説明

記録媒体搬送装置および画像形成装置

【課題】搬送ベルトと記録媒体との吸着力をあまり高めずに、インク滴着弾後の記録媒体の波打ちを抑制することのできる記録媒体搬送装置および画像形成装置を提供する。
【解決手段】
搬送ベルト5裏面に当接してインクジェットヘッド1Y〜1Kがインクを吐出するインク吐出領域における搬送ベルト5の平面度を確保する平面板9のインク吐出領域から搬送ベルト9の表面移動方向下流側に延在した領域における吸引孔を、インク吐出領域における吸引孔よりも大きくした。これにより、インク吐出領域よりも搬送ベルト5の表面移動方向下流側の搬送ベルト5と搬送ベルト5に吸着した記録紙とが、負圧吸引手段7の吸引力で平面板9の大きな吸引孔に落ち込む。これにより、インク吐出領域よりも搬送ベルト5の表面移動方向下流側に記録紙および搬送ベルト5を強制的に撓ませる撓み領域を形成することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録媒体が、記録媒体に向けてインクを吐出して前記記録媒体に画像を記録するインク吐出領域を通過するように、記録媒体を搬送する記録媒体搬送装置および記録媒体搬送装置を備えた複写機、プリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
主走査方向に移動するキャリッジに搭載されたインク吐出手段たるインクジェットヘッドにより、インクの液滴を記録紙に向けて吐出して画像を記録するインクジェット方式の画像形成装置が知られている。インクジェット方式の画像形成装置は、インクジェットヘッドから吐出されたインク滴が直接記録紙に着弾して画像を形成するため、画像の高画質化を実現するためには、インク滴の記録紙に対する着弾位置精度を高める必要がある。
【0003】
着弾位置精度を高める方法としては、インクジェットヘッドと記録紙との距離を一定に保つことや、記録紙の搬送を高精度に行うことなどが考えられる。そこで、特許文献1では、記録紙を高精度に搬送するため、記録紙をヘッドと対向する位置に搬送する搬送ベルトを一様に帯電させ、記録紙を静電吸着させて搬送させるものが記載されている。また、特許文献2には、吸引ファンや吸引ポンプなどの負圧発生装置で、搬送ベルトに形成された吸引孔から空気を吸引することで記録紙を搬送ベルトに吸着させて搬送させるものが記載されている。
【0004】
【特許文献1】特開2005−23187号公報
【特許文献2】特開平5−105260号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
インク吐出領域でインクジェットヘッドから吐出されたインク液滴は、着弾してから、徐々に記録紙繊維に浸透しながら乾燥定着する。その際、記録紙繊維にインク液滴の水分が浸透、乾燥することで記録紙に伸縮が生じてしまう。その結果、インク吐出領域よりも搬送ベルト移動方向下流側で記録紙の一部が撓んで、搬送ベルトから浮き上がりインク吐出領域よりも搬送ベルト移動方向下流側で記録紙に波打ちが生じてしまう。このインク吐出領域よりも搬送ベルト移動方向下流側で生じた記録紙の波打が、インク吐出領域におよんでしまう。その結果、着弾位置におけるインクジェットヘッドと記録紙との距離が変動してしまい、高品位な画像が得られなくなるという問題があった。
【0006】
そこで、空気の吸引力高めたり、搬送ベルトの帯電電位を高めたりして搬送ベルトと記録紙との吸着力を高めて、インク吐出領域よりも搬送ベルト移動方向下流側で記録紙に伸縮が生じても搬送ベルトから記録紙が浮き上がらないようにすることが考えられる。しかし、搬送ベルトの帯電電位を高める場合は、高圧電源装置を設ける必要があり、装置のコストアップにつながるという不具合が生じる。また、高圧電源装置を使用するため、消費電力が増加してしまうという不具合が生じる。また、インクジェットヘッドから吐出したインク滴が搬送ベルトの電界の影響で帯電し、搬送ベルトの電界の影響を受けてインク液滴の飛翔が乱れ、着弾位置がずれてしまう不具合も生じてしまう。
また、空気の吸引力高めて搬送ベルトと記録紙との吸着力を高めた場合は、吸引ファンや吸引ポンプなどの負圧発生装置の騒音が大きくなるという不具合が生じる。また、搬送ベルトの駆動抵抗が増大するため搬送ベルトを駆動させる駆動モータを高トルクの駆動モータとする必要が生じ、駆動モータの大型化、装置のコストが高くなるという不具合も生じる。
【0007】
本発明は、上記問題に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、搬送ベルトと記録媒体との吸着力をあまり高めずに、インク滴着弾後の記録媒体の波打ちを抑制することのできる記録媒体搬送装置および画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、記録媒体が、前記記録媒体に向けてインクを吐出して前記記録媒体に画像を記録するインク吐出領域を通過するように、その表面が無端移動することにより前記記録媒体を搬送する搬送ベルトと、前記搬送ベルトに前記記録媒体を吸着させる吸着手段とを備えた記録媒体搬送装置において、前記インク吐出領域よりも前記搬送ベルトの表面移動方向下流側、かつ、前記記録媒体が前記搬送ベルトから分離する分離領域よりも上流側に前記搬送ベルトとともに記録媒体を強制的に撓ませる撓み領域を形成したことを特徴とするものである。
