設置柱体を有するアンテナ塔構造
本発明はその内部に設置柱体(30)を有する本質的に垂直な細長い塔のボディー(20)を備えたアンテナ塔構造(10)の提供を目的とする。一つ以上無線基地局(40)が塔のボディーの先頭の近傍で設置柱体に配置されたアンテナ(50)に関連されて設けられる。設置柱体は無線基地局へ職員(60)がアクセス可能となるように形成される。さらにアンテナ塔構造(10)のためのエレベーター構造(170)も提供される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は遠距離通信塔に係り、特に無線通信システムで使用されるアンテナ塔構造に概ね関する。
【背景技術】
【0002】
遠距離通信塔/マストであって、自立形またはロープ支持型のタイプは格子鋼構造を備える。これらのマストは、しばしば亜鉛メッキされるとともに、熱間亜鉛メッキで鋼構造が亜鉛層を有する。通常鉄塔は、設計製品寿命が30〜50年の間となるように製造される。コーティングされた構造物は、機械的な摩耗に弱く、格子鉄塔も例外ではない。塔は搬送途中と設置工事中に損傷を蒙ることから、このような損傷を塔が設置されるときに修復する必要がある。設置現場では熱間亜鉛メッキを行えないので、塔が設置されるときに冷間亜鉛メッキをするかまたはスプレー塗装による方法が使用される。搬送途中と設置工事中における保護亜鉛層への損傷を回避することはできなく、腐食はこのような損傷領域から始まることとなる。腐食は、亜鉛コーティング有無に関係なく、すべての鋼構造の設計製品寿命を決定するので、構造製品寿命となる腐食を食い止めるための維持管理が必要となる。
【0003】
多くの新しいタイプのマストが開発されている。国際公開第02/41444号パンフレット、米国公開特許第2003/0142034号、米国特許第5995063号によれば内部と外部の部分を有する空洞または管状のアンテナマストについて記載されている。
【0004】
国際公開第02/41444号パンフレットは、潜水可能な設備ハウジングから拡張されたマストを含む通信マスト組立体を記述している。このハウジングは、ハウジングのアクセスルームに位置する冷房用装置を収容するであろう。またこの構造は、マストに入口および出口通路の形態で設けられる通風ダクトを有し大気循環を提供している。
【0005】
また、米国公開特許第2003/0142034号によれば、遠距離通信用アンテナを支えるように空洞のマストとマストを支える基礎構造を備えた遠距離通信用マスト施設について記載している。この開示によると地下において少なくとも部分的または望ましくは完全に位置する基礎構造の密閉部屋を備えている。部屋は職員がアクセス可能な内部空間を定義しており、アンテナの操作に関連する電子装置を収容するように構成されている。
【0006】
米国特許第5995063号によれば、内部と外部を有する空洞のアンテナマストと、この空洞のアンテナマストの中に配列されるように特別設計された可動式モジュールおよび昇降手段を備えたアンテナ構造について記載されている。この可動式モジュールは、少なくとも一つのアンテナと、少なくとも一つのRFモジュールと、一つのアンテナと少なくとも一つのRFモジュールに関連した少なくとも一つのRF伝達手段とを有する。また、昇降手段は下側の位置と上側の位置の間で空洞のアンテナマストの中で可動式モジュールの上げ下げを可能にする。
【0007】
他のタイプの遠距離通信塔/マストも存在しており、モノポール(Monopoles)と呼ばれる基本的に電気通信系が外部の表面の一部に取り付けられる鉄鋼、アルミニウムまたはコンクリート柱のマストが知られている。
【0008】
上記のような従来からの解決手段および構造によれば、大衆が見る限りにおいて、景観を妨害する歓迎されない構造物として知覚される問題がある。また、既存の塔構造は、多くの場合において、その建築コストが高価であり、またサービスを提供することが困難であるばかりか、シェルターや野外から保護された設備を含む別々の設備装置を必要とすることになる。いくつかの解決手段によれば、遠距離通信設備は塔に取り付けられる結果、気候変動に曝されることになる。
【特許文献1】国際公開第02/41444号パンフレット
【特許文献2】米国公開特許第2003/0142034号
【特許文献3】米国特許第5995063号
【発明の開示】
【0009】
一つ以上の無線基地局をその内部の設置柱体の先頭近くに配置することで、無線基地局に対して職員がアクセスすることが可能になる新しい種類の塔構造が新規の提案として開示される。上記の従来技術の文献のいずれも、中空構造物の内部にシェルター、空気ポンプ、温度調整装置を設け、およびエレベーターシャフトを全体のアンテナ無線基地局(無線基地局)と同じ構造物に設けることは記載していない。
【0010】
したがって本発明の実施形態によれば、無線通信ネットワークで使用される新規のアンテナ塔構造が導入され、塔は安価に製造でき無線サービスを極力断続することが可能になる。
【0011】
本発明はより長い耐用年数と、より良い特性と、より環境に優しい製造工程を有する新規のアンテナ塔構造を導入することをその目的としている。
【0012】
また、本発明はすべての遠距離通信設備が外側表面の内部に完全に統合されている新規のアンテナ塔構造を導入することを別の目的としている。
【0013】
係る構成および遠距離通信設備が構造物の境界面の中に完全に収容されることにより、無線基地局サイトはより安全に作られ、かつより妨害しないようにできる。
【0014】
さらに、本発明はその内部に設置柱体を有した本質的に垂直な細長い塔のボディーを具備するアンテナ塔構造を提供することを別の目的としている。この塔は塔のボディーの先頭に設けられた一つ以上の関連するアンテナの近くにおいてさらに一つ以上の無線基地局を設置柱体に配置している。設置柱体は無線基地局へ職員がアクセスできるようにさらに形成される。
【0015】
また、本発明は少なくとも一つのラジオの基地局と関連するアンテナを搬送するエレベーター構造を備えたエレベーターサブユニットを含むアンテナ塔構造を提供することを別の目的としている。このエレベーターサブユニットは自動ロック構造によってアンテナ塔構造の先頭のエレベーターユニットから取り外し可能に構成される。
【0016】
本発明のさらに別の目的は、一つ以上のアンテナ塔構造を含む無線通信システムを提供することである。この場合各構造は少なくともユーザ機器のためのアクセスポイントとして役立つ一つのアンテナ基地局を備えている。無線通信システムは成形型を用いたアンテナ塔構造によって特徴付けられ、中空断面を有する管状の塔の部分に分割される。これら部分はアンテナ塔構造の延設方向に沿って全体のアンテナ無線基地局を動かすための構造をさらに含む。アンテナ無線基地局は管状の塔の中に配列される。さらにそれぞれのアンテナ塔構造はアンテナ基地局のサービスのためにアクセスを可能にするようにアンテナ塔構造に設けられた少なくとも一つの入り口を備える。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本発明の独立請求項によって定義されるように塔を作成することで得られる利益は図り知れない。腐食、戸外に配設されるケーブルと支線、放送サービスの間の無線割込みまたは補償などの問題は、本発明によって回避される。
【0018】
無線基地局とアンテナの間で接続される短い支線により、アンテナ930が無線基地局と長いケーブル940を通してアンテナ塔920の先頭の無線基地局シェルター910から別々な状態で接続された、従来のフルサイズの無線基地局装置900(図9)において起こる出力損失を有効に減少させることができる。すなわち米国特許第5995063号によれば、無線基地局設備の一部をアンテナマストの先頭に配置することができ、これによりかなりの減衰と出力損失を発生する長い支線を使用しないようにできることが提案されている。このテクニックは「メインリモートユニット」と呼ばれており、主に小さいサイト無線基地局で使用されている。この「メインリモートユニット」の概念は、塔またはマストの先頭により近い位置に無線基地局の可動部を設けることである。このようにして他の利益の中で、いくらかの支線の損失が避けられることとなる。しかしながら、この構成によれば維持点検などのためには、アンテナの先頭に配置された無線基地局設備にアクセスするために地表面まで移動しなければならず、これにより放送休止時間を引き起こすこととなる。支線ケーブル940を短い状態で保持できる別のタイプの無線基地局設置は、図10で模式図的に明らかにされる通信塔950のように大きく構築される装置である。通常このような通信塔950は、一つ以上のラジオ通信ネットワーク、テレビジョン放送システムなどであり主なハブの役割を有しており、通常は一つ以上の無線基地局 910と、先頭の近くの関連アンテナ930とを備え、屋上または側面に沿って配置される通信塔の設置装置960を備える。このような通信塔は、その内部にしばしば階段や多くの階建、エレベーターシステムなどを備えるように大掛かりに設計される建築物として構成される。本発明になる塔構造は、上記のように個々の無線基地局を備えた建築物とは異なり、例えば一つの無線通信及び放送設備の無線基地局の少なくともいずれかを設けたタイプの構造を有することを特徴としている。
【0019】
本発明によればアンテナ塔構造の先頭にアンテナと無線基地局の全体を配置することにより以下の利益が達成される。
【0020】
設置が簡単になる。
【0021】
最適の無線の使用方法となる。短い支線は塔に据付けられる増幅器の必要性が最小になることを意味する。
【0022】
全てのラジオ標準に関する管理が可能となる(無線基地局、マイクロ波によるリンク、 レーダ方式他)。
【0023】
屋内環境において標準の無線設備のみが必要となる。
【0024】
屋内環境で標準アンテナ設備だけが必要となる。
【0025】
ほとんど損失がない異なった無線標準の組合せによって、例えばマルチアンテナに関する解決策を実行するように管理できる。
【0026】
マルチアンテナの解決策を管理できる。
【0027】
マルチセクターの解決策が可能となる。
【0028】
