計量用具
【課題】
粉状物,粒状物等の計量物を正確に計量することが簡単で、複数種類の容量を計量することが便利な計量用具を提供する。
【解決手段】
柄部1と、上記柄部の一端に設けられた垂直壁部2と、上記垂直壁部2に着脱自在に取り付けられる略1/4球殻状の凹状部材3と、上記垂直壁部2に取り付けられた可動板4と、この可動板4の前壁面と凹状部材3の内周面とでつくられる空間からなる計量部5と、上記柄部1に設けられ上記可動板4の動きを調整する容量調整部6と、上記柄部1に取り付けられ上記計量部5から盛り上がった余剰の計量物を摺り切って除く摺り切り部7と、この摺り切り部7に設けられ摺り切り状態において上記計量部5と連通する計量物排出部8とが設けられている。
粉状物,粒状物等の計量物を正確に計量することが簡単で、複数種類の容量を計量することが便利な計量用具を提供する。
【解決手段】
柄部1と、上記柄部の一端に設けられた垂直壁部2と、上記垂直壁部2に着脱自在に取り付けられる略1/4球殻状の凹状部材3と、上記垂直壁部2に取り付けられた可動板4と、この可動板4の前壁面と凹状部材3の内周面とでつくられる空間からなる計量部5と、上記柄部1に設けられ上記可動板4の動きを調整する容量調整部6と、上記柄部1に取り付けられ上記計量部5から盛り上がった余剰の計量物を摺り切って除く摺り切り部7と、この摺り切り部7に設けられ摺り切り状態において上記計量部5と連通する計量物排出部8とが設けられている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粉状物,粒状物等の計量物を計量するのに用いる計量用具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、調味料や医薬品等の粉状物等を計量する場合、計量スプーンが用いられる。この計量スプーンは、柄部の先端に設けられた計量部の容量が既知となっており、粉状物等の容量を計量する場合は、その計量部に粉状物等をすくい入れたのち、盛り上がった余剰の粉状物等を摺り切り棒で摺り切って除くことにより、正確な量が計量できるようになっている。
【0003】
例えば、乳児用の粉ミルクを計量する場合は、購入した粉ミルクに附属している計量スプーン(例えば、計量部の容量20mL)を用いて計量する。しかし、乳児の月齢が高くなるにつれて、1回に必要な粉ミルクの量が増えるため、計量スプーンで何回も繰り返し計量しなければならず、煩わしい。また、製造メーカーごとに粉ミルクの嵩が異なるため、異なる製造メーカーの粉ミルクを購入すると、そのメーカーの粉ミルクごとに適するスプーンを複数用いなければならず、やはり煩わしい。
【0004】
このような問題を解決するため、本発明の出願人らは、特許文献1に示すように、粉状物等の計量を正確かつ簡単に行うことができ、複数種類の容量を計量するのに便利な計量用具をすでに出願し、その特許権を得ている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第3220431号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記の計量用具は、容量の異なる複数種類の計量部を用意したもので、計量する容量を変更する際には、計量部を取り外し、所望の容量の計量部に付け替える必要がある。このため、計量する容量を変更する度、計量部を交換する手間がかかる上、使用しない計量部を紛失しないよう保管しなければならないため、さらに改良が求められている。
【0007】
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、複数種類の容量を計量する際、計量部を交換することなく、簡単な操作を行うだけで、目的の容量を計量することができる、使い勝手のよい計量用具の提供をその目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するため、本発明の計量用具は、前後に延びる柄部と、上記柄部の前側に設けられる上面開口凹状の収容部とを備え、上記収容部が、上記柄部の前端面に一体的に設けられる垂直壁部と、上記垂直壁部に着脱自在に取り付けられる略1/4球殻状の凹状部材とで構成され、上記凹状部材の内側に、それ自体の上縁部が上記垂直壁部に回動自在に取り付けられ他の縁部が上記凹状部材の内周面に沿って摺動しうる可動板が設けられ、上記凹状部材の内周面と上記可動板の前壁面とで計量部が形成されるようになっており、上記柄部の一側面に沿って摺動自在に容量調整部が設けられ、上記容量調整部の前進に伴い上記可動板が前方に回動して計量容積が減少し、上記容量調整部の後退に伴い上記可動板が初期位置に戻るように設定されているとともに、上記柄部の他側面に沿って摺動自在に摺り切り部が設けられ、上記摺り切り部が、初期位置では上記計量部上面開口より後方に位置決めされ計量動作後前進して計量部から盛り上がった余剰の計量物を摺り切って除くよう設定され、かつ上記摺り切り部の摺動方向に略直交する部分に、摺り切り状態において上記計量部と連通する計量物排出部が設けられ、計量された計量物が上記計量物排出部を経由して排出されるようになっていることをその要旨とする。
【0009】
本発明者らは、乳児の月齢が高くなるにつれて、1回に必要な粉ミルクの量が増えるため、計量スプーンで何回も繰り返し計量しなければならないという問題、および、異なる製造メーカーの粉ミルクごとに適するスプーンを複数準備する必要がある等の問題を解決すべく研究を重ねた。そして、その過程で、計量部の容量を任意の量に調整できるようにすると、計量スプーンで何回も繰り返し計量したり、複数の計量部を準備したりする必要がなくなるのではないかと考え、さらに研究を重ねた。その結果、スプーンの形状を、柄部の前側に設けた垂直壁部に略1/4球殻状の凹状部材を着脱自在に取り付けて収容部を形成し、この収容部の容量を、それ自体の上縁部を上記垂直壁部に回動自在に取り付け他の縁部を上記凹状部材の内周面に沿って摺動する可動板を取り付け、この可動板を動かすことで任意の容量を設定することができる計量部とすることにより、計量スプーンで何回も繰り返し計量したり、複数の計量部を準備する必要がなくなることを突き止めた。そして、このスプーンに、計量部から盛り上がった余剰の計量物を摺り切って除く摺り切り部およびこの摺り切り部に摺り切り状態で計量部と連通する計量物排出部を設け、計量された計量物をこの計量物排出部を経由して排出するようにすると、簡単な操作で所望の容量を正確に計量できるとともに、計量後の計量物を他の容器に容易に移すことができることを突き止め、本発明に到達した。
【発明の効果】
【0010】
このように、本発明の計量用具は、前後に延びる柄部と、上記柄部の前側に設けられる上面開口凹状の収容部とを備え、上記収容部が、上記柄部の前端面に一体的に設けられる垂直壁部と、上記垂直壁部に着脱自在に取り付けられる略1/4球殻状の凹状部材とで構成されている。このため、凹状部材を垂直壁部から取り外すだけで、計量物と接した個所を簡単に洗浄できるため、清浄に保ちやすく、使い勝手がよい。また、上記凹状部材の内側に、上記凹状部材の内周面に沿って摺動しうる可動板が設けられ、上記凹状部材の内周面と上記可動板の前壁面とで計量部が形成されるようになっているため、可動板を摺動させるだけで、上記収容部の容量を減少させ、計量部を任意の容量に設定することができる。そして、上記柄部の一側面に沿って摺動自在に容量調整部が設けられ、上記容量調整部の前進に伴い上記可動板が前方に回動して計量容積が減少し、上記容量調整部の後退に伴い上記可動板が初期位置に戻るように設定されているため、上記容量調整部を進退させるだけで、上記可動板を摺動させることができる。このため、簡単な操作で上記計量部の容量を変更することができ、操作性に優れている。また、上記柄部の他側面に沿って摺動自在に摺り切り部が設けられ、上記摺り切り部が、初期位置では上記計量部上面開口より後方に位置決めされ計量動作後前進して計量部から盛り上がった余剰の計量物を摺り切って除くよう設定されているため、正確な計量が簡単にできる。さらに、上記摺り切り部に、上記計量部と連通する計量物排出部が設けられ、計量された計量物が上記計量物排出部を経由して排出されるようになっているため、計量物を哺乳瓶等の容器に移す際に、手指の無理な動きがなく、簡単に計量物を移すことができる。よって、計量物排出部の開口端を細くして哺乳瓶等、口の小さな容器に合わせても、計量部自体の開口部は広くすることができるため、計量部の深みを小さくすることができる。このため、計量物を1回で全量をすくい入れた場合にも、内部に空洞ができたり、偏ったりすることなく、より正確に計量することができる。
