説明

記録媒体搬送装置、及び画像形成装置

【課題】強いカールの記録媒体であっても画質に影響を与えることなく確実に搬送する。
【解決手段】画像形成装置の円弧搬送部240は、内ベルトガイド板76と外ベルト部材ガイド板86とで搬送路間隙90を形成する。搬送路間隙90内には内ベルト部材75と外ベルト部材85とを循環駆動させ、外ベルト部材85の記録媒体1との接触側には、多数のビーズを接着して配置し、外ベルト部材85の内部には粒状磁石体が磁極をそろえて多数配置される。内ベルト部材75の内側に配置される内ベルトガイド板76は、外ベルト部材85を磁気吸着する磁性体で構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録媒体の表面にインク、液体トナー、薬液等の未定着液体画材や、粉末トナー等の未定着粉体画材が付着したままの状態で、その画材による画像パターンを乱すことなく搬送することができる記録媒体搬送装置及びこの記録媒体搬送装置を備える画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
公知の液滴吐出手段、例えばインクジェットヘッドを用いる画像形成装置にあっては、インク等の液滴を吐出して、シート状の記録媒体の所定位置にこの液滴を付着させて画像を形成する。このような画像形成装置においては、複数色のインクを吐出させることにより高画質な画像を比較的高速に形成することができ普及している。
【0003】
また、近年さらなる技術革新により、インクジェットヘッドのインクの吐出周波数は高速化の一途をたどり、インクジェット方式の画像形成装置は、高い生産性を備える画像形成手段として用いられており、印刷需要の多様化から、紙以外の様々な記録媒体への印刷もされるようになってきている。
【0004】
ところで、このインクジェット方式の画像形成装置においては、インクが記録媒体へ浸透する過程において、記録媒体の表裏でインクに含有する水分(液)量の偏りが顕著な状態となる段階があり、その際には記録媒体の繊維の膨潤により画像面側では面積方向で伸びが生じる。このため、記録媒体は画像面側に凸になるカールが生じる現象が発生する。このような現象に対応して、従来その様な状態の記録媒体を搬送するため、記録媒体の印刷面の裏側に摩擦接触する搬送ローラや搬送ベルトの動作と、それに対向し、記録媒体の印刷面を先端が鋭利な突起状を点接触しながら回転し拘束するいわゆる拍車によって確実な副走査方向への搬送を行うものがある。
【0005】
図8は従来の記録媒体搬送装置を示す模式図である。この画像形成装置は、インクジェット方式を採用すると共に、拍車を用いて記録媒体を定着手段へと搬送するものである。
【0006】
この画像形成装置400は、記録媒体を供給する給紙部410と、記録媒体を搬送する記録媒体搬送部420と、記録媒体に印字を行う印字部430と、記録媒体を180°転向させる円弧搬送部440と、記録媒体を定着する定着部450と、裏面印刷のため記録媒体を反転する記録媒体反転部460と、印字済みの記録媒体をスタックする排紙部470とを備える。この画像形成装置400には、記録媒体搬送装置として記録媒体搬送部420、円弧搬送部440、記録媒体反転部460が使用されている。
【0007】
給紙部410には、給紙バンク2が配置され、単葉の同一サイズ記録紙などの記録媒体1が複数積層して配置されている。記録媒体1は、印刷命令に応じて最上位から1枚ずつピックアップローラ3によりさばかれ取り出された後、分離ローラ対4を通過することにより確実に1枚ずつ分離される。
【0008】
記録媒体搬送部420において、記録媒体1は、搬送ローラ対5を通過し、レジストローラ対6へ搬送される。記録媒体1の先端がレジストローラ対6に到達すると、その際レジストローラ対6の回転は停止状態になっており、レジストローラ対6のニップ位置の上流側で記録媒体1の先端が接したことをレジスト前センサ7で検知すると搬送ローラ対5の搬送も一時停止し、上側ガイド板10と下側ガイド板11によりループを描いた状態に拘束された記録媒体1の先端のレジストレーションが行われる。
【0009】
その後再度レジストローラ対6は回転を開始し、画像形成装置400は、記録媒体1がレジスト後センサ8を通過することで、所定位置に記録媒体1の先端が到達したことを認識する。さらに記録媒体1は、拍車ローラ対9を通過した後、入口コロ12と入口ローラ13によりスリップすることなく搬送される。ここで、入口ローラ13は、同軸に取り付けられたプーリ14が入口ローラモータ17のプーリ16でタイミングベルト15を介して回転駆動されることにより回転駆動される。
【0010】
印字部430には、ヘッド19と、印写受皿20とが配置され、記録媒体1の先端がヘッド前センサ18を通過したタイミングが検出されることにより、所定の記録媒体1の所望位置に正確にヘッド19を通過することによりインク滴の画像形成が行われる。
【0011】
なお、印写受皿20は、ヘッド19のノズル列に対向して配置されており、適宜印刷タイミングの合間を見てヘッド19内に溜まった不安定状態のインクを吐出させて受け止める容器として適宜ヘッドの吐出安定化のための動作が行えるようにしている。この部位において記録媒体1の下側から記録媒体1を案内するガイド板は、説明を簡略するため図示していないが、ヘッド後ガイド板21をヘッドのノズル位置近傍まで延長し、ノズル位置では吐出液滴がかからないスリットを設ける等の構造とされている。
