説明

診断用医療機器用の自動調光処理装置、診断用医療機器用の画像信号処理装置、及び医療用システム

【課題】何れの電子スコープを使用する場合も応答速度が高速かつ安定的な自動調光を実現すること。
【解決手段】照明光を照射する光源と、照明光の光量を調節する絞り部材と、調節された照明光を撮像装置に供給する照明光供給部と、撮像装置からの画像信号から輝度信号を生成する輝度信号生成部と、生成された輝度信号のレベルを変換する信号レベル変換部と、レベルの変換がされた輝度信号を基に該画像の輝度値を演算する輝度値演算部と、演算された輝度値と所定の参照輝度値との差分に基づいて絞り部材の目標開度を設定する目標開度設定部と、絞り部材を該差分に応じた速度で目標開度に向けて動作させる絞り動作制御部とを有し、信号レベル変換部は、生成された輝度信号をレベルに応じた変化率でレベル変換する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被写体を照明する照明光の光量を自動的に調節する診断用医療機器用の自動調光処理装置、該自動調光処理装置を搭載した画像信号処理装置、及び該画像信号処理装置を有する医療用システムに関連し、詳しくは、電子スコープの利用に適した自動調光処理装置、該自動調光処理装置を搭載した医療用プロセッサ、及び電子スコープと医療用プロセッサを有する医療用システムに関する。
【背景技術】
【0002】
医師が患者の体腔内を観察するときに使用する医療機器として電子スコープが一般的に知られている。電子スコープを使用する医師は、電子スコープの挿入部を体腔内に挿入して、挿入部の先端に備えられた先端部を観察対象近傍に導く。医師は、先端部に搭載されたCCD(Charge Coupled Device)などの固体撮像素子により体腔内を撮影するため、電子スコープやビデオプロセッサの操作部を必要に応じて操作する。医師は、各種操作を行った結果得られる体腔内の映像をモニタを通じて観察し検査や施術などを行う。
【0003】
上記の医療用システムには、自然光の届かない体腔内を照明する光源装置が備えられている。光源装置には、被写体の映像を常に適正な明るさでモニタに表示するための自動調光機能が実装されている。自動調光機能によれば、被写体の明るさが輝度値として検出され、検出された輝度値に基づき電子スコープのライトガイド入射端と光源との間にある絞りの開度が制御される。これにより、光源による照明光の光量が自動的に調節されることとなる。
【0004】
この種の調光方式では、例えば被写体の明るさの平均値を示す平均輝度値が演算される。次いで、演算された平均輝度値と、被写体像の基準となる明るさを示す参照輝度値とが比較される。平均輝度値と参照輝度値との差分に基づいて、絞りが目標位置に達するまでの絞りの移動量が計算される。計算された絞りの移動量に応じてモータが駆動されて絞りの開度が制御され、光源による照明光の光量が調節される。自動調光機能が実装された光源装置の一例が特許文献1に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−21445号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、内視鏡の分野においては、一般に、気管支系スコープや消化器系スコープなど、観察部位に応じて種々のタイプの電子スコープが使用される一方、光源装置としては各種電子スコープに対応した汎用的な装置が使用される。つまり、一台の光源装置に対して、観察部位に応じた異なるタイプの電子スコープが接続されて検査などが行われている。近年では、例えば特定の部位に反応する特殊光の観察に対応した電子スコープを用いて検査などを行う場合にも、他の電子スコープと共通の光源装置が使用される。
【0007】
特殊光観察対応型の電子スコープは、被写体からの入射光(例えば励起光により励起された蛍光や血管形状を強調観察するための狭帯域波長の光など)の光量が一般的なカラー画像対応型の電子スコープに比べて格段に低い。そこで、被写体の光量不足を補うべく感度の高い固体撮像素子が実装されており、適正な明るさの映像が得られるように構成されている。
【0008】
しかし、一般的な光源装置の自動調光機能は、例えばカラー画像対応型の電子スコープに適した設計がされている。そのため、特殊光観察対応型の電子スコープを使用した場合には、カラー画像対応型の電子スコープとの感度差に起因して(つまり、特殊光観察対応型の電子スコープにおいて負帰還増幅回路の信号増幅率が必然的に低下するので)、自動調光の応答速度が低下する。被写体の明るさが急激に変動した時(例えば通常観察から特殊光観察に切り替えた瞬間や観察領域を移動させた時)などに映像の明るさが適正な応答速度で追従できず、映像が一瞬、過度に暗くなる又は明るくなる問題が生じる。
【0009】
なお、自動調光の応答速度に起因した上記の問題は、固体撮像素子の感度差だけが原因ではない。例えば固体撮像素子の画素数や照明光の光路、拡散範囲、対物レンズの開口数、被写界深度(絞りの設定)などによって電子スコープ全体としての感度が電子スコープ毎に相違するため、自動調光の応答速度が、それぞれ異なり(感度が低い電子スコープでは応答速度が低下して)、上記の問題が生じる。
