説明

計量装置

【課題】容器の風袋重量を別途オペレータが計算する必要がなく、かつ、複数個の容器に入れた被計量物の正味重量を一回の計量で求めることのできる計量装置を提供する。
【解決手段】計量値から風袋重量を減算した正味重量を算出する計量装置に関する。被計量物の重量を計量した計量値を得るための計量手段と、風袋重量を減算するために押下される1以上の風袋キー32と、押下した風袋キー32に相当する風袋重量が積算された風袋重量の積算値を、前記計量値から減算して正味重量を求める演算手段とを備えたことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被計量物の計量に用いる計量装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、たとえば、デパートの地下食品売り場など、商品の対面販売を行っている店舗では、商品の計り売りが行なわれている場合がある。前記計り売りの際には、顧客の所望する商品が所定の容器(風袋)に詰められた後、計量装置で計量されて商品の価格が算出される。前記計量装置は、風袋を含んだ被計量物の計量値から風袋重量を減算して商品の正味重量を求め、当該正味重量に基づいて価格の算出を行う。
【0003】
ここで、風袋重量の入力の手間を省くために、風袋重量に対応する風袋キーを予め設けておき、オペレータ(販売員)が当該風袋キーを押下することにより、風袋重量の入力が行われる計量装置が提案されている(特許文献1)。
【特許文献1】特公昭59−23367号(第1頁)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
100g当たりの単価が同じ商品を商品ごとに容器を分けて詰め合わせるバイキング形式の商品がある。かかる場合、前記従来の装置では、各容器毎に計量を分けて行い、該計量毎に前記風袋キーを押して正味重量を算出する必要があり、煩雑である。
一方、一度に商品の計量を行おうとすれば、複数の容器の風袋重量をオペレータ自身が加算し、暗算によって求めた風袋重量の合計をテンキーなどを用いて入力する必要がある。そのため、計算間違いが生じて、商品価格に間違いが生じるおそれがある。
【0005】
したがって、本発明の目的は、容器の風袋重量を別途オペレータが計算する必要がなく、かつ、複数個の容器に入れた被計量物の正味重量を一回の計量で求めることのできる計量装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するために、本発明は、計量値から風袋重量を減算した正味重量を算出する計量装置において、被計量物の重量を計量した計量値を得るための計量手段と、風袋重量を減算するために押下される1以上の風袋キーと、押下した風袋キーに相当する風袋重量が積算された風袋重量の積算値を、前記計量値から減算して正味重量を求める演算手段とを備えている。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、複数の容器の風袋重量を別途オペレータが計算する必要がないので、オペレータの負担が減ると共に、計量ミスを防止することができる。
また、複数個の風袋に入れた被計量物の正味重量を一回の計量で求めることができるから、処理の大幅な迅速化を図り得る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明においては、前記風袋キーが風袋重量の種類に応じて複数種類設けられているのが好ましい。
本態様によれば、複数種類の容器がある場合に、当該複数種類の容器の重量を各風袋キーを押下することにより簡便に減算することができる。
【0009】
本発明においては、前記風袋キーの押下と、当該風袋キーに相当する風袋の数の指定とによって、当該風袋キーに相当する風袋重量に前記風袋の指定数を乗算した値を求める機能を前記演算手段が備えているのが好ましい。
本態様によれば、同一重量の容器を複数個用いた場合に、これら複数個の風袋重量の減算処理を行うことができる。
なお、同一容器の指定方法としては、たとえば、風袋キーを複数回押下することによってもよいし、風袋キーを押した後、テンキーなどで容器の個数を指定することで行ってもよい。
また、「風袋重量に前記風袋の指定数を乗算した値」を求める方法としては、たとえば、風袋重量に前記指定数を乗算して求めてもよいし、風袋重量を指定数の回数分加算して求めてもよい。
