説明

誘電性ヒート・シンクを備えた極低温NMRプローブ・コンデンサ

【課題】ヒート・シンクなどの構成要素により回路に引き起こされる擾乱を低減できる核磁気共鳴プローブを提供する。
【解決手段】いくつかの実施形態に基づいて、低温(極低温)核磁気共鳴(NMR)プローブ固定コンデンサは、極低温ヒート・シンクにコンデンサを熱的に接続する働きをする熱伝導性誘電体層を含んでいる。例えば、サファイア層を金属化して、サファイア層の両側に銅のコンデンサ平板を形成するとともに、サファイア層の縁端部に沿って銅のヒート・シンク接点部を形成してもよい。このようなコンデンサを含むNMR回路の動作時にRF電流により発生する熱は、熱伝導性誘電体を介してヒート・シンクに放出される。熱伝導性コンデンサ誘電体を介して、コンデンサなどの低温プローブ回路部品を冷却する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は磁気共鳴システムおよび方法、特に、極低温NMRプローブ用のコンデンサ・システムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
核磁気共鳴(NMR)スペクトル分析器は、静磁場Bを発生する超伝導磁石と、静磁場Bに対して垂直な時間変動磁場Bを発生するとともに、印加磁場に対するサンプルの応答を検出する1つ以上の専用高周波(RF)コイルを含むNMRプローブと、を通常含んでいる。各RFコイルと、関連する回路とは、サンプル内に存在している対象原子核のラーモア周波数で共鳴することができる。RFコイルは、NMRプローブの一部として通常提供されており、サンプル・チューブまたはフロー・セル内に位置するサンプルを分析するために使用される。
【0003】
対象NMR周波数は、対象原子核と、印加される静磁場Bの強度と、により決定される。NMR測定の感度を最大にするために、励磁/検出回路の共振周波数を対象周波数に等しくなるように設定する。励磁/検出回路の共振周波数は、下記の式のように変化し、
【0004】
【数1】

【0005】
ここでLおよびCは、それぞれ励磁/検出回路の実効インダクタンスおよび静電容量である。さらに、RFコイルへのRFエネルギーの伝達を最大にするために、各コイルのインピーダンスは、RFコイルに電気的に接続された構成要素の回路網を有する伝送線のインピーダンスに一致(マッチング)している。コイルのインピーダンスが一致していないときには、コイルに送出されたRFエネルギーのうちの最適状態に及ばない割合がコイルに実際に入力される。残りのエネルギーは反射してしまい、NMR測定には寄与しない。可変および固定コンデンサ(キャパシタ)ならびに可変および固定インダクタを使用して、NMR回路共振周波数を要求値に設定し、最適インピーダンスのマッチングを確保してもよい。
【0006】
いくつかのNMRシステムでは極低温冷却NMRプローブを使用している。液体窒素または液体/気体ヘリウムなどの極低温流体が、NMRのRFコイル、回路、およびプリアンプなどのNMRプローブ構成要素を伝導的に冷却する。対象サンプルを、室温に、または極低温に冷却された回路部品とは異なる温度に、保持してもよい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
低温プローブは、コイル電気抵抗の低減を一般的に可能にして、比較的高いQ値を達成する。その反面、コイルの熱ノイズが低減されるため、他のノイズの寄与がますます顕著になる可能性がある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
一態様に基づいて、低温核磁気共鳴プローブは、極低温冷却核磁気共鳴高周波コイルと、高周波コイルに電気的に接続された極低温冷却固定コンデンサと、を含んでいる。コンデンサは、一対の固定対向電気伝導板と、伝導板の間に位置しており、伝導板とは別個の接触領域を介して極低温ヒート・シンクに熱的に結合している熱伝導性誘電体層と、を含み、誘電体層を介して伝導板を冷却するようになっている。
【0009】
他の態様に基づいて、方法は、固定コンデンサの一対の対向導体を、対向導体の間に配設した熱伝導性のコンデンサ誘電体を介して極低温に冷却するステップであって、コンデンサ誘電体は極低温ヒート・シンクに連結されている、ステップと、固定コンデンサに電気的に接続された極低温冷却核磁気共鳴高周波コイルを用いて核磁気共鳴測定を行うステップと、を含む。
【0010】
他の態様に基づいて、低温核磁気共鳴装置は、極低温冷却固定集中定数素子コンデンサと、コンデンサに電気的に接続された核磁気共鳴高周波コイルと、を含んでいる。コンデンサは、サファイア誘電体と、サファイア誘電体の両側に取り付けた一対の金属コンデンサ板と、サファイア誘電体を介してコンデンサ板と極低温ヒート・シンクとの間の熱的接続を確立してコンデンサ板を冷却するために、サファイア誘電体に取り付けた金属ヒート・シンク接点部と、を含んでいる。