【0010】
本発明は上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、何れの電子スコープを使用する場合も自動調光の応答速度が高速かつ安定的な自動調光機能を有する診断用医療機器用の自動調光処理装置、該自動調光処理装置を搭載した画像信号処理装置、及び該画像信号処理装置を有する医療用システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の課題を解決する本発明の一形態に係る診断用医療機器用の自動調光処理装置は、照明光を照射する光源と、照射された照明光の光量を開度の可変によって調節する絞り部材と、調節された照明光を所定の撮像装置に供給する照明光供給部と、供給された照明光により照明された被写体を撮像装置が撮影して生成した画像信号から輝度信号を生成する輝度信号生成部と、生成された輝度信号のレベルを変換する信号レベル変換部と、レベルの変換がされた輝度信号を基に該画像の輝度値を演算する輝度値演算部と、演算された輝度値と所定の参照輝度値との差分に基づいて絞り部材の目標開度を設定する目標開度設定部と、絞り部材を該差分に応じた速度で目標開度に向けて動作させる絞り動作制御部とを有する。信号レベル変換部は、生成された輝度信号のレベルが参照輝度値に対応する参照レベルを含む該参照レベル近傍の範囲に収まるとき、該輝度信号を第一の変化率でレベル変換する。信号レベル変換部は、生成された輝度信号のレベルが上記範囲の上限を超えたとき、そのレベルが高いほど変換後の輝度信号のレベルがより一層高くなるように、該輝度信号を第一の変化率より高い第二の変化率でレベル変換する。信号レベル変換部は、生成された輝度信号のレベルが上記範囲の下限を下回ったとき、そのレベルが低いほど変換後の輝度信号のレベルがより一層低くなるように、該輝度信号を第一の変化率より高い第三の変化率でレベル変換する。
【0012】
このように、本発明に係る自動調光処理装置は、被写体の急激な明るさの変動に対して映像の明るさを適正な応答速度で追従させるべく、画像の輝度値が参照輝度値に対して大きく外れた場合に絞り部材を高速で動作させて、絞り部材の開度を目標開度に速やかに到達させるように構成されている。何れの撮像装置を使用する場合にも、応答速度が高速かつ安定的な自動調光が達成される。応答速度が安定的な自動調光とは、各種撮像装置における自動調光の応答速度の差が一定幅内に収まることである。
【0013】
本発明に係る診断用医療機器用の自動調光処理装置は、撮像装置が有する撮像素子の駆動を制御する撮像素子駆動制御部を更に有した構成としてもよい。この場合に、撮像素子駆動制御部は、生成された輝度信号のレベルが上記範囲の上限より高い第一のレベル閾値を超えたとき、撮像素子を所定の通常の電子シャッタ速度より速い高速の電子シャッタ速度で動作させる。一方、生成された輝度信号のレベルが上記範囲の下限より低い第二のレベル閾値を下回ったときには、撮像素子を上記高速の電子シャッタ速度より遅い電子シャッタ速度で動作させる。
【0014】
絞り部材の動作制御と撮像素子の電子シャッタ速度制御とを併用した場合には、自動調光の応答速度が更に高速化する。そのため、被写体の明るさが著しく急激に変動したときにも、映像の明るさを適正な応答速度で追従させることができる。
【0015】
本発明に係る診断用医療機器用の自動調光処理装置は、絞り部材の開度を検知する開度検知手段を更に有する構成としてもよい。かかる場合に、撮像素子駆動制御部は、検知された開度に応じて電子シャッタ速度を可変する。撮像素子駆動制御部は、例えば検知された開度が第一の開度閾値以下であるとき、撮像素子の撮像面と被写体との距離が近く、像ブレが生じ易い状況にあると判断する。そのため、撮像素子を通常の電子シャッタ速度より速い高速の電子シャッタ速度で動作させて、像ブレを生じにくくする。一方、撮像素子駆動制御部は、例えば検知された開度が第一の開度閾値より高い第二の開度閾値以上であるとき、撮像素子の撮像面と被写体との距離が遠いため、画像信号のS/N比の向上を図るべく、撮像素子を上記高速の電子シャッタ速度より遅い電子シャッタ速度で動作させる。
【0016】
絞り動作制御部は、絞り部材を動作させるDCモータを有する構成としてもよい。絞り動作制御部は、目標開度付近における絞り部材のハンチングを効果的に抑えるため、生成された輝度信号のレベルが上記範囲外から該範囲に達したとき、DCモータをPWM(Pulse Width Modulation)制御で駆動する構成としてもよい。
【0017】
本発明に係る診断用医療機器用の自動調光処理装置は、使用者が所望の明るさの映像を観察できるように、参照輝度値の設定操作を受け付ける操作部を更に有する構成としてもよい。
【0018】
上記の課題を解決する本発明の一形態に係る診断用医療機器用の画像信号処理装置は、上記の何れかに記載の自動調光処理装置と、撮像装置からの画像信号をモニタ表示可能に処理する画像信号処理部とを有する。