図1で模式図的に示される本発明の一つの実施形態によると、その内部に設けられた設置柱体30を備えた実質的に垂直な細長い塔のボディー20を具備するアンテナ塔構造10が提供される。設置柱体30は塔のボディー20の先頭の近くの一つ以上のアンテナ50に関連付けられた無線基地局40を収容するように形成される。無線放送の休止時間を最小にするために、設置柱体30は無線基地局40へ職員60がアクセスするときに基地局を降ろす必要性がないように形成される。職員が無線基地局に適切に近づけるようにするために、設置柱体は十分に大きくなければならないので、本質的にはすべての通常の維持とサービス操作が可能となるように無線基地局の正面は十分な空間を備えている。無線基地局設備への適切なアクセスを可能にするように、無線基地局を収納した設置柱体の体積は同じくらいのサイズを有する。一つの実施形態によるとアンテナ塔内の無線基地局設備は60〜100cmの標準幅と、30〜80cmの深さの標準ラックから成る。一つの実施形態によると、無線基地局の設置柱体の断面積は、少なくとも2.0、2.5、3.0m2以上に設定される。無線基地局の空きスペースは、少なくとも他1.0〜2.0m2である。一つの実施形態によると、塔は本質的には無線基地局の外周面に沿う少なくとも0.7、0.9または3m以上の半径の円形断面を有するであろう。
【0029】
一つの実施形態によると、塔のボディーの先頭に配置された一つ以上のアンテナに関連された別々の二つ以上の無線基地局を一つの設置柱体に配置している。塔の限られた頂点部分でスペースを維持するために複数の無線基地局は互いに上下に積み重ねられるであろう。複数の無線基地局は情報通信システムに関して同じタイプとなるが、異なったオペレータ(operator)か情報通信システムである例えばGSM、WCDMA、HSPA、MIMO、LTEまたは将来のタイプ情報通信システムを備えるであろう。また、アンテナ塔は無線通信装置とネットワークの無線IPなどのタイプとともに、ラジオやテレビジョン放送設備などに関連するアンテナを収容するであろう。
【0030】
設置柱体30は、塔の高さの限定的な部分を塔のベースから先頭までいっぱいに拡張するかもしれない。設置柱体は全高さ分に渡り延設される。設置柱体内部へは下側の端において入り口のドア(不図示)か同様のものを介してアクセス可能になりエレベーター手段によって無線基地局に達することができる。
【0031】
図1では塔のボディーは本質的には円形断面の円錐台形状として形成される。以下でより詳細に議論するように塔のボディーは多くの異なった形状であっても良い。アンテナを保護し、設置柱体の中の制御環境を確立するために、アンテナ保護用ドーム70が細長い塔のボディー20から延設されており、アンテナ50を取り囲んでいる。アンテナ保護用ドーム70は、無線基地局設備40に必要なシェルターを構成するとともに本質的にはアンテナ50から放たれる電波が透過できるように設計される。一つの実施形態によるとアンテナ塔はその下側の領域において一つ以上の換気口90を備え、上側の領域100に換気口に対応する開口を備えることで空気の流れは煙筒効果により設置柱体内で発生して無線基地局に対する換気が可能となるように構成されている。さらに追加的な冷却方法である空気調和装置がアンテナ塔の地理的な設置条件によって必要となる場合にはアンテナ塔構造10のベース部に通常置かれることになる。
【0032】
図2で模式図的に示された一つの実施形態によれば、3つ以上の「カラム脚」120を有する埠頭の基礎110を用いて地表レベルから距離を離れて支持された設置柱体30を細長い塔のボディー20が備えている。 この実施形態では設置柱体30の末尾端に設けられるハッチ(不図示)を通って設置柱体にアクセスできるであろう。さらに、この実施形態は設計上の自由度が確保されるので特定の塔構造をより自由に設計できることとなる。
【0033】
本発明に従う本発明に従うアンテナ塔建築物はその高さを15m以上にでき、ローカルな特性如何では50mの高さの場合がある。多くの環境下では、30〜40mの高さが適しているだろう。塔構造をより安定化させるために先頭部分と比べて塔のボディーはベースにおいてより大きい断面積を有するであろう。いくつかの実施形態では先頭は無線基地局を覆うトップセクションと比べて設置柱体のより広い下側のセクションのベースは大きい断面積になる。この下側のセクションは、直接電波信号に関連しなないバッテリーなどの非常用電源などのかさばった無線基地局の重量部品を収容するために使用されるだろう。ベースセクション(底部)は空洞であり、屋内の環境に設けられるほとんどの設備構成に合わせることができる程度に大きく設定される。このベースセクションは通常絶縁される。このような空洞の構造を有することの利点として個別のシェルターが不要になることがある。また、塔のベース構成自体による保護と登ることができない構造のために、防御フェンスが不要となる。
【0034】
以上のように自立可能な塔のボディーを設計することによって、防御フェンスなどのワイヤにより占領される地面地域と追加コストが減少することとなる。この上、自立構造は見た目にもより魅力的になる傾向がある。
【0035】
バッテリーなどはアンテナ塔構造の先頭に配置されないものの、関連するアンテナを含む標準のラック据付けた無線基地局の部品が使用される場合には無線基地局の累積重量は1000kgのオーダーとなるであろう。特に塔のボディーが自立しているときには、この重量分が例えば地面から25mの高さに配置されることを考慮に入れて塔のボディーは風荷重などに耐えるためにさらに非常に堅固かつ十分な強度を備えていなければならない。無線基地局の大重量の負荷を減少させる一つの方法が図3において模式図的に図示されており、塔のボディーを設計するときに基礎120と無線基地局装置40を除き、塔20のM2とアンテナ配列50のMlとの間での重量比を20:1、または15:1にすると良い。さらに塔のボディー20は塔のボディーと無線基地局設備の重心点CMが、1/2の塔の本体の高さ以下となり、さらに剛性を底側から先端まで減少させないように形成されるべきである。一つの実施形態によると以下に詳細に説明するように塔のボディー20は鉄筋コンクリート素材から本質的には構成されることとなる。塔のボディーを鉄筋コンクリート製で設計することによって、上記の剛性と大きなアスペクト比が可能になる。さらに薄い壁で囲まれた具体的なデザインは極度にコスト効率がよく長持ちするデザインをもたらすであろう。
【0036】
アンテナと無線基地局を落雷から保護するために、図4で模式図的に示されたアンテナ塔雷防止構成が提供され、一つ以上の大気に出ている端部のエアターミネータ140、150の形態の避雷保護手段が導体160で接地される状態で提供される。図4ではアンテナ保護用ドーム70の最高表面から延設された垂直なロッドの形態で一方のターミネータ140が設けられる結果、アンテナ塔10の最も高い位置で低電気抵抗部分が提供されるので落雷を防止できる。この垂直なロッド140の代わりに本質的に水平に延設された複数のロッド150を空気ターミネータとして塔のボディー20の先頭部分に配置している。これらの水平のロッド150は雷を偏向して引き付けて塔のボディーのトップセクションを囲む低電気抵抗の「保護リング」を提供するために形成される。塔のボディー20が補強された鉄筋コンクリート素材140から構成される場合には少なくとも金属補強の一部は避雷保護手段140、150の導体に接続される。
【0037】
図5aと図5bとに図示される一つの実施形態によれば、細長い塔のボディー20はアンテナ塔10を形成するために互いに接続される二つ以上のモジュラーセグメントのS1、S2およびS3から成っている。このような各セグメントS1、S2、S3にすることによって設置柱体30を備える塔のボディー20を予め準備しておき現場にて組み立てることができる。後述するように、このようなモジュラ式方法は鉄筋コンクリート製の塔のボディーの生産に非常に適している。成形型でコンクリート製のアンテナ塔を製造する途中で、成形型内に絶縁体他を配置することで絶縁体他の部材を一体成形することができる。しかしながらアンテナ塔を他の材料である例えば金属、プラスチック、セメント基材、木製、ガラス、カーボンファイバー及び同種の合成物で有利に作ることもできる。一つの実施形態では少なくとも塔のアンテナのセクションについては繊維をサンドイッチした強化プラスチックス製とすることができる。また各モジュールのアンテナ塔の個々のセグメントは異なった素材の組合せから成るかもしれない。一つの実施形態によるとアンテナ塔の先頭の一つ以上のセグメントがアンテナ塔の重心点を下げるために軽荷重量の素材から成ると良い。
【0038】
図6は、8つのセクションB1-B8からなる二つのベースセクションS1とS2と複数のモジュールセグメントS3-S7を有した塔のボディーの一つの実施形態を図示している。図示のように半径方向セクションをベースセグメントB1-B8とすることで製造と搬送が容易になる。図示の実施形態によれば円形断面部分がありベース直径は5.0mであるがの塔のモジュールセグメントの直径は1.8mである。アンテナ保護用ドーム70はアンテナ塔に提供されるとともにアンテナ保護用ドーム70を含む総高さは40mである。さらに少なくとも二つのモジュールの塔のセグメントS1-S5は実質的に同じとなるように同じ成形型から作られる。このようなセグメントの「同じ」一つ以上を省略するかまたは付け加えることによって成形型を変更することなく異なった高さのS1-S5からなる塔を提供することができる。
【0039】
隣接しているモジュールセグメントはボルト、リベット、粘着剤、溶接または同様のものによる適当な方法で相互接続される。相互接続を容易にするために相互接続手段が隣接しているモジュラーセグメントに提供されるかもしれない。相互接続手段は組立作業の間は角度方向と縦方向に位置決めするためのガイド構造物を具備するかもしれない。モジュールセグメントが鉄筋コンクリートから成る一つの実施形態によると、相互接続手段はセグメントモールドのメタル補強構造に対して溶接かボルトとナットによってしっかり付けられるメタル部材となる。また導体としてメタル補強の部分に接続される避雷保護の鉄筋コンクリートから成る実施形態では、少なくとも二つの隣接しているモジュラーセグメントのメタル補強構造物の一部が電気的に接続され、例えば二つの相互接続では電気接点が少なくともメタル補強部材の一部の間で提供される。
【0040】
