説明

詰め替え容器

【課題】詰め替え作業時に内容物が零れるのを抑制すること。
【解決手段】内容物が収容される容器本体2と、容器本体2の口部3に破断可能な弱化部4を介して連設された蓋体5と、を備え、口部3には、表裏面が容器軸O方向および径方向の双方向に延びる固定板部14を備える突出体22が、径方向の外側に向けて突設され、固定板部14の径方向の外側の先端部には、内容物が注入される本容器の注入口の開口周縁部に係合可能な凹欠き部15が形成されている詰め替え容器1を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、詰め替え容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、この種の詰め替え容器として、例えば下記特許文献1に示されるような、内容物が収容される容器本体と、容器本体の口部に破断可能な弱化部を介して連設された蓋体と、を備える構成が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−67705号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前記従来の詰め替え容器では、弱化部が破断され蓋体が離脱された容器本体の口部から内容物を注出する際に、内容物の詰め替え先である本容器の注入口に、口部を安定して位置決めするのが困難であり、口部から注出された内容物が、注入口に注入されず零れてしまうおそれがあった。
【0005】
本発明は、前述した事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、詰め替え作業時に内容物が零れるのを抑制することができる詰め替え容器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するために、本発明は以下の手段を提案している。
本発明に係る詰め替え容器は、内容物が収容される容器本体と、前記容器本体の口部に破断可能な弱化部を介して連設された蓋体と、を備える詰め替え容器であって、前記口部には、表裏面が容器軸方向および径方向の双方向に延びる固定板部を備える突出体が、径方向の外側に向けて突設され、前記固定板部の径方向の外側の先端部には、前記内容物が注入される本容器の注入口の開口周縁部に係合可能な凹欠き部が形成されていることを特徴とする。
【0007】
この発明では、内容物の詰め替え作業時に、弱化部を破断して容器本体の口部から蓋体を離脱させた後、本容器の注入口の開口周縁部に固定板部の凹欠き部を係合させるとともに、固定板部が口部よりも下方に位置するように容器本体を傾け、口部から内容物を注出する。
このように、内容物の詰め替え作業時に、本容器の注入口の開口周縁部に固定板部の凹欠き部を係合させることで、容器本体の口部を注入口に安定して位置決めした状態で、口部から内容物を注出することができる。これにより、口部から注出された内容物を注入口に確実に注入することが可能になり、詰め替え作業時に内容物が零れるのを抑制することができる。
また、固定板部が中実の板部材となっているため、容器本体を本容器に対して傾斜させていっても、固定板部の変形が起こり難く、詰め替え操作を安定して行うことができる。
【0008】
また、前記突出体の上端面は、前記口部の上端縁に径方向の外側から接続されていても良い。
【0009】
この場合、内容物の詰め替え作業時に、固定板部が口部よりも下方に位置するように容器本体を傾けると、口部から注出された内容物が、突出体の上端面に沿って径方向の外側に流通し、突出体の径方向の外側の先端部から本容器の注入口に注入される。
このように、容器本体の口部から注出された内容物を、突出体の先端部から本容器の注入口に注入することができるので、内容物を注入口により確実に注入することが可能になり、詰め替え作業時に内容物が零れるのをより抑制することができる。
【0010】
また、前記突出体の上端部は、下面が前記固定板部の上端面に連結されたガイド板部であっても良い。
【0011】
この場合、突出体の上端部が前記ガイド板部であり、突出体の上端面がガイド板部の上面となっているので、口部から注出された内容物が、ガイド板部の上面に沿って径方向の外側に流通し、ガイド板部の径方向の外側の先端部から本容器の注入口に注入されることとなる。これにより、前述の作用効果を確実に奏功させることができる。
