説明

診断テストシステム

【課題】診断テストシステムを提供する。
【解決手段】診断テストシステムは第1の層とベースとを備えている。前記第1の層は、1つ以上のチャンバを形成するために前記ベースに取り付けられている。前記診断テストシステムは1つ以上のポンプを備えている。前記1つ以上のポンプのそれぞれは、前記1つ以上のチャンバの内1つの容積を変化させるための変形を発生させることにより前記1つ以上のチャンバの内1つの内部にある流体の移動を制御するように構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
特定の病気または治療状態に関連する物質の存在または量を検査するために、多くのタイプの生物学的テストが体外で行なわれている。血液、尿または組織などの生物学的サンプルに関する体外診断テストを完了させるためには、適切なサンプル濃度の生成、不必要な物質の除去、適切な試薬量の使用、温度などの適切な環境条件の維持を含む複雑な処理および取扱操作を伴わなければならない。
【背景技術】
【0002】
従来の体外での診断テスト方法ではテストが指示されると、サンプルが、収集され、標識化され、保管され、通常は離れた場所にある適切な集中検査室へと送られる必要がある。検査室では、必要とされる特定の分析に基づいて、サンプルが仕分けされて適切な部門(例えば、臨床化学部門、血液学部門、細菌学部門、または免疫学部門など)へと送られることとなる。次に、検査室の技術者は、サンプルを自動サンプル処理システムへ投入する前に遠心分離などのサンプルの前処理作業を完了することとなる。サンプルを投入する前に、技術者は、サンプルをサンプルチューブから96 Well Collection Platesや検査カートリッジなどの容器へと移して、必要に応じて試薬を投与する必要がある。
【0003】
自動サンプル処理システムは、複数タイプの分析を行うための高いサンプル処理能力をサポートするため、益々大型化して高性能になってきている。その結果、最も大きなものである検査室を除いたとしても、これらのシステムを購入するコストは概して非常に高くなっている。また、これらのシステムにおけるサンプルの前処理で要求されることも益々複雑になってきており、その結果、ミスの発生する機会が増えて、サンプルの質が低下したり、サンプルが汚染されたりする可能性が高まっている。
【0004】
自動サンプル処理システムを使用して行なわれる多くの体外診断テストにおいては、非常に訓練された技術者が必要とされている。これは、核酸増幅検査(NAT)などのテストが化学発光免疫測定(CLIA)の条件では非常に複雑になっているためと考えられる。また、これらのテストを行なう自動サンプル処理システムがCLIA−waivedの条件には対応していないためでもある。NATは、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)およびC型肝炎ウイルス(HCV)の有無に関連し、また、遺伝病、癌、バクテリアおよび他のウイルスに関連するような血液または血漿を選別するのに好ましいテストとなっている。
【0005】
自動サンプル処理システムの使用に伴う別の問題としては二次汚染が挙げられる。二次汚染の問題は、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)などの増幅技術を使用するような任意の検査手続きにとって重大なものとなっている。NATはこのカテゴリーに入るものである。二次汚染を緩和するために、臨床検査室については、試薬前処理、サンプル前処理、増幅、増幅後分析のために別々の部屋を使用しなければならなかった。
【0006】
サンプルの保管および集中検査室への輸送に関して複雑となることを回避できることから、看護の時点で体外診断テストを行なうことが望ましいとされている。看護検査の時点では結果を早急に得ることができる、このことは特定の状況下では非常に有効となる。しかしながら、自動サンプル処理システムを看護の時点で利用できる場合であっても、訓練を受けた技術者が使用しなければ、CLIA−waivedの条件に対応していない一部の体外診断テストを行なうことができない場合がある。
【0007】
これらの理由およびその他の理由によって、本発明が必要とされている。
【発明の開示】
【0008】
本発明の1つの態様は診断テストシステムを提供することにある。診断テストシステムは第1の層とベースとを備えている。第1の層は、1つ以上のチャンバを形成するようにベースに取り付けられている。診断テストシステムは1つ以上のポンプを備えている。1つ以上のポンプのそれぞれは、1つ以上のチャンバの内1つの容積を変えるための変形を発生させることによって、1つ以上のチャンバの内1つの内部に含まれる流体の移動を制御するように構成されている。
【0009】
添付図面は、本発明の更なる理解を促すために含まれており、本明細書の一部に組み入れられるとともに、本明細書の一部を構成している。図面は、本発明の実施形態を示しており、明細書本文と共に本発明の原理を説明するのに役立つものである。本発明の他の実施形態および本発明の意図される利点の多くは、それらが以下の詳細な説明を参照することによって理解されるようになるとともに容易に分かることとなる。図面の要素は、必ずしも互いに対して一定の縮尺で描かれていない。同様の参照符号は対応する同様の部分を示している。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下の詳細な説明では、その一部を形成し、かつ本発明が実施される特定の実施形態が一例として示される添付図面を参照するものとする。この場合、「上」、「下」、「前」、「後」、「先端」、「基端」などの方向の用語は、説明される図面の方向に関連付けて使用されるものとする。本発明の実施形態の構成要素は多くの異なる姿勢に配置できるため、姿勢に関する用語は、例示的目的で使用されており、決して限定するものではない。他の実施形態が利用されてもよく、また、本発明の範囲から逸脱することなく構造的または理論的な変更が行なわれてもよいことは言うまでもない。なお、以下の詳細な説明では、ベースおよび1つ以上の様々な層が互いに隣接して示されている。その他に明示されていない場合には、ベースおよび1つ以上の層が互いに、または材料と直接的に、かつ物理的に接触していてもよく、あるいは、1つ以上の他の層がベースおよび1つ以上の層のいずれかの間に介在してもよい。したがって、以下の詳細な説明は限定的な意味で解釈されるべきではなく、本発明の範囲は添付の特許請求の範囲によって示されている。
【0011】
図1は診断テストシステム10の1つの実施形態を示す斜視図である。診断テストシステム10は層12とベース14とを備えている。層12は、チャンバ16a〜16jおよびチャネル18a〜18kを形成するようにベース14に取り付けられている。図1に示されるように、各チャンバ16a〜16jは1つ以上の他のチャンバ16a〜16jと流体連通している。各チャンバ16は1つ以上のチャネル18に結合されて流体連通している。ここで意図される実施形態において、「流体」とは、液体、固相、気体または他の形態であるか否かに関わらず、サンプルまたは材料を指すものであり、「流体連通」とは、液体、固相、気体または他の形態であるか否かに関わらず、材料が任意のチャンバ16と任意の1つ以上の他のチャンバ16との間、任意のチャネル18と任意の1つ以上の他のチャネル18との間、または、任意の1つ以上のチャンバ16と任意の1つ以上のチャネル18との間を通過できるということを指している。
【0012】
図示の実施形態において、各チャンバ16a〜16jは、対応するチャネル18a〜18jにそれぞれ結合されて流体連通している。したがって、チャンバ16aがチャネル18aに結合されて流体連通し、チャンバ16bがチャネル18bに結合されて流体連通する・・・などとなっている。図1に示される診断テストシステム10は、チャンバ16とチャネル18との間の配置に関する1つの実施形態となっている。他の実施形態では、任意の適した数のチャンバ16またはチャネル18が設けられていてもよい、また、チャンバ16またはチャネル18を任意の適した形態で配置し、または相互に接続してもよい。各種の実施形態では、チャンバ16およびチャネル18の配置は、1つ以上のサンプルに関する診断分析または体外診断テストを完了することに適しているとよい。各種の実施形態では、診断テストシステム10の寸法、任意の1つ以上のチャンバ16の形状および容積、並びに、任意の1つ以上のチャネル18の形状、断面サイズおよび長さは、診断テスト、または実施が望まれる検査に従って設定可能となっている。
【0013】
図示の実施形態において、診断テストシステム10はサンプル入力ポート20を備えている。サンプル入力ポート20はチャネル18kに結合されて流体連通している。ポート20は、分析されるべきサンプルまたは材料を収容するように構成されており、診断テストシステム10内へのサンプルの入口を形成している。各種の実施形態では、サンプルは、検体を含む任意の適した固体、流体、または、気体材料であってもよい。これらの実施形態において、適したサンプルとしては、細胞、組織、ウイルス、薬剤、血液や尿などの体液、または、汚染物質を含む外気を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。図1には1つのポート20が示されているが、他の実施形態では2つ以上のポートが用いられてもよい。他の実施形態では、1つ以上のポート20が任意のチャンバ16またはチャネル18に結合されてもよい。各種の実施形態では、ポート20は、入力ポート、出力ポート、または、双方向ポートとして機能してもよい。2つ以上のポートが使用される場合には、これらのポートがそれぞれ入力ポート、出力ポート、または、双方向ポートとして機能してもよい。1つの実施形態では、ポート20は、診断テストシステム10内へ1つ以上のサンプルを投入可能にするため、ニードルまたはシリンジによって穿孔されるように構成されている。他の実施形態では、1つ以上のポート20が、任意の1つ以上のサンプル、流体または気体を収容するように、または排出すように構成されている。
【0014】
他の実施形態において、1つ以上のポート20は、流体、気体またはサンプルによって発生するチャンバ16またはチャネル18内の圧力を解放可能な通気孔として機能してもよい。これらの実施形態において、ポート20の内1つ以上は、気体または流体を解放するような環境にするため、開口を備えた構成となっている。いくつかの実施形態では、ポート20は疎水膜を備えているとよく、この疎水膜はチャンバ16内またはチャネル18内の流体を遮断または保持しながら気体を診断テストシステム10の外部に通気させるように構成されていてもよい。いくつかの実施形態ではまた、ポート20は疎水膜を備えているとよく、ここでの疎水膜はチャンバ16内またはチャネル18内のガスを遮断または保持しながら流体を診断テストシステム10の外部に通過させるように構成されているとよい。これらの実施形態における疎水膜は、高分子材料などの任意の適した材料から構成されてもよい。これらの実施形態では、ポート20は入力ポート、出力ポート、または、双方向ポートとして機能してもよい。
【0015】
図示の実施形態において、診断テストシステム10は、1つ以上の電気信号に応答するような1つ以上のアクチュエータを備えている。アクチュエータは、診断テストを行なうために少なくとも1つのチャンバ16への、またはチャンバ16からの1つ以上の流体の移動を制御するように構成されている。各種の実施形態において、アクチュエータは、チャンバ16内へ、またはチャンバ16から流体を移動させるような1つ以上のポンプ、チャンバ16内へ、またはチャンバ16からの流体の流出入を制御する1つ以上のバルブであってもよい。1つの実施形態において、バルブは、1つ以上のチャネル18の断面積を変化させるための変形を発生させることによって、1つ以上のチャネル18を通過する流体の移動を制御するように構成されている。各種の実施形態では、アクチュエータは、チャンバ16内の1つ以上の流体を混合することができ、チャンバ16内の1つ以上の流体を渦流化することができ、または、チャンバ16内の1つ以上の流体を振動させることができる。アクチュエータは、診断テストシステム10内の流体またはサンプルの移動を制御する任意の適した機能を果たすことができる。図示の実施形態では、アクチュエータは1つ以上のチャンバ16内および1つ以上のチャネル18内に組み込まれている。各種の実施形態では、アクチュエータは、層12、ベース14、または、層12およびベース14の両方に組み込まれ、または取り付けられてもよい。各種の実施形態では、アクチュエータは、診断テストシステム10内で流体の移動を制御可能とする任意の適したデバイスまたはシステムを備えてもよい。
【0016】
いくつかの実施形態では、アクチュエータは、静電アクチュエータ、電磁アクチュエータ、電気機械アクチュエータ、または、熱アクチュエータであってもよい。これらの実施形態では、アクチュエータは、圧電セラミック材料または他の圧電結晶材料などの適した圧電材料を含んでいてもよい。これらのアクチュエータは、適した極性を有する適切な電圧が印加された場合に、屈曲および曲げなどの機械的な変位または変形を発生させることとなる。
【0017】
いくつかの実施形態では、アクチュエータは電圧印加時に電気エネルギを機械的な動作へと変換する適切な電気活性高分子を含んでいる。電気活性高分子はイオンの拡散または移動によって活性化されるイオン性ポリマーを含んでいる。これらの電気活性高分子は、適切な極性を有する適切な電圧の印加に応じて、所望の体積まで増大して変位または変形を発生させることができるとともに、これらの電気活性高分子の元の体積へと復帰できる。これらの電気活性高分子のために使用される材料としては、高分子−金属複合物、導電性高分子、ゲルおよびカーボンナノチューブを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。また、電気活性高分子は電場の存在する条件下で変位または変形を発生させるような電子ポリマーを含んでいてもよい。電気活性高分子としては、電歪ポリマー、静電ポリマー、圧電ポリマー、強誘電性ポリマーを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。いくつかの実施形態では、アクチュエータは、両面がエラストマー導電膜でコーティングされるポリマーエラストマー誘電体を備えていてもよい。2つの膜間に電圧を印加した場合に、高分子材料を圧縮して変位または変形を発生させる静電場が形成されることとなる。
【0018】
