説明

記録装置

【課題】 少ない部品点数により防水対策のできる記録装置を提供する。
【解決手段】 ベースフレーム24の上に記録機構部を設け、この記録機構部を覆う外装カバーの排紙口の下方に第1の基板10を起立状態で配置し、この第1の基板10を前記ベースフレーム24の開口24aを貫通させて、当該ベースフレーム24の下に配置された第2の基板に接続すると共に、前記第1の基板10を、起立状態の第1の基板カバー12と第2の基板カバー13とで前後から囲い、いずれか一方の基板カバーの上端を折り曲げて、他方の基板カバーの上端を覆うように延出させたことを特徴とする記録装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録機構部を覆う外装カバーの排紙口の下方に第1の基板を起立状態で配置した記録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、ベースフレームの上に記録機構部を設け、この記録機構部を覆う外装カバーの排紙口の下方に第1の基板を起立状態で配置し、この第1の基板が前記ベースフレームの開口を貫通して、当該ベースフレームの下に配置された第2の基板にコネクタにより接続された記録装置が知られている。
この種のものでは、ベースフレームの下側に、紙送りモータ、印字ヘッド等の記録機構部を動かすメイン基板(主回路基板)等の基板を、横置きに配置しているが、この空間は狭隘なため、インタフェース基板等の他の基板を追加配置するのは困難であった。これを解消するため、ケース内のベースフレームの上に第1の基板を縦置きに配置したプリンタが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2004−299407号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上述した構成では、外装カバーの排紙口の下方に第1の基板が起立状態に配置されるため、排紙口等から誤って液体が流下した場合、この液体がメイン基板に付着し易いという問題があった。これによるプリンタの誤動作を避けるために、メイン基板の上部に、防水のためのカバー部材や密閉部材を新たに設けた場合、部品点数が増え、コスト増になるという問題があった。
【0004】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、少ない部品点数により防水対策のできる記録装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、ベースフレームの上に記録機構部を設け、この記録機構部を覆う外装カバーの排紙口の下方に第1の基板を起立状態で配置し、この第1の基板を前記ベースフレームの開口を貫通させて、当該ベースフレームの下に配置された第2の基板に接続すると共に、前記第1の基板を、起立状態の第1の基板カバーと第2の基板カバーとで前後から囲い、いずれか一方の基板カバーの上端を折り曲げて、他方の基板カバーの上端を覆うように延出させたことを特徴とするものである。
【0006】
この構成では、外装カバーの排紙口から、例えば誤って珈琲類の液体が流下した場合であっても、この液体は、延出した一方の基板カバーの上端に沿って流出するため、この液体が、一方の基板カバーの上端と他方の基板カバーの上端との隙間から第1の基板側に流入することがない。しかも、これらの基板カバーは制御基板用のシールドのために必須に配置されるものであるため、防水のために、わざわざ余分な部品を設ける必要がなく、少ない部品点数により防水対策を実行できる。
【0007】
この場合において、庇状に延出した一方の基板カバーの上端と他方の基板カバーの上端との間に、第1の基板と記録機構部とを接続する電気配線の挿入用開口部を設けてもよい。本構成では、第1の基板と記録機構部とを接続する電気配線の挿入用開口部が必須のものとなるが、一方の基板カバーの上端を庇状に延出させているため、余分な加工を加えることなく、一方の基板カバーの上端と他方の基板カバーの上端との間に電気配線の挿入用開口部を確保することができる。
【0008】
他方の基板カバーの上端が第1の基板の板面に向けて折り曲げられていてもよい。万が一、一方の基板カバーの上端と他方の基板カバーの上端との隙間から第1の基板側に液体が流入しそうになっても、他方の基板カバーの上端が第1の基板の板面に向けて折り曲げられているため、当該液体が、折り曲げられた基板カバーの上端面に付着し、第1の基板に向けての、それ以上の浸入が阻止される。
また、ベースフレームの開口の全周縁部が上方に起立していてもよい。本構成では、万が一、ベースフレーム上に液体が浸入した場合、開口の全周縁部の起立により、それ以上の液体の浸入が阻止されるため、この開口を通じての少なくともベースフレーム裏への回り込みが阻止され、第2の基板が保護される。
【0009】