さらに、ガイド板部の下面が固定板部の上端面に連結されているので、固定板部をガイド板部のリブとして作用させてガイド板部の姿勢を安定させることが可能になり、前述の作用効果をより確実に奏功させることができる。
【0012】
また、前記ガイド板部の板幅は、径方向の外側に向かうに従い漸次、狭くなっていても良い。
【0013】
この場合、ガイド板部の板幅が、径方向の外側に向かうに従い漸次、狭くなっているので、ガイド板部の上面に沿って径方向の外側に流通する内容物を、ガイド板部の板幅方向の内側に集束させることができる。これにより、容器本体の口部から注出された内容物を、本容器の注入口により一層確実に注入することが可能になり、詰め替え作業時に内容物が零れるのをより一層抑制することができる。
【0014】
また、前記ガイド板部の上面は、このガイド板部の板幅方向の外側から内側に向かうに従い漸次、下方に向かっていても良い。
【0015】
この場合、ガイド板部の上面が、前記板幅方向の外側から内側に向かうに従い漸次、下方に向かっているので、ガイド板部の上面に沿って径方向の外側に流通する内容物を、前記板幅方向の内側に集束させることができる。これにより、容器本体の口部から注出された内容物を、本容器の注入口により一層確実に注入することが可能になり、詰め替え作業時に内容物が零れるのをより一層抑制することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明に係る詰め替え容器によれば、詰め替え作業時に内容物が零れるのを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の一実施形態に係る詰め替え容器の側面図である。
【図2】図1に示す詰め替え容器の開封状態における上面図である。
【図3】図1に示す詰め替え容器の口部の開封状態における斜視図である。
【図4】図1に示す詰め替え容器の口部の開封状態における正面図である。
【図5】図1に示す詰め替え容器を用いた詰め替え作業を説明する図である。
【図6】図1に示す詰め替え容器を用いた詰め替え作業を説明する図である。
【図7】図1に示す詰め替え容器を用いた詰め替え作業を説明する図である。
【図8】本発明の変形例に係る詰め替え容器の口部の開封状態における正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照し、本発明の一実施形態に係る詰め替え容器を説明する。
図1に示すように、詰め替え容器1は、内容物が収容される容器本体2と、容器本体2の口部3に破断可能な第1弱化部(弱化部)4を介して連設された第1蓋体(蓋体)5と、を備えている。容器本体2は、前記口部3と、有底筒状の胴部6と、胴部6の上端開口部に連設された肩部7と、を備えており、口部3は肩部7に立設された筒状体となっている。
【0019】
なお本実施形態では、口部3、胴部6および肩部7は、それぞれの中心軸線が共通軸上に位置された状態で配設されている。以下、この共通軸を容器軸Oといい、容器軸O方向に沿った口部3側を上側といい、胴部6側を下側といい、容器軸Oに直交する方向を径方向といい、容器軸O回りに周回する方向を周方向という。
【0020】
図2に示すように、容器本体2には、容器本体2の内部と外部とを連通する空気導入孔8が、口部3から独立して形成されている。空気導入孔8は、口部3に近接して配置され肩部7に形成されるとともに、口部3および空気導入孔8は、同一方向(図示の例では上方)に向けて開口している。本実施形態では、肩部7には、上方に向けて膨出する台座部9が形成されており、空気導入孔8は、台座部9を容器軸O方向に貫通するように配設されている。空気導入孔8の上面視形状は、径方向に長い長方形状となっている。
【0021】
また図1に示すように、台座部9の上端縁(容器本体における空気導入孔の開口周縁部)には、空気導入孔8を閉塞する第2蓋体10が、破断可能な第2弱化部11を介して連設されている。
なお以下では、径方向のうち、台座部9が口部3から離間している方向を径方向一方側L1といい、この径方向一方側L1の反対側の方向を径方向他方側L2という。
【0022】
口部3には、径方向一方側L1に向けて張り出す張出部12が形成されている。図1に示すように、張出部12は、口部3の容器軸O方向の全長にわたって延在しており、張出部12の下端部は、台座部9に径方向他方側L2から連結されている。
