説明

設置後の系内バリア形成用の器具およびこれらの使用方法

【課題】設置後の系内バリア形成用の新規な器具、すなわち、防水樹脂またはセメント、殺虫剤、かび予防剤、錆遅延剤などの修復用物質を設置後に注入するための媒体、を提供する。
【解決手段】この課題は、好ましくは、第1層、中間層および第2層の3つの連結された層と、少なくとも1つの導管からなる本発明の多層型器具によって解決される。第1層は好ましくは半透過性であり、第2層は非透過性層であり、中間層は空隙誘起層である。第2層、中間層および第1層は固定的に取り付けられ、中間層は第2層と第1層の間に配置される。この多層型器具は支持系の外表面に固定的に取り付けられる。少なくとも1つの導管が多層型器具のパネルに係合的に取り付けられる。構造建設材料は多層器具の外に組み立てられる。その後、自由流動性物質が多層型器具に圧入可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、設置後の系内バリア形成用の器具、特に防水樹脂またはセメント、殺虫剤、かび予防剤、錆遅延剤などの修復用物質を設置後に注入するための媒体を提供する多層型器具に関する。
【背景技術】
【0002】
トンネル、鉱山および地下基礎付きの大型ビルディングなどの地下構造体においては、構造体は水密性であるというということが必要とされるということは普通のことである。このように、通常コンクリートである構造体または接合部の多孔質部分と地下水が接触しないようにすることが必須である。このようなコンクリートの空隙中に存在する水は、低温時に膨潤し、そしてコンクリートを破壊するか、あるいは構造体の鉄部分と接触し、酸化および材料劣化を生じ得るので、このような水を除去することも必須である。それゆえ、コンクリート構造体から水を除去し、そして水がコンクリート構造体に接触しないようにするための器具が開発されている。
【0003】
コンクリート構造体から地下水を除去する試みは、透過性ライニング材と吸収性シートを含むものであった。両方とも隣接する水を吸収し、コンクリート構造体から水を運び去る。しかしながら、このタイプは、コンクリートに流体またはガス状物質を導入することができないために、そして除去される水が系と接触するもののみであるので限界がある。加えて、この系は耐水性バリアを提供しない。
【0004】
水がコンクリート構造体と接触しないようにする試みの一つに、支持系とコンクリート形状物の間に耐水性ライニング材を設置することが行われた。建設現場では普通に起こることであるが、耐水性ライニング材が鉄筋または他の鋭利な物体により穿孔されると、この方法はうまくいかない。このようなことが起こると、コンクリート形状物を解体して、新しい耐水性ライニング材を設置することが必要であり得る。このような解体は時間がかかり、高コストである。それゆえ、初期の耐水性層が不良となった場合二次的な耐水性の代替策を提供する系を設置することが好ましい。加えて、水がコンクリート構造体と接触しないようにする試みは、水との接触時に膨潤するメンブランの設置を含むものであった。このタイプのメンブランは水を吸収し、膨張して、水バリアを形成するのには有効であるが、このタイプのメンブランは膨潤能において限界がある。それゆえ、漏洩が補修されるまで材料を添加するようにすることにより、膨潤能において制限されない系を提供することが好ましい。
【0005】
非特許文献1で開示されているこの問題を解決しようとするもう一つの試みは、トンネルおよび地下構造体を防水するための可撓性メンブランを開示している。この可撓性メンブランは別々に設置される、第1および第2層を含む。第1層は不織のポリプロピレンジオテキスタイルであり、これは、メンブランを下層に対してしっかりと押しつける最終ライニングを配置する時に加えられる圧力に抗してクッションとして機能する。第1層は開放系中でメンブランの先端でパイプに水も輸送する。第2層は、普通、ポリ塩化ビニル(PVC)メンブランまたは変成ポリエチレン(PE)メンブランであり、第1層の頂部に設置される。耐水性メンブランは、基部においてメンブランに水バリアを溶接することにより、区分に小分割される。漏洩は、耐水性メンブランからコンクリートライニングの面に走るパイプから検出される。パイプは、各小分割された区分の高位点および低位点に配置される。漏洩を検出したならば、低粘度グラウトが低位敷設パイプから注入可能である。しかしながら、第1および第2層を溶接および別々に設置することによって、この耐水性系の設置は困難となり、高度に熟練した技能者が必要となる。
【非特許文献1】「Achieving Dry Stations and Tunnels with Flexible Waterproof Membranes」,published by Egger,et al. March 02,2004