第1の基板カバーの板面及び/又は第2の基板カバーの板面に、ベースフレームの開口を塞ぐ基板カバーが設けられていてもよい。
これによれば、第1の基板カバーの板面及び/又は第2の基板カバーの板面を伝わって、液体が流下したとしても、この液体の更なる浸入は、基板カバーにより阻止される。従って、ベースフレームの開口を通じての少なくともベースフレーム裏への回り込みが阻止されるため、第2の基板が保護される。
【発明の効果】
【0010】
本発明では、第1の基板を、起立状態の第1の基板カバーと第2の基板カバーとで前後から囲い、いずれか一方の基板カバーの上端を折り曲げて、他方の基板カバーの上端を覆うように延出させたため、制御基板用のシールドのために必須に配置されるの基板カバーの加工だけでよく、少ない部品点数で防水対策が図られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明を適用した一実施形態に係るサーマルプリンタ100の外観斜視図である。サーマルプリンタ100は、ライン状に複数の発熱抵抗体が配置されたサーマルヘッド8(図3)により、主にロール状のサーマル紙(感熱紙)である記録媒体(以下、ロール紙とする。)の記録面に対して、文字を含む画像を記録するものである。
【0012】
サーマルプリンタ100は、図1に示すように、メインケース1を中心とした略箱形の外装を有する。メインケース1は、サーマルプリンタ100の前面、背面、左右面、上面を兼ね、メインケース1の上面前部には、カッタカバー3が配置され、自動でロール紙を切断するオートカッタユニット9(図2)の設定等を行う際に開かれる。
カッタカバー3の前面は中央が凹んでいると共に、この凹みの下部は開口し、メインケース1の前面に設けられたコントロールパネル6が位置する。このコントロールパネル6には、ロール紙を送り出す紙送りボタン6a、サーマルプリンタ100の動作状態を報知するインジケータ6b等を備える。また、メインケース1の前部の隅には、サーマルプリンタ100の電源をON/OFFする電源スイッチ5が配置されている。
【0013】
メインケース1の上面後部には、ロール紙カバー2が配置され、ロール紙を装填する際等に開かれる。メインケース1の上面後部と、ロール紙カバー2の前部とで、ロール紙が排出される排紙口16を形成している。この排紙口16のメインケース1側にはマニュアルカッタ4が設けられており、排紙口16から排出されたロール紙を、マニュアルカッタ4に押し付けることにより、手切りすることができる。
【0014】
図2は、記録機構部20の斜視図である。
サーマルプリンタ100は、メインケース1に記録機構部20を内蔵する。この記録機構部20は、本体フレーム20fとしての左サイドフレーム21、右サイドフレーム22、及びベースフレーム24を備えている。このベースフレーム24は、略水平の上板の前辺及び左右辺が下方に略直角に折り曲げられ、前側板24d、左側板24e、右側板24fが形成される。前側板24dの隅部には電源スイッチ5が配置され、左側板24e及び右側板24fにはサーマルプリンタ100を床面上に支持する脚部28がそれぞれ2つずつ配置されている。
【0015】
図3は、本体フレーム20fの背面斜視図である。
ベースフレーム24の上部には、左サイドフレーム21及び右サイドフレーム22が、記録機構部20の両端部において互いに対向するように配置されている。この左サイドフレーム21と右サイドフレーム22との間には、図2に示すように、フロントフレーム23が掛け渡されている。
【0016】
左サイドフレーム21及び右サイドフレーム22の前部には、図3に示すように、フロント基板カバー12及びリア基板カバー13がベースフレーム24に対して略垂直に配置されている。そして、その上部にはオートカッタユニット9が配置されている。
左サイドフレーム21及び右サイドフレーム22の後部には、図2に示すように、ロール紙を収容するロール紙ホルダ26が配置されている。さらに、左サイドフレーム21及び右サイドフレーム22の後方上端には、ヒンジ27により、ロール紙カバーフレーム25が支持されている。ロール紙カバーフレーム25に固定されたロール紙カバー2(図1)は、ヒンジ27を支点に後方に開く。
【0017】
つぎに、上述した記録機構部20について説明する。図4は、サーマルプリンタ100の断面図である。
ロール紙ホルダ26とフロントフレーム23との間には、左サイドフレーム21から右サイドフレーム22に亘って、ヘッドフレーム80が配置されている。このヘッドフレーム80には、サーマルヘッド8が配置され、このサーマルヘッド8の上方には、オートカッタユニット9が配置されている。オートカッタユニット9は可動刃9aを内蔵しており、オートカッタユニット9の後方には固定刃9bが、可動刃9aと対向するように配置されている。
【0018】