ここで、第1蓋体5と第2蓋体10とは、連結体18を介して連結されている。連結体18は、容器軸O方向に延在しており、連結体18の上端部は、径方向一方側L1から第1蓋体5に連結されるとともに、連結体18の下端部は、径方向他方側L2から第2蓋体10に連結されている。
【0023】
また連結体18は、破断可能な第3弱化部19を介して容器本体2に連設されている。そして、第1弱化部4と第2弱化部11とは、第3弱化部19を介して連結されている。本実施形態では、連結体18は、口部3の張出部12に第3弱化部19を介して連設され、第3弱化部19の上端部は、第1弱化部4に連結されるとともに、第3弱化部19の下端部は、第2弱化部11に連結されている。
【0024】
図示の例では、第1弱化部4および第2弱化部11の側面視形状は、径方向に沿って延びる直線状となっている。また、第3弱化部19の上端部の側面視形状は、上方から下方に向かうに従い漸次、径方向一方側L1に向かうように湾曲するとともに、径方向一方側L1に向けて突出する凸曲線状となっている。また、第3弱化部19の下端部の側面視形状は、上方から下方に向かうに従い径方向一方側L1に向かうように湾曲するとともに、径方向他方側L2に向けて突出する凸曲線状となっている。
【0025】
また図示の例では、口部3の上端部は、第1弱化部4から下方に離れるに従い漸次、外径が大きくなっており、該上端部の外面は傾斜面となっている。また、台座部9の上端部は、第2弱化部11から下方に離れるに従い漸次、外径が大きくなっており、該上端部の外面は傾斜面とされている。さらに、張出部12において径方向一方側L1に位置する部分は、第3弱化部19から径方向他方側L2に離れるに従い漸次、拡幅しており、該部分の外面は傾斜面とされている。これらの傾斜面は、段差無く滑らかに連なっている。
【0026】
さらに図示の例では、第1蓋体5の下端部は、第1弱化部4から上方に離れるに従い漸次、外径が大きくなっており、該下端部の外面は傾斜面となっている。また、第2蓋体10の下端部は、第2弱化部11から上方に離れるに従い漸次、外径が大きくなっており、該下端部の外面は傾斜面とされている。さらに、連結体18において径方向他方側L2に位置する部分は、第3弱化部19から径方向一方側L1に離れるに従い漸次、拡幅しており、該部分の外面は傾斜面とされている。これらの傾斜面は、段差無く滑らかに連なっている。
【0027】
また第1蓋体5には、上方に向けて摘み片20が突設されている。摘み片20は、径方向他方側L2に向けて斜め上方に突設されている。摘み片20の径方向他方側L2の下端部は、第1蓋体5の下端部に径方向他方側L2から連結されている。また摘み片20には、この摘み片20を貫通する指掛け孔21が形成されている。
【0028】
ここで図3に示すように、口部3には、径方向他方側L2に向けて突出する突出体22が設けられている。突出体22は、表裏面が容器軸O方向および径方向の双方向に延びる固定板部14と、下面が固定板部14の上端面に連結されたガイド板部13と、を備えており、突出体22の上端部は、ガイド板部13となっている。
【0029】
ガイド板部13は、口部3の上端部から径方向に沿って延在しており、ガイド板部13の板幅は、径方向他方側L2に向かうに従い漸次、狭くなっている。また図4に示すように、ガイド板部13の上面(突出体の上端面)13aは、このガイド板部13の板幅方向Wの外側から内側に向かうに従い漸次、下方に向かっている。つまり、ガイド板部13の上面13aは、前記板幅方向Wの中央から両外側に向かうに従い漸次せり上がっており、ガイド板部13の上面13aの前記正面視形状は、下方に向けて窪む凹曲面状となっている。
また図3に示すように、ガイド板部13の上面13aは、口部3の上端縁3aに径方向他方側L2から接続されている。図示の例では、ガイド板部13の上面13aの径方向一方側L1の端縁のうち、前記板幅方向Wの両外端が、口部3の上端縁3aに段差無く連結されている。
【0030】
また図1に示すように、固定板部14の側面視形状は、容器軸O方向に長い長方形状となっており、固定板部14およびガイド板部13の径方向他方側L2の両先端面は面一になっている。
そして本実施形態では、固定板部14の径方向他方側L2の先端部には、この詰め替え容器1内の内容物が注入される本容器50(図7参照)の注入口51の開口周縁部52に係合可能な凹欠き部15が形成されている。凹欠き部15は、径方向他方側L2に向けて開口するとともに、固定板部14の上端縁よりも下方に配設されており、凹欠き部15の側面視形状は、矩形状となっている。
