説明

記録装置および記録方法

【課題】録画が、途中で中断されることを防止する。
【解決手段】番組の録画を行う録画時間と、エンコーダボード213が出力するMPEGシステムストリームのビットレートとが設定され、マイクロプロセッサ201において、その録画時間およびビットレートに基づいて、録画を行うのに必要な記録容量である必要容量が算出される。そして、必要容量以上の容量を有するファイルがハードディスク212に書き込まれ、そのファイルの領域に、TVチューナ213Aで受信された番組が記録される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録装置および記録方法、並びにプログラム記録媒体に関し、例えば、ハードディスクなどに画像を記録する場合に用いて好適な記録装置および記録方法、並びにプログラム記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
近年におけるCPU(Central Processing Unit)の高速化、高機能化や、メモリ、ハードディスクその他の記録媒体(記憶媒体)の大容量化、さらには、これらを含めたハードウェアの低価格化などに伴い、個人でも購入可能な廉価で、かつ高機能のコンピュータが実現されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
以上のような廉価かつ高機能のコンピュータの普及に伴い、従来は困難であったデータ量の膨大な、例えば、画像を対象とした記録や再生、編集その他の様々な処理を、ユーザが簡単な操作で行うことの要請が高まってきている。
【0004】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、ユーザの要請に応える各種の処理を、簡単な操作で行うことができるようにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1の記録装置は、符号化ビットレートに対応して予め決められている複数の録画モードのうちの1つの録画モードを選択的に設定する設定手段と、設定手段によって設定された録画モードに基づいて、画像情報を符号化する符号化手段と、画像情報を記録する記録時間および設定手段で設定された録画モードに基づいて、画像情報を記録するのに必要な第1の必要容量を算出する算出手段と、第1の必要容量以上の容量を有する第1のファイルを記録媒体に書き込んで第1の領域の確保を行う確保手段と、符号化された画像情報を第1のファイルの第1の領域に上書きして記録する記録手段とを備えることを特徴とする。
【0006】
画像情報のシーンチェンジを検出する検出手段を更に備え、算出手段には、画像情報を記録する記録時間および設定手段で設定された録画モードに基づいて、シーンチェンジの位置情報を記録するのに必要な第2の必要容量を算出させ、確保手段には、第2の必要容量以上の容量を有する第2のファイルを記録媒体に書き込んで第2の領域の確保も行わせ、記録手段には、符号化した画像情報のシーンチェンジの位置情報を第2のファイルの第2の領域に上書きして記録させるようにすることができる。
【0007】
第2の必要容量は、シーンチェンジの度合いを表すパラメータを記録するのに必要な容量も含むようにさせることができる。
【0008】
算出手段には、第1の必要容量に対して所定の割合の容量である第2の必要容量を算出させ、確保手段には、第2の必要容量以上の容量を有する第2のファイルを記録媒体に書き込んで第2の領域の確保も行わせ、記録手段には、符号化した画像情報のシーンチェンジの位置情報を第2のファイルの第2の領域に上書きして記録させるようにすることができる。
【0009】
確保手段により確保された第1のファイルの第1の領域のうちの、符号化された画像情報が記録されていない領域を空き領域として解放する解放手段を更に設けることができる。
【0010】
本発明の第1の記録方法は、符号化ビットレートに対応して予め決められている複数の録画モードのうちの1つの録画モードを選択的に設定し、画像情報を記録する記録時間および設定された録画モードに基づいて、画像情報を記録するのに必要な第1の必要容量を算出し、第1の必要容量以上の容量を有する第1のファイルを記録媒体に書き込んで第1の領域の確保を行い、設定された録画モードに基づいて、画像情報を符号化し、符号化された画像情報を第1のファイルの第1の領域に上書きして記録することを特徴とする。
【0011】
本発明の第1のプログラム記録媒体に記録されているプログラムは、符号化ビットレートに対応して予め決められている複数の録画モードのうちの1つの録画モードを選択的に設定し、画像情報を記録する記録時間および設定された録画モードに基づいて、画像情報を記録するのに必要な必要容量を算出し、必要容量以上の容量を有するファイルを記録媒体に書き込んで領域の確保を行い、設定された録画モードに基づいて、画像情報を符号化し、符号化された画像情報をファイルの領域に上書きして記録する処理を情報処理装置に行わせることを特徴とする。
【0012】
本発明の第1の記録装置および記録方法、並びにプログラム記録媒体においては、符号化ビットレートに対応して予め決められている複数の録画モードのうちの1つの録画モードが選択的に設定され、画像情報を記録する記録時間および設定された録画モードに基づいて、画像情報を記録するのに必要な必要容量が算出され、必要容量以上の容量を有するファイルを記録媒体に書き込んで領域の確保が行われ、設定された録画モードに基づいて、符号化された画像情報がファイルの領域に上書きして記録される。
【0013】
本発明の第2の記録装置は、符号化ビットレートに対応して予め決められている複数の録画モードのうちの1つの録画モードを選択的に設定する設定手段と、設定手段によって設定された録画モードに基づいて、画像情報を符号化する符号化手段と、画像情報を記録する記録時間および設定手段で設定された録画モードに基づいて、シーンチェンジの位置情報を記録するのに必要な必要容量を算出する算出手段と、必要容量以上の容量を有するファイルを記録媒体に書き込んで領域の確保を行う確保手段と、符号化された画像情報のシーンチェンジの位置情報をファイルの領域に上書きして記録する記録手段とを備えることを特徴とする。
【0014】
本発明の第2の記録方法は、符号化ビットレートに対応して予め決められている複数の録画モードのうちの1つの録画モードを選択的に設定し、設定された録画モードに基づいて、画像情報を符号化し、画像情報を記録する記録時間および設定された録画モードに基づいて、シーンチェンジの位置情報を記録するのに必要な必要容量を算出し、必要容量以上の容量を有するファイルを記録媒体に書き込んで領域の確保を行い、符号化された画像情報のシーンチェンジの位置情報をファイルの領域に上書きして記録することを特徴とする。
【0015】
本発明の第2のプログラム記録媒体に記録されているプログラムは、符号化ビットレートに対応して予め決められている複数の録画モードのうちの1つの録画モードを選択的に設定し、設定された録画モードに基づいて、画像情報を符号化し、画像情報を記録する記録時間および設定された録画モードに基づいて、シーンチェンジの位置情報を記録するのに必要な必要容量を算出し、必要容量以上の容量を有するファイルを記録媒体に書き込んで領域の確保を行い、符号化された画像情報のシーンチェンジの位置情報をファイルの領域に上書きして記録する処理を情報処理装置に行わせることを特徴とする。
【0016】
本発明の第2の記録装置および記録方法、並びにプログラム記録媒体においては、符号化ビットレートに対応して予め決められている複数の録画モードのうちの1つの録画モードが選択的に設定され、設定された録画モードに基づいて、画像情報が符号化され、画像情報を記録する記録時間および設定された録画モードに基づいて、シーンチェンジの位置情報を記録するのに必要な必要容量が算出され、必要容量以上の容量を有するファイルを記録媒体に書き込んで領域の確保が行われ、符号化された画像情報のシーンチェンジの位置情報がファイルの領域に上書きして記録される。
【0017】
本発明の第3の記録装置は、符号化ビットレートに対応して予め決められている複数の録画モードのうちの1つの録画モードを選択的に設定する設定手段と、設定手段によって設定された録画モードに基づいて、画像情報を符号化する符号化手段と、画像情報を記録する記録時間および設定手段で設定された録画モードに基づいて、画像情報を記録するのに必要な第1の必要容量とシーンチェンジの位置情報を記録するのに必要な第2の必要容量を算出する算出手段と、第1の必要容量以上の容量と第2の必要容量以上の容量とを確保する確保手段とを備えることを特徴とする。
【0018】
本発明の第3の記録方法は、符号化ビットレートに対応して予め決められている複数の録画モードのうちの1つの録画モードを選択的に設定し、設定された録画モードに基づいて、画像情報を符号化し、画像情報を記録する記録時間および設定された録画モードに基づいて、画像情報を記録するのに必要な第1の必要容量とシーンチェンジの位置情報を記録するのに必要な第2の必要容量を算出し、第1の必要容量以上の容量と第2の必要容量以上の容量とを確保することを特徴とする。
【0019】
本発明の第3のプログラム記録媒体に記録されているプログラムは、符号化ビットレートに対応して予め決められている複数の録画モードのうちの1つの録画モードを選択的に設定し、設定された録画モードに基づいて、画像情報を符号化し、画像情報を記録する記録時間および設定された録画モードに基づいて、画像情報を記録するのに必要な第1の必要容量とシーンチェンジの位置情報を記録するのに必要な第2の必要容量を算出し、第1の必要容量以上の容量と第2の必要容量以上の容量とを確保する処理を情報処理装置に行わせることを特徴とする。
【0020】
本発明の第3の記録装置および記録方法、並びにプログラム記録媒体においては、符号化ビットレートに対応して予め決められている複数の録画モードのうちの1つの録画モードが選択的に設定され、設定された録画モードに基づいて、画像情報が符号化され、画像情報を記録する記録時間および設定された録画モードに基づいて、画像情報を記録するのに必要な第1の必要容量とシーンチェンジの位置情報を記録するのに必要な第2の必要容量が算出され、第1の必要容量以上の容量と第2の必要容量以上の容量とが確保される。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、情報記録媒体に充分な空き容量がないために、情報の記録が、途中で中断されることを防止することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
図1および図2は、本発明を適用したパーソナルコンピュータの一実施の形態の構成例を示している。
【0023】
このパーソナルコンピュータは、本体31、本体31に対して指令を入力するとき操作されるキーボード21とマウス22、並びに、画像を表示するディスプレイ51により構成されている。
【0024】
本体31は、いわゆるミニタワー型のもので、例えば、その幅が225mm、高さが367.9mm、さらに奥行きが451.5mmとされている。また、本体31の前面と側面の間には、両者を斜めに結合する面32と面33が形成されている。そして、そのうちの一方の面32の上部には、本体31の電源をオンまたはオフするとき操作される電源ボタン34が配置されている。
【0025】
また、本体31の上面には、本体31に接続される周辺機器を載置した場合に、その周辺機器の脚部が本体31の上面に安定して配置されるように、周辺機器の脚部に対応する位置に凹部35が形成されている。
【0026】
本体31の前面には、下パネル36と上パネル37が設けられている。下パネル36は、図示せぬスプリングにより、外側に突出するように、常時、付勢されており、ユーザは、そのスプリングの付勢力に抗して下パネル36を押圧し、突出した状態から、本体31側にへこんだ状態にすることができる。また、上パネル37は、左右のガイド45に案内され、上下方向に移動自在とされている。この上パネル37は、下パネル36が突出した状態であるとき、その下方向への移動を規制されている。
【0027】
ユーザは、本体31を使用するとき、下パネル36をスプリングの付勢力に抗して本体31側に押圧し、へこんだ状態にさせる。これにより、上パネル37の下方向への移動の規制が解除され、上パネル37は、ガイド45に沿って下方向に移動する。その結果、図2に示すように、本体31に内蔵されているFDD(フロッピディスク(登録商標)ドライブ)41,CD−ROM(Compact Disc-Read Only Memory) /CD−R(Recordable)ドライブ(以下、適宜、CDドライブという)42、およびAV(Audio Visual)端子部43が、露出した状態となる。
【0028】
なお、本体31には、この他、拡張部44が設けられており、その他の所定の機器を取り付けることができるようになされている。
【0029】
使用を中止するとき、ユーザは、上パネル37の上部に形成されている凹部38に指をかけて、上パネル37を上方に移動させる。上パネル37がガイド45に沿って、所定の位置まで上方に移動したとき、下パネル36は、スプリングの付勢力に従って外側に突出した状態となり、上パネル37の下方向への移動を規制する。
【0030】
このように、本体31は、幅を狭くみせるために、前面と側面のコーナにテーパ状の面32,33を形成するようにしている。また、正面にスライド自在なパネル(上パネル37)を設け、内部の機器を保護するとともに、未使用時においては、上パネル37を閉塞した状態とすることにより、内部の機器を露出させず、フラットでシンプルなデザインイメージを実現するようにしている。
【0031】
また、将来のAV機器への発展性を考慮して、この上パネル37は、引き出しタイプや回転式タイプなどで変化させることができるようなデザインとされている。
【0032】
ディスプレイ51は、基本的に台座52と、この台座52に対して水平方向(パン方向)および垂直方向(チルト方向)に移動自在に結合されている表示部53とにより構成されている。台座52の正面には凹部54が設けられている。
【0033】
表示部53の正面には、例えば、高精細17型トリニトロン(登録商標)モニタを構成するCRT(Cathode Ray Tube)55が配置され、その左右の斜めの面56,57には、いずれも、その内側に2つのスピーカ59,60が配置されており、これにより、高画質画像と迫力あるステレオ高音質再生を実現することができるようになされている。
【0034】
表示部53の上面手前には、ユーザが発した音声を取り込むためのマイク(マイクロフォン)24が取り付けられており、このマイク24と、上述のスピーカ59および60とによって、例えば、いわゆるハンズフリーフォンを実現することなどができるようになっている。
【0035】
表示部53の上面の中央には、溝58が形成されている。この溝58には、マイク24のコードを収容するようにするほか、例えば、テレビ電話を構成するためのテレビカメラをディスプレイ51上に載置した場合、そのコードを収容するようにすることができる。
【0036】
図3は、本体31の正面の詳細構成例を示している。
【0037】
上述の電源ボタン34の上部には、電源ランプ61が設けられており、この電源ランプ61は、本体31の電源がオンまたはオフになっているとき、それぞれ点灯または消灯する。また、電源ボタン34の下部には、ハードディスクアクセスランプ63が設けられている。本体31は、後述するように、ハードディスク212(図5)を内蔵しており、ハードディスクランプ63は、このハードディスク212にアクセスがなされているときに、例えば、オレンジ色に点灯する。
【0038】
FDD41は、例えば、3.5インチのFD(1.44MB(メガバイト)/1.2MB/720KB(キロバイト))用のもので、その正面には、フロッピディスク(登録商標)ドライブアクセスランプ64とフロッピディスク(登録商標)イジェクトボタン66とが設けられている。フロッピディスク(登録商標)ドライブアクセスランプ64は、FDにアクセスがなされているときに点灯し、また、フロッピディスク(登録商標)イジェクトボタン66は、FDD41からFDを取り出すときに押圧される。
【0039】
CDドライブ42では、CD−ROMディスク(図示せず)からのデータの読み出し、CD−R(CD−R FS)ディスク211(図5)に対してのデータの読み書きが行われる。なお、CDドライブ42では、例えば、読み出しは8倍速で、書き込みは2倍速で、それぞれ行われるようになされている。
【0040】
CDドライブ42の正面には、イジェクトボタン68、イジェクト穴69、およびアクセスランプ70が設けられている。イジェクトボタン68は、CDドライブ42のトレイを引き出すときに操作され、イジェクト穴69は、イジェクトボタン68によってはトレイを引き出すことができない場合において、そのトレイを手動で引き出すときに、先の尖ったものなどで操作される。アクセスランプ70は、CD−ROMディスクやCD−Rディスク211にアクセスがなされているときに点灯する。
【0041】
AV端子部43には、S映像入力端子、コンポジット信号用の映像入力端子、L(Left)およびR(Right)チャンネルの2つの音声入力端子(ピンジャック)が設けられている。ビデオカメラやVTR(Video Tape Recorder)などで記録した画像や音声を編集等するときは、これらの端子から、その画像や音声を入力する。
【0042】
図4は、本体31の背面の詳細構成例を示している。
【0043】
本体31の背面の右上には、電源入力端子71が設けられており、ここに、電源コード(図示せず)を接続することで、本体31に電源が供給される。
【0044】
また、背面の左上には、キーボード端子72とマウス端子73とが設けられており、このキーボード端子72またはマウス端子73に、キーボード21またはマウス22がそれぞれ接続される。マウス端子73の下部には、USB(Universal Serial Bus)端子74が設けられており、ここには、USB規格に対応した機器が接続される。さらに、その下部には、プリンタ端子75および2つのシリアル端子76が設けられている。プリンタ端子75には、プリンタやイメージスキャナなどが接続される。また、シリアル端子76には、例えば、赤外線通信アダプタなどが接続される。即ち、本実施の形態では、シリアル端子76に、赤外線通信用のインターフェイスである赤外線通信アダプタを接続することにより、本体31と他の機器との間で、赤外線通信を行うことができるようになされている。
【0045】
プリンタ端子75の下部には、ゲーム端子77が設けられており、ゲーム端子77には、例えば、ジョイスティックやMIDI(Musical Instrument Digital Interface)機器が接続される。
【0046】
シリアル端子76の下部には、ヘッドフォン端子78、ライン入力端子79、およびマイクロフォン端子80が、順次設けられている。ヘッドフォン端子78には、例えば、外部スピーカが、ライン入力端子79には、オーディオ機器が、マイクロフォン端子80には、マイク24(図1、図2)が、それぞれ接続される。
【0047】
なお、以上の端子の右側には、それぞれの端子に何を接続するかを表した絵が表示されている。
【0048】
マイクロフォン端子80の下部には、コンポジット信号用の映像出力端子81、S映像出力端子82、およびモニタ端子83が設けられている。映像出力端子81またはS映像出力端子82からは、コンポジットの映像信号またはS映像が出力される。モニタ端子83は、ディスプレイ51と接続される。
【0049】
映像出力端子81、S映像出力端子82、およびモニタ端子83の下部には、AV端子部84が設けられている。AV端子部84には、正面のAV端子部43と同様に、S映像入力端子、コンポジット信号用の映像入力端子、LおよびRチャンネルの音声入力端子が設けられている。
【0050】
AV端子部84の右側には、アンテナ端子85が設けられており、これにより、例えば、VHF(Very High Frequency)帯およびUHF(Ultra High Frequency)帯のテレビジョン信号を受信することができるようになされている。
【0051】
さらに、背面の下部には、ラインジャック86とテレフォンジャック87が設けられている。ラインジャック86は、電話回線と接続され、テレフォンジャック87は、例えば、電話機やファクシミリなどと接続される。
【0052】
次に、図5は、図1および図2のコンピュータの電気的構成例を示している。
【0053】
本実施の形態では、コンピュータは、TV(Television)チューナ213Aを内蔵したMPEG(Moving Picture Experts Group)1リアルタイムエンコーダボード213を内蔵するとともに、アプリケーションプログラムとして、画像の編集、記録、再生、MPEGデコード、その他の画像処理を行うためのものを標準装備しており、これにより、ビデオカメラ214で撮影された画像や音声の編集、そして、その編集後の画像、音声を記録したビデオCDの制作などを、容易に行うことができるようになされている。また、TVチューナ213Aで受信したテレビジョン放送番組を録画し、さらに、その録画を行いながら、既に録画済みの映像(画像)の任意の場面の再生なども、容易に行うことができるようになされている。
