説明

計量撹拌システム

【課題】上皿計量器の上皿上に容器を配置した状態で撹拌を行う際に、容器上方のスペースの自由度を向上することが可能な計量撹拌システムの提供を目的とする。
【解決手段】本発明の計量撹拌システム190では、テーブル天井板112からテーブル脚部113が垂下した構造のテーブル形容器台110を、上皿計量器120の上皿121上に載置して、容器130が載置されるテーブル天井板112と上皿121との間に容器下方空間S1を形成した。そして、容器下方空間S1に、磁性撹拌子131と磁気結合した回転磁石144を配置すると共に、その回転磁石144を回転駆動するためのモータ140を配置した。これにより、容器130の上方に空きスペースを設けることができ、上皿計量器120の上皿121に容器130を配置した状態で撹拌を行う際に、容器130上方のスペースの自由度が向上する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、上皿計量器の上皿上に容器を配置し、その容器に収容された収容物を撹拌しながら容器及び収容物の重さを上皿計量器にて計量する計量撹拌システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、上皿計量器の上皿上に容器を配置した状態で撹拌を行う場合には、回転駆動源から延びたシャフトの先端に撹拌翼を備えた撹拌機を、容器の上部開口から容器内に挿入していた(例えば、特許文献1,2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−188561号公報(段落[0002]、第1図)
【特許文献2】特開2007−330847号公報(段落[0019]〜[0021],第1図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した従来の構成では、容器上方に撹拌機の回転駆動源が配置されるために、他の機器を容器上方に配置することが困難となり、容器上方のスペースの自由度が低かった。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、上皿計量器の上皿上に容器を配置した状態で撹拌を行う際に、容器上方のスペースの自由度を向上することが可能な計量撹拌システムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するためになされた請求項1の発明に係る計量撹拌システムは、上皿計量器の上皿上に容器を配置し、その容器に収容された液体、粉粒体その他の収容物を撹拌しながら容器及び収容物の重さを上皿計量器にて計量する計量撹拌システムにおいて、上皿上に載置されたテーブル形容器台と、テーブル形容器台に設けられ、上皿に上方から対向すると共に、上面に容器が載置されるテーブル天井部と、テーブル形容器台に設けられ、テーブル天井部から垂下して上皿に突き当てられて、テーブル天井部にかかる容器及び収容物の荷重を上皿に伝達すると共に、テーブル天井部と上皿との間に容器下方空間を形成するテーブル脚部と、容器下方空間に配置され、容器に向けて磁束を付与しかつその磁束を変化させることが可能な磁束変化付与部と、容器内の底面上に沈められると共に、磁束変化付与部に磁気結合されて磁束の変化に応じて収容物を撹拌するように動作する撹拌部材とを備えたところに特徴を有する。
【0007】
請求項2の発明は、請求項1に記載の計量撹拌システムにおいて、磁束変化付与部は、容器に向けて出力軸を上方に突出して備えたモータと、出力軸に連結されて、上下方向を向いた回転軸を中心にして回転する回転磁石とを備えたところに特徴を有する。
【0008】
請求項3の発明は、請求項2に記載の計量撹拌システムにおいて、モータの自重が上皿に伝達されないようにモータを保持するモータ保持部と、モータの出力軸に対して回転磁石を上下動可能かつ回転不能に連結する直動許容連結機構部とを備え、回転磁石は、撹拌部材との磁気結合によってテーブル天井部と共に上下動可能な状態に保持されているところに特徴を有する。
【0009】
請求項4の発明は、請求項2に記載の計量撹拌システムにおいて、モータの出力軸に固定されたサンギヤと、サンギヤと噛合して自転及び公転すると共に回転磁石に固定され、サンギヤと共に回転磁石をモータの出力軸にギヤ連結するプラネタリギヤとを備えたところに特徴を有する。
【0010】
請求項5の発明は、請求項4に記載の計量撹拌システムにおいて、モータの自重が上皿に伝達されないようにモータを保持するモータ保持部と、モータの出力軸に対してサンギヤを上下動可能かつ回転不能に連結する直動許容回転機構部とを備え、プラネタリギヤは撹拌部材との磁気結合によってテーブル天井部と共に上下動可能な状態に保持され、サンギヤをテーブル天井部と共に上下動可能な状態に保持するギヤ保持部を備えたところに特徴を有する。
【0011】
請求項6の発明は、請求項3又は5に記載の計量撹拌システムにおいて、テーブル脚部を上下方向の中間で2分割してなる上側脚部及び下側脚部と、外部から隔離された内部空間を内側に備えて、容器、テーブル天井部及び上側脚部を収容した密閉ケースと、密閉ケースの底壁を上皿の上方に離間した位置に保持するケース保持部と、上側脚部と下側脚部とを密閉ケースの底壁を介して磁気結合し、テーブル天井部から上側脚部にかかる荷重を、下側脚部に伝達可能な直動マグネットカップリングと、密閉ケースの底壁における外面に設けられ、モータが固定されたモータ固定部と、モータの出力軸と回転磁石とを、密閉ケースの底壁を介して磁気結合し、出力軸の回転を回転磁石に伝達可能な回転マグネットカップリングとを備えたところに特徴を有する。
【0012】
請求項7の発明は、請求項6に記載の計量撹拌システムにおいて、底壁の一部を内側又は外側に向けて先端有底の筒状に突出させた脚部隔離筒壁を形成し、上側脚部及び下側脚部の一方に、脚部隔離筒壁の外側に遊嵌される筒形遊嵌部を設ける一方、上側脚部及び下側脚部の他方に脚部隔離筒壁の内側に遊嵌される軸形遊嵌部を設け、直動マグネットカップリングは、筒形遊嵌部に備えられ、周方向にS磁極とN磁極とが交互に並んだ複数のマグネットリングを同軸上に重ねると共に、その軸方向で異なる磁極が隣り合うようにマグネットリング同士の位相を固定してなる円筒形の第1直動マグネットと、軸形遊嵌部に備えられ、周方向にS磁極とN磁極とが交互に並んだ複数のマグネット円盤を同軸上に重ねると共に、その軸方向で異なる磁極が隣り合うようにマグネット円盤同士の位相を固定してなる第2直動マグネットとからなるところに特徴を有する。
【0013】
請求項8の発明は、請求項6又は7に記載の計量撹拌システムにおいて、底壁の一部を内側に向けて先端有底の筒状に突出させたモータ隔離筒壁を形成し、モータの出力軸をモータ隔離筒壁に突入させた状態とすると共に、モータ隔離筒壁の外側に遊嵌された遊嵌筒体を回転磁石に一体回転可能に設け、回転マグネットカップリングは、遊嵌筒体に備えられ、周方向にS磁極とN磁極とが交互に並んだ複数のマグネットリングを同軸上に重ねると共に、その軸方向で異なる磁極が隣り合うようにマグネットリング同士の位相を固定してなる円筒形の第1回転マグネットと、モータの出力軸に固定され、周方向にS磁極とN磁極とが交互に並んだ複数のマグネット円盤を同軸上に重ねると共に、その軸方向で異なる磁極が隣り合うようにマグネット円盤同士の位相を固定してなる第2回転マグネットとからなるところに特徴を有する。
【0014】
請求項9の発明は、請求項1乃至8の何れか1項に記載の計量撹拌システムにおいて、撹拌部材には、回転動作により容器内の収容物を上方に流動させる上方送流壁が備えられたところに特徴を有する。
【0015】
請求項10の発明は、請求項9に記載の計量撹拌システムにおいて、撹拌部材は、容器の底面上で回転するベース部を備え、ベース部の回転中心から上方に回転支柱が起立すると共に、その回転支柱から側方に突出した第1と第2の旋回バーが、回転支柱の軸方向で離されかつ軸回りに位相をずらして配置され、上方送流壁を、第1と第2の旋回バーの先端間を連絡して傾斜した帯板状に形成したところに特徴を有する。
【0016】
請求項11の発明は、請求項10に記載の計量撹拌システムにおいて、第1と第2の旋回バーは、回転支柱から両側方に張り出しかつ互いに90度位相がずらされ、帯板状部材は、回転支柱に対する点対称位置に対をなして配置されて、第1及び第2の旋回バーにおける互いに90度位相がずれた先端間を螺旋状に連絡しているところに特徴を有する。
【0017】
請求項12の発明は、請求項8に記載の計量撹拌システムにおいて、撹拌部材は、容器の底面上で回転するベース部を備え、ベース部の回転中心から上方に回転支柱が起立すると共に、その回転支柱から側方に突出しかつ回転支柱と平行な板状の第1と第2の旋回羽が、回転支柱の軸方向で離されかつ軸回りに位相をずらして配置され、第1及び第2の旋回羽の上端縁又は下端縁から延設されて回転支柱回りの一方向に向かうに従って下るように傾斜した板状としたところに特徴を有する。
【0018】
請求項13の発明は、請求項1乃至12の何れか1項に記載の計量撹拌システムにおいて、テーブル形容器台の上方に配置され、テーブル形容器台に載置された容器に向けて液体、粉粒体その他物質を排出可能な物質供給部を備えたところに特徴を有する。
【発明の効果】
【0019】
[請求項1の発明]
請求項1の発明によれば、テーブル天井部に載置された容器及び収容物の荷重がテーブル脚部によって上皿に伝達され、容器及び収容物の重さを上皿計量器にて計量することができる。また、容器内の底面上に沈められた撹拌部材が、磁束変化付与部材の磁束の変化に応じて動作することで収容物を撹拌することができる。そして、テーブル天井部と上皿との間には容器下方空間が形成され、その容器下方空間に、撹拌部材を動作させる磁束変化付与部が配置されたので、容器上方に空きスペースを設けることができ、容器上方への機器の配置が容易になる。即ち、本発明によれば、上皿計量器の上皿上に容器を配置した状態で撹拌を行う際に、容器上方のスペースの自由度が向上する。
