説明

詰綿および繊維製品

【課題】優れた嵩性および保温性を有し、かつ詰綿に付着した剤の機能が発現しやすい詰綿、および該詰綿を用いてなる繊維製品を提供する。
【解決手段】繊維軸に対して直交する断面が、中空であるコアー部と該コアー部の外表面から放射状に突出するフィン部とを有する中空繊維を用いて詰綿を構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、優れた嵩性および保温性を有し、かつ詰綿に付着した剤の機能が発現しやすい詰綿、および該詰綿を用いてなる繊維製品に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ふとん、まくら、ぬいぐるみ、衣料、およびクッション構造体などの分野で詰綿が使用されている。そして、詰綿の保温性を高めるため中空繊維が用いられている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。しかしながら、従来の中空繊維を用いた詰綿では、嵩性および保温性の点でまだ十分とはいえなかった。
【0003】
また、詰綿にソフト性や抗菌性を付加するため、詰綿を構成する繊維にシリコーンや油剤等を付与することが提案されているが、繊維に付着したシリコーンや油剤が容易に脱落してしまい、耐久性が十分とはいえず、機能が発現されにくかった。(例えば、特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平4−327880号公報
【特許文献2】特開2007−125153号公報
【特許文献3】特開2002−142940号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は上記の背景に鑑みなされたものであり、その目的は、優れた嵩性および保温性を有し、かつ詰綿に付着した剤の機能が発現しやすい詰綿、および該詰綿を用いてなる繊維製品を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは上記の課題を達成するため鋭意検討した結果、放射状に突出するフィン部を有する中空繊維で詰綿を構成すると、単糸繊維中だけでなく単糸繊維間にも空隙ができるため嵩性および保温性がさらに向上し、しかもかかるフィンにより繊維表面積が大きくなる効果により、繊維に付着した剤の効果が発現しやすいことを見出し、さらに鋭意検討を重ねることにより本発明を完成するに至った。
【0007】
かくして、本発明によれば「中空繊維を含む詰綿であって、前記中空繊維において、繊維軸に対して直交する断面が、中空であるコアー部と該コアー部の外表面から放射状に突出するフィン部とを有することを特徴とする詰綿。」が提供される。
その際、前記フィン部の個数が3枚以上であることが好ましい。また、前記コアー部において、中空部が四角形であることが好ましい。また、前記中空繊維の繊維軸に対して直交する断面において、下記式で示す中空率が30%以上であることが好ましい。
中空率(%)=(1−(A/B))×100
A;単糸繊維軸に直交する断面面積
B;単糸繊維横断面最外周面積
【0008】
また、詰綿を構成する繊維を束ねた状態での下記式で示す空隙率が40%以上であることが好ましい。
空隙率(%)=(1−(NA/C))×100
A;単糸繊維軸に直交する断面面積
C;繊維を束ねた状態での横断面最外周面積
N;繊維を束ねた状態に含まれる単糸数
【0009】
また、前記中空繊維がポリエステル系ポリマーからなる短繊維であることが好ましい。また、前記中空繊維に捲縮が付与されていることが好ましい。また、前記中空繊維に、シリコーン樹脂、油剤、抗菌剤、防虫剤、撥水剤、吸湿剤、制電剤、難燃剤、マイナスイオン発生剤および消臭剤からなる群より選択される少なくとも1種が付着していることが好ましい。
また、本発明によれば、前記の詰綿を含む、ふとん、まくら、ぬいぐるみ、衣料、およびクッション構造体からなる群より選択されるいずれかの繊維製品が提供される。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、優れた嵩性および保温性を有し、かつ詰綿に付着した剤の機能が発現しやすい詰綿、および該詰綿を用いてなる繊維製品が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明で用いることのできる中空繊維(単糸繊維)の、繊維軸に直交する断面の模式図である。