【0019】
上記の課題を解決する本発明の一形態に係る医療用システムは、上記画像信号処理装置と、上記自動調光処理装置からの照明光により照明された被写体を撮影して画像信号を生成する電子スコープとを有する。
【発明の効果】
【0020】
本発明に係る診断用医療機器用の自動調光処理装置、診断用医療機器用の画像信号処理装置、及び医療用システムによれば、何れの電子スコープを使用する場合も応答速度が高速かつ安定的な自動調光が達成される。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の実施形態の医療用システムの構成を概略的に示すブロック図である。
【図2】本発明の実施形態の前段信号処理回路及びその周辺回路の構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施形態のLUTの輝度信号レベルの変換特性を示す図である。
【図4】本発明の実施形態のフロントパネルに対する輝度調節操作後におけるLUTの信号レベルの変換特性を示す図である。
【図5】本発明の実施形態のLUTへの入力信号のレベルとモータに印加される駆動信号との関係を示す図である。
【図6】本発明の実施形態の固体撮像素子の電子シャッタ速度制御を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態の医療用システムについて説明する。
【0023】
図1は、本実施形態の医療用システム1の構成を概略的に示すブロック図である。図1に示されるように、医療用システム1は、体腔内を撮像する電子スコープ100、自然光の届かない体腔内を電子スコープ100を介して照明すると同時に電子スコープ100からの信号を処理するプロセッサ200、及びプロセッサ200により処理された信号を映像として表示するモニタ300を有している。
【0024】
プロセッサ200は、システムコントローラ202、タイミングコントローラ204を有している。システムコントローラ202は、医療用システム1を構成する各要素を制御する。タイミングコントローラ204は、信号の処理タイミングを調整するクロックパルスを医療用システム1内の各回路に出力する。
【0025】
プロセッサ200の電源が投入されたとき、ランプ電源206からランプ208に電源が供給されてランプ208が点灯する。ランプ208には、キセノンランプ、ハロゲンランプ、水銀ランプ、メタルハライドランプなどの高輝度ランプが適している。ランプ208から照射された照明光は、集光レンズ210により集光されつつ絞り212を介して適正な光量に制限されて、電子スコープ100が有するLCB(light carrying bundle)102に入射される。
【0026】
絞り212には、図示省略されたアームやギアなどの伝達機構を介してモータ214が機械的に連結されている。モータ214は例えばDCモータであり、ドライバ216のドライブ制御下で駆動される。絞り212は、モニタ300に表示される映像を適正な明るさにするため、モータ214によって動作されて開度が変化して、ランプ208から照射された照明光の光量を開度に応じて制限する。なお、適正とされる映像の明るさの基準は、術者によるフロントパネル218の輝度調節操作に応じて変わる。
【0027】
LCB102に入射された光は、LCB102の内部を伝搬して、電子スコープ100の先端に配されたLCB102の射出端から射出される。LCB102から射出された光は、配光レンズ104を介して被写体を照明する。被写体からの反射光は、対物レンズ106に入射されて、対物レンズ106のパワーにより固体撮像素子108の受光面上で光学像を結ぶ。
【0028】
固体撮像素子108は、例えばベイヤ型画素配置を有する単板式カラーCCDであり、受光面上の各画素で結像した光学像を光量に応じた電荷として蓄積して、R、G、Bの各色に応じた画像信号に変換する。変換された画像信号は、プリアンプ110により増幅されてドライバ信号処理回路112に入力される。
【0029】
ドライバ信号処理回路112は、タイミングコントローラ204のクロックパルスに基づき、固体撮像素子108をプロセッサ200側で処理される映像のフレームレートに同期したタイミングで駆動制御する。メモリ114には、電子スコープ100固有の情報(例えば固体撮像素子108の画素数や感度、対応可能なレート、或いは型番など)が格納されている。ドライバ信号処理回路112は、メモリ114にアクセスして電子スコープ100固有の情報を読み出す。ドライバ信号処理回路112は、読み出された固有情報をシステムコントローラ202に、画像信号を前段信号処理回路220に、それぞれ出力する。ドライバ信号処理回路112と前段信号処理回路220との間には、フォトカップラなどを使用した絶縁回路(不図示)が配置され、電子スコープ100とプロセッサ200とが電気的に絶縁されている。
【0030】