【0010】
本発明においては、前記減算される風袋重量と、当該風袋の数とを表示する表示手段を更に備えているのが好ましい。
本態様によれば、風袋引きされる容器の重量と数を確認することができるから、計量ミスを確実に防止することができる。
【0011】
本発明においては、オペレータが見るための第1表示手段と、買物客が見るための第2表示手段とを更に備え、前記減算される風袋についての風袋重量と、当該風袋の数とを前記第1および第2表示器の双方に表示するのが好ましい。
本態様によれば、風袋引きされる容器の重量と数をオペレータだけでなく買物客も確認することができるから、計量ミスを確実に防止することとができる上、買物客も風袋引きされているか否か分かるので安心で、店の信頼感も高まる。
【0012】
本発明においては、前記減算された風袋重量と、当該風袋の数とをラベルおよび/またはレシートに印字する印字手段を更に備えているのが好ましい。
本態様によれば、風袋引きされた容器の重量と数を購入後に確認することができるから、店の信用が高まると共に、トラブルの発生を未然に防止することができる。
【0013】
本発明においては、前記演算手段は、前記風袋重量の積算値を演算する第1演算手段と、前記計量値から前記積算値を減算する第2演算手段とを包含するのが好ましい。
本態様によれば、風袋の合計を表示ないし出力することができる。
【0014】
本発明においては、前記風袋重量として減算された風袋の総数を積算する第3演算手段を更に備えているのが好ましい。
本態様によれば、使用済の風袋の数を知ることで、風袋の在庫管理が可能となる。
【実施例1】
【0015】
以下、本発明の一実施例を図面にしたがって説明する。
なお、以下の説明において、「商品」は、容器に詰められる内容物と、容器に詰められた後の容器を含む被計量物の両方の意味で用いられる。
【0016】
図1(a)に示すように、対面秤(計量装置の一例)1は、たとえば、食品などの商品の本体が陳列されたショーケース2の上に載置されて用いられる。対面秤1は商品を販売するための清算機能を有したキャッシュレジスタであり、販売員(オペレータ)は顧客(買物客)からの買い上げ予定の商品を指定されると、ショーケース2内のバット2bから該当の商品本体を必要量取り出し、対面秤1で計量等を行った後、清算を行う。
【0017】
バイキング形式の販売方法:
一方、他の販売方法として、顧客が自ら商品を容器に詰めたものを、販売員が対面秤1で計量して清算を行うバイキング形式の販売方法がある。前記バイキング形式の販売方法としては、図5(c)に示すように、たとえば、同一単価の複数種類の商品をバット2bに予め盛りつけておき、顧客が自ら容器Tに商品を詰める。異なる種類の商品は、顧客により異なる容器Tに詰められる。バイキング形式の販売方法では、複数種類の商品を買い求める顧客が大半であり、そのため、通常は複数の商品についての重量を合算した状態で清算が行われる。
【0018】
全体構成:
図1(b)は、販売員側から見た対面秤1の斜視図である。
図1(b)に示すように、対面秤1は商品(被計量物)などを載置する載置皿20を備えている。載置皿20は図示しないロードセルに支持されており、載置皿20およびロードセルは図2に示す計量手段8を構成している。
【0019】
機器構成:
図2に示すように、対面秤1においては、タッチスクリーン(第1表示手段)3、顧客用表示器(第2表示手段)4、ストロークキー部5、レシート印字手段6、ラベル印字手段7、計量手段8およびバーコードリーダ9などが、図示しないインターフェイスを介してコンピュータ10に接続されている。
【0020】
前記コンピュータ10は、CPU(演算手段)11、ハードディスク12、メモリ13および計時を行うタイマ14などを備えている。
【0021】
前記ハードディスク12は商品マスタ記憶部12aなどを備えている。図2(b)に示すように、前記商品マスタ記憶部12aには、商品呼出No. 、品名、単価、品出量、販売量および残量などからなる商品情報が互いに関連付けられて記憶されている。
【0022】
前記メモリ13には、風袋重量記憶部13aおよび風袋総数記憶部13bが設けられている。