【0012】
印字がされた記録媒体1は、円弧搬送部440に搬送される。即ち、記録媒体1が前記ヘッド後ガイド板21に沿ってさらに進行すると、その下側には、出口ローラ23と出口拍車22が配置され、記録媒体1はスリップすることなく搬送され、円弧搬送路28へと搬送される。円弧搬送路28では、順次拍車ローラ対29、30、31を経由し、記録媒体1は、定着搬送路32へと到達する。ここで、出口ローラ23は同軸に配置されたプーリ24が、出口ローラモータ27で駆動されるプーリ26でタイミングベルト25を介して回転駆動される。
【0013】
その後記録媒体1は、定着部450に搬送される。定着部450には、下側定着ベルト33と上側定着ベルト36とが配置され、後記録媒体1は、下側定着ベルト33と上側定着ベルト36との間で定着される。下側定着ベルト33は、副走査方向上流側に配置された下側加熱ローラ34と同下流側に配置された下側定着ローラ35とに掛け渡されて駆動される。また、上側定着ベルト36は、副走査方向上流側に配置された上側加熱ローラ37と同下流側に配置された上側定着ローラ38とに掛け渡されて駆動される。
【0014】
記録媒体1は、定着部450において、下側定着ベルト33と上側定着ベルト36が接する領域で、記録媒体1の画像面に形成された未定着状態の画材が加熱されて定着される。なお、下側定着ローラ34と上側定着ローラ37の内部には、加熱手段としてニクロム線などの電熱ヒータや、ハロゲンヒータなどが配置される。
【0015】
さらに、記録媒体1は、記録媒体反転部460に搬送される。記録媒体反転部460は、円弧搬送路39と、拍車ローラ対40と、切換爪41と、反転共通路センサ43とが配置されている。正転・反転共通路センサ43で記録媒体1の先端部の通過か検出されると、画像形成装置400内のプロセッサは、記録媒体1をそのまま排紙させてしまうか、裏面に画像形成させるかを判断する。この判断により、下流側の拍車ローラ対44と拍車ローラ対45の動きが決定され、そのまま排紙させてしまう場合は下流側の排紙拍車ローラ対49へ搬送し、そのまま排紙トレイ50へと搬送させる。なお図中1’は、印字済みの記録媒体を示している。
【0016】
一方、裏面に画像形成させる場合には、記録媒体後端が反転共通路センサ43を通過した直後に拍車ローラ対44と拍車ローラ対45の動きが逆転し、それに伴い切換爪41の開放する方向は再給紙搬送路47へ切り替わり、記録媒体の後端が先端となって拍車ローラ対46を通過し、さらに切換爪48の開放する方向が前記レジストローラ対6へ再度搬送され、記録媒体の裏面が今度は表面となって、再度画像形成が行われる。
【0017】
上述した画像形成装置に使用される記録媒体搬送装置として、拍車を使用することなく搬送ベルトとそれに複数の穴を開口し、記録媒体と接触する面でベルト張架の内側に負圧発生手段を設けて、ベルトへ記録媒体を吸引する吸引ベルトを使用した記録媒体搬送装置も提案されている。
【0018】
また、記録媒体搬送装置としてシート部材(記録媒体)を搬送する搬送ベルトを誘電体とし、それに交番する電圧を印加して電荷密度パターンを形成し、上記シート部材等を吸着させて搬送させるものが知られている(特許文献1参照)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
しかしながら、近年インクジェット方式の画像形成装置ではさらなる印刷速度の向上と、多様化する記録媒体の対応性が求められている。即ち、画像形成装置には、従来以上に記録媒体搬送速度が速まり、また薄紙やカールの生じやすい性質の特殊紙への印刷が要求されており、単葉の記録媒体を前記拍車により下流側(副走査方向の後工程側)に搬送させる際には、記録媒体に搬送力を与えるための拍車とローラの対による搬送手段と、記録媒体の厚み方向に規制させる搬送ガイド板が必要とされる。
【0020】
しかし、記録媒体の画像形成直後の記録面は、前記搬送走路との擦れによる汚損(スミア)が生じるため設けることができず、前記搬送ガイド板の代替手段として搬送路の長さに応じて多段の拍車を設ける必要がある。このため、前記記録媒体のカール量とカールの腰の強さの最大条件に適合させるだけの拍車と搬送ローラを設けなければならず、記録媒体への拍車による接触ダメージが大きくなる問題もあった。
【0021】
このように拍車と搬送ローラとの対を多段に設けた搬送装置では記録媒体の記録面に拍車による圧痕や、引きずりなどの問題が発生するため、このような対を増やすことは好ましくない。そこで、その他の搬送手段として、記録媒体の記録面の裏面側に接する搬送ベルトに多数の開口穴を設け、さらにその穴を通じて負圧発生手段(ファン)により記録媒体を搬送ベルト側へ吸着させる方法や、搬送ベルトに静電吸着力を用い同様に搬送ベルトに密着させようとする方法が提案されている。
【0022】
しかし、前述の通り記録媒体の先端のカール量があまりに大きすぎてしまうと、記録媒体をベルト側に押さえつける拘束力を大きくする必要があり、前記負圧方式では、カールする紙を平滑にするほどの力を与えようとすると、前記開口穴と記録媒体の接触面とを近接させないと無駄に負圧がリークしてしまい、充分な拘束力が得ることができない。