【0031】
また、固定板部14の表裏面それぞれには、容器軸O方向に延在する第1縦リブ16が、径方向に間隔をあけて複数配設されている。
また、口部3の外周面において固定板部14と張出部12との間に位置する部分には、容器軸O方向に延びる第2縦リブ17が、周方向に間隔をあけて複数配設されている。第2縦リブ17は、口部3の剛性向上および滑り止めなどの効果を発揮する。
以上のように構成された詰め替え容器1は、例えばブロー成形等により全体が一体に形成されている。
【0032】
次に前記詰め替え容器1を用いて、内容物の詰め替えを行う方法の一例について説明する。
まず図5に示すように、一方の手の指で固定板部14を摘むとともに、他方の手の指を摘み片20の指掛け孔21に掛けた後、前記他方の手の指を、径方向一方側L1に向けて引く。すると、第1蓋体5のうちの径方向他方側L2に位置する部分に、第1蓋体5を口部3から引き離す力が摘み片20を介して加えられ、第1弱化部4が破断される。その後、この力が、第1蓋体5を介して連結体18に加えられることで第3弱化部19が破断され、さらに、第1蓋体5および連結体18を介して第2蓋体10に前記力が加えられることで第2弱化部11が破断される。これにより、図6に示すように、第1蓋体5、連結体18および第2蓋体10が容器本体2から一体的に離脱されて口部3および空気導入孔8が開放される。なおこのとき、第1弱化部4、第3弱化部19および第2弱化部11は、この順に連続して破断される。
【0033】
その後、図7に示すように、本容器50の注入口51の開口周縁部52に凹欠き部15を係合させるとともに、容器本体2を径方向他方側L2に傾けると、ガイド板部13の径方向他方側L2の先端部が注入口51内に位置した状態で、外気が空気導入孔8から容器本体2内に導入されながら、内容物が口部3から注出される。
【0034】
口部3から注出された内容物は、ガイド板部13の上面13aに沿って径方向他方側L2に向けて流通し、ガイド板部13の先端部から注入口51に注入される。ここで本実施形態では、ガイド板部13の板幅が、径方向他方側L2に向かうに従い漸次、狭くなっているので、ガイド板部13の上面13aに沿って径方向他方側L2に流通する内容物は、前記板幅方向Wの内側に集束しながら流通する。さらに本実施形態では、ガイド板部13の上面13aが、前記板幅方向Wの外側から内側に向かうに従い漸次、下方に向かっているので、前記内容物は、前記板幅方向Wの内側に確実に集束しながら流通する。
【0035】
なお、以上のように口部3から内容物を注出する過程で、詰め替え容器1の前記凹欠き部15と、本容器50の前記開口周縁部52と、の接触部分を起点として本容器50に対する容器本体2の傾斜を漸次大きくすることで、前記凹欠き部15と前記開口周縁部52との係合を解除して本容器50の注入口51内に容器本体2の口部3を挿入した状態で、容器本体2を倒立姿勢にし、詰め替え操作を行っても良い。
【0036】
以上説明したように、本実施形態に係る詰め替え容器1によれば、内容物の詰め替え作業時に、本容器50の注入口51の開口周縁部52に固定板部14の凹欠き部15を係合させることで、容器本体2の口部3を注入口51に安定して位置決めした状態で、口部3から内容物を注出することができる。これにより、口部3から注出された内容物を注入口51に確実に注入することが可能になり、詰め替え作業時に内容物が零れるのを抑制することができる。
また、固定板部14が中実の板部材となっているため、容器本体2を本容器50に対して傾斜させていっても、固定板部14の変形が起こり難く、詰め替え操作を安定して行うことができる。
【0037】
また、容器本体2の口部3から注出された内容物を、ガイド板部13の先端部から本容器50の注入口51に注入することができるので、内容物を注入口51に一層確実に注入することが可能になり、詰め替え作業時に内容物が零れるのをより抑制することができる。
さらに、ガイド板部13の上面13aに沿って径方向他方側L2に流通する内容物を、前記板幅方向Wの内側に集束させることができるので、容器本体2の口部3から注出された内容物をより一層確実に注入口51に注入することが可能になり、詰め替え作業時に内容物が零れるのをより一層抑制することができる。
