説明

記録再生装置

【課題】近年、記録再生装置の小型化が進んでおり、記録再生装置を個体として特定する情報をその筐体に記載することが困難になってきた。
【解決手段】記録再生装置100は、記録再生装置100を個体として特定する特定データeが記録される記録媒体1と、電源2からの電力の供給が開始されたことを検知する検知部4と、電力の供給が開始されたことを検知部4が検知した場合、記録媒体1に記録されている特定データeを再生する再生部6とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、音又は画像のデータの記録及び再生を行う記録再生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、楽器や語学の練習のためにテープレコーダやボイスレコーダ等の記録再生装置が利用されており、記録再生装置により扱われるデータは、メモリカード等の記録媒体に記録される。記録再生装置の筐体には、記録再生装置の所有者の氏名等の記録再生装置を個体として特定する情報が記載されることが多く、記録媒体を個体として特定する情報は記録媒体の外部に記載されることが多い。また、データを個体として特定するための、データの概要などの情報は紙等に別途記載しておくしかなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平6−318208号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、記録再生装置の小型化が進んでおり、記録再生装置を個体として特定する情報をその筐体に記載することが困難になってきた。同様に、記録媒体の小型化も進んでおり、記録媒体を個体として特定する情報を記録媒体の外部に記載することも困難になってきた。また、記録媒体に多数のデータが記録された場合、その個々のデータの概要について、ユーザが把握しておくことは困難であり、記録媒体に記録されるデータを個体として特定する情報を報知することが望まれていた。同様に、記録媒体に記録されるデータを分割するトラックマーク等の分割マークを個体として特定する情報を報知することが望まれていた。
【0005】
本発明は、筐体に記載されなくても装置を個体として特定する情報を報知する記録再生装置を提供することを目的とする。また、本発明は、記録媒体を個体として特定する情報を報知する記録再生装置を提供することを目的とする。また、本発明は、記録媒体に記録されているデータを個体として特定する情報を報知する記録再生装置を提供することを目的とする。更に、本発明は、記録媒体に記録されているデータを分割する分割マークを個体として特定する情報を報知する記録再生装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決し上記目的を達成するために、本発明の記録再生装置は、本装置を個体として特定するデータが記録される記録媒体と、電源からの電力の供給が開始されたことを検知する検知部と、前記電力の供給が開始されたことを前記検知部が検知した場合、前記記録媒体に記録されている前記データを再生する再生部とを備える。
【0007】
また、本発明の記録再生装置は、第1の記録媒体が使用される可能性があることを検知する検知部と、前記第1の記録媒体が使用される可能性があることを前記検知部が検知した場合、前記第1の記録媒体又は第2の記録媒体に記録されている前記第1の記録媒体を個体として特定するデータを再生する再生部とを備える。
【0008】
また、本発明の記録再生装置は、第1の記録媒体に記録されている第1のデータが選択されたことを検知する検知部と、前記第1のデータが選択されたことを前記検知部が検知した場合、前記第1の記録媒体又は第2の記録媒体に記録されている、前記第1のデータを個体として特定する第2のデータを再生する再生部とを備える。
【0009】
また、本発明の記録再生装置は、電源が収納される収納部と、記録媒体が挿入される挿入部と、前記記録媒体に記録されている前記記録媒体を個体として特定するデータを再生する再生部と、電源が前記収納部に収納されている場合、前記記録媒体が前記挿入部に挿入されたとき、前記収納部に収納されている電源が有する電力を前記再生部に導く切替部とを備え、前記再生部は、前記電力が供給された場合、前記データを再生する。
【0010】
また、本発明の記録再生装置は、可搬型の記録媒体が挿入される挿入部と固定型の記録媒体との少なくとも一方と、前記挿入部に挿入されている可搬型の記録媒体と前記固定型の記録媒体とのいずれかに記録されている第1のデータを分割する分割マークを検出する検出部と、前記検出部が前記分割マークを検出した場合、前記挿入部に挿入されている可搬型の記録媒体と前記固定型の記録媒体とのいずれかに記録されている、前記分割マークを個体として特定する第2のデータを再生する再生部とを備える。
【発明の効果】
【0011】
本発明は、筐体に記載されなくても装置を個体として特定する情報を報知する記録再生装置を提供することができる。また、本発明は、記録媒体を個体として特定する情報を報知する記録再生装置を提供することができる。また、本発明は、記録媒体に記録されているデータを個体として特定する情報を報知する記録再生装置を提供することができる。更に、本発明は、記録媒体に記録されているデータを分割する分割マークを個体として特定する情報を報知する記録再生装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】実施の形態1の記録再生装置の構成図である。
【図2】実施の形態1の記録再生装置の動作の各ステップを示すフローチャートである。
【図3】実施の形態2の記録再生装置の構成図である。
【図4】実施の形態2の記録再生装置の動作の各ステップを示すフローチャートである。
【図5】実施の形態3の記録再生装置の構成図である。
【図6】実体データ等がフォルダに格納された状態で記録媒体に記録されている状況を示す図である。
【図7】実施の形態3の記録再生装置の動作の各ステップを示すフローチャートである。
【図8】実施の形態3における変形例の記録再生装置の構成図である。
【図9】実施の形態4の記録再生装置の構成図である。
【図10】実施の形態4の記録再生装置の動作の各ステップを示すフローチャートである。
【図11】実施の形態5の記録再生装置の構成図である。
【図12】実施の形態5の記録再生装置の動作の各ステップを示すフローチャートである。
【図13】実施の形態6の記録再生装置の構成図である。
【図14】実施の形態6の記録再生装置の動作の各ステップを示すフローチャートである。
【図15】第1の実体データと第2の実体データとが記録媒体に記録されている様子を模式的に示す図である。
【図16】第1の実体データと第2の実体データとが実体データフォルダに格納されている状態を示す図である。
【図17】第1の特定データと第2の特定データとが特定データフォルダに格納されている状態を示す図である。
【図18】トラックマークと特定データとを対応付けるテーブルを示す図である。
【図19】実施の形態6における変形例1の記録再生装置の構成図である。
【図20】実施の形態6における変形例2の記録再生装置の構成図である。
【図21】実施の形態6における変形例3の記録再生装置の構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に、本発明を実施するための形態を図面を参照して説明する。
【0014】
(実施の形態1)
先ず、実施の形態1の記録再生装置100の構成を図1を用いて説明する。図1は、実施の形態1の記録再生装置100の構成図である。
【0015】
実施の形態1の記録再生装置100は、音のデータの記録及び再生を行う装置であって、図1に示すように、記録媒体1と、電源2と、切替部3と、検知部4と、判断部5と、再生部6と、要求部7と、選択部8と、取得部9と、記録部10とを有する。
【0016】
記録媒体1は、実施の形態1の記録再生装置100を個体として特定するデータ(以下、「特定データe」という。)が記録される媒体である。特定データeは、例えば、実施の形態1の記録再生装置100の所有者の氏名の音のデータである。電源2は、実施の形態1の記録再生装置100の各構成部に電力を供給する。切替部3は、例えばスイッチであって、電源2のオンとオフとを切り替える。検知部4は、電源2から実施の形態1の記録再生装置100の各構成部への電力の供給が開始されたことを検知する。
【0017】
判断部5は、特定データeが記録媒体1に記録されているか否かを判断する。再生部6は、記録媒体1に記録されている特定データeを再生する。要求部7は、特定データeの記録を要求する。選択部8は、特定データeの記録を行うか否かの選択を受け付ける。取得部9は、選択部8が特定データeの記録を行う選択を受け付けた場合、特定データeを取得し、選択部8が特定データeの記録を行わない選択を受け付けた場合、特定データeを取得しない。記録部10は、取得部9が取得した特定データeを記録媒体1に記録する。
【0018】
次に、実施の形態1の記録再生装置100の動作を図2を用いて説明する。図2は、実施の形態1の記録再生装置100の動作の各ステップを示すフローチャートである。
【0019】
ユーザが切替部3をオンすると、検知部4は、電源2から実施の形態1の記録再生装置100の各構成部への電力の供給が開始されたことを検知する(S1)。そうすると、判断部5は、実施の形態1の記録再生装置100を個体として特定する特定データeが記録媒体1に記録されているか否かを判断する(S2)。特定データeが記録媒体1に記録されていると判断部5が判断した場合(S2でYes)、再生部6は、記録媒体1から特定データeを取得して再生する(S3)。
【0020】