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
それゆえ、設置後のコンクリートシール用の系内の多層型器具、特に防水樹脂を設置後に注入するための媒体を提供する多層型器具を提供することは有利である。
【0007】
本発明の一つの目的は、初期の耐水性表面を提供する第1層を含む単一の用途を提供することである。本発明のもう一つの目的は、第1層が不良である場合に運転可能な二次的な修復用層を提供することである。本発明の更なる目的は、このような多層系が迅速、かつ容易に設置されるようにすることである。本発明の更なる目的は、構造体の特定の領域に流体物質を選択的に導入することを可能とすることである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
従って、本発明の目的は、
・水浸透から第1レベルの保護を提供する耐水性層を有し、
・構造体に流体物質を送達することにより水浸透からの第2の修復用保護を有し、
・流体物質を系内で導入することを可能とせしめ、
・構造体の特定の領域に流体物質を選択的に導入することを可能とせしめ、
・種々の表面に対して固定化可能であり、
・容易、かつ迅速に設置可能である
二層型層を提供することである。
【0009】
本発明の他の特徴および利点は、次の説明、添付の図面および付随する特許請求の範囲から明白であろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
図1は物質送達系100の好ましい態様を図示する。物質送達系100は、多層系が少なくとも2層を有する、構造体に物質を系内で送達するための多層系である。好ましい態様においては、物質送達系100は、第1層130、中間層120および第2層110の3つの連結された層と、少なくとも1つの導管150(図6に図示)からなる。本発明の好ましい態様は連結された3つの層からなるが、代替の多層配置が可能である。
【0011】
第1層130は好ましくは半透過性である。本発明の好ましい態様においては、第1層130は、コンクリートまたは他の類似の構造建設材料の通過を阻止する一方で、それを通る透過性流体に好適な材料から製造されるべきである。ポリプロピレンあるいはポリエチレン不織のジオテキスタイルが好適である。加えて、当分野で既知の他の材料は、特定の用途に依って好ましいこともある。
【0012】
第2層110は、好ましくは耐水性で自己シール性である非透過性層である。第2層110は、アスファルトシートまたは当分野で既知の他の類似の材料であることができる。第2層110は、第2層の内側面114、第2層の外側面112または両方の側面112および114に固定された接着剤を有し得る。第2層の内側面114上の接着剤は、物質送達系100の隣接パネルの連結を可能とせしめる。第2層の外側面112上の接着剤は、支持系20(図4および5に見られる)への物質送達系100の固定を助ける。
【0013】
中間層120は、伝導性であって、自由流動性物質が物質送達系100中を流れること
を可能とする、空隙誘起層である。中間層120は、内向きの力を物質送達系100に対して作用させた場合に空隙の存在を維持するのに充分な剛直性のある繊維の開放格子から形成され得る。ポリプロピレン格子または他の同様に剛直な材料が好ましい。中間層120の存在は、物質送達系100中の自由流動性物質のチャンネリングを可能とせしめる。中間層120は、チャンネリングにより水を構造建設材料200から逃がすか、あるいは構造建設材料200に自由流動性物質を運ぶための媒体を提供する。
【0014】
図2を参照すると、第2層110、中間層120および第1層130は固定的に取り付けられ、中間層120が第2層110と第1層130の間に配置される。第2層110、中間層120および第1層130は、各々複数の側面により規定され、それぞれ第2層の周辺116、中間層の周辺122および第1層の周辺132を形成する。好ましい態様においては、中間層の周辺122と第1層の周辺132は寸法的に比例していて、透過性層の周辺122と半透過性層の周辺132が同等な寸法となる。中間層120と第1層130は、この層の水平方向に延びる第1の幅を有する。第2層の周辺116は、中間層の周辺122と第1層の周辺132に部分的に比例していて、第2層の周辺112の少なくとも2つの側面が中間層の周辺122と第1層の周辺132の対応する側面と同等な寸法となる。第2層110は第2層110にわたって水平方向に延びる第2の幅を有する。第2層110の第2の幅は中間層120と第1層130の第1の幅よりも大きい。このように、図2および3を参照すると、第1層130、中間層120および第2層110の底部縁を位置合せした場合、第2層の延長部114Eは、第1層130と中間層120の少なくとも1つの側面から延長部距離115だけ外に延びる。第2層の延長部114Eは、物質送達系100をその上に設置するための下敷を提供し、物質送達系100のパネルがつき合される接合部における潜在的な弱さが無くなる。
