説明

認証装置および認証システムおよび認証方法および投薬管理システムおよび投薬管理方法

【課題】 組み合わせが適切か否かを判断する組み合わせ認証の全自動化を図る。
【解決手段】 識別情報自動取得部3と、組み合わせIDタグ検知部4と、組み合わせ確認部5とを備える。識別情報自動取得部3は、所定の監視領域Zに位置しているIDタグ2から通信によって当該IDタグ2が保有している識別情報を自動取得する。組み合わせIDタグ検知部4は、監視領域Zにおいて所定の状態に接近したIDタグ2(2a,2b)同士が有るか否かを監視する。組み合わせIDタグ検知部4が、接近したIDタグ2a,2bを検知した場合には、組み合わせ確認部5は、自動取得された識別情報に基づき、接近したIDタグ2a,2bの組み合わせが適切か否かを判断する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信機能付きタグを利用して認証を行う認証装置および認証システムおよび認証方法および投薬管理システムおよび投薬管理方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
認証システムを利用した投薬管理システムとして、例えば、特許文献1に示すようなものが提案されている。図7に示されるように、その提案の投薬管理システム50は、患者RF(Radio-Frequency)タグ51と、薬RFタグ52と、ハンディ端末53とを有している。
【0003】
患者RFタグ51は、患者が身に付けるリストバンド54に設けられている。患者RFタグ51は、記憶部(図示せず)を有し、当該記憶部には、患者固有の識別情報が登録される。患者RFタグ51は、所謂、パッシブ型RFタグであり、後述する読み取り部が近付くと、前記識別情報を無線送信する。
【0004】
薬RFタグ52は、薬袋55や薬容器などに貼付される薬ラベル56に設けられている。薬RFタグ52に備えられている記憶部(図示せず)には、投薬対象の患者の識別情報が登録される。薬RFタグ52も、患者RFタグ51と同様のパッシブ型RFタグであり、後述する読み取り部が近付くと、記憶部に登録されている識別情報を無線送信する。
【0005】
ハンディ端末53は、携帯することが容易な小型なものである。このハンディ端末53は、読み取り部57を備えている。読み取り部57は、接近した患者RFタグ51や薬RFタグ52から識別情報を読み取る構成を有している。ハンディ端末53は、そのように患者RFタグ51から読み取った識別情報と、薬RFタグ52から読み取った識別情報とを照合し、一致しているか否かを判断し、その照合の結果に応じた音をスピーカ58から発する。
【0006】
この投薬管理システム50では、例えば、看護士や医者等の医療従事者が、患者のリストバンド54の患者RFタグ51にハンディ端末53を近付けて、ハンディ端末53に患者RFタグ51の識別情報を読み取らせる。また、医療従事者は、同ハンディ端末53を、上記患者に投与予定の薬が入っている薬袋55の薬RFタグ52に近付けて、当該薬RFタグ52の識別情報を読み取らせる。そして、医療従事者は、ハンディ端末53に、上記読み取った患者RFタグ51の識別情報と薬RFタグ52の識別情報とを照合させる。この照合の結果、患者RFタグ51の識別情報と、薬RFタグ52の識別情報とが一致したときには、一致したこと(つまり、照合許可)を知らせる音がハンディ端末53のスピーカ58から発せられる。そして、患者に薬が投与される。
【0007】
これに対して、照合の結果、患者RFタグ51の識別情報と、薬RFタグ52の識別情報とが不一致だったときには、不一致を知らせる音(警告音)がハンディ端末53のスピーカ58から発せられる。これにより、医療従事者は、患者と薬が一致していないことに気付くことができ、このため、患者への誤った投薬が回避されることとなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2002−109070号公報
【特許文献2】特開2006−126930号公報
【特許文献3】特開2007−73074号公報
【特許文献4】特許第3967151号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
投薬管理システム50では、上記のように、患者と薬の組み合わせが適切か否かを判断する認証作業を行っている。このような組み合わせの認証を行う投薬管理システム50では、認証する患者と薬のそれぞれを選択する作業は、手作業である。つまり、投薬管理システム50では、医療従事者が、認証対象の患者RFタグ51と、薬RFタグ52とのそれぞれにハンディ端末53を近付けなければならない。このために、認証作業が面倒であるという問題がある。
【0010】
本発明は上記課題を解決するために成されたものであり、その目的は、或物と或物との組み合わせが適切か否かを判断する組み合わせ認証の全自動化を図ることができる認証装置および認証システムおよび認証方法および投薬管理システムおよび投薬管理方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の認証装置は、
所定の監視領域内の通信機能付きID(identification)タグが保有している識別情報を前記IDタグから通信によって自動取得する識別情報自動取得部と、
前記監視領域内において所定の状態に接近した前記IDタグ同士が有ることを検知する組み合わせIDタグ検知部と、
前記自動取得された前記識別情報に基づき、前記接近した前記IDタグ同士の組み合わせが適切か否かを判断する組み合わせ確認部と、
を備える。
【0012】
本発明の認証システムは、
識別情報を保有する通信機能付きIDタグと、
所定の監視領域内の前記IDタグから通信によって前記識別情報を自動取得する識別情報自動取得部と、
前記監視領域内において所定の状態に接近した前記IDタグ同士が有ることを検知する組み合わせIDタグ検知部と、
前記自動取得された前記識別情報に基づき、前記接近した前記IDタグ同士の組み合わせが適切か否かを判断する組み合わせ確認部と、
