説明

誤乗車防止システム及び誤乗車防止方法

【課題】鉄道などの交通機関に乗車する場合の誤乗車を防止することができる誤乗車防止システムを提供する。
【解決手段】利用者が携帯し、乗車するべき車両を特定する車両情報を含む切符情報を記憶する切符情報記憶手段と、車両の乗降口に備えられ、切符情報記憶手段に記憶されている切符情報を読み取る切符情報読取手段と、読み取った切符情報に含まれる車両情報と、切符情報読取手段が備えられた車両とが一致するか否かを判定する判定手段と、判定結果が一致しない判定結果である場合に、警告情報を報知する警告手段とを備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鉄道などの車両に乗車する場合の誤乗車を防止することができる誤乗車防止システム及び誤乗車防止方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、指定席の検札を自動的に行うことにより人員の削減を図り、かつ巡回の手間を大幅に低減すると共に、乗客の検札処理に対する不快感をなくすことができる座席検札装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。これは、座席毎に設けられて乗客の着座を検出する着座検出手段と、乗客が保持する通信機能をもったカードであって、座席指定番号が予約データとして入力されている指定席カードと、上記着座検出手段による着座検出に伴い指定席カードと通信して予約データを読取る読取り手段と、読取った予約データ内の座席指定番号と乗客が現に座っている座席の番号との一致の可否を判定する判定手段と、所定部所に設けられて上記判定手段により判定結果を各指定席について表示する監視盤とを備えている。
【0003】
また、座席に着席している乗客と乗車券とを対応させて、車内検札を容易にすることができる列車内表示装置が知られている(例えば、特許文献2参照)。これは、列車の座席と対応した車窓上方に設けられた乗車券の有無を表示する表示器と、前記乗車券に記憶されているデータを読取る読取器と、その読取器で読取られたデータと予め記憶されているデータとを照合するとともに、その照合が前記両データの一致状態を検出したときに、前記表示器に乗車券ありを表示させる制御器とからなるものである。
【特許文献1】特開平05−073571号公報
【特許文献2】特許第3014243号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年は、鉄道を利用する際に、切符の情報を携帯電話端末内に記憶しておき、自動改札機にこの携帯電話端末を近づけることにより駅構内に入場したり、駅構内から退場したりすることができるようになってきている。
しかしながら、このような携帯電話端末は、駅構内への入退場の管理と、運賃の決済を自動的に行うのみに用いられており、利用者の利便性が低いという問題がある。特に、切符情報が端末内部に記憶されているにもかかわらず車両の乗り間違いや乗り過ごしの防止などに利用されていないという問題がある。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、鉄道などの交通機関に乗車する場合の誤乗車を防止することができる誤乗車防止システム及び誤乗車防止方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、利用者が携帯し、乗車するべき車両を特定する車両情報を含む切符情報を記憶する切符情報記憶手段と、前記車両の乗降口に備えられ、前記切符情報記憶手段に記憶されている前記切符情報を読み取る切符情報読取手段と、読み取った前記切符情報に含まれる車両情報と、前記切符情報読取手段が備えられた車両とが一致するか否かを判定する判定手段と、前記判定結果が一致しない判定結果である場合に、警告情報を報知する警告手段とを備えたことを特徴とする。
【0007】
本発明は、利用者が携帯し、着席するべき車両の座席位置を特定する座席情報を含む切符情報を記憶する切符情報記憶手段と、前記車両内の座席に備えられ、前記切符情報記憶手段に記憶されている前記切符情報を読み取る切符情報読取手段と、読み取った前記切符情報に含まれる座席情報と、前記切符情報読取手段が備えられた座席とが一致するか否かを判定する判定手段と、前記判定結果が一致しない判定結果である場合に、警告情報を報知する警告手段とを備えたことを特徴とする。
