認知症ケア支援方法、認知症情報出力装置、認知症ケア支援システム、及びコンピュータプログラム

【課題】認知症の患者の症状及び症状の変化を正確に把握することを支援することができる認知症ケア支援方法、認知症情報出力装置、認知症ケア支援システム、及びコンピュータプログラムを提供する。
【解決手段】認知症の患者に関する複数種類の質問がPC1にて表示され、質問夫々に対する回答がPC1に入力され、入力された回答に基づく患者状態情報がサーバ2にて記憶され、更に、複数個の患者状態情報を時系列的に表わす図表(例えば月毎の服薬量を示す棒グラフ)、及び、複数種類の患者状態情報を関連付けて表わす図表(例えば複数種類の日常行為について、夫々の可否と情動安定性とを示す3D面グラフ)が生成される。生成された図表はPC1にて表示される。介護者又は医師等は、表示された図表に基づいて、患者の症状及び症状の変化を把握する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、認知症の患者の介護及び治療を支援するための認知症ケア支援方法、認知症情報出力装置、認知症ケア支援システム、及びコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
認知症は、85歳以上の4人に1人が発症しているといわれており、超高齢化社会を迎えるにあたり、今後20年で倍増すると予想されている。しかしながら、認知症は完治することがなく、患者及び介護者の心身の負担は非常に大きい。故に、認知症の進行を遅らせ、患者が自信と誇りとを回復し、患者及び介護者が共に健やかな生活を過ごせるよう、認知症の患者の介護及び治療を支援することが望まれている。
【0003】
従来、患者の介護及び治療を支援するための技術が提案されている(特許文献1〜3参照)。
特許文献1に記載の認知症検査支援システムは、認知症検査を実施するために必要な情報を、認知症検査を実施する医療従事者(例えば医師)が使用する装置に表示する。このため、医療従事者が、表示された情報に従って認知症検査を実施すれば、正確な検査結果を容易に得ることができる。また、認知症検査支援システムが検査結果を蓄積しておき、蓄積された検査結果を検査実施日時と共に表示すれば、医療従事者が検査結果の経時変化を知ることができる。
【0004】
特許文献2に記載の医用情報管理装置は、患者の生体情報を計測し、計測結果が所定の範囲を逸脱したときに、看護師が使用する携帯端末機に、当該患者を診察可能な医師の一覧を表示する。このため、看護師は、容体が変化した患者を診察すべき医師に、迅速に連絡を取ることができる。
【0005】
特許文献3に記載の認知症患者観察システムは、認知症の患者の日常生活に関する情報を、介護者が自身の携帯端末機に入力した場合に、入力された情報を蓄積し、蓄積された情報を、医療従事者(例えば医師、又は製薬会社の担当者)の携帯端末機に表示する。このため、患者の過去から現在にわたる日常生活の状況を、医療従事者が容易に知ることができる。
以下では、患者の介護者又は医師等、患者の介護及び治療に関わる者を区別せず介護関係者ということがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2010−259634号公報
【特許文献2】特開2010−117969号公報
【特許文献3】特開2008−113720号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
介護及び治療の現場では、患者の症状及び症状の変化に応じて、患者の介護、治療、又は介護計画の立案等を適切に行なう必要がある。
ところが、認知症は進行が比較的遅い病気である。また、その症状は、患者が置かれている環境に大きく左右される。例えば患者が自宅又は介護施設等で過ごしているときに現れる症状が、病院で医師が診断するときには現れないことがある。故に、患者の症状及び症状の変化を正確に把握するためには、患者の普段の様子を記した長期(例えば半年以上又は一年以上等)に亘る介護記録を参照することが望ましい。
【0008】
しかも、この介護記録には、認知機能の検査結果、及び患者の生体情報(血圧及び体重等)の測定結果のみならず、認知症がもたらす中核症状(即ち健忘、失見当識、失認、失行、及び失語)、及び、中核症状に伴って現れる周辺症状(具体的には、不安、抑鬱、幻覚、及び妄想等の精神面の症状、及び、徘徊、及び不潔行為等の行動面の症状)の観察結果が含まれていることが望ましい。
以上の結果、介護記録の情報量は膨大なものになる。
【0009】
膨大な量の情報を短時間で理解し、症状の内容及び程度、並びに症状の変化の内容及び程度を正確に判断することは、医師のような専門家であっても容易ではない。また、介護計画を立案するケアプランナー、介護施設を紹介する地域包括支援センター職員、並びに実際に介護を行なう介護士及び患者の家族等も、患者の症状及び症状の変化を把握することが望ましい。
故に、介護関係者による患者の症状及び症状の変化の把握を支援するための技術が求められている。
【0010】
しかしながら、特許文献1に記載の認知症検査支援システムは、認知症検査の実施を支援することが主眼のシステムである。特許文献2に記載の医用情報管理装置は、患者の容体が変化してから医師が患者の診察を開始するまでのタイムラグを短縮することが目的の装置である。特許文献3に記載の認知症患者観察システムは、蓄積された情報を単純に表示するだけである。
【0011】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、その主たる目的は、認知症の患者に関する質問に対する回答に基づく患者状態情報を表わす図表を出力する構成とすることにより、介護関係者が認知症の患者の症状及び症状の変化を正確に把握することを支援することができる認知症ケア支援方法、認知症情報出力装置、認知症ケア支援システム、及びコンピュータプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明に係る認知症ケア支援方法は、認知症の患者の症状及び症状の変化を把握するために用いられる患者状態情報を出力する認知症情報出力装置にて、前記患者の介護及び治療を支援する認知症ケア支援方法であって、前記患者に関する複数種類の質問夫々に対する回答に基づく複数個及び/又は複数種類の前記患者状態情報を記憶し、記憶した複数個の前記患者状態情報を所定順に表わす図表、及び/又は、記憶した複数種類の前記患者状態情報を関連付けて表わす図表を生成し、生成した図表を出力することを特徴とする。
【0013】
本発明に係る認知症情報出力装置は、認知症の患者の症状又は症状の変化を把握するために用いられる患者状態情報を出力する認知症情報出力装置であって、複数個及び/又は複数種類の前記患者状態情報を記憶する情報記憶手段と、該情報記憶手段に記憶してある複数個の前記患者状態情報を所定順に表わす図表を生成する第1の生成手段と、前記情報記憶手段に記憶してある複数種類の前記患者状態情報を関連付けて表わす図表を生成する第2の生成手段と、前記第1及び/又は前記第2の生成手段が生成した図表を出力する図表出力手段とを備えることを特徴とする。
【0014】
本発明に係る認知症情報出力装置は、前記情報記憶手段は、前記患者に関する複数種類の質問夫々に対する回答に基づく複数個及び/又は複数種類の前記患者状態情報を記憶するようにしてあることを特徴とする。
【0015】
本発明に係る認知症情報出力装置は、前記情報記憶手段に記憶してある前記患者状態情報の内、非数値の前記患者状態情報を所定の手順で数値化する数値化手段と、該数値化手段が数値化した2個の前記患者状態情報の差の絶対値を求める第1の差異演算手段と、前記情報記憶手段に記憶してある前記患者状態情報の内、数値で表わされている2個の前記患者状態情報の差の絶対値を求める第2の差異演算手段と、“0”以上の閾値を記憶する閾値記憶手段と、前記情報記憶手段に記憶してある前記患者状態情報の内、前記第1又は前記第2の差異演算手段が求めた絶対値が、前記閾値記憶手段に記憶してある閾値以上である前記患者状態情報を抽出する抽出手段とを更に備え、前記第1又は前記第2の生成手段は、前記抽出手段が抽出した前記患者状態情報を表わす図表を生成するようにしてあることを特徴とする。
【0016】
本発明に係る認知症情報出力装置は、前記情報記憶手段に記憶してある前記患者状態情報を所定の項目に分類する分類手段を更に備え、前記第1の生成手段は、前記分類手段が同一項目に分類した複数種類の前記患者状態情報夫々を所定順に表わす図表を生成するようにしてあることを特徴とする。
【0017】
本発明に係る認知症情報出力装置は、前記情報記憶手段に記憶してある前記患者状態情報を所定の項目に分類する分類手段を更に備え、前記第2の生成手段は、前記分類手段が同一項目に分類した複数種類の前記患者状態情報夫々と、前記情報記憶手段に記憶してある他の前記患者状態情報とを関連付けて表わす図表を生成するようにしてあることを特徴とする。
【0018】
本発明に係る認知症情報出力装置は、前記患者状態情報は、複数の選択肢を含む質問に対する回答に基づくものであり、選択された選択肢が示す情報を用いてなることを特徴とする。
【0019】
本発明に係る認知症情報出力装置は、前記患者状態情報は、テキスト及び/又は数値を用いてなることを特徴とする。
【0020】
本発明に係る認知症ケア支援システムは、認知症の患者の症状及び症状の変化を把握するために用いられる患者状態情報を出力する認知症情報出力装置と、該認知症情報出力装置と通信可能な第1及び第2の通信装置とを備え、前記患者の介護及び治療を支援するための認知症ケア支援システムであって、前記第1の通信装置は、前記患者に関する複数種類の質問夫々に対する回答を受け付ける受付手段と、受け付けた回答を前記認知症情報出力装置へ出力する回答出力手段とを有し、前記認知症情報出力装置は、入力された回答に基づく複数個及び/又は複数種類の前記患者状態情報を記憶する情報記憶手段と、該情報記憶手段に記憶してある複数個の前記患者状態情報を所定順に表わす図表を生成する第1の生成手段と、前記情報記憶手段に記憶してある複数種類の前記患者状態情報を関連付けて表わす図表を生成する第2の生成手段と、前記第1及び/又は前記第2の生成手段が生成した図表を前記第2の通信装置へ出力する図表出力手段とを有し、前記第2の通信装置は、入力された図表を表示する表示手段、又は、入力された図表を記録用紙に記録する記録手段を有することを特徴とする。
【0021】
本発明に係るコンピュータプログラムは、認知症の患者の症状及び症状の変化を把握するために用いられる複数個及び/又は複数種類の患者状態情報を記憶する情報記憶手段を備えるコンピュータに、前記患者状態情報を出力させるためのコンピュータプログラムであって、コンピュータに、前記情報記憶手段に記憶してある複数個の前記患者状態情報を所定順に表わす図表を生成させる第1の生成ステップと、コンピュータに、前記情報記憶手段に記憶してある複数種類の前記患者状態情報を関連付けて表わす図表を生成させる第2の生成ステップと、コンピュータに、前記第1及び/又は前記第2の生成ステップで生成された図表を出力させる図表出力ステップとを実行させることを特徴とする。
【0022】
本発明にあっては、認知症情報出力装置は、情報記憶手段、第1及び第2の生成手段、並びに図表出力手段を備える。このような認知症情報出力装置は、本発明に係る認知症ケア支援方法を実現し、また、本発明に係る認知症ケア支援システムを構成する。本発明に係るコンピュータプログラムは、本発明に係る認知症情報出力装置が備える各種手段を、コンピュータのハードウェア要素を用いてソフトウェア的に実現させる。
【0023】
情報記憶手段には、複数個及び/又は複数種類の患者状態情報が記憶される。これらの患者状態情報は、例えば、認知症の患者に関する複数種類の質問夫々に対する回答に基づくものである。
情報記憶手段に記憶すべき患者状態情報は、例えば第1の通信装置から入力されたものである。この場合、第1の通信装置では、受付手段が受け付けた回答を回答出力手段が認知症情報出力装置へ出力する。
第1の生成手段は、情報記憶手段に記憶してある複数個の患者状態情報を所定順に表わす図表を生成する。第2の生成手段は、情報記憶手段に記憶してある複数種類の患者状態情報を関連付けて表わす図表を生成する。
【0024】
図表出力手段は、第1及び/又は第2の生成手段が生成した図表を出力する。
第1及び/又は第2の生成手段が生成した図表が、図表出力手段によって第2の通信装置へ出力された場合、第2の通信装置では、入力された図表を表示手段が表示するか、又は、入力された図表を記録手段が記録用紙に記録する。
図表化された患者状態情報は、単純に羅列された患者状態情報に比べて、視覚的に理解し易いという利点を有する。
【0025】
また、第1の生成手段が生成した図表は、介護関係者による患者状態情報の検索、又は、患者状態情報の推移の調査等に有用である。第2の生成手段が生成した図表を用いれば、例えば、複数種類の患者状態情報同士に相関関係があるか否かを介護関係者が直感的に判断することが可能である。
以上の結果、介護関係者は、出力された図表を閲覧することによって、患者状態情報を容易に理解し、理解した患者状態情報に基づいて、患者の症状及び症状の変化を容易且つ正確に把握する。
【0026】
