説明

記録再生装置

【課題】 複数のディスク装置を備えた記録再生装置のディスク出し入れ操作の使い勝手を良くする。
【解決手段】ステップS11において処理を開始し(Start)、ステップS12において、装置本体の正面パネル開ボタンを押す。ステップS13において、正面パネルが開した後に、現在使用可能な光学ディスク装置のディスクトレイが出る(Eject)。ステップS14において、ディスクトレイにディスクを載せると、CPUがディスクの載せられたことを検知して、ステップS15において自動的にディスクトレイが引っ込む。ステップS16において、ディスクトレイ閉を確認すると、ステップS17においてユーザは手動で前記正面パネルを閉することができ、処理が終了する(end:ステップS18)。誤操作により正面パネル閉の状態でディスクトレイが出てしまう事に起因するディスクトレイや正面パネルの破損を防止する事ができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は記録再生装置に関し、より詳細には、1つの筐体にハードディスク又は光ディスク等、対応する記録媒体に対して情報の記録又は読み出しを行う複数のディスク装置を備えた記録再生装置のディスクの出し入れ操作に関する制御技術に関する。
【背景技術】
【0002】
最近の記憶再生装置は、マルチメディア時代の要望に応えるために、大容量データの記憶媒体としてDVD(Digital Versatile Disk)を記録媒体として用いたDVD装置と大容量かつ安価なハードディスク(HDD)装置とを備えているのが一般的である。
DVD装置は、波長650nm帯の赤色半導体レーザーを光ディスクのピックアップとして用いている。一般的なDVDの記憶容量は4.7GBである。
【0003】
一方、近時、DVDに比べてより大容量のデータを記憶することができる次世代光ディスクとして、波長400nm帯の青色光源を用いたブルーレイディスク(Blu-ray Disc:登録商標 以下「BD」とも称す)、及びHD DVD(High Definition DVD)が発表されている。例えば、ブルーレイディスクの場合は片面単層の記録容量は23.3GB、25GB、27GBの3種類が規格化されている。またHD DVDの場合は片面単層の記録容量15GBのものも発表されており、20GBの仕様も検討されている。両者はいずれも記録容量が15GB(Giga byte)以上の記録容量を有し、例えばBDは、2時間のハイビジョン放送の全編を1枚のディスクに録画が可能であるため、これからのハイビション放送に対応可能な優れた性能を有している(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
また、既存のコンパクトディスク(CD)、DVDに加えて、BDにも対応するために、長波長(CD用)と中波長(DVD用)に加えて短波長(BD)の3波長のレーザー光源をその得る光ディスク装置が提案されている(例えば特許文献2参照)。この装置では、上記3種類の波長に対応するピックアップを設け、ドライブを1つにして省スペース化を図っている。
【0005】
【特許文献1】特開2004-192801号公報
【特許文献2】特開2004-103135号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献2に記載の光ディスク装置では、省スペース化が可能なものの、ディスクの挿入口が1つのみでありディスクも1枚のみが駆動可能なため、ダビングなどの処理が複雑になりユーザの使い勝手は必ずしも良好ではない。また、2以上のディスク装置を備えた記録再生装置も存在する。
【0007】
ところで、ディスクの出し入れを簡単に行うためには、記録再生装置の筐体の一面、特に正面においてディスクの出し入れができるようにするのが便利である。ところが、2トレイ方式では例えばDVDディスクとBDディスクとの2つの光学ディスク装置の出し入れ領域が大きく、例えば光学ディスク装置の動作状況などをユーザに報知するための表示領域が少なくなるという問題点があった。また、表示領域には記録再生装置の操作キーなども設けられるため、表示部と操作部とをどのように配置するかという点も課題となっていた。
【0008】
本発明の目的は、ブルーレイディスク(BD)を含む2以上の光ディスク装置を備えた記録再生装置において表示部領域と操作部領域とを確保しつつ装置の操作性の向上を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の記録再生装置は、例えば光学ドライブのうちの一方がブルーレイディスク装置であり2つ又はそれ以上の光学ディスク装置を備えた2トレイ方式の記録再生装置を横置きした場合に、横(左右)方向に2つの光学ディスク装置が隣接して配置されている。