これにより、特定データeに対応する音が実施の形態1の記録再生装置100の外部に出力される。すなわち、実施の形態1の記録再生装置100は、筐体に記載されなくても、実施の形態1の記録再生装置100を個体として特定する情報を装置の外部に音により報知することができる。
【0021】
ところで、ステップS2において、特定データeが記録媒体1に記録されていないと判断部5が判断した場合(S2でNo)、要求部7は、音及び画像を用いて特定データeの記録をユーザに要求する(S4)。選択部8は、要求部7が特定データeの記録を要求した後に、特定データeの記録を行うか否かの選択を受け付ける(S5)。
【0022】
ユーザが特定データeの記録を行うことを選択してその旨を選択部8に指示し(S5でYes)、氏名等の実施の形態1の記録再生装置100を個体として特定する情報を声に出して言うと、取得部9は、その音を取得し音のデータに変換して特定データeを取得する(S6)。記録部10は、取得部9が取得した特定データeを記録媒体1に記録する(S7)。
【0023】
これにより、次回に電源2がオンされて実施の形態1の記録再生装置100の各構成部への電力の供給が開始されると、実施の形態1の記録再生装置100は、自らを個体として特定する特定データeを装置の外部に音により報知することができる。
【0024】
なお、ステップS5において、ユーザが特定データeの記録を行わないことを選択してその旨を選択部8に指示すると(S5でNo)、実施の形態1の記録再生装置100の本実施形態に係わる動作は終了する。
【0025】
上述したように、実施の形態1の記録再生装置100は、実施の形態1の記録再生装置100を個体として特定する特定データeが記録媒体1に記録されていれば、電源2がオンされたとき、特定データeを自動的に再生し、特定データeに対応する音を装置の外部に出力する。このように、実施の形態1の記録再生装置100は、筐体に記載されなくても実施の形態1の記録再生装置100を個体として特定する情報を音により装置の外部に報知することができる。特定データeが実施の形態1の記録再生装置100の所有者の氏名の音のデータであれば、ユーザは、電源2をオンするだけで、実施の形態1の記録再生装置100が誰の所有物であるのかを音により判断することができる。
【0026】
また、実施の形態1の記録再生装置100は、特定データeが記録媒体1に記録されていなければ、特定データeの記録をユーザに要求する。それに対してユーザが特定データeを入力すると、次回に電源2がオンされたとき、特定データeが実施の形態1の記録再生装置100の外部に報知されるという効果が得られる。
【0027】
また、特定データeを報知させたくないと考える場合、特定データeの記録が要求されても、ユーザは、特定データeの記録を行わないことを選択してその旨を選択部8に指示する。そうすると、次回に電源2がオンされても、実施の形態1の記録再生装置100を個体として特定する情報は報知されることはない。例えば、実施の形態1の記録再生装置100の所有者を明らかにしたくない場合、ユーザは、特定データeの記録を要求されても、それに応じないことを選択すればよい。
【0028】
(実施の形態2)
次に、実施の形態2の記録再生装置200の構成を図3を用いて説明する。図3は、実施の形態2の記録再生装置200の構成図である。
【0029】
実施の形態2の記録再生装置200は、音のデータの記録及び再生を行う装置であって、図3に示すように、挿入部11と、検知部12と、判断部13と、再生部14と、要求部15と、選択部16と、取得部17と、記録部18とを有する。
【0030】
挿入部11は、記録媒体Aが挿入される。記録媒体Aは、記録媒体Aを個体として特定するデータ(以下、「特定データm」という。)が記録される例えばリムーバブルな媒体である。特定データmは、例えば、実施の形態2の記録媒体Aに記録されているデータの内容を示す音のデータである。検知部12は、記録媒体Aが挿入部11に挿入されたことを検知する。判断部13は、特定データmが記録媒体Aに記録されているか否かを判断する。
【0031】
再生部14は、記録媒体Aに記録されている特定データmを再生する。要求部15は、特定データmの記録を要求する。選択部16は、要求部15が特定データmの記録を要求した後に、特定データmの記録を行うか否かの選択を受け付ける。取得部17は、選択部16が特定データmの記録を行う選択を受け付けた場合、特定データmを取得し、選択部16が特定データmの記録を行わない選択を受け付けた場合、特定データmを取得しない。記録部18は、取得部17が取得した特定データmを記録媒体Aに記録する。
【0032】
次に、実施の形態2の記録再生装置200の動作を図4を用いて説明する。図4は、実施の形態2の記録再生装置200の動作の各ステップを示すフローチャートである。
【0033】
ユーザが記録媒体Aを挿入部11に挿入すると、検知部12は、記録媒体Aが挿入部11に挿入されたことを検知する(S11)。そうすると、判断部13は、記録媒体Aを個体として特定する特定データmが記録媒体Aに記録されているか否かを判断する(S12)。特定データmが記録媒体Aに記録されていると判断部13が判断した場合(S12でYes)、再生部14は、記録媒体Aから特定データmを取得して再生する(S13)。
【0034】
これにより、特定データmに対応する音が実施の形態2の記録再生装置200の外部に出力される。すなわち、実施の形態2の記録再生装置200は、記録媒体Aの外部に記載されなくても、記録媒体Aを個体として特定する情報を音により報知することができる。
【0035】
ところで、ステップS12において、特定データmが記録媒体Aに記録されていないと判断部13が判断した場合(S12でNo)、要求部15は、音及び画像を用いて特定データmの記録をユーザに要求する(S14)。選択部16は、要求部15が特定データmの記録を要求した後に、特定データmの記録を行うか否かの選択を受け付ける(S15)。
【0036】
ユーザが特定データmの記録を行うことを選択してその旨を選択部16に指示し(S15でYes)、氏名等の記録媒体Aを個体として特定する情報を声に出して言うと、取得部17は、その音を取得し音のデータに変換して特定データmを取得する(S16)。記録部18は、取得部17が取得した特定データmを記録媒体Aに記録する(S17)。
【0037】
これにより、次回に記録媒体Aが挿入部11に挿入されると、実施の形態2の記録再生装置200は、記録媒体Aを個体として特定する特定データmを報知することができる。
【0038】
なお、ステップS15において、ユーザが特定データmの記録を行わないことを選択してその旨を選択部16に指示すると(S15でNo)、実施の形態2の記録再生装置200の本実施形態に係わる動作は終了する。
【0039】
上述したように、実施の形態2の記録再生装置200は、特定データmが記録媒体Aに記録されていれば、記録媒体Aが挿入部11に挿入されたとき、特定データmを自動的に再生し、特定データmに対応する音を装置の外部に出力する。このように、実施の形態2の記録再生装置200は、記録媒体Aを個体として特定する情報が記録媒体Aの外部に記載されなくても、記録媒体Aを個体として特定する情報を音により装置の外部に報知することができる。特定データmが記録媒体Aの所有者の氏名の音のデータであれば、ユーザは、記録媒体Aを挿入部11に挿入するだけで、記録媒体Aが誰の所有物であるのかを音により判断することができる。
【0040】
また、実施の形態2の記録再生装置200は、特定データmが記録媒体Aに記録されていなければ、特定データmの記録をユーザに要求する。それに対してユーザが特定データmを入力すると、次回に記録媒体Aが挿入部11に挿入されたとき、特定データmが実施の形態2の記録再生装置200の外部に報知されるという効果が得られる。
【0041】
また、特定データmを報知させたくないと考える場合、特定データmの記録が要求されても、ユーザは、特定データmの記録を行わないことを選択してその旨を選択部16に指示する。そうすると、次回に記録媒体Aが挿入部11に挿入されても、記録媒体Aを個体として特定する情報は実施の形態2の記録再生装置200の外部に報知されることはない。例えば、記録媒体Aの所有者を明らかにしたくない場合、ユーザは、特定データmの記録を要求されても、それに応じないことを選択すればよい。
【0042】
なお、上述した実施の形態2では、検知部12は、記録媒体Aが挿入部11に挿入されたことを検知する。しかしながら、検知部12は、記録媒体Aが挿入部11に挿入された状態で記録媒体Aの各構成部に電源(不図示)からの電力の供給が開始されたことを検知してもよい。
【0043】
要するに、検知部12は、特定データmが記録される記録媒体Aが使用される可能性があることを検知する。そして、判断部13は、特定データmが記録される記録媒体Aが使用される可能性があることを検知部12が検知した場合、特定データmが記録媒体Aに記録されているか否かを判断する。
【0044】
また、記録媒体Aが固有番号を持つ記録媒体であれば、特定データmを記録再生装置200に内蔵されている記録媒体1に記録するようにしてもよい。この場合、検知部12が記録媒体Aが使用される可能性があることを検知すると、再生部14は、記録媒体Aの固有番号を基に記録媒体1に記録されている特定データmを再生する。また、判断部13が、特定データmが記録媒体1に記録されていないと判断した場合、記録部18は、取得部17が取得する特定データmと記録媒体Aの固有番号とを記録媒体1に記録する。記録媒体Aが固有番号を持たない記録媒体であった場合、記録部18は、記録媒体Aを他の記録媒体と識別するための固有番号を記録媒体Aに記録するようにしてもよい。
【0045】
(実施の形態3)
次に、実施の形態3の記録再生装置300の構成を図5を用いて説明する。図5は、実施の形態3の記録再生装置300の構成図である。