【0011】
また、上記容量調整部が、上記柄部の裏面側に設けられている場合には、摺り切り部を摺動させる際等の操作時に、手指が上記容量調整部に不用意に当たって計量部の容量が変更されることを防止できるため、より計量の正確性を保つことができる。
【0012】
そして上記柄部に、容量調整部を保護するための保護部が設けられている場合には、摺り切り部を摺動させる等の操作時に、手指が不用意に当たって計量部の容量が変更されることを確実に防止できるため、より一層、計量の正確性を保つことができる。
【0013】
さらに、上記摺り切り部が、上記収容部の上面開口を覆う蓋体に形成されているとともに、計量物排出部が蓋体の一部を盛り上げ形成することにより形成されている場合には、上記摺り切り部および計量物排出部が計量部の上端開口部を覆うため、計量物をこぼすことがない。また、計量物排出部を経由する計量物を、哺乳瓶等の口の小さい容器にも移し易くなる。
【0014】
また、上記計量物排出部が、内側からみて断面半円状の凹溝に形成されている場合には、余剰の計量物を摺り切って除いた後、計量物を哺乳瓶等の容器に移す際、計量物をスムーズに移行させることができ、計量物を摺り切り部内に取り残すことがないため、計量の正確性がより保たれる。また、洗浄しやすい形状であるため、洗い残し等が発生せず、清浄性をより保つことができる。
【0015】
そして、上記計量物排出部の開口端が、上記収容部の外周縁から外方に突出している場合には、計量物排出部の突出部分を哺乳瓶等の開口縁部に沿わせ易くなり、計量物をこぼさずに移すことがより簡単にできるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の計量用具の一実施の形態を示す斜視図である。
【図2】上記計量用具の摺り切り部をスライドさせた状態を示す斜視図である。
【図3】上記計量用具を裏面側から見た状態を示す斜視図である。
【図4】上記計量用具の柄部および垂直壁部を示す斜視図である。
【図5】上記計量用具の柄部および垂直壁部を裏面側から見た状態を示す斜視図である。
【図6】(a)は上記計量用具の凹状部材を示す斜視図であり、(b)はその側面図である。
【図7】上記計量用具の可動板および容量調整部を示す斜視図である。
【図8】上記計量用具の可動板および容量調整部が連結された状態を示す斜視図である。
【図9】上記計量用具の摺り切り部を示す斜視図である。
【図10】上記計量用具の摺り切り部を裏面側から見た状態を示す斜視図である。
【図11】上記計量用具を組み立てる方法の説明図である。
【図12】上記計量用具を組み立てる方法の説明図である。
【図13】上記計量用具の計量部の容量を調整する際の動作説明図である。
【図14】上記計量用具で計量物をすくい取った状態を示す部分側面図である。
【図15】上記計量用具で計量物を摺り切り計量した状態を示す部分側面図である。
【図16】上記計量用具の可動板および容量調整部の連結状態の他の例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
つぎに、本発明を実施するための形態について説明する。ただし、本発明は、この実施の形態に限定されるものではない。
【0018】
図1は、本発明の一実施の形態である計量用具を示しており、図2は、その計量用具における摺り切り部を摺動させ、計量部が見える状態を示し、図3はこれを裏面側から示している。この実施の形態の計量用具は、粉ミルク計量用であり、前後に延びる柄部1と、上記柄部の前側に設けられる上面開口凹状の収容部14とを備えている。そして、この収容部14が、上記柄部1の前面に一体的に設けられる垂直壁部2と、この垂直壁部2に着脱自在に取り付けられる略1/4球殻状の凹状部材3とで構成されている。この凹状部材3の内側には、それ自体の上縁部が上記垂直壁部2に回動自在に取り付けられ他の縁部が上記凹状部材3の内周面に沿って摺動しうる可動板4が設けられ、上記凹状部材の内周面と上記可動板4の前壁面とで計量部5が形成されている。さらに、上記柄部1には、その裏側面に沿って摺動自在に容量調整部6が設けられており、上記容量調整部6の前進に伴い上記可動板4が前方に回動して計量部5の計量容積が減少し、上記容量調整部6の後退に伴い上記可動板4が初期位置に戻るようになっている。
【0019】
一方、上記柄部1の表側面に沿って摺動自在に摺り切り部7が設けられ、上記摺り切り部7が、初期位置では図2に示すように、上記計量部5上面開口より後方に位置決めされ、計量動作後、図1に示すように前進して計量部5から盛り上がった余剰の粉ミルクを摺り切って除くよう設定されている。また、上記摺り切り部7の摺動方向に略直交する部分に、摺り切り状態において上記計量部5と連通する計量物排出部8が設けられ、計量された粉ミルクが上記計量物排出部8を経由して排出されるようになっている。なお、これらの構成品の材質は、ポリプロピレン樹脂である。また、図1〜3において、各部分は模式的であり、実際の大きさとは異なっている(以下の図においても同じ)。
【0020】
より詳しく説明すると、上記柄部1は、図4および図5に示すように、平面視略長方形をした長板状をしており、上記柄部1の前端面には、垂直壁部2が一体的に形成されており、その後端部分には、計量用具を吊り下げるための貫通する貫通孔10が形成されている。また、柄部1の裏面には、この部分に取り付けられる容量調整部6を保護するための、柄部1の長手方向に沿った開口9aを有する保護部9が垂設されている。この保護部9の内側には、計量部5の容量を設定するための目盛り(図示せず)が刻設されている。
【0021】
上記垂直壁部2は、図4および図5に示すように、手前から見ると略半円状をしており、その中心部分に上記開口9aと一部が繋がる貫通孔2aが設けられている。この貫通孔2aは、上記可動板4および容量調整部6を取り付けるためのものである。また、垂直壁部2の外縁部は、手前側に環状に立ち上がっており、その周壁内側の左右上端の2箇所に、凹状部材3を取り付けるための凹条2bが形成されている。そして、上記左右の凹条2bのそれぞれ上側に、半円状の切欠2cが形成されている。
【0022】
また、上記垂直壁部2とともに収容部14(図1参照)を形成する上記凹状部材3は、斜視図を図6(a)に、側面図を図6(b)に示すように、略1/4球殻状をしており、上記垂直壁部2の凹条2bに対応する左右の位置に、これら凹条2bに嵌入される凸条3aが形成されている。また、凹状部材3の左右の上部の内側に、上記切欠2cに対応する半円状の切欠3bが形成されている。上記凹条2bと凸条3aを利用して、凹状部材3を垂直壁部2に取り付けると、上記半円状の切欠2cと半円状の切欠3bとが突き合わせられて、一つの円形の凹部が形成され、この部分に、以下に述べる可動板4の回転軸4aが、回動自在に保持されるようになっている。