本発明にあっては、認知症情報出力装置は、数値化手段、第1及び第2の差異演算手段、並びに抽出手段を更に備える。
数値化手段は、情報記憶手段に記憶してある患者状態情報の内、非数値の患者状態情報を所定の手順で数値化する。このため、数値で表わされていない患者状態情報を定量的に取り扱うことができる。
第1の差異演算手段は、数値化手段が数値化した2個の患者状態情報の差の絶対値を求める。第2の差異演算手段は、情報記憶手段に記憶してある患者状態情報の内、数値で表わされている2個の患者状態情報の差の絶対値を求める。
【0027】
閾値記憶手段は、“0”以上の閾値を記憶する。
大きな差異を有する患者状態情報同士、又は大幅に変化した患者状態情報等を図表となすべきときには、閾値記憶手段に“0”ではない大きい閾値が記憶される。一方、微細な差異を有する患者状態情報同士、又は僅かでも変化した患者状態情報等も図表となすべきときには、閾値記憶手段に“0”ではない小さい閾値が記憶される。また、全ての患者状態情報を図表となすべきときには、閾値記憶手段に閾値“0”が記憶される。
閾値記憶手段が記憶している閾値を、以下では記憶閾値という。
ここでは、記憶閾値が“0”ではない大きい閾値である場合を例示する。
【0028】
第1又は第2の差異演算手段が求めた絶対値が記憶閾値以上である場合、2個の患者状態情報は大幅に異なる。このような患者状態情報に基づく患者状態情報は、介護関係者が患者の症状又は症状の変化を把握する場合に有用である可能性が高い。
一方、第1又は第2の差異演算手段が求めた記憶閾値未満である場合、2個の患者状態情報はほとんど変わらないか、全く同じである。このような患者状態情報に基づく患者状態情報は、介護関係者が患者の症状又は症状の変化を把握する場合に有用である可能性が低い。仮に、このような患者状態情報に基づく患者状態情報までもが図表に含まれていると、図表に盛り込まれる情報の量又は種類が過多になり、介護関係者を惑わせる虞がある。
【0029】
そこで、抽出手段は、情報記憶手段に記憶してある患者状態情報の内、第1又は第2の差異演算手段が求めた絶対値が所定閾値以上である患者状態情報を抽出する。
そして、第1の生成手段は、抽出手段が抽出した複数個の患者状態情報を所定順に表わす図表を生成する。第2の生成手段は、抽出手段が抽出した複数種類の患者状態情報を関連付けて表わす図表を生成する。
図表出力手段は、第1及び/又は第2の生成手段が生成した図表を出力する。
以上の結果、抽出手段が抽出した患者状態情報を含んだ図表、即ち、必要最小限にして十分な患者状態情報を含んだ図表を、介護関係者に提供することができる。
【0030】
本発明にあっては、認知症情報出力装置は、分類手段を更に備える。
患者状態情報が無秩序に含まれている図表から、患者の症状又は症状の変化を把握することは困難である。
そこで、分類手段は、情報記憶手段に記憶してある患者状態情報を、所定の項目に分類する。分類手段が同一項目に分類した患者状態情報を、以下では同類の患者状態情報という。
同類の患者状態情報は、互いに関連性が高い、と考えられる。故に、同類の患者状態情報は、患者の症状及び症状の変化を把握する際に同時的に参照することが望ましい。また、介護関係者が、同時的に参照した同類の患者状態情報同士を比較することは容易である。
【0031】
そこで、第1の生成手段は、複数種類の同類の患者状態情報夫々を所定順に表わす図表を生成する。第2の生成手段は、複数種類の同類の患者状態情報夫々と、他の患者状態情報とを関連付けて表わす図表を生成する。
図表出力手段は、第1及び/又は第2の生成手段が生成した図表を出力する。
以上の結果、同類の患者状態情報を含んだ図表、即ち、互いに関連性が高い患者状態情報を含んだ図表を、介護関係者に提供することができる。
【0032】
本発明にあっては、認知症の患者に関する質問が、複数の選択肢を含んでいる。従って、選択された選択肢が回答である。患者状態情報は、選択された選択肢が示す情報を用いてなる。
選択肢の選択による回答は、テキスト及び/又は数値の入力による回答に比べて、回答者による回答作業を容易にする。従って、回答者の利便性を向上させることができる。
【0033】
本発明にあっては、患者状態情報は、テキスト及び/又は数値を用いてなる。
このような場合、認知症の患者に関する質問に対し、テキスト及び/又は数値を用いた回答がなされる。テキスト及び/又は数値の入力による回答は、選択肢の選択による回答に比べて、回答の自由度を向上させる。従って、認知症の患者に関する多種多様な情報を収集することができる。
【発明の効果】
【0034】
本発明の認知症ケア支援方法、認知症情報出力装置、認知症ケア支援システム、及びコンピュータプログラムによる場合、複数個の患者状態情報を所定順に表わす図表、及び/又は、複数種類の患者状態情報同士を関連付けて表わす図表を、介護関係者に提示することができる。これらの図表を閲覧すれば、介護関係者は、患者状態情報を容易に理解することができる。
【0035】
介護関係者は、理解した患者状態情報に基づいて、患者の症状の内容及び程度、並びに症状の変化の内容及び程度を正確に判断することができる。即ち、本発明によれば、介護関係者が認知症の患者の症状及び症状の変化を正確に把握し、患者の症状及び症状の変化に応じた適切な対応策を講じることを支援することができる。
しかも、介護関係者の手作業による図表の作成が不要であるため、介護関係者の利便性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明の実施の形態に係る認知症ケア支援システムの構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る認知症情報出力装置としてのサーバの構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る認知症ケア支援システムが備えるPC(パーソナルコンピュータ)で実行される支援アプリ使用処理の手順を示すフローチャートである。
【図4】PCで実行される支援アプリ使用処理の手順を示すフローチャートである。
【図5】PCとサーバとの間で実行される通信処理の手順を示すフローチャートである。
【図6】PCの表示部に表示される回答入力画面の一例を示す模式図である。
【図7】図6に示す回答入力画面が選択肢の選択回数に応じて変化した場合の一例を示す模式図である。
【図8】回答入力画面の他の一例を示す模式図である。
【図9】PCの表示部に表示される図表出力画面に含まれる第1の図表の一例(服薬状況の経月変化且つ閾値=0)を示す模式図である。
【図10】図表出力画面に含まれる第1の図表の一例(服薬状況の経月変化且つ閾値>0)を示す模式図である。
【図11】図表出力画面に含まれる第1の図表の一例(生体情報の経月変化)を示す模式図である。
【図12】図表出力画面に含まれる第1の図表の一例(年間表)を示す模式図である。
【図13】図表出力画面に含まれる第2の図表の一例(介護者A氏)を示す模式図である。
【図14】図表出力画面に含まれる第2の図表の一例(介護者B氏)を示す模式図である。
【図15】図表出力画面に含まれる第2の図表の一例(運動及び認知等の可否)を示す模式図である。
【図16】図表出力画面に含まれる第2の図表の一例(中核症状の有無)を示す模式図である。
【図17】サーバで実行される図表出力処理の手順を示すフローチャートである。
【図18】サーバで実行される図表出力処理の手順を示すフローチャートである。
【図19】サーバで実行される図表出力処理の手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下、本発明を、その実施の形態を示す図面に基づいて詳述する。
【0038】
図1は、本発明の実施の形態に係る認知症ケア支援システム4の構成を示すブロック図である。図1には、認知症ケア支援システム4が備えているPC1及びプリンタ3夫々の構成を示すブロック図が含まれている。また、図1には、PC1が備えている制御部11の機能ブロック図が含まれている。
図2は、本発明の実施の形態に係る認知症情報出力装置としてのサーバ2の構成を示すブロック図である。図2には、サーバ2が備えている制御部21の機能ブロック図が含まれている。
【0039】
図1に示す認知症ケア支援システム4は、複数台のPC1,1,…、サーバ2、及び、複数台のプリンタ3,3,…を備えている。これらは、ネットワークNを介して相互接続されている。ネットワークNは、インターネット又はLAN等を用いてなる。これらは無線接続であっても有線接続であってもよい。
PC1,1,…及びプリンタ3,3,…は、夫々患者の自宅、介護施設、又は病院等に設置されている。これらのユーザは、介護関係者である。介護関係者とは、介護従事者(患者の家族、又は福祉施設若しくは特定保健施設の介護職員等)、又は医療従事者(医師、臨床心理士、又は看護師等)である。介護関係者と患者とは別人である。
【0040】
まず、認知症ケア支援システム4を構成している各装置について説明する。
PC1は、制御部11、RAM(Random Access Memory)12、記憶部13、操作部14、表示部15、及びI/F(インタフェース)部16を備えている。
制御部11は、CPU(Central Processing Unit )又はMPU(Micro Processing Unit )等の制御デバイスを用いてなる。
RAM12は、揮発性の記憶装置を用いてなる。
【0041】
記憶部13は、不揮発性の大容量記憶装置を用いてなる。具体的には、記憶部13は、フラッシュROM(Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable ROM)、又はハードディスク等を用いてなる。記憶部13には、認知症ケア支援システム4を用いて認知症ケア支援方法を実現するためのコンピュータプログラム(以下、支援アプリという)、及び、支援アプリの実行中に使用される画像データ等が記憶されている。
【0042】
操作部14は、キーボード及びマウス等を用いてなる。介護関係者は、操作部14を操作することによって、所要の情報又は指示等をPC1に入力する。
表示部15は、例えば液晶ディスプレイを用いてなる。
I/F部16は、PC1とネットワークNとを接続するためのものである。
【0043】
制御部11は、PC1の制御中枢である。制御部11は、RAM12を作業領域として用いて、PC1の各部を制御し、また、各種処理を実行する。例えば、情報受付部11aとして機能する制御部11は、操作部14を介してPC1に入力される情報又は指示等を受け付ける。表示制御部11bとして機能する制御部11は、受信した画像データ又は記憶部13に記憶されている画像データ等に基づく画面を表示部15に表示させる。通信部11cとして機能する制御部11は、I/F部16を介して、ネットワークNに接続されている他の機器と通信する。
【0044】
プリンタ3は、制御部31、RAM32、記録部33、及びI/F部34を備えている。
記録部33は、トナー又はインク等を用いて記録用紙に画像を記録するプリンタエンジンを用いてなる。
制御部31は、プリンタ3の制御中枢である。制御部31は、RAM32を作業領域として用いて、プリンタ3の各部を制御し、また、各種処理を実行する。例えば、制御部31は、I/F部34を介して受信した画像データを記録部33に与える。このとき、記録部33は、与えられた画像データに基づく画像を記録用紙に記録する。
【0045】
図2に示すように、サーバ2は、制御部21、RAM22、記憶部23、及びI/F部24を備えている。
記憶部23は、本発明の実施の形態におけるコンピュータプログラムとして機能するコンピュータプログラム2Pが記憶されているプログラム記憶領域と、コンピュータプログラム2Pの実行中に使用される画像データが記憶される記憶領域(不図示)と、各後述する患者データ、回答者データ、質問データ、回答データ、対応策データ、及び閾値データが記憶されるデータ記憶領域とを有する。
【0046】
制御部21は、サーバ2の制御中枢である。制御部21は、RAM22を作業領域として用いて、サーバ2の各部を制御し、また、各種処理を実行する。例えば、制御部21は、記憶部23に記憶されているコンピュータプログラム2PをRAM22にロードし、ロードしたコンピュータプログラム2Pに従って、本発明の実施の形態に係る認知症ケア支援方法を実現する。
【0047】
本実施の形態のコンピュータプログラム2Pは、可搬性を有する記録媒体に記録されて配布される構成でもよく、ネットワークNを介して配信される構成でもよく、工場出荷時に記憶部23に記憶させる構成でもよい。また、コンピュータプログラム2Pは、サーバ2にインストールせずに記録媒体又は配信元から読み取られて直接的に実行される構成でもよい。
コンピュータプログラム2Pが記録媒体に記録されて配布された場合、制御部21は、サーバ2に内蔵又は外付けされている不図示のドライブ部にセットされた記録媒体からコンピュータプログラム2Pを読み取り、読み取ったコンピュータプログラム2Pを、記憶部23に記憶させる。
【0048】