【0008】
本発明は、利用者が携帯し、下車するべき駅を特定する下車駅情報を含む切符情報を記憶する切符情報記憶手段と、前記車両内の座席に備えられ、前記切符情報記憶手段に記憶されている前記切符情報を読み取る切符情報読取手段と、読み取った前記切符情報に含まれる下車駅情報と、次の停車駅の情報とに基づいて、次の停車駅で下車するべきか否かを判定する判定手段と、前記判定結果が下車するべき判定結果である場合に、警告情報を報知する警告手段とを備えたことを特徴とする。
【0009】
本発明は、前記切符情報記憶手段は、前記利用者が携帯する移動端末内に備えられたことを特徴とする。
【0010】
本発明は、前記警告手段は、報知するべき前記警告情報を前記移動端末に送信することを特徴とする。
【0011】
本発明は、利用者が携帯し、乗車するべき車両を特定する車両情報を含む切符情報を記憶する切符情報記憶手段と、前記車両の乗降口に備えられ、前記切符情報記憶手段に記憶されている前記切符情報を読み取る切符情報読取手段とを備えた誤乗車防止システムにおける誤乗車防止方法であって、読み取った前記切符情報に含まれる車両情報と、前記切符情報読取手段が備えられた車両とが一致するか否かを判定する判定ステップと、前記判定結果が一致しない判定結果である場合に、警告情報を報知する警告ステップとを有することを特徴とする。
【0012】
本発明は、利用者が携帯し、着席するべき車両の座席位置を特定する座席情報を含む切符情報を記憶する切符情報記憶手段と、前記車両内の座席に備えられ、前記切符情報記憶手段に記憶されている前記切符情報を読み取る切符情報読取手段とを備えた誤乗車防止システムにおける誤乗車防止方法であって、読み取った前記切符情報に含まれる座席情報と、前記切符情報読取手段が備えられた座席とが一致するか否かを判定する判定ステップと、前記判定結果が一致しない判定結果である場合に、警告情報を報知する警告ステップとを有することを特徴とする。
【0013】
本発明は、利用者が携帯し、下車するべき駅を特定する下車駅情報を含む切符情報を記憶する切符情報記憶手段と、前記車両内の座席に備えられ、前記切符情報記憶手段に記憶されている前記切符情報を読み取る切符情報読取手段とを備えた誤乗車防止システムにおける誤乗車防止方法であって、読み取った前記切符情報に含まれる下車駅情報と、次の停車駅の情報とに基づいて、次の停車駅で下車するべきか否かを判定する判定ステップと、前記判定結果が下車するべき判定結果である場合に、警告情報を報知する警告ステップとを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、鉄道などの交通機関において、乗り間違えや乗り過ごしを防止することができるため、利用者の利便性を向上させることが可能になるという効果が得られる。また、乗り間違えや乗り過ごしの防止をする処理を自動的に行うことが可能となるため、人の手を介さずに迅速かつ正確に行うことが可能となる。また、切符情報を移動端末内に記憶するようにしたため、切符を出し入れする手間を省くことが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の一実施形態による誤乗車防止システムを図面を参照して説明する。図1は同実施形態の構成を示すブロック図である。この図において、符号1は、ユーザが所有する移動端末であり、鉄道等の交通機関の切符情報を内部に記憶しており、この移動端末1を使用して交通機関の自動改札機を通過して乗車することが可能である。符号11は、移動端末1の処理動作を統括して制御する制御部である。符号12は、ダイヤルキーやファンクションキーを配列したキーパネルで構成する入力部である。符号13は、液晶のディスプレイで構成する表示部である。符号14は、図示しない基地局との間で無線通信回線を確立して情報通信を行う無線通信部である。符号15は、無線通信部14を介して、音声通話を行う音声処理部である。符号16は、話者の音声を集音するマイクである。符号17は、通話相手の音声を発音するスピーカである。符号18は、移動端末1を動作されるためのアプリケーションプログラムや提供された情報等を記憶するメモリである。符号19は、着信時において着信音を発音する着信スピーカであり、警報音を発音する際にも用いる。符号20は、近距離通信を行う近距離通信部である。符号21は、交通機関(鉄道、バス、飛行機、船)を利用するための切符情報が記憶されるRFIDであり、内部にメモリを有しており、外部からこのメモリ内に記憶されている情報の読み書きが可能である。符号1a、1b、1cは、移動端末1が移動した状態を示している。