【0046】
実施の形態3の記録再生装置300は、音のデータの記録及び再生を行う装置であって、図5に示すように、挿入部11と、検知部21と、判断部22と、再生部23と、要求部24と、選択部25と、取得部26と、記録部27とを有する。
【0047】
挿入部11は、記録媒体Aが挿入される。記録媒体Aは、会議や演奏会等の音のデータ(以下、「実体データa」という。)が記録される例えばリムーバブルな媒体であって、図6に示すように、実体データaはフォルダfに格納された状態で記録媒体Aに記録されている。図6は、実体データa等がフォルダfに格納された状態で記録媒体Aに記録されている状況を示す図である。
【0048】
また、記録媒体Aには、図6に示すように、フォルダfを個体として特定するデータ(以下、「特定データfs」という。)と、実体データaを個体として特定するデータ(以下、「特定データas」という。)とが、フォルダfに格納された状態で記録される。特定データfsは、例えばフォルダfとファイルネームが同じで拡張子が異なるデータのように、フォルダfに関連付けられてフォルダfに格納される。また、実体データa及び特定データasは、例えばファイルネームが同じで拡張子が異なるデータのように、相互に関連付けられてフォルダfに格納される。また、特定データfsは例えばフォルダfの概要を説明する音のデータであることが望ましく、特定データasは例えば実体データaの概要を説明する音のデータであることが望ましい。
【0049】
検知部21は、記録媒体Aに記録されているフォルダf又は実体データaが選択されたことを検知する。例えば、図6において、カーソルによりフォルダf又は実体データaが選択された場合、検知部21はその選択を検知する。判断部22は、フォルダfを個体として特定する特定データfsが記録媒体Aに記録されているか否かを判断する。また、判断部22は、実体データaを個体として特定する特定データasが記録媒体Aに記録されているか否かを判断する。再生部23は、特定データfs及び特定データasを再生する。フォルダf又は実体データaの選択は、例えば、ユーザが図示しない操作部を操作することで行われる。
【0050】
要求部24は、特定データfs及び特定データasの記録を要求する。選択部25は、要求部24が特定データfsの記録を要求した後に、特定データfsの記録を行うか否かの選択を受け付ける。また、選択部25は、要求部24が特定データasの記録を要求した後に、特定データasの記録を行うか否かの選択を受け付ける。
【0051】
取得部26は、選択部25が特定データfsの記録を行う選択を受け付けた場合、特定データfsを取得し、選択部25が特定データfsの記録を行わない選択を受け付けた場合、特定データfsを取得しない。また、取得部26は、選択部25が特定データasの記録を行う選択を受け付けた場合、特定データasを取得し、選択部25が特定データasの記録を行わない選択を受け付けた場合、特定データasを取得しない。記録部27は、取得部26が取得した特定データfs及び特定データasをフォルダfに格納されるように記録媒体Aに記録する。
【0052】
次に、実施の形態3の記録再生装置300の動作を図7を用いて説明する。図7は、実施の形態3の記録再生装置300の動作の各ステップを示すフローチャートである。
【0053】
ユーザが記録媒体Aを挿入部11に挿入し、記録媒体Aに記録されている実体データaを選択すると、検知部21は、記録媒体Aに記録されている実体データaが選択されたことを検知する(S21)。そうすると、判断部22は、実体データaを個体として特定する特定データasが記録媒体Aに記録されているか否かを判断する(S22)。特定データasが記録媒体Aに記録されていると判断部22が判断した場合(S22でYes)、再生部23は、実体データaを再生する前に、記録媒体Aから特定データasを取得して再生する(S23)。
【0054】
これにより、特定データasに対応する音が実施の形態3の記録再生装置300の外部に出力される。すなわち、実施の形態3の記録再生装置300は、記録媒体Aの外部に記載されなくても、実体データaを個体として特定する情報を音により報知することができる。
【0055】
ところで、ステップS22において、特定データasが記録媒体Aに記録されていないと判断部22が判断した場合(S22でNo)、要求部24は、音及び画像を用いて特定データasの記録をユーザに要求する(S24)。選択部25は、要求部24が特定データasの記録を要求した後に、特定データasの記録を行うか否かの選択を受け付ける(S25)。
【0056】
ユーザが特定データasの記録を行うことを選択してその旨を選択部25に指示し(S25でYes)、実体データaの内容等の実体データaを個体として特定する情報を声に出して言うと、取得部26は、その音を取得し音のデータに変換して特定データasを取得する(S26)。記録部27は、取得部26が取得した特定データasをフォルダfに格納されるように記録媒体Aに記録する(S27)。
【0057】
これにより、次回に実体データaが選択されると、実施の形態3の記録再生装置300は、実体データaを個体として特定する特定データasを報知することができる。
【0058】
なお、ステップS25において、ユーザが特定データasの記録を行わないことを選択してその旨を選択部25に指示すると(S25でNo)、実施の形態3の記録再生装置300の本実施形態に係わる動作は終了する。
【0059】
上述したように、実施の形態3の記録再生装置300は、実体データaを個体として特定する特定データasが記録媒体Aに記録されていれば、実体データaが選択されたとき、実体データaを再生する前に自動的に特定データasを再生し、特定データasに対応する音を装置の外部に出力する。このように、実施の形態3の記録再生装置300は、実体データaを個体として特定する情報が記録媒体Aの外部に記載されなくても、実体データaを個体として特定する情報を音により装置の外部に報知することができる。
【0060】
例えば、特定データasが、実体データaが最初から10分から15分までの期間が重要なデータであることを示すデータであれば、ユーザは、実体データaを選択するだけでその旨を判断することができ、実体データaの重要な部分のみを再生して聞くことができる。これにより、実体データaを再生するための時間を全体を再生する場合に比べて短くすることができる。また、例えば、特定データasが、実体データaが重要ではないデータであることを示すデータであれば、ユーザは、実体データaを選択するだけで実体データaが重要ではないと判断することができる。そのため、記録媒体Aの記録容量が低下している場合、記録容量を増加させるために、中身を再生して聞かずに実体データaを削除することができる。また、ユーザが実体データaを削除した時に、記録部27は、特定データasも消去するようにしてもよい。
【0061】
また、実施の形態3の記録再生装置300は、特定データasが記録媒体Aに記録されていなければ、特定データasの記録をユーザに要求する。それに対してユーザが特定データasを入力すると、次回に実体データaが選択されたとき、特定データasが実施の形態3の記録再生装置300の外部に報知されるという効果が得られる。
【0062】
また、特定データasを報知させたくないと考える場合、特定データasの記録が要求されても、ユーザは、特定データasの記録を行わないことを選択してその旨を選択部25に指示する。そうすると、次回に実体データaが選択されても、実体データaを個体として特定する情報は実施の形態3の記録再生装置300の外部に報知されることはない。例えば、実体データaの内容を明らかにしたくない場合、ユーザは、特定データasの記録を要求されても、それに応じないことを選択すればよい。
【0063】
なお、上述した実施の形態3では、実施の形態3の記録再生装置300の動作を説明する際、検知部21が記録媒体Aに記録されている実体データaが選択されたことを検知する場合を述べた。しかしながら、検知部21は、実体データaが格納されているフォルダfが選択されたときにもそれを検知する。
【0064】
フォルダfが選択されたことを検知部21が検知すると、判断部22は、フォルダfを個体として特定する特定データfsが記録媒体Aに記録されているか否かを判断する。特定データfsが記録媒体Aに記録されている場合、再生部23は、記録媒体Aから特定データfsを取得して再生する。このようにフォルダfが選択された場合、図7を用いて説明した実施の形態3の記録再生装置300の動作では、実体データaはフォルダfに置き換えられ、特定データasは特定データfsに置き換えられる。このように、本明細書では、フォルダはデータの一例である。
【0065】
また、特定データfs又は特定データasの記録媒体Aへの記録は、特定データfsが再生された後に行われてもよいし、実体データaのリピート再生区間が指定された後に行われてもよい。
【0066】
また、記録媒体Aが固有番号を持つ記録媒体であれば、特定データfs及び特定データasを記録再生装置300に内蔵されている記録媒体1に記録するようにしてもよい。この場合、検知部21が、フォルダfが選択されたことを検知すると、再生部23は、固有番号を基に記録媒体1に記録されている特定データfsを再生する。検知部21が、実体データaが選択されたことを検知すると、再生部23は、固有番号を基に記録媒体1に記録されている特定データasを再生する。
【0067】
また、判断部22が、特定データが記録媒体1に記録されていないと判断した場合、記録部27は、取得部26が取得する特定データfs及び特定データasを記録媒体Aの固有番号とともに記録媒体1に記録する。記録媒体Aが固有番号を持たない記録媒体であった場合、記録部27は、記録媒体Aを他の記録媒体と識別するための固有番号を記録媒体Aに記録するようにしてもよい。