通信部21aとして機能する制御部21は、I/F部24を介して、ネットワークNに接続されている他の機器と通信する。記憶制御部21bとして機能する制御部21は、各種情報をRAM22又は記憶部23に記憶させ、また、記憶してある情報を読み出す。分類部21cとして機能する制御部21は、記憶部23に記憶してある情報を分類する。検索部21dとして機能する制御部21は、記憶部23に記憶してある各種データを検索する。判定部21eとして機能する制御部21は、情報の有無又は大小関係等を判定する。特定部21fとして機能する制御部21は、検索又は判定等の結果として、所要の情報を特定する。数値化部21gとして機能する制御部21は、非数値の情報を数値化する。算出部21hとして機能する制御部21は、記憶してある情報、及び/又は、特定した情報等に基づいて、各種の計算処理を行なう。抽出部21iとして機能する制御部21は、判定部21eによる判定結果を受けて、所要の条件を満たす情報を抽出する。生成部21jとして機能する制御部21は、特定部21fが特定した情報、及び/又は算出部21hによる算出結果等に基づいて、図表又は画像データ等を生成する。
【0049】
各PC1とサーバ2とは、I/F部16、ネットワークN、及びI/F部24を介して、通信可能に接続されている。
サーバ2と各プリンタ3とは、I/F部24、ネットワークN、及びI/F部34を介して、通信可能に接続されている。
本明細書では、PC1,1,…及びサーバ2間、並びにサーバ2及びプリンタ3,3,…間におけるデータの入出力を、データの送受信という。
ここで、認知症ケア支援システム4の概略を説明する。
【0050】
認知症ケア支援システム4では、サーバ2からPC1へ、質問内容情報が送られる。質問内容情報は、認知症の患者に関する質問の内容を示すものである。PC1では、質問内容情報が示す質問が表示される。介護関係者は、表示された質問に対する回答をPC1に入力する。入力された回答の内容を示す回答内容情報は、回答者が入力したテキスト又は数値、回答者が選択した選択肢のテキスト又は数値、或いは、回答者が選択した選択肢に付与されている選択肢識別情報等である。回答内容情報は、PC1からサーバ2へ送られる。
【0051】
本実施の形態では、回答内容情報が、回答者が入力したテキスト若しくは数値、又は、回答者が選択した選択肢のテキスト若しくは数値である場合、患者状態情報は、回答内容情報に等しい。故に、この場合、サーバ2に送られた回答内容情報は、そのまま患者状態情報として、サーバ2にて記憶される。
【0052】
一方、回答内容情報が、回答者が選択した選択肢に付与されている選択肢識別情報である場合、患者状態情報は、回答内容情報が示す選択肢のテキスト又は数値である。故に、この場合、サーバ2に送られた回答内容情報は、回答内容情報が示す選択肢のテキスト又は数値に変換されるか、又は、回答内容情報が示す選択肢のテキスト又は数値と関連付けられることによって、患者状態情報として、サーバ2にて記憶される。選択肢識別情報と選択肢のテキスト又は数値との関連付けは、予め記憶部23に記憶されている(不図示)。
【0053】
以上の結果、1種類の患者状態情報が複数個、又は、複数種類の患者状態情報が1個若しくは複数個、サーバ2にて記憶される。記憶された患者状態情報は、サーバ2にて図表化され、PC1又はプリンタ3へ送られる。患者状態情報を表わす図表は、PC1における表示、又はプリンタ3における記録用紙への記録というかたちで、介護関係者に提示される。介護関係者は、患者の症状及び症状の変化を把握するために患者状態情報を用いる。
【0054】
図表の形式は限定されるものでなく、グラフ、ダイアグラム、チャート、又はテーブル等でもよい。
以下では、質問に回答する介護関係者を、回答者ともいう。本実施の形態における回答者は、毎月1回、定期的に認知症ケア支援システム4を利用する。
【0055】
次に、本実施の形態における質問の内容について説明する。
患者に関する質問には、回答者が回答すべきものと、患者が回答すべきものとがある。回答者による回答は、回答者自身がPC1に入力するが、患者による回答は、回答者がPC1に入力する。
また、患者に関する質問としては、日常生活における患者の様子を知るためのもの、特定の状況における患者の様子を知るためのもの、食事内容、介護内容、及び服薬状況等を問うもの、患者の生体情報を問うもの、並びに認知症検査の一種であるMMSE(Mini Mental State Examination )の点数を問うもの等が挙げられる。
【0056】
例えば、日常生活における患者の様子を知るための質問では、具体的には、徘徊又は不潔行為等の問題行動、着替え又は入浴などの日常的な行為、及び習慣的に行なっている行為等について問われる。
問題行動に関し、問題行動○○がありますか? という質問に対して、回答者は、問題行動○○をする、又は問題行動○○はしない、というように回答する。
【0057】
日常的な行為に関し、日常行為△△ができますか? という質問に対して、回答者は、日常行為△△ができる、日常行為△△ができない、と回答する。更に、日常行為△△ができない場合、回答者は、一部介助が必要か全介助が必要かを回答する。
以上のような質問に対する回答は、選択肢の選択によるものでもよく、テキスト入力によるものでもよいが、選択肢の選択によるものの方が、回答者の利便性は高い。
【0058】
食事内容については、食事量及び食事の硬さが問われる。食事量及び食事の硬さについては、定性的な回答(例えばいつもより多いか少ないか、硬いか軟らかいか)が求められる。なお、食事量及び食事の硬さについて、定量的な回答が求められてもよい。また、食事に関して、三食及び間食夫々の献立が問われてもよい。
介護内容については、実践中の対応策(例えば各後述する食べ物の会話、又はタクティールケア等)の有無及び内容等が問われる。
【0059】
服薬状況を問う質問では、患者が毎日服用している薬品の種類と各薬品の服用量と服薬のタイミング(食後又は食間等)とが問われる。薬品の種類及び服薬のタイミング夫々の回答は選択肢の選択によるものでもよく、テキスト入力によるものでもよい。服薬量の回答は選択肢の選択によるものでもよく、数値入力によるものでもよい。なお、服薬状況を問う質問では、服薬回数、服薬時刻、及び服薬期間等が問われてもよい。
【0060】
生体情報を問う質問では、血圧、体重、及び体温が問われる。
なお、生体情報を問う質問では、身長、水分摂取量、及び排泄量等が問われてもよい。
また、回答者がPC1に回答を手入力する構成に限定されず、生体情報の測定器又は測定結果を記録した記録媒体等から測定結果(即ち回答)をPC1に入力する構成でもよい。例えば、生体情報のひとつである心電図の波形データは、手入力が困難であるため、心電計から直接的にPC1又はサーバ2へ送信した方がよい。
【0061】
更に、血圧及び体温等のように、毎日測定するような情報を問う質問は、平均値、最高値、又は最低値等、測定結果の代表値を問うものでもよく、特定の日(例えば毎月1日)の測定結果を問うものでもよい。更にまた、回答としては毎日の測定結果を受け付け、毎日の測定結果から制御部21が代表値を求めて患者状態情報となしてもよい。
【0062】
次に、記憶部23のデータ記憶領域に記憶されるデータについて説明する。
記憶部23のデータ記憶領域に記憶されるデータには、予め、例えば認知症ケア支援システム4の管理者によって与えられているものと、認知症ケア支援システム4の利用中に、介護関係者によって追加又は修正等されるものとがある。介護関係者が追加又は修正等するデータは、PC1に入力されてサーバ2へ送信される。
【0063】
次に、患者データ及び回答者データについて説明する。
患者データは、患者を識別する情報(以下、患者IDという)と、患者の氏名及び性別等、患者に関する基本的な情報とが関連付けられたものである。
回答者データは、回答者を識別する情報(以下、回答者IDという)と、パスワードと、回答者の氏名及び性別等、回答者に関する基本的な情報とが関連付けられたものである。
認知症ケア支援システム4の利用に際しては、少なくとも患者IDと、回答者ID及びパスワードとの入力が求められる。サーバ2において、制御部21は、患者IDを用いて患者を特定し、回答者ID及びパスワードを用いて回答者を認証する。認証手順に関する詳述は省略する。
【0064】
次に、質問データについて説明する。
質問データとは、質問の提示順を示す提示順情報と、質問内容情報と、次に説明する症状識別情報と、各後述する質問種別フラグ群と回答受付情報とが関連付けられたものである。
症状識別情報は、健忘及び失見当識等の中核症状、並びに妄想及び徘徊等の周辺症状夫々を識別するためのものである。
【0065】
質問データに症状識別情報が含まれている理由は、中核症状又は周辺症状の種類が、認知症の進行度を表わす指標として用いられるからである。例えば、認知症の初期には健忘が現れ、中期には失見当識が現れ、後期には、失認、失行、又は失語が現れる。また、認知症の進行度が異なる患者に関する質問は、異なる内容の方が適している場合がある。更に、同じ認知症後期の患者であっても、例えば失認が現れている患者に関する質問と、失行が現れている患者に関する質問とは異なる場合がある。
【0066】
故に、質問データは、症状識別情報を用いて質問内容情報を検索すれば、症状識別情報が示す症状、又はこの症状が表わす認知症の進行度に応じた適切な質問内容情報が、検索結果として得られる(即ちヒットする)ように構成されている。
なお、1個の症状識別情報に複数個の質問内容情報が関連付けられている場合、質問内容情報には、優先順位を示す情報が更に関連付けられていることが望ましい。このとき、ヒットした質問内容情報は、優先順位が高い順に使用される。
【0067】
ところで、中核症状又は周辺症状の内容に依存しない質問内容情報(例えば患者の身長を問うようなもの)は、何れの症状識別情報を用いて検索してもヒットするようにしておけばよい。
【0068】
次に、質問データの質問種別フラグ群について説明する。
質問種別フラグ群には、質問内容の種類(例えば介護内容を問うものなのか服薬状況を問うものなのか等)を示す質問種別フラグ、特定の患者に特有の症状に関する質問であるか否かを示す質問種別フラグ、並びに、患者のみ又は介護関係者のみが答えるべき質問なのか、介護関係者及び患者の両者が答えるべき質問なのかをを示す質問種別フラグ等が含まれている。特定の患者に特有の症状に関する質問であることを示す質問種別フラグが関連付けられている質問内容情報には、更に、当該患者の患者IDが関連付けられている。
【0069】
次に、質問データの回答受付情報について説明する。
回答受付情報とは、質問に対する回答を受け付けるために必要な情報である。
例えば選択肢を選択することによって回答する形式の質問の場合、回答受付情報には、選択肢の内容を示す選択肢内容情報と、各選択肢が過去に選択された選択回数SSと、後述する回答入力画面(図6〜図8参照)に記載すべき選択肢の上限個数SU及び下限個数SD(SU,SDは2≦SD<SUの自然数)と、所定選択回数SF(SFは自然数)と、選択肢以外の回答のテキスト入力を受け付けるか否かを示すフラグとが含まれている。
【0070】
回答入力画面には、質問の内容を示すテキストと共に、SD個以上、且つSU個以下の選択肢が記載される。更に詳細には、選択回数SSが所定選択回数SF以上の選択肢がSU個より多く存在する場合、回答入力画面には、選択回数SSが多い順に選出された選択肢が記載される。また、選択回数SSが所定選択回数SF以上の選択肢がSD個以上SU個以下存在するならば、選択回数SSが所定選択回数SF未満の選択肢は、回答入力画面には記載されない。選択回数SSが所定選択回数SF以上の選択肢がSD個未満しか存在しない場合には、選択回数SSが所定選択回数SF未満の選択肢も最大SD個まで回答入力画面に記載される。
【0071】
上限個数SU、下限個数SD、及び所定選択回数SFは、コンピュータプログラム2Pと共に予め記憶部23に記憶されている。ただし、これらは認知症ケア支援システム4の管理者が任意に変更可能であってもよい。
上限個数SU及び下限個数SDの具体的な数値は特に制限されるものではないが、3〜6の範囲で設定されることが好ましい。
しかしながら、選択肢の選択回数の多寡とは無関係に、常に一定の選択肢が回答入力画面に記載される場合には、回答受付情報に、上限個数SU、下限個数SD、及び所定選択回数SFが含まれている必要はない。
【0072】
なお、回答入力画面における選択肢の記載順は、選択回数SSが多い順であってもよい。また、選択回数SSの多寡とは無関係に、必ず回答入力画面に記載される選択肢が設定されていてもよい。
【0073】
図6〜図8に示すような回答入力画面41,42における各選択肢は、ラジオボタン又はチェックボタンと一対一対応に関連付けられており、ラジオボタン又はチェックボタンが選択操作されることによって、選択される。ラジオボタン又はチェックボタンが選択操作されなかった(或いは選択解除操作された)選択肢は、選択されない。
なお、選択肢の選択は、ラジオボタン又はチェックボタンの選択操作によるものに限定されず、例えばプルダウンメニューにおける選択操作によるものであってもよい。
【0074】
図6〜図8に示すような回答入力画面41,42に含まれているテキストボックスに入力されたテキストの内容は、PC1からサーバ2へ送られ、新たな選択肢として質問データに追加される。つまり、回答者は、テキストボックスにテキスト入力することによって、所望する選択肢を追加することができる。
質問データに予め含まれている選択肢の選択回数SSの初期値は“0”である。質問データに追加された選択肢の選択回数SSの初期値は“1”である。以後、選択回数SSは、選択肢が選択される都度、1ずつカウントアップされる。
