試験装置および接続装置
【課題】付加回路を用いて既存の試験装置を低コストで高速および高機能化する。
【解決手段】被試験デバイスの種類に応じたソケットボードに接続されて、被試験デバイスを試験する試験装置であって、被試験デバイスを試験する試験モジュールを内部に有するテストヘッドと、テストヘッド内の試験モジュールにケーブルを介して接続されると共に、ソケットボードに接続される機能ボードと、機能ボードに搭載され、試験モジュールおよび被試験デバイスに接続される付加回路と、を備える試験装置を提供する。
【解決手段】被試験デバイスの種類に応じたソケットボードに接続されて、被試験デバイスを試験する試験装置であって、被試験デバイスを試験する試験モジュールを内部に有するテストヘッドと、テストヘッド内の試験モジュールにケーブルを介して接続されると共に、ソケットボードに接続される機能ボードと、機能ボードに搭載され、試験モジュールおよび被試験デバイスに接続される付加回路と、を備える試験装置を提供する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、試験装置および接続装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体デバイスを試験する試験装置が知られている(例えば特許文献1)。半導体デバイスの製造者は、デバイスの高速化および高機能化に伴い、順次に新たな試験装置を導入しなければならない。しかし、新たな試験装置の導入は、デバイスのコストを高くし、既存の試験装置の稼働率を下げてしまう。
【0003】
特許文献1 特開2008−292488号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そこで、既存の試験装置における被試験デバイスが装着されるボード上に、付加回路を追加して設けることにより、高機能化および高速化に対応したデバイスの試験に対応する場合があった。これにより、新たな試験装置の導入を抑制し、既存の試験装置の稼働率を上げることができる。
【0005】
ところで、付加回路は、高速化および高機能化に対応した試験を行うための回路であるので、製造コストが大きくなる。しかし、被試験デバイスが装着されるボードは、被試験デバイスの品種毎に異なる。従って、被試験デバイスが装着されるボード上に付加回路を設けると、ボード毎に付加回路を作成しなければならなく、コストが大きくなる。
【0006】
また、ボード上に付加回路を設ければ、被試験デバイスが装着できる領域が減少する。従って、被試験デバイスが装着されるボードに付加回路を設けると、同時に並行して試験ができる被試験デバイスの数を減少させてしまう。
【0007】
また、被試験デバイスが装着されるボードは、被試験デバイスの取付けおよび取外しにおいてハンドラにより力が加えられる。また、被試験デバイスが装着されるボードは、加速信頼性試験等において、チャンバにより密閉されて被試験デバイスとともに加熱がされる。従って、被試験デバイスが装着されるボード上に設けられた付加回路は、試験において、機械的ストレスおよび熱的ストレスを受け易かった。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明の第1の態様においては、被試験デバイスの種類に応じたソケットボードに接続されて、前記被試験デバイスを試験する試験装置であって、前記被試験デバイスを試験する試験モジュールを内部に有するテストヘッドと、前記テストヘッド内の前記試験モジュールにケーブルを介して接続されると共に、前記ソケットボードに接続される機能ボードと、前記機能ボードに搭載され、前記試験モジュールおよび前記被試験デバイスに接続される付加回路と、を備える試験装置、および、このような試験装置に用いられる接続装置を提供する。
【0009】
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本実施形態に係る試験装置10の構成を被試験デバイス200とともに示す。
【図2】本実施形態に係る接続装置14の構成を、被試験デバイス200およびテストヘッド12とともに示す。
【図3】本実施形態に係る接続装置14の機械的な構造の一例を被試験デバイス200とともに示す。
【図4】本実施形態に係る接続装置14の機械的な構造の一例、および、被試験デバイス200の品種交換に伴い交換される部分を示す線を示す。
【図5】本実施形態に係る接続装置14の部分構造の一例を示す。
【図6】本実施形態に係る、冷却用気体を吐出および排気するための部材の一例を示す。
【図7】本実施形態に係る、冷却用気体を吐出および排気するための部材の接続例を示す。
【図8】本実施形態に係る、機能ボード50の下側の面(テストヘッド12側の面)の一例を示す。
【図9】本実施形態に係る、ソケットボード34に接続される接続ユニット28および被試験デバイス200の配置の一例を示す。
【図10】本実施形態に係る、接続ユニット28および接続ユニット枠40の一例を示す。
【図11】本実施形態に係る、接続ユニット28の構造の一例を示す。
【図12】本実施形態に係る、機能ボードフレーム60に対する、機能ボード50、接続ユニット28および接続ユニット枠40の接続例を示す。
【図13】本実施形態に係る、機能ボードフレーム60に対する、機能ボード50、接続ユニット枠40、側壁部42、ソケットボード34およびソケット枠38の接続例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0012】
図1は、本実施形態に係る試験装置10の構成を被試験デバイス200とともに示す。本実施形態に係る試験装置10は、少なくとも1つの被試験デバイス200を試験する。
【0013】
試験装置10は、テストヘッド12と、接続装置14と、制御装置16とを備える。テストヘッド12は、被試験デバイス200を試験する少なくとも1つの試験モジュール18を内部に有する。試験モジュール18は、対応する被試験デバイス200との間で信号を授受して、対応する被試験デバイス200を試験する。
【0014】
接続装置14は、テストヘッド12上に設けられる。接続装置14は、上面(テストヘッド12が接続された面とは反対の面)側に、被試験デバイス200が装着される。被試験デバイス200は、ハンドラによって接続装置14に対して取り付け及び取り外しがされる。接続装置14は、被試験デバイス200の端子と対応する試験モジュール18の端子との間を電気的に接続する。
【0015】
制御装置16は、一例として、プログラムを実行するコンピュータであって、当該試験装置10の全体を制御する。制御装置16は、プログラムに応じてテストヘッド12内のそれぞれの試験モジュール18と通信して、それぞれの試験モジュール18を制御する。
【0016】
図2は、本実施形態に係る接続装置14の構成を被試験デバイス200およびテストヘッド12とともに示す。接続装置14は、マザーボード22と、機能拡張部24と、デバイス接続部26とを備える。
【0017】
マザーボード22は、テストヘッド12上に設けられる。マザーボード22は、一例として、テストヘッド12内の試験モジュール18と機能拡張部24との間を接続する信号用のケーブル、および、電源装置と機能拡張部24との間を接続する電源用のケーブル等を内部に収納する。
【0018】
機能拡張部24は、マザーボード22上に設けられる。即ち、機能拡張部24は、マザーボード22のテストヘッド12が接続された面とは反対の面に接続される。機能拡張部24は、マザーボード22側の面(即ち、テストヘッド12側の面)にコネクタを有する。コネクタは、マザーボード22内に収納された、試験モジュール18と接続された信号用のケーブルおよび電源装置と接続された電源用のケーブルと接続される。
【0019】
デバイス接続部26は、機能拡張部24上に設けられる。即ち、デバイス接続部26は、機能拡張部24のマザーボード22が接続された面(テストヘッド12側の面)とは反対の面に接続される。デバイス接続部26は、上面(テストヘッド12側とは反対の面)に被試験デバイス200が装着される。デバイス接続部26は、機能拡張部24と、装着された被試験デバイス200との間を電気的に接続する。
【0020】
また、機能拡張部24は、複数の接続ユニット28と、付加回路30を有する。付加回路30は、機能拡張部24における、マザーボード22側の面(即ち、テストヘッド12側の面)に実装される。
【0021】
付加回路30は、テストヘッド12内の試験モジュール18および被試験デバイス200に電気的に接続される。付加回路30は、テストヘッド12内の試験モジュール18からの制御を受けて被試験デバイス200を試験する集積回路デバイスである。付加回路30は、FPGA(Field Programmable Gate Array)であってよい。また、付加回路30は、複数の集積回路デバイスの組であってもよい。
【0022】
付加回路30は、一例として、一の試験モジュール18からの信号に応じて複数の被試験デバイス200と並行して信号のやり取りをする。これにより、付加回路30は、一の試験モジュール18が同時に試験することができる被試験デバイス200の数を増加させることができる。
