説明

記録装置及び制御装置

【課題】取り外し可能な記録媒体(メモリカード等)にコントローラ(PC等)が設定ファイルを記録する際に、特定のフォルダを作成するための簡便な方法を提供する。
【解決手段】デジタルデータを送受信するためのネットワークインターフェースを有する記録装置100であって、記録媒体にデジタルデータを記録する機能と、特定の情報を前記記録媒体上の特定のフォルダに記録する機能とを有し、ネットワークインターフェースに接続された外部装置から記録媒体を操作するための制御信号を受信し、制御信号を受信した後に、記録媒体に特定のフォルダが存在するか否かを判別し、特定のフォルダが存在しない場合には特定のフォルダを前記記録媒体に生成し、特定のフォルダの情報を制御信号に対する応答信号として外部装置に送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デジタルビデオカメラ、デジタルカメラ等の記録装置及び当該記録装置を制御する制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年のデジタルビデオカメラ、デジタルカメラ等の撮像装置には、ホワイトバランス等のパラメータを調整することによって記録される画像の画質調整を行うことができるものがある(特許文献1参照)。
【0003】
ユーザが調整したパラメータは、撮像装置内のメモリに記録してもよいが、メモリカードに保存してもよい。この場合、メモリカード上の特定のフォルダに前記パラメータの情報を設定ファイルとして記録することが一般的であると考えられる。特定のフォルダに記録しておけば、調整後のパラメータを格納した設定ファイルの管理が容易になるからである。特定のフォルダに複数の設定ファイルが記録されている場合、所望の設定ファイルの選択は、例えば撮像装置のメニューによって行われる。設定ファイル一覧の表示を行う際、あらかじめ定められている特定のフォルダ内のみを検索することで、撮像装置は処理の軽減を行うことができる。
【0004】
撮像装置は、通常、パーソナルコンピュータPC等の外部装置と接続ためのネットワークインターフェースを有する。このようなネットワークインターフェースには、例えばIEEE1394インターフェースがある。IEEE1394インターフェースとは、IEEE Std 1394-1995に準拠したネットワークインターフェースのことである。また、IEEE Std 1394-1995とは、高性能シリアルバスに関する規格である。
【0005】
IEEE1394インターフェースを使用したファイル転送方法の一つにCamera Storage(カメラストレージ)サブユニット規格が知られている(非特許文献1参照)。Camera Storageサブユニット規格は、1394 Trade Associationで策定されたAV/Cサブユニット規格の一つである。本規格によれば、コントローラ(PC等)は、IEEE1394インターフェースを介してCamera Storageサブユニット(デジタルビデオカメラ、デジタルカメラ等の撮像装置)に制御信号(コマンドフレーム)を送信することができる。
【0006】
また、Camera Storageサブユニットは、前記コマンドフレームに従ってサブユニットが保持する情報をレスポンスフレームとしてコントローラに送信することができる。また、前記コントローラから送信されるファイルを取り外し可能な記録媒体(メモリカード等)に記録することができる。また、前記コントローラから指定されたファイルを取り外し可能な記録媒体から読み出して前記コントローラに転送することができる。
【0007】
Camera Storageサブユニット規格を使用すれば、PC側の設定ファイルを撮像装置側の記録媒体の特定のフォルダに記録することができる。
【0008】
【特許文献1】特開平7−143496号公報
【非特許文献1】TA Document 2003005, AV/C Camera Storage Subunit 2.1, February 4, 2004
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
フォーマット直後のメモリカードを撮像装置に挿入した状態では、前記メモリカードに特定のフォルダは存在していない場合がある。この場合に、コントローラが設定ファイルを前記特定のフォルダに記録しようとしても、特定のフォルダが存在していないため、当該設定ファイルをメモリカードに記録することができないという問題がある。なお、この問題は、メモリカード以外の取り外し可能な記録媒体を使用しても同様に生じる。
【0010】
また、設定ファイルを特定のフォルダ以外の場所に記録してしまった場合は、撮像装置が記録された設定ファイルを認識できないという問題もある。
【0011】
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであり、取り外し可能な記録媒体(メモリカード等)にコントローラ(PC等)が設定ファイルを記録する際に、特定のフォルダを作成するための簡便な方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明による記録装置は、デジタルデータを送受信するためのネットワークインターフェースを有する記録装置であって、記録媒体にデジタルデータを記録する機能と、特定の情報を前記記録媒体上の特定のフォルダに記録する機能とを有し、前記ネットワークインターフェースに接続された外部装置から前記記録媒体を操作するための制御信号を受信し、前記制御信号を受信した後に、前記記録媒体に前記特定のフォルダが存在するか否かを判別し、前記特定のフォルダが存在しない場合には前記特定のフォルダを前記記録媒体に生成し、前記特定のフォルダの情報を前記制御信号に対する応答信号として前記外部装置に送信することを特徴とする。
