説明

記録装置

【課題】タンクとタンク装着部との衝撃を抑制する。
【解決手段】プリンタは、カートリッジ35が装着されるカートリッジ装着部80が形成された上筐体と、下筐体とを有している。上筐体は、下筐体に対して軸を介して回動可能である。カートリッジ装着部80には、上筐体が離隔位置にあるときに、カートリッジ35がカートリッジ装着部80の内側面81aから受ける動摩擦力とは別の抵抗力を、装着されるカートリッジ35に付与する抵抗力付与機構90が設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録媒体に画像を記録する記録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、記録媒体に画像を記録するための記録剤を収容するタンクが装着されるタンク装着部を含む記録装置について記載されている。この記録装置においては、タンク装着部が設けられた下側の第1筐体と、第1筐体に対して上向きに回動可能であって、第1筐体に近接した近接位置と近接位置のときよりも第1筐体から離隔した離隔位置とを取り得る第2筐体とを有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−345307号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に記載の記録装置において、本出願人の発明者等は、タンク装着部を第2筐体に設けることを検討したところ、以下の問題が生じることを知見した。
それは、タンクの着脱とは別の目的(例えば内部の保守作業)によって、第2筐体を回動させるときに、タンクがタンク装着部へ装着される途中(タンク装着部に存在はするが、装着されていない状態)だった場合に生じる問題であり、これにより、タンクが第2筐体の回動に連動してタンク装着部内で移動し、その結果、タンクとタンク装着部とが衝突し、タンクやタンク装着部が破損する弊害が予想される。さらに、第2筐体を離隔位置に回動した状態で、ユーザがタンクをタンク装着部に装着した場合も、同様にタンクやタンク装着部が破損する弊害が予想される。
【0005】
そこで、本発明の目的は、タンクとタンク装着部との衝撃を抑制する記録装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の記録装置は、記録媒体に画像を記録するための記録剤を収容するタンクが装着されるタンク装着部と、第1筐体と、前記第1筐体に軸を介して連結され当該軸を中心として前記第1筐体に対して回動可能であり、当該回動によって、前記第1筐体に近接して記録媒体に画像が記録される際の近接位置と前記近接位置のときよりも前記第1筐体から離隔する離隔位置とを取り得るものであって、前記離隔位置において前記タンク装着部に対する前記タンクの装着方向が鉛直下向きを含む方向となるように前記タンク装着部が設けられた第2筐体とを備えている。そして、前記タンク装着部には、前記第2筐体が前記離隔位置にあるときに、前記タンクが前記タンク装着部の内側面から受ける動摩擦力とは別の力であり前記装着方向とは逆方向の抵抗力を、装着される前記タンクに付与する抵抗力付与機構が設けられている。
【0007】
これによると、第2筐体が離隔位置にあるときにタンク装着部にタンクが装着されても、タンクには、タンクとタンク装着部の内側面との間の動摩擦力に加えて抵抗力が付与されるため、タンクとタンク装着部との衝撃を抑制することが可能となる。そのため、タンクやタンク装着部が破損しにくくなる。
【0008】
本発明において、前記タンク装着部の前記装着方向の下流端には、前記タンクとの接触を検知可能な接点が設けられており、前記抵抗力付与機構は、前記装着方向に関して、前記接点よりも上流において前記抵抗力を前記タンクに付与することが好ましい。これにより、接点の破損を抑制することが可能となる。
【0009】
また、本発明において、前記抵抗力付与機構は、前記接点に隣接した位置に配置されていることが好ましい。これにより、接点の破損をより確実に抑制することが可能となる。
【0010】
また、本発明において、前記抵抗力付与機構は、前記第2筐体が前記離隔位置にあるときに前記タンク装着部の前記内側面から突出する突出位置と、前記第2筐体が前記近接位置にあるときに前記タンク装着部の前記内側面から突出しない退避位置との間において移動する移動体を有していることが好ましい。これにより、第2筐体が離隔位置にあるときに移動体が突出位置にあるので、タンクの装着方向への移動を止めることが可能となる。また、第2筐体が近接位置にあるときは移動体が退避位置にあるので、第2筐体が近接位置にあるときはタンク装着が容易になる。
【0011】
また、本発明において、前記抵抗力付与機構は、前記移動体を前記突出位置に向けて付勢する付勢部と、前記第2筐体が前記離隔位置から前記近接位置に回動する際に、前記付勢部による付勢に抗って、前記移動体を前記突出位置から前記退避位置に移動させるように前記移動体と係合する係合部とを有していることが好ましい。これにより、第2筐体の回動に連動して、移動体を突出位置及び退避位置に確実に移動させることができる。
【0012】