風袋重量記憶部13aには、容器Tの重量である風袋重量が各容器T毎に記憶されている。なお、前記風袋重量は、載置皿20上に容器Tを載置して実際に計量した値であってもよいし、予めハードディスク12に記憶された値を読み出してもよい。
風袋総数記憶部13bには、風袋重量として減算された風袋の総数が記憶される。
【0023】
図1(b)に示すように、タッチスクリーン3は、販売員側に設けられている。タッチスクリーン3に表示された表示画面の一部を指でタッチすることにより入力を行うことが可能である。
タッチスクリーン3には、図3に示す商品選択画面や設定風袋確認画面、図4(a)に示す清算画面等が表示される。図3(a),(b)に示すように、商品選択画面および設定風袋確認画面には、商品指定キー31、風袋キー32、風袋表示エリア33、重量・金額表示エリア34およびタブキー35などが表示される。図4(a)に示すように、清算画面には、買上商品表示エリア36や商品点数、合計金額などが表示される。
図1(b)に示すストロークキー部5には、テンキーなどが設けられている。
【0024】
演算手段:
図2に示す前記CPU11は、第1〜第3演算手段11a〜11cを備えている。
前述のバイキング形式の販売方法では、同じ単価の複数の商品が、一度に載置皿20上に載置されて計量が行われる。
【0025】
第1演算手段11aは、載置皿20上に載置された全ての容器Tの風袋重量の積算値を演算する。第2演算手段11bは、商品の計量値から風袋重量の前記積算値を減算し、正味重量を算出する。CPU11は、前記正味重量に単価を乗算して合計金額を算出する。第3演算手段11cは、風袋重量が減算された度に、前記風袋重量として減算された風袋(容器)Tの総数を積算し、前記風袋総数記憶部13bに記憶させる。
風袋重量および風袋の数は、後述するように、販売員が風袋キー32を押下することにより入力される。
【0026】
前記コンピュータ10は、顧客からの預かり金が入力されると、当該預かり金から前記合計金額を減算し、釣銭額を算出してタッチスクリーン3および顧客用表示器4に表示させると共に、レシート印字手段6から、図5(b)に示すレシート60を発行させる清算機能を有している。
【0027】
図1(b)に示すタッチスクリーン3の反対側の側面には、たとえば液晶表示器からなる顧客用表示器4が設けられている。図5(a)に示すように、顧客用表示器4には、正味量、容器数(風袋数)、容器重量(風袋重量)および小計(合計金額)等が表示される。
【0028】
図1(b)の前記レシート印字手段6からは、図5(b)に示すように、買上品目や金額、容器Tの重量(風袋重量)などが印字されたレシート60が発行される。レシート60には、買上品目や、合計金額、預かり金、釣銭額と共に、容器Tの個数および風袋重量が印字されている。
【0029】
本対面秤1の運用:
本対面秤1は、種々の対面販売に用いられるが、以下の説明では、バイキング形式での用い方について説明する。なお、説明の簡略化のために、顧客が同一単価の商品を複数個選んだ場合について例示して説明する。
【0030】
バイキング形式の販売方法では、図5(c)に示すバット2bから、顧客が所望する分量に対応する容器Tを選択し、自ら商品を容器Tに詰める。顧客は、該商品が詰められた容器Tを、対面秤1の設置してある販売員の所まで持参し、販売員によって清算が行われる。
【0031】
販売員が所定の操作を行うと、図3に示す商品選択画面が表示される。商品選択画面には、商品指定キー31や、風袋キー32、重量・金額表示エリア34などが表示される。商品指定キー31は、1つの画面に複数個表示され、それぞれのキー31には、各商品に対応する商品名等が表示される。風袋キー32は、風袋重量の種類に応じて複数種類設けられている。
【0032】
顧客の持参した商品が同一単価の商品であった場合、販売員は全商品を同時に載置皿20(図1(b))上に載置する。
その後、販売員は、タッチスクリーン3に表示されたタブキー35を押下して、当該商品を含む商品群を商品指定キー31に表示させる。販売員は、表示された商品群の中から、当該商品に対応する商品指定キー31を押下する。
【0033】
図2のCPU11は、計量手段8からの重量信号に基づき、載置皿20上に載置された全商品の計量値を算出する。つぎに、CPU11は、押下された商品指定キー31に対応する商品情報を商品マスタ記憶部12aから読み出す。
【0034】