【0010】
記録再生装置において、光学ディスクを出し入れする際に、そのための操作キーを操作すると、光学ディスク装置のディスク出し入れを行う一面に開閉可能に取り付けられている開閉パネルを開した後にディスクの出し入れが行えるようになる。すなわち、光学ディスクをディスク装置に装着することができる。或いは、上記開閉パネルを開する操作を行うと、光学ディスク装置の装着ができるようにしても良い。
【0011】
本発明の一観点によれば、筐体と、該筐体内に配置された少なくとも一つの電子装置と、前記筐体の一面において前記電子装置を閉状態で覆う開閉可能に設けられたパネルと、前記筐体の一面に開閉可能に設けられたパネルと、前記電子装置に関する操作に応じて、前記パネルの開を検出することを条件に前記操作キーに対応する前記電子装置を始動させる制御を行う制御部を有することを特徴とする電子機器が提供される。
【0012】
本発明の他の観点によれば、筐体と、該筐体内に配置された少なくとも一つの電子装置と、前記筐体の一面において前記電子装置を覆うとともに開閉可能に設けられたパネルと、を有する電子機器の制御方法であって、前記電子装置の出し入れを操作する操作キーを押す動作に応じて、前記パネルの開を検出することを条件に前記電子装置を始動させるステップを有することを特徴とする電子機器の制御方法が提供される。上記ステップをコンピュータに実行させるためのプログラムも本発明の範疇に入るものとする。
【発明の効果】
【0013】
本発明の記録再生装置によれば、光学ドライブ装置を備えた記録再生装置において、開閉式のパネルを設けることにより、操作部と表示部とを形成するための領域を多く確保することができる。さらに、開閉パネル閉の状態でディスク又はディスクトレイが出てしまうことに起因するディスクトレイやディスク、パネルの破損を未然に防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本明細書において、光学ディスクは、例えば、再生専用のCD−ROM、DVD−ROM、再生・記録が可能なCD−R(W)、DVD―R(RW)など及びブルーレイディスク(BD)を含む。光学ディスク装置は、これらのメディアを駆動することができる駆動装置を指す。
【0015】
本発明の第1の実施の形態による記録再生装置について図面を参照しつつ説明を行う。図1は、本実施の形態による記録再生装置の外観構成例を示す斜視図であり表面パネルを閉じた状態を示す図である。図2は、図1の斜視図に対応する図であり表面パネルを開いた状態を示す図である。図3(a)〜(c)までは、それぞれ、図1に対応する正面図、図2に対応する正面図、図2に対応する上面図(一部を表す)である。図4は、本実施の形態による記録再生装置の内部に配置されている光学ディスク装置の配置例を示す図である。図5は、本実施の形態による記録再生装置の内部構成例を示す機能ブロック図である。図6は、本実施の形態による記録再生装置の制御処理等を行うプログラムの構成例を示す図である。図7は、記録再生装置を遠隔操作することができるリモートコントロール装置(以下、「リモコン装置」)の構成例を示す図である。図8及び図9は、本実施の形態による記録再生装置のディスク装置の正面パネルの開閉操作とトレイ出し入れ操作の2つの処理手順例を示すフローチャート図である。
【0016】
図1から図3までに示すように、本実施の形態による記録再生装置Aは、第1の光学ディスク装置であるDVD装置31と、このDVD装置31とは記憶容量などの規格が異なる第2の光学ディスク装置であるBD装置35とが隣接して配置されるいわゆる2トレイ方式の記録再生装置であり、薄型テレビなどとともに使用する際の統一感を出すために、横置き、縦置きのいずれの場合でもスリムさを強調する外観を有している。この外観は、図4を参照して後述するように2つの光学ドライブ装置31、35を横置き時に左右に配置されるようにすることで、筐体の縦方向の厚さが極力薄くなるようにしている。液晶テレビをオープンラックに載せて使用することを想定して、このオープンラック内に横置きする際の薄さが強調される。
【0017】
加えて、ディスク駆動装置を収容する筐体1は、ハロゲン材の入っていない難燃性プラスチックであるABSポリカーボネート樹脂を射出成形して形成しており、上面に薄い上板1aを配置し、この上板1aを他の筐体外表面よりも深みのある仕上げとすることにより、機械的な強度を維持するとともに高級感とスリム感を演出している。
【0018】