また、請求項2の発明は、請求項1の記録媒体搬送装置において、前記吸着手段は、前記搬送ベルトに形成された吸引孔から空気を吸引して、前記搬送ベルトに前記記録媒体を吸着させる負圧吸引手段であって、該負圧吸引手段による前記インク吐出領域よりも前記搬送ベルトの表面移動方向下流側の吸引力を、前記インク吐出領域における吸引力よりも大きくしたことを特徴とするものである。
また、請求項3の発明は、請求項1の記録媒体搬送装置において、前記吸着手段は、前記搬送ベルトに形成された吸引孔から空気を吸引して、前記搬送ベルトに前記記録媒体を吸着させる負圧吸引手段であって、複数の吸引孔を有し、前記搬送ベルト裏面に当接して前記インク吐出領域における前記搬送ベルトの平面度を確保する平面板を有し、該平面板は、前記インク吐出領域から前記搬送ベルトの表面移動方向下流側にまで延在しており前記平面板のインク吐出領域から前記搬送ベルトの表面移動方向下流側に延在した領域における吸引孔を、前記インク吐出領域における吸引孔よりも大きくしたことを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、請求項1の記録媒体搬送装置において、前記吸着手段は、前記搬送ベルトに形成された吸引孔から空気を吸引して、前記搬送ベルトに前記記録媒体を吸着させる負圧吸引手段であって、複数の吸引孔を有し、前記搬送ベルト裏面に当接して前記インク吐出領域における前記搬送ベルトの平面度を確保する平面板を有し、該平面板の前記インク吐出領域よりも前記搬送ベルトの表面移動方向下流側に段部を設けたことを特徴とするものである。
また、請求項5の発明は、請求項1の記録媒体搬送装置において、前記搬送ベルト裏面に当接して前記インク吐出領域における前記搬送ベルトの平面度を確保する平面板を有し、前記インク吐出領域よりも前記搬送ベルトの表面移動方向下流側における前記平面板非当接領域に、前記搬送ベルトのおもて面に当接して、前記搬送ベルトおよび前記記録媒体を撓ませるローラ部材を設けたことを特徴とするものである。
また、請求項6の発明は、請求項2乃至4いずれかの記録媒体搬送装置において、前記負圧吸引手段を、吸引口が前記搬送ベルトの裏面に対向する負圧室と、前記負圧室を負圧にする負圧発生手段とで構成したことを特徴とするものである。
また、請求項7の発明は、請求項6の記録媒体搬送装置において、前記負圧発生手段を、ファンまたはコンプレッサーで構成したことを特徴とするものである。
また、請求項8の発明は、請求項6または7の記録媒体搬送装置において、前記平面板と前記負圧室とが一体物であることを特徴とするものである。
また、請求項9の発明は、請求項6乃至8いずれかひとつの記録媒体搬送装置において、前記負圧吸引手段は、複数の負圧室と、各負圧室に対応する複数の負圧発生手段と、各不圧発生手段を独立で制御する制御手段とを有することを特徴とするものである。
また、請求項10の発明は、記録媒体に向けてインクを吐出して前記記録媒体に画像を記録するインク吐出手段と、前記インク吐出手段との対向領域を前記記録媒体が通過するように搬送する記録媒体搬送手段とを備えた画像形成装置において、前記搬送手段として、請求項1乃至9いずれかひとつの記録媒体搬送装置を用いたことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0009】
請求項1乃至10の発明によれば、インク吐出領域よりも搬送ベルトの表面移動方向下流側の領域で、搬送ベルトに吸着された記録媒体を強制的に撓ませることで、記録紙が強制的に撓ませた撓み領域へ引っ張られる。これにより、インク滴着弾後の記録媒体の伸縮による撓みが伸ばされて、記録媒体が搬送ベルトから浮き上がるのを抑制することができる。これによって、インク滴着弾後の記録媒体の波打ちを抑制することのでき、インク吐出領域におけるインク吐出手段と記録媒体との距離が変動するのを抑制することができる。
また、本発明は、搬送ベルトに吸着された記録媒体を強制的に撓ませることで、記録媒体の波打ちを抑制するので、搬送ベルトと記録媒体との吸着力のみで、記録媒体の波打ちを抑制するものに比べて、搬送ベルトと記録媒体との吸着力が弱くても、記録媒体の波打ちを抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明を適用した画像形成装置の一実施形態として、インクジェット方式の複写機について説明する
図1は本実施形態に係る複写機を示す概略構成図である。同図において、複写機は、給紙部100の上部に画像形成部200を有し、画像形成部の上部に読取装置(スキャナ)300を有している。
読取装置300は、原稿台301、給紙ローラ303、密着イメージセンサ(CIS)などを備えた読取部302、搬送ローラ304、排紙ローラ305、排紙トレイ306などを有している。
原稿台301上に置かれた原稿は、図示省略のサイドフェンスにより幅方向が揃えられ、給紙ローラ303により一枚ずつ読取部302下へ給紙される。原稿台301上には、原稿幅検知センサ及び原稿長さ検知センサが設けられている。両センサにより、原稿台301から送られる原稿のサイズを検知する。
【0011】