【0015】
図4および5で見られる好ましい態様においては、大量の土を掘削した場合には、地面10を保持するように支持系20が設置される。支持系20は、パイルおよび吹き付けコンクリートによるIビームなどの共通の支持法を含む。物質送達系100は支持系の外表面22に固定的に取り付けられる。前述のように、物質送達系100は、第2層の外側面112に接着剤を塗布し、そして支持系の外表面22に第2層の外側面112を固定することにより、支持系の外表面22に取り付け可能である。別法としては、物質送達系100は、釘または他の類似の取り付け手段を物質送達系100からそして支持系20の中に打ち込むことにより、支持系の外表面22に取り付け可能である。好ましい態様においては、第2層110は自己シール性である。このように、第2層110を複数の釘により穿孔することは、耐水性バリアを提供する第2層110の能力にごく僅かな影響しか及ぼさない。
【0016】
図3および6を参照すると、物質送達系100は支持系の外表面22をおおう。物質送達系100は、用途に依っていかなる寸法にも切断可能である。単一の物質送達系100が所望の領域を被覆しない場合には、耐水性の保護に物質送達系100の複数のパネルが一緒に使用される。前述のように、物質送達系100は、物質送達系100の隣接パネルの間のつき合わせにおける補強のために第2層の延長部114Eを含み得る。このように、物質送達系100の第1のパネルは、支持系の外表面22に固定的に取り付けられ、第2層の延長部114Eは支持系の外表面22上で外に延びる。物質送達系100の第2のパネルは、物質送達系100の第1のパネルの第2層の延長部114Eに重なり合い、物質送達系100の第1および第2のパネルを連結する。物質送達系100の複数のパネルが支持系の外表面22を覆うまで、この方法が繰り返される。物質送達系100の隣接パネルの間の重なり合いの領域は、好ましくは垂直に延びる。建設の形状物(図示せず)の上方縁に近接した物質送達系100の上方末端は、シール機構105によりシールされる。シール機構105は、注入された流体が物質送達系100の頂部から排出されないようにする。シール機構105は、クランプまたは物質送達系100の上方末端をシールする
ための
他の類似の締め付け器具であり得る。
【0017】
図6を参照すると、区域細片162は、隣接物質送達系100の連結点の間で垂直方向に固定的に取り付けられる。好ましい態様においては、区域細片162は接着表面を有し、区域細片162の迅速かつ安全な設置を可能とする。別法としては、区域細片162は、区域細片162から釘または他の類似の取り付け手段を打ち込むことにより設置され得る。第2層の延長部114Eは、区域細片162を収める幅であり、そして物質送達系100の隣接パネルへの連結をなお可能とし得る。
【0018】
区域細片162は、好ましくは水との接触時に膨潤する材料からなる。水が区域細片162と相互作用する場合、区域細片162は外に延び、隣接する物質送達系100の間の連通を不用にする。このように、区域細片162は物質送達系100の各パネルを小室化する。小室化は、物質送達系100の予め決められたパネルの中への流体または気体の選択的注入を可能とせしめる。別法としては、区域細片162は非膨潤性材料から形成される。区域細片162が非膨潤性である場合には、構造建設材料200は、区域細片162の周りに形成し、いかなる空隙も充填し、そして隣接物質送達系100の間にシールを形成する。
【0019】
図4および6を参照すると、少なくとも1つの導管150は、物質送達系100のパネルに係合的に取り付けられる。導管150は管状であり、入口152、出口154および円筒156がその間に延びる。複数の歯(図示せず)は出口154から外に延び、そして第1層130を係合して、中間層120から第1層130の中への流体の注入を可能とする。円筒156は鉄筋マトリックス210から延び、入口152は構造建設材料の形状物(図示せず)の外で終端する。円筒156は、結合材、クランプまたは他の類似の取り付け手段により鉄筋マトリックス210に固定可能である。必要な導管150の数は小室160の大きさに依存する。本発明の好ましい態様においては、導管150は、下方点164、中間点166および上方点168で位置決めされるべきである。
【0020】
