説明

試験ストリップを読み取る方法

【課題】白色試験ストリップ上の赤線の色の強さを分析する方法を提供する。
【解決手段】白色試験ストリップ上の赤線の色の強さを特定する方法であって、
(A)前記白色試験ストリップを、前記白色試験ストリップよりも大きく、かつより暗いカードに付着させる工程
(B)前記の付着した白色試験ストリップを有する前記カードをスキャンする工程、
(C)前記カードのデジタル画像を作成する工程、ここで、前記デジタル画像における各ピクセルは、赤値、緑値、および青値を有する、
(D)前記デジタル画像を用いて、前記白色試験ストリップ上の各赤線について色の強さを計算する工程を含む方法が提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
白色試験ストリップ上の赤線の色の強さを定量的に評価することが望ましい場合が多い。
【背景技術】
【0002】
例えば、米国特許出願公開第2004/0131238号は、試験ストリップの長さ方向で得られた1以上の個々の走査線を分析することにより、白色試験ストリップ上の着色された線の色の強さを評価する方法を記載し、複数の走査線からのデータを使用することが望ましいならば、サンプルの長さを走査方向と完全に平行に合わせなければならず、そうでなければデータ分析は非常に複雑になる。
【特許文献1】米国特許出願公開第2004/0131238号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
白色試験ストリップ上の赤線の色の強さを分析する方法であって、比較的簡単な計算を伴い、試験ストリップの長軸と走査方向の間の角度の変化により影響を受けない方法を提供することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の1つの態様において、白色試験ストリップ上の赤線の色の強さを特定する方法であって、
(A)前記白色試験ストリップを、前記白色試験ストリップよりも大きく、かつより暗いカードに付着させる工程、
(B)前記の付着した白色試験ストリップを有する前記カードをスキャンする工程、
(C)前記カードのデジタル画像を作成する工程、ここで、前記デジタル画像における各ピクセルは、赤値、緑値、および青値を有する、
(D)前記デジタル画像を用いて、前記白色試験ストリップ上の各赤線について色の強さを計算する工程を含む方法が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0005】
本明細書において用いられる場合、ストリップは、比較的薄く、縦長の物体である。いくつかの実施形態において、好適なストリップは1mm以下;または0.5mm以下の厚さを有する。試験ストリップの長さの幅に対する比は1.5以上である。試験ストリップは、ほとんどの観察者により色が白色であると判断されるならば、本発明においては白色であると認められ;試験ストリップは、それらが、例えばクリーム色、淡黄色(eggshell)、または通常白と認められる任意の他の色合い(shade)のような色合いをはじめとする、なんらかの白の色合いであるならば、適切には白色である。
【0006】
ストリップの長さに対して平行な方向は、本明細書においては「垂直」方向として識別され、ストリップの短い寸法と平行な方向は、本明細書においては「水平」方向として識別される。すなわち、ストリップの垂直方向のサイズはストリップの長さであり、ストリップの水平方向のサイズはストリップの幅である。垂直方向に走るストリップの端部は、本明細書においては垂直端として識別され、他の端部は本明細書においては水平端として識別される。
【0007】
ストリップは本明細書においては、1以上の試験線を含有するならば試験前ストリップ(pre−test strip)であると認められる。試験線はアッセイ物質を含有する領域である。試験線は試験前ストリップの1つの垂直端部から他の垂直端部へ水平方向に伸びる領域に及ぶ。試験線は、試験前ストリップの長さよりも遙かに小さい幅(すなわち、垂直方向に測定された試験線のサイズ)を有する。いくつかの実施形態において、試験線の幅の、試験前ストリップの長さに対する比は0.2以下;または0.1以下;または0.03以下;または0.01以下である。
【0008】
アッセイ物質は、特定の対象物質に対して感受性の物質である。すなわち、試験前ストリップ中または試験前ストリップ上に含まれるアッセイ物質は見えないが、アッセイ物質は、特定の対象物質と接触した場合に着色物質を形成できる。すなわち、試験前ストリップは最初は全体にわたって白色に見え、試験前ストリップが特定の対象物質と接触させられた後、試験線は色を有するように見える。いくつかの実施形態において、1以上の試験線は赤く見える。いくつかの実施形態において、色を有するように見える各試験線は赤く見える。試験前ストリップは複数の試験線を有することができ、各試験線は異なる対象物質に対して感受性であり得る。各試験線は試験前ストリップ上の他の全ての試験線から分離されることが想定される。いくつかの実施形態において、2つの試験線間の距離の、試験前ストリップ上の試験線の平均幅に対する比は、1以上、または2以上、または5以上である。
【0009】