【0054】
即ち、マイクロプロセッサ201は、ハードディスク212に記録された、例えば、マイクロソフト社製のウインドウズ(登録商標)95(Windows(登録商標)95)などのオペレーティングシステムの制御の下、同じくハードディスク212に記録された各種のアプリケーションプログラムを実行することで、例えば、画像の記録、再生、編集、デコード処理や、その他の所定の処理を行う。なお、マイクロプロセッサ201としては、例えば、インテル社製の、Pentium(登録商標) ProにMMXテクノロジと16ビットコードへの最適化を加えたPentium(登録商標)IIプロセッサ(266MHz,内蔵2次キャッシュメモリ(図示せず)512KB)などが採用されており、これにより、画像や音声などの大量のデータを処理する場合でも、高いパフォーマンスを発揮することができるようになされている(MMXは商標)。
【0055】
メインメモリ202は、マイクロプロセッサ201が実行するプログラムや、マイクロプロセッサ201の動作上必要なデータを記憶する。ここで、メインメモリ202は、例えば、標準で、32MB搭載されており、これにより、データ量の多い画像などの処理も高速で行うことができるようになされている。なお、メインメモリ202は、最大で、例えば、128MBまで拡張することができるようになされている。
【0056】
バスブリッジ204は、内部バスと、例えばPCI(Peripheral Component Interconnect)ローカルバスやISA(Industry Standard Architecture)バスなどの拡張バスとの間でのデータのやりとりを制御する。
【0057】
以上のマイクロプロセッサ201、メインメモリ202、およびバスブリッジ204は、相互に、内部バスを介して接続されており、残りのブロックは、拡張バスを介して相互に接続されている。なお、バスブリッジ204は、内部バスと拡張バスとの両方に接続されている。
【0058】
モデム206は、例えば、33.6Kbps(bit per second)のDSVD/DATA/FAXモデムで、電話回線を介しての通信を制御する。モデム206においては、例えば、インターネットなどから画像や音声などを受信し、これをエンコードや編集などの処理の対象とすることができる。さらにモデム206では、編集や符号化などした画像や音声などを、外部に送信することもできる。また、モデム206において、マイク24に入力された音声を送信するとともに、送信されてきた音声を受信して、スピーカ59,60から出力することで、ハンズフリーフォンが実現される。なお、モデム206をFAXモデムとして使用する場合、転送レートは、例えば14.4Kbpsとされる。
【0059】
I/O(Input/Output)インターフェイス207は、キーボード21やマウス22の操作に対応した操作信号を出力し、また、マイク24から出力される電気信号としての音声信号を受け付けるインターフェイスとして機能する。
【0060】
補助記憶インターフェイス210は、CD−R(Compact Disc Recordable)ディスク211や、CD−ROMディスク(図示せず),ハードディスク(HD(Hard Disk))212,FD(図示せず)などに対するデータの読み書きをするためのインターフェイスとして機能する。
【0061】
CD−Rディスク211には、例えば、エンコーダボード213で符号化された画像や音声などが記録され、これにより、ユーザオリジナルのビデオCDを制作することができるようになされている。なお、CDドライブ42は、CD−R FSにも対応している。また、ここでは、CD−Rディスク211へは、最大で、例えば、約650MB(CD−R FS時には約520MB)の書き込みを行うことができるようになされている。
【0062】
ハードディスク212は、例えば、高速バスマスタIDE(Integrated Drive Electronics)転送対応の4.3GB(ギガバイト)のもので、そこには、例えば、エンコーダボード213で圧縮符号化されたデータや、マイクロプロセッサ201の処理上必要なデータなどが記録される。なお、本体31には、SCSI(Small Computer System Interface)ボードを取り付けることができるようになされており、これにより、SCSIインターフェイスを有するハードディスク(ドライブ)を増設することができるようになされている。
【0063】
また、ハードディスク212には、オペレーティングシステム、さらには、画像の記録、再生、編集、デコード、その他処理を、マイクロプロセッサ201に実行させるためのアプリケーションプログラムなどが記録されている。
【0064】
即ち、ここでは、画像の記録、再生、編集、その他の、いわゆるビデオ制作のためのアプリケーションプログラムとして、「Slipclip」(スリップクリップ)と呼ばれるものが内蔵されている。
【0065】
ここで、「Slipclip」は、「スリップレコーダー」、「クリップエディター」、「クリップビューワー」、「ビデオCDクリエーター」、および「ビデオCDコピーツール」と呼ばれる5つのアプリケーションプログラムで構成されている。
【0066】
「スリップレコーダー」は、画像および音声を記録したり、また、記録した画像や音声を再生するときに使用される。「クリップエディター」は、記録した画像(およびそれに付随する音声)を編集するときに使用される。「クリップビューワー」は、記録した画像や音声を管理するときに使用される。「ビデオCDクリエーター」は、編集した画像等を、CD−Rディスク211に記録して、ビデオCDを制作するときに使用される。「ビデオCDコピーツール」は、以前に制作したビデオCDと同一のビデオCDのコピーを制作するときに使用される。
【0067】
なお、本実施の形態では、ビデオCDの、いわゆる海賊盤の制作を防止するため、ビデオCDの制作やコピーは、本体31において編集等を行った画像のみを対象に行うことができるようになされている。
【0068】
ここで、以下においては、「スリップレコーダー」、「クリップエディター」、「クリップビューワー」、「ビデオCDクリエーター」、「ビデオCDコピーツール」のうち、画像の記録、再生、編集に、特に関係する「スリップレコーダー」、「クリップエディター」、「クリップビューワー」について説明する。
【0069】
ハードディスク212には、さらに、エンコーダボード213でエンコードされたデータのデコードを、マイクロプロセッサ201に実行させるためのアプリケーションプログラムとして、例えば、MPEG1の規格に準拠したデコードを行うものが記録されている。即ち、ここでは、画像のエンコードはハードウェアで、そのデコードはソフトウェアで実現されている。なお、画像のエンコードはソフトウェアで実現することも可能であるし、また、デコードはハードウェアで実現することも可能である。
【0070】
エンコーダボード(MPEG1リアルタイムエンコーダボード)213は、画像および音声を、リアルタイムで、例えば、MPEG1の規格に準拠してエンコードするもので、例えば、高画質録画のための高ビットレートでのエンコードや、伝送のための低ビットレートでのエンコードなど、4種類の録画モードでのエンコードを行うことができるようになされている。ここで、4種類の録画モードには、後述するように、ビットレートの高い順に、「High」、「Normal」、「Long」、「Network」と呼ばれるものがある。なお、録画モード「Normal」は、ビデオCDの規格に準拠したもので、このモードでエンコードを行った場合、1GB当たり、約100分程度の記録を行うことができる。
【0071】
エンコーダボード213は、上述したように、テレビジョン放送番組を受信するTVチューナ213Aを内蔵しており、このTVチューナ213Aが受信した番組をMPEGエンコードする。また、エンコーダボード213は、拡張バスを介して供給されるデータや、AV処理回路215を介して供給されるデータ(例えば、VTR216が再生した画像など)、さらには、外部の装置である、例えば、ビデオカメラ214から供給されるデータなどもエンコードすることができるようになされている。
【0072】
なお、TVチューナ213Aは、例えば、1乃至62の62チャンネルの設定が可能で、また、オーディオについては、例えば、ステレオおよび2カ国語の受信が可能となっている。
【0073】
ビデオカメラ214では、例えば、画像の撮影などが行われ、エンコーダボード213に供給される。なお、エンコーダボード213は、ビデオカメラ214とのインターフェイスを有しており、これにより、ビデオカメラ214で撮影された画像や音声をエンコーダボード213に入力することができるようになされている。
【0074】
AV処理回路215は、例えば、VGA(Video Graphics Array)や3次元アクセラレータ(いずれも図示せず)などで構成され、ディスプレイ51におけるグラフィックスその他の表示に必要な処理を行うようになされている。さらに、AV処理回路215は、スピーカ59,60への音声出力に必要な処理も行うようになされている。また、AV処理回路215は、NTSCエンコーダ215Aを内蔵しており、例えば、VTR216に画像を出力する場合には、NTSCエンコーダ215Aにおいて、画像を、NTSC方式に準拠したものに変換してから出力する。
【0075】
さらに、AV処理回路215は、エンコーダボード213と、例えば、AMCバスなどを介して接続されている。エンコーダボード213は、MPEGエンコードする画像を、後述するフレームメモリ110(図6)に一旦記憶するようになされており、MPEGエンコードする画像をモニタすることが指示された場合には、このフレームメモリ110に記憶された画像が、エンコーダボード213から、AMCバスを介して、AV処理回路215に供給され、これにより、ディスプレイ51において、その画像が表示されるようになされている。
【0076】
なお、AV処理回路215は、VRAM(Video RAM(Random Access Memory))203に描画を行い、その描画内容を、ディスプレイ51に出力することで、画像の表示を行わせるようになされている。
【0077】
VTR216は、AV処理回路215が出力する画像や音声を、必要に応じて記録する。
【0078】
次に、図6は、図5のエンコーダボード213の構成例を示している。なお、図6においては、MPEGエンコードに関係するブロックのみを図示してあり、その他のブロック、即ち、例えば、TVチューナ213を構成するブロックなどの図示は省略してある。さらに、図6には、画像のMPEGエンコードに関係するブロックのみを示してあり、音声のMPEGエンコードに関係するブロックの図示は省略してある。
【0079】
入力端子101には、所定の画素数で構成される1フレームのディジタル画像データが、例えば、1秒間に約30フレームなどの割合で供給される。
【0080】
入力端子101に供給された画像データは、その画像データを一時的に蓄え、所定の順番に入れ替えるための、複数枚(例えば、27フレーム分など)の画像の記憶が可能なフレームメモリ110を介して、ブロック分割器111および動き検出器120に転送される。ブロック分割器111は、フレームメモリ110から供給される画像データのフレームを、例えば、8×8画素の輝度成分、クロマ成分Cb,Crのブロックに分割する。ここで、4つの輝度成分のブロックと、それに対応する1つずつのクロマ成分Cb,Crのブロックとの合計6つのブロックで、マクロブロック(MB)が構成される。
【0081】
ブロック分割器111からは、画像データが、マクロブロック単位で、差分器112に供給される。差分器112は、ブロック分割器111からの画像データと、後述するフレーム間予測画像データとの差分をとり、その差分値を、後述するフレーム間予測符号化が行われるフレームのデータとして、切換スイッチ113の被切換端子bに供給する。また、切換スイッチ113の被切換端子aには、ブロック分割器111が出力する画像データが、後述するフレーム内符号化が行われるフレームのデータとして供給される。
【0082】
切換スイッチ113は、端子aまたはbのうちのいずれかを選択し、これにより選択された方の端子に供給された画像データが、ブロック単位でDCT(離散コサイン変換)回路14に供給される。DCT回路114は、そこに入力される画像データをDCT処理し、その結果得られるDCT係数を量子化器115に出力する。量子化器115は、DCT回路114からのDCT係数を、所定の量子化ステップで量子化し、その結果得られる量子化係数をジグザグスキャン回路116に出力する。
【0083】
ジグザグスキャン回路116は、ブロック単位の量子化係数を、例えば、ジグザグスキャンし、その順番で、VLC(可変長符号化)回路117に出力する。VLC回路117は、ジグザグスキャン回路116からの量子化係数をVLC処理し、その結果得られる可変長符号化データを出力バッファ118に供給する。出力バッファ118は、例えば、160KBの記憶容量を有し、VLC回路117からの可変長符号化データを一時記憶することにより、その出力のデータ量を平滑化等して、出力端子102から出力する。出力端子102から出力されたデータは、例えば、ハードディスク212に供給されて記録される。
【0084】
また、出力バッファ118は、そのデータ蓄積量を、量子化ステップ制御器119に出力する。量子化ステップ制御器119は、出力バッファ118からのデータ蓄積量に基づき、出力バッファ118がオーバーフローおよびアンダーフローしないように量子化ステップを設定し、量子化器115に出力する。上述した量子化器115では、このようにして量子化ステップ制御器119から供給される量子化ステップにしたがって量子化が行われる。
【0085】
一方、量子化器115が出力する量子化係数は、ジグザグスキャン回路116だけでなく、逆量子化器126にも供給される。逆量子化器126は、量子化器115からの量子化係数を逆量子化することでDCT係数とし、逆DCT回路125に出力する。逆DCT回路125は、DCT係数を逆DCT処理し、その結果得られるデータを加算器124に供給する。さらに、加算器124には、フレーム間予測符号化のフレームを処理するときにオンとなる切換スイッチ123を介し、動き補償器121が出力するフレーム間予測画像データも供給されるようになされている。加算器124は、これらのデータを加算し、フレームメモリ122に供給して記憶させる。
【0086】
そして、動き補償器121は、動き検出器120から供給される動きベクトルにしたがって、フレームメモリ122に記憶されたデータを動き補償し、その結果得られるフレーム間予測画像データを、差分器112および切換スイッチ123に供給する。
【0087】
ここで、符号化対象の画像(動画像)を構成する各フレームを表示順に並べて、その先頭から、I0,B1,B2,P3,B4,B5,P6,B7,B8,I9,B10,B11,B12,・・・と記述する。上述のI,P,Bは、そのフレームがIピクチャ、Pピクチャ、Bピクチャであることを示しており、I,P,Bに続く数字は、表示順序を表している。
【0088】
MPEGでは、まず画像I0が符号化される。次に、画像P3が符号化されるが、画像P3そのものが符号化されるのではなく、画像P3とI0との差分が符号化される。さらに、その次に、画像B1が符号化されるが、画像B1そのものが符号化されるのではなく、画像B1と、画像I0若しくはP3のうちのいずれか一方、またはその両方の平均値との差分が符号化される。この場合、画像I0,P3、またはその両方の平均値のうちの、いわゆる予測残差を最も小さくするもの(符号化して得られるデータ量が最も少なくなるもの)が選択され、それと画像B1と差分が符号化される。
【0089】
画像B1の符号化後は、画像B2が符号化されるが、画像B2そのものが符号化されるのではなく、やはり、画像B2と、画像I0若しくはP3のうちのいずれか一方、またはその両方の平均値との差分が符号化される。また、この場合も、画像I0,P3、またはその両方の平均値のうちの予測残差を最も小さくするものが選択され、それと画像B2と差分が符号化される。
【0090】
その後、画像P6が符号化されるが、画像P6そのものが符号化されるのではなく、画像P6とP3との差分が符号化される。以下、同様の手順で符号化が行われていく。
【0091】
ここで、符号化対象の画像と、その際に差分をとる相手となる画像との対応関係を、符号化順に、以下に示す。
符号化順 符号化対象の画像 差分をとる相手となる画像
(1) I0 −
(2) P3 I0またはP3
(3) B1 I0またはP3
(4) B2 I0またはP3
(5) P6 P3
(6) B4 P3またはP6
(7) B5 P3またはP6
(8) P9 P6
(9) B7 P6またはP9
(10) B8 P6またはP9
(11) I9 −
(12) P12 I9
(13) B10 I9またはP12
(14) B11 I9またはP12



【0092】
以上のように、符号化順序は、I0,P3,B1,B2,P6,B4,B5,P9,B7,B8,I9,P12,B10,B11,・・・となり、表示順序とは異なる順序になる。符号化後のデータは、このような順番で出力される。
【0093】
なお、PピクチャおよびBピクチャについては、上述したように、他の画像との差分が符号化されるのが通常であるが、画像そのものを符号化した方が、差分を符号化するよりも、そのデータ量が少なくなる場合には、画像そのものが符号化される。
【0094】
図6のエンコーダボード213では、以上のようにしてエンコードが行われる。
【0095】
従って、1枚目の画像I0の符号化時には、その画像データが、フレームメモリ110から読み出され、ブロック分割器111に供給されてブロック化される。ブロック分割器111によるブロック化により、画像データは、上述した4つの輝度ブロックと、Cb,Crのブロックとにされ、順次出力される。Iピクチャの符号化時においては、切換スイッチ113は、被切換端子aを選択しており、従って、ブロック分割器111が出力する画像データは、切換スイッチ113を介して、DCT回路114に供給される。DCT回路114では、そこに供給されるブロック単位の画像データに対して、縦横2次元のDCT処理が施され、これにより時間軸上の画像データが、周波数軸上のデータとしてのDCT係数に変換される。
【0096】
このDCT係数は、量子化器115に供給され、そこで、量子化ステップ制御器119からの量子化ステップにしたがって量子化され、量子化係数とされる。この量子化係数は、ジグザグスキャン回路116でジグザグスキャンされて、その順番で出力される。
【0097】
ジグザグスキャン回路116から出力された量子化係数は、VLC回路117に供給され、そこで、いわゆるハフマンコーディングなどの可変長符号化処理が施される。この結果得られる可変長符号化データは、出力バッファ118に一旦蓄えられた後、一定のビットレートで出力される。従って、出力バッファ118は、不規則に発生するデータを一定のビットレートで出力することができるようにするための、いわば緩衝のためのメモリの役割を果たす。
【0098】
以上のように、Iピクチャ(Intra Picture)である画像I0は、それ単独で符号化されるが、このような符号化は、フレーム内(イントラ(Intra))符号化と呼ばれる。なお、フレーム内符号化された画像のデコードは、上述の逆の手順で行われる。
【0099】
次に、2枚目の画像P3の符号化について説明する。2枚目以降の画像もIピクチャとして符号化することが可能であるが、それでは、圧縮率が低くなる。そこで、連続する画像には相関があることを利用して、2枚目以降の画像は、次のように符号化される。
【0100】
即ち、動き検出器120は、2枚目の画像P3を構成するマクロブロックごとに、1枚目の画像I0の中から、マクロブロックに良く似た部分を検出し、その部分と、対応するマクロブロックとの相対的な位置関係のずれを表すベクトルを、動きベクトルとして検出する。ここで、動きベクトルの検出方法については、例えば、ISO/ISC 11172−2 annex D.6.2などに開示されているので、ここでは、その説明は省略する。
【0101】
そして、2枚目の画像P3については、そのブロックを、そのままDCT回路114に供給するのではなく、各ブロックごとの動きベクトルにしたがって動き補償を行うことにより1枚目の画像I0から得られるブロックとの差分を、差分器112で演算して、DCT回路114に供給する。
【0102】
ここで、1枚目の画像I0を、動きベクトルにしたがって動き補償して得られるブロックと、2枚目の画像P3のブロックとの間の相関が高ければ、それらの差分は小さくなり、2枚目の画像P3のブロックをイントラ符号化するよりも、差分を符号化した方が、符号化の結果得られるデータ量は少なくなる。
【0103】
このように差分を符号化する手法は、フレーム間(インター(Inter))符号化と呼ばれる。
【0104】