さらにまた、ガイド板部13の下面が固定板部14の上端面に連結されているので、固定板部14をガイド板部13のリブとして作用させてガイド板部13の姿勢を安定させることが可能になり、前述の作用効果を確実に奏功させることができる。
【0038】
また本実施形態では、内容物の注出時に、容器本体2内に外気を導入しながら内容物を注出することができるので、内容物を効率良く注出することができる。
また、第1蓋体5および第2蓋体10を容器本体2から一体的に離脱させることができるので、これらの蓋体5、10を各別に離脱させる場合に比べて、効率良く離脱させることができる。
以上より、詰め替え作業を効率良く行うことができる。
【0039】
また、空気導入孔8が、口部3から独立して形成されているので、容器本体2内に導入される外気の流路面積、および容器本体2内から注出される内容物の流路面積をそれぞれ安定して確保し易くすることが可能になり、内容物を円滑に注出することができる。
【0040】
また空気導入孔8が、肩部7に形成されているので、空気導入孔8が、内容物が注出される口部3の上端開口部から離れて配置されることとなる。これにより、内容物を注出するために容器本体2を径方向他方側L2に傾けるときに、空気導入孔8から内容物が注出されるのを抑制することができる。
【0041】
また、第1弱化部4と第2弱化部11とが第3弱化部19を介して連結されているので、これらの弱化部4、11、19を連続して破断することが可能になり、第1蓋体5および第2蓋体10を容器本体2から円滑に離脱させることができる。
さらに、固定板部14の表裏面それぞれに、第1縦リブ16が径方向に間隔をあけて複数配設されているので、例えば固定板部14を指等で摘むときに、指が滑りにくく固定板部14を強く摘むことが可能になり、第1蓋体5および第2蓋体10を容器本体2からより円滑に離脱させることができる。
以上のように、第1蓋体5および第2蓋体10を容器本体2から円滑に離脱させることができるので、この詰め替え容器1の開封作業時に、口部3や空気導入孔8から容器本体2内の内容物が零れるのを抑制することができる。
【0042】
なお、本発明の技術的範囲は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、前記実施形態では、ガイド板部13および固定板部14の径方向他方側L2の両先端面が面一になっているが、どちらか一方が他方に対して径方向他方側L2に突出していても良い。
【0043】
また、前記実施形態では、ガイド板部13の上面13aの径方向一方側L1の端縁のうち、前記板幅方向Wの両外端が、口部3の上端縁3aに段差無く連結されているものとしたが、これに限られない。例えば、ガイド板部13の上面13aの径方向一方側L1の端縁が、全長にわたって口部3の上端縁3aに段差無く連結され、ガイド板部13の上面13aが、口部3の上端縁3aに径方向他方側L2から前記板幅方向Wの全長にわたって接続されていても良い。この場合、例えば、ガイド板部13の上面13aが、径方向一方側L1に向かうに従い漸次せりあがった構成であっても良く、口部3の上端縁3aが、ガイド板部13aの上面13aの形状に合わせて下方に向けて窪んだ構成であっても良い。
【0044】
また、前記実施形態に示した詰め替え容器1に代えて、図8に示すような詰め替え容器30を採用しても良い。
図8に示すように、この詰め替え容器30では、ガイド板部31の上面31aは、容器軸Oに直交する直交面と平行な平坦面となっている。そして、ガイド板部31の上面31aは、口部3の上端縁3aに径方向他方側L2から前記板幅方向Wの全長にわたって接続されている。
【0045】
また前記実施形態では、ガイド板部13、31の板幅が、径方向他方側L2に向かうに従い漸次、狭くなるものとしたが、これに限られない。
さらにガイド板部13、31は、口部3から全周にわたって径方向の外側に向けて突出する環状であってもよい。この場合、ガイド板部13のうち、固定板部14の上端面に連結される部分(径方向他方側L2に位置する部分)が、他の部分に比べて径方向他方側L2に突出していることが好ましい。
【0046】
また、前記実施形態では、突出体22は、ガイド板部13、31を備えているものとしたが、ガイド板部13、31を備えていなくても良い。この場合、固定板部14の上端面(突出体の上端面)が、口部3の上端縁3aに径方向他方側L2から接続されていても良い。
この構成によれば、内容物の詰め替え作業時に、容器本体2を径方向他方側L2に傾けると、口部3から注出された内容物が、固定板部14の上端面に沿って径方向他方側L2に流通し、固定板部14の先端部から本容器50の注入口51に注入される。