システムコントローラ202は、ドライバ信号処理回路112からの上記固有情報に基づいて各種演算を行って制御信号を生成し、プロセッサ200に接続中の電子スコープに適した処理がされるようにプロセッサ200内の各回路の動作やタイミングを制御する。また、システムコントローラ202は、電子スコープの型番と、該型番の電子スコープに適した制御情報とを対応付けたテーブルを有した構成としてもよい。かかる場合、システムコントローラ202は、対応テーブルの制御情報を参照して、プロセッサ200に接続中の電子スコープに適した処理がされるようにプロセッサ200内の各回路の動作やタイミングを制御する。
【0031】
図2は、前段信号処理回路220及びその周辺回路の構成を示すブロック図である。ドライバ信号処理回路112からの画像信号は、アンプ10による信号増幅、フィルタ12によるノイズカットを経て、A/Dコンバータ14によりデジタル形式に変換される。デジタル形式に変換された画像信号は、画像信号処理回路16及び輝度信号生成回路17に出力される。
【0032】
画像信号処理回路16は、A/Dコンバータ14からの画像信号に所定の処理を施して画像メモリ222に出力する。画像メモリ222は、入力された画像信号をバッファリングするフレームバッファである。画像メモリ222は、バッファリングした画像信号を後段映像信号処理回路224に所定のタイミングで掃き出す。後段映像信号処理回路224は、画像メモリ222からの画像信号をNTSC(National Television System Committee)などの所定の映像規格に適合した映像信号に変換して、モニタ300に出力する。これにより、被写体の映像がモニタ300に表示される。術者は、体腔内の映像をモニタ300を通じて観察し検査や施術などができるようになる。
【0033】
輝度信号生成回路17は、A/Dコンバータ14からのR、G、Bの各色に応じた画像信号に基づき1フレーム分の輝度信号を演算して、LUT(Look up Table)18に出力する。LUT18は、入力された輝度信号のレベルの変換を行うための入出力対応テーブルである。図3に、LUT18の輝度信号レベルの変換特性を示す。図3の横軸は、LUT18に入力される輝度信号のレベルを、図3の縦軸は、LUT18から出力される輝度信号のレベルを、それぞれ示す。
【0034】
図3に示されるように、LUT18の輝度信号レベルの変換特性は、安定領域Bの中央値cを基準として、入力レベルに対する出力レベルの増加率又は減少率が低い安定領域B、入力レベルに対する出力レベルの減少率が高い高速領域A1及びA2、及び入力レベルに対する出力レベルの増加率が高い高速領域A3及びA4を有している。別の表現によれば、LUT18は、入力された輝度信号を入力レベルに応じた係数でレベル変換するように構成されている。なお、図3に示されるように、高速領域A1は、入力レベルが点a’を下回る領域として定義される。高速領域A2は、入力レベルが点a’以上でかつ点aを下回る領域として定義される。安定領域Bは、入力レベルが点a以上でかつ点bを下回る領域として定義される。高速領域A3は、入力レベルが点b以上でかつ点b’を下回る領域として定義される。高速領域A4は、入力レベルが点b’以上の領域として定義される。高速領域A1〜A4は、入力された輝度信号を安定領域Bより高い係数でレベル変換する領域として定義される。
【0035】
LUT18の入出力対応テーブルは、フロントパネル218における輝度の調節値毎に用意されている。例えば輝度が十段階で調節可能である場合には、LUT18の入出力対応テーブルは十通り存在する。図4に、輝度が図3に対応する設定輝度から所定段階上げられた場合の入出力対応テーブルの特性を示す。図4に示されるように、LUT18の入出力対応テーブルは、輝度の調節量に応じて高速領域A1〜A4及び安定領域Bの各領域が全体的にシフトした特性を有している。
【0036】
LUT18に入力される輝度信号のレベルは、負帰還で制御されて安定領域B内のレベル(例えば安定領域Bの中央値c)に収束される。ここで、かかる負帰還制御についての詳細な説明をする。
【0037】
LUT18は、入力された輝度信号を入力レベルに応じた係数でレベル変換して、ヒストグラム処理回路20に出力する。ヒストグラム処理回路20は、入力された輝度信号を用いてヒストグラム処理を行う。ヒストグラム処理回路20は、生成されたヒストグラムデータを用いて、1フレーム分の被写体像の輝度の平均値を示す平均輝度値を算出する。ヒストグラム処理回路20は、算出された平均輝度値と、フロントパネル218にて設定されている輝度値に対応した参照輝度値とを比較して差分を求める。ここで、参照輝度値は、被写体像の基準となる明るさを示す輝度値であり、フロントパネル218における輝度の設定値毎に予め定められている。より詳細には、参照輝度値は、例えば安定領域Bの中央値cの入力レベルに対応する輝度値として定義される。
【0038】
ヒストグラム処理回路20は、平均輝度値と参照輝度値との差分に基づいて、目標となる絞り212の開度(つまり、LUT18への入力レベルを安定領域Bの中央値cに一致させるための理想的な開度、又はLUT18への入力レベルを安定領域B内の任意のレベルに収めるための大凡の開度であり、以下、「目標開度」と記す。)を計算する。そして、計算された目標開度をSW1を介して(SW1が図2中実線で示される側にスイッチングされているとき)比較器22の−入力端子に出力する。なお、SW1及び後述のSW2に対するスイッチングは、タイミング回路34によるタイミングで制御される。