一つの実施形態によると、その内部に設置柱体が提供されている細長いセグメント本体を具備するモジュールアンテナ塔のセグメントが提供され、二つ以上の塔のセグメントの相互接続を行うように一方または双方のアンテナ塔のボディーに相互接続手段を設けている。上記のようにセグメント本体は鉄筋コンクリートから本質的に成るかもしれない。本発明に従うアンテナ塔のモジュールの概念によれば、モジュールのアンテナ塔のセグメントを予め準備することで、建築現場でアンテナ塔を建設するために必要となる作業時間が大幅に短縮される。現場での組立作業時間をさらに短縮する方法は、梯子、エレベーターのガイド、電源ケーブルなどを設置柱体に予め取り付けておくことである。一つの実施形態によると関連アンテナを備えた無線基地局は、一つのモジュールのアンテナ塔のセグメントの設置柱体に予め設置されおり、設置時にモジュラーセグメントと同時の柱体が適所で持ち上げられるようにして配置される。無線基地局及びアンテナの少なくともいずれかを損傷する危険に曝すことを減少させるために無線基地局は最後のセグメントとして適所にトップセグメントとしてリフトで設置される。このように無線基地局設備を含むモジュラーセグメントは搬送保護の機能を有することとなるであろう。
【0041】
またモジュールのアンテナ塔の組立のための方法において以下の工程が提供される。すなわち、アンテナ塔のボディーを形成するために、予め組立られた二つ以上の細長いモジュールのアンテナ塔のセグメントを内部の設置柱体で本質的に縦方向の姿勢で相互接続する。一つの実施形態によるとこの方法は次の工程さらに含む。すなわち関連アンテナが
予備組立された細長いアンテナ塔のセグメントが一つの設置柱体を設けた状態で無線基地局を固定しておきセグメントが相互接続される。
【0042】
さらに図11で示されるフローチャートにおいて、モジュールのアンテナ塔のセグメントを生産する方法が提供される。
【0043】
すなわちステップSt1ではその内部に設置柱体を有した細長い塔のボディーを形成した成形型枠が準備される。
【0044】
ステップSt2では、成形型枠内の所定位置に金属補強部材を配置する。
【0045】
ステップSt3では、成形型枠内の一方または両端の位置に相互接続手段を配置する。
【0046】
ステップSt4では、生コンクリートで成形型枠を満たす。
【0047】
ステップSt5では、生コンクリートを硬化する。
【0048】
ステップSt6では、成形型枠からモジュラーセグメントを取り除く。
【0049】
また一つの実施形態によれば、
ステップSt7では、成形型枠の縦軸方向に沿う垂直な状態で成形型枠に充填される。
【0050】
ステップSt8では、適当な生コンクリート組成にすることによって成形型枠はその底部から満たされることになる。
【0051】
アンテナ塔の実施形態の横断面形に関する他の例として楕円形、回転形、正方形、三角形、長方形、六角形、八辺形のなどの横断面がある。ここに示したアンテナ塔の実施形態ではベース部分が先端部分よりも大きい断面積を有するようにすべて円錐形状に形成されるが、他の形状も可能である。アンテナ塔の横断面形状は特別な形状または風景になじむ形状を導入することができる。また、本発明によればビジネス上の見地からは放送局のテーマ音楽にふさわしいカスタムデザインの形状にすることができる。また、別の観点からはアンテナ塔構造は広告塔の一部を保持する形状にできる。
【0052】
上記のように塔のボディーの先頭の無線基地局にアクセスできることに加えて、例えば大規模な維持点検作業を実行したり、代替の装置に交換する作業時においてラジオ放送休止時間が時々必要となる場合がある。このような大規模な作業を容易にするために複数の無線基地局とこれらに関連するアンテナについは、設置柱体内のエレベーター構造によって上げ下ろしすることができるようにエレベーターユニットの上に配置される。図7aと図7bは、エレベーター構造170の一つの実施形態を図示しており、複数の無線基地局40とこれに関連するアンテナ50がエレベーターガイド200に沿ってエレベーターユニット190とともに昇降するようにエレベーターサブユニット180上に設けられている。このエレベーター構造170は、エレベーターユニット190から取り外しアンテナ塔構造の先頭において機械的な停止構造210によって保持できる構造(不図示)をサブユニット180に備えている。さらにエレベーターユニット190は、複数の無線基地局に設備を輸送するために搬送用プラットホーム220を備えており無線基地局設備の維持点検の際にこれに載置するように構成されている。
【0053】
一つの実施形態に従うと、エレベーターサブユニット180は上向きに設置柱体内で上昇され所定の係止位置に到達すると機械的な停止構造210は自動的にロックする。エレベーターサブユニット180を自動的にアンロックするためには予定された距離分さらに上昇させると機械的な停止構造210がサブユニット180との間の係合が解除され、エレベータユニット190に続いてエレベーターサブユニット180が設置柱体内で下降する。
【0054】
図8aと図8bは、本発明で使用される延設可能な鉄鋼パイル230を使用した基礎に関する一つの例を図示している。図示の実施形態では鉄鋼パイル230の数は3本まで減少可能となることが図示されているが、このパイル230の本数は明らかに特定の塔のデザインに適合させなければならない。アンテナ塔10を建設する前に鉄鋼パイル230を埋設することで、アンテナ塔のベースに対してフラット面と傾き等の調整が可能となるように接続できるので、地面上における下準備の程度を減少させることができる。一つの実施形態では、地面の特性に依存して1本以上のパイル230がコンクリートの台座などに置換されることとなる。別の実施形態によれば基礎は伝統的なコンクリート製のいかだと煙突用基礎となる。
【0055】
上記のようにいくつかのアンテナ塔の実施形態において鉄筋コンクリート製とすることで有利に作られている。特に、fコンクリート/混合比は耐用年数が100年以上となる保証を可能にする方法が選択されるであろう。コンクリート製のアンテナ塔構造はメッキ鋼構造と同じく引っ掻き傷と地表上における損害が少ない。望ましくは塔は塗装されず、カラー着色したコンクリートから作ると良い。
【0056】
以上の点はコンクリート製のアンテナ塔構造を製造及び開発するときに発見されたいくつかの利点である。
【0057】
1.低熱伝導性
無線基地局には通常周辺温度がおよそ+5℃から+45℃の範囲で使用可能となる仕様が含まれる。すなわち、日中の暑い気候下では非常に高い温度になる問題を引き起こすであろう。しかしながらより暑い気候下では夜間の温度は大きく下がることになる。従来の設備では、遠距離通信シェルターのような設備を積極的に冷やすためにエアコンを使用することとなる。このように積極的に冷却することは多くのエネルギーを消費し、施設の運営上での一番のコスト(OPEX)となり、ネットワーク運営におけるランニングコストを大きくする。コンクリートは、低熱伝導性の素材である。アンテナ塔構造は24時間の間、暑い気候下で低熱伝導性を利用することを意図している。夜間には野外の温度が降下する結果、アンテナ塔構造の温度が下降する。下側の戸外温度と、「煙筒効果」とは、これら単独ではアンテナ塔構造を冷やさいようにできるが、機械的に強制されるか制御を行わない換気が必要となるであろう。また、日中温度が再び上昇すると、冷却されたアンテナ塔構造の質量分によりピーク温度を下げるようにできるので、よりクールな屋内環境を維持することができることとなる。
【0058】
2.現場生産可能性
鉄格子製の塔と他の種類の塔は、工場での製造が必要となる。鉄鋼の正確な切断作業、溶接作業環境及び熱間ディップ亜鉛メッキは、工場屋内に設置された全ての装置が必要となる。鉄鋼格子製の塔は、設置現場からしばしば離れて製造され、しばしば国から大陸に輸出されることとなる。
【0059】
本発明の実施形態によるとアンテナ塔構造はコンクリートの成形品である。生コンクリートはセメントと集合体および水の混合体である。これらの素材成分を入手可能である限りどこでもこれらを混合することができる。アンテナ塔構造は部分単位で作られ、あらゆる部分が成形型枠を必要とするであろう。成形型枠は鉄鋼製であり成形品要素のために正確な測定値を設定している。成形型枠は何千回も再利用することができる。製造工程はかなり簡単であるので、成形型枠が適切に作られるのであれば、一時的に設立された現場工場でアンテナ塔構造を生産することができる。この結果、コストの大半を削減でき、より多くの簡単さを製造工程に与えることができ、しかも環境に優しいこととなる。
【0060】
3.コスト低減
上記のようにコスト基準については既に議論した。コンクリート製のアンテナ塔構造は同等な鉄格子製の塔との比較でかなり重くいがトン当りの生産コストは鉄鋼格子塔の生産よりも約半分程度に低くなる。また本発明の塔の要素の成形はかなり簡単な工程であるので鉄格子製の塔よりも生産性が高く、安くなる。
【0061】
4.剛性/堅さ
構成上の観点からは例えば動揺減衰構造の鋼構造と比較してコンクリート製の塔は利点が多い。
【0062】
5.重量/基礎
塔に対して加わる荷重として風が関連する。設計パラメータは、風の区域、風のスピード、表面要素、リターンピリオド(return period)、地勢カテゴリ(terrain category)などである。風に対して露出されてもひっくり返らないように塔は基礎の上に構築される。普及している鉄鋼格子塔用の基礎の構築技術は現場で成形されるコンクリートの上に作られてるいかだまたは煙突構造である。具体的ないかだのコンクリート容積は、当然ながら塔の高さと重量に依存して決定されるが約35立方メートル(m3)である。この容積は約85トンと同等である。これに対して本発明の典型的なアンテナ塔構造の一つの実施形態によれば、約30トン(13立方メートルのコンクリート)の計算重量となる。このアンテナ塔構造は地面の近くにその重さの大部分を有しているので、地面から引っ繰り返えることがない非常に安定した構造となる。アンテナ塔構造の地面の上の総重量は基礎の必要性が減少すること、あるいは異なる方法で作ることができることを意味している。アンテナ塔構造用の基礎は、土のアンカーと組み合わせられる拡張可能な鋼鉄製パイルから作られるだろう。この方法は迅速であり、現場成形品基礎ほどコストがかからない。
【0063】
6.自由な形状
コンクリートはあらゆる形状及び色の少なくともいずれかに形成することができる。また同じ成形型枠から数千個の正確なレプリカを作ることができる。このことは、異なるユニークな形のアンテナ塔構造となることを意図している。格子鉄鋼にはこのような自由度がない。
【0064】
7.環境