なお、常に、差分を符号化する方がデータ量が少なくなるわけではなく、符号化する画像の複雑さや、前後のフレームとの相関の高さによっては、差分を符号化するインター符号化よりも、イントラ符号化を行った方が、圧縮率が高くなることがある。このような場合は、イントラ符号化が行われる。イントラ符号化を行うか、インター符号化を行うかは、マクロブロック単位で設定することができる。
【0105】
ところで、インター符号化を行うには、先にエンコードされたデータをデコードして得られる復号画像を求めておく必要がある。
【0106】
そこで、エンコーダボード213には、いわゆるローカルデコーダが設けられている。即ち、動き補償器121、フレームメモリ122、切換スイッチ123、加算器124、逆DCT回路125、および逆量子化器126がローカルデコーダを構成している。なお、フレームメモリ122に記憶される画像データは、ローカルデコーデットピクチャ(Local Decoded Picture)またはローカルデコーデットデータ(Local Decoded Data)と呼ばれる。これに対して、符号化される前の画像データは、オリジナルピクチャ(Original Picture)またはオリジナルデータ(Original Data)と呼ばれる。
【0107】
1枚目の画像I0の符号化時においては、量子化器115の出力が、逆量子化器126および逆DCT回路125を介することによりローカルデコードされ(この場合、切換スイッチ123はオフにされ、その結果、加算器124では、実質的に処理は行われない)、フレームメモリ122に記憶される。
【0108】
なお、フレームメモリ122に記憶された画像は、オリジナルピクチャではなく、それを符号化し、さらにローカルデコードした、デコーダ側で得られる画像と同一のものである。従って、フレームメモリ122の画像は、符号化および復号化処理により、オリジナルピクチャよりも多少画質の劣化したものとなる。
【0109】
2枚目の画像P3は、1枚目の画像I0をローカルデコードしたものがフレームメモリ122に記憶されている状態において、フレームメモリ110からブロック分割器111を介して、ブロック単位で差分器112に供給される。なお、この時点までに、動き検出器120において、画像P3の動きベクトルの検出が終了している必要がある。
【0110】
一方、動き検出器120は、2枚目の画像P3について、マクロブロック単位で検出した動きベクトルを、動き補償器121に供給する。動き補償器121は、動き検出器120からの動きベクトルにしたがって、既にローカルデコードされてフレームメモリ122に記憶されている画像I0を動き補償(MC(Motion Compensation))し、その結果得られる動き補償データ(MCデータ)(1マクロブロック)を、フレーム間予測画像データとして差分器112に供給する。
【0111】
差分器112では、ブロック分割器111を介して供給される画像P3のオリジナルデータと、動き補償器121から供給されるフレーム間予測画像データとの、対応する画素どうしの差分が演算される。そして、その結果得られる差分値が、切換スイッチ113を介して、DCT回路114に供給され、以下、Iピクチャにおける場合と同様に符号化される。従って、この場合、切換スイッチ113は、被切換端子bを選択する。
【0112】
以上のように、Pピクチャ(Predicted Picture)である画像P3については、基本的には、その直前に符号化されたIピクチャまたはPピクチャを参照画像として、その参照画像を動き補償して得られる予測画像との差分が符号化される。
【0113】
即ち、Pピクチャに関し、インター符号化する方がデータ量の少なくなるマクロブロック(インターマクロブロック)については、切換スイッチ113において被切換端子bが選択され、インター符号化が行われる。また、イントラ符号化する方がデータ量の少なくなるマクロブロック(イントラマクロブロック)については、切換スイッチ113において被切換端子aが選択され、イントラ符号化が行われる。
【0114】
なお、Pピクチャのマクロブロックのうち、イントラ符号化されたものは、Iピクチャと同様にしてローカルデコードされ、フレームメモリ122に記憶される。また、インター符号化されたものは、逆量子化器126および逆DCT回路125を介したものと、オン状態とされた切換スイッチ123を介して供給されるフレーム間予測画像データとが加算器124で加算されることによりローカルデコードされ、フレームメモリ122に記憶される。
【0115】
次に、3枚目の画像B1の符号化について説明する。
【0116】
Bピクチャである画像B1の符号化時においては、動き検出器120において、その画像B1の直前に表示されるIピクチャまたはPピクチャと、その直後に表示されるIピクチャまたはPピクチャとに対する2つの動きベクトルが検出される。従って、ここでは、画像B1の、画像I0とP3それぞれに対する動きベクトルが検出される。ここで、画像B1の直前に表示されるIピクチャである画像I0に対する動きベクトルをフォワードベクトル(Forward Vector)と、その直後に表示されるPピクチャである画像P3に対する動きベクトルをバックワードベクトル(Backward Vector)という。
【0117】
画像B1に関しては、(1)画像I0をローカルデコードしたものをフォワードベクトルにしたがって動き補償して得られるフレーム間予測画像データとの差分、(2)画像P3をローカルデコードしたものをバックワードベクトルにしたがって動き補償して得られるフレーム間予測画像データとの差分、(3)上述の(1)および(2)で得られる2つのフレーム間予測画像データの平均値との差分、(4)画像B1そのもの、の4つのうちの、最もデータ量が少なくなるものが選択されて符号化される。
【0118】
(1)乃至(3)のうちのいずれかのデータが符号化される場合(インター符号化が行われる場合)には、必要な動きベクトルが動き検出器120から動き補償器121に供給され、その動きベクトルにしたがって動き補償を行うことにより得られるデータが、差分器112に供給される。そして、差分器112において、画像B1のオリジナルデータと、動き補償器121からのデータとの差分が求められ、これが、切換スイッチ113を介してDCT回路114に供給される。従って、この場合、切換スイッチ113は被切換端子bを選択する。一方、(4)のデータが符号化される場合(イントラ符号化が行われる場合)には、そのデータ、即ち、画像B1のオリジナルデータが、切換スイッチ113を介してDCT回路114に供給される。従って、この場合、切換スイッチ113は被切換端子aを選択する。
【0119】
Bピクチャである画像B1については、その符号化時に、既に符号化され、ローカルデコードされた画像I0およびP3がフレームメモリに記憶されているので、上述のような符号化が可能となる。
【0120】
4枚目の画像B2については、上述の画像B1を符号化する場合の記述のうち、B1をB2に置き換えた処理が行われる。
【0121】
5枚目の画像P6については、上述の画像P3を符号化する場合の記述のうち、P3をP6に、I0をP3に、それぞれ置き換えた処理が行われる。
【0122】
6枚目以降の画像については、上述の繰り返しとなるので、説明を省略する。
【0123】
ところで、エンコーダボード213において、各画面の画像を、Iピクチャ、Pピクチャ、またはBピクチャのうちのいずれのピクチャタイプ(Picture Type)で、また、各ピクチャのマクロブロックをどのようなマクロブロックタイプ(Macro Block Type)で符号化するかは、上述のように、その符号化の結果発生するデータ量に基づいて選択されるが、そのデータ量は、符号化する画像に依存し、実際に符号化してみなければ、正確な値は分からない。
【0124】
しかしながら、MPEGエンコードを行うことにより得られるビットストリームのビットレートは、基本的に一定にする必要があり、このための方法として、例えば、量子化器115における量子化ステップ(量子化スケール)を制御する方法がある。即ち、量子化ステップを大きくすれば粗い量子化が行われ、データ量(発生符号量)を少なくすることができる。また、量子化ステップを小さくすれば細かい量子化が行われ、発生符号量を増加させることができる。
【0125】
量子化ステップの制御は、具体的には、例えば、次のように行われる。
【0126】
即ち、エンコーダボード213においては、その出力段に、出力バッファ118が設けられており、ここに符号化されたデータを一時記憶することで、ある程度の発生符号量の変化を吸収し、その出力ビットストリームのビットレートを一定にすることができる。
【0127】
しかしながら、所定のビットレートを越えるような割合での、符号化データ(可変長符号化データ)の発生が続けば、出力バッファ118のデータ蓄積量が増加し、オーバーフローすることになる。また、逆に、所定のビットレートを下回るような割合での、符号化データの発生が連続すれば、出力バッファ118のデータ蓄積量が減少し、アンダーフローすることになる。
【0128】
そこで、上述したように、出力バッファ118のデータ蓄積量(符号量)を、量子化ステップ制御器119にフィードバックし、量子化ステップ制御器119において、そのデータ蓄積量に基づいて、出力バッファ118についてオーバーフローおよびアンダーフローのいずれも生じないように、量子化ステップが制御されるようになされている。
【0129】
即ち、量子化ステップ制御器119は、出力バッファ118のデータ蓄積量がその容量に近くなり、オーバーフローしそうなときは、量子化ステップを大きくし、これにより発生符号量を減少させる。また、量子化ステップ制御器119は、出力バッファ118のデータ蓄積量が0に近くなり、アンダーフローしそうなときは、量子化ステップを小さくし、これにより発生符号量を増加させる。
【0130】
ところで、画像を、フレーム内符号化するか、またはフレーム間符号化するかによっても、発生符号量は変化する。
【0131】
一般に、フレーム内符号化を行う場合には、大きな発生符号量が生じるため、出力バッファ118のデータ蓄積量が多いときには、かなり大きな量子化ステップを設定する必要がある。しかしながら、この場合、最大の量子化ステップを設定しても、出力バッファ118がオーバーフローすることがある。また、大きな量子化ステップで量子化を行った場合には、基本的には、復号画像の画質が劣化するため、その復号画像を参照画像として符号化/復号化される画像の画質も劣化することになる。従って、フレーム内符号化を行う場合には、出力バッファ118のオーバーフローを防止し、また、復号画像の画質の劣化を防止するために、出力バッファ118に、充分な空き領域を確保しておく必要がある。
【0132】
そこで、量子化ステップ制御器119は、圧縮方法選択回路132からの信号に基づき、フレーム内符号化およびフレーム間符号化が行われる順番をあらかじめ認識し、フレーム内符号化が行われるときには、出力バッファ118に充分な空き領域が確保された状態となるように、量子化ステップを制御するようにもなされている。
【0133】
ところで、復号画像の画質の観点からは、複雑な画像については、小さな量子化ステップで量子化を行い、平坦な画像については、大きな量子化ステップで量子化を行う必要があるが、バッファフィードバックのみに基づいて設定された量子化ステップには、そのようなことが考慮されていない。量子化ステップが、画像の複雑さの観点から適当な値になっていない場合には、符号化対象の画像に対して、不当に多くのビット量が割り当てられたり、また、少ないビット量が割り当てられることになる。ある画像に対して、このように不当なビット割当が行われると、それは、他の画像に対するビット割当量にも影響するので、好ましくない。
【0134】
そこで、量子化ステップ制御器119においては、バッファ118からのデータ蓄積量のフィードバック(バッファフィードバック)だけでなく、符号化対象の画像の複雑さにも対応して、量子化ステップが設定されるようになされている。
【0135】
即ち、エンコーダボード213では、画像評価回路130において、フレームメモリ110に記憶された、これから符号化するピクチャが読み出され、その複雑さを表す評価値が算出され、シーンチェンジ検出回路131、圧縮方法選択回路132、および量子化ステップ制御器119に供給される。
【0136】
量子化ステップ制御器119は、画像の符号化に実際に使用した量子化ステップ、その量子化ステップで量子化を行うことにより得られたデータ量(発生符号量)、および画像評価回路130から供給される、その画像についての複雑さに対応する評価値の関係を学習し、その学習結果に基づき、次の量子化ステップの設定を行うための基本となる基本量子化ステップを求める。
【0137】
即ち、画像の符号化に実際に使用した量子化ステップ、その量子化ステップで量子化を行うことにより得られたデータ量(発生符号量)、およびその画像についての複雑さに対応する評価値を用いて回帰分析を行い、その回帰分析結果をグラフにすることで、学習が行われる。そして、そのグラフから、次に符号化を行う画像の複雑さについての評価値を引数として、その画像の符号化に用いるのが最適な基本量子化ステップが予測される。
【0138】
そして、量子化ステップ制御器119は、この基本量子化ステップを、バッファフィードバックにしたがって変化させ、その値を、量子化ステップとして設定する。
【0139】
基本量子化ステップは、学習により精度良く予測が可能であり、また、その値は、画像の複雑さを考慮したものとなっているので、量子化ステップを、このような基本量子化ステップから求めることで、バッファフィードバックのみに基づいて量子化ステップを制御する場合に比較して、復号画像の画質を向上させることが可能となる。
【0140】
なお、シーンチェンジ検出回路131では、画像評価回路130からの評価値に基づき、シーンチェンジがあったかどうかが検出され、その検出結果が圧縮方法選択回路132に供給される。圧縮方法選択回路132では、画像評価回路130からの評価値、さらには必要に応じて、シーンチェンジ検出回路131の出力を用いて、画像の圧縮方法が選択される。即ち、圧縮方法選択回路132では、例えば、画像を、Iピクチャ、Pピクチャ、またはBピクチャのうちのいずれのピクチャタイプとして符号化するかや、GOPを構成させるピクチャ数、マクロブロックをフレーム内符号化するか、またはフレーム間符号化するかなどに関するマクロブロックタイプなどについての圧縮方法が選択される。
【0141】
圧縮方法選択回路132は、圧縮方法を選択すると、そのうちの、マクロブロックをフレーム内符号化するか、またはフレーム間符号化するかに基づいて、切換スイッチ113および123を制御する。即ち、上述したように、フレーム内符号化を行う場合には、切換スイッチ113は被切換端子aに切り換えられ、切り換えスイッチ123はオフ状態にされる。また、フレーム間符号化を行う場合には、切換スイッチ113は被切換端子bに切り換えられ、切り換えスイッチ123はオン状態にされる。
【0142】
さらに、圧縮方法選択回路132は、量子化ステップ制御器119に対して、フレーム内符号化またはフレーム間符号化のうちのいずれを行うかを通知する。量子化ステップ制御器119は、この通知によって、上述したように、フレーム内符号化およびフレーム間符号化が行われる順番を認識する。
【0143】
ここで、圧縮方法選択回路132において、画像をPピクチャまたはBピクチャとして符号化することが長時間連続して選択された場合には、PピクチャおよびBピクチャは、基本的には、フレーム間符号化されるため、シーンチェンジなどによりフレーム間の相関が低い画像が生じると、発生符号量が増加し、また、復号画像の画質が劣化する。
【0144】
そこで、上述したように、シーンチェンジ検出回路131から圧縮方法選択回路132には、シーンチェンジの検出結果が供給されるようになされており、圧縮方法選択回路132は、シーンチェンジがあった旨を受信すると、そのシーンチェンジ後のピクチャを、いわば強制的に、Iピクチャとすることを選択するようになされている。
【0145】
なお、上述したように、学習により基本量子化ステップを求め、その基本量子化ステップから量子化ステップを設定する方法については、例えば、本件出願人が先に出願した特開平8−102951号公報に、その詳細が開示されている。
【0146】
次に、画像評価回路130では、符号化対象の画像を評価するための評価値として、次のような画像の複雑さを表す2つのパラメータが、フレームメモリ110を参照することで算出されるようになされている。
【0147】
即ち、第1のパラメータとしては、画像をフレーム内符号化したときの発生符号量(画像をIピクチャとして符号化したときの発生符号量)を予測(推測)することが可能な、その画像自体の情報量を表す評価値が算出される。具体的には、第1のパラメータとしては、例えば、画像をブロックごとにDCT処理して得られるDCT係数の総和その他の統計量を用いることができる。また、例えば、ブロックごとに、その画素値の平均値を、各画素値から減算した値の絶対値和(以下、適宜、平均絶対値和という)を求め、各ブロックの平均絶対値和の総和をとったものなどを、第1のパラメータとすることも可能である。なお、このように絶対値和を求める方が、DCT係数の総和を求める場合より、比較的、画像評価回路130の回路規模を小さくするとともに負荷を小さくすることができる。
【0148】
ここで、画像評価回路130では、次のようにして、第1のパラメータとしての、例えば平均絶対値和の総和が求められる。
【0149】
即ち、例えば、いま、符号化対象の画像を構成する、あるブロックSについて、そのブロックの最も左上から、右方向にi番目で、下方向にj番目の位置にある画素の画素値をSi,jと表すと、各ブロックについての平均絶対値和MAD(Mean Absolute Difference)が、次式にしたがって求められる(ここでは、例えば、輝度のブロックおよび色差のブロックのすべてについて求められる。但し、例えば、輝度ブロックのみについて求めるようにすることも可能である)。
【0150】
【数1】

・・・(1)
但し、式(1)において、SAVEは、ブロックSの画素値の平均値を表す。
【0151】
そして、次式にしたがって、平均絶対値和の総和SMADが、第1のパラメータとして求められる。
【0152】
SMAD=ΣMAD
・・・(2)
但し、式(2)において、Σは、画像を構成するブロックすべてについてのサメーションを表す。
【0153】
なお、画像評価回路130では、式(1)で表される平均絶対値和MADの、マクロブロック単位での総和も求められる。これは、例えば、圧縮方法選択回路132において行われる、各マクロブロックを、フレーム内符号化するか、またはフレーム間符号化(前方予測符号化、後方予測符号化、若しくは両方向予測符号化)するかの決定などに用いられる。
【0154】
第2のパラメータとしては、画像をフレーム間符号化したときの発生符号量を予測することが可能な、その画像と、フレーム間符号化するときに用いられる参照画像との差分の情報量を表す評価値が算出される。具体的には、第2のパラメータとしては、例えば、画像と、その予測画像(参照画像を動き補償して得られるもの)との差分の絶対値和(以下、適宜、差分絶対値和という)を、ブロック単位で求め、各ブロックの差分絶対値和の総和をとったものなどを用いることができる。
【0155】
ここで、差分絶対値和は、動き検出器120において動きベクトルを検出するときに求められる。そこで、画像評価回路130では、動き検出器120による動き検出結果を用いて、第2のパラメータとしての、例えば差分絶対値和の総和が求められる。
【0156】
即ち、例えば、いま、参照画像について、横×縦が8×8画素で構成されるブロックを考え、そのブロックの最も左上から、右方向にi番目で、下方向にj番目の位置にある画素の画素値をRi,jと表す。さらに、符号化対象の画像について、その最も左上から右または下方向にx軸またはy軸をそれぞれ考え、点(x,y)を最も左上の画素とするブロックの最も左上から、右方向にi番目で、下方向にj番目の位置にある画素の画素値をSx+i,y+jと表す。
【0157】
この場合、動き検出器120では、次式で示されるd(x,y)が、x,yそれぞれを1ずつ変化させて求められる。
【0158】
【数2】

・・・(3)
【0159】
そして、動き検出器120では、式(3)のd(x,y)を最小にする(x,y)が動きベクトルとして検出され、さらに、その最小のd(x,y)が差分絶対値和ADとして算出される。
【0160】
画像評価回路130では、以上のようにして動き検出器120で求められるブロック単位の差分絶対値和ADを用い、次式にしたがって、差分絶対値和の総和SADが、第2のパラメータとして求められる。
【0161】
SAD=ΣAD
・・・(4)
但し、式(4)においても、Σは、画像を構成するブロックすべてについてのサメーションを表す。
【0162】
なお、画像評価回路130では、式(3)で表される差分絶対値和ADの、マクロブロック単位での総和も求められる。これは、例えば、圧縮方法選択回路132において行われる、各マクロブロックを、フレーム内符号化するか、またはフレーム間符号化(前方予測符号化、後方予測符号化、若しくは両方向予測符号化)するかの決定などに用いられる。
【0163】