また、本発明において、前記抵抗力付与機構は、前記第2筐体が前記離隔位置にあるときに、前記付勢部による付勢に抗って、前記移動体が前記突出位置に保持されるように前記移動体の移動を規制する規制部を有していることが好ましい。これにより、第2筐体が離隔位置にあるときに、タンクの装着方向への移動を確実に止めることが可能となる。
【0013】
また、本発明において、前記突出位置において、前記移動体の頂部から前記装着方向上流側に向かって傾斜する傾斜面は、前記移動体の前記頂部から前記装着方向下流側に向かって傾斜する傾斜面よりも前記内側面に対する角度が大きいことが好ましい。これにより、第2筐体が離隔位置にあるときに、タンクの装着方向への移動をより確実に止めることが可能となる。加えて、タンクをタンク装着部から抜き取る際の抵抗が小さくなる。
【0014】
また、本発明において、前記抵抗力付与機構が、弾性体から構成されていることが好ましい。これにより、抵抗力付与機構の構成が簡単になる。
【0015】
また、本発明において、記録媒体を支持する支持部と、前記支持部に支持された記録媒体に対して、記録剤を用いて画像を記録する記録部とをさらに備えている。そして、前記第1筐体は、前記支持部を支持し、前記第2筐体は、前記第2筐体が前記近接位置にあるときに、前記記録部が前記支持部に対向するように、前記記録部を支持することが好ましい。これにより、第2筐体が離隔位置にあるとき、記録部と支持部との間でジャムした記録媒体を除去する保守作業、記録部の保守作業、及び、支持部の保守作業をユーザにより行わせることができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明の記録装置によると、第2筐体が離隔位置にあるときにタンク装着部にタンクが装着されても、タンクには、タンクとタンク装着部の内側面との間の動摩擦力に加えて抵抗力が付与されるため、タンクとタンク装着部との衝撃を抑制することが可能となる。そのため、タンクやタンク装着部が破損しにくくなる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の一実施形態によるインクジェットプリンタを示す外観斜視図である。
【図2】プリンタの内部を示す概略側面図である。
【図3】カートリッジ装着部及び抵抗力付与機構の構成を示す説明図であり、(a)はカートリッジ装着部の正面図であり、(b)は図3(a)に示すIII-III線に沿った断面図であり、(c)は上筐体が離隔位置にあるときの断面図である。
【図4】本発明の一実施形態による抵抗力付与機構の変形例を示す説明図であり、(a)はカートリッジ装着部の正面図であり、(b)は図4(a)に示すIV-IV線に沿った断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の好適な実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。
【0019】
先ず、図1及び図2を参照し、本発明に係る記録装置の一実施形態としてのインクジェットプリンタ1の全体構成について説明する。
【0020】
プリンタ1は、共に直方体形状で且つサイズが略等しい上筐体1a及び下筐体1bを有する。上筐体(第2筐体)1aは下面が開口し、下筐体(第1筐体)1bは上面が開口している。上筐体1aが下筐体1b上に重なり、互いの開口面を封止することで、プリンタ1内部の空間が画定される(図2参照)。上筐体1aの天板上部には、排紙部31が設けられている。上及び下筐体1a,1bにより画定される空間には、後述の給紙ユニット1cから排紙部31に向けて、図2に示す太矢印に沿って、用紙Pが搬送される用紙搬送経路が形成されている。
【0021】
上筐体1aは、図2に示すように、その下端の一辺において主走査方向に延在する軸1hを介して下筐体1bに連結されている。そして、上筐体1aは、当該軸1hを中心として、下筐体1bに対して回動可能となっている。上筐体1aは、回動することで、下筐体1bに近接した近接位置(図2に示す位置)と、近接位置のときよりも下筐体1bから離隔した離隔位置(図1に示す位置)とを取り得る。上筐体1aが離隔位置にあるとき、近接位置にある上筐体1a及び下筐体1bによって形成されている用紙搬送経路の一部が外部に露出され、用紙搬送経路上にユーザの作業空間が確保される。上筐体1aが離隔位置に位置し作業空間が確保されると、ジャム処理や記録部9及び支持部60の保守作業を行うことが可能となる。ジャム処理は、記録動作中に用紙搬送経路においてジャムした用紙Pをユーザが除去する作業である。記録部9の保守作業とは、吐出面10aに付着した異物をユーザが除去する作業、ヘッド10の取り付け位置をユーザが調整する作業、ヘッド10をユーザが交換する作業などである。また、支持部60の保守作業とは、支持面61aに付着した異物をユーザが除去する作業、支持部60の取り付け位置をユーザが調整する作業、支持部60をユーザが交換する作業などである。また、保守作業は、記録部9及び支持部60の保守作業以外にも、上筐体1a及び下筐体1b内に収容される構成要素(給紙ローラ21や、ガイド29、送りローラ対22〜28)の清掃作業や交換作業も含まれる。軸1hには、上筐体1aを開放する方向に(近接位置から離隔位置に向けて)付勢するバネ(不図示)が設けられている。本実施形態において、上筐体1aは、水平面に対して略35度の傾斜角度まで開くことができる。