試験前ストリップを1以上の対象物質と何らかの方法で接触させることができる。例えば、いくつかの実施形態において、1以上の対象物質を含有しうる溶液を特定することができる。
【0010】
試験前ストリップが溶液と接触させられた後、このストリップは本明細書においては試験ストリップとして識別される。試験ストリップ上の試験線は、試験線が感受性であった対象物質を溶液が含有していなかったならば白色に見えることが想定される。試験線が感受性であった対象物質を溶液が含有していたならば、試験ストリップ上の試験線は着色して見え、前記試験線上に観察される色がより高い強さを有するほど、試験線が感受性であった対象物質の溶液中の濃度が高くなることがさらに想定される。
【0011】
試験前ストリップは任意の物質で作ることができる。ある好適な試験前ストリップは、多孔性物質(例えば、紙または厚紙)または非多孔性物質、例えば、ポリマーフィルムから作られる。
【0012】
いくつかの実施形態において、試験前ストリップの幅は2mm以上、または5mm以上、または10mm以上である。独立して、いくつかの実施形態において、試験前ストリップの長さは、100mm以下、または75mm以下、または50mm以下である。
【0013】
特定の対象物質(本明細書において用いられる場合、「検体」は対象物質と同義語である)を含有しても、含有しなくてもよい興味のある溶液を使用することが想定される。もしあるならば、どんな濃度の検体が興味のある溶液中に存在するかを決定することが望ましい。
【0014】
興味のある溶液中の検体の濃度を決定するための一方法は、まず、1以上のさらなる試薬を興味のある溶液に添加し、場合によって興味のある溶液を希釈することである。いくつかの実施形態において、このような、さらなる試薬の添加は、基準物質および対象物質を含有する試験溶液をもたらす。かかる実施形態のいくつかにおいて(本明細書においては「RS」実施形態と呼ぶ)、結果として得られる溶液を特定の種類の試験前ストリップと接触させることが想定される。この特定の試験前ストリップは、少なくとも2つの試験線を有し、その1つ(基準線)は基準物質に対して感受性であり、およびその1つ(対象線)は対象物質に対して感受性である。
【0015】
RS実施形態において、溶液をかかる試験前ストリップと接触させて、試験ストリップを得る場合、基準物質が溶液中に存在したならば基準線が着色され、溶液中に存在していた基準物質の濃度が高いほど、基準線の色の強さは大きい。同様に、対象物質が溶液中に存在していた場合に対象線は着色され、および溶液中の対象物質の濃度が高いほど、対象線の色の強さは大きい。
【0016】
RS実施形態において、検体、さらなる試薬、任意の希釈、および試験前ストリップは、対象線の色の強さの、基準線の色の強さに対する比が興味のある溶液中の検体の濃度と直線的関係を有するように選択することができると認められる。
【0017】
例えば、いくつかの実施形態において、検体と相互作用して、化学複合体を形成できるか、または検体と反応して、反応生成物を形成できるか、または検体と結合できるか、またはその任意の組み合わせが可能な基準物質を用いることができる。かかる実施形態において、対象物質は化学複合体または反応生成物であり、一方基準物質は複合体未形成または未反応の追加の試薬である。
【0018】
いくつかの実施形態において(本明細書においては、「クロマトグラフィー」実施形態と呼ばれる)、検体および、場合によって追加の試薬(単一種または複数種)を含有する溶液を容器(例えば、バイアル)中に、試験前ストリップの長さと比較してわずかな深さまで入れる。試験前ストリップを直立またはほぼ直立状態に保持するような方法で、試験前ストリップの一端を次に容器中に入れることができる。このような実施形態において、試験前ストリップ上の各試験線が容器の底部の液体溶液の面より上方の試験前ストリップに配置されることが想定される。溶液の一部は、溶液が試験前ストリップの底部から試験前ストリップの頂部へ向かって、クロマトグラフィープロセス、例えば、毛細管作用、薄層クロマトグラフィー、ペーパークロマトグラフィー、他のクロマトグラフィープロセス、またはそれらの組み合わせにより移動する際に、試験前ストリップのほとんどまたは全部と接触するようになると考えられる。溶液が特定の試験線と接触するようになる際に、試験線が感受性である対象物質を溶液が含有するならば、試験線は着色物質を形成するであろうことが想定される。
【0019】
溶液が基準物質および対象物質を含有するいくつかのクロマトグラフィー実施形態において、基準物質に対して感受性である試験線が、対象物質に対して感受性である試験線より下にあるように構成された試験前ストリップが使用される。このような実施形態において、溶液は、対象物質に対して感受性である試験線と接触する前に、基準物質に対して感受性である試験線と接触する。このような実施形態は、本明細書において「LRC」実施形態と呼ばれる。
【0020】