【0068】
更に、記録再生装置は、特定データas又は特定データfsを再生するための指示を受け付ける受付部28を更に有していてもよい。図8は、受付部28を有する実施の形態3における変形例の記録再生装置301の構成図である。記録再生装置301では、再生部23は、特定データasが記録媒体Aに記録されていると判断部22が判断するとともに、受付部28が特定データasを再生するための指示を受け付けた場合、記録媒体A又は記録媒体1から特定データasを取得して再生する。また、記録再生装置301では、再生部23は、特定データfsが記録媒体Aに記録されていると判断部22が判断するとともに、受付部28が特定データfsを再生するための指示を受け付けた場合、記録媒体A又は記録媒体1から特定データasを取得して再生する。
【0069】
(実施の形態4)
次に、実施の形態4の記録再生装置400の構成を図9を用いて説明する。図9は、実施の形態4の記録再生装置400の構成図である。
【0070】
実施の形態4の記録再生装置400は、音のデータの記録及び再生を行う装置であって、図9に示すように、収納部41と、挿入部42と、切替部43と、判断部44と、再生部45と、要求部46と、選択部47と、取得部48と、記録部49とを有する。
【0071】
収納部41は、電源Bが収納される。挿入部42は、記録媒体Cが挿入される。記録媒体Cは、記録媒体Cを個体として特定するデータ(以下、「特定データM」という。)が記録される可搬型の媒体である。特定データMは、例えば、記録媒体Cの所有者の氏名の音のデータである。
【0072】
切替部43は、電源Bが収納部41に収納されている場合、収納部41、挿入部42、及び切替部43を除く記録再生装置400の各構成部へ電源Bの電力が供給される状態と供給されない状態とを切り替える。具体的に説明すると、切替部43は、機械的なスイッチであって、電源Bが収納部41に収納されている状態で、記録媒体Cが挿入部42に挿入されて記録媒体Cにより押圧されると、電源Bの電力の記録再生装置400の各構成部への供給を開始する。また、電源Bが収納部41に収納されている状態で、記録媒体Cが挿入部42から取り除かれて記録媒体Cにより押圧されなくなると、切替部43は、電源Bの電力の記録再生装置400の各構成部への供給を停止する。
【0073】
判断部44は、特定データMが記録媒体Cに記録されているか否かを判断する。再生部45は、記録媒体Cに記録されている特定データMを再生する。要求部46は、特定データMの記録を要求する。選択部47は、要求部46が特定データMの記録を要求した後に、特定データMの記録を行うか否かの選択を受け付ける。取得部48は、選択部47が特定データMの記録を行う選択を受け付けた場合、特定データMを取得し、選択部47が特定データMの記録を行わない選択を受け付けた場合、特定データMを取得しない。記録部49は、取得部48が取得した特定データMを記録媒体Cに記録する。
【0074】
次に、実施の形態4の記録再生装置400の動作を図10を用いて説明する。図10は、実施の形態4の記録再生装置400の動作の各ステップを示すフローチャートである。
【0075】
今、電源Bは収納部41に収納されているが、記録媒体Cは挿入部42に挿入されておらず、電源Bの電力が記録再生装置400の各構成部に供給されていない状態を想定する。すなわち、電源Bがオフである状態を想定する。その状態で、ユーザが記録媒体Cを挿入部42に挿入すると(S31)、切替部43は、電源Bの電力の記録再生装置400の各構成部への供給を開始する(S32)。
【0076】
そうすると、判断部44は、記録媒体Cを個体として特定する特定データMが記録媒体Cに記録されているか否かを判断する(S33)。特定データMが記録媒体Cに記録されていると判断部44が判断した場合(S33でYes)、再生部45は、記録媒体Cから特定データMを取得して再生する(S34)。これにより、特定データMに対応する音が記録再生装置400の外部に出力される。
【0077】
このように、実施の形態4の記録再生装置400は、記録媒体Cが挿入部42に挿入されておらず電源Bがオフである場合、記録媒体Cが挿入部42に挿入されると、電源Bをオフからオンに変化させる。特定データMが記録媒体Cに記録されていれば、電源Bがオフからオンに変化すると、記録再生装置400は、特定データMに対応する情報、つまり記録媒体Cを個体として特定する情報を音により報知する。これにより、ユーザは、記録媒体Cを挿入部42に挿入するだけでオフの状態の電源Bをオンの状態に変化させることができるとともに、特定データMが記録媒体Cに記録されていれば、記録媒体Cを個体として特定する情報を音により知ることができる。
【0078】
ところで、ステップS33において、特定データMが記録媒体Cに記録されていないと判断部44が判断した場合(S33でNo)、要求部46は、音及び画像を用いて特定データMの記録をユーザに要求する(S35)。選択部47は、要求部46が特定データMの記録を要求した後に、特定データMの記録を行うか否かの選択を受け付ける(S36)。
【0079】
ユーザが特定データMの記録を行うことを選択してその旨を選択部47に指示し(S36でYes)、記録媒体Cの所有者の氏名等の記録媒体Cを個体として特定する情報を声に出して言うと、取得部48は、その音を取得し音のデータに変換して特定データMを取得する(S37)。記録部49は、取得部48が取得した特定データMを記録媒体Cに記録する(S38)。
【0080】
これにより、挿入部42に挿入されている記録媒体Cが挿入部42から取り除かれて電源Bがオンからオフに変化した後に、記録媒体Cが挿入部42に再び挿入されると、電源Bがオフからオンに再び変化し、記録再生装置400は、記録媒体Cを個体として特定する情報を報知することができる。
【0081】
なお、ステップS36において、ユーザが特定データMの記録を行わないことを選択してその旨を選択部47に指示すると(S36でNo)、記録再生装置400の動作は終了する。
【0082】
上述したように、実施の形態4の記録再生装置400では、記録媒体Cが挿入部42に挿入されておらず電源Bがオフである場合、記録媒体Cが挿入部42に挿入されると、電源Bの電力が記録再生装置400の各構成部へ供給される。そのとき、特定データMが記録媒体Cに記録されていれば、記録再生装置400は、特定データMを再生し、特定データMに対応する音を装置の外部に出力する。すなわち、記録再生装置400は、記録媒体Cが挿入部42に挿入されたことを契機として、オフの状態の電源Bをオンの状態に変化させ、特定データMを再生して記録媒体Cを個体として特定する情報を音により装置の外部に出力する。
【0083】
これにより、ユーザは、記録媒体Cを挿入部42に挿入するだけで、オフの状態の電源Bをオンの状態に変化させることができるとともに、記録媒体Cを個体として特定する情報を音により知ることができる。また、ユーザは、必要な場合のみ記録媒体Cを挿入部42に挿入することにより、記録再生装置400における電力の消費を抑えることができる。
【0084】
また、記録再生装置400は、特定データMが記録媒体Cに記録されていなければ、特定データMの記録をユーザに要求する。それに対してユーザが記録媒体Cを個体として特定する情報を声に出して言うと、ユーザは、電源Bがオフのときに記録媒体Cを挿入部42に挿入するだけで、記録媒体Cを個体として特定する情報を音により知ることができる。
【0085】
逆に、記録媒体Cを個体として特定する情報を報知させたくないと考える場合、特定データMの記録が要求されても、ユーザは、特定データMの記録を行わないことを選択してその旨を選択部47に指示すればよい。そうすると、次回に記録媒体Cが挿入部42に挿入されても、記録媒体Cを個体として特定する情報は記録再生装置400の外部に報知されることはない。例えば、記録媒体Cの所有者を明らかにしたくない場合、ユーザは、特定データMの記録を要求されても、それに応じないことを選択すればよい。
【0086】
なお、上述した実施の形態4では、切替部43は機械的なスイッチであると説明したが、切替部43は機械的なスイッチであるとは限定されない。例えば、切替部43は、記録媒体Cが挿入部42に挿入されたことを検知する機能を有しており、電源Bの電力が常に供給されていて、記録媒体Cが挿入部42に挿入されたことを検知したとき、記録再生装置400の各構成部に電源Bの電力が供給されるように構成されていてもよい。いずれにしても、切替部43は、電源Bが収納部41に収納されている状態で、記録媒体Cが挿入部42に挿入されると、電源Bの電力の記録再生装置400の各構成部への供給を開始する。また、電源Bが収納部41に収納されている状態で、記録媒体Cが挿入部42から取り除かれると、切替部43は、電源Bの電力の記録再生装置400の各構成部への供給を停止する。
【0087】
また、上述した実施の形態4では、記録再生装置400は、記録媒体Cが挿入部42に挿入されるとオフである状態の電源Bをオンさせる。しかしながら、記録再生装置400は、電源Bのオンとオフとを切り替えるための指示を受け付ける受付部を有していてもよい。その場合、その受付部が、電源Bがオンであって記録媒体Cが挿入部42に挿入されている状態で電源Bをオフさせる指示を受け付けたとき、記録媒体Cが挿入部42に挿入されていても、オンの状態の電源Bはオフの状態に変化する。また、記録再生装置400は、電源Bがオフであって記録媒体Cが挿入部42に挿入されている状態で記録媒体Cが挿入部42から取り除かれた場合、電源Bをオンに変化させてもよい。更に、記録再生装置400は、電源Bがオフであって記録媒体Cが挿入部42に挿入されている状態で記録媒体Cが挿入部42から取り除かれた場合、記録媒体Cが挿入部42から取り除かれたことを記録するメモリを有していてもよい。
