読取ユニット
【課題】 ユーザの操作が必要なく丈夫であり、省電力化が実現でき低コストであり、簡易に製造できる光学読み取り装置を提供する
【解決手段】 媒体面を撮影する読取ユニットであって、該媒体面に対して光を照射する光源と、該媒体面からの反射光を入射するレンズと、該レンズを経た入射光を入光する撮像手段と、該光源と撮像手段とを制御する制御手段と、中空部を有する筒状であり、その先端に該媒体面からの該反射光の入口となる開口部が形成された、該光源からの光を該媒体面に照射させるための第1の導光体とを備え、該レンズは、該第1の導光体の開口部を臨むように、該第1の導光体の該中空部に配置され、該光源は、該第1の導光体内部に設けられたスリットの端部に配置されており、該光源からの照射光は、該第1の導光体の内部を進行し該開口部より該媒体面に対して均一に照射される。
【解決手段】 媒体面を撮影する読取ユニットであって、該媒体面に対して光を照射する光源と、該媒体面からの反射光を入射するレンズと、該レンズを経た入射光を入光する撮像手段と、該光源と撮像手段とを制御する制御手段と、中空部を有する筒状であり、その先端に該媒体面からの該反射光の入口となる開口部が形成された、該光源からの光を該媒体面に照射させるための第1の導光体とを備え、該レンズは、該第1の導光体の開口部を臨むように、該第1の導光体の該中空部に配置され、該光源は、該第1の導光体内部に設けられたスリットの端部に配置されており、該光源からの照射光は、該第1の導光体の内部を進行し該開口部より該媒体面に対して均一に照射される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ドットパターン等の二次元コードまたはバーコード等の一次元コードの読み取りに用いる光学読取装置(スキャナ)に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、音声や画像等の種々の情報を記録するための識別子として、バーコード等の一次元コードやQRコード等の二次元コードが広く用いられている。特に最近では、符号化情報としての複数のドットを2次元に配置したドットコード(ドットパターン)が注目されている。ドットコードは、特殊なスキャナを用いて読み取るので写真や絵柄等の印刷物に重ねて印刷出来るため、印刷物の美観を損ねることがなく、また、印刷物の領域を犠牲にすることがないため、バーコード等に比べ、より多くの情報を印刷することが可能となる。
【0003】
このような一次元コードや二次元コードは、専用のスキャナによって読み取られる。たとえば、ドットコードを読み取る場合、ドットコードが印刷された印刷面に、ペン型のスキャナから発光される光を照射し、ドットコードが印刷された部分およびドットコードが印刷されていない部分から反射光の明暗や色の違いによりドットコードを読み取る。
【0004】
このようなペン型スキャナに設けられたLEDは、照射方向のばらつきが非常に大きく、そのため、ドットコードを照射する際に、媒体面を均一に照射することができず、照明むらが起きやすく、正確にドットコードを読み取れないという問題があった。また、このような問題を解消しようとすると、LEDの数を増やさなければならず、消費電力およびコストが大幅に上がってしまうという問題があった。
【0005】
このような問題を解決するために、照明部をユニット化したコードリーダが提案されている(たとえば、特許文献1)。このコードリーダでは、LED等の複数の光源と、光源が実装された照明用基板と、光源から発射された照明光を拡散するための光拡散部材と、光拡散部材から拡散された拡散光をコードパターンに向けて反射させる光反射部材とが一体的にユニット化されている。
【0006】
このようにユニット化することにより、ユニットの時点で照明部の良否判断ができるため、光量むらによる不良品の発生を事前に防止し、正確にドットコードを読み取ることのできる製品を提供することができる。
【0007】
また、本文献中には、LEDの光軸付近に拡散部を設け、光軸から離れた位置には非拡散部を設けたコードリーダも提案されている。これによれば、LED光軸付近の強度の強い光は拡散部により拡散されて発光強度が弱くなり、LED光軸から離れた強度の弱い光はほとんど減衰せずにコードパターンに到達する。
【0008】
そのため、LEDの数を増やしたりLEDの駆動電流を増やしたりせずに、照明むらの無い均一な照明光が得られ、低コストで省電力のコードリーダを提供することが可能となる。