鉄鋼の生産にはエネルギーを消費する。ニュージーランド国、ウェリントン、ビクトリア大学での具体的エネルギー係数(Embodied Energy Coefficients)統計によると亜鉛メッキされた処女鉄鋼は34.8 MJ/Kgの係数を有する。前もって成形されたコンクリートは通常2.0 MJ/Kgとなる。アンテナ塔構造ボディーは補強されたコンクリート成形品である。塔の筒体となる一つのコンポーネントである鉄筋の係数は8.9 MJ/Kgである。望ましい塔の筒体の強度はコンクリート1立方メートル当り〜200kgである。1例の塔の筒体は約13立方メートルのコンクリートを消費する。コンクリートは、約2500キログラム/立方メートルの特定重量を有する。これは1立方メートルのコンクリート当たり2x2500MJとなる。塔の望ましい構成例によれば合計で13x(1780+ 5000)MJ=8万8140MJとなる。一方、鉄鋼格子塔(40m)は約9.000kgの重量となる。よって9000 x34.8MJ=31万3200MJとなる。
【0065】
したがって上記構成例になるアンテナ塔構造によれば、同等な鉄鋼格子塔を生産するために必要となるエネルギーの約25%分の消費でよいこととなる。
【0066】
以上を纏めると、本発明のアンテナ塔構造はコンクリート以外の他の材料から作られる従来技術の塔/マストとの比較において多くの利点を有する。
【0067】
本発明の目的達成のために塔で使用される例の素材としては、鉄鋼繊維にセメントを被覆した合成物及び鉄筋の少なくともいずれかがある。他の材料としては、金属材料、プラスチック、セメントベースの素材、木、ガラス、カーボンファイバーおよびこれらの合成物が挙げられる。
【0068】
図12は無線通信のための本発明の実施形態に基づくシステムを図示するブロック図である。システム300は、ユーザ機器320に対するアクセスポイントとなる少なくとも一つ以上のアンテナ塔構造310を設けたアンテナ無線基地局を備えている。システムのアンテナ塔構造は成形品であり中空断面を有する管状の塔の部分に分割される。各部分はアンテナ塔構造の延設方向に沿って全体のアンテナ無線基地局を移動できる構造を備えている。アンテナ無線基地局が管状の塔の中に配置されている。それぞれのアンテナ塔構造はアンテナ接続された無線基地局のサービスのためのアクセスを与えるためにアンテナ塔構造に少なくとも一つの入り口を備えている。このシステム30は、放送者に特定のアンテナ塔構造デザイン(OP1、OP2、OP3、0P4、0P5など)を可能にしている。
【0069】
さらなる実施形態では、放送事業者の特定のデザインにより、サービス職員が他の塔の間で特定のアンテナ塔構造をより簡単に確認できる一方、塔内の設備は使用され、アップデートまたは再構成される。
【0070】
本発明について特定の模範的な実施形態に関して記述したが、上記の説明は一般的に発明の概念を図示することを意図したものであり、発明の範囲を制限するものではない。
【0071】
本発明の請求の範囲から逸脱しない様々な変更と変化が当業者により理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】本発明の実施形態に従うアンテナ塔構造の図である。
【図2】本発明の別の実施形態に従うアンテナ塔構造の図である。
【図3】本発明のさらに別の実施形態に従うアンテナ塔構造の図である。
【図4】本発明のさらに別の実施形態に従うアンテナ塔構造の図である。
【図5a】、
【図5b】本発明の実施形態に従うアンテナ塔構造の図である。
【図6】本発明のさらに別の実施形態に従うアンテナ塔構造の図である。
【図7】本発明の実施形態に従うエレベーター構造の図である。
【図8a】、
【図8b】本発明の実施形態に従うアンテナ塔構造のための基礎の図である。
【図9】従来技術に従うアンテナ塔構造の図である。
【図10】従来技術に従うアンテナ塔構造の図である。
【図11】本発明の実施形態に従う方法を図示したフローチャートである。
【図12】本発明の実施形態に従うシステムを図示するブロック図である。
【技術分野】
【0001】
本発明は遠距離通信塔に係り、特に無線通信システムで使用されるアンテナ塔構造に概ね関する。
【背景技術】
【0002】
遠距離通信塔/マストであって、自立形またはロープ支持型のタイプは格子鋼構造を備える。これらのマストは、しばしば亜鉛メッキされるとともに、熱間亜鉛メッキで鋼構造が亜鉛層を有する。通常鉄塔は、設計製品寿命が30〜50年の間となるように製造される。コーティングされた構造物は、機械的な摩耗に弱く、格子鉄塔も例外ではない。塔は搬送途中と設置工事中に損傷を蒙ることから、このような損傷を塔が設置されるときに修復する必要がある。設置現場では熱間亜鉛メッキを行えないので、塔が設置されるときに冷間亜鉛メッキをするかまたはスプレー塗装による方法が使用される。搬送途中と設置工事中における保護亜鉛層への損傷を回避することはできなく、腐食はこのような損傷領域から始まることとなる。腐食は、亜鉛コーティング有無に関係なく、すべての鋼構造の設計製品寿命を決定するので、構造製品寿命となる腐食を食い止めるための維持管理が必要となる。
【0003】
多くの新しいタイプのマストが開発されている。国際公開第02/41444号パンフレット、米国公開特許第2003/0142034号、米国特許第5995063号によれば内部と外部の部分を有する空洞または管状のアンテナマストについて記載されている。
【0004】
国際公開第02/41444号パンフレットは、潜水可能な設備ハウジングから拡張されたマストを含む通信マスト組立体を記述している。このハウジングは、ハウジングのアクセスルームに位置する冷房用装置を収容するであろう。またこの構造は、マストに入口および出口通路の形態で設けられる通風ダクトを有し大気循環を提供している。
【0005】
また、米国公開特許第2003/0142034号によれば、遠距離通信用アンテナを支えるように空洞のマストとマストを支える基礎構造を備えた遠距離通信用マスト施設について記載している。この開示によると地下において少なくとも部分的または望ましくは完全に位置する基礎構造の密閉部屋を備えている。部屋は職員がアクセス可能な内部空間を定義しており、アンテナの操作に関連する電子装置を収容するように構成されている。
【0006】
米国特許第5995063号によれば、内部と外部を有する空洞のアンテナマストと、この空洞のアンテナマストの中に配列されるように特別設計された可動式モジュールおよび昇降手段を備えたアンテナ構造について記載されている。この可動式モジュールは、少なくとも一つのアンテナと、少なくとも一つのRFモジュールと、一つのアンテナと少なくとも一つのRFモジュールに関連した少なくとも一つのRF伝達手段とを有する。また、昇降手段は下側の位置と上側の位置の間で空洞のアンテナマストの中で可動式モジュールの上げ下げを可能にする。
【0007】
他のタイプの遠距離通信塔/マストも存在しており、モノポール(Monopoles)と呼ばれる基本的に電気通信系が外部の表面の一部に取り付けられる鉄鋼、アルミニウムまたはコンクリート柱のマストが知られている。
【0008】
上記のような従来からの解決手段および構造によれば、大衆が見る限りにおいて、景観を妨害する歓迎されない構造物として知覚される問題がある。また、既存の塔構造は、多くの場合において、その建築コストが高価であり、またサービスを提供することが困難であるばかりか、シェルターや野外から保護された設備を含む別々の設備装置を必要とすることになる。いくつかの解決手段によれば、遠距離通信設備は塔に取り付けられる結果、気候変動に曝されることになる。
【特許文献1】国際公開第02/41444号パンフレット
【特許文献2】米国公開特許第2003/0142034号
【特許文献3】米国特許第5995063号
【発明の開示】
【0009】
一つ以上の無線基地局をその内部の設置柱体の先頭近くに配置することで、無線基地局に対して職員がアクセスすることが可能になる新しい種類の塔構造が新規の提案として開示される。上記の従来技術の文献のいずれも、中空構造物の内部にシェルター、空気ポンプ、温度調整装置を設け、およびエレベーターシャフトを全体のアンテナ無線基地局(無線基地局)と同じ構造物に設けることは記載していない。
【0010】
したがって本発明の実施形態によれば、無線通信ネットワークで使用される新規のアンテナ塔構造が導入され、塔は安価に製造でき無線サービスを極力断続することが可能になる。
【0011】
本発明はより長い耐用年数と、より良い特性と、より環境に優しい製造工程を有する新規のアンテナ塔構造を導入することをその目的としている。
【0012】
また、本発明はすべての遠距離通信設備が外側表面の内部に完全に統合されている新規のアンテナ塔構造を導入することを別の目的としている。
【0013】
係る構成および遠距離通信設備が構造物の境界面の中に完全に収容されることにより、無線基地局サイトはより安全に作られ、かつより妨害しないようにできる。
【0014】
さらに、本発明はその内部に設置柱体を有した本質的に垂直な細長い塔のボディーを具備するアンテナ塔構造を提供することを別の目的としている。この塔は塔のボディーの先頭に設けられた一つ以上の関連するアンテナの近くにおいてさらに一つ以上の無線基地局を設置柱体に配置している。設置柱体は無線基地局へ職員がアクセスできるようにさらに形成される。
【0015】
また、本発明は少なくとも一つのラジオの基地局と関連するアンテナを搬送するエレベーター構造を備えたエレベーターサブユニットを含むアンテナ塔構造を提供することを別の目的としている。このエレベーターサブユニットは自動ロック構造によってアンテナ塔構造の先頭のエレベーターユニットから取り外し可能に構成される。
【0016】
本発明のさらに別の目的は、一つ以上のアンテナ塔構造を含む無線通信システムを提供することである。この場合各構造は少なくともユーザ機器のためのアクセスポイントとして役立つ一つのアンテナ基地局を備えている。無線通信システムは成形型を用いたアンテナ塔構造によって特徴付けられ、中空断面を有する管状の塔の部分に分割される。これら部分はアンテナ塔構造の延設方向に沿って全体のアンテナ無線基地局を動かすための構造をさらに含む。アンテナ無線基地局は管状の塔の中に配列される。さらにそれぞれのアンテナ塔構造はアンテナ基地局のサービスのためにアクセスを可能にするようにアンテナ塔構造に設けられた少なくとも一つの入り口を備える。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本発明の独立請求項によって定義されるように塔を作成することで得られる利益は図り知れない。腐食、戸外に配設されるケーブルと支線、放送サービスの間の無線割込みまたは補償などの問題は、本発明によって回避される。
【0018】