【0020】
[請求項2の発明]
本発明に係る磁束変化付与部は、撹拌部材と磁気結合し、磁束の変化により撹拌部材を容器の底面上で動作させるものであればよく、例えば、容器の下方で磁石を水平方向に直線往復動作させ、その磁石と磁気結合した撹拌部材を、容器内で水平方向に直線往復動作させるものでもよいし、請求項2の発明のように、モータによって回転磁石を上下方向を向いた回転軸を中心にして回転させ、その回転磁石と共に撹拌部材を容器内で回転させるものでもよい。なお、回転磁石の回転軸は、モータの出力軸と同軸でもよいし、モータの出力軸と平行でもよい。
【0021】
[請求項3の発明]
請求項3の発明によれば、モータ保持部でモータを保持したことでモータの自重が上皿にかかることがなく、テーブル天井部にかかる荷重が、回転磁石及び出力軸を介してモータ保持部に伝わることもない。
【0022】
[請求項4の発明]
請求項4の発明によれば、撹拌部材は、プラネタリギヤと共に容器内を自転及び公転するので、撹拌部材が定位置で自転だけするものに比べて、効果的に撹拌を行うことができる。
【0023】
[請求項5の発明]
請求項5の発明によれば、モータ保持部でモータを保持したことでモータの自重が上皿にかかることがなく、テーブル天井部にかかる荷重が、サンギヤ及び出力軸を介してモータ保持部に伝わることもない。ここで、プラネタリギヤとサンギヤが共にテーブル天井部と共に上下動可能なので、プラネタリギヤとサンギヤのギヤ連結が解除されることを防止することができる。
【0024】
[請求項6の発明]
請求項6の発明によれば、密閉ケースの内部空間に配置されたテーブル天井部にかかる荷重は、上側脚部、直動マグネットカップリング及び下側脚部を介して上皿に伝達されるので、テーブル天井部に載置された容器及び収容物の重さを密閉ケースの外部の上皿計量器にて計量することができる。また、モータの回転が、回転マグネットカップリングを介して回転磁石に伝達されるので、容器内の撹拌部材を、密閉ケースの外部のモータによって回転駆動することができる。そして、密閉ケースの外部に上皿計量器及びモータが配置されたので、密閉ケース内の特殊な雰囲気状態や容器から溢れた収容物によって上皿計量器及びモータが不具合を起こしたり汚染されることを防止することができる。
【0025】
[請求項7の発明]
本発明に係る第1のマグネットカップリングは、例えば、密閉ケースの底壁を挟んで上下方向で対向配置された1対の上側脚部及び下側脚部の互いの対向面に、互いに反発し合うマグネットを取り付けた構成としてもよいし、請求項7に係る発明のような構成としてもよい。請求項7の発明によれば、上側脚部及び下側脚部の一方に設けた筒形遊嵌部の内側に、上側脚部及び下側脚部の他方に設けた軸形遊嵌部が遊嵌されるので、上皿に対するテーブル天井部の水平方向への移動(横ずれ)を規制することができる。
【0026】
[請求項8の発明]
請求項8の発明によれば、回転マグネットカップリングを構成する第1回転マグネットがモータ隔離筒壁の外側に遊嵌された遊嵌筒体に備えられ、第2回転マグネットが、モータ隔離筒壁の内側に突入した出力軸に固定されたので、第1回転マグネットと第2回転マグネットが、水平方向にずれて磁気結合が解消される事態を防ぐことができる。
【0027】
[請求項9の発明]
請求項9の発明によれば、上方送流壁によって、容器の深さ方向で収容物を循環流動させることができる。
【0028】
[請求項10,11の発明]
請求項10の発明によれば、上方送流壁の下端部が上端部に対して先行するように撹拌部材を回転させた場合には、第1と第2の旋回バーによって収容物の上層部分及び下層部分が撹拌されると共に、上方送流壁によって容器内の収容物が上方に流動して、容器の深さ方向で収容物を循環流動させることができる。これにより、効果的に撹拌を行うことができる。なお、上方送流壁の上端部が下端部に対して先行するように撹拌部材を回転させた場合には、上方送流壁によって容器内の収容物を下方に流動させることができる。この場合も、容器の深さ方向で収容物を循環流動させることができる。ここで、第1旋回バー及び第2旋回バーを、それぞれ回転支柱の一側方だけに張り出して、上方送流壁を1つだけ備えた構成としてもよいし、請求項11の発明のように、第1旋回バー及び第2旋回バーを回転支柱の両側方に張り出して、上方送流壁を2つ備えた構成としてもよい。また、上方送流壁は、第1と第2旋回バーの先端間を最短距離で直線状に連絡していてもよいし、請求項11の発明のように、螺旋状に連絡していてもよい。
【0029】
[請求項12の発明]
請求項12の発明によれば、撹拌部材を回転支柱回りの一方向に回転させた場合には、第1と第2の旋回羽によって収容物の上層部分及び下層部分が撹拌されると共に、上方送流壁によって容器内の収容物が上方に流動し、容器の深さ方向で収容物を循環流動させることができる。これにより、効果的に撹拌を行うことができる。なお、撹拌部材を逆回転させた場合には、上方送流壁によって容器内の収容物を下方に流動させることができる。この場合も、容器の深さ方向で収容物を循環流動させることができる。
【0030】
[請求項13の発明]
請求項13の発明によれば、物質供給部から排出されて容器に受容された収容物の重さを計量すると共に、容器内の収容物を撹拌することができる。ここで、例えば、容器内に液体を入れておき、物質供給部から粉粒体を排出するようにした場合には、撹拌によって液体に粉粒体を溶解させながら、容器に受容された粉粒体の重さを計量することができ、所定濃度の溶液を調製することができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の第1実施形態に係る計量撹拌システムの正面図
【図2】計量撹拌システムの部分拡大断面図
【図3】第1実施形態の変形例に係る計量撹拌システムの正面図
【図4】第2実施形態に係る供給計量撹拌システムの正面図
【図5】第3実施形態に係る供給計量撹拌システムの正面図
【図6】第4実施形態に係る計量撹拌システムの正面図
【図7】第5実施形態に係る計量撹拌システムの正面図
【図8】第6実施形態に係る計量撹拌システムの遊星歯車機構の側断面図
【図9】(A)遊星歯車機構の平面図、(B)磁性撹拌子の移動軌跡を示す平面図
【図10】第7実施形態に係る計量撹拌システムの遊星歯車機構の側断面図
【図11】(A)遊星歯車機構の平面図、(B)磁性撹拌子の移動軌跡を示す平面図
【図12】第8実施形態に係る磁性撹拌子の(A)側面図、(B)軸方向上端から見た平面図、(C)変形例の側面図
【図13】第9実施形態に係る磁性撹拌子の(A)側面図、(B)軸方向上端から見た平面図、(C)Y方向矢視図
【図14】変形例に係る計量撹拌システムの正面図
【図15】変形例に係る計量撹拌システムの正面図
【図16】変形例に係る磁性撹拌子の側面図
【図17】変形例に係る磁性撹拌子の(A)軸方向上端から見た平面図、(B)側面図、(C)他の変形例の側面図
【発明を実施するための形態】
【0032】
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態に係る計量撹拌システム190を図1及び図2に基づいて説明する。図1に示すように、計量撹拌システム190は、外部から隔離された内部空間を有する密閉ケース100を備え、その内部空間内に、液体、粉粒体、スラリーその他流動性を有する収容物を収容した平底の容器130が収容可能となっている。
【0033】
密閉ケース100は、例えば、その一側面だけに開口部101を有した箱形構造をなしており、開口部101を閉塞可能な扉102と、吸排気管103とを備えている。吸排気管103は密閉ケース100の内外を連通して側方に突出しており、図示しないポンプ又はガス供給源が接続可能となっている。扉102を閉じると、密閉ケース100内の内部空間を気密状態に密閉することが可能となり、密閉ケース100内を恒温・恒湿状態又は大気とは異なる特殊な雰囲気(例えば、大気圧とは異なる所定の圧力又は大気とは異なるガス雰囲気)にすることが可能となっている。
【0034】
図1に示すように、密閉ケース100は、複数のケース支持壁104,104(本発明の「ケース保持部」に相当する)によって計量撹拌システム190の設置面から離して備えられており、密閉ケース100の外側で底壁105(以下、「ケース底壁105」という)の下方空間には上皿計量器120が配置されている。上皿計量器120は、その上面中央に、計量対象物を載せるための上皿121を備えている。上皿121は、ケース底壁105の下方に離して配置されており、上皿121上に配置された計量対象物から上皿121が受ける荷重、即ち、計量対象物の重量を、上皿計量器120に内蔵した公知な検出部124(例えばロードセル)によって検出している。
【0035】
上皿121は、計量皿122と、その計量皿122の上面全体を覆うように計量皿122に載置された平板状のカバープレート123とから構成されている。
【0036】
カバープレート123の上面にはテーブル形容器台110が配置されている。テーブル形容器台110は、平板状をなしたテーブル天井板112(本発明の「テーブル天井部」に相当する)と、テーブル天井板112から垂下した複数のテーブル脚部113とから構成されている。テーブル天井板112は、密閉ケース100の内部空間内に収容され、ケース底壁105の上方に離して水平配置されている。テーブル天井板112の上面には、容器130が載置可能となっている。テーブル脚部113は、ケース底壁105を挟んでテーブル天井板112と上皿121(カバープレート123)との間を連結し、テーブル天井板112から上皿121へと荷重を伝達可能な構成となっている。また、テーブル脚部113によって、テーブル天井板112と上皿121との間には容器下方空間S1が形成されている。