【0009】
【特許文献1】特開平11−7490号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかし、特許文献1のコードリーダでは、複数のLEDが必要であるため、消費電力の低減には限界がある。また、コードリーダを使用する際には読み取りスイッチを操作する必要があるが、このようなスイッチは、常に電源を流し続ける構造に比べ、消費電力が少なくて済むという利点があるものの、操作が面倒であり構造が複雑で製造にコストがかかり、さらに壊れやすいという問題がある。
【0011】
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、ユーザの操作が必要なく丈夫であり、省電力化が実現でき低コストであり、簡易に製造できる光学読み取り装置を提供することを技術的課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
(1)前記課題を解決するため、本発明に係る読取ユニットは、媒体面を撮影する読取ユニットであって、該媒体面に対して光を照射する光源と、該媒体面からの反射光を入射するレンズと、該レンズを経た入射光を入光する撮像手段と、該光源と撮像手段とを制御する制御手段と、中空部を有する筒状であり、その先端に該媒体面からの該反射光の入口となる開口部が形成された、該光源からの光を該媒体面に照射させるための第1の導光体とを備え、該レンズは、該第1の導光体の開口部を臨むように、該第1の導光体の該中空部に配置され、該光源は、該第1の導光体内部に設けられたスリットの端部に配置されており、該光源からの照射光は、該第1の導光体の内部を進行し該開口部より該媒体面に対して均一に照射されることを特徴とする。
【0013】
(2)本発明に係る読取ユニットは、前記光源から照射する光は、所定波長光であることを特徴とする。
【0014】
(3)本発明に係る読取ユニットは、前記光源は、前記第1の導光体内部に設けられた前記スリットの端部に1個のみ配置されていることを特徴とする。
【0015】
これによれば、光源(LED)から照射された光は、ライトガイドの内部を進行することによって、光源が設けられていない側にも照射光が行き渡る。そのため、従来のように2個光源を設ける必要がなく、1個の光源のみで媒体面を撮影することができるため、消費電力を少なくすることができる。
【0016】
(4)本発明に係る読取ユニットは、前記媒体面上の所定領域で反射した前記光源からの光を所定の位置に導く第2の導光体と、前記所定の位置に配置された、所定波長光の検出により動作する光学スイッチをさらに備え、前記照射光は、前記第1の導光体の内部を拡散・屈折しながら進行し前記開口部より該媒体面に対して照射された後、該媒体面の該所定領域において反射し、該第2の導光体を介して該光学スイッチに到達し、該光学スイッチにより感知され、前記制御手段は、該照射光を感知した該光学スイッチからの信号に基づき、少なくとも撮像手段を動作させることを特徴とする。
【0017】
これによれば、導光体からの微弱な照射光が流れてきたときにのみ、制御装置が撮像素子(C−MOSセンサ等)を動作する。そのため、常時撮像素子を動作させておく従来の読取ユニットに対して、消費電力を大幅に削減することが可能となる。
【0018】
(5)本発明に係る読取ユニットは、前記第2の導光体は、少なくとも前記所定領域における反射光を入光する側の端部が、中空の管状であることを特徴とする。
【0019】
(6)本発明に係る読取ユニットは、前記制御手段は、前記光源を媒体検知時のみ媒体検知用電力により点灯させる省電力モードと、該光源を継続的にまたは前記撮像手段を制御し撮像する際に、撮像用電力により点灯させる通常モードとを備えており、該省電力モードと該通常モードとの切り替えによって省電力制御を行い、少なくとも該省電力モードから該通常モードへの移行は、前記光学スイッチからの信号により行うことを特徴とする。
【0020】
これによれば、光源を間欠にすることができるため、消費電力を削減することができる。
【0021】
(7)本発明に係る読取ユニットは、前記第2の導光体の少なくとも端部断面を除く外周部には、所定波長光の、第2の導光体内部への進入を防止するために所定波長光遮断層を設けたことを特徴とする。
【0022】