【0023】
また、付加回路30は、一例として、試験モジュール18から受け取った信号を、受け取った信号より高いクロックの信号に変換して被試験デバイス200に供給する。また、付加回路30は、一例として、被試験デバイス200から受け取った信号を、受け取った信号より低いクロックの信号に変換して試験モジュール18に供給する。これにより、付加回路30は、試験モジュール18が試験可能なデバイスのクロックより高いクロックで動作する被試験デバイス200を試験させることができる。
【0024】
複数の接続ユニット28のそれぞれは、機能拡張部24のマザーボード22とは反対側の面(即ち、テストヘッド12とは反対側の面)に設けられる。デバイス接続部26は、複数の接続ユニット28を介して機能拡張部24と電気的に接続される。接続ユニット28は、デバイス接続部26との間においてコネクタ等による機械的な固定をせずに、デバイス接続部26と機能拡張部24との間を電気的に接続する部材である。接続ユニット28は、一例として、複数のポゴピンを有する部材である。なお、接続ユニット28は、本例においては機能拡張部24の上部に固定して設けられるが、デバイス接続部26側に固定して設けられていてもよいし、機能拡張部24およびデバイス接続部26の両者に固定されていなくてもよい。
【0025】
このような接続装置14は、デバイス接続部26と機能拡張部24との間を機械的に固定しないので、デバイス接続部26を容易に交換させることができる。これにより、付加回路30を有する機能拡張部24は、品種の異なる被試験デバイス200を試験する場合であっても、被試験デバイス200の品種によらず共通に用いることができる。
【0026】
また、このような接続装置14は、機能拡張部24がデバイス接続部26の下側に設けられるので、被試験デバイス200に対して付加回路30を比較的に遠くに配置することができる。これにより、接続装置14は、被試験デバイス200と付加回路30との間を機械的および熱的に遮断することができる。従って、このような接続装置14によれば、被試験デバイス200に加えられる熱および力が付加回路30に伝達されることを抑制することができる。また、接続装置14によれば、付加回路30が発生する熱および付加回路30を冷却するための熱が被試験デバイス200に伝達されることを抑制することができる。
【0027】
また、このような接続装置14は、デバイス接続部26の上面に付加回路30が設けられていない。従って、接続装置14によれば、デバイス接続部26の上面に装着できる被試験デバイス200の数を多くして、同時並行して試験する被試験デバイス200の数を多くすることができる。
【0028】
図3は、本実施形態に係る接続装置14の機械的な構造の一例を被試験デバイス200とともに示す。
【0029】
デバイス接続部26は、ソケットボード34と、ソケット枠38と、側壁部42とを有する。機能拡張部24は、機能ボード50と、接続ユニット28と、接続ユニット枠40と、付加回路30と、ヒートシンク54と、機能ボードフレーム60とを有する。
【0030】
ソケットボード34は、薄板状の基板であり、上面(テストヘッド12とは反対側の面)にソケット36を有する。ソケット36は、ハンドラにより取り付けおよび取り外し可能に被試験デバイス200を保持する。また、ソケットボード34は、下面(ソケット36が設けられる面とは反対側の面)に、複数の接続ユニット28を介して機能ボード50に接続される。このようなソケットボード34は、被試験デバイス200を保持するとともに、下面側の機能ボード50とソケット36に保持している被試験デバイス200との間を電気的に接続する。
【0031】
ソケット枠38は、ソケットボード34の上面におけるソケット36が設けられた部分以外の領域を囲う。ソケット枠38は、一例として、SUSにより形成される。
【0032】
側壁部42は、ソケットボード34と機能ボード50とを接続した状態において、機能ボード50を側面側から囲う。側壁部42は、一例として、PEEK樹脂のような低熱伝導率の材料により形成されている。このような側壁部42は、当該側壁部42の外側の空間と内側の空間との間の熱の伝達を少なくすることができる。
【0033】
複数の接続ユニット28は、機能ボード50の上面(テストヘッド12とは反対側の面)側に設けられる。機能ボード50は、上面が複数の接続ユニット28を介してソケットボード34と電気的に接続される。
【0034】
接続ユニット枠40は、機能ボード50の上面(テストヘッド12とは反対側の面)側に設けられる。接続ユニット枠40は、接続ユニット28の厚さとほぼ同一の厚さの板状であって、複数の開口部を有する。複数の開口部のそれぞれは、複数の接続ユニット28のそれぞれが配置されるべき位置に対応して設けられ、対応する接続ユニット28と略同一の大きさである。このような接続ユニット枠40は、ソケットボード34の下面および機能ボード50の上面のそれぞれにおける予め定められた位置の端子同士を、複数の接続ユニット28により正確に接続させることができる。
【0035】
また、接続ユニット枠40は、一例として、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)樹脂のような低熱伝導率の材料により形成される。このような接続ユニット枠40は、当該接続ユニット枠40より下側と上側との間での熱の伝達を少なくすることができる。また、接続ユニット枠40は、機能ボード50と接触する側の面に、空気を通過させる空間が形成されていてもよい。これにより、接続ユニット枠40は、当該接続ユニット枠40より下側と上側との間での熱の伝達をさらに少なくすることができる。また、接続ユニット枠40は、ハンドラ等により被試験デバイス200に加わる力を吸収して、当該接続ユニット枠40よりも下の部材へ加わる力を小さくすることができる。
【0036】
また、機能ボード50は、下面(テストヘッド12側の面)にコネクタ58を有する。コネクタ58は、テストヘッド12内の試験モジュール18と接続された信号用のケーブル80および電源装置と接続された電源用のケーブル82と接続する。
【0037】
付加回路30は、集積回路デバイスであって、機能ボード50における下面(テストヘッド12側の面)に搭載される。付加回路30は、機能ボード50および信号用のケーブル80を介して、テストヘッド12内の試験モジュール18と接続される。また、付加回路30は、機能ボード50およびソケットボード34を介して被試験デバイス200と接続される。
【0038】
ヒートシンク54は、付加回路30における機能ボード50に実装された面とは反対側の面に設けられる。ヒートシンク54は、一例として、一方のみに底部を有する筒状の金属であり、底部の外側の面が付加回路30に接着される。このようなヒートシンク54は、付加回路30により発せられた熱を放出することができるとともに、筒の内部に略密閉された空間を有する冷却室70を形成することができる。
【0039】
機能ボードフレーム60は、機能ボード50における下面(テストヘッド12側の面)に設けられる。機能ボードフレーム60は、付加回路30およびコネクタ58に対応する位置に開口が設けられた板状である。機能ボードフレーム60は、機能ボード50を保持するとともに、機能ボード50とマザーボード22との間を機械的に接続する。
【0040】
マザーボード22は、マザーボードフレーム62と、支持部64と、コネクタガイド部66とを有する。マザーボードフレーム62は、テストヘッド12上に載置され、当該マザーボード22の内部に設けられる部材を保持する。支持部64は、マザーボードフレーム62上に設けられ、機能拡張部24を支持する。支持部64は、一例として、機能拡張部24の機能ボードフレーム60を下側から支持および固定する。
【0041】
さらに、マザーボード22は、吐出部72と、排気部74と、流入経路76と、排気経路78とを有する。吐出部72は、機能ボード50のテストヘッド12側から気体を機能ボード50に対して吐出して、付加回路30を冷却する。本例においては、吐出部72は、ヒートシンク54により形成された冷却室70内の空間に気体を吐出する。排気部74は、ヒートシンク54により形成された冷却室70内の空間から、気体を排気する。
【0042】
流入経路76は、外部の熱交換器から出力される気体を吐出部72へと送るための経路である。排気経路78は、排気部74から排気された気体を外部の熱交換器へと戻すための経路である。
【0043】
このような吐出部72および排気部74は、ヒートシンク54を介して付加回路30を冷却することができる。また、ヒートシンク54は、密閉した空間を有する冷却室70を形成しているので、冷気が外部に漏れず、効率良く付加回路30を冷却することができる。なお、冷却室70内の空間に循環させる気体は、圧縮されたドライエアであることが好ましい。これにより、低温時において、冷却室70内の空間の結露を防止することができる。
【0044】
