説明

記録装置

【課題】キャリッジと摺動部材との間に介在するギャップ調整カムをスライドさせることによりPGを調整するギャップ調整機構において、キャリッジがギャップ調整カムから浮き上がり、或いはギャップ調整カムが摺動部材から浮き上がることによる首振りを抑制する。
【解決手段】記録ヘッド29を備えたキャリッジ28と、PG変化方向においてキャリッジの本体28aとの相対位置を変位可能に設けられ、キャリッジ28とともに主走査方向に移動するスライダ33と、スライダ33が摺接するガイド部材41と、スライダ33とキャリッジ本体28aの一部との間に介在してPGを変化させるカム部材34と、スライダ33とキャリッジ本体28aとを引き寄せる方向にスライダ33とキャリッジ本体28aとの間で付勢力を発揮する板ばね37と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、媒体に記録を行う記録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
以下、記録装置の一例としてのインクジェットプリンターを例に説明する。インクジェットプリンターは、記録用紙にインクを吐出する記録ヘッドをキャリッジに備えている。このキャリッジは、記録ヘッドの走査方向(以下「主走査方向」と言う)に延びるガイド部材に案内されるとともに、例えば無端ベルトの一部に固定され、当該無端ベルトに牽引されることで主走査方向に往復動作する様に構成されている。
【0003】
ここで、キャリッジにおいて無端ベルトが固定される位置と、キャリッジの重心位置とは通常一致させることはできない為、無端ベルトがキャリッジを牽引する際、キャリッジが回転しようとする現象(”首振り現象”とも呼ばれる)が発生し、インク着弾精度が低下する場合がる。尚、首振りの方向にはいくつかあり、用紙の記録面において用紙搬送方向をy方向、y方向と直交する方向(用紙幅方向)をx方向、記録面と直交する方向をz方向とすれば、x−z平面における首振りや、x−y平面における首振りなどがある。
【0004】
特許文献1には、キャリッジの首振りを防止する為に、ガイド部材(ガイド軸)とキャリッジとの間で付勢力を発揮する付勢手段を設け、これによりキャリッジに予め一定方向の回転モーメントを与えておき、キャリッジの移動方向に拘わらず常に一定方向の回転モーメントを生じさせることで首振りを防止する様に構成された記録装置が記載されている。
【0005】
また特許文献2には、キャリッジの移動方向に沿って設けられた第1及び第2ガイド部材と、キャリッジと、の間のガタを抑える為に、付勢手段によって各ガイド部材と摺接する摺接面がガイド部材に押し付けられる様に構成された画像形成装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006−96028号公報
【特許文献2】特開2004−17314号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところでインクジェットプリンターには記録ヘッドと用紙との間のギャップ(以下「PG」と言う)を調整可能に構成されたものがあり、PGを調整することにより、用紙の厚みに拘わらず適切な記録結果を得ることができる様になっている。
このPGを調整する調整機構には種々のものが提案されており、例えばキャリッジを主走査方向に案内するガイド部材の高さ位置を変化させることによりPGを調整するものがある。
【0008】
ここで、PG調整機構として、ガイド部材は固定的に設けた上で、キャリッジにおいてガイド部材と摺接する摺動部材とキャリッジ本体との間の相対位置を変化させることによりPGを調整する様に構成する場合を考える。より具体的には、摺動部材とキャリッジ本体との間にPGを変化させるギャップ調整カムを介在させ、このギャップ調整カムを変位させることで、摺動部材に対するキャリッジ本体の位置(高さ)を調整し、PGを調整する構成である。
【0009】
この構成では、キャリッジの一部がギャップ調整カムに載り、ギャップ調整カムが摺動部材に載り、そして摺動部材がガイド部材に載った状態となる。しかしながらキャリッジとギャップ調整カムの間、またギャップ調整カムと摺動部材の間は、キャリッジの自重のみが掛かる状態であることから、キャリッジ駆動時にキャリッジがギャップ調整カムから浮き上がり、或いはギャップ調整カムが摺動部材から浮き上がり、即ち首振りが発生する虞がある。上述した従来の記録装置においては、ギャップ調整構造がこの様な構造ではなく、当然に上記の様な技術的課題については考慮されていなかった。
【0010】