【0016】
符号3は、誤乗車防止システムの処理動作を管理するシステム管理サーバである。符号31は、管理対象の車両に関する情報が記憶される車両情報記憶部である。符号32は、販売可能な車両切符に関する情報が記憶される切符情報記憶部である。符号4は、RFID21に対して、切符情報の書き込みを行うRFIDライタであり、切符券売機内に設けられている。符号5は、改札口に設けられ、移動端末1を近づけることにより、RFID21内の切符情報の読み取りを行うRFIDリーダであり、自動改札機内に設けられている。符号61は、システム管理サーバ3に接続され、無線で情報通信を行う無線通信部である。符号62は、無線通信部61との間で情報通信を行う無線通信部であり、車両T内に備えられている。
【0017】
符号63は、車両Tの乗降ドア近傍に備えられ、誤乗車防止のための処理動作を制御する制御部である。符号71は、移動端末1を近づけることにより、RFID21内の切符情報の読み取りを行うRFIDリーダである。符号81は、車両Tの乗降ドア近傍に備えられ、移動端末1に備えられた近距離通信部20との間で情報通信を行う近距離通信部である。符号91は、車両Tの乗降ドア近傍に備えられ、警告メッセージ等の表示を行う表示部であり、液晶のディスプレイ等で構成する。
【0018】
符号64は、車両T内の各座席近傍に備えられ、誤着席防止のための処理動作を制御する制御部である。符号72は、移動端末1を近づけることにより、RFID21内の切符情報の読み取りを行うRFIDリーダである。符号82は、車両T内の各座席近傍に備えられ、移動端末1に備えられた近距離通信部20との間で情報通信を行う近距離通信部である。符号92は、車両T内の各座席毎に備えられ、警告メッセージ等の表示を行う表示部であり、液晶のディスプレイ等で構成する。
【0019】
次に、図2を参照して、図1に示す誤乗車防止システムにより、誤乗車防止及び誤着席防止の動作を説明する。まず移動端末1のユーザは、駅の切符券売機の場所へ行き、所望の車両の切符を購入する操作(列車名、乗車駅名、下車駅名等を入力する操作)を行う。これを受けて、切符券売機は、システム管理サーバへ問い合わせを行い、販売する切符を特定する(ステップS1)。システム管理サーバ3は、切符情報記憶部32を参照して、特定された切符の販売が可能あるかを判定し、販売可能であれば、車両、乗車駅、下車駅、及び座席を特定する情報からなる切符情報をRFIDライタ4へ送信する。ユーザが移動端末1をRFIDライタ4へ近づけると、RFIDライタ4は、システム管理サーバ3から送信された切符情報をRFID21内に書き込む(ステップS2)。そして、切符券売機は、切符代金の決済処理を行う。これにより、移動端末1内のRFID21内には、所望の車両の切符情報が書き込まれたことになる。
【0020】
次に、移動端末1のユーザは、改札口へ移動し、自動改札機のRFIDリーダ5に移動端末1aを近づける。RFIDリーダ5は、常に切符情報送信要求を発信しており、この要求に応じて、RFID21は、内部に記憶されている切符情報をRFIDリーダ5に対して送信する。これを受けて、RFIDリーダ5は、送信された切符情報を読み取る(ステップS3)。そして、自動改札機は、RFIDリーダ5において読み取られた切符情報が正当な切符情報であるか否かを判定し(ステップS4)、正当な切符情報でなければ、改札口のゲートを開くことなく、処理を終了する。一方、正当な切符情報である場合、自動改札機は、改札口のゲートを開く(ステップS5)。これにより移動端末1aのユーザは、改札口を通過することが
できる。
【0021】