【0023】
また、拍車と搬送ローラ対を採用した場合、搬送経路にあまりカーブを待たせてしまうと、前述の通り、搬送ガイドとの擦れが懸念されるため基本的には自由な曲率でレイアウトすることはできなかった。
【0024】
本願発明は、上記問題点にかんがみなされたものであり、その目的は、強いカールの記録媒体であっても画質に影響を与えることなく確実にかつ自由なレイアウトで搬送することができる記録媒体搬送装置と、この記録媒体搬送装置を用いた画像形成手段を提供することを目的とする
【課題を解決するための手段】
【0025】
上記目的を達成する請求項1の発明は、画像形成がなされる記録媒体の画像形成面の反対面である裏面側に配置される第1のベルト部材と、前記記録媒体の画像形成面側に配置される第2のベルト部材と、を備え、前記第1のベルト部材と前記第2のベルト部材との間に前記記録媒体を挟んで搬送する記録媒体搬送装置において、前記第2のベルト部材は、前記記録媒体に接する面に前記記録媒体と点接触をする接触部を備えると共に、磁性を帯びるよう構成されており、前記第1のベルト部材の記録媒体と接する面の裏面側には磁力により前記第2のベルト部材を吸着する磁性体を配置したことを特徴とする記録媒体搬送装置である。
【0026】
同じく請求項2の発明は、画像形成がなされる記録媒体の画像形成面の反対面である裏面側に配置される第1のベルト部材と、前記記録媒体の画像形成面側に配置される第2のベルト部材と、を備え、前記第1のベルト部材と前記第2のベルト部材の間に前記記録媒体を挟んで搬送する記録媒体搬送装置において、前記第2のベルト部材は、前記記録媒体に接する面に前記記録媒体と点接触をする接触部を備えると共に、表裏で異なる極性の磁性を帯びるよう構成されおり、前記第1のベルト部材の記録媒体と接する面の裏面側には磁力を発生及び消滅させる磁力発生手段が配置されていることを特徴とする記録媒体搬送装置である。
【0027】
同じく請求項3の発明は、請求項2に記載の記録媒体搬送装置において、前記磁力発生手段が、副走査方向に複数独立した磁力発生部を備えて構成され、各磁力発生部への電流を導通及び遮断することにより、前記第1のベルト部材の磁性体との磁気吸着の有無を、副走査方向で異ならせる磁力制御部を備えるものである。
【0028】
同じく請求項4の発明は、請求項2に記載の記録媒体搬送装置において、前記磁力発生手段が副走査方向に複数独立した磁力発生部を備えて構成され、各磁力発生部が発生する磁極を切り替え、前記第1のベルト部材の表裏の磁界極性を、副走査方向で異ならせる磁力制御部を備えるものである。
【0029】
同じく請求項5の発明は、画像形成がなされる記録媒体の画像形成面の反対面である裏面側に配置される第1のベルト部材と、前記記録媒体の画像形成面側に配置される第2のベルト部材と、を備え、前記第1のベルト部材と前記第2のベルト部材の間に前記記録媒体を挟んで搬送する記録媒体搬送装置において、前記第2のベルト部材は、前記記録媒体に接する面に前記記録媒体と点接触をする接触部を備えると共に、外部からの磁気パルスにより着磁または消磁される強磁性体を備えて構成され、前記第2のベルト部材の強磁性体に対して所定の磁界を作用させる磁気記録ヘッドと、前記第2のベルト部材の強磁性体の磁力を消磁する磁界を作用させる消磁ヘッドと、を備え、前記第1のベルト部材の記録媒体と接する面の裏面側には磁気回路を形成する磁気回路手段が配置されていることを特徴とする記録媒体搬送装置である。
【0030】
同じく請求項6の発明は、請求項1から請求項5のいずれかに記載の記録媒体搬送装置において、前記第1のベルト部材の駆動力を入力する第1のベルト駆動手段と、前記第2のベルト部材を駆動する第2のベルト駆動手段を備え、前記第1のベルト駆動手段は、前記記録媒体の副走査方向で最も下流側のベルト張架回転体で前記第1のベルト部材に駆動力を伝達し、前記第2のベルト駆動手段は、前記記録媒体の副走査方向で最も上流側のベルト張架回転体で前記第2のベルト部材に駆動力を伝達するものである。
【0031】
同じく請求項7の発明は、前記記録媒体に画像を形成する画像形成部と、請求項1から請求項6のいずれかに記載の記録媒体搬送装置とを備えることを特徴とする画像形成装置である。
【発明の効果】
【0032】
本発明によれば、未定着状態の記録媒体の画質を損なうことなく副走査方向の下流側後工程への搬送を確実に行う搬送が行えるほか、比較的自由度の高い記録媒体の搬送レイアウトが実現でき、さらに記録媒体の多様性に応じたカールの大小にかかわりなく記録媒体の搬送が行える。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】実施例1に係る画像形成装置の概略全体構成を示す断面図である。
【図2】実施例1に係る画像形成装置の外ベルト部材を示す断面図である。
【図3】実施例1に係る画像形成装置の外ベルト部材の変形例を示す断面図である。
【図4】実施例2に係る画像形成装置の記録媒体の搬送状態を示す断面図である。
【図5】実施例3に係る画像形成装置の記録媒体の搬送状態を示す断面図である。
【図6】実施例4に係る画像形成装置の概略全体構成を示す断面図である。
【図7】実施例4に係る画像形成装置の記録媒体の後端部を示す断面図である。