【0023】
すなわち、上記可動板4は、図7に示すように、略半円状の板体の上部に回転軸4aが形成された構成になっており、この回転軸4aの両端が、上記垂直壁部2および凹状部材3の切欠2c、切欠3bとで形成された円形の凹部に係合して、回動自在に取り付けられるようになっている。そして、この可動板4の後壁面には、先端に設けた爪4d,4d’が互いに向き合うように連結壁4b,4b’が突出形成されている。さらに、可動板4の半円周縁4cには、合成ゴム材が取り付けられており、上記凹状部材3の内周面に沿って摺動させても、凹状部材3との当接状態が保たれ、粉ミルクが両者の間から漏れることがない。
【0024】
そして、上記収容部14において、この可動板4の前壁面と上記凹状部材3の内周面とで仕切られる空間が計量部5となり、その容量は、以下に述べる容量調整部6を操作することによって、調整可能になっている(図13参照)。
【0025】
上記容量調整部6は、図7に示すように、略長方体の先端部分の下側が、略逆L字状に突出するように形成されており、その略逆L字状部分を、上記連結壁4b,4b’の間に挿入することにより、図8に示すように、上記可動板4と連結されている。この場合、容量調整部6の先端上部の左右2箇所に設けた凸部6c(6c’)および後端下部の左右2箇所に設けた凸部6b(6b’)は、それ以上可動板4が摺動しないようにする当て止めとなり、上記可動板4の爪4d,4d’は、容量調整部6の抜け止めとなっている。
【0026】
上記容量調整部6は、柄部1の裏側面に沿って摺動自在に設けられており、容量調整部6を前進させると、上記可動板4が前方に回動して、上記計量部5の容積が減少し、後退させると、上記可動板4が初期位置に戻るようになっている。したがって、計量部5の容量を任意に調整することができる。なお、すでに述べたように、この容量調整部6を保護する上記保護部9の内側には目盛りが刻設されているため、上記容量調整部6に予め設けられている目印を、上記目盛りに合わせることにより、計量部5の容量を所望のものに設定することができる。
【0027】
一方、上記柄部1の表側面には、その面に沿って摺動自在に摺り切り部7が設けられている(図1、図2に戻る)。上記摺り切り部7は、図9および図10に示すように、上記計量部5(図2参照)の開口部よりもわずかに大きい略半円状の開口を有するドーム型をしており、凹状部材3および垂直壁部2に嵌合して、計量部5の上方開口を覆う蓋体に形成されている。摺り切り部7の後端部分には、垂直壁部2の後端部分に当接してそれ以上前に行かないようにしたストッパー部11が、摺り切り部7の開口面より下方に突出形成されている。したがって、摺り切りが完了すると、摺り切り部7がそれ以上前方に摺動しないようになっている。そして、上記摺り切り部7の摺動方向に略直交する部分には、内側からみて断面半円状の凹溝の計量物排出部8が形成されており、その半円状の開口端が、凹状部材3の外周縁から外方に突出している。
【0028】
上記摺り切り部7の後端部には、上記柄部1の長手方向に沿う摺動を簡単にするために、その外面からスライド部12が連設されている。このスライド部12は、図9および図10に示すように、摺り切り部7の開口面と平行で、その長軸と直交する方向に長い部材であり、その長手方向に垂直な断面が略U字をしており、この略U字の開口部を下方にしている。そして、スライド部12の先端部分(摺り切り部7側)には、上記柄部1に取り付けた際、これを保持するための保持部12aが垂設されており、この保持部12aの下側には、スライド部12が上方に外れないように係止片12cが形成されている。このスライド部12は、柄部1の後端部から着脱自在に取り付けることができる。また、スライド部12の後端部分には、手指を掛けるための突起12bが上方に突出形成されている。
【0029】
そして、この計量用具を組み立てるには、図11に示すように、まず、可動板4と容量調整部6とを連結する。これを、容量調整部6の後端側から上記垂直壁部2の貫通孔2aに挿入し、容量調整部6を保護部9内に収めるようにして取り付ける。ついで、図12に示すように、垂直壁部2の切欠2cに可動板4の回転軸4aを係合させ、凹状部材3の凸条3aと垂直壁部2の凹条2bとを嵌合させることにより、凹状部材3を垂直壁部2に取り付ける。そして、摺り切り部7を、柄部1の後方からスライド部12の係止片12cおよび突起12bを利用して取り付けることにより、計量用具の組立てが完了する。
【0030】
上記構成において、粉ミルクを計量する場合は、つぎのようにする。まず、上記容量調整部6を上記保護部9の内側の目盛りに合わせ前進あるいは後退させ、計量部5(上記可動板4の前壁面と上記凹状部材3の内周面とで仕切られる空間)の容量を所望の容量に決定する。すなわち、上記容量調整部6には、図13に示すように、可動板4が回転軸4aを中心に上記凹状部材3の内周面に沿って摺動するように連結されている。このため、上記容量調整部6を前後に移動させるだけで、計量部5の容量を任意に調整することができる。つぎに、上記スライド部12を後方に摺動させることにより、図2に示すように、上記摺り切り部7を上記計量部5の後方に位置させる。ついで、この状態のまま、図14に示すように、計量部5に粉ミルクQをすくい入れる。そして、スライド部12を前方に摺動させながら、摺り切り部7の前方部分で計量部5から盛り上がった余剰の粉ミルクQを摺り切って除いていく。最後に、図15に示すように、摺り切り部7を計量部5の上方に位置させて凹状部材3と垂直壁部2に嵌合するまでスライド部12を前方に摺動させることにより、計量部5から盛り上がった余剰の粉ミルクQを完全に摺り切って除く。このようにすることにより、粉ミルクQの計量が完了する。
【0031】
つぎに、計量した粉ミルクQを哺乳瓶に移す。この場合、まず、上記計量物排出部8の突出部分の下端を哺乳瓶の開口縁部上端に当接させる。ついで、上記計量用具を持つ手首を少し曲げることにより、計量物排出部8の開口端の開口を下方に向け、この開口を経由させて、粉ミルクを哺乳瓶の中に入れる。このようにすることにより、粉ミルクを哺乳瓶に移すことができる。
【0032】
なお、乳児の月齢が高くなる等して、1回に必要な粉ミルクの量が変更になる場合や、異なるメーカーの粉ミルクに変えたりして、計量すべき容量が他の容量となる場合には、容量調整部6を、保護部9の内側に刻設されている目盛りに合わせて前進あるいは後退するよう摺動するだけでよい。すなわち、容量調整部6を操作するだけで、可動板4が凹状部材3の内周面に沿って摺動するため、可動板4の前壁面と凹状部材3の内周面とでつくられる空間からなる計量部5の容量をワンタッチで所望の容量に変更できる(図13参照)。
【0033】
このように、この実施の形態の計量用具によれば、柄部1の一端に設けられた垂直壁部2に、略1/4球殻状の凹状部材3が、それ自体の内周壁と上記垂直壁部2とで収容部14を形成するように着脱自在に取り付けられているため、凹状部材3を取り外すことができ、粉ミルクQと接した箇所を簡単に洗浄できるため、清浄に保ちやすい。また、上記凹状部材3の内側に、それ自体の上縁部が上記垂直壁部2に回動自在に取り付けられ他の縁部が上記凹状部材3の内周面に沿って摺動しうる可動板4が設けられ、上記凹状部材3の内周面と上記可動板4の前壁面とで計量部5が形成されているため、可動板4を摺動させるだけで、上記収容部14の容量を減少させ、計量部5を任意の容量に設定することができる。そして、上記柄部1の上側面に沿って摺動自在に容量調整部6が設けられ、上記容量調整部6の前進に伴い上記可動板4が前方に回動して計量部5の容積が減少し、上記容量調整部6の後退に伴い上記可動板4が初期位置に戻るように設定されているため、簡単な操作で上記計量部5の容量を変更することができ、複数のスプーンや計量部を準備する必要がない。
