して斜め方向の位置)に配設してもよい。
【0038】
また、照射装置101によりRGB各色のレーザ光LBのうち1種または2種以上が併用されて照射されることにより、例えば、上部分が赤色で下部分が青色の袋Bが上下逆に整列されてしまっているものがある場合に、当該上下逆に整列されている袋Bを検出することができる。すなわち、1回目の照射(袋Bの上部分に照射)を青色のレーザ光LBで行い、2回目の照射(袋Bの上部分に照射)を赤色のレーザ光LBで行うと、1回目の照射により正常に整列されている袋Bを検出することができ、2回目の照射により上下逆に整列されてしまっている袋Bを検出することができる。これにより、作業者は、上下逆に整列されてしまっている袋Bを正常に直すことができる。
【0039】
また、上記実施形態では、照射装置101によるレーザ光LBの照射および撮像装置102の撮像を、袋Bの高さにほぼ等しい高さの略同一平面内において行うこととしたが、これに限定されるものではなく、当該略同一平面から外れる領域(例えば、斜め上方の領域)から上記照射および撮像を行ってもよい。この場合でも、撮像画像において不連続部分SPを形成することができ、袋Bの計数を正確に行うことができる。また、当該構成は、設置スペースの制限がある場合に特に有益である。
【0040】
さらに、本発明の好ましい一実施の形態は上記の通りであるが、本発明はそれだけに制限されない。本発明の精神と範囲から逸脱することのない様々な実施形態が他になされることは理解されよう。さらに、本実施形態において、本発明の構成による作用および効果を述べているが、これら作用および効果は、一例であり、本発明を限定するものではない。
【符号の説明】
【0041】
100 計数装置
101 照射装置
102 撮像装置
103 計数部
104 表示装置
B 袋
LB レーザ光
NR 非照射領域
SP 不連続部分
SR 照射領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品が封入され、互いに接するように整列された複数の袋に対してレーザ光を照射する照射部と、
前記照射部により照射された前記複数の袋を撮像する撮像部と、
前記撮像部による撮像画像における断続的な前記レーザ光に基づいて前記複数の袋の計数を行う計数部と、を備える計数装置。
【請求項2】
前記計数部は、前記撮像画像において前記断続的に存在するレーザ光を計数することで前記複数の袋の計数を行う、請求項1記載の計数装置。
【請求項3】
前記計数部は、前記撮像画像において前記断続的なレーザ光の不連続部分を計数することで前記複数の袋の計数を行う、請求項1または請求項2記載の計数装置。
【請求項4】
前記照射部は、前記複数の袋の側方に対して斜め方向から前記レーザ光を照射するように配設される、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の計数装置。
【請求項5】
前記照射部は、前記袋の色に応じて、RGBの各色のレーザ光を単一または併用で照射する、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の計数装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2011−145793(P2011−145793A)
【公開日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−4607(P2010−4607)
【出願日】平成22年1月13日(2010.1.13)
【出願人】(000147833)株式会社イシダ (859)