本発明による制御装置は、デジタルデータを送受信するためのネットワークインターフェースを有する制御装置であって、前記ネットワークインターフェースに接続された外部装置に対して、前記外部装置が有する記録媒体の操作を開始するための制御信号を送信し、前記制御信号に対する応答信号を前記外部装置から受信し、前記応答信号に含まれるフォルダ情報に基づいて前記記録媒体に対する制御を行うことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、メモリカードに前記特定のフォルダが存在している場合と存在していない場合とで、コントローラが行う処理を統一することができる。また、前記特定のフォルダが撮像装置ごとに異なる設定となっている場合も、コントローラは処理内容を変更する必要がなく、統一的な処理を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について説明する。
(第1の実施形態)
図1に、本発明を適用可能なネットワークシステムの構成例を示す。本実施形態における記録装置100は、Camera Storageサブユニットとして動作する装置である。デジタルビデオカメラ、デジタルカメラ等の撮像装置は、本実施形態における記録装置として構成することができる。
【0015】
記録装置100は、デジタルデータを送受信するためのネットワークインターフェースを有する。記録制御部101は、記録媒体であるメモリカード400にデジタルデータを記録したり、特定の情報をメモリカード400上の特定のフォルダに記録したりする。制御信号受信部102は、ネットワークインターフェースに接続された外部装置である制御装置200からメモリカード400を操作するための制御信号を受信する。フォルダ判別部103は、制御信号を受信した後に、メモリカード400に前記特定のフォルダが存在するか否かを判別する。フォルダ生成部104は、前記特定のフォルダが存在しない場合には前記特定のフォルダをメモリカード400に生成する。応答信号送信部105は、前記特定のフォルダの情報を制御信号に対する応答信号として制御装置200に送信する。通知部106は、前記特定のフォルダが変更された場合、制御装置200に対してメモリカード400の状態が変更されたことを通知する。
【0016】
また、本実施形態における制御装置200は、Camera Storageサブユニットを制御するコントローラとして動作する装置である。パーソナルコンピュータ等のコンピュータは、本実施形態における制御装置として構成することができる。
【0017】
制御装置200は、デジタルデータを送受信するためのネットワークインターフェースを有する。制御信号送信部201は、ネットワークインターフェースに接続された外部装置である記録装置100に対して、メモリカード400の操作を開始するための制御信号を送信する。応答信号受信部202は、制御信号に対する応答信号を記録装置100から受信する。制御部203は、応答信号に含まれるフォルダ情報に基づいてメモリカード400に対する制御を行う。
【0018】
なお、本実施形態では、制御装置(コントローラ)200がIEEE1394シリアルバス等のネットワーク300を介して記録装置(Camera Storageサブユニット)100を制御するものとする。
【0019】
また、本実施形態では、Camera Storageサブユニットが、メモリカード400を取り外し可能に装着することのできるメモリカードスロットを1つのみ有するものとするが、2つ以上のメモリカードスロットを有するものであってもよい。Camera Storageサブユニット規格についての詳細については、非特許文献1参照を参照されたい。
【0020】
図6は、本実施形態におけるPREPARE MEDIAコマンドのコマンドフレーム及びレスポンスフレームのフォーマット例を示す図である。このコマンドを使用したコントローラ及びCamera Storageサブユニットの動作については後述する。
【0021】
opcodeフィールドは、前記Camera Storageサブユニットのコマンドの種類を示すものであり、PREPARE MEDIAコマンドを示す値がセットされる。
【0022】
subfunctionフィールドは、コマンド実行のモードを指定するフィールドである。subfunctionフィールドにセットされる値を図7に示す。executeを指定することによって、コマンドの実行を行う。
【0023】
Camera Storageサブユニットでは複数の記録媒体や、記録媒体上の複数の論理的領域に対応するために、ボリュームが定義されている。ボリュームは物理ボリューム及び論理ボリュームの組み合わせによって指定される。物理ボリュームは物理的な記録媒体であるメモリカードそのものを示し、論理ボリュームは物理ボリューム中に存在するパーティション領域を示す。複数のメモリカードをセットできるCamera Storage サブユニットは複数の物理ボリュームを持ち、また各物理ボリュームは複数の論理ボリュームを持つことができる。physical_volume_number、logical_volume_numberは、それぞれPREPARE MEDIAコントロールコマンドが対象としている物理ボリューム及び論理ボリュームの番号をセットする。