【0037】
テーブル脚部113は、その上下方向で、カバープレート123に一体に設けられた下側カプラ114(本発明の「下側脚部」に相当する)と、テーブル天井板112に一体に設けられた上側カプラ116(本発明の「上側脚部」に相当する)とに分割され、ケース底壁105を挟んで配置されたそれら下側カプラ114と上側カプラ116との間が、直動マグネットカップリング118によって非接触で磁気結合されている。
【0038】
詳細には、図2に示すように、下側カプラ114は、カバープレート123の上面の互いに離れた位置から、ケース底壁105に向かって垂直に起立している。下側カプラ114は、円柱体の上端部に上端開放の円筒壁114Aを備えており、その円筒壁114Aの一部が円筒形の第1直動マグネット115によって構成されている。第1直動マグネット115は、周方向にS磁極とN磁極とが交互に並んだ複数のマグネットリング115R,115Rを同軸上に重ねると共に、その軸方向で異なる磁極が隣り合うようにマグネットリング115R同士の位相を固定してなる。第1直動マグネット115の内周面は円筒壁114Aの内周面を構成している。
【0039】
この下側カプラ114の形状に対応して、ケース底壁105には、複数の円筒中空突部106が形成されている。円筒中空突部106は、ケース底壁105から起立しかつ同心上に配置された外筒壁106Aと内筒壁106Bの上端部同士の間をドーナッツ形の円板106Cで閉塞しかつ内筒壁106Bの下端を円板106Dで閉塞してなり、外筒壁106Aと内筒壁106Bとの間に形成された筒形空間に、下側カプラ114の円筒壁114A(第1直動マグネット115)が直動可能に遊嵌している。
【0040】
一方、テーブル天井板112の下面の互いに離れた位置からはケース底壁105(詳細には、円筒中空突部106)に向かって上側カプラ116が垂下している。上側カプラ116は、内筒壁106Bの内径よりも小径な円柱状をなしており、その上側カプラ116の下端部分が円筒形の第2直動マグネット117によって構成されている。第2直動マグネット117は、周方向にS磁極とN磁極とが交互に並んだ複数のマグネット円盤117R,117Rを同軸上に重ねると共に、その軸方向で異なる磁極が隣り合うようにマグネット円盤117R同士の位相を固定してなる。第2直動マグネット117の外周面は上側カプラ116の外周面を構成している。
【0041】
上側カプラ116(第2直動マグネット117)は、円筒中空突部106における内筒壁106Bの内側に直動可能に遊嵌されており、これにより、第1直動マグネット115と第2直動マグネット117とが内筒壁106Bを挟んで磁気結合している。詳細には、第1直動マグネット115の各マグネットリング115Rの内側に、第2直動マグネット117の各マグネット円盤117Rがそれぞれ配置されて磁気結合している。これら、第2直動マグネット117と第1直動マグネット115とによって直動マグネットカップリング118が構成されている。なお、内筒壁106は、本発明の「脚部隔離筒壁」に相当し、上側カプラ116は、本発明の「軸形遊嵌部」に相当し、円筒壁114Aは、本発明の「筒形遊嵌部」に相当する。
【0042】
そして、密閉ケース100内のテーブル天井板112に載置された計量対象物の荷重は、直動マグネットカップリング118を介して、密閉ケース100の外部に配置した上皿計量器120の上皿121に伝達される。また、円筒形の下側カプラ114(円筒壁114A)の内側に円柱状の上側カプラ116が挿入されているので、上皿121に対するテーブル天井板112の水平方向への移動(横ずれ)を規制することができる。
【0043】
ここで、ケース底壁105は、密閉ケース100の自重が上皿121に伝達されないように容器下方空間S1に配置されている。即ち、ケース底壁105は、上皿121の上方に常時離して配置されており、円筒中空突部106と下側カプラ114との間が、上下方向で常時離間している(図2参照)。
【0044】
また、円筒中空突部106と上側カプラ116及びテーブル天井板112との間は上下方向で常時離間しており、円筒中空突部106からテーブル天井板112にかかる荷重が伝わらないようになっている。
【0045】
なお、カバープレート123は非磁性材料で構成され比較的厚肉になっている。このカバープレート123により、上皿計量器120(詳細には、計量皿122及び検出部124)に対する直動マグネットカップリング118の磁気の影響を防止することが可能となっている。
【0046】
さて、テーブル形容器台110のテーブル天井板112と上皿121との間に形成された容器下方空間S1には、本発明に係る回転磁石144と、その回転磁石144を回転駆動するモータ140とが配設されている。回転磁石144は、容器下方空間S1のうち、テーブル天井板112とケース底壁105との間の空間、即ち、密閉ケース100の内部空間に収容されており、容器130の底部に沈められた磁性撹拌子131(本発明の「撹拌部材」に相当する)と、容器130の底壁及びテーブル天井板112を挟んで磁気結合している。また、磁気結合状態で、回転磁石144は磁性撹拌子131により上方に吸引保持されており、テーブル天井板112の下面に当接している。磁性撹拌子131は、例えば、軸状マグネットを樹脂コーティングした構造をなし、モータ140によって回転駆動された回転磁石144と一体に回転する。なお、モータ140と回転磁石144が、本発明の「磁束変化付与部」に相当する。
【0047】
モータ140は、容器下方空間S1のうち、ケース底壁105と上皿121との間、即ち密閉ケース100の外部下方に配されている。モータ140は、ステータ140Sの上端面をケース底壁105の下面に敷設した状態でケース底壁105に固定され、上皿計量器120の上皿121(詳細には、カバープレート123)から常時離して保持されている。ここで、密閉ケース100及びケース支持壁104は、本発明の「モータ保持部」に相当し、ケース底壁105は本発明の「モータ固定部」に相当する。
【0048】
モータ140はステータ140Sの上面から容器130に向かってロータシャフト141(本発明の「出力軸」に相当する)を突出して備えている。このロータシャフト141と回転磁石144との間は、ケース底壁105を挟んで回転マグネットカップリング150で連結されており、モータ140のトルクを非接触で回転磁石144に伝達可能となっている。
【0049】
詳細には、ロータシャフト141の上端部には、軸形カプラ142が一体回転可能に固定されている。軸形カプラ142は円柱状をなし、円筒形の第2回転マグネット143が軸形カプラ142の一部を構成している。
【0050】
第2回転マグネット143は、周方向にS磁極とN磁極とが交互に並んだ複数のマグネット円盤143R,143Rを同軸上に重ねると共に、その軸方向で異なる磁極が隣り合うようにマグネット円盤143R同士の位相を固定してなる。また、第2回転マグネット143の外周面は軸形カプラ142の外周面の一部を構成している。
【0051】
この軸形カプラ142の形状に対応して、ケース底壁105のうち容器下方空間S1に配置された部分には、円筒突部107(本発明の「モータ隔離筒壁」に相当する)が形成されている。円筒突部107は、密閉ケース100の内部空間側に突出して上面が閉塞かつ下面が開放しており、その円筒突部107の内側に、軸形カプラ142が回転可能に遊嵌している。
【0052】
一方、回転磁石144には、連結軸147を介して筒形カプラ145が一体回転可能に連結されている。筒形カプラ145は、径方向に対して軸方向が小さい扁平な円筒壁145Aの上端を天井壁145Bで閉塞した構造になっており、円筒壁145Aの内径が円筒突部107の外径よりも大きくなっている。円筒壁145Aの下端部には、径方向に対して軸方向が小さい扁平円筒形の第1回転マグネット146が固定されている。第1回転マグネット146は、周方向にS磁極とN磁極とが交互に並んだ複数のマグネットリング146R,146Rを同軸上に重ねると共に、その軸方向で異なる磁極が隣り合うようにマグネットリング146R同士の位相を固定してなる。また、第1回転マグネット146の内周面が筒形カプラ145の円筒壁145Aの内周面の一部を構成している。
【0053】
そして、筒形カプラ145が、円筒突部107の外側に回転可能に遊嵌され、第2回転マグネット143と第1回転マグネット146とが円筒突部107の筒壁を挟んで磁気結合している。詳細には、第1回転マグネット146の各マグネットリング146Rの内側に、第2回転マグネット143の各マグネット円盤143Rがそれぞれ配置されて磁気結合させてある。これら、第1回転マグネット146と第2回転マグネット143とで、回転マグネットカップリング150が構成されている。なお、筒形カプラ145は、本発明の「遊嵌筒体」に相当する。
【0054】
ここで、筒形カプラ145と回転磁石144との間を連結した連結軸147は、モータ140のロータシャフト141と同軸線上に配置され、その上端部は、回転磁石144の中央部に上下動不能かつ回転不能に固定されている。
【0055】
これに対し、連結軸147の下端部は、筒形カプラ145の天井壁145B中心を貫通した連結筒孔148に挿入されており、筒形カプラ145と連結軸147との間で上下方向への相互の直動を許容しかつ回転を伝達するようになっている。具体的には、連結軸147の下端部外周面と連結筒孔148の内周面にはそれぞれスプラインが設けられており、それらスプライン同士が係合している。
【0056】