画像評価回路130において求められた第1のパラメータSMADおよび第2のパラメータSADは、シーンチェンジ検出回路131、圧縮方法選択回路132、および量子化ステップ制御器119に供給される。
【0164】
上述したように、シーンチェンジ検出回路131では、画像評価回路130の出力に基づき、シーンチェンジがあったかどうかが検出され、また、圧縮方法選択回路132では、画像評価回路130からの評価値、さらには必要に応じて、シーンチェンジ検出回路131の出力を用いて、画像の圧縮方法が選択される。また、量子化ステップ制御器119において、上述したように量子化ステップが設定される。
【0165】
なお、シーンチェンジ検出回路131では、例えば、連続する画像についての第2のパラメータSADどうしの比が求められ、その比の大小によって、シーンチェンジがあったかどうかの検出が行われる。
【0166】
さらに、シーンチェンジ検出回路131は、後述するインデックスデータを生成するようにもなされている。このインデックスデータは、マイクロプロセッサ201に供給され、後述するインデックスファイルを生成するのに用いられる。
【0167】
また、圧縮方法選択回路132では、例えば、PピクチャおよびBピクチャについては、画像評価回路130から供給される、平均絶対値和MADと差分絶対値和ADとの、マクロブロック単位での総和が比較され、それらの大小関係に基づいて、マクロブロックをフレーム内符号化するか、またはフレーム間符号化するかが決定される。即ち、マクロブロックについて、平均絶対値和MADの総和の方が、差分絶対値和ADの総和より小さく、従って、フレーム内符号化を行った方が発生符号量が少なくなると予想される場合、フレーム内符号化を行うことが選択される。また、平均絶対値和MADの総和の方が、差分絶対値和ADの総和より大きく、従って、フレーム間符号化を行った方が発生符号量が少なくなると予想される場合、フレーム間符号化を行うことが選択される。
【0168】
なお、図6において、コントローラ133は、出力バッファ118が記憶しているデータのデータ量を監視しており、そのデータ量に対応して、エンコーダボード213におけるエンコード処理を制御するようになされている。このことについては後述する。
【0169】
次に、ビデオ制作のためのアプリケーションプログラムとしてハードディスク212に記録されている「Slipclip」について説明する。
【0170】
本体31の電源ボタン34を操作して、電源をオンにすると、ハードディスク212に記録されているオペレーティングシステム、即ち、ここでは、上述したようにWindows(登録商標)95が起動する。Windows(登録商標)95の起動後、そのタスクバーの[スタート]ボタンをクリックすると、[スタート]メニューが表示される。
【0171】
本実施の形態では、[スタート]メニューの項目の1つとして例えば、[VAIO(登録商標)]があり、その中に、「Slipclip」を含む所定のアプリケーションが登録されている。
【0172】
「Slipclip」は、上述したように、「スリップレコーダー」、「クリップエディター」、「クリップビューワー」、「ビデオCDクリエーター」、および「ビデオCDコピーツール」からなり、[VAIO(登録商標)]の中の[Slipclip]には、その5つのアプリケーションプログラムが登録されている。従って、項目[Slipclip]を、例えば、マウス22を操作してクリックすると、[スリップレコーダー]、[クリップエディター]、[クリップビューワー]、[ビデオCDクリエーター]、および[ビデオCDコピーツール]の5つの項目が表示される。
【0173】
そして、ユーザが、作業目的に合わせて、いずれかの項目をクリックすると、その項目に対応するアプリケーションプログラムが起動される。
【0174】
例えば、ビデオCDの制作に用いる素材をビデオカメラ214で撮影し、それを取り込む(記録する)場合や、テレビジョン放送番組を、VTR216などで録画する場合と同様に、単純に記録しておく場合などにおいては、「スリップレコーダー」を起動する。この場合、例えば、図7に示すようなスリップレコーダメインウインドウ301が表示される。
【0175】
スリップレコーダメインウインドウ301は、各種の表示とボタンから構成されている。
【0176】
即ち、録画インジケータ302においては、録画状態が表示される。具体的には、録画予約をし、録画の開始を待っている状態においては、録画インジケータ302の表示は、例えば「TIMER」となる。また、予約録画を行っている状態においては、録画インジケータ302の表示は、例えば「TEMER REC」となる。さらに、録画ボタン309が操作されることにより、録画が開始された場合には、録画インジケータ302の表示は、例えば「REC」となる。また、ポーズボタン310または停止ボタン308が操作され、録画が一時停止または停止された場合には、録画インジケータ302の表示は、例えば、それぞれ「PAUSE」または「STOP」となる。
【0177】
シーンチェンジインジケータ303は、旗の形状をしており、録画している画像のシーンチェンジが検出された場合にのみ表示される。即ち、シーンチェンジインジケータ303は、通常は表示されておらず、シーンチェンジが検出されると一定時間だけ表示され、これにより、ユーザにシーンチェンジを知らせるようになっている。
【0178】
現在時刻表示304には、現在時刻が、いわゆる24時間制で表示される。ここでは、例えば、Windows(登録商標)95のコントロールパネルの中の[日付と時刻]で管理されている時刻がそのまま表示されるようになっている。
【0179】
録画時間表示305には、録画を開始してからの経過時間、または録画終了までの残り時間(あるいは、後述するテープの最後までの残り時間)が表示される。いずれの時間を表示するかは、録画時間表示変更ボタン(TIMEボタン)311を操作することにより切り換えられるようになっている。なお、録画を行っていない場合には、録画時間表示305は、例えば「00:00:00」となる。
【0180】
タイマスタンバイインジケータ306には、予約録画についての状態が表示される。即ち、録画予約をし、その予約録画の開始を待っている状態においては、予約録画を待機している旨と、予約録画の開始時刻とが表示される。具体的には、例えば、時刻14:55からの予約録画を待機している場合には、図7に示すように、予約録画を待機している旨「ON」と、開始時刻「14:55」とが表示される。また、予約録画を行っている場合には、その旨と、その終了時刻とが表示される。具体的には、例えば、時刻21:43で終了する予約録画を行っている場合には、その旨「OFF」と、その終了時刻「21:43」とが表示される。
【0181】
なお、予約録画以外の録画(以下、適宜、通常録画という)がされている場合において、その終了時刻が設定されているときも、予約録画を行っているときと同様の表示が行われる。
【0182】
また、終了時刻が設定されていない通常録画中は、タイマスタンバイインジケータ306の表示は、例えば「−−:−−」となる。
【0183】
さらに、上述の場合以外の場合には、タイマスタンバイインジケータ306には、何も表示されない。
【0184】
エンドレス録画表示307Aには、後述するテープの種類に対応した表示がなされる。即ち、テープの種類が「エンドレス」のとき、エンドレス録画表示307Aは、図7に示すように「E」となる。また、テープの種類が「ノーマル」のときは、エンドレス録画表示307Aには、何も表示されない。
【0185】
入力ソース表示307Bには、録画の対象として選択されている入力が表示される。即ち、本体31の背面のAV端子部84からの入力または正面のAV端子部43からの入力が選択されているとき、入力ソース表示307Bは、それぞれ「Video 1」または「Video 2」となる。また、TVチューナ213Aの出力が選択されているとき、入力ソース表示307Bは、「TV−○」となる。なお、○印の部分には、TVチューナ213Aで選択されているチャンネルが表示される。図7においては、入力ソース表示307Bは、「TV−1」になっており、従って、録画の対象として、1チャンネルで放送されている番組が選択されている。
【0186】
停止ボタン308、録画ボタン309、またはポーズボタン310は、録画を停止するとき、録画を開始するとき、または録画を一時停止するときに、それぞれ操作される。なお、ポーズボタン310を操作(クリック)して、録画を一時停止させた場合には、もう一度、ポーズボタン310を操作することで、録画を再開することができる。
【0187】
録画時間表示変更ボタン311は、上述したように、録画時間表示305を変更するときに操作される。なお、録画時間表示変更ボタン311を操作するごとに、録画時間表示305では、経過時間と残り時間とが交互に表示されるようになっている。
【0188】
入力切換ボタン(INPUTボタン)312は、録画対象としての入力を切り換えるときに操作される。即ち、入力切換ボタン312が操作されると、その操作ごとに、本体31の背面のAV端子部84からの入力、正面のAV端子部43からの入力、TVチューナ213Aの出力が、いわば巡回的に選択される。この入力切換ボタン312の操作にしたがって、入力ソース表示307Bも変更される。
【0189】
アップダウンボタン313は、入力としてTVチューナ213Aの出力が選択されている場合において、そのチャンネルを、現在選択されているチャンネルから、チャンネルボタン314に表示されている次のチャンネルまたは前のチャンネルに変更するときに操作される。チャンネルボタン314は、入力としてTVチューナ213Aの出力が選択されている場合において、そのチャンネルを選択するときに操作される。なお、チャンネルボタン314の数字(チャンネル)の表示は、スリップレコーダメインウインドウ301の[オプション]メニューの中にある項目[チャンネル設定]において、1乃至62の範囲の任意のチャンネルに設定することができるようになされている。
【0190】
以上のように構成されるスリップレコーダメインウインドウ301が表示されている状態において、例えば、入力切換ボタン312を操作し(さらに、必要に応じて、アップダウンボタン312またはチャンネルボタン314を操作し)、入力を選択するとともに、録画ボタン309を操作することで、選択された入力としての画像(およびそれに付随する音声)の録画が開始されるが、「スリップレコーダー」による録画を行う場合には、その録画に使用するテープの設定を行う必要がある。
【0191】
即ち、録画ボタン309の操作等により、録画が指示されると、録画対象の画像は、エンコーダボード213でエンコードされ、符号化データとされた後、ハードディスク212に記録されるが、符号化データを、単純に、ハードディスク212に記録したのでは、ハードディスク212の空き容量が足りずに、録画が行えなくなる場合がある。
【0192】
ところで、例えば、VTR等によって、ビデオテープに録画を行う場合においては、そのビデオテープの先頭から終わりまでの間に、自由に、録画を行うことができる。これは、ビデオテープの分だけの記録容量が、あらかじめ確保されていると考えることができる。
【0193】
そこで、「Slipclip」でも、録画を正常に行うのに必要な記録容量(ハードディスク212の空き容量がなくなることにより、録画が途中で終了しないようにするための必要最小限の記録容量)(以下、適宜、必要容量という)以上の記録領域(以下、適宜、必要領域という)を、ハードディスク212に確保し、その必要領域に、符号化データなどの記録を行うようになっている。
【0194】
即ち、本実施の形態では、画像の録画に際し、エンコーダボード213によるMPEGエンコードの結果得られるMPEGシステムストリームを記録するのに必要な大きさのファイル(以下、適宜、MPEGファイルという)と、後述するインデックス等を記録するのに必要な大きさのファイル(以下、適宜、インデックスファイルという)が生成され、これが、ハードディスク212に記録されるようになされており、これにより、符号化データ(MPEGシステムストリーム)等の記録に必要な領域が、ハードディスク212にあらかじめ確保される。
【0195】
つまり、必要容量分以上の大きさのMPEGファイルおよびインデックスファイルが、ハードディスク212の空き領域に書き込まれる。
【0196】
ここで、ハードディスク212に書き込まれた直後のMPEGファイルおよびインデックスファイルは、その中身に、特に意味はなく、従って、VTRで録画を行う場合に、新品のビデオテープを用意することに相当するので、「スリップレコーダー」では、テープと呼ばれる。
【0197】
このテープの設定は、例えば、図8に示すようなテープ設定ダイアログボックス321において行うことができるようになされている。
【0198】
即ち、スリップレコーダメインウインドウ301(図7)の上部に表示された[編集]メニューの中の項目の1つとして、[標準テープ設定]があり、そこをクリックすることで、テープ設定ダイアログボックス321が表示される。
【0199】
テープ設定ダイアログボックス321において、名前の欄322には、テープに付ける名前を入力する。図8の実施の形態では、「Tape」が入力されている。ここで、名前の欄322に入力した名前が、そのテープを構成するMPEGファイルおよびインデックスファイルのファイル名とされる。なお、MPEGファイルまたはインデックスファイルの拡張子には、例えば、それぞれMPGまたはSCXが使用されるようになされており、従って、名前の欄322に、テープの名前として、例えば、「Tape」が入力された場合、そのテープを構成するMPEGファイルまたはインデックスファイルのファイル名は、基本的に、それぞれTape.MPGまたはTape.SCXとなる。
【0200】
書き込み禁止チェックボックス323は、テープへの書き込みを禁止する場合にチェックされる。種類の欄324には、テープの種類が設定される。
【0201】
ここで、「スリップレコーダー」では、テープの種類として、「ノーマル」(ノーマルテープ)と「エンドレス」(エンドレステープ)との2つが用意されている。
【0202】
ノーマルテープが選択された場合、後述する録画時間の欄325に設定された録画時間分の記録を行うのに必要最小限のテープとしてのMPEGファイルおよびインデックスファイルが作成される。即ち、録画時間の欄325に、録画時間として、例えば、1時間が設定された場合、図9(A)に示すように、1時間分の記録が可能なテープが作成される。
【0203】
一方、エンドレステープが選択された場合、固定の録画時間としての、例えば、15分の録画が可能なテープ(以下、適宜、固定テープという)が、その全体の録画時間が、録画時間の欄325に設定された録画時間分以上となるだけ作成される。即ち、ここでは、15分の録画が可能なテープが、録画時間の欄325に設定された録画時間(本実施の形態では、後述するように、例えば15分単位で設定される)を、15分で割った商に、1を加算した数だけ作成される。具体的には、録画時間の欄325に、録画時間として、例えば、1時間が設定された場合、図9(B)に示すように、固定テープが、5本作成される(従って、1時間15分の録画が可能なテープが作成される)。
【0204】
ここで、ノーマルテープは、1つずつのMPEGファイルおよびインデックスファイルで構成されるが、エンドレステープは、上述したことから、複数のMPEGファイルおよびインデックスファイルで構成される場合がある。このため、エンドレステープを構成するMPEGファイルおよびインデックスファイルには、テープの名前に、記号#と連番とを付したファイル名が付されるようになっている。
【0205】
即ち、図9(B)に示した場合においては、MPEGファイルとインデックスファイルが、それぞれ5個ずつ作成されるが、それぞれのファイル名は、その先頭のテープから、Tape#1.MPGとTape#1.SCX,Tape#2.MPGとTape#2.SCX,Tape#3.MPGとTape#3.SCX,Tape#4.MPGとTape#4.SCX,Tape#5.MPGとTape#5.SCXとされる。
【0206】
ノーマルテープに対する記録は、その先頭から開始され、その終わりに到達した時点で終了される。なお、その終わりに到達する前に、記録の停止が指示された場合には、その時点で、記録は終了される。この場合、MPEGファイルとインデックスファイルの記録がなされていない部分は破棄される(空き領域として解放される)。
【0207】
一方、エンドレステープに対する記録は、複数の固定テープのうちの最初の固定テープの先頭から開始される。そして、最初の固定テープの終わりに到達すると、その最初の固定テープへの記録は終了され、2番目の固定テープへの記録が開始される。以下、同様にして、3番目、4番目、・・・、最後の固定テープへの記録が順次行われ、最後の固定テープの終わりに到達すると、再び、最初の固定テープへの記録(上書き)が行われる。
【0208】
即ち、図9(B)に示した場合においては、1乃至5番目の固定テープすべてに対する記録が終了すると、再び、1番目の固定テープへの記録が開始され、記録の終了が指令されるまで(例えば、停止ボタン308が操作されるまで)、そのような巡回的な記録が、いわばエンドレスに続けられる。
【0209】
そして、記録の終了が指令されると、その時点で、記録が終了される。この場合、「Slipclip」では、記録が終了した時点から、録画時間の欄325に設定された録画時間だけ遡った範囲が、再生可能な範囲とされる。
【0210】
即ち、例えば、図9(B)において、5番目の固定テープに対して、10分の記録がなされた時点で、記録の終了が指令された場合、同図に斜線を付して示すように、1番目(最初)の固定テープの10分の位置から、5番目の固定テープの10分の位置までの1時間分が、再生可能な範囲とされる。
【0211】
なお、この場合、1番目の固定テープの先頭から10分の位置までの範囲と、5番目の固定テープの10分の位置から終わりまでの範囲は、いずれも、再生可能な範囲でないので、ハードディスク212の効率的な利用の観点からは、いずれも破棄すべきであるが、ここでは、5番目の固定テープの10分の位置から終わりまでの範囲だけが破棄され、1番目の固定テープの先頭から10分の位置までの範囲は破棄されない。これは次のような理由による。
【0212】
即ち、固定テープを構成するMPEGファイルの先頭には、システムヘッダその他の、MPEGエンコードしたデータをデコードするのに必要な情報が配置されるため、そのような先頭部分を破棄してしまうと、デコードが困難となるからである。
【0213】
従って、1番目の固定テープの先頭から10分の位置までの範囲については、その固定テープを構成するMPEGファイルに、直接アクセスすれば、その再生は可能である。
【0214】
なお、エンドレステープを、上述のように、複数の固定テープで構成するのではなく、ノーマルテープと同様に1のテープで構成し、テープの種類としてエンドレスが選択された場合に、テープの先頭から記録を開始して、その終わりに到達した後、再び、その先頭からの記録(上書き)を繰り返す方法が考えられる。しかしながら、上述したように、MPEGファイルの先頭部分には、システムヘッダなどが書き込まれるため、そこに上書きをすると、デコードが困難となる。従って、エンドレステープは、複数の固定テープで構成するのが望ましい。
【0215】
図8に戻り、録画時間の欄325には、録画を行う録画時間(記録時間)が入力される。ここでは、例えば、15分単位で、最大で、12時間まで設定することができるようになされている。なお、録画時間は、時間と分とに分けて入力するようになっている。
【0216】
自動インデックスチェックボックス326は、録画時に、画像のシーンチェンジの位置を表す目印としてのインデックスを、自動的に付すときにチェックされる。自動インデックスチェックボックス326がチェックされていない場合においては、後述するシーンチェンジポインタやシーンチェンジパラメータなどは、インデックスファイルに記録されない。
【0217】
録画モードの欄327には、録画モード(ビットレート情報)が設定される。ここでは、ビットレートの高い順に、「High」、「Normal」、「Long」、「Network」の4つの録画モードが用意されている。
【0218】
ここで、図10に、各録画モードについてのフレームのサイズ(横の画素数×縦の画素数)、MPEGエンコードの結果得られるシステムストリームのビットレート(システムビットレート)、画像のMPEGエンコード結果のビットレート(ビデオレート)、フレームレート、音声のMPEGエンコード結果のビットレート(オーディオビットレート)、設定可能な録音モード、および1GBのテープで録画可能な時間を示す。
【0219】
録画モード「High」では、同一の記録容量のテープに対する録画時間は最も短くなるが、高画質の復号画像を得ることができる。録画モード「Normal」では、上述したように、ビデオCD(VCD)の規格に準拠したシステムストリームを得ることができる。録画モード「Long」は、例えば、それほど高画質の復号画像を必要としないが、比較的長時間の録画を行う場合などに適している。録画モード「Network」は、そのビットレートが、例えば、ISDN(Integrated Services Digital Network)によってリアルタイムで伝送可能な値とされており、そのような伝送を行う場合に適している。