いくつかの実施形態では、アクチュエータは、温度によって誘発される高圧泡を用いることによって、流体を移動させるように構成されている。これらの実施形態では、ヒータに対して電流が印加され、チャンバ内に収容された適切な作動流体へ熱が伝えられることとなる。チャンバ内の流体が蒸気泡を生成するのに十分な温度に達すると、蒸気泡が、チャンバ16内で変位または変形を発生させるためにダイヤフラムを拡張させるような局所的な圧力を増加させることとなる。ダイヤフラムの変位または変形によって発生する圧力は、チャンバ16内で流体を移動させるのに十分なものとなっている。
【0019】
図示の実施形態では、アクチュエータは電気的インタフェースに対して結合されている。アクチュエータは、電気的インタフェースに対して供給される1つ以上の電気信号に応答し、当該電気信号に応じてチャンバ16への、またはチャンバ16からの流体の移動を制御するように構成されている。電気信号は任意の適したコントローラによって供給することができる。各種の実施形態では、コントローラは電気信号を介して適切なサンプル処理のプロトコルを診断テストシステム10に対して供給するコンピュータまたはマイクロコントローラであってもよい。各種の実施形態では、コントローラを診断テストシステム10内に備えていてもよく、または、コントローラが診断テストシステム10の外部に設けられてもよい。
【0020】
図示の実施形態において、1つ以上のチャンバ16は、チャンバ16内の流体の温度を所望の値まで上昇させ、または下降させるために使用されるヒータまたはクーラなどの温度制御装置を備えていてもよい。いくつかの実施形態では、温度制御デバイスが電気的インタフェースに結合されている。いくつかの実施形態では、温度制御デバイスを層12、ベース14、または、層12およびベース14の両方に組み込み、または取り付けてもよい。いくつかの実施形態では、温度制御デバイスは、1つ以上のチャンバ16内の流体、1つ以上のチャネル18内の流体、チャンバ16およびチャネル18の両方の流体を加熱できる1つ以上のヒータを備えている。各種の実施形態では、ヒータは、チャンバ16内の流体を加熱するためにチャンバ16に近接して位置合わせされ、若しくは配置されてもよく、または、チャネル18内の流体を加熱するためにチャネル18に近接して位置合わせされ、若しくは配置されてもよい。いくつかの実施形態では、ヒータは、電流が印加される場合に温度が上昇するような抵抗材料から構成されている。これらの実施形態では、ヒータが電気的インタフェースに結合されるとともに、電気的インタフェースを介して電流が供給されるように構成されている。いくつかの実施形態では、ヒータは、レジスタとして機能する1つ以上の薄い金属膜から構成されている。これらの実施形態および他の実施形態における電流は、電気的インタフェースを介してヒータに結合される電源、コンピュータまたはマイクロプロセッサによって供給することができる。ヒータの温度は、ヒータに対して供給される電流の量を変化させることによって制御することができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のチャンバ16および/または1つ以上のチャネル18は、チャンバ16内またはチャネル18内の温度を測定するための温度測定デバイスを備えている。これらの実施形態では、温度測定デバイスは、電気的インタフェースを介して、コンピュータまたはマイクロコントローラなどのコントローラに結合され、また、コントローラは温度測定デバイスから受けられる信号に応じて各ヒータに対して供給される電流の量を制御するように構成されている。
【0021】
図示の実施形態において、1つ以上のチャンバ16は検体の検出を行なう光学システムを備えていてもよい。いくつかの実施形態では、光学システムは、可視光を含むことができる電磁放射線を通過させるための1つ以上の光学窓を備えている。これらの実施形態では、各光学窓は、検体の検出を高めるために、対応するチャンバ16に位置合わせされおよび/または近接している。いくつかの実施形態では、対応するチャンバ16内で発生し、かつ電磁放射線を発生させるような反応が、チャンバ16の外側で、かつ光学窓に近接して配置される1つ以上の検出センサによって検出可能となっている。いくつかの実施形態では、診断テストシステム10内に検出センサを組み込んでもよい。これらの実施形態では、光学窓に近接してセンサを配置してもよい。いくつかの実施形態では、センサは、適切な波長を有する電磁放射線に対応した電気信号へと変換するようなフォトダイオードとなっている。フォトダイオードは、電気的インタフェースに結合されるとともに、電気信号をインタフェースへ送信するように構成されている。
【0022】
各種の実施形態では、光学システムは検体の検出を良化させるように構成される1つ以上のフィルタおよび/または1つ以上のミラーを備えている。これらの実施形態では、フィルタおよびミラーは、検体の検出を良化させるために、対応するチャンバ16に位置合わせされおよび/または近接して配置されている。これらの実施形態におけるフィルタは適切な範囲の波長を通過させるように構成されている。いくつかの実施形態では、フォトダイオードは、適切な範囲の波長を通過させるように構成されたフィルタを備えている。
【0023】
本明細書に示された実施形態および他の意図された実施形態において、診断テストシステム10は、任意の適切な化学的または生化学的なテストあるいはプロセスに関連して使用できるように構成されている。例えば、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)またはリガーゼ連鎖反応(LCR)などの核酸増幅技術を実施できる。免疫測定テストなどの化学的なテストも実施できる。免疫測定テストとしては、蛍光生成物を生成するように作用する蛍光標識、または酵素標識を利用する蛍光免疫測定(FIA)テストを挙げることができる。テストとしては、光を生成する反応を構成するために化学発光標識を利用する化学発光免疫測定(CLIA)テストを挙げることができる。テストとしては、免疫比濁テストを挙げることができ、免疫比濁テストは測定可能な入射光を散乱できる免疫複合物を構成する抗体および抗原を生み出すことができる。テストとしては、色生成反応を触媒するために酵素を利用する酵素免疫測定(ELISA)テストを挙げることができる。他の免疫測定テストとしては、免疫沈降テスト、粒子免疫測定テスト、放射免疫測定(RIA)テストまたは比色分析テストを挙げることができる。
【0024】
免疫測定テストなどのテストを用いた場合、光学窓、フィルタまたはミラーの組み合わせを利用する光学システムを用いて、これらのテストから生じる所望の検体を検出することができる。診断テストシステム10の1つ以上のチャンバ16は、検体を検出するために使用される適切な試薬標識を備えていてもよい。これらの標識の例としては、蛍光標識、化学発光標識、酵素マーカー、および、比色分析マーカーが挙げられるが、これらに限定されなるものではない。いくつかの実施形態では、これらの標識は診断分析が行なわれる前に1つ以上のチャンバ16に予め組み込まれている。いくつかの実施形態では、これらの標識は診断テストシステム10が製造されるときに予め組み込まれている。これらの実施形態では、任意の適切な数の異なる標識をチャンバ16内に予め組み込むことができる。そのため、診断テストシステム10は異なるタイプの診断テストを行なう能力を備えることができる。他の実施形態において、標識は、1つ以上のアクチュエータを使用して1つ以上のチャンバ16へと移動するように構成され、または、チャンバ16と流体連通する1つ以上のポート20を使用して1つ以上のチャンバ16へと送られるように構成されている。
【0025】
図1を参照すると、1つの代表的な実施形態において、チャンバ16a、16b、16c、16dおよび16eはそれぞれ試薬を保持するように構成され、チャンバ16fおよび16gは溶出流体または溶媒などの暫定的プロセスに対応した溶液を保持するように構成され、チャンバ16iおよび16jは、洗浄溶液を保持することとなり、および/または1つ以上の暫定的なプロセスまたは反応のための空間を提供し、チャンバ16hは反応のためのチャンバとなっている。他の実施形態において、1つ以上のチャンバ16は、診断テストのために使用される流体または材料を蓄える収納チャンバとなっていてもよく、または、不必要な流体または材料を収納する廃棄チャンバとなっていてもよい。代表的な実施形態において、試薬は診断分析で用いるのに十分な純度を有する任意の適した化学物質であってもよい。試薬としては、蛍光標識、化学発光標識、酵素マーカー、または比色分析マーカーを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。各種の実施形態において、PCR増幅が行なわれる場合、チャンバ16fまたは16gは溶解試薬を保持可能に構成されている。他の実施形態では、PCR増幅のための細胞分離が診断テストシステム10の外部で起こるように構成されている。他の実施形態では、1つ以上のチャンバ16が、サンプルまたは流体から所望の検体を捕捉するのに適した固体またはフィルタリングを含んでいてもよい。
【0026】
図1に示される実施形態において、層12は第1の柔軟な層または材料から形成されている。ベース14は、面部22と、層12の面部24に取り付けられる反対の面部とを備えている。層12は、ベース14の1つ以上の開放領域を密閉し、チャンバ16およびチャネル18を形成するようにベース14に対して取り付けられている。他の実施形態において、チャンバ16およびチャネル18は、層12内全体、ベース14内全体、または、層12およびベース14の両方全体に備えることができる。各種の実施形態では、ベース14は、層12よりも柔軟な材料、層12と同じ柔軟性を有する材料、または、層12よりも柔軟性が低い材料から形成してもよい。図示の実施形態では、ベース14が実質的に硬質の材料から形成されている。
【0027】
他の実施形態では、ベース14の面部22に対して第2の層を取り付けてもよい。これらの実施形態では、1つ以上のチャンバ16および1つ以上のチャネル18が面部22で開放されている。第2の層は開放領域を密閉するためにベース14の面部22に取り付けられている。これらの実施形態において、第1の層12および第2の層は、ベース14の両面部を密閉し、チャンバ16およびチャネル18を形成している。
【0028】
図1に示される実施形態では、層12が柔軟材料または弾性材料から製造され、また、ベース14が実質的に硬質の材料から製造されている。ベース14は、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデンおよびポリカーボネートを含むが、これらに限定されない材料から形成することが可能である。いくつかの実施形態では、射出成形されたプラスチック材料を使用することによって、チャンバ16およびチャネル18の一部または全てを画成する凹部領域を容易に形成することができる。他の実施形態では、任意の適切な金属を使用してもよい。適切な金属としては、半導体用途にてリードフレームパッケージを製造するために使用される金属を挙げることができる。これらの金属としては、銅(Cu)および鉄(Fe)、亜鉛(Zn)が挙げられるが、これらに限定されるものではない。いくつかの実施形態では、プリント回路基板からベース14を形成してもよく、または、ベース14がプリント回路基板を備えていてもよい。適切なプリント回路基板としては、銅−クラッドエポキシガラス積層体を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。いくつかの実施形態において、プリント回路基板は、外部コントローラ同士の間または機器同士の間で電気信号を結合するために使用される信号導体と、診断テストシステム10内に収容されるアクチュエータなどのデバイスまたは回路とを備えている。いくつかの実施形態では、ベース14は、1つ以上のフレキシブル回路から形成され、または1つ以上のフレキシブル回路を備えている。これらの実施形態において、フレキシブル回路は、フレキシブル基板上に電子デバイスを形成することを含む任意の適切な技術を使用して製造することが可能である。フレキシブル回路は、プラスチックなどの任意の適切な材料を使用して製造可能である。各種の実施形態では、ベース14は診断テストシステム10内の流体に対して不活性な材料から製造されている。いくつかの実施形態では、1つ以上のチャンバ16および1つ以上のチャネル18は、流体に対して不活性な材料または組成体でコーティングされている。これらの材料または組成体としては、金またはシリコンエポキシが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0029】
図示の実施形態において、層12はゴム状の弾性を有する材料から形成することが可能である。これらの材料としては、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデンおよびポリカーボネートが挙げられるが、これらに限定されるものではない。他の実施形態では、層12は1つ以上のフレキシブル回路から形成されてもよく、または、1つ以上のフレキシブル回路を備えていてもよい。フレキシブル回路は任意の適切な技術または材料を使用して製造することができる。層12は流体に対して不活性な任意の材料から製造することが可能である。また、層12は流体に対して不活性な材料または組成体でコーティングすることが可能である。層12をコーティングするために使用できる材料または組成体としては、金またはシリコンエポキシが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0030】
図2は、図1に示される診断テストシステムの一部の詳細な斜視図である。図1では、図2に示される部分が2と表示されている。本実施形態では、チャネル18aおよび18eが共通チャネル部26で交わり、チャネル18b、18cおよび18dが共通チャネル部28で交わっている。共通チャネル部26および共通チャネル部28はチャネル18lによって結合されている。1つの実施形態において、任意のチャネル18a、18b、18c、18dまたは18eを通過する任意の流体は、制約無く共通チャネル部26、28およびチャネル18lを通過することができる。他の実施形態では、任意の1つ以上のチャネル18a、18b、18c、18d、18e、18l、共通チャネル部26または共通チャネル部28はアクチュエータを備えていてもよい。1つの実施形態では、アクチュエータは、1つ以上のチャネル18a、18eまたは18lと共通チャネル部26との間で流体の移動を制御するように構成されたバルブとなっている。1つの実施形態では、バルブが1つ以上のチャネル18b、18c、18dまたは18lと共通チャネル部28との間で流体の移動を制御するように構成されている。
【0031】