【0024】
前記各フィールドにセットされた値に応じて、Camera Storageサブユニットは指定されたメモリカードのパーティションに対して後述する処理を行い、レスポンスフレームを前記コントローラに送信する。図6のレスポンスフレームフォーマット中の「<=」で示される部分には、コマンドフレームでセットされた値と同一の値がセットされる。
【0025】
レスポンスフレームのresultフィールドは、前記コントロールコマンドに対する実行結果をセットするフィールドである。前記resultフィールドにセットされる値を図8に示す。
【0026】
media_generation_countフィールドには、Camera Storageサブユニットが保持している前述のgeneration countの値がセットされる。generation countはメモリカードが挿入されたときにカウントアップするカウンタであり、メモリカードが機器に挿入された場合にこのカウンタは更新される。Camera Storageサブユニットで定義されているファイルリストを取得するためのコマンドであるFILE LISTコマンド、ファイルの転送を行うためのSEND FILEコマンド、RECEIVE FILEコマンド等のコントロールコマンドフレームにはmedia_generation_countフィールドが存在し、前記コントロールコマンドを送信する際には、前記レスポンスフレームのmedia_generation_countフィールドから取得したカウンタ値をコントローラはセットする。Camera Storageサブユニットは、前記コマンドフレームを受信した場合に、コマンドフレーム中のmedia_generation_countの値とサブユニットが保持しているカウンタ値を比較する。その結果、一致していない場合はコマンドフレームで指定した物理ボリュームが交換されている可能性があるためコマンドは拒否される。
【0027】
folder_path_lengthフィールドには、可変長のfolder_pathフィールドにセットされているデータのサイズがセットされる。
【0028】
folder_pathフィールドには、前記デジタルビデオカメラ又はデジタルカメラの設定ファイルを記録する、メモリカード上のフォルダ名がセットされる。
【0029】
次に、図2のフローチャートを用いて、前記PREPARE MEDIAコマンドを使用したコントローラの動作を説明する。
【0030】
ステップ201では、IEEE1394で接続されているCamera Storageサブユニットに対して、メモリカードの有無を検出するためのMEDIA INFOコマンドを送信する。
【0031】
図9は、前記MEDIA INFOコマンドのコマンドフレーム及びレスポンスフレームのフォーマットを示す図である。
【0032】
opcodeフィールドは、前記Camera Storageサブユニットのコマンドの種類を示すものであり、MEDIA INFOコマンドを示す値がセットされる。
【0033】
subfunctionフィールドは、コマンド実行のモードを指定するフィールドであり図7中のexecuteを指定することによって、コマンドの実行を行う。
【0034】
前記MEDIA INFOコマンドを受信すると、Camera Storageサブユニットはサブユニットが有する記録媒体に関する情報をレスポンスフレームにセットして、前記コントローラに送信する。図9のレスポンスフレームフォーマット中の「<=」で示される部分には、コマンドフレームでセットされた値と同一の値がセットされる。
【0035】
レスポンスフレームのresultフィールドは、前記コントロールコマンドに対する実行結果をセットするフィールドであり、図8に示される値の一つが実行結果に従ってセットされる。
【0036】
number_of_physical_volumeフィールドは、Camera Storageサブユニットが保持することができる記録媒体の最大数がセットされる。例えば、メモリカードスロットを2つ有するCamera Storageサブユニットの場合は、number_of_physical_volumeフィールドに2をセットする。
【0037】
number_of_logical_volume[x]フィールドは、Camera Storageサブユニットが保持しているx番目の記録媒体のパーティションの数がセットされる。例えばメモリカードスロットを2つ有するCamera Storageサブユニットの場合、レスポンスフレームはnumber_of_logical_volume[0]フィールド及びnumber_of_logical_volume[1]フィールドを有し、各メモリースロットにセットされているメモリカードに存在するパーティション数が各フィールドにセットされる。メモリカードが挿入されていない場合は、対応するnumber_of_logical_volumeフィールドにはゼロがセットされる。
【0038】
本実施形態におけるCamera Storageサブユニットは、メモリカードスロットを1つのみ有するため、number_of_physical_volumeには1がセットされ、レスポンスフレームにはnumber_of_logical_volume[0]フィールドのみが存在する。
【0039】