【0220】
なお、録画モード「Long」では、録画モード「High」および「Normal」に比較して、1フレームを構成する画素数が1/4程度になっており、録画モード「Network」では、さらに少なくなっている。また、録画モード「High」、「Normal」、および「Long」では、1秒間のフレーム数(フレームレート)は、30フレームであるが、録画モード「Network」では、その1/3の10フレームとなっている。
【0221】
再び、図8に戻り、録音モードの欄328には、録音モードが設定される。ここでは、2チャンネル(dual)、ステレオ(stereo)、およびモノラル(single)の3つの録音モードが用意されている。
【0222】
なお、図10に示したように、ここでは、録画モードとして、「High」または「Long」が設定された場合には、録音モードは、2チャンネルか、ステレオのうちのいずれか一方が選択可能とされている。また、録画モードとして、「Normal」が設定された場合には、録音モードは、2チャンネルに固定される。さらに、録画モードとして、「Network」が設定された場合には、録画モードは、モノラルに固定される。
【0223】
クリップ作成フォルダの自動チェックボックス329は、クリップを作成するフォルダを、あらかじめ設定してあるものにする場合にチェックされる。ここで、クリップとは、1組のMPEGファイルとインデックスファイルとから構成される。即ち、MPEGファイルとインデックスファイルとの組は、「スリップレコーダー」ではテープと呼ばれ、「クリップエディター」や「クリップビューワー」ではクリップと呼ばれる。なお、テープがノーマルテープの場合、クリップとテープとは同義であるが、テープがエンドレステープの場合、テープは複数のクリップ(複数組のMPEGファイルとインデックスファイル)に対応することがある。
【0224】
クリップ作成フォルダの参照ボタン330は、クリップを作成するフォルダを指定する場合に操作される。
【0225】
情報の欄331には、録画モードの欄327に設定された録画モードによるエンコードを行う場合における復号画像のサイズ、フレームレート、ビデオビットレート、オーディオビットレートなどが表示される。即ち、録画モードに対応して、図10に示したサイズなどが表示される。
【0226】
さらに、情報の欄331には、録画モードの欄327に設定された録画モードによるエンコードを行い、その結果得られるMPEGシステムストリームを、録画時間の欄325に設定された録画時間だけ記録する場合に、ハードディスク212に確保されるテープの大きさ(記録容量)(ディスク領域)も表示される。
【0227】
ここで、テープの大きさの計算は、例えば、次のようにして行われる。
【0228】
即ち、録画モードの欄327に設定された録画モードのシステムビットレートに、録画時間の欄325に設定された録画時間が乗算され、これにより、MPEGファイルのサイズが求められる。さらに、MPEGファイルのサイズの、例えば、0.1%が、インデックスファイルのサイズとされる。そして、そのMPEGファイルのサイズとインデックスファイルのサイズとの加算値が、テープの大きさとされる。
【0229】
なお、各録画モードのシステムビットレートは、基本的に、図10に示した値が用いられるが、録画モード「Normal」については、図10に示したシステムビットレート(1,411,200bps)よりも小さい値が用いられる。即ち、図10における録画モード「Normal」のシステムビットレートは、MPEGシステムストリームをビデオCDに記録したときにおける値を表しており、これは、MPEGシステムストリームを構成するパックに、ビデオCDの規格に規定されているシンクやヘッダなどを付加したビットストリームのビットレート(ビデオCDの規格に規定されているビットレート)となっている。ハードディスク212にMPEGシステムストリームを記録する場合、そのようなシンクやヘッダなどは不要であり、さらに、ハードディスク212の有効利用の観点から、ここでは、そのような不要なデータを、ハードディスク21に記録しないようにしている。
【0230】
従って、録画モード「Normal」については、パックだけで構成されるMPEGシステムストリームのビットレートである1,394,400bpsを用いて、テープの大きさが計算されるようになされている。
【0231】
具体的には、例えば、図8の実施の形態では、録画モードとして「Normal」が、録画時間として「1時間」が設定されている。ここで、テープの種類が「ノーマル」であれば、ビットレートである1,394,400bpsに、録画時間である1時間を乗算して得られる値の0.1%増しが、テープの大きさとなる。しかしながら、図8では、テープの種類として「エンドレス」が設定されている。エンドレステープについての録画時間は、上述したことから、録画時間の欄325に設定された録画時間よりも15分多くなる。このため、ビットレートである1,394,400bpsに、録画時間である1時間15分を乗算して得られる値の0.1%増し、即ち、748.76MBが、テープの大きさとなる。図8において、情報の欄331には、この値が表示されている。
【0232】
OKボタン332は、テープ設定ダイアログボックス321における設定事項を、新たに入力されたものに確定し、テープ設定ダイアログボックス321を閉じる場合に操作される。キャンセルボタン333は、テープ設定ダイアログボックス321における設定事項を、前回確定された状態に保持し、テープ設定ダイアログボックス321を閉じる場合に操作される。ヘルプボタン334は、テープ設定ダイアログボックス321についての説明(ヘルプ)を表示させる場合に操作される。
【0233】
次に、図11および図12のフローチャートを参照して、「スリップレコーダー」による録画処理について説明する。
【0234】
録画を行う場合、ユーザは、まず、上述したように、テープ設定ダイアログボックス321(図8)を開いて、テープの設定を行っておく。
【0235】
そして、例えば、テレビジョン放送番組を録画する場合には、スリップレコーダメインウインドウ301(図7)の入力切換ボタン312を操作し、入力として、TVチューナ213A(図5)の出力を選択する。さらに、アップダウンボタン313またはチャンネルボタン314を操作して、録画する番組のチャンネルを選択する。
【0236】
また、例えば、ビデオカメラ214で録画した画像(およびそれに付随する音声)を録画(ダビング)する場合には、ビデオカメラ214の映像出力端子および音声出力端子(図示せず)を、本体31の背面のAV端子部84または正面のAV端子部43と接続する。そして、入力切換ボタン312を操作し、入力として、AV端子部84または43からの入力を選択する。
【0237】
以上の作業後、ユーザが、スリップレコーダメインウインドウ301の録画ボタン309を操作すると、マイクロプロセッサ1では、図11または図12のフローチャートにしたがった録画処理が行われる。
【0238】
即ち、録画に用いるテープとして、ノーマルテープが設定されている場合においては、図11のフローチャートに示すように、まず最初に、ステップS1において、テープの作成が可能かどうかが判定される。
【0239】
ここで、テープ設定ダイアログボックス321においてテープの設定が行われただけでは、ハードディスク212に、テープ、即ち、録画に必要な記録領域は確保されない。即ち、テープの確保は、録画ボタン309が操作され、録画の開始が指示されてから行われる。これは、録画が開始される前に、テープを確保することは、ハードディスク212の効率的な利用の観点から好ましくないからである。
【0240】
また、ステップS1における判定処理は、テープの大きさが、上述したようにして計算され、その大きさの記録領域が、ハードディスク212に確保することができるかどうかを確認することで行われる。
【0241】
ステップS1において、テープの作成が可能でないと判定された場合、即ち、設定されたテープを確保するだけの空き容量がハードディスク212にない場合、例えば、その旨が表示され、録画処理を終了する。従って、この場合、録画は行われない。
【0242】
また、ステップS1において、テープの作成が可能であると判定された場合、即ち、設定されたテープを構成するMPEGファイルおよびインデックスファイルを、ハードディスク212に書き込むことができる場合、ステップS2に進み、そのMPEGファイルおよびインデックスファイルが、ハードディスク212に書き込まれる。なお、上述したように、この時点におけるMPEGファイルおよびインデックスファイルには、特に意味のある情報は書き込まれていない。
【0243】
その後、ステップS3に進み、テープとしてのMPEGファイルがオープンされ、ステップS4に進む。ステップS4では、入力切換ボタン312を操作することにより選択された入力のエンコードを行うように、エンコーダボード213が制御され、これにより、エンコーダボード213において、録画対象のMPEGエンコードが行われる。
【0244】
そして、ステップS5に進み、MPEGエンコードの結果得られるMPEGシステムストリームが、ハードディスク212に転送され、ステップS2で確保されたMPEGファイルに書き込まれる。その後、ステップS6に進み、MPEGシステムストリームが、MPEGファイルの終わりまで書き込まれたか、あるいは、停止ボタン308が操作されることにより、録画の終了が指示されたかどうかが判定される。ステップS6において、MPEGシステムストリームが、MPEGファイルの終わりまで書き込まれていないと判定され、かつ、停止ボタン308が操作されていないと判定された場合、ステップS4に戻り、録画対象のエンコードおよび記録が続行される。
【0245】
また、ステップS6において、MPEGシステムストリームが、MPEGファイルの終わりまで書き込まれたと判定されるか、または、停止ボタン308が操作されることにより、録画の終了が指示されたと判定された場合、ステップS7に進み、MPEGファイルがクローズされ、録画処理を終了する。
【0246】
次に、録画に用いるテープが、エンドレステープの場合においては、図12のフローチャートにしたがった録画処理が行われる。
【0247】
即ち、ステップS11またはS12では、図11のステップS1またはS2とそれぞれ同様の処理が行われる。なお、ステップS12では、上述したように、複数の固定テープ(図9(B))からなるエンドレステープが作成される。
【0248】
ステップS12の処理後は、ステップS13に進み、エンドレステープを構成する最初の固定テープ(1番目の固定テープ)におけるMPEGファイルがオープンされ、ステップS14に進む。ステップS14では、入力切換ボタン312を操作することにより選択された入力のエンコードを行うように、エンコーダボード213が制御され、これにより、エンコーダボード213において、録画対象のMPEGエンコードが行われる。
【0249】
そして、ステップS15に進み、MPEGエンコードの結果得られるMPEGシステムストリームが、ハードディスク212に転送され、MPEGファイルに書き込まれる。その後、ステップS16に進み、例えば、停止ボタン308が操作されることにより、録画の終了が指示されたかどうかが判定される。ステップS16において、録画の終了が指示されていなと判定された場合、ステップS17に進み、MPEGシステムストリームが、固定テープを構成するMPEGファイルの終わりまで書き込まれたかどうかが判定される。ステップS17において、MPEGシステムが、固定テープを構成するMPEGファイルの終わりまで書き込まれていないと判定された場合、ステップS14に戻り、録画対象のエンコードおよび記録が続行される。
【0250】
また、ステップS17において、MPEGシステムストリームが、固定テープを構成するMPEGファイルの終わりまで書き込まれたと判定された場合、ステップS18に進み、そのMPEGファイルがクローズされ、ステップS19に進む。ステップS19では、次の固定テープを構成するMPEGファイルがオープンされ、ステップS14に進む。従って、この後は、その次の固定テープを構成するMPEGファイルに対して、MPEGシステムストリームが書き込まれる。
【0251】
なお、MPEGシステムストリームが、最後の固定テープを構成するMPEGファイルの終わりまで書き込まれた場合には、ステップS19では、再び、最初の固定テープを構成するMPEGファイルがオープンされ、そこに、MPEGシステムストリームが上書きされていく。従って、ステップS16において、録画の終了が指示されたと判定されるまでは、MPEGシステムストリームがエンドレスで書き込まれていく。
【0252】
そして、例えば、停止ボタン308が操作されると、ステップS16において、録画の終了が指示されたと判定される。この場合、ステップS20に進み、オープンしているMPEGファイルがクローズされ、録画処理を終了する。
【0253】
次に、録画時には、以上のように、テープを構成するMPEGファイルに、MPEGシステムストリームが記録されるが、このとき、同時に、そのテープを構成するインデックスファイルにも、所定のデータが記録される。
【0254】
図13のフローチャートは、インデックスファイルにデータを記録するインデックス記録処理を示している。
【0255】
録画が開始されると、まず最初に、ステップS30において、インデックスファイルがオープンされ、録画が開始された時刻(録画を開始したときの現在時刻)(以下、適宜、開始時刻という)、録画モード(テープ設定ダイアログボックス321(図8)で設定されたもの)などが配置されたヘッダが記録され、ステップS31に進む。ステップS31では、エンコーダボード213のシーンチェンジ検出回路131(図6)からインデックスデータが送信されてきたかどうかが、マイクロプロセッサ201によって判定され、送信されてきていないと判定された場合、ステップS32乃至S38をスキップして、ステップS39に進む。
【0256】
また、ステップS31において、シーンチェンジ検出回路131(図6)からインデックスデータが送信されてきたと判定された場合、マイクロプロセッサ201は、そのインデックスデータを受信し、ステップS32に進む。
【0257】
ここで、図14は、シーンチェンジ検出回路131が出力するインデックスデータのフォーマットの例を示している。
【0258】
同図に示すように、インデックスデータは、各種のフラグが配置された4ビットの領域と、式(4)で説明した第2のパラメータSADが配置された28ビットの領域とが順次配置された合計32ビットで構成されている。フラグとしては、例えば、第2のパラメータSADの計算対象となったフレームのピクチャタイプを表すもの(以下、適宜、ピクチャタイプフラグという)や、シーンチェンジ検出回路131におけるシーンチェンジの検出の有無を表すもの(以下、適宜、シーンチェンジフラグという)などが配置されている。
【0259】
図13に戻り、ステップS32では、マイクロプロセッサ201において、シーンチェンジ検出回路131から受信したインデックスデータが、Iピクチャか、またはPピクチャについてのものであるかどうかが判定される。なお、この判定は、例えば、インデックスデータに配置されたピクチャタイプフラグを参照して行われる。
【0260】
ステップS32において、インデックスデータが、Iピクチャについてのものでもないし、Pピクチャについてのものでもないと判定された場合、即ち、Bピクチャについてのものである場合、ステップS33乃至S38をスキップして、ステップS39に進む。また、ステップS32において、インデックスデータが、Iピクチャについてのものか、またはPピクチャについてのものであると判定された場合、ステップS33に進み、そのIピクチャまたはPピクチャにおいて、シーンチェンジが検出されたかどうかが、マイクロプロセッサ201によって判定される。なお、この判定は、例えば、インデックスデータに配置されたシーンチェンジフラグを参照して行われる。
【0261】
ステップS33において、シーンチェンジが検出されていないと判定された場合、ステップS34乃至S37をスキップして、ステップS38に進む。また、ステップS33において、シーンチェンジが検出されたと判定された場合、ステップS34に進み、マイクロプロセッサ201は、シーンチェンジパラメータを算出する。即ち、マイクロプロセッサ201は、今回受信したインデックスデータに配置されているSADを、後述するステップS38で記憶された、前回のSADで除算し、その除算結果を、シーンチェンジパラメータとする。
【0262】
ここで、このシーンチェンジパラメータは、シーンチェンジの度合い(画面が切り換わっている程度)を表し、その度合いが大きいほど、大きな値となる。なお、シーンチェンジパラメータは、上述のものに限定されるものではなく、シーンチェンジの度合いを表す、他の物理量を採用することも可能である。
【0263】
シーンチェンジパラメータの算出後は、ステップS35に進み、マイクロプロセッサ201において、そのシーンチェンジパラメータが、所定の閾値ε(例えば、3など)より大きいかどうかが判定される。ステップS35において、シーンチェンジパラメータが、所定の閾値εより大きくないと判定された場合、ステップS36およびS37をスキップして、ステップS38に進む。
【0264】
また、ステップS35において、シーンチェンジパラメータが、所定の閾値εより大きいと判定された場合、ステップS36に進み、そのシーンチェンジパラメータがシーンチェンジの度合いを表すフレームの符号化データが、MPEGファイルに書き込まれた位置に関する位置情報としてのシーンチェンジポインタが求められ、シーンチェンジパラメータと対応付けられる。さらに、これらに、後述する識別フラグが付加され、インデックスファイルに書き込まれる。
【0265】
なお、シーンチェンジポインタとしては、例えば、符号化データが、MPEGファイルの先頭から何バイト目に書き込まれているかを表すバイトポジションなどを採用することができる。
【0266】
ここで、以下、適宜、シーンチェンジパラメータおよびシーンチェンジポインタに、識別フラグを加えたものを、インデックスという。インデックスは、画像のシーンチェンジの位置を表す目印としての役割を果たす。
【0267】
なお、以上のように、録画時に、マイクロプロセッサ201によって付される(インデックスファイルに書き込まれる)インデックスは、自動インデックスと呼ばれる。インデックスは、ユーザが所定の操作をすることにより付すこともでき、ユーザにより付されたインデックスは、手動インデックスと呼ばれる。上述の識別フラグは、インデックスが自動インデックスか、または手動インデックスかを表す、例えば1ビットのフラグである。
【0268】
ステップS36の処理後は、ステップS37に進み、スリップレコーダメインウインドウ301(図7)のシーンチェンジインジケータ303が所定の時間だけ表示され、これにより、ユーザに、シーンチェンジが検出されたことが報知される。そして、ステップS38に進み、今回受信したインデックスデータに配置されたSADが、前回記憶されたSADに代えて、メインメモリ202に記憶され、ステップS39に進む。ステップS39では、MPEGファイルへのMPEGシステムストリームの記録が終了されたかどうかが判定され、終了されていないと判定された場合、ステップS31に戻り、以下、同様の処理を繰り返す。
【0269】
また、ステップS39において、MPEGファイルへのMPEGシステムストリームの記録が終了されたと判定された場合、インデックスファイルがクローズされ、インデックス記録処理を終了する。
【0270】
ここで、図13の実施の形態では、シーンチェンジフラグが、シーンチェンジ検出回路131においてシーンチェンジが検出されたことを表している場合において、シーンチェンジパラメータが所定の閾値εより大きいときのみ、インデックスを記録するようにしているが、インデックスの記録は、シーンチェンジパラメータの大きさに無関係に行うことも可能である。但し、この場合、それほど大きな変化のないフレームにもインデックスが付されることになり、その結果、インデックスの数が増加することになる。
【0271】
次に、画像(およびそれに付随する音声)の録画を行っている最中に、既に録画済みの画像の任意の場面の再生を行うことができれば便利である。即ち、例えば、録画中によそ見をしていて、あるシーンを見逃した場合に、そのシーンまで遡って再生を行うことができれば便利である。
【0272】
そこで、「スリップレコーダー」では、上述したように、画像(およびそれに付随する音声)の録画を行いながら、即ち、録画を中断せずに、既に録画済みの画像の任意の場面の再生も行うことができるようになされている。ここで、このような再生を、以下、適宜、スリップ再生という。
【0273】
スリップ再生を行う場合、ユーザは、図7のスリップレコーダメインウインドウ301の上部にある[再生]メニューから、項目[スリップ]を選択する。この場合、例えば、図15に示すような再生ウインドウ341が表示される。
【0274】