【0075】
なお、選択回数SSと、選択肢を選択した回答者の回答者IDとを関連付けておけば、回答入力画面を閲覧する回答者毎に、回答入力画面に記載される選択肢をカスタマイズするように構成することが可能である。
また、追加された選択肢の選択回数SSの初期値は、所定選択回数SFに等しい値でもよい。この場合、追加された選択肢が、回答入力画面に記載される確率が高くなる。このようにする理由は、追加された選択肢は、選択肢を追加した回答者以外の回答者も選択する可能性が高いと考えられるからである。
更に、追加された選択肢と、選択肢を追加した回答者の回答者IDとを関連付けておけば、選択肢を追加した回答者が閲覧する回答入力画面にのみ、追加された選択肢を記載するように構成することが可能である。
【0076】
次に、回答データについて説明する。
回答データとは、患者IDと、患者状態情報と、患者状態情報の基になった回答を回答者がPC1に入力した回答日時と、後述する分類項目情報とが関連付けられたものである。回答日時は、回答者が回答を入力した場合にPC1の図示しない時計部が計時した日時を制御部11が自動的に取得し、取得した日時を回答日時として患者状態情報に関連付ける。なお、回答日時は、回答者がPC1に手入力してもよい。
分類項目情報は、患者状態情報が分類された項目を示すものである。記憶部23に記憶してある患者状態情報は、制御部21によって適宜の項目に分類され、更に、分類結果を示す分類項目情報と関連付けられる。
【0077】
分類の項目は特に限定されない。例えば、大分類として、日常生活、能力・機能、認知機能、及び問題行動等の項目が設定され、日常生活の小分類として、食事、排泄、入浴、睡眠、及び更衣が設定され、能力・機能の小分類として、運動、認知、感覚、及び自律神経が設定され、認知機能の小分類として、健忘、失見当識、失認、失行、及び失語が設定される。これらの項目は、予め記憶部23に記憶してある。
記憶部23は、本発明の実施の形態における情報記憶手段として機能する。
【0078】
次に、対応策データについて説明する。
対応策データとは、症状識別情報と、後述する対応策情報と、一般的な対応策情報であるのか特定の患者のみに適用すべき対応策情報であるのかを示す対応策フラグとが関連付けられたものである。特定の患者のみに適用すべきことを示す対応策フラグが関連付けられている対応策情報には、更に、患者IDが関連付けられている。症状識別情報には、選択肢内容情報が別途関連付けられている。
ここで、対応策情報について説明する。
対応策情報には、例えば、中核症状又は周辺症状の要因を解決するための対応策を介護関係者に提示するための対応策メッセージが含まれている。対応策情報は、医師が編集したものである。
【0079】
次に、対応策データに症状識別情報が含まれている理由について説明する。
対応策データに症状識別情報が含まれている理由は、患者に現れている中核症状若しくは周辺症状、又は、認知症の進行度に応じて、異なる対応策を講じなければならない場合があるからである。
故に、対応策データは、症状識別情報を用いて対応策情報を検索すれば、症状識別情報が示す症状、又はこの症状が表わす認知症の進行度に応じた適切な対応策情報がヒットするように構成されている。
【0080】
次に、症状識別情報に選択肢内容情報が関連付けられている理由について説明する。
例えば、「今朝、食事をしたことすら忘れている」という患者の言動は、中核症状「健忘」の現れである可能性が高い。このため、「今朝、食事をしたことすら忘れている」という選択肢内容情報と、健忘を示す症状識別情報とを関連付けておけば、「今朝、食事をしたことすら忘れている」という選択肢が選択された場合に、健忘を示す症状識別情報を用いて、対応策情報を検索することができる。
【0081】
次に、閾値データについて説明する。
閾値データとは、患者状態情報の種類を識別する種類識別情報と、閾値とが関連付けられたものである。閾値は“0”以上の実数値である。
閾値を用いる理由を説明するために、例えば、患者状態情報として患者の体重を例示し、複数個の患者状態情報を所定順に表わす図表として、定期的に測定した体重の測定結果を、時系列的に表わす図表を考える。毎月1回測定した体重の経時変化(以下、経月変化という)を表わすグラフを生成する場合、生成すべきグラフの縦軸は患者の体重、横軸は測定月を示す。
【0082】
1年分の経月変化をグラフ化する程度であれば特段の問題はないが、2年分をグラフ化する場合には、横軸の長さを1年分の2倍に伸ばすか、さもなくば、横軸のデータ密度を1年分の2倍に増やす必要がある。更に、3年分、4年分と長期化すれば、グラフに盛り込まる情報量は非常に多くなる。
【0083】
また、患者の体重が大きく増減した月は患者の体調に変化があったものと考えられるが、患者の体重がほとんど増減しない月は患者の体調がほぼ一定していたものと考えられる。そして、患者の症状、特に患者の症状の変化を捉える場合には、患者の体調がほぼ一定していたときの体重の推移よりも、患者の体調に変化があったときの体重の推移の方が参考になる。
そこで、患者の体重が大きく増減した月を抽出してグラフ化すれば、たとえ3年分、4年分であっても、図表に盛り込まれる情報量は制限される。
【0084】
このために、閾値データにおいては、例えば患者状態情報「体重」を示す種類識別情報と、閾値「2kg」とが関連付けられる。そして、患者の体重が、前月測定した体重から2kg以上増減した月と、この月に測定した体重とを抽出し、抽出されたものは記載されているが、抽出されなかったものは省略されているグラフが生成される。
【0085】
一方、介護関係者が、前月から体重が僅かに増減した月も含んだグラフを要望しているのであれば、閾値データにおいて、患者状態情報「体重」を示す種類識別情報と、閾値「0.5 kg」とを関連付けておけばよい。また、介護関係者が、前月から体重が全く増減しなかった月も含んだグラフを要望しているのであれば、閾値データにおいて、患者状態情報「体重」を示す種類識別情報と、閾値「0kg」とを関連付けておけばよい。
【0086】
以上のような実施の形態では、当月の測定結果から前月の測定結果を減算し、減算結果の絶対値が閾値データに含まれている閾値以下であるか否かが判定されるが、これに限定されるものではない。例えば、測定開始月の測定結果(又は、過去1年間の測定結果の平均値)と当月の測定結果との差値の絶対値を求め、求めた絶対値が閾値以下であるか否かが判定される構成でもよい。
【0087】
デフォルトの閾値は予め記憶部23に記憶してあるが、介護関係者が所望の閾値を認知症ケア支援システム4に与え、与えられた閾値が記憶部23に記憶されて、デフォルトの閾値よりも優先的に使用される構成でもよい。また、記憶部23に予め記憶されている複数個の閾値の内から介護関係者が所望の閾値を選択する構成でもよい。
記憶部23は、本発明の実施の形態における閾値記憶手段として機能する。
なお、同じ患者状態情報「体重」であっても、経月変化のグラフを生成する際には閾値「2kg」が用いられ、経年変化のグラフを作成する場合には閾値「5kg」が用いられるよう、1個の患者状態情報に複数種類のグラフに係る閾値が関連付けられる構成でもよい。
【0088】
次に、回答者による認知症ケア支援システム4の利用手順を説明する。
図3及び図4は、PC1で実行される支援アプリ使用処理の手順を示すフローチャートであり、図5は、PC1とサーバ2との間で実行される通信処理の手順を示すフローチャートである。図5は、図3及び図4、並びに図17〜図19の抜粋であり、各後述するS17で1回だけYESと判定され、また、S37でNOと判定された後、S39でYESと判定された場合を示している。
認知症ケア支援システム4を利用する回答者は、例えば支援アプリに対応するアイコンを操作することによって、支援アプリ起動指示をPC1に入力する。
【0089】
制御部11は、支援アプリ起動指示が入力されたか否かを判定し(S11)、まだ入力されていない場合は(S11でNO)、S11の処理を再度実行する。
支援アプリ起動指示が入力された場合(S11でYES)、制御部11は、次に説明するID入力画面(不図示)を表示部15に表示させる(S12)。
【0090】
ID入力画面は、回答者が患者ID、回答者ID、及びパスワードと、図表の出力先(具体的にはPC1かプリンタ3)を指定する情報とをPC1に入力するための画面である。以下では、図表の出力先としてPC1が指定された場合を主に説明する。
ID入力画面にて所要の情報を入力し終えた回答者は、ID入力画面に含まれている操作ボタンを操作することによって、ID送信指示をPC1に入力する。
【0091】
S12の処理終了後、制御部11は、ID送信指示が入力されたか否かを判定し(S13)、まだ入力されていない場合は(S13でNO)、S13の処理を再度実行する。
ID送信指示が入力された場合(S13でYES)、制御部11は、ID入力画面にて入力された患者ID及び回答者ID等をサーバ2へ送信すると共に、回答入力画面の画像データをサーバ2に要求する(S14)。以下では、回答入力画面の画像データをサーバ2に要求したPC1を、単にPC1という。
【0092】
S14の処理の結果、サーバ2からPC1へ、回答入力画面の画像データが生成及び送信される。
制御部11は、回答入力画面の画像データを受信したか否かを判定し(S15)、まだ受信していない場合は(S15でNO)、S15の処理を再度実行する。
回答入力画面の画像データを受信した場合(S15でYES)、制御部11は、受信した画像データに基づいて、回答入力画面を表示部15に表示させる(S16)。このとき、表示部15には、次の図6に示すような回答入力画面が表示される。
【0093】
図6は、表示部15に表示される回答入力画面の一例を示す模式図である。図6に示す回答入力画面41には、回答として選択肢及び/又はテキストが入力される。
回答者は、PC1の表示部15に表示されている回答入力画面41を閲覧しながら、回答入力画面に記載されている質問に対する回答をPC1に入力する。
【0094】
回答入力画面41に記載されている質問は、特定の状況における患者の様子を知るための質問である。ここで、特定の状況とは、回答者が患者に、患者に関する質問を行なう状況である。
回答者名「回答次郎」の回答者は、患者名「患者太郎」の患者に対し、回答入力画面41に記載されている質問を口述する。
このとき、回答者は、質問に対する患者の回答を、回答入力画面41に入力する。また、回答者は、質問に対する回答時の患者の情動及び言動を観察し、観察結果を回答入力画面41に入力する。
【0095】
更に、回答者は、質問に対する回答者自身の回答を、回答入力画面41に入力する。また、回答者は、質問に対する患者の回答時における自身の情動及び言動を回答入力画面41に入力する。
回答入力画面41には、選択肢を選択するためのラジオボタン及びチェックボタンと、テキストを入力するためのテキストボックスと、中止ボタン401と、次へボタン402とが含まれている。
【0096】
選択肢を選択するためのラジオボタンには、「なし」、「弱」、及び「強」が対応している。ラジオボタン「弱」又は「強」が選択された場合、選択肢は選択されたものと看做され、ラジオボタン「なし」が選択された場合、選択肢は選択されていないものと看做される。
回答者は、該当する選択肢を選択し、また、選択肢以外の回答を任意にテキスト入力する。
回答を中止する場合、回答者は中止ボタン401を操作する。
【0097】
回答入力画面41の左半分には、回答者から「家の中で徘徊がありますか」という質問をされた患者が、「いいえ」と回答したこと、及び、回答を弱く拒絶するという情動を表わしたことが入力されている。また、回答時の患者が、怒りを表わしたり、暴力を振るったり、泣いたりといった情動を表わさず、付添人に尋ねる、又は聞き返す等の言動を行なわなかったことが入力されている。
【0098】
回答入力画面41の右半分には、「家の中で徘徊がありますか」という質問に対して回答者が「はい」と回答したことが入力されている。この回答は、患者の回答とは異なる。ここから、「家の中で徘徊がありますか」という質問に対して、患者が間違った答えを口にしたか、嘘をついたのであろうことがわかる。
更に、回答入力画面41の右半分には、患者の回答時に、回答者が、弱い怒り及び強い拒絶感という情動を表わしたことが入力されている。また、患者の回答時に、患者の回答を否定し、患者を指導するという言動を行なったことが入力されている。
【0099】
仮に、患者が質問に対して正しく回答した場合、回答入力画面41の右半分には、「家の中で徘徊がありますか」という質問に対して回答者が「いいえ」と回答したことが入力される。このとき、回答者が強い安心感と信頼感を覚え、患者の回答を肯定したならば、情動「怒り」が「なし」と選択され、情動のテキストボックスに「信頼感」と記入され、情動「安心」及び「信頼感」が夫々「強」と選択される。更に、言動「否定する」及び「指導する」は選択されず、「肯定する」が選択される。
【0100】
ところで、回答入力画面41に記載される選択肢は、常に一定とは限らない。
図7は、図6に示す回答入力画面41が選択肢の選択回数に応じて変化した場合の一例を示す模式図である。