本発明の上述の態様および利点の理解は、以下の詳細な説明を読むとともに、添付図面を参照するとき、いっそう深まるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明のいくつかの実施形態の例示的NMRスペクトル分析器の模式図である。
【図2】本発明のいくつかの実施形態の、可変および固定コンデンサを含むNMRのLC回路の模式図である。
【図3−A】本発明のいくつかの実施形態の、熱接地の役割をする共通熱伝導性誘電体層を共有する2つのコンデンサを含む固定コンデンサ・アセンブリの平面(面内)図を示している。
【図3−B】本発明のいくつかの実施形態の、図3−Aのコンデンサ・アセンブリの側面図を示している。
【図4−A】本発明のいくつかの実施形態の、凹面状誘電体層の両面に取り付けた凹形対向板を有する固定コンデンサを示している。
【図4−B】本発明のいくつかの実施形態の、平面状誘電体層の両面に取り付けられ縁端部が丸みを帯びた略平面状対向板を有する固定コンデンサを示している。
【図5−A】本発明のいくつかの実施形態の、単一の円形コンデンサを含むコンデンサ・アセンブリを示している。
【図5−B】本発明のいくつかの実施形態の、正方形コンデンサを含むコンデンサ・アセンブリを示している。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下の説明では、必ずしも限定としてではなく、一例として本発明を示している。要素への任意の言及は、少なくとも1つの要素についての言及と理解される。要素の集合は1つ以上の要素を含むと理解される。複数の要素は少なくとも2つの要素を含んでいる。記載されたそれぞれの要素または構造は一体構造で形成されているか、もしくは一体構造の一部である可能性があり、または複数の異なった構造から形成されている可能性がある。記載された任意の電気的または機械的接続(結合)は、中間回路要素または構造を介して確立された直接接続または間接的動作接続である可能性がある。例えば、高周波NMRコイルは、複数の回路部品を介してコンデンサに接続されていてもよい。他に特に規定がなければ、板または層は、平面状、または凹面状もしくは凸面状などの準平面状であってもよい。他に特に規定がなければ、ヒート・シンクは熱源から熱を回収する働きをする任意の構造であってもよく、このような構造は、特に、金属もしくは他の材料の固体ブロック、熱交換器、または極低温流体導管を含んでいてもよい。
【0013】
以下の説明では、必ずしも限定としてではなく、一例として本発明の実施形態を示している。
図1は、本発明の実施形態の例示的核磁気共鳴(NMR)スペクトル分析器12を示す模式図である。スペクトル分析器12は、磁石16と、磁石16の円筒穴内に挿入したNMRプローブ20と、磁石16とプローブ20とに電気的に接続された制御/取得システム18と、を含んでいる。プローブ20は、1つ以上の高周波(RF)コイル24と、関連する電気回路部品と、を含んでいる。単純化するために、以下の議論では単一コイル24に焦点を合わせているが、システムが他の同様のコイルを含んでいてもよいということが理解される。サンプル容器22をプローブ20の中に配置して、サンプルの測定を実行する間、対象NMRサンプルをコイル24の中に保持している。サンプル容器22はサンプル・チューブまたはフロー・セルであってもよい。コンデンサ、インダクタ、および他の構成要素などの多くの電気回路部品が、プローブ20の回路領域26内に位置しており、コイル24に接続されている。コイル24と、コイル24に接続されたさまざまな構成要素とは、1つ以上のNMR測定回路を形成している。回路領域26は、コイル24のすぐ下にコイル24に隣接して位置している。
【0014】
測定を行うために、コイル24の中に画成された測定空間にサンプルを挿入する。磁石16は、サンプル容器22の中に保持されたサンプルに静磁場Bを印加する。制御/取得システム18は、プローブ20に所望の高周波パルスを印加して、プローブ20の中のサンプルの核磁気共鳴特性を示すデータを取得するように構成された電子部品を含んでいる。コイル24は、サンプルに高周波磁場Bを印加するために、および/または印加磁場に対するサンプルの応答を測定するために、使用される。RF磁場は静磁場に対して垂直である。同じコイルを使用して、RF磁場を印加することと、印加磁場に対するサンプル応答を測定することの両方を行ってもよい。あるいは、1つのコイルをRF磁場を印加するために使用して、他のコイルを印加磁場に対するサンプルの応答を測定するために使用してもよい。コイルを含むNMR測定回路の共振周波数を同調させることにより、単一のコイルを使用して多重周波数での測定を実行してもよい。回路内に含まれる1つ以上の可変コンデンサの静電容量値を調整することにより、回路共振周波数の同調を達成してもよい。