図4は、本実施の形態による記録再生装置内における各ディスク装置の配置例を示す図である。図4に示すように、本実施の形態による記録再生装置は、一般的な横置きの配置にした場合に、正面から見て右側にDVD装置31が、左側にBD装置35が配置されるとともに、DVD装置31の下方にハードディスク(HDD)装置33が配置される。ある程度の厚みを有する光学ディスク装置31、35を左右に配置し、薄型化が可能なHDD33装置をDVD装置31の下方に配置することで筐体1の厚さを薄くすることができる。
【0019】
さらに、DVDのディスクよりもより微細な加工を行っているためピックアップとディスクとの間の高い位置精度が要求される(すなわち、振動に対して弱い)振動発生源となりうるHDD装置33の横方向にBD装置35を配置し、DVD装置31の下方にHDD装置33を配置することにより、HDD装置33の動作に起因する振動の影響を極力小さくすることができる。これらのディスク装置31、33、35は、全て記憶・再生が可能であるが、例えば、DVD装置が再生専用である場合も含まれる。
【0020】
尚、一般的に、HDD装置33は、記憶容量が120GHz程度であり、3つのディスク装置の中では最も記憶容量が大きく、次いで、BD装置35、DVD装置31の順に記憶容量が少なくなる。従って、HDD装置33を基本的な記憶装置としてデータサーバ的に利用し、使用状況又は求められる画質、コンテンツの占有記憶容量等を勘案して、適宜コンテンツをHDD装置33からBD装置35又はDVD装置31を介してDVDディスク又はBDディスクに振り分けて半永久的に記憶メディアに記憶させることができる。これらの記憶メディアに記憶されたコンテンツは、他の再生装置でコンテンツを再生させたり、オリジナルのコンテンツを作成して配布したりすることができる。
【0021】
図1及び図3(a)に示すように、本実施の形態による記録再生装置Aは、上板1aが配置された筐体1と、横置き時における正面に設けられた開閉式の正面パネル25aを有している。正面パネル25aの左右には、それぞれ電源オン/オフ用スイッチ1b及び図7に示すリモートコントロール装置(以下、「リモコン装置」と称する。)からの赤外線による指令を受けるRC受光部17と、正面パネル25aを開くための正面パネル開スイッチ25bと、正面パネル25aをロックする正面パネルロック機構25と、を有している。
【0022】
開閉式の正面パネルを設けることにより、表示部領域と操作部領域とを確保することができ、操作しやすくなるとともに表示が見やすくなるという利点がある。
【0023】
正面パネルロック機構25の詳細な説明は省略するが、通常は正面パネル25aをロックしており、リモコンのパネル開スイッチ(図7(B)のトレイ開閉スイッチがこの機能を兼ねている)又はパネル開スイッチ25bをオンすることにより正面パネル25aを開方向に押す。
【0024】
正面パネル25aが一旦押されると、正面パネル25aの自重により筐体の正面と正面パネル25aとの成す角度が90度程度になるまで開方向に回転移動し、図2に示すように筐体の正面と正面パネル25aとの成す角度が90度程度になった時点で回動が停止する。尚、正面パネル25aのロック機構をリモコン装置により解除することにより、正面パネル25aをリモコン装置からの操作により開けることができる。
【0025】
正面パネル25aには、表示部40が設けられている。この表示部40は、筐体1を横置きにした場合に横方向にある間隔をあけて配置された略円形の第1表示部41と、第2表示部43・45と、第3表示部47と、が配置されている。
【0026】
図2及び図3(b)に示すように、正面パネル25aを開いた場合には、筐体1の正面側であって正面パネル25aが閉じていた場合の裏面側に、記録再生装置Aに内蔵されている第1の光ディスク装置であるDVD装置31と第2の光ディスク装置であるBD装置35のトレイの正面部31a、35aが現れる。それぞれの光ディスク装置31、35に対して、それぞれの光ディスク装置31、35を開閉するための開閉スイッチ31b、35bが設けられている。この開閉スイッチ31b、35bを押すことにより、それぞれの光ディスク装置31、35のそれぞれに対応する図示しないDVDディスク又はBDディスクを載せるためのトレイが進退するようになっている。
【0027】
DVD装置31とBD装置35とが並んで配置されている領域の下方には、例えばIEEE1394端子(DV端子)と、B-CASカード用のスロット21と、が設けられている。B-CASカードは地上デジタルテレビジョン放送、BSデジタル放送、110度CSデジタル放送等の各種放送サービスを受信するために必要なカードであり、デジタル放送の番組等の著作権保護にも利用される。例えば、デジタル放送の無料放送、有料放送、ペイ・パー・ビュー放送、NHK、自動表示メッセージ、およびデータ放送の双方向サービス等の放送サービスを利用するためには、必ずB-CASカード用のスロット21にB-CASカードを挿入する必要がある。尚、符号21aはB-CASカード用のスロットに挿入されたB-CASカードを取り出すための押しボタンである。