【図8】従来の画像形成装置を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
実施形態に係る記録媒体搬送装置は、画像形成がなされる記録媒体の画像形成面の反対面である裏面側に配置される第1のベルト部材と、前記記録媒体の画像形成面側に配置される第2のベルト部材と、を備え、前記第1のベルト部材と前記第2のベルト部材との間に前記記録媒体を挟んで搬送する記録媒体搬送装置において、前記第2のベルト部材は、前記記録媒体に接する面に前記記録媒体と点接触をする接触部を備えると共に、磁性を帯びるよう構成されており、前記第1のベルト部材の記録媒体と接する面の裏面側には磁力により前記第2のベルト部材を吸着する磁性体を配置している。
【0035】
また、他の実施形態に係る記録媒体搬送装置は、前記記録媒体搬送装置において、前記第2のベルト部材は、前記記録媒体に接する面に前記記録媒体と点接触をする接触部を備えると共に、表裏で異なる極性の磁性を帯びるよう構成されおり、前記第1のベルト部材の記録媒体と接する面の裏面側には磁力を発生及び消滅させる磁力発生手段を配置している。
【0036】
さらに、他の実施形態に係る記録媒体搬送装置は、前記記録媒体搬送装置において、前記第2のベルト部材は、前記記録媒体に接する面に前記記録媒体と点接触をする接触部を備えると共に、外部からの磁気パルスにより着磁または消磁される強磁性体を備えて構成され、前記第2のベルト部材の強磁性体に対して所定の磁界を作用させる磁気記録ヘッドと、前記第2のベルト部材の強磁性体の磁力を消磁する磁界を作用させる消磁ヘッドと、を備え、前記第1のベルト部材の記録媒体と接する面の裏面側には磁気回路を形成する磁気回路手段を配置している。
【実施例】
【0037】
以下、本発明の実施例(以下では単に実施例と記載する)に係る画像形成装置について説明する。以下実施例として具体例を挙げて説明するが、本発明はこれらに限定されず、かつ本発明の真の趣旨及び範囲から逸脱せずに、数多くの改良、変更、変形、置換をなすこと及び応用例を想到することが当業者には可能であろう。
【0038】
<実施例1>
以下、実施例1に係る記録媒体搬送装置を図示に基づいて説明する。図1は実施例1に係る画像形成装置の概略全体構成を示す断面図である。実施例1に係る画像形成装置200は前記背景技術で説明した画像形成装置と同様にラインインクジェットヘッドを使用したものである。
【0039】
実施例1に係る画像形成装置200は、記録媒体を供給する給紙部210と、記録媒体を給紙部210から搬送する記録媒体搬送部220と、記録媒体に印字を行う印字部230と、記録媒体を180°転向させて搬送する円弧搬送部240と、記録媒体を定着する定着部250と、裏面印刷のため記録媒体を反転する記録媒体反転部260と、印字済みの記録媒体をスタックする排紙部270とを備える。この画像形成装置200において、円弧搬送部240以外の給紙部210、記録媒体搬送部220、印字部230、定着部250、記録媒体反転部260、排紙部270の構成は、前述した画像形成装置300の給紙部410、記録媒体搬送部420、印字部430、定着部450、記録媒体反転部460の構成と同一である。
【0040】
実施例1に係る画像形成装置200において、円弧搬送部240は、円弧状の内ベルトガイド板76と、外ベルト部材ガイド板86とで所定の幅寸法を備えた円弧状の搬送路間隙90を形成し、この通路内に第1のベルト部材である外ベルト部材85と、第2のベルト部材である内ベルト部材75を配置して構成される。内ベルト部材75は、前記内ベルトガイド板76の外周面に沿って半月状に循環して駆動される。即ち、内ベルト部材75は、内ベルトガイド板76に沿って配置されるアイドラコロ72、73、74及び駆動ローラ71によって内ベルトガイド板76の外周に沿い円弧をなすよう配置されると共に
、アイドラコロ72と駆動ローラ71との間を直線状に結ぶよう配置される。
【0041】
また、外ベルト部材85は、外ベルト部材ガイド板86の内側であって内ベルト部材75の外側と、外ベルト部材ガイド板86の外側とを循環するように配置される。即ち、外ベルト部材85は、駆動ローラ81、アイドラコロ82、83、84に案内され、外ベルト部材ガイド板86の外側を移動すると共に、駆動ローラ81とアイドラコロ84にかけて搬送路間隙90の内ベルト部材75の外側を円弧状に駆動される。
【0042】
駆動ローラ71及び駆動ローラ81は、駆動モータ60で駆動される。即ち、駆動モータ60のプーリ61には、アイドラギヤプーリ63との間にタイミングベルト62が掛け渡されており、このアイドラギヤプーリ63と同軸のアイドラギヤ67が駆動ローラ71と同軸の駆動ギヤ70にかみ合い、駆動ローラ71を回転駆動する。また、駆動モータ60のプーリ61には駆動プーリ80との間にタイミングベルト64が掛け渡されており、駆動プーリ80と同軸の駆動ローラ81を回転駆動する。
【0043】