図4に図示する好ましい態様においては、構造建設材料200は形状物(図示せず)の中に挿入される。構造建設材料200は、コンクリート、せっこう、磁器、軽量コンクリートブロック、れんが、木材、プラスチック、フォームまたは当分野で既知の他の類似の合成あるいは天然の材料であることができる。物質送達系100の第2層110は一次耐水性防護を提供する。第2層110が穿孔したか、あるいは不良となって、構造建設材料200への漏水を生じるということが確認される場合には、漏水に近接して位置する物質送達系100のパネルに自由流動性物質が圧送可能である。自由流動性物質は、導管150経由で上向きの進行で物質送達系100のこのようなパネルに導入される。ここで、自由流動性物質は、物質送達系100のパネルの下方点164に、次に物質送達系100のパネルの中間点166に、そして次に物質送達系100のパネルの上方点168に制御可能なように導入される。染料を自由流動性物質に添加してもよく、自由流動性物質の物質送達系100のパネルへの圧入を何時停止するかの肉眼的な決定が可能となる。自由流動性物質中の染料が構造建設材料200から漏出し、選択された物質送達系100が充分に含浸していることを示す場合には、圧入が中止される。
【0021】
第1層130は、第1層130と構造建設材料200の間の空間の中に自由流動性物質を浸透する。親水性液体である場合には、自由流動性物質は、存在するいかなる水とも相互作用し、自由流動性物質を膨張および不透過性化せしめ、不透過性の耐水性層を形成する。このように、不良が第2層110で起こる場合には、二次的な耐水性バリアを形成することができる。
【0022】
別法としては、異なる自由流動性物質は、場合に依っては物質送達系100に導入され得る。構造建設材料200の完全性が妥協される場合には、構造建設材料200を強化するための樹脂が構造建設材料200の補修のために物質送達系100の中に注入可能である。別法としては、かび予防剤、錆遅延、殺虫剤の送達または他の類似の目的をもたらすために、気体が物質送達系100の中に注入され得る。
【0023】
本発明の別々および異なる態様においては、中間層120は第1層130により完全に置き換えられ得る。
【0024】
本発明の別々および異なる態様においては、物質送達系100はトンネルまたは鉱山中などの地盤に直接に取り付けられる。この態様においては、物質送達系100はトンネル表面に逆に設置される。第1層130はトンネル表面に、そして第2層110はトンネル空間に内向きに面する。物質送達系100は、第1層130に接着剤を塗布するか、物質送達系100から釘を打ち込むことにより、あるいは当分野で既知の類似の取り付け手段により固定的に取り付け可能である。物質送達系100は、好ましい態様について上述した方法に類似の、垂直のセグメントに設置される。しかしながら、複数の導管150は代替の態様においては必要でない。
【0025】
物質送達系100をトンネル表面上に設置したならば、構造建設材料200は第2層110上に直接に設置可能である。
【0026】
代替の態様(図示せず)においては、不良が物質送達系100中で起こるならば、操作者は構造建設材料200から複数の穴をあけて、第2層110が貫通したならば中止することができる。このような穴は中間層120への流体流入を提供する。次に、流体物質(図示せず)は穴から圧入され、中間部材120に流体物質を導入する。中間層120は、物質送達系100から流体物質をチャンネリングし、第1層130が流体物質を透過することを最終的に可能とする。
【0027】
本発明の前出の説明はこの好ましい態様を例示する。例示の構成の詳細において種々の変更が本発明の真の精神から逸脱せずに添付のクレームの範囲内で実施され得る。本発明はクレームおよびこれらの均等物による限定のみを受けるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】流体送達系の好ましい態様の断面図である。
【図2】連結延長部付きの流体送達系の等角図である。
【図3】支持系上に設置された複数の流体送達系の正面図である。
【図4】鉄筋マトリックスと支持系の間に設置された流体送達系の側面図である。
【図5】コンクリート構造体と支持系の間に設置された流体送達系の側面図である。
【図6】流体分注機構を取り付けた小室化された流体送達系の等角図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
構造体に流体補修物質を系内で設置後注入を行うための多層器具であって、
前記流体補修物質に対して透過性であるが、前記第1層に対して構築されて、前記構造体を形成する構造建築材料に対して少なくともほぼ不透過性である第1層;
不透過性であって、内側面と外側面を有する第2層;