【0022】
上筐体1aの正面(図1の紙面左手前側の面)には、近接位置にある上筐体1aの回動を規制するロック機構70が設けられている。下筐体1bの正面には、上筐体1aの正面を覆う開閉可能な蓋1dが設けられている。蓋1dは、下端に設けられた軸1g(図2参照)を中心に回動して上筐体1aの正面を開閉する。蓋1dを開放することによってロック機構70及び2つのカートリッジ35が露出される。上筐体1aを近接位置から離隔位置に回動させる場合は、まず、ユーザは、蓋1dを開放し、ロック機構70による規制を解除してから上筐体1aを回動させる。一方、元に戻す場合は、ユーザは、上筐体1aを離隔位置から近接位置に戻してから、ロック機構70で上筐体1aの回動を規制し、蓋1dを閉める。
【0023】
上筐体1aは、2つのヘッド10(図2に太矢印で示す用紙搬送方向上流側から順に、前処理液を吐出するプレコートヘッド10及びブラックインクを吐出するインクジェットヘッド10)、これら2つのヘッド10及び送りローラ対24のうちの上側のローラを支持するフレーム3、上筐体1aに形成された2つのカートリッジ装着部(タンク装着部)80にそれぞれ装着された2つのカートリッジ35、プリンタ1各部の動作を制御する制御装置1p(図2参照)を収容している。本実施形態においては、2つのヘッド10とフレーム3とによって、用紙Pに画像を記録する記録部9が構成されている。2つのヘッド10は、フレーム3を介して上筐体1aに保持されている。
【0024】
さらに、上筐体1aは、送りローラ対25,26のうちの上側のローラ、これらローラ対25,26間のガイド29のうちの上側のガイド、送りローラ対27,28及び用紙搬送方向に沿って送りローラ対26,28間の2組のガイド29も収容している。つまり、上筐体1aが近接位置から離隔位置に回動することで、これらの収容部品がすべて上筐体1aとともに移動する。なお、図2では、上筐体1aに収容されている一部の部品の図示を省略している。
【0025】
下筐体1bは、支持部60及び給紙ユニット1cを収容(保持)している。さらに下筐体1bは、用紙センサ32、送りローラ対22,23及び用紙搬送方向に沿って給紙ユニット1cと送りローラ対23との間の2組のガイド29も収容している。
【0026】
各カートリッジ(タンク)35は、対応するヘッド10に供給される記録剤としての前処理液又はブラックインク(以下、これらを「液体」と総称する。)を貯留している。前処理液は、インクの滲みや裏抜けを防止する機能、インクの発色性や速乾性を向上させる機能等を有する液体である。
【0027】
カートリッジ35は、略直方体の外形形状を有する。図3(c)に示すように、カートリッジ装着部80に対するカートリッジ35の装着方向において、カートリッジ35における下流側の面である前面35aに、液体供給部36と接点37が設けられている。これら液体供給部36と接点37は、主走査方向に並んで配置されている。液体供給部36は、前面35aに形成された開口を封止するゴムなどの弾性部材から構成されている。そして、カートリッジ35がカートリッジ装着部80に装着されると、液体供給部36(すなわち、弾性部材)に後述の中空針86が貫通し、当該カートリッジ35と対応するヘッド10が、中空針86に接続されたチューブ(不図示)及びポンプ(不図示)を介して接続される。こうして、カートリッジ35内の液体がヘッド10に供給される。なお、各ポンプは、対応するヘッド10に液体を強制的に送るとき(すなわち、パージ動作や液体の初期導入が行われるとき)だけ制御装置1pによって駆動される。また、画像記録時におけるヘッド10には、流路内に負圧が生じるため、カートリッジ35内の液体が自動的にヘッド10に供給される。本実施形態におけるカートリッジ35の接点37は、カートリッジ35の液体情報(例えば、液体の種類及び量)などが記憶されたICチップの接点であるが、例えば、カートリッジ35に設けられたセンサなどに電力を供給する接点であってもよい。
【0028】
各ヘッド10は、主走査方向に長尺なライン式であり、略直方体の外形形状を有する。2つのヘッド10は、副走査方向に互いに離隔してフレーム3に支持されている。また、各ヘッド10は、上筐体1aが近接位置にあるときに、支持部60と記録に適した間隔で対向するように、フレーム3に支持されている。各ヘッド10の上面には、中空針86に接続されたチューブが取り付けられるジョイントが設けられる。また、各ヘッド10の下面の吐出面10aには、多数の吐出口が開口し、各ヘッド10の内部には、カートリッジ35から供給された液体が吐出口に至るまでの流路が形成されている。
【0029】
給紙ユニット1cは、給紙トレイ20及び給紙ローラ21を有する。このうち給紙トレイ20が下筐体1bに対して副走査方向に着脱可能である。給紙トレイ20は、上方に開口する箱であり、複数種類のサイズの用紙Pを収容可能である。給紙ローラ21は、制御装置1pの制御により回転し、給紙トレイ20の最も上方にある用紙Pを送り出す。給紙ローラ21によって送り出された用紙Pは、ガイド29によりガイドされ且つ送りローラ対22,23によって順次挟持されつつ支持部60へと送られる。
【0030】