【図2】本発明で用いることのできる中空繊維(単糸繊維)を束ねた状態の、繊維軸に直交する断面の模式図である。
【図3】本発明で用いることのできる中空繊維を製造する紡糸口金での吐出孔の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
まず、本発明の詰綿に含まれる中空繊維において、繊維軸に対して直交する断面が、中空であるコアー部と該コアー部の外表面から放射状に突出するフィン部とを有することが肝要である。前記中空繊維において、繊維軸に対して直交する断面が、中空であるコアー部と、該コアー部の外表面から放射状に突出するフィン部とを有するので、単繊維内および単繊維間に形成される空隙により、優れた嵩性および保温性を有し、かつ詰綿に付着した剤の機能が発現しやすい詰綿が得られる。
【0013】
ここで、前記コアー部は中空であることが肝要であり、中実の場合は優れた嵩性および保温性が得られず好ましくない。また、かかるコアー部の形状としては、図1に示すような四角中空だけでなく、丸中空、三角中空、多角形中空などいずれでもよい。なかでも、紡糸の際に中空割れや貼り合せ不良を防止する上で四角中空が特に好ましい。
【0014】
前記コアー部において、コアー部長径DAと中空部長径DBとの比DB/DAの値としては、優れた保温性を得る上で0.4以上であることが好ましい。
なお、前記コアー部において、中空割れが発生していてもよいが、優れた嵩性および保温性を得る上で中空割れが発生していないことが好ましい。
【0015】
次に、かかるコアー部の外表面から放射状に突出するフィン部の個数は特に限定されないが、優れた嵩性および保温性を有し、かつ詰綿に付着した剤が脱落しにくい詰綿を得る上で、3枚以上(より好ましくは4枚以上、さらに好ましくは6〜12枚、特に好ましくは8〜10枚)であることが好ましい。該フィン部の個数が3枚未満の場合、単繊維間に形成される空隙が小さくなり、優れた嵩性および保温性が得られないおそれがある。
【0016】
かかるフィン部の長さLAとしては、コアー部長径DAとの比LA/DAが0.2以上(より好ましくは0.3〜1.0)となる長さであると、優れた嵩性および保温性が得られやすく好ましい。
また、かかるフィン部は、繊維の長さ方向(繊維軸方向)に延在していると、優れた嵩性および保温性が得られやすく好ましい。
【0017】
前記中空繊維において、繊維軸に対して直交する断面の外周部分を線(図1の破線部分)で結びその内面積(単糸繊維横断面最外周面積)を面積B、単糸繊維軸に直交する断面面積(ポリマー部面積)をAとするとき、下記式で定義する中空率(%)が30%以上(より好ましくは30〜60%)であることが優れた保温性を得る上で好ましい。
中空率(%)=(1−(A/B))×100
A;単糸繊維軸に直交する断面面積(ポリマー部面積)
B;単糸繊維横断面最外周面積
【0018】
また、詰綿を構成する繊維を束ねた状態での下記式で示す空隙率が40%以上(より好ましくは40〜70%)であると、優れた保温性が得られやすく好ましい。
空隙率(%)=(1−(NA/C))×100
A;単糸繊維軸に直交する断面面積(ポリマー部面積)
C;繊維を束ねた状態での横断面最外周面積
N;繊維を束ねた状態に含まれる単糸数
【0019】
前記中空繊維において、単繊維繊度は特に限定されないが、優れた嵩性および保温性を得る上で5.0dtex以下(より好ましくは0.1〜4.0dtex)であることが好ましい。
【0020】
また、前記中空繊維において、繊維の形態としては、長繊維でもよいが、繊維長3〜100mm(より好ましくは3〜30mm)の短繊維であると優れた嵩性および保温性が得られ好ましい。また、中空繊維に捲縮が付与されていると、詰綿の嵩性および保温性がさらに向上し好ましい。その際、捲縮付与方法としては、熱収縮率の異なるポリマーをサイドバイサイド型に張り合わせた複合繊維を用いてスパイラル状捲縮を付与、異方冷却によりスパイラル状捲縮を付与、捲縮数が3〜40個/2.54cm(好ましくは7〜15個/2.54cm)となるように通常の押し込みクリンパー方式による機械捲縮を付与など、種々の方法を用いればよいが、嵩高性、製造コスト等の面から機械捲縮を付与するのが最適である。