図3は、図1に示される診断テストシステムの一部の詳細な斜視図である。図1では、図3に示される部分が3で表示されている。本実施形態では、チャネル18f、18gおよび18mが共通チャネル部30で交わり、チャネル18i、18jおよび18nが共通チャネル部32で交わり、チャネル18h、18k、18mおよび18nが共通チャネル部34で交わっている。共通チャネル部30および共通チャネル部34はチャネル18mによって結合され、共通チャネル部32および共通チャネル部34はチャネル18nによって結合されている。1つの実施形態では、任意のチャネル18f、18g、18h、18i、18j、18k、18mおよび18nを通過する任意の流体は、制約無く共通チャネル部30、32および34を通過することができる。他の実施形態では、任意の1つ以上のチャネル18f、18g、18h、18i、18j、18k、18m、18nまたは共通チャネル部30、32または34はアクチュエータを備えていてもよい。1つの実施形態において、アクチュエータは1つ以上のチャネル18f、18gまたは18mと共通チャネル部30との間にある流体の移動を制御するように構成されるバルブとなっている。1つの実施形態において、バルブは1つ以上のチャネル18i、18jまたは18nと共通チャネル部32との間にある流体の移動を制御するように構成されている。1つの実施形態において、バルブは1つ以上のチャネル18h、18k、18mまたは18nと共通チャネル部34との間に含まれる流体の移動を制御するように構成されている。
【0032】
図4は、診断テストシステム10に用いられる電気的インタフェースの1つの実施形態を示す斜視図である。電気的インタフェースの全体が36で表示されている。以下では層36と称される電気的インタフェース36は、診断テストシステム10内に収容される適切なデバイスに対して電気信号を結合するように構成された導電体を備える層12に関して一実施形態を表わしている。これらのデバイスとしては、ポンプおよびバルブなどのアクチュエータ、またはセンサおよびヒータなどの他のデバイスを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
【0033】
図4に示される実施形態において、層36は導電パッド40a〜40jを有するコネクタ38を備えている。各導電パッド40a〜40jはそれぞれの導電トレース42a〜42jに対して電気的に結合されており、各トレース42a〜42jはチャンバ部44a〜44jへとそれぞれルートを構成するように取り付けられている。パッド40およびトレース42は銅などの任意の適切な導電材料を使用して製造できるように構成されている。本実施形態において、層36はチャンバ16a〜16jおよびチャネル18a〜18mを形成するようにベース14に取り付けられており、また、各チャンバ部44a〜44jは、完全対応するチャンバ16a〜16jを形成するようにベース14内の対応するキャビティを覆っている。図示の実施形態では、トレース42がそれぞれ対応するチャンバ部44の周辺領域へとルートを構成するように取り付けられた状態が示されている。異なる実施形態では、トレースは、対応するトレース42がルートを構成するように取り付けられるべきデバイスの空間に対応して、チャンバ部44の周囲の、チャンバ部44内の、または、チャンバ部44から離れた任意の適切な領域へとルートを構成するように取り付けてもよい。いくつかの実施形態では、1つ以上のトレース42は、チャンバ16内に位置されるポンプなどのアクチュエータに結合するために、チャンバ部44の中心部へとルートを構成するように取り付けられている。いくつかの実施形態では、1つ以上のトレース42は、チャンバ16の結合する領域に近接し、かつチャネル18と流体連通するようなチャンバ部44内の空間へとルートを構成するように取り付けられている。これらの実施形態において、トレース42は、バルブであり、かつチャンバ16および/またはチャネル18内に配置されるようなアクチュエータに対して結合されている。いくつかの実施形態では、1つ以上のトレース42は、チャネル18に近接する空間へとルートを構成するように取り付けられている。これらの実施形態では、トレース42はチャネル18内に位置されるポンプまたはバルブなどのアクチュエータと結合している。異なる実施形態では、ポンプまたはバルブを含むアクチュエータは、層36、ベース14、または、層36およびベース14の両方に対して取り付けられてもよい。1つのパッド40およびトレース42は、各チャンバ部44に対して結合され、またはルートを構成するように取り付けられて示されている。これに対して、他の実施形態では、各チャンバ部44、チャンバ16、チャネル18、または、診断テストシステム10内の他の適した領域へと、トレースがルートを構成するように取り付けられなくてもよく、または任意の適した数のトレースがルートを構成するように取り付けられていてもよい。
【0034】
他の実施形態では、パッド40a〜40jおよびトレース42a〜42jを含む電気的インタフェースが他の適切な形態を備えていてもよい。これらの実施形態では、パッド40は、層36の内部領域など、層36の任意の適した領域内に配置されていてもよい。パッド40およびトレース42は1つの層、または第1の層上でルートを構成するように取り付けられて示されている。これに対して、他の実施形態では、パッド40およびトレース42は、例えば層36の両側にある層36の内複数の層上で、層36の内部領域中で、または、層36の一方側または両側であって層36の内部領域中でルートを構成するように取り付けられてもよい。1つの実施形態において、トレース42は、層36の両側であって層36の1つ以上の内部平面領域内でルートを構成するように取り付けられている。そのため、トレース42の3つ以上の層が形成されている。他の実施形態では、パッド40および/またはトレース42が、ベース14上若しくはベース14内、または層36およびベース14の両方の上若しくは内部に配置されてもよい。任意のこれらの実施形態は、1つ以上のビアを備えていてもよく、この1つ以上のビアは、層36の内の複数の層上でルートを構成するように取り付けられ、ベース14の複数の層上でルートを構成するように取り付けられ、または、層36およびベース14の両方の複数の層上でルートを構成するように取り付けられた任意の所望のトレース42同士を接続していてもよい。
【0035】
図4に示される実施形態では、トレース42が、チャンバ16およびチャネル18の内側部分に含まれる流体との接触を回避するため、チャンバ16およびチャネル18の周囲でルートを構成するように取り付けられている。他の実施形態では、トレース42は、チャンバ16またはチャネル18内の任意の流体に対してトレース42を不活性にする金またはシリコンエポキシなどの適切な材料でコーティングされている。いくつかの実施形態では、トレース42をチャンバ16および/またはチャネル18の内部にわたってルートを構成するように取り付けてもよい。各種の実施形態では、層36が層12の実施形態で使用された材料を含む材料を使用して製造されてもよい。各種の実施形態では、層36は任意の適切なプリント回路基板、または表面実装、またはスルーホール技術を備えたフレキシブル技術を使用して製造されてもよい。
【0036】
図5は、診断テストシステムの1つの実施形態を示すブロック図である。ブロック図は、全体を46で示されており、コントローラに結合された診断テストシステム10の機能を表している。図5に示されるように、コントローラ48は経路52を介して診断テストシステム50に結合されている。経路52は、コントローラ48を診断テストシステム50の電気的インタフェースに電気的に結合させるように構成されている。1つの実施形態では、経路52は、電気的インタフェース36のコネクタ38に結合するコントローラ48から取り付けられた電気的な接続部となっている。経路52は、1つ以上の信号をコントローラ48と診断テストシステム50との間で伝達可能に構成されている。
【0037】
図示の実施形態では、ブロック54でサンプルが経路56を介して診断テストシステム50へ供給されている。各種の実施形態では、1つ以上のポート20など任意の適切な入力を用いて、サンプルを診断テストシステム50へ供給するように構成してもよい。サンプルの前処理は、経路60を介してサンプルをブロック62の1つ以上の反応チャンバへと移動させる前に、ブロック58で行なわれることとなる。サンプルの前処理は1つ以上のチャンバ16で行なわれることとなる。サンプルの前処理で求められる溶出流体や溶媒などの任意の適切な溶液は、ブロック64の1つ以上の試薬チャンバから経路66を介して送られることができる。試薬チャンバは1つ以上のチャンバ16を備えている。各種の実施形態では、サンプル前処理のための溶液をブロック64の試薬チャンバ内に予め取り込んでいてもよい。1つの代表的な実施形態では、PCR増幅が行なわれるとともに、溶解試薬がブロック64のチャンバ16からブロック58の他のチャンバ16へと送られることとなる。他の実施形態では、サンプル前処理が行なわれずに、サンプルがブロック54のサンプルの入力からブロック62の1つ以上のチャンバ16へと移動することとなる。
【0038】
ブロック64における1つ以上の試薬は、経路68を介してブロック62の反応チャンバに供給されることとなる。各種の実施形態では、1つ以上の試薬を1つ以上のチャンバ16内に予め取り込んでいてもよい。試薬およびサンプルは、ブロック62において互いに反応してブロック70によって検出可能な化学反応を起こすこととなる。ブロック70による検出は診断テストシステム50内で行なわれるように示されている。これに対して、他の実施形態では、ブロック70が診断テストシステム50の外側に配置され、診断テストシステム50の外側で検出が行なわれることとなる。いくつかの実施形態では、ブロック70で行なわれる検出がコントローラ48内で行われることとなる。いくつかの実施形態では、検出された結果の分析は、マイクロコントローラまたはマイクロプロセッサなどの適切なデバイスを使用して、診断テストシステム50内のブロック72で行なってもよい。他の実施形態では、ブロック72の分析機能がコントローラ48によって行なわれることとなる。
【0039】
図5に示される実施形態では、流体制御機能がブロック74によって制御されることとなる。各種の実施形態では、ブロック74は、1つ以上のブロック58、62および64への、若しくは当該ブロックからの流体移動、または任意の1つ以上の経路56、60、66および68を通じた流体移動を制御することとなる。各種の実施形態において、流体制御は、ポンプ若しくはバルブなどのアクチュエータの制御、ヒータ若しくはクーラなどのデバイスによる流体若しくはサンプルの温度の制御、混合、振動、または流体渦の発生を含む適切な方法によって行われる流体の前処理を含むものであるが、これらに限定されるものではない。各種の実施形態では、流体制御機能は、1つ以上の電気信号を1つ以上のアクチュエータへ供給して少なくとも1つのチャンバ16からの1つ以上の流体の移動を制御することによって達成されることとなる。
【0040】
図6は、診断テストシステムの1つの実施形態を示す断面図である。診断テストシステムの全体が76で表示されている。診断テストシステム76は、診断テストシステム10の他の実施形態を表わしており、ベース78と第1の層80と第2の層82とを備えている。異なる実施形態では、ベース78を適切な材料から形成してもよい。これらの材料は、ベース14を製造するために使用された材料を含んでいる。異なる実施形態では、第1の層80および第2の層82を適切な材料から形成してもよい。これらの材料は、層12を製造するために使用された材料を含んでいる。図示の実施形態では、第1の層80および第2の層82がエラストマー材料から形成され、ベース78が第1の層80または第2の層82よりも硬質な材料から形成されている。他の実施形態では、第1の層80および第2の層82をそれぞれベース78と同じ程度の硬さの材料、またはベース78よりも硬い材料から形成してもよい。
【0041】
図6に示される実施形態において、ベース78は、チャンバ16およびチャネル18の一部を含む1つ以上の開放領域を備えている。層80は表面84においてベース78の第1の面に対して固着され、また、層82は表面86においてベース78の第2の面に対して固着されている。第1の層80および第2の層82は、ベース78内の開放領域を協働して密閉することによって、チャンバ16およびチャネル18を形成している。1つのチャンバ16および1つのチャネル18だけが図示されているが、他の実施形態では、任意の適切な数のチャンバ16およびチャネル18が存在してもよい。他の実施形態では、チャンバ16およびチャネル18が任意の適切な形状またはサイズを有していてもよい。
【0042】
図示の実施形態において、診断テストシステム76は、ポンプ88と、バルブ90と、ヒータ92とを備えている。また、診断テストシステム76は、ポンプ88、バルブ90、ヒータ92に対して結合される電気的インタフェース(図示せず)も備えている。各種の実施形態では、ベース78、第1の層80若しくは第2の層82の中または上に電気的インタフェースを配置してもよい。ポンプ88は、チャンバ16と位置合わせされるとともに電気的インタフェースを介してポンプ88へ供給される1つ以上の信号に応じて、チャンバ16から流体を移動させるように作動することができる。バルブ90は、図6に示されるように、閉位置にあるときにチャンバ16内に流体を密閉するとともに、ポンプ88の作動時に流体が通過できるように構成されている。ヒータ92は、電気的インタフェースに結合されるとともに、電気的インタフェースを介してヒータ92に供給される1つ以上の信号に応じてチャンバ16内の流体の温度を上げるように構成されている。
【0043】
ポンプ88はアクチュエータ要素94を備えている。各種の実施形態では、アクチュエータ要素94を第1の層80の両側または第1の層80内に配置してもよい。各種の実施形態では、アクチュエータ要素94が信号を印加された場合に機械的な歪みを呈するような任意の適切な材料から形成されてもよい。機械的な歪みには屈曲または湾曲が含まれてもよく、また、信号には電圧または電流が含まれていてもよい。図示の実施形態では、アクチュエータ要素94が第1の層80に取り付けられている。電気的インタフェースを介して電圧が印加されると、アクチュエータ要素94および第1の層80は、矢印96の方向に曲がり、チャンバ16内の流体をバルブ90へ向けて矢印98の方向に押し出すことができるような十分な圧力をチャンバ16内に発生させることとなる。電圧が除去されると、アクチュエータ要素94および第1の層80は、それらの元の形状または位置へ戻ることとなる。チャンバ16内に形成される圧力の大きさは、適切な極性を有する適切な電圧をアクチュエータ要素94に対して印加することによって制御することができる。