読取部302は、密着イメージセンサ(CIS)、LEDアレイや蛍光灯などの光源、ロッドレンズアレイなどを有している。読取部302下に給紙された原稿は、LEDアレイや蛍光灯などの光源により露光される。この露光によって得られた原稿反射光は、ロッドレンズアレイを通過して、密着イメージセンサ上に結像される。結像された原稿反射光は、密着イメージセンサによって光電変換され画像信号として読み込まれる。そして、読み込まれた画像信号がデジタル化された後、画像処理される。そして、この画像処理された画像情報に基づいて、記録紙に対する画像形成が行われる。また、読取部302で原稿画像が読み取られた原稿は、搬送ローラ304及び排紙ローラ305によって排紙トレイ306上に排紙される。
【0012】
なお、本複写機は、読取装置300によって読み取った原稿画像に基づく画像を形成する他に、外部のパーソナルコンピュータ等の情報処理装置、デジタルカメラなどの撮像装置などから送られてくる画像情報に基づいて、画像を形成することができる。
【0013】
画像形成部200は、作像部201、記録紙搬送装置202、排紙部203を有している。
図2は、作像部201と、記録紙搬送装置202とを示す概略構成図であり、図3は、作像部201と、記録紙搬送装置202とを示す概略斜視図である。
作像部201は、キャリッジ204を図示しないガイドロッドおよびガイドステーによって主走査方向に移動可能に保持している。キャリッジ204には、互いに主走査方向に並びながら記録紙搬送装置202で搬送された記録紙にイエロー(y),マゼンタ(m),シアン(c),黒(k)のインクを吐出するインク吐出手段たるインクジェットヘッド1Y、1M、1C、1Kを有している。
また、画像形成部200の図中左上方には、インク供給部212が設けられている。このインク供給部212には、図示しないY、M、C,K色のインクカートリッジが着脱可能に装着されている。インク供給部212からは、各色のインクジェットヘッド1Y、M、C、Kにそれぞれインク液を供給するための各インクジェットヘッド1Y、M、C、Kに対応した搬送チューブ2Y、2M、2C、2Kが延びており、インクカートリッジ内のインクを個別にインクジェットヘッドへと導く。
【0014】
インクジェットヘッド1Y〜1Kとしては、インク流路内(圧力発生室)のインクを加圧する圧力発生手段(アクチュエータ手段)として圧電素子を用いてインク流路の壁面を形成する振動板を変形させてインク流路内容積を変化させてインク滴を吐出させるいわゆるピエゾ式のものを例示することができる。また、発熱抵抗体を用いてインク流路内でインクを加熱して気泡を発生させることによる圧力でインク滴を吐出させるいわゆるバブルジェット(登録商標)式のものでもよい。また、インク流路の壁面を形成する振動板と電極とを対向配置し、振動板と電極との間に発生させる静電力によって振動板を変形させることで、インク流路内容積を変化させてインク滴を吐出させる静電式のものでもよい。
【0015】
インクジェットヘッド1Y〜1Kがインクを吐出するインク吐出領域へ記録紙10を搬送する記録紙搬送装置202は、図3に示すように、全周に多数の微小な吸引孔5aを有する無端帯状の搬送ベルト5をテンションローラ6と、回転駆動される駆動ローラ3とによって張架しながら図中時計回り方向に無端移動せしめる。
【0016】
駆動ローラ3の回転軸には、図示しないウオームホイール(はす歯歯車)が固定されており、駆動モータ4の出力軸に固定されたウォーム13a(ねじ歯車)がウオームホイールと噛み合い、所謂ウォームギヤ13を構成している。駆動モータ4の回転駆動力が、ウォームギヤ13を介して駆動ローラ3に伝達されることにより、駆動ローラ3が回転駆動される。そして、この回転駆動に伴って搬送ベルト5が無端移動せしめられる。駆動モータ4としては、例えば、ステッピングモータ、サーボモータなど、記録紙搬送装置202が必要とするトルク、起動速度を満たせるものが用いられる。また、駆動ローラ3に駆動モータ4の回転駆動力を伝達する伝達機構は、ウォームギヤ13に限らず、高い減速比と搬送ベルト5を高精度に駆動停止できる伝達方式であればよく、例えば、タイミングベルトを使用した伝達機構でもよい。
【0017】
吐出領域では、搬送ベルト5の平面度を確保する板状の平面板9が搬送ベルト5の上部張架部に裏面側から当接している。また、記録紙搬送装置202には、搬送ベルト5に記録紙を吸着させる吸着手段たる負圧吸引手段7を有している。負圧吸引手段7は、開口部を有する負圧室8と、負圧発生手段たる吸引ファン209と、負圧室8と吸引ファン209との間の吸引経路を形成するための吸引ダクト210とを有している。負圧室8の開口部は、複数の吸引孔が形成された平面板9によって閉じられている。この負圧吸引手段7により、給紙路から吐出領域に進入した記録紙10が搬送ベルト5のおもて面に吸着せしめられる。
【0018】
搬送ベルト上の記録紙10を排紙部203へ受け渡す受け渡し箇所には、分離爪11が設けられており、分離爪11により搬送ベルト5のおもて面から記録紙10を分離して、記録紙10を排紙部203へ受け渡す。
【0019】
図1に示すように、排紙部203には、排紙ローラ213、214、215、排紙分岐機構216、第1排紙トレイ206、第2排紙トレイ207を有している。排紙分岐機構216は、画像形成部上部の第1排紙トレイ206へ記録紙10を排紙するために排紙経路と、第2排紙トレイ207へ記録紙10を排紙するために排紙経路とに切り替えるようになっている。