いくつかの実施形態において、本発明における検体はポリマーである。本明細書において用いられ、FW Billmeyer、JR.によりTextbook of Polymer Science、第2版、1971において定義される「ポリマー」は、より小さな化学繰り返し単位の反応生成物から構成される比較的大きな分子である。通常、ポリマーは11以上の繰り返し単位を有する。ポリマーは、線状、分岐、星状、ループ状、超分岐、架橋、またはそれらの組み合わせである構造を有していてもよく;ポリマーは、単一の種類の繰り返し単位を有していてもよく(ホモポリマー)、または1種より多い繰り返し単位を有していてもよい(コポリマー)。本明細書において用いられる場合、「コポリマー」とは、2以上の異なる種類の繰り返し単位を含有するポリマーである。コポリマーは、ランダム、シークエンス、ブロック、または他の配列、あるいはその任意の混合または組み合わせで配列された様々な種類の繰り返し単位を有し得る。互いに反応してポリマーの繰り返し単位を形成する化学物質は、本明細書においては「モノマー」として識別され、ポリマーは本明細書においては、反応して繰り返し単位を形成するモノマーの「重合単位」から構成されると言われる。モノマーが反応して、ポリマーの重合単位になる化学反応(単一種または複数種)は、本明細書においては、「重合する」または「重合」と呼ばれる。
【0021】
ポリマー分子量は、例えば、サイズ排除クロマトグラフィーまたは固有粘度などの標準的方法により測定することができる。一般に、ポリマーは500以上の重量平均分子量(Mw)を有する。
【0022】
本発明において検体として好適ないくつかのポリマーは、連鎖移動剤、開始剤(またはそのフラグメント)、連鎖移動剤に結合した基、または別の官能基から選択される検出可能な末端を有する。かかるポリマーは、本明細書においては、「DT」ポリマーとして認識される。DTポリマーは、本体ポリマー(body polymer)および1以上の共有結合した検出可能な末端を含んでなるものとして効果的に記載される。いくつかの実施形態において、かかるポリマーは水溶性でもある。
【0023】
本体ポリマーとして適したいくつかのポリマーは、例えば、カルボン酸のポリマーまたはコポリマー、特にアクリレートポリマーおよびその誘導体である。いくつかの好適なアクリレートポリマーは、例えば、1分子あたり3〜5個の炭素原子を含有するエチレン性不飽和モノカルボン酸、およびモノマー1分子あたり4〜8個の炭素原子を含有するエチレン性不飽和ジカルボン酸、それらのアルカリ金属およびアンモニウム塩、並びにシスジカルボン酸の無水物、のモノマーから製造されるポリマーおよびコポリマーを包含する。モノカルボン酸の例としては、これに限定されないが:アクリル酸、メタクリル酸、ビニル酢酸、クロトン酸、およびアクリルオキシプロピオン酸が挙げられる。これらのうち、アクリル酸およびメタクリル酸が例えば好適であることが知られている。好適なジカルボン酸モノマーの例としては、これに限定されないが:マレイン酸、イタコン酸、メサコン酸、フマル酸、シトラコン酸、テトラヒドロフタル酸、無水テトラヒドロフタル酸、および無水マレイン酸が挙げられる。ジカルボン酸モノマーのうち、無水マレイン酸が例えば好適であることが知られている。
【0024】
本体ポリマーとして好適なポリマーはさらに、ポリマーが水溶性のままである限り、最高70重量パーセント(wt%)まで、酸を含まないモノエチレン性不飽和モノマーから構成されていてもよい。このような他のモノマーは、これに限定されないが:アクリル酸またはメタクリル酸のアルキルエステル、例えば、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、およびイソブチルメタクリレート;アクリル酸またはメタクリル酸のヒドロキシアルキルエステル、例えば、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、およびヒドロキシプロピルメタクリレート;他の種類のアクリレートまたはメタクリレート、例えば、2−スルホエチル(メタ)アクリレート、3−スルホプロピル(メタ)アクリレート、2−スルファトエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチルアクリレートおよびホスホエチルメタクリレート;アクリルアミド類およびアルキル置換アクリルアミド類、例えば、メタクリルアミド、t−ブチルアクリルアミド、N−t−ブチル−アクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、および3−N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド;アクリロニトリル類、たとえば、メタクリロニトリル;アリルアルコール;アリルスルホン酸;アリルホスホン酸;ビニルホスホン酸;2−ビニルピリデン;4−ビニルピリデン;N−ビニルピロリドン;N−ビニルホルムアミド;N−ビニルイミダゾール;N−アクリロモルホリン;アクロレイン;エチレングリコールジアクリレート;トリメチロールプロパントリアクリレート;ジアリルフタレート;酢酸ビニル;スチレン;ビニルスルホン酸;p−スチレンスルホン酸、および2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸;メタリルスルホネートおよび1−アリルオキシ−2−ヒドロキシプロピルスルホネート(COPS.RTM.);アクリルアミドグリコール酸;および適当ならば、前記の塩を包含する。
【0025】