【0044】
バルブ90は上側部分100と下側部分102とを備えている。1つの実施形態では、バルブ90は、チャネル18の断面積を変化させる変形を発生させることにより、チャネル18を通過する流体の移動を制御することとなる。図示の実施形態では、上側部分100および下側部分102が適切なエラストマー材料から製造されている。上側部分100の内面にはアクチュエータ要素104が取り付けられ、下側部分102の内面にはアクチュエータ要素106が取り付けられている。他の実施形態では、上側部分100内または上側部分100上の他の適した場所にアクチュエータ要素104を配置してもよく、下側部分102内または下側部分102上の他の適した場所にアクチュエータ要素106を配置してもよい。他の実施形態では、上側部分100がアクチュエータ要素104を備えておらず、および/または、下側部分102がアクチュエータ要素106を備えていない。他の実施形態は、上側部分100およびアクチュエータ要素104を備えておらず、または、下側部分102およびアクチュエータ要素106を備えていない。各種の実施形態では、アクチュエータ要素104およびアクチュエータ要素106は、信号の印加時に機械的な歪みを呈するような任意の適切な材料から形成されてもよい。機械的な歪みには屈曲または湾曲が含まれてもよく、また、信号には電圧または電流が含まれてもよい。
【0045】
図示の実施形態では、上側部分100および下側部分102が閉位置へと弾性的に付勢された状態が示されており、そのため、流体がチャンバ16内へ流入することを防ぎ、または、チャンバ16から流出することを防ぐこととなる。アクチュエータ要素104およびアクチュエータ要素106は、電気的インタフェースに結合されている。電気的インタフェースを介してアクチュエータ要素104および106に電圧が印加されると、アクチュエータ要素104および106は、曲がることによって、流体がバルブ90を通過できるようにする十分な開位置となるように上側部分100と下側部分102とを離間させるように構成されている。電圧が除去されると、アクチュエータ要素104および106はそれらの元の形状または位置へ戻ることとなる。各種の実施形態では、バルブ90は、流体処理能力を最大にすべく閉位置と完全開位置との間で動作可能となっており、また、バルブ90を通過可能な流体の量を調整するために完全開位置から実質的な閉位置までの範囲で任意の適切な数の開位置と1つの閉位置との間で動作可能となっている。
【0046】
1つの実施形態において、上側部分100および下側部分102は、エラストマー材料から形成され、流体が漏れ出ないように閉位置へと弾性的に付勢されている。電気的インタフェースを介してアクチュエータ要素94に電圧が印加されると、アクチュエータ要素94および第1の層80は、曲がって、流体を矢印98の方向で上側部分100および下側部分102に通過させるのに十分適した圧力をチャンバ16内に発生させることとなる。
【0047】
各種の実施形態では、アクチュエータ要素94、104または106は、圧電セラミックまたは他の圧電結晶材料などの任意の適切な圧電材料から形成してもよい。これらの実施形態では、電圧が印加されると、アクチュエータ要素94、104または106が曲がって機械的な変位または変形が発生することとなる。電圧を変化させることによって、アクチュエータ要素94、104または106の曲げ量を変化させることができる。任意のアクチュエータ要素94、104または106の湾曲によって、対応する第1の層80、上側部分100、または下側部分102が変形して所望の作動が得られることとなる。いくつかの実施形態では、アクチュエータ要素94、104または106が、2つ以上の圧電要素によって形成されるとともに、2つ以上の圧電要素の長さに関する差分の変化が、増幅されて、比較的大きな量の曲げが発生することとなる。いくつかの実施形態では、圧電要素が直列に接続され、各要素の変位または変形が全体の所望の変位または変形を増大させることとなる。
【0048】
各種の実施形態では、アクチュエータ要素94、104または106は、電圧が印加されると電気エネルギを機械的な動きへ変換する適切な電気活性高分子材料を備えていてもよい。これらの実施形態において、アクチュエータ要素94、104または106の変位量または変形量は、適切な極性を有する適切な電圧を印加することにより制御可能となっている。
【0049】
いくつかの実施形態において、アクチュエータ要素94、104または106の変位または変形は、電気化学的効果を発生させる電気活性高分子に対して、適切な極性を有する適切な電圧を印加することによって発生することとなる。これらの実施形態において、電気活性高分子は、イオンの拡散または移動性によって作動されるイオン性ポリマーとなっている。これらの電気活性高分子のために使用される材料としては、高分子−金属複合物、導電性高分子、ゲルおよびカーボンナノチューブを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。これらの電気活性高分子は、電圧の印加に応じて、任意の適切な体積まで増大することができるとともに、それらの元の体積へと戻ることができるように構成されている。
【0050】
幾つかの実施形態において、アクチュエータ要素94、104または106の変位または変形は、電場の存在する状況下では変位または変形を発生させる電気活性高分子に対して、適切な極性を有する適切な電圧を印加することによって引き起こされることとなる。これらの実施形態において、電気活性高分子は、電歪ポリマー、静電ポリマー、圧電ポリマー、および強誘電性ポリマーを含んでいるが、これらに限定されない電子ポリマーとなっている。いくつかの実施形態では、アクチュエータ要素94、104または106は、両面がエラストマー導電膜でコーティングされるポリマーエラストマー誘電体を含んでいる。2つの膜間に電圧を印加すると、高分子材料を圧縮する静電場が発生することとなる。高分子材料の体積は変化しない。すなわち、一方向での高分子材料の圧縮により、高分子材料が1つ以上の他の方向に拡張し、そのため、体積が一定に維持されることとなる。この拡張が変位または変形を発生させることとなる。
【0051】
図示の実施形態において、アクチュエータ要素94、104または106は、二層構造に構成されており、電圧の印加時にその体積を変化させない材料の層に対して電気活性高分子材料の層を取り付けることによって構成されている。電気活性高分子の変位または変形がアクチュエータ要素94、104または106を曲げることとなる。アクチュエータ要素94、104または106の曲げ量は、適切な極性を有する適切な電圧を印加することによって制御可能となっている。各種の実施形態では、電気活性高分子は、イオン性ポリマー、電子ポリマー、または、他の適切なタイプの電気活性高分子となっていてもよい。
【0052】
図7は、図6に示される診断テストシステム76の1つの実施形態を示す平面図である。アクチュエータ要素94の配置位置が破線で示されている。本実施形態では、アクチュエータ要素94およびヒータ92が、チャンバ16内に中央配置され、またはチャンバ16に対して位置合わせされている。アクチュエータ106は、下側部分102内に収容されており、チャネル18内に中央配置され、またはチャネル18に対して位置合わせされている。他の実施形態では、アクチュエータ要素94またはヒータ92がチャンバ16に対して位置合わせされなくてもよい。他の実施形態では、アクチュエータ106がチャネル18に対して位置合わせされなくてもよい。チャンバ16、チャネル18、アクチュエータ要素94および106、ヒータ92並びに下側部分102の相対的なサイズ、形状および寸法は、例示を目的としており、他の実施形態では他の適したサイズ、形状および寸法にすることが可能である。
【0053】
図8は、図6に示される診断テストシステム76の1つの実施形態を示す断面図である。本実施形態では、ポンプ88およびバルブ90が作動した状態となっている。アクチュエータ要素94、104および106は、電気的インタフェースに結合されており、電気的インタフェースから1つ以上の信号を受信するように構成されている。これらの信号には、ポンプ88およびバルブ90を作動させるのに十分である適切な大きさ、および極性を有する電圧が含まれている。
【0054】
ポンプ88は、第1の層80に取り付けられるアクチュエータ要素94を備えている。本実施形態では、第1の層80がダイヤフラムとして機能することとなる。アクチュエータ要素94に供給される電圧によって、アクチュエータ要素94および第1の層80は、矢印96の方向に曲がり、チャンバ16内の流体をバルブ90へ向けて矢印98の方向に押し出すのに十分な圧力をチャンバ16内に発生させることとなる。各種の実施形態では、電圧が変化させられ、または電圧がアクチュエータ要素94から除去されると、アクチュエータ要素94および第1の層80が、図6に示されるように、それらの元の形状または位置へと復帰することとなる。
【0055】
バルブ90が作動していない場合、バルブ90は、閉位置にあり、チャンバ16内に流体を密閉し、および/または流体をチャンバ16から締め出すこととなる。図8では、バルブ90が作動位置すなわち開位置の状態で示されており、流体が矢印98の方向に通過できるように構成されている。アクチュエータ要素104およびアクチュエータ要素106は、電気的インタフェースに結合されており、1つ以上の信号を受信することとなる。本実施形態では、信号が電圧となっており、この電圧によってアクチュエータ要素104および106は、曲がって流体を通過可能とするように十分に上側部分100と下側部分102とを離間させるように構成されている。各種の実施形態では、電圧が変化させられて、または電圧がアクチュエータ要素104および106から除去されると、図6に示されるように上側部分100および下側部分102が閉位置へと弾性的に付勢されることとなる。そのため、(もし流体が残っていれば)残りの流体がチャンバ16から流出することを防止でき、または任意の流体がチャンバ16内に流入することを防止できる。
【0056】
図9は、診断テストシステムの1つの実施形態を示す断面図である。診断テストシステムの全体が108で示されている。本実施形態は、診断テストシステム76に類似するものであり、110で示される第2のポンプを備えているものである。ポンプ110は、電気的インタフェースに結合されており、チャンバ16に対して位置合わせされている。ポンプ110は、ポンプ88と同時に作動するとともに、電気的インタフェースを介して供給される1つ以上の信号に応じて、ポンプ88と協働しながら動作してチャンバ16から流体を移動させるように構成されている。ポンプ110はアクチュエータ要素112を備えている。各種の実施形態では、アクチュエータ要素112を第2の層82の両側または第2の層82に配置してもよい。各種の実施形態において、アクチュエータ要素112は、信号が印加されると機械的歪みを呈するような任意の適切な材料から形成されてもよい。適切な信号としては電圧または電流が挙げられる。図示の実施形態では、アクチュエータ要素112が第2の層82に取り付けられている。電気的インタフェースを介してポンプ88およびポンプ110に適切な電圧が印加される場合、アクチュエータ要素94および第1の層80が矢印96の方向に曲がるとともに、アクチュエータ要素112および第2の層82が矢印114の方向に曲がることとなる。このことが、チャンバ16内でチャンバ16内の流体をバルブ90へ向けて矢印98の方向に押し出すのに十分な圧力を発生させることとなる。本実施形態において、ヒータ92は第2の層82をアクチュエータ要素112と共に曲げさせるために十分に柔軟となっている。電圧が変化し、または除去された場合に、アクチュエータ要素94および第1の層80と、アクチュエータ要素112および第2の層82とがそれらの元の形状または位置に復帰することとなる。チャンバ16内に発生する圧力の大きさは、適切な電圧をアクチュエータ要素94および112に対して印加することによって制御可能となっている。アクチュエータ要素112の実施形態には、アクチュエータ要素94に関して説明し、または考慮に入れた実施形態が含まれている。バルブ90は、図9に示されるように閉位置にある場合、流体をチャンバ16内に密閉し、図8に示されるように開位置にある場合、流体を通過させることができる。
【0057】
図10は、診断テストシステムの1つの実施形態を示す断面図である。診断テストシステムの全体は116で示されている。診断テストシステム116はバルブ90とポンプ118とを備えている。ポンプ118は、流体チャンバ120、ヒータ122およびエラストマーダイヤフラム124を備えている。ヒータ122は、任意の適切な手法を用いて構成でき、ヒータ92に関して開示された実施形態を含んでいる。1つの実施形態において、ヒータ122は1つ以上の抵抗要素を備えている。図示の実施形態では、ヒータ122が電気的インタフェース(図示せず)に結合されている。電気的インタフェースを介してヒータ122に電流が印加されると、チャンバ120内に収容された適切な作動流体に対して熱が伝えられることとなる。チャンバ120内の流体が蒸気泡を発生させるのに十分な温度に達すると、蒸気泡がチャンバ120内で局所的な圧力を増大させ、この局所的な圧力によって、ダイヤフラム124が拡張されて、矢印126の方向の変位または変形が形成されることとなる。ダイヤフラム124の変位または変形によって発生する圧力は、チャンバ16内の流体をバルブ90へ向けて矢印128の方向に押し出すのに十分となっている。バルブ90は、図10に示されるように、閉位置にある場合、流体をチャンバ16内に密閉し、図8に示されるように開位置にある場合、流体を通過させることができる。電流が減少し、または電流がヒータ122から除去されると、チャンバ120が十分に冷え、蒸気泡を崩壊させることができるとともに、チャンバ120内の流体を元の液体状態に戻すことができる。
【0058】
各種の実施形態では、チャンバ120を1つ以上のチャネル18またはチャンバ16に対して結合し、かつ流体連通させることができる。チャンバ120は、作動流体をチャンバ120へ供給するために使用される外部ポートに結合させることができる。各種の実施形態では、ヒータ122へ供給される電流を変化させて、ダイヤフラム124の変位または変形の大きさを制御しており、そのため、チャンバ16内に発生する圧力の大きさを制御することができる。流体チャンバ120、ヒータ122、ダイヤフラム124、チャンバ16、チャネル18またはバルブ90の相対的なサイズ、形状および寸法は、例示したものであって、他の実施形態では他の適したサイズ、形状および寸法とすることが可能である。ポンプ118はベース78内に収容されて示されているが、他の実施形態では、第1の層80、第2の層82、または、ベース78、第1の層80若しくは第2の層82の任意の組み合わせの中へポンプ118を組み込んでもよい。チャンバ16内には1つのポンプ118が示されているが、他の実施形態では、2つ以上のポンプ118をチャンバ16内に収容してもよい。