次に、移動端末1aのユーザは、乗車するべき車両のホームまで移動し、移動端末1a内に記憶されている切符情報(列車名、号車番号、座席番号)を表示部13に表示させて確認する。そして、乗車するべき車両の乗降ドアから乗車する。RFIDリーダ71は、常に切符情報送信要求を発信しているため、車両の乗降ドアまで移動した移動端末1bを携帯したユーザが乗降ドアから乗車しようとするとき、RFID21は、RFIDリーダ71が発信した切符情報送信要求に応じて、内部に記憶されている切符情報をRFIDリーダ71に対して送信する。これを受けて、RFIDリーダ71は、送信された切符情報を読み取り(ステップS6)、読み取った切符情報を制御部63へ通知する。そして、制御部63は、自己の識別番号を、無線通信部62、61を介してシステム管理サーバ3に対して送信し、車両情報を問い合わせる。システム管理サーバ3は、車両情報記憶部31を参照して、問い合わせを受けた制御部の識別番号に関係付けられている車両情報を読み出し、問い合わせを送信した制御部(ここでは、制御部63が相当する)に対して、この車両情報を回答する。
【0022】
次に制御部63は、システム管理サーバ3から回答された車両情報と、RFIDリーダ71から通知された切符情報とを照合し、列車名が一致するか否かを判定する(ステップS7)。なお、座席が指定されていない切符情報の場合は、この車両に乗車して、切符情報に定義されている下車駅まで行くことができるか否かを判定する。この判定の結果、列車名が一致しない場合、制御部63は、表示部91に警告(例えば、「乗車するべき列車が異なります」)を表示して(ステップS8)、処理を終了する。一方、列車名が一致する場合、警告は表示しない。これによって、間違った車両(全く行き先の異なる車両や下車駅に停車しない車両)に乗車してしまう誤乗車を防止することができる。
【0023】
次に、移動端末1bのユーザは、着席するべき座席まで移動する。RFIDリーダ72は、常に切符情報送信要求を発信しているため、着席するべき座席まで移動した移動端末1cを携帯したユーザが着席しようとするとき、RFID21は、RFIDリーダ72が発信した切符情報送信要求に応じて、内部に記憶されている切符情報をRFIDリーダ72に対して送信する。これを受けて、RFIDリーダ72は、送信された切符情報を読み取り(ステップS9)、読み取った切符情報を制御部64へ通知する。そして、制御部64は、自己の識別番号を、無線通信部62、61を介してシステム管理サーバ3に対して送信し、座席情報を問い合わせる。システム管理サーバ3は、車両情報記憶部31を参照して、問い合わせを受けた制御部の識別番号に関係付けられている座席情報を読み出し、問い合わせを送信した制御部(ここでは、制御部64が相当する)に対して、この座席情報を回答する。
【0024】
次に制御部64は、システム管理サーバ3から回答された座席情報と、RFIDリーダ71から通知された切符情報とを照合し、座席番号が一致するか否かを判定する(ステップS10)。なお、座席が指定されていない切符情報の場合は、この処理は行わない。この判定の結果、座席番号が一致しない場合、制御部63は、表示部91に警告(例えば、「着席するべき座席が異なります」)を表示して(ステップS11)、処理を終了する。一方、座席番号が一致する場合、警告は表示しない。これによって、間違った座席に着席してしまう誤着席を防止することができる。
【0025】
次に、図3を参照して、図1に示す誤乗車防止システムにより、下車するべき駅で下車せずに乗り過ごしてしまうことを防止する動作を説明する。まず、各座席に設けられた制御部64は、無線通信部62を介して、駅に関する情報を取得する(ステップS21)。ここでいう駅情報とは、次に停車する駅の情報と、現在乗車している車両の停車予定駅の情報である。RFID72は、常に切符情報送信要求を発信しているため、着席しているユーザが携帯している移動端末1cのRFID21は、RFIDリーダ72が発信した切符情報送信要求に応じて、内部に記憶されている切符情報をRFIDリーダ72に対して送信することになる。これを受けて、RFIDリーダ72は、送信された切符情報を読み取り(ステップS22)、読み取った切符情報を制御部64へ通知する。
【0026】