【0088】
(実施の形態5)
次に、実施の形態5の記録再生装置500の構成を図11を用いて説明する。図11は、実施の形態5の記録再生装置500の構成図である。
【0089】
実施の形態5の記録再生装置500は、音のデータの記録及び再生を行う装置であって、図11に示すように、収納部51と、挿入部52と、受付部53と、切替部54と、媒体存在判断部55と、データ存在判断部56と、固定型記録媒体57と、識別情報判断部58と、再生部59と、記録/消去部60と、要求部61と、選択部62と、取得部63と、個体識別情報生成部64と、記録部65とを有する。
【0090】
収納部51は、電源Dが収納される。挿入部52は、可搬型の記録媒体Eが挿入される。可搬型の記録媒体Eは、可搬型の記録媒体Eを個体として特定するデータ(以下、「特定データX」という。)が記録される媒体である。特定データXは、例えば、可搬型の記録媒体Eの所有者の氏名の音のデータである。可搬型の記録媒体Eは、特定データXを個体として識別することができる情報(以下、「個体識別情報」という。)も記録される。受付部53は、ユーザから、記録再生装置500の各構成部への電力の供給を開始するための指示を受け付けるとともに、各構成部への電力の供給を停止するための指示を受け付ける。受付部53は、例えば、スイッチ又はボタンである。
【0091】
切替部54は、電源Dが収納部51に収納されている場合、収納部51、挿入部52、受付部53、及び切替部54を除く記録再生装置500の各構成部へ電源Dの電力が供給される状態と供給されない状態とを切り替える。具体的に説明すると、切替部54は、電源Dが収納部51に収納されていて、記録再生装置500のいずれの構成部へも電力が供給されていない状態で、受付部53が記録再生装置500の各構成部への電力の供給を開始するための指示を受け付けると、電源Dの電力の記録再生装置500の各構成部への供給を開始する。また、切替部54は、電源Dが収納部51に収納されていて、記録再生装置500の各構成部へ電力が供給されている状態で、受付部53が記録再生装置500の各構成部への電力の供給を停止するための指示を受け付けると、電源Dの電力の記録再生装置500の各構成部への供給を停止する。
【0092】
媒体存在判断部55は、可搬型の記録媒体Eが挿入部52に存在しているか否かを判断する。データ存在判断部56は、特定データXが可搬型の記録媒体Eに記録されているか否かを判断する。固定型記録媒体57は、記録再生装置500の内部に設けられる固定型の記録媒体である。固定型記録媒体57には、いずれかの可搬型の記録媒体についての個体識別情報が記録される。
【0093】
識別情報判断部58は、挿入部52に挿入されている可搬型の記録媒体Eに記録されている個体識別情報と、固定型記録媒体57に記録されている個体識別情報とが一致しているか否かを判断する。再生部59は、挿入部52に挿入されている可搬型の記録媒体Eに記録されている特定データXを再生する。
【0094】
記録/消去部60は、2個の個体識別情報が一致していないと識別情報判断部58が判断した場合、固定型記録媒体57に記録されている個体識別情報を消去し、挿入部52に挿入されている可搬型の記録媒体Eに記録されている個体識別情報を固定型記録媒体57に記録する。また、記録/消去部60は、電源Dがオンであって、挿入部52に挿入されている可搬型の記録媒体Eが取り除かれた場合、固定型記録媒体57に記録されている個体識別情報を消去する。また、記録/消去部60は、電源Dがオンであって、可搬型の記録媒体Eが挿入部52に新たに挿入された場合、挿入された可搬型の記録媒体Eの個体識別情報を固定型記録媒体57に記録する。また、記録/消去部60は、可搬型の記録媒体Eが挿入部52に存在していないと媒体存在判断部55が判断した場合、固定型記録媒体57に記録されている個体識別情報を消去する。
【0095】
要求部61は、特定データXの記録を要求する。選択部62は、要求部61が特定データXの記録を要求した後に、特定データXの記録を行うか否かの選択を受け付ける。取得部63は、選択部62が特定データXの記録を行う選択を受け付けた場合、特定データXを取得し、選択部62が特定データXの記録を行わない選択を受け付けた場合、特定データXを取得しない。個体識別情報生成部64は、挿入部52に挿入されている可搬型の記録媒体Eの個体識別情報を生成する。記録部65は、取得部63が取得した特定データXを可搬型の記録媒体Eに記録する。
【0096】
次に、実施の形態5の記録再生装置500の動作を図12を用いて説明する。図12は、実施の形態5の記録再生装置500の動作の各ステップを示すフローチャートである。
【0097】
今、電源Dは収納部51に収納されているが、記録再生装置500のいずれの構成部にも電力が供給されていない状態を想定する。すなわち、電源Dがオフである状態を想定する。その状態で、ユーザが記録再生装置500の各構成部への電力の供給を開始するための指示を受付部53に対して行うと、切替部54は、収納部51、挿入部52、受付部53、及び切替部54を除く記録再生装置500の各構成部への電源Dの電力の供給を開始する(S41)。
【0098】
そうすると、媒体存在判断部55は、可搬型の記録媒体Eが挿入部52に存在しているか否かを判断する(S42)。つまり、媒体存在判断部55は、可搬型の記録媒体Eが挿入部52に挿入されているか否かを判断する(S42)。可搬型の記録媒体Eが挿入部52に存在していると媒体存在判断部55が判断した場合(S42でYes)、データ存在判断部56は、特定データXが挿入部52に挿入されている可搬型の記録媒体Eに記録されているか否かを判断する(S43)。
【0099】
特定データXが可搬型の記録媒体Eに記録されているとデータ存在判断部56が判断した場合(S43でYes)、識別情報判断部58は、挿入部52に挿入されている可搬型の記録媒体Eに記録されている個体識別情報を取得するとともに、固定型記録媒体57に記録されている個体識別情報を取得し、取得した2個の個体識別情報が一致しているか否かを判断する(S44)。2個の個体識別情報が一致していると識別情報判断部58が判断した場合(S44でYes)、記録再生装置500の動作は終了する。
【0100】
このように、挿入部52に挿入されている可搬型の記録媒体Eに記録されている個体識別情報と、固定型記録媒体57に記録されている個体識別情報とが一致している場合(S44でYes)、記録再生装置500は、可搬型の記録媒体Eに記録されている特定データXに対応する音を装置の外部に出力しない。すなわち、電源Dが前回オンの状態からオフに変化し更にオンに変化した後も、挿入部52に挿入されている可搬型の記録媒体Eに記録されている特定データXが変化していない場合、記録再生装置500は、特定データXに対応する音を装置の外部に出力しない。
【0101】
これにより、ユーザは、電源Dが前回オンの状態からオフに変化し更にオンに変化した後も同じ可搬型の記録媒体Eが挿入部52に挿入されており、かつ特定データXが変化していないことを知ることができる。また、変化していない特定データXに対応する音、すなわち可搬型の記録媒体Eを個体として特定する情報をユーザに繰り返し聞かせる、という事態を回避することができる。
【0102】
ところで、ステップS44において、2個の個体識別情報が一致していないと識別情報判断部58が判断した場合(S44でNo)、再生部59は、挿入部52に挿入されている可搬型の記録媒体Eに記録されている特定データXを再生する(S45)。記録/消去部60は、固定型記録媒体57に記録されている個体識別情報を消去し、挿入部52に挿入されている可搬型の記録媒体Eに記録されている個体識別情報を固定型記録媒体57に記録する(S46)。
【0103】
これにより、記録再生装置500は、電源Dがオンしたとき、挿入部52に挿入されている可搬型の記録媒体の特定データが、電源Dが前回オンしたときから変化したことをユーザに報知することができる。したがって、例えば、特定データが可搬型の記録媒体の所有者の氏名の音のデータであれば、ユーザは、挿入部52に挿入されている可搬型の記録媒体が、電源Dがオフのときに入れ替えられたことを推定することができる。
【0104】
なお、ステップS44における2個の個体識別情報が一致していない場合には、挿入部52に挿入されている可搬型の記録媒体Eに個体識別情報が記録されていない場合と、固定型記録媒体57に個体識別情報が記録されていない場合とが含まれる。
【0105】
挿入部52に挿入されている可搬型の記録媒体Eに個体識別情報が記録されていない場合、個体識別情報生成部64は、挿入部52に挿入されている可搬型の記録媒体Eの個体識別情報を生成する。記録/消去部60は、固定型記録媒体57に記録されている個体識別情報を消去し、個体識別情報生成部64によって生成された個体識別情報を固定型記録媒体57に記録する(S46)。それとともに、記録部65は、個体識別情報生成部64によって生成された個体識別情報を挿入部52に挿入されている可搬型の記録媒体Eに記録する。他方、固定型記録媒体57に個体識別情報が記録されていない場合、記録/消去部60は、消去動作を行うことなく、挿入部52に挿入されている可搬型の記録媒体Eに記録されている個体識別情報、又は個体識別情報生成部64によって生成された個体識別情報を固定型記録媒体57に記録する(S46)。
【0106】
また、ステップS43において、特定データXが挿入部52に挿入されている可搬型の記録媒体Eに記録されていないとデータ存在判断部56が判断した場合(S43でNo)、要求部61は、音及び画像を用いて特定データXの記録をユーザに要求する(S47)。選択部62は、要求部61が特定データXの記録を要求した後に、特定データXの記録を行うか否かの選択を受け付ける(S48)。