を備える。
【0013】
本発明の認証方法は、
所定の監視領域内の通信機能付きIDタグが保有している識別情報を前記IDタグから通信によって自動取得し、
前記監視領域内において所定の状態に接近した前記IDタグ同士が有るか否かを監視し、
接近した前記IDタグ同士が有ることを検知した場合には、前記自動取得された識別情報に基づき、前記接近した前記IDタグの組み合わせが適切か否かを判断する。
【0014】
本発明の投薬管理システムは、
患者の識別情報を保有する通信機能付き患者IDタグと、
薬の識別情報を保有する通信機能付き薬IDタグと、
所定の監視領域内の前記患者IDタグおよび前記薬IDタグから通信によって前記識別情報を自動取得する識別情報自動取得部と、
前記監視領域内において所定の状態に接近した前記患者IDタグと前記薬IDタグが有ることを検知する組み合わせIDタグ検知部と、
前記自動取得された識別情報に基づき、前記接近した前記患者IDタグと前記薬IDタグの組み合わせが適切か否かを判断する組み合わせ確認部と、
を備えている。
【0015】
本発明の投薬管理方法は、
所定の監視領域内における通信機能付き患者IDタグが保有する患者の識別情報、および、前記監視領域内における通信機能付き薬IDタグが保有する薬の識別情報を、通信によって自動取得し、
前記監視領域内において所定の状態に接近した前記患者IDタグと前記薬IDタグが有るか否かを監視し、
接近した前記患者IDタグと前記薬IDタグが有ることを検知した場合には、前記自動取得された識別情報に基づき、前記接近した前記患者IDタグと前記薬IDタグの組み合わせが適切か否かを判断する。
【発明の効果】
【0016】
この発明によれば、組み合わせが適切か否かを判断する組み合わせ認証の全自動化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】第1実施形態を説明するための図である。
【図2】第2実施形態を説明するための図である。
【図3】第3実施形態を説明するための図である。
【図4】第3実施形態の投薬管理システムの動作例を説明するためのフローチャートである。
【図5】IDタグの位置検出に関するその他の形態例を説明するための図である。
【図6】その他の実施形態を説明するための図である。
【図7】特許文献1に示されている投薬管理システムを説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に、本発明に係る実施形態を図面に基づいて説明する。
【0019】
(第1実施形態)
図1(a)には、第1実施形態の認証システムの構成が示されている。第1実施形態の認証システム1は、ID(identification)タグ2と、識別情報自動取得部3と、組み合わせIDタグ検知部4と、組み合わせ確認部5とを有して構成されている。IDタグ2は、識別情報を保有する通信機能付きのタグである。識別情報自動取得部3は、所定の監視領域Zに位置しているIDタグ2から当該IDタグ2の識別情報を通信によって自動取得する機能を備えている。組み合わせIDタグ検知部4は、監視領域Zにおいて、所定の状態に接近したIDタグ2(2a,2b)同士が有ることを検知する機能を備えている。組み合わせ確認部5は、前記自動取得された識別情報に基づき、接近したIDタグ2(2a,2b)の組み合わせが適切か否かを判断する機能を備えている。
【0020】
この認証システム1は、図1(b)に示すような、識別情報自動取得部3および組み合わせIDタグ検知部4および組み合わせ確認部5を有する認証装置6を用いて構成することができる。
【0021】
この認証システム1では、識別情報自動取得部3が、所定の監視領域Zに位置しているIDタグ2から当該IDタグ2の識別情報を自動取得する(図1(c)におけるステップS101参照)。組み合わせIDタグ検知部4は、接近したIDタグ2同士が有るか否かを監視する。そして、組み合わせIDタグ検知部4が、接近したIDタグ2(2a,2b)が有ることを検知したとする(ステップS102)。この場合には、組み合わせ確認部5は、それら接近したIDタグ2(2a,2b)の自動取得された識別情報に基づき、IDタグ2(2a,2b)の組み合わせが適切か否かを判断する(ステップS103)。
【0022】
この認証システム1では、IDタグ2からの識別情報の取得も、組み合わせ認証が必要なIDタグ2(2a,2b)の選択も、もちろん、それら選択したIDタグ2(2a,2b)の組み合わせの確認(認証)も、自動的に行われる。このため、前記IDタグ2の組み合わせが適切か否かを判断する組み合わせ認証の全自動化を図ることができる。
【0023】
(第2実施形態)
図2(a)には第2実施形態の投薬管理システム10が示されている。この第2実施形態の投薬管理システム10は、第1実施形態の認証システム1を投薬管理に応用したものである。すなわち、投薬管理システム10は、患者IDタグ11と、薬IDタグ12と、識別情報自動取得部13と、組み合わせIDタグ検知部14と、組み合わせ確認部15とを有して構成されている。
【0024】
患者IDタグ11は、患者16の識別情報を保有する通信機能付きタグである。薬IDタグ12は、薬17の識別情報を保有する通信機能付きタグである。識別情報自動取得部13は、所定の監視領域Zに位置する患者IDタグ11および薬IDタグ12から、それぞれ、当該患者IDタグ11および薬IDタグ12が保有する各識別情報を通信によって自動取得する機能を有する。
【0025】
例えば、監視領域Zにおいて、医療従事者が投薬すべく患者16に薬17を持って近付き、これにより、患者IDタグ11と薬IDタグ12が所定の状態に接近したとする。組み合わせIDタグ検知部14は、そのような患者IDタグ11と薬IDタグ12の接近を検知する機能を備えている。組み合わせ確認部15は、識別情報自動取得部13によって自動取得された識別情報と、組み合わせIDタグ検知部14の検知情報とに基づき、接近した患者IDタグ11と薬IDタグ12の組み合わせが適切か否かを判断する機能を備えている。