その後、販売員が、商品の入れられた容器Tに対応する図3(a)の風袋キー32を押下すると、図3(b)に示すように、風袋表示エリア33に当該容器Tに対応するイメージおよび重量が表示される。販売員は、載置皿20に載置した複数の容器Tに対応する風袋キー32を、それぞれ押下する。同じ風袋重量の容器Tが2個以上あった場合には、当該容器Tに対応する風袋キー32をその個数に応じた数だけ繰り返し押下する。
【0035】
図2の前記第1演算手段11aは、押下された風袋キー32に関連付けられた風袋重量を風袋重量記憶部13aから読み出し、風袋重量の積算値を演算する。
ここで、同一種類の風袋キー32が複数回押下された場合、第1演算手段11aは、当該風袋キー32に対応する風袋重量を当該押下された指定数の回数分加算して前記積算値を求める。
【0036】
一方、CPU11は、風袋キー32が押下される度に、当該押下された風袋キー32に対応する容器Tを示すイメージを、図3(b)に示す風袋表示エリア33に表示させる。容器Tが複数個の場合には、当該風袋のイメージが個数分だけ風袋表示エリア33に表示される。
【0037】
図2の第2演算手段11bは、前記計量値から風袋重量の前記積算値を減算して正味重量を算出する。CPU11は、当該正味重量に商品マスタ記憶部12aから読み出した単価を乗算して合計金額を算出する。CPU11は、図3(b)の重量・金額表示エリア34の風袋欄に前記風袋重量の積算値を、重さ欄に当該正味重量を、値段表示欄に当該合計金額をそれぞれ表示させる。
【0038】
一方、図2の第3演算手段11cは、押下された風袋キー32の回数をカウントすることにより、前記風袋重量として減算された同じ種類の容器の総数を順次積算する。CPU11は、当該積算された風袋総数を風袋総数記憶部13bに更新記憶させる。風袋総数記憶部13bの風袋総数は、本対面秤1の起動時に0クリアされた後、順次更新記憶される。この場合、風袋総数記憶部13bには、当日消費された容器Tの総数が更新記憶される。
なお、風袋総数記憶部13bは、使用した容器Tのうち、累積数が更新記憶されてもよい。
【0039】
販売員が図3(b)の風袋キー32の押下を繰り返し、載置皿20上の容器Tの入力を終えた後、所定の操作を行うと、CPU11が、図4(a)に示す清算画面をタッチスクリーン3に表示させる。
【0040】
前記清算画面には、買上商品表示エリア36や、合計金額、預かり金額、釣銭などの各表示欄が表示される。
買上商品表示エリア36には、商品名、正味重量、合計金額が表示されると共に、容器Tの種類および個数などが表示される。
【0041】
一方、図5に示すように、顧客側の顧客用表示器4には、前記正味量、風袋数、風袋重量および合計金額等が表示される。したがって、正味量や合計金額と共に、減算される風袋についての風袋重量と、当該風袋の数が、販売員側のタッチスクリーン3と、顧客側の顧客用表示器4との双方に表示される。
【0042】
前述のように、複数の容器Tの風袋重量を、別途、販売員が計算する必要がないので、販売員の負担が減ると共に、計算ミスを防止することができる。
また、複数個の容器Tに入れられた被計量物の正味重量を一回の計量で求めることができるから、処理の大幅な迅速化を図り得る。
【0043】
販売員が、ストロークキー部5(図1(b))を用いて顧客が支払った金額(預かり金)を入力すると、預かり金の金額が表示されると共に、釣銭が表示される。一方、レシート印字手段6からはレシート60(図5(b))が発行される。販売員は、商品と共にレシート60および釣銭を顧客に渡す。
その後、販売員は、所定のキーにタッチして、図3(a)の商品選択画面を表示させて、次の顧客の注文を入力する。
【0044】
風袋の残数管理:
ここで、これまで使用された容器Tの総数が知りたい場合、販売員が所定の操作を行うと、CPU11が風袋総数記憶部13bから風袋総数を読み出し、タッチスクリーン3に表示させる。これにより、当日使用された風袋の数が分かるので、風袋の残数管理を行うことができる。
【0045】
なお、前述の実施例では、同一種類の容器Tが存在する場合、風袋キー32を複数回押下することで行うこととしたが、風袋キー32を押下した後、ストロークキー部5のテンキーを押下することにより同一種類の容器Tの個数を入力するようにしてもよい。この場合、風袋重量に個数を乗算して、当該種類の風袋重量の積算値が求められる。
【0046】
