説明

設計のグループを生成するように原子炉心燃料集合体設計を摂動させる方法

【課題】原子炉の燃料集合体に対して燃料棒濃縮を選択するために開発された方法を提供すること。
【解決手段】この方法は、初期燃料集合体設計内で燃料棒タイプの順序付リストを作り出すステップと、複数の摂動された燃料集合体設計を作り出すように、初期集合体設計内で少なくとも燃料棒タイプのサブセットを摂動するステップと、許容可能な燃料濃縮タイプおよび摂動された集合体に対する許容可能平均濃縮の燃料棒を有する摂動された燃料集合体設計を選択するステップと、選択した摂動された燃料集合体設計のそれぞれと初期燃料集合体設計の間の差を測定するステップと、所定の閾値差値より小さい差を有する摂動された燃料集合体設計のグループを作り出すステップとを含んでいる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は沸騰水型原子炉(BWR)の燃料設計に関する。詳細には、本発明は原子炉の炉芯に使用される燃料集合体の燃料棒濃縮を測定することに関する。
【背景技術】
【0002】
BWR内の普通の芯は、200から900の燃料集合体を含んでいる。各燃料集合体は、燃料棒の配列、例えば二次元(2D)格子を含んでいる。各集合体では、設計者は集合体の格子内の各棒の濃縮値を選択する。濃縮値は、ピーク限界およびR因数制約などの、BWRの設計制約に基づき選択される。
【0003】
「ピン」とも呼ばれる燃料棒は、燃料ペレットの山を含んでいる。ペレットは、反応性制御のための核分裂性物質(当方の目的では、U235)およびガドリニア可燃性毒物の複合物である。ペレットは異なるタイプで利用可能であり、各タイプは独自の構成および異なる濃縮値を有する。単一の燃料棒内のペレットは普通、共通の構成を有する。ペレット構成により、燃料棒の濃縮値が決まる。
【0004】
集合体内の局所出力は、特定の棒を囲む個別の棒の関数である。重要な局所出力因数はR因数と呼ばれる。R因数は、熱水圧変数(流量、入口サブクール、システム圧力、水力直径など)を格子燃料棒出力ピーク分配に相関させる。暴露ピークは、各個別の燃料ピンの局所ピークの積分に関連し、燃料の最大認可暴露能力によって制約される。
【0005】
燃料集合体内の局所ピークおよびR因数値は、MAPLHGR限界(KW/ft限界)および最小臨界出力比(MCPR)限界に直接比例するので、集合体平均濃縮、熱間から冷間スイング(熱い非制御状態から冷たい制御状態までのサイクル開始(BOC)での反応暴走)、および暴露依存反応性全体などの他の集合体設計基準を満たしながら、局所ピークおよびR因数値を最小限に抑えることが有益である。暴露は燃料集合体を設計する際に考慮される。というのは、高い暴露ピーク因数が、最大集合体暴露、したがって原子炉内に装填することができる最大再装填濃縮を制限するからである。
【0006】
核燃料設計の複雑性は、燃料棒および集合体に対して目標属性を得るための必要性の自然の結果である。最も単純な燃料集合体格子設計は、全て均一の濃縮を有する燃料棒を含んでいる。この最も単純な格子設計は、設計および製造するのに効率的および経済的だろう。
【0007】
単一の濃縮値を有する燃料集合体は、BWR原子炉心の局所ピークおよび/または反応性要件を満たすことができない可能性が最も高いだろう。これらのBWR要件を達成するために、燃料集合体は様々な濃縮を有する燃料棒で形成されている。集合体内に様々な燃料棒濃縮を含むことによりBWR要件を満たすのを助けるが、濃縮の多様性により、集合体設計および濃縮体内への棒の組み付けの複雑性が増す。
【0008】
原子炉の燃料集合体に対する燃料棒(ピン)濃縮、および格子の位置を測定する方法が、米国特許公開第2004−0,236,544A1号(第’544号公報)に開示されている。開示された方法は、入力パラメータおよび目標状態を認め、集合体、例えば格子設計内の全ての棒に対する濃縮値を測定する。目標状態は、(i)格子平均濃縮、(ii)局所ピーク因数、(iii)R因数、および(iv)暴露ピーク因数を含んでいる可能性がある集合体設計制約に影響を与える可能性がある。第’544号公報に開示された方法は、格子内の特定の棒に対する濃縮変化の隣接する燃料棒効果への影響を推定するために反応マトリックス分析を使用する。第’544号公報に開示された方法は、各格子配置で棒に対する濃縮を特定する集合体設計(または格子設計)を出力する。集合体設計は、目標状態、例えば設計の制約を満たしている。
【0009】
集合体設計は普通、様々な濃縮値の燃料棒を有する。様々な濃縮値の棒を有することにより、燃料集合体の複雑性が増す。燃料集合体を製造する費用は、集合体の濃縮値の数が大きくなるにつれて大きくなる。燃料集合体で使用される異なる濃縮値の数を小さくすることによって燃料集合体設計を単純化することは、集合体を作る費用を少なくする可能性を有する。
【特許文献1】米国特許公開第2004−0,236,544A1号公報
【特許文献2】米国特許第5272736号公報