【0039】
比較器22の+入力端子には、後述するレジスタ32から絞り212の開度(実測値)が入力される。比較器22は、絞り212の実測開度と目標開度とを比較して、その差分に応じた信号をD/Aコンバータ24を介してドライバ216に出力する。ドライバ216は、入力された信号に応じた電圧をモータ214に供給し駆動させて、絞り212の開度を調節する。モータ214には、絞り212の実測開度と目標開度との差分に比例した電圧が供給される。すなわち、モータ214は、絞り212の実測開度と目標開度との差が大きいほど高い電圧が印加されて、絞り212を高速で動作させる。
【0040】
モータ214が初期位置に対して所定角度回転したとき、絞り212も初期位置(例えば全閉状態)に対して所定角度回転して所定の開度となる。つまり、モータ214の初期位置に対する回転角度と絞り212の開度は一義的に決まっている。モータ214の初期位置に対する回転角度は、変位検出器26により検出される。変位検出器26の具体的デバイス例としては、モータ214に連結支持された光学式ロータリエンコーダなどが想定される。変位検出器26により検出された回転角度は、プリアンプ27、フィルタ28、及びA/Dコンバータ30を介して、絞り212の実測開度を示す情報としてレジスタ32に書き込まれる。レジスタ32は、タイミング回路34によるタイミング制御下で、書き込まれた絞り212の実測開度をSW2を介して(SW2が図2中実線で示される側にスイッチングされているとき)比較器22の+入力端子に出力する。絞り212の開度調節に伴う照明光量の制御により、LUT18に入力される輝度信号のレベルは、安定領域B内のレベルに収束されることとなる。
【0041】
図3を用いて、医療用システム1で実行される自動調光処理の具体例を説明する。例えば通常観察から特殊光観察に切り替えたり観察領域を移動させたりして被写体の明るさが急激に暗くなり、LUT18に入力される信号レベルが高速領域A2内のレベルに低下した場合を考える。かかる場合、LUT18から出力される輝度信号のレベルは、通常時(安定領域Bに収まるとき)に比べて、入力レベルが低いほどより一層低下する。そのため、LUT18からヒストグラム処理回路20には、LUT18への入力レベルが低いほど実際よりも一層暗めの画像に対応したレベルの輝度信号が入力される。この結果、ヒストグラム処理回路20は、映像をより一層明るくすべく、適正な明るさに対応した理想的な開度より開口の大きい開度を目標開度として計算する。比較器22には、本来的には適正とされる理想的な目標開度より大きい目標開度が入力されるため、比較器22から出力される差分は大きくなる。差分が大きいため、モータ214に高い電圧が印加されて、絞り212が高速で動作する。
【0042】
絞り212は、LUT18への入力レベルが高速領域A2内に収まる間は適正な目標開度を超えた開度に向けて高速で動作する。絞り212の開度がより一層短時間で適正な目標開度に近付いて、LUT18への入力レベルが安定領域Bに速やかに達することとなる。安定領域Bでは、入力に対する出力のレベル変換の変化率が低下する(例えば等倍に近い値などに低下する)ため、LUT18からは適正な目標開度に適合したレベルの信号が出力される。従って、LUT18への入力レベルが安定領域Bに達したとき、絞り212は、適正な目標開度(LUT18への入力レベルとしては例えば安定領域Bの中央値c又は安定領域B内の任意の値)に向けて、高速領域A2に対応する上記速度より低速で開度を変える。安定領域B内における絞り212の速度を低速としたのは、目標開度近辺における絞り212のハンチングを抑制するためである。
【0043】
上記の具体例によれば、被写体の明るさが急激に変動したときにも絞り212の開度が目標開度に迅速に達するため、自動調光の応答速度が高速化する。従って、映像の明るさは、急激な変動に対して適正な応答速度で追従してほぼ一定に保たれる。例えば感度の低い電子スコープを使用する場合にも自動調光が速やかになされて、映像の明るさが輝度変化に適正な応答速度で追従する。すなわち、何れの電子スコープをプロセッサ200に接続して使用する場合も、応答速度が高速かつ安定的な自動調光が達成される。ここでいう、応答速度が安定的な自動調光とは、各種電子スコープにおける自動調光の応答速度の差が一定幅内に収まることである。
【0044】
プロセッサ200は、目標開度近辺における絞り212のハンチングを更に抑制するため、次に説明されるように構成されている。かかる構成を説明するための特性図を図5に示す。図5の横軸は絞り212の動作時間を、図5の縦軸はモータ214に印加される駆動信号を、それぞれ示す。なお、図5は、上記の具体例に対応している。
【0045】