【0059】
図11は、診断テストシステムの1つの実施形態を示す断面図である。診断テストシステムの全体は130で示されている。診断テストシステム130は、診断テストシステム10の他の実施形態を表わしており、層12とベース14とを備えている。チャンバ16およびチャネル18を形成するように層12とベース14とが取り付けられている。
【0060】
層12およびベース14の材料および実施形態は図1〜図4に開示されたものを含んでいる。各種の実施形態において、ベース14は、層12よりも柔軟な材料、層12と同じ柔軟性を有する材料、層12よりも柔軟性が低い材料から形成してもよい。図示の実施形態では、ベース14が実質的に硬質な材料から形成され、また、層12が柔軟な材料から形成されている。他の実施形態において、診断テストシステム130は、ベース78、第1の層80および第2の層82から形成されてもよい。
【0061】
図示の実施形態において、診断テストシステム130は、ポンプ88、ヒータ92、バルブ132および光学窓134を備えている。また、診断テストシステム130は、ポンプ88、ヒータ92およびバルブ132に結合される電気的インタフェース(図示せず)も備えている。ポンプ88は、チャンバ16に対して位置合わせされ、電気的インタフェースを介して供給される1つ以上の信号に応じてチャンバ16から流体を移動させるように作動可能となっている。バルブ132は、図11に示されるように閉位置にある場合、流体をチャンバ16内に密閉し、ポンプ88が作動される場合、流体を通過させることができるように構成されている。図8では、ポンプ88が作動状態で示されている。1つの実施形態において、バルブ132は、チャネル18の断面積を変化させる変形を発生させることによって、チャネル18を通じた流体の移動を制御するように構成されている。図示の実施形態において、ヒータ92は、電気的インタフェースに結合されるとともに、電気的インタフェースに供給される1つ以上の信号に応じてチャンバ16内の流体の温度を上昇させるように構成されている。ポンプ88、ヒータ92および電気的インタフェースの実施形態には、図1〜図10に開示された実施形態が含まれている。
【0062】
バルブ132は上側部分100と下側部分140とを備えている。図示の実施形態では、上側部分100が適切なエラストマー材料から製造され、下側部分140がベース14内に形成されている。バルブ132が図11に示されるように閉位置にあると、上側部分100が弾性的に付勢されて下側部分140と接触し、そのため、流体のチャンバ16内への流入が防止され、または流体のチャンバ16からの流出が防止されることとなる。電気的インタフェースにはアクチュエータ要素104が結合されている。適切な極性を有する適切な電圧が電気的インタフェースを介してアクチュエータ要素104に印加されると、図14に示されるようにバルブ132が開位置の状態となる。この電圧により、アクチュエータ要素104は、曲がって、流体がバルブ132を通過可能なように上側部分100と下側部分140とを十分に離間させるように構成されている。電圧が変化させられ、または除去されると、アクチュエータ要素104はその元の形状または位置へ復帰することとなる。各種の実施形態において、バルブ132は、流体処理能力を最大にするべく閉位置と完全開位置との間で動作可能となっており、または、ポンプ88の作動時にバルブ132を通過可能な流体の量を調整するための完全開位置から実質的な閉位置までの範囲で、任意の適切な数の開位置と1つの閉位置との間で動作可能となっている。
【0063】
図示の実施形態において、光学窓134は検体の検出を容易にしている。各種の実施形態では、光学窓134は可視光を含むことができる電磁放射線を通過させるように構成されている。図示の実施形態では、光学窓は光学的に透明な任意の適切な材料を使用して製造されている。これらの材料としては、ポリプロピレン材料およびポリカーボネート材料またはガラスが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0064】
図示の実施形態では、光学窓134がチャンバ16に位置合わせされている。各種の実施形態において、光学窓134は、チャンバ16内の反応の進行を監視するため、または、例えば所望の検体の検出結果をもたらすチャンバ16内の反応を監視するために使用してもよい。適切な波長を有する電磁放射線の発生をもたらすチャンバ16内で起こる反応は、チャンバ16の外側で検出することができる。例えば、各種の実施形態において適切な標識が使用される場合に、チャンバ16内の反応から生じる所望の検体を観察するために光学窓134を使用することができる。診断テストシステム130によって行なうことができる診断テストとしては、蛍光標識または酵素標識を利用して蛍光生成物を生み出すFIAテスト、光を生成する反応を形成するために化学発光標識を利用するCLIAテスト、あるいは、色生成反応を触媒する酵素を利用するELISAテストが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0065】
他の実施形態において、診断テストシステム130は1つ以上のフィルタおよび/または1つ以上のミラーを備えている。これらの実施形態において、フィルタおよびミラーは、検体の検出を良化させるために、チャンバ16に対して位置合わせされおよび/またはチャンバ16に近接して配置されている。各種の実施形態におけるフィルタは、チャンバ16の外側で検出できる適切な波長または波長範囲を通過させるように構成されている。フィルタとしては、光学フィルタ、または、帯域通過フィルタおよび干渉フィルタなどの他のフィルタを挙げることができる。いくつかの実施形態では、検体の検出は電磁放射線のやりとりを通じて外部機器によって行なわれることとなる。いくつかの実施形態では、診断テストシステム130および/またはコントローラまたは外部機器は、電磁放射線の存在または変化を検出するためのフォトダイオードなどの検出器と、1つ以上の発光ダイオードとを備えている。いくつかの実施形態では、適切な波長の発光または蛍光を測定するためにフィルタを使用してもよい。各種の実施形態において、診断テストシステム130または外部機器によって供給される適切な電磁周波数は、チャンバ16内で化学反応を開始するため若しくは誘発するため、または、検出のためにチャンバ16内で反応性生物を促進させるため若しくは励起させるために使用してもよい。
【0066】
図12は、図11に示される診断テストシステム130の1つの実施形態を示す平面図である。アクチュエータ要素94の配置位置が破線で示されている。本実施形態では、アクチュエータ要素94およびヒータ92がチャンバ16内に中央配置され、またはチャンバ16に対して位置合わせされている。アクチュエータ要素104は、上側部分100内に収容されており、チャネル18内に中央配置され、またはチャネル18に対して位置合わせされている。他の実施形態では、アクチュエータ要素94またはヒータ92がチャンバ16に対して位置合わせされていなくてもよい。他の実施形態では、アクチュエータ要素104がチャネル18に対して位置合わせされていなくてもよい。光学窓134は、所望の検体の検出を良化させるために、チャンバ16内に中央配置され、またはチャンバ16に対して位置合わせされている。他の実施形態では、光学窓134はチャンバ16に対して中央配置されずに、また、ベース14の側面上または層12内など、チャンバ16の任意の適切な領域内に配置されていてもよい。チャンバ16、チャネル18、アクチュエータ要素94および104、ヒータ92、上側部分100および光学窓134の相対的なサイズ、形状および寸法は、例示を目的としたものであり、他の実施形態では他の適したサイズ、形状および寸法とすることが可能である。
【0067】
図13は、診断テストシステムの1つの実施形態を示す断面図である。診断テストシステムは、全体を144で示しており、光学窓146とセンサ148とを備えている。本実施形態において、光学窓146は検体の検出を容易にしている。光学窓146は、可視光を含むことができる電磁放射線を通過させるように構成されている。光学窓146は、光学的に透明な任意の適切な材料を使用して製造することができる。これらの材料としては、ポリプロピレン材料、ポリカーボネート材料またはガラスが挙げられるが、これらに限定されるものではない。図示の実施形態において、光学窓146は、チャンバ16に位置合わせされるとともに、チャンバ16内の反応の進行を監視するため、または、例えば所望の検体の検出における適切な結果をもたらす反応を監視するために使用することができる。
【0068】
図示の実施形態では、センサ148が光学窓146に近接している。図示の実施形態において、センサ148は、チャンバ16内で起こる反応から発生する電磁放射線の存在または変化を検出可能な任意の適切なタイプのセンサであってもよい。図示の実施形態において、センサ148は電磁放射線を対応する電気信号へと変換するように構成されている。センサ148は、電気的インタフェース(図示せず)に対して結合されており、電気信号をインタフェースに対して送信するように構成されている。各種の実施形態において、センサ148は、フォトダイオード、電荷結合素子(CCD)または他の適切なタイプのセンサであってもよい。各種の実施形態において、センサ148は、発光、蛍光、色、温度、または、コンダクタンスなどの電気的特性を含んでいるが、これらに限定されないチャンバ16内の流体の特性または反応を測定するために使用できる。他の実施形態において、センサ148が、ベース14または層12の任意の適切な領域内、またはチャンバ16内の任意の場所に配置されてもよい。
【0069】
図14は、診断テストシステムの1つの実施形態を示す断面図である。診断テストシステムの全体は150で示されている。診断テストシステム150はバルブ132とポンプ152とを備えている。ポンプ152は、流体チャンバ154、ヒータ156およびエラストマーダイヤフラム158を備えている。ヒータ156は、任意の適切な手法を用いて構成でき、ヒータ92またはヒータ122に関して開示された実施形態を含むものである。1つの実施形態において、ヒータ156は1つ以上の抵抗要素を備えている。図示の実施形態では、ヒータ156が電気的インタフェース(図示せず)に結合されている。電気的インタフェースを介してヒータ156に電流が印加されると、チャンバ154内に収容された適切な作動流体に対して熱が伝えられることとなる。チャンバ154内の流体が蒸気泡を発生させるのに十分な温度に達すると、蒸気泡が局所的な圧力を増大させ、この部分的な圧力によって、ダイヤフラム158が矢印157の方向に拡張されることとなる。ダイヤフラム158の変位または変形によって形成されるチャンバ16内の圧力は、チャンバ16内の流体をバルブ132へ向けて矢印159の方向に押し出すのに十分な大きさとなっている。バルブ132は、図11に示されるような閉位置にある場合、流体をチャンバ16内に密閉し、図14に示されるような開位置にある場合、流体を通過させることができるように構成されている。電流がヒータ156から除去されると、チャンバ154が十分に冷え、蒸気泡を崩壊させることができるとともに、チャンバ154内の流体を元の液体状態に戻すことができる。
【0070】
各種の実施形態では、チャンバ154を1つ以上のチャネル18またはチャンバ16に結合して流体連通させてもよい。チャンバ154は、作動流体をチャンバ154へ供給するために使用される外部ポートに結合させることができる。各種の実施形態では、ヒータ156へ供給される電流を変化させて、ダイヤフラム158の変位または変形の大きさを制御しており、そのため、チャンバ16内に発生する圧力の大きさを制御することができることとなる。流体チャンバ154、ヒータ156、ダイヤフラム158、チャンバ16、チャネル18またはバルブ132の相対的なサイズ、形状および寸法は、例示であり、他の実施形態では他の適したサイズ、形状および寸法とすることが可能である。ポンプ152がベース14内に収容されて示されているが、他の実施形態では、層12中、ベース14の側面上などのベース14の他の領域、または、チャンバ16内の任意の場所にポンプ152を組み込んでもよい。チャンバ16内には1つのポンプ152が示されているが、他の実施形態では、2つ以上のポンプ152をチャンバ16内に収容していてもよい。
【0071】
図15は、診断テストシステムの1つの実施形態を示す断面図である。診断テストシステムの全体は160で示されている。診断テストシステム160は、診断テストシステム130の他の実施形態を表わしており、バルブ132aおよびバルブ132bとして示される2つのバルブ132を備えている。また、診断テストシステム160は、ポンプ88、ヒータ92および光学窓134を備えている。また、診断テストシステム130は、ポンプ88、ヒータ92と、バルブ132aおよび132bとに対して結合される電気的インタフェース(図示せず)も備えている。ポンプ88は、チャンバ16に位置合わせされ、かつ電気的インタフェースを介して供給される1つ以上の信号に応じてチャンバ16から流体を移動させるように作動できる構成となっている。バルブ132aおよび132bは、図15に示されるように閉位置にある場合に流体をチャンバ16内に密閉しており、一方または両方のバルブは、ポンプ88が作動された場合に流体を通過させることができるように構成されている。
【0072】
バルブ132aは、チャネル18a内に配置されており、上側部分100aと、アクチュエータ要素104aと、下側部分140aとを備えている。バルブ132bは、チャネル18b内に配置されており、上側部分100aと、アクチュエータ要素104bと、下側部分140bとを備えている。アクチュエータ要素104aおよび104bはそれぞれ電気的インタフェースに対して結合されている。各種の実施形態では、適切な極性を有する適切な電圧をアクチュエータ要素104aおよび104bに対して同時に、または異なる時間に印加して、チャンバ16内への流体の流れ、またはチャンバ16からの流体の流れを制御可能に構成されている。バルブ132aおよび132bはそれぞれ、流体処理能力を最大にすべく閉位置と完全開位置との間で動作可能に構成されており、また、通過可能な流体の量を調整するために完全開位置から略閉位置までの範囲で、任意の適切な数の開位置と閉位置との間をそれぞれ動作可能に構成されている。他の実施形態では、3つ以上のチャネル18をチャンバ16に対して結合してもよく、3つ以上のチャネル18の内の任意のチャネルがバルブ132を備えていてもよい。