これにより、モータ140のトルクが回転マグネットカップリング150(第2回転マグネット143及び第1回転マグネット146)を介して連結軸147から回転磁石144へと伝達され、容器130内の磁性撹拌子131が上下方向を向いた回転軸(具体的には、モータ140のロータシャフト141と同軸の回転軸)を中心にして回転する。
【0057】
また、筒形カプラ145と連結軸147との間が上下方向で直動可能なので、テーブル天井板112が受けた荷重が、回転磁石144と連結軸147及び回転マグネットカップリング150を介して、密閉ケース100のケース底壁105に伝達されないようになっている。また、回転マグネットカップリング150を構成する第2回転マグネット143と第1回転マグネット146との間の吸引力が、磁気結合した回転磁石144と磁性撹拌子131を介してテーブル天井板112に伝達されないようになっている。なお、スプライン係合した連結軸147及び連結筒孔148が、本発明の「直動許容連結機構部」に相当する
【0058】
以上が、本実施形態の構成に関する説明であり、次に本実施形態の作用を説明する。容器130に収容した収容物の撹拌と計量を行う場合には、テーブル形容器台110を上皿計量器120にセットしかつ容器130を載置していない状態で、上皿計量器120の表示を「0」に設定(風袋引き)しておき、その後、磁性撹拌子131を沈めた容器130を、テーブル天井板112に載置する。すると、回転磁石144と磁性撹拌子131とが互いの吸引力で磁気結合し、この状態でモータ140をオンすると、モータ140のトルクが、回転マグネットカップリング150(第2回転マグネット143及び第1回転マグネット146)を介して連結軸147及び回転磁石144へと伝達される。回転磁石144は磁性撹拌子131によって上方に吸引された状態で回転し、容器130の底面上では磁性撹拌子131が回転磁石144と一体回転する。これにより、撹拌渦が発生して容器130内の収容物が撹拌される。
【0059】
また、収容物及び磁性撹拌子131を含む容器130(以下、「容器130全体」という)の重量は上皿計量器120にて計量される。即ち、テーブル天井板112に載置された容器130全体の荷重は、テーブル脚部113に備えた直動マグネットカップリング118(第1直動マグネット115及び第2直動マグネット117)を介して、密閉ケース100の外部下方(ケース底壁105の下方)に配置された上皿計量器120の上皿121へと伝達され、これにより、上皿計量器120にて容器130全体の重量が計量される。
【0060】
ここで、円筒中空突部106と上側カプラ116及びテーブル天井板112との間は上下方向で常時離間しており、テーブル天井板112から円筒中空突部106に対して荷重がかからないようになっている。また、連結軸147と筒形カプラ145との間が上下方向で直動可能なので、テーブル天井板112から回転マグネットカップリング150を介して、ケース底壁105に荷重がかからないようになっている。即ち、テーブル天井板112にかかる容器130全体の荷重は、上皿計量器120の上皿121だけにかかるようになっている。さらに、回転マグネットカップリング150を構成する第2回転マグネット143と第1回転マグネット146との間の吸引力が、テーブル天井板112に伝達されることもない。つまり、テーブル天井板112と上皿121との間では力の伝達を許容しつつ、密閉ケース100とテーブル天井板112との間及び密閉ケース100と上皿121との間では力の伝達が遮断されているので、容器130全体の重量変化を正確に計量することができる。
【0061】
本実施形態の計量撹拌システム190は、以下のように水分計として利用することができる。具体的には、例えば、撹拌によって収容物に含まれる水分や揮発性ガス等の気化を促進し、気化に伴う収容物の重量減少量を上皿計量器120によって計量することができる。なお、気化成分は、吸排気管103に接続された吸引ポンプによって密閉ケース100の外部に排出することができる。
【0062】
また、例えば、吸排気管103又は図示しないガス導入管から密閉ケース100内に反応ガスを供給し、撹拌によって反応ガスと収容物との反応を促進させ、反応の進行に伴う収容物の重量変化を上皿計量器120により計量することができる。
【0063】
また、例えば、密閉ケース100内を所定の湿度にして、吸湿材を収容した容器130を密閉ケース100内に配置し、撹拌によって吸湿を促進させ、吸湿材の重量変化を上皿計量器120により計量することができる。
【0064】
このように、本実施形態によれば、磁性撹拌子131を回転駆動するためのモータ140及び回転磁石144が容器下方空間S1に配置されているので、容器130の上方に空きスペースを設けることができ、その空きスペースに機器を配置することが容易になる。即ち、本発明によれば、上皿計量器120の上皿121に容器130を配置した状態で撹拌を行う際に、容器130上方のスペースの自由度が向上する。
【0065】
また、上皿計量器120及びモータ140が密閉ケース100の外部に配置されているので、密閉ケース100内の特殊な雰囲気状態や容器130から溢れた収容物によって上皿計量器120及びモータ140が不具合を起こしたり汚染されることを防止することができる。
【0066】
図3に本実施形態の変形例としての計量撹拌システム190を示す。この計量撹拌システム190は、密閉ケース100内にランプヒータ181(赤外線ランプやハロゲンランプ)を備えている。ランプヒータ181は、容器130内に収容された収容物を加熱するために、容器130の側方位置に配置されている。つまり、ランプヒータ181で収容物を加熱しながら撹拌及び重量計測を行うことが可能となっている。なお、容器130内には、温度センサ182が挿入され、収容物の温度を常時計測可能となっている。
【0067】
この計量撹拌システム190では、ランプヒータ181による加熱又は真空排気による真空乾燥により、粉粒体又はスラリー状の収容物から強制的に水分を蒸発させてその重量変化を観察したり、液体(溶液)の収容物を所定の重量になるまで濃縮することができる。収容物を撹拌しながら加熱又は乾燥を行うことができるので、収容物を均等に加熱及び乾燥することができ、粉粒体又はスラリー状の収容物から水分をむら無く蒸発させることができる。また、上皿計量器120が密閉ケース100の外側に配置されているので、ランプヒータ181による熱や蒸発成分による計測誤差を防止することができる。なお、蒸発成分は吸排気管103に接続された吸引ポンプ(図示せず)によって密閉ケース100の外部に排出することができる。
【0068】
ところで、容器130上方の空きスペースに配置する機器としては、容器130に液体、粉粒体その他物質を供給する物質供給装置や、容器130内の収容物との接触により収容物の粘度、温度、その他物理量を計測するための測定装置が挙げられる。以下、第2〜第5実施形態において、容器130上方の空きスペースに機器を配置した場合について説明する。
【0069】
[第2実施形態]
本実施形態は、テーブル形容器台110に載置された容器130に粉粒体を供給するための粉粒体供給装置10(本発明の「物質供給部」に相当する)を、容器130上方の空きスペースに配置したものである。以下、図4に基づいて本実施形態の説明を行うが、上記第1実施形態と同じ構成については、同一符号を付し、重複する説明は省略する。
【0070】
粉粒体供給装置10は、粉粒体を収容可能な供給ドラム11を密閉ケース100の内部空間に備えている。供給ドラム11は、密閉ケース100の天井壁108(以下、「ケース天井壁108」という)から吊り下げられている。具体的には、供給ドラム11の上端部に備えた図示しない磁石とケース天井壁108に固定された図示しない磁石との間の吸引力によって、ケース天井壁108に対して着脱可能に吊り下げられている。供給ドラム11内には、排出回転ガイド(図示せず)が収容されている。その排出回転ガイドを、密閉ケース100の外部に備えたモータ50が回転駆動することで、供給ドラム11内に収容された粉粒体が下端開口13から下方に排出され、供給ドラム11の真下に位置する容器130へと供給されるようになっている。
【0071】
粉粒体供給装置10は、供給ドラム11に粉粒体を補給するための補給機200を備えている。補給機200は、粉粒体を収容した補給ドラム211と、補給ドラム211から垂下してケース天井壁108を気密状態に貫通しかつ供給ドラム11内に挿入された補給パイプ213とを備え、補給ドラム211内に収容された排出回転ガイド(図示せず)をモータ250が回転駆動することで、粉粒体が補給パイプ213を通って供給ドラム11内に補給されるようになっている。ここで、ケース天井壁108にはテーブル形の固定ベース310が載置され、補給ドラム211は、固定ベース310の天板310Aから吊り下げられている。
【0072】
また、固定ベース310には補給ドラム211に粉粒体を補給するためのホッパー270及びシュート271が固定されている。ホッパー270とシュート271は一体となっており、ホッパー270が天板310Aに保持されている。シュート271の途中には、2つのバルブ272,272が上下に並べて配置されており、補給パイプ213及び供給ドラム11を介して密閉ケース100の内部空間内と連通した補給ドラム211内を、気密状態に保持することが可能となっている。
【0073】