LUT18に入力される輝度信号レベルは、図5中、時間t1に達するまで高速領域A2に対応するレベルであり、時間t1以降は安定領域Bに対応するレベルである。図5中破線は、時間t1以降の駆動信号の傾きを延長した線である。かかる破線は、時間t1に達するまでの期間において、目標開度が本来の適正な開度に設定されている場合における仮想的な駆動信号を示している。時間t1に達するまでの期間は、目標開度が本来の適正な開度より開口の大きい開度に設定されている。そのため、図5を参照してみると、モータ214は、時間t1に達するまで破線より高い電圧が印加され、絞り212を高速で動作させていることが分かる。
【0046】
絞り212は時間t1に達するまで高速で動作するため、絞り212の回転軸周りに大きな慣性モーメントが発生する。このとき発生した慣性モーメントは大きいため、時間t1が経過して絞り212が低速にされた後に減衰し始めても速やかには消滅しない。従って、絞り212をハンチングさせる原因となり得る。
【0047】
そこで、時間t1経過後(つまり、LUT18に入力される輝度信号レベルが安定領域Bに達した後)は、タイミング回路34がSW1およびSW2を所定の周期でスイッチングする。SW1およびSW2をスイッチングすることにより、レジスタ32から比較器22への入力、及び比較器22の出力が間欠的になる。ドライバ216は、D/Aコンバータ216を介した比較器22からの間欠的な入力に応じて、ブレーキパルス(例えばPWM波形の電圧)を生成してモータ214に供給する。なお、図5においては、ブレーキパルスを時間t1以降に示す縦線により概念的に図示している。時間t1以降の波形は、実際には例えばPWM制御に対応するパルス波形である。
【0048】
絞り212の回転軸周りの慣性モーメントは、例えばPWM波形の供給電圧オフ期間に大きく減衰されるため、絞り212が目標開度近辺に達するまでに大幅に減衰される。別の表現によれば、絞り212は、PWM制御により、実測開度と目標開度との差分に応じた速度に対して実質的に減速されているため、上記の慣性モーメントが急激に減衰される。そのため、目標開度近辺における絞り212のハンチングが効果的に抑えられる。なお、上記のブレーキパルスは、モータ214の回転を間欠的に逆転させるための逆パルスの波形としてもよい。かかる場合には、上記の慣性モーメントが更に速やかに減衰されるため、高いハンチング防止効果が得られる。
【0049】
ところで、絞り212及びモータ214などの機械的要素は、急激な変動に対して追従が遅れる動作特性を有している。そのため、例えば被写体の明るさの変動が著しく急激な場合には、絞り212の高速化だけでは対応できないことも想定される。そこで、本実施形態のプロセッサ200は、被写体の明るさの変動が著しく急激な場合にも映像の明るさを適正な応答速度で追従させるべく、固体撮像素子108の電子シャッタを併用するように構成されている。
【0050】
図6は、固体撮像素子108の電子シャッタ速度制御を説明するための図である。図6の横軸は時間を、図6の縦軸はシャッタ速度を、それぞれ示す。LUT18に入力される信号レベルは、図6中時間t2に達するまで、例えば安定領域B又は高速領域A2或いはA3に対応するレベルである。このとき絞り212の実測開度と目標開度との差は、一定の差以下である。そのため、被写体の明るさの変動に対して映像の明るさを絞り212の高速化だけで十分に追従させることができる。従って、固体撮像素子108は、通常の電子シャッタ速度(1/n秒)で動作する。
【0051】
例えば図6中時間t2に達したときに被写体の明るさが急激に明るくなり、LUT18に入力される信号レベルが高速領域A4に対応するレベルに上昇する場合を考える。このとき絞り212の実測開度と目標開度との差が開き過ぎているため、被写体の明るさの変動に対して映像の明るさを絞り212の高速化だけで十分に追従させることができない。そのため、システムコントローラ202は、タイミングコントローラ204、ドライバ信号処理回路112を介して固体撮像素子108の電子シャッタ速度を高速化させる。
【0052】
具体的には、システムコントローラ202は、固体撮像素子108の電子シャッタ速度を上記の通常速度から徐々に高速化させて、所定時間後(図6中時間t3)に高速の電子シャッタ速度(1/4n秒)で動作させる。電子シャッタ速度の高速化により、固体撮像素子108の各画素に蓄積される電荷量が減少する。その結果、映像の明るさが暗くなり、LUT18に入力される信号レベルが安定領域B側に低下する。それと同時に、絞り212の開度が上記の負帰還制御下で全閉側に絞られて、LUT18に入力される信号レベルが安定領域B側に低下する。このように、絞り212の開度調節と固体撮像素子108の電子シャッタ速度制御とを併用した場合には、自動調光の応答速度が更に高速化する。そのため、被写体の明るさが著しく急激に変動したときにも、映像の明るさを適正な応答速度で追従させることができる。
【0053】