【特許文献3】米国特許第5790616号公報
【特許文献4】米国特許第5822388号公報
【特許文献5】米国特許第6181762号公報
【特許文献6】米国特許第6891912号公報
【特許文献7】米国特許出願公開第20030123600号公報
【特許文献8】米国特許出願公開第20040101083号公報
【特許文献9】米国特許出願公開第20040122629号公報
【特許文献10】米国特許出願公開第20040122632号公報
【特許文献11】米国特許出願公開第20040151274号公報
【特許文献12】米国特許出願公開第20040220787号公報
【特許文献13】米国特許出願公開第20040243370号公報
【特許文献14】米国特許出願公開第20050086036号公報
【特許文献15】米国特許出願公開第20030086520号公報
【特許文献16】米国特許出願公開第20050015227号公報
【特許文献17】米国特許出願公開第20040191734号公報
【特許文献18】米国特許出願公開第20060167566号公報
【特許文献19】米国特許出願公開第20060149512号公報
【特許文献20】米国特許出願公開第20060149514号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
燃料集合体の設計を簡単にする方法およびシステムに対する長い切実な需要がある。より詳細には、BWR要件応用例制約を満たし、燃料集合体の製造費用を最小限に抑える燃料集合体を最適化するのを助ける方法およびシステムに対する需要がある。さらに、集合体の様々な棒濃縮を少なくすることによって燃料集合体設計を簡単にする方法およびシステムに対する長い切実な需要がある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本明細書で開示された方法は、各棒格子位置に対する棒濃縮値の選択を含む、集合体に対する適切な燃料濃縮値の選択を簡単にするのに適用可能である。燃料棒、例えばピンに対する濃縮値の選択、および集合体の格子内への選択した棒の定置に対する大きな複雑性がある。複雑性は、集合体内の各棒の位置に対して選択することができる様々な棒濃縮によるものである。
【0012】
原子炉の燃料集合体に対して燃料棒濃縮を選択するための方法が開発され、この方法は初期燃料集合体設計内に燃料棒タイプの順序付リストを作成するステップと、複数の摂動された燃料集合体設計を作り出すように初期燃料集合体設計内で燃料棒タイプの少なくとも1つのサブセットを摂動させるステップと、許容可能な燃料濃縮タイプおよび摂動された集合体に対する許容可能平均濃縮の燃料棒を有する摂動された燃料集合体設計を選択するステップと、選択した摂動された燃料集合体設計と初期燃料集合体設計それぞれの間の差を測定するステップと、所定の閾値差値より小さい差を有する摂動された燃料集合体設計のグループを作り出すステップとを含んでいる。
【0013】
原子炉の燃料集合体に対して燃料棒濃縮を選択するための方法が開発され、この方法は初期燃料集合体設計内に燃料棒タイプの順序付リストを作り出すステップであって、リストは初期燃料集合体設計内の発生頻度により燃料棒タイプを順序付けするステップと、初期燃料集合体設計内の燃料棒のサブセットを選択するステップであって、サブセットは所定の遮断頻度より低い頻度を有するタイプの燃料棒を含むステップと、サブセット内の燃料棒の組合せおよび摂動に対応する摂動された燃料集合体設計を作り出すために、初期燃料集合体設計内の燃料棒タイプのサブセットのみを摂動させるステップと、許容可能な燃料濃縮タイプおよび摂動された集合体に対する許容可能平均濃縮の燃料棒を有する摂動された燃料集合体設計を選択するステップと、選択した摂動された燃料集合体設計それぞれの濃縮値と初期燃料集合体設計の濃縮値の差を測定するステップであって、摂動された燃料集合体設計に対する濃縮値が摂動された燃料集合体設計に対する局所ピークおよびR因数への影響を推定するための反応マトリックスを使用して測定されるステップと、所定の閾値差値より小さい差を有する摂動された燃料集合体設計のグループを作り出すステップとを含んでいる。
【0014】
原子炉心用の燃料集合体設計のグループ化は、グループが原子炉の芯用の摂動された燃料集合体設計を含んでいる場合に開発され、摂動された燃料集合体設計はそれぞれ初期燃料集合体設計の濃縮値差の所定の許容範囲内の濃縮値差を有し、摂動された燃料集合体設計はそれぞれ芯内の集合体に対する所定の設計制約を満たし、摂動された燃料集合体設計はそれぞれ初期燃料集合体設計の摂動である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