【0107】
ユーザが特定データXの記録を行うことを選択してその旨を選択部62に指示し(S48でYes)、挿入部52に挿入されている可搬型の記録媒体Eを個体として特定する情報を声に出して言うと、取得部63は、その音を取得し音のデータに変換して特定データXを取得する(S49)。個体識別情報生成部64は、挿入部52に挿入されている可搬型の記録媒体Eの個体識別情報を生成する(S50)。
【0108】
記録部65は、取得部63によって取得された特定データXと、個体識別情報生成部64によって生成された個体識別情報とを、挿入部52に挿入されている可搬型の記録媒体Eに記録する(S51)。記録/消去部60は、個体識別情報生成部64によって生成された個体識別情報を固定型記録媒体57に記録する(S52)。その際、固定型記録媒体57に個体識別情報が既に記録されていれば、記録/消去部60は、固定型記録媒体57に既に記録されている個体識別情報を消去する。
【0109】
これにより、電源Dが次回オンしたとき、電源Dが前回オンであるときから挿入部52に挿入されている可搬型の記録媒体に記録されている個体識別情報が変化していなければ、その可搬型の記録媒体を個体として特定する情報は記録再生装置500の外部に報知させないという効果が得られる。
【0110】
また、ステップS48において、ユーザが特定データXの記録を行わないことを選択してその旨を選択部62に指示すると(S48でNo)、記録/消去部60は、固定型記録媒体57に記録されている個体識別情報を消去する(S53)。
【0111】
また、ステップS42において、可搬型の記録媒体Eが挿入部52に挿入されていないと媒体存在判断部55が判断した場合(S42でNo)、記録/消去部60は、固定型記録媒体57に記録されている個体識別情報を消去する(S54)。
【0112】
上述したように、実施の形態5の記録再生装置500は、挿入部52に挿入されている可搬型の記録媒体Eに記録されている個体識別情報と、装置内部の固定型記録媒体57に記録されている個体識別情報とが一致している場合、可搬型の記録媒体Eに記録されている特定データXに対応する音を装置の外部に出力しない。
【0113】
これにより、挿入部52に挿入されている可搬型の記録媒体Eに記録されている特定データXが、電源Dが前回オンのときからオフに変化し更にオンに変化した後も変化していなければ、ユーザは、特定データXに対応する音を繰り返して聞かなくて済むという効果が得られる。
【0114】
なお、上述した実施の形態では、識別情報判断部58は、挿入部52に挿入されている可搬型の記録媒体Eに記録されている個体識別情報と、固定型記録媒体57に記録されている個体識別情報とが一致しているか否かを判断する。しかしながら、識別情報判断部58は、2個の個体識別情報が関連しているか否かを判断してもよい。例えば、2個の個体識別情報の一部が一致している場合、識別情報判断部58は、2個の個体識別情報が関連していると判断してもよい。その場合、2個の個体識別情報が関連していないときのみ、再生部59は、特定データXを再生する。
【0115】
また、個体識別情報は、特定データXとは別に音等の実体データが可搬型の記録媒体に記録されている場合のFAT(File Allocation Table)のチェックサム、又は、実体データ若しくは特定データXの最終記録時の時刻であってもよい。個体識別情報がFATである場合、記録再生装置500は、FATを算出する構成部を有する。また、個体識別情報が実体データ又は特定データXの最終記録時の時刻である場合、記録再生装置500は、時計を有する。いずれにしても、個体識別情報は、可搬型の記録媒体に記録される特定データXを個体として識別することができる情報であればよい。
【0116】
また、上述した実施の形態5では、電源Dがオンしたとき、記録再生装置500が、挿入部52に挿入されている可搬型の記録媒体の特定データXが、電源Dが前回オンしたときから変化したか否かを報知する場合を説明した。それは、個体識別情報が、可搬型の記録媒体に記録される特定データXを個体として識別することができる情報であるので実現する。
【0117】
しかしながら、個体識別情報は、それが記録される可搬型の記録媒体を個体として識別することができる情報であってもよい。その場合、記録再生装置500は、電源Dがオンしたとき、挿入部52に挿入されている可搬型の記録媒体が、電源Dが前回オンしたときから変化したか否かをユーザに報知することができる。その場合の個体識別情報は、それが記録される可搬型の記録媒体の製造時にその媒体に付与される製造番号であってもよい。
【0118】
(実施の形態6)
次に、実施の形態6の記録再生装置600の構成を図13を用いて説明する。図13は、実施の形態6の記録再生装置600の構成図である。
【0119】
実施の形態6の記録再生装置600は、音のデータの記録及び再生を行う装置であって、図13に示すように、挿入部71と、受付部72と、検出部73と、判断部74と、再生部75と、要求部76と、選択部77と、取得部78と、記録部79とを有する。
【0120】
挿入部71は、記録媒体Fが挿入される。記録媒体Fは、会議や演奏会等の音のデータ(以下、「実体データb」という。)と、実体データbについてのトラックマークtとが記録される可搬型の媒体である。トラックマークtは、実体データbを分割するマークである。また、記録媒体Fには、トラックマークtを個体として特定するデータ(以下、「特定データT」という。)が記録される。特定データTは、例えば、トラックマークt以降の実体データbの内容を説明する音のデータである。
【0121】
実体データbと、トラックマークtと、特定データTとは、相互に関連付けられて記録媒体Fに記録される。例えば、それらは、ファイルネームの全部又は一部が同じで拡張子が異なるデータのように、相互に関連付けられて記録媒体Fに記録される。より具体的には、例えば、実体データbのファイル名が「TRACK_A.MP3」であって、トラックマークtが実体データbを先頭から100秒の位置で分割するマークである場合、特定データTのファイル名として「TRACK_A100.XXX」が付与される。
【0122】
受付部72は、実体データbについてのトラックマークtを検出させる指示をユーザから受け付ける。検出部73は、記録媒体Fに記録されているトラックマークtを検出する。判断部74は、特定データTが記録媒体Fに記録されているか否かを判断する。再生部75は、記録媒体Fに記録されている特定データTを再生する。
【0123】
要求部76は、特定データTの記録を要求する。選択部77は、要求部76が特定データTの記録を要求した後に、特定データTの記録を行うか否かの選択を受け付ける。取得部78は、選択部77が特定データTの記録を行う選択を受け付けた場合、特定データTを取得し、選択部77が特定データTの記録を行わない選択を受け付けた場合、特定データTを取得しない。記録部79は、取得部78が取得した特定データTを記録媒体Fに記録する。
【0124】
次に、実施の形態6の記録再生装置600の動作を図14を用いて説明する。図14は、実施の形態6の記録再生装置600の動作の各ステップを示すフローチャートである。
【0125】
今、記録媒体Fが挿入部71に挿入されている状態を想定する。その状態で、ユーザが記録媒体Fに記録されている実体データbについてのトラックマークtを検出させることを受付部72に指示すると(S71)、検出部73は、トラックマークtを検出する(S72)。
【0126】
そうすると、判断部74は、トラックマークtを個体として特定する特定データTが記録媒体Fに記録されているか否かを判断する(S73)。特定データTが記録媒体Fに記録されていると判断部74が判断した場合(S73でYes)、再生部75は、実体データbをトラックマークtから再生する前に、記録媒体Fから特定データTを取得して再生する(S74)。これにより、特定データTに対応する音が記録再生装置600の外部に出力される。すなわち、記録再生装置600は、トラックマークtを個体として特定する情報を音により報知することができる。
【0127】
ところで、ステップS73において、特定データTが記録媒体Fに記録されていないと判断部74が判断した場合(S73でNo)、要求部76は、音及び画像を用いて特定データTの記録をユーザに要求する(S75)。選択部77は、要求部76が特定データTの記録を要求した後に、特定データTの記録を行うか否かの選択を受け付ける(S76)。
【0128】
ユーザが特定データTの記録を行うことを選択してその旨を選択部77に指示し(S76でYes)、実体データbのトラックマークt以降の内容等の、トラックマークtを個体として特定する情報を声に出して言うと、取得部78は、その音を取得し音のデータに変換して特定データTを取得する(S77)。記録部79は、取得部78が取得した特定データTを記録媒体Fに記録する(S78)。
【0129】
これにより、記録再生装置600は、次回にトラックマークtを検出させる指示をユーザから受け付けたとき、トラックマークtを個体として特定する情報を装置の外部に音により報知することができる。
【0130】
なお、ステップS76において、ユーザが特定データTの記録を行わないことを選択してその旨を選択部77に指示すると(S76でNo)、記録再生装置600の動作は終了する。
【0131】
上述したように、実施の形態6の記録再生装置600は、トラックマークtを個体として特定する特定データTが記録媒体Fに記録されていれば、トラックマークtを検出させる指示をユーザから受け付けたとき、実体データbをトラックマークtから再生する前に、特定データTを再生し、特定データTに対応する音を装置の外部に出力する。これにより、ユーザは、トラックマークtを検出させることを記録再生装置600に指示するだけで、トラックマークtを個体として特定する情報を音により知ることができる。