固体撮像素子108は、被写体の明るさが急激に暗くなり、例えばLUT18に入力される信号レベルが高速領域A1に対応するレベルに低下するまで高速の電子シャッタ速度で動作し続ける。LUT18に入力される信号レベルは、例えば図6中時間t4に達したときに高速領域A1に対応するレベルに低下する。このとき絞り212の実測開度と目標開度との差が開き過ぎているため、被写体の明るさの変動に対して映像の明るさを絞り212の高速化だけで十分に追従させることができない。そのため、システムコントローラ202は、固体撮像素子108の電子シャッタ速度を高速度(1/4n秒)から徐々に低速化させて、所定時間後(図6中時間t5)に通常の電子シャッタ速度(1/n秒)で動作させる。電子シャッタ速度の低速化により、固体撮像素子108の各画素に蓄積される電荷量が増加する。その結果、映像の明るさが明るくなり、LUT18に入力される信号レベルが安定領域B側に上昇する。それと同時に、絞り212の開度は上記の負帰還制御下で全開側に開かれて、LUT18に入力される信号レベルが安定領域B側に上昇する。絞り212及び固体撮像素子108を併用することにより、自動調光の応答速度が更に高速化するため、被写体の明るさが著しく急激に変動したときにも、映像の明るさを適正な応答速度で追従させることができる。
【0054】
固体撮像素子108の電子シャッタ速度の変化率(図6中グラフの傾き)や最高速度(図6中1/4n秒)は、固体撮像素子の仕様(画素数や感度、対応可能なレートなど)に応じて適正値が変わる。そのため、システムコントローラ202は、ドライバ信号処理回路112からの上記固有情報に応じて、固体撮像素子108に対する適正な電子シャッタ速度の変化率や最高速度を電子スコープ毎に設定する。
【0055】
ここで、電子スコープ100の撮像面(固体撮像素子108の受光面)と被写体との距離が近い場合には、被写体自身の動きや電子スコープ100の手ブレなどに起因して、撮影される被写体像に像ブレが生じ易い。像ブレは、画質を低下させるため望ましくない。システムコントローラ202は、このようなマクロ撮影時における像ブレを解消するために次の動作をする。
【0056】
具体的には、絞り212が目標開度に達したとき(つまり、比較器22の出力が略0であるとき)、SW1が図2中破線で示される側にスイッチングされる。これ以降、A/Dコンバータ30の出力は、レジスタ32、SW2を介して比較器22の+入力端子に、SW1を介して比較器22の−入力端子に、それぞれ入力される。すなわち、同一の信号が比較器22の両方の入力端子に入力されるため、比較器22により出力される差分が0に固定されて、絞り212の開度がロックされる。
【0057】
絞り212の開度がロックされるため、A/Dコンバータ30から開度比較器36には、固定された値の開度の情報が入力し続ける。開度比較器36は、入力される実測開度を第一の参照開度(例えば全開に対する開口率が30%の開度)、第二の参照開度(例えば全開に対する開口率が80%の開度)のそれぞれと比較する。
【0058】
ここで、一般的に、電子スコープの撮像面と被写体とが接近したときに被写体像の光量が増加するため、絞りは全閉側に絞られやすい。一方、電子スコープの撮像面と被写体との距離が離れたときには被写体像の光量が減少するため、絞りは全開側に開かれやすい。開度比較器36は、このような絞りの開閉特性を利用して、固体撮像素子108の電子シャッタ速度をドライバ信号処理回路112を介して制御する。
【0059】
すなわち、開度比較器36は、A/Dコンバータ30からの実測開度が第一の参照開度以下である場合には、電子スコープの撮像面と被写体との距離が近く、像ブレが生じ易い状況にあると判断する。開度比較器36は、固体撮像素子108を高速の電子シャッタ速度(1/4n秒)で動作させる。これと同時に、SW1はヒストグラム処理回路20側にスイッチングされて、絞り21のロックが解除される。電子シャッタ速度を高速化させることによって上記の像ブレが生じ難くなり、映像の画質が向上する。
【0060】
その後、絞り212は、電子シャッタ速度の高速化による各画素の電荷蓄積量の減少を補填すべく、全開側に開かれやすくなる。開度比較器36は、A/Dコンバータ30からの実測開度が第二の参照開度に達したとき、電子スコープの撮像面と被写体との距離が離れたと判断する。このとき開度比較器36は、固体撮像素子108の電子シャッタ速度を通常速度(1/n秒)に落とす。電子シャッタ速度を低速化させることにより、固体撮像素子108が生成する画像信号のS/N比が向上する。
【0061】
一方、開度比較器36は、A/Dコンバータ30からのロックされた実測開度が第二の参照開度以上である場合には、電子スコープの撮像面と被写体との距離が遠いと判断する。開度比較器36は、画像信号のS/N比を向上させるため、固体撮像素子108を通常の電子シャッタ速度(1/n秒)で動作させる。これと同時に、SW1はヒストグラム処理回路20側にスイッチングされて、絞り212のロックが解除される。
【0062】
絞り212は、電子シャッタ速度の低速化による各画素の電荷蓄積量の増加分を相殺すべく、全閉側に閉じられやすくなる。開度比較器36は、A/Dコンバータ30からの実測開度が第一の参照開度に達したとき、電子スコープの撮像面と被写体とが接近していると判断する。このとき開度比較器36は、像ブレを無くすべく、固体撮像素子108を高速の電子シャッタ速度(1/4n秒)で動作させる。