いくつかの実施形態において、本体ポリマーは、ポリアクリル酸(PAA)、ポリマレイン酸、またはアクリル酸と1以上の追加のモノマーのコポリマーである。
【0026】
独立して、いくつかの本体ポリマーは、500以上、または1000以上、または2000以上の数平均分子量(Mn)を有する。独立して、いくつかの本体ポリマーは、1000000以下;または500000以下;または100000以下;または50000以下、または25000以下の数平均分子量を有する。
【0027】
1000000から30000000の重量平均分子量を有する本体ポリマーが使用される実施形態も想定される。
【0028】
ポリマー組成物の分子量の制御に有用な任意の連鎖移動剤を本発明において検出可能な末端として使用できる。このような連鎖移動剤としては、これらに限定されないが:メルカプタン、ホスフィネート(phosphinates)、ホスホネート(phosphonates)、スルフィン酸(例えば、フェニルスルフィン酸およびp−トルエンスルフィン酸)、およびアミン−チオールが挙げられる。好適なホスフィネートは、米国特許第5,294,371号(Clubleyら)において式I(col.1)の化合物として開示されているもの、および米国特許第5,376,731号(Kerrら)において式III(col.4)の化合物として開示されているものを包含し、好適なアミン−チオールは、米国特許第5,298,585号(McCallumら)において開示されている種類のものを包含する。いくつかの実施形態において、システイン(CYS)、アミノエタンチオール(AET)、またはフェニルホスフィン酸(PPA)を連鎖移動剤として使用するのが好適である。
【0029】
フリーラジカル付加重合の開始において有用な任意の開始剤または開始剤フラグメントを本発明において検出可能な末端として使用することができる。かかる開始剤または開始剤フラグメントとしては、これに限定されないが;ペルオキシエステル、例えば、t−ブチル−ペルベンゾエートおよびt−アミルペルオキシベンゾエート;ジアルキルペルオキシド、例えば、ジクミルペルオキシド;ジアシルペルオキシド、例えば、ベンゾイルペルオキシド;ヒドロペルオキシド、例えば、クメンヒドロペルオキシド;アゾ化合物、例えば、2−フェニルアゾ−4−メトキシ−2,4−ジメチル−バレロニトリル、2,2’−アゾビス−2−メチル−N−フェニルプロピオンアミジン二塩酸塩、2,2’−アゾビス−2(N−(4−クロロフェニル)−2−メチルプロピオンアミジン)二塩酸塩、2,2’−アゾビス−(2−(5−メチル−2−イミダゾリン−2−イル)プロパン)二塩酸塩、および2,2’−アゾビス(2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン)二塩酸塩が挙げられる。
【0030】
検出可能な末端が連鎖移動剤に結合した基である実施形態において、最適の連鎖移動剤は、アミン−チオール、特にCYSまたはAETである。かかる連鎖移動剤と結合できる基は、所望の基と特異的に反応するが、ポリマーの他の部分とは反応しない基である。連鎖移動剤がペンダントアミンを含有する場合、検出可能な末端としてアミン反応性基をこれらと結合させることが好ましい。好適なアミン反応性基としては、これに限定されないが:1−(ジメチルアミノ)−5−ナフタレンスルホン酸およびそのハライド(dansyl「ダンシル」);4−ジメチルアミノアゾベンゼン−4−スルホン酸およびそのハライド(dabsyl「ダブシル」);2,4,6−トリニトロ−ベンゼンスルホン酸およびその塩(TNT);3−ベンゾイルキノリン−2−カルボキシアルデヒド;3−(2−フルホイル)キノリン−2−カルボキシアルデヒド;2,4−ジニトロフルオロベンゼン(Sanger試薬);およびニンヒドリンが挙げられる。いくつかの実施形態において、好適な基としては:daisyl、dabsyl、およびTNTが挙げられる。
【0031】
検出可能な末端を有する好適なポリマーのいくつかの商業的に入手可能な例はOPTIDOSE(商標)1000(ポリカルボキシレートのナトリウム塩)、OPTIDOSE(商標)2000(修飾ポリカルボキシレート)、OPTIDOSE(商標)3100(カルボキシレート、スルホネート、および非イオン性モノマーのターポリマー)、およびOPTIDOSE(商標)4210(ポリマレイン酸)(Rohm and Haas Companyから入手可能)である。
【0032】
いくつかの実施形態において、DTポリマーおよび追加のポリマーを含有する溶液が使用され;追加のポリマーは、DTポリマーの本体ポリマーと類似しているか、または同じであり、溶液中のDTポリマーの追加のポリマーに対する重量比は既知である。本発明は溶液中のDTポリマーの濃度を決定するために使用でき、その結果、溶液中の追加のポリマーの量が容易に決定できることが想定される。
【0033】
検体がDTポリマーを含有するいくつかのRS実施形態において、抗体を含有する基準物質が使用される。基準物質が抗体を含有する実施形態において、抗体は場合によってマーカーと結合していてもよい。抗体それ自体またはマーカーと結合した抗体はDTポリマーの検出可能な末端と複合体を形成することができることが想定される。モル過剰の抗体またはマーカーと結合した抗体をDTポリマーの検出可能な末端部位との比較において使用することがさらに想定され;従って、溶液は(1)抗体またはマーカーと結合した抗体と複合体形成したDTポリマーおよび(2)抗体またはマーカーと結合した抗体であって、「遊離」である(すなわち、DTポリマーと複合体形成していない)ものの混合物を有する。