【0132】
また、記録再生装置600は、特定データTが記録媒体Fに記録されていなければ、特定データTの記録をユーザに要求する。それに対してユーザが記録媒体Fを個体として特定する情報を声に出して言うと、ユーザは、次回にトラックマークtを検出させることを受付部72に指示すれば、トラックマークtを個体として特定する情報を音により知ることができる。
【0133】
逆に、トラックマークtを個体として特定する情報を報知させたくないと考える場合、特定データTの記録が要求されても、ユーザは、特定データTの記録を行わないことを選択してその旨を選択部77に指示すればよい。
【0134】
なお、上述した実施の形態6では、記録再生装置600は、トラックマークtを検出させる指示をユーザから受け付けると、トラックマークtを個体として特定する情報を装置の外部に音により報知する。その情報の報知の時は、トラックマークtが検出された直後には限定されない。例えば、記録再生装置600は、実体データbの再生の終了後にその情報を報知してもよいし、トラックマークtからの実体データbの再生が所定の時間経過した後にその情報を報知してもよい。又は、トラックマークが複数存在する場合、記録再生装置600は、特定データTに関連付けられているトラックマークtとその次のトラックマークとの間の実体データbを再生しているときに、実体データbの再生を停止して特定データTを再生し、トラックマークtを個体として特定する情報を報知してもよい。
【0135】
また、再生部75は、受付部72が記録媒体Fに記録されているトラックマークtを検出させる指示を受け付けるとともに、トラックマークtを個体として特定する情報を報知させる指示(特定データTを再生するための指示)をもユーザから受け付けた場合、特定データTを再生し、トラックマークtを個体として特定する情報を装置の外部に音により報知してもよい。これにより、ユーザは、トラックマークtを個体として特定する情報を報知させる時を自ら決定することができる。
【0136】
また、上述した実施の形態6では、ステップS73において、特定データTが記録媒体Fに記録されていないと判断部74が判断し(S73でNo)、選択部77が特定データTの記録を行う指示を受け付けたとき(S76でYes)、取得部78は、特定データTを取得する(S77)。しかしながら、受付部72がトラックマークtを付与することをユーザから指示された場合、要求部76が、音及び画像を用いて特定データTの記録をユーザに要求してもよい。その場合、選択部77が特定データTの記録を行うことをユーザにより指示されたとき、取得部78が特定データTを取得し、記録部79が特定データTを記録媒体Fに記録する。
【0137】
また、実体データbと、トラックマークtと、特定データTとは、相互に異なるフォルダに格納された状態で記録媒体Fに記録されてもよい。その場合においても、実体データbと、トラックマークtと、特定データTとは、テーブル等により相互に関連付けられて記録媒体Fに記録される。
【0138】
また、複数の実体データと、実体データ毎のトラックマークと、各トラックマークに対応する特定データとが、記録媒体Fに記録されていてもよい。例えば、図15に示すように、ファイル名が「AAAA.MP3」である第1の実体データb1と、ファイル名が「BBBB.MP3」である第2の実体データb2とが記録媒体Fに記録されていてもよい。図15は、第1の実体データb1と第2の実体データb2とが記録媒体Fに記録されている様子を模式的に示す図である。また、図15の例では、第1の実体データb1にはトラックマークt1が付与されており、第2の実体データb2には、繰り返しの始点を示すトラックマークt2と終点を示すトラックマークt3とが付与されている。
【0139】
また、第1の実体データb1と第2の実体データb2とは、図16に示すように、実体データフォルダPに格納された状態で記録媒体Fに記録されていてもよい。図16は、第1の実体データb1と第2の実体データb2とが実体データフォルダPに格納されている状態を示す図である。第1の実体データb1のファイル名は、図15と同様に「AAAA.MP3」であり、第2の実体データb2のファイル名も、図15と同様に「BBBB.MP3」である。
【0140】
同様に、第1の実体データb1に付与されているトラックマークt1に対応する第1の特定データT1と、第2の実体データb2に付与されているトラックマークt2に対応する第2の特定データT2とは、図17に示すように、特定データフォルダQに格納された状態で記録媒体Fに記録されていてもよい。図17は、第1の特定データT1と第2の特定データT2とが特定データフォルダQに格納されている状態を示す図である。第1の特定データT1のファイル名は、「AAAA.XXX」であり、第2の特定データT2のファイル名は、「BBBB.XXX」である。
【0141】
この場合、トラックマークt1と第1の特定データT1とを対応付けるとともに、トラックマークt2と第2の特定データT2とを対応付けるテーブルRが、記録媒体Fに記録される。図18は、トラックマークと特定データとを対応付けるテーブルRを示す図である。再生部75は、テーブルRを参照して適切な特定データを再生する。
【0142】
次に、実施の形態6の変形例として、三個の記録再生装置を順に説明する。
【0143】
(変形例1)
図19は、変形例1の記録再生装置601の構成図である。変形例1の記録再生装置601は、図19に示すように、上述した記録再生装置600の各構成部に加えて、記録媒体81を有する。
【0144】
記録媒体81は、実体データbと、実体データbについてのトラックマークtとが記録される固定型の媒体である。また、記録媒体81には、トラックマークtを個体として特定するデータ(特定データT)が記録される。実体データbと、トラックマークtと、特定データTとは、相互に関連付けられて記録媒体81に記録される。
【0145】
変形例1の記録再生装置601の各構成部は、以下に示すように動作する。ユーザが記録媒体81に記録されているトラックマークtを検出させることを受付部72に指示すると、検出部73は、トラックマークtを検出する。そうすると、判断部74は、特定データTが記録媒体81に記録されているか否かを判断する。特定データTが記録媒体81に記録されていると判断部74が判断した場合、再生部75は、実体データbをトラックマークtから再生する前に、記録媒体81から特定データTを取得して再生する。
【0146】
特定データTが記録媒体81に記録されていないと判断部74が判断した場合、要求部76は、音及び画像を用いて特定データTの記録をユーザに要求する。選択部77は、要求部76が特定データTの記録を要求した後に、特定データTの記録を行うか否かの選択を受け付ける。ユーザが特定データTの記録を行うことを選択してその旨を選択部77に指示し、トラックマークtを個体として特定する情報を声に出して言うと、取得部78は、その音を取得し音のデータに変換して特定データTを取得する。記録部79は、取得部78が取得した特定データTを記録媒体81に記録する。
【0147】
なお、要求部76による要求に対し、ユーザが特定データTの記録を行わないことを選択してその旨を選択部77に指示すると、記録再生装置601の動作は終了する。
【0148】
また、再生部75は、受付部72が記録媒体81に記録されているトラックマークtを検出させる指示を受け付けるとともに、トラックマークtを個体として特定する情報を報知させる指示(特定データTを再生するための指示)をもユーザから受け付けた場合、特定データTを再生してもよい。
【0149】
(変形例2)
図20は、変形例2の記録再生装置602の構成図である。変形例2の記録再生装置602は、図20に示すように、上述した記録再生装置600の各構成部に加えて、記録媒体82を有する。
【0150】
記録再生装置602の挿入部71には、記録媒体Gが挿入される。記録媒体Gは、実体データbと、トラックマークtとが記録される可搬型の媒体である。記録媒体82は、特定データTが記録される。また、記録媒体82には、トラックマークtと特定データTとを関連付けるテーブルが記録される。
【0151】
変形例2の記録再生装置602の各構成部は、以下に示すように動作する。ユーザが記録媒体Gに記録されているトラックマークtを検出させることを受付部72に指示すると、検出部73は、トラックマークtを検出する。そうすると、判断部74は、特定データTが記録媒体82に記録されているか否かを判断する。特定データTが記録媒体82に記録されていると判断部74が判断した場合、再生部75は、実体データbをトラックマークtから再生する前に、記録媒体82から特定データTを取得して再生する。
【0152】
特定データTが記録媒体82に記録されていないと判断部74が判断した場合、要求部76は、音及び画像を用いて特定データTの記録をユーザに要求する。選択部77は、要求部76が特定データTの記録を要求した後に、特定データTの記録を行うか否かの選択を受け付ける。ユーザが特定データTの記録を行うことを選択してその旨を選択部77に指示し、トラックマークtを個体として特定する情報を声に出して言うと、取得部78は、その音を取得し音のデータに変換して特定データTを取得する。記録部79は、取得部78が取得した特定データTを記録媒体82に記録する。
【0153】
なお、要求部76による要求に対し、ユーザが特定データTの記録を行わないことを選択してその旨を選択部77に指示すると、記録再生装置602の動作は終了する。
【0154】
また、再生部75は、受付部72が記録媒体Gに記録されているトラックマークtを検出させる指示を受け付けるとともに、トラックマークtを個体として特定する情報を報知させる指示(特定データTを再生するための指示)をもユーザから受け付けた場合、特定データTを再生してもよい。