そこで本発明はこの様な状況に鑑みなされたものであり、その目的は、キャリッジと摺動部材との間に介在するギャップ調整カムをスライドさせることによりPGを調整するギャップ調整機構において、キャリッジがギャップ調整カムから浮き上がり、或いはギャップ調整カムが摺動部材から浮き上がることによる首振りを抑制することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決する為の、本発明の第1の態様に係る記録装置は、媒体に記録を行う記録ヘッドを備えた、当該記録ヘッドの走査方向に移動可能なキャリッジと、前記記録ヘッドと媒体との間のギャップが変化する方向において前記キャリッジを構成する前記キャリッジの本体との相対位置を変位可能に設けられ、前記キャリッジとともに前記走査方向に移動する、前記キャリッジを構成する摺動部材と、前記摺動部材が接するとともに前記摺動部材を介して前記キャリッジの自重を受ける、前記走査方向に延設されたガイド部材と、前記摺動部材と前記キャリッジの本体の一部との間に介在して前記キャリッジの自重を受け、前記摺動部材及びキャリッジの本体に対して前記走査方向に相対的に変位することにより前記ギャップを変化させる、前記キャリッジを構成するギャップ調整カムと、前記摺動部材と前記キャリッジの本体とを引き寄せる方向に前記摺動部材と前記キャリッジの本体との間で付勢力を発揮する、前記キャリッジを構成する付勢手段とを備えたことを特徴とする。
【0012】
本態様によれば、ガイド部材と摺接する摺動部材とキャリッジ本体との間に介在するギャップ調整カムを変位させることによりギャップ(PG)を調整する構成を備えた記録装置は、摺動部材とキャリッジ本体とを引き寄せる方向に摺動部材とキャリッジ本体との間で付勢力を発揮する付勢手段を備えているので、キャリッジ駆動時にキャリッジ本体がギャップ調整カムから浮き上がり、或いはギャップ調整カムが摺動部材から浮き上がることを抑制でき、即ちキャリッジの首振りを抑制することができ、良好な記録結果を得ることができる。
【0013】
本発明の第2の態様に係る記録装置は、媒体に記録を行う記録ヘッドを備えた、当該記録ヘッドの走査方向に移動可能なキャリッジと、前記記録ヘッドと媒体との間のギャップが変化する方向において前記キャリッジを構成する前記キャリッジの本体との相対位置を変位可能に設けられ、前記キャリッジとともに前記走査方向に移動する、前記キャリッジを構成する摺動部材と、前記摺動部材が接するとともに前記摺動部材を介して前記キャリッジの自重を受ける、前記走査方向に延設されたガイド部材と、前記摺動部材と前記キャリッジの本体の一部との間に介在して前記キャリッジの自重を受け、前記摺動部材及びキャリッジの本体に対して前記走査方向に相対的に変位することにより前記ギャップを変化させる、前記キャリッジを構成するギャップ調整カムと、前記摺動部材と前記キャリッジの本体との間で前記ギャップ調整カムを挟んで圧する、前記キャリッジを構成する挟圧手段とを備えたことを特徴とする。
【0014】
本態様によれば、ガイド部材と摺接する摺動部材とキャリッジ本体との間に介在するギャップ調整カムを変位させることによりギャップ(PG)を調整する構成を備えた記録装置は、摺動部材とキャリッジの本体との間でギャップ調整カムを挟んで圧する挟圧手段を備えているので、キャリッジ駆動時にキャリッジ本体がギャップ調整カムから浮き上がり、或いはギャップ調整カムが摺動部材から浮き上がることを抑制でき、即ちキャリッジの首振りを抑制することができ、良好な記録結果を得ることができる。
【0015】
本発明の第3の態様に係る記録装置は、媒体に記録を行う記録ヘッドを備えた、当該記録ヘッドの走査方向に移動可能なキャリッジと、前記記録ヘッドと媒体との間のギャップが変化する方向において前記キャリッジを構成する前記キャリッジの本体との相対位置を変位可能に設けられ、前記キャリッジとともに前記走査方向に移動する、前記キャリッジを構成する摺動部材と、前記摺動部材が接するとともに前記摺動部材を介して前記キャリッジの自重を受ける、前記走査方向に延設されたガイド部材と、前記摺動部材と前記キャリッジの本体の一部との間に介在して前記キャリッジの自重を受け、前記摺動部材及びキャリッジの本体に対して前記走査方向に相対的に変位することにより前記ギャップを変化させる、前記キャリッジを構成するギャップ調整カムと、前記キャリッジの本体と前記ギャップ調整カムとの間の間隔の拡がり、及び前記ギャップ調整カムと前記摺動部材との間の間隔の拡がり、の少なくともいずれかを規制する、前記キャリッジを構成する規制手段とを備えたことを特徴とする。
【0016】
本態様によれば、ガイド部材と摺接する摺動部材とキャリッジ本体との間に介在するギャップ調整カムを変位させることによりギャップ(PG)を調整する構成を備えた記録装置は、前記キャリッジの本体と前記ギャップ調整カムとの間の間隔の拡がり、及び前記ギャップ調整カムと前記摺動部材との間の間隔の拡がり、の少なくともいずれかが規制されるので、キャリッジの首振りを抑制することができ、良好な記録結果を得ることができる。