図6に示す回答入力画面41と図7に示すに示す回答入力画面41とを比べれば、患者が徘徊したか否かを回答するための患者側の選択肢、及び回答者側の選択肢、並びに、患者の情動を選択する選択肢は同一であるが、患者の言動、並びに回答者の情動及び言動を選択する選択肢は異なっていることがわかる。
【0101】
患者が徘徊したか否かを回答するための患者側の選択肢、及び回答者側の選択肢は、選択肢の選択回数の多寡とは無関係に、常に一定のものが回答入力画面に記載される。
一方、患者の情動及び言動、並びに回答者の情動及び言動を選択する選択肢は、選択肢の選択回数SSの多寡に応じて、同一又は異なるものが回答入力画面に記載される。
【0102】
図6に示す回答入力画面41に記載されている質問に質問に対する回答の入力が終了すると、回答者は、次へボタン402を操作する。この結果、表示部15には、次の質問が記載されている回答入力画面(例えば後述する図8に示す回答入力画面42)が表示される。
このために、図3に示すように、S16の処理を終了した制御部11は、次へボタン402が操作されたか否かを判定し(S17)、操作された場合は(S17でYES)、現在表示されている回答入力画面にて入力された回答の内容を示す回答内容情報、及び回答日時をサーバ2へ送信すると共に、次の回答入力画面の画像データを要求する(S18)。次いで、制御部11は、処理をS15へ移す。
【0103】
図8は、表示部15に表示される回答入力画面の他の一例を示す模式図である。図8に示す回答入力画面42には、回答として数値が入力される。
回答者名「回答次郎」の回答者は、回答入力画面42に記載されている質問に応じて、患者名「患者太郎」の患者の血圧、体重、及び体温等を測定し、測定月日と測定結果とを回答入力画面42に入力する。
回答入力画面42には、数値を選択するための図示しないプルダウンメニューと、数値を入力するためのテキストボックスと、中止ボタン401と、完了ボタン403とが含まれている。
【0104】
回答者は、測定月日に対応する数値をプルダウンメニューにて選択し、また、計測結果の数値をテキスト入力する。
回答を中止する場合、回答者は中止ボタン401を操作する。
回答入力画面42に記載されている質問に対する回答の入力が終了すると、回答者は、完了ボタン403を操作する。この結果、表示部15には、後述する種類入力画面(不図示)が表示される。
このために、図3に示すように、次へボタン402が操作されていない場合(S17でNO)、制御部11は、完了ボタン403が操作されたか否かを判定する(S19)。
【0105】
完了ボタン403が操作された場合(S19でYES)、制御部11は、現在表示されている回答入力画面にて入力された回答の内容を示す回答内容情報、及び回答日時をサーバ2へ送信すると共に、種類入力画面の画像データをサーバ2に要求する(S20)。一方、完了ボタン403が操作されていない場合(S19でNO)、制御部11は、処理をS17へ戻す。
S20の処理終了後、制御部11は、図4に示すように、種類入力画面の画像データを受信したか否かを判定し(S31)、まだ受信していない場合は(S31でNO)、S31の処理を再度実行する。
【0106】
種類入力画面の画像データを受信した場合(S31でYES)、制御部11は、受信した画像データに基づいて、種類入力画面を表示部15に表示させる(S32)。
ここで、種類入力画面について説明する。
種類入力画面は、回答者が、次に説明する図表種類情報をPC1に入力するための画面である。
【0107】
図表種類情報とは、回答者が閲覧を所望する図表の種類を示すものである。これは、図表のタイトル(例えば「患者の体重の経日変化」)、又は、縦軸及び横軸夫々に取るべきパラメータ(例えば「縦軸は患者の体重、横軸は測定月」)等を用いてなる。更に、図表種類情報には、図表の形式(例えば「折線グラフ」又は「棒グラフ」)、又は、横軸にとるべきパラメータの範囲(例えば本年1月から半年分)等が含まれていてもよい。
なお、種類入力画面にて、図表種類情報以外に、閾値、又は図表の出力先を受け付ける構成でもよい。
【0108】
種類入力画面にて図表種類情報を入力し終えた回答者は、種類入力画面に含まれている操作ボタンを操作することによって、種類送信指示をPC1に入力する。
図4に示すS32の処理終了後、制御部11は、種類送信指示が入力されたか否かを判定し(S33)、まだ入力されていない場合は(S33でNO)、S33の処理を再度実行する。
種類送信指示が入力された場合(S33でYES)、制御部11は、種類入力画面にて入力された図表種類情報をサーバ2へ送信すると共に、後述する図表出力画面の画像データをサーバ2に要求する(S34)。
【0109】
S34の処理の結果、サーバ2からPC1へ、図表出力画面の画像データが生成及び送信される。
次いで、制御部11は、図表出力画面の画像データを受信したか否かを判定し(S35)、まだ受信していない場合は(S35でNO)、S35の処理を再度実行する。
図表出力画面の画像データを受信した場合(S35でYES)、制御部11は、受信した画像データに基づいて、図表出力画面を表示部15に表示させる(S36)。
【0110】
S36の処理の結果として表示部15に表示される図表出力画面には、患者状態情報を表わす図表と、図表種類情報を受け付ける情報受付部(不図示)と、利用終了ボタン(不図示)とが含まれている。また、図表出力画面には、対応策情報が含まれていることもある。
図表の閲覧を終了した回答者は、認知症ケア支援システム4の利用を終了すべく、図表出力画面の利用終了ボタンを操作する。
また、回答者は、他の図表の閲覧を所望する場合、図表出力画面の情報受付部にて図表種類情報を入力する。
【0111】
S36の処理終了後、制御部11は、情報受付部にて図表種類情報が入力されたか否かを判定し(S37)、入力された場合は(S37でYES)、情報受付部にて入力された図表種類情報をサーバ2へ送信すると共に、他の図表出力画面の画像データをサーバ2に要求する(S38)。S38の処理終了後、制御部11は、処理をS35へ移す。
情報受付部にて図表種類情報が入力されていない場合(S37でNO)、制御部11は、利用終了ボタンが操作されたか否かを判定し(S39)、操作されていない場合は(S39でNO)、処理をS37へ戻す。
【0112】
利用終了ボタンが操作された場合(S39でYES)、制御部11は、利用終了情報をサーバ2へ送信し(S40)、支援アプリ使用処理を一旦終了してから、処理をS11へリターンする。
なお、図表出力画面の情報受付部は、図表種類情報以外に、閾値、又は図表の出力先を受け付ける構成でもよい。
ところで、中止ボタン401が操作された場合、PC1には、回答中止指示が入力される。回答中止指示が入力された場合、制御部11は、実行中の処理に割り込んで、支援アプリ使用処理を強制終了してから、処理をS11へリターンする。
【0113】
回答者は、表示部15に表示された図表出力画面を閲覧することによって、図表出力画面に含まれている患者状態情報(及び対応策情報)を理解する。
そして、回答者は、理解した患者状態情報に基づいて、患者の症状の内容及び程度、並びに症状の変化の内容及び程度を判断する。
更に、回答者は、判断結果に基づき、また、理解した対応策情報を参考にして、患者の症状及び症状の変化に応じた適切な対応策を講じる。
【0114】
図3に示す支援アプリ使用処理が実行されることによって、PC1は、本発明の実施の形態における第1又は第2の通信装置として機能する。S16の処理を実行してからS17でYESと判定されるまで、制御部11は、本発明の実施の形態における受付手段として機能する。S18又はS20の処理を実行する制御部11は、本発明の実施の形態における回答出力手段として機能する。また、制御部11がS36の処理を実行することによって、表示部15は、本発明の実施の形態における表示手段として機能する。
ただし、第1の通信装置として機能するPC1と第2の通信装置として機能するPC1とは別個であってもよい。この場合、回答入力画面が表示されるPC1と、図表出力画面が表示されるPC1とは異なる。
【0115】
なお、回答者と、図表出力画面を閲覧する介護関係者とは、同一人物であってもよく、異なる人物であってもよい。
また、PC1に替えて、PDA(携帯情報端末)、スマートフォン、又は携帯電話機等を用いて第1又は第2の通信装置を構成してもよい。
更に、操作部14及び表示部15は、タッチパネルを用いて構成されてもよい。このタッチパネルは、特に、第1又は第2の通信装置が携帯性を有する場合には、3インチ〜15インチのサイズであることが望ましい。何故ならば、このサイズのタッチパネルは、介護関係者による回答入力画面及び図表出力画面等の閲覧、並びに、所要の情報又は指示等の入力が容易であり、しかも、携帯に適するからである。
【0116】
更にまた、PC1に替えて、光学式マーク読取装置を用いて第1の通信装置を構成してもよい。この場合、回答者は、マークシートのマークを塗り潰すことによって、質問に回答する。光学式マーク読取装置は、マークシートの塗り潰されたマークを読み取り、読み取った内容、即ち選択された選択肢を示す回答内容情報を、サーバ2へ送信する。
また、PC1に替えて、スキャナ又はデジタル複合機等を用いて第1の通信装置を構成してもよい。この場合、回答者は、回答用紙に文字又は記号等を手書きで記入することによって、質問に回答する。スキャナ又はデジタル複合機等は、手書きで記入された回答を画像として読み取り、更に、文字認識することによって、回答の内容を示す回答内容情報を、サーバ2へ送信する。
【0117】
次に、図表の出力先としてプリンタ3が指定された場合を説明する。
この場合、S34の処理の結果として、サーバ2からプリンタ3へ、図表出力画面の画像データが送信される。このとき、プリンタ3では、受信した画像データに基づき、図表出力画面に相当する画像が記録用紙に記録される。
プリンタ3は、本発明の実施の形態における第2の通信装置として機能する。
。記録部33は、本発明の実施の形態における記録手段として機能する。
なお、プリンタ3に替えて、ファクシミリ又はデジタル複合機等を用いて第2の通信装置を構成してもよい。
また、プリンタ3がネットワークNではなくPC1に直結しており、プリンタ3への画像データの送信は、PC1を介して行なう構成でもよい。
【0118】
本実施の形態では、回答者が回答を入力する段階を経て図表出力画面が表示される構成を例示したが、これに限定されず、介護関係者が回答を入力する段階を省略して図表出力画面が表示される構成でもよい。前者の場合には、表示された図表出力画面に含まれる図表には、最新の患者状態情報(例えば今月の患者状態情報)が記載され得る。一方、後者の場合には、表示された図表出力画面に含まれる図表には、過去の患者状態情報(例えば先月まで患者状態情報)が記載される。
【0119】
ところで、回答者は、認知症ケア支援システム4に任意の情報を与えたいと所望するかもしれない。例えば、認知症の診断に、患者が好む色の情報が有用であると考える回答者がいたとしても、回答入力画面に、患者が好む色を尋ねる質問が記載されていなければ、回答者がこの情報をPC1に入力することはできない。換言すれば、このような場合とは、回答者が所望する質問が存在しない場合である。
【0120】
そこで、認知症ケア支援システム4は、回答入力画面に記載されている質問に対する回答の入力が全て終了した後で、質問入力画面を表示部15に表示させる構成でもよい。回答者は、少なくとも質問内容情報を質問入力画面にて入力し、場合によっては症状識別情報、質問種別フラグ、及び/又は回答受付情報等も入力する。質問入力画面にて入力された情報は、サーバ2へ送信されて、記憶部23に記憶されている質問データに追加される。
この結果、回答者が入力した新たな質問は、他の回答者が認知症ケア支援システム4を利用した場合に、又は、新たな質問を入力した回答者が再び認知症ケア支援システム4を利用した場合に、回答入力画面に記載される。
【0121】
このように、回答者が作成した質問を認知症ケア支援システム4に反映させる構成では、患者の症状及び症状の変化を把握するための判断材料を充実させることができるため、患者の症状及び症状の変化を更に多角的な視点から把握できる。
【0122】
次に、図表出力画面に含まれる図表について説明する。
図表出力画面には、複数個の患者状態情報を所定順に表わす図表、及び/又は、複数種類の患者状態情報を関連付けて表わす図表が含まれる。前者は、本発明の実施の形態における第1の生成手段が生成する図表であり、後者は、本発明の実施の形態における第2の生成手段が生成する図表である。以下では、前者を第1の図表といい、後者を第2の図表という。
まず、第1の図表について説明する。第1の図表は、例えば、横軸が時間、縦軸が数量の折線グラフ、横軸が階級、縦軸が度数のヒストグラム、又は、項目名が五十音順に並べられたテーブル若しくは棒グラフ等である。
【0123】
図9〜図12夫々は、図表出力画面に含まれる第1の図表の一例を示す模式図である。これらは、2012年7月に回答者が認知症ケア支援システム4を利用した場合に表示部15に表示される図表出力画面に含まれる第1の図表の例である。
図9に示すグラフは、服薬状況の経月変化を示す積み上げ棒グラフである。横軸は2011年8月から2012年7月までの12ヶ月を示し、縦軸は服薬量[mg]を示している。積み上げ棒グラフの各部は、薬品の種類及び服薬のタイミングに応じて色分けされており、各部の縦長さは服薬量に比例する。また、積み上げ棒グラフの左側に記載されている数字は、服薬量を示している。