【0026】
この投薬管理システム10では、識別情報自動取得部13は、監視領域Zにおける患者IDタグ11、薬IDタグ12から当該患者IDタグ11、薬IDタグ12が保有する識別情報を通信によって自動取得する(図2(b)におけるステップS201参照)。
【0027】
組み合わせIDタグ検知部14は、監視領域Zにおいて所定の状態に接近した患者IDタグ11と薬IDタグ12が有るか否かを監視する。そして、組み合わせIDタグ検知部14が、接近した患者IDタグ11と薬IDタグ12が有ることを検知したとする(ステップS202)。この場合には、組み合わせ確認部15が、自動取得された識別情報に基づき、接近した患者IDタグ11と薬IDタグ12の組み合わせが適切か否かを判断する(ステップS203)。
【0028】
この投薬管理システム10では、患者IDタグ11および薬IDタグ12からの識別情報の取得は自動的に行われる。その上、組み合わせ確認が必要な患者IDタグ11(つまり、患者16)と、薬IDタグ12(つまり、薬17)とを選択する作業も自動的に行われる。さらに、その患者16と薬17の組み合わせが適切か否かの判断も自動的に行われる。すなわち、この第2実施形態の投薬管理システム10では、患者と薬の組み合わせが適切か否かを判断する組み合わせ認証の全自動化が図られている。
【0029】
(第3実施形態)
第3実施形態の投薬管理システムは、第2実施形態の投薬管理システムを基本に持つものである。当該第3実施形態の投薬管理システムでは、図3(a)に示されるような監視領域である病室36において、投薬対象の患者と、薬との組み合わせが適切か否かを判断する組み合わせ認証の全自動化が図られている。すなわち、この第3実施形態の投薬管理システム20は、患者IDタグ21と、薬IDタグ22と、認証装置23と、記憶装置(記憶部)24と、タグリーダ25と、報知部26とを有して構成されている。
【0030】
患者IDタグ21は、患者固有の識別情報を保有するアクティブ型RFタグである。アクティブ型RFタグは、電源を内蔵しているために、例えば数メートルから数十メートル程度の距離の通信が可能という如く、電源を内蔵していないパッシブ型RFタグに比べて、通信能力が高いものである。この第3実施形態では、患者IDタグ21は、患者が身につける物(例えばリストバンドなど)に設けられている。
【0031】
薬IDタグ22は、薬の識別情報を保有しているアクティブ型RFタグである。当該薬IDタグ22は、例えば投与対象の薬を収容した容器等に設けられている。
【0032】
なお、この第3実施形態では、患者や薬の識別情報である例えば6桁の番号の先頭の数字によって患者と薬を区別するというように、識別情報には、当該識別情報が患者のものか薬のものかを判別させるための情報が含まれている。
【0033】
タグリーダ25は、監視対象の病室36に位置している患者IDタグ21や薬IDタグ22から無線送信された識別情報を受信する機能を備えている。この第3実施形態では、病室36に、複数のタグリーダ25(25A,25B)が互いに所定の間隔を離して設置されている。それらタグリーダ25A,25Bは、両方共に、病室36に位置している患者IDタグ21や薬IDタグ22から無線送信された識別情報を受信できるものである。換言すれば、病室36に位置している患者IDタグ21や薬IDタグ22から無線送信された識別情報は、タグリーダ25A,25Bの両方で受信される。
【0034】
報知部26は、認証装置23から出力される指令に従って報知動作を行う機能を備えている。この報知部26は、聴覚的、又は、視覚的、又は、聴覚及び視覚的に、認証装置23の指令に応じた内容を報知できる構成を備えているものである。当該報知部26の例を挙げると、例えば、報知ブザーや、報知ランプや、液晶画面装置や、スピーカーや、そのようなものを組み合わせたもの等がある。なお、報知部26は、認証装置23の付属品である場合もある。
【0035】
記憶装置24は、例えば、LAN(Local-Area-Network)等の情報通信網を介して認証装置23に接続されている。当該記憶装置24には、投薬対象の患者と薬との適切な組み合わせの情報が、患者の識別情報と薬の識別情報との組み合わせでもって格納されている。さらに、記憶装置24には、患者の識別情報に関連付けられて当該患者の投薬履歴ファイルが格納されている。
【0036】
認証装置23は、図3(b)に示されるように、識別情報自動取得部30と、組み合わせ確認部31と、報知制御部32と、組み合わせIDタグ検知部33と、投薬履歴書き込み部(認証結果履歴書き込み部)34とを有して構成されている。
【0037】
識別情報自動取得部30は、タグリーダ25(25A,25B)で受信された識別情報を、例えば、所定のサンプリング時間間隔毎(例えば1秒毎)に自動的に取得する。
【0038】
組み合わせIDタグ検知部33は、所定の監視領域である病室36に位置している患者IDタグ21および薬IDタグ22の位置を検出する機能を備えている。IDタグの位置を検出する手法には様々な手法があり、何れの手法を採用してもよいが、ここでは、組み合わせIDタグ検知部33は、識別情報の受信強度を利用してIDタグの位置を検出する。例えば、組み合わせIDタグ検知部33は、識別情報自動取得部30により自動取得された識別情報を取り込んで当該識別情報の受信強度を検出する。組み合わせIDタグ検知部33には、識別情報の受信強度とタグリーダからの距離との関係データ、および、各タグリーダ25A,25Bの位置情報が予め与えられている。組み合わせIDタグ検知部33は、検出した識別情報の受信強度と、上記関係データおよび位置情報とに基づき、三辺測量手法を応用してIDタグの位置を検出する。
【0039】
組み合わせIDタグ検知部33は、さらに、次のような機能をも備えている。つまり、組み合わせIDタグ検知部33は、上記のように検出したIDタグの位置情報に基づき、病室36に位置している全ての患者IDタグ21と薬IDタグ22との間の距離(タグ間距離)を算出する。そして、組み合わせIDタグ検知部33は、その算出したタグ間距離と、所定の距離(しきい値Ps(例えば、50cm))とを比較する。そのしきい値Psは、薬が投薬のために患者に接近したか否かを判断するための値である。