【0034】
そして、上記柄部1にその長手方向に沿って摺動自在に取り付けられ上記計量部5から盛り上がった余剰の粉ミルクQを摺り切って除く摺り切り部7が設けられているため、正確な計量が簡単にできる。さらに、摺り切り部7の摺動方向に略直交する部分に設けられ摺り切り状態において上記計量部5と連通する計量物排出部8が設けられているため、粉ミルクQを哺乳瓶等の容器に移す際に、手指の無理な動きがなく、簡単に粉ミルクQを移すことができる。したがって、計量物排出部8の開口端の大きさを哺乳瓶等の容器の口の大きさに合わせることができるため、計量部5の開口部を広くすることができ、これにともなって、計量部5の深みを小さくすることができる。このため、粉ミルクQを1回で全量をすくい入れた場合にも、内部に空洞ができることがなくなるとともに、1回すくい入れただけで、計量部5に充分な量の粉ミルクQをすくい入れることができるようになる。
【0035】
また、上記容量調整部6が、上記柄部1の裏面側に設けられているため、摺り切り部7を摺動させる等の操作時に、手指が容量調整部6に不用意に当たって計量部5の容量が変更されることを防止でき、より計量の正確性が保つことができる。そして、上記柄部1に、容量調整部6を保護するための保護部9が設けられているため、摺り切り部7を摺動させる際等の操作時に、手指が容量調整部6に不用意に当たって計量部5の容量が変更されることを防止できるため、さらに計量の正確性を保つことができる。
【0036】
さらに、上記摺り切り部7が、上記垂直壁部2および凹状部材3からなる収容部14の上端開口部を覆う蓋体に形成されているとともに、計量物排出部8が蓋体の一部を盛り上げ形成することにより形成されているため、計量部5の上端開口部は上記摺り切り部7および計量物排出部8によって覆われており、上記計量物排出部8以外の部分から粉ミルクQがこぼれない。したがって、哺乳瓶等の口の小さい容器にも粉ミルクQを移し易い。
【0037】
そして、計量物排出部8は、摺り切り部7の開口部の長軸に沿って、すなわち、摺り切り部7の摺動方向に略直交して形成されているため、上記計量用具を持つ手首を少し曲げるだけで、計量物排出部8の開口端の開口を下方に向けて、粉ミルクQを哺乳瓶の中に入れることができる。また、計量物排出部8の開口は、対称的に2つ形成されているため、一方の開口から粉ミルクQを排出する際、他方の開口が空気流入口となり、粉ミルクQの排出をスムーズに行うことができる。
【0038】
さらに、上記摺り切り部7に設けられた計量物排出部8が、内側からみて断面半円状の凹溝に形成されているため、余剰の粉ミルクQを摺り切って除いた後、粉ミルクQを哺乳瓶等の容器に移す際、粉ミルクQを上記断面半円状の凹溝を利用して排出することもでき、これを摺り切り部7内に取り残すことがなく、より計量の正確性を保つことができる。また、断面半円状の凹溝に形成された部分が、洗浄しやすい形状であるため、洗い残しがなく、より清浄な状態を保つことができる。
【0039】
また、上記計量物排出部8の開口端が、上記垂直壁部2および凹状部材3からなる収容部14の外周縁から外方に突出しているため、計量物排出部8の突出部分を哺乳瓶等の開口縁部に沿わせ易く、粉ミルクQをこぼさずに移すことがより簡単にできる。
【0040】
そして、上記スライド部12には、上方に突出する突起12bが形成されているため、手指をその突起12bに掛けることができ、スライド部12を摺動させやすい。
【0041】
つぎに、図16は、上記の実施の形態において、上記可動板4と容量調整部6との連結を、継ぎ手13を介して行った変形例を示している。この形態においても、上記実施の形態と同様の作用、効果を奏する。さらに、継ぎ手13を介して両者を連結すると、可動板4の摺動がなめらかな動きになるため、より快適な操作ができるとともに、より正確な計量が可能となる。なお、上記継ぎ手13を介して両者を結合するには、互いの連結部にピンを挿入して連結してもよいし、互いの当接面に係合用の凹凸を設けて嵌合することにより連結してもよい。
【0042】
なお、上記の実施の形態では、計量用具の各構成品の材質をポリプロピレン樹脂としたが、これに代えて、他の合成樹脂、木、ステンレス等の金属等を用いることができる。また、計量用具の寸法も、使い易いように適宜決められる。
【0043】
また、上記の実施の形態では、計量物排出部8の開口は、摺り切り部7に2つ形成したが、1つでもよい。この場合、摺り切り部7の頂部等に空気流入口を設けることが好ましい。
【0044】
そして、上記の実施の形態では、摺り切り部7に、その摺動を簡単にするためにスライド部12を設けたが、スライド部12を設けずに、摺り切り部7を直接柄部1に対して摺動させてもよい。また、摺動させる手段は他の手段によってもよい。例えば、柄部1に、その長手方向に沿ってスリットを形成するとともに、摺り切り部7の後端部に、上記スリットに挿入する突出部材を設けるようにしてもよい。
【0045】
そして、上記の実施の形態では、保護部9の内側に目盛りを刻設したが、内側に限らずその他の部分、あるいは他の部材に目盛りを設けるようにしてもよい。また、その方法も刻設だけでなく、印刷等の他の手法で設けるようにしてもよい。
【0046】
さらに、上記の実施の形態では、粉ミルクを計量する場合を示したが、勿論、調味料や医薬品等のその他の粉状物,粒状物等を計量することもできる。
【産業上の利用可能性】
【0047】
本発明は、粉状物,粒状物等の計量物を計量するのに用いる計量用具として、好適に用いることができる。
【符号の説明】
【0048】
1 柄部
2 垂直壁部
3 凹状部材
4 可動板
5 計量部
6 容量調整部
7 摺り切り部
8 計量物排出部
【技術分野】
【0001】
本発明は、粉状物,粒状物等の計量物を計量するのに用いる計量用具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、調味料や医薬品等の粉状物等を計量する場合、計量スプーンが用いられる。この計量スプーンは、柄部の先端に設けられた計量部の容量が既知となっており、粉状物等の容量を計量する場合は、その計量部に粉状物等をすくい入れたのち、盛り上がった余剰の粉状物等を摺り切り棒で摺り切って除くことにより、正確な量が計量できるようになっている。
【0003】
例えば、乳児用の粉ミルクを計量する場合は、購入した粉ミルクに附属している計量スプーン(例えば、計量部の容量20mL)を用いて計量する。しかし、乳児の月齢が高くなるにつれて、1回に必要な粉ミルクの量が増えるため、計量スプーンで何回も繰り返し計量しなければならず、煩わしい。また、製造メーカーごとに粉ミルクの嵩が異なるため、異なる製造メーカーの粉ミルクを購入すると、そのメーカーの粉ミルクごとに適するスプーンを複数用いなければならず、やはり煩わしい。
【0004】
このような問題を解決するため、本発明の出願人らは、特許文献1に示すように、粉状物等の計量を正確かつ簡単に行うことができ、複数種類の容量を計量するのに便利な計量用具をすでに出願し、その特許権を得ている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第3220431号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記の計量用具は、容量の異なる複数種類の計量部を用意したもので、計量する容量を変更する際には、計量部を取り外し、所望の容量の計量部に付け替える必要がある。このため、計量する容量を変更する度、計量部を交換する手間がかかる上、使用しない計量部を紛失しないよう保管しなければならないため、さらに改良が求められている。