燃料集合体格子は、燃料棒用の多くの位置、例えば数十または数百の棒位置を有する。集合体内の燃料棒は普通、様々な濃縮値の1つを有することができる。燃料棒濃縮を測定することは、各燃料棒に対する濃縮値を選択すること、ならびに棒および集合体の操作の際に濃縮値が与える影響を判断することが必要である。さらに、棒の濃縮値は格子内の他の棒の操作に影響を与える。棒内の濃縮値の変化は、変化している棒の操作、集合体内の他の棒、および集合体全体の操作に関して判断すべきである。この判断は、集合体内の各棒に加えられる各濃縮変化に必要である。
【0016】
このような判断の数は、集合体の格子内の濃縮を調節することによって集合体を単純化する過程において大きくなる。格子設計の単純化に対する別の問題は、別の濃縮だけの利用可能性、およびガドリニア濃度レベルによるものである。より詳細には、棒濃縮値は別個のレベルで利用可能である。各棒に対する濃縮は、利用可能な別個のレベルの1つから選択しなければならない。連続可変最適化として集合体の設計を処理することは普通は実用的ではない。というのは、利用可能な濃縮レベルは連続可変パラメータではないからである。
【0017】
本明細書で開示された方法および配置は、目標局所ピークおよびR因数要件を満たす潜在的分配を特定することによって、燃料集合体格子内の燃料棒に対する最適濃縮分配の選択を簡単にすることができる。この方法は、2D濃縮分配、例えば格子設計を調節する。調節した格子設計は、前のまたは基本の燃料集合体格子設計(集合的に、「初期燃料集合体設計」と呼ぶ)とは異なる格子平均濃縮を有することができる。調節した格子設計は、その平均濃縮および他の特徴が設計の制約を満たすことを保証するように判断しなければならない。棒濃縮測定は、再帰的分析などの任意の集合体濃縮分析または調査選択肢を使用することによって簡単にすることができる。この方法はまた、濃縮変化の影響を推測するために反応マトリックスなどの任意の単純化技術を使用することができる。濃縮調査選択肢単純化技術は、可能な集合体濃縮が特定の濃縮基準内にあるかどうかを判断する。単純化技術は、集合体を少ない数の燃料棒(ピン)濃縮タイプで設計することを可能にすることができる。特定の原子炉内でも十分機能するより少ない濃縮タイプの集合体はまた、製造過程を簡素化することができるので、構築する費用が少ない。
【0018】
図1は、BWRの芯内に挿入される普通の燃料集合体10を示している。各集合体は、燃料棒16のグループを支持する格子14を囲む外側経路12を備えている。格子は普通、棒位置の矩形配列、例えば四角形である。格子は普通、9×9、10×10、または他のN×N配列などの燃料棒位置の配列を含んでいる。棒は、燃料集合体用の設計に基づき選択した格子位置に装填される。棒は、経路内で互いにほぼ平行に延びるように格子内に配置されている。
【0019】
燃料集合体を設計することは普通、比較的多数の様々な濃縮タイプ、例えば12から20の異なる濃縮タイプから各棒に対する濃縮タイプを選択する必要がある。多数の異なる燃料濃縮タイプを有することにより、燃料集合体の製造の複雑性および費用が増す。したがって、いずれか1つの集合体内の様々な燃料棒濃縮タイプの数を少なくすることによって燃料集合体の設計を単純化する必要がある。
【0020】
過程、方法および設計戦略は、単純化された設計が燃料に対するピークおよび濃縮要件を満たすことを保証しながら適切な燃料設計を単純化させるために開発された。本明細書に記載された単純化モデルは、所定のピークおよび濃縮要件を満たす初期燃料集合体設計を特定する過程と合わせて使用することができる。初期のセットの燃料設計、例えば燃料ピペットまたは燃料ピンを特定するこのような過程は、参照として援用する米国特許出願公開第2004−0,236,544A1号に記載されている。
【0021】
初期燃料集合体設計を使用して、本明細書に記載の単純化モデルおよびシステムは代替候補集合体設計を提供し、その一部は初期設計よりも少ないタイプの燃料棒濃縮を有することができる。この方法は、初期集合体設計からの燃料棒濃縮の僅かな変更を有する代替燃料設計のリストを作り出すように初期燃料集合体設計を摂動する。この方法は、BWR要件を満たすこれらの設計を選択するように各代替燃料設計を判断する。個別の設計者は、例えば少ない数の異なる燃料濃縮を有する適切な燃料集合体設計を選択することができる。本明細書で開示された方法は、1つまたは複数の許容代替燃料集合体設計を選択するための選択過程を容易にし、単純化する。
【0022】
製造費用を最小限に抑えながらBWR設計制約を満たす燃料集合体を設計する問題は、複雑である可能性がある。考えられる設計の制約としては、(i)格子平均濃縮、(ii)局所ピーク因数、(iii)R因数、および(iv)暴露ピーク因数が挙げられる。R因数は、蒸気膜ドライアウトに関連するBWR集合体設計の特徴である。R因数および暴露ピーク因数は、局所ピークの関数として考えることができる。簡単にするために、局所ピークは全てのピーク因数制約を含むように一般的な意味で本明細書で使用されている。
【0023】