【0040】
組み合わせIDタグ検知部33は、タグ間距離としきい値Psとの比較の結果、しきい値Ps以下のタグ間距離があることを検知した場合には、接近した患者IDタグ21と薬IDタグ22が有ると判断する。すなわち、組み合わせIDタグ検知部33は、所定の距離以下に接近した患者IDタグ21と薬IDタグ22が有ることを検出する機能を備えている。
【0041】
さらに、組み合わせIDタグ検知部33は、そのように、接近した患者IDタグ21と薬IDタグ22が有ることを検知した場合には、その旨を知らせる信号(認証開始信号)を組み合わせ確認部31に向けて出力する機能を備えている。この信号出力のときに、組み合わせIDタグ検知部33は、その認証開始信号と共に、接近が検出された患者IDタグ21と薬IDタグ22の自動取得された各識別情報をも組み合わせ確認部31に向けて出力する。
【0042】
組み合わせ確認部31は、認証開始信号を受けると、その認証開始信号と共に送信されてきた患者の識別情報と、薬の識別情報とに基づいて、記憶装置24から、投薬対象の患者と薬との適切な組み合わせの情報(照合用情報)を読み出す。さらに、組み合わせ確認部31は、組み合わせIDタグ検知部33から送信されてきた患者の識別情報と薬の識別情報との組み合わせ(認証対象組み合わせ)を、記憶装置24の照合用情報に照合する。そして、組み合わせ確認部31は、認証対象組み合わせと、記憶装置24の照合用情報とが一致するか否かを判断する。つまり、組み合わせ確認部31は、接近した患者IDタグ21と薬IDタグ22との組み合わせ(患者と薬の組み合わせ)が適切か否かを判断する。さらに、組み合わせ確認部31は、組み合わせが適切と判断したときには、投薬許可信号を報知制御部32に出力する。それと共に、組み合わせ確認部31は、組み合わせが適切と判断された患者の識別情報および薬の識別情報を投薬許可信号と共に投薬履歴書き込み部34に向けて出力する。また、組み合わせ確認部31は、組み合わせが不適切であると判断したときには、投薬不許可信号を報知制御部32に出力する。
【0043】
報知制御部32は、投薬許可信号が加えられた場合には、投薬許可を知らせるための所定の報知動作を行わせるべく報知部26を制御する。また、報知制御部32は、投薬不許可信号が加えられた場合には、投薬対象の患者あるいは薬が誤っていることを警告するための所定の報知動作を行わせるべく報知部26を制御する。これにより、報知部26から警告が発せられることによって、誤った投薬が行われるという重大な医療ミスの防止が可能である。
【0044】
投薬履歴書き込み部34は、投薬許可信号、および、患者の識別情報と薬の識別情報が加えられた場合に、その患者の識別情報に関連付けられている記憶装置24の投薬履歴ファイルに、薬の識別情報に基づいた薬の投与の記録を書き込む。
【0045】
この投薬管理システム20は上記のように構成されている。この投薬管理システム20の動作例を図4のフローチャートに基づいて説明する。
【0046】
この投薬管理システム20では、認証装置23の識別情報自動取得部30は、予め定められたサンプリング時間間隔毎に、病室36に位置している全ての患者IDタグ21や薬IDタグ22から識別情報を自動取得する(ステップS301)。
【0047】
この第3実施形態では、識別情報には、当該識別情報が患者のものであるか薬のものであるかを示す情報が含まれている。このことから、組み合わせIDタグ検知部33は、識別情報が自動取得される度に、自動取得された識別情報に基づいて病室36に患者と薬の両方が有るか否かを判断する(ステップS302)。そして、組み合わせIDタグ検知部33は、病室36に患者又は薬が無いと判断したときには、患者と薬の組み合わせ認証をする必要が無い(組み合わせ認証ができない)ことから、次の識別情報の自動取得に備える(休止状態になる)。
【0048】
然る後に、図3(a)に示されるように患者37が居る病室36に、医療従事者が薬38を持ち込んだとする。この場合には、識別情報自動取得部30により、患者IDタグ21の識別情報に加えて薬IDタグ22の識別情報も自動取得される。ところで、図3(a)の例では、病室36には、複数の患者37が居る。このために、識別情報を自動取得しただけでは、病室36に持ち込まれた薬38がどの患者37に投与されようとしているか分からない。つまり、どの患者37と薬38との組み合わせ認証を行ってよいか分からない。そこで、この投薬管理システム20では、次のような動作を行う。
【0049】
すなわち、組み合わせIDタグ検知部33は、患者IDタグ21と薬IDタグ22(患者と薬)の両方が病室36に有ると判断すると、病室36の全ての患者IDタグ21および薬IDタグ22の位置を検出する(図4のステップS303)。
【0050】
そして、組み合わせIDタグ検知部33は、それら検出した位置情報に基づいて、病室36の全ての患者IDタグ21と薬IDタグ22との間の距離(タグ間距離)を算出する(ステップS304)。その後、組み合わせIDタグ検知部33は、算出した全てのタグ間距離を、それぞれ、所定のしきい値Psに比較し、タグ間距離がしきい値Ps以下か否かを判断する。さらに、組み合わせIDタグ検知部33は、病室36に、しきい値Ps以下のタグ間距離が有るか否かを判断する(ステップS305)。換言すれば、組み合わせIDタグ検知部33は、投与できる程度に接近した薬38と患者37の組み合わせが有るか否かを判断する。投与できる程度に接近した薬38と患者37の組み合わせが無い場合には、薬38がどの患者37に投与されようとしているか不明である。このため、組み合わせIDタグ検知部33は、休止状態になり、次の識別情報の自動取得に備える。
【0051】