【0007】
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、複数種類の容量を計量する際、計量部を交換することなく、簡単な操作を行うだけで、目的の容量を計量することができる、使い勝手のよい計量用具の提供をその目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するため、本発明の計量用具は、前後に延びる柄部と、上記柄部の前側に設けられる上面開口凹状の収容部とを備え、上記収容部が、上記柄部の前端面に一体的に設けられる垂直壁部と、上記垂直壁部に着脱自在に取り付けられる略1/4球殻状の凹状部材とで構成され、上記凹状部材の内側に、それ自体の上縁部が上記垂直壁部に回動自在に取り付けられ他の縁部が上記凹状部材の内周面に沿って摺動しうる可動板が設けられ、上記凹状部材の内周面と上記可動板の前壁面とで計量部が形成されるようになっており、上記柄部の一側面に沿って摺動自在に容量調整部が設けられ、上記容量調整部の前進に伴い上記可動板が前方に回動して計量容積が減少し、上記容量調整部の後退に伴い上記可動板が初期位置に戻るように設定されているとともに、上記柄部の他側面に沿って摺動自在に摺り切り部が設けられ、上記摺り切り部が、初期位置では上記計量部上面開口より後方に位置決めされ計量動作後前進して計量部から盛り上がった余剰の計量物を摺り切って除くよう設定され、かつ上記摺り切り部の摺動方向に略直交する部分に、摺り切り状態において上記計量部と連通する計量物排出部が設けられ、計量された計量物が上記計量物排出部を経由して排出されるようになっていることをその要旨とする。
【0009】
本発明者らは、乳児の月齢が高くなるにつれて、1回に必要な粉ミルクの量が増えるため、計量スプーンで何回も繰り返し計量しなければならないという問題、および、異なる製造メーカーの粉ミルクごとに適するスプーンを複数準備する必要がある等の問題を解決すべく研究を重ねた。そして、その過程で、計量部の容量を任意の量に調整できるようにすると、計量スプーンで何回も繰り返し計量したり、複数の計量部を準備したりする必要がなくなるのではないかと考え、さらに研究を重ねた。その結果、スプーンの形状を、柄部の前側に設けた垂直壁部に略1/4球殻状の凹状部材を着脱自在に取り付けて収容部を形成し、この収容部の容量を、それ自体の上縁部を上記垂直壁部に回動自在に取り付け他の縁部を上記凹状部材の内周面に沿って摺動する可動板を取り付け、この可動板を動かすことで任意の容量を設定することができる計量部とすることにより、計量スプーンで何回も繰り返し計量したり、複数の計量部を準備する必要がなくなることを突き止めた。そして、このスプーンに、計量部から盛り上がった余剰の計量物を摺り切って除く摺り切り部およびこの摺り切り部に摺り切り状態で計量部と連通する計量物排出部を設け、計量された計量物をこの計量物排出部を経由して排出するようにすると、簡単な操作で所望の容量を正確に計量できるとともに、計量後の計量物を他の容器に容易に移すことができることを突き止め、本発明に到達した。
【発明の効果】
【0010】
このように、本発明の計量用具は、前後に延びる柄部と、上記柄部の前側に設けられる上面開口凹状の収容部とを備え、上記収容部が、上記柄部の前端面に一体的に設けられる垂直壁部と、上記垂直壁部に着脱自在に取り付けられる略1/4球殻状の凹状部材とで構成されている。このため、凹状部材を垂直壁部から取り外すだけで、計量物と接した個所を簡単に洗浄できるため、清浄に保ちやすく、使い勝手がよい。また、上記凹状部材の内側に、上記凹状部材の内周面に沿って摺動しうる可動板が設けられ、上記凹状部材の内周面と上記可動板の前壁面とで計量部が形成されるようになっているため、可動板を摺動させるだけで、上記収容部の容量を減少させ、計量部を任意の容量に設定することができる。そして、上記柄部の一側面に沿って摺動自在に容量調整部が設けられ、上記容量調整部の前進に伴い上記可動板が前方に回動して計量容積が減少し、上記容量調整部の後退に伴い上記可動板が初期位置に戻るように設定されているため、上記容量調整部を進退させるだけで、上記可動板を摺動させることができる。このため、簡単な操作で上記計量部の容量を変更することができ、操作性に優れている。また、上記柄部の他側面に沿って摺動自在に摺り切り部が設けられ、上記摺り切り部が、初期位置では上記計量部上面開口より後方に位置決めされ計量動作後前進して計量部から盛り上がった余剰の計量物を摺り切って除くよう設定されているため、正確な計量が簡単にできる。さらに、上記摺り切り部に、上記計量部と連通する計量物排出部が設けられ、計量された計量物が上記計量物排出部を経由して排出されるようになっているため、計量物を哺乳瓶等の容器に移す際に、手指の無理な動きがなく、簡単に計量物を移すことができる。よって、計量物排出部の開口端を細くして哺乳瓶等、口の小さな容器に合わせても、計量部自体の開口部は広くすることができるため、計量部の深みを小さくすることができる。このため、計量物を1回で全量をすくい入れた場合にも、内部に空洞ができたり、偏ったりすることなく、より正確に計量することができる。
【0011】
また、上記容量調整部が、上記柄部の裏面側に設けられている場合には、摺り切り部を摺動させる際等の操作時に、手指が上記容量調整部に不用意に当たって計量部の容量が変更されることを防止できるため、より計量の正確性を保つことができる。
【0012】
そして上記柄部に、容量調整部を保護するための保護部が設けられている場合には、摺り切り部を摺動させる等の操作時に、手指が不用意に当たって計量部の容量が変更されることを確実に防止できるため、より一層、計量の正確性を保つことができる。
【0013】
さらに、上記摺り切り部が、上記収容部の上面開口を覆う蓋体に形成されているとともに、計量物排出部が蓋体の一部を盛り上げ形成することにより形成されている場合には、上記摺り切り部および計量物排出部が計量部の上端開口部を覆うため、計量物をこぼすことがない。また、計量物排出部を経由する計量物を、哺乳瓶等の口の小さい容器にも移し易くなる。
【0014】
また、上記計量物排出部が、内側からみて断面半円状の凹溝に形成されている場合には、余剰の計量物を摺り切って除いた後、計量物を哺乳瓶等の容器に移す際、計量物をスムーズに移行させることができ、計量物を摺り切り部内に取り残すことがないため、計量の正確性がより保たれる。また、洗浄しやすい形状であるため、洗い残し等が発生せず、清浄性をより保つことができる。
【0015】
そして、上記計量物排出部の開口端が、上記収容部の外周縁から外方に突出している場合には、計量物排出部の突出部分を哺乳瓶等の開口縁部に沿わせ易くなり、計量物をこぼさずに移すことがより簡単にできるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の計量用具の一実施の形態を示す斜視図である。
【図2】上記計量用具の摺り切り部をスライドさせた状態を示す斜視図である。
【図3】上記計量用具を裏面側から見た状態を示す斜視図である。
【図4】上記計量用具の柄部および垂直壁部を示す斜視図である。
【図5】上記計量用具の柄部および垂直壁部を裏面側から見た状態を示す斜視図である。
【図6】(a)は上記計量用具の凹状部材を示す斜視図であり、(b)はその側面図である。
【図7】上記計量用具の可動板および容量調整部を示す斜視図である。