無線基地局とアンテナの間で接続される短い支線により、アンテナ930が無線基地局と長いケーブル940を通してアンテナ塔920の先頭の無線基地局シェルター910から別々な状態で接続された、従来のフルサイズの無線基地局装置900(図9)において起こる出力損失を有効に減少させることができる。すなわち米国特許第5995063号によれば、無線基地局設備の一部をアンテナマストの先頭に配置することができ、これによりかなりの減衰と出力損失を発生する長い支線を使用しないようにできることが提案されている。このテクニックは「メインリモートユニット」と呼ばれており、主に小さいサイト無線基地局で使用されている。この「メインリモートユニット」の概念は、塔またはマストの先頭により近い位置に無線基地局の可動部を設けることである。このようにして他の利益の中で、いくらかの支線の損失が避けられることとなる。しかしながら、この構成によれば維持点検などのためには、アンテナの先頭に配置された無線基地局設備にアクセスするために地表面まで移動しなければならず、これにより放送休止時間を引き起こすこととなる。支線ケーブル940を短い状態で保持できる別のタイプの無線基地局設置は、図10で模式図的に明らかにされる通信塔950のように大きく構築される装置である。通常このような通信塔950は、一つ以上のラジオ通信ネットワーク、テレビジョン放送システムなどであり主なハブの役割を有しており、通常は一つ以上の無線基地局 910と、先頭の近くの関連アンテナ930とを備え、屋上または側面に沿って配置される通信塔の設置装置960を備える。このような通信塔は、その内部にしばしば階段や多くの階建、エレベーターシステムなどを備えるように大掛かりに設計される建築物として構成される。本発明になる塔構造は、上記のように個々の無線基地局を備えた建築物とは異なり、例えば一つの無線通信及び放送設備の無線基地局の少なくともいずれかを設けたタイプの構造を有することを特徴としている。
【0019】
本発明によればアンテナ塔構造の先頭にアンテナと無線基地局の全体を配置することにより以下の利益が達成される。
【0020】
設置が簡単になる。
【0021】
最適の無線の使用方法となる。短い支線は塔に据付けられる増幅器の必要性が最小になることを意味する。
【0022】
全てのラジオ標準に関する管理が可能となる(無線基地局、マイクロ波によるリンク、 レーダ方式他)。
【0023】
屋内環境において標準の無線設備のみが必要となる。
【0024】
屋内環境で標準アンテナ設備だけが必要となる。
【0025】
ほとんど損失がない異なった無線標準の組合せによって、例えばマルチアンテナに関する解決策を実行するように管理できる。
【0026】
マルチアンテナの解決策を管理できる。
【0027】
マルチセクターの解決策が可能となる。
【0028】
図1で模式図的に示される本発明の一つの実施形態によると、その内部に設けられた設置柱体30を備えた実質的に垂直な細長い塔のボディー20を具備するアンテナ塔構造10が提供される。設置柱体30は塔のボディー20の先頭の近くの一つ以上のアンテナ50に関連付けられた無線基地局40を収容するように形成される。無線放送の休止時間を最小にするために、設置柱体30は無線基地局40へ職員60がアクセスするときに基地局を降ろす必要性がないように形成される。職員が無線基地局に適切に近づけるようにするために、設置柱体は十分に大きくなければならないので、本質的にはすべての通常の維持とサービス操作が可能となるように無線基地局の正面は十分な空間を備えている。無線基地局設備への適切なアクセスを可能にするように、無線基地局を収納した設置柱体の体積は同じくらいのサイズを有する。一つの実施形態によるとアンテナ塔内の無線基地局設備は60〜100cmの標準幅と、30〜80cmの深さの標準ラックから成る。一つの実施形態によると、無線基地局の設置柱体の断面積は、少なくとも2.0、2.5、3.0m2以上に設定される。無線基地局の空きスペースは、少なくとも他1.0〜2.0m2である。一つの実施形態によると、塔は本質的には無線基地局の外周面に沿う少なくとも0.7、0.9または3m以上の半径の円形断面を有するであろう。
【0029】
一つの実施形態によると、塔のボディーの先頭に配置された一つ以上のアンテナに関連された別々の二つ以上の無線基地局を一つの設置柱体に配置している。塔の限られた頂点部分でスペースを維持するために複数の無線基地局は互いに上下に積み重ねられるであろう。複数の無線基地局は情報通信システムに関して同じタイプとなるが、異なったオペレータ(operator)か情報通信システムである例えばGSM、WCDMA、HSPA、MIMO、LTEまたは将来のタイプ情報通信システムを備えるであろう。また、アンテナ塔は無線通信装置とネットワークの無線IPなどのタイプとともに、ラジオやテレビジョン放送設備などに関連するアンテナを収容するであろう。
【0030】
設置柱体30は、塔の高さの限定的な部分を塔のベースから先頭までいっぱいに拡張するかもしれない。設置柱体は全高さ分に渡り延設される。設置柱体内部へは下側の端において入り口のドア(不図示)か同様のものを介してアクセス可能になりエレベーター手段によって無線基地局に達することができる。
【0031】
図1では塔のボディーは本質的には円形断面の円錐台形状として形成される。以下でより詳細に議論するように塔のボディーは多くの異なった形状であっても良い。アンテナを保護し、設置柱体の中の制御環境を確立するために、アンテナ保護用ドーム70が細長い塔のボディー20から延設されており、アンテナ50を取り囲んでいる。アンテナ保護用ドーム70は、無線基地局設備40に必要なシェルターを構成するとともに本質的にはアンテナ50から放たれる電波が透過できるように設計される。一つの実施形態によるとアンテナ塔はその下側の領域において一つ以上の換気口90を備え、上側の領域100に換気口に対応する開口を備えることで空気の流れは煙筒効果により設置柱体内で発生して無線基地局に対する換気が可能となるように構成されている。さらに追加的な冷却方法である空気調和装置がアンテナ塔の地理的な設置条件によって必要となる場合にはアンテナ塔構造10のベース部に通常置かれることになる。
【0032】
図2で模式図的に示された一つの実施形態によれば、3つ以上の「カラム脚」120を有する埠頭の基礎110を用いて地表レベルから距離を離れて支持された設置柱体30を細長い塔のボディー20が備えている。 この実施形態では設置柱体30の末尾端に設けられるハッチ(不図示)を通って設置柱体にアクセスできるであろう。さらに、この実施形態は設計上の自由度が確保されるので特定の塔構造をより自由に設計できることとなる。
【0033】
本発明に従う本発明に従うアンテナ塔建築物はその高さを15m以上にでき、ローカルな特性如何では50mの高さの場合がある。多くの環境下では、30〜40mの高さが適しているだろう。塔構造をより安定化させるために先頭部分と比べて塔のボディーはベースにおいてより大きい断面積を有するであろう。いくつかの実施形態では先頭は無線基地局を覆うトップセクションと比べて設置柱体のより広い下側のセクションのベースは大きい断面積になる。この下側のセクションは、直接電波信号に関連しなないバッテリーなどの非常用電源などのかさばった無線基地局の重量部品を収容するために使用されるだろう。ベースセクション(底部)は空洞であり、屋内の環境に設けられるほとんどの設備構成に合わせることができる程度に大きく設定される。このベースセクションは通常絶縁される。このような空洞の構造を有することの利点として個別のシェルターが不要になることがある。また、塔のベース構成自体による保護と登ることができない構造のために、防御フェンスが不要となる。
【0034】
以上のように自立可能な塔のボディーを設計することによって、防御フェンスなどのワイヤにより占領される地面地域と追加コストが減少することとなる。この上、自立構造は見た目にもより魅力的になる傾向がある。
【0035】
バッテリーなどはアンテナ塔構造の先頭に配置されないものの、関連するアンテナを含む標準のラック据付けた無線基地局の部品が使用される場合には無線基地局の累積重量は1000kgのオーダーとなるであろう。特に塔のボディーが自立しているときには、この重量分が例えば地面から25mの高さに配置されることを考慮に入れて塔のボディーは風荷重などに耐えるためにさらに非常に堅固かつ十分な強度を備えていなければならない。無線基地局の大重量の負荷を減少させる一つの方法が図3において模式図的に図示されており、塔のボディーを設計するときに基礎120と無線基地局装置40を除き、塔20のM2とアンテナ配列50のMlとの間での重量比を20:1、または15:1にすると良い。さらに塔のボディー20は塔のボディーと無線基地局設備の重心点CMが、1/2の塔の本体の高さ以下となり、さらに剛性を底側から先端まで減少させないように形成されるべきである。一つの実施形態によると以下に詳細に説明するように塔のボディー20は鉄筋コンクリート素材から本質的には構成されることとなる。塔のボディーを鉄筋コンクリート製で設計することによって、上記の剛性と大きなアスペクト比が可能になる。さらに薄い壁で囲まれた具体的なデザインは極度にコスト効率がよく長持ちするデザインをもたらすであろう。
【0036】
アンテナと無線基地局を落雷から保護するために、図4で模式図的に示されたアンテナ塔雷防止構成が提供され、一つ以上の大気に出ている端部のエアターミネータ140、150の形態の避雷保護手段が導体160で接地される状態で提供される。図4ではアンテナ保護用ドーム70の最高表面から延設された垂直なロッドの形態で一方のターミネータ140が設けられる結果、アンテナ塔10の最も高い位置で低電気抵抗部分が提供されるので落雷を防止できる。この垂直なロッド140の代わりに本質的に水平に延設された複数のロッド150を空気ターミネータとして塔のボディー20の先頭部分に配置している。これらの水平のロッド150は雷を偏向して引き付けて塔のボディーのトップセクションを囲む低電気抵抗の「保護リング」を提供するために形成される。塔のボディー20が補強された鉄筋コンクリート素材140から構成される場合には少なくとも金属補強の一部は避雷保護手段140、150の導体に接続される。
【0037】