また、図4(b)に示すように、風袋表示エリア33には、同じ種類の容器Tのイメージの横に、当該容器Tの個数を示す数字を表示するようにしてもよい。
【0047】
また、図1のラベル印字手段7から、商品名や合計金額、減算された風袋重量、当該風袋の数などの印字されたラベルを発行し、容器Tに貼付するようにしてもよい。
【0048】
また、前記ハードディスク12の記憶内容は、たとえば、通信線によって店舗システムの上位コンピュータ等からデータを受け取ることで作成してもよいし、記憶媒体を介してデータを受け取るようにしてもよい。更には、タッチスクリーン3やストロークキー部4によって入力されてもよい。
【0049】
ところで、容器Tの指定時に、販売員が間違った容器Tに対応する風袋キー32を押下するおそれがある。また、容器Tの種類が多い場合には、販売員が全ての容器Tの種類を覚えておくのは、困難であり、容器Tを間違える可能性が高くなる。さらに、顧客も容器Tを間違えられていないか不安である。
そこで、図6(a)に示すように、バーコードBやRF−ID(Radio Frequency-Identification)タグIが貼付された容器Tを用いて、清算時に容器Tの指定を行うようにしてもよい。
【0050】
RF−IDタグI: まず、RF−IDタグIを用いる場合について説明する。
RF−IDタグIには、予め、風袋重量とその容器Tに入れるべき商品名などからなる容器情報または容器Tの識別No. を記憶させておく。図6(b)に示すように、各商品Miの近傍には、当該商品Miに対応する容器Tiが置かれている。顧客は、所望する商品Miに対応する容器Tiに当該商品Miを詰める。
【0051】
清算時に、RF−IDタグIが貼付された容器Tiが、図1(b)の載置皿20に載置されると、対面秤1に取り付けられたRF−IDタグIの読取装置(図示せず)によって、当該容器Tに記憶されている容器情報が読み取られる。読み取られた容器情報に基づき、載置皿20に載置された全ての容器Tiの風袋重量が入力されると共に、全ての容器Tiの風袋重量が積算される。
したがって、複数の容器Tが載置皿20上に載置された場合であっても、自動で全ての容器Tの風袋重量の積算値をコンピュータ10に入力することが可能である。
【0052】
一方、前記容器情報には、当該容器Tに入れるべき商品名が含まれているので、販売員がタッチスクリーン3の商品指定キー31で指定した商品と、当該容器に入れるべき商品名との照合を行うことで、商品と容器とを間違えているか否かのチェックを行う。商品が間違った容器Tに入れられている場合には、タッチスクリーン3にエラー表示を行う。
また、RF−IDタグIに予め容器Tiの管理番号を記憶させ、販売された容器Tの管理番号をメモリ13に順次記憶させるようにしてもよい。かかる場合には、対面秤1を用いて容器の種類ごとの在庫管理が可能となる。
【0053】
バーコードB:
容器TにバーコードBを貼付した場合には、当該容器Tの識別No. などをバーコードBに予め記録しておく。かかる場合には、対面秤1のハードディスク12に、図6(c)に示す容器記憶部12bを設ける。容器記憶部12bには、前記識別No. 、容器Tの風袋重量および商品コードなどが互いに関連付けられて予め記憶されている。
【0054】
容器Tの計量時に、バーコードリーダ9(図1(b))を用いて当該バーコードBが読み取られると、該バーコードBに記録された識別No. に対応する容器Tの重量が前記容器記憶部12bから読み出される。読み出された当該風袋重量に基づき、風袋重量の入力を行うことができる。
一方、容器記憶部12bから、当該容器Tに対応する商品コードを読み出し、当該商品コードに対応する商品情報を、図2(b)の商品マスタ記憶部12aから読み出すことにより、商品が間違った容器Tに入れられているか否かのチェックを行うことができる。
【0055】
このように、容器TにRF−IDタグIやバーコードBなどの情報を付加することにより、容器Tを間違った商品(内容物)に使用するのを防止することができる。
また、風袋重量の積算間違いを防止することができる。
さらに、一度の操作で全ての容器Tの風袋重量を積算することができる。
また、対面秤1による容器Tの在庫管理が可能となる。
【0056】
なお、前記バーコードBや二次元バーコードは、たとえば、インクジェットプリンタなどを用いて容器T本体に直接印字されていてもよい。