これに対して、例えば、医療従事者が薬38を投与対象の患者37(37A)の傍に運び、これにより、図3(a)の点線に示されるように、薬IDタグ22が患者IDタグ21(21A)に接近したとする。この場合、薬38の患者37Aへの接近を検知することによって、薬38の投与対象の患者37(つまり、患者37A)を特定できる。このことから、組み合わせIDタグ検知部33は、しきい値Ps以下のタグ間距離が有る、つまり、投与できる程度に接近した薬38と患者37の組み合わせが有ると判断したときには、認証開始信号を組み合わせ確認部31に出力する。それと共に、組み合わせIDタグ検知部33は、しきい値Ps以下の距離に接近している患者37Aの識別情報と薬38の識別情報を組み合わせ確認部31に出力する。これにより、組み合わせ確認部31の認証動作が開始される。
【0052】
すなわち、組み合わせ確認部31は、認証開始信号を受け取ると、それと共に受信した患者37Aの識別情報や薬38の識別情報に基づいて、記憶装置24から、患者と薬の適切な組み合わせ情報(照合用情報)を読み出す。そして、組み合わせ確認部31は、受信した識別情報の組み合わせ(認証対象組み合わせ)と、記憶装置24の照合用情報とを照合し、認証対象組み合わせ(患者37Aと薬38の組み合わせ)が適切か否かを判断する(ステップS306)。
【0053】
そして、組み合わせ確認部31は、認証対象組み合わせが適切であると判断したときには、投薬許可信号を報知制御部32に出力する。それと共に、組み合わせ確認部31は、投薬許可信号、および、患者37Aの識別情報と薬38の識別情報を投薬履歴書き込み部34に出力する。
【0054】
報知制御部32は、投薬許可信号を受け当該投薬許可信号に応じて報知部26を制御し、これにより、報知部26は、投薬許可を知らせる報知動作を行う。投薬履歴書き込み部34は、投薬許可信号を受けると、加えられた患者37Aの識別情報に関連付けられている記憶装置24の投薬履歴ファイルに、加えられた薬の識別情報に基づいた薬の投薬の履歴を書き込む(ステップS307)。
【0055】
これに対して、組み合わせ確認部31は、組み合わせが不適切であると判断したときには、投薬不許可信号を報知制御部32に出力する。報知制御部32は、投薬不許可信号を受け当該投薬不許可信号に応じた報知部26の制御を行う。これにより、報知部26は、投薬が誤っている旨を警告する報知動作を行う(ステップS308)。これにより、投薬を行おうとしていた医療従事者や、患者に、投薬が不適切であることを知らせることができる。このため、誤った投薬が行われることが防止される。
【0056】
なお、報知部26が、認証対象組み合わせの適切・不適切判断の結果を報知する際に、その判断結果を報知するだけでなく、識別情報に基づいた認証対象患者の氏名等をも音声や文字表示でもって報知してもよい。この場合には、次のような効果を得ることができる。例えば、病室36で、複数の患者に対する投薬がほぼ同時に行われようとしている場合には、認証対象の患者と薬の組み合わせが病室36内に複数存在している状態となり、それぞれ、組み合わせ認証が行われることとなる。このような場合に、認証結果だけでなく、認証対象の患者の氏名等をも報知することによって、どの患者と薬の組み合わせに対する認証結果であるかが明確となる。これにより、医療従事者等に認証結果を円滑且つ正確に伝えることができる。このために、認証結果が誤って伝えられて、投薬作業に支障を来す事態の発生を防止できる。
【0057】
この投薬管理システム20は上記のような構成を有しているので、次のような効果を得ることができる。すなわち、この投薬管理システム20では、患者IDタグ21や薬IDタグ22として、アクティブ型RFタグを利用している。アクティブ型RFタグは、例えば数メートル〜数十メートルというような距離の通信が可能なものである。このため、患者IDタグ21や薬IDタグ22をタグリーダ25に近付けなくとも患者IDタグ21や薬IDタグ22から識別情報を取得できる。換言すれば、病室36における患者IDタグ21や薬IDタグ22の識別情報の自動取得が可能である。
【0058】
上記のようにアクティブ型RFタグを利用すると、病室36の全ての患者IDタグ21や薬IDタグ22の識別情報がタグリーダ25を介して取得される。このため、病室36に、複数の患者や、複数の薬がある場合には、識別情報を取得しただけでは、何れの患者と薬の組み合わせについて組み合わせ認証を行ってよいかが不明である。これに対して、この投薬管理システム20では、患者(患者IDタグ21)と薬(薬IDタグ22)の位置関係を利用して、組み合わせ認証を行う患者と薬の組み合わせを自動選択している。そして、その自動選択された患者と薬の組み合わせが適切か否かを自動的に判断している。
【0059】
すなわち、この第3実施形態の投薬管理システム20では、識別情報の取得から、当該取得した識別情報に基づいた組み合わせ認証を行うまでの組み合わせ認証工程の全てを自動化できている。
【0060】
このように、薬と患者の組み合わせ認証の全自動化が図られていることによって、薬と患者の組み合わせ認証のための医療従事者の手間が無くなる。
【0061】
また、医療従事者の手作業によって薬や患者の識別情報を読み込んで薬と患者の組み合わせ認証を行う場合には、医療従事者が認証を忘れてしまう事態が想定される。これに対して、この投薬管理システム20では、上記のように全自動化されているので、そのような認証忘れを回避できる。
【0062】
(その他の実施形態)
なお、この発明は第1〜第3の各実施形態に限定されるものではなく、様々な実施の形態を採り得るものである。例えば、第3実施形態では、組み合わせIDタグ検知部33は、タグリーダ25で受信された識別情報の受信強度を利用して、患者IDタグ21や薬IDタグ22の位置を検出していた。これに対して、次のようにして患者IDタグ21や薬IDタグ22の位置を検出してもよい。例えば、患者IDタグ21および薬IDタグ22は、タグリーダ25に向けて識別情報を送信する通信機能に加えて、その通信よりも弱い送信強度でもって識別情報を送信する機能を備えているとする。つまり、患者IDタグ21および薬IDタグ22は、図5(a)に示されるように、送信強度が異なる出力強側送信部40と出力弱側送信部41と、識別情報が格納されている記憶部42とを有する。出力強側送信部40は、タグリーダ25に向けて識別情報を送信する機能を有する。出力弱側送信部41は、出力強側送信部40よりも弱い送信強度でもって識別情報を送信する機能を有する。なお、出力強側送信部40と出力弱側送信部41は、送信強度だけでなく、送信の周波数が異なっていてもよい。