本実施形態の計量撹拌システム190は、例えば、所定濃度の溶液又はスラリーの調製に利用することができる。具体的には、既知の重量の容器130に液体を入れて上皿計量器120にて液体の重量を計量し、その液体の重量と目標濃度とに基づき粉粒体の目標供給重量を制御装置184に設定する。次いで、モータ50,140をオンして容器130に粉粒体供給装置10から少量ずつ粉粒体を供給しながら、撹拌を行い、液体に粉粒体を溶解又は分散させる。この間、上皿計量器120による計量結果は制御装置184に取り込む。上皿計量器120によって計量された重量の増加量が、容器130に供給された粉粒体の総重量であり、重量の増加量が目標供給重量に達した時点で制御装置184がモータ50を自動停止して粉粒体の供給を停止する。これにより、所定濃度の溶液又はスラリーを自動調整することができる。
【0074】
従来、所定濃度の溶液又はスラリーを調製する場合には、予め粉粒体を量り取る計量工程と、量り取った粉粒体を液体に溶解又は分散させる撹拌工程との2工程を要していたが、本実施形態によれば、これら計量と撹拌とを同時進行で行うことができるので、溶液又はスラリーの調製を迅速に行うことができる。
【0075】
また、例えば、液体に対する粉粒体の飽和溶解度を計測するのに利用することができる。即ち、既知の重量の容器130に粉粒体を溶解可能な液体を入れて上皿計量器120にて液体だけの重量を計量し、次いで、モータ50,140をオンして、容器130に粉粒体供給装置10から少量ずつ粉粒体を供給しながら、撹拌を行って粉粒体を液体に溶解させる。そして、目視で粉粒体の溶解状態を確認し、粉粒体の溶け残りが発生した時点でモータ50をオフして粉粒体の供給を停止する。このとき、上皿計量器120によって計量された重量の増加量が、容器130に供給された粉粒体の総重量であり、供給された粉粒体の総重量と液体の重量とに基づいて液体に対する粉粒体の飽和溶解度を演算することができる。
【0076】
[第3実施形態]
この第3実施形態は、図5に示されており、粉粒体供給装置10から排出された粉粒体の重量を、固定ベース310の天板310A上に載置された計量器300で計量するようにした点が上記第2実施形態とは異なる。具体的には、供給ドラム11をケース天井壁108に対して直動可能に吊り下げると共に、モータ50を介して供給ドラム11と磁気結合されかつ供給ドラム11と共に上下動可能な可動ベース320を備え、固定ベース310と可動ベース320との間に計量器300を配置してある。粉粒体を含む供給ドラム11全体の重量変化は、モータ50及び可動ベース320を介して計量器300に伝達され、粉粒体を含む供給ドラム11全体の重量減少量を、供給ドラム11から排出された粉粒体の重量として(ロスインウェイト方式)で計量可能となっている。なお、密閉ケース100の内部空間には、容器130に受容された収容物(具体的には、粉粒体、粉粒体が溶解した溶液、粉粒体が分散したスラリー)を加熱するためのランプヒータ181が備えられている。また、容器130内には、収容物の温度を計測するための温度センサ182が挿入されている。
【0077】
ここで、密閉ケース100の下方に備えた上皿計量器120では、上記第1実施形態で説明したように、収容物を含む容器130全体の重量変化を計量することが可能である。しかしながら、ランプヒータ181によって容器130内の収容物を加熱しながら粉粒体を供給した場合、粉粒体の供給による重量増加が、収容物から蒸発した水分による重量減少によって相殺される事態が起こり得る。即ち、上皿計量器120にて計量された重量の増加量が、容器130に供給された粉粒体の実際の重量と一致しない場合がある。
【0078】
これに対し、本実施形態の構成によれば、上皿計量器120とは別に備えた計量器300にて、供給ドラム11から排出された粉粒体の重量を計量しているので、加熱により容器130内の収容物から水分が蒸発することがあっても、容器130に供給された粉粒体の重量を正確に計量することができる。
【0079】
[第4実施形態]
本実施形態では、テーブル形容器台110に載置された容器130上方の空きスペースに、粘度測定器185が配置されている。以下、上記第1実施形態と同じ構成については、同一符号を付し、重複する説明は省略する。
【0080】
図6に示すように、粘度測定器185は、モータ186から延びたシャフト187の先端に回転体188を備えてなり、回転体188を収容物の中に沈めて一定速度で回転させたときの回転トルクの大きさに基づいて粘度を計測するものである(例えば、JIS Z 8803「液体の粘度−測定方法」を参照)。なお、粘度測定器185は、ケース天井壁108によって容器130の真上位置に固定保持されている。
【0081】
密閉ケース100の内部空間で、ちょうど容器130の側方位置にはランプヒータ181が備えられ、収容物の温度を一定速度で徐々に変化させることが可能となっている。また、加熱により蒸発した水分量を上皿計量器120によって計量することが可能となっている。
【0082】
ここで、収容物が、乳化液(エマルション)や、液体に固体粒子が分散したスラリーである場合には、粘度測定中に乳化液が2相の液体に分離したり、スラリーが固体と液体に分離する可能性があるが、本実施形態では、万が一、分離した場合でも磁性撹拌子131による撹拌により乳化状態又はスラリー状態に戻すことができる。また、必要に応じて随時、磁性撹拌子131にて収容物を撹拌することで、均一な分散状態を維持することが可能で、乳化液又はスラリーとしての粘度を継続して計測することができる。また、ランプヒータ181による加熱を行う際に、収容物を撹拌することで、収容物をむら無く均等に加熱することができる。
【0083】
[第5実施形態]
本実施形態では、テーブル形容器台110に載置された容器130上方の空きスペースに、凝固温度測定器189が配置されている。図7に示すように、凝固温度測定器189は、モータ186から延びたシャフト187の先端に回転体188を備えると共に、モータ186とシャフト187との間が、図示しない磁気クラッチにて連結されている。磁気クラッチは、モータ186の出力軸に固定された磁石と、シャフト187の上端に固定された磁石とから構成され、通常は、これら1対の磁石の磁気結合により、モータ186の出力トルクをシャフト187に伝達可能となっている。そして、回転体188を収容物の中で回転させるために必要なトルクがモータ186の出力トルクを超えた場合に、1対の磁石がスリップ(相対回転)するようになっており、そのスリップを検出するために図示しないセンサを備えている。なお、その他の構成は、第1実施形態と同一の構成なので重複する説明は省略する。
【0084】
凝固温度は、以下のようにして測定する。まず、収容物を入れた容器130をテーブル形容器台110に載置して、ランプヒータ181によって収容物を所定温度まで加熱する。次いで、回転体188を一定速度で回転させながら、自然冷却又は強制冷却(具体的には、密閉ケース100内のノズル183から冷却風を供給)して、徐々に収容物の温度を下げていく。温度が低下するに従い収容物は徐々に流動性を失い、回転体188を収容物内で回転させるのに必要なトルクが増大する。そして、センサが磁気クラッチのスリップを検出した時点での温度に基づき、所定の演算式又は検量線等を用いて凝固温度を演算する。
【0085】
本実施形態によれば、収容物を加熱する際に磁性撹拌子131によって撹拌を行うことで、収容物を均一に加熱することができる。また、凝固温度を測定している間の重量変化を計測することができる。
【0086】
[第6実施形態]
本実施形態は図8及び図9に示されており、容器下方空間S1のうち、テーブル天井板112とケース底壁105との間の空間に遊星歯車機構165を備えて、その遊星歯車機構165が有するプラネタリギヤ164に、本発明に係る「回転磁石」を固定した点が、上記第1〜第5実施形態とは異なる。以下、上記第1実施形態と同じ構成については、同一符号を付し、重複する説明は省略する。
【0087】
図8に示すように、テーブル天井板112の下面には、扁平なハウジング160が宛がわれて固定されている。ハウジング160は、円環状のリングギヤ161の下面をテーブル天井板112と平行な円板形の摺動プレート162で閉塞してなる。リングギヤ161の内周面には全周に亘って内歯が形成されており、ハウジング160とテーブル天井板112の下面との間には扁平なギヤ収納空間S2が形成されている。
【0088】
連結軸147は、摺動プレート162の中心に形成された軸貫通孔162Aに遊嵌しかつギヤ収納空間S2内に突入しており、そのギヤ収納空間S2に収容されたサンギヤ163と一体回転可能に連結されている。図9(A)に示すように、サンギヤ163とリングギヤ161との間にはプラネタリギヤ164が配置され、サンギヤ163とプラネタリギヤ164及びプラネタリギヤ164とリングギヤ161とが互いに噛合している。そして、プラネタリギヤ164には、周方向にS磁極とN磁極とが交互に並んだリング形の回転磁石164Rが一体に固定されており、この回転磁石164Rに磁性撹拌子131が磁気結合して、プラネタリギヤ164と磁性撹拌子131とが一体回転可能となっている。
【0089】
ここで、摺動プレート162のうち、軸貫通孔162Aの周縁部にはサンギヤ163をテーブル天井板112の下面との間で回転可能に挟持する環状凹部162Bが形成されている。また、摺動プレート162のうちリングギヤ161近傍の外縁部には環状突部162Cが形成され、サンギヤ163には側方に張り出した環状鍔壁163Aが形成されて、それら環状突部162C及び環状鍔壁163Aとテーブル天井板112の下面との間で、プラネタリギヤ164が回転可能に挟持されている。つまり、サンギヤ163及びプラネタリギヤ164はギヤ収納空間S2において上下方向への移動が禁止されており、テーブル天井板112の下面に当接した状態で回転するようになっている。なお、ハウジング160は、本発明の「ギヤ保持部」に相当する。
【0090】