このように、駆動モータ60は、第1のベルト部材としてのタイミングベルト64を介して最も下流側のベルト張架回転体である駆動ローラ71を駆動し、第2のベルト部材としてのタイミングベルト62を介して最も上流側のベルト張架回転体である駆動ローラ81を駆動している。なお図示していないが、例えば内ベルト部材75を最上流で支持しているアイドラコロ72の回転にわずかな負荷を与えるブレーキ等を設けると、より一層張り勝手と緩み勝手の張力差を大きくすることができる。また同様に、例えば外ベルト部材85を最下流で支持しているアイドラコロ84の回転にわずかな負荷を与えるブレーキ等を設けると、より一層張り勝手と緩み勝手の張力差を大きくすることができる。このような構成にすることにより、外ベルト部材85には、外ガイド板86側へ沿うように強く押し付けられる作用と、内ベルト部材75は内ガイド板76側へ密着するように強く押し付けられる作用が生じるため、緩みが解消されて安定した寸法の搬送路間隔90が形成できる効果が得られる。
【0044】
次にこの円弧搬送部240について説明する。印字部230において記録媒体1への印字が完了すると、記録媒体1は前記ヘッド後ガイド板21に沿ってさらに運ばれ円弧搬送部240に搬送される。円弧搬送部240において、駆動モータ60によりプーリ61がCW方向(時計回り方向)に回転すると、タイミングベルト62によりアイドラギヤプーリ63及びアイドラギヤ67が回転し、このアイドラギヤ67にかみ合った駆動ギヤ70がCCW方向(反時計回り方向)に回転する。この回転で同軸の駆動ローラ71が回転する。すると、内ベルト部材75は、搬送経路の上流側から順に配置された、アイドラコロ72、73、74とこれらの間に存在する内ベルトガイド板76とにより内ベルト部材75は搬送路間隙90に沿って駆動され、その円弧外側で記録媒体1の非画像面側に接して記録媒体1を搬送する。
【0045】
なお、内ベルトガイド板76の内ベルト部材75と接する面は摺動摩擦するため比較的摩擦係数が小さい材質の材料を選択したり、図示しないが摩擦係数を低減するシート部材を貼り付けたりしてもよい。また内ベルトガイド板76の接触面は、前記アイドラコロ72、73、74、駆動ローラ71よりもわずかに内側に設定され配置している。このため、内ベルト部材75の内面は、基本的には駆動ローラ71、アイドラコロ72、73、74により張架されることになるため、内ベルトガイド板76は、搬送路間隙90を形成するためのベルトの位置を定める機能をなす。
【0046】
また、駆動モータ60のCW方向の回転により、タイミングベルト64は駆動プーリ80をCW方向に回転させる。駆動プーリ80の回転により同軸の駆動ローラ81が回転すると、外ベルト部材85は、当駆動ローラ81、アイドラコロ82、83、84、及び外ベルト部材ガイド板86により、内側(図1において右側)に半月状の円弧をなすと共に、外側(同左側)に各アイドラコロ82、83、84と駆動ローラ81とにより多角形状に張り渡され、円弧側部分の内側面で記録媒体1の画像面側に接して記録媒体1を搬送する。
【0047】
なお、外ベルト部材ガイド板86の外ベルト部材85と接する面は摺動摩擦するため比較的摩擦係数が小さい材質の材料を選択したり、図示しないが摩擦係数を低減するシート部材を貼り付けたりしてもよい。また、外ベルト部材ガイド板86の接触面は前記アイドラコロ72、73、74、駆動ローラ71よりもわずかに外側に配置されているため、外ベルト部材85の円弧状の内面は基本的にはこれらのコロとローラとにより張架されることになり、外ベルト部材ガイド板86は、搬送路間隙90を形成するためのベルトの位置を定める機能をなす。
【0048】
次に外ベルト部材85について詳細に説明する。図2は実施例1に係る画像形成装置の外ベルト部材を示す断面図である。外ベルト部材85の記録媒体1に接する面には、粒状のビーズ85−Aが接着されている。このビーズ85−Aは、記録媒体に対してきわめて小さな面積点接触する形状の接触となるため好ましくは球状としている。ビーズ85−Aの材質は、画材に対して付着しにくいものを選択することにより、画材の付着や、記録媒体1の他の領域への再転写を防ぐ構造としている。ビーズ85−Aの材質としては、ガラス、ジルコニア、高分子材料などが選択できる。このビーズ85−Aは接着剤による接着層85−Bにより外ベルト部材85へ強固に接合されている。なお、外ベルト部材85の表面は、記録媒体と点接触する構成とすればよいので、ビーズは接着する他熱溶着で外ベルト部材85に接合するようにしてもよいし、外ベルト部材85の表面に細かな突起からなる接触部を形成するようにしてもよい。
【0049】
また、外ベルト部材85には、表裏で異なる極性を持つ磁石体が外ベルト部材85の内部に混練されている。即ち、外ベルト部材85は、その内部に細かい粒状のフェライト磁石、アルニコ磁石、コバルト磁石、ネオジム磁石などの粒状磁石体85−Cが混練されており、その磁気配向を下側にN極、上側にS極としている。
【0050】
図2に示した外ベルト部材85はこのような構成を備えることにより、ベルト全体に磁力を持たせることができ、磁気吸着させる際には記録媒体と粒状磁石体85−Bとの距離を近接させて大きな磁気吸着力が得られる。
【0051】
図3は実施例1に係る画像形成装置の外ベルト部材の変形例を示す断面図である。この
外ベルト部材85は、図3中上側面に細かい粒状のフェライト磁石、アルニコ磁石、コバルト磁石、ネオジム磁石などの粒状磁石体85−Cを接合している。粒状磁石体85−Cは、その磁気配向を下側にN極、上側にS極となるように配置している。このような構成により、外ベルト部材85のベルト自体の材質を特殊なものとすることなく、入手性がよく、必要な物性を備えた素材を選択することができ、その選択範囲が広がる。