【0063】
さらに、病室36の床や天井には、図5(b)に示されるように、複数の識別情報感知部43が互いに間隔を介して例えばマトリックス状に配列配置されているとする。識別情報感知部43は、患者IDタグ21や薬IDタグ22の出力弱側送信部41から出力された識別情報を受信する機能を備えている。当該識別情報感知部43は、患者IDタグ21や薬IDタグ22の位置検出に利用されるものである。例えば、出力弱側送信部41からの識別情報は、一つ又は二つの識別情報感知部43だけで受信されるという如く、出力弱側送信部41の送信強度と、隣り合う識別情報感知部43間の間隔とは、関連付けられて設定される。また、隣り合う識別情報感知部43間の間隔は、前記しきい値Psに基づいたIDタグの位置検出精度を考慮して設定される。
【0064】
上記のような構成を備えている場合には、組み合わせIDタグ検知部33は、例えば、識別情報を受信した識別情報感知部43の予め与えられた位置情報に基づいて、その識別情報を持つ患者IDタグ21あるいは薬IDタグ22の位置を検出する。このようにIDタグ21,22の位置を検出する場合にも、第3実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0065】
上記のように、患者IDタグ21あるいは薬IDタグ22の位置を検出する手法には様々なものがあり、第3実施形態に示した位置検出手法に限定されるものではない。
【0066】
また、第3実施形態では、患者と薬の接近は、患者と薬の位置を検出し、当該位置情報に基づいて検出していた。これに対して、例えば、患者IDタグ21と薬IDタグ22のそれぞれに、接近検出用の電波や超音波等の送信部および受信部を設ける。そして、接近した患者IDタグ21と薬IDタグ22が接近検出用の電波や超音波等を互いに送受信できたことを検知することによって、接近した患者IDタグ21と薬IDタグ22が有ると検知できる。このように、患者IDタグ21や薬IDタグ22の位置を検出せずに、患者IDタグ21と薬IDタグ22の接近を検出してもよい。この場合にも、第3実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0067】
さらに、第3実施形態では、病室36におけるタグリーダ25の設置数は2個であったが、タグリーダ25の設置数は、IDタグ21,22の接近検出手法(位置検出手法を含む)等を考慮して適宜設定できるものであり、特に限定されるものではない。また、タグリーダ25の設置位置に関しても適宜設定されるものであり、図示の例に限定されるものではない。
【0068】
さらに、第3実施形態では、患者IDタグ21と薬IDタグ22は、電波を利用して識別情報を送信するものであった。これに対して、例えば、患者IDタグ21と薬IDタグ22は、電波以外の例えば光や超音波等を利用して識別情報を送信してもよい。もちろん、タグリーダ25は、その患者IDタグ21や薬IDタグ22から送信される例えば光信号や超音波信号等の識別情報を受信できる機能を持つものとなる。
【0069】
さらに、第3実施形態では、薬IDタグ22は、薬の識別情報を保有していたが、例えば、薬IDタグ22は、薬の識別情報に加えて、当該薬の投与対象の患者の識別情報をも保有していてもよい。この場合には、例えば、薬IDタグ22から薬の識別情報と投与対象の患者の識別情報を関連付けて自動取得することによって、組み合わせ認証の簡略化を図ることができる。つまり、接近した患者IDタグ21と薬IDタグ22が検知された場合に、その患者IDタグ21から自動取得された識別情報と、薬IDタグ22から自動取得された投与対象の患者の識別情報とが一致しているか否かを判断する。そして、一致していると判断したときには、薬と患者の組み合わせが適切であると判断する。このように組み合わせ認証を行うことができる。この場合には、患者と薬の組み合わせ(認証対象組み合わせ)が適切か否かを判断する際に、患者IDタグ21が保有している患者の識別情報と、薬IDタグ22が保有している投与対象の患者の識別情報とを比較するだけでよい。つまり、自動取得した識別情報と、記憶装置24の格納情報とを照合しなくて済む。このため、照合に関する工程の簡略化を図ることができる。
【0070】
さらに、第3実施形態では、接近した患者IDタグ21と薬IDタグ22の組み合わせが検出されたときには、直ちに、その組み合わせが適切か否かを判断する組み合わせ認証が行われる。これに対して、例えば、患者IDタグ21(患者)と薬IDタグ22(薬)の接近状態が所定の時間(例えば3秒間)継続したことを検知した場合に、その接近している患者と薬の組み合わせ認証を行うようにしてもよい。この場合には、例えば、組み合わせIDタグ検知部33は、患者IDタグ21と薬IDタグ22の接近状態を監視し、当該接近状態が所定の時間(識別情報の所定のサンプリング回数)継続したことを検知できる機能をさらに有する。そして、組み合わせIDタグ検知部33は、接近状態が継続していることを検知できたときに、接近している患者IDタグ21と薬IDタグ22が有ると判断するようにしてもよい。
【0071】
上記のように、接近状態の継続を監視する機能を備えることによって、例えば、識別情報の通信異常等に因るIDタグ21,22の接近の誤検知を防止できる。また、次のような効果も得ることができる。例えば、患者IDタグ21と薬IDタグ22の接近は、投薬のためだけでなく、例えば、ただ単にすれ違いの場合もある。単なるすれ違いであるのにも拘わらず、組み合わせ認証が行われ当該認証結果が報知されると、医療従事者等が混乱したり、医療従事者や患者に煩わしいという不快感を与える虞がある。これに対して、単なるすれ違いは接近状態が継続しないことから、上記のような接近状態の継続を監視する機能を備えることによって、上記したような問題を回避できる。