【0017】
本発明の第3の態様は、第1の態様において、前記ギャップ調整カムは前記走査方向において複数箇所で前記キャリッジの本体の自重を受け、前記付勢手段は前記走査方向に沿って複数箇所で前記キャリッジの本体に付勢力を付与し、前記走査方向において前記付勢手段が前記キャリッジの本体を付勢する位置が、前記ギャップ調整カムが前記キャリッジの本体の自重を受ける位置の両側に配置されていることを特徴とする。
【0018】
本態様によれば、前記付勢手段は、前記ギャップ調整カムが前記キャリッジの本体の自重を受ける位置の両側で前記キャリッジの本体を付勢するので、前記キャリッジの本体に生じる回転傾向(首振り)をより一層効果的に抑制することができる。
【0019】
本発明の第4の態様は、第1から第3の態様のいずれかにおいて、前記ギャップ調整カムは、前記ギャップが変化する方向の厚みが一定である平坦面と前記厚みが変化する傾斜面とが交互に配置されて成る階段状カム面を有し、前記摺動部材又は前記キャリッジの本体に設けられた当接部が前記階段状カム面と当接することにより前記ギャップが規定される構成を備え、前記キャリッジを駆動するモーターを制御する制御手段は、前記当接部が前記階段状カム面を移動する際の前記モーターの駆動負荷を検出することにより、前記ギャップがいずれの段階にあるかを検出することを特徴とする。
【0020】
本態様によれば、記録装置の制御手段は、ギャップ調整カムが変位する際のキャリッジ駆動用モーターの負荷変動を利用して、ギャップ(PG)がいずれの段階にあるのかを検出するので、ギャップ(PG)がいずれの段階にあるのかを検出する専用の検出手段を設ける必要がなく、装置の低コスト化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の一実施形態に係るプリンターの用紙搬送経路を示す側断面図。
【図2】本発明の一実施形態に係るプリンターの、キャリッジの側面図。
【図3】本発明の一実施形態に係るプリンターの、キャリッジを後方下側から見た斜視図。
【図4】ギャップ調整手段の分解斜視図。
【図5】ギャップ調整手段の断面図。
【図6】ギャップ調整手段の斜視図。
【図7】板ばね(付勢手段)の斜視図。
【図8】キャリッジ本体に板ばね(付勢手段)が係合する様子を示す図。
【図9】(A)、(B)はキャリッジ本体の移動方向とキャリッジ本体の首振り方向を説明する為の模式図。
【図10】PG検出時の制御内容を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明するが、本発明は、以下説明する実施形態に限定されることなく、特許請求の範囲に記載した発明の範囲内で種々の変形が可能であり、それらも本発明の範囲内に含まれるものであることを前提として、以下本発明の一実施形態を説明するものとする。
【0023】
図1は、本発明に係る記録装置、そして更にその一例としてのインクジェットプリンター1の側断面概略図、図2はキャリッジ28の側面図、図3はキャリッジ28を後方下側から見た斜視図、図4はギャップ調整手段32の分解斜視図、図5はギャップ調整手段32の断面図、図6はギャップ調整手段32の斜視図、図7は板ばね(付勢手段)37の斜視図、図8はキャリッジ本体28aに板ばね(付勢手段)37が係合する様子を示す図である。
【0024】
更に、図9(A)、(B)はキャリッジ28の移動方向とキャリッジ本体28aの首振り方向を説明する為の模式図、図10はPG検出時の制御内容を示すフローチャートである。尚、図6ではキャリッジ本体28aの図示は省略している。また図8ではギャップ調整手段32を構成するスライダ33、カム部材34、等は図示を省略している。
【0025】
尚、図中においてx−y−z座標系は説明の便宜上方向を示したものであり、z方向は鉛直方向(重力方向、用紙記録面と直交する方向)、y方向が用紙Pの搬送方向、x方向がy方向及びz方向と直交する方向(主走査方向、用紙幅方向)である。
【0026】
以下では先ず、インクジェットプリンター1の全体構成を概説する。図1において符号2は媒体の一例としての記録用紙にインクジェット記録を行う記録部を、符号3は記録部2の上部に設けられるスキャナ部を、符号4はスキャナ部3の上部に設けられる自動原稿搬送部を、それぞれ示しており、即ちインクジェットプリンター1はインクジェット記録機能に加えてスキャナ機能を備える複合機として構成されている。
【0027】
装置下部において符号18は記録用紙をセットする着脱可能な用紙カセットであり、符号47は排出された記録用紙を受ける排紙受けトレイである。この記録部2は2つの用紙給送経路を備えており、1つは装置下部に設けられた第2用紙給送部6からの用紙給送経路であり、他の1つは装置背面側に設けられた第1用紙給送部5からの用紙給送経路である。尚、破線Pfは第2用紙給送部6から送り出される記録用紙の通過軌跡を示し、破線Prは第1用紙給送部5から送り出される用紙の通過軌跡を示している。