これによれば、外部からの不要な所定波長光の進入を防止して、必要な光源のみ導光体を通過させることができる。
【0023】
(8)本発明に係る読取ユニットは、所定波長光遮断層は、所定波長光反射層または所定波長光吸収層であることを特徴とする。
【0024】
(9)本発明に係る読取ユニットは、前記所定波長光遮断層は、前記所定領域における反射光が前記第2の導光体に入光し、該導光体内部の周壁で反射して進行するための所定波長光反射層であることを特徴とする。
【0025】
(10)本発明に係る読取ユニットは、前記第2の導光体の中空を有する管状部分の少なくとも前記媒体面側の端部近傍の内周面は、該媒体面の前記所定領域からの前記反射光のみが該第2の導光体を入光・進行するように、前記第1の導光体から導かれ、少なくとも前記第2の導光体の端部延長上の前記媒体面付近で反射した反射光を除く全ての所定波長光を吸収させるために、所定の領域に所定波長光吸収層を設けたことを特徴とする。
【0026】
これによれば、導光体の内壁で所定波長光が反射することによって媒体面の検知範囲が広がってしまうことを防ぐことができる。
【0027】
また、所定波長光遮断層と所定波長光吸収層の両方を設けると、外部からの不要な赤外線光の進入を防止すると同時に、最も適切な検知範囲で媒体面を読みとることが可能となるため、少ない電力で効率よく媒体面を読みとることができる。
【0028】
(11)本発明に係る読取ユニットは、前記第1の導光体の開口部近傍に防塵および/または防水用などの保護フィルタが設けられたことを特徴とする。
【0029】
これによれば、塵埃が読取ユニット内部に侵入することを防止することができる。
【0030】
(12)本発明に係る読取ユニットは、前記フィルタが、前記光源および/または前記第1の導光体の開口部に入光する光の所定波長光だけを透過させる所定波長光透過フィルタであることを特徴とする。
【0031】
これによれば、撮像素子の先端の所定波長光フィルタを配置する必要がなくなるため、読取ユニットの構造を簡略化することができる。
【0032】
(13)前記所定波長は、赤外線であることを特徴とする。
【0033】
(14)本発明に係る読取ユニットは、前記媒体面の撮影により読み取る情報は、該媒体面に形成されたコード値および/または座標値からなるドットコードが所定のアルゴリズムに基づいてパターン化された、光学的に読取り可能なドットパターンであることを特徴とする。
【0034】
これによれば、光源(LED)から照射された光は、ライトガイドの内部を進行することによって、光源が設けられていない側にも照射光が行き渡る。そのため、従来のように2個光源を設ける必要がなく、1個の光源のみで媒体面のドットパターンを撮影することができるため、消費電力を少なくすることができる。
【発明の効果】
【0035】
本発明によれば、従来に比べて、消費電力が大幅に少ないコード読取ユニットを、簡易かつ安価に提供することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0036】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0037】
<概要>
図3は、本発明に係る光学式スキャナがどのように使用されるか、その使用状態の例を示した説明図である。
【0038】
同図に基づき、一連の流れを説明すると、以下のとおりである。
【0039】
まず、光学式スキャナは、コンピュータ等に接続して用いられる。媒体には、文字や絵などが印刷された紙などの印刷物である。この媒体には、後述するドットパターンが、文字や絵等と重畳印刷されている。ユーザが光学式スキャナを用いて媒体上の文字や絵をタッチすると、タッチされた文字や絵に重畳印刷されたドットパターンが読み取られる。読み取られたドットパターンは、光学式スキャナ上のCPUにより画像解析され、そのドットパターンに対応したコード値および/または座標値に変換される。コード値および/または座標値は、光学式スキャナからコンピュータに送信される。コンピュータの制御部は、受信したコード値および/または座標値に対応付けられた画像、映像、音声等を、コンピュータに接続されたディスプレイ等に出力する。なお、画像解析処理は、光学式スキャナ上のCPUにより行われてもよいし、光学式スキャナが接続されたコンピュータ上のCPUにより行われてもよい。
【0040】