図5aと図5bとに図示される一つの実施形態によれば、細長い塔のボディー20はアンテナ塔10を形成するために互いに接続される二つ以上のモジュラーセグメントのS1、S2およびS3から成っている。このような各セグメントS1、S2、S3にすることによって設置柱体30を備える塔のボディー20を予め準備しておき現場にて組み立てることができる。後述するように、このようなモジュラ式方法は鉄筋コンクリート製の塔のボディーの生産に非常に適している。成形型でコンクリート製のアンテナ塔を製造する途中で、成形型内に絶縁体他を配置することで絶縁体他の部材を一体成形することができる。しかしながらアンテナ塔を他の材料である例えば金属、プラスチック、セメント基材、木製、ガラス、カーボンファイバー及び同種の合成物で有利に作ることもできる。一つの実施形態では少なくとも塔のアンテナのセクションについては繊維をサンドイッチした強化プラスチックス製とすることができる。また各モジュールのアンテナ塔の個々のセグメントは異なった素材の組合せから成るかもしれない。一つの実施形態によるとアンテナ塔の先頭の一つ以上のセグメントがアンテナ塔の重心点を下げるために軽荷重量の素材から成ると良い。
【0038】
図6は、8つのセクションB1-B8からなる二つのベースセクションS1とS2と複数のモジュールセグメントS3-S7を有した塔のボディーの一つの実施形態を図示している。図示のように半径方向セクションをベースセグメントB1-B8とすることで製造と搬送が容易になる。図示の実施形態によれば円形断面部分がありベース直径は5.0mであるがの塔のモジュールセグメントの直径は1.8mである。アンテナ保護用ドーム70はアンテナ塔に提供されるとともにアンテナ保護用ドーム70を含む総高さは40mである。さらに少なくとも二つのモジュールの塔のセグメントS1-S5は実質的に同じとなるように同じ成形型から作られる。このようなセグメントの「同じ」一つ以上を省略するかまたは付け加えることによって成形型を変更することなく異なった高さのS1-S5からなる塔を提供することができる。
【0039】
隣接しているモジュールセグメントはボルト、リベット、粘着剤、溶接または同様のものによる適当な方法で相互接続される。相互接続を容易にするために相互接続手段が隣接しているモジュラーセグメントに提供されるかもしれない。相互接続手段は組立作業の間は角度方向と縦方向に位置決めするためのガイド構造物を具備するかもしれない。モジュールセグメントが鉄筋コンクリートから成る一つの実施形態によると、相互接続手段はセグメントモールドのメタル補強構造に対して溶接かボルトとナットによってしっかり付けられるメタル部材となる。また導体としてメタル補強の部分に接続される避雷保護の鉄筋コンクリートから成る実施形態では、少なくとも二つの隣接しているモジュラーセグメントのメタル補強構造物の一部が電気的に接続され、例えば二つの相互接続では電気接点が少なくともメタル補強部材の一部の間で提供される。
【0040】
一つの実施形態によると、その内部に設置柱体が提供されている細長いセグメント本体を具備するモジュールアンテナ塔のセグメントが提供され、二つ以上の塔のセグメントの相互接続を行うように一方または双方のアンテナ塔のボディーに相互接続手段を設けている。上記のようにセグメント本体は鉄筋コンクリートから本質的に成るかもしれない。本発明に従うアンテナ塔のモジュールの概念によれば、モジュールのアンテナ塔のセグメントを予め準備することで、建築現場でアンテナ塔を建設するために必要となる作業時間が大幅に短縮される。現場での組立作業時間をさらに短縮する方法は、梯子、エレベーターのガイド、電源ケーブルなどを設置柱体に予め取り付けておくことである。一つの実施形態によると関連アンテナを備えた無線基地局は、一つのモジュールのアンテナ塔のセグメントの設置柱体に予め設置されおり、設置時にモジュラーセグメントと同時の柱体が適所で持ち上げられるようにして配置される。無線基地局及びアンテナの少なくともいずれかを損傷する危険に曝すことを減少させるために無線基地局は最後のセグメントとして適所にトップセグメントとしてリフトで設置される。このように無線基地局設備を含むモジュラーセグメントは搬送保護の機能を有することとなるであろう。
【0041】
またモジュールのアンテナ塔の組立のための方法において以下の工程が提供される。すなわち、アンテナ塔のボディーを形成するために、予め組立られた二つ以上の細長いモジュールのアンテナ塔のセグメントを内部の設置柱体で本質的に縦方向の姿勢で相互接続する。一つの実施形態によるとこの方法は次の工程さらに含む。すなわち関連アンテナが
予備組立された細長いアンテナ塔のセグメントが一つの設置柱体を設けた状態で無線基地局を固定しておきセグメントが相互接続される。
【0042】
さらに図11で示されるフローチャートにおいて、モジュールのアンテナ塔のセグメントを生産する方法が提供される。
【0043】
すなわちステップSt1ではその内部に設置柱体を有した細長い塔のボディーを形成した成形型枠が準備される。
【0044】
ステップSt2では、成形型枠内の所定位置に金属補強部材を配置する。
【0045】
ステップSt3では、成形型枠内の一方または両端の位置に相互接続手段を配置する。
【0046】
ステップSt4では、生コンクリートで成形型枠を満たす。
【0047】
ステップSt5では、生コンクリートを硬化する。
【0048】
ステップSt6では、成形型枠からモジュラーセグメントを取り除く。
【0049】
また一つの実施形態によれば、
ステップSt7では、成形型枠の縦軸方向に沿う垂直な状態で成形型枠に充填される。
【0050】
ステップSt8では、適当な生コンクリート組成にすることによって成形型枠はその底部から満たされることになる。
【0051】
アンテナ塔の実施形態の横断面形に関する他の例として楕円形、回転形、正方形、三角形、長方形、六角形、八辺形のなどの横断面がある。ここに示したアンテナ塔の実施形態ではベース部分が先端部分よりも大きい断面積を有するようにすべて円錐形状に形成されるが、他の形状も可能である。アンテナ塔の横断面形状は特別な形状または風景になじむ形状を導入することができる。また、本発明によればビジネス上の見地からは放送局のテーマ音楽にふさわしいカスタムデザインの形状にすることができる。また、別の観点からはアンテナ塔構造は広告塔の一部を保持する形状にできる。
【0052】
上記のように塔のボディーの先頭の無線基地局にアクセスできることに加えて、例えば大規模な維持点検作業を実行したり、代替の装置に交換する作業時においてラジオ放送休止時間が時々必要となる場合がある。このような大規模な作業を容易にするために複数の無線基地局とこれらに関連するアンテナについは、設置柱体内のエレベーター構造によって上げ下ろしすることができるようにエレベーターユニットの上に配置される。図7aと図7bは、エレベーター構造170の一つの実施形態を図示しており、複数の無線基地局40とこれに関連するアンテナ50がエレベーターガイド200に沿ってエレベーターユニット190とともに昇降するようにエレベーターサブユニット180上に設けられている。このエレベーター構造170は、エレベーターユニット190から取り外しアンテナ塔構造の先頭において機械的な停止構造210によって保持できる構造(不図示)をサブユニット180に備えている。さらにエレベーターユニット190は、複数の無線基地局に設備を輸送するために搬送用プラットホーム220を備えており無線基地局設備の維持点検の際にこれに載置するように構成されている。
【0053】
一つの実施形態に従うと、エレベーターサブユニット180は上向きに設置柱体内で上昇され所定の係止位置に到達すると機械的な停止構造210は自動的にロックする。エレベーターサブユニット180を自動的にアンロックするためには予定された距離分さらに上昇させると機械的な停止構造210がサブユニット180との間の係合が解除され、エレベータユニット190に続いてエレベーターサブユニット180が設置柱体内で下降する。
【0054】
図8aと図8bは、本発明で使用される延設可能な鉄鋼パイル230を使用した基礎に関する一つの例を図示している。図示の実施形態では鉄鋼パイル230の数は3本まで減少可能となることが図示されているが、このパイル230の本数は明らかに特定の塔のデザインに適合させなければならない。アンテナ塔10を建設する前に鉄鋼パイル230を埋設することで、アンテナ塔のベースに対してフラット面と傾き等の調整が可能となるように接続できるので、地面上における下準備の程度を減少させることができる。一つの実施形態では、地面の特性に依存して1本以上のパイル230がコンクリートの台座などに置換されることとなる。別の実施形態によれば基礎は伝統的なコンクリート製のいかだと煙突用基礎となる。
【0055】
上記のようにいくつかのアンテナ塔の実施形態において鉄筋コンクリート製とすることで有利に作られている。特に、fコンクリート/混合比は耐用年数が100年以上となる保証を可能にする方法が選択されるであろう。コンクリート製のアンテナ塔構造はメッキ鋼構造と同じく引っ掻き傷と地表上における損害が少ない。望ましくは塔は塗装されず、カラー着色したコンクリートから作ると良い。
【0056】
以上の点はコンクリート製のアンテナ塔構造を製造及び開発するときに発見されたいくつかの利点である。
【0057】
1.低熱伝導性
無線基地局には通常周辺温度がおよそ+5℃から+45℃の範囲で使用可能となる仕様が含まれる。すなわち、日中の暑い気候下では非常に高い温度になる問題を引き起こすであろう。しかしながらより暑い気候下では夜間の温度は大きく下がることになる。従来の設備では、遠距離通信シェルターのような設備を積極的に冷やすためにエアコンを使用することとなる。このように積極的に冷却することは多くのエネルギーを消費し、施設の運営上での一番のコスト(OPEX)となり、ネットワーク運営におけるランニングコストを大きくする。コンクリートは、低熱伝導性の素材である。アンテナ塔構造は24時間の間、暑い気候下で低熱伝導性を利用することを意図している。夜間には野外の温度が降下する結果、アンテナ塔構造の温度が下降する。下側の戸外温度と、「煙筒効果」とは、これら単独ではアンテナ塔構造を冷やさいようにできるが、機械的に強制されるか制御を行わない換気が必要となるであろう。また、日中温度が再び上昇すると、冷却されたアンテナ塔構造の質量分によりピーク温度を下げるようにできるので、よりクールな屋内環境を維持することができることとなる。
【0058】
2.現場生産可能性
鉄格子製の塔と他の種類の塔は、工場での製造が必要となる。鉄鋼の正確な切断作業、溶接作業環境及び熱間ディップ亜鉛メッキは、工場屋内に設置された全ての装置が必要となる。鉄鋼格子製の塔は、設置現場からしばしば離れて製造され、しばしば国から大陸に輸出されることとなる。
【0059】