また容器Tの底面にバーコードBを設けると共に、対面秤1に該バーコードBを読み取るためのラインスキャナを設けてもよい。かかる場合には、図1(b)の載置皿20の上面に前記ラインスキャナが臨む孔を形成し、載置皿20の上面に容器Tの底面をかざすことにより、前記ラインスキャナによってバーコードBの読み取りを行うようにしてもよい。
さらに、バーコードBの代わりに二次元バーコードを用いてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0057】
本発明は、商品の重量を計量する計量装置に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】(a)は本発明の実施例1にかかる計量装置の用い方を示す概略正面図、(b)は同装置の概略斜視図である。
【図2】(a)は計量装置を示す概略構成図、(b)は商品マスタ記憶部の記憶内容を示す図表である。
【図3】第1表示手段の表示画面を示す正面図である。
【図4】第1表示手段の表示画面を示す正面図である。
【図5】(a)は第2表示手段の表示画面を示す正面図、(b)はレシートを示す正面図、(c)はバイキング形式の販売方法を示す概略平面図である。
【図6】(a)は他の例を示す風袋の底面図、(b)はバイキング形式の販売方法を示す概略平面図、(c)は容器記憶部の記憶内容を示す図表である。
【符号の説明】
【0059】
1:対面秤
3:タッチスクリーン(第1表示手段)
4:顧客用表示器(第2表示手段)
6:レシート印字手段
7:ラベル印字手段
8:計量手段
11:CPU(演算手段)
11a:第1演算手段
11b:第2演算手段
11c:第3演算手段
32:風袋キー
60:レシート
T:容器(風袋)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
計量値から風袋重量を減算した正味重量を算出する計量装置において、
被計量物の重量を計量した計量値を得るための計量手段と、
風袋重量を減算するために押下される1以上の風袋キーと、
押下した風袋キーに相当する風袋重量が積算された風袋重量の積算値を、前記計量値から減算して正味重量を求める演算手段とを備えた計量装置。
【請求項2】
請求項1において、前記風袋キーが風袋重量の種類に応じて複数種類設けられている計量装置。
【請求項3】
請求項1もしくは2において、前記風袋キーの押下と、当該風袋キーに相当する風袋の数の指定とによって、当該風袋キーに相当する風袋重量に前記風袋の指定数を乗算した値を求める機能を前記演算手段が備えた計量装置。
【請求項4】
請求項1、2もしくは3において、前記減算される風袋重量と、当該風袋の数とを表示する表示手段を更に備えた計量装置。
【請求項5】
請求項1、2もしくは3において、オペレータが見るための第1表示手段と、買物客が見るための第2表示手段とを更に備え、
前記減算される風袋についての風袋重量と、当該風袋の数とを前記第1および第2表示器の双方に表示する計量装置。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか1項において、前記減算された風袋重量と、当該風袋の数とをラベルおよび/またはレシートに印字する印字手段を更に備えた計量装置。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか1項において、前記演算手段は、前記風袋重量の積算値を演算する第1演算手段と、前記計量値から前記積算値を減算する第2演算手段とを包含する計量装置。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか1項において、前記風袋重量として減算された風袋の総数を積算する第3演算手段を更に備えた計量装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−107957(P2007−107957A)
【公開日】平成19年4月26日(2007.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−297690(P2005−297690)
【出願日】平成17年10月12日(2005.10.12)
【出願人】(000147833)株式会社イシダ (859)