【0028】
さらに、IEEE1394端子(DV端子)と、B-CASカード用のスロット21との間には、表示部40と同じような形態であってやや小型の内側表示部48(第4から第6までの表示部48a〜48cまでがある間隔をおいて横方向に配置されている)が設けられている。この内側表示部は表示兼用の選択操作キーとなっており、図示する左側から順番にそれぞれDVD、HDD、BDの動作状態を報知する動作状態報知手段も兼ねている。尚、DV端子は、記録再生装置Aの裏面側にも設けられており、一般的にはDVカメラからの映像をHDDドライブなどに高速に取り込むインターフェイスとして用いられるが、ユーザにとって使い勝手の良い方の端子を選択して用いることができる。
【0029】
さらに、図2及び図3(c)に示すように、正面パネルの裏面25b側に、図7(A)のリモコン装置RCの方向キーと同様の機能を有する方向キーと決定ボタンとを備えた操作部61aと、再生動作を開始、停止するためのそれぞれが半円形で合わせて円形となるスイッチ61bであって、円形の外周部に発光領域を有している再生用スイッチ61bと、この再生用スイッチ61bに隣接して設けられ同様の形状を有している録画用スイッチ61cと、が設けられている。後述するように、表示の際の発光色は動作状態に応じて決められている。方向キーと選択キーとによる操作部61aは、例えばメニュー画面におけるメニュー項目の移動と決定に用いられる。
【0030】
上述のように、それぞれがディスク駆動部を有するDVD装置とBD装置とを備えた2トレイ方式を採用し、かつ、内蔵のハードディスク装置も備えているため、DVDディスク又はBDディスクのそれぞれに関連する起動時間に起因する遅延を極力短くすることができる。例えば、DVD装置31又はBD装置35に新たにDVDディスク又はBDディスクを挿入した場合は、それぞれの装置に載置されたディスクの情報を読みに行き、読み込まれた情報によりディスクの種類、規格、などを検出する。すなわち、ディスクがそのディスク装置により再生又は記録などの操作が可能であるか否かを判定し終わって初めて、次の処理(実際の再生又は記録処理)に移行することができる。2トレイ方式を用いることで、例えば2種類の規格の異なるディスクを規格の一致するディスク装置に入れることにより、異なるディスクの情報読み込み時間を平行して情報読み込みを行わせることにより、短時間でディスク装置の起動処理を行うことができる。すなわち、2ディスクの出し入れ時におけるディスクの情報読み込みに起因する遅延を2ディスクの情報読み込みを並行して行わせることにより低減することができるという利点がある。
【0031】
次に、本実施の形態による記録再生装置Aの内部構成例について図5の全体機能ブロック図と図6及び図7を参照しつつ説明を行う。適宜、図1〜図4までを参照しつつ説明を行う。図5に示すように、本実施の形態による記録再生装置Aは、全体の制御を行うCPU3と、各機能を実行する機能ブロック群と、を有している。記録・再生機能を有するブロックとしては、上述のように、DVD装置31とHDD装置33とBD装置35とが備えられている。
【0032】
これらの各ディスク装置31、33、35は、ディスク駆動制御部37を介して又は直接に、CPU3からの制御命令に基づいて動作する。実際には、図7に示すリモコン装置の各操作ボタン又は上述した記録再生装置A本体側の操作スイッチなどを操作することにより、リモコン装置RCの場合には赤外線信号をRC受光部17において受信し、操作に応じた信号を受けてCPU3に伝達する。CPU3は受けた信号に基づいて上記操作に基づく動作を行うように、各機能ブロックに対して指令する指令信号を出力する。
【0033】
例えば、リモコン装置RCの放送選択部70において地上波デジタル放送選択ボタン70bが押され対象機器選択部においてBDディスク選択ボタン71cが押されると、BDディスクドライブ装置35に入っているBDディスクに地上波デジタル放送番組のコンテンツを記録することができる。BDディスクはDVDディスクに比べて大容量のデータを記憶することが可能であるため、例えば2〜3時間以上のデジタル放送を高画質で記録可能である。
【0034】