支持部60は、記録部9に鉛直方向に対向して配置されている。支持部60は、ヘッド10とそれぞれ対向する2つのプラテン61と、これらプラテン61を支持するフレーム11とを有している。フレーム11は、下側の送りローラ24を回転可能に支持している。
【0031】
プラテン61は、主走査方向及び副走査方向に関して吐出面10aより一回り大きなサイズを有し、且つ、鉛直方向に互いに対向して配置されている。
【0032】
プラテン61の表面は、吐出面10aに対向しつつ用紙Pを支持する支持面61aであり、用紙Pを保持できるように材料や加工に工夫が施されている。例えば支持面61aに、弱粘着性のシリコン層を形成したり、副走査方向に沿ったリブを多数形成したりすることで、支持面61a上に載置された用紙Pの浮き等が防止される。また、プラテン61は、樹脂により構成されている。
【0033】
本実施形態では、制御装置1pが外部装置から記録指令を受信すると、その記録指令に基づいて、給紙ローラ21用の給紙モータ(不図示)、各送りローラ対22〜28用の送りモータ(不図示)等を駆動する。給紙トレイ20から送り出された用紙Pは、ガイド29を通って支持部60に送られる。支持部60へと送られた用紙Pは、支持面61aに支持され且つ回転する送りローラ対23,24,25に挟持されつつ搬送される。用紙Pが2つのヘッド10の真下を順次通過する際に、制御装置1pの制御により各ヘッド10が駆動され、各吐出面10aの吐出口から用紙Pの表面に向けて液体が吐出されることで、用紙P上に画像が形成される。吐出口からの液体吐出動作は、用紙センサ32からの検出信号に基づき、制御装置1pによる制御の下で行われる。用紙Pは、その後ガイド29によりガイドされ且つ送りローラ対26,27,28によって挟持されつつ上方に搬送され、上筐体1a上部に形成された開口30から排紙部31へと排出される。
【0034】
この記録動作中に、制御装置1pはジャム(用紙搬送経路における用紙Pの詰まり)の発生を検知可能である。具体的には、ジャムの発生は、用紙センサ32や、送りローラ対22〜28の駆動モータからの信号に基づいて、制御装置1pが検知する。そして、記録動作中にジャムが生じた場合、制御装置1pがヘッド10、各モータなどを制御して、記録動作自体を中断する。そして、ユーザが、ジャム処理(用紙搬送経路における用紙Pの詰まりを解消する作業)を行うために、蓋1dを開放し、ロック機構70による規制を解除してから上筐体1aを回動させる。ユーザは、上及び下筐体1a,1b間に形成された作業空間において、詰まった用紙Pを取り除いた後、上筐体1aを近接位置に戻す。その後、ロック機構70で上筐体1aの回動を規制し、蓋1dを閉める。こうして、ジャム処理作業が終了する。この後、再度、制御装置1pが外部装置からの記録指令を受信することで、記録動作が開始される。
【0035】
次いで、図1〜図3を参照し、カートリッジ装着部80について説明する。
【0036】
カートリッジ装着部80は、図1及び図2に示すように、上筐体1aの上部に2つ設けられている。これらカートリッジ装着部80は、図1及び図3(a)に示すように、主走査方向に並んで配置されている。2つのカートリッジ装着部80は、図3(a)に示すように、主走査方向に関して両者のちょうど中間を通る鉛直方向の直線L(2点鎖線)に対して線対称に形成されている。なお、各カートリッジ装着部80の構成は同じであるため、1つのカートリッジ装着部80について、以下に説明する。
【0037】
カートリッジ装着部80は、図3に示すように、略直方体形状のカートリッジ35が装着可能な凹部81を有している。この凹部81の開口81bは、カートリッジ35が挿入される挿入口であり、上筐体1aの正面に形成されている。凹部81は、カートリッジ装着部80へのカートリッジ35の装着方向において、開口81bから下流側に向かって延出している。これにより、カートリッジ装着部80へのカートリッジ35の装着方向は、上筐体1aが近接位置にあるときには水平方向(図3(b)参照)であり、上筐体1aが離隔位置にあるときには鉛直下向き成分を含む方向(図3(c)参照)となる。カートリッジ装着部80へのカートリッジ35の装着方向において、凹部81の下流側の面である底部82には、接点83及び中空針86が設けられている。これら接点83及び中空針86は、主走査方向に並んで配置されている。接点83は、カートリッジ35が凹部81に完全に装着されたときに、接点37(図3(c)参照)と電気的に接続される。ここで、カートリッジ35が凹部81に完全に装着された状態とは、液体供給部36が中空針86により貫かれるときのカートリッジ35の配置場所に、カートリッジ35が位置する状態である。本実施形態における接点83はIC基板からなる。変形例として、接点83は、例えば、カートリッジ35に設けられたセンサなどに電力を供給する接点と電気的に接続される接点であってもよい。中空針86は、カートリッジ35の装着方向に沿って底部82から突出して形成されている。中空針86は、ヘッド10に接続されたチューブ(不図示)と接続されている。そして、中空針86が液体供給部36を貫通することで、カートリッジ35と対向するヘッド10とが接続される。
【0038】