【0028】
第2用紙給送部6において、用紙カセット18と対向する位置には、回転軸15aを中心に揺動可能なローラー支持部材(アーム部材)15に軸支された、用紙給送手段を構成する給送ローラー17が設けられている。この給送ローラー17は、ローラー支持部材15の揺動動作により用紙カセット18に対して進退可能に設けられ、用紙カセット18に収容された記録用紙Pの最上位のものと接して回転することで、当該最上位の記録用紙Pを下流側に送り出す。
【0029】
給送ローラー17によって送り出された記録用紙Pは、大径の反転ローラー21によって湾曲反転させられた後、搬送手段としての搬送駆動ローラー23及び搬送従動ローラー24に到達する。尚、符号22は反転ローラー21との間で用紙をニップすることにより用紙の分離を行う分離ローラーを示している。
【0030】
一方、記録部2の上部後方に設けられた第1用紙給送部5において、支持部材11は記録用紙を傾斜姿勢に支持するとともに、上部の図示しない揺動軸を中心に揺動することで、支持している用紙の最上位のものを給送ローラー12に圧接させる。給送ローラー12は、回転することにより、圧接している用紙を下流側へ送り出す。尚、符号13は給送ローラー12との間で用紙をニップすることにより用紙の分離を行う分離ローラーを示している。
【0031】
搬送駆動ローラー23及び搬送従動ローラー24は、下流側へと記録用紙Pを精密送りするローラー対であり、このローラー対の下流側にはインクジェット式の記録ヘッド29と、用紙を下流側へ案内する支持部材25とが対向配置されている。
【0032】
記録ヘッド29は、用紙搬送方向と直交する方向(図1の紙面表裏方向:x方向:以下では適宜「主走査方向」或いは「用紙幅方向」と言うこととする)に往復動可能なキャリッジ28の底部に設けられ、主走査方向に移動しながら記録用紙Pに対してインクを吐出することにより記録を行う。尚、符号8はキャリッジ(CR)28を駆動するCR駆動モーターであり、符号9はこのCR駆動モーターを制御する制御部を示している。
【0033】
記録ヘッド29の下流側において、符号43は記録用紙Pの浮きを防止する従動ローラーであり、符号44は回転することにより記録用紙Pを排出する排出駆動ローラーであり、符号45は排出駆動ローラー44との間で記録用紙Pをニップする排出従動ローラーである。これらローラー対により、記録の行われた記録用紙Pは、排紙受けトレイ47に向けて排出される。
【0034】
尚、インクジェットプリンター1は、おもて面(第1面)に記録の行われた記録用紙Pを排紙受けトレイ47に向けて排出せずに、バックフィードして反転ローラー21により湾曲反転させることで、うら面(第2面)への記録が可能となっている。
【0035】
以上がインクジェットプリンター1の大略構成であり、以下、記録ヘッド29と用紙Pとの間のギャップ(PG)を調整するギャップ調整手段32と、キャリッジ28の首振りを抑制する板ばね(付勢手段)37、のこれらについて詳説する。
【0036】
図2において符号40は第1ガイド部材を示し、符号41は第2ガイド部材を示している。第1ガイド部材40、第2ガイド部材41ともに主走査方向に長い形状をなしており、キャリッジ28が主走査方向への移動に際して第1ガイド部材40、第2ガイド部材41によって主走査方向に案内される様になっている。尚、第1ガイド部材40及び第2ガイド部材41は、本実施形態ではともに金属材料により形成されている。
【0037】
より詳しくは、キャリッジ28の上部には摺動部28cが設けられており、この摺動部28cが第1ガイド部材40に摺接する様になっている。またキャリッジ28に設けられた「摺動部材」としてのスライダ33が、第2ガイド部材41の上面に摺接する様になっている。尚、第1ガイド部材40は、専らキャリッジ28の図2における反時計回り方向の回転を止める機能を果たし、第2ガイド部材41は、専らキャリッジ28の自重を受ける機能を果たす。
【0038】
次に、キャリッジ28は、ギャップ調整手段32によって、摺動部28cと第1ガイド部材40との接触状態、及びスライダ33と第2ガイド部材41との接触状態が維持されつつ、キャリッジ28の本体28aが上下方向(z方向)に変位し、これによりPGを調整できる様になっている。
【0039】
即ちギャップ調整手段32は、スライダ33(第1摺動部33a)に対するキャリッジ本体28aの位置を調整することによりPGを調整する。尚、本実施形態では第1ガイド部材40及び第2ガイド部材41は固定的に設けられており、これらが変位することはない。