【0063】
以上が本発明の実施形態の説明である。本発明は、上記の構成に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲において様々な変形が可能である。例えば医療用システム1は、面順次方式に対応した構成としてもよい。
【符号の説明】
【0064】
1 医療用システム
18 LUT
20 ヒストグラム処理回路
100 電子スコープ
108 固体撮像素子
200 プロセッサ
202 システムコントローラ
204 タイミングコントローラ
208 ランプ
212 絞り
300 モニタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
照明光を照射する光源と、
前記照射された照明光の光量を開度の可変によって調節する絞り部材と、
前記調節された照明光を所定の撮像装置に供給する照明光供給部と、
前記供給された照明光により照明された被写体を前記撮像装置が撮影して生成した画像信号から輝度信号を生成する輝度信号生成部と、
前記生成された輝度信号のレベルを変換する信号レベル変換部と、
前記レベルの変換がされた輝度信号を基に該画像の輝度値を演算する輝度値演算部と、
前記演算された輝度値と所定の参照輝度値との差分に基づいて前記絞り部材の目標開度を設定する目標開度設定部と、
前記絞り部材を前記差分に応じた速度で前記目標開度に向けて動作させる絞り動作制御部と、
を有し、
前記信号レベル変換部は、
前記生成された輝度信号のレベルが前記参照輝度値に対応する参照レベルを含む該参照レベル近傍の範囲に収まるとき、該輝度信号を第一の変化率でレベル変換し、
前記生成された輝度信号のレベルが前記範囲の上限を超えたとき、該生成された輝度信号のレベルが高いほど該輝度信号のレベルがより一層高くなるように、該輝度信号を前記第一の変化率より高い第二の変化率でレベル変換し、
前記生成された輝度信号のレベルが前記範囲の下限を下回ったとき、該生成された輝度信号のレベルが低いほど該輝度信号のレベルがより一層低くなるように、該輝度信号を前記第一の変化率より高い第三の変化率でレベル変換することを特徴とする診断用医療機器用の自動調光処理装置。
【請求項2】
前記撮像装置が有する撮像素子の駆動を制御する撮像素子駆動制御部を更に有し、
前記撮像素子駆動制御部は、
前記生成された輝度信号のレベルが前記範囲の上限より高い第一のレベル閾値を超えたとき、前記撮像素子を所定の通常の電子シャッタ速度より速い高速の電子シャッタ速度で動作させ、
前記生成された輝度信号のレベルが前記範囲の下限より低い第二のレベル閾値を下回ったとき、前記撮像素子を前記高速の電子シャッタ速度より遅い電子シャッタ速度で動作させることを特徴とする、請求項1に記載の診断用医療機器用の自動調光処理装置。
【請求項3】
前記絞り部材の開度を検知する開度検知手段を更に有し、
前記撮像素子駆動制御部は、前記検知された開度に応じて前記電子シャッタ速度を可変することを特徴とする、請求項2に記載の診断用医療機器用の自動調光処理装置。
【請求項4】
前記撮像素子駆動制御部は、
前記検知された開度が第一の開度閾値以下であるとき、前記撮像素子を前記通常の電子シャッタ速度より速い高速の電子シャッタ速度で動作させ、
前記検知された開度が前記第一の開度閾値より高い第二の開度閾値以上であるとき、前記撮像素子を前記高速の電子シャッタ速度より遅い電子シャッタ速度で動作させることを特徴とする、請求項3に記載の診断用医療機器用の自動調光処理装置。
【請求項5】
前記絞り動作制御部は、
前記絞り部材を動作させるDCモータを有し、
前記生成された輝度信号のレベルが前記範囲外から該範囲に達したとき、前記DCモータをPWM(Pulse Width Modulation)制御で駆動することを特徴とする、請求項1から請求項4の何れかに記載の診断用医療機器用の自動調光処理装置。
【請求項6】
前記参照輝度値の設定操作を受け付ける操作部を更に有することを特徴とする、請求項1から請求項5の何れかに記載の診断用医療機器用の自動調光処理装置。
【請求項7】
請求項1から請求項6の何れかに記載の診断用医療機器用の自動調光処理装置と、
前記撮像装置からの前記画像信号をモニタ表示可能に処理する画像信号処理部と、
を有する診断用医療機器用の画像信号処理装置。
【請求項8】
請求項7に記載の診断用医療機器用の画像信号処理装置と、
前記自動調光処理装置からの照明光により照明された被写体を撮影して画像信号を生成する電子スコープと、
を有する医療用システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−194001(P2010−194001A)
【公開日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−40345(P2009−40345)
【出願日】平成21年2月24日(2009.2.24)
【出願人】(000113263)HOYA株式会社 (3,820)
【Fターム(参考)】