図2のステップ201でMEDIA INFOコマンドを送信したコントローラは、レスポンスフレームをCamera Storageサブユニットから受信し、ステップ202で、前記Camera Storageサブユニット内にメモリカードが存在するかどうかを判定する。これは、前記レスポンスフレーム中のnumber_of_logical_volume[0]の値がゼロであるか否かで判定することができる。ステップ202でメモリカードが検出されなかった場合は、ステップ201に戻って、処理を繰り返す。
【0040】
本実施形態の以下の説明では、コントローラはCamera Storageサブユニットの0番目のメモリカード(physical volume number=0)の第1パーティション(logical volume number=0)に対して処理を行うものとする。ただし、複数のメモリカード及び複数のパーティションをサポートすることもできる。その場合は前記MEDIA INFOコマンドのレスポンスフレームから検出された全てのnumber_of_logical_volumeフィールドの値を判定し、各physical volumeの全logical volumeに対して同様の処理を適用することで対応可能である。
【0041】
ステップ202でメモリカードを検出した場合は、検出したメモリカードに対応するボリュームに対して、ステップ203では図6に示すPREPARE MEDIAコマンドを送信する。
【0042】
前記PREPARE MEDIAコマンドに対するレスポンスフレームを受信すると、ステップ204ではコマンド実行に成功したか否かが判定される。コマンド実行に失敗している場合は、レスポンスフレームのresultフィールドの値に応じて適切なエラー表示をステップ205で行って、終了する。
【0043】
コマンド実行に成功している場合はステップ206で、レスポンスフレームのfolder_path_lengthフィールド及びfolder_pathフィールドの値から、設定ファイルが記録されるフォルダのパス名を取得する。さらに、前記フォルダに対するCamera Storageサブユニットコマンドを送信することによって、設定ファイルの読み出しや記録を行う。
【0044】
次に、図3のフローチャートを用いて、本実施形態でのCamera Storageサブユニットの動作を説明する。
【0045】
ステップ401では、Camera Storageサブユニットに対するコマンドフレームを受信しているかどうかを判定する。受信していない場合は、ステップ401に戻ってコマンドの受信を待機する。
【0046】
コマンドフレームが受信されている場合、ステップ402では前記コマンドフレームがPREPARE MEDIAコマンドであるか否かを判定する。PREPARE MEDIAコマンドではない場合、前記受信したコマンドフレームに対する処理をステップ403で行って、ステップ401に戻り、次のコマンドフレームの受信を待機する。
【0047】
PREPARE MEDIAコマンドを受信している場合、コマンドフレームで指定されたボリュームに対するメモリカードがCamera Storageサブユニット内に存在するかどうかをステップ404で判定する。存在しない場合はレスポンスフレームのresultフィールドに図8中の「no media」のコードをセットして、ステップ405でREJECTEDレスポンスフレームをコントローラに送信する。
【0048】
メモリカードが存在する場合は、ステップ406において、前記メモリカードに設定ファイルを記録するためのフォルダが存在するか否かを判定する。前記フォルダはあらかじめ決められており、本実施形態では、メモリカードのルートフォルダ上の「PRESET」フォルダ(以下「\PRESET」と記す)であるとする。
【0049】
前記メモリカードに「\PRESET」フォルダが既に存在する場合はステップ410に進む。存在しない場合は、ステップ407で「\PRESET」フォルダを作成する。ステップ408では前記「\PRESET」フォルダの作成に成功したか否かが判定され、失敗している場合はステップ409でレスポンスフレームのresultフィールドに該当するエラーコードをセットして、REJECTEDレスポンスフレームをコントローラに送信する。フォルダの作成に成功している場合はステップ410に進む。
【0050】
前記メモリカードに既に「\PRESET」フォルダが存在していた場合又は、「\PRESET」フォルダの作成に成功した場合は、レスポンスフレームのfolder_pathフィールドに「\PRESET」を、folder_path_lengthフィールドに6をセットして、ステップ410でACCEPTEDレスポンスフレームをコントローラに送信する。
【0051】
以上説明したように、図2及び図3に示すフローチャートに従って処理を行うことにより、メモリカード400に設定ファイルを記録するためのフォルダが存在しているか否かに関わらず、コントローラはPREPARE MEDIAコマンドをデジタルビデオカメラ又はデジタルカメラに送信することによって、メモリカード400に前記フォルダに対してコントローラは処理を行うことが可能となる。
【0052】
(第2の実施形態)
次に、第1の実施形態の変形例である第2の実施形態を説明する。第2の実施形態は、第1の実施形態の変形例であるので、共通する部分については説明を省略する。
【0053】