また、さらに、マザーボード22は、信号用のケーブル80と、電源用のケーブル82と、サブボード84とを有する。信号用のケーブル80は、テストヘッド12内の試験モジュール18と機能ボード50との間を接続する。信号用のケーブル80は、一例として、同軸ケーブルである。電源用のケーブル82は、例えば外部に設けられた電源装置と、機能ボード50とを接続する。サブボード84は、当該マザーボード22の内部に設けられ、テストヘッド12内の試験モジュール18と機能ボード50との間に設けられる。
【0045】
そして、このような接続装置14は、デバイス試験において、ハンドラ等によってチャンバ32が取り付けられる。チャンバ32は、被試験デバイス200を密閉して、被試験デバイス200の周囲の雰囲気を予め定められた温度および湿度に制御する。これにより、試験装置10は、被試験デバイス200に対して加速信頼性試験等を行うことができる。
【0046】
以上のような、本実施形態に係る接続装置14は、ソケットボード34の下面側に機能ボード50を設け、さらに、機能ボード50におけるテストヘッド12側の面に付加回路30を実装する。これにより、接続装置14によれば、被試験デバイス200に加えられる熱の影響を付加回路30に与えないようにでき、且つ、付加回路30の発熱および付加回路30の冷却熱の影響を被試験デバイス200に与えないようにできる。さらに、接続装置14によれば、被試験デバイス200の取り付けおよび取り外し等において、付加回路30に与えられる機械的なストレスを小さくすることができる。
【0047】
また、接続装置14は、ソケット枠38、接続ユニット枠40および側壁部42等が設けられている。従って、接続装置14によれば、チャンバ32内の空間と付加回路30とを熱的に遮断することができる。
【0048】
また、接続装置14は、ソケットボード34の上面に付加回路30が設けられていない。従って、接続装置14によれば、ソケットボード34の上面に装着できる被試験デバイス200の数を多くして、同時並行して試験する被試験デバイス200の数を多くすることができる。
【0049】
図4は、本実施形態に係る接続装置14の機械的な構造の一例、および、被試験デバイス200の品種交換に伴い交換される部分を示す線を示す。
【0050】
また、接続装置14は、ソケットボード34と機能ボード50との間をコネクタ等により機械的に固定せずに、ソケットボード34と機能ボード50との間を電気的に接続する。従って、接続装置14は、メンテナンス等において、機能ボード50からソケットボード34を容易に取り外すことができる。接続装置14は、一例として、図4の点線A1−A2から上の部分を取り外すことができる。
【0051】
従って、接続装置14は、機能ボード50および付加回路30を、被試験デバイス200の種類によらず共通に用いることができる。このような接続装置14によれば、試験コストを小さくすることができる。
【0052】
図5は、本実施形態に係る接続装置14の部分構造の一例を示す。ソケットボード34は、一例として、平面形状が略正方形の薄板である。なお、ソケットボード34の上には、更に、図5には示していないソケット36およびソケット枠38が設けられる。
【0053】
機能ボード50は、平面形状がソケットボード34と相似形で、ソケットボード34よりもやや小さい薄板である。機能ボード50は、ソケットボード34が接続される面とは反対の面に、ヒートシンク54が取り付けられた付加回路30が実装される。
【0054】
接続ユニット枠40は、機能ボード50とソケットボード34との間に挟まれる。接続ユニット枠40は、機能ボード50と略同一の平面形状を有する板である。接続ユニット枠40は、一例として、機能ボード50およびソケットボード34よりも厚く、平面の予め定められた位置に接続ユニット28が挿入される開口部を有する。また、接続ユニット枠40は、機能ボード50と接する面に溝が形成されており、空気を通過させる。このような接続ユニット枠40は、ソケットボード34と機能ボード50との間の熱の伝達を遮断することができる。
【0055】
側壁部42は、内周形状が機能ボード50および接続ユニット枠40の平面形状と略同一であり、外周形状がソケットボード34の平面形状と略同一の筒である。側壁部42は、機能ボード50および付加回路30と、被試験デバイス200の周囲の雰囲気とを熱的に遮断することができる。
【0056】
機能ボードフレーム60は、機能ボード50およびソケットボード34の組を下側から支持する。図5の例においては、機能ボードフレーム60は、機能ボード50およびソケットボード34を8組分保持する。
【0057】
支持部64は、内部が開口した正方形状の枠組みであって、マザーボード22における上部部分に設けられる。支持部64は、1または複数の機能ボードフレーム60を保持する。図5の例においては、2個の機能ボードフレーム60を保持する。
【0058】
また、支持部64は、内部に、コネクタガイド部66を有する。コネクタガイド部66は、機能ボード50に接続される信号用のケーブル80および電源用のケーブル82を保持する。また、支持部64は、複数の機能ボード50のそれぞれに設けられた付加回路30に対応する位置に、冷却用気体を吐出および排気するための部材が配置される孔部85が形成されている。
【0059】
図6は、本実施形態に係る冷却用気体を吐出および排気するための部材の一例を示す。付加回路30に対して冷却用気体を吐出および排気するための部材は、図6に示されるような、ノズル部86であってよい。ノズル部86は、基部87に、吐出部72および排気部74が形成されている。また、ノズル部86は、基部87の側面に環状パッキン88が取り付けられている。そして、このようなノズル部86は、図5に示された孔部85に取り付けられる。
【0060】
図7は、本実施形態に係る冷却用気体を吐出および排気するための部材の接続例を示す。ノズル部86は、基部87の外周形状が、筒状に形成されたヒートシンク54の開口部分と略同一の形状となっている。
【0061】
そして、機能ボード50が設けられた機能ボードフレーム60をコネクタガイド部66に取り付けた状態において、ヒートシンク54の開口部分の端部が環状パッキン88に接触する。これにより、ヒートシンク54およびノズル部86は、密閉された空間を有する冷却室70を形成することができる。
【0062】
ノズル部86に形成された吐出部72は、このような冷却室70内の空間に冷却用の気体を吐出する。また、ノズル部86に形成された排気部74は、このような冷却室70内の空間から気体を排気する。吐出部72は、一例として、排気部74によりも、付加回路30により近い位置から気体を吐出する。これにより、吐出部72および排気部74は、付加回路30により熱された気体を効率よく循環させることができる。
【0063】
図8は、本実施形態に係る機能ボード50の下側の面(テストヘッド12側の面)の一例を示す。図9は、本実施形態に係る、ソケットボード34に接続される接続ユニット28および被試験デバイス200の配置の一例を示す。
【0064】
図8に示されるように、機能ボード50の下側の面には、一例として、コネクタ58と、1つの付加回路30と、DC−DC変換回路89とが実装される。コネクタ58は、一例として、複数の同軸の信号線を接続する、LIF(Low Insertion Force)コネクタである。DC−DC変換回路89は、電源装置から供給された直流電圧を昇圧または降圧して被試験デバイス200の電源電圧に変換する。
【0065】
図9に示されるように、ソケットボード34は、一例として、複数個の被試験デバイス200が取り付けられる。本例においては、8個の被試験デバイス200が、ソケットボード34に取り付けられる。また、ソケットボード34には、複数の接続ユニット28が接続される。複数の接続ユニット28は、それぞれ同一構造である。本例においては、8個の被試験デバイス200のそれぞれに対応した、8個の接続ユニット28が接続される。
【0066】
図8および図9に示されるようなソケットボード34および機能ボード50を用いることにより、接続装置14は、1つの付加回路30に対応して複数の被試験デバイス200を装着することができる。これにより、本実施形態に係る試験装置10は、1つの付加回路30により複数の被試験デバイス200を並列して試験をさせることができる。
【0067】
図10は、本実施形態に係る、接続ユニット28および接続ユニット枠40の一例を示す。接続ユニット28は、一例として、複数のピンを樹脂等により一体化した部材である。接続ユニット28は、複数のピンのそれぞれの先端部分が、ソケットボード34側の面および機能ボード50の面のそれぞれから露出している。
【0068】
接続ユニット枠40は、複数の接続ユニット28のそれぞれが配置されるべき位置に、対応する接続ユニット28と略同一形状の開口120が形成されている。複数の接続ユニット28のそれぞれは、開口120に挿入された状態で、ソケットボード34と機能ボード50との間に挟まれて固定される。これにより、複数の接続ユニット28のそれぞれは、ソケットボード34における予め定められた位置に設けられた端子と、機能ボード50における予め定められた位置に設けられた端子との間を電気的に接続することができる。