【0020】
給紙部100は、ロール紙トレイ101と、カット紙トレイ102とを有している。ロール紙トレイ101は、装置筐体から図の左方向に引き出し可能となっており、ロール紙トレイ101を引き出した状態でロール紙のセットやジャム処理を行うように構成されている。また、カット紙トレイ102も同様に、装置筐体から図の左方向に引き出し可能となっており、カット紙トレイ102を引き出した状態でカット紙のセットやジャム処理を行うように構成されている。
【0021】
ロール紙トレイ101は2つのロール紙103、104をセットすることができる。紙管の周囲に巻装された各ロール紙103、104は、一対のペーパーホルダ107,108を介してロール紙トレイ101にセットされる。各ロール紙に対する給紙ローラ111,112がロール紙近傍に配設されている。
カット紙トレイ102は2段で構成されており、様々な定型サイズの用紙をセットすることができる。
【0022】
各給紙ローラ111,112,またはカット紙トレイ102から送り出された記録紙10は、レジストローラ208にて作像タイミングとの同期を取り、作像部201へと送り込まれる。作像部201へと送り込まれた記録紙10は、搬送ベルト5と、これのおもて面に当接する複数の拍車を備えた第1押さえコロ12a、第2押さえコロ12bによって搬送ベルト5に押さえられて、吐出領域へ進入する。吐出領域に進入した記録紙10は、負圧吸引手段7によって、搬送ベルト5のおもて面に吸着し、搬送ベルト5の無端移動に伴って搬送される。そして、キャリッジ204を移動させながら画像信号に応じてインクジェットヘッド1Y、1M、1C、1Kを駆動することにより、停止している記録紙10にインク滴を吐出して1行分を記録し、記録紙10を所定量搬送後、次の行の記録を行う。記録終了信号又は記録紙10の後端が記録領域に到達した信号を受けることにより、記録動作を終了して、記録紙10を排紙部203へ搬送する。
【0023】
また、搬送ベルト5の無端移動に伴って吐出領域を通過した記録紙10は、分離爪11によってベルトおもて面から分離され、排紙部203に受け渡される。排紙部203に搬送された、記録紙10は、排紙分岐機構216によってユーザーが決定した第1排紙トレイ206,第2排紙トレイ207いずれかに搬送され、スタックされる。
【0024】
ロール紙を用いた場合は、カッターユニット211から用紙先端までの距離が所定の長さに達した時点で排紙ローラ213,214,215などを停止して、ロール紙の搬送を停止する。ロール紙の搬送が停止したら、カッターユニット211を作動させて記録紙の裁断を行い、次いで排紙ローラ213,214,215を動作させて第1排紙トレイ206、または第2排紙トレイ207に搬送する。また、給紙ローラ111、112を逆回転させて、ロール紙の先端が給紙ローラ111、112付近にくるまでロール紙を巻き取る。
【0025】
上述した複写機は、搬送ベルト5を間欠駆動して、キャリッジ204を主走査線方向に移動させて、記録紙に画像を記録するものであるが、図4に示すように、主走査線方向の長さを、装置が対応可能な最大用紙幅にしたライン型インクジェットヘッド1Y、1M、1C、1Kを用いて、記録紙10に画像を記録してもよい。このライン型のインクジェットヘッド1Y、1M、1C、1Kを用いた場合は、搬送ベルト5を等速移動させ、等速移動している搬送ベルト5上の記録紙10に対してインク滴を吐出して、記録紙10に画像を記録する。
【0026】
次に、本実施形態の特徴点について説明する。
インクジェットヘッド1Y、M、C、Kから吐出されたインク液滴は、図5(a)に示すように、記録紙10に着弾後記録紙繊維に徐徐に浸透して、乾燥定着する。その際、図5(b)に示したように記録紙繊維にインク液滴の水分が浸透、乾燥することでインク吐出領域よりも搬送ベルト移動方向下流側で記録紙の伸縮が生じて撓んでしまい、記録紙は形状として波打つことになる。インク吐出領域よりも搬送ベルト移動方向下流側の記録紙10の波打ちは、次に画像形成をされるためにインクジェットヘッド1Y、M、C、Kとの距離を安定して保つことに不利な因子となることが知られている。これは、インクジェットヘッド1Y、M、C、Kと記録紙10との距離が異なる条件では、インクの着弾位置が狙いの位置からずれるため、狙いの画像形成が行えなくなるからである。また、搬送ベルト5から離れて記録紙が浮き上がると、記録紙10着弾面と搬送ベルト5に対向する部材との接触や、キャリッジ204が走査している場合には記録紙10とキャリッジ204とが接触する恐れがある。
【0027】
そこで、本実施形態においては、図2に示すように、吐出領域より搬送ベルト移動方向下流側、かつ、記録紙が搬送ベルトから分離する分離領域よりも上流側の用紙伸縮発生領域にまで平面板9を延在させ、図6に示すように、平面板9の用紙伸縮発生領域に形成された吸引孔9bを、吐出領域の吸引孔9aよりも大きくした。