記録の際には、地上波デジタル放送の録画を行う際に、録画エンコーダ/デコーダを含む画像/音声信号処理部5が、例えばCS放送番組からの映像信号/音声信号をBDディスクに記録できる形式に変換したり、例えばBD装置35に記録された信号を表示モニタに表示可能な形式に変換したりする。この際、BD装置35の動作状況をCPU3に送る。これにより、CPU3は、各ディスク装置の動作状況を適宜監視して適切な指示を与えることができる。
【0035】
さらに、本実施の形態による記録再生装置Aは、CPU3と関連付けされ、CPU3に後述する種々の処理を実行させるためのプログラムを格納するROM7と、プログラムを展開して高速に処理するためのRAM11と、アンテナからの放送信号を入力したり、ディスク装置を駆動させた際に得られるコンテンツの信号やD映像などを例えば液晶TVなどの表示モニタに出力したり、DVカメラに接続するIEEE1394端子(DV端子)やインターネットなどに接続するLAN端子などを備え各種信号の入出力を制御するインターフェイス部15と、を備えている。
【0036】
さらに、前述のRC受光部17と、B−CASカードスロット21と、放熱効果を高めるための冷却ファン23と、正面パネル25aを開するための正面パネル駆動部25であって正面パネルの開閉の状態を検出する図示しない検出部を備える正面パネル駆動部25と、各種入力操作を受け付ける入力部61と、を有している。加えて、前述のディスク装置駆動制御部37と、前述の正面パネル25aに設けられた表示部40は、前述のように筐体1を横置きにした場合に横方向にある間隔をあけて配置された略円形の第1表示部41と、第2表示部43・45と、第3表示部47と、を有しており、CPU3により表示制御部51を介して表示の制御が行われる。同様に、上述した第4から第6までの表示部48a〜48cを兼ねる選択スイッチも、上記表示制御部51を介してCPU3により表示制御がなされる。さらに各ディスク装置には、ディスクの有無や駆動状態等を検出する検出部31c、33c、35cがそれぞれ設けられており、対応する各ディスク装置内における光学メディアの有無や駆動状態等に関する信号が検出部31c、33c、35cからディスク駆動制御部37を介してCPU3に送られるように構成されている。尚、重力センサなどを含み記録再生装置の位置(横置き状態か縦置き状態か)を検出する位置検出部27も搭載されている。
【0037】
図6は、ROM7内に格納されるプログラム群の構成例であって、各種ディスクの駆動制御を行うディスク駆動制御プログラムP1と、表示部の表示制御を行う表示制御プログラムP2と、インターフェイス部15におけるインターフェイスの切り替え制御や信号の変換等を行うインターフェイス制御プログラムP3と、正面パネル25a/ファン23等の動作の制御を行うパネル/ファン等制御プログラムP4と、画像信号/音声信号の信号処理(変換を含む)を行う画像/音声信号処理プログラムP5と、を含んで構成される。尚、ここで列挙した各プログラムは例示であり、実際には各プログラムが連動して一連の制御を行うものである。
【0038】
次に、上記各機能の働きについて説明する。
まず、表示部及び表示制御部の構成とそれに基づく表示制御について詳細に説明を行う。 前述のように、正面パネル25aに設けられている表示部40は、図3(a)に示すように、記録再生装置Aの筐体1を横置きにした場合に横方向にある間隔をあけて配置された略円形の第1表示部41と、第2表示部43・45と、第3表示部47と、を有している。第1表示部41と、第2表示部43・45と、第3表示部47は、光ディスク装置Aの厚さに対して約半分程度の直径を有する比較的大きく見やすい表示部となっており、3連の円形表示部の表示(点灯の有無と点灯色)を確認さえすれば、比較的複雑なHDDドライブ+2トレイ方式の記録再生装置のディスク装置の現在の動作状況と現在のデータの移動方向とが簡単にわかるという利点を有する。
【0039】
図7(A)から(C)までは、図5に示すリモコン装置RCの構成例を示す図である。図7(B)に示すように、リモコン装置RCには、DVDディスクのディスクトレイを出し入れする操作ボタン(Ejectボタン)75とBDディスクのディスクトレイを出し入れする操作ボタン(Ejectボタン)77とが、それぞれ独立に設けられている。但し、正面パネル25aが閉の状態においては、正面パネル25aとディスクトレイとがぶつからないように、リモコン装置RCのDVDディスクの開閉ボタン75又はBDディスクの開閉ボタン77を押してもディスクトレイが出ないように、開閉ボタン75、77は操作が無効になっている。尚、正面トレイ開ボタン25bは本体側に設けられているが、リモコン側にも設けておいても良い。
【0040】