【0052】
そして、実施例1では、内ベルト部材75の内側に配置される内ベルトガイド板76としては、外ベルト部材85を吸着するため強磁性体である鉄材等を使用することができる。このような構成を採用することにより、磁性を備えた外ベルト部材85を内ベルト部材75側に吸着して、外ベルト部材85と内ベルト部材75との間で記録媒体1を磁力で挟んで確実に搬送することができる。
【0053】
<実施例2>
次に実施例2について説明する。図4は実施例2に係る画像形成装置の記録媒体の搬送状態を示す断面図である。実施例では、前記画像形成装置200と同一の構成において、内ベルト部材75の裏面側に複数の磁気発生手段を配置し、外ベルト部材85を磁気吸着する領域と、磁気吸着されない領域とを形成する。
【0054】
図4に示すように、内ベルトガイド板76は、鉄、ニッケル、コバルト等の磁性体材料からなる磁性部分100−1〜100−4と、非磁性体材料からなる磁性隔壁部102−1〜100−4とを副走査方向(記録媒体1の搬送方向)に交互に配置して構成している。これらの磁性部分100−1〜100−4及び磁性隔壁部102−1〜100−4は、内ベルトガイド板76の走査方向(幅方向)に延設されている。そして、内ベルトガイド板76の内側には、各磁性部分100−1〜100−4に対応して、それぞれに電磁石101−1〜101−4の鉄心部と、ヨーク104−1〜104−4を接触させて配置している。これらの電磁石101−1〜101−4は、それぞれ磁力制御部103−1〜103−4が接続され、コイルに導通される電流が制御され、独立してオンオフ制御できる。
【0055】
従って、磁性部分100−1〜100−4のうち、コイルに電流が流される電磁石が配置された磁性部分に強力な磁力が発生し、外ベルト部材85はこの磁力で吸着される。図4に示した例では、電磁石101−2,101−3のコイル導線には電流が流れていて、磁力が発生しているため、外ベルト部材85は磁性部分100−2,101−3に吸着され、記録媒体を拘束する領域(図4中磁気吸着領域)を形成する。一方、他の2台の電磁石101−1、101−4のコイル導線には電流が流されておらず磁力が発生していないため、着磁化外ベルト部材85は吸着されず記録媒体1が拘束されない領域(図4中非磁気吸着領域)を形成している。
【0056】
このように、実施例2によれば、磁力制御部103−1〜103−4で電磁石101−1〜101−4に電流を流すタイミングを制御することにより、記録媒体1の搬送位置に応じて拘束することができる。なお、この例では、外ベルト部材85の内側面には、N極が配置されているので、電磁石101−1〜101−4が作動した状態としたとき、内ベルト部材75側にS極が形成するものとしている。また、図4では、磁性部分、非磁性隔壁部、電磁石、磁力制御部は、作図の便宜上それぞれ4つとしたが、記録媒体1を搬送するのに必要な数だけ形成され配置される。
【0057】
なお、電磁石101−1〜101−4を個別に電流を流すタイミングパルスを制御するため、図1で示すヘッド前センサ18などのように記録媒体の副走査位置を検出する手段により磁力制御部103−1〜103−4がパルスを発生するタイミングを決定したり、また画像領域の画材によるパターンやその濃淡を考慮し、予めパルスのパターンをプログラムしておき、それに応じて印加させたりすることができる。
【0058】
<実施例3>
図5は実施例3に係る画像形成装置の記録媒体の搬送状態を示す断面図である。実施例4に係る記録媒体搬送装置は、複数の磁気発生手段により磁気吸着された領域と、磁気反発された領域とを設けるものである。
【0059】
前述した実施例2では、電磁石101−1〜101−4に流す電流の方向は一方向であったのに対して、実施例3では、電流を流す方向を個別に正逆を切り替える。これにより、実施例3では、電磁石101−1,101−4のコイル導線に流す電流を磁力制御部103−1、103−4で鉄心の上側がN極になるように流し、着磁化外ベルト部材85の下側の面のN極と反発させて、記録媒体1を拘束しない領域(図5中磁気反発領域)と、電磁石101−2,101−3のコイル導線に流す電流が鉄心の上側がS極になるように磁力制御部103−2、103−3で流し、外ベルト部材85の下側の面のN極と吸着させ記録媒体1を拘束する領域(図5中磁気吸着領域)を形成している。
【0060】
このように、実施例3では、磁力制御部103−1〜103−4で電磁石101−1〜101−4に印加する電流の流す方向とタイミングパルスを個別に制御することにより、記録媒体1の搬送位置に応じて記録媒体1を拘束したり開放したりすることができる。このため、記録媒体1の搬送位置に応じて拘束したり開放したりすることができる。
【0061】
なお前述同様、電磁石101−1〜101−4を個別に電流を流す方向のタイミングパルスを制御するためには図1で示したヘッド前センサ18などのように記録媒体の副走査位置を検出する手段によりパルスを発生するタイミングを決定したり、また画像領域の画材によるパターンやその濃淡を考慮し、予めパルスのパターンをプログラムしておき、それに応じて印加させたりすることもできる。
【0062】
<実施例4>