図2は、組合せ単純化の問題を示す略図である。別個の可変最適化の問題のために、組合せ解決法は基本的に頑丈であるが、しばしば大きな計算リソースを必要とする。組合せ論は、基準を満たすことができる場合を決定し、「最大」、「最小」または「最適」対象を見つける特定の基準を満たす対象の集合(普通は、有限)を研究する数学の部門である。組合せ論は本明細書では、集合体上に関する設計の制約を満たす比較的少ない異なるタイプの燃料濃縮を有するこれらの集合体設計を特定するように多数の代替燃料集合体設計を判断するために使用され、初期分野の集合体設計に対する濃縮特徴が同様である。組合せ解決法は、各変化を評価するための処理需要ではなく、燃料集合体設計の多数の摂動、例えば候補格子を評価するのに使用される。本明細書に提示した方法では、計算リソースに関する需要は、利用可能な濃縮レベルおよび目標格子濃縮レベルを含む特定のパラメータを超える設計をなくすことなどによって、再帰的分析により得られるいくつかの候補集合体設計を除去することによって減らすことができる。計算リソースに関する需要はまた、各候補燃料集合体設計を判断するために、効率的な分析ツール、例えば反応マトリックスアルゴリズムを使用することによって減らすことができる。
【0024】
図1の上の列は、1つの濃縮ステップで上下に摂動させることができる第1の燃料棒(中間円のゼロ「0」を参照)を示している。(右側円内のプラス1「+1」、および左側円内のマイナス1「−1」を参照のこと。)ステップは、1つの濃縮レベルでの棒濃縮レベルの濃縮の上下変化を示している。第1の棒濃縮値の各摂動ステップは、独自の燃料濃縮タイプを示している。列2は、3つの独自の燃料濃縮タイプをそれぞれ摂動させることができることを示している。上下のステップの数は、調査の「深度」と呼ばれる。図1では、深度は1である。図2に示すように、第1の濃縮(1)は1ステップ上下に摂動させることができる。濃縮(1)内の各摂動では、次のペレット(列2参照)はまた、1ステップ上に、1ステップ下に、また変化させないままで摂動される。この再帰的論理は、摂動リストを可能にした格子内で各棒に対して続く。
【0025】
異なる潜在的集合体設計を判断するため、各棒(0)内の濃縮は集合体設計の変化を作り出すように摂動される。濃縮レベルが最大でも1つのレベル、例えば+1または−1だけ摂動される場合、調査の深度は1つのレベルである。2つのレベルの深度は、2つの濃縮レベル、例えば+2、+1、0、−1および−2ほど棒を摂動させる。1つのレベルの調査深度は、集合体内で様々な燃料棒濃縮を減らすことによって燃料集合体設計を簡単にするのに十分であってもよい。本明細書で開示される方法は、1つの調査深度に限るものではなく、2つ以上の調査深度で行うことができる。
【0026】
組合せおよび順列に基づくあらゆるモデルと同様に、選択肢の数は非常に迅速に大きくなる。組合せモデルでは、最大の可能なケースは以下の式によって与えられる。
【0027】
ケース=(2×深度+1)
式中、「ケース」は判断するケースの最大数である。
【0028】
「深度」は調査の深度である。これは、各ペレットに対する現在の濃縮の上または下の濃縮ステップの最大数である。例えば、1の調査深度での3.95の現在の濃縮を有するペレットは、3.60、3.95および4.40の濃縮を有することができ、
「P」は、摂動するペレット位置の数である。
【0029】
表Iは、発生の問題の大きさが組合せおよび順列によって燃料集合体設計を候補とすることができることを示している。
【0030】
【表1】

【0031】
表Iに示すように、ケース、例えば候補格子(燃料集合体設計)の数は棒位置の数、および調査深度に非常に左右されている。表Iから明らかなように、可能な棒濃縮構成の組合せの最大数は、調査の深度および/または棒位置の数が多くなるにつれて、指数関数的により大きくなる。
【0032】
候補格子内の局所ピークへの影響を算出するための摂動毎の15分の普通の実行時間を仮定すると、各候補格子の影響を算出するのに必要な計算負荷は、特に調査深度が1より大きい場合に、比較的小さな数の燃料棒位置で過剰になる。例として、摂動させる棒位置が8つの場合、1つの調査深度では6,561もの候補格子の判断が必要になる可能性があり、それは1600時間以上の計算を意味する。
【0033】
本明細書に開示された単純化方法およびシステムは、局所ピーク、R因数および暴露ピークの各摂動の影響を迅速に推定するために反応表面方法論を適用することによって組合せモデルの効果を制限する計算要件に対処する。
【0034】
単純化アルゴリズムは、以下の機能を有する。
【0035】
A.許容燃料集合体15設計内で、燃料棒タイプ、例えば濃縮値の順序付リストを作り出す。リストは、各棒タイプの発生頻度によって分類される。
【0036】
B.順序付リストから棒のサブセットを選択する。サブセット内の棒は、その濃縮値を1つ(または複数の)ステップを上下させるように調節することによって摂動される。サブセットは、集合体内の閾値頻度より下の集合体内の発生頻度を有する棒タイプに対応する燃料棒であってもよい。
【0037】