オートカッタユニット9の底板は、可動刃9aと固定刃9bとの間で、その端部が上方に曲げられ、ガイド9cを形成している。
このガイド9cが形成されていることにより、ロール紙は排紙口16に向かって滑らかに可動刃9aと固定刃9bとの間を通過することができる。オートカッタユニット9の上方には排紙口16が設けられており、この排紙口16の前部にはマニュアルカッタ4が設けられている。
【0019】
また、サーマルヘッド8の後方には、プラテン7が対向して配置されている。このプラテン7は、ロール紙の搬送機構も兼ねている。
プラテン7及び固定刃9bは、ロール紙カバーフレーム25の前部に支持されている。ロール紙カバー2を開くときには、プラテン7と固定刃9bとは、ロール紙カバーフレーム25と共に後方に開く。即ち、ロール紙カバー2を開くときには、サーマルヘッド8及び可動刃9aと、プラテン7及び固定刃9bとの間隔が遠ざかる。
プラテン7の後方の、左サイドフレーム21と右サイドフレーム22との間には、ロール紙を収納するロール紙ホルダ26が配置されている。ロール紙ホルダ26にはロール紙の残量を検出するニアエンド検出器17が配置されており、検出結果に基づいてインジケータ6bにより、ロール紙の残量を報知する。
【0020】
排紙口16の下方であって、オートカッタユニット9の下方には、制御基板用のシールドのために必須に配置されるフロント基板カバー12及びリア基板カバー13が配置され、このフロント基板カバー12とリア基板カバー13との間には、メイン基板(第1の基板)10が、リア基板カバー13に縦置きに配置されている。
メイン基板10は、サーマルプリンタ100全体を制御する制御基板である。メイン基板10の上部には、フラットケーブルコネクタ10fが設けられており、このフラットケーブルコネクタ10fには、フラットケーブル15が差し込まれている。メイン基板10は、フラットケーブルコネクタ10fからフラットケーブル15を介してサーマルヘッド8に接続されている。
【0021】
フロント基板カバー12、リア基板カバー13、及び、メイン基板10は、ベースフレーム24に設けられたベースフレーム開口部24aを貫通しており、底板29近傍まで延びている。リア基板カバー13には、ベースフレーム24よりも下方にリア基板カバー開口部13aが設けられており、このリア基板カバー開口部13aを通ってインタフェース基板(第2の基板)11が、基板コネクタ10iを介して、メイン基板10に略垂直に差し込まれている。インタフェース基板11の後端には、サーマルプリンタ100をコンピュータやキャッシュドロア等の各種機器に接続するためのインタフェースコネクタ11iを備えている。
インタフェース基板11の下方をカバーする底板29は、後端が略直角に上方に折り曲げられており、底板開口部29aが設けられている。インタフェース基板11は、底板開口部29aまで延びており、サーマルプリンタ100に接続される各種機器は、底板開口部29aを介して、インタフェース基板11に接続される。
【0022】
ロール紙をサーマルプリンタ100にセットする際には、まず、ロール紙カバー2を開く。次に、ロール紙の端部を排紙口16から少し引き出しつつ、ロール紙をロール紙カバーフレーム25に配置する。そして、ロール紙カバー2を閉じると、ロール紙が、プラテン7とサーマルヘッド8との間、及び可動刃9aと固定刃9bの間に挟みこまれ、ロール紙のセットが完了する。
サーマルヘッド8が、ロール紙に文字や画像を記録すると、プラテン7によりロール紙が搬送される。ロール紙の、文字や画像が記録された部分が、排紙口16から外部に紙出されたところで、この部分は、オートカッタユニット9により切り離される。
【0023】
図5は、メイン基板10近傍の背面斜視図を示す。
上述したベースフレーム開口部24aの周縁部は、全周に亘って、絞り加工あるいはバーリング加工により、上方に曲げられ、起立部24bが形成されている。リア基板カバー13の後部は、ベースフレーム開口部24a近傍が、左サイドフレーム21と右サイドフレーム22との間の略全域に亘って、クランク状に折れ曲がっており、ベースフレーム開口部24aの後部を覆うリア基板カバー庇部13eを形成する。リア基板カバー13の上端は、メイン基板10側に略直角に折り曲げられ、略水平面上にあり、メイン基板10近傍まで達するリア基板カバー上板13rを形成する。そして、リア基板カバー庇部13eの下側がリア基板カバー開口部13aとなっている。
【0024】
フロント基板カバー12は、上辺が略全域に亘って後方に折り曲げられ、略水平面上にあるフロント基板カバー上板12rを形成する。そして、フロント基板カバー上板12rの後部の、左サイドフレーム21と右サイドフレーム22とで挟まれた部分は、下方に折り曲げられ、リア基板カバー13の上部を覆うように延出したフロント基板カバー庇部12eを形成する。
【0025】