【0040】
図3、図4、図5においてギャップ調整手段32は、上述の「摺動部材」としてのスライダ33と、「ギャップ調整カム」としてのカム部材34と、を備えて構成されている。スライダ33、カム部材34は、ともにキャリッジ28と一体となって主走査方向に移動する部材であるが、カム部材34はキャリッジ本体28a及びスライダ33に対して主走査方向に変位可能となる様にキャリッジ本体28aに設けられており、このカム部材34が主走査方向に変位することによりPGが変化する。
【0041】
より詳しくは、符号28bはキャリッジ本体28aに一体的に設けられた当接部であり、この当接部28bがカム部材34の上面に載った状態となっている。即ち、キャリッジ28の自重が当接部28bを介してカム部材34に掛かっている。
【0042】
カム部材34は、下面が階段状カム面となっており、符号34a、34b、34c、34d、のこれらは階段状カム面を構成する第1当接部、第2当接部、第3当接部、第4当接部、をそれぞれ示している。そしてこれら当接部が、スライダ33の上面側に形成された支持部33bによって支持される様に構成されている。尚、各カム面は、滑らかな傾斜面(符号34e、34f、34gで示す)によって接続されており、カム部材34が引っかかりなく主走査方向に移動できる様になっている。
【0043】
次に、スライダ33において下面側には第1摺動部33aが形成されており、この第1摺動部33aが、キャリッジ28の移動に際して第2ガイド部材41の上面と摺接する様になっている。また、第2ガイド部材41は図2に示す様にL字状に折れ曲がる様に形成されており、上方に延びる折れ曲がり部41aを、キャリッジ本体28aに設けられた可動スライダ38と固定スライダ39とで挟むことによりキャリッジ28のy方向位置が定まる様になっている(図3:但し図3では第2ガイド部材41は省略)。尚、符号35は、可動スライダ38を固定スライダ39側に向けて付勢するコイルばねである。
【0044】
続いて、図5において符号26はキャリッジ28を主走査方向に牽引する無端ベルトを示している。無端ベルト26は、図示を省略する駆動プーリーと従動プーリーとに係回され、駆動プーリーが図示を省略するモーターにより駆動されることで、無端ベルト26が稼働し、キャリッジ28が主走査方向に移動する様になっている。尚、符号28dは、キャリッジ本体28aにおいて無端ベルト26が固定される位置(被牽引部)を示している。
【0045】
以上の構成において、上述した様にカム部材34はキャリッジ本体28a及びスライダ33に対して主走査方向に変位可能となる様にキャリッジ本体28aに設けられている。また更にスライダ33は、キャリッジ本体28aに対して主走査方向には一体的に移動するもののPG調整方向(z方向)には相対的に動くことができる様にキャリッジ本体28aに設けられており、換言すればスライダ33に対してキャリッジ本体28aがPG調整方向に変位できる様になっている。
【0046】
カム部材34の厚みは、第4当接部34d、第3当接部34c、第2当接部34b、第1当接部34a、のこの順に厚くなるので、従って例えばカム部材34が図5の位置(最もPGが低い状態)から右方向に変位し、スライダ33の支持部33bと当接する当接部が第4当接部34dから第3当接部33c、第2当接部33b、第1当接部34a、と変化していくと、PGが段階的に増加していく様になっている。尚、PGが最も大きい状態から、逆にカム部材34が図5の左方向に移動すれば、上記とは逆にPGが段階的に減少していくこととなる。
【0047】
尚、カム部材34のスライド動作は、図示を省略する係合部とキャリッジ移動動作とによって行われる様になっている。即ち、係合部(不図示)がキャリッジ28の往復動経路においてカム部材34と係合可能な位置と係合しない位置とを変位可能に設けられている。そして係合部(不図示)がカム部材34と係合可能な位置にあるときにキャリッジ28が移動することで、カム部材34が係合部(不図示)と係合し、そして更にキャリッジ28が移動することで、カム部材34のキャリッジ本体28a及びスライダ33に対するスライド動作が行われる様になっている。
【0048】
尚、このカム部材34のスライド動作は、上述の通りカム部材34が係合部(不図示)によって主走査方向に拘束された状態で、キャリッジ28が移動することで実現されるので、PG切り換え時に実際に主走査方向に変位するのはカム部材34ではなく、キャリッジ本体28a及びスライダ33の側となる。
【0049】
尚、インクジェットプリンター1の制御部9は、PGが現在どの段階にあるか(スライダ33の支持部33bが、第1〜第4当接部(34a〜34d)のいずれと当接しているか)について、キャリッジ28を移動させた際のCR駆動モーター8の電流値増加と、キャリッジ移動方向と、キャリッジ移動量と、で検出できる。