C.燃料棒のサブセットの全ての可能な組合せおよび順列に対する候補燃料集合体設計を作り出す。
【0038】
D.許容燃料濃縮タイプおよび得られる格子平均濃縮によって可能な組合せおよび順列をフィルタリングする。多数の摂動された燃料集合体設計は、さらなる分析から除外することができる。というのは、摂動により許容されない燃料棒濃縮値結果が生じる、または候補燃料集合体の得られる格子平均濃縮が許容平均濃縮範囲外になるからである。
【0039】
E.フィルタを通過する可能な組合せおよび順列それぞれに対して、局所ピークおよびR因数への影響を推定するために反応マトリックスを適用する。
【0040】
F.反応マトリックス推定に基づいて、フィルタリングされた燃料集合体設計の各可能な組合せおよび順列に対してマージン要件が満たされているかどうか判断する。
【0041】
G.マージン要件を満たす燃料集合体設計のリストを保存する。少なくとも部分的に設計の単純性に基づいて保存した燃料集合体設計の1つを選択する。例えば、最も少ない数の棒濃縮タイプを有するリストに挙げられた燃料集合体設計の1つを選択する。
【0042】
図3は、単純化アルゴリズムの一実施形態を示すフローチャートである。アルゴリズム100は、BWRの芯の要件を満たすと判断された初期燃料集合体設計、または芯内で使用される前から存在している集合体設計で始まる。初期燃料集合体設計は、米国特許出願公開第2004/0236544号に開示されているようなソフトウェアプログラムおよびシステムによって作り出すことができる。初期燃料集合体設計は、格子平均濃縮、局所ピーク因数、R因数、および暴露ピーク因数に対する設計制約を満たすように前に決定することができた。
【0043】
初期燃料集合体設計は、少なくとも異なるタイプの燃料棒濃縮の数に対して最適ではない可能性がある。初期集合体設計は、燃料棒濃縮の異なるタイプの数を少なくすることによって単純化することができる。濃縮タイプを少なくすることは、燃料集合体の濃縮特徴を過度に変更することなく、棒または集合体に関する設計制約を超えることなく達成されるものである。アルゴリズム100は、初期集合体設計に対して同様の濃縮特徴を有し、設計制約内の代替燃料集合体設計を特定することを意図している。
【0044】
分類されたリスト(ステップ102)は、初期燃料集合体内の燃料棒濃縮タイプ、例えばペレットタイプから生成されている。各濃縮タイプでは、リストはそのタイプの初期燃料集合体の格子内の燃料棒の数を特定する。リストは、濃縮タイプが各濃縮タイプでの燃料棒の発生頻度によってランク付けされるように分類される。例えば、リストは集合体の最も少なく起こる燃料棒濃縮値を特定する第1の列、次に最も少ない頻度で起こる燃料棒濃縮値を特定する第2の列、および集合体の棒内で最も頻繁に起こる濃縮値を特定するリストの最後の列までの列を含んでいる。
【0045】
ステップ104では、初期燃料集合体設計内の各燃料棒の格子位置をマッピングし、集合体内の各燃料棒の濃縮値を特定する第2のリスト、例えば二次元マップ(I_List,J_List)が作り出される。第2のリストは、候補代替燃料集合体設計、例えば候補格子を再帰的に作り出すように摂動される燃料棒を特定する。二次元マップは、初期燃料集合体設計の格子内の全ての燃料棒を特定する必要はない。二次元マップは、初期燃料集合体内の燃料棒のサブセットだけを特定することができる。サブセットは、初期燃料集合体内であまり頻繁に起こらない濃縮を有する燃料棒であってもよい。例えば、摂動される燃料棒のサブセットは、初期燃料集合体内のわずか6つの棒で起こる濃縮タイプを有する燃料棒であってもよい。
【0046】
摂動する燃料棒のサブセットを確立することにより、初期燃料集合体設計の分析の複雑性が少なくなる。初期燃料集合体内であまり頻繁に起こらない燃料棒濃縮のサブセットを選択することにより、より一般的な濃縮タイプを有する燃料棒の摂動が回避される。燃料集合体設計を単純化し、それでも設計制約と一致し、燃料集合体の濃縮特徴を不当に変えないように、より一般的な燃料濃縮タイプをなくすことができるとはあまり考えられない。頻繁に発生する濃縮を有する燃料棒をなくすことにより、再帰的分析で摂動される棒が少なくなり、組合せ解決法のロバスト性が物質的に少なくならない。摂動される燃料棒のサブセットの選択は、初期燃料集合体棒の設計、および各燃料棒、集合体、および燃料集合体設計システムの処理能力に特定な他の要素に依存する。
【0047】
ステップ106では、再帰的分析は、第2のリスト内で特定された燃料棒の濃縮値に対して行われる。サブセットがステップ104で選択された場合、再帰的分析はサブセット内の燃料棒に対してのみ行われる。再帰的分析は、候補格子(N)の配列を作り出し、それぞれ初期燃料集合体設計内の対応する燃料棒とは異なる濃縮値を有する1つまたは複数の摂動された燃料棒を備えている。再帰的分析は、燃料集合体を設計する個人によって選択することができる調査深度、例えば1つのレベルで行われる。1つの調査レベルは、最も多くの集合体単純化過程に適切である可能性がある。2つより大きな調査深度は、燃料設計者に合理的に利用可能なものを超える計算リソースを必要とする可能性がある。