【0069】
また、接続ユニット28は、一例として、接続ユニット枠40に対して、機能ボード50側の面から挿入される。そして、接続ユニット28は、接続ユニット枠40に挿入された場合において、接続ユニット枠40の一部分に突き当たる係合部122が形成されている。このような接続ユニット枠40および接続ユニット28は、接続ユニット28が接続ユニット枠40に挿入された場合において、突き抜けて外れることを防止することができる。
【0070】
図11は、本実施形態に係る、接続ユニット28の内部構造の一例を示す。接続ユニット28は、複数のピンとして、例えば、電源用ピン90、信号ピン92およびグランドピン94を含む。電源用ピン90、信号ピン92およびグランドピン94のそれぞれは、機能ボード側プローブ102と、ソケットボード側プローブ104と、プローブ接続部106とを含む。
【0071】
機能ボード側プローブ102は、当該接続ユニット28の機能ボード50側の面から外部に露出した金属性プローブである。機能ボード側プローブ102は、ソケットボード34と機能ボード50との間を接続する状態において、機能ボード50の端子パッド98に接触する。
【0072】
ソケットボード側プローブ104は、当該接続ユニット28のソケットボード34側の面から外部に露出した金属性プローブである。ソケットボード側プローブ104は、ソケットボード34と機能ボード50との間を接続する状態において、ソケットボード34の端子パッド100に接触する。
【0073】
プローブ接続部106は、機能ボード側プローブ102を、軸方向に移動可能に保持するとともに、ばね等により外側の方向へ力を加えて保持する。また、プローブ接続部106は、ソケットボード側プローブ104を、軸方向に移動可能に保持するとともに、ばね等により外側の方向へ力を加えて保持する。そして、プローブ接続部106は、機能ボード側プローブ102とソケットボード側プローブ104との間を電気的に接続する。
【0074】
接続ユニット28は、このような電源用ピン90、信号ピン92およびグランドピン94を予め定められた位置に一体化して固定する固定部108を有する。固定部108は、電源用ピン90、信号ピン92およびグランドピン94のそれぞれの、プローブ接続部106における機能ボード50側の端部およびソケットボード34側の端部を保持する。固定部108は、一例として、樹脂であってよい。
【0075】
電源用ピン90は、電源線を接続する。従って、電源用ピン90は、信号ピン92と比較して太い伝送線であることが好ましい。また、電源用ピン90は、プローブ接続部106の周囲が絶縁材料等により被覆されていることが好ましい。また、グランドピン94は、グランド線を接続する。従って、グランドピン94は、信号ピン92と比較して太い伝送線であることが好ましい。
【0076】
以上のような構成の接続ユニット28では、コネクタ等による機械的な固定をせずに、デバイス接続部26と機能拡張部24との間を電気的に接続することができる。
【0077】
図12は、本実施形態に係る、機能ボードフレーム60に対する、機能ボード50、接続ユニット28および接続ユニット枠40の接続例を示す。図13は、本実施形態に係る、機能ボードフレーム60に対する、機能ボード50、接続ユニット枠40、側壁部42、ソケットボード34およびソケット枠38の接続例を示す。
【0078】
図12に示されるように、例えば、接続ユニット28は、接続ユニット枠40に挿入されて機能ボード50に取り付けされる。接続ユニット枠40および接続ユニット28が取り付けられた機能ボード50は、機能ボードフレーム60における対応する位置に取り付けられる。
【0079】
続いて、図13に示されるように、側壁部42、ソケットボード34およびソケット枠38が一体化されたユニットは、接続ユニット枠40および機能ボード50が取り付けられた機能ボードフレーム60に対して、取り付けられる。このように接続装置14によれば、ユニット毎に一体化されるので、製造およびメンテナンスを容易に行うことができる。
【0080】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0081】
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
【符号の説明】
【0082】
10 試験装置、12 テストヘッド、14 接続装置、16 制御装置、18 試験モジュール、22 マザーボード、24 機能拡張部、26 デバイス接続部、28 接続ユニット、30 付加回路、32 チャンバ、34 ソケットボード、36 ソケット、38 ソケット枠、40 接続ユニット枠、42 側壁部、50 機能ボード、54 ヒートシンク、58 コネクタ、60 機能ボードフレーム、62 マザーボードフレーム、64 支持部、66 コネクタガイド部、70 冷却室、72 吐出部、74 排気部、76 流入経路、78 排気経路、80 信号用のケーブル、82 電源用のケーブル、84 サブボード、85 孔部、86 ノズル部、87 基部、88 環状パッキン、89 DC−DC変換回路、90 電源用ピン、92 信号ピン、94 グランドピン、98 端子パッド、100 端子パッド、102 機能ボード側プローブ、104 ソケットボード側プローブ、106 プローブ接続部、108 固定部、120 開口、122 係合部、200 被試験デバイス
【技術分野】
【0001】
本発明は、試験装置および接続装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体デバイスを試験する試験装置が知られている(例えば特許文献1)。半導体デバイスの製造者は、デバイスの高速化および高機能化に伴い、順次に新たな試験装置を導入しなければならない。しかし、新たな試験装置の導入は、デバイスのコストを高くし、既存の試験装置の稼働率を下げてしまう。
【0003】
特許文献1 特開2008−292488号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そこで、既存の試験装置における被試験デバイスが装着されるボード上に、付加回路を追加して設けることにより、高機能化および高速化に対応したデバイスの試験に対応する場合があった。これにより、新たな試験装置の導入を抑制し、既存の試験装置の稼働率を上げることができる。
【0005】
ところで、付加回路は、高速化および高機能化に対応した試験を行うための回路であるので、製造コストが大きくなる。しかし、被試験デバイスが装着されるボードは、被試験デバイスの品種毎に異なる。従って、被試験デバイスが装着されるボード上に付加回路を設けると、ボード毎に付加回路を作成しなければならなく、コストが大きくなる。
【0006】
また、ボード上に付加回路を設ければ、被試験デバイスが装着できる領域が減少する。従って、被試験デバイスが装着されるボードに付加回路を設けると、同時に並行して試験ができる被試験デバイスの数を減少させてしまう。
【0007】
また、被試験デバイスが装着されるボードは、被試験デバイスの取付けおよび取外しにおいてハンドラにより力が加えられる。また、被試験デバイスが装着されるボードは、加速信頼性試験等において、チャンバにより密閉されて被試験デバイスとともに加熱がされる。従って、被試験デバイスが装着されるボード上に設けられた付加回路は、試験において、機械的ストレスおよび熱的ストレスを受け易かった。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明の第1の態様においては、被試験デバイスの種類に応じたソケットボードに接続されて、前記被試験デバイスを試験する試験装置であって、前記被試験デバイスを試験する試験モジュールを内部に有するテストヘッドと、前記テストヘッド内の前記試験モジュールにケーブルを介して接続されると共に、前記ソケットボードに接続される機能ボードと、前記機能ボードに搭載され、前記試験モジュールおよび前記被試験デバイスに接続される付加回路と、を備える試験装置、および、このような試験装置に用いられる接続装置を提供する。
【0009】
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本実施形態に係る試験装置10の構成を被試験デバイス200とともに示す。
【図2】本実施形態に係る接続装置14の構成を、被試験デバイス200およびテストヘッド12とともに示す。
【図3】本実施形態に係る接続装置14の機械的な構造の一例を被試験デバイス200とともに示す。
【図4】本実施形態に係る接続装置14の機械的な構造の一例、および、被試験デバイス200の品種交換に伴い交換される部分を示す線を示す。
【図5】本実施形態に係る接続装置14の部分構造の一例を示す。
【図6】本実施形態に係る、冷却用気体を吐出および排気するための部材の一例を示す。
【図7】本実施形態に係る、冷却用気体を吐出および排気するための部材の接続例を示す。
【図8】本実施形態に係る、機能ボード50の下側の面(テストヘッド12側の面)の一例を示す。