【0072】
さらに、第3実施形態では、認証装置23は、一つの病室36における患者と薬の組み合わせ認証を行う装置であった。これに対して、例えば、図6に示されるように、認証装置45は、複数の病室36における患者と薬の組み合わせ認証を行う装置であってもよい。この場合には、例えば、各病室36毎に、タグリーダ25および報知部26が設けられる。認証装置45は、各病室36毎に前記同様に患者と薬の組み合わせ認証を行う。このような場合には、認証装置45は、例えば、各病室36のタグリーダ25および報知部26と情報通信網(LAN)を介して接続されていてもよい。また、複数の病室36を集中管理しているサーバ装置がある場合には、そのサーバ装置が、認証装置45としても機能してよい。この場合には、各病室36毎に認証装置を設けなくて済むので、認証装置の設置スペースを確保しなくてよい。なお、図6では、各病室36には、それぞれ、1個ずつタグリーダ25が設置されているが、前述したように、各病室36に設置されるタグリーダ25の数は適宜設定されるものであり、1個に限定されるものではない。また、タグリーダ25の設置位置に関しても適宜設定されるものであり、図示の例に限定されるものではない。
【0073】
さらに、第3実施形態では、認証装置23に、投薬履歴書き込み部34が設けられており、認証装置23が記憶装置24の投薬履歴ファイルに投薬履歴を書き込んでいた。これに対して、例えば、認証装置23とは別体のサーバ装置が設けられている場合に、認証装置23に代えて、そのサーバ装置に投薬履歴書き込み部34を設け、サーバ装置が記憶装置24の投薬履歴ファイルに書き込んでもよい。さらにまた、投薬管理システムから、投薬履歴書き込みの機能を省略してもよい。この場合には、投薬管理システムの簡略化を図ることができる。
【0074】
さらに、第3実施形態に加えて、次のような構成を備えていてもよい。例えば、複数の患者37が接近しているところに、薬38が接近することがあると想定される。この場合には、複数の患者37に薬38が接近するので、しきい値Ps以下のタグ間距離が複数検出される。この場合には、薬38が誤った患者37に投与される虞があることから、組み合わせ確認部31は、投薬不許可信号を出力する。これにより、報知部26から警告が発せられる。
【0075】
さらに、本発明の認証システムは、投薬管理に関する認証だけでなく、他の組み合わせ認証にも適用することができる。例えば、列車や飛行機等の乗り物や、映画館等の予約席と、その予約者との組み合わせ認証にも適用することができる。
【0076】
さらに、本発明の認証システムは、2つのIDタグの組み合わせの認証だけでなく、3つ以上のIDタグの組み合わせ認証にも適用することができる。例えば、客からの注文に応じて、複数種の商品を一箱に梱包して出荷する場合にも適用できる。すなわち、梱包用の箱には、客の宛先を記した送付用ラベルが貼付され、その送付用ラベルには、客の識別情報を保有するIDタグが設けられる。また、各商品には、それぞれ、種類に応じた識別情報を保有するIDタグが設けられる。そして、客の注文に応じた複数種の商品が揃えられて、梱包用の箱に詰められたときに、送付用ラベルのIDタグと、複数の商品のIDタグとが接近する。この3つ以上のIDタグの接近が検出されたときに、それらIDタグが保有する識別情報の組み合わせを、予め与えられている適切な組み合わせの情報に照合して、組み合わせが適切か否かを判断してもよい。この場合には、商品の組み合わせだけでなく、それら商品と、送付先との組み合わせの認証をも行うことができる。
【0077】
上記のように、本発明の認証システムは様々な分野で用いることができる。
【符号の説明】
【0078】
1 認証システム
2 IDタグ
3,13,30 識別情報自動取得部
4,14,33 組み合わせIDタグ検知部
5,15,31 組み合わせ確認部
6,23,45 認証装置
10,20 投薬管理システム
11,21 患者IDタグ
12,22 薬IDタグ
24 記憶装置
25 タグリーダ
26 報知部
34 投薬履歴書き込み部
40 出力強側送信部
41 出力弱側送信部
43 識別情報感知部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の監視領域内の通信機能付きID(identification)タグが保有している識別情報を前記IDタグから通信によって自動取得する識別情報自動取得部と、
前記監視領域内において所定の状態に接近した前記IDタグ同士が有ることを検知する組み合わせIDタグ検知部と、
前記自動取得された前記識別情報に基づき、前記接近した前記IDタグ同士の組み合わせが適切か否かを判断する組み合わせ確認部と、
を備える認証装置。
【請求項2】
前記組み合わせIDタグ検知部は、前記監視領域内の前記IDタグの位置を検出し、当該検出した位置情報に基づき、所定の距離以下に近接した前記IDタグ同士の存在を検知することを特徴とする請求項1記載の認証装置。
【請求項3】
前記組み合わせが適切であると判断された場合に、その組み合わせに関する情報を所定の記憶部に書き込む認証結果履歴書き込み部を、さらに備えている請求項1又は請求項2記載の認証装置。
【請求項4】
前記判断の結果を報知する報知部を、さらに備えている請求項1又は請求項2又は請求項3記載の認証装置。
【請求項5】
前記組み合わせIDタグ検知部は、前記IDタグ同士の接近状態が所定の時間、継続していることを検知した場合に、接近した前記IDタグ同士が有ることを検知したとする請求項1乃至請求項4の何れか一つに記載の認証装置。
【請求項6】
識別情報を保有する通信機能付きIDタグと、
所定の監視領域内の前記IDタグから通信によって前記識別情報を自動取得する識別情報自動取得部と、
前記監視領域内において所定の状態に接近した前記IDタグ同士が有ることを検知する組み合わせIDタグ検知部と、