【0034】
DTポリマーおよび抗体またはマーカーと結合した抗体を使用するこのような実施形態において、第一試験線は基準試験線であり、遊離の抗体またはマーカーと結合した抗体をトラップすることができるが、抗体またはマーカーと結合した抗体と複合体形成したDTポリマーをトラップすることができないアッセイ物質(基準アッセイ物質)を含有することが想定される。このような基準アッセイ物質は、例えば、イムノアッセイ技術に基づくことができる。第二試験線は、対象試験線であり、マーカーと結合した全ての抗体を、遊離であるかまたは複合体形成しているかにかかわらずトラップすることができる対象アッセイ物質を含有することがさらに想定される。このような対象アッセイ物質は、例えば、イムノアッセイ技術に基づくものであってよい。基準アッセイ物質および対象アッセイ物質は、両方がイムノアッセイ技術に基づく実施形態においてさえも、異なる物質であることが想定される。
【0035】
本発明の実施において、試験ストリップを、試験ストリップよりも大きく、より暗いカードに付着させる。いくつかの好適なカードは、例えば、矩形であり、試験ストリップよりも大きい。本明細書において「より暗い」とは、カードが白と容易に区別される何らかの色であることを意味する。いくつかの実施形態において、カードの色は、試験前ストリップの色よりも有意に高い青値を有する。好適なカードは柔軟性であってよく、または一端を保持した場合に自立できるほど十分剛直であってよい。好適なカードは、例えば、厚さ3mm以下、または厚さ2mm以下、または厚さ1mm以下でありうる。独立して、いくつかの好適なカードは、例えば、厚紙から作られていてもよい。独立して、いくつかの実施形態において、カードの幅の試験ストリップの幅に対する比が1.5以上、または3以上、または5以上であるカードが使用される。独立して、いくつかの実施形態において、カードの長さの試験ストリップの長さに対する比が1.1以上、または1.2以上であるカードが使用される。独立して、長さの幅に対する比が1.2以上、または1.5以上、または2以上であるカードが使用される。
【0036】
試験ストリップ上の着色された線(一本または複数本)が見えるように試験ストリップの平坦面をカードの平坦面と付着させることが想定される。試験ストリップの長さはカードの長さと平行またはほぼ平行であり、試験ストリップはカード上、水平方向において中心またはほぼ中心にあることが想定される。試験ストリップを著しく変形または変色させない任意の種類の固定システム、例えば、テープ、のり、または他の接着剤を用いて、試験ストリップをカードと付着させることができる。テープが使用されるならば、透明なテープが適している。
【0037】
本発明の実施において、試験ストリップが付着したカードを任意にスキャンして、試験ストリップが付着したカードのデジタル画像を作成する。デジタル画像は赤値、緑値、および青値を各ピクセルに割り当てる。
【0038】
任意のスキャナーおよび付属の電子回路(ソフトウェアを包含する)であって、かかるデジタル画像を生成させることができるものが適している。いくつかの実施形態において、名刺をスキャンするために設計されたポータブルスキャナーが使用される。
【0039】
いくつかの実施形態において、スキャナーは試験前ストリップに対して次のように調整される。試験前ストリップ(全体的にわたって白色に見える)をスキャンし、赤、緑、および青色検出器の試験前ストリップの全領域にわたる平均応答をそれぞれ計算し、各検出器の平均応答を256の値に設定する。かかる調整が行われる実施形態において、かかる調整は、時間がたてば定期的に行われ、各試験前ストリップの白色領域がそれぞれ256または256に近い赤、緑、および青値を生じさせることが想定される。
【0040】
本発明の実施において、デジタル画像は、試験ストリップ上の各着色線の色の強さを計算するために使用される。
【0041】
本発明の実施は、試験ストリップ上の各着色線が赤である場合に特に有用である。
【0042】
いくつかの実施形態において、画像(本明細書においては、「ロケーター」画像と呼ばれる)が試験前ストリップ上に印刷され、これらの画像は試験前ストリップが試験ストリップになった後も見え続ける。このような画像は各試験線からの既知の距離であり、試験ストリップが付着したカードのデジタル画像において試験線を見出すプロセスを助ける。独立して、いくつかの実施形態において、カード上の試験ストリップの位置決めを支援するために、試験ストリップを付着させる前に、1以上のガイドマークをカード上に形成することができる。
【0043】