本発明の実施形態によるとアンテナ塔構造はコンクリートの成形品である。生コンクリートはセメントと集合体および水の混合体である。これらの素材成分を入手可能である限りどこでもこれらを混合することができる。アンテナ塔構造は部分単位で作られ、あらゆる部分が成形型枠を必要とするであろう。成形型枠は鉄鋼製であり成形品要素のために正確な測定値を設定している。成形型枠は何千回も再利用することができる。製造工程はかなり簡単であるので、成形型枠が適切に作られるのであれば、一時的に設立された現場工場でアンテナ塔構造を生産することができる。この結果、コストの大半を削減でき、より多くの簡単さを製造工程に与えることができ、しかも環境に優しいこととなる。
【0060】
3.コスト低減
上記のようにコスト基準については既に議論した。コンクリート製のアンテナ塔構造は同等な鉄格子製の塔との比較でかなり重くいがトン当りの生産コストは鉄鋼格子塔の生産よりも約半分程度に低くなる。また本発明の塔の要素の成形はかなり簡単な工程であるので鉄格子製の塔よりも生産性が高く、安くなる。
【0061】
4.剛性/堅さ
構成上の観点からは例えば動揺減衰構造の鋼構造と比較してコンクリート製の塔は利点が多い。
【0062】
5.重量/基礎
塔に対して加わる荷重として風が関連する。設計パラメータは、風の区域、風のスピード、表面要素、リターンピリオド(return period)、地勢カテゴリ(terrain category)などである。風に対して露出されてもひっくり返らないように塔は基礎の上に構築される。普及している鉄鋼格子塔用の基礎の構築技術は現場で成形されるコンクリートの上に作られてるいかだまたは煙突構造である。具体的ないかだのコンクリート容積は、当然ながら塔の高さと重量に依存して決定されるが約35立方メートル(m3)である。この容積は約85トンと同等である。これに対して本発明の典型的なアンテナ塔構造の一つの実施形態によれば、約30トン(13立方メートルのコンクリート)の計算重量となる。このアンテナ塔構造は地面の近くにその重さの大部分を有しているので、地面から引っ繰り返えることがない非常に安定した構造となる。アンテナ塔構造の地面の上の総重量は基礎の必要性が減少すること、あるいは異なる方法で作ることができることを意味している。アンテナ塔構造用の基礎は、土のアンカーと組み合わせられる拡張可能な鋼鉄製パイルから作られるだろう。この方法は迅速であり、現場成形品基礎ほどコストがかからない。
【0063】
6.自由な形状
コンクリートはあらゆる形状及び色の少なくともいずれかに形成することができる。また同じ成形型枠から数千個の正確なレプリカを作ることができる。このことは、異なるユニークな形のアンテナ塔構造となることを意図している。格子鉄鋼にはこのような自由度がない。
【0064】
7.環境
鉄鋼の生産にはエネルギーを消費する。ニュージーランド国、ウェリントン、ビクトリア大学での具体的エネルギー係数(Embodied Energy Coefficients)統計によると亜鉛メッキされた処女鉄鋼は34.8 MJ/Kgの係数を有する。前もって成形されたコンクリートは通常2.0 MJ/Kgとなる。アンテナ塔構造ボディーは補強されたコンクリート成形品である。塔の筒体となる一つのコンポーネントである鉄筋の係数は8.9 MJ/Kgである。望ましい塔の筒体の強度はコンクリート1立方メートル当り〜200kgである。1例の塔の筒体は約13立方メートルのコンクリートを消費する。コンクリートは、約2500キログラム/立方メートルの特定重量を有する。これは1立方メートルのコンクリート当たり2x2500MJとなる。塔の望ましい構成例によれば合計で13x(1780+ 5000)MJ=8万8140MJとなる。一方、鉄鋼格子塔(40m)は約9.000kgの重量となる。よって9000 x34.8MJ=31万3200MJとなる。
【0065】
したがって上記構成例になるアンテナ塔構造によれば、同等な鉄鋼格子塔を生産するために必要となるエネルギーの約25%分の消費でよいこととなる。
【0066】
以上を纏めると、本発明のアンテナ塔構造はコンクリート以外の他の材料から作られる従来技術の塔/マストとの比較において多くの利点を有する。
【0067】
本発明の目的達成のために塔で使用される例の素材としては、鉄鋼繊維にセメントを被覆した合成物及び鉄筋の少なくともいずれかがある。他の材料としては、金属材料、プラスチック、セメントベースの素材、木、ガラス、カーボンファイバーおよびこれらの合成物が挙げられる。
【0068】
図12は無線通信のための本発明の実施形態に基づくシステムを図示するブロック図である。システム300は、ユーザ機器320に対するアクセスポイントとなる少なくとも一つ以上のアンテナ塔構造310を設けたアンテナ無線基地局を備えている。システムのアンテナ塔構造は成形品であり中空断面を有する管状の塔の部分に分割される。各部分はアンテナ塔構造の延設方向に沿って全体のアンテナ無線基地局を移動できる構造を備えている。アンテナ無線基地局が管状の塔の中に配置されている。それぞれのアンテナ塔構造はアンテナ接続された無線基地局のサービスのためのアクセスを与えるためにアンテナ塔構造に少なくとも一つの入り口を備えている。このシステム30は、放送者に特定のアンテナ塔構造デザイン(OP1、OP2、OP3、0P4、0P5など)を可能にしている。
【0069】
さらなる実施形態では、放送事業者の特定のデザインにより、サービス職員が他の塔の間で特定のアンテナ塔構造をより簡単に確認できる一方、塔内の設備は使用され、アップデートまたは再構成される。
【0070】
本発明について特定の模範的な実施形態に関して記述したが、上記の説明は一般的に発明の概念を図示することを意図したものであり、発明の範囲を制限するものではない。
【0071】
本発明の請求の範囲から逸脱しない様々な変更と変化が当業者により理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】本発明の実施形態に従うアンテナ塔構造の図である。
【図2】本発明の別の実施形態に従うアンテナ塔構造の図である。
【図3】本発明のさらに別の実施形態に従うアンテナ塔構造の図である。
【図4】本発明のさらに別の実施形態に従うアンテナ塔構造の図である。
【図5a】、
【図5b】本発明の実施形態に従うアンテナ塔構造の図である。
【図6】本発明のさらに別の実施形態に従うアンテナ塔構造の図である。
【図7】本発明の実施形態に従うエレベーター構造の図である。
【図8a】、
【図8b】本発明の実施形態に従うアンテナ塔構造のための基礎の図である。
【図9】従来技術に従うアンテナ塔構造の図である。
【図10】従来技術に従うアンテナ塔構造の図である。
【図11】本発明の実施形態に従う方法を図示したフローチャートである。
【図12】本発明の実施形態に従うシステムを図示するブロック図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
その内部に設置柱体(30)を有した実質的に垂直な細長い塔のボディー(20)と、前記塔のボディーの先頭で一つ以上のアンテナ(50)に関連してその近傍に配置される一つ以上の無線基地局(40)と、を備え、
前記設置柱体は、前記無線基地局へ職員(60)がアクセス可能となるように形成されるアンテナ塔構造(10)。
【請求項2】
前記設置柱体は、塔のベースから前記先頭まで延設される請求項1に記載のアンテナ塔構造。
【請求項3】
前記無線基地局の配置場所における前記設置柱体の横断面積は、少なくとも1.0、1.5、2.0m2である請求項1または2に記載のアンテナ塔構造。
【請求項4】
前記無線基地局の配置場所における前記設置柱体の横断面は少なくとも0.7、0.9または1.3m以上の半径を有する円形である請求項1乃至3のいずれか1項に記載のアンテナ塔構造。
【請求項5】
前記無線基地局は標準ラック取付ユニットを備える請求項1乃至4のいずれか1項に記載のアンテナ塔構造。
【請求項6】
前記塔のボディーの先頭で一つ以上のアンテナに関連されてその近傍に配置される二つ以上の前記無線基地局と、を備える請求項1乃至5のいずれか1項に記載のアンテナ塔構造。
【請求項7】
前記塔のボディーと前記設置柱体は、先頭の横断面積に比較してベースの横断面積が大きい請求項1乃至6のいずれか1項に記載のアンテナ塔構造。
【請求項8】
前記設置柱体はその内部がよじ登ることができる請求項1乃至7のいずれか1項に記載のアンテナ塔構造。
【請求項9】
前記塔のボディーは、二つ以上のモジュラーセグメント(S1、S2…)を備える請求項1乃至8のいずれか1項に記載のアンテナ塔構造。
【請求項10】
少なくとも前記二つのモジュラーセグメントが同じ寸法である請求項1乃至9のいずれか1項に記載のアンテナ塔構造。
【請求項11】
前記セグメントのベースセグメントの下側の端の横断面積が、その上の前記セグメントの横断面積と対応する請求項9または10に記載のアンテナ塔構造。
【請求項12】
前記ベースセグメントは相互接続された二つ以上のセクション(B1、B2…)を備える請求項11に記載のアンテナ塔構造。
【請求項13】
前記塔のボディーと、前記アンテナの構成を有する前記無線基地局との間の重量比が20:1を超えるとともに、前記塔のボディーと前記無線基地局の設備との重心点が、前記塔のボディーの高さの1/2以下となるように形成される請求項1乃至12のいずれか1項に記載のアンテナ塔構造。
【請求項14】
前記塔は自立式建築物である請求項1乃至13のいずれか1項に記載のアンテナ塔構造。
【請求項15】
前記塔のボディーが鉄筋コンクリート素材から成る請求項1乃至14のいずれか1項に記載のアンテナ塔構造。
【請求項16】
導体(160)を介して接地されるように接続される一つ以上の大気に出ている端部の形態を備える避雷保護手段(140、150)を備える請求項1乃至15のいずれか1項に記載のアンテナ塔構造。
【請求項17】
前記塔のボディーの先頭において水平に延設されて配置されるロッド(150)の形態の二つ以上の大気に出ている端部を備える請求項1乃至16のいずれか1項に記載のアンテナ塔構造。
【請求項18】
前記塔のボディーが金属補強部材を有するコンクリート素材から成り、避雷保護手段からの前記導体が前記金属補強部材の一部に接続される請求項16または17に記載のアンテナ塔構造。
【請求項19】
前記アンテナを覆うとともに、前記塔のボディーから延設されるアンテナ保護用ドーム(70)を備える請求項1乃至18のいずれか1項に記載のアンテナ塔構造。
【請求項20】
前記無線基地局は、GSM、WCDMA、HSPA、MIMO、LTEのタイプまたは将来の情報通信システムのタイプに属する請求項1乃至19のいずれか1項に記載のアンテナ塔構造。
【請求項21】