【0073】
図16は、図15に示される診断テストシステム160の1つの実施形態を示す平面図である。アクチュエータ要素94の配置位置が破線で示されている。本実施形態では、アクチュエータ要素94およびヒータ92がチャンバ16内に中央配置され、またはチャンバ16に対して位置合わせされている。上側部分100aのアクチュエータ要素104aおよび上側部分100bのアクチュエータ要素104bは、それぞれチャネル18aおよび18bに対して位置合わせされている。他の実施形態では、アクチュエータ要素94およびヒータ92はチャンバ16に対して位置合わせされていなくてもよい。他の実施形態では、アクチュエータ要素104aおよびアクチュエータ要素104bはそれぞれチャネル18aおよび18bに対して位置合わせされていなくてもよい。光学窓134は、所望の検体の検出を良化させるため、チャンバ16内に中央配置されている。他の実施形態では、光学窓134は、チャンバ16に対して中央配置されておらず、ベース14の側面上または層12内など、チャンバ16の他の適切な領域内に配置されている。チャンバ16、チャネル18、アクチュエータ要素94、104aおよび104b、ヒータ92、上側部分100aおよび100b、下側部分140aおよび140b並びに光学窓134の相対的なサイズ、形状および寸法は、例示であり、他の実施形態では他の適したサイズ、形状および寸法とすることが可能である。
【0074】
図17は、診断テストシステムの1つの実施形態を示す断面図である。診断テストシステムの全体が166で示されている。診断テストシステム166は、ベース78、第1の層80および第2の層82を備えている。異なる実施形態では、ベース78、第1の層80および第2の層82を、診断テストシステム76に関連して開示された材料を含む適切な材料から形成してもよい。図示の実施形態では、第1の層80および第2の層82がエラストマー材料から形成され、ベース78が第1の層80または第2の層82よりも硬質な材料から形成されている。他の実施形態では、第1の層80および/または第2の層82をベース78と同じ程度の硬さの材料、またはベース78よりも硬い材料から形成してもよい。他の実施形態では、診断テストシステム166は層12とベース14とを備えていてもよい。
【0075】
図17に示される実施形態では、ベース78はチャンバ16およびチャネル18の一部を含む1つ以上の開放領域を備えている。層80は、表面84においてベース78の第1の面に対して固着されており、また、層82は、表面86においてベース78の第2の面に対して固着されている。第1の層80および第2の層82は、協働してベース78内の開放領域を密閉することによってチャンバ16およびチャネル18を形成している。ここでは、1つのチャンバ16および1つのチャネル18だけが図示されているが、他の実施形態では、任意の適切な数のチャンバ16およびチャネル18が設けられていてもよい。他の実施形態では、チャンバ16およびチャネル18が任意の適切な形状またはサイズを有していてもよい。
【0076】
図示の実施形態において、診断テストシステム166は、ポンプ168、バルブ170およびヒータ92を備えている。また、診断テストシステム166は、ポンプ168、バルブ170およびヒータ92に結合される電気的インタフェース(図示せず)も備えている。各種の実施形態では、ベース78、第1の層80または第2の層82の内1つ以上の内部またはこれらの両側に電気的インタフェースが配置されてもよい。ポンプ168は、チャンバ16に位置合わせされ、かつチャンバ16の内部領域中に設けられたアクチュエータ要素172を備えている。ポンプ168は、電気的インタフェースを介してポンプ168へ供給される1つ以上の信号に応じて、チャンバ16から流体を移動させるように作動できる構成となっている。バルブ170は、上側アクチュエータ要素178と下側アクチュエータ要素182とを備えている。上側アクチュエータ要素178および下側アクチュエータ要素182はチャネル18の内部領域中に設けられている。バルブ170は、閉位置にある場合にチャンバ16内に流体を密閉し、開位置にある場合に流体が通過できるように構成されている。1つの実施形態では、バルブ170は、チャネル18の断面積を変化させる変形を発生させることによって、チャネル18を通過する流体の移動を制御するように構成されている。図示の実施形態では、ヒータ92は、電気的インタフェースに結合されており、電気的インタフェースに供給される1つ以上の信号に応じてチャンバ16内の流体の温度を上昇させるように構成されている。
【0077】
図示の実施形態において、アクチュエータ要素172、178および182は任意の適切な電気活性高分子材料から形成されており、任意の適切な電気活性高分子材料は電圧印加時に電気的エネルギを機械的な動作へ変換するように構成されている。これらの実施形態では、アクチュエータ要素172、178および182の変位または変形の大きさが、適切な極性を有する適切な電圧を印加することによって制御可能となっている。図17に示される実施形態では、アクチュエータ要素172、178および182はイオン性ポリマー材料または電気活性高分子材料から形成されており、イオン性ポリマー材料または電気活性高分子材料は、適切な電圧が印加される場合に、イオンの拡散または移動性による体積変化および電気化学効果を受けるように構成されている。これらの電気活性高分子のために使用される材料としては、高分子−金属複合物、導電性高分子、ゲルおよびカーボンナノチューブを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。図示の実施形態では、アクチュエータ要素172、178および182は、適切な極性を有する適切な電圧の印加または変化に応じて、任意の適切な体積まで増大可能に構成されており、それらの元の体積に復帰可能に構成されている。他の実施形態では、アクチュエータ要素172、178および182は、電歪ポリマー材料、静電ポリマー材料、圧電ポリマー材料、および強誘電性ポリマー材料を含むものであるが、これらに限定されない他の適した電気活性高分子材料から形成してもよい。
【0078】
図示の実施形態では、電圧が印加されていない状態に対応した非作動状態にあるアクチュエータ要素172、178および182が示されている。アクチュエータ要素172に関して174で示される破線状の輪郭、アクチュエータ要素178に関して180で示される破線状の輪郭、アクチュエータ要素182に関して184で示される破線状の輪郭は、適切な電圧が印加された後の作動状態にあるアクチュエータ要素172、178および182において体積の増大した状態を表わしている。電圧が変化し、または除去された場合に、アクチュエータ要素172、178および182はそれらの元の形状または位置へ復帰することとなる。各種の実施形態において、アクチュエータ要素172、178および182は、非作動状態または作動状態にある場合に任意の適切な体積または形状を有するように構成されてもよい。ここで、アクチュエータ要素172は第1の層80に取り付けられて示されているが、他の実施形態では、第2の層82上、ベース78上、または、チャンバ16内の任意の場所にアクチュエータ要素172を配置してもよい。また、他の実施形態では、チャンバ16内に1つより多くの数のアクチュエータ要素172が設けられていてもよい。
【0079】
図示の実施形態では、適切な電圧が電気的インタフェースを介して印加された後にポンプ168が作動すると、アクチュエータ要素172は、174で示される形状まで体積が増大し、チャンバ16内の流体をバルブ170へ向けて矢印176の方向へ押し出すのに十分な圧力をチャンバ16内に発生させることとなる。電圧が変化し、または除去されると、アクチュエータ要素172は、172の輪郭によって示されるその元の形状または体積まで復帰することとなる。アクチュエータ要素172の体積の増大量、ひいては、チャンバ16内に発生する圧力の大きさは、アクチュエータ要素172に対して適切な電圧を印加することによって制御可能となっている。
【0080】
図示の実施形態では、アクチュエータ要素178は、電気的インタフェースを介した適切な電圧を印加した後の作動状態にある場合に、180で示される形状まで体積が増大しており、また、アクチュエータ要素182は、電気的インタフェースを介した適切な電圧を印加した後の作動状態にある場合に、184で示される形状まで体積が増大することとなる。作動状態にある場合には、アクチュエータ要素178および182が閉位置へと弾性的に付勢されており、そのため、流体のチャンバ16内への流入が防止され、または流体のチャンバ16からの流出が防止されることとなる。アクチュエータ要素178および182に印加される電圧が変化し、または除去された場合、アクチュエータ要素178および182は、流体がバルブ170を通過できるのに十分な開位置まで体積が減少することとなる。各種の実施形態では、バルブ170は、流体処理能力を最大にするべく閉位置と完全開位置との間で動作可能に構成されており、または、通過可能な流体の量を調整するために完全開位置から実質的な閉位置までの範囲で任意の適切な数の開位置と1つの閉位置との間で動作可能に構成されている。他の実施形態では、アクチュエータ178および182が、チャンバ16内のベース78の対向面など他の適した場所に配置されてもよい。他の実施形態では、チャネル18を通過する流体の流れを制御するために、開位置と閉位置との間で動作可能な1つのアクチュエータ要素(例えばアクチュエータ要素178)が設けられている。他の実施形態では、2つより多いアクチュエータ要素が設けられている。
【0081】
図18は、図17に示される診断テストシステム166の1つの実施形態を示す平面図である。本実施形態では、アクチュエータ要素172およびヒータ92がチャンバ16内に中央配置され、またはチャンバ16に対して位置合わせされている。アクチュエータ要素182およびアクチュエータ要素180(図示せず)は、チャネル18内に中央配置され、またはチャネル18に対して位置合わせされている。他の実施形態では、アクチュエータ要素172またはヒータ92はチャンバ16に対して位置合わせされていなくてもよい。他の実施形態では、アクチュエータ要素178または182はチャネル18に対して位置合わせされていなくてもよい。チャンバ16、チャネル18、アクチュエータ要素172、178および182並びにヒータ92の相対的なサイズ、形状および寸法は、例示であり、他の実施形態では他の適したサイズ、形状および寸法とすることが可能である。
【0082】
図19は、診断テストシステムの1つの実施形態を示す平面図である。診断テストシステムの全体は188で示されている。診断テストシステム188は、ポンプ168と、バルブ170とを備えており、バルブ170はバルブ170a、170b、170cおよび170dのように示されている。ポンプ168およびバルブ170の実施形態は、診断テストシステム166に関して開示された実施形態を含むものである。
【0083】
バルブ170aは、チャネル18a内に配置されており、電気的インタフェース(図示せず)を介して適切な電圧を印加した場合に184aの形状まで体積が増大するアクチュエータ要素182aを備えている。バルブ170bは、チャネル18b内に配置されており、電気的インタフェース(図示せず)を介して適切な電圧を印加した場合に184bの形状まで体積が増大するアクチュエータ要素182bを備えている。バルブ170cは、チャネル18c内に配置されており、電気的インタフェース(図示せず)を介して適切な電圧が印加された場合に184cの形状まで体積が増大するアクチュエータ要素182cを備えている。バルブ170dは、チャネル18d内に配置されており、電気的インタフェース(図示せず)を介して適切な電圧が印加された場合に184dの形状まで体積が増大するアクチュエータ要素182dを備えている。
【0084】
図示の実施形態において、ポンプ168はアクチュエータ要素172を備えている。電気的インタフェースを介してアクチュエータ要素172に適切な電圧が印加された場合に、アクチュエータ要素172は、174に示される形状まで体積が増大し、チャンバ16内の流体をバルブ170a、170b、170c、170dの方向へ押し出すのに十分な圧力をチャンバ16内に発生させることとなる。任意の1つ以上のバルブ170a、170b、170cおよび170dを開くことによって、流体をそれぞれのチャネル18a、18b、18cまたは18dに通過させることができる。各バルブ170a、170b、170cおよび170dは、チャンバ16内への、またはチャンバ16からの流体の流れを制御可能に構成されている。他のポンプ168(図示せず)が作動して流体を任意のチャネル18a、18b、18cまたは18dに向けて押し出している場合には、対応するバルブ170a、170b、170cまたは170dを開くことによって、流体をチャンバ16内へ送ることができる。各種の実施形態では、チャンバ16内、チャネル18内、または、チャンバ16およびチャネル18の両方にバルブ170を配置できる。チャンバ16、チャネル18、ポンプ168、バルブ170およびヒータ92の相対的なサイズ、形状および寸法は、例示であり、他の実施形態では他の適したサイズ、形状および寸法とすることが可能である。
【0085】
図20は、診断テストシステムの1つの実施形態を示す平面図である。診断テストシステムの全体は190で示されている。診断テストシステム190は、バルブ170と、168a、168b、168c、168d、168eおよび168fで示される6個のポンプ168とを備えている。ポンプ168およびバルブ170の実施形態は、診断テストシステム166または診断テストシステム188に関して開示された実施形態を含むものである。バルブ170は、チャネル18内に配置されており、アクチュエータ要素182を備えている。アクチュエータ要素182は、電気的インタフェース(図示せず)を介して適切な電圧が印加された場合に、184の形状まで体積が増大することとなる。ポンプ168a、168b、168c、168d、168eおよび168fはそれぞれアクチュエータ要素172a、172b、172c、172d、172eおよび172fを備えている。電気的インタフェースを介して1つ以上のアクチュエータ要素172a、172b、172c、172d、172eまたは172fに適切な電圧が印加された場合、電圧を受けているアクチュエータ要素172a、172b、172c、172d、172eまたは172fはそれぞれ174a、174b、174c、174d、174eまたは174fで示される形状まで体積が増大することとなる。
【0086】