このように、容器本体2の口部3から注出された内容物を固定板部14の先端部から本容器50の注入口51に注入することができるので、内容物を注入口51により確実に注入することが可能になり、詰め替え作業時に内容物が零れるのをより抑制することができる。
なお、このように突出体22がガイド板部13、31を備えていない構成であっても、固定板部14の上端面が、口部3の上端縁3aに径方向他方側L2から接続されていなくても良い。
【0047】
また前記実施形態では、固定板部14には第1縦リブ16が配設されているものとしたが、第1縦リブ16は無くても良い。さらに前記実施形態では、凹欠き部15の側面視形状が矩形状となっているものとしたが、これに限られるものではない。
【0048】
また前記実施形態では、口部3には第2縦リブ17が設けられているものとしたが、第2縦リブ17は無くても良い。
さらに前記実施形態では、口部3の上端部は、傾斜面となっているものとしたが、これに限られない。例えば、口部3の上端面が、容器軸Oに直交する直交面と平行な平坦面となっていても良い。
【0049】
また前記実施形態では、摘み片20が、第1蓋体5に設けられているものとしたが、これに限られるものではなく、連結体18や第2蓋体10に設けられていても良い。さらに、摘み片20には指掛け孔21が形成されているものとしたが、指掛け孔21は無くても良い。さらに、摘み片20は無くても良い。
【0050】
また前記実施形態では、空気導入孔8は、台座部9に形成されているものとしたが、これに限られるものではなく、台座部9はなくても良い。また、口部3の張出部12も無くても良く、第3弱化部19も無くても良く、連結体18も無くても良い。
さらに前記実施形態では、空気導入孔8が形成されていているものとしたが、無くても良い。
【0051】
その他、本発明の趣旨に逸脱しない範囲で、前記実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、前記した変形例を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0052】
1、30 容器
2 容器本体
3 口部
3a 上端縁
4 第1弱化部(弱化部)
5 第1蓋体(蓋体)
13、31 ガイド板部
13a、31a ガイド板部の上面(突出体の上端面)
14 固定板部
15 凹欠き部
22 突出体
50 本容器
51 注入口
52 開口周縁部
O 容器軸
W 板幅方向

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内容物が収容される容器本体と、
前記容器本体の口部に破断可能な弱化部を介して連設された蓋体と、を備える詰め替え容器であって、
前記口部には、表裏面が容器軸方向および径方向の双方向に延びる固定板部を備える突出体が、径方向の外側に向けて突設され、
前記固定板部の径方向の外側の先端部には、前記内容物が注入される本容器の注入口の開口周縁部に係合可能な凹欠き部が形成されていることを特徴とする詰め替え容器。
【請求項2】
請求項1記載の詰め替え容器であって、
前記突出体の上端面は、前記口部の上端縁に径方向の外側から接続されていることを特徴とする詰め替え容器。
【請求項3】
請求項2記載の詰め替え容器であって、
前記突出体の上端部は、下面が前記固定板部の上端面に連結されたガイド板部であることを特徴とする詰め替え容器。
【請求項4】
請求項3記載の詰め替え容器であって、
前記ガイド板部の板幅は、径方向の外側に向かうに従い漸次、狭くなっていることを特徴とする詰め替え容器。
【請求項5】
請求項3または4に記載の詰め替え容器であって、
前記ガイド板部の上面は、このガイド板部の板幅方向の外側から内側に向かうに従い漸次、下方に向かっていることを特徴とする詰め替え容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−230826(P2011−230826A)
【公開日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−105222(P2010−105222)
【出願日】平成22年4月30日(2010.4.30)
【出願人】(000006909)株式会社吉野工業所 (2,913)
【Fターム(参考)】