前記自動取得された前記識別情報に基づき、前記接近した前記IDタグ同士の組み合わせが適切か否かを判断する組み合わせ確認部と、
を備える認証システム。
【請求項7】
前記組み合わせIDタグ検知部は、前記監視領域内の前記IDタグの位置を検出し、当該検出した位置情報に基づき、所定の距離以下に近接した前記IDタグ同士の存在を検知することを特徴とする請求項6記載の認証システム。
【請求項8】
前記組み合わせIDタグ検知部は、前記自動取得された前記識別情報の受信強度に基づいて前記IDタグの位置を検出することを特徴とする請求項7記載の認証システム。
【請求項9】
前記監視領域内に互いに間隔を介して配置された複数の識別情報感知部を、さらに備え、
前記IDタグは、前記識別情報の送信強度が異なる出力弱側送信部と出力強側通信部を含み、
前記出力強側通信部から出力される前記識別情報は、前記識別情報自動取得部により自動取得され、
前記出力弱側通信部から出力される前記識別情報は、前記識別情報感知部により自動取得され、
前記組み合わせIDタグ検知部は、前記識別情報を自動取得した前記識別情報感知部の予め与えられた位置情報に基づき、前記IDタグの位置を検出することを特徴とする請求項7記載の認証システム。
【請求項10】
前記組み合わせが適切であると判断された場合に、その組み合わせに関する情報を所定の記憶部に書き込む認証結果履歴書き込み部を、さらに備えている請求項6乃至請求項9の何れか一つに記載の認証システム。
【請求項11】
前記判断の結果を報知する報知部を、さらに備えている請求項6乃至請求項10の何れか一つに記載の認証システム。
【請求項12】
前記組み合わせIDタグ検知部は、前記IDタグ同士の接近状態が所定の時間、継続していることを検知した場合に、接近した前記IDタグ同士が有ることを検知したとする請求項6乃至請求項11の何れか一つに記載の認証システム。
【請求項13】
所定の監視領域内の通信機能付きIDタグが保有している識別情報を前記IDタグから通信によって自動取得し、
前記監視領域内において所定の状態に接近した前記IDタグ同士が有るか否かを監視し、
接近した前記IDタグ同士が有ることを検知した場合には、前記自動取得された識別情報に基づき、前記接近した前記IDタグの組み合わせが適切か否かを判断する認証方法。
【請求項14】
前記接近した前記IDタグ同士は、所定の距離以下に近接した前記IDタグ同士で有ることを特徴とする請求項13記載の認証方法。
【請求項15】
さらに、前記組み合わせが適切であると判断した場合に、その組み合わせに関する情報を所定の記憶部に書き込む請求項13又は請求項14記載の認証方法。
【請求項16】
さらに、前記判断の結果を報知する請求項13又は請求項14又は請求項15記載の認証方法。
【請求項17】
さらに、接近した前記IDタグ同士が有ることを検知した場合には、前記IDタグの組み合わせが適切か否かを判断する前に、それらIDタグ同士の接近状態を監視し、
前記IDタグの組み合わせが適切か否かの判断は、前記監視により、前記接近状態が所定の時間、継続していることを検知した後に行う請求項13乃至請求項16の何れか一つに記載の認証方法。
【請求項18】
患者の識別情報を保有する通信機能付き患者IDタグと、
薬の識別情報を保有する通信機能付き薬IDタグと、
所定の監視領域内の前記患者IDタグおよび前記薬IDタグから通信によって前記識別情報を自動取得する識別情報自動取得部と、
前記監視領域内において所定の状態に接近した前記患者IDタグと前記薬IDタグが有ることを検知する組み合わせIDタグ検知部と、
前記自動取得された識別情報に基づき、前記接近した前記患者IDタグと前記薬IDタグの組み合わせが適切か否かを判断する組み合わせ確認部と、
を備えている投薬管理システム。
【請求項19】
前記組み合わせが適切であると判断された場合に、前記患者への前記薬の投与の記録を投薬履歴として所定の記憶部に書き込む投薬履歴書き込み部を、さらに備えている請求項18記載の投薬管理システム。
【請求項20】
前記判断の結果を報知する報知部を、さらに備えている請求項18又は請求項19記載の投薬管理システム。
【請求項21】
前記組み合わせIDタグ検知部は、前記患者IDタグと前記薬IDタグの接近状態が所定の時間、継続していることを検知した場合に、接近した前記患者IDタグと前記薬IDタグが有ることを検知したとする請求項18又は請求項19又は請求項20記載の投薬管理システム。
【請求項22】
所定の監視領域内における通信機能付き患者IDタグが保有する患者の識別情報、および、前記監視領域内における通信機能付き薬IDタグが保有する薬の識別情報を、通信によって自動取得し、
前記監視領域内において所定の状態に接近した前記患者IDタグと前記薬IDタグが有るか否かを監視し、
接近した前記患者IDタグと前記薬IDタグが有ることを検知した場合には、前記自動取得された識別情報に基づき、前記接近した前記患者IDタグと前記薬IDタグの組み合わせが適切か否かを判断する投薬管理方法。
【請求項23】
さらに、前記組み合わせが適切であると判断した場合に、前記患者への前記薬の投与の記録を投薬履歴として所定の記憶部に書き込む請求項22記載の投薬管理方法。
【請求項24】
さらに、前記判断の結果を報知する請求項22又は請求項23記載の投薬管理方法。
【請求項25】
さらに、接近した前記患者IDタグと前記薬IDタグが有ることを検知した場合には、前記患者IDタグと前記薬IDタグの組み合わせが適切か否かを判断する前に、それら前記患者IDタグと前記薬IDタグの接近状態を監視し、
前記患者IDタグと前記薬IDタグの組み合わせが適切か否かの判断は、前記監視により、前記接近状態が所定の時間、継続していることを検知した後に行う請求項22又は請求項23又は請求項24記載の投薬管理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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