吐出領域に形成される吸引孔9aは、図7に示すように、搬送ベルト上の記録紙10を搬送ベルトに吸着させることができ、かつ、記録紙10および搬送ベルト5の平面度が維持される比較的小さな吸引孔とする。一方、用紙伸縮発生領域に形成される吸引孔9bは、図8に示すように、搬送ベルト上の記録紙を吸引したときに、搬送ベルト5および記録紙10を、吸引孔9bに落ち込ませて、記録紙を強制的に撓ませる撓み領域が形成されるような比較的大きな吸引孔とする。一例としては、吐出領域に形成される吸引孔9aを5(mm)×30(mm)で構成される長穴とし、用紙伸縮発生領域に形成される吸引孔9bを、15(mm)×35(mm)の長穴とする。
【0028】
このように、用紙伸縮発生領域において、記録紙10を搬送ベルト5とともに、吸引孔9bに落ち込ませることで、図8の矢印に示すように、記録紙10が、落ち込む方向に引っ張られる。これにより、記録紙10が吸引孔9bに落ち込んだ撓み領域へ引っ張られ、用紙伸縮発生領域で発生した記録紙の伸縮による撓みが伸ばされて、記録紙10が搬送ベルト5から浮き上がるのを抑制することができる。また、記録紙10の伸縮がランダムに伸縮せずに、落ち込む方向に伸縮し、記録紙10の伸縮による撓みを制御することができる。これにより、用紙伸縮発生範囲での記録紙10の撓みによる波打ちが抑制され、吐出領域におよぶのを抑制することができる。これにより、吐出領域の記録紙10の平面度が維持され、インクの着弾位置が狙いの位置からずれるのを抑制でき、良好な画像を形成することができる。
【0029】
また、吐出領域から吸引孔9bまでの距離は、0〜5mmの範囲にするのがこのましい。0mm以下の場合は、吸引孔での用紙凹部が吐出領域の用紙の平面度を阻害して用紙平面度を保持ができない問題が生じる。一方、5mmを越えると、液滴着弾後の用紙伸縮による用紙うねりが吐出領域の用紙平面度を阻害する問題が生じる。しかし、0〜5mmの範囲にすることで、吸引孔での用紙凹部が吐出領域の用紙の平面度を阻害して用紙平面度を保持ができない問題や液滴着弾後の用紙伸縮による用紙うねりが吐出領域の用紙平面度を阻害する問題を抑制することができる。
【0030】
次に、本実施形態の変形例について説明する。
【0031】
[変形例1]
図9は、変形例1の構成を示す図であり、この変形例1は、平面板9の吸引孔を変形させた例である。
図に示すように、この変形例1は、用紙伸縮発生領域に、主走査線方向に延びる一本の長穴19bを設けたものである。この変形例1においても、記録紙10および搬送ベルト5は、この長穴19bに落ち込んで、記録紙10が強制的に撓む撓み領域が形成される。これにより、用紙伸縮発生領域での記録紙の搬送ベルトからの浮き上がりをこの撓み領域によって抑制することができる。よって、この変形例1においても、記録紙伸縮発生領域での記録紙の波打ちが抑制され、波打ちが吐出領域におよぶのを抑制し、良好な画像を得ることができる。
【0032】
[変形例2]
図10は、変形例2の構成を示す図である。
図に示すように、この変形例2は、平面板9の用紙伸縮発生領域に段差を設けたものである。この変形例2においても、記録紙10および搬送ベルト5が平面板9の段部9cの部分で落ち込んで、段部9cの部分で記録紙10が強制的に撓む。これにより、記録紙10の段部9cよりも搬送ベルト移動方向上流側の部分に図中矢印に示す方向(搬送ベルト移動方向)に引っ張る力が働く。これにより、段部9cより搬送ベルト移動方向上流側で発生した記録紙10の伸縮により搬送ベルト5から記録紙が浮き上がるのを抑制することができる。また、段部9cより搬送ベルト移動方向上流側で発生する伸縮の方向を、吐出領域から離れる方向に制御することができる。これにより、記録紙伸縮発生領域での波打ちを抑制することができ、吐出領域におよぶのを抑制することができる。
また、図11に示すように、平面板9の用紙伸縮発生領域に凹部9dを設けて、平面板9の用紙伸縮発生領域に段差部を形成してもよい。
【0033】
[変形例3]
図12は、変形例3の構成を示す図である。
図に示すように、この変形例3は、用紙伸縮発生領域の平面板非当接領域に、搬送ベルト5のおもて面に当接して、搬送ベルト5および記録紙10を撓ませる撓みローラ90を設けた例である。この変形例3は、平面板9を、図2、図10に示す例と異なり、用紙伸縮発生領域の約半分の位置までしか延在させずに、用紙伸縮発生領域に平面板非当接領域を形成している。そして、この平面板非当接領域に、撓みローラ90を設けて、記録紙10および搬送ベルト5を強制的に撓ませている。撓みローラ90は、撓みローラ90の軸に複数の拍車90aが取り付けられており、拍車90aは、記録紙10とともまわりする構成となっている。撓みローラ90は、記録紙10および搬送ベルト5を平面板9よりも内側に押し込んで、記録紙10および搬送ベルト5を強制的に撓ませる。これにより、記録紙伸縮発生領域における記録紙10の波打ちを抑制することができ、波打ちが吐出領域におよぶのを抑制することができる。また、記録紙10の非画像形成領域に撓みローラ90を当接させる構成でもよい。このように、非画像形成領域に撓みローラ90を当接させることで、ローラによって画像が乱されるのを抑制することができる。
【0034】
[変形例4]
図13は、変形例4の構成を示す図である。