複数の前記無線基地局とこれらに関連する前記アンテナが前記設置柱体内のエレベーター構造(170)によって上昇、下降されるエレベーターユニット(190) の上に配置される請求項1乃至20のいずれか1項に記載のアンテナ塔構造。
【請求項22】
複数の前記無線基地局とこれらに関連する前記アンテナを搬送するエレベーターサブユニット(180)がエレベーターユニットとともに移動可能に設けられ、機械的な自動ロック構造(210)によって前記エレベーターユニットから前記エレベーターサブユニットを取り外してアンテナ塔構造の先頭で保持可能にした請求項1乃至21のいずれか1項に記載のアンテナ塔構造。
【請求項23】
前記エレベーターユニットは、複数の前記無線基地局から設備を搬送するかまたは設備を前記無線基地局に搬送する搬送用プラットホーム(220)を備え、これを前記無線基地局の設備の維持点検の作業台として使用する請求項21または22に記載のアンテナ塔構造。
【請求項24】
前記機械的な自動ロック構造は、前記エレベーターサブユニットが上昇の動作中において前記設置柱体内の所定の停止位置に到達すると自動的にロックする請求項22または23に記載のアンテナ塔構造。
【請求項25】
前記機械的な自動ロック構造は、前記エレベーターサブユニットが前記停止位置から所定距離分上昇されるとロックを解除し、前記設置柱体内で前記停止位置を通過して前記エレベーターサブユニットが前記エレベータユニットの降下に追従する自由状態になる請求項24に記載のアンテナ塔構造。
【請求項26】
アンテナ塔構造(10)のためのエレベーター構造(170)であって、少なくとも一つの無線基地局(40)とこれに関連するアンテナ(50)を搬送するエレベーターサブユニット(180)を備え、前記エレベーターサブユニットが自動ロック構造(210)により前記アンテナ塔構造の先頭においてエレベーターユニット(190)から取り外し可能であるエレベーター構造。
【請求項27】
前記機械的な自動ロック構造は、前記エレベーターサブユニットが上昇途中において所定の停止位置に到達するとロックする請求項26に記載のエレベーター構造。
【請求項28】
前記機械的な自動ロック構造は、前記エレベーターサブユニットが前記停止位置から所定距離分上昇されるとロックを解除し、前記エレベーターサブユニットが前記停止位置を通過するエレベータユニットの降下に追従する自由状態になる請求項26または27に記載のエレベーター構造。
【請求項1】
その内部に設置柱体(30)を有した実質的に垂直な細長い塔のボディー(20)と、前記塔のボディーの先頭で一つ以上のアンテナ(50)に関連してその近傍に配置される一つ以上の無線基地局(40)と、を備え、
前記設置柱体は、前記無線基地局へ職員(60)がアクセス可能となるように形成されるアンテナ塔構造(10)。
【請求項2】
前記設置柱体は、塔のベースから前記先頭まで延設される請求項1に記載のアンテナ塔構造。
【請求項3】
前記無線基地局の配置場所における前記設置柱体の横断面積は、少なくとも1.0、1.5、2.0m2である請求項1または2に記載のアンテナ塔構造。
【請求項4】
前記無線基地局の配置場所における前記設置柱体の横断面は少なくとも0.7、0.9または1.3m以上の半径を有する円形である請求項1乃至3のいずれか1項に記載のアンテナ塔構造。
【請求項5】
前記無線基地局は標準ラック取付ユニットを備える請求項1乃至4のいずれか1項に記載のアンテナ塔構造。
【請求項6】
前記塔のボディーの先頭で一つ以上のアンテナに関連されてその近傍に配置される二つ以上の前記無線基地局と、を備える請求項1乃至5のいずれか1項に記載のアンテナ塔構造。
【請求項7】
前記塔のボディーと前記設置柱体は、先頭の横断面積に比較してベースの横断面積が大きい請求項1乃至6のいずれか1項に記載のアンテナ塔構造。
【請求項8】
前記設置柱体はその内部がよじ登ることができる請求項1乃至7のいずれか1項に記載のアンテナ塔構造。
【請求項9】
前記塔のボディーは、二つ以上のモジュラーセグメント(S1、S2…)を備える請求項1乃至8のいずれか1項に記載のアンテナ塔構造。
【請求項10】
少なくとも前記二つのモジュラーセグメントが同じ寸法である請求項1乃至9のいずれか1項に記載のアンテナ塔構造。
【請求項11】
前記セグメントのベースセグメントの下側の端の横断面積が、その上の前記セグメントの横断面積と対応する請求項9または10に記載のアンテナ塔構造。
【請求項12】
前記ベースセグメントは相互接続された二つ以上のセクション(B1、B2…)を備える請求項11に記載のアンテナ塔構造。
【請求項13】
前記塔のボディーと、前記アンテナの構成を有する前記無線基地局との間の重量比が20:1を超えるとともに、前記塔のボディーと前記無線基地局の設備との重心点が、前記塔のボディーの高さの1/2以下となるように形成される請求項1乃至12のいずれか1項に記載のアンテナ塔構造。
【請求項14】
前記塔は自立式建築物である請求項1乃至13のいずれか1項に記載のアンテナ塔構造。
【請求項15】
前記塔のボディーが鉄筋コンクリート素材から成る請求項1乃至14のいずれか1項に記載のアンテナ塔構造。
【請求項16】
導体(160)を介して接地されるように接続される一つ以上の大気に出ている端部の形態を備える避雷保護手段(140、150)を備える請求項1乃至15のいずれか1項に記載のアンテナ塔構造。
【請求項17】
前記塔のボディーの先頭において水平に延設されて配置されるロッド(150)の形態の二つ以上の大気に出ている端部を備える請求項1乃至16のいずれか1項に記載のアンテナ塔構造。
【請求項18】
前記塔のボディーが金属補強部材を有するコンクリート素材から成り、避雷保護手段からの前記導体が前記金属補強部材の一部に接続される請求項16または17に記載のアンテナ塔構造。
【請求項19】
前記アンテナを覆うとともに、前記塔のボディーから延設されるアンテナ保護用ドーム(70)を備える請求項1乃至18のいずれか1項に記載のアンテナ塔構造。
【請求項20】
前記無線基地局は、GSM、WCDMA、HSPA、MIMO、LTEのタイプまたは将来の情報通信システムのタイプに属する請求項1乃至19のいずれか1項に記載のアンテナ塔構造。
【請求項21】
複数の前記無線基地局とこれらに関連する前記アンテナが前記設置柱体内のエレベーター構造(170)によって上昇、下降されるエレベーターユニット(190) の上に配置される請求項1乃至20のいずれか1項に記載のアンテナ塔構造。
【請求項22】
複数の前記無線基地局とこれらに関連する前記アンテナを搬送するエレベーターサブユニット(180)がエレベーターユニットとともに移動可能に設けられ、機械的な自動ロック構造(210)によって前記エレベーターユニットから前記エレベーターサブユニットを取り外してアンテナ塔構造の先頭で保持可能にした請求項1乃至21のいずれか1項に記載のアンテナ塔構造。
【請求項23】
前記エレベーターユニットは、複数の前記無線基地局から設備を搬送するかまたは設備を前記無線基地局に搬送する搬送用プラットホーム(220)を備え、これを前記無線基地局の設備の維持点検の作業台として使用する請求項21または22に記載のアンテナ塔構造。
【請求項24】
前記機械的な自動ロック構造は、前記エレベーターサブユニットが上昇の動作中において前記設置柱体内の所定の停止位置に到達すると自動的にロックする請求項22または23に記載のアンテナ塔構造。
【請求項25】
前記機械的な自動ロック構造は、前記エレベーターサブユニットが前記停止位置から所定距離分上昇されるとロックを解除し、前記設置柱体内で前記停止位置を通過して前記エレベーターサブユニットが前記エレベータユニットの降下に追従する自由状態になる請求項24に記載のアンテナ塔構造。
【請求項26】
アンテナ塔構造(10)のためのエレベーター構造(170)であって、少なくとも一つの無線基地局(40)とこれに関連するアンテナ(50)を搬送するエレベーターサブユニット(180)を備え、前記エレベーターサブユニットが自動ロック構造(210)により前記アンテナ塔構造の先頭においてエレベーターユニット(190)から取り外し可能であるエレベーター構造。
【請求項27】
前記機械的な自動ロック構造は、前記エレベーターサブユニットが上昇途中において所定の停止位置に到達するとロックする請求項26に記載のエレベーター構造。
【請求項28】
前記機械的な自動ロック構造は、前記エレベーターサブユニットが前記停止位置から所定距離分上昇されるとロックを解除し、前記エレベーターサブユニットが前記停止位置を通過するエレベータユニットの降下に追従する自由状態になる請求項26または27に記載のエレベーター構造。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5a】
【図5b】
【図6】
【図7】
【図8a】
【図8b】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5a】
【図5b】
【図6】
【図7】
【図8a】
【図8b】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公表番号】特表2009−530962(P2009−530962A)
【公表日】平成21年8月27日(2009.8.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−501385(P2009−501385)
【出願日】平成19年3月16日(2007.3.16)
【国際出願番号】PCT/SE2007/050163
【国際公開番号】WO2007/108765
【国際公開日】平成19年9月27日(2007.9.27)
【出願人】(598036300)テレフオンアクチーボラゲット エル エム エリクソン(パブル) (2,266)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成21年8月27日(2009.8.27)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年3月16日(2007.3.16)
【国際出願番号】PCT/SE2007/050163
【国際公開番号】WO2007/108765
【国際公開日】平成19年9月27日(2007.9.27)
【出願人】(598036300)テレフオンアクチーボラゲット エル エム エリクソン(パブル) (2,266)
【Fターム(参考)】
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