前記流体補修物質に対して透過性であって、前記中間層の一方の側面に接着している前記第1層と、前記中間層の相対する側面に接着している前記第2層の間の中間層;
位置合わせされた縁を有する前記第1層と前記中間層、および前記側面縁の後方に延びる第2層延長部を含む前記第2層;
前記流体補修物質の前記第1層の中への注入を可能とさせるために、前記構造体を通り、前記第1層と連通するようになされている少なくとも1つの配管、および前記流体補修物質の源
を含んでなる器具。
【請求項2】
前記流体補修物質が防水性樹脂もしくはセメント、殺虫剤、抗菌剤またはさび止め剤からなる群から選択される少なくとも1つの物質を含み、前記中間層が繊維の開放した格子を含んでなり、前記構造建築材料がコンクリートを含み、そして前記器具が前記第2層外側面上に接着剤を更に含んでなる、請求項1に記載の器具。
【請求項3】
構造体に流体補修物質を系内で提供する方法であって、
前記流体補修物質に対して透過性であるが、構造建築材料に対して少なくともほぼ不透過性である第1層;不透過性である第2層;および前記流体補修物質に対して透過性であって、前記第1層と前記第2層の間に位置する中間層を含んでなる少なくとも2つの多層器具を準備すること;
支柱構造体に第1の多層器具を取り付けて、前記器具の前記第2層が前記支柱構造体に対するようにすること;
これを前記第1の多層器具と重ね合わせることにより、前記支柱構造体に第2の多層器具を同一の方法で取り付けること;
前記多層器具の各々に少なくとも1つの配管を取り付けること;
前記少なくとも2つの多層器具に対して構造建設材料の形状物を組み立て、前記構造建設材料の形状物から少なくとも1つの配管を延長すること;
前記構造建設材料の形状物上に構造建設材料を貼り付けること;および
前記少なくとも1つの配管から前記少なくとも2つの物質送達器具の中に前記流体補修物質を注入すること
を含んでなる方法。
【請求項4】
前記流体補修物質が防水性樹脂もしくはセメント、殺虫剤、抗菌剤またはさび止め剤からなる群から選択される少なくとも1つの物質を含み、そして前記構造建築材料がコンクリートを含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記多層器具の各々に対して、前記第2層が前記中間層の一方の側面に固定的に取り付けられ;そして前記第1層が前記中間層の相対する側面に固定的に取り付けられる、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
前記支柱系に前記多層器具の各々を取り付ける前に、前記多層器具の各々の前記第2層に接着剤を塗布することを更に含んでなる、請求項3に記載の方法。
【請求項7】
前記多層器具の各々から複数の釘を打ち込むことを更に含んでなる、請求項3に記載の方法。
【請求項8】
前記多層器具の各々が第2層延長部を含み、それにより前記第2層延長部が前記第1の層および前記中間層の側面縁の後ろに延び、前記第2の多層器具が前記第1の多層器具の前記第2層延長部上に重ね合わされている、請求項3に記載の方法。
【請求項9】
前記多層器具の縁に沿って少なくとも1つの区域細片を設置することを更に含んでなる、請求項3に記載の方法。
【請求項10】
前記少なくとも1つの区域細片が非膨潤性材料と膨潤性材料から選択される、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記少なくとも1つの区域細片を前記設置することが、前記第1の多層器具の縁と接する前記第2の多層器具の縁に沿って前記少なくとも1つの区域細片を配置すること、および
その中に少なくとも1つの区域細片を固定的に取り付けること
を更に含んでなる、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記固定的に取り付けることが前記少なくとも1つの区域細片を接着剤により固定的に取り付けることを含んでなる、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記固定的に取り付けることが前記少なくとも1つの区域細片を複数の釘により固定的に取り付けることを含んでなる、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記少なくとも1つの配管を取り付けることが
前記第1層の中に前記少なくとも1つの配管の末端を挿入すること;および
前記配管体に近接した鉄筋に前記配管体を固定すること
を更に含んでなる、請求項3に記載の方法。
【請求項15】
前記少なくとも1つの配管を前記取り付けることが
前記多層器具の下方点の中に第1の配管を挿入すること;
前記多層器具の中間点の中に第2の配管を挿入すること;および
前記多層器具の上方点の中に第3の配管を挿入すること