いくつかの実施形態では、1つ以上のアクチュエータ要素172に印加される電圧は、チャンバ16内の流体をバルブ170へ向けて押し出すのに十分な圧力をチャンバ16内に発生させることとなる。1つの実施形態では、全てのアクチュエータ要素172に同時に電圧を印加することによって、チャンバ16内の流体がバルブ170へ向けて押し出されるように構成されている。
【0087】
いくつかの実施形態では、アクチュエータ要素172に対して異なるタイミングで電圧を印加することによって、流体がバルブ170へ向けて押し出されることとなる。例えば、アクチュエータ要素172dに対して最初に電圧を印加し、次に、アクチュエータ要素172cおよび172eに対して電圧を印加し、その次に、アクチュエータ要素172aに対して電圧を印加し、その後にアクチュエータ要素172bおよび172fに対して電圧を印加することができる。アクチュエータ要素172の連続的な動作が流体をバルブ170へ向けて押し出すこととなる。
【0088】
いくつかの実施形態では、アクチュエータ要素172に適切な手順で電圧を印加することによって、チャンバ16内の流体が混合され、または振動することとなる。これらの実施形態では、その手順にしたがってアクチュエータ要素172が作動および停止することとなる。1つの実施形態では、172a、172f、172d、172b、172eおよび172cの手順でアクチュエータ要素が作動および停止することとなる。この手順が任意の適切な回数繰り返されてもよい。他の実施形態では、他の適切な手順またはランダムな手順が用いられてもよい。
【0089】
いくつかの実施形態では、チャンバ16内の流体を渦状にするために、アクチュエータ要素172に対して所定の手順で電圧が印加されることとなる。これらの実施形態では、適切な手順でアクチュエータ要素172を作動および停止させることによって、流体を時計周り方向または反時計周り方向に移動させることも可能である。1つの実施形態では、アクチュエータ要素172aが作動して、172b、172c、172d、172eおよび172fの手順で他のアクチュエータ要素172が作動および停止することとなる。この手順が任意の適切な回数繰り返されてもよい。1つの実施形態では、アクチュエータ要素172aが作動して、172f、172e、172d、172cおよび172bの手順でアクチュエータ要素が作動および停止することとなる。この手順は任意の適切な回数繰り返されてもよい。他の実施形態では、アクチュエータ要素172aが設けられておらず、172b、172c、172d、172eおよび172fの手順で5個のアクチュエータ要素172だけが作動および停止することとなる。この手順は任意の適切な回数繰り返されてもよい。他の実施形態では、任意の適切な数のアクチュエータ要素172が設けられ、任意の適切な手順でアクチュエータ要素172が作動および停止されてもよい。
【0090】
図21は、診断テストシステムの1つの実施形態を示す平面図である。診断テストシステムの全体が192で示されている。診断テストシステム192は、1つのバルブ170と、168aおよび168bで示される2つのポンプ168とを備えている。ポンプ168およびバルブ170の実施形態は、診断テストシステム166、188、190および192に関して開示された実施形態を含むものである。バルブ170は、チャネル18c内に配置されており、電気的インタフェース(図示せず)を介して適切な電圧を印加する場合に184の形状まで体積が増大するアクチュエータ要素182を備えている。ポンプ168aおよび168bはそれぞれアクチュエータ要素172aおよび172bを備えている。電気的インタフェースを介してアクチュエータ要素172aまたは172bに適切な電圧が印加された場合に、アクチュエータ要素172aまたは172bは、174aまたは174bで示される形状までそれぞれ体積が増大することとなる。
【0091】
1つの実施形態では、アクチュエータ要素172aおよび172bに対して順次に電圧を印加することによって、流体が混合されることとなる。最初に、バルブ170が閉じられることとなる。ポンプ168bが停止し、かつポンプ168aが作動する場合に、アクチュエータ要素172aが、174aの形状まで拡張し、チャンバ16a内の流体をチャネル18aおよび18bを介してチャンバ16bへと押し出すのに十分な圧力をチャンバ16a内に発生させることとなる。あるいは、ポンプ168aが停止し、かつポンプ168bが作動する場合に、アクチュエータ要素172bは、174bの形状まで拡張し、チャンバ16b内の流体をチャネル18bおよび18aを介してチャンバ16aへと押し出すのに十分な圧力をチャンバ16b内に発生させることとなる。1つの実施形態では、ポンプ168bを停止させ、かつポンプ168aを作動させるシーケンスが1回で完了されることとなる。1つの実施形態では、ポンプ168aを停止させて、かつポンプ168bを作動させるシーケンスが1回で完了されることとなる。他の実施形態では、ポンプ168bを停止させて、ポンプ168aを作動させて、その後にポンプ168aを停止させて、ポンプ168bを作動させるシーケンスが1回または複数回で完了されることとなり、そのため、流体の適切な混合が完了することとなる。
【0092】
図22は、診断テストシステムの1つの実施形態を示す断面図である。診断テストシステムの全体は194で示されている。診断テストシステム194は、診断テストシステム10の他の実施形態を表わしており、層12とベース14とを備えている。チャンバ16およびチャネル18を形成するように層12とベース14とが取り付けられている。層12およびベース14の材料および実施形態は図1〜図4に開示されたそれらを含むものである。各種の実施形態において、ベース14は、層12よりも柔軟な材料、層12と同じ柔軟性を有する材料、または層12よりも柔軟性が低い材料から形成されていてもよい。図示の実施形態では、ベース14が実質的に硬質な材料から形成され、また、層12が柔軟な材料から形成されている。他の実施形態において、診断テストシステム194がベース78、第1の層80および第2の層82から形成されてもよい。
【0093】
図示の実施形態において、診断テストシステム194は、ポンプ196、ヒータ92、バルブ198、および光学窓134を備えている。また、診断テストシステム194は、ポンプ196、ヒータ92およびバルブ198に対して結合される電気的インタフェース(図示せず)も備えている。ポンプ196は、電気的インタフェースを介して供給される1つ以上の信号に応じて流体を矢印208の方向へ移動させるように作動可能な構成となっている。バルブ198は、閉位置にある場合に流体をチャンバ16内に密閉し、開位置にある場合に流体を通過させることができるように構成されている。1つの実施形態では、バルブ198は、チャネル18の断面積を変化させる変形を発生させることによって、チャネル18を通じた流体の移動を制御するように構成されている。図示の実施形態において、ヒータ92は、電気的インタフェースに結合されて、電気的インタフェースを介してヒータ92に供給される1つ以上の信号に応じてチャンバ16内の流体の温度を上昇させるように構成されている。
【0094】
図示の実施形態では、ポンプ196がアクチュエータ要素200を備えており、バルブ198がアクチュエータ要素210を備えている。アクチュエータ要素200はチャンバ16の内部領域中に設けられ、アクチュエータ要素210はチャネル18の内部領域中に設けられている。アクチュエータ要素200および210は、二層構造を含んでおり、電圧を印加した場合に体積の変化しない任意の適切な材料で形成された1つの層に対して、電気活性高分子で形成された1つの層を取り付けることによって形成されている。適切な電圧を印加する際の電気活性高分子の変位または変形によって、アクチュエータ要素200および210が屈曲し、または湾曲することとなる。各種の実施形態において、電気活性高分子は、イオン性ポリマー、電子ポリマー、または、他の適切なタイプの電気活性高分子であってもよい。
【0095】
1つの実施形態では、アクチュエータ要素200およびアクチュエータ要素210がイオン性ポリマー材料から形成されている。適切な電圧を印加することによって、イオン性ポリマー材料は、イオンの拡散または移動性に起因する電気化学的な効果に起因して体積が拡張することとなる。この拡張によって、アクチュエータ要素200および210が曲がることとなる。適切な極性を有する適切な電圧の印加によって、アクチュエータ要素200および210の湾曲また変形の量を制御することができる。輪郭218および220で示される屈曲または湾曲の大きさは典型的な例として挙げるものであり、他の実施形態では、屈曲または湾曲の大きさを任意の適切な大きさに構成することが可能である。アクチュエータ要素200および210に対して供給される電圧が変化し、または除去される場合に、アクチュエータ要素200および210は、200および210で示されるようにそれらの元の位置へ復帰することとなる。各種の実施形態において、イオン性ポリマー材料は、高分子−金属複合物、導電性高分子、ゲルおよびカーボンナノチューブを含んでいてもよいが、これらに限定されるものではない。
【0096】
1つの実施形態において、アクチュエータ要素200およびアクチュエータ要素210は、電場の存在する条件下で変位または変形を受ける電子ポリマー材料から形成されている。本実施形態では、電気活性高分子として、電歪ポリマー、静電ポリマー、圧電ポリマー、および強誘電性ポリマーを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。いくつかの実施形態では、アクチュエータ要素200および210は、両面がエラストマー導電膜でコーティングされるポリマーエラストマー誘電体を備えている。2つの膜間に電圧を印加すると、高分子材料を圧縮する静電場が作られることとなる。高分子材料の体積は変化しないこと、すなわち、一方向に高分子材料を圧縮することによって、高分子材料が1つ以上の他の方向に拡張することとなり、そのため、体積が一定に維持されることとなる。この拡張が変位または変形を発生させることとなる。この拡張によって、アクチュエータ要素200および210が屈曲し、または湾曲することとなる。適切な極性を有する適切な電圧の印加によって、アクチュエータ要素200および210の湾曲また変形の量が制御可能となっている。輪郭218および220で示される屈曲または湾曲の大きさは典型的な例として挙げられたものであり、他の実施形態では、屈曲または湾曲の大きさを任意の適切な大きさとしてもよい。電圧が変化し、または除去された場合に、アクチュエータ要素200および210は、200および210で示されるようにそれらの元の位置へ復帰することとなる。
【0097】
図示の実施形態において、アクチュエータ要素200は、電気活性高分子である層204と、電圧が印加されるときに体積の変化しない適切な材料である層206とを備えている。アクチュエータ要素200に対して電圧が印加された場合に、層204が拡張してアクチュエータ要素200を218で示される形状へと屈曲あるいは湾曲させることとなる。この屈曲あるいは湾曲は、チャンバ16内の流体を矢印208の方向へ押し出す圧力をチャンバ16内に発生させることとなる。本実施形態において、層12およびベース14は、アクチュエータ要素200の湾曲に対応するように形成されている。1つの実施形態において、層12は、適切なエラストマー材料から形成されており、アクチュエータ要素200の湾曲に対応して上方へ屈曲するように構成されている。他の実施形態では、チャンバ16内の任意の適切な場所にアクチュエータ要素200を取り付けてもよい。他の実施形態では、アクチュエータ要素200の一端を層12またはベース14に対して取り付けてもよい。他の実施形態では、層12またはベース14はアクチュエータ要素200の動作に対応した開口または凹部領域を備えている。他の実施形態では、1つより多くの数のアクチュエータ要素200が設けられている。図示の実施形態では、電圧が変化し、または除去された場合に、200で示されるようにアクチュエータ要素200がその元の位置に復帰することとなる。各種の実施形態では、ポンプ196は、チャンバ16内で発生する圧力を最適化するために、任意の適切な期間にわたって任意の適切な数の位置間で動作可能に構成されている。
【0098】
図示の実施形態において、アクチュエータ要素210は、電気活性高分子である層212と、電圧印加時に体積の変化しない適切な材料である層214とを備えている。アクチュエータ要素210に対して電圧が印加された場合、層212が拡張してアクチュエータ要素210を220で示される形状へと湾曲させることとなる。この湾曲がバルブ198を通過する開口を形成し、この開口によってチャンバ16内の流体が矢印216の方向でバルブ198を通過できるようになる。図示の実施形態では、電圧が変化し、または除去された場合に、210で示されるようにアクチュエータ要素210がその元の位置に復帰することとなる。各種の実施形態において、バルブ198は、チャネル18を通過する流体の処理能力を最適化するために、任意の適切な期間にわたって任意の適切な数の位置間で動作できるように構成されている。また、バルブ198は、流体の処理能力を最大にするべく閉位置と完全開位置との間で動作可能に構成されており、または、バルブ198が作動する場合にチャネル18を通過可能な流体の量を調整するために完全開位置から略閉位置までの範囲で任意の適切な数の開位置と1つの閉位置との間で動作可能に構成されている。他の実施形態では、1つより多くの数のアクチュエータ要素210が設けられている。他の実施形態では、ベース14などのチャネル18内の任意の適切な場所に、アクチュエータ要素210を取り付けてもよい。他の実施形態では、アクチュエータ要素210はポンプとして動作してもよい。これらの実施形態において、アクチュエータ要素210は、チャンバ16内に配置されてチャンバ16内の流体を移動させるように動作してもよく、または、チャネル18内に配置されてチャネル18内の流体を移動させるべく動作してもよい。
【0099】
図示の実施形態では、光学窓134は、可視光を含むことができる電磁放射線を通過させることによって、検体の検出を容易にしている。光学窓134の実施形態は、診断テストシステム130、144および160に関して開示された実施形態を含むものである。
【0100】