カートリッジ装着部80には、図3に示すように、接点83及び中空針86に隣接した位置に貫通部84が形成されている。貫通部84は、凹部81の下側の内側面81aに開口している。カートリッジ装着部80の貫通部84には、抵抗力付与機構90が設けられている。抵抗力付与機構90は、揺動部材91、係合部95及びバネ92などを有する。貫通部84は、カートリッジ装着部80へのカートリッジ35の装着方向において、中空針86と重なる位置に配置されている。つまり、抵抗力付与機構90は、カートリッジ装着部80へのカートリッジ35の装着方向において、中空針86と重なる位置に配置されている。
【0039】
変形例として、貫通部84が凹部81の内側面81a以外の左右又は上側の内側面に開口し、そこに抵抗力付与機構90が設けられていてもよい。
【0040】
揺動部材91は、貫通部84に設けられた主走査方向に延在する軸89に揺動可能に支持されている。なお、貫通部84は、内側面81aにおいて接点83及び中空針86の先端よりも装着方向上流に設けられている。つまり、揺動部材91は、装着方向に関して、接点83及び中空針86の先端よりも上流において、カートリッジ35に抵抗力を付与可能に配置されている。揺動部材(移動体)91は、図3(b)に示すように、上筐体1aが近接位置にあるときに、副走査方向に沿って水平に延在する水平部91aと、水平部91aの一端から斜め下方に延在する傾斜部91bとを有し、「L」の字形状となっている。水平部91aの上面は、上筐体1aが近接位置にあるときに、凹部81の内側面の一部を構成している。
【0041】
傾斜部91bの下端部(軸89から遠い端部)には、コイルバネ(付勢部)92の一端が固定されている。バネ92の他端は、カートリッジ装着部80の下面に形成されたフランジ93に固定されている。これにより、揺動部材91がバネ92によって図3(b)中時計回りに付勢されている。本実施形態においては、付勢部として、コイルバネを採用しているが、同方向に付勢可能であれば、どのような弾性部材が採用されていてもよい。なお、バネ92も上筐体1aに支持されている。
【0042】
傾斜部91bの下端部には、突出部97が形成されている。上筐体1aには、傾斜部91b近傍にストッパ94が形成されている。これら突出部97とストッパ94とによって、揺動部材91の揺動範囲を規制する規制部96が構成されている。つまり、上筐体1aが離隔位置に回動した際に、揺動部材91がバネ92の付勢力によって回動しても、突出部97とストッパ94がバネ92の付勢に抗するように当接する。この当接によって揺動部材91の回動範囲が規制され、水平部91aが突出位置(後述する)に保持される。これにより、揺動部材91がバネ92によって回動し過ぎずに、突出位置に位置付けられ、上筐体1aが離隔位置にあるときに、カートリッジ装着部80において、カートリッジ35が装着方向に移動するのを確実に止めることが可能となる。
【0043】
図1に示すように、係合部95は、下筐体1bを構成する2つのフレーム1eの上端にそれぞれ形成されている。係合部95は、図3(b)に示すように、上筐体1aが近接位置にあるときに、貫通部84と対向するように形成されている。また、係合部95は、上筐体1aが近接位置にあるときに、傾斜部91bと係合する傾斜面95aを有している。また、係合部95は、上筐体1aが離隔位置から近接位置に回動する際に、傾斜部91bと係合することで揺動部材91を図3(b)中反時計回りに回動させる。
【0044】
次に、抵抗力付与機構90の動作について説明する。
抵抗力付与機構90は、上筐体1aの回動に連動する。つまり、上筐体1aが近接位置にあるときは、抵抗力付与機構90の揺動部材91は、バネ92によって付勢されているが、傾斜部91bと係合部95とが係合しているので、揺動部材91の回動は規制されている。このため、揺動部材91は、水平部91aの先端が凹部81に突出しない、つまり、内側面81aから突出しない退避位置に配置されている。
【0045】
上筐体1aを近接位置から離隔位置に回動させると、図3(c)に示すように、上筐体1aに支持された揺動部材91が係合部95から離れ、係合部95と傾斜部91bとの係合が解除される。これによって、揺動部材91がバネ92の付勢力によって回動し、揺動部材91の水平部91aが、内側面81aから突出した突出位置に配置される。このとき、上述のように突出部97とストッパ94とが当接するので、水平部91aが確実に突出位置に位置付けられる。また、このとき、水平部91aの先端頂部91cから装着方向上流側に向かって傾斜する傾斜面91dは、水平部91aの先端頂部91cから装着方向下流側に向かって傾斜する傾斜面91eよりも、内側面81aに対する角度が大きい。上筐体1aが離隔位置にあるときに、カートリッジ35の装着方向への移動をより確実に止めることが可能となる。加えて、カートリッジ35をカートリッジ装着部80から抜き取る際に、傾斜面91eにカートリッジ35の内側面81aと対向する面が引っ掛かりにくくなって、カートリッジ35の抜き取り抵抗が小さくなる。
【0046】
上筐体1aを離隔位置から近接位置に向けて回動すると、傾斜部91bの下端が係合部95の傾斜面95aにまずは当接する。そして、上筐体1aが近接位置に近づくに連れて、傾斜部91bが傾斜面95aに押される。上筐体1aが近接位置に到達すると、揺動部材91は、係合部95と係合することにより、退避位置に位置付けられる。すなわち、係合部95は、揺動部材91を突出位置から退避位置に移動させるように、バネ92の付勢に抗して傾斜部91bと係合する。こうして、揺動部材91は、上筐体1aの回動に応じて、突出位置と退避位置とを選択的に取り得る。