いくつかの実施形態において、第一赤色試験線の色の強さを計算するプロセスは、次の工程を含む。まず、赤線が特定される。すなわち、赤線に対応するピクセルの部分が特定される。例えば、第一赤線を特定する一方法は、カードの底部から出発する垂直線における各ピクセルを調べることである。デジタル画像において垂直線に対応するピクセルは、走査方向がカードの垂直端部に対して正確に平行でないならば、試験ストリップの垂直端部と正確に平行である線を形成しない場合があることが想定される。それでも、デジタル画像において垂直として記録される線におけるピクセルを調べることが想定される。例えば、赤および緑値を調べることができ、赤線において(赤線においてのみ)、赤値の緑値に対する比(R/G比)は1.2より大きいことが想定される。従って、1.2より大きいR/G比を有する垂直線における連続ピクセルの群は赤線を特定する。連続ピクセルの群における中心ピクセルは、デジタル画像における垂直座標(YR1)により特徴づけられる。連続ピクセルの群において、中心ピクセルから最も遠い2つのピクセルは、YR1TおよびYR1Bの垂直座標を有する。第一赤線の垂直サイズは、従って、ピクセル数において、YR1T−YRTBの絶対値である。
【0044】
望ましいならば、ロケーター画像の位置は、容易に特定することができ、ロケーター画像と特定された赤線間の垂直線におけるピクセル数を、ロケーター画像と赤線間の既知の距離と比較できる。このような比較は、望ましいならば、赤線の位置決めを支援するために使用できるか、または赤線の特定の確認としての働きをすることができる。
【0045】
次に、水平線におけるピクセル(走査方向に対して垂直)が考慮される。前記垂直走査線から遠い連続ピクセルが考慮される場合、最終的に、青値が急増し、より低い青値を有する最後のピクセルが試験ストリップの垂直端部であると認められる。試験ストリップの2つの垂直端部はこのようにして決定することができ、これらはXR1LおよびXR1Rの、デジタル画像における水平座標を有する。第一赤線の水平中心点はXR1=(1/2)×(XR1L+XR1R)の水平座標を有すると認められる。第一赤線の水平サイズは、ピクセルで表すと、XR1L−XR1Rの絶対値である。
【0046】
第一赤線が特定された後、第一赤線に対応する「第一矩形」を次に特定できる。矩形は、カードのデジタル画像の可視画像上に(例えば、別個の色により)印を付けるならば、走査方向に対して垂直なおよび平行な側部を有する矩形として見えるデジタル画像におけるピクセル群であると認められる。第一矩形は、水平方向において、試験ストリップの画像上で、ちょうど中心またはほぼ中心である。第一矩形は座標(XR1、YR1)を有するピクセルの中心点を有する。
【0047】
第一矩形は、第一赤線の水平サイズよりも小さな水平サイズを有する。いくつかの実施形態において、第一矩形の水平サイズの、第一赤線の水平サイズに対する比は、0.9以下、または0.8以下、または0.7以下である。独立して、いくつかの実施形態において、第一矩形の水平サイズの、第一赤線の水平サイズに対する比は0.3以上、または0.5以上である。
【0048】
第一矩形は、第一赤線の垂直サイズよりも大きな垂直サイズを有する。いくつかの実施形態において、第一矩形の垂直サイズの、第一赤線の垂直サイズに対する比は、1.1以上、または1.3以上、または1.5以上である。独立して、いくつかの実施形態において、第一矩形の垂直サイズの、第一赤線の垂直サイズに対する比は5以下、または3以下、または2以下である。
【0049】
試験ストリップ上のそれぞれの追加の赤線に関して、対応する矩形を見出すことができる。n番目の赤線について、対応するn番目の矩形は、第一赤線および対応する第一矩形について前述の方法により決定されると認められる。n番目の矩形のn番目の赤線に対する位置関係、n番目の矩形の水平サイズのn番目の赤線の水平サイズに対する関係、およびn番目の矩形の垂直サイズのn番目の赤線の垂直サイズに対する関係はすべて、第一矩形の第一赤線に対する前記関係と同じである。
【0050】
すべての特定された矩形は全ての他の特定された矩形と同じ水平サイズを有すると考えられる。いくつかの実施形態において、全ての特定された矩形は、他の特定された矩形と同じ垂直サイズを有する。
【0051】
いくつかの実施形態において、各赤線の色の強さは、次の方法により計算される。カードのデジタル画像を色反転計算に付す、色反転は、周知の計算であり、ほとんどの画像処理ソフトウェアプログラムにおいて容易に利用可能である。それぞれの特定された矩形内で、色反転計算後、赤線の外側にあるピクセルは0に近い緑値を有し;もとの試験ストリップにおけるこのようなピクセルは白色であり、従って高い緑値、赤値、および青値を有していたが;色反転後、このようなピクセルは0または0に近い緑値、赤値、および青値を有する。それぞれの特定された矩形内で、赤線のピクセルは、色反転前に有意な赤値を有し、これは反転後に緑値に変換される。
【0052】
色反転後、それぞれの特定された矩形内で、全てのピクセルの全ての緑値の合計を計算する。赤線の外側のピクセルは、このような合計にほとんどまたは全く寄与しないと考えられる。第一矩形のこの合計は、第一赤線の色の強さであると考えられ、第一赤線についてのこの合計は本明細書においては「CI1」と表記される。第二矩形についてのこの合計は、第二赤線の色の強さであると考えられ、第二赤線についてのこの合計は、本明細書においては「CI2」と表記される。一般に、n番目の矩形についてのこの合計は、n番目の赤線の色の強さであると考えられ、n番目の矩形についてのこの合計は、本明細書においては「CIn」と表記される。