なお、光学式スキャナは、コンピュータ以外のものに接続、あるいは、機器と一体となった状態で使用してもよい。図4〜7は、その具体例について説明したものである。 図4は、スタンドアローンタイプのボイスレコーダに光学式スキャナを接続したものである。本実施例では、写真にドットパターンを重畳印刷している。光学式スキャナで写真をタッチすると、ドットパターンが読み取られ、写真に対応した音声が、ボイスレコーダのスピーカから発せられる。
【0041】
図5は、スキャナと音声再生装置が一体となったもの(スピーキングペン)である。本装置のスキャナ部で媒体上の文字や絵をタッチすると、文字や絵に重畳印刷されたドットパターンが読み取られ、文字や絵の内容に対応した音声が、スピーカから発せられる。
【0042】
図6は、スキャナとリモコンが一体となったリモコン装置である。本リモコン装置は、ペーパーコントローラと共に、テレビやセットトップボックスの操作に用いるものである。ペーパーコントローラには、「電源」や「音量」等、操作指示を表すアイコンが印刷されており、アイコンには、ドットパターンが重畳印刷されている。リモコン装置のスキャナ部でアイコンをタッチすると、ドットパターンが読み取られ、ドットパターンに対応した赤外線信号が、赤外線発光部から、セットトップボックスの赤外線受光部に発光する。すると、セットトップボックスは、赤外線信号に対応した処理、すなわち、ペーパーコントローラのアイコンが意味する処理を行う。
【0043】
図7は、携帯電話にスキャナを接続したものである。ペーパーコントローラには、操作を指示するための、図示しない絵や文字が印刷されており、絵や文字には、ドットパターンが重畳印刷されている。スキャナで絵や文字をタッチすると、ドットパターンが読み取られ、絵や文字に対応した操作(発信、メール受信等)が行われる。
【0044】
なお、本発明に係る光学式スキャナの使用例は上述したものに限られず、種々の装置に接続したり、一体に形成したりして使用できることはもちろんである。
【0045】
図1は、本発明に係る光学式スキャナの先端部である読取ユニットの内部構造を示す拡大図である。このスキャナの先端部は、図示しない光学式スキャナ(ペン型ドットパターン読取装置本体)に装着されており、印刷物等の媒体面に形成されたドットパターンを読み取る。
【0046】
読取ユニットは、動作モードとして、ドットパターンの読み取りおよび解析を行う通常モードと、待機時に消費電力を抑えるための省電力モードとを備えている。各モードにおける読み取りユニットの各部材の動作についての詳細は、後述する。
【0047】
スキャナの先端部は、中空部を有する筒状で、その先端に開口部が形成され、ライトガイド(第1の導光体)を備え、該ライトガイドの開口部を臨むようにライトガイドの中空部にレンズが配置されている。レンズから後退した位置にはIRフィルタおよびC−MOSセンサ(撮像手段)を備えている。
【0048】
光源であるLEDは、ライトガイド内部に形成されたスリットの端部に設けられている。LEDは赤外線を発光するものであることが望ましいが、この周波数帯に限定されるものではなく、例えば、紫外線を発光する光源を用いてもよい。但し、紫外線を用いる場合、IRフィルタの代わりにUVフィルタを用い、媒体面に印刷されるドットパターンも、紫外線領域において、ドットパターン以外の印刷された情報から区別することが出来るインクにより、媒体面上に印刷される必要がある。なお、LEDの発光制御は、本発明にかかる省電力機構において重要な点であるので、詳細は後述する。
【0049】
また、ライトガイドのスリットが設けられた側と反対側内部には、導光管(第2の導光体)が設けられている。導光管をスリット、すなわちLEDと反対側に設けることにより、LEDから開口部を介して媒体面へ照射される光に対する、導光管による干渉を最小限に抑えることが出来る。
【0050】
先端部の上部にはプリント配線板(PCB)が実装されており、該PCB上には、LEDの点灯制御を行うための反射光測定を行う赤外線スイッチ(光学スイッチ)と、赤外線スイッチからの感知信号に基づきLEDの発光制御を行う、低消費電力の小CPU(制御手段)と、C−MOSセンサの制御およびC−MOSセンサによって読み取られた画像の解析を行うための大CPU(制御手段)とが設けられている。
【0051】