【図9】本実施形態に係る、ソケットボード34に接続される接続ユニット28および被試験デバイス200の配置の一例を示す。
【図10】本実施形態に係る、接続ユニット28および接続ユニット枠40の一例を示す。
【図11】本実施形態に係る、接続ユニット28の構造の一例を示す。
【図12】本実施形態に係る、機能ボードフレーム60に対する、機能ボード50、接続ユニット28および接続ユニット枠40の接続例を示す。
【図13】本実施形態に係る、機能ボードフレーム60に対する、機能ボード50、接続ユニット枠40、側壁部42、ソケットボード34およびソケット枠38の接続例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0012】
図1は、本実施形態に係る試験装置10の構成を被試験デバイス200とともに示す。本実施形態に係る試験装置10は、少なくとも1つの被試験デバイス200を試験する。
【0013】
試験装置10は、テストヘッド12と、接続装置14と、制御装置16とを備える。テストヘッド12は、被試験デバイス200を試験する少なくとも1つの試験モジュール18を内部に有する。試験モジュール18は、対応する被試験デバイス200との間で信号を授受して、対応する被試験デバイス200を試験する。
【0014】
接続装置14は、テストヘッド12上に設けられる。接続装置14は、上面(テストヘッド12が接続された面とは反対の面)側に、被試験デバイス200が装着される。被試験デバイス200は、ハンドラによって接続装置14に対して取り付け及び取り外しがされる。接続装置14は、被試験デバイス200の端子と対応する試験モジュール18の端子との間を電気的に接続する。
【0015】
制御装置16は、一例として、プログラムを実行するコンピュータであって、当該試験装置10の全体を制御する。制御装置16は、プログラムに応じてテストヘッド12内のそれぞれの試験モジュール18と通信して、それぞれの試験モジュール18を制御する。
【0016】
図2は、本実施形態に係る接続装置14の構成を被試験デバイス200およびテストヘッド12とともに示す。接続装置14は、マザーボード22と、機能拡張部24と、デバイス接続部26とを備える。
【0017】
マザーボード22は、テストヘッド12上に設けられる。マザーボード22は、一例として、テストヘッド12内の試験モジュール18と機能拡張部24との間を接続する信号用のケーブル、および、電源装置と機能拡張部24との間を接続する電源用のケーブル等を内部に収納する。
【0018】
機能拡張部24は、マザーボード22上に設けられる。即ち、機能拡張部24は、マザーボード22のテストヘッド12が接続された面とは反対の面に接続される。機能拡張部24は、マザーボード22側の面(即ち、テストヘッド12側の面)にコネクタを有する。コネクタは、マザーボード22内に収納された、試験モジュール18と接続された信号用のケーブルおよび電源装置と接続された電源用のケーブルと接続される。
【0019】
デバイス接続部26は、機能拡張部24上に設けられる。即ち、デバイス接続部26は、機能拡張部24のマザーボード22が接続された面(テストヘッド12側の面)とは反対の面に接続される。デバイス接続部26は、上面(テストヘッド12側とは反対の面)に被試験デバイス200が装着される。デバイス接続部26は、機能拡張部24と、装着された被試験デバイス200との間を電気的に接続する。
【0020】
また、機能拡張部24は、複数の接続ユニット28と、付加回路30を有する。付加回路30は、機能拡張部24における、マザーボード22側の面(即ち、テストヘッド12側の面)に実装される。
【0021】
付加回路30は、テストヘッド12内の試験モジュール18および被試験デバイス200に電気的に接続される。付加回路30は、テストヘッド12内の試験モジュール18からの制御を受けて被試験デバイス200を試験する集積回路デバイスである。付加回路30は、FPGA(Field Programmable Gate Array)であってよい。また、付加回路30は、複数の集積回路デバイスの組であってもよい。
【0022】
付加回路30は、一例として、一の試験モジュール18からの信号に応じて複数の被試験デバイス200と並行して信号のやり取りをする。これにより、付加回路30は、一の試験モジュール18が同時に試験することができる被試験デバイス200の数を増加させることができる。
【0023】
また、付加回路30は、一例として、試験モジュール18から受け取った信号を、受け取った信号より高いクロックの信号に変換して被試験デバイス200に供給する。また、付加回路30は、一例として、被試験デバイス200から受け取った信号を、受け取った信号より低いクロックの信号に変換して試験モジュール18に供給する。これにより、付加回路30は、試験モジュール18が試験可能なデバイスのクロックより高いクロックで動作する被試験デバイス200を試験させることができる。
【0024】
複数の接続ユニット28のそれぞれは、機能拡張部24のマザーボード22とは反対側の面(即ち、テストヘッド12とは反対側の面)に設けられる。デバイス接続部26は、複数の接続ユニット28を介して機能拡張部24と電気的に接続される。接続ユニット28は、デバイス接続部26との間においてコネクタ等による機械的な固定をせずに、デバイス接続部26と機能拡張部24との間を電気的に接続する部材である。接続ユニット28は、一例として、複数のポゴピンを有する部材である。なお、接続ユニット28は、本例においては機能拡張部24の上部に固定して設けられるが、デバイス接続部26側に固定して設けられていてもよいし、機能拡張部24およびデバイス接続部26の両者に固定されていなくてもよい。
【0025】
このような接続装置14は、デバイス接続部26と機能拡張部24との間を機械的に固定しないので、デバイス接続部26を容易に交換させることができる。これにより、付加回路30を有する機能拡張部24は、品種の異なる被試験デバイス200を試験する場合であっても、被試験デバイス200の品種によらず共通に用いることができる。
【0026】
また、このような接続装置14は、機能拡張部24がデバイス接続部26の下側に設けられるので、被試験デバイス200に対して付加回路30を比較的に遠くに配置することができる。これにより、接続装置14は、被試験デバイス200と付加回路30との間を機械的および熱的に遮断することができる。従って、このような接続装置14によれば、被試験デバイス200に加えられる熱および力が付加回路30に伝達されることを抑制することができる。また、接続装置14によれば、付加回路30が発生する熱および付加回路30を冷却するための熱が被試験デバイス200に伝達されることを抑制することができる。
【0027】
また、このような接続装置14は、デバイス接続部26の上面に付加回路30が設けられていない。従って、接続装置14によれば、デバイス接続部26の上面に装着できる被試験デバイス200の数を多くして、同時並行して試験する被試験デバイス200の数を多くすることができる。
【0028】
図3は、本実施形態に係る接続装置14の機械的な構造の一例を被試験デバイス200とともに示す。
【0029】
デバイス接続部26は、ソケットボード34と、ソケット枠38と、側壁部42とを有する。機能拡張部24は、機能ボード50と、接続ユニット28と、接続ユニット枠40と、付加回路30と、ヒートシンク54と、機能ボードフレーム60とを有する。
【0030】
ソケットボード34は、薄板状の基板であり、上面(テストヘッド12とは反対側の面)にソケット36を有する。ソケット36は、ハンドラにより取り付けおよび取り外し可能に被試験デバイス200を保持する。また、ソケットボード34は、下面(ソケット36が設けられる面とは反対側の面)に、複数の接続ユニット28を介して機能ボード50に接続される。このようなソケットボード34は、被試験デバイス200を保持するとともに、下面側の機能ボード50とソケット36に保持している被試験デバイス200との間を電気的に接続する。
【0031】
ソケット枠38は、ソケットボード34の上面におけるソケット36が設けられた部分以外の領域を囲う。ソケット枠38は、一例として、SUSにより形成される。
【0032】
側壁部42は、ソケットボード34と機能ボード50とを接続した状態において、機能ボード50を側面側から囲う。側壁部42は、一例として、PEEK樹脂のような低熱伝導率の材料により形成されている。このような側壁部42は、当該側壁部42の外側の空間と内側の空間との間の熱の伝達を少なくすることができる。
【0033】
複数の接続ユニット28は、機能ボード50の上面(テストヘッド12とは反対側の面)側に設けられる。機能ボード50は、上面が複数の接続ユニット28を介してソケットボード34と電気的に接続される。
【0034】