【0048】
再帰的分析は、初期燃料集合体内の棒に対して特定された濃縮値から第2のリスト内の各燃料棒の濃縮値を摂動させる。分析により、第2のリスト内の燃料棒の全ての組合せおよび摂動に対して、候補格子、例えば摂動された燃料集合体設計の配列が作り出される。再帰的分析は、図2、ならびに図2および表Iに関連する内容で例示されている。図2に示すように、再帰的分析は候補格子の階層構造を作り出すことができ、階層は棒が摂動されると共に下側に延びている。燃料棒が許可されない濃縮値まで摂動された場合に検出し、(1つまたは複数の)許可されない濃縮値を有する階層分岐に沿った再帰的分析のさらなる進行を止める再帰的分析内にチェックを組み込むことができる。
【0049】
再帰的分析の生成物は、初期燃料集合体設計の摂動である候補格子、例えば燃料集合体設計のリストである。候補が設計制約、例えば格子濃縮目標と一致するかどうか、候補の局所ピークおよびR因数が初期燃料集合体のこれらの特徴と同様であるかどうかを判断するために、これらの候補格子はそれぞれ評価される。
【0050】
各候補格子(ステップ108)では、格子濃縮(Enr)は測定され(ステップ110)、目標濃縮値と比較される。候補格子の算出した濃縮(Enr)と目標濃縮(Target)の間の差がステップ112で閾値(A)より大きい場合、候補格子は廃棄され(ステップ113)、ステップ110および112は次の候補格子に対して繰り返される。別の方法では、候補格子の算出した濃縮(Enr)と目標濃縮の間の絶対差(|Enr−Target|)が閾値(A)より小さい場合、アルゴリズム100はステップ114で候補格子の摂動の局所ピーク(Lp)への影響を算出することに進む。閾値Aは、ステップ112でフィルタを通過する候補格子の数を増減させるように調節することができる許容範囲レベルである。
【0051】
候補格子設計にわたる局所ピークへの影響(ΔLp)は、ステップ114で反応表面マトリックスを使用して算出される。反応表面マトリックスは、所与の燃料集合体格子に対する濃縮、局所ピーク、暴露ピーク、およびR因数の変化を測定するために使用される。反応表面は、評価した燃料集合体を使用して、MCPR、MAPLHGR、および直線熱発生比限定曲線(LHGRlimit)に対する局所LHGRの比である限定出力密度の最大分数(MFLPD)に関する集合体データなどの特徴、評価される基本格子設計のR因数データ、基本格子設計などの現在の燃料および毒濃縮などの格子データなどの特徴を含む設計入力と、原子炉心設計の1つまたは複数の算出出力(すなわち、原子炉出力、流量、サイクル時間など)の間の関係を規定することができる。
【0052】
所与の候補格子設計は、以下の式(1)によって記載されるような反応表面マトリックスを使用して評価することができる。式中、局所ピーク因数の変化は個別の燃料棒濃縮変化の関数である。
【0053】
【数1】

【0054】
式(1)のn×nマトリックスは、反応表面マトリックスに相当する。式中、各要素は以下の通り規定することができる。
【0055】
∂Pi/∂ejは、棒(j)内の濃縮の変化に対する燃料棒(i)内の局所ピークの変化である。
【0056】
Δeiは燃料棒i内のペレット濃縮の変化であり、式中iは1からnまでである。
【0057】
ΔPiは、燃料棒i内の局所ピークの変化である。
【0058】
式(1)の対角線要素(i=j)は、その棒に対する濃縮変化による摂動された燃料棒の局所ピークの変化を示している。濃縮が所与の格子位置の棒内で(上または下のいずれかに)変化すると、局所棒出力はある量だけ上または下になることを予測することができる。局所棒出力の変化量は、上記式(1)内で∂Pi/∂ejによって示される。摂動された燃料棒の近くの他の燃料棒、例えばピンはまた出力を変えることができる。これらの近くの燃料棒の出力反応は、式(1)内の非対角項に示されている。
【0059】
反応マトリックスは、1つの燃料の濃縮の変化により、集合体内の全ての棒への局所ピーク影響を測定する従来のツールを提供する。局所ピークへの影響(ΔLp)を測定するために反応マトリックスを使用するより詳細な説明は、本明細書に参照として援用する、共通の所有者の米国特許出願公開第2004/0236544号で提供される。
【0060】
集合体にわたる局所影響がステップ114で算出されると、変更された局所ピークは各棒に対してステップ116で算出され、局所ピークの変化、暴露ピークの変化、およびペレット濃縮変化によるR因数の変化に基づくものである。算出は、局所ピーク、暴露ピークおよびR因数要件の変化(ステップ118)、ならびに濃縮要件の変化(ステップ120)で行われる。これらの算出は、反応表面マトリックスを使用して行うことができる。局所ピーク要件の変化は、初期燃料集合体格子設計内の局所ピーク値(Lp_target(i,j))と候補格子に対する局所ピーク要件(Lp(i,j))の間の差として測定される(ステップ118)。