【0047】
このように本実施形態においては、上筐体1aが近接位置にあるときだけ、揺動部材91が退避位置に位置付けられる。このとき、カートリッジ35をカートリッジ装着部80に装着しても、カートリッジ35は、揺動部材91に引っ掛かることなく、カートリッジ装着部80に装着できる。また、上筐体1aが近接位置にあるときは、カートリッジ装着部80へのカートリッジ35の装着方向は水平方向(副走査方向)に平行である。このため、ユーザによる任意の装着力によってカートリッジ35をカートリッジ装着部80に装着することが可能となる。したがって、接点37,83同士、及び、液体供給部36と中空針86に大きな衝撃が加わらず、これらカートリッジ35及びカートリッジ装着部80を破損させずに、カートリッジ35をカートリッジ装着部80に装着することが可能となる。
【0048】
一方、カートリッジ35の装着方向の前端がカートリッジ装着部80の凹部81に挿入された状態において、上筐体1aが近接位置から離隔位置に回動される場合は、上筐体1aの回動に連動して、カートリッジ装着部80に対してカートリッジ35が斜め下方、すなわち、鉛直下向きを含む方向に移動する。また、上筐体1aが離隔位置にある状態において、カートリッジ35がカートリッジ装着部80の凹部81に挿入される場合は、図3(c)に示すように、カートリッジ装着部80に対するカートリッジ35の装着方向は斜め下方、すなわち、鉛直下向きを含む方向である。
【0049】
このとき、上筐体1aが離隔位置にある状態では、揺動部材91が突出位置に位置付けられている。このため、カートリッジ35が、例えば、図3(c)に示すように、2点鎖線で示す位置から装着方向に沿って勢いよく移動してきても、揺動部材91によってその移動が止められる。つまり、カートリッジ35が完全に装着されるまでに、突出位置に配置された揺動部材91の先端とカートリッジ35とが当接し、揺動部材91によってカートリッジ35の移動を停止させる抵抗力(カートリッジ35と凹部81の左右、上下の内側面との接触によって生じる動摩擦以外の力であって装着方向とは逆方向の力)が付与される。このときのカートリッジ35と揺動部材91との当接による衝撃力は、カートリッジ35が完全に装着される位置まで移動したときの衝撃力よりも小さくなる。よって、カートリッジ35及び揺動部材91が当接によって破損することはない。そして、カートリッジ35の移動が止められることで、接点37,83同士、及び、液体供給部36と中空針86に大きな衝撃が加わらず、これらカートリッジ35及びカートリッジ装着部80の破損を防ぐことが可能となる。
【0050】
以上に述べたように、本実施形態に係るプリンタ1によると、カートリッジ35がカートリッジ装着部80へ装着される途中の状態のときに上筐体1aが近接位置から離隔位置に回動しても、上筐体1aが離隔位置にあるときにカートリッジ装着部80にカートリッジ35が装着されても、カートリッジ35には、カートリッジ35と内側面81aとの間の動摩擦力に加えて、揺動部材91による抵抗力が付与される。このため、カートリッジ装着部80とカートリッジ35との衝撃を抑制することが可能となる。そのため、カートリッジ装着部80やカートリッジ35が破損しにくくなる。
【0051】
ここで、上筐体1aが近接位置から離隔位置に回動されることによって、前述したようにユーザの作業空間が確保される。上筐体1aが離隔位置に位置し作業空間が確保されると、ジャム処理や記録部9及び支持部60の保守作業を行うことが可能となる。つまり、ユーザは、ジャム処理や記録部9及び支持部60の保守作業を行うために上筐体1aを近接位置から離隔位置へ回動するのであって、カートリッジ35の挿抜するために上筐体1aを回動するのではない。つまり、上筐体1aの回動は、カートリッジ35の挿抜とは別の目的によって行われる。そのため、カートリッジ35がカートリッジ装着部80へ装着される途中の状態のときに、ユーザが上筐体1aを近接位置から離隔位置に回動させたり、上筐体1aが離隔位置にあるときに、ユーザがカートリッジ装着部80にカートリッジ35が装着しようとする場合があり得る。本実施形態においては、カートリッジ装着部80とカートリッジ35との衝撃を抑制することが可能であるため、カートリッジ装着部80やカートリッジ35が破損しにくくなる。
【0052】
揺動部材91が、装着方向に関して、接点83及び中空針86の先端よりも上流に配置されている。このため、カートリッジ35に対する抵抗力を接点83及び中空針86の先端よりも上流において付与することが可能となる。したがって、接点83及び中空針86の破損を抑制することが可能となる。
【0053】
ここで、本実施形態において、接点83と、カートリッジ35の接点37とは、互いに電気的に接続される。電気的に接続される接点83及び接点37に変形が生じると、電気的に接続できなくなる虞がある。しかし、抵抗力付与機構90によりカートリッジ35とカートリッジ装着部80との衝撃が緩和されるため、接点37及び接点38の変形を抑制できるため、カートリッジ35及びカートリッジ装着部80の損傷を抑制することが可能となる。