開口部には、透明ガラス板または透明プラスチック板等からなるフィルタが取り付けられている。フィルタは、開口部を閉塞することにより中空部等の内部空間への塵埃等の侵入を防止するとともに、LEDからの赤外線を透過するIRフィルタとしての役割も有している。したがって、このフィルタを取り付ける場合は、上述のIRフィルタは設けなくてもよい。
【0052】
ライトガイドは、透明または乳白色の樹脂製であり、その内部が導光路として機能する。LEDからの照射光は、ライトガイドの内部を進行し、前記開口部より媒体面に対して照射される。ライトガイドが乳白色の樹脂製である場合は、LEDからの照射光は、ライトガイド内を進行する際、適度に拡散されるので、開口部から媒体面を照射する光をより均一にすることが出来る。
【0053】
ライトガイドの外周には、光反射層が設けられている。光反射層は、赤外線を反射する材質でコーティングすることによって形成されている。
【0054】
このように、ライトガイドの外周に光反射層をコーティング等によって設けることによって、照射光の外部への発散を防ぎ効率的に媒体面を照射でき、LEDの適切な発行量に制御することにより、省電力にも効果がある。また、ライトガイドの強度を向上させることが出来る。もし同じ強度のままとする場合は、ライトガイド自体に要求される強度を減らすことができる。また、ライトガイドを覆うキャップやカバーを用いることなくライトガイド外周を傷や摩耗から保護することができる。
【0055】
また、上述したように、ライトガイドのLEDが設けられていない側には、導光管が設けられている。導光管は光ファイバー等、光を透過する素材により形成された管でもよいし、内部が空洞となった管でもよい。導光管は、LEDから媒体面に照射された光の反射光のうち、特定の領域から反射した光を赤外線スイッチまで導く。赤外線スイッチは、導光管により導かれた照射光を感知すると、感知信号を大CPUに送信する。大CPUは、赤外線スイッチからの感知信号に基づいて、C−MOSセンサ(撮像手段)を起動および動作させる。大CPUにより起動されたC−MOSセンサは、LEDから媒体面に照射され、媒体面において反射した反射光を撮像し、撮像した画像を解析してドットパターンを読み取る。
【0056】
通常モードにおいて、動作に関与するスキャナの先端部の構成部材は、大CPUと、LEDと、ライトガイドと、レンズと、IRフィルタと、C−MOSセンサとである。
【0057】
大CPUは、ユーザによって媒体面がタッチされたことを認識すると、通常モードにおいては、まず、大CPUが、 読取ユニットの開口部に当てられる媒体面のドットパターンを読み取るために、LEDを発光させる。LEDがライトガイドを介して媒体面を照射すると、その反射光がレンズに入光し、C−MOSセンサが、反射光を撮影する。
【0058】
C−MOSセンサにより撮影された画像を解析することにより、媒体面のドットパターンから情報が読み取られる。
【0059】
大CPUは、撮影画像の解析が終わった後、再度、C−MOSセンサによる画像撮影を行う処理に戻る。
【0060】
LEDは、通常モードの間、常に点灯させておいてもよいし、C−MOSセンサによる画像撮影の間のみ点灯させてもよい。画像撮影の間のみ点灯させる構成では、消費電力を削減することが出来る。
【0061】
大CPUは、画像撮影の結果の明るさが所定量を下回ることにより、 読取ユニットの開口部に媒体面が当たっていないことを示す場合、ユーザが 読取ユニットを使用していないと判断し、通常モードから省電力モードへの移行を行う。
【0062】
省電力モードへの移行では、まず小CPUを起動し、起動確認後、大CPU自身は、動作を休止し、電力の消費を抑える。
【0063】
ここで媒体面のドットパターンは、赤外線を吸収する、カーボンインクまたはステルスインク(不可視インク)で印刷されている。
【0064】
ドットパターン以外の部分は、赤外線を反射または透過する特性を有する、ノンカーボンインク等のインクで印刷されている。なお、透過性のインクを用いた場合は、透過した赤外線が媒体面で反射し、再度当該インクを透過してC−MOSセンサにより撮像される。
【0065】
このカーボンインクおよびステルスインク(不可視インク)は赤外線を吸収する特性を有しているため、前記C−MOSセンサでの撮像画像では、ドットの部分のみ反射光を得られないため黒く撮影されることになる。
【0066】
図2は、省電力モードに関与する、スキャナの先端部の構成について説明するハードウェアブロック図である。
【0067】