【0015】
図2は、本発明のいくつかの実施形態の可変同調型NMR測定回路30の模式図を示している。測定回路30は、NMRサンプル・コイル24と、サンプル・コイル24に接続された固定コンデンサ40と可変コンデンサ44とを含む回路36と、を含んでいる。また、測定回路30は、他の能動部品および/または受動部品を含んでいてもよい。
図3−Aおよび図3−Bは、本発明のいくつかの実施形態の、2つの固定コンデンサ40aおよび40bを含む固定コンデンサ・アセンブリ50の、それぞれ平面(面内)図および側面図を示している。コンデンサ40aおよび40bは、固定集中定数素子コンデンサであり、対象RF電流の波長よりも小さい外形寸法を有している。コンデンサ40aおよび40bは、熱接地の役割をする共通熱伝導性平面状誘電体層52を共有している。ヒート・シンク接点部54は、誘電体層52の熱固定用縁端部に沿って位置している。ヒート・シンク接点部54は、誘電体層52とヒート・シンク58との間の熱接続を確立している。誘電体層52の中を通る熱流の方向は、矢印64、64’で模式的に示されている。
【0016】
コンデンサ40aは、誘電体層52の両側に配設した2つの平面円板状伝導板60a、60a’を含んでいる。板60a、60a’は、誘電体層52上に蒸着した銅メタライズ層で形成してもよい。板60a、60a’は、それぞれ外部的に伝導性リード線62a、62a’を介して電気的に接続されている。同様に、コンデンサ40bは、誘電体層52の両側に配設した2つの平面円板状伝導板62b、62b’を含んでいる。板60b、60b’は、誘電体層52上に蒸着した銅メタライズ層で形成してもよい。板60b、60b’は、それぞれ外部的に伝導性リード線62b、62b’を介して電気的に接続されている。
【0017】
誘電体層52は、サファイアのような熱伝導性材料で形成されていることが好ましい。いくつかの実施形態では、ダイヤモンド、窒化アルミニウムのような材料、またはアルミナ(酸化アルミニウム)もしくはベリリア(酸化ベリリウム)のような熱伝導性セラミックで、誘電体層52を形成してもよい。いくつかの実施形態では、単結晶サファイアなどの材料の単一体積で誘電体層52を形成してもよい。いくつかの実施形態では、誘電体層52は、複数の材料、例えば、異種材料の複数の積層を含んでいてもよい。対象動作温度における誘電体層52の熱伝導率は、銅のような一般的な金属の熱伝導率の一桁差以内であることが好ましい。一般的に使用されるコンデンサ誘電体は、金属の熱伝導率よりも数桁低い熱伝導率を通常有している。
【0018】
コンデンサ板60、ヒート・シンク接点部54、および/または伝導性リード線62a、62a’、62b、62b’は、銅、金、銀、またはアルミニウムのような純金属で形成してもよい。金属は、例えば、直接ボンディング、めっきおよび焼成、スパッタリング、めっき、または金属薄膜の接着により、誘電体層52に取り付けてもよい。ヒート・シンク58は、低温板、固体ヒート・シンク・ブロック、極低温流体の供給源(例えば、液体ヘリウムまたは液体窒素の導管)、および/または誘電体層52を極低温に冷却できる他の任意の構造/装置を含んでいてもよい。
【0019】
いくつかの実施形態では、各コンデンサ40a、40bの面内の外形寸法(例えば、円形形状の直径)は約2mm〜2cmであってもよく、他方、各コンデンサ40a、40bの厚さは約0.1mm〜2mmであってもよい。いくつかの実施形態では、各コンデンサ40a、40bの静電容量は0.1〜100pFの値を有していてもよい。25Kにおける単結晶サファイアの熱伝導率は6000W/mK程度である。
【0020】
誘電体内で達成可能な熱伝導は、幾何学的形状、表面仕上げ、および低温ヒート・シンクまでの距離により制限される可能性がある。高Qコンデンサを製作するために、コンデンサ板上の導体の複数の表皮厚さを使用してもよい。導体と誘電体との表面結合は、導体と誘電体との間の良好な熱伝導を促進する。金属と誘電体との直接ボンディングが好ましいが、接着剤の薄膜層は許容できる結果を与える可能性がある。
【0021】