【0124】
図9に示すグラフには、12ヶ月分の服薬状況が細大漏らさず記載されている。何故ならば、図9に示すグラフを生成する際に用いられた閾値が“0”だからである。
図9に示すグラフを見れば、8月及び9月には、患者は朝食後(図中「朝」)、昼食後(図中「昼」)、及び夕食後(図中「夕」)夫々に薬1を5mgずつ、合計15mg服用したが、10月には夕食後の薬1が10mgに増え、11月には更に朝食後及び昼食後夫々にも薬1が10mgずつ、合計30mg服用されていることがわかる。
ここから、8月及び9月には、服薬量が増減するような患者の症状変化はなかったが、10月及び11月には、服薬量が増加するような患者の症状変化が起きたことが推測できる。
【0125】
また、12月以降、患者が服用する薬品は薬1から薬2に変更されている。また、4月まで、及び6月以降は夕食後に服用されている薬2が、5月には就寝前(図中「寝」)に服用されている。
ここから、12月には薬品の種類が変更されるような症状変化が起き、5月には服薬のタイミングが変更されるような症状変化が起きたことが推測できる。
ところが、11月及び12月の服薬量は30mgで一定であり、1月以降の服薬量15mgで一定である。このため、介護関係者が、薬品の種類又は服薬のタイミングの変更を見落とすかもしれない。
【0126】
故に、図9に示すグラフに替えて、図10に示すグラフを介護関係者に提示する方が、好ましい場合がある。
図10に示すグラフも、図9のそれと同様、服薬状況の経月変化を示す積み上げ棒グラフである。しかしながら、図10に示すグラフは、12ヶ月分の服薬状況の内、7か月分が抜粋されたものである。このために、図10に示すグラフを生成する際に、“0”より大きい閾値が用いられている。
【0127】
服薬量の総量に関する閾値を“1”とした場合、8月の服薬量の総量から9月の服薬量の総量を減算した減算結果の絶対値は“0”であり、閾値未満である。従って、図10に示すグラフからは、9月分が省略され、この部分には省略記号が記載される。一方、9月の服薬量の総量から10月の服薬量の総量を減算した減算結果の絶対値は“5”であり、閾値以上である。従って、図10に示すグラフには、10月分が記載される。同様にして、図10に示すグラフには、11月分及び1月分が記載される。
【0128】
このように、服薬量の総量に関する閾値を“1”とする構成とは、服薬量の総量が僅か1mgでも増減すれば、服薬状況の変化と看做して抽出する構成である。服薬量の総量が大幅に(例えば10mg以上)増減しなければ、服薬状況の変化と看做して抽出しない構成とするならば、服薬量に関する閾値を“10”とすればよい。この場合、図10に示すグラフからは、10月分の記載が省略される。
【0129】
ところで、薬品の種類及び服薬のタイミング夫々は、数値で表わされたものではない(即ち非数値である)ため、このままでは減算結果の絶対値を求めることができない。
薬品の種類及び服薬のタイミング夫々に関しては、所定の手順で数値化されてから、減算結果の絶対値が求められる。
【0130】
具体的には、薬品の種類夫々に、これらを識別する適当な数値が付与される。例えば、薬品の種類に関する閾値を“1”とし、薬品1に“1”、薬品2に“2”が付与される。8月及び9月のように、同じ種類の薬品が服用された場合、数値化された薬品1から薬品1を減算した減算結果の絶対値は“0”であり、閾値未満である。従って、図10に示すグラフからは、9月分が省略される。一方、11月及び12月のように、異なる種類の薬品が服用された場合、数値化された薬品1から薬品2を減算した減算結果の絶対値は“1”であり、閾値以上である。従って、図10に示すグラフには、12月分が記載される。
【0131】
また、服薬のタイミングに関し、例えば夕食後に“1800”、就寝前に“2100”を付与し、閾値を“100 ”とすれば、図10に示すグラフには、5月分及び6月分が記載される。
図10に示すグラフを視認すれば、服薬状況が変化した月(即ち、介護関係者が注目すべき月)が容易にわかる。故に、介護関係者は、服用量の増減のみならず、薬品の種類及び服薬のタイミングの変更にも容易に気づくことができる。
【0132】
図11に示す図表は、生体情報の経月変化を示す折れ線グラフである。このグラフには、4種類の生体情報夫々が細大漏らさず12ヶ月分記載されている。具体的には、太い実線で最高血圧が、細い実線で最低血圧が、破線で体重が、二点鎖線で体温が、夫々記載されている。横軸は2011年8月から2012年7月までの12ヶ月を示し、縦軸は最高血圧及び最低血圧[mmHg]、体重[Kg]、並びに体温[℃]を示している。折線グラフに記載されている数字は、各生体情報の測定値を示している。
【0133】
仮に、最高血圧、最低血圧、体重、及び体温夫々の折れ線グラフが個別に生成された場合、4種類の生体情報の経月変化を調べたい介護関係者は、4つの折れ線グラフを別個に参照しなければならず、不便である。
故に、最高血圧、最低血圧、体重、及び体温夫々の折れ線グラフは同一のグラフに記載すればよい。
かといって、このグラフに服薬量の折れ線グラフも記載されていると、生体情報の経月変化を調べたい介護関係者の利便性を損なう。
【0134】
そこで、患者状態情報は、夫々が所定の項目に分類される。例えば、最高血圧、最低血圧、体重、及び体温は、「生体情報」という項目に分類され、服薬量は、「服薬状況」という項目に分類される。このとき、最高血圧、最低血圧、体重、及び体温夫々には、「生体情報」という項目を示す分類項目情報が関連付けられ、服薬量には、「服薬状況」という項目を示す分類項目情報が関連付けられる。そして、同一項目に分類された患者状態情報、即ち、同一の分類項目情報が関連付けられている患者状態情報が、ひとつの図表にまとめて記載される。つまり、図11に示すグラフは、「生体情報」という同一項目に分類された4種類の患者状態情報夫々を所定順に(具体的には時系列的に)表わしたものである。
なお、一の患者状態情報は、複数の項目に分類されてもよい。
【0135】
図12は、患者状態情報の年間表を意味するテーブルである。
図12に示すテーブルの1列目から12列目までは2011年8月から2012年7月までの12ヶ月を示す。また、1行目は日常生活における患者の様子を示し、2行目は介護内容を示し、3行目は食事内容を示し、4行目はMMSEの点数を示している。
日常生活における患者の様子、介護内容、食事内容、及びMMSEの点数という4種類の患者状態情報は、「年間表に記載すべき患者状態情報」という項目に分類された患者状態情報である。
【0136】
なお、「年間表に記載すべき患者状態情報」に、ここで例示した5種類の患者状態情報以外の患者状態情報も分類されている場合、図表生成前に、「年間表に記載すべき患者状態情報」に分類されている6種類以上の患者状態情報から、5種類を予め選抜する処理を行なえば、図12に示すテーブルが得られる。
【0137】
まず、図12に示すテーブルの1行目について説明する。
回答者は、日常生活における患者の様子を問う質問に対して、10月に「問題行動○○をする」と回答し、6月に「問題行動○○はしない」と回答した。また、回答者は、1月に「日常行為△△ができない」及び「全介助が必要」と回答し、4月に「毎日××をする」と回答した。
故に、図12に示すテーブルの1行目においては、10月、1月、4月、及び6月を示す列に、回答者が回答した内容が記載されている。
【0138】
介護関係者がこの行を見れば、患者は、10月以降問題行動○○をするようになり、6月以降、問題行動○○をしなくなったことがわかる。また、1月以降、患者の日常行為△△に全介助が必要になったことがわかる。更に、4月以降、患者が××を習慣的に行なうようになったことがわかる。
【0139】
次に、図12に示すテーブルの2行目について説明する。
回答者は、介護内容を問う質問に対して、1月から5月まで毎月、食べ物の会話を行なっている、と回答した。また、回答者は、11月から6月まで、タクティールケアを行なっている、と回答した。
故に、図12に示すテーブルの2行目においては、食べ物の会話を行なっていることを意味する横バーが1月から5月まで記載されており、タクティールケアを行なっていることを意味する横バーが11月から6月まで記載されている。
【0140】
次に、図12に示すテーブルの3行目について説明する。
回答者は、食事量を問う質問に対して、10月のみ食事量は多い、と回答し、他の月には食事量は普通である、と回答した。また、食事の硬さを問う質問に対して、10月のみ食事は軟らかい、と回答し、他の月には、食事の硬さは普通である、と回答した。
故に、図12に示すテーブルの3行目においては、10月を示す列に、食事量が多いことを示す「多」という文字と、食事が軟らかいことを示す「軟」という文字とが記載されている。食事量が普通であること、及び食事の硬さが普通であることは、特筆すべき情報ではないため、これらは省略されている。
【0141】
次に、図12に示すテーブルの4行目について説明する。
患者は、12月及び7月にMMSEを受けた。また、MMSEの検査結果である点数は、90及び70であった。このため、回答者は、MMSEの点数を問う質問に、12月及び7月に、90及び70と回答した。
故に、図12に示すテーブルの5行目においては、12月を示す列と7月を示す列とに、点数90と70とが記載されている。
【0142】
次に、食べ物の会話について説明する。
食べ物の会話は、患者が食事に関する問題行動(例えば食べ物を投げる、食べ過ぎる、食べこぼしが多い、食事をしたがらない、又は何度も食事を要求する等)を起こしている場合の対応策のひとつである。
例えば、食べ物を投げる患者は、それが食べ物かどうかわからない(失認)、又は、食べ方がわからない(失行)せいで、そのような問題行動を起こしている可能性がある。従って、介護関係者が食べ物の説明をしたり、食べ方を見せたり、美味しいねと笑顔で一緒に食べたりすることが有効である、とされている。
【0143】
また、何度も食事を要求する患者は、食べた物がわからない、又は食べたことが憶えられない(失認)ため、食事をしたという満足感が得らず、そのような問題行動を起こしている可能性がある。従って、このような場合も、患者の食事中に、介護関係者が食べ物の説明をしながら、美味しいねと笑顔で一緒に食べ、食後にも、さっき食べた□□(食べ物の名前)は、とっても美味しかったね等と患者に話しかけることが有効である、とされている。
【0144】
従って、図12に示すテーブルを見れば、食べ物の会話を行なっている期間には、患者に、失認又は失行という中核症状が現れている、ということが推測できる。
【0145】
次に、タクティールケアについて説明する。
タクティールケアは、患者の身体に優しく触れたり撫でたりするマッサージ(タッチケア)の一種である。タクティールケアには、肉体的な疲労、及び精神的なストレスを軽減し、患者に安心感をもたらすという効用がある。
従って、図12に示すテーブルを見れば、タクティールケアを行なっている期間には、患者に、不安という周辺症状が現れている、ということが推測できる。
【0146】
また、図12に示すテーブルの1行目及び4行目を見れば、問題行動○○をするようになった翌月からタクティールケアが開始され、問題行動○○をしなくなった翌月にタクティールケアが終了している。
ここから、患者の問題行動○○と患者の不安感とに強い関連性があり、患者の不安感をタクティールケアによって軽減すれば、問題行動○○がなくなる、ということが推測できる。
【0147】
ここで、対応策データにおいて、不安を意味する症状識別情報と、タクティールケアを意味する対応策情報とが関連付けられ、更に、不安を意味する症状識別情報と、患者が問題行動○○をするようになった、という選択肢内容情報とが関連付けられているものとする。この場合、患者が問題行動○○をするようになった、という選択肢が選択された10月に、制御部21は、2010年11月から2011年10月までの12ヶ月分の年間表のテーブルと共に、タクティールケアの開始を推奨する対応策メッセージが記載された図表出力画面を生成することができる。
以上のような、図11及び図12夫々に示す図表は、本発明の実施の形態における分類手段が同一項目に分類した複数種類の患者状態情報夫々を所定順に表わす図表、に相当する。
【0148】
次に、第2の図表について説明する。第2の図表は、例えば、横軸に服薬量、縦軸に血圧を取った散布図が挙げられる。散布図に記載されたプロット群の分布から、服薬量と血圧との間に相関関係があるか否かを介護関係者が視覚的に判断することができる。
【0149】
図13〜図16夫々は、図表出力画面に含まれる第2の図表の一例を示す模式図である。
図13及び図14夫々に示すグラフは、複数種類の日常行為について、各日常行為の可否と患者の情動安定性とが関連付けられた3D面グラフである。図13及び図14に示す2つの3D面グラフは、別個の図表出力画面に含まれていてもよいが、同一の図表出力画面に含まれている方がよい。何故ならば、介護関係者が2つの3D面グラフ夫々に記載されている患者状態情報を比較し易いからである。
【0150】
ここで、このような3D面グラフを生成するために必要な質問及び回答を説明する。
まず、患者の介護を担当していた介護者の氏名が問われる。介護者の氏名は、3D面グラフの外部に添え書きされる。図13の場合、介護者としてA氏の氏名が、図14の場合、介護者としてB氏の氏名が、夫々添え書きされている。