同図に示すように、省電力モードにおいて、動作に関与するスキャナの先端部の構成部材は、大CPUと、小CPUと、赤外線スイッチと、LEDと、ライトガイドと、導光管とである。
【0068】
省電力モードにおける各部材の動作は、以下のとおりである。
【0069】
まず、大CPUが、通常モードにおける画像解析結果に基づき、スキャナが読み取りの為に使用されていない状態であることを検知する。
【0070】
大CPUは、スキャナが使用されていないと判断し、読取ユニットを通常モードから省電力モードに切り替えるために、小CPUを起動し、小CPUの起動確認後、大CPU自身は、動作を停止し、電力の消費を抑える。
【0071】
次に、省電力モードにおける制御を引き継いだ小CPUは、予め設定された時間間隔により、LEDを発光させる。発光量は、ペンの使用が再開され、読取ユニットの開口部に媒体面が当てられた際に、ライトガイドを介して照射され、媒体面から反射した光を検出できる量であればよい。それ故、媒体面を画像として撮影し解析する場合に較べ、間欠点灯している時間も僅かでよく、少量のみ発光すれば足りるので消費電力を抑えることが出来る。
【0072】
LEDが発光した時に、開口部に媒体面が当たっていない場合、LEDからの光は媒体面により反射されないので、導光管を介して赤外線スイッチに到達する反射光はない。それ故、赤外線スイッチから小CPUに対して、感知信号は送信されない。感知信号が受信されない場合、小CPUは、再度所定時間が経過しLEDを発光させるまで待機する。
【0073】
LEDが発光した時に、開口部に媒体面が当たっている場合、LEDからの光は媒体面により反射されるので、反射光が導光管を介して赤外線スイッチに到達する。赤外線スイッチは、到達した反射光を感知し、感知信号を小CPUに対して送信する。感知信号が受信された場合、小CPUは、スキャナの使用が再開されたと判断し、読取ユニットを省電力モードから通常モードに切り替えるために、大CPUを起動する。小CPUは、弱電力で作動するので、常時作動していても電力消費に殆ど影響はしない。
【0074】
通常モードに復帰すると、大CPUは、光学撮像素子であるC−MOSセンサを起動し、LEDから媒体面に照射された光の、媒体面からの反射光を撮像する。
【0075】
また、大CPUは、LEDの発光制御も通常モードに適した制御に復帰させる。例えば、LEDを常時点灯させてもよいし、撮影した画像を解析する間はLEDの発光を停止するように間欠点灯させてもよいし、スキャナの使用に支障のない範囲で、所定の間隔により間欠点灯させてもよい。
【0076】
<可動部の無い構成の利点について>
従来、読取ユニットを起動させたり、省電力モードから通常モードに復帰させたりするためには、スライドスイッチ、プッシュスイッチ等の物理的なスイッチが用いられた。しかし、物理的なスイッチは、操作が面倒な場合もあり、構造が複雑で製造費用もかかり、さらに壊れやすいという問題があった。そこで、本発明では、反射光を検知することにより通常モードに復帰する構成とすることによって、ユーザの操作の必要のない、簡易な構造で壊れにくいスイッチを有する読取ユニットを実現することができる。
【0077】
<ドットパターンについて>
媒体面にはドットパターンが印刷されている。上述したように、ドットパターンはカーボンインクまたはステルスインク(不可視インク)で印刷されており、ドットパターン以外の部分はノンカーボンインク等の赤外線を反射または透過する特性を有するインクで印刷されている。なお、透過性のインクを用いた場合は、透過した赤外線が媒体面で反射し、再度当該インクを透過して光学撮像素子により撮像される。
【0078】
このカーボンインクおよびステルスインク(不可視インク)は赤外線を吸収する特性を有しているため、前記光学撮像素子での撮像画像では、ドットの部分のみ反射光を得られないため黒く撮影されることになる。
【0079】
ここで、照射光については、本実施形態では赤外線を用いてカーボンインクおよびステルスインク(不可視インク)で印刷されたドットパターンを用いた場合で説明したが、照射光とインクの特性については、これに限らず、たとえば紫外線や特定の周波数を有する光線を用いて、紫外線を吸収する特性や、光特性が変化する特性を有するインクを用いてドットパターンを印刷してもよい。
【0080】
このようにして読み取ったドットパターンの撮像画像は、大CPUに送信され、大CPUはドットパターンの解析プログラムによってコード値および/または座標値に変換する。