また、本実施形態では、連結軸147と連結筒孔148との間で回転を伝達する一方、上下方向の直動が禁止されており、その代わりに、サンギヤ163の中心を貫通した連結孔163Bと連結軸147との間で、回転を伝達すると共に直動が許容されている。具体的には、連結孔163Bの内周面と連結軸147の上端外周面とにスプラインが形成されて、それらスプライン同士が係合している。従って、本実施形態の構成でも、テーブル天井板112にかかる荷重が、連結軸174及び回転マグネットカップリング150を介してケース底壁105に伝達されないようになっている。また、回転マグネットカップリング150である第2回転マグネット143と第1回転マグネット146との間の吸引力が、磁気結合した回転磁石164Rと磁性撹拌子131を介してテーブル天井板112に伝達されないようになっている。なお、連結軸147と連結孔163Bとが本発明の「直動許容回転機構部」に相当する。
【0091】
次に本実施形態の作用を説明する。モータ140が回転すると、回転マグネットカップリング150を介してサンギヤ163に回転が伝達される。サンギヤ163が回転すると、サンギヤ163とリングギヤ161とに噛合したプラネタリギヤ164が、図9(A)に示すようにギヤ収納空間S2内で上下方向を向いた回転軸を中心に自転しながらサンギヤ163の周囲を公転する。このとき、プラネタリギヤ164の回転磁石164Rと磁気結合した磁性撹拌子131が、容器130内で回転動作する。即ち、図9(B)に示すように磁性撹拌子131は、上下方向を向いた回転軸を中心に自転しかつ、容器130の底部周縁部に沿って円弧状の軌跡を描きながら移動(公転)する。よって、容器130の底部の定位置で自転だけするものに比べて効率よく撹拌を行うことができる。このように、本実施形態によれば、上記第1実施形態と同等の効果を奏しかつ、効率よく撹拌を行うことができる。
【0092】
[第7実施形態]
上記第6実施形態では、遊星歯車機構165に備えたプラネタリギヤ164が1つであったが、この第7実施形態では、図11(A)に示すように、サンギヤ163とリングギヤ161との間には、複数(例えば、2つ)のプラネタリギヤ164,164が噛合している。各プラネタリギヤ164,164には、周方向にS磁極とN磁極とが交互に並んだ回転磁石164Rが一体に固定されている。また、サンギヤ163にも、周方向にS磁極とN磁極とが交互に並んだリング形の回転磁石163Rが一体に固定されており、これら各回転磁石163R,164R,164Rに、それぞれ容器130内の磁性撹拌子131,131,131が磁気結合されている(図10参照)。その他の構成は、上記第6実施形態と同じであるので、重複する説明は省略する。
【0093】
次に本実施形態の作用を説明する。モータ140が回転すると、回転マグネットカップリング150を介してサンギヤ163に回転が伝達される。サンギヤ163が回転すると、図11(A)に示すように、サンギヤ163とリングギヤ161とに噛合した2つのプラネタリギヤ164,164が、ギヤ収納空間S2内で自転しながら公転し、サンギヤ163及び2つのプラネタリギヤ164,164に磁気結合した3つの磁性撹拌子131,131,131が、それぞれ容器130内で回転する。
【0094】
即ち、図11(B)に示すように、サンギヤ163に磁気結合した磁性撹拌子131は、容器130の底部中央から移動せずに定位置で自転し、2つのプラネタリギヤ164,164に磁気結合した2つの磁性撹拌子131,131は、容器130の底部周縁部に沿って公転しながら自転する。
【0095】
本実施形態によれば、上記第1実施形態と同等の効果を奏しかつ、上記第6実施形態よりもさらに効率よく撹拌を行うことができる。
【0096】
[第8実施形態]
本実施形態は、磁性撹拌子の構成が上記第1実施形態とは異なる。以下、上記第1実施形態と同じ構成については、同一符号を付し、重複する説明は省略する。
【0097】
図12(A)及び同図(B)に示すように、本実施形態の磁性撹拌子170は、回転磁石144と磁気結合する円板状のマグネットベース171(本発明の「ベース部」に相当する)と、マグネットベース171の回転中心から垂直に起立した回転支柱172と、回転支柱172に一体に設けられた撹拌部173とを備えている。
【0098】
撹拌部173は、回転支柱172の上端位置で回転支柱172と直交して回転支柱172から相反する方向に突出した上部水平バー174Aと、回転支柱172の下端寄り位置で回転支柱172と直交し、回転支柱172から相反する方向に突出すると共に上部水平バー174Aと直角に立体交差した下部水平バー174Bとを備え、上部水平バー174Aの一端部と下部水平バー174Bの一端部との間及び、上部水平バー174Aの他端部と下部水平バー174Bの他端部との間を、それぞれ帯板状の上方送流壁175,175で螺旋状に連結した構造をなしている。
【0099】
詳細には、上部水平バー174Aと下部水平バー174Bは、回転支柱172の軸回りで90度位相をずらされている。即ち、図12(A)に示すように、磁性撹拌子170を回転支柱172の軸方向上端側から見たときに、上部水平バー174Aと下部水平バー174Bとが十字状に交差しており、上部水平バー174Aの一端部と、その一端部から時計回り方向に90度先行した下部水平バー174Bの一端部との間が、上方送流壁175によって連結され、上部水平バー174Aの他端部と、その他端部から時計回り方向に90度先行した下部水平バー174Bの他端部との間が、もう1つの上方送流壁175によって連結されている。これら上方送流壁175,175は、回転支柱172の軸方向から見たときに、回転支柱172の側方に離れかつ回転支柱172を中心とした円弧状になっており(図12(A)参照)、回転支柱172に対して点対称位置に配置されている。また、上部水平バー174Aの軸方向から見たときに、下方に僅かに凸となるように緩やかに湾曲している(図12(B)参照)。なお、上部水平バー174A及び下部水平バー174Bは本発明の「第1の旋回バー」及び「第2の旋回バー」に相当する。
【0100】
さて、この磁性撹拌子170は、上部水平バー174Aによって収容物の上層部分を撹拌し、下部水平バー174Bによって収容物の下層部分を撹拌すると共に、回転方向に応じて上方送流壁175,175が容器130内の収容物に揚力又は沈降力を付与する。例えば、上方送流壁175,175の下端部が上端部に対して先行する方向(図12(A)において時計回り方向)に回転した場合には、上方送流壁175,175のうち斜め上方を向いた上向傾斜面175Aに沿って、容器130内における下層の収容物が上方に向かって流動する。
【0101】
一方、磁性撹拌子170が、上方送流壁175,175の上端部が下端部に対して先行する方向(図12(A)において反時計回り方向)に回転した場合には、上方送流壁175,175のうち斜め下方を向いた下向傾斜面175Bに沿って、容器130内における上層の収容物が下方に流動する。これら何れの回転方向でも、上方送流壁175,175によって容器130の深さ方向(上下方向)で収容物を循環流動させることができる。
【0102】
このように本実施形態によれば、上記第1実施形態と同等の効果を奏すると共に、上部水平バー174A、下部水平バー174B及び上方送流壁175,175が協働して収容物を撹拌するので、容器130の底部だけで撹拌動作を行うものに比べて、効果的に撹拌を行うことができる。なお、本実施形態の変形例として、図12(C)に示すように、本実施形態の回転支柱172の上下を逆転させてマグネットベース171に固定した構成としてもよい。
【0103】
[第9実施形態]
本実施形態は図13に示されており、同図(B)に示すように、磁性撹拌子176は、上部撹拌羽177と下部撹拌羽178とを備えている。上部撹拌羽177は、回転支柱172の上端から回転支柱172と直交する方向に張り出している。下部撹拌羽178は、回転支柱172の下端寄り位置から回転支柱172と直交しかつ上部撹拌羽177と相反する方向に(換言すれば、回転支柱172の軸回りに上部撹拌羽177と180度位相をずらした位置から)張り出している。これら、上部撹拌羽177と下部撹拌羽178は、共に回転支柱172の軸方向と平行かつ横長な板状になっている。また、上部撹拌羽177と下部撹拌羽178のうち、回転支柱172から離れた先端部には、それぞれ上方送流壁179,179が一体形成されている。
【0104】
上方送流壁179,179は、平板状をなし、上部撹拌羽177及び下部撹拌羽178の下縁部から斜め下方に向かって延設されている。詳細には、上方送流壁179,179は、回転支柱172の軸方向上端側から見たときに、上部撹拌羽177及び下部撹拌羽178の下縁部から周方向の一方側(具体的には、時計回り方向)に迫り出すように設けられている(図13(A)参照)。なお、上部撹拌羽177及び下部撹拌羽178は、本発明の「第1の撹拌羽」及び「第2の撹拌羽」に相当する。その他の構成は、上記第8実施形態と同じであるので、重複する説明は省略する。
【0105】
さて、この磁性撹拌子176は、上部撹拌羽177によって収容物の上層部分を撹拌し、下部撹拌羽178によって収容物の下層部分を撹拌すると共に、回転方向に応じて上方送流壁179,179が容器130内の収容物に揚力又は沈降力を付与する。例えば、磁性撹拌子176が上方送流壁179,179が迫り出した方向(図13(A)において時計回り方向)に回転した場合には、図13(C)に示すように、上方送流壁179,179のうち、斜め上方を向いた上向傾斜面179Aに案内されて収容物が上昇する。また、上方送流壁179,179が迫り出した方向とは逆方向(図13(A)において反時計回り方向)に回転した場合には、上方送流壁179,179のうち、斜め下方を向いた下向傾斜面179Bに案内されて収容物が降下する。これら何れの回転方向でも、容器130の深さ方向(上下方向)で収容物を循環流動させることができる。