を更に含んでなる、請求項3に記載の方法。
【請求項16】
最初に、前記第1の配管から前記下方点に前記流体補修物質を注入すること;
引き続いて、前記第2の配管から前記中間点に前記流体補修物質を注入すること;そして最後に、前記第3の配管から前記上方点に前記流体補修物質を注入すること
を更に含んでなる、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記多層器具を充分に含浸させたならば、前記流体補修物質の前記注入を停止することを更に含んでなる、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
構造体に流体補修物質を系内で供給する方法であって、前記流体補修物質に対して透過性であるが、構造建築材料に対して少なくともほぼ不透過性である第1層;不透過性である第2層;および前記流体補修物質に対して透過性であって、前記第1層と前記第2層の間に位置する中間層を含んでなる少なくとも2つの多層器具を準備すること;
掘削された表面に第1の多層器具を取り付けて、前記器具の前記第1の層が前記掘削された表面に対するようにすること;
これを前記第1の多層器具と重ね合わせることにより、前記掘削された表面に第2の多層器具を同一の方法で取り付けること;
前記少なくとも2つの多層器具に構造建設材料外側を貼り付けること;
前記少なくとも2つの多層器具中の不良領域を求めること;
前記不良領域の近傍に複数の穴をあけること;および
前記少なくとも1つの複数の穴から前記少なくとも2つの多層器具の中に前記流体補修物質を注入すること
を含んでなる方法。
【請求項19】
前記流体補修物質が防水性樹脂もしくはセメント、殺虫剤、抗菌剤またはさび止め剤からなる群から選択される少なくとも1つの物質を含み、そして前記構造建築材料がコンクリートを含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記多層器具の各々に対して、前記第2層が前記中間層の一方の側面に固定的に取り付けられ;そして前記第1層が前記中間層の相対する側面に固定的に取り付けられる、請求項18に記載の方法。
【請求項21】
前記掘削された表面に前記第1層を固定的に取り付ける前に、前記多層器具の各々の前記第1層に接着剤を塗布することを更に含んでなる、請求項18に記載の方法。
【請求項22】
前記多層器具の各々から複数の釘を打ち込むことを更に含んでなる、請求項18に記載の方法。
【請求項23】
前記多層器具の縁に沿って少なくとも1つの区域細片を設置することを更に含んでなる、請求項18に記載の方法。
【請求項24】
前記少なくとも1つの区域細片が非膨潤性材料と膨潤性材料から選択される、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記少なくとも1つの区域細片を前記設置することが、前記第1の多層器具の縁と接する前記多層器具の縁に沿って前記少なくとも1つの区域細片を配置すること、および
その中に前記少なくとも1つの区域細片を固定的に取り付けること
を更に含んでなる、請求項23に記載の方法。
【請求項26】
前記固定的に取り付けることが前記少なくとも1つの区域細片を接着剤により固定的に取り付けることを含んでなる、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記固定的に取り付けることが前記少なくとも1つの区域細片を複数の釘により固定的に取り付けることを含んでなる、請求項25に記載の方法。
【請求項28】
前記多層器具を穴あけした後前記穴あけを停止することを更に含んでなる、請求項18に記載の方法。
【請求項29】
最初に、前記多層器具の下方点に前記流体補修物質を注入すること、
引き続いて、前記多層器具の中間点に前記流体補修物質を注入すること、
最後に、前記多層器具の上方点に前記流体補修物質を注入すること
を更に含んでなる、請求項18に記載の方法。
【請求項30】
前記多層器具を充分に含浸させたならば、前記流体補修物質の前記注入を停止することを更に含んでなる、請求項29に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−80359(P2011−80359A)
【公開日】平成23年4月21日(2011.4.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−1968(P2011−1968)
【出願日】平成23年1月7日(2011.1.7)
【分割の表示】特願2007−557206(P2007−557206)の分割
【原出願日】平成18年2月24日(2006.2.24)
【出願人】(507283654)
【Fターム(参考)】