再生ウインドウ341において、画像表示欄342には、再生された画像が表示される。再生インジケータ343には、現在の再生状態が表示される。即ち、例えば、再生中は「PLAY」が、一時停止中は「PAUSE」が、停止中は「STOP」が、スロー再生中は「SLOW」が、順方向スキップ中は「F.SKIP」が、逆方向スキップ中は「R.SKIP」が、それぞれ再生インジケータ343に表示される。
【0275】
再生時間表示344には、図16に示すように、録画が開始された時刻(開始時刻)から、スリップ再生の対象となっている位置(以下、適宜、再生ポイントという)までの経過時間、再生ポイントから、録画対象となっている位置(以下、適宜、録画ポイントという)までの間の残り時間(但し、録画済のテープでは、テープの終わりまでの時間)、または再生ポイントにおける画像(符号化データ)が録画されたときの時刻(以下、適宜、録画時刻という)のうちのいずれかの時間情報が表示される。いずれの時間情報を表示するかは、再生時間表示変更ボタン353を操作することにより選択することができるようになされている。
【0276】
ここで、スリップ再生が行われる場合においては、再生ポイントを、後述するスライダ354を操作して移動しない限り、再生ポイントと録画ポイントとの相対的な位置関係(再生ポイントと録画ポイントとの距離)は変化しない。従って、スリップ再生時に、再生時間表示344における時間情報として、残り時間が選択された場合、その残り時間の表示は一定(ほぼ一定)(再生ポイントと録画ポイントとの距離に相当する時間)になる。
【0277】
なお、再生ウインドウ341は、スリップ再生が指示された場合だけでなく、スリップレコーダメインウインドウ301の入力切換ボタン312を操作することにより選択された入力をモニタすることが指示された場合や、録画の終了したテープを再生することが指示された場合にもオープンされる。モニタのために再生ウインドウ341がオープンされた場合、再生時間表示344は「−−:−−:−−」となる。また、録画の終了したテープの再生のために再生ウインドウ341がオープンされた場合において、再生時間表示344に表示する時間情報として残り時間が選択されたときには、再生ポイントから、テープの終わりまでの間の時間が表示される。
【0278】
音声モード表示345には、現在の音声モードが表示される。音声モードには、例えば、ステレオ音声の出力、Lチャンネルのみの左右の両スピーカからの出力、Rチャンネルのみの左右の両スピーカからの出力の3種類があり、音声切換ボタン357を操作することにより選択することができるようになされている。なお、ステレオ音声の出力、Lチャンネルのみの出力、Rチャンネルのみの出力が選択されているとき、音声モード表示345としては、例えば、それぞれ「STEREO」、「L ONLY」、「R ONLY」がそれぞれ表示される。
【0279】
停止ボタン346、再生ボタン347、または一時停止ボタン348は、再生を停止するとき、再生を開始するとき、または再生を一時停止するときに、それぞれ操作される。スキップボタン349または350は、逆方向スキップまたは順方向スキップを行うときにそれぞれ操作される。インデックスボタン351または352は、インデックスが付されているフレームのうち、再生ポイントから、逆または順方向に最も近いものにスキップするときに、それぞれ操作される。
【0280】
再生時間表示変更ボタン353は、再生時間表示344に表示させる時間情報を選択するときに操作される。なお、再生時間表示変更ボタン353が操作されるごとに、再生時間表示344の表示は、例えば、経過時間→残り時間→録画時刻→経過時間→・・・のように変化するようになっている。
【0281】
スライダ354は、再生ポイントを変更する場合に操作される。即ち、スライダ354は、例えば、マウス22でドラッグすることにより移動させることができるようになされており、再生ポイントは、スライダ354の位置に対応して変更される。なお、スライダ354は、スライダ溝354の左端から右端までの間を移動させることができるようになされている。また、スライダ溝354の左端は、録画が開始された位置(MPEGファイルの先頭)に、その右端は、録画ポイントに、それぞれ相当する。従って、ユーザは、スライダ354を操作することにより、録画が開始されてから、いま録画がされている画面の直前までの間の任意の画面の再生を行うことができる。
【0282】
但し、エンコーダボード213においては、上述したように、符号化前の画像が、フレームメモリ110に一時記憶され、また、エンコード結果が、出力バッファ118に一時記憶される。さらに、MPEGエンコードおよびそのエンコード結果の書き込みには、ある程度の時間を要する。このため、実際には、スリップ再生の対象は、いま録画対象となっている画面の、約10乃至15秒程度の時間だけ遡った画面までとなる。
【0283】
スライダ354は、ユーザによって操作されることにより移動する他、再生が行われることにより順次変化する再生ポイントに対応しても移動する。また、スライダ354は、スキップボタン349および350や、インデックスボタン351および352などが操作されることにより、再生ポイントが変化した場合にも移動される。
【0284】
なお、スライダ354が移動され、再生ポイントが変更された場合、その変更に対応して、再生時間表示344における時間情報も変更されるようになされている。
【0285】
コマ送りボタン355は、一時停止ボタン348が操作されることにより、再生が一時停止されている場合において、コマ送りするときに(次のフレームを、画像表示欄342に表示させるときに)操作される。スロー再生ボタン356は、スロー再生を行う場合に操作される。音声切換ボタン357は、音声モードを切り換える場合に操作される。なお、音声切換ボタン357が操作されるごとに、音声モードは、例えば、ステレオ音声の出力→Lチャンネルのみの出力→Rチャンネルのみの出力→ステレオ音声の出力→・・・のように変化するようになっている。
【0286】
次に、図17のフローチャートを参照して、「スリップレコーダー」によるスリップ再生処理について説明する。
【0287】
スリップ再生が指示(指令)され、再生ウインドウ341がオープンされると、ステップS40において、マイクロプロセッサ201は、いま書き込みがされているテープを構成するMPEGファイルの先頭からMPEGシステムストリームを読み出す。そして、ステップS41に進み、マイクロプロセッサ201は、ハードディスク212に記録されている、MPEGデコードを行うアプリケーションプログラム(後述するMPEG1ソフトウェアデコーダ201A(図18)を実行することで、ステップS40で読み出したMPEGシステムストリームをデコードする。このデコード結果は、ステップS42において出力される。即ち、ステップS42において、デコード結果のうちの画像は、再生ウインドウ341の画像表示欄342に表示され、デコード結果のうちの音声は、スピーカ59,60から出力される。
【0288】
そして、ステップS43に進み、再生ウインドウ341の再生時間表示344に、ステップS40で読み出されたMPEGシステムストリームの位置に対応する時間情報が表示される。ここで、時間情報としては、上述の3種類のうち、再生時間表示変更ボタン353を操作することにより選択されているものが表示される。また、時間情報は、マイクロプロセッサ201において、次のようにして求められる。
【0289】
即ち、上述したように、MPEGシステムストリームは固定レートであるから、ステップS40で読み出されたMPEGシステムストリームの位置に対応する経過時間は、そのMPEGシステムストリームの記録位置(MPEGファイルの先頭から何バイト目に記録されているか)によって求めることができる。また、残り時間は、ステップS40で読み出されたMPEGシステムストリームの位置から、いま記録がされているMPEGシステムストリームの位置までのバイト数によって求めることができる。さらに、録画時刻は、上述したように、テープを構成するインデックスファイルの先頭に、録画の開始時刻が記録されているから、その開始時刻に、経過時間を加算することによって求めることができる。
【0290】
なお、MPEGファイルに記録されたMPEGシステムストリームの各位置における時間情報は、上述したように求める他、例えば、各位置における録画時刻を記録しておき、その録画時刻から求めるようにすることも可能である。
【0291】
ステップS43の処理後は、ステップS44に進み、例えば、スライダ354が移動されたり、また、スキップボタン349,350や、インデックスボタン351,352が操作されることなどにより、再生ポイントが変更されたかどうかが、マイクロプロセッサ201によって判定される。ステップS44において、再生ポイントが変更されていないと判定された場合、ステップS40に戻り、前回読み出したMPEGシステムストリームの続きが、MPEGファイルから読み出され、以下、同様の処理が繰り返される。
【0292】
また、ステップS44において、再生ポイントが変更されたと判定された場合、ステップS45に進み、MPEGファイルから、MPEGシステムストリームを読み出す位置が、再生ポイントの変更に対応して変更され、ステップS40に戻る。この場合、ステップS40では、その変更された位置からMPEGシステムストリームが読み出され、以下、同様の処理が繰り返される。
【0293】
なお、スリップ再生処理は、例えば、再生ウインドウ341がクローズされたり、停止ボタン346が操作されると終了される。
【0294】
以上のように、録画を行っているときに、その録画を続けながら、ハードディスク212に既に記録された画像(およびそれに付随する音声)を、任意の位置から再生することができるので、ユーザは、見たい場面を、録画を中断せずに、いつでも見ることができる。
【0295】
さらに、再生ウインドウ341の再生時間表示344には、時間情報が表示されるので、その時間情報を見ることによって、比較的迅速に、所望の場面を見つけ出すことが可能となる。
【0296】
なお、スリップ再生を行う場合、ハードディスク212では、データの書き込みと読み出しとが、いわば時分割で行われる。このデータの書き込みおよび読み出しのためのスケジューリングは、ここでは、例えば、OS(オペレーティングシステム)であるWindows(登録商標)95の制御の下に行われており、アプリケーションプログラムである「Slipclip」は、特に関与していない。但し、このスケジューリングは、アプリケーションプログラム「Slipclip」において行うようにすることも可能である。
【0297】
即ち、現在実用化されているハードディスクにおけるデータの読み書き時間は充分速く、OSのI/O(Input/Output)制御の下で、ハードディスクにデータの読み書き行うだけで、スリップ再生は、基本的に、録画を中断せずに行うことができる。
【0298】
また、スリップ再生により再生された画像は、図15に示したように、再生ウインドウ341の中の画像表示欄342に表示する他、いわゆる全画面表示で表示することも可能である。即ち、画像表示欄342を、ディスプレイ51の画面全体に拡大して表示することが可能である。
【0299】
次に、図18を参照して、「スリップレコーダー」の処理について、さらに説明する。
【0300】
「スリップレコーダー」による録画処理では、エンコーダボード213において、画像(およびそれに付随する音声)がMPEGエンコードされることにより得られるMPEGシステムストリームが、ハードディスク212にあらかじめ作成されたテープを構成するMPEGファイルに記録される。さらに、エンコーダボード213から出力されるインデックスデータからシーンチェンジパラメータが算出され、シーンチェンジポインタおよび識別フラグとともに、ハードディスク212にあらかじめ作成されたテープを構成するインデックスファイルに記録される。
【0301】
ここで、図18に示すように、インデックスファイルの先頭には、録画を開始した時刻である開始時刻や、録画モードなどが配置されたヘッダ(H)が記録される。
【0302】
また、識別フラグ、シーンチェンジポインタ、およびシーンチェンジパラメータは、上述したように、インデックスデータに含まれるシーンチェンジフラグが、シーンチェンジが検出されたことを表しており、かつ、図19に示すように、シーンチェンジパラメータが、所定の閾値εよりも大きい場合に記録される。インデックスファイルに記録されたシーンチェンジポインタは、図18に示すように、シーンチェンジのあったフレームの符号化データが記録されている位置を表している。
【0303】
一方、「スリップレコーダー」によるスリップ再生処理では、マイクロプロセッサ201が、MPEGデコードを行うアプリケーションプログラムを実行することで実現されるMPEG1ソフトウェアデコーダ201Aにおいて、MPEGファイルの中の、既にMPEGシステムストリームが記録された範囲(図18において塗りつぶしてある部分)の任意の位置からデータが読み出されてデコードされる。
【0304】
ここで、録画時において、MPEGファイルは、複数のアプリケーションプログラムからのアクセスを許可する、いわゆるシェアードでオープンされるようになされており、これにより、MPEGファイルに対しては、エンコーダボード213が出力するMPEGシステムストリームの書き込みと、デコーダ201AへのMPEGシステムストリームの読み出しとの両方を行うことができるようになされている。
【0305】
なお、テープがエンドレステープの場合、上述したように、エンドレステープは、複数の固定テープで構成されるから、スリップ再生が指示されたMPEGシステムストリームが、エンコーダボード213が出力するMPEGシステムストリームが書き込まれる固定テープ(MPEGファイル)とは異なる固定テープに記録されていることがある。この場合、スリップ再生が指示されたMPEGシステムストリームが記録されているMPEGファイルが、エンコーダボード213が出力するMPEGシステムストリームが書き込まれているMPEGファイルとは別にオープンされて読み出される(読み出しの終了後はクローズされる)。
【0306】
以上のように、本実施の形態では、MPEGシステムストリームは、MPEGファイルに、インデックス(識別フラグ、シーンチェンジポインタ、およびシーンチェンジパラメータ)は、インデックスファイルに、それぞれ分けて記録するようにしたので、MPEGファイルの内容は、MPEGの規格に準拠したものであり、従って、他のアプリケーションでも使用することができる。
【0307】
なお、MPEGシステムストリームとインデックスとは、1のファイルに記録することも可能である。但し、この場合、そのファイルを、他のアプリケーションで利用することは困難となる。
【0308】
また、図8のテープ設定ダイアログボックス321において、自動インデックスチェックボックス326がチェックされていない場合には、上述したように、インデックスは、インデックスファイルに記録されない。即ち、この場合、インデックスファイルはヘッダだけで構成されることになる。
【0309】
ここで、以上のような画像の記録と再生とを並列に行うことが可能なことについて説明する。なお、ここでは、録画モードとして、「Normal」が設定されているものとし、また、説明を簡単にするために、データ量の計算は、MPEGシステムストリームではなく、ビデオエレメンタリストリームを対象として行うものとする。
【0310】
録画モード「Normal」では、1フレームの画像は、図10に示したように、352画素×240画素で構成される。いま、各画素が、例えば、8ビットの輝度信号Y、並びに1画素換算で2ビットの色差信号CbおよびCrの合計12ビットで構成されるとともに、1GOPが、例えば、15フレームで構成されるとすると、1GOPのデータ量(エンコード前のデータ量)は、次式から、1856KBとなる。
【0311】
352画素×240画素×12ビット×15フレーム/8ビット =1856KB
【0312】
また、録画モードが「Normal」の場合、図10に示したように、エンコーダボード213におけるビデオエレメンタリストリームのビットレート(ビデオレート)は、1,151,929bpsであり、さらに、フレームレートは、30フレーム/秒であるから、1GOP(ここでは、上述したように15フレーム)の画像データは、次式で示されるデータ量に圧縮される。
【0313】
1,151,929/30フレーム×15フレーム/8ビット =70.3KB
【0314】
従って、この場合、画像データは、1/26.4(=70.3KB/1856KB)に圧縮されることになる。
【0315】
ところで、本件発明者が、あるHDDの転送速度を計測したところ、約4MB/秒であった。この場合、上述の70.3KBの1GOPの圧縮データは、約17.2ms(=70.3/(4×1024))で書き込まれることになる。
【0316】
従って、HDDのヘッドシーク時間として、かなり遅い時間である、例えば20msを考えても、1GOPの圧縮データの書き込みは、約37.2ms(=17.2ms+20ms)で行うことができる。
【0317】
一方、HDDからのデータを読み出す場合の転送速度は、一般に、データを書き込む場合よりも速いが、ここでは、書き込み時と同一とし、さらに、ヘッドシーク時間も、上述の場合と同様に20msとすると、HDDからの1GOPの圧縮データの読み出しは、やはり、約37.2msで行うことができる。
【0318】
ここでは、1GOPは15フレームで構成され、従って、約0.5秒に相当する。そして、1GOPの圧縮データの書き込みと読み出しとは、約74.4ms(=37.2ms+37.2ms)で行うことができるから、1GOPの期間(約0.5秒)の間に、画像の記録と再生とを並列に行うことができる。
【0319】
なお、録画モードが「Long」の場合、1GOPのデータ量(圧縮前)は、394KBであり、エンコードすることにより、22.9KBになる。即ち、約1/17.2に圧縮される。この場合、HDDの仕様を、上述の場合と同一と考えると、22.9KBの圧縮データの書き込みと読み出しに要する時間は、いずれも約25.6msとなり、やはり、1GOPの期間(約0.5秒)の間に、画像の記録と再生とを並列に行うことができる。
【0320】
ところで、Windows(登録商標)95はマルチタスク機能を有するOSであるから、MPEGシステムストリームのハードディスク212への書き込みを待たせて、他の処理を行う場合がある。従って、スリップ再生中に、ユーザが、他の処理を要求するような操作を行うと、ハードディスク212への書き込みを最優先に設定していても、その要求された処理が行われることがある。このため、スリップ再生中は、そのような他の処理を行うような操作をしないようにしてもらうのが好ましいが、そのようなことを全ユーザに徹底することは困難である。
【0321】
一方、MPEGシステムストリームのハードディスク212への書き込み待ちが生じ、その書き込みが間に合わない場合、MPEGシステムストリームは破綻する。この場合、そのデコードが困難となるから、MPEGシステムストリームの破綻は、絶対に避ける必要がある。
【0322】
そこで、MPEGシステムストリームのハードディスク212への書き込みが間に合いそうにない状況になった場合においては、エンコーダボード213において、エンコードが中断されるようになされており、この制御は、コントローラ133(図6)によって行われるようになされている。
【0323】
即ち、コントローラ133は、上述したように、出力バッファ118のデータ量を監視しており、図20のフローチャートに示すように、まず、ステップS51において、そのデータ量が、例えば、100KBより大きいかどうかを判定する。ステップS51において、出力バッファ118のデータ量が100KBより大きくないと判定された場合、ステップS52に進み、コントローラ133は、エンコーダボード213を構成する各ブロックを、通常どおりに、MPEGエンコードを行うように制御し、ステップS51に戻る。即ち、出力バッファ118の記憶容量は、ここでは、上述したように160KBとなっており、60KB以上の余裕(空き容量)がある場合には、エンコードが続行される。
【0324】
また、ステップS51において、出力バッファ118のデータ量が100KBより大きいと判定された場合、ステップS53に進み、コントローラ133は、エンコード処理を中断(停止)させる。即ち、コントローラ133は、例えば、フレームメモリ110に画像を記憶させないようにするとともに、そこからの画像の読み出しも行わせないようにする。従って、ハードディスク212へのMPEGシステムストリームの書き込みが待たされ(ハードディスク212についてのデバイスドライバが、MPEGシステムストリームを要求しなくなり)、これにより、出力バッファ118のデータ量が100KBを越え、その余裕が60KB未満となった場合、エンコードは中断される。
【0325】