ここで、図8に示すように、まず、ステップS1で操作を開始する(Start)。ステップS2において、リモコン装置のディスクトレイ出し入れ用の操作キー75(DVD用)、77(BD用)のうちのいずれか一方の操作キーをオンする。ステップS3において、正面パネル25aの開閉検出部25c(図5)の検出結果に基づいて正面パネル25aが開になっているか否かを確認する。正面パネル25aが開でなければ(No)、ディスクトレイの出し入れ操作キー75・77は無効となるように制御される。正面パネル25aが開であれば(Yes)、ステップS2において操作した方の操作キーに対応する光学ドライブ装置のディスクトレイをオープンにする。これにより、ディスクトレイと正面パネル25aとの衝突による破損などを防止することができる。次に、ステップS5において、ディスクトレイに適切な光学ディスクを載せる。ステップS6において、ステップS2で操作した方と同じ操作キーを押すと、ステップS7においてディスクトレイが引っ込み、光学ディスク装置がスタンバイ状態となり、一連の処理が終了する(end:ステップS8)。
【0041】
尚、上記処理において、正面パネル25aの開状態の確認方法としては、正面パネル25aの開閉機構の開状態を機械的に検出する方法と、正面パネルの開を例えば正面パネル25aによって覆われていた筐体の一面に設けられた光検出器により検出する方法などを用いることができる。
【0042】
次に、ディスクトレイの開閉に関する他の処理の流れについて説明する。図9に示すように、まず、ステップS11において処理を開始し(Start)、ステップS12において、装置本体の正面パネル開ボタン25bを押す。ステップS13において、正面パネル25aが開した後に、例えば現在使用可能な光学ディスク装置のディスクトレイが出る(Eject)。両方の光学ディスク装置が現在使用可能であれば、両方のディスクトレイが出るように制御しても良い。ステップS14において、ディスクトレイにディスクを載せると、例えば、CPUがディスクの載せられたことを検知して、ステップS15において自動的にディスクトレイが引っ込む。ステップS16において、ディスクトレイ閉を確認すると(Yes、例えば、表示又は目視により)、ステップS17においてユーザは手動で正面パネル25aを閉することができ、処理が終了する(end:ステップS18)。
【0043】
以上、図9に示す処理の流れにおいては、リモコンの正面パネルの開操作に応じてディスクトレイが出る動作が行われるため、誤操作により正面パネル25a閉の状態でディスクトレイが出てしまうことに起因するディスクトレイや正面パネルの破損を未然に防止することができる。
【0044】
次に、本実施の形態の変形例による記録再生装置について説明する。光学ディスク装置には、上記のようにディスクトレイにベアのディスクを装着するタイプの他に、ディスク又はディスクがケースに入っているケースを、ディスク着脱口からEjectさせるタイプがある。この場合には、操作キー(Ejectキー)をオンすると、正面パネルの開の検出を条件に記録再生装置の電源がオンし、ディスク着脱口からディスクがEjectする。ディスクが入っていない方のEjectキーを押した場合には、着脱口からディスクが出てこないようにする制御とディスクが入っている方のディスクが出てくる動作を行うようにする制御が可能である。その後は、ディスク着脱口から入れたいディスクを入れる操作になる。この場合も、Ejectキーにより装置の電源がオンし、ディスクが入っていればディスクを出す動作が行われるので、操作が簡単になる。
【0045】
尚、本実施の形態においては、1つのHDD装置と2つの光学ディスク装置を含む2トレイ方式の記録再生装置を例にして説明したが、表示制御に関しては光学ディスク装置やHDD装置の数や種類に関係なく同様の制御を行うことができる。
【産業上の利用可能性】
【0046】
本発明は、記録再生装置の正面パネルの開閉操作とトレイ開閉操作との制御技術として利用できる。また、記録再生装置以外のAV電子機器に適用することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本実施の形態による記録再生装置の外観構成例を示す斜視図であり表面パネルを閉じた状態を示す図である。
【図2】図2は、図1の斜視図に対応する図であり表面パネルを開いた状態を示す図である。
【図3】図3(a)〜(c)までは、それぞれ、図1に対応する正面図、図2に対応する正面図、図2に対応する上面図(一部を表す)である。
【図4】図4は、本実施の形態による記録再生装置の内部に配置されている光学ディスク装置の配置例を示す図である。
【図5】図5は、本実施の形態による記録再生装置の内部構成例を示す機能ブロック図である。
【図6】図6は、本実施の形態による記録再生装置の制御処理等を行うプログラムの構成例を示す図である。