いくつかの実施形態では、上述したように、コンデンサ・アセンブリを製造するために、銅金属の連続メッキを平面状サファイア基板上に蒸着して、基板の両側にコンデンサ板を画成している。1つの蒸着ステップで1つ以上のコンデンサを形成してもよい。基板縁端部に沿って銅をサファイア基板上に蒸着することにより、1つ以上のヒート・シンク接点部を画成してもよい。伝導性リード線は、例えば、はんだ付けまたは抵抗溶接により、コンデンサ板に取り付けられている。サファイア基板が熱伝導性であるため、基板の片側にリード線を取り付ける場合に、先行して行った反対側のリード線の取り付け部を劣化させないことを確実にするように、リード線取り付けプロセスを設計してもよい。いくつかの実施形態では、抵抗溶接または高温はんだを使用することにより、片側にリード線を取り付ける場合に、反対側のリード線取り付け部を劣化(例えば、断線)させないことを確実にしてもよい。その結果、アセンブリはNMRプローブ回路に電気的に接続され、極低温ヒート・シンクに熱的に結合される。いくつかの実施形態では、サファイア・ウェハ上に複数の銅ドットを堆積させ、ウェハをさいの目に切り(ダイシング
し)、上述したように、各コンデンサを、電気的および熱的に、外部リード線およびヒート・シンクに接続することにより、複数のコンデンサを構成してもよい。
【0022】
図4−Aは、本発明のいくつかの実施形態の、誘電体層152の互いに反対側の凹曲面に取り付けた凹形対向板160、160’を含む固定コンデンサ・アセンブリ150を示している。図4−Aに示すように、中央のくびれ部と、幅の広い外側縁端部とを有するコンデンサの幾何学的形状により、コロナ放電またはアーク放電が生じない状態で、誘電体で分離された板の間に、より高い電圧を保持することができる。
【0023】
図4−Bは、本発明のいくつかの実施形態の、平面状誘電体層252の互いに反対側の平面に取り付けられ縁端部が丸みを帯びた円板状板260、260’を含む固定コンデンサ・アセンブリ250を示している。伝導板260、260’の縁端部は丸みを帯びており、電界放出またはコロナ・アーク放電が生じるまでの耐電圧を向上させている。図4−Bの構造は、コンデンサの絶縁破壊電圧の改善の程度が図4−Aの構造よりも小さいかもしれないが、より容易に製造できる可能性がある。
【0024】
図5−Aは、本発明のいくつかの実施形態の、単一の円形コンデンサ340を含むコンデンサ・アセンブリ350を示している。熱伝導性誘電体支持部352が、コンデンサ340の2つの対向板の間に延びている。ヒート・シンク熱接点部354が誘電体支持部352上に形成されている。ヒート・シンク接点部354は、コンデンサ340から横方向に(面内で)離間している。
【0025】
図5−Bは、本発明のいくつかの実施形態の、正方形コンデンサ440を含むコンデンサ・アセンブリ450を示している。熱伝導性誘電体支持部452が、コンデンサ440の2つの対向板の間に延びている。ヒート・シンク熱接点部454が、誘電体支持部452上に形成されている。ヒート・シンク接点部454は、コンデンサ440から横方向に(面内で)離間している。いくつかの実施形態では、コンデンサ440のような正方形コンデンサは、コンデンサ340のような円形コンデンサよりも簡単に製造できる可能性がある。その反面、コンデンサのとがった角部は、コンデンサの最大作動電圧(電界放出またはコロナ・アーク放電が生じない状態で達成可能な最大電圧)を低下させる可能性がある。
【0026】
上述した例示的NMR回路冷却システムおよび方法は、ヒート・シンクのような冷却構成要素により引き起こされる回路性能に対する妨害を最小にした状態で、NMR回路部品の冷却を可能にする。RF電流が回路を通って流れるとき、RF回路の導体は発熱する可能性がある。このような発熱は、極低温に冷却されたNMRのRF回路において特に顕著であるかもしれない。ヒート・シンクまたは他の電気伝導性構成要素を、直接回路導体に熱的に接続すると、浮遊容量が増えたり、または回路接地を妨げたりする可能性がある。サファイアは、上述したように熱的に接地された静電容量アセンブリ内で誘電体として使用するのに特に有用な材料である。単結晶サファイアは、極低温における良好な熱伝導率、高い比誘電率、低い誘電損失を有しており、高い回路Q値を達成できる。
【0027】
上述の実施形態を本発明の範囲を逸脱することなく、さまざまに変更してもよい。したがって、本発明の範囲は、下記特許請求の範囲およびそれらの法的な均等物により決定されるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
極低温冷却核磁気共鳴高周波コイルと、
前記高周波コイルに電気的に接続された極低温冷却固定コンデンサと、を含む、核磁気共鳴プローブであって、
前記極低温冷却固定コンデンサは、
一対の固定対向電気伝導板と、
前記伝導板の間に位置しており、前記伝導板とは別個の接触領域を介して極低温ヒート・シンクに熱的に結合している熱伝導性誘電体層と、を含み、前記誘電体層を介して前記伝導板を冷却するようになっている、
核磁気共鳴プローブ。