そして、ステップS54に進み、コントローラ133は、出力バッファ118のデータ量が、例えば、50KB未満になったかどうかを判定する。ステップS54において、出力バッファ118のデータ量が50KB未満になっていないと判定された場合、ステップS54に戻る。また、ステップS54において、出力バッファ118のデータ量が50KB未満になったと判定された場合、即ち、待たされていたハードディスク212への書き込み処理が行われ、これにより、出力バッファ118のデータ量が50KB未満になった場合、ステップS55に進み、コントローラ133は、エンコード処理を再開させ、ステップS51に戻る。即ち、コントローラ133は、例えば、フレームメモリ110からの画像の読み出しを開始させるとともに、そこへの画像の記憶も開始させる。
【0326】
以上のように、MPEGシステムストリームのハードディスク212への書き込みが間に合いそうにない状況になった場合においては、エンコードを中断するようにしたので、MPEGシステムストリームの破綻を避けることができる。
【0327】
なお、エンコードの中断中に、エンコーダボード213に入力された画像は、上述したように、フレームメモリ110に記憶されないから、その記憶されなかった画像は録画されないことになるが、そのフレーム数はそれほど多くはならないと予想され、従って、MPEGシステムストリームが破綻することと比較すれば、大きな問題ではない。
【0328】
また、上述の場合においては、出力バッファ118の余裕が60KB未満となったときにエンコードを中断するようにしたが、これは、次のような理由による。即ち、MPEGエンコードの中断は、フレーム単位でしか行うことができない。従って、あるフレームのエンコードが開始されてから、エンコードを中断しようとしても、そのフレームのエンコードが終了するまでは、中断することができない。一方、MPEGエンコードにおいて、最も多くのデータ量が発生するのは、イントラ符号化が行われる場合であり、一般に、イントラ符号化によって発生するデータ量は、約40KB程度と予想される。
【0329】
以上から、エンコードを中断しようとしても、約40KB程度のデータが、出力バッファ118に入力される場合があり、このため、出力バッファ118の空き容量としては、少なくとも、そのデータを記憶することのできる空き容量を確保しておく必要がある。
【0330】
そこで、本実施の形態では、その40KBに、20KBのマージンをみて、出力バッファ118の余裕が60KB未満となった場合に、エンコードを中断するようにしている。
【0331】
次に、「スリップレコーダー」で録画した画像を対象に編集を行う場合においては、「クリップエディター」を起動する。この場合、例えば、図21に示すようなクリップエディタメインメインウインドウ361が表示される。
【0332】
クリップエディタメインメインウインドウ361が表示された後は、編集対象とするクリップを指定する。
【0333】
ここで、上述したように、クリップとテープとは、基本的には同義であり、「クリップエディター」においては、そのうちのクリップが用いられる。従って、クリップは、MPEGファイルとインデックスファイルとから構成される。
【0334】
クリップを指定すると、クリップエディタメインウインドウ361の中に、ソースウインドウ362が表示され、さらに、指定されたクリップのインデックス画面が表示される。
【0335】
即ち、マイクロプロセッサ201は、指定されたクリップを構成するMPEGファイルの中の、同じく指定されたクリップを構成するインデックスファイルに記録されたシーンチェンジポインタが指す位置に記録されたフレームの符号化データを、MPEG1ソフトウェアデコーダ201A(図18)によってデコードする。そして、マイクロプロセッサ201は、そのデコードされたフレーム(の縮小画面)を、インデックス画面として、ソースウインドウ362に表示する。
【0336】
なお、ここでは、インデックス画面には、その上部に、そのインデックス画面を識別するための名前が表示されるようになされている。図21の実施の形態では、例えば、Auto0,Index1,Auto2,Auto3などが、インデックス画面の名前として付されている。
【0337】
ここで、自動インデックスに対応するインデックス画面には、「Auto」の文字に番号を付したものが、手動インデックスに対応するインデックス画面には、「Index」の文字に番号を付したものが、それぞれデフォルトの名前として付されている。
【0338】
自動インデックスは、上述したように、録画時に付されるが、手動インデックスは、例えば、クリップエディタメインウインドウ362のツールバーにあるインデックス追加ボタン366Aを操作することにより、ソースウインドウ362上の任意の位置(但し、ここでは、GOPの先頭に限定される)に付すことができる。
【0339】
なお、クリップエディタメインウインドウ361の[インデックス]メニューの中には、項目[手動インデックスに変更]があり、そこをクリックすることで、自動インデックスを手動インデックスに変更することができるようになされている(この場合、インデックス画面の名前は、例えば、そのままとされる(「Auto」の文字は、「Index」とはされない))。この変更は、インデックスを構成する識別フラグを変更することで行われる。
【0340】
また、クリップエディタメインウインドウ361では、自動インデックスに対応するインデックス画面と、手動インデックスに対応するインデックス画面とは、その名前の表示部分が異なる色で表示されるようになされており、これにより、両者を、容易に区別することができるようになされている。
【0341】
さらに、自動インデックスおよび手動インデックスとも、クリップエディタメインウインドウ361のツールバーにある削除ボタン366Bを操作することにより削除することができるようになされている。
【0342】
ソースウインドウ362の下部には、時間軸としてのタイムライン363が表示される。インデックス画面は、例えば、その左端が、タイムライン363上の対応する時刻(録画が開始された時刻を基準とした、そのインデックス画面の録画時刻)の位置に一致するように表示される。
【0343】
インデックス画面は、基本的に、場面の切り替わりの最初のフレームであり、従って、あるインデックス画面から、次のインデックス画面の直前までは、基本的に、1つのシーンとなっている。従って、ユーザは、所望するシーンを、容易に探し出すことができる。
【0344】
インデックス画面が表示された後、画像を確認したい場合には、タイムライン363上を、その確認をしたい範囲だけ、マウス22でドラッグする。この場合、そのドラッグされた範囲が、図21にRで示すように示され、再生範囲Rとされる。そして、例えば、クリップエディタメインウインドウ361のツールバーにある再生ボタン367をクリックすると、その再生範囲Rが再生される。
【0345】
即ち、この場合、例えば、図15に示した再生ウインドウ341がオープンされる。そして、MPEG1ソフトウェアデコーダ201Aによって、再生範囲Rに対応するMPEGシステムストリームがデコードされ、画像表示欄342に表示される。
【0346】
従って、ユーザは、シーンの確認を、容易に行うことができる。
【0347】
ユーザは、インデックス画面を見て、あるいは、さらに、シーンを確認して、編集に使用するシーンを決定し、クリップエディタメインウインドウ361のツールバーにある編集点ファイル作成ボタン368をクリックする。この場合、図21に示すように、クリップエディタメインウインドウ361の中の、ソースウインドウ362の下部に、出力ウインドウ369が表示される。
【0348】
出力ウインドウ369の表示後、ユーザは、ソースウインドウ362の中の、新たなクリップのシーンとしてコピーしたい範囲をドラッグする。この場合、ソースウインドウ362の中の、ドラッグされた範囲の直前にあるインデックス画面から、その範囲の直後にあるインデックス画面の直前のフレームまでが、新たなクリップにコピーするコピー対象範囲とされる。そして、ソースウインドウ362のタイムライン363上には、コピー対象範囲の始点と終点に対応する位置に、それぞれ始点マーク364Lと終点マーク364Rが表示される。さらに、コピー対象範囲に対応するソースウインドウ362の背景部分と、タイムライン363の部分が、他の色に変更される。
【0349】
コピー対象範囲の中に、マウス22のカーソル(図示せず)を移動し、その位置で、マウス22をドラッグすると、カーソルが、例えば、矢印形状から、インデックス画面を象徴するような形状に変更される。そして、その状態で、カーソルを、出力ウインドウ369に移動させ、ドラッグを解除すると、コピー対象範囲が、出力ウインドウ369にコピーされる。図21の実施の形態では、「Auto0」の名前が付されたインデックス画面を先頭フレームとする1シーンと、「Auto2」の名前が付されたインデックス画面を先頭フレームとする1シーンとが、出力ウインドウ369にコピーされている。
【0350】
なお、コピー対象範囲が、出力ウインドウ369にコピーされると、出力ウインドウ369では、そのコピー対象範囲内にある自動インデックスは、すべて削除されるようになされている。また、そのコピー対象範囲の先頭フレームに自動インデックスが付加されている場合には、その自動インデックスが手動インデックスに変更されるようになされている。
【0351】
ここで、出力ウインドウ369にコピーされたコピー対象範囲内にある自動インデックスを削除するのは、次のような理由による。即ち、「Slipclip」に含まれるアプリケーションプログラムの1つである、上述した「ビデオCDクリエーター」よれば、出力ウインドウ369にコピーされたシーンを記録したビデオCDを制作することができる。そして、「ビデオCDクリエーター」では、ビデオCDを制作するとき、インデックスファイルに記録されたシーンチェンジポインタの位置に、ビデオCDの規格におけるインデックスを設定するようになされている。
【0352】
一方、自動インデックスは、ユーザが、所望のシーンを探し出し易いようにするためのものであり、基本的には、かなりの数が記録される。従って、自動インデックスを削除しないと、ビデオCD上に、そのような多くの数のインデックスが設定されてしまうからである。
【0353】
また、コピー対象範囲の先頭フレームの自動インデックスを手動インデックスに変更するのは、次のような理由による。即ち、コピー対象範囲の先頭フレームは、いわゆる編集点に相当し、編集点には、ビデオCDにおいても、インデックスを設定しておくのが好ましい。しかしながら、自動インデックスは削除されてしまうため、手動インデックスに変更することにより、削除されないようにするためである。
【0354】
従って、出力ウインドウ369では、手動インデックスに対応するインデックス画面だけが表示される。このため、自動インデックスの位置にインデックスを残しておきたい場合には、出力ウインドウ369へのコピーを行う前に、その自動インデックスを、上述したようにして、手動インデックスに変更しておく必要がある。
【0355】
なお、コピー対象範囲が、出力ウインドウ369にコピーされても、自動インデックスを削除しないようにすることが可能である。また、そのコピー対象範囲の先頭フレームの自動インデックスも、手動インデックスに変更しないようにすることが可能である。
【0356】
ユーザは、以上のようにして、出力ウインドウ369に、所望するシーンをコピーする。また、出力ウインドウ369にコピーされたシーンについては、その移動、削除、並べ替えなどが可能となされており、必要に応じて、そのような作業を行う。
【0357】
そして、出力ウインドウ369に、所望のシーンを、所望の順番で並べた後、そのようなシーンで構成されるクリップを、新たに作成することを希望するときは、例えば、クリップエディタメインウインドウ361のツールバーにあるビルド開始ボタン370を操作する。
【0358】
この場合、マイクロプロセッサ201では、出力ウインドウ369に配置された各シーンに対応する符号化データが、インデックスファイルを参照しながら、MPEGファイルから読み出される。そして、その読み出された符号化データのエレメンタリデータ(エレメンタリストリーム)をそのまま用いて、結合点(編集点)での必要な処理が行われた後、システムエンコードだけがやり直される。このエンコード結果は、新たなMPEGファイルとして、ハードディスク212に記録される。
【0359】
なお、このとき、出力ウインドウ369に表示されているインデックス画面に対応するインデックスファイル(このインデックスファイルは、上述したことから、手動インデックスからなり、自動インデックスは含まれない)も、新たに作成され、これと、新たに作成されたMPEGファイルとが、新たなクリップとして、ハードディスク212に記録される。
【0360】
次に、上述したように、ソースウインドウ362には、インデックスファイルに記録された自動インデックスに対応するインデックス画面が表示されるが、インデックス画面が、例えば、それほど間隔を空けずに、数多く表示された場合には、却って、ユーザによるシーンの検索の妨げになる。
【0361】
そこで、本実施の形態では、インデックスファイルに記録された自動インデックスに対応するインデックス画面の表示について、一定の条件を設け、その条件(以下、適宜、表示条件という)に合致するインデックス画面だけを表示させることができるようになされている。
【0362】
即ち、図22は、表示条件を設定するためのインデックス表示レベル設定ダイアログボックス381を示している。
【0363】
なお、例えば、図21のクリップエディタメインウインドウ361の[表示]メニューの中には、項目として[インデックス表示レベル設定]があり、そこをクリックすることで、インデックス表示レベル設定ダイアログボックス381が表示される。
【0364】
すべて表示の欄382は、インデックスファイルに記録された自動インデックスすべてに対応するインデックス画面を表示するという表示条件を設定する場合に選択(クリック)される。レベルの欄383は、ある閾値以上のシーンチェンジパラメータを有する自動インデックスに対応するインデックス画面を表示するという表示条件を設定する場合に選択される。閾値は、閾値入力欄383Aに入力された値に設定される。
【0365】
個数表示欄384は、シーンチェンジパラメータの大きい順に、所定数の自動インデックスに対応するインデックス画面を表示するという表示条件を設定する場合に選択される。所定数は、個数入力欄385に入力された値に設定される。
【0366】
最大レベル表示欄386は、ある時間間隔ごとに、その時間内における最大のシーンチェンジパラメータを有する自動インデックスに対応するインデックス画面を表示するという表示条件を設定する場合に選択される。時間間隔は、時間入力欄387に入力された値に設定される。
【0367】
以上の表示条件のうちのいずれかが選択されると、表示されるインデックスの数/インデックスの総数の欄388には、インデックスファイルに記録された自動インデックスの総数と、その自動インデックスのうちの、選択された表示条件に合致するものの数とが表示される。
【0368】
なお、OKボタン389は、インデックス表示レベル設定ダイアログボックス381における設定事項を、新たに入力されたものに確定し、インデックス表示レベル設定ダイアログボックス381を閉じる場合に操作される。キャンセルボタン390は、インデックス表示レベル設定ダイアログボックス381における設定事項を、前回確定された状態に保持し、インデックス表示レベル設定ダイアログボックス381を閉じる場合に操作される。ヘルプボタン391は、インデックス表示レベル設定ダイアログボックス381についてのヘルプを表示させる場合に操作される。
【0369】
図21に示したソースウインドウ362におけるインデックス画面の表示は、以上のようにして設定された表示条件にしたがって行われるようになされている。
【0370】
即ち、図23のフローチャートに示すように、まず最初に、ステップS61において、すべて表示の欄382が選択されているかどうかが判定され、選択されていると判定された場合、ステップS62に進み、インデックスファイルに記録された自動インデックスすべてに対応するインデックス画面が、ソースウインドウ362に表示され、処理を終了する。
【0371】
また、ステップS61において、すべて表示の欄382が選択されていないと判定された場合、ステップS63に進み、レベルの欄383が選択されているかどうかが判定される。ステップS63において、レベルの欄383が選択されていると判定された場合、ステップS64に進み、インデックスファイルに記録された自動インデックスのうち、閾値入力欄383Aに入力された値以上のシーンチェンジパラメータを有するものが検索され、ステップS68に進む。ステップS68では、検索された自動インデックスに対応するインデックス画面が、ソースウインドウ362に表示され、処理を終了する。
【0372】
また、ステップS63において、レベルの欄383が選択されていないと判定された場合、ステップS65に進み、個数表示欄384が選択されているかどうかが判定される。ステップS65において、個数表示欄384が選択されていると判定された場合、ステップS66に進み、対応する自動インデックスが検索される。即ち、個数入力欄385に入力された値をnとするとき、ステップS66では、インデックスファイルに記録された自動インデックスから、シーンチェンジパラメータが大きい上位n個が検索され、ステップS68に進む。ステップS68では、検索されたn個の自動インデックスに対応するインデックス画面が、ソースウインドウ362に表示され、処理を終了する。
【0373】
一方、ステップS65において、個数表示欄384が選択されていないと判定された場合、即ち、すべて表示の欄382、レベルの欄383、および個数表示欄384のうちのいずれも選択されておらず、従って、最大レベル表示欄386が選択されている場合、ステップS67に進み、時間入力欄387に設定された時間間隔ごとに、各時間内において、最大のシーンチェンジパラメータを有する自動インデックスが、インデックスファイルから検索される。そして、ステップS68において、各時間内において検索された自動インデックスに対応するインデックス画面が、ソースウインドウ362に表示され、処理を終了する。
【0374】
以上のように、シーンチェンジパラメータの大きさなどに対応して、表示されるインデックス画面の数を制限することができるので、ユーザは、所望のシーンを容易に探し出すことが可能となる。
【0375】
ここで、本実施の形態では、レベルの欄383が選択されている場合、閾値入力欄383Aに入力された値(シーンチェンジパラメータの閾値)は、インデックス表示レベルダイアログボックス381をオープンしなくても、図21のクリップエディタメインウインドウ361のツールバーにある下げるボタン365Aや上げるボタン365Bを操作することにより変更することができるようになされている。即ち、下げるボタン365Aが操作されるごとに、シーンチェンジパラメータの閾値は1ずつデクリメントされるようになされており、従って、この場合、表示されるインデックス画面の数は増加していくことになる。また、上げるボタン365Bが操作されることに、シーンチェンジパラメータの閾値は1ずつインクリメントされるようになされており、従って、この場合、表示されるインデックス画面の数は減少していくことになる。
【0376】
なお、ここでは、以上のような表示条件により表示の制限されるインデックス画面は、自動インデックスについてのものだけにしてあるが、手動インデックスに対応するインデックス画面の表示も、同様に制限することが可能である。
【0377】
次に、「スリップレコーダー」においてクリップ(テープ)を作成し、また、「クリップエディター」において、そのクリップを編集することにより新たなクリップを作成し、クリップの数が増加すると、例えば、どのクリップに、何が記録されているかを判断することが、ファイル名を見るだけでは困難となる。そこで、「Slipclip」では、クリップを管理するためのアプリケーションプログラムとして、「クリップビューワー」が用意されている。
【0378】
「クリップビューワー」を起動すると、例えば、図24に示すようなクリップビューワメインメインウインドウ401が表示される。
【0379】
クリップ一覧402には、クリップ集に登録されているクリップの代表画面が表示される。
【0380】
ここで、クリップ集とは、クリップをグループ分けするためのフォルダで、代表画面とは、クリップを構成する、ある画面である。代表画面には、デフォルトで、例えば、クリップの最初の画面が設定されるようになされているが、変更することも可能である。
【0381】
タブ402Aには、クリップ集に付された名前が表示される。従って、図24の実施の形態では、「夏の旅行」、「スキー大会」、「クリスマス」の3つのクリップ集としてのフォルダが存在している。なお、クリップ集は、タブ402Aをクリックすることにより選択することができ、クリップ一覧402には、その選択されたクリップ集に登録されているクリップの代表画面が表示される。図24の実施の形態では、クリップ集「夏の旅行」が選択されており、そこに登録されている3つのクリップの代表画面が、クリップ一覧402に表示されている。
【0382】
インデックス一覧403には、クリップ一覧402に表示された代表画面をクリックして、クリップを選択した場合に、その選択されたクリップのインデックス画面が表示される。
【0383】