【0061】
濃縮要件の変化(ΔEnr)は、局所ピークとR因数に対する、候補格子と初期燃料集合体の間の濃縮要件の変化である(ステップ120)。濃縮要件の変化は、局所ピークの変化、したがって暴露ピークおよびR因数の変化の関数として測定することができる。局所ピーク要件の変化を濃縮の変化に対する局所ピークの変化の導関数によって割ることによって(ステップ120参照)、濃縮要件の得られる変化(ΔEnr)が測定される。
【0062】
変化濃縮要件(ΔEnr)は、初期集合体設計に対するものであり、候補設計を作り出すために使用される摂動が初期集合体設計に与える影響を示している。変化濃縮要件(ΔEnr)が過剰である、例えば許容範囲(Tol)を超える場合、候補格子はステップ122で処分される(No)。
【0063】
変化濃縮要件(ΔEnr)が許容範囲(Tol)内である場合、候補格子は、初期燃料集合体設計と十分同様であり、設計制約、例えば暴露ピークおよびR因数を満たす点において許容されると考えられる。許容候補格子設計は、個別の燃料設計者によって評価することができるリスト124に記憶される。リストは初期集合体設計を含むことができる。設計者は、燃料棒濃縮タイプの最も少ないタイプを有する許容候補格子設計を選択することができ、それによって最も単純な許容集合体設計を選択することができる。設計者はまた、単なる単純性以外の基準に基づき許容候補燃料集合体の1つを選択することもできる。
【0064】
本発明の例示的な実施形態は、いくつかの利点を提供することができる。方法および配置は、所望の局所ピークおよびR因数性能を有する燃料集合体の製造を可能にすることができる。したがって、所与の燃料サイクルは普通、同一のサイクル長さに対してより少ない燃料が必要であるようにロードし操作することができ、それによって優れた燃料サイクル経済状態につながる可能性がある。加えて、燃料集合体開発はより少ない反復が必要である可能性があるので、集合体設計過程におけるかなりのサイクル時間の減少があり、費用が少なくなり、利益が良くなることがある。
【0065】
原子炉の燃料集合体に対してピン濃縮を測定する方法および配置は、ユーザが原子炉の燃料集合体に対するピン濃縮を測定することを可能にするために、コンピュータシステムと、グラフィカルユーザインターフェイス(GUI)と、処理媒体(例えば、ソフトウェア駆動プログラム、プロセッサ、アプリケーションサーバなど)とを含むことができる。処理媒体およびGUIは、GUIおよび処理媒体を実行するプロセッサ、処理媒体およびGUIを有するプロセッサに結合され、燃料棒および炉心に関するデータを含むデータ記憶装置、入力装置、例えばキーボード、および処理媒体によってアクセスされるデータのソースへのデータ接続、ならびに出力装置、例えばディスプレイおよびプリンタを含む従来のコンピュータ上で実行することができる。
【0066】
本明細書で開示されるアルゴリズムの技術的効果は、許容可能であり少ないセットの異なるピン濃縮タイプを有する候補格子を特定することによって燃料集合体の設計を単純化する効率的および効果的な手段を提供することである。
【0067】
本発明を、最も実用的であり好ましい実施形態であると現時点で考えられるものに関連して記載したが、本発明は開示した実施形態に限るものではなく、逆に、頭記の特許請求の範囲の精神および範囲内に含まれる様々な変更および相当配置を含むことを意図していることを理解すべきである。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】従来の燃料集合体の略図である。
【図2】候補燃料集合体濃縮設計を初期燃料集合体設計と区別するための再帰的分析を示す図である。
【図3】設計の制約を満たす代替燃料集合体設計を特定することによって、燃料集合体設計を単純化する例示的アルゴリズムを示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0069】
10 燃料集合体
12 集合体は外側経路を備えている
14 各集合体は格子を備えている
16 燃料棒のグループ
100 アルゴリズム
102 分類されたリスト
104 初期燃料集合体設計内の各燃料棒の格子位置をマッピングし、集合体内の各燃料棒の濃縮値を特定する二次元マップ(I_List,J_List)が作り出される
106 再帰的分析
108 各候補格子
110 格子濃縮(Enr)が測定される
112 候補格子の算出した濃縮(Enr)と目標濃縮(Target)の差が閾値(A)より大きい場合
114 候補格子の摂動の局所ピーク(Lp)への影響を算出する
116 変更された局所ピークが算出される
118 局所ピーク、暴露ピーク、およびR因数要件の変化の算出が行われる
120 濃縮要件の変化の算出が行われる
122 変化濃縮要件(ΔEnr)が過剰である、例えば許容範囲(Tol)を超える場合、候補格子は処分される(No)