図に示すように変形例4は、平面板と負圧室とを一体物とした例である。負圧室と平面板とを一体物とすることで、部品点数を少なくすることができる。具体的には、アルミの押出し型で吸引孔を有していない平面板と負圧室とが一体となった一体物を形成する。次に、平面板に切削加工を施して、所定形状の吸引孔が形成された平面板を形成する。このように、押出し型で形成し、その後切削加工で吸引孔を形成することで平面度の高い平面板を形成することができる。
【0035】
[変形例5]
図14は、変形例5の構成を示す図である。
この変形例5は、第1負圧室8aと第2負圧室8bとを有し、第1負圧室8aを負圧にするための第1吸引ファン209aと、第2負圧室8bを負圧にする第2吸引ファン209bとを設けたものである。
第1負圧室8aは、吐出領域に設け、第2負圧室8bは、用紙伸縮発生領域に設ける。第1吸引ファン209aおよび第2吸引ファン209bは制御部217によって、それぞれ独立に制御されている。そして、用紙伸縮発生領域における吸引力を、吐出領域の吸引力よりも大きくなるように制御部217は、第1吸引ファン209a、第2吸引ファン209bをそれぞれ制御する。これにより、用紙伸縮領域における搬送ベルト上の記録紙を平面板9の吸引孔に落ち込ませて、記録紙を強制的に撓ませることができる。その結果、用紙伸縮発生領域における波打ちを抑制することができる。また、吐出領域における吸引力を記録紙10および搬送ベルト5の平面度が維持され、記録紙が搬送ベルトに吸着できる程度の吸引力にすることができる。これにより、搬送ベルトと平面板との接触抵抗を削減でき、搬送ベルト5の駆動トルクを低減することができる。
また、第2負圧室8bの形状を第1負圧室8aの形状と異ならせることで、一つの吸引ファンで、用紙伸縮発生領域における吸引力を、吐出領域における吸引力よりも大きくしてもよい。
【0036】
また、図3に示すように、搬送ベルト5の駆動を停止してからキャリッジ204を主走査線方向へ移動することで、記録紙10に画像を記録する構成の場合、用紙伸縮発生領域における記録紙10に対する吸引力を次のように制御してもよい。すなわち、搬送ベルト5を駆動して記録紙10を搬送しているときの用紙伸縮発生領域における吸引力を、搬送ベルト5の駆動を停止して記録紙に画像を記録するときの吸引力に比べて弱くなるように、制御部217は、第2吸引ファン209bを制御するのである。搬送ベルト5で記録紙10を搬送しているときの用紙伸縮発生領域における記録紙10に対する吸引力を弱くすることで、記録紙10が、平面板の吸引孔に落ち込んで撓むことなく、平面度を保ったまま搬送する。これにより、記録紙が吸引孔に落ち込んで、記録紙の搬送の抵抗が大きくなって、記録紙10が搬送ベルト5との間でスリップを生じるのを抑制することができる。これにより、記録紙の搬送距離・停止位置精度を高めることができる。一方、搬送ベルト5を停止して、画像を形成するときは、用紙伸縮発生領域における記録紙10に対する吸引力を強くして、記録紙を平面板の吸引孔に落とし込んで、記録紙を強制的撓ませる。これにより、用紙伸縮発生領域における波打ちを抑制し、波打ちが吐出領域におよぶのを抑制することができる。
【0037】
また、上述では、負圧発生手段として、吸引ファンを用いた例について説明したが、コンプレッサーなどを用いることもできる。
【0038】
また、上述では、搬送ベルトに記録紙を吸着させる吸着手段として、搬送ベルトに形成された吸引孔から空気を吸引して、搬送ベルトに記録紙を吸着させる負圧吸引手段7を用いているが、搬送ベルトを一様に帯電させる電圧印加手段を用いて記録紙を静電吸着させてもよい。
図15は、吸着手段として、電圧印加手段を用いた場合の一例である。図に示すように、搬送ベルト5のおもて面には、高圧電源35から出力される交流電圧が印加される帯電ローラ34が当接しており、おもて面は帯電ローラ34からの放電によって帯電する。この帯電により、記録紙10が搬送ベルト5のおもて面に静電吸着せしめられる。平面板の用伸縮領域には、図6に示した長穴9bや、図9に示した長穴19bが設けられている。そして、負圧吸引手段7で用紙伸縮領域における搬送ベルトを吸引して、搬送ベルト5を長穴9b(19b)に落とし込ませる。これにより、搬送ベルト5に静電吸着されている記録紙も搬送ベルトとともに長穴9b(19b)に落ち、記録紙が強制的に撓む。これにより、これにより、用紙伸縮発生領域における波打ちを抑制し、波打ちが吐出領域におよぶのを抑制することができる。また、図12に示すように、ローラ部材で用紙伸縮発生領域の記録紙を強制的に撓ませる場合は、負圧吸引手段7を用いることなく、記録紙を撓ませることができる。
【0039】
以上、本実施形態の記録紙搬送装置202は、記録媒体たる記録紙10に向けてインクを吐出して記録紙10に画像を記録するインク吐出領域へその表面が無端移動することにより、記録紙を搬送する搬送ベルト5と、搬送ベルト5に記録紙10を吸着させる吸着手段とを備えている。そして、インク吐出領域よりも搬送ベルト5の表面移動方向下流側に搬送ベルト5とともに記録紙10を強制的に撓ませる撓み領域を形成している。これにより、インク滴着弾後の記録紙の伸縮による撓みによって搬送ベルト5から記録紙10が浮き上がるのを抑制することができる。よって、インク滴着弾後の記録紙10の波打ちを抑制することのでき、インク吐出領域におけるインク吐出手段たるインクジェットヘッド1Y、1M、1C、1Kと記録紙との距離が変動するのを抑制することができる。