【0021】
前記中空繊維を形成するポリマーの種類としては特に限定されず、ポリエステル、ポリアミド、ポリオレフィンなどの通常の繊維形成性ポリマーなどでよい。なかでも、ポリエチレンテレフタレートやポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ乳酸、ステレオコンプレックスポリ乳酸などのポリエステルや、第3成分を共重合させた共重合ポリエステルなどが好ましく例示される。かかるポリエステルとしては、マテリアルリサイクルまたはケミカルリサイクルされたポリエステルや、特開2009−01694号公報に記載された、バイオマスすなわち生物由来の物質を原材料として得られたモノマー成分を使用してなるポリエチレンテレフタレートであってもよい。なかでも、ポリトリメチレンテレフタレートがソフト性の点で特に好ましい。さらには、特開2004−270097号公報や特開2004−211268号公報に記載されているような、特定のリン化合物およびチタン化合物を含む触媒を用いて得られたポリエステルでもよい。該ポリマー中には、本発明の目的を損なわない範囲内で必要に応じて、微細孔形成剤、カチオン染料可染剤、着色防止剤、熱安定剤、蛍光増白剤、艶消し剤、着色剤、吸湿剤、無機微粒子が1種または2種以上含まれていてもよい。
【0022】
また、前記中空繊維において、シリコーン樹脂、油剤、抗菌剤、防虫剤、撥水剤、吸湿剤、制電剤、難燃剤、マイナスイオン発生剤および消臭剤からなる群より選択される1種以上の剤が繊維表面に付着していると、フィンにより繊維表面積が大きくなる効果により、これらの剤の機能を発現しやすくすることができ好ましい。なお、前記油剤には、脂肪酸エステル、多価アルコールエステル、エーテルエステル、ポリエーテル、シリコーン、鉱物油などの平滑剤や帯電防止剤、界面活性剤、集束剤、防錆剤、防腐剤、酸化防止剤を加えてもよい。特にシリコーンを含有する油剤が好ましい。
【0023】
前記中空繊維は、例えば、固有粘度(オルソクロロフェノールを溶媒として使用し35℃で測定)0.55〜0.80のポリエステルポリマーを用いて、例えば図3に模式的に示す吐出形状を有する口金を用いて常法により紡糸、延伸した後、必要に応じて油剤を付与し、次いで、必要に応じて押し込みクリンパーで捲縮を付与し、必要に応じて所定の繊維長に切断することにより得られる。ここで、前記のような剤を中空繊維に付与する方法としては、油剤に混ぜて繊維に付与してもよいし、油剤とは別に付与してもよいし、所定の繊維長に切断した後付与してもよい。
【0024】
本発明の詰綿は前記の中空繊維のみで構成することが最も好ましいが、前記の中空繊維と、セルロース系短繊維、丸中空ポリエステル短繊維、丸中実ポリエステル短繊維、異型ポリエステル短繊維などとを混ぜて構成してもよい。その際、前記の中空繊維が詰綿全重量対比30重量%以上含まれることが好ましい。
【0025】
本発明の詰綿は、前記の中空繊維を含んでいるので、単糸繊維中だけでなく単糸繊維間にも空隙ができるため嵩性および保温性がさらに向上し、しかもかかるフィン部の効果により、繊維に付着した剤の機能が発現しやすくなる。
【0026】
次に、本発明の繊維製品は、前記の詰綿を含む、ふとん、まくら、ぬいぐるみ、衣料、およびクッション構造体からなる群より選択されるいずれかの繊維製品である。通常、これらの繊維製品は前記詰綿と側地とで構成される。その際、側地を構成する布帛としては、前記のようなポリエステルや綿などからなる繊維で構成された通常の織編物でよい。
本発明の繊維製品は、前記の詰綿を含んでいるので、優れた嵩性および保温性を有し、かつ繊維に付着した剤の機能が発現しやすくなる。
【実施例】
【0027】
次に本発明の実施例及び比較例を詳述するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。なお、実施例中の各測定項目は下記の方法で測定した。
【0028】
<中空率>
中空率(%)=(1−(A/B))×100
A;単糸繊維軸に直交する断面面積
B;単糸繊維横断面最外周面積