【図8】上記計量用具の可動板および容量調整部が連結された状態を示す斜視図である。
【図9】上記計量用具の摺り切り部を示す斜視図である。
【図10】上記計量用具の摺り切り部を裏面側から見た状態を示す斜視図である。
【図11】上記計量用具を組み立てる方法の説明図である。
【図12】上記計量用具を組み立てる方法の説明図である。
【図13】上記計量用具の計量部の容量を調整する際の動作説明図である。
【図14】上記計量用具で計量物をすくい取った状態を示す部分側面図である。
【図15】上記計量用具で計量物を摺り切り計量した状態を示す部分側面図である。
【図16】上記計量用具の可動板および容量調整部の連結状態の他の例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
つぎに、本発明を実施するための形態について説明する。ただし、本発明は、この実施の形態に限定されるものではない。
【0018】
図1は、本発明の一実施の形態である計量用具を示しており、図2は、その計量用具における摺り切り部を摺動させ、計量部が見える状態を示し、図3はこれを裏面側から示している。この実施の形態の計量用具は、粉ミルク計量用であり、前後に延びる柄部1と、上記柄部の前側に設けられる上面開口凹状の収容部14とを備えている。そして、この収容部14が、上記柄部1の前面に一体的に設けられる垂直壁部2と、この垂直壁部2に着脱自在に取り付けられる略1/4球殻状の凹状部材3とで構成されている。この凹状部材3の内側には、それ自体の上縁部が上記垂直壁部2に回動自在に取り付けられ他の縁部が上記凹状部材3の内周面に沿って摺動しうる可動板4が設けられ、上記凹状部材の内周面と上記可動板4の前壁面とで計量部5が形成されている。さらに、上記柄部1には、その裏側面に沿って摺動自在に容量調整部6が設けられており、上記容量調整部6の前進に伴い上記可動板4が前方に回動して計量部5の計量容積が減少し、上記容量調整部6の後退に伴い上記可動板4が初期位置に戻るようになっている。
【0019】
一方、上記柄部1の表側面に沿って摺動自在に摺り切り部7が設けられ、上記摺り切り部7が、初期位置では図2に示すように、上記計量部5上面開口より後方に位置決めされ、計量動作後、図1に示すように前進して計量部5から盛り上がった余剰の粉ミルクを摺り切って除くよう設定されている。また、上記摺り切り部7の摺動方向に略直交する部分に、摺り切り状態において上記計量部5と連通する計量物排出部8が設けられ、計量された粉ミルクが上記計量物排出部8を経由して排出されるようになっている。なお、これらの構成品の材質は、ポリプロピレン樹脂である。また、図1〜3において、各部分は模式的であり、実際の大きさとは異なっている(以下の図においても同じ)。
【0020】
より詳しく説明すると、上記柄部1は、図4および図5に示すように、平面視略長方形をした長板状をしており、上記柄部1の前端面には、垂直壁部2が一体的に形成されており、その後端部分には、計量用具を吊り下げるための貫通する貫通孔10が形成されている。また、柄部1の裏面には、この部分に取り付けられる容量調整部6を保護するための、柄部1の長手方向に沿った開口9aを有する保護部9が垂設されている。この保護部9の内側には、計量部5の容量を設定するための目盛り(図示せず)が刻設されている。
【0021】
上記垂直壁部2は、図4および図5に示すように、手前から見ると略半円状をしており、その中心部分に上記開口9aと一部が繋がる貫通孔2aが設けられている。この貫通孔2aは、上記可動板4および容量調整部6を取り付けるためのものである。また、垂直壁部2の外縁部は、手前側に環状に立ち上がっており、その周壁内側の左右上端の2箇所に、凹状部材3を取り付けるための凹条2bが形成されている。そして、上記左右の凹条2bのそれぞれ上側に、半円状の切欠2cが形成されている。
【0022】
また、上記垂直壁部2とともに収容部14(図1参照)を形成する上記凹状部材3は、斜視図を図6(a)に、側面図を図6(b)に示すように、略1/4球殻状をしており、上記垂直壁部2の凹条2bに対応する左右の位置に、これら凹条2bに嵌入される凸条3aが形成されている。また、凹状部材3の左右の上部の内側に、上記切欠2cに対応する半円状の切欠3bが形成されている。上記凹条2bと凸条3aを利用して、凹状部材3を垂直壁部2に取り付けると、上記半円状の切欠2cと半円状の切欠3bとが突き合わせられて、一つの円形の凹部が形成され、この部分に、以下に述べる可動板4の回転軸4aが、回動自在に保持されるようになっている。
【0023】
すなわち、上記可動板4は、図7に示すように、略半円状の板体の上部に回転軸4aが形成された構成になっており、この回転軸4aの両端が、上記垂直壁部2および凹状部材3の切欠2c、切欠3bとで形成された円形の凹部に係合して、回動自在に取り付けられるようになっている。そして、この可動板4の後壁面には、先端に設けた爪4d,4d’が互いに向き合うように連結壁4b,4b’が突出形成されている。さらに、可動板4の半円周縁4cには、合成ゴム材が取り付けられており、上記凹状部材3の内周面に沿って摺動させても、凹状部材3との当接状態が保たれ、粉ミルクが両者の間から漏れることがない。
【0024】
そして、上記収容部14において、この可動板4の前壁面と上記凹状部材3の内周面とで仕切られる空間が計量部5となり、その容量は、以下に述べる容量調整部6を操作することによって、調整可能になっている(図13参照)。
【0025】
上記容量調整部6は、図7に示すように、略長方体の先端部分の下側が、略逆L字状に突出するように形成されており、その略逆L字状部分を、上記連結壁4b,4b’の間に挿入することにより、図8に示すように、上記可動板4と連結されている。この場合、容量調整部6の先端上部の左右2箇所に設けた凸部6c(6c’)および後端下部の左右2箇所に設けた凸部6b(6b’)は、それ以上可動板4が摺動しないようにする当て止めとなり、上記可動板4の爪4d,4d’は、容量調整部6の抜け止めとなっている。
【0026】
上記容量調整部6は、柄部1の裏側面に沿って摺動自在に設けられており、容量調整部6を前進させると、上記可動板4が前方に回動して、上記計量部5の容積が減少し、後退させると、上記可動板4が初期位置に戻るようになっている。したがって、計量部5の容量を任意に調整することができる。なお、すでに述べたように、この容量調整部6を保護する上記保護部9の内側には目盛りが刻設されているため、上記容量調整部6に予め設けられている目印を、上記目盛りに合わせることにより、計量部5の容量を所望のものに設定することができる。
【0027】
一方、上記柄部1の表側面には、その面に沿って摺動自在に摺り切り部7が設けられている(図1、図2に戻る)。上記摺り切り部7は、図9および図10に示すように、上記計量部5(図2参照)の開口部よりもわずかに大きい略半円状の開口を有するドーム型をしており、凹状部材3および垂直壁部2に嵌合して、計量部5の上方開口を覆う蓋体に形成されている。摺り切り部7の後端部分には、垂直壁部2の後端部分に当接してそれ以上前に行かないようにしたストッパー部11が、摺り切り部7の開口面より下方に突出形成されている。したがって、摺り切りが完了すると、摺り切り部7がそれ以上前方に摺動しないようになっている。そして、上記摺り切り部7の摺動方向に略直交する部分には、内側からみて断面半円状の凹溝の計量物排出部8が形成されており、その半円状の開口端が、凹状部材3の外周縁から外方に突出している。
【0028】