【0054】
また、仮に、揺動部材が、主走査方向に関して、凹部81の中心よりも接点83及び中空針86から離れた位置に配置されていると、上筐体1aが離隔位置にあるときにカートリッジ35が凹部81に装着されると、カートリッジ35と揺動部材との当接箇所を回転中心としてカートリッジ35が回動し、接点83及び中空針86に接触する虞がある。しかしながら、本発明においては、揺動部材91は、主走査方向に関して、接点83及び中空針86に隣接した位置に配置されている。このため、接点83及び中空針86の破損をより確実に抑制することが可能となる。
【0055】
抵抗力付与機構90が、退避位置と突出位置とを取り得る揺動部材91を有しているので、カートリッジ35の装着方向への移動を止めることが可能となる。また、上筐体1aが近接位置にあるときは揺動部材91が退避位置にあるので、上筐体1aが近接位置にあるときはカートリッジ35の装着が容易になる。
【0056】
また、抵抗力付与機構90が、揺動部材91を付勢するバネ92と、揺動部材91と係合する係合部95とを有しているので、上筐体1aの回動に連動して、揺動部材91を突出位置及び退避位置に確実に移動させることができる。
【0057】
また、上筐体1aに記録部9が、下筐体1bに支持部60が支持されているので、上筐体1aを近接位置から離隔位置に回動させることで、記録部9と支持部60との間でジャムした用紙Pを除去する保守作業、記録部9の保守作業、及び、支持部60の保守作業をユーザにより行わせることができる。
【0058】
変形例として、図4に示すような抵抗力付与機構290を採用してもよい。本変形例における抵抗力付与機構290は、図4(a)に示すように、各カートリッジ装着部80の凹部81の底部82にそれぞれ設けられている。各抵抗力付与機構290は、主走査方向に沿って並んだ2つの弾性体291を有している。
【0059】
弾性体291は、底部82に形成された円形の穴82bに配置されたバネ292と、バネ292に固定された円柱部293とを有している。円柱部293の直径は、穴82bの直径よりも若干小さくなっている。円柱部293は、カートリッジ装着部80にカートリッジ35が装着されていないときに、一部が穴82bから突出した突出位置(図4(b)に示す位置)に配置されるようにバネ292によって付勢されている。円柱部293の先端は、突出位置において、装着方向に関して中空針86の先端よりも上流側に配置されている。
【0060】
この構成において、上筐体1aが離隔位置にあって、カートリッジ35がカートリッジ装着部80の凹部81に装着方向に沿って勢いよく移動してきても、カートリッジ35の前面35aと弾性体291の先端とが当接する。このとき、バネ92によって、カートリッジ35の装着方向の衝撃が吸収される。つまり、弾性体291によって衝撃力を緩和しつつカートリッジ35の移動を停止させる抵抗力が付与される。この結果、接点37,83同士、及び、液体供給部36と中空針86に大きな衝撃が加わらず、これらカートリッジ35及びカートリッジ装着部80の破損を防ぐことが可能となる。この後、ユーザが、バネ292の付勢力よりも大きな力でカートリッジ35を押し込むことで、カートリッジ装着部80にカートリッジ35を装着できる。本変形例においては、上筐体1aが離隔位置及び近接位置のいずれにあっても、カートリッジ装着部80とカートリッジ35との衝撃を抑制しつつ、カートリッジ装着部80にカートリッジ35を装着できる。また、本変形例においては、2つの弾性体291が抵抗力付与機構290を構成しているため、当該機構の構成自体が簡単になる。なお、本変形例の抵抗力付与機構290は、1つの弾性体291から構成されていてもよい。この場合、当該弾性体291は、接点83及び中空針86に隣接した位置に配置されていることが好ましい。
【0061】
以上、本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明は上述の実施の形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々な変更が可能なものである。例えば、上述の実施形態におけるプリンタ1は、カートリッジ35を有しているが、記録装置としては、カートリッジ35自体を有していなくてもよい。つまり、カートリッジ35が装着できるカートリッジ装着部80を有しておればよい。また、カートリッジ装着部80は、主走査方向に沿って3以上設けられていてもよいし、鉛直方向に関して重なるように配置されていてもよい。また、カートリッジには、用紙に画像を記録するためにヘッド10に供給される記録剤としての前処理液又はインクを貯留する貯留部を有しているが、この他にヘッド10から排出された廃液を貯留する廃液貯留部を有していてもよい。
【0062】
カートリッジ35の接点37は、接点83と電気的に接続される接点でなくても良い。接点37は、接点83と接触すればよい。接点83は、カートリッジ35の接点37と電気的に接続される接点でなくても良い。例えば、接点83は、カートリッジ35の接点37と接触することにより押圧されて検出信号を出力するメカスイッチであっても良い。
【0063】