図23は、図22に示される診断テストシステム194の平面図である。本実施形態では、ヒータ92がチャンバ16内に中央配置され、またはチャンバ16に対して位置合わせされている。他の実施形態では、ヒータ92は、チャンバ16に対して位置合わせされずに、チャンバ16内の任意の適切な場所に取り付けてもよい。アクチュエータ要素200の端部222は層12に対して取り付けられている。各種の実施形態において、アクチュエータ要素200は、チャンバ16内の任意の適切な場所で層12またはベース14に取り付けられてもよい。アクチュエータ要素210の端部224は層12に取り付けられている。他の実施形態では、アクチュエータ要素210は、チャネル18内の任意の適切な場所で層12またはベース14に取り付けられてもよい。光学窓134は、所望の検体の検出を良化させるために、チャンバ16内に中央配置され、またはチャンバ16に対して位置合わせされている。他の実施形態では、光学窓134は、チャンバ16に対して中央配置されずに、ベース14の側面上または層12内など、チャンバ16の他の適切な領域内に配置されている。チャンバ16、チャネル18、アクチュエータ要素200および210、ヒータ92並びに光学窓134の相対的なサイズ、形状および寸法は、例示に過ぎず、他の実施形態では他の適したサイズ、形状および寸法とすることが可能である。
【0101】
本明細書では、特定の実施形態について図示して説明してきたが、当業者であれば分かるように、本発明の範囲から逸脱することなく、様々な代替的および/または等価な実施が、図示して説明した特定の実施形態に取って代わってもよい。本出願は、本明細書で説明した特定の実施形態の任意の改良または変形を網羅しようとするものである。すなわち、本発明は、特許請求の範囲およびその等価物によって範囲が定められるものであることを意図するものである。
【図面の簡単な説明】
【0102】
【図1】診断テストシステムの1つの実施形態を示す斜視図である。
【図2】図1に示される診断テストシステムの一部の詳細な斜視図である。
【図3】図1に示される診断テストシステムの一部の詳細な斜視図である。
【図4】診断テストシステムに用いられる電気的インタフェースの1つの実施形態を示す斜視図である。
【図5】診断テストシステムの1つの実施形態を示すブロック図である。
【図6】診断テストシステムの1つの実施形態を示す断面図である。
【図7】図6に示される診断テストシステムの1つの実施形態を示す平面図である。
【図8】図6に示される診断テストシステムの1つの実施形態を示す断面図である。
【図9】診断テストシステムの1つの実施形態を示す断面図である。
【図10】診断テストシステムの1つの実施形態を示す断面図である。
【図11】診断テストシステムの1つの実施形態を示す断面図である。
【図12】図11に示される診断テストシステムの1つの実施形態を示す平面図である。
【図13】診断テストシステムの1つの実施形態を示す断面図である。
【図14】診断テストシステムの1つの実施形態を示す断面図である。
【図15】診断テストシステムの1つの実施形態を示す断面図である。
【図16】図15に示される診断テストシステムの1つの実施形態を示す平面図である。
【図17】診断テストシステムの1つの実施形態を示す断面図である。
【図18】図17に示される診断テストシステムの1つの実施形態を示す平面図である。
【図19】診断テストシステムの1つの実施形態を示す平面図である。
【図20】診断テストシステムの1つの実施形態を示す平面図である。
【図21】診断テストシステムの1つの実施形態を示す平面図である。
【図22】診断テストシステムの1つの実施形態を示す断面図である。
【図23】図22に示される診断テストシステムの平面図である。
【符号の説明】
【0103】
10 診断テストシステム
12 層
14 ベース
16,16a,16b,16c,16d,16e,16f,16g,16h,16i,16j チャンバ
18,18a,18b,18c,18d,18e,18f,18g,18h,18i,18j,18k,18l,18m,18n チャネル
20 サンプル入力ポート、ポート
22,24 面部
26,28,30,32,34 共通チャネル部
36 電気的インタフェース、層
38 コネクタ
40,40a,40b,40c,40d,40e,40f,40g,40h,40i,40j 導電パッド、パッド
42,42a,42b,42c,42d,42e,42f,42g,42h,42i,42j 導電トレース、トレース
44,44a,44b,44c,44d,44e,44f,44g,44h,44i,44j チャンバ部
46 ブロック全体
48 コントローラ
50 診断テストシステム
52 経路
54 ブロック
56 経路
58 ブロック
60 経路
62,64 ブロック
66,68 経路
70,72,74 ブロック
76 診断テストシステム
78 ベース
80 第1の層、層
82 第2の層、層
84,86 表面
88 ポンプ
90 バルブ
92 ヒータ
94 アクチュエータ要素
96 矢印
100,100a,100b 上側部分
102 下側部分
104,104a,104b アクチュエータ要素
106 アクチュエータ要素
108 診断テストシステム
110 ポンプ
112 アクチュエータ要素
114 矢印
116 診断テストシステム
118 ポンプ
120 流体チャンバ、チャンバ
122 ヒータ
124 ダイヤフラム
126,128 矢印
130 診断テストシステム
132,132a,132b バルブ
134 光学窓
136,138 矢印
140,140a,140b 下側部分
144 診断テストシステム
146 光学窓
148 センサ
150 診断テストシステム
152 ポンプ
154 流体チャンバ、チャンバ
156 ヒータ
157 矢印
158 エラストマーダイヤフラム、ダイヤフラム
159 矢印
160 診断テストシステム
162 矢印
166 診断テストシステム
168,168a,168b,168c,168d,168e,168f ポンプ
170,170a,170b,170c,170d バルブ
172,172a,172b,172c,172d,172e,172f,174,174a,174b,174c,174d,174e,174f アクチュエータ要素(の輪郭)
176 矢印
178,180,182,182a,182b,182c,182d,184,184a,184b,184c,184d アクチュエータ要素(の輪郭)
188,190,192,194 診断テストシステム
196 ポンプ
198 バルブ
200 アクチュエータ要素
204,206 層
208 矢印
210 アクチュエータ要素
212,214 層
216 矢印
218,220 アクチュエータ要素(の輪郭)
222,224 端部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の層と、
1つ以上のチャンバを形成するように前記第1の層が取り付けられるベースと、
前記1つ以上のチャンバの内1つの容積を変化させるように変形を発生させることによって、前記1つ以上のチャンバの内1つの内部に含まれる流体の移動を制御するようにそれぞれが構成されている1つ以上のポンプとを備えている診断テストシステム。
【請求項2】
前記1つ以上のポンプのそれぞれは前記第1の層に取り付けられるアクチュエータ要素を備え、前記アクチュエータ要素が、1つ以上の電気信号に応じて曲がるとともに、前記第1の層に変形を発生させて前記1つ以上のチャンバの内1つの容積を変化させるように構成されている請求項1に記載の診断テストシステム。
【請求項3】
前記アクチュエータ要素が圧電材料を備えている請求項2に記載の診断テストシステム。
【請求項4】
前記アクチュエータ要素が電気活性高分子材料を備えている請求項2に記載の診断テストシステム。
【請求項5】
前記1つ以上のポンプのそれぞれが、前記1つ以上のチャンバの内1つの内部領域に取り付けられるアクチュエータ要素を備え、前記アクチュエータ要素は、1つ以上の電気信号に応じて変形して、前記1つ以上のチャンバの内1つの容積を変化させるように構成されている請求項1に記載の診断テストシステム。
【請求項6】
前記アクチュエータ要素は前記1つ以上の電気信号に応じて容積を変化させることによって変形する電気活性高分子を備えている請求項5に記載の診断テストシステム。
【請求項7】
前記アクチュエータ要素は一定の体積を有する層に対して取り付けられる電気活性高分子層を備え、前記1つ以上の信号に応じた前記電気活性高分子層の変位によって、前記アクチュエータ要素が前記1つ以上のチャンバの内1つの容積を変化させる方向に曲げられることによって変形するように構成されている請求項5に記載の診断テストシステム。
【請求項8】
前記1つ以上のポンプのそれぞれが、
作動流体を含む流体チャンバと、
前記流体チャンバ内に収容されたヒータと、
前記1つ以上のチャンバの内1つから前記流体チャンバを分離するように構成されたダイヤフラムであって、熱によって誘発される前記流体チャンバ内の局所的な圧力に応じて前記1つ以上のチャンバの内1つの容積を変化させる拡張によって変形するように構成されたダイヤフラムとを備えている請求項1に記載の診断テストシステム。
【請求項9】
前記1つ以上のチャンバに結合された1つ以上のチャネルと、
前記1つ以上のチャネルの内1つの断面積を変化させるように変形を発生させることによって、前記1つ以上のチャネルの内1つを通過する流体の移動を制御するようにそれぞれが構成された1つ以上のバルブとを備えている請求項1に記載の診断テストシステム。
【請求項10】
前記1つ以上のバルブのそれぞれは、前記1つ以上のチャネルの内1つの内部領域中に存在する圧電材料を有するアクチュエータ要素を備えており、前記アクチュエータ要素は、1つ以上の電気信号に応じて変形して、前記1つ以上のチャンバの内1つを通過する流体の流れを制御するように構成されている請求項9に記載の診断テストシステム。
【請求項11】
前記1つ以上のバルブのそれぞれは、前記1つ以上のチャネルの内1つの内部領域中に存在する電気活性高分子材料を有するアクチュエータ要素を備え、前記アクチュエータ要素は、1つ以上の電気信号に応じて変形して、前記1つ以上のチャンバの内1つを通過する流体の流れを制御するように構成されている請求項9に記載の診断テストシステム。
【請求項12】
前記ベースに取り付けられる第2の層を備え、前記1つ以上のチャンバおよび1つ以上のチャネルを形成するために、前記第1の層および前記第2の層が前記ベースの両側に取り付けられている請求項1に記載の診断テストシステム。
【請求項13】
実質的に硬質のベースと、
柔軟な第1の層と、
柔軟な第2の層であって、1つ以上のチャンバおよび1つ以上のチャネルを形成するために前記第1の層および前記第2の層が前記ベースの両側に取り付けられるように構成された第2の層と、
電気的インタフェースと、
前記電気的インタフェースに結合され、かつ前記1つ以上のチャンバの内1つの容積を変化させるように変形を発生させることにより前記1つ以上のチャンバの内1つの内部の流体の移動を制御するようにそれぞれが構成された1つ以上のポンプと、
前記電気的インタフェースに結合され、かつ前記1つ以上のチャネルの内1つの断面積を変化させるような変形を発生させることによって前記1つ以上のチャネルの内1つを通過する流体の移動を制御するようにそれぞれが構成された1つ以上のバルブとを備えている診断テストシステム。
【請求項14】
前記1つ以上のポンプのそれぞれ、または前記1つ以上のバルブのそれぞれは、1つ以上の電気信号に応じて曲がることによって変形するように構成された圧電材料を備えている請求項13に記載の診断テストシステム。
【請求項15】
前記1つ以上のポンプのそれぞれ、または前記1つ以上のバルブのそれぞれは、1つ以上の電気信号に応じて変形するように構成された電気活性高分子材料を備えている請求項13に記載の診断テストシステム。
【請求項16】
前記ベースは、金属、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレンまたはポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、およびポリカーボネートからなる群から選択される材料を備えている請求項13に記載の診断テストシステム。
【請求項17】
前記1つ以上のチャンバの内少なくとも1つは、前記1つ以上のチャンバの内少なくとも1つの内部温度を上げるように構成されたヒータを備えている請求項13に記載の診断テストシステム。
【請求項18】
前記1つ以上のチャンバの内少なくとも1つは、蛍光マーカー、化学発光マーカー、熱量測定マーカー、酵素マーカー、および放射性マーカーからなる群から選択される試薬が予め組み込まれるように構成されている請求項13に記載の診断テストシステム。
【請求項19】
前記1つ以上のチャンバの内で対応する少なくとも1つのチャンバと位置合わせされる少なくとも1つの光学窓を備え、前記少なくとも1つの光学窓は、前記1つ以上のチャンバの内少なくとも1つの内部で起こる反応により発生する電磁放射線が通過するように構成されている請求項13に記載の診断テストシステム。
【請求項20】
診断検査を行なう方法であって、
1つ以上のチャンバおよび1つ以上のポンプを有する診断システムを設けるステップと、
前記1つ以上のポンプの内少なくとも1つに対して電気信号を印加して、前記1つ以上のチャンバの内1つの容積を変化させるように変形を発生させることによって前記1つ以上のチャンバの内1つの内部に含まれる流体の移動を制御するステップとを含む方法。
【請求項21】
前記変形を発生させるステップは、圧電材料を有するアクチュエータ要素に対して、前記電気信号を印加して前記アクチュエータ要素および前記第1の層を曲げることによって、前記1つ以上のチャンバの内1つの容積を変化させることを含む請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記変形を発生させるステップは、電気活性高分子材料を有するアクチュエータ要素に対して、前記電気信号を印加して前記アクチュエータ要素および前記第1の層を曲げることによって、前記1つ以上のチャンバの内1つの容積を変化させることを含む請求項20に記載の方法。
【請求項23】
前記変形を発生させるステップは、前記1つ以上のチャンバの内1つの内部領域中に存在する電気活性高分子材料を有するアクチュエータ要素に対して、前記電気信号を印加して前記アクチュエータ要素の体積を変化させることによって、前記1つ以上のチャンバの内1つの容積を変化させることを含む請求項20に記載の方法。
【請求項24】
前記変形を発生させるステップは、前記1つ以上のチャンバの内1つの内部領域中に含まれる電気活性高分子材料を有するアクチュエータ要素に対して、前記電気信号を印加して前記アクチュエータ要素を曲げることによって、前記1つ以上のチャンバの内1つの容積を変化させることを含む請求項20に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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