接続ユニット枠40は、機能ボード50の上面(テストヘッド12とは反対側の面)側に設けられる。接続ユニット枠40は、接続ユニット28の厚さとほぼ同一の厚さの板状であって、複数の開口部を有する。複数の開口部のそれぞれは、複数の接続ユニット28のそれぞれが配置されるべき位置に対応して設けられ、対応する接続ユニット28と略同一の大きさである。このような接続ユニット枠40は、ソケットボード34の下面および機能ボード50の上面のそれぞれにおける予め定められた位置の端子同士を、複数の接続ユニット28により正確に接続させることができる。
【0035】
また、接続ユニット枠40は、一例として、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)樹脂のような低熱伝導率の材料により形成される。このような接続ユニット枠40は、当該接続ユニット枠40より下側と上側との間での熱の伝達を少なくすることができる。また、接続ユニット枠40は、機能ボード50と接触する側の面に、空気を通過させる空間が形成されていてもよい。これにより、接続ユニット枠40は、当該接続ユニット枠40より下側と上側との間での熱の伝達をさらに少なくすることができる。また、接続ユニット枠40は、ハンドラ等により被試験デバイス200に加わる力を吸収して、当該接続ユニット枠40よりも下の部材へ加わる力を小さくすることができる。
【0036】
また、機能ボード50は、下面(テストヘッド12側の面)にコネクタ58を有する。コネクタ58は、テストヘッド12内の試験モジュール18と接続された信号用のケーブル80および電源装置と接続された電源用のケーブル82と接続する。
【0037】
付加回路30は、集積回路デバイスであって、機能ボード50における下面(テストヘッド12側の面)に搭載される。付加回路30は、機能ボード50および信号用のケーブル80を介して、テストヘッド12内の試験モジュール18と接続される。また、付加回路30は、機能ボード50およびソケットボード34を介して被試験デバイス200と接続される。
【0038】
ヒートシンク54は、付加回路30における機能ボード50に実装された面とは反対側の面に設けられる。ヒートシンク54は、一例として、一方のみに底部を有する筒状の金属であり、底部の外側の面が付加回路30に接着される。このようなヒートシンク54は、付加回路30により発せられた熱を放出することができるとともに、筒の内部に略密閉された空間を有する冷却室70を形成することができる。
【0039】
機能ボードフレーム60は、機能ボード50における下面(テストヘッド12側の面)に設けられる。機能ボードフレーム60は、付加回路30およびコネクタ58に対応する位置に開口が設けられた板状である。機能ボードフレーム60は、機能ボード50を保持するとともに、機能ボード50とマザーボード22との間を機械的に接続する。
【0040】
マザーボード22は、マザーボードフレーム62と、支持部64と、コネクタガイド部66とを有する。マザーボードフレーム62は、テストヘッド12上に載置され、当該マザーボード22の内部に設けられる部材を保持する。支持部64は、マザーボードフレーム62上に設けられ、機能拡張部24を支持する。支持部64は、一例として、機能拡張部24の機能ボードフレーム60を下側から支持および固定する。
【0041】
さらに、マザーボード22は、吐出部72と、排気部74と、流入経路76と、排気経路78とを有する。吐出部72は、機能ボード50のテストヘッド12側から気体を機能ボード50に対して吐出して、付加回路30を冷却する。本例においては、吐出部72は、ヒートシンク54により形成された冷却室70内の空間に気体を吐出する。排気部74は、ヒートシンク54により形成された冷却室70内の空間から、気体を排気する。
【0042】
流入経路76は、外部の熱交換器から出力される気体を吐出部72へと送るための経路である。排気経路78は、排気部74から排気された気体を外部の熱交換器へと戻すための経路である。
【0043】
このような吐出部72および排気部74は、ヒートシンク54を介して付加回路30を冷却することができる。また、ヒートシンク54は、密閉した空間を有する冷却室70を形成しているので、冷気が外部に漏れず、効率良く付加回路30を冷却することができる。なお、冷却室70内の空間に循環させる気体は、圧縮されたドライエアであることが好ましい。これにより、低温時において、冷却室70内の空間の結露を防止することができる。
【0044】
また、さらに、マザーボード22は、信号用のケーブル80と、電源用のケーブル82と、サブボード84とを有する。信号用のケーブル80は、テストヘッド12内の試験モジュール18と機能ボード50との間を接続する。信号用のケーブル80は、一例として、同軸ケーブルである。電源用のケーブル82は、例えば外部に設けられた電源装置と、機能ボード50とを接続する。サブボード84は、当該マザーボード22の内部に設けられ、テストヘッド12内の試験モジュール18と機能ボード50との間に設けられる。
【0045】
そして、このような接続装置14は、デバイス試験において、ハンドラ等によってチャンバ32が取り付けられる。チャンバ32は、被試験デバイス200を密閉して、被試験デバイス200の周囲の雰囲気を予め定められた温度および湿度に制御する。これにより、試験装置10は、被試験デバイス200に対して加速信頼性試験等を行うことができる。
【0046】
以上のような、本実施形態に係る接続装置14は、ソケットボード34の下面側に機能ボード50を設け、さらに、機能ボード50におけるテストヘッド12側の面に付加回路30を実装する。これにより、接続装置14によれば、被試験デバイス200に加えられる熱の影響を付加回路30に与えないようにでき、且つ、付加回路30の発熱および付加回路30の冷却熱の影響を被試験デバイス200に与えないようにできる。さらに、接続装置14によれば、被試験デバイス200の取り付けおよび取り外し等において、付加回路30に与えられる機械的なストレスを小さくすることができる。
【0047】
また、接続装置14は、ソケット枠38、接続ユニット枠40および側壁部42等が設けられている。従って、接続装置14によれば、チャンバ32内の空間と付加回路30とを熱的に遮断することができる。
【0048】
また、接続装置14は、ソケットボード34の上面に付加回路30が設けられていない。従って、接続装置14によれば、ソケットボード34の上面に装着できる被試験デバイス200の数を多くして、同時並行して試験する被試験デバイス200の数を多くすることができる。
【0049】
図4は、本実施形態に係る接続装置14の機械的な構造の一例、および、被試験デバイス200の品種交換に伴い交換される部分を示す線を示す。
【0050】
また、接続装置14は、ソケットボード34と機能ボード50との間をコネクタ等により機械的に固定せずに、ソケットボード34と機能ボード50との間を電気的に接続する。従って、接続装置14は、メンテナンス等において、機能ボード50からソケットボード34を容易に取り外すことができる。接続装置14は、一例として、図4の点線A1−A2から上の部分を取り外すことができる。
【0051】
従って、接続装置14は、機能ボード50および付加回路30を、被試験デバイス200の種類によらず共通に用いることができる。このような接続装置14によれば、試験コストを小さくすることができる。
【0052】
図5は、本実施形態に係る接続装置14の部分構造の一例を示す。ソケットボード34は、一例として、平面形状が略正方形の薄板である。なお、ソケットボード34の上には、更に、図5には示していないソケット36およびソケット枠38が設けられる。
【0053】
機能ボード50は、平面形状がソケットボード34と相似形で、ソケットボード34よりもやや小さい薄板である。機能ボード50は、ソケットボード34が接続される面とは反対の面に、ヒートシンク54が取り付けられた付加回路30が実装される。
【0054】
接続ユニット枠40は、機能ボード50とソケットボード34との間に挟まれる。接続ユニット枠40は、機能ボード50と略同一の平面形状を有する板である。接続ユニット枠40は、一例として、機能ボード50およびソケットボード34よりも厚く、平面の予め定められた位置に接続ユニット28が挿入される開口部を有する。また、接続ユニット枠40は、機能ボード50と接する面に溝が形成されており、空気を通過させる。このような接続ユニット枠40は、ソケットボード34と機能ボード50との間の熱の伝達を遮断することができる。
【0055】
側壁部42は、内周形状が機能ボード50および接続ユニット枠40の平面形状と略同一であり、外周形状がソケットボード34の平面形状と略同一の筒である。側壁部42は、機能ボード50および付加回路30と、被試験デバイス200の周囲の雰囲気とを熱的に遮断することができる。
【0056】
機能ボードフレーム60は、機能ボード50およびソケットボード34の組を下側から支持する。図5の例においては、機能ボードフレーム60は、機能ボード50およびソケットボード34を8組分保持する。
【0057】
支持部64は、内部が開口した正方形状の枠組みであって、マザーボード22における上部部分に設けられる。支持部64は、1または複数の機能ボードフレーム60を保持する。図5の例においては、2個の機能ボードフレーム60を保持する。