上記摺り切り部7の後端部には、上記柄部1の長手方向に沿う摺動を簡単にするために、その外面からスライド部12が連設されている。このスライド部12は、図9および図10に示すように、摺り切り部7の開口面と平行で、その長軸と直交する方向に長い部材であり、その長手方向に垂直な断面が略U字をしており、この略U字の開口部を下方にしている。そして、スライド部12の先端部分(摺り切り部7側)には、上記柄部1に取り付けた際、これを保持するための保持部12aが垂設されており、この保持部12aの下側には、スライド部12が上方に外れないように係止片12cが形成されている。このスライド部12は、柄部1の後端部から着脱自在に取り付けることができる。また、スライド部12の後端部分には、手指を掛けるための突起12bが上方に突出形成されている。
【0029】
そして、この計量用具を組み立てるには、図11に示すように、まず、可動板4と容量調整部6とを連結する。これを、容量調整部6の後端側から上記垂直壁部2の貫通孔2aに挿入し、容量調整部6を保護部9内に収めるようにして取り付ける。ついで、図12に示すように、垂直壁部2の切欠2cに可動板4の回転軸4aを係合させ、凹状部材3の凸条3aと垂直壁部2の凹条2bとを嵌合させることにより、凹状部材3を垂直壁部2に取り付ける。そして、摺り切り部7を、柄部1の後方からスライド部12の係止片12cおよび突起12bを利用して取り付けることにより、計量用具の組立てが完了する。
【0030】
上記構成において、粉ミルクを計量する場合は、つぎのようにする。まず、上記容量調整部6を上記保護部9の内側の目盛りに合わせ前進あるいは後退させ、計量部5(上記可動板4の前壁面と上記凹状部材3の内周面とで仕切られる空間)の容量を所望の容量に決定する。すなわち、上記容量調整部6には、図13に示すように、可動板4が回転軸4aを中心に上記凹状部材3の内周面に沿って摺動するように連結されている。このため、上記容量調整部6を前後に移動させるだけで、計量部5の容量を任意に調整することができる。つぎに、上記スライド部12を後方に摺動させることにより、図2に示すように、上記摺り切り部7を上記計量部5の後方に位置させる。ついで、この状態のまま、図14に示すように、計量部5に粉ミルクQをすくい入れる。そして、スライド部12を前方に摺動させながら、摺り切り部7の前方部分で計量部5から盛り上がった余剰の粉ミルクQを摺り切って除いていく。最後に、図15に示すように、摺り切り部7を計量部5の上方に位置させて凹状部材3と垂直壁部2に嵌合するまでスライド部12を前方に摺動させることにより、計量部5から盛り上がった余剰の粉ミルクQを完全に摺り切って除く。このようにすることにより、粉ミルクQの計量が完了する。
【0031】
つぎに、計量した粉ミルクQを哺乳瓶に移す。この場合、まず、上記計量物排出部8の突出部分の下端を哺乳瓶の開口縁部上端に当接させる。ついで、上記計量用具を持つ手首を少し曲げることにより、計量物排出部8の開口端の開口を下方に向け、この開口を経由させて、粉ミルクを哺乳瓶の中に入れる。このようにすることにより、粉ミルクを哺乳瓶に移すことができる。
【0032】
なお、乳児の月齢が高くなる等して、1回に必要な粉ミルクの量が変更になる場合や、異なるメーカーの粉ミルクに変えたりして、計量すべき容量が他の容量となる場合には、容量調整部6を、保護部9の内側に刻設されている目盛りに合わせて前進あるいは後退するよう摺動するだけでよい。すなわち、容量調整部6を操作するだけで、可動板4が凹状部材3の内周面に沿って摺動するため、可動板4の前壁面と凹状部材3の内周面とでつくられる空間からなる計量部5の容量をワンタッチで所望の容量に変更できる(図13参照)。
【0033】
このように、この実施の形態の計量用具によれば、柄部1の一端に設けられた垂直壁部2に、略1/4球殻状の凹状部材3が、それ自体の内周壁と上記垂直壁部2とで収容部14を形成するように着脱自在に取り付けられているため、凹状部材3を取り外すことができ、粉ミルクQと接した箇所を簡単に洗浄できるため、清浄に保ちやすい。また、上記凹状部材3の内側に、それ自体の上縁部が上記垂直壁部2に回動自在に取り付けられ他の縁部が上記凹状部材3の内周面に沿って摺動しうる可動板4が設けられ、上記凹状部材3の内周面と上記可動板4の前壁面とで計量部5が形成されているため、可動板4を摺動させるだけで、上記収容部14の容量を減少させ、計量部5を任意の容量に設定することができる。そして、上記柄部1の上側面に沿って摺動自在に容量調整部6が設けられ、上記容量調整部6の前進に伴い上記可動板4が前方に回動して計量部5の容積が減少し、上記容量調整部6の後退に伴い上記可動板4が初期位置に戻るように設定されているため、簡単な操作で上記計量部5の容量を変更することができ、複数のスプーンや計量部を準備する必要がない。
【0034】
そして、上記柄部1にその長手方向に沿って摺動自在に取り付けられ上記計量部5から盛り上がった余剰の粉ミルクQを摺り切って除く摺り切り部7が設けられているため、正確な計量が簡単にできる。さらに、摺り切り部7の摺動方向に略直交する部分に設けられ摺り切り状態において上記計量部5と連通する計量物排出部8が設けられているため、粉ミルクQを哺乳瓶等の容器に移す際に、手指の無理な動きがなく、簡単に粉ミルクQを移すことができる。したがって、計量物排出部8の開口端の大きさを哺乳瓶等の容器の口の大きさに合わせることができるため、計量部5の開口部を広くすることができ、これにともなって、計量部5の深みを小さくすることができる。このため、粉ミルクQを1回で全量をすくい入れた場合にも、内部に空洞ができることがなくなるとともに、1回すくい入れただけで、計量部5に充分な量の粉ミルクQをすくい入れることができるようになる。
【0035】
また、上記容量調整部6が、上記柄部1の裏面側に設けられているため、摺り切り部7を摺動させる等の操作時に、手指が容量調整部6に不用意に当たって計量部5の容量が変更されることを防止でき、より計量の正確性が保つことができる。そして、上記柄部1に、容量調整部6を保護するための保護部9が設けられているため、摺り切り部7を摺動させる際等の操作時に、手指が容量調整部6に不用意に当たって計量部5の容量が変更されることを防止できるため、さらに計量の正確性を保つことができる。
【0036】
さらに、上記摺り切り部7が、上記垂直壁部2および凹状部材3からなる収容部14の上端開口部を覆う蓋体に形成されているとともに、計量物排出部8が蓋体の一部を盛り上げ形成することにより形成されているため、計量部5の上端開口部は上記摺り切り部7および計量物排出部8によって覆われており、上記計量物排出部8以外の部分から粉ミルクQがこぼれない。したがって、哺乳瓶等の口の小さい容器にも粉ミルクQを移し易い。
【0037】
そして、計量物排出部8は、摺り切り部7の開口部の長軸に沿って、すなわち、摺り切り部7の摺動方向に略直交して形成されているため、上記計量用具を持つ手首を少し曲げるだけで、計量物排出部8の開口端の開口を下方に向けて、粉ミルクQを哺乳瓶の中に入れることができる。また、計量物排出部8の開口は、対称的に2つ形成されているため、一方の開口から粉ミルクQを排出する際、他方の開口が空気流入口となり、粉ミルクQの排出をスムーズに行うことができる。
【0038】
さらに、上記摺り切り部7に設けられた計量物排出部8が、内側からみて断面半円状の凹溝に形成されているため、余剰の粉ミルクQを摺り切って除いた後、粉ミルクQを哺乳瓶等の容器に移す際、粉ミルクQを上記断面半円状の凹溝を利用して排出することもでき、これを摺り切り部7内に取り残すことがなく、より計量の正確性を保つことができる。また、断面半円状の凹溝に形成された部分が、洗浄しやすい形状であるため、洗い残しがなく、より清浄な状態を保つことができる。
【0039】