【0050】
即ち、CR駆動モーター8の電流値増加により、PGが切り換わったことを判断でき、またPGが最も小さいか或いは最も大きいことを判断できる。また、キャリッジ移動方向により、PGが大きい側に変化するか小さい側に変化するかを判断できる。更に、キャリッジ移動量は、キャリッジ移動量を検出する手段(例えばリニアエンコーダー:不図示)により検出できる。
【0051】
尚、インクジェットプリンター1の制御部(不図示)は、キャリッジ移動量を検出する手段(例えばリニアエンコーダー:不図示)を用いることなくPGが現在どの段階にあるかを把握することもできる。即ち、カム部材33の階段状カム面を構成する各当接部(34a〜34d)は、それぞれの当接部の領域内では厚みが一定であり、スライダ33の支持部33bが各当接部内を摺動する際にはCR駆動モーター8の駆動負荷(電流値)は大きな変化を示さない。しかし、各当接部に挟まれた傾斜面(34e、34f、34g)を支持部33bが移動する際には、CR駆動モーター8の駆動負荷(電流値)は顕著に変化する。
【0052】
図10はその検出方法の一例を示すものであり、先ずキャリッジ28をCR駆動モーター8の駆動電流値がA1以上になるまで、小PG側(PG1側)に移動させる(ステップS101、S102)。即ち、カム部材34は、そのスライド可能範囲が図示を省略する規制部によってPG1〜PG4の範囲に規制されており、カム部材34が前記規制部に到達するまでキャリッジ28を移動させる。
【0053】
尚、PG1とは支持部33bが第4当接部34dと接するときのPGであり、以下同様にPG2は第3当接部34cと当接するときの、PG3は第2当接部34bと当接するときの、PG4は第1当接部34aと当接するときの、PGである。
【0054】
そしてステップS102においてYesの場合、PG=PG1と判定できる(ステップS103)。次いで、キャリッジ28をCR駆動モーター8の駆動電流値がA2以上になるまで、大PG側(PG2側)に移動させる(ステップS104、S105)。即ち、支持部33bが傾斜面34gを通過するかを検出する。
【0055】
ステップS105においてYesであれば、PG=PG2と判定できる(ステップS106)。尚、電流値A2(ステップS105、S108、S111)は、電流値A1(ステップS102)よりも低い値である。そして以降、同様にしてPG3、PG4を検出することができる(ステップS107〜S112)。
【0056】
続いて、付勢手段としての板ばね37について説明する。上述の通りスライダ33にはカム部材34がキャリッジ本体28aの自重により載った状態であり、またカム部材34にはキャリッジ28の当接部28bがキャリッジ本体28aの自重によって載った状態にある。
【0057】
この構成において、図3、図6〜図8に示す板ばね37が、スライダ33とキャリッジ本体28aとを引き寄せる方向にスライダ33とキャリッジ本体28aとの間で付勢力を発揮する付勢手段として機能する様に設けられている。換言すれば、板ばね37が、キャリッジ本体28aの当接部28bとスライダ33との間でカム部材34を挟んで圧する様に設けられている。
【0058】
板ばね37は、取り付けた際にx方向に延びる形状を成し、その両端部にはフック部37aが形成され、中央部には取付部37bが形成されている。板ばね37は、取付部37bを介し、x−z平面で回転しないようにスライダ33に取り付けられる。そしてスライダ33がキャリッジ本体28aに設けられた状態において、板ばね37の両端部に形成されたフック部37aが、キャリッジ本体28aに形成された被係止部28e(図8)に係止する。これにより、板ばね37が、スライダ33とキャリッジ本体28aとを引き寄せる方向にスライダ33とキャリッジ本体28aとの間で付勢力を発揮する様になっている。
【0059】
以下、板ばね37の作用について図9(A)、(B)を参照しつつ説明する。図9(A)はキャリッジ28が同図左方向に牽引される場合を示すものであり、このとき、キャリッジ本体28aには位置R1まわりに回転しようとする傾向(首振り)が生じる。尚、同図において符号Mはキャリッジ28の自重、符号αはキャリッジ移動方向の加速度、gは重力加速度、符号Tbは無端ベルト26の牽引力である。また、符号Gはキャリッジ28の重心位置である。
【0060】
図9(A)に示す様にキャリッジ28が静止状態から同図左方向に移動を開始するとき、力Tbはキャリッジ28を同図反時計回り方向に回転させようとし、Mα、Mgはこれを打ち消す様に作用するが、力TbがMg、Mαに打ち勝つことによりキャリッジ28は矢印U1で示す様に同図反時計回り方向に回転しようとする。即ち、当接部28b(キャリッジ本体28a)がカム部材34から浮き上がろうとし、或いはカム部材34が支持部33b(スライダ33)から浮き上がろうとする(首振り)。