画像表示欄404には、クリップ一覧402で選択されたクリップの再生画像が表示される。タイトル欄405には、クリップ一覧402で選択されたクリップのタイトルが表示される。即ち、「クリップビューワー」では、クリップにタイトルを付けることができるようになされており、そのタイトルが、タイトル欄405に表示される。
【0384】
停止ボタン406、再生ボタン407、一時停止ボタン408、スキップボタン409,410、インデックスボタン411,412、スライダ414、コマ送りボタン415、スロー再生ボタン416は、図15の再生ウインドウ341における停止ボタン346、再生ボタン347、一時停止ボタン348、スキップボタン349,350、インデックスボタン351,352、スライダ354、コマ送りボタン355、スロー再生ボタン356に、それぞれ対応している。
【0385】
全画面ボタン413は、画像表示欄404を、全画面表示する場合に操作される。説明文欄417は、クリップ一覧402で選択されたクリップの説明文が表示される。即ち、「クリップビューワー」では、クリップに説明文を付けることができるようになされており、その説明文が、説明文欄413に表示される。
【0386】
なお、本実施の形態では、画像をエンコード(圧縮)して記録するようにしたが、本発明は、画像をエンコードせずに、そのまま記録する場合にも適用可能である。但し、スリップ再生を行うことができるかどうかは、ハードディスク212の転送速度およびヘッドシーク時間、並びに録画する画像データのデータ量(データレート)による。
【0387】
即ち、例えば、いま、ハードディスク212の転送速度またはヘッドシーク時間として、上述の場合と同様に、それぞれ4Mbpsまたは20msを考える。
【0388】
そして、1フレームのデータ量が、録画モード「Normal」における場合と同一の画像、即ち、15フレームのデータ量が、上述した1856KBの画像を対象として、その記録と再生を行うとすると、ハードディスク212への1856KBのデータの書き込みと、読み出しには、それぞれ、約453ms(=1856[KB]/4×1024[KB/s])の時間がかかる。これにヘッドシーク時間である20msを考慮すれば、書き込みまたは読み出しには、いずれも約473msの時間がかかる。従って、この場合、15フレームの画像データの読み書きを並列に行うには、約946ms(=473ms+473ms)の時間がかかり、15フレームに相当する時間、即ち、約0.5秒の間には行うことができないことになる。
【0389】
一方、1フレームのデータ量が、録画モード「Long」における場合と同一の画像、即ち、15フレームのデータ量が、上述した394KBの画像を対象として、その記録と再生を行うとすると、ハードディスク212への394KBのデータの書き込みと、読み出しには、それぞれ、約96.2ms(=394[KB]/4×1024[KB/s])の時間がかかる。これにヘッドシーク時間である20msを考慮すれば、書き込みまたは読み出しには、いずれも約116.2msの時間がかかる。従って、この場合、15フレームの画像データの読み書きは、約232.4ms(=116.2ms+116.2ms)で終了するから、15フレームに相当する時間、即ち、約0.5秒の間に、その読み書きを並列に行うことができる。
【0390】
また、本実施の形態では、画像を、固定レートでの符号化方法の1つであるMPEG1の規格に準拠してエンコードするようにしたが、画像の符号化方法はMPEG1の規格に準拠したものに限定されるものではなく、また、画像は、可変レートで符号化することも可能である。但し、画像を可変レートで符号化する場合においては、例えば、スリップ再生を行うときなどに、符号化データが記録されている位置を、その記録開始位置からのバイト数から検出することは困難となる。
【0391】
また、本実施の形態では、スリップ再生を、画像(およびそれに付随する音声)を対象として行うようにしたが、スリップ再生は、その他のデータを対象に行うことも可能である。同様に、テープの確保も、画像や音声以外のデータを対象に行うことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0392】
【図1】本発明を適用したパーソナルコンピュータの外観構成例を示す斜視図である。
【図2】本発明を適用したパーソナルコンピュータの外観構成例を示す斜視図である。
【図3】本体31の正面図である。
【図4】本体31の背面図である。
【図5】図1(図2)のパーソナルコンピュータの電気的構成例を示すブロック図である。
【図6】MPEG1リアルタイムエンコーダボード213の構成例を示すブロック図である。
【図7】スリップレコーダメインウインドウ301を示す図である。
【図8】テープ設定ダイアログボックス321を示す図である。
【図9】ノーマルテープとエンドレステープとを説明するための図である。
【図10】各録画モードの仕様を説明するための図である。
【図11】ノーマルテープを対象とした録画処理を説明するためのフローチャートである。
【図12】エンドレステープを対象とした録画処理を説明するためのフローチャートである。
【図13】インデックス記録処理を説明するためのフローチャートである。
【図14】インデックスデータのフォーマットを示す図である。
【図15】再生ウインドウ341を示す図である。
【図16】経過時間、残り時間、録画時刻を説明するための図である。
【図17】スリップ再生処理を説明するためのフローチャートである。
【図18】アプリケーションプログラム「スリップレコーダー」の処理を説明するためのブロック図である。
【図19】シーンチェンジパラメータの時間変化を示す図である。
【図20】コントローラ133の処理を説明するためのフローチャートである。
【図21】クリップエディタメインウインドウ361を示す図である。
【図22】インデックス表示レベル設定ダイアログボックス381を示す図である。
【図23】ソースウインドウ362にインデックス画面を表示するインデックス画面表示処理を説明するためのフローチャートである。
【図24】クリップビューワメインウインドウ401を示す図である。
【符号の説明】
【0393】
21 キーボード, 22 マウス, 24 マイク, 31 本体, 32,33 面, 34 電源ボタン, 35 凹部, 36 下パネル, 37 上パネル, 41 FDD, 42 CDドライブ, 43 AV端子部, 44 拡張部, 45 ガイド, 51 ディスプレイ, 52 台座, 53 表示部, 54 凹部, 55 CRT, 56,57 面, 58 溝, 59,60 スピーカ, 61 電源ランプ, 63 ハードディスクアクセスランプ, 64 フロッピディスク(登録商標)ドライブアクセスランプ, 66 フロッピディスク(登録商標)イジェクトボタン, 68 イジェクトボタン, 69 イジェクト穴, 70 アクセスランプ, 71 電源入力端子, 72 キーボード端子, 73 マウス端子, 74 USB端子, 75 プリンタ端子, 76 シリアル端子, 77 ゲーム端子, 78 ヘッドフォン端子, 79 ライン入力端子, 80 マイクロフォン端子, 81 映像出力端子, 82 S映像出力端子, 83 モニタ端子, 84 AV端子部, 85 アンテナ端子, 86 ラインジャック, 87 テレフォンジャック, 101 入力端子, 102 出力端子, 110 フレームメモリ, 111 ブロック分割器, 112 差分器, 113 切換スイッチ, 114 DCT回路, 115 量子化器, 116 ジグザグスキャン回路, 117 VLC回路, 118 出力バッファ, 119 量子化ステップ制御器, 120 動き検出器, 121 動き補償器, 122 フレームメモリ, 123 切換スイッチ, 124 加算器, 125 逆DCT回路, 126 逆量子化器, 130 画像評価回路, 131 シーンチェンジ検出回路, 132 圧縮方法選択回路, 133 コントローラ, 201 マイクロプロセッサ, 202 メインメモリ, 203 VRAM, 204 バスブリッジ, 206 モデム, 207 I/Oインターフェイス, 210 補助記憶インターフェイス, 211 CD−Rディスク, 212 ハードディスク, 213 MPEG1リアルタイムエンコーダボード, 213A TVチューナ, 214 ビデオカメラ, 215 AV処理回路, 215A NTSCエンコーダ, 216 VTR, 301 スリップレコーダメインウインドウ, 302 録画インジケータ, 303 シーンチェンジインジケータ, 304 現在時刻表示, 305 録画時間表示, 306 タイマスタンバイインジケータ, 307A エンドレス録画表示, 307B 入力ソース表示, 308 停止ボタン, 309 録画ボタン, 310 ポーズボタン, 311 録画時間表示変更ボタン, 312 入力切換ボタン, 313 アップダウンボタン, 314 チャンネルボタン, 321 テープ設定ダイアログボックス, 322 名前の欄, 323 書き込み禁止チェックボックス, 324 種類の欄, 325 録画時間の欄, 326 自動インデックスチェックボックス, 327 録画モードの欄, 328 録音モードの欄, 329 自動チェックボックス, 330 参照ボタン, 331 情報の欄, 332 OKボタン, 333 キャンセルボタン, 334 ヘルプボタン, 341 再生ウインドウ, 342 画像表示欄, 343 再生インジケータ, 344 再生時間表示, 345 音声モード表示, 346 停止ボタン, 347 再生ボタン, 348 一時停止ボタン, 349,350 スキップボタン, 351,352 インデックスボタン, 353 再生時間表示変更ボタン, 354 スライダ, 354A スライダ溝, 355 コマ送りボタン, 356 スロー再生ボタン, 357 音声切換ボタン, 361 クリップエディタメインメインウインドウ, 362 ソースウインドウ, 363 タイムライン, 364L 始点マーク, 364R 終点マーク, 365A 下げるボタン, 365B 上げるボタン, 366A インデックス追加ボタン, 366B 削除ボタン, 367 再生ボタン, 368 編集点ファイル作成ボタン, 369 出力ウインドウ, 370 ビルド開始ボタン, 381 インデックス表示レベル設定ダイアログボックス, 382 すべて表示の欄, 383 レベルの欄, 383A 閾値入力欄383A, 384 個数表示欄, 385 個数入力欄, 386 最大レベル表示欄, 387 時間入力欄, 388 表示されるインデックスの数/インデックスの総数の欄, 389 OKボタン, 390 キャンセルボタン, 391 ヘルプボタン, 401 クリップビューワメインメインウインドウ, 402 クリップ一覧, 402A タブ, 403 インデックス一覧, 404 画像表示欄, 405 タイトル欄, 406 停止ボタン, 407 再生ボタン, 408 一時停止ボタン, 409,410 スキップボタン, 411,412 インデックスボタン, 413 全画面ボタン, 414 スライダ, 415 コマ送りボタン, 416 スロー再生ボタン, 417 説明文欄

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像情報を記録媒体に記録する記録装置であって、
符号化ビットレートに対応して予め決められている複数の録画モードのうちの1つの録画モードを選択的に設定する設定手段と、
前記設定手段によって設定された録画モードに基づいて、前記画像情報を符号化する符号化手段と、
前記画像情報を記録する記録時間および前記設定手段で設定された録画モードに基づいて、前記画像情報を記録するのに必要な第1の必要容量を算出する算出手段と、
前記第1の必要容量以上の容量を有する第1のファイルを前記記録媒体に書き込んで第1の領域の確保を行う確保手段と、
符号化された前記画像情報を前記第1のファイルの前記第1の領域に上書きして記録する記録手段と
を備えることを特徴とする記録装置。
【請求項2】
前記画像情報のシーンチェンジを検出する検出手段を更に備え、
前記算出手段は、前記画像情報を記録する記録時間および前記設定手段で設定された録画モードに基づいて、シーンチェンジの位置情報を記録するのに必要な第2の必要容量を算出し、
前記確保手段は、前記第2の必要容量以上の容量を有する第2のファイルを前記記録媒体に書き込んで第2の領域の確保も行い、
前記記録手段は、符号化した前記画像情報のシーンチェンジの位置情報を前記第2のファイルの前記第2の領域に上書きして記録する
ことを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
【請求項3】
前記第2の必要容量は、シーンチェンジの度合いを表すパラメータを記録するのに必要な容量も含む
ことを特徴とする請求項2に記載の記録装置。
【請求項4】
前記算出手段は、前記第1の必要容量に対して所定の割合の容量である第2の必要容量を算出し、
前記確保手段は、前記第2の必要容量以上の容量を有する第2のファイルを前記記録媒体に書き込んで第2の領域の確保も行い、
前記記録手段は、符号化した前記画像情報のシーンチェンジの位置情報を前記第2のファイルの前記第2の領域に上書きして記録する
ことを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
【請求項5】
前記確保手段により確保された前記第1のファイルの前記第1の領域のうちの、符号化された前記画像情報が記録されていない領域を空き領域として解放する解放手段を更に備える
ことを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
【請求項6】
画像情報を記録媒体に記録する記録方法であって、
符号化ビットレートに対応して予め決められている複数の録画モードのうちの1つの録画モードを選択的に設定し、
前記画像情報を記録する記録時間および設定された録画モードに基づいて、前記画像情報を記録するのに必要な第1の必要容量を算出し、
前記第1の必要容量以上の容量を有する第1のファイルを前記記録媒体に書き込んで第1の領域の確保を行い、
設定された録画モードに基づいて、前記画像情報を符号化し、
符号化された前記画像情報を前記第1のファイルの前記第1の領域に上書きして記録する
ことを特徴とする記録方法。
【請求項7】
前記画像情報のシーンチェンジを更に検出し、
前記画像情報を記録する記録時間および設定された録画モードに基づいて、シーンチェンジの位置情報を記録するのに必要な第2の必要容量を算出し、
前記第2の必要容量以上の容量を有する第2のファイルを前記記録媒体に書き込んで第2の領域の確保も行い、
符号化した前記画像情報のシーンチェンジの位置情報を前記第2のファイルの第2の領域に上書きして記録する
ことを特徴とする請求項6に記載の記録方法。
【請求項8】
前記第2の必要容量は、シーンチェンジの度合いを表すパラメータを記録するのに必要な容量も含む
ことを特徴とする請求項7に記載の記録方法。
【請求項9】
前記第1の必要容量に対して所定の割合の容量である第2の必要容量を算出し、
前記第2の必要容量以上の容量を有する第2のファイルを前記記録媒体に書き込んで第2の領域の確保も行い、
符号化した前記画像情報のシーンチェンジの位置情報を前記第2のファイルの前記第2の領域に上書きして記録する
ことを特徴とする請求項6に記載の記録方法。
【請求項10】
確保された前記第1のファイルの前記第1の領域のうちの、符号化された前記画像情報が記録されていない領域を空き領域として解放する
ことを特徴とする請求項6に記載の記録方法。
【請求項11】
画像情報を記録媒体に記録させるためのプログラムが記録されているプログラム記録媒体であって、
符号化ビットレートに対応して予め決められている複数の録画モードのうちの1つの録画モードを選択的に設定し、
前記画像情報を記録する記録時間および設定された前記録画モードに基づいて、前記画像情報を記録するのに必要な必要容量を算出し、
前記必要容量以上の容量を有するファイルを前記記録媒体に書き込んで領域の確保を行い、
設定された録画モードに基づいて、前記画像情報を符号化し、
符号化された前記画像情報を前記ファイルの前記領域に上書きして記録する
処理を情報処理装置に行わせることを特徴とするプログラムが記録されているプログラム記録媒体。
【請求項12】
画像情報を記録媒体に記録する記録装置であって、
符号化ビットレートに対応して予め決められている複数の録画モードのうちの1つの録画モードを選択的に設定する設定手段と、
前記設定手段によって設定された録画モードに基づいて、前記画像情報を符号化する符号化手段と、
前記画像情報を記録する記録時間および前記設定手段で設定された録画モードに基づいて、シーンチェンジの位置情報を記録するのに必要な必要容量を算出する算出手段と、
前記必要容量以上の容量を有するファイルを前記記録媒体に書き込んで領域の確保を行う確保手段と、
符号化された前記画像情報のシーンチェンジの位置情報を前記ファイルの前記領域に上書きして記録する記録手段と
を備えることを特徴とする記録装置。
【請求項13】
画像情報を記録媒体に記録する記録方法であって、
符号化ビットレートに対応して予め決められている複数の録画モードのうちの1つの録画モードを選択的に設定し、
設定された録画モードに基づいて、前記画像情報を符号化し、
前記画像情報を記録する記録時間および設定された前記録画モードに基づいて、シーンチェンジの位置情報を記録するのに必要な必要容量を算出し、
前記必要容量以上の容量を有するファイルを前記記録媒体に書き込んで領域の確保を行い、
符号化された前記画像情報のシーンチェンジの位置情報を前記ファイルの前記領域に上書きして記録する
ことを特徴とする記録方法。
【請求項14】
画像情報を記録媒体に記録させるためのプログラムが記録されているプログラム記録媒体であって、
符号化ビットレートに対応して予め決められている複数の録画モードのうちの1つの録画モードを選択的に設定し、
設定された録画モードに基づいて、前記画像情報を符号化し、
前記画像情報を記録する記録時間および設定された前記録画モードに基づいて、シーンチェンジの位置情報を記録するのに必要な必要容量を算出し、
前記必要容量以上の容量を有するファイルを前記記録媒体に書き込んで領域の確保を行い、
符号化された前記画像情報のシーンチェンジの位置情報を前記ファイルの前記領域に上書きして記録する
処理を情報処理装置に行わせることを特徴とするプログラムが記録されているプログラム記録媒体。
【請求項15】
画像情報を記録媒体に記録する記録装置であって、
符号化ビットレートに対応して予め決められている複数の録画モードのうちの1つの録画モードを選択的に設定する設定手段と、
前記設定手段によって設定された録画モードに基づいて、前記画像情報を符号化する符号化手段と、
前記画像情報を記録する記録時間および前記設定手段で設定された録画モードに基づいて、前記画像情報を記録するのに必要な第1の必要容量とシーンチェンジの位置情報を記録するのに必要な第2の必要容量を算出する算出手段と、
前記第1の必要容量以上の容量と前記第2の必要容量以上の容量とを確保する確保手段と
を備えることを特徴とする記録装置。
【請求項16】
画像情報を記録媒体に記録する記録方法であって、
符号化ビットレートに対応して予め決められている複数の録画モードのうちの1つの録画モードを選択的に設定し、
設定された前記録画モードに基づいて、前記画像情報を符号化し、
前記画像情報を記録する記録時間および設定された前記録画モードに基づいて、前記画像情報を記録するのに必要な第1の必要容量とシーンチェンジの位置情報を記録するのに必要な第2の必要容量を算出し、
前記第1の必要容量以上の容量と前記第2の必要容量以上の容量とを確保する
ことを特徴とする記録方法。
【請求項17】
画像情報を記録媒体に記録させるためのプログラムが記録されているプログラム記録媒体であって、
符号化ビットレートに対応して予め決められている複数の録画モードのうちの1つの録画モードを選択的に設定し、
設定された前記録画モードに基づいて、前記画像情報を符号化し、
前記画像情報を記録する記録時間および設定された前記録画モードに基づいて、前記画像情報を記録するのに必要な第1の必要容量とシーンチェンジの位置情報を記録するのに必要な第2の必要容量を算出し、
前記第1の必要容量以上の容量と前記第2の必要容量以上の容量とを確保する
処理を情報処理装置に行わせることを特徴とするプログラムが記録されているプログラム記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【公開番号】特開2008−236800(P2008−236800A)
【公開日】平成20年10月2日(2008.10.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−159335(P2008−159335)
【出願日】平成20年6月18日(2008.6.18)
【分割の表示】特願2004−308819(P2004−308819)の分割
【原出願日】平成9年7月10日(1997.7.10)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】