また、搬送ベルト5に吸着された記録紙10を強制的に撓ませることで、記録紙の波打ちを抑制するので、搬送ベルト5と記録紙10との吸着力のみで、記録紙10の波打ちを抑制するものに比べて、搬送ベルト5と記録紙10との吸着力が弱くても、記録紙10の波打ちを抑制することができる。
【0040】
また、本実施形態の記録紙搬送装置202は、記録紙10を搬送ベルト5に吸着させる吸着手段として、搬送ベルト5に形成された吸引孔5aから空気を吸引して、搬送ベルト5に記録紙を吸着させる負圧吸引手段7を用いる。そして、インク吐出領域よりも搬送ベルト5の表面移動方向下流側の吸引力を、インク吐出領域における吸引力よりも大きくすることで、インク吐出領域よりも搬送ベルト5の表面移動方向下流側の搬送ベルトが、と出領域の搬送ベルトよりも負圧吸引手段側へ吸引される。これにより、インク吐出領域よりも搬送ベルト5の表面移動方向下流側に記録紙および搬送ベルトを強制的に撓ませる撓み領域を形成することができる。
【0041】
また、図6、図9に示すように、本実施形態の記録紙搬送装置202は、複数の吸引孔を有し、搬送ベルト裏面に当接してインク吐出領域における搬送ベルトの平面度を確保する平面板9を有している。この平面板9のインク吐出領域から搬送ベルトの表面移動方向下流側に延在した領域における吸引孔を、インク吐出領域における吸引孔よりも大きくしている。このように構成することで、インク吐出領域よりも搬送ベルト5の表面移動方向下流側の搬送ベルトと搬送ベルトに吸着した記録紙とが、負圧吸引手段7の吸引力で平面板の大きな吸引孔に落ち込む。これにより、インク吐出領域よりも搬送ベルト5の表面移動方向下流側に記録紙および搬送ベルトを強制的に撓ませる撓み領域を形成することができる。
また、平面板9の吐出領域における吸引孔は、小さいので、負圧吸引手段の吸引力で搬送ベルトが吸引孔に落ち込むことがなく、吐出領域の記録紙の平面度を確保することができる。
【0042】
また、図10に示すように、平面板のインク吐出領域よりも搬送ベルトの表面移動方向下流側に段部を設けることで、インク吐出領域よりも搬送ベルト5の表面移動方向下流側に記録紙および搬送ベルトを強制的に撓ませる撓み領域を形成することもできる。
【0043】
さらに、図12に示すように、インク吐出領域よりも搬送ベルトの表面移動方向下流側における平面板非当接領域に、搬送ベルトのおもて面に当接して、搬送ベルトおよび記録紙を撓ませるローラ部材を設ける構成としても、インク吐出領域よりも搬送ベルト5の表面移動方向下流側に記録紙および搬送ベルトを強制的に撓ませる撓み領域を形成することもできる。
【0044】
また、負圧吸引手段を、吸引口が搬送ベルト5の裏面に対向する負圧室8と、負圧室8を負圧にする負圧発生手段209とで構成することで、簡単な構成で、吸引力を制御することができる。
【0045】
また、負圧発生手段を、ファンまたはコンプレッサーで構成することで、簡単な構成で負圧室を負圧にすることができる。
【0046】
また、図13に示すように、平面板と負圧室とを一体物とすることで、部品点数を少なくすることができ、組み付け工数を削減することができる。
【0047】
また、図14に示すように、負圧吸引手段7を、複数の負圧室8a、8bと、各負圧室に対応する複数の負圧発生手段209a、209bと、各不圧発生手段を独立で制御する制御手段たる制御部217とで構成してもよい。このような構成とすることで、インク吐出領域よりも搬送ベルト5の表面移動方向下流側の吸引力を吐出領域の吸引力よりも高くすることができる。また、ベルト移動時、画像形成時、記録紙の種類など、各条件にあった吸引力を、と出領域、用紙伸縮発生領域個別で設定することができる。
【0048】
また、記録紙に向けてインクを吐出して記録紙に画像を記録するインク吐出手段たるインクジェットヘッドを備えた画像形成装置に、本実施形態の記録紙搬送装置を用いることで、着弾距離が変動するのを抑制して、良好な画像を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】実施形態に係る複写機を示す概略構成図。
【図2】同複写機の作像部と記録紙搬送装置とを示す概略構成図。
【図3】同複写機の作像部と記録紙搬送装置とを示す概略斜視図。
【図4】キャリッジ固定型の作像部と記録紙搬送装置とを示す概略斜視図。
【図5】(a)は、インク滴が記録紙に着弾してから、記録紙繊維に浸透して、乾燥定着するまでの様子を説明する図。(b)は、インク滴が記録紙繊維に浸透・乾燥によって記録紙が伸縮する様子を説明する図。
【図6】平面板の吸引孔の形状を示す図。
【図7】吐出領域における平面ベルトと記録紙の形状とを示す図。
【図8】用紙伸縮発生領域における平面ベルトと記録紙の形状とを示す図。
【図9】変形例1の平面板の吸引孔の形状を示す図。
【図10】変形例2の記録紙搬送装置を示す要部概略構成図。
【図11】変形例2の他の態様を示す図。
【図12】変形例3の記録紙搬送装置を示す要部概略構成図。
【図13】変形例4の記録紙搬送装置を示す要部概略構成図。
【図14】変形例5の記録紙搬送装置を示す要部概略構成図。
【図15】吸着手段として、電圧印加手段を用いた場合の記録紙搬送装置の一例を示す図。
【符号の説明】
【0050】
1Y、1M、1C、1K インクジェットヘッド