次に、制御部64は、RFID72から通知された切符情報と無線通信部62を介して取得した駅情報とから次の駅が下車するべき駅であるか否かを判定する(ステップS23)。この判定は、次の停車駅と切符情報に含まれる下車駅とが一致するか、切符情報に含まれる下車駅には停車しないため、次の停車駅で下車するべきか否かに基づいて判定を行う。この判定の結果、次の停車駅が下車するべき駅でない場合、制御部64は、ステップS21へ戻り処理を繰り返す。一方、次の停車駅が下車するべき駅であると判定した場合、制御部64は、RFIDリーダ72に対して、切符情報の読み取りを指示する。これを受けて、RFIDリーダ72は、常に切符情報送信要求を発信しているため、着席しているユーザが携帯している移動端末1cのRFID21は、RFIDリーダ72が発信した切符情報送信要求に応じて、内部に記憶されている切符情報をRFIDリーダ72に対して常に送信することになる。
【0027】
これを受けて、RFIDリーダ72は、送信された切符情報を読み取り(ステップS24)、切符情報が読み取れた場合、読み取れたことを制御部64へ通知する。制御部64は、この通知に基づいて切符情報の読み取りができたか否かを判定する(ステップS25)。ここで、切符情報が読み取れた場合は、移動端末1cがこの座席近傍に存在することになるため、ユーザが座席に着席しているものと見なし、制御部64は、表示部92に次の停車駅が下車するべき駅であることを表示し続ける(ステップS26)。一方、切符情報が読み取れない場合は、移動端末1cがこの座席近傍に存在しないことになるため、ユーザが座席から離れたものと見なし、表示部92に表示していた警告の表示を停止する。これにより、下車するべき駅で確実に下車できるようになるため、乗り過ごしてしまうことを防止することができる。
【0028】
なお、表示部91または表示部92に警告メッセージを表示する場合に、制御部63、64はそれぞれ近距離通信部81、82を介して、警告メッセージを移動端末1へ送信し、移動端末1内の近距離通信部20を介して、この警告メッセージを受信し、受信した警告メッセージを移動端末1の表示部13に表示するようにしてもよい。このようにすることにより、各乗降ドアや各座席に表示部を設ける必要がなくなるため、システム構成を簡単にすることが可能となる。また、警告メッセージに代えて、警告音を着信スピーカから発音するようにしてもよい。
【0029】
また、車両情報記憶部31は、各車両T内に備えられていてもよい。このようにすることにより、乗車や着席の度に通信を行う必要がなくなるため、処理動作を簡単にかつ高速に行うことが可能となる。
【0030】
また、本発明の移動端末は、移動通信を使用した携帯電話機や移動通信機能を有した携帯情報端末(PDA)、モバイル端末などを含むものである。
【0031】
また、前述した説明では、交通機関に乗車する場合を例にして説明したが、本発明は、鉄道などの交通機関に限らず、座席が決められている場合の入場時の場面において適用することが可能である。例えば、複数のスクリーンを備えている映画館において、座席が決まっている切符情報を所有したユーザが入場するべきスクリーンでない会場に入場してしまうことを防止することができる。
【0032】
なお、図1における処理部の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより誤乗車防止処理を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
【0033】
また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明の一実施形態の構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示すシステムの動作を示すフローチャートである。
【図3】図1に示すシステムの動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0035】
1、1a、1b、1c・・・移動端末、11・・・制御部、12・・・入力部、13・・・表示部、14・・・無線通信部、15・・・音声処理部、16・・・マイク、17・・・スピーカ、18・・・メモリ、19・・・着信スピーカ、20・・・近距離通信部、21・・・RFID、3・・・システム管理サーバ、31・・・車両情報記憶部、32・・・切符情報記憶部、4・・・RFIDライタ、5・・・RFIDリーダ、61、62・・・無線通信部、63、64・・・制御部、71、72・・・RFIDリーダ、81、82・・・近距離通信部、91、92・・・表示部、T・・・車両