【図7】図7は、記録再生装置を遠隔操作することができるリモートコントロール装置(以下、「リモコン装置」)の構成例を示す図である。
【図8】本発明の第1の実施の形態による記録再生装置のトレイ開閉動作の第1の処理の流れを示すフローチャート図である。
【図9】本発明の第1の実施の形態による記録再生装置のトレイ開閉動作の第2の処理の流れを示すフローチャート図である。
【符号の説明】
【0048】
A…記録再生装置、3…CPU、5…画像/音声信号処理部、7…ROM、11…RAM、15…インターフェイス部、17…RC受光部、21…B−CASカードスロット駆動部、RC…リモコン装置、27…位置検出部、31…DVD装置、31c…検出部、33…HDD装置、33c…検出部、35…ブルーレイディスク(BD)装置、35c…検出部、37…ディスク駆動制御部、41…DVD表示部、43…HDD表示部(LED)、45…HDD表示部(LCD)、47…BD表示部、51…表示制御部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体と、
該筐体内に配置される少なくとも一つの光学ディスク装置と、
前記光学ディスク装置の記録媒体着脱部と、
前記筐体の一面であって前記着脱部を閉状態において覆う開閉可能に設けられたパネルと、
を有する記録再生装置。
【請求項2】
前記光学ディスク装置の少なくとも一つは、記録媒体の片面の記録容量が8.6ギガバイト以上の光ディスクを動作させることができる光ピックアップ装置であることを特徴とする請求項1に記載の記録再生装置。
【請求項3】
前記光学ディスク装置において、光学ディスクの出し入れを操作する操作キーを押す動作に応じて、前記パネルの開を検出することを条件に前記光学ディスクの出し入れに関する動作を行うように制御する制御部を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の記録再生装置。
【請求項4】
前記光学ディスクを装着するディスクトレイを有し、
前記制御部は、さらに前記光学ディスクをディスクトレイに装着した後に前記操作キーを操作することにより前記ディスクトレイを前記光学ディスク装置内に引き込む処理を行うように制御することを特徴とする請求項3に記載の記録再生装置。
【請求項5】
前記パネルを開にする操作に応じて該パネルの開を検出すると、前記光学ディスクを出すように制御を行う制御部を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の記録再生装置。
【請求項6】
前記光学ディスクを装着するディスクトレイを有し、
前記制御部は、さらに前記光学ディスクがディスクトレイに載せられたことを検出した後に、前記光学ディスクを前記光学ディスク装置内に自動的に引き込む処理を行うことを特徴とする請求項5に記載の記録再生装置。
【請求項7】
光学ディスクを着脱する着脱口を有し、
前記制御部は、前記光学ディスクが前記着脱口に入れられた後に前記操作キーを操作することにより前記ディスクトレイを前記光学ディスク装置内に引き込む処理を行うことを特徴とする請求項3に記載の記録再生装置。
【請求項8】
筐体と、
該筐体内に配置された少なくとも一つの電子装置と、
前記筐体の一面において前記電子装置を閉状態で覆う開閉可能に設けられたパネルと、
前記筐体の一面に開閉可能に設けられたパネルと、
前記電子装置に関する操作に応じて、前記パネルの開を検出することを条件に前記操作キーに対応する前記電子装置を始動させる制御を行う制御部を有することを特徴とする電子機器。
【請求項9】
筐体と、該筐体内に配置された少なくとも一つの電子装置と、前記筐体の一面において前記電子装置を覆うとともに開閉可能に設けられたパネルと、を有する電子機器の制御方法であって、
前記電子装置の出し入れを操作する操作キーを押す動作に応じて、前記パネルの開を検出することを条件に前記電子装置を始動させるステップを有することを特徴とする電子機器の制御方法。
【請求項10】
請求項9に記載のステップをコンピュータに実行させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2006−164379(P2006−164379A)
【公開日】平成18年6月22日(2006.6.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−353536(P2004−353536)
【出願日】平成16年12月7日(2004.12.7)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】