【0106】
このように、本実施形態によれば、上記第1実施形態と同等の効果を奏しかつ、上部撹拌羽177、下部撹拌羽178及び上方送流壁179,179が協働して収容物を撹拌するので、容器130の底部だけで撹拌動作を行うものに比べて、効果的に撹拌を行うことができる。
【0107】
[他の実施形態]
本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、例えば、以下に説明するような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
【0108】
(1)上記実施形態では、外部から隔離された内部空間を有する密閉ケース100を備えていたが、密閉ケース100を備えていない構成としてもよい。例えば、図14に示すように、テーブル天井板112とカバープレート123との間を、上下に分割されていない複数のテーブル脚部113で直結し、計量撹拌システム190の設置面に固定された門形の固定ベース400の天板400Aを、テーブル天井板112とカバープレート123との間に配置する。テーブル脚部113は天板400Aを遊嵌状態(非接触)で貫通するようにして、天板400Aの下面には、上皿121から離してモータ140を固定する。さらに、モータ140のロータシャフト141と回転磁石144に固定された連結軸147との間に上下方向へ相互の直動を許容しかつ回転を伝達する直動許容スリーブ401を設ける。以上の構成でも、上記第1実施形態と同等の効果を奏する。
【0109】
(2)また、上記実施形態では、モータ140が、密閉ケース100のケース底壁105に対し上皿121から離した状態で固定されていたが、テーブル天井板112とカバープレート123との間を、上下に分割されていない複数のテーブル脚部113で直結して(図14参照)、モータ14をカバープレート123の上面に載置してもよい。この場合、モータ140とテーブル天井板112との距離は不変なので、ロータシャフト141と回転磁石144との間では回転が伝達可能であればよく、相互に上下方向への直動を許容する構成は必要ない。
【0110】
(3)上記実施形態では、テーブル脚部113は、円筒形の下側カプラ114の内側に上側カプラ116を挿入し、下側カプラ114に備えた円筒形の第1直動マグネット115の内側に上側カプラ116に備えた第2直動マグネット117が配置されて、それらが水平方向で磁気結合した構成(図2参照)となっていたが、図15に示すような構成としてもよい。即ち、テーブル脚部113をその上下方向の途中で軸方向と直交する切断面で切断して1対の脚部構成体113A,113Bを形成し、それら脚部構成体113A,113Bの上下方向で対向した対向面に、互いに反発し合う磁石119,119を配置してもよい。この場合、上皿121におけるカバープレート123とテーブル天井板112との水平方向への横ずれを規制するために、例えば、ケース底壁105の上下両面から突出して各脚部構成体113A,113Bの外側に直動可能に遊嵌した1対の直動ガイド筒109,109を設けておく。又は、図示しないが、直動ガイド筒109,109の替わりに、ケース底壁105にガイドポストを設けて、磁石119,119に陥没形成された各ガイド孔にそれらガイドポストを直動可能に遊嵌した構成としてもよい。
【0111】
(4)上記実施形態では、回転磁石144、サンギヤ163、プラネタリギヤ164をモータ140によって回転駆動し、それらに磁気結合した磁性撹拌子131を上下方向を向いた回転軸を中心に回転動作(自転、公転)させることで収容物の撹拌を行っていたが、この回転は、一定方向への回転でもよいし、正逆両方向へ回転又は回動を繰り返す往復回転でもよい。また、例えば、容器130の下方で磁石を水平方向に直線往復動作させ、その磁石と磁気結合した磁性撹拌子131を、容器内で水平方向に直線往復動作させることで、収容物の撹拌を行ってもよい。
【0112】
(5)上記実施形態において、連結軸147の外周面、筒形カプラ145の連結筒孔148の内周面及び、サンギヤ163の連結孔163Bの内周面に形成されたスプラインは、インボリュートスプラインでもよいし、角スプラインでもよい。
【0113】
(6)また、スプラインに限定するものではなく、例えば、連結軸147の外周面に軸方向に延びたキー又はキー溝の何れか一方を設け、連結筒孔148又は連結孔163Bの内周面にキー又はキー溝のうちの他方を設けて、それらキーとキー溝とが上下方向で直動可能に凹凸係合するようにしてもよい。
【0114】
(7)上記実施形態では、上皿121を計量皿122とカバープレート123とで構成していたが、カバープレート123が無い構成として、テーブル脚部113が計量皿122に突き当たるようにテーブル形容器台110を載置してもよい。
【0115】
(8)上記実施形態では、密閉ケース100を設置面から起立したケース支持壁104,104の上に固定することで、ケース底壁105を上皿計量器120の上皿121の上方に離して配置していたが、密閉ケース100は、上皿計量器120の上方から上下方向及び水平方向に移動しないように吊り下げてもよい。
【0116】
(9)上記実施形態では、下側カプラ114に円筒壁114Aを形成してその内側に上側カプラ116を直動可能に遊嵌した構成であったが、上側カプラ116に下端開放の円筒壁を設けて、その内側に下側カプラ114を直動可能に遊嵌した構成としてもよい。
【0117】
(10)上記第2及び第3実施形態では、容器130上方の空きスペースに粉粒体を供給する粉粒体供給装置10(図4,図5参照)を配置していたが、液体を供給する液体供給装置を配置して、容器130に液体を供給可能な構成としてもよい。
【0118】
(11)上記第2及び第3実施形態において、容器130に収容された液体に、他の液体、粉粒体その他の供給物質を供給して混合する場合に、容器130内に、pH、導電率、比重、溶存物質濃度などを計測可能なセンサを挿入しておき、供給物質の供給量と共にそれら各パラメータの変化を計測可能な構成としてもよい。
【0119】
(12)上記第2〜第5実施形態では、第1実施形態と同一の計量撹拌システム190を備えていたが、容器下方空間S1に遊星歯車機構165を備えた第6又は第7実施形態と同一の計量撹拌システム190(図8,図10参照)を備えていてもよい。
【0120】
(13)上記第7実施形態(図10参照)において、サンギヤ163と一体回転する磁性撹拌子131を、上記第8,9実施形態の磁性撹拌子170,176(図12,図13参照)に置き換えてもよい。
【0121】
(14)上記第8実施形態では、上部水平バー174Aと下部水平バー174Bとが回転支柱172から両側方に張り出し(回転支柱172の軸方向から見たときに、上部水平バー174Aと下部水平バー174Bとが「十字状」に交差し)ており、2つの上方送流壁175,175を備えていたが、上部水平バー174Aと下部水平バー174Bとが回転支柱172からそれぞれ一側方だけに張り出すようにして、それら上部水平バー174A及び下部水平バー174Bの先端部同士を1つの上方送流壁175で連結した構成としてもよい。また、上方送流壁175で連結された上部水平バー174Aと下部水平バー174との間の位相差は90度以外の角度としてもよい。
【0122】
(15)上記第9実施形態では、上方送流壁179,179が上部撹拌羽177及び下部撹拌羽178の先端部に部分的に設けられていたが、上部撹拌羽177及び下部撹拌羽178の下端縁の全体から延設させてもよい。また、上部撹拌羽177及び下部撹拌羽178の上端縁から上方送流壁179,179を延設させてもよい。さらに、図示しないが、回転支柱172の中間位置に、上部撹拌羽177及び下部撹拌羽178と位相をずらして中間撹拌羽を設け、その中間撹拌羽にも上方送流壁179を設けてもよい。
【0123】
(16)上記第6及び第7実施形態の遊星歯車機構165は、サンギヤ163、プラネタリギヤ164及びリングギヤ161にそれぞれ備えた歯部が噛み合うことでサンギヤ163とプラネタリギヤ164とが連動回転する構成であったが、サンギヤ163、プラネタリギヤ164及びリングギヤ161が磁気的に連結することで連動回転するように構成してもよい(特許3942102号公報参照)。
【0124】
(17)上記第8又は第9実施形態において、マグネットベース171の下面中央に突起191を設けて、容器130底面とマグネットベース171との間の摩擦の低減を図ってもよい。このとき、図16に示すように、磁性撹拌子170,176(回転支柱172)が容器130底面に対して傾くことを防ぐために、回転支柱172の上端部に、例えば、球状のフロート192を取り付けてもよい。フロート192の浮力により回転支柱172が容器130の底面に対して略直角になるようにバランスを取ることができる。また、フロート192の浮力によってマグネットベース171が容器130底面から浮き上がれば、摩擦自体を起こさなくすることができる。
【0125】
(18)磁性撹拌子の変形例として、図17(B)に示すように、マグネットベース171から起立した回転支柱172の上端部にフロート192と平板状羽根車193を取り付けた構造でもよい。平板状羽根車193は、回転支柱172に直交した平板ベース193Aから四方に向かって4枚の剪断羽根193Bが張り出した構成となっている(図17(A)参照)。各剪断羽根193Bは薄板状をなしており、平板ベース193Aから先端部に向かう従って下るように傾斜している。また、各剪断羽根193Bはその幅が先端部に向かって小さくなるように先細りとなっている。さらに、平板ベース193Aからは、斜め上方に向かって複数の補助羽根193Cが起立している。これら補助羽根193Cは、上端部に向かうに従って互いに近づくように傾斜して備えられている。