【0061】
しかしながら板ばね37の付勢力によって当接部28b(キャリッジ本体28a)と支持部33b(スライダ33)とでカム部材34を挟んだ状態が強固に維持されることから、これが回転モーメントU1に対する抵抗力となり、上述の首振りが抑制され、良好な記録結果を得ることができる。
【0062】
また図9(B)に示す様にキャリッジ28が同図右方向に移動する際も、同様に矢印U2で示す様にキャリッジ28は位置R2まわりに回転しようとするが、板ばね37の付勢力によって当接部28b(キャリッジ本体28a)と支持部33b(スライダ33)とでカム部材34を挟んだ状態が強固に維持されることから、これが回転モーメントU2に対する抵抗力となり、上述の首振りが抑制され、良好な記録結果を得ることができる。
【0063】
尚、板ばね37の付勢力は、PG変化に応じて変化する。即ち、PG調整によって上下するキャリッジ本体28aの被係止部28eに、板ばね37のフック部37aが係止しており、また板ばね37の取付部37bはPG調整方向には変位しないスライダ33に取り付けられるので、PGが大きくなると板ばね37の付勢力は大きくなる。
【0064】
そして、PGが大きくなると上述の回転モーメントU1、U2も大きくなるが、板ばね37の付勢力も大きくなるので、PGが変化してもその変化量に応じてキャリッジ28の首振りを適切に抑制することができる。
【0065】
尚、本実施形態に係る板ばね37の他の作用効果として、装置の大型化を防止できることが挙げられる。即ち、キャリッジ28の首振りをより一層抑制する為には、カム部材34のx方向長さを大きくし、2つの当接部28b間の距離及び2つの支持部33b間の距離を確保する必要がある。しかし、上述の通り板ばね37の付勢力によって当接部28b(キャリッジ本体28a)と支持部33b(スライダ33)とでカム部材34を挟んだ状態が強固に維持されることから、カム部材34のx方向長さを大きく確保する必要がなく、装置の大型化を回避できる。
【0066】
また、カム部材34の各当接部(34a〜34d)と支持部33bとの接触状態が安定する為、PGの切り換え再現性を確保できる(同じ段階のPGばらつき防止)。加えて、装置が落下等の衝撃を受けても、アッセンブリ状態が強固に維持されることからPGが意図せず切り換わってしまうことも防止できる。
【0067】
また本実施形態では、カム部材34はx方向において複数箇所でキャリッジ本体28aの自重を受け、板ばね37はx方向に沿って複数箇所でキャリッジ本体28aに付勢力を付与し(被係止部28e、28e)、そして板ばね37がキャリッジ本体28aを付勢する位置(被係止部28e、28e)が、カム部材34がキャリッジ本体28aの自重を受ける位置(当接部28b、28b)の両側に配置されている。従ってこれにより、首振りをより一層効果的に抑制できる様になっている。
【0068】
尚、上記実施形態では、板ばね37によって当接部28b(キャリッジ本体28a)と支持部33b(スライダ33)とでカム部材34を挟んだ状態を強固に維持するが、板ばね37に限られず、当接部28b(キャリッジ本体28a)と支持部33b(スライダ33)とでカム部材34を挟んだ状態を強固に維持できるものであればどの様なものであっても良い。
【0069】
従って、スライダ33とキャリッジ本体28a(当接部28e、28e)との間でカム部材34を挟んで圧する挟圧手段でも良い。上述した板ばね37は、この様な挟圧手段の一例でもある。また、当接部28b(キャリッジ本体28a)とカム部材34との間の間隔の拡がり、或いはカム部材34と支持部33b(スライダ33)との間の間隔の拡がりを規制する規制手段でも良い。上述した板ばね37は、この様な規制手段の一例でもある。
【0070】
尚、上記実施形態では、当接部28b、支持部33b、第1摺動部33a、のこれらをx−y平面において同一位置に配置することで、特にカム部材34及びスライダ33の変形を防止できる様になっている。
【符号の説明】
【0071】
1 インクジェットプリンター、2 記録部、3 スキャナ部、4 自動原稿搬送部、5 第1用紙給送部、6 第2用紙給送部、8 キャリッジ駆動モーター、9制御部、11 用紙支持部材、12 給送ローラー、13 分離ローラー、15 ローラー支持部材、15a 回転軸、17 給送ローラー、18 用紙カセット、19 分離部材、21 反転ローラー、22 分離ローラー、23 搬送駆動ローラー、24 搬送従動ローラー、25 支持部材、26 無端ベルト、27 インクチューブ、28 キャリッジ、28a 本体、28b 当接部、28c 摺動部、28d 被牽引部、28e 被係止部、29 インクジェット記録ヘッド、30 ヘッドカバー、32 ギャップ調整手段、33 スライダ、33a 第1摺動部、33b 支持部、34 カム部材、34a 第1当接部、34b 第2当接部、34c 第3当接部、34d 第4当接部、35 コイルばね、37 板ばね、37a フック部、37b 取付部、38 可動スライダ、39 固定スライダ、40 第1ガイド部材、41 第2ガイド部材、43 従動ローラー、44 排出駆動ローラー、45 排出従動ローラー、47 排紙受けトレイ、P、P1、P2 記録用紙、