図6は実施例4に係る画像形成装置の概略全体構成を示す断面図、図7は実施例4に係る画像形成装置の記録媒体の後端部を示す断面図である。実施例4に係る画像形成装置400は、記録媒体搬送装置である円弧搬送部340の外ベルト部材85に磁化、消磁可能な強磁性体を混練すると共に、消磁ヘッド87及び着磁ヘッド88を外ベルト部材85に近接または、接触させるように配置したものである。
【0063】
画像形成装置400において、円弧搬送部340以外の構成は、前記実施例1に係る画像形成装置200と同一である。即ち、画像形成装置300の給紙部310、記録媒体搬送部320、印字部330、定着部350、記録媒体反転部360、排紙部370は、画像形成装置200の給紙部210、記録媒体搬送部220、印字部230、定着部250、記録媒体反転部260、排紙部270と同一の構成を備える。
【0064】
消磁ヘッド87は、外ベルト部材ガイド板86の移動方向上流側に外ベルト部材85に接触するか、或いはわずかな隙間を空けた位置に配置される。また、着磁ヘッド88は、同じく下流側に外ベルト部材85に接触するか、或いはわずかな隙間を空けた位置に配置される。さらに、消磁ヘッド87は、消磁要の高周波電流が印加される消磁ヘッド制御部331で駆動され、着磁ヘッド88は、着磁用のパルス電流が印加される磁ヘッド制御部332で駆動される。
【0065】
外ベルト部材85は、図7に示すように、外ベルト部材85には、強磁性体85−Dが混練されている。この外ベルト部材85の85−Dは、消磁ヘッド制御部331から高い周波数の交流を印加された消磁ヘッド87により、強磁性体85−Dの副走査方向に磁化されるパターンが細かくN極S極に細分されるため、ほぼ磁気的に飽和され消磁された状態になる。ただしこのような零消去法をとらなくても、他の消磁方法で消磁してもよい。ここで、零消去法とは、消磁ヘッド87に高周波電流を流したときに発生する磁力線により磁性体が消磁ヘッド87を通過する際、消磁ヘッド87の磁極間隔の中央部で飽和値まで磁化され、その後次第に漸減する交番磁界により消磁することをいう。
【0066】
また、消磁された外ベルト部材85を消磁ヘッド87の下流側に配置された着磁ヘッド88に磁ヘッド制御部332から所定の電流パルスを印加すると、そのタイミングに応じて強磁性体85−DにN極とS極の着磁パターンが形成され磁化される。なお図6に示した例では消磁ヘッド87と着磁ヘッド88を外ベルト部材85の外側に配置しているが、必ずしも外側でなく内側に配置してもよい。
【0067】
また、円弧搬送部340には、鉄、ニッケル、コバルト等の磁性体材料からなる内ベルトガイド板76が磁気回路手段として配置されており、その表面(図中上面)を内ベルト部材75が摺動し、さらにその外側(図中上側)には強磁性体85−Dが混練された外ベルト部材85が走行する。このとき、外ベルト部材85には、図7で示した消磁ヘッド87と着磁ヘッド88により副走査方向で消磁領域と着磁領域とが生成されている。この着磁領域では副走査方向にS極とN極が交番して配置されており、それぞれの磁極間で図示の上側に生じている磁力線Iと下側の磁力線IIとが発生し、磁力線IIは前記磁性体からなる内ベルトガイド板76がヨークとして作用し、強く磁気吸着する。
【0068】
ここで、着磁領域は、記録媒体1の後端部に位置するところで生成することが好ましく、この場合記録媒体1の後端部のみが外ベルト部材85により強く拘束されることになる。
【0069】
このように外ベルト部材85の副走査方向で着磁領域と消磁領域を搬送に適したパターンにするためには、着磁ヘッド88への印加パルスのタイミングを予めプログラムしておく。これにより、着磁ヘッド88は、外ベルト部材85の所望の位置の強磁性体85−Dを磁化して所定の位置に着磁領域を生成することができる。
【0070】
このタイミングパルスを制御するため、ヘッド前センサ18などのように記録媒体の副走査位置を検出する手段からの信号に基づいてパルス発生のタイミングを決定したり、また画像領域の画材によるパターンやその濃淡を考慮し、予めパルスのパターンをプログラムしておき、それに応じて印加させたりすることができる。
【符号の説明】
【0071】
1 記録媒体
2 給紙バンク
3 ピックアップローラ
4 分離ローラ対
5 搬送ローラ対
6 レジストローラ対
7 レジスト前センサ
8 レジスト後センサ
9 拍車ローラ対
10 上側ガイド板
11 下側ガイド板
12 入口コロ
13 入口ローラ
14 プーリ
15 タイミングベルト
16 プーリ
17 入口ローラモータ
18 ヘッド前センサ
19 ヘッド
20 印写受皿
21 ヘッド後ガイド板
22 出口拍車
23 出口ローラ
24 プーリ
25 タイミングベルト
26 プーリ
27 出口ローラモータ
28 円弧搬送路
29、30、31 拍車ローラ対
32 定着搬送路
33 下側定着ベルト
34 下側加熱ローラ
35 下側定着ローラ
36 上側定着ベルト
37 上側加熱ローラ
38 上側定着ローラ
39 円弧搬送路
40 拍車ローラ対
41 切換爪
43 反転共通路センサ
44、45、46 拍車ローラ対
47 再給紙搬送路
48 切換爪
49 排紙拍車ローラ対
50 排紙トレイ
60 駆動モータ
61 プーリ
62 タイミングベルト
63 アイドラギヤプーリ