また、上記計量物排出部8の開口端が、上記垂直壁部2および凹状部材3からなる収容部14の外周縁から外方に突出しているため、計量物排出部8の突出部分を哺乳瓶等の開口縁部に沿わせ易く、粉ミルクQをこぼさずに移すことがより簡単にできる。
【0040】
そして、上記スライド部12には、上方に突出する突起12bが形成されているため、手指をその突起12bに掛けることができ、スライド部12を摺動させやすい。
【0041】
つぎに、図16は、上記の実施の形態において、上記可動板4と容量調整部6との連結を、継ぎ手13を介して行った変形例を示している。この形態においても、上記実施の形態と同様の作用、効果を奏する。さらに、継ぎ手13を介して両者を連結すると、可動板4の摺動がなめらかな動きになるため、より快適な操作ができるとともに、より正確な計量が可能となる。なお、上記継ぎ手13を介して両者を結合するには、互いの連結部にピンを挿入して連結してもよいし、互いの当接面に係合用の凹凸を設けて嵌合することにより連結してもよい。
【0042】
なお、上記の実施の形態では、計量用具の各構成品の材質をポリプロピレン樹脂としたが、これに代えて、他の合成樹脂、木、ステンレス等の金属等を用いることができる。また、計量用具の寸法も、使い易いように適宜決められる。
【0043】
また、上記の実施の形態では、計量物排出部8の開口は、摺り切り部7に2つ形成したが、1つでもよい。この場合、摺り切り部7の頂部等に空気流入口を設けることが好ましい。
【0044】
そして、上記の実施の形態では、摺り切り部7に、その摺動を簡単にするためにスライド部12を設けたが、スライド部12を設けずに、摺り切り部7を直接柄部1に対して摺動させてもよい。また、摺動させる手段は他の手段によってもよい。例えば、柄部1に、その長手方向に沿ってスリットを形成するとともに、摺り切り部7の後端部に、上記スリットに挿入する突出部材を設けるようにしてもよい。
【0045】
そして、上記の実施の形態では、保護部9の内側に目盛りを刻設したが、内側に限らずその他の部分、あるいは他の部材に目盛りを設けるようにしてもよい。また、その方法も刻設だけでなく、印刷等の他の手法で設けるようにしてもよい。
【0046】
さらに、上記の実施の形態では、粉ミルクを計量する場合を示したが、勿論、調味料や医薬品等のその他の粉状物,粒状物等を計量することもできる。
【産業上の利用可能性】
【0047】
本発明は、粉状物,粒状物等の計量物を計量するのに用いる計量用具として、好適に用いることができる。
【符号の説明】
【0048】
1 柄部
2 垂直壁部
3 凹状部材
4 可動板
5 計量部
6 容量調整部
7 摺り切り部
8 計量物排出部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
前後に延びる柄部と、上記柄部の前側に設けられる上面開口凹状の収容部とを備え、上記収容部が、上記柄部の前端面に一体的に設けられる垂直壁部と、上記垂直壁部に着脱自在に取り付けられる略1/4球殻状の凹状部材とで構成され、上記凹状部材の内側に、それ自体の上縁部が上記垂直壁部に回動自在に取り付けられ他の縁部が上記凹状部材の内周面に沿って摺動しうる可動板が設けられ、上記凹状部材の内周面と上記可動板の前壁面とで計量部が形成されるようになっており、上記柄部の一側面に沿って摺動自在に容量調整部が設けられ、上記容量調整部の前進に伴い上記可動板が前方に回動して計量容積が減少し、上記容量調整部の後退に伴い上記可動板が初期位置に戻るように設定されているとともに、上記柄部の他側面に沿って摺動自在に摺り切り部が設けられ、上記摺り切り部が、初期位置では上記計量部上面開口より後方に位置決めされ計量動作後前進して計量部から盛り上がった余剰の計量物を摺り切って除くよう設定され、かつ上記摺り切り部の摺動方向に略直交する部分に、摺り切り状態において上記計量部と連通する計量物排出部が設けられ、計量された計量物が上記計量物排出部を経由して排出されるようになっていることを特徴とする計量用具。
【請求項2】
上記容量調整部が、上記柄部の裏面側に設けられている請求項1記載の計量用具。
【請求項3】
上記柄部に、容量調整部を保護するための保護部が設けられている請求項1または2記載の計量用具。
【請求項4】
上記摺り切り部が、上記収容部の上面開口を覆う蓋体に形成されているとともに、計量物排出部が蓋体の一部を盛り上げ形成することにより形成されている請求項1〜3のいずれか一項に記載の計量用具。
【請求項5】
上記計量物排出部が、内側からみて断面半円状の凹溝に形成されている請求項1〜4のいずれか一項に記載の計量用具。
【請求項6】
上記計量物排出部の開口端が、上記収容部の外周縁から外方に突出している請求項1〜5のいずれか一項に記載の計量用具。
【請求項1】
前後に延びる柄部と、上記柄部の前側に設けられる上面開口凹状の収容部とを備え、上記収容部が、上記柄部の前端面に一体的に設けられる垂直壁部と、上記垂直壁部に着脱自在に取り付けられる略1/4球殻状の凹状部材とで構成され、上記凹状部材の内側に、それ自体の上縁部が上記垂直壁部に回動自在に取り付けられ他の縁部が上記凹状部材の内周面に沿って摺動しうる可動板が設けられ、上記凹状部材の内周面と上記可動板の前壁面とで計量部が形成されるようになっており、上記柄部の一側面に沿って摺動自在に容量調整部が設けられ、上記容量調整部の前進に伴い上記可動板が前方に回動して計量容積が減少し、上記容量調整部の後退に伴い上記可動板が初期位置に戻るように設定されているとともに、上記柄部の他側面に沿って摺動自在に摺り切り部が設けられ、上記摺り切り部が、初期位置では上記計量部上面開口より後方に位置決めされ計量動作後前進して計量部から盛り上がった余剰の計量物を摺り切って除くよう設定され、かつ上記摺り切り部の摺動方向に略直交する部分に、摺り切り状態において上記計量部と連通する計量物排出部が設けられ、計量された計量物が上記計量物排出部を経由して排出されるようになっていることを特徴とする計量用具。
【請求項2】
上記容量調整部が、上記柄部の裏面側に設けられている請求項1記載の計量用具。
【請求項3】
上記柄部に、容量調整部を保護するための保護部が設けられている請求項1または2記載の計量用具。
【請求項4】
上記摺り切り部が、上記収容部の上面開口を覆う蓋体に形成されているとともに、計量物排出部が蓋体の一部を盛り上げ形成することにより形成されている請求項1〜3のいずれか一項に記載の計量用具。
【請求項5】
上記計量物排出部が、内側からみて断面半円状の凹溝に形成されている請求項1〜4のいずれか一項に記載の計量用具。
【請求項6】
上記計量物排出部の開口端が、上記収容部の外周縁から外方に突出している請求項1〜5のいずれか一項に記載の計量用具。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2013−2876(P2013−2876A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−132353(P2011−132353)
【出願日】平成23年6月14日(2011.6.14)
【出願人】(000158781)紀伊産業株式会社 (327)
【出願人】(000112299)ピップ株式会社 (46)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年6月14日(2011.6.14)
【出願人】(000158781)紀伊産業株式会社 (327)
【出願人】(000112299)ピップ株式会社 (46)
【Fターム(参考)】
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