【特許請求の範囲】
【請求項1】
媒体に記録を行う記録ヘッドを備えた、当該記録ヘッドの走査方向に移動可能なキャリッジと、
前記記録ヘッドと媒体との間のギャップが変化する方向において前記キャリッジを構成する前記キャリッジの本体との相対位置を変位可能に設けられ、前記キャリッジとともに前記走査方向に移動する、前記キャリッジを構成する摺動部材と、
前記摺動部材が接するとともに前記摺動部材を介して前記キャリッジの自重を受ける、前記走査方向に延設されたガイド部材と、
前記摺動部材と前記キャリッジの本体の一部との間に介在して前記キャリッジの自重を受け、前記摺動部材及びキャリッジの本体に対して前記走査方向に相対的に変位することにより前記ギャップを変化させる、前記キャリッジを構成するギャップ調整カムと、
前記摺動部材と前記キャリッジの本体とを引き寄せる方向に前記摺動部材と前記キャリッジの本体との間で付勢力を発揮する、前記キャリッジを構成する付勢手段と、
を備えた記録装置。
【請求項2】
媒体に記録を行う記録ヘッドを備えた、当該記録ヘッドの走査方向に移動可能なキャリッジと、
前記記録ヘッドと媒体との間のギャップが変化する方向において前記キャリッジを構成する前記キャリッジの本体との相対位置を変位可能に設けられ、前記キャリッジとともに前記走査方向に移動する、前記キャリッジを構成する摺動部材と、
前記摺動部材が接するとともに前記摺動部材を介して前記キャリッジの自重を受ける、前記走査方向に延設されたガイド部材と、
前記摺動部材と前記キャリッジの本体の一部との間に介在して前記キャリッジの自重を受け、前記摺動部材及びキャリッジの本体に対して前記走査方向に相対的に変位することにより前記ギャップを変化させる、前記キャリッジを構成するギャップ調整カムと、
前記摺動部材と前記キャリッジの本体との間で前記ギャップ調整カムを挟んで圧する、前記キャリッジを構成する挟圧手段と、
を備えた記録装置。
【請求項3】
媒体に記録を行う記録ヘッドを備えた、当該記録ヘッドの走査方向に移動可能なキャリッジと、
前記記録ヘッドと媒体との間のギャップが変化する方向において前記キャリッジを構成する前記キャリッジの本体との相対位置を変位可能に設けられ、前記キャリッジとともに前記走査方向に移動する、前記キャリッジを構成する摺動部材と、
前記摺動部材が接するとともに前記摺動部材を介して前記キャリッジの自重を受ける、前記走査方向に延設されたガイド部材と、
前記摺動部材と前記キャリッジの本体の一部との間に介在して前記キャリッジの自重を受け、前記摺動部材及びキャリッジの本体に対して前記走査方向に相対的に変位することにより前記ギャップを変化させる、前記キャリッジを構成するギャップ調整カムと、
前記キャリッジの本体と前記ギャップ調整カムとの間の間隔の拡がり、及び前記ギャップ調整カムと前記摺動部材との間の間隔の拡がり、の少なくともいずれかを規制する、前記キャリッジを構成する規制手段と、
を備えた記録装置。
【請求項4】
請求項1に記載の記録装置において、前記ギャップ調整カムは前記走査方向において複数箇所で前記キャリッジの本体の自重を受け、
前記付勢手段は前記走査方向に沿って複数箇所で前記キャリッジの本体に付勢力を付与し、
前記走査方向において前記付勢手段が前記キャリッジの本体を付勢する位置が、前記ギャップ調整カムが前記キャリッジの本体の自重を受ける位置の両側に配置されている、
ことを特徴とする記録装置。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか1項に記載の記録装置において、前記ギャップ調整カムは、前記ギャップが変化する方向の厚みが一定である平坦面と前記厚みが変化する傾斜面とが交互に配置されて成る階段状カム面を有し、
前記摺動部材又は前記キャリッジの本体に設けられた当接部が前記階段状カム面と当接することにより前記ギャップが規定される構成を備え、
前記キャリッジを駆動するモーターを制御する制御手段は、前記当接部が前記階段状カム面を移動する際の前記モーターの駆動負荷を検出することにより、前記ギャップがいずれの段階にあるかを検出する、
ことを特徴とする記録装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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