【0029】
<繊維を束ねた状態での空隙率>
空隙率(%)=(1−(NA/C))×100
A;単糸繊維軸に直交する断面面積
C;繊維を束ねた状態での横断面最外周面積
N;繊維を束ねた状態に含まれる単糸数
【0030】
<消臭性>
アンモニアガス検知管法
ガス量:3L
放置時間:12時間
試料:1g
調湿:65%×20℃×24時間以上
物質:アンモニア
濃度:40ppm
検知管:ガステック(株) No.3L(測定範囲0.5〜78ppm・検出下限0.2ppm)
消臭性(%)=((空試験―測定値)/空試験)×100
【0031】
<嵩性>
詰綿を14.1cm×14.1cmの大きさでカットし、重量が20gとなるように試験サンプルを作製した。次いで、該サンプルに0.5g/cm2の荷重板を載せ、おもり2kgを30秒間載せ次にこのおもり2kgを除き30秒間放置した。この操作を3回繰返しおもり2kgを除いて30秒間放置後、4隅の高さを測定して平均値を求め下記式により嵩性(cm/g)を算出した。嵩性が85cm/g以上であれば良好とする。
嵩性(cm/g)=(14.1×14.1×h/10)/W
h:サンプルの4隅の高さの平均値(mm)
W:サンプルの質量(g)
【0032】
<保温性>
ASTM D−1518−57Tにより放熱量を測定し、下記式により保温性(%)を算出した。保温性が75%以上であれば良好とする。
保温性(%)=(1−((発熱体に試験片を取り付けたときの放熱量(W/h)/(発熱体の空試験の放熱量(W/h)))×100
【0033】
[実施例1]
固有粘度が0.85、融点225℃のポリトリメチレンテレフタレートを溶融し、図3に示す吐出孔を有する紡糸口金より吐出し、延伸することにより、単糸繊維繊度が3.3dtexのトウを得た。該トウを構成する単糸繊維(中空繊維)において、繊維軸に対して直交する断面が図1に模式的に示すように、四角中空であるコアー部と該コアー部の外表面から放射状に突出する8枚のフィン部とを有していた。また、コアー部長径DAと中空部長径DBとの比DB/DAが0.7であり、フィン部の長さLAとコアー部長径DAとの比LA/DAが0.4であった。
また、該単糸繊維(中空繊維)の引張り強度が2.9cN/dtex、伸度が33%、中空率が45%、単糸繊維を束ねた状態での空隙率が57%であった。
次いで、該トウに常法により捲縮を付与し消臭剤(商品名フレッシュシライマツ、繊維重量に対する付着率重量0.16%)を付着させたのち繊維長51mmにカットした。
そして、カットされた短繊維をローラーカードにかけてカーディングし、成型機でカードウェブを積層し詰綿を作製し消臭性能および嵩性を評価した。
得られた詰綿において、消臭性95%、嵩性93.6cm/gと消臭性、嵩性に優れていた。
一方、経糸にポリエチレンテレフタレート84dtex/36フィラメントの仮撚捲縮加工糸を配し、緯糸に抗ピル性ポリエステルステープル(単糸繊維繊度2.2dtex、繊維長51mm)を80重量%、木綿20重量%混用した紡績糸を配して平織組織織物を製織した後、淡いグリーンに染色仕上げを行い、さらにカレンダー加工を施すことにより目付100g/mの織物を得た。
次いで、該織物を使用して30cm四方の袋を得て、この袋の中に前記詰綿を100g/mとなるように入れた詰綿構造体を作製し、保温性を評価したところ、保温性84.5%と保温性に優れていた。
また、前記詰綿を用いてふとんを得た後、実際に使用したところ、優れた嵩性および保温性を有し、また、優れた消臭性が発現した。
【0034】
[実施例2]
実施例1で得られた短繊維(中空繊維)と、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT;固有粘度0.85、融点225℃)ポリマーからなり中空率30%の丸中空断面形状で単糸繊維繊度が平均6.6デシテックスで繊維長が64mmの短繊維とを重量比(前者:後者)で75:25となるように混綿した後ローラーカードにかけてカーディングし、成型機でカードウェブを積層し詰綿を作製し消臭性および嵩性を評価した。
得られた詰綿において、消臭性78%、嵩性91.6cm/gと実施例1で得られた詰綿にはやや劣るが消臭性、嵩高性に優れていた。