【0151】
次に、食事、排泄、入浴、睡眠、及び更衣という5種類の日常行為夫々について、患者が特段の問題なく日常行為を行なうことができるか否かが問われる。例えば、更衣に関する質問は、衣服を選ぶことができますか、上衣の着脱ができますか、ズボン及びパンツ等の着脱ができますか、靴を履くことができますか、並びに、衣服を畳んで所定の場所に片付けることができますか等であり、これらの質問に対する回答は、はい(できる)又はいいえ(できない)である。
【0152】
次いで、各日常行為夫々について、患者が特段の問題なく日常行為を行なうことができる場合(以下、日常行為ができる場合、という)の患者の情動安定性が問われる。更に、患者が全く日常行為を行なうことができないか、又は、日常行為を部分的に行なうことができない場合(以下、日常行為ができない場合、という)の患者の情動安定性が問われる。ここで、日常行為を部分的に行なうことができない場合とは、例えば入浴の際に、洗身は可能だが浴槽に入ってお湯に浸かることができない場合、及び、排泄に関して、トイレ以外で排泄することはあるが、弄便又は不潔行為はない場合等をいう。
【0153】
情動安定性は、夫々“−3”から“3”までの6段階の整数で答えるよう求められる。情動が安定しているほど、情動安定性の数値は高く、情動が不安定であるほど、情動安定性の数値は低い。
回答者は、A氏が介護を担当しているならば、患者の情動安定性は、食事ができる場合“1”、食事ができない場合“−3”、と回答する。一方、回答者は、B氏が介護を担当しているならば、患者の情動安定性は、食事ができる場合“1”、食事ができない場合“0”、と回答する。
介護者は、排泄、入浴、睡眠、及び更衣夫々についても、食事の場合と同様に回答する。
【0154】
なお、情動安定性は、回答者が入力する構成に限定されるものではない。例えば、回答者は、食事ができる場合及びできない場合夫々について、患者が現した喜怒哀楽の感情及び感情の強さを回答する構成でもよい。この場合、喜怒哀楽の感情及び感情の強さを示す回答内容情報に基づいて、制御部21が、情動安定性を演算し、演算結果を患者状態情報として記憶部23に記憶させる。
また、情動安定性を問う質問は、日常行為の際に患者が現した情動を観察した結果を問うものに限定されない。これは、例えば、回答者が患者に、日常行為が可能か否かを質問し、患者が回答した際に現した情動を観察した結果を問うものでもよい。
【0155】
食事、排泄、入浴、睡眠、及び更衣夫々の可否を示す患者状態情報は、「日常行為」という項目に分類される。
図13及び図14夫々に示す3D面グラフは、5種類の日常行為をX軸に取り、日常行為ができるかできないかをY軸に取り、情動安定性をZ軸に取ったものである。
図13に示す3D面グラフを見れば、日常行為ができない場合、患者の情動が非常に不安定であることがわかる。一方、図14に示す3D面グラフを見れば、日常行為ができない場合であっても、患者の情動が不安定になることはない、とわかる。
【0156】
また、図13に示す3D面グラフと図14に示す3D面グラフとを比較すれば、A氏が介護を担当している場合よりも、B氏が介護を担当している場合の方が、総じて患者の情動が安定していることがわかる。ここから、A氏による介護よりもB氏による介護の方が、この患者には適している、と推測できる。
認知症が進行すると、患者ができなくなる日常行為が増える。しかしながら、患者に対する介護者の接し方次第で、日常行為ができなくても、情動は安定に保たれる、と考えられている。つまり、図14に示す3D面グラフは、理想に近い状態である。従って、図13に示す3D面グラフを視認した介護関係者は、次回以降、図14に示す3D面グラフが出力されるように、対応策を講じればよい。
【0157】
図15に示すグラフは、運動の可否、認知の可否、感覚の働きの可否、及び自律神経の働きの可否と、患者の情動安定性とが関連付けられた3D面グラフである。
図15に示す3D面グラフを見れば、患者が何かを認知できない場合、及び患者の感覚が働かない場合に、特に情動が不安定になることがわかる。
【0158】
図16に示すグラフは、中核症状がありますか、という質問に患者が「はい」と回答したか「いいえ」と回答したかと、患者の情動安定性とが関連付けられた3D面グラフである。
図16に示す3D面グラフを見れば、患者が、自分に健忘、失見当識、及び失認が現れている、と自認した場合に、患者の情動がやや不安定になることがわかる。
図13〜図16夫々に示す図表は、本発明の実施の形態における分類手段が同一項目に分類した複数種類の患者状態情報夫々と、情報記憶手段に記憶してある他の患者状態情報とを関連付けて表わす図表、に相当する。
【0159】
最後に、図5と次の図17〜図19とを参照しつつ、サーバ2で実行される図表出力処理について説明する。以下では、サーバ2と1台のPC1との通信を例示する。
図17〜図19は、図表出力処理の手順を示すフローチャートである。
図17に示すように、制御部21は、ID入力画面にて入力された患者ID及び回答者ID等を受信すると共に、PC1から回答入力画面の画像データを要求されたか否かを判定し(S51)、まだ要求されていない場合、制御部21は、S51の処理を再び実行する。
【0160】
回答入力画面の画像データを要求された場合、制御部21は、S51で受信した患者ID及び回答者ID等を一時的にRAM22に記憶させてから、回答入力画面の画像データを生成する(S52)。
S52における制御部21は、例えば、S51で受信した患者IDを用いて患者データを検索することによって、患者を特定し、受信した患者IDに関連付けられている患者の氏名が記載された回答入力画面の画像データを生成する。
【0161】
このとき、制御部21は、質問データにおいて1番目の提示順情報が関連付けられている質問内容情報及び回答受付情報等に基づいて、質問の内容が記載され、更に、回答を入力するためのラジオボタン、チェックボタン、及びテキストボックス等が設けられた回答入力画面の画像データを生成する。回答選択式の質問の場合、制御部21は、選択回数SSの多寡に応じて適宜の個数の選択肢を選出し、選出した選択肢の内容が記載された回答入力画面の画像データを生成する。また、制御部21は、質問種別フラグ群を参照し、例えば、介護関係者のみが答えるべき質問の場合は介護関係者の分のみ回答欄を用意し、介護関係者及び患者の両者が答えるべき質問の場合は両者の分の回答欄を用意した回答入力画面の画像データを生成する。
【0162】
S52の処理終了後、制御部21は、生成した回答入力画面の画像データをPC1へ送信する(S53)。
次に、制御部21は、回答内容情報及び回答日時を受信すると共に、PC1から次の回答入力画面の画像データを要求されたか否かを判定する(S54)。
【0163】
次の回答入力画面の画像データを要求された場合(S54でYES)、制御部21は、S54で受信した回答内容情報に基づく患者状態情報、及び回答日時を、RAM22に記憶した患者IDと共に、回答データの一部として記憶部23に記憶させる(S55)。S54で受信した回答内容情報が選択肢を意味している場合、S55の処理における制御部21は、質問データにおける選択回数SSのインクリメントも行なう。
次いで、制御部21は、次の回答入力画面の画像データを生成する(S56)。
【0164】
S56における制御部21は、質問データにおいて、提示順情報が示す提示順が最も若い質問内容情報を選び出す。又は、制御部21は、RAM22に記憶した患者IDに関連付けられている質問内容情報を選び出す。或いは、制御部21は、S55で記憶した患者状態情報が示す症状を求め、求めた症状を表わす症状識別情報に関連付けられている質問内容情報を選び出す。質問内容情報を選び出す際には、質問種別フラグ群が参照される。
そして、S56における制御部21は、選び出した質問内容情報と、質問種別フラグ群及び回答受付情報等に基づいて、回答入力画面の画像データを生成する。
【0165】
S56の処理終了後、制御部21は、生成した回答入力画面の画像データをPC1へ送信し(S57)、処理をS54へ戻す。
次の回答入力画面の画像データを要求されていない場合(S54でNO)、制御部21は、回答内容情報及び回答日時を受信すると共に、PC1から種類入力画面の画像データを要求されたか否かを判定し(S58)、まだ要求されていない場合(S58でNO)、S54の処理を再び実行する。
【0166】
種類入力画面の画像データを要求された場合(S58でYES)、制御部21は、S54で受信した回答内容情報に基づく患者状態情報、及び回答日時を、S55の処理と同様にして、記憶部23に記憶させる(S59)。次に、制御部21は、S55及びS59で記憶部23に記憶された患者状態情報を分類する(S60)。S60における制御部21は、分類結果である分類項目情報と患者状態情報とを関連付ける。
【0167】
次いで、制御部21は、図18に示すように、種類入力画面の画像データを生成する(S71)。
S71における制御部21は、図表種類情報の入力を促すためのメッセージが記載され、図表種類情報を入力するためのラジオボタン、チェックボタン、及びテキストボックス等が設けられた種類入力画面の画像データを生成する。
S71の処理終了後、制御部21は、生成した種類入力画面の画像データをPC1へ送信する(S72)。
【0168】
次に、制御部21は、図表種類情報を受信すると共に、PC1から図表出力画面の画像データを要求されたか否かを判定し(S73)、まだ要求されていない場合(S73でNO)、S73の処理を再び実行する。
図表出力画面の画像データを要求された場合(S73でYES)、制御部21は、S73で受信した図表種類情報に基づいて、図表出力画面に含むべき図表に関する諸情報を特定する(S74)。
【0169】
例えば、図表種類情報が、最新12ヶ月の服薬状況の経月変化を示す積み上げ棒グラフ意味している場合、S74で特定される諸情報は、図表に記載すべき患者状態情報が分類される項目「服薬状況」、この項目に分類されている患者状態情報(即ち薬品の種類、服薬のタイミング、及び服薬量)、RAM12に記憶されている患者IDに関連付けられた患者状態情報の内、薬品の種類、服薬のタイミング、及び服薬量夫々の最新12ヶ月分の具体的な内容、並びに、縦軸及び横軸夫々の設定等である。
【0170】
また、図表種類情報が、最新12ヶ月の生体情報の経月変化を示す折れ線グラフを意味している場合、S74で特定される諸情報は、図表に記載すべき患者状態情報が分類される項目「生体情報」、この項目に分類されている患者状態情報(即ち最高血圧、最低血圧、体重、及び体温)、RAM12に記憶されている患者IDに関連付けられた患者状態情報の内、最高血圧、最低血圧、体重、及び体温夫々の最新12ヶ月分の具体的な内容、並びに、縦軸及び横軸夫々の設定等である。
【0171】
更に、図表種類情報が、日常行為の可否と患者の情動安定性とが関連付けられた3D面グラフを意味している場合、S74で特定される諸情報は、図表に記載すべき患者状態情報が分類される項目「日常行為」、この項目に分類されている患者状態情報(即ち食事、排泄、入浴、睡眠、及び更衣)、RAM12に記憶されている患者IDに関連付けられた患者状態情報の内、食事、排泄、入浴、睡眠、及び更衣夫々の可否と、日常行為ができる場合の情動安定性及び日常行為ができない場合の情動安定性と、並びに、X軸、Y軸、及びZ軸夫々の設定等である。
【0172】
S74の処理終了後、制御部21は、閾値データを検索し、S74で特定した患者状態情報に関連付けられいてる閾値が“0”であるか否かを判定する(S75)。
閾値が“0”より大きい場合(S75でNO)、制御部21は、S74で特定した患者状態情報が数値で表わされているか否かを判定し(S76)、患者状態情報が非数値である場合(S76でNO)、患者状態情報を所定の手順で数値化する(S77)。
【0173】
S77の処理終了後、又は、S74で特定した患者状態情報が数値で表わされている場合(S76でYES)、制御部21は、2個の患者状態情報の差の絶対値を算出する(S78)。次いで、制御部21は、S74で特定した患者状態情報の内、S78で算出された絶対値が閾値以上である患者状態情報を抽出する(S79)。
S78における制御部21は、例えば数値化された薬品の種類、数値化された服薬のタイミング、及び数値で表わされている服薬量夫々について、前月と当月との差の絶対値を算出する。このとき、S79における制御部21は、前月が存在しない患者状態情報は、無条件で抽出する。例えば、図10に示すグラフの場合、8月分の患者状態情報は必ず抽出される。
【0174】
S79の処理終了後、制御部21は、図19に示すように、S79で抽出した患者状態情報が記載されている図表を生成する(S91)。
一方、図18に示すように、S74で特定した患者状態情報に関連付けられている閾値が“0”である場合(S75でYES)、制御部21は、図19に示すように、S74で特定した患者状態情報が記載されている図表を生成する(S92)。
【0175】
S91又はS92の処理終了後、制御部21は、図表出力画面の画像データを生成する(S93)。
S93における制御部21は、S91又はS92で生成した図表が記載され、更に、情報受付部及び利用終了ボタンが設けられた図表出力画面の画像データを生成する。この図表出力画面には、対応策メッセージが含まれていてもよい。