【0058】
また、支持部64は、内部に、コネクタガイド部66を有する。コネクタガイド部66は、機能ボード50に接続される信号用のケーブル80および電源用のケーブル82を保持する。また、支持部64は、複数の機能ボード50のそれぞれに設けられた付加回路30に対応する位置に、冷却用気体を吐出および排気するための部材が配置される孔部85が形成されている。
【0059】
図6は、本実施形態に係る冷却用気体を吐出および排気するための部材の一例を示す。付加回路30に対して冷却用気体を吐出および排気するための部材は、図6に示されるような、ノズル部86であってよい。ノズル部86は、基部87に、吐出部72および排気部74が形成されている。また、ノズル部86は、基部87の側面に環状パッキン88が取り付けられている。そして、このようなノズル部86は、図5に示された孔部85に取り付けられる。
【0060】
図7は、本実施形態に係る冷却用気体を吐出および排気するための部材の接続例を示す。ノズル部86は、基部87の外周形状が、筒状に形成されたヒートシンク54の開口部分と略同一の形状となっている。
【0061】
そして、機能ボード50が設けられた機能ボードフレーム60をコネクタガイド部66に取り付けた状態において、ヒートシンク54の開口部分の端部が環状パッキン88に接触する。これにより、ヒートシンク54およびノズル部86は、密閉された空間を有する冷却室70を形成することができる。
【0062】
ノズル部86に形成された吐出部72は、このような冷却室70内の空間に冷却用の気体を吐出する。また、ノズル部86に形成された排気部74は、このような冷却室70内の空間から気体を排気する。吐出部72は、一例として、排気部74によりも、付加回路30により近い位置から気体を吐出する。これにより、吐出部72および排気部74は、付加回路30により熱された気体を効率よく循環させることができる。
【0063】
図8は、本実施形態に係る機能ボード50の下側の面(テストヘッド12側の面)の一例を示す。図9は、本実施形態に係る、ソケットボード34に接続される接続ユニット28および被試験デバイス200の配置の一例を示す。
【0064】
図8に示されるように、機能ボード50の下側の面には、一例として、コネクタ58と、1つの付加回路30と、DC−DC変換回路89とが実装される。コネクタ58は、一例として、複数の同軸の信号線を接続する、LIF(Low Insertion Force)コネクタである。DC−DC変換回路89は、電源装置から供給された直流電圧を昇圧または降圧して被試験デバイス200の電源電圧に変換する。
【0065】
図9に示されるように、ソケットボード34は、一例として、複数個の被試験デバイス200が取り付けられる。本例においては、8個の被試験デバイス200が、ソケットボード34に取り付けられる。また、ソケットボード34には、複数の接続ユニット28が接続される。複数の接続ユニット28は、それぞれ同一構造である。本例においては、8個の被試験デバイス200のそれぞれに対応した、8個の接続ユニット28が接続される。
【0066】
図8および図9に示されるようなソケットボード34および機能ボード50を用いることにより、接続装置14は、1つの付加回路30に対応して複数の被試験デバイス200を装着することができる。これにより、本実施形態に係る試験装置10は、1つの付加回路30により複数の被試験デバイス200を並列して試験をさせることができる。
【0067】
図10は、本実施形態に係る、接続ユニット28および接続ユニット枠40の一例を示す。接続ユニット28は、一例として、複数のピンを樹脂等により一体化した部材である。接続ユニット28は、複数のピンのそれぞれの先端部分が、ソケットボード34側の面および機能ボード50の面のそれぞれから露出している。
【0068】
接続ユニット枠40は、複数の接続ユニット28のそれぞれが配置されるべき位置に、対応する接続ユニット28と略同一形状の開口120が形成されている。複数の接続ユニット28のそれぞれは、開口120に挿入された状態で、ソケットボード34と機能ボード50との間に挟まれて固定される。これにより、複数の接続ユニット28のそれぞれは、ソケットボード34における予め定められた位置に設けられた端子と、機能ボード50における予め定められた位置に設けられた端子との間を電気的に接続することができる。
【0069】
また、接続ユニット28は、一例として、接続ユニット枠40に対して、機能ボード50側の面から挿入される。そして、接続ユニット28は、接続ユニット枠40に挿入された場合において、接続ユニット枠40の一部分に突き当たる係合部122が形成されている。このような接続ユニット枠40および接続ユニット28は、接続ユニット28が接続ユニット枠40に挿入された場合において、突き抜けて外れることを防止することができる。
【0070】
図11は、本実施形態に係る、接続ユニット28の内部構造の一例を示す。接続ユニット28は、複数のピンとして、例えば、電源用ピン90、信号ピン92およびグランドピン94を含む。電源用ピン90、信号ピン92およびグランドピン94のそれぞれは、機能ボード側プローブ102と、ソケットボード側プローブ104と、プローブ接続部106とを含む。
【0071】
機能ボード側プローブ102は、当該接続ユニット28の機能ボード50側の面から外部に露出した金属性プローブである。機能ボード側プローブ102は、ソケットボード34と機能ボード50との間を接続する状態において、機能ボード50の端子パッド98に接触する。
【0072】
ソケットボード側プローブ104は、当該接続ユニット28のソケットボード34側の面から外部に露出した金属性プローブである。ソケットボード側プローブ104は、ソケットボード34と機能ボード50との間を接続する状態において、ソケットボード34の端子パッド100に接触する。
【0073】
プローブ接続部106は、機能ボード側プローブ102を、軸方向に移動可能に保持するとともに、ばね等により外側の方向へ力を加えて保持する。また、プローブ接続部106は、ソケットボード側プローブ104を、軸方向に移動可能に保持するとともに、ばね等により外側の方向へ力を加えて保持する。そして、プローブ接続部106は、機能ボード側プローブ102とソケットボード側プローブ104との間を電気的に接続する。
【0074】
接続ユニット28は、このような電源用ピン90、信号ピン92およびグランドピン94を予め定められた位置に一体化して固定する固定部108を有する。固定部108は、電源用ピン90、信号ピン92およびグランドピン94のそれぞれの、プローブ接続部106における機能ボード50側の端部およびソケットボード34側の端部を保持する。固定部108は、一例として、樹脂であってよい。
【0075】
電源用ピン90は、電源線を接続する。従って、電源用ピン90は、信号ピン92と比較して太い伝送線であることが好ましい。また、電源用ピン90は、プローブ接続部106の周囲が絶縁材料等により被覆されていることが好ましい。また、グランドピン94は、グランド線を接続する。従って、グランドピン94は、信号ピン92と比較して太い伝送線であることが好ましい。
【0076】
以上のような構成の接続ユニット28では、コネクタ等による機械的な固定をせずに、デバイス接続部26と機能拡張部24との間を電気的に接続することができる。
【0077】
図12は、本実施形態に係る、機能ボードフレーム60に対する、機能ボード50、接続ユニット28および接続ユニット枠40の接続例を示す。図13は、本実施形態に係る、機能ボードフレーム60に対する、機能ボード50、接続ユニット枠40、側壁部42、ソケットボード34およびソケット枠38の接続例を示す。
【0078】
図12に示されるように、例えば、接続ユニット28は、接続ユニット枠40に挿入されて機能ボード50に取り付けされる。接続ユニット枠40および接続ユニット28が取り付けられた機能ボード50は、機能ボードフレーム60における対応する位置に取り付けられる。
【0079】
続いて、図13に示されるように、側壁部42、ソケットボード34およびソケット枠38が一体化されたユニットは、接続ユニット枠40および機能ボード50が取り付けられた機能ボードフレーム60に対して、取り付けられる。このように接続装置14によれば、ユニット毎に一体化されるので、製造およびメンテナンスを容易に行うことができる。
【0080】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0081】
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
【符号の説明】
【0082】