フロント基板カバー12とリア基板カバー13とは、略密閉されている。しかし、フロント基板カバー庇部12eの裏側であって、フロント基板カバー庇部12eとリア基板カバー上板13rとの間には、隙間14が設けられており、フラットケーブルコネクタ10fがこの隙間14の中に露出している。サーマルヘッド8から延びるフラットケーブル15は、図4に示すように、フロント基板カバー庇部12eとリア基板カバー13との隙間14を通ってフラットケーブルコネクタ10fに接続される。
【0026】
ところで、上記構成では、メイン基板(第1の基板)10、及びインタフェース基板(第2の基板)11に液体がかかると、不都合が生じる。
図4では、メインケース1の上面後部と、ロール紙カバー2の前部とで、ロール紙が排出される排紙口16が形成されるため、メインケース1の上面後部、或いはロール紙カバー2の前部に、お茶、珈琲等の液体をこぼした場合、当該液体が、排紙口16からメインケース1の内部に浸入する。この場合、液体は、大きく分けて2つのルートで流入する。1つ目のルートは、サーマルヘッド8を介して流れるルートである。
浸入した液体の一部は、ロール紙の搬送路に沿って、可動刃9aと固定刃9bの間を通過し、サーマルヘッド8に到達する。そして、この液体は、サーマルヘッド8の下方に接続されたフラットケーブル15に沿って流れる。このフラットケーブル15は、フラットケーブルコネクタ10fとヘッドフレーム80との間で垂れ下がっている。フラットケーブル15を流れる液体は、フラットケーブル15の垂れ下がった部分の、最下部でベースフレーム24の上に滴下する。
【0027】
このルートで流れた場合、殆どの液体が、ベースフレーム24の上に滴下するため、少なくともメイン基板10にかかることはない。
ベースフレーム24には、ベースフレーム開口部24aが設けられているが、ベースフレーム開口部24aは、周縁部に起立部24bを有するため、ベースフレーム24に到達した液体が、ベースフレーム開口部24aからベースフレーム24の下方へ回り込んで流出することはない。従って、上記排紙口16から浸入した液体が、インタフェース基板11にかかることはない。
【0028】
2つ目のルートは、オートカッタユニット9を介して、液体が流れるルートである。オートカッタユニット9には、ガイド9cが設けられているため、浸入した液体の一部は、このガイド9cからオートカッタユニット9の中に流れ込む。オートカッタユニット9の底板には、無数の孔が設けられており、オートカッタユニット9に流れ込んだ液体は、この孔からフロント基板カバー上板12rに滴下する。
フロント基板カバー上板12rに滴下した液体は、フロント基板カバー庇部12eを伝って、その端部からフラットケーブル15、ベースフレーム24あるいはリア基板カバー庇部13eに滴下する。
【0029】
本構成では、上記排紙口16から浸入した液体が、フロント基板カバー上板12rに滴下した場合であっても、この液体は、フロント基板カバー庇部12eを伝って、その端部からフラットケーブル15、ベースフレーム24あるいはリア基板カバー庇部13eに滴下するため、少なくとも当該液体が、メイン基板10にかかることはない。
また、ベースフレーム24には、ベースフレーム開口部24aが設けられているが、ベースフレーム開口部24aは、周縁部に起立部24bを有し、かつ、リア基板カバー13にはリア基板カバー庇部13eが形成されているため、ベースフレーム24あるいはリア基板カバー庇部13eに滴下した液体が、ベースフレーム開口部24aからベースフレーム24の下方へ回り込んで流出することはない。従って、上記排紙口16から浸入した液体が、インタフェース基板11にかかることはない。
このとき、フロント基板カバー上板12rに滴下した液体は、フロント基板カバー12の前方にも流れる。フロント基板カバー12の前方に流れた液体は、フロント基板カバー12の前面に沿って、底板29に到達する。従って、この場合も、排紙口16から浸入した液体が、インタフェース基板11にかかることはない。
【0030】
フラットケーブル15に滴下した液体は、フラットケーブル15の幅方向両端からベースフレーム24上に滴下する。また、リア基板カバー庇部13eに滴下した液体は、リア基板カバー庇部13eを伝ってベースフレーム24に滴下する。この場合も、上述した起立部24bの存在により阻止されて、ベースフレーム24に到達した液体が、ベースフレーム開口部24aからベースフレーム24の下方へ流れ落ちることはない。
また、滴下によりベースフレーム24に衝突した液体が、前方に飛散した場合には、前方にはリア基板カバー13を備えているため、少なくとも飛散した液体がメイン基板10に付着することはない。さらに、リア基板カバー13には、リア基板カバー庇部13eが設けられているため、液体がベースフレーム開口部24aを通過して、インタフェース基板11に付着することもない。
【0031】