64 タイミングベルト
67 アイドラギヤ
70 駆動ギヤ
71 駆動ローラ
72、73、74 アイドラコロ
75 内ベルト部材(第2のベルト部材)
76 内ベルトガイド板
80 駆動プーリ
81 駆動ローラ
82、83、84 アイドラコロ
85 外ベルト部材(第1のベルト部材)
85−A ビーズ
85−B 接着層
85−C 粒状磁石体
85−D 強磁性体
86 外ベルト部材ガイド板
87 消磁ヘッド
88 着磁ヘッド
90 搬送路間隙
101 電磁石
102 磁性隔壁部
103 磁力制御部
200 画像形成装置
210 給紙部
220 記録媒体搬送部
230 印字部
240 円弧搬送部
250 定着部
260 記録媒体反転部
270 排紙部
300 画像形成装置
310 給紙部
320 記録媒体搬送部
330 印字部
340 円弧搬送部
350 定着部
360 記録媒体反転部
370 排紙部

【先行技術文献】
【特許文献】
【0072】
【特許文献1】特開平3−256945号

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成がなされる記録媒体の画像形成面の反対面である裏面側に配置される第1のベルト部材と、前記記録媒体の画像形成面側に配置される第2のベルト部材と、
を備え、
前記第1のベルト部材と前記第2のベルト部材との間に前記記録媒体を挟んで搬送する記録媒体搬送装置において、
前記第2のベルト部材は、前記記録媒体に接する面に前記記録媒体と点接触をする接触部を備えると共に、磁性を帯びるよう構成されており、
前記第1のベルト部材の記録媒体と接する面の裏面側には磁力により前記第2のベルト部材を吸着する磁性体を配置した
ことを特徴とする記録媒体搬送装置。
【請求項2】
画像形成がなされる記録媒体の画像形成面の反対面である裏面側に配置される第1のベルト部材と、前記記録媒体の画像形成面側に配置される第2のベルト部材と、
を備え、
前記第1のベルト部材と前記第2のベルト部材の間に前記記録媒体を挟んで搬送する記録媒体搬送装置において、
前記第2のベルト部材は、前記記録媒体に接する面に前記記録媒体と点接触をする接触部を備えると共に、表裏で異なる極性の磁性を帯びるよう構成されおり、
前記第1のベルト部材の記録媒体と接する面の裏面側には磁力を発生及び消滅させる磁力発生手段が配置されている
ことを特徴とする記録媒体搬送装置。
【請求項3】
請求項2に記載の記録媒体搬送装置において、
前記磁力発生手段が、副走査方向に複数独立した磁力発生部を備えて構成され、
各磁力発生部への電流を導通及び遮断することにより、前記第1のベルト部材の磁性体との磁気吸着の有無を、副走査方向で異ならせる磁力制御部を備える
ことを特徴とする記録媒体搬送装置。
【請求項4】
請求項2に記載の記録媒体搬送装置において、
前記磁力発生手段が副走査方向に複数独立した磁力発生部を備えて構成され、各磁力発生部が発生する磁極を切り替え、前記第1のベルト部材の表裏の磁界極性を、副走査方向で異ならせる磁力制御部を備える
ことを特徴とする記録媒体搬送装置。
【請求項5】
画像形成がなされる記録媒体の画像形成面の反対面である裏面側に配置される第1のベルト部材と、前記記録媒体の画像形成面側に配置される第2のベルト部材と、を備え、前記第1のベルト部材と前記第2のベルト部材の間に前記記録媒体を挟んで搬送する記録媒体搬送装置において、
前記第2のベルト部材は、前記記録媒体に接する面に前記記録媒体と点接触をする接触部を備えると共に、外部からの磁気パルスにより着磁または消磁される強磁性体を備えて構成され、
前記第2のベルト部材の強磁性体に対して所定の磁界を作用させる磁気記録ヘッドと、
前記第2のベルト部材の強磁性体の磁力を消磁する磁界を作用させる消磁ヘッドと、
を備え、
前記第1のベルト部材の記録媒体と接する面の裏面側には磁気回路を形成する磁気回路手段が配置されている
ことを特徴とする記録媒体搬送装置。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれかに記載の記録媒体搬送装置において、
前記第1のベルト部材の駆動力を入力する第1のベルト駆動手段と、前記第2のベルト部材を駆動する第2のベルト駆動手段を備え、
前記第1のベルト駆動手段は、前記記録媒体の副走査方向で最も下流側のベルト張架回転体で前記第1のベルト部材に駆動力を伝達し、
前記第2のベルト駆動手段は、前記記録媒体の副走査方向で最も上流側のベルト張架回転体で前記第2のベルト部材に駆動力を伝達する
ことを特徴とする記録媒体搬送装置。
【請求項7】
前記記録媒体に画像を形成する画像形成部と、請求項1から請求項6のいずれかに記載の記録媒体搬送装置とを備える
ことを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−140213(P2012−140213A)
【公開日】平成24年7月26日(2012.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−294465(P2010−294465)
【出願日】平成22年12月29日(2010.12.29)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】