【0155】
(変形例3)
図21は、変形例3の記録再生装置603の構成図である。変形例3の記録再生装置603は、図21に示すように、上述した記録再生装置600の各構成部に加えて、記録媒体83を有する。
【0156】
記録媒体83は、実体データbと、トラックマークtとが記録される固定型の媒体である。記録再生装置603の挿入部71には、記録媒体Hが挿入される。記録媒体Hは、特定データTが記録される可搬型の媒体である。また、記録媒体Hには、トラックマークtと特定データTとを関連付けるテーブルが記録される。
【0157】
変形例3の記録再生装置603の各構成部は、以下に示すように動作する。ユーザが記録媒体83に記録されているトラックマークtを検出させることを受付部72に指示すると、検出部73は、トラックマークtを検出する。そうすると、判断部74は、特定データTが記録媒体Hに記録されているか否かを判断する。特定データTが記録媒体Hに記録されていると判断部74が判断した場合、再生部75は、実体データbをトラックマークtから再生する前に、記録媒体Hから特定データTを取得して再生する。
【0158】
特定データTが記録媒体Hに記録されていないと判断部74が判断した場合、要求部76は、音及び画像を用いて特定データTの記録をユーザに要求する。選択部77は、要求部76が特定データTの記録を要求した後に、特定データTの記録を行うか否かの選択を受け付ける。ユーザが特定データTの記録を行うことを選択してその旨を選択部77に指示し、トラックマークtを個体として特定する情報を声に出して言うと、取得部78は、その音を取得し音のデータに変換して特定データTを取得する。記録部79は、取得部78が取得した特定データTを記録媒体Hに記録する。
【0159】
なお、要求部76による要求に対し、ユーザが特定データTの記録を行わないことを選択してその旨を選択部77に指示すると、記録再生装置603の動作は終了する。
【0160】
また、再生部75は、受付部72が記録媒体83に記録されているトラックマークtを検出させる指示を受け付けるとともに、トラックマークtを個体として特定する情報を報知させる指示(特定データTを再生するための指示)をもユーザから受け付けた場合、特定データTを再生してもよい。
【0161】
上述した変形例1から変形例3の各記録再生装置がもたらす効果は、上述した実施の形態6の記録再生装置600がもたらす効果と同じである。
【0162】
なお、上述した各実施の形態では、再生及び記録の対象のデータが音のデータである場合を想定して説明したが、再生及び記録の対象のデータは、画像のデータであってもよい。画像には、動画及び静止画が含まれる。各実施形態において、装置、記録媒体、トラックマーク等を個体として特定するデータは、氏名やデータの説明等を表す内容のデータ以外の任意のデータでもよい。
【符号の説明】
【0163】
100 実施の形態1の記録再生装置、 1 記録媒体、 2 電源、 3 切替部、 4 検知部、 5 判断部、 6 再生部、 7 要求部、 8 選択部、 9 取得部、 10 記録部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
本装置を個体として特定するデータが記録される記録媒体と、
電源からの電力の供給が開始されたことを検知する検知部と、
前記電力の供給が開始されたことを前記検知部が検知した場合、前記記録媒体に記録されている前記データを再生する再生部と
を備える記録再生装置。
【請求項2】
更に、
前記電力の供給が開始されたことを前記検知部が検知した場合、前記データが前記記録媒体に記録されているか否かを判断する判断部と、
前記データが前記記録媒体に記録されていないと前記判断部が判断した場合、前記データの記録を要求する要求部と、
前記要求部が前記データの記録を要求した後に、前記データを取得する取得部と、
前記取得部が取得した前記データを前記記録媒体に記録する記録部と
を備える請求項1に記載の記録再生装置。
【請求項3】
第1の記録媒体が使用される可能性があることを検知する検知部と、
前記第1の記録媒体が使用される可能性があることを前記検知部が検知した場合、前記第1の記録媒体又は第2の記録媒体に記録されている前記第1の記録媒体を個体として特定するデータを再生する再生部と
を備える記録再生装置。
【請求項4】
更に、前記第1の記録媒体が挿入される挿入部を備え、
前記検知部は、前記第1の記録媒体が前記挿入部に挿入されたことを検知することによって、前記第1の記録媒体が使用される可能性があることを検知する
請求項3に記載の記録再生装置。
【請求項5】
更に、前記第1の記録媒体が挿入される挿入部を備え、
前記検知部は、前記第1の記録媒体が前記挿入部に挿入された状態で電源からの電力の供給が開始されたことを検知することによって、前記第1の記録媒体が使用される可能性があることを検知する
請求項3に記載の記録再生装置。
【請求項6】
更に、
前記第1の記録媒体が使用される可能性があることを前記検知部が検知した場合、前記データが前記第1の記録媒体又は前記第2の記録媒体に記録されているか否かを判断する判断部と、
前記データが前記第1の記録媒体又は前記第2の記録媒体に記録されていないと前記判断部が判断した場合、前記データの記録を要求する要求部と、
前記要求部が前記データの記録を要求した後に、前記データを取得する取得部と、
前記取得部が取得した前記データを前記第1の記録媒体又は前記第2の記録媒体に記録する記録部と
を備える請求項3に記載の記録再生装置。
【請求項7】
第1の記録媒体に記録されている第1のデータが選択されたことを検知する検知部と、
前記第1のデータが選択されたことを前記検知部が検知した場合、前記第1の記録媒体又は第2の記録媒体に記録されている、前記第1のデータを個体として特定する第2のデータを再生する再生部と
を備える記録再生装置。
【請求項8】
更に、
前記第1のデータが選択されたことを前記検知部が検知した場合、前記第2のデータが前記第1の記録媒体又は前記第2の記録媒体に記録されているか否かを判断する判断部と、
前記第2のデータが記録されていないと前記判断部が判断した場合、前記第2のデータの記録を要求する要求部と、
前記要求部が前記第2のデータの記録を要求した後に、前記第2のデータを取得する取得部と、
前記取得部が取得した前記第2のデータを前記第1の記録媒体又は前記第2の記録媒体に記録する記録部と
を備える請求項7に記載の記録再生装置。
【請求項9】
更に、前記第2のデータを再生するための指示を受け付ける受付部を備え、
前記再生部は、前記受付部が前記指示を受け付けた場合、前記第2のデータを再生する
請求項7に記載の記録再生装置。
【請求項10】
電源が収納される収納部と、
記録媒体が挿入される挿入部と、
前記記録媒体に記録されている前記記録媒体を個体として特定するデータを再生する再生部と、
電源が前記収納部に収納されている場合、前記記録媒体が前記挿入部に挿入されたとき、前記収納部に収納されている電源が有する電力を前記再生部に導く切替部とを備え、
前記再生部は、前記電力が供給された場合、前記データを再生する
記録再生装置。
【請求項11】
更に、
前記データが前記記録媒体に記録されているか否かを判断する判断部と、
前記データが前記記録媒体に記録されていないと前記判断部が判断した場合、前記データの記録を要求する要求部と、
前記要求部が前記データの記録を要求した後に、前記データを取得する取得部と、
前記取得部が取得した前記データを前記記録媒体に記録する記録部と
を備える請求項10に記載の記録再生装置。
【請求項12】
可搬型の記録媒体が挿入される挿入部と固定型の記録媒体との少なくとも一方と、
前記挿入部に挿入されている可搬型の記録媒体と前記固定型の記録媒体とのいずれかに記録されている第1のデータを分割する分割マークを検出する検出部と、
前記検出部が前記分割マークを検出した場合、前記挿入部に挿入されている可搬型の記録媒体と前記固定型の記録媒体とのいずれかに記録されている、前記分割マークを個体として特定する第2のデータを再生する再生部と
を備える記録再生装置。
【請求項13】
更に、前記分割マークを検出するための指示を受け付ける受付部を備え、
前記検出部は、前記受付部が前記指示を受け付けた場合、前記分割マークを検出する
請求項12に記載の記録再生装置。
【請求項14】
前記再生部は、前記受付部が前記第2のデータを再生するための指示をも受け付けた場合、前記第2のデータを再生する
請求項13に記載の記録再生装置。
【請求項15】
更に、
前記第2のデータが、前記挿入部に挿入されている前記可搬型の記録媒体と前記固定型の記録媒体とのいずれかに記録されているか否かを判断する判断部と、
前記判断部が、前記第2のデータが記録されていないと判断した場合、前記第2のデータの記録を要求する要求部と、
前記要求部が前記第2のデータの記録を要求した後に、前記第2のデータを取得する取得部と、
前記取得部が取得した前記挿入部に挿入されている前記第2のデータを前記可搬型の記録媒体と前記固定型の記録媒体とのいずれかに記録する記録部とを備える
請求項12に記載の記録再生装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2010−282713(P2010−282713A)
【公開日】平成22年12月16日(2010.12.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−168667(P2009−168667)
【出願日】平成21年7月17日(2009.7.17)
【出願人】(000004329)日本ビクター株式会社 (3,896)
【Fターム(参考)】