【0053】
色の強さ計算の前記方法は、例えば、LRC実施形態において生成した試験ストリップにおいて使用できる。このような実施形態において、第一赤線は、液体溶液に最も近い試験線であると認めることができ、第二赤線は、液体溶液に最も近い第一赤線以外の試験線であると認めることができる。このような実施形態のいくつかにおいて、第一赤線は基準線であり、第二赤線は対象線である。このような実施形態において、溶液中の検体の濃度(本明細書においては「CA」と表記)とCI2のCI1に対する比R(すなわち、R=CI2/CI1)との間には直線関係が存在する。
【0054】
CAとRとの間の直線関係とは、本明細書においては次のことを意味する。様々な溶液(数N)が調製され(1からNまでの数「i」で表記される)、それぞれは特定の検体濃度(CAiと表記)を有する。各溶液を前記のように試験し、分析し、Rについての値を計算し、Riとして記載する。濃度の値およびRの値をデータ対(CAi、Ri)とし、適合直線CA=m×R+bを計算するために直線回帰を行う。適合直線の周知の統計的R二乗パラメータが0.8またはそれより良好であるならば、本明細書においては直線関係がCAとRとの間に存在すると言われる。
【0055】
CAとR間に直線関係が存在する場合、この関係は、CAの値の有限範囲にわたって有効であることが想定される。直線関係が有効である範囲の外側にCAがある溶液を分析することが望まれるならば、測定は、CAの予想値が、直線範囲が有効であるCA値の範囲内であるようにするために、直線関係が有効であるCA値の範囲を変更し、異なる方法(例えば、異なる濃度の基準物質を使用することによる)でなすことができることがさらに想定される。
【0056】
いくつかの実施形態において、CAとRとの間の直線関係は、最低値(CAMIN)から最高濃度値(CAMAX)までの濃度にわたって有効である。いくつかの実施形態において、CAMAXのCAMINに対する比は、2以上;または4以上;または6以上である。
【0057】
いくつかの実施形態において、検体を含有する溶液は、溶液の重量基準で、0.1ppm以上;または0.2ppm以上;または0.5ppm以上;または1ppm以上、または2以上の検体濃度を有する。独立して、いくつかの実施形態において、検体を含有する溶液は、溶液の重量基準で、50ppm以下;または30ppm以下;または15ppm以下の検体濃度を有する。
【0058】
本出願の方法は、様々な目的のために使用できる。かかる目的の一例は次の通りである。水系、例えば、冷却水系、ボイラー、逆浸透ユニット、エバポレーター、プール、洗浄機、石油回収プロセスなどは、内部表面上のスケールの形成および腐蝕を受ける。分散剤ポリマー(例えば、前記のカルボン酸のポリマーまたはコポリマー)の添加は、スケールの形成もしくは腐蝕、または両方の軽減において役立つ。かかるポリマーまたはコポリマーの水系中の濃度は、時間にわたって変化をうけることが知られており、よってかかるポリマーの水系中の濃度を分析する方法を提供することが望まれる。
【0059】
かかるポリマーの水系中の濃度を分析する一方法は、分散剤ポリマーとして、前記の検出可能な末端を有するポリマーまたはコポリマーカルボン酸を使用することである。分散剤として、検出可能な末端を有さないカルボン酸の1以上のポリマーまたはコポリマーと、検出可能な末端を有するカルボン酸の1以上のポリマーまたはコポリマーとのブレンドを使用することも想定される。
【0060】
分散剤ポリマーが水系に添加されるいくつかの実施形態において、他の物質を水系に添加することもできる。このような他の物質は、例えば、ホスフェート(phosphates)、亜鉛、アゾール類、ホスホネート(phosphonates)、殺生物剤、他の有用な物質、およびその組み合わせの1以上を包含する。
【実施例】
【0061】
試験法
以下の実施例において、使用したスキャナーは、IRIS社によるIRISCard(商標)Proスキャナーであった。これは、238ドット/センチメートル(600ドット/インチ)解像度、24ビットカラー、および11.8cm×30.5cm(4.25インチ×12インチ)の調節可能な走査範囲を有するセルフフィード式名刺スキャナーである。
【0062】
試験ストリップは0.64cm×6.4cm(0.25インチ×2.5インチ)であった。カードは5.1cm×8.9cm(2インチ×3.5インチ)で、灰色であった。
【0063】
Strategic Diagnostics,Inc.から入手可能なOPTIDOSE(商標)TestKitを用いて検体の溶液を分析した。テストキット中の使用説明書に従って、50マイクロリットルの検体溶液を試験管に添加し、次に供給された緩衝溶液を「5ppm」と表記された線まで添加した。結果として得られた混合物100マイクロリットルを試薬バイアルに移し、試験ストリップをバイアル中に配置した。10分後、試験ストリップを取り出し、15分間乾燥させた。ストリップを次に灰色カードにテープで貼り付けた。灰色カードをスキャンし、それぞれの特定された矩形内で、最も弱い赤色の強さを有する10ピクセルを、矩形中の全てのピクセルの緑値を合計するプロセス(色反転後に行う)から除外した工程を加えて、画像を前記のように分析し、比Rを得た。