本実施形態では、制御基板用のシールドのために必須に配置されるフロント基板カバー12及びリア基板カバー13に加工を加えるだけで、メイン基板10の上部に、防水を目的としたカバー部材や密閉部材を新たに設けることなく、少ない部品点数で防水対策を行うことができる。これにより、液体がメイン基板に付着することによるプリンタの誤動作が避けられるだけでなく、製造コストが抑えられる。また、ベースフレーム開口部24aは、周縁部に起立部24bを有すると共に、リア基板カバー庇部13eで覆われているため、ベースフレーム裏側への液体の回り込みが阻止され、従って、インタフェース基板11の防水が図られる等の効果を奏する。
【0032】
以上、一実施形態に基づいて本発明を説明したが、本発明は、これに限定されるものではない。例えば、上記構成において、リア基板カバー庇部13eはクランク状に屈曲されているが、これに限らず、リア基板カバー庇部13eは、ベースフレーム開口部24aを覆う庇であれば、単なる斜面であってもよい。
また、上記実施形態では、フロント基板カバー上板12rの後部が下方に折り曲げられているが、これに限らず、例えば、フロント基板カバー上板12rが後方に向かって下方に折り曲げられ、フロント基板カバー庇部12eとして機能も兼ねれば、フロント基板カバー庇部12eを設ける必要はない。
【0033】
上記実施形態では、リア基板カバー13の上端は、メイン基板10側に折り曲げられているが、これに限らず、例えば、リア基板カバー上板13rを設けない構成であってもよい。また、リア基板カバー13は、メイン基板10を覆っているが、メイン基板以外のその他の基板であってもよい。
上記実施形態では、記録装置としてサーマルプリンタを例示したが、これに限らず、例えば、ドットインパクト、インクジェット或いはバブルジェット(登録商標)方式のプリンタであってもよい。さらには、複写機やファクシミリなどの電子写真方式により画像を記録する記録装置に適用も可能である。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明の一実施形態に係る記録装置の外観を示す正面斜視図である。
【図2】記録機構部の斜視図である。
【図3】本体フレームの背面斜視図である。
【図4】記録装置の断面図である。
【図5】基板近傍の背面斜視図である。
【符号の説明】
【0035】
1…メインケース(外装カバー)、10…メイン基板(第1の基板)、11…インタフェース基板(第2の基板)、12…フロント基板カバー(第1の基板カバー)、13…リア基板カバー(第2の基板カバー)、13e…リア基板カバー庇部(ベースフレームの開口を塞ぐ基板カバー)、14…隙間(挿入用開口部)、15…フラットケーブル(電気配線)、16…排紙口、20…記録機構部、24…ベースフレーム、24a…ベースフレーム開口部(開口)、100…サーマルプリンタ(記録装置)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベースフレームの上に記録機構部を設け、この記録機構部を覆う外装カバーの排紙口の下方に第1の基板を起立状態で配置し、この第1の基板を前記ベースフレームの開口を貫通させて、当該ベースフレームの下に配置された第2の基板に接続すると共に、前記第1の基板を、起立状態の第1の基板カバーと第2の基板カバーとで前後から囲い、いずれか一方の基板カバーの上端を折り曲げて、他方の基板カバーの上端を覆うように延出させたことを特徴とする記録装置。
【請求項2】
庇状に延出した一方の基板カバーの上端と他方の基板カバーの上端との間に、前記第1の基板と前記記録機構部とを接続する電気配線の挿入用開口部を設けたことを特徴とする請求項1記載の記録装置。
【請求項3】
前記他方の基板カバーの上端が第1の基板の板面に向けて折り曲げられていることを特徴とする請求項1または2記載の記録装置。
【請求項4】
前記ベースフレームの開口の全周縁部が上方に起立していることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の記録装置。
【請求項5】
前記第1の基板カバーの板面及び/又は前記第2の基板カバーの板面に、前記ベースフレームの開口を塞ぐ基板カバーが設けられていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の記録装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2007−21746(P2007−21746A)
【公開日】平成19年2月1日(2007.2.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−202770(P2005−202770)
【出願日】平成17年7月12日(2005.7.12)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】