本実施形態では設定ファイルを記録するためのフォルダが変更可能である場合について説明する。Camera Storageサブユニットは内部メモリに設定ファイル用フォルダのパス名を保存する領域を有し、前記領域を参照して設定ファイルの処理を行う。前記領域にはあらかじめ「\PRESET」がパス名として保持されているが、前記領域が書き換え可能なメモリに存在する場合は、例えばメニュー操作によってユーザが任意のフォルダを指定し、前記指定されたフォルダのパス名を前記領域に記録することで設定ファイル用のフォルダを変更することができる。
【0054】
図4は、本実施形態におけるCamera Storageサブユニットの動作を説明するためのフローチャートである。なお、図4において、図3と同様の処理を行うステップについては同一の番号を付し、その説明を省略する。
【0055】
AV/Cコマンドの処理中でない場合、ユーザはメニュー等で前記設定フォルダを変更することができる。ステップ501ではフォルダが変更されたか否かを判定し、ユーザによって前記フォルダが変更された場合、ステップ502でgeneration countの値をカウントアップする。
【0056】
コントローラがCamera Storageサブユニットのメモリカードに対してファイルの読み込み要求や記録の要求を行うためのコマンドフレームを送信する場合、コマンドフレームのmedia_generation_countフィールドに、前記PREAPRE MEDIAレスポンスフレームで取得したmedia_generation_countの値をセットして送信する。しかし、前述のようにユーザが設定ファイル用のフォルダを変更した場合はCamera Storageサブユニットのgeneration countがカウントアップされているため、前記コマンドフレームに対してはREJECTEDレスポンスフレームがCamera Storageサブユニットから送信される。
【0057】
図5は、本実施形態におけるコントローラの動作を説明するためのフローチャートである。なお、図5において、図2と同様の処理を行うステップについては同一の番号を付し、その説明を省略する。
【0058】
ステップ206で設定フォルダのパス名を取得した後、ステップ601では前記フォルダに対してファイルの読み出し要求や記録要求のコマンドフレームを送信することで、設定ファイルの処理をコントローラは行う。前記コマンドフレームの送信後、ステップ602ではレスポンスフレームのresultフィールドの内容を判定し、resultの値が「invalid generation count」であるか否かを判定する。「invalid generation count」ではない場合、ステップ601に戻って処理を継続する。
【0059】
前記コマンドフレームに対するresultが「invalid generation count」であった場合は、記録媒体が交換された、又は設定フォルダのパス名が変更されているため、ステップ201に戻って処理をやり直す。
【0060】
以上のように、図4及び図5に示すフローチャートに従って処理を行うことにより、例えばメニュー操作等によって前記設定ファイル記録用フォルダをユーザが自由に変更できる場合においても、前記PREPARE MEDIAコマンドのレスポンスフレームから前記フォルダのパス名を取得することができ、コントローラは設定ファイルの処理を行うことが可能となる。
【0061】
(他の実施形態)
なお、第1及び第2の本実施形態では、Camera Storageサブユニット規格を使用する場合を説明したが、本実施形態と同様の機能を実現できるものであれば、Camera Storageサブユニットに限るものではない。
【0062】
また、本実施形態では、コントローラと、Camera StorageサブユニットとをIEEE1394シリアルバスを介して接続する場合を説明したが、それ以外のネットワークを介して接続することも可能である。例えば、IEEE1394シリアルバスの代わりに、IEEE802.11a/b/g、USB(Universal Serial Bus)等に準拠したネットワークを使用することも可能である。
【0063】
なお、本発明の目的は、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体を、システム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(又はCPUやMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成されることは言うまでもない。
【0064】
この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が上述した実施形態の機能を実現することになり、プログラムコード自体及びそのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【0065】
プログラムコードを供給するための記憶媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM等を用いることができる。
【0066】
また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、上述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOS(基本システム或いはオペレーティングシステム)等が実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によって上述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0067】