S93の処理終了後、制御部21は、生成した図表出力画面の画像データをPC1へ送信する(S94)。
【0176】
次いで、制御部21は、図表種類情報を受信すると共に、PC1から他の図表出力画面の画像データを要求されたか否かを判定し(S95)、要求された場合(S95でYES)、S74へ処理を移し、S95で受信した図表種類情報に基づいて、図表出力画面に含むべき図表に関する諸情報を特定する。
他の図表出力画面の画像データをまだ要求されていない場合(S95でNO)、制御部21は、利用終了情報を受信したか否かを判定し(S96)、まだ受信していない場合(S96でNO)、処理をS95へ戻す。
利用終了情報を受信した場合(S96でYES)、制御部11は、図表出力処理を一旦終了してから、処理をS51へリターンする。
【0177】
以上のような図表出力処理が実行されることによって、サーバ2は、本発明の実施の形態における認知症情報出力装置として機能する。
S60の処理を実行する制御部21は、本発明の実施の形態における分類手段として機能する。
S77の処理を実行する制御部21は、本発明の実施の形態における数値化手段として機能する。
S78の処理を実行する制御部21は、本発明の実施の形態における第1の差異演算手段又は第2の差異演算手段として機能する。
S79の処理を実行する制御部21は、本発明の実施の形態における抽出手段として機能する。
【0178】
S91及びS92夫々の処理を実行する制御部21は、本発明の実施の形態における第1の生成手段又は第2の生成手段として機能する。
S93の処理を実行する制御部21は、本発明の実施の形態における図表出力手段として機能する。
なお、本発明の実施の形態における認知症情報出力装置は、PCを用いて構成されてもよい。この場合、回答者は認知症情報出力装置としてのPCに回答を入力する。また、このPCが備える表示部に、生成された図表を含む図表出力画面が表示される。この場合、PCとサーバとが通信することなく、本発明の実施の形態における認知症ケア支援方法を実現することができる。
【0179】
以上のような認知症ケア支援システム4を利用することによって、介護関係者は、日常生活における患者の様子、特定の状況における患者の様子、食事内容、介護内容、服薬状況、生体情報、又はMMSEの点数等、多種多様な患者状態情報が図表化されたものを閲覧することができる。
図表化された患者状態情報を参照すれば、介護関係者は、長期に亘る介護記録を参照するよりも容易に、患者の普段の様子を知ることができる。このため、介護関係者は、患者の症状の内容及び程度、並びに症状の変化の内容及び程度を正確に判断することができる。そして、介護関係者は、判断結果に基づき、患者の症状及び症状の変化に応じた適切な対応策を講じることができる。
【0180】
しかも、認知症ケア支援システム4の利用は、PC1の設置さえ可能であれば、任意の場所で行なうことができる。このため、認知症ケア支援システム4に蓄積された多量の患者状態情報の閲覧及び共有等が容易である。
【0181】
例えば介護関係者は、患者の症状の変化の要因を探究することができる。また、介護、治療、又は投薬の効果を確認し、確認結果を今後の介護計画、治療方針、又は投薬方針に反映させることができる。更に、今後の症状の変化を予測することによって、予防医療にも役立てることができる。
【0182】
以上の説明では、簡単のため、PC1に入力される情報、及び記憶部23に記憶されるデータ等は最小限のものを例示した。しかしながら、実際には、更に多種多様な情報及びデータが用いられることが望ましい。
例えば患者データには、患者の氏名、年齢、住所、家族構成、及び生活状況等の基本的な情報、患者が受けた認知症診断用検査及び検査結果、医師の診断結果、並びに、患者の病歴及び服薬歴の情報等が含まれていることが望ましい。
【0183】
認知症診断用検査とは、例えば、認知症検査、核磁気共鳴画像法(MRI:Magnetic Resonance Imaging)検査、単一光子放射断層撮影法(SPECT:Single Photon Emission Computed Tomography)検査、血液検査、心電図検査、及び胸部レントゲン検査等のことであり、認知症検査としては、MMSE以外に、日本版RBMT(リバーミード行動記録検査)、及びFAB(Frontal Assessment Battery)等が挙げられる。
【0184】
認知症ケア支援システム4で提示される質問には、公知の認知症検査で用いられる質問が含まれていてもよい。また、排尿頻度及び量、並びに排便頻度、排便量、及び排便の硬さ等が問われてもよい。
患者の認知症の進行度に対応する中核症状が複数ある場合には、まず、最も重い中核症状を見分ける典型的な質問が行なわれ、この質問に対する回答から最も重い中核症状が判定され、判定結果に基づいて、最も重い中核症状に関する質問が行なわれる構成でもよい。
【0185】
ここで、典型的な質問とは、例えば、中核症状が発症する原因が患者にあったか否かを調べるための質問である。このとき、中核症状が発症する原因が複数ある場合には、どの原因によって患者の中核症状が発症したのかを見分けるための質問が先に行なわれ、この質問に対する回答から中核症状が発症した原因が特定され、特定結果に基づいて、中核症状が発症する原因が患者にあったか否かを調べるための質問が行なわれる構成でもよい。
【0186】
ところで、質問種別フラグ群の説明にて言及された「患者のみが答えるべき質問」とは、例えば、患者に対して患者自身の氏名を問うような質問である。患者の氏名は患者データに含まれているため、制御部21は、患者の回答の正否を判定することが可能である。一方、介護関係者及び患者の両者が答えるべき質問の場合、介護関係者の回答を正解と看做せば、制御部21は、患者の回答の正否を判定することが可能である。
患者の回答が間違っている場合、制御部21は、間違った回答に関する患者状態情報を優先的に図表化してもよい。
【0187】
また、質問種別フラグ群の説明にて言及された、特定の患者に特有の症状に関する質問に関し、特有の症状が現れているという回答が得られた場合、制御部21は、この回答に関する患者状態情報を優先的に図表化してもよい。
【0188】
本実施の形態においては、PC1の制御中枢である制御部11が支援アプリに従い、また、サーバ2の制御中枢である制御部21がコンピュータプログラム2Pに従って、本発明の実施の形態における認知症ケア支援方法を実現する形態を示したが、これに限るものではない。例えば、PC1又はサーバ2は、本発明の実施の形態における認知症ケア支援方法に係る演算処理の一部又は全部を実行する専用の演算回路を備える構成でもよい。
【0189】
今回開示された実施の形態は、全ての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上述した意味ではなく、特許請求の範囲と均等の意味及び特許請求の範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
また、本発明の効果がある限りにおいて、PC1又は認知症ケア支援システム4等に、実施の形態に開示されていない構成要素が含まれていてもよい。
【符号の説明】
【0190】
1 PC(第1又は第2の通信装置)
11 制御部(受付手段,回答出力手段)
15 表示部(表示手段)
2 サーバ(認知症情報出力装置)
21 制御部(第1及び第2の生成手段,図表出力手段,数値化手段,第1及び第2の差異演算手段,抽出手段,分類手段)
23 記憶部(情報記憶手段,閾値記憶手段)
2P コンピュータプログラム
3 プリンタ(第2の通信装置)
33 記録部(記録手段)
4 認知症ケア支援システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
認知症の患者の症状及び症状の変化を把握するために用いられる患者状態情報を出力する認知症情報出力装置にて、前記患者の介護及び治療を支援する認知症ケア支援方法であって、
前記患者に関する複数種類の質問夫々に対する回答に基づく複数個及び/又は複数種類の前記患者状態情報を記憶し、
記憶した複数個の前記患者状態情報を所定順に表わす図表、及び/又は、記憶した複数種類の前記患者状態情報を関連付けて表わす図表を生成し、
生成した図表を出力することを特徴とする認知症ケア支援方法。
【請求項2】
認知症の患者の症状又は症状の変化を把握するために用いられる患者状態情報を出力する認知症情報出力装置であって、
複数個及び/又は複数種類の前記患者状態情報を記憶する情報記憶手段と、
該情報記憶手段に記憶してある複数個の前記患者状態情報を所定順に表わす図表を生成する第1の生成手段と、
前記情報記憶手段に記憶してある複数種類の前記患者状態情報を関連付けて表わす図表を生成する第2の生成手段と、
前記第1及び/又は前記第2の生成手段が生成した図表を出力する図表出力手段と
を備えることを特徴とする認知症情報出力装置。
【請求項3】
前記情報記憶手段は、前記患者に関する複数種類の質問夫々に対する回答に基づく複数個及び/又は複数種類の前記患者状態情報を記憶するようにしてあることを特徴とする請求項2に記載の認知症情報出力装置。
【請求項4】
前記情報記憶手段に記憶してある前記患者状態情報の内、非数値の前記患者状態情報を所定の手順で数値化する数値化手段と、
該数値化手段が数値化した2個の前記患者状態情報の差の絶対値を求める第1の差異演算手段と、
前記情報記憶手段に記憶してある前記患者状態情報の内、数値で表わされている2個の前記患者状態情報の差の絶対値を求める第2の差異演算手段と、
“0”以上の閾値を記憶する閾値記憶手段と、
前記情報記憶手段に記憶してある前記患者状態情報の内、前記第1又は前記第2の差異演算手段が求めた絶対値が、前記閾値記憶手段に記憶してある閾値以上である前記患者状態情報を抽出する抽出手段と
を更に備え、
前記第1又は前記第2の生成手段は、前記抽出手段が抽出した前記患者状態情報を表わす図表を生成するようにしてあることを特徴とする請求項2又は3に記載の認知症情報出力装置。
【請求項5】
前記情報記憶手段に記憶してある前記患者状態情報を所定の項目に分類する分類手段
を更に備え、
前記第1の生成手段は、前記分類手段が同一項目に分類した複数種類の前記患者状態情報夫々を所定順に表わす図表を生成するようにしてあることを特徴とする請求項2から4の何れかひとつに記載の認知症情報出力装置。
【請求項6】
前記情報記憶手段に記憶してある前記患者状態情報を所定の項目に分類する分類手段
を更に備え、
前記第2の生成手段は、前記分類手段が同一項目に分類した複数種類の前記患者状態情報夫々と、前記情報記憶手段に記憶してある他の前記患者状態情報とを関連付けて表わす図表を生成するようにしてあることを特徴とする請求項2又は4の何れかひとつに記載の認知症情報出力装置。
【請求項7】
前記患者状態情報は、複数の選択肢を含む質問に対する回答に基づくものであり、選択された選択肢が示す情報を用いてなることを特徴とする請求項2から6の何れかひとつに記載の認知症情報出力装置。
【請求項8】
前記患者状態情報は、テキスト及び/又は数値を用いてなることを特徴とする請求項2から7の何れかひとつに記載の認知症情報出力装置。
【請求項9】
認知症の患者の症状及び症状の変化を把握するために用いられる患者状態情報を出力する認知症情報出力装置と、
該認知症情報出力装置と通信可能な第1及び第2の通信装置と
を備え、前記患者の介護及び治療を支援するための認知症ケア支援システムであって、
前記第1の通信装置は、
前記患者に関する複数種類の質問夫々に対する回答を受け付ける受付手段と、
受け付けた回答を前記認知症情報出力装置へ出力する回答出力手段と
を有し、
前記認知症情報出力装置は、
入力された回答に基づく複数個及び/又は複数種類の前記患者状態情報を記憶する情報記憶手段と、
該情報記憶手段に記憶してある複数個の前記患者状態情報を所定順に表わす図表を生成する第1の生成手段と、
前記情報記憶手段に記憶してある複数種類の前記患者状態情報を関連付けて表わす図表を生成する第2の生成手段と、
前記第1及び/又は前記第2の生成手段が生成した図表を前記第2の通信装置へ出力する図表出力手段と
を有し、
前記第2の通信装置は、
入力された図表を表示する表示手段、又は、入力された図表を記録用紙に記録する記録手段
を有することを特徴とする認知症ケア支援システム。
【請求項10】
認知症の患者の症状及び症状の変化を把握するために用いられる複数個及び/又は複数種類の患者状態情報を記憶する情報記憶手段を備えるコンピュータに、前記患者状態情報を出力させるためのコンピュータプログラムであって、
コンピュータに、前記情報記憶手段に記憶してある複数個の前記患者状態情報を所定順に表わす図表を生成させる第1の生成ステップと、
コンピュータに、前記情報記憶手段に記憶してある複数種類の前記患者状態情報を関連付けて表わす図表を生成させる第2の生成ステップと、
コンピュータに、前記第1及び/又は前記第2の生成ステップで生成された図表を出力させる図表出力ステップと
を実行させることを特徴とするコンピュータプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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