10 試験装置、12 テストヘッド、14 接続装置、16 制御装置、18 試験モジュール、22 マザーボード、24 機能拡張部、26 デバイス接続部、28 接続ユニット、30 付加回路、32 チャンバ、34 ソケットボード、36 ソケット、38 ソケット枠、40 接続ユニット枠、42 側壁部、50 機能ボード、54 ヒートシンク、58 コネクタ、60 機能ボードフレーム、62 マザーボードフレーム、64 支持部、66 コネクタガイド部、70 冷却室、72 吐出部、74 排気部、76 流入経路、78 排気経路、80 信号用のケーブル、82 電源用のケーブル、84 サブボード、85 孔部、86 ノズル部、87 基部、88 環状パッキン、89 DC−DC変換回路、90 電源用ピン、92 信号ピン、94 グランドピン、98 端子パッド、100 端子パッド、102 機能ボード側プローブ、104 ソケットボード側プローブ、106 プローブ接続部、108 固定部、120 開口、122 係合部、200 被試験デバイス
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被試験デバイスの種類に応じたソケットボードに接続されて、前記被試験デバイスを試験する試験装置であって、
前記被試験デバイスを試験する試験モジュールを内部に有するテストヘッドと、
前記テストヘッド内の前記試験モジュールにケーブルを介して接続されると共に、前記ソケットボードに接続される機能ボードと、
前記機能ボードに搭載され、前記試験モジュールおよび前記被試験デバイスに接続される付加回路と、
を備える試験装置。
【請求項2】
前記付加回路は、前記試験モジュールおよび前記被試験デバイスに接続されて、前記試験モジュールからの制御を受けて前記被試験デバイスを試験する集積回路デバイスである請求項1に記載の試験装置。
【請求項3】
前記機能ボードは、前記試験モジュールとの間の前記ケーブルを接続するコネクタを前記テストヘッド側の面に有し、前記テストヘッドと反対側の面が前記ソケットボードに接続され、
前記付加回路は、前記機能ボードの前記テストヘッド側の面に搭載される
請求項1または2に記載の試験装置。
【請求項4】
前記機能ボードおよび前記付加回路は、前記被試験デバイスの種類によらず共通に用いられる請求項1から3のいずれかに記載の試験装置。
【請求項5】
前記機能ボードの前記テストヘッド側から気体を吐出して前記付加回路を冷却する吐出部を更に備える請求項3または4に記載の試験装置。
【請求項6】
前記付加回路上に密閉した空間を有する冷却室と、
前記冷却室内の空間から気体を排気する排気部と、
を更に備え、
前記吐出部は、前記冷却室内の空間に前記気体を吐出する
請求項5に記載の試験装置。
【請求項7】
前記機能ボードの前記テストヘッド側の面に設けられ、前記付加回路および前記コネクタの位置に開口を有する機能ボードフレームと、
前記付加回路を前記機能ボードの側面側から囲う側壁部と、
を備える請求項6に記載の試験装置。
【請求項8】
前記機能ボードおよび前記ソケットボードの間に挿入され、前記機能ボードの端子および前記ソケットボードの端子の間を電気的に接続する接続ユニットを更に備える請求項1から7のいずれかに記載の試験装置。
【請求項9】
前記接続ユニットは、前記機能ボードの複数の端子と前記ソケットボードの複数の端子との間を電気的に接続し、
前記機能ボードおよび前記ソケットボードは、同一構造の複数の前記接続ユニットにより接続される請求項8に記載の試験装置。
【請求項10】
前記機能ボードおよび前記ソケットボードの間に挟まれる、前記複数の接続ユニットのそれぞれが配置されるべき位置に設けられた開口部を有する接続ユニット枠を更に備える請求項9に記載の試験装置。
【請求項11】
前記接続ユニットは、前記接続ユニット枠に挿入された場合において、前記接続ユニット枠の一部分と係合する係合部が形成される請求項10に記載の試験装置。
【請求項12】
被試験デバイスを試験する試験モジュールを内部に有するテストヘッドに載置される接続装置であって、
前記テストヘッド内の前記試験モジュールにケーブルを介して接続されると共に、前記被試験デバイスの種類に応じたソケットボードに接続される機能ボードと、
前記機能ボードに搭載され、前記試験モジュールおよび前記被試験デバイスに接続される付加回路と、
を備える接続装置。
【請求項13】
前記機能ボードの前記テストヘッド側の面に設けられ、前記付加回路および、前記試験モジュールとの間の前記ケーブルを接続するコネクタの位置に開口を有する機能ボードフレームと、
前記付加回路を前記機能ボードの側面側から囲う側壁部と、
を更に備える請求項12に記載の接続装置。
【請求項1】
被試験デバイスの種類に応じたソケットボードに接続されて、前記被試験デバイスを試験する試験装置であって、
前記被試験デバイスを試験する試験モジュールを内部に有するテストヘッドと、
前記テストヘッド内の前記試験モジュールにケーブルを介して接続されると共に、前記ソケットボードに接続される機能ボードと、
前記機能ボードに搭載され、前記試験モジュールおよび前記被試験デバイスに接続される付加回路と、
を備える試験装置。
【請求項2】
前記付加回路は、前記試験モジュールおよび前記被試験デバイスに接続されて、前記試験モジュールからの制御を受けて前記被試験デバイスを試験する集積回路デバイスである請求項1に記載の試験装置。
【請求項3】
前記機能ボードは、前記試験モジュールとの間の前記ケーブルを接続するコネクタを前記テストヘッド側の面に有し、前記テストヘッドと反対側の面が前記ソケットボードに接続され、
前記付加回路は、前記機能ボードの前記テストヘッド側の面に搭載される
請求項1または2に記載の試験装置。
【請求項4】
前記機能ボードおよび前記付加回路は、前記被試験デバイスの種類によらず共通に用いられる請求項1から3のいずれかに記載の試験装置。
【請求項5】
前記機能ボードの前記テストヘッド側から気体を吐出して前記付加回路を冷却する吐出部を更に備える請求項3または4に記載の試験装置。
【請求項6】
前記付加回路上に密閉した空間を有する冷却室と、
前記冷却室内の空間から気体を排気する排気部と、
を更に備え、
前記吐出部は、前記冷却室内の空間に前記気体を吐出する
請求項5に記載の試験装置。
【請求項7】
前記機能ボードの前記テストヘッド側の面に設けられ、前記付加回路および前記コネクタの位置に開口を有する機能ボードフレームと、
前記付加回路を前記機能ボードの側面側から囲う側壁部と、
を備える請求項6に記載の試験装置。
【請求項8】
前記機能ボードおよび前記ソケットボードの間に挿入され、前記機能ボードの端子および前記ソケットボードの端子の間を電気的に接続する接続ユニットを更に備える請求項1から7のいずれかに記載の試験装置。
【請求項9】
前記接続ユニットは、前記機能ボードの複数の端子と前記ソケットボードの複数の端子との間を電気的に接続し、
前記機能ボードおよび前記ソケットボードは、同一構造の複数の前記接続ユニットにより接続される請求項8に記載の試験装置。
【請求項10】
前記機能ボードおよび前記ソケットボードの間に挟まれる、前記複数の接続ユニットのそれぞれが配置されるべき位置に設けられた開口部を有する接続ユニット枠を更に備える請求項9に記載の試験装置。
【請求項11】
前記接続ユニットは、前記接続ユニット枠に挿入された場合において、前記接続ユニット枠の一部分と係合する係合部が形成される請求項10に記載の試験装置。
【請求項12】
被試験デバイスを試験する試験モジュールを内部に有するテストヘッドに載置される接続装置であって、
前記テストヘッド内の前記試験モジュールにケーブルを介して接続されると共に、前記被試験デバイスの種類に応じたソケットボードに接続される機能ボードと、
前記機能ボードに搭載され、前記試験モジュールおよび前記被試験デバイスに接続される付加回路と、
を備える接続装置。
【請求項13】
前記機能ボードの前記テストヘッド側の面に設けられ、前記付加回路および、前記試験モジュールとの間の前記ケーブルを接続するコネクタの位置に開口を有する機能ボードフレームと、
前記付加回路を前記機能ボードの側面側から囲う側壁部と、
を更に備える請求項12に記載の接続装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図7】
【図8】
【図9】
【図11】
【図5】
【図6】
【図10】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図7】
【図8】
【図9】
【図11】
【図5】
【図6】
【図10】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2011−220924(P2011−220924A)
【公開日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−92208(P2010−92208)
【出願日】平成22年4月13日(2010.4.13)
【出願人】(390005175)株式会社アドバンテスト (1,005)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年4月13日(2010.4.13)
【出願人】(390005175)株式会社アドバンテスト (1,005)
【Fターム(参考)】
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