さらに、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によって上述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】本発明を適用可能なネットワークシステムの構成例を示す図である。
【図2】本発明の第1の実施形態におけるコントローラの動作を説明するためのフローチャートである。
【図3】本発明の第1の実施形態におけるCamera Storageサブユニットの動作を説明するためのフローチャートである。
【図4】本発明の第2の実施形態におけるCamera Storageサブユニットの動作を説明するためのフローチャートである。
【図5】本発明の第2の実施形態におけるコントローラの動作を説明するためのフローチャートである。
【図6】本発明の第1及び第2の実施形態におけるPREPARE MEDIAコマンドのフレームフォーマット例を示す図である。
【図7】Camera Storageサブユニットのコマンドフレームのsubfunctionフィールドにセットする値を示す図である。
【図8】Camera Storageサブユニットのレスポンスフレームのresultフィールドにセットする値を示す図である。
【図9】Camera StorageサブユニットのMEDIA INFOコマンドのフレームフォーマットを示す図である。
【符号の説明】
【0069】
100 記録装置
101 記録制御部
102 制御信号受信部
103 フォルダ判別部
104 フォルダ生成部
105 応答信号送信部
106 通知部
200 制御装置
201 制御信号送信部
202 応答信号受信部
203 制御部
300 ネットワーク
400 メモリカード

【特許請求の範囲】
【請求項1】
デジタルデータを送受信するためのネットワークインターフェースを有する記録装置であって、
記録媒体にデジタルデータを記録する機能と、特定の情報を前記記録媒体上の特定のフォルダに記録する機能とを有し、
前記ネットワークインターフェースに接続された外部装置から前記記録媒体を操作するための制御信号を受信し、前記制御信号を受信した後に、前記記録媒体に前記特定のフォルダが存在するか否かを判別し、前記特定のフォルダが存在しない場合には前記特定のフォルダを前記記録媒体に生成し、前記特定のフォルダの情報を前記制御信号に対する応答信号として前記外部装置に送信することを特徴とする記録装置。
【請求項2】
前記制御信号を受信した後に、前記記録媒体に前記特定のフォルダが存在するか否かを判別し、前記特定のフォルダが存在する場合には前記特定のフォルダの情報を前記制御信号に対する応答信号として前記外部装置に送信することを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
【請求項3】
前記記録媒体を操作するための制御信号は、データの書き込みの準備を行うための制御信号であることを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
【請求項4】
前記記録媒体を操作するための制御信号は、データ読み出しの準備を行うための制御信号であることを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
【請求項5】
前記記録媒体は、着脱可能であることを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
【請求項6】
前記特定のフォルダは変更可能であることを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
【請求項7】
前記特定のフォルダが変更された場合、前記外部装置に対して記録媒体の状態が変更されたことを通知する機能を有することを特徴とする請求項6に記載の記録装置。
【請求項8】
デジタルデータを送受信するためのネットワークインターフェースを有する制御装置であって、
前記ネットワークインターフェースに接続された外部装置に対して、前記外部装置が有する記録媒体の操作を開始するための制御信号を送信し、前記制御信号に対する応答信号を前記外部装置から受信し、前記応答信号に含まれるフォルダ情報に基づいて前記記録媒体に対する制御を行うことを特徴とする制御装置。
【請求項9】
前記外部装置内に記録媒体が存在することを検出した場合に、前記制御信号を送信することを特徴とする請求項8に記載の制御装置。
【請求項10】
前記外部装置内の記録媒体の状態が変更されたことを検出した場合に、前記制御信号を送信することを特徴とする請求項8に記載の制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2007−142596(P2007−142596A)
【公開日】平成19年6月7日(2007.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−330751(P2005−330751)
【出願日】平成17年11月15日(2005.11.15)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】