【0081】
このようなドットパターンについて、図12〜図17を用いて説明する。
【0082】
なお、これらの図において、縦横方向の格子線は説明の便宜のために付したものであり実際の印刷面には存在していない。ドットパターン101を構成するキードット102、基準格子点ドット103、情報ドット104等は撮像手段であるスキャナが赤外線照射手段を有している場合、当該赤外線を吸収するカーボンインクまたはステルスインク(不可視インク)で印刷されていることが望ましい。
【0083】
図12はドットパターン101のキードット102、基準格子点ドット103および情報ドット104の配置の一例を示す拡大図である。図13(a)、(b)はベクトル情報を表す情報ドット104と符号化を示す説明図である。
【0084】
ドットパターンを用いた情報入出力方法は、ドットパターン101の生成と、そのドットパターン101の認識と、このドットパターン101を解析し、情報およびプログラムを出力する方法とからなる。すなわち、ドットパターン101をセンサユニット3により画像データとして取り込み、CPUが読み込んだプログラムに基づいて、まず、基準格子点ドット103を抽出し、次に本来基準格子点ドット103があるべき位置にドットが配置されず、所定の方向にずれた位置にドットが配置されていることによってキードット102を抽出し、1ブロック分のドットパターン101と、その方向を特定する。次に4つの基準格子点ドット103またはキードット102に囲まれた情報ドット104を抽出して所定のアルゴリズムにより符号化し、1ブロック分のドットパターン101における情報ドット104の配置により、各情報ドット104の集合から所定のコード値および/または座標値に復号し、このコード値および/または座標値を音声、画像、動画像等の情報やプログラムとして出力する。
【0085】
ドットパターン101の生成は、ドットコード生成アルゴリズムにより、符号化するためのベクトル情報を認識させるために微細なドット、すなわち、少なくとも1個のキードット102と、基準格子点ドット103および情報ドット104を所定の規則に則って配列する。図12に示すように、ドットパターン101のブロックは、5×5の基準格子点ドット103を配置し、4点の基準格子点ドット103または基準格子点に囲まれた仮想中心点105の周囲にベクトル情報を表す情報ドット104を配置する。なお、ブロックの配置・構成は、キードット102によって定められる。本実施形態の場合、当該キードット102はブロックの1コーナーの基準格子点上にはドットを配置せずに、そこから所定方向にずらしてドットを配置したものであり、ブロックの大きさを確定するとともに、当該ブロック、すなわちドットパターン101の方向を定義している。このブロックには任意の数値情報が定義される。なお、図12の図示例では、ドットパターン101のブロック(太線枠内)を4個並列させた状態を示している。ただし、ドットパターン101は4ブロックに限定されないことは勿論である。
【0086】
なお、キードット102は、前記ブロックのコーナーに限らず、ブロック内またはブロック外のいかなる位置に配置してもよい。
【0087】
センサユニットでこのドットパターン101を画像データとして取り込む際に、ドットコード解析アルゴリズムは、そのセンサユニットのレンズの歪みや斜めからの撮像、紙面の伸縮、媒体表面の湾曲、印刷時の基準格子点ドット103の配置の歪みを矯正することができる。具体的には歪んだ4点の基準格子点ドット103を元の正方形または矩形に変換する補正用の関数(Xn,Yn)=f(Xn’,Yn’)を求め、その同一の関数で情報ドット104を補正して、正しい情報ドット104の位置からベクトル情報を求める。
【0088】
情報ドット104は種々のベクトル情報を認識させるドットである。この情報ドット104は、キードット102で構成される1ブロック分のドットパターン101内に配置すると共に、4点の基準格子点ドット103で囲まれた仮想中心点105にして、これを始点としてベクトルにより表現した終点に配置したものである。たとえば、この情報ドット104は、4点の基準格子点ドット103または基準格子点に囲まれ、図13(a)に示すように、その仮想中心点105から離れたドットは、ベクトルで表現される方向と長さを有するために、時計方向に45度ずつ回転させて8方向に配置し、3ビットに符号化する。したがって、1ブロックのドットパターン101で3ビット×16個=48ビットを表現することができる。