2Y、2M、2C、2K 搬送チューブ
3 駆動ローラ
4 駆動モータ
5 搬送ベルト
5a 吸引孔
6 テンションローラ
7 負圧吸引手段
8 負圧室
9 平面板
10 記録紙
11 分離爪
13 ウォームギヤ
34 帯電ローラ
35 高圧電源
90 撓みローラ
100 給紙部
101 ロール紙トレイ
102 カット紙トレイ
103、104 ロール紙
107、108 ペーパーホルダ
111、112 給紙ローラ
200 画像形成部
201 作像部
202 記録紙搬送装置
203 排紙部
204 キャリッジ
206 第1排紙トレイ
207 第2排紙トレイ
208 レジストローラ
209 吸引ファン
210 吸引ダクト
211 カッターユニット
212 インク供給部
213,214,215 排紙ローラ
216 排紙分岐機構
217 制御部
300 読取装置
301 原稿台
302 読取部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録媒体に向けてインクを吐出して前記記録媒体に画像を記録するインク吐出領域を前記記録媒体が通過するように、その表面が無端移動することにより前記記録媒体を搬送する搬送ベルトと、
前記搬送ベルトに前記記録媒体を吸着させる吸着手段とを備えた記録媒体搬送装置において、
前記インク吐出領域よりも前記搬送ベルトの表面移動方向下流側、かつ、前記記録媒体が前記搬送ベルトから分離する分離領域よりも上流側に前記搬送ベルトとともに記録媒体を強制的に撓ませる撓み領域を形成したことを特徴とする記録媒体搬送装置。
【請求項2】
請求項1の記録媒体搬送装置において、
前記吸着手段は、前記搬送ベルトに形成された吸引孔から空気を吸引して、前記搬送ベルトに前記記録媒体を吸着させる負圧吸引手段であって、
該負圧吸引手段による前記インク吐出領域よりも前記搬送ベルトの表面移動方向下流側の吸引力を、前記インク吐出領域における吸引力よりも大きくしたことを特徴とする記録媒体搬送装置。
【請求項3】
請求項1の記録媒体搬送装置において、
前記吸着手段は、前記搬送ベルトに形成された吸引孔から空気を吸引して、前記搬送ベルトに前記記録媒体を吸着させる負圧吸引手段であって、
複数の吸引孔を有し、前記搬送ベルト裏面に当接して前記インク吐出領域における前記搬送ベルトの平面度を確保する平面板を有し、
該平面板は、前記インク吐出領域から前記搬送ベルトの表面移動方向下流側にまで延在しており前記平面板のインク吐出領域から前記搬送ベルトの表面移動方向下流側に延在した領域における吸引孔を、前記インク吐出領域における吸引孔よりも大きくしたことを特徴とする記録媒体搬送装置。
【請求項4】
請求項1の記録媒体搬送装置において、
前記吸着手段は、前記搬送ベルトに形成された吸引孔から空気を吸引して、前記搬送ベルトに前記記録媒体を吸着させる負圧吸引手段であって、
複数の吸引孔を有し、前記搬送ベルト裏面に当接して前記インク吐出領域における前記搬送ベルトの平面度を確保する平面板を有し、
該平面板の前記インク吐出領域よりも前記搬送ベルトの表面移動方向下流側に段部を設けたことを特徴とする記録媒体搬送装置。
【請求項5】
請求項1の記録媒体搬送装置において、
前記搬送ベルト裏面に当接して前記インク吐出領域における前記搬送ベルトの平面度を確保する平面板を有し、
前記インク吐出領域よりも前記搬送ベルトの表面移動方向下流側における前記平面板非当接領域に、前記搬送ベルトのおもて面に当接して、前記搬送ベルトおよび前記記録媒体を撓ませるローラ部材を設けたことを特徴とする記録媒体搬送装置。
【請求項6】
請求項2乃至4いずれかの記録媒体搬送装置において、
前記負圧吸引手段を、吸引口が前記搬送ベルトの裏面に対向する負圧室と、前記負圧室を負圧にする負圧発生手段とで構成したことを特徴とする記録媒体搬送装置。
【請求項7】
請求項6の記録媒体搬送装置において、
前記負圧発生手段を、ファンまたはコンプレッサーで構成したことを特徴とする記録媒体搬送装置。
【請求項8】
請求項6または7の記録媒体搬送装置において、
前記平面板と前記負圧室とが一体物であることを特徴とする記録媒体搬送装置。
【請求項9】
請求項6乃至8いずれかひとつの記録媒体搬送装置において、
前記負圧吸引手段は、複数の負圧室と、各負圧室に対応する複数の負圧発生手段と、各不圧発生手段を独立で制御する制御手段とを有することを特徴とする記憶媒体搬送装置。
【請求項10】
記録媒体に向けてインクを吐出して前記記録媒体に画像を記録するインク吐出手段と、
前記インク吐出手段との対向領域を前記記録媒体が通過するように搬送する記録媒体搬送手段とを備えた画像形成装置において、
前記搬送手段として、請求項1乃至9いずれかひとつの記録媒体搬送装置を用いたことを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2008−280173(P2008−280173A)
【公開日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−128437(P2007−128437)
【出願日】平成19年5月14日(2007.5.14)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】