124 許容候補格子設計

【特許請求の範囲】
【請求項1】
原子炉の燃料集合体(10)に対して燃料棒(16)濃縮を選択する方法(100)であって、
初期燃料集合体設計内で燃料棒タイプの順序付リスト(102)を作り出すステップと、
複数の摂動された燃料集合体設計(108)を作り出すように、前記初期集合体設計内で少なくとも前記燃料棒タイプのサブセット(104)を摂動するステップ(106)と、
許容可能な燃料濃縮タイプおよび摂動された集合体に対する許容可能平均濃縮の燃料棒を有する摂動された燃料集合体設計を選択するステップ(110、112)と、
前記選択した摂動された燃料集合体設計のそれぞれと前記初期燃料集合体設計の間の差を測定するステップ(114から112)と、
所定の閾値差値より小さい差を有する前記摂動された燃料集合体設計のグループ(124)を作り出すステップとを含む方法。
【請求項2】
サブセットの前記選択(104)は、閾値レベル以下の前記集合体内の発生頻度を有する全ての燃料棒タイプである、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記サブセット(104)内の全ての燃料棒が摂動され(106)、燃料集合体設計は所定の調査深度に対する前記燃料棒の前記サブセットの全ての可能な順列および組合せに対して作り出された、請求項1記載の方法。
【請求項4】
前記差を測定するステップは、前記摂動された燃料集合体設計の濃縮値と前記初期燃料集合体設計の濃縮値の間の差を測定するステップ(120)を含む、請求項1記載の方法。
【請求項5】
原子炉の燃料集合体(10)に対して燃料棒(16)濃縮を選択する方法(100)であって、
初期燃料集合体設計内に燃料棒タイプの順序付リスト(102)を作り出すステップであって、前記リストは前記初期燃料集合体設計内の発生頻度により燃料棒タイプを順序付けするステップと、
前記初期燃料集合体設計内の燃料棒のサブセット(104)を選択するステップであって、前記サブセットは所定の遮断頻度より低い頻度を有するタイプの燃料棒を含むステップと、
前記サブセット内の前記燃料棒の組合せおよび摂動に対応する摂動された燃料集合体設計を作り出すために、前記初期燃料集合体設計内の前記燃料棒タイプの前記サブセットのみを摂動させるステップ(106)と、
前記摂動された集合体に対する許容燃料濃縮タイプおよび許容平均濃縮の燃料棒を有する摂動された燃料集合体設計を選択するステップ(110、112)と、
前記選択した摂動された燃料集合体設計それぞれの濃縮値と前記初期燃料集合体設計の濃縮値の差を測定するステップであって、前記摂動された燃料集合体設計に対する前記濃縮値が前記摂動された燃料集合体設計に対する局所ピークおよびR因数への影響を推定するための反応マトリックスを使用して測定されるステップ(114から122)と、
所定の閾値差値より小さな差を有する前記摂動された燃料集合体設計のグループ(124)を作り出すステップとを含む方法。
【請求項6】
前記フィルタリングされた燃料集合体設計の各可能な組合せおよび順列に対する反応マトリックス推定に基づき、マージン要件が満たされているかどうかを判断する(122)、請求項5記載の方法。
【請求項7】
最も少ない数の棒濃縮タイプを有する所定の閾値差値より少ない差を有する前記摂動された燃料集合体設計を選択するステップ(122)をさらに含む、請求項5記載の方法。
【請求項8】
原子炉芯用の燃料集合体(10)設計のグループであって、原子炉の芯用の摂動された燃料集合体設計を含むグループ(104)であって、前記摂動された燃料集合体設計はそれぞれ初期燃料集合体設計の濃縮値差の所定の許容範囲内の濃縮値差(112)を有し、前記摂動された燃料集合体設計(122)はそれぞれ芯内の集合体に対する所定の設計制約を満たし、前記摂動された燃料集合体設計はそれぞれ前記初期燃料集合体設計の摂動であるグループ。
【請求項9】
前記摂動は前記初期燃料集合体設計内の前記燃料棒タイプのサブセット(104)のものであり、前記サブセットは所定の閾値頻度より小さい前記集合体内の頻度で発生する棒タイプを有する棒に対応する、請求項8記載のグループ。
【請求項10】
前記摂動された燃料集合体設計に対する濃縮値の前記濃縮差(112)は、前記摂動された燃料集合体設計に対する局所ピークおよびR因数への影響を推定するために反応マトリックスを使用して測定される、請求項8記載のグループ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2008−151779(P2008−151779A)
【公開日】平成20年7月3日(2008.7.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−309570(P2007−309570)
【出願日】平成19年11月30日(2007.11.30)
【出願人】(301068310)グローバル・ニュークリア・フュエル・アメリカズ・エルエルシー (56)