【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者が携帯し、乗車するべき車両を特定する車両情報を含む切符情報を記憶する切符情報記憶手段と、
前記車両の乗降口に備えられ、前記切符情報記憶手段に記憶されている前記切符情報を読み取る切符情報読取手段と、
読み取った前記切符情報に含まれる車両情報と、前記切符情報読取手段が備えられた車両とが一致するか否かを判定する判定手段と、
前記判定結果が一致しない判定結果である場合に、警告情報を報知する警告手段と
を備えたことを特徴とする誤乗車防止システム。
【請求項2】
利用者が携帯し、着席するべき車両の座席位置を特定する座席情報を含む切符情報を記憶する切符情報記憶手段と、
前記車両内の座席に備えられ、前記切符情報記憶手段に記憶されている前記切符情報を読み取る切符情報読取手段と、
読み取った前記切符情報に含まれる座席情報と、前記切符情報読取手段が備えられた座席とが一致するか否かを判定する判定手段と、
前記判定結果が一致しない判定結果である場合に、警告情報を報知する警告手段と
を備えたことを特徴とする誤乗車防止システム。
【請求項3】
利用者が携帯し、下車するべき駅を特定する下車駅情報を含む切符情報を記憶する切符情報記憶手段と、
前記車両内の座席に備えられ、前記切符情報記憶手段に記憶されている前記切符情報を読み取る切符情報読取手段と、
読み取った前記切符情報に含まれる下車駅情報と、次の停車駅の情報とに基づいて、次の停車駅で下車するべきか否かを判定する判定手段と、
前記判定結果が下車するべき判定結果である場合に、警告情報を報知する警告手段と
を備えたことを特徴とする誤乗車防止システム。
【請求項4】
前記切符情報記憶手段は、前記利用者が携帯する移動端末内に備えられたことを特徴とする請求項1から3の何れか一項に記載の誤乗車防止システム。
【請求項5】
前記警告手段は、報知するべき前記警告情報を前記移動端末に送信することを特徴とする請求項4に記載の誤乗車防止システム。
【請求項6】
利用者が携帯し、乗車するべき車両を特定する車両情報を含む切符情報を記憶する切符情報記憶手段と、前記車両の乗降口に備えられ、前記切符情報記憶手段に記憶されている前記切符情報を読み取る切符情報読取手段とを備えた誤乗車防止システムにおける誤乗車防止方法であって、
読み取った前記切符情報に含まれる車両情報と、前記切符情報読取手段が備えられた車両とが一致するか否かを判定する判定ステップと、
前記判定結果が一致しない判定結果である場合に、警告情報を報知する警告ステップと
を有することを特徴とする誤乗車防止方法。
【請求項7】
利用者が携帯し、着席するべき車両の座席位置を特定する座席情報を含む切符情報を記憶する切符情報記憶手段と、前記車両内の座席に備えられ、前記切符情報記憶手段に記憶されている前記切符情報を読み取る切符情報読取手段とを備えた誤乗車防止システムにおける誤乗車防止方法であって、
読み取った前記切符情報に含まれる座席情報と、前記切符情報読取手段が備えられた座席とが一致するか否かを判定する判定ステップと、
前記判定結果が一致しない判定結果である場合に、警告情報を報知する警告ステップと
を有することを特徴とする誤乗車防止方法。
【請求項8】
利用者が携帯し、下車するべき駅を特定する下車駅情報を含む切符情報を記憶する切符情報記憶手段と、前記車両内の座席に備えられ、前記切符情報記憶手段に記憶されている前記切符情報を読み取る切符情報読取手段とを備えた誤乗車防止システムにおける誤乗車防止方法であって、
読み取った前記切符情報に含まれる下車駅情報と、次の停車駅の情報とに基づいて、次の停車駅で下車するべきか否かを判定する判定ステップと、
前記判定結果が下車するべき判定結果である場合に、警告情報を報知する警告ステップと
を有することを特徴とする誤乗車防止方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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