【0126】
ここで、図17(C)に示すように、平板状羽根車193を図17(B)に示した構成と上下を逆転させて回転支柱172に固定した構成としてもよい。なお、フロート192の作用・効果は、上記(17)の変形例と同じである。
【0127】
(19)上記第3実施形態において、容器130内に電極(図示せず)を配置して容器内130の収容物(液体、粉粒体)に対して通電及び放電を行い、このときの化学反応に伴う重量変化を計測してもよい。また、容器130内にガス導入管(図示せず)を挿入して、容器内130の収容物(液体、粉粒体)に対してガスを供給し、このときの化学反応に伴う収容物の重量変化を計測してもよい。
【符号の説明】
【0128】
10 粉粒体供給装置(物質供給部)
100 密閉ケース(モータ保持部)
104 ケース支持壁(ケース保持部)
105 ケース底壁(モータ固定部)
106B 内筒壁(脚部隔離筒壁)
107 円筒突部(モータ隔離筒壁)
110 テーブル形容器台
112 テーブル天井板(テーブル天井部)
113 テーブル脚部
113A 脚部構成体(上側脚部)
113B 脚部構成体(下側脚部)
114 下側カプラ(下側脚部)
114A 円筒壁(筒形遊嵌部)
115 第1直動マグネット
115R マグネットリング
116 上側カプラ(上側脚部、軸形遊嵌部)
117 第2直動マグネット
117R マグネット円盤
118 直動マグネットカップリング
120 上皿計量器
121 上皿
130 容器
131 磁性撹拌子(撹拌部材)
140 モータ(磁束変化付与部)
141 ロータシャフト(出力軸)
143 第2回転マグネット
143R マグネット円盤
144 回転磁石(磁束変化付与部)
145 筒形カプラ(遊嵌筒体)
146 第1回転マグネット
146R マグネットリング
147 連結軸
148 連結筒孔
150 回転マグネットカップリング
163 サンギヤ
163B 連結孔
163R 回転磁石(磁束変化付与部)
164 プラネタリギヤ
164R 回転磁石(磁束変化付与部)
170 磁性撹拌子(撹拌部材)
171 マグネットベース(ベース部)
172 回転支柱
174A 上部水平バー(旋回バー)
174B 下部水平バー(旋回バー)
175,175 上方送流壁
176 磁性撹拌子(撹拌部材)
177 上部撹拌羽(旋回羽)
178 下部撹拌羽(旋回羽)
179 上方送流壁
190 計量撹拌システム
S1 容器下方空間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上皿計量器の上皿上に容器を配置し、その容器に収容された液体、粉粒体その他の収容物を撹拌しながら前記容器及び前記収容物の重さを前記上皿計量器にて計量する計量撹拌システムにおいて、
前記上皿上に載置されたテーブル形容器台と、
前記テーブル形容器台に設けられ、前記上皿に上方から対向すると共に、上面に前記容器が載置されるテーブル天井部と、
前記テーブル形容器台に設けられ、前記テーブル天井部から垂下して前記上皿に突き当てられて、前記テーブル天井部にかかる前記容器及び前記収容物の荷重を前記上皿に伝達すると共に、前記テーブル天井部と前記上皿との間に容器下方空間を形成するテーブル脚部と、
前記容器下方空間に配置され、前記容器に向けて磁束を付与しかつその磁束を変化させることが可能な磁束変化付与部と、
前記容器内の底面上に沈められると共に、前記磁束変化付与部に磁気結合されて前記磁束の変化に応じて前記収容物を撹拌するように動作する撹拌部材とを備えたことを特徴とする計量撹拌システム。
【請求項2】
前記磁束変化付与部は、前記容器に向けて出力軸を上方に突出して備えたモータと、前記出力軸に連結されて、上下方向を向いた回転軸を中心にして回転する回転磁石とを備えたことを特徴とする請求項1に記載の計量撹拌システム。
【請求項3】
前記モータの自重が前記上皿に伝達されないように前記モータを保持するモータ保持部と、
前記モータの前記出力軸に対して前記回転磁石を上下動可能かつ回転不能に連結する直動許容連結機構部とを備え、
前記回転磁石は、前記撹拌部材との磁気結合によって前記テーブル天井部と共に上下動可能な状態に保持されていることを特徴とする請求項2に記載の計量撹拌システム。
【請求項4】
前記モータの前記出力軸に固定されたサンギヤと、
前記サンギヤと噛合して自転及び公転すると共に前記回転磁石に固定され、前記サンギヤと共に前記回転磁石を前記モータの出力軸にギヤ連結するプラネタリギヤとを備えたことを特徴とする請求項2に記載の計量撹拌システム。
【請求項5】
前記モータの自重が前記上皿に伝達されないように前記モータを保持するモータ保持部と、
前記モータの前記出力軸に対して前記サンギヤを上下動可能かつ回転不能に連結する直動許容回転機構部とを備え、
前記プラネタリギヤは前記撹拌部材との磁気結合によって前記テーブル天井部と共に上下動可能な状態に保持され、
前記サンギヤを前記テーブル天井部と共に上下動可能な状態に保持するギヤ保持部を備えたことを特徴とする請求項4に記載の計量撹拌システム。
【請求項6】
前記テーブル脚部を上下方向の中間で2分割してなる上側脚部及び下側脚部と、
外部から隔離された内部空間を内側に備えて、前記容器、前記テーブル天井部及び前記上側脚部を収容した密閉ケースと、
前記密閉ケースの底壁を前記上皿の上方に離間した位置に保持するケース保持部と、
前記上側脚部と前記下側脚部とを前記密閉ケースの底壁を介して磁気結合し、前記テーブル天井部から前記上側脚部にかかる荷重を、前記下側脚部に伝達可能な直動マグネットカップリングと、
前記密閉ケースの底壁における外面に設けられ、前記モータが固定されたモータ固定部と、
前記モータの出力軸と前記回転磁石とを、前記密閉ケースの底壁を介して磁気結合し、前記出力軸の回転を前記回転磁石に伝達可能な回転マグネットカップリングとを備えたことを特徴とする請求項3又は5に記載の計量撹拌システム。
【請求項7】
前記底壁の一部を内側又は外側に向けて先端有底の筒状に突出させた脚部隔離筒壁を形成し、前記上側脚部及び前記下側脚部の一方に、前記脚部隔離筒壁の外側に遊嵌される筒形遊嵌部を設ける一方、前記上側脚部及び前記下側脚部の他方に前記脚部隔離筒壁の内側に遊嵌される軸形遊嵌部を設け、
前記直動マグネットカップリングは、前記筒形遊嵌部に備えられ、周方向にS磁極とN磁極とが交互に並んだ複数のマグネットリングを同軸上に重ねると共に、その軸方向で異なる磁極が隣り合うように前記マグネットリング同士の位相を固定してなる円筒形の第1直動マグネットと、
前記軸形遊嵌部に備えられ、周方向にS磁極とN磁極とが交互に並んだ複数のマグネット円盤を同軸上に重ねると共に、その軸方向で異なる磁極が隣り合うように前記マグネット円盤同士の位相を固定してなる第2直動マグネットとからなることを特徴とする請求項6に記載の計量撹拌システム。
【請求項8】
前記底壁の一部を内側に向けて先端有底の筒状に突出させたモータ隔離筒壁を形成し、前記モータの前記出力軸を前記モータ隔離筒壁に突入させた状態とすると共に、前記モータ隔離筒壁の外側に遊嵌された遊嵌筒体を前記回転磁石に一体回転可能に設け、
前記回転マグネットカップリングは、前記遊嵌筒体に備えられ、周方向にS磁極とN磁極とが交互に並んだ複数のマグネットリングを同軸上に重ねると共に、その軸方向で異なる磁極が隣り合うように前記マグネットリング同士の位相を固定してなる円筒形の第1回転マグネットと、
前記モータの前記出力軸に固定され、周方向にS磁極とN磁極とが交互に並んだ複数のマグネット円盤を同軸上に重ねると共に、その軸方向で異なる磁極が隣り合うように前記マグネット円盤同士の位相を固定してなる第2回転マグネットとからなることを特徴とする請求項6又は7に記載の計量撹拌システム。
【請求項9】
前記撹拌部材には、回転動作により前記容器内の前記収容物を上方に流動させる上方送流壁が備えられたことを特徴とする請求項1乃至8の何れか1項に記載の計量撹拌システム。
【請求項10】
前記撹拌部材は、前記容器の底面上で回転するベース部を備え、
前記ベース部の回転中心から上方に回転支柱が起立すると共に、その回転支柱から側方に突出した第1と第2の旋回バーが、前記回転支柱の軸方向で離されかつ軸回りに位相をずらして配置され、
前記上方送流壁を、前記第1と第2の旋回バーの先端間を連絡して傾斜した帯板状に形成したことを特徴とする請求項9に記載の計量撹拌システム。
【請求項11】
前記第1と第2の旋回バーは、前記回転支柱から両側方に張り出しかつ互いに90度位相がずらされ、
前記帯板状部材は、前記回転支柱に対する点対称位置に対をなして配置されて、前記第1及び第2の旋回バーにおける互いに90度位相がずれた先端間を螺旋状に連絡していることを特徴とする請求項10に記載の計量撹拌システム。
【請求項12】
前記撹拌部材は、前記容器の底面上で回転するベース部を備え、
前記ベース部の回転中心から上方に回転支柱が起立すると共に、その回転支柱から側方に突出しかつ前記回転支柱と平行な板状の第1と第2の旋回羽が、前記回転支柱の軸方向で離されかつ軸回りに位相をずらして配置され、
前記上方送流壁を、前記第1及び第2の旋回羽の上端縁又は下端縁から延設されて前記回転支柱回りの一方向に向かうに従って下るように傾斜した板状としたことを特徴とする請求項8に記載の計量撹拌システム。
【請求項13】
前記テーブル形容器台の上方に配置され、前記テーブル形容器台に載置された前記容器に向けて液体、粉粒体その他物質を排出可能な物質供給部を備えたことを特徴とする請求項1乃至12の何れか1項に記載の計量撹拌システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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