【0064】
実施例1
OPTIDOSE(商標)1000
様々な溶液を調製し、前記の試験手順を用いて試験した。各溶液は、脱イオン水中OPTIDOSE(商標)1000であった。結果は次のとおりであり、濃度(Conc.)(ppm)および色の強さの比Rを示す。
【0065】
【表1】

【0066】
これらのデータの線形最小二乗最良適合はCA=10.188×R−2.6557(R二乗値は0.9888)であった。
【0067】
実施例2
OPTIDOSE2000
検体がOPTIDOSE(商標)2000であった以外は、実施例1の手順を使用した。
【0068】
【表2】

【0069】
これらのデータの線形最小二乗最良適合はCA=10.742×R−2.067(R二乗値は0.9829)であった。
【0070】
実施例3
OPTIDOSE(商標)3100
検体がOPTIDOSE(商標)3100である以外は、実施例1の手順を使用した。
【0071】
【表3】

【0072】
これらのデータの線形最小二乗最良適合はCA=11.7×R−0.9399(R二乗値は0.977)であった。
【0073】
実施例4
再現性試験
様々な再現性試験を行ったところ、試験の再現性は優れていた。例えば、OPTIDOSE(商標)2000を用いて複製溶液を調製した。各日に、1つの溶液を調製し、10回スキャンした。手順を4日繰り返した。全部で37回のスキャンを行った。溶液は9.5ppmのOPTIDOSE(商標)2000を有していた。全体として、全ての測定について、平均比Rは9.7であり、標準偏差は0.48であった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
白色試験ストリップ上の赤線の色の強さを特定する方法であって、
(A)前記白色試験ストリップを、前記白色試験ストリップよりも大きく、かつより暗いカードに付着させる工程
(B)前記の付着した白色試験ストリップを有する前記カードをスキャンする工程、
(C)前記カードのデジタル画像を作成する工程、ここで、前記デジタル画像における各ピクセルは、赤値、緑値、および青値を有する、
(D)前記デジタル画像を用いて、前記白色試験ストリップ上の各赤線について色の強さを計算する工程、を含む方法。
【請求項2】
(a)第一赤線を特定し、および前記第一赤線に対応する第一矩形を特定し、
ここで、前記第一矩形は、
(i)水平方向において前記試験ストリップ上で、ほぼまたは正確に中央にあり、
(ii)水平方向において前記試験ストリップよりも小さく、
(iii)垂直方向において前記第一赤線の上下に伸びる、
(b)第二赤線を特定し、および前記第二赤線に対応する第二矩形を特定し、
ここで、前記第二矩形は、
(i)水平方向において前記試験ストリップ上で、ほぼまたは正確に中央にあり、
(ii)水平方向において前記試験ストリップよりも小さく、
(iii)垂直方向において前記第一赤線の上下に伸びる、
(c)場合によって、それぞれの追加の赤線について前記工程(b)を繰り返して、前記の追加の赤線に対応する追加の矩形を特定し、
(d)色反転計算を行い、並びに
(e)前記工程(a)、(b)、および(c)、および(d)を行った後、各矩形内の全ピクセルの緑値の合計を計算して、前記第一矩形に対応する緑値の第一合計、前記第二矩形に対応する緑値の第二合計、および場合によって、各追加の矩形に対応する緑値のさらなる合計を生じさせることを含む方法を用いて、前記工程(D)が行われる、請求項1記載の方法。
【請求項3】
緑値の前記第二合計の、緑値の前記第一合計に対する比を計算する工程をさらに含む、請求項2記載の方法。
【請求項4】
試験前ストリップの一端が溶液中に配置されるクロマトグラフィープロセスにより前記試験ストリップがもたらされ、前記溶液が検体および前記検体と複合体を形成できる複合化剤を含み、前記試験前ストリップが、前記複合化剤の遊離分子と接触すると赤色に変わり得る基準アッセイ物質の線、ならびに前記検体と前記複合化剤との前記複合体の分子と接触すると赤色に変わり得る試験アッセイ物質の線を含む、請求項1記載の方法。
【請求項5】
前記検体がポリマーである請求項4記載の方法。
【請求項6】
前記ポリマーが分散剤ポリマーである請求項5記載の方法。
【請求項7】
前記分散剤ポリマーが、連鎖移動剤、開始剤またはそのフラグメント、および連鎖移動剤と結合した基から選択される1以上の検出可能な末端を有する請求項6記載の方法。
【請求項8】
前記試験前ストリップが1以上の印刷された画像を含有し、それぞれの印刷された画像は、基準アッセイ物質の前記線のそれぞれからの、および試験アッセイ物質の前記線からの既知の距離である請求項4記載の方法。

【公開番号】特開2008−224663(P2008−224663A)
【公開日】平成20年9月25日(2008.9.25)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2008−37269(P2008−37269)
【出願日】平成20年2月19日(2008.2.19)
【出願人】(590002035)ローム アンド ハース カンパニー (524)
【氏名又は名称原語表記】ROHM AND HAAS COMPANY
【Fターム(参考)】