さらに実施例1と同様に詰綿構造体を作製し、保温性を評価したところ、保温性80.8%と実施例1で得られたものにはやや劣るが、保温性に優れていた。
【0035】
[実施例3]
実施例2において、重量比(前者:後者)を50:50に変更すること以外は実施例2と同様にした。
得られた詰綿において、消臭性78%、嵩性91.6cm/gと実施例1で得られたものおよび実施例2で得られたものにはやや劣るが、消臭性、嵩高性に優れていた。
さらに実施例1と同様に詰綿構造体を作製し保温性を評価したところ、保温性77.3%と実施例1で得られたものおよび実施例2で得られたものにはやや劣るが、保温性に優れていた。
【0036】
[比較例1]
実施例1において、断面形状を中空率30%の丸中空断面形状、単糸繊維繊度を平均6.6dtex、カット長を64mmとした以外は実施例1と同様に詰綿および詰綿構造体を作製し、評価を行った。
得られた詰綿において消臭性45%、嵩性80.2cm/g、詰綿構造体において保温性68.5%と消臭性、嵩高性、保温性とも劣っていた。
【0037】
[比較例2]
実施例1において、断面形状を中空率25%の三角中空断面形状、単糸繊維繊度を平均3.3dtexとすること以外は実施例1と同様に詰綿および詰綿構造体を作製し、評価を行った。
得られた詰綿において消臭性63%、嵩性81.0cm/g、詰綿構造体において保温性72.2%と消臭性、嵩高性、保温性とも劣っていた。
【0038】
[比較例3]
比較例1および比較例2で得られた短繊維を重量比で50:50となるように混綿する以外は実施例3と同様にして詰綿および詰綿構造体を作製し、評価を行った。
得られた詰綿において消臭性54%、嵩性80.8cm/gであり、詰綿構造体において保温性70.9%と、消臭性、嵩高性、保温性とも劣っていた。
【符号の説明】
【0039】
A:単糸繊維横断面(ポリマー部面積)
B:単糸繊維横断面最外周面積
C:繊維を束ねた状態での横断面最外周面積

【特許請求の範囲】
【請求項1】
中空繊維を含む詰綿であって、前記中空繊維において、繊維軸に対して直交する断面が、中空であるコアー部と該コアー部の外表面から放射状に突出するフィン部とを有することを特徴とする詰綿。
【請求項2】
前記フィン部の個数が3枚以上である、請求項1に記載の詰綿。
【請求項3】
前記コアー部において、中空部が四角形である、請求項1または請求項2に記載の詰綿。
【請求項4】
前記中空繊維の繊維軸に対して直交する断面において、下記式で示す中空率が30%以上である、請求項1〜3のいずれかに記載の詰綿。
中空率(%)=(1−(A/B))×100
A;単糸繊維軸に直交する断面面積
B;単糸繊維横断面最外周面積
【請求項5】
詰綿を構成する繊維を束ねた状態での下記式で示す空隙率が40%以上である、請求項1〜4のいずれかに記載の詰綿。
空隙率(%)=(1−(NA/C))×100
A;単糸繊維軸に直交する断面面積
C;繊維を束ねた状態での横断面最外周面積
N;繊維を束ねた状態に含まれる単糸数
【請求項6】
前記中空繊維がポリエステル系ポリマーからなる短繊維である、請求項1〜5のいずれかに記載の詰綿。
【請求項7】
前記中空繊維に捲縮が付与されている、請求項1〜6のいずれかに記載の詰綿。
【請求項8】
前記中空繊維に、シリコーン樹脂、油剤、抗菌剤、防虫剤、撥水剤、吸湿剤、制電剤、難燃剤、マイナスイオン発生剤および消臭剤からなる群より選択される少なくとも1種が付着している、請求項1〜7のいずれかに記載の詰綿。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれかに記載の詰綿を含む、ふとん、まくら、ぬいぐるみ、衣料、およびクッション構造体からなる群より選択されるいずれかの繊維製品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2011−200295(P2011−200295A)
【公開日】平成23年10月13日(2011.10.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−68120(P2010−68120)
【出願日】平成22年3月24日(2010.3.24)
【出願人】(302011711)帝人ファイバー株式会社 (1,101)
【Fターム(参考)】