【請求項2】
当該プローブが、前記高周波コイルに電気的に接続された複数の極低温冷却固定コンデンサを含み、前記複数のコンデンサは、前記熱伝導性誘電体層の両側に配設した対応する複数対の対向電気伝導板を含む、請求項1に記載のプローブ。
【請求項3】
前記伝導板が、前記誘電体層の面に沿って実質的に円形の形状を有している、請求項1に記載のプローブ。
【請求項4】
前記誘電体層および前記伝導板が、略平面状である、請求項1に記載のプローブ。
【請求項5】
前記誘電体層が、一対の互いに反対側の凹曲面を含み、前記一対の伝導板が、前記凹曲面に取り付けられた略凹形の導電性金属で形成されている、請求項1に記載のプローブ。
【請求項6】
前記誘電体層が、サファイアで形成されている、請求項1に記載のプローブ。
【請求項7】
前記伝導板が、前記誘電体層に取り付けられた銅層で形成されている、請求項6に記載のプローブ。
【請求項8】
前記誘電体層が、セラミック、ダイヤモンド、および窒化アルミニウムから選択される材料を含む、請求項1に記載のプローブ。
【請求項9】
前記誘電体層の主たる面内の前記コンデンサの外形寸法が、2mmよりも大きく、2cmよりも小さい、請求項1に記載のプローブ。
【請求項10】
極低温ヒート・シンクに熱的に結合している極低温に冷却された熱接地面であって、固定コンデンサの対向導体の間に位置する誘電体層を形成し、前記導体から前記ヒート・シンクに熱を伝達する熱接地面と、
前記固定コンデンサに電気的に接続された極低温冷却核磁気共鳴高周波コイルと、を含む、核磁気共鳴装置。
【請求項11】
固定コンデンサの一対の対向導体を、前記対向導体の間に配設した熱伝導性のコンデンサ誘電体を介して、極低温に冷却するステップであって、前記コンデンサ誘電体は、極低温ヒート・シンクに連結されている、ステップと、
前記固定コンデンサに電気的に接続された極低温冷却核磁気共鳴高周波コイルを用いて、核磁気共鳴測定を行うステップと、を含む、方法。
【請求項12】
複数の固定コンデンサにより共有された極低温冷却誘電体層を介して、前記複数の固定コンデンサを冷却するステップを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記誘電体が、サファイアで形成されている、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記誘電体が、セラミック、ダイヤモンド、および窒化アルミニウムから選択される材料を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
サファイア誘電体と、
前記サファイア誘電体の両側に取り付けられた一対の金属コンデンサ板と、
前記サファイア誘電体を介して前記コンデンサ板と極低温ヒート・シンクとの間の熱的接続を確立して、前記コンデンサ板を冷却するために、前記サファイア誘電体に取り付けた金属ヒート・シンク接点部と、
を含む、極低温冷却固定集中定数素子コンデンサと、
前記コンデンサに電気的に接続された核磁気共鳴高周波コイルと、を含む、低温核磁気共鳴装置。

【図1】
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【図2】
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【図3−A】
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【図3−B】
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【図4−A】
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【図4−B】
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【図5−A】
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【図5−B】
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【公表番号】特表2010−540904(P2010−540904A)
【公表日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−525888(P2010−525888)
【出願日】平成20年9月8日(2008.9.8)
【国際出願番号】PCT/US2008/075553
【国際公開番号】WO2009/042376
【国際公開日】平成21年4月2日(2009.4.2)
【出願人】(599060928)バリアン・インコーポレイテッド (81)