本発明は、ライン式・シリアル式のいずれにも適用可能であり、また、プリンタに限定されず、ファクシミリやコピー機等にも適用可能であり、さらに、インク以外の液体を吐出させることで記録を行う記録装置にも適用可能である。本発明は、インクジェット式に限定されず、例えばレーザー式、サーマル式等の記録装置にも適用可能である。記録媒体は、用紙Pに限定されず、記録可能な様々な媒体であってよい。
【0064】
抵抗力付与機構90は、カートリッジ装着部80へのカートリッジ35の装着方向において、接点83と重なる位置に配置されていてもよい。抵抗力付与機構90,290は、カートリッジ装着部80の開口81b近傍に設けられていてもよい。つまり、接点83などから大きく離れていてもよい。抵抗力付与機構90は、規制部96を有していなくてもよい。また、揺動部材91が突出位置にあるときに、水平部91aの傾斜面91dは、傾斜面91eよりも、内側面81aに対する角度が小さくてもよいし、同じでもよい。弾性体291は、ゴムなどの弾性材料から構成されたものであってもよい。
【符号の説明】
【0065】
1 インクジェットプリンタ(記録装置)
1a 上筐体(第2筐体)
1b 下筐体(第1筐体)
1h 軸
9 記録部
35 カートリッジ(タンク)
60 支持部
80 カートリッジ装着部(タンク装着部)
90、290 抵抗力付与機構
91 揺動部材(移動体)
91d,91e 傾斜面
92 バネ(付勢部)
95 係合部
96 規制部
291 弾性体


【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録媒体に画像を記録するための記録剤を収容するタンクが装着されるタンク装着部と、
第1筐体と、
前記第1筐体に軸を介して連結され当該軸を中心として前記第1筐体に対して回動可能であり、当該回動によって、前記第1筐体に近接して記録媒体に画像が記録される際の近接位置と前記近接位置のときよりも前記第1筐体から離隔する離隔位置とを取り得るものであって、前記離隔位置において前記タンク装着部に対する前記タンクの装着方向が鉛直下向きを含む方向となるように前記タンク装着部が設けられた第2筐体とを備えており、
前記タンク装着部には、前記第2筐体が前記離隔位置にあるときに、前記タンクが前記タンク装着部の内側面から受ける動摩擦力とは別の力であり前記装着方向とは逆方向の抵抗力を、装着される前記タンクに付与する抵抗力付与機構が設けられていることを特徴とする記録装置。
【請求項2】
前記タンク装着部の前記装着方向の下流端には、前記タンクとの接触を検知可能な接点が設けられており、
前記抵抗力付与機構は、前記装着方向に関して、前記接点よりも上流において前記抵抗力を前記タンクに付与することを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
【請求項3】
前記抵抗力付与機構は、前記接点に隣接した位置に配置されていることを特徴とする請求項2に記載の記録装置。
【請求項4】
前記抵抗力付与機構は、前記第2筐体が前記離隔位置にあるときに前記タンク装着部の前記内側面から突出する突出位置と、前記第2筐体が前記近接位置にあるときに前記タンク装着部の前記内側面から突出しない退避位置との間において移動する移動体を有していることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の記録装置。
【請求項5】
前記抵抗力付与機構は、前記移動体を前記突出位置に向けて付勢する付勢部と、前記第2筐体が前記離隔位置から前記近接位置に回動する際に、前記付勢部による付勢に抗って、前記移動体を前記突出位置から前記退避位置に移動させるように前記移動体と係合する係合部とを有していることを特徴とする請求項4に記載の記録装置。
【請求項6】
前記抵抗力付与機構は、前記第2筐体が前記離隔位置にあるときに、前記付勢部による付勢に抗って、前記移動体が前記突出位置に保持されるように前記移動体の移動を規制する規制部を有していることを特徴とする請求項5に記載の記録装置。
【請求項7】
前記突出位置において、前記移動体の頂部から前記装着方向上流側に向かって傾斜する傾斜面は、前記移動体の前記頂部から前記装着方向下流側に向かって傾斜する傾斜面よりも前記内側面に対する角度が大きいことを特徴とする請求項4〜6のいずれか1項に記載の記録装置。
【請求項8】
前記抵抗力付与機構が、弾性体から構成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の記録装置。
【請求項9】
記録媒体を支持する支持部と、
前記支持部に支持された記録媒体に対して、記録剤を用いて画像を記録する記録部とをさらに備え、
前記第1筐体は、前記支持部を支持し、
前記第2筐体は、前記第2筐体が前記近接位置にあるときに、前記記録部が前記支持部に対向するように、前記記録部を支持することを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の記録装置。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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