【0089】
図13(b)は、図8のドットパターン101において、1個の情報ドット104毎に2ビットに符号化する方法であり、+方向および×方向にドットをずらして各2ビットに符号化し、2ビット×16個=32ビットを表現している。これにより、1ブロック分のドットパターン101で、本来48ビットの数値情報を定義できるが、用途によって分割して32ビット毎に数値情報を与えることができる。+方向および×方向の組み合わせによって最大216(約65000)通りの情報ドットの配置パターンが実現できる。
【0090】
なお、これに限定されずに、16方向に配置して4ビットを符号化することも可能であり、種々の方向に配置し、符号化を変更できることは勿論である。
【0091】
キードット102、基準格子点ドット103および情報ドット104のドットの径は、見栄えと、紙質、印刷の精度、センサユニット3の解像度および最適なデジタル化を考慮して、0.03〜0.05mm程度の範囲にあることが望ましい。
【0092】
また、撮像面積に対する必要な情報量と、各種ドット102,103,104の誤認を考慮して基準格子点ドット103の間隔は縦・横それぞれ、0.3〜0.5mm程度の範囲にあることが望ましい。基準格子点ドット103および情報ドット104との誤認を考慮して、キードット102のずれは格子間隔の20%前後が望ましい。
【0093】
この情報ドット104と、4点の基準格子点ドット103で囲まれた仮想中心点105との間隔は、隣接する基準格子点ドット103と仮想中心点105間の距離の15〜30%程度の間隔であることが望ましい。情報ドット104と仮想中心点105間の距離がこの間隔より大きいと、基準格子点ドット103と情報ドット104が塊として視認されやすく、ドットパターン101が模様として見苦しく見えるからである。逆に、情報ドット104と仮想中心点105間の距離がこの間隔より小さいと、仮想中心点105を中心にしてベクトル情報を持たせた情報ドット104がどの方向に位置しているかの認識が困難になるためである。
【0094】
図12に示すように、1個のドットパターン101は、4×4個のブロック領域で構成されたドットパターン101であり、各ブロック内には2ビットの情報ドット104が配置されている。この情報ドット104の集合を構成する1ブロック分のドットパターン101のドットコードフォーマットを示したものが図12である。
【0095】
図16(a)に示すように、1個のドットパターン101中には、パリティチェック、コード値が記録されている。(b)は、パリティチェック、コード値、XY座標値が記録されている。なお、ドットコードフォーマットは任意に定めることができる。
【0096】
図14は、ベクトル情報を持たせた情報ドット104と、その符号化の他の形態を示す例である。この事例のように、情報ドット104について基準格子点ドット103または基準格子点で囲まれた仮想中心点105から長・短の2種類を使用し、ベクトル方向を8方向とすると、4ビットを符号化することができる。このとき、長い方が隣接する仮想中心点105間の距離の25〜30%程度、短い方は同じく15〜20%程度が望ましい。ただし、誤認しないよう、長・短の情報ドット104の中心間隔は、これらの情報ドット104の径より長くなることが望ましい。
【0097】
4点の基準格子点ドット103または基準格子点で囲まれた情報ドット104が複数あると、隣接するドットが塊として視認されやすく模様が発生するため、見栄えを考慮し1ドットが望ましい。しかし、見栄えを無視し、情報量を多くしたい場合は、1ベクトル毎に、1ビットを符号化し、情報ドット104を複数のドットで表現することにより、多量の情報を有することができる。たとえば、同心円8方向の8ベクトルでは、4点の基準格子点ドット103または基準格子点で囲まれた情報ドット104が0〜8個で8ビットが符号化でき、同心2重円8方向の16ベクトルでは、1ブロックの情報ドット104が0〜16個で16ビットが符号化できる。
【0098】
図15は、同心2重円8方向の16ベクトルの情報ドット104と符号化の例であり、(a)は情報ドット104を2個、(b)は情報ドット104を4個および(c)は情報ドット104を5個配置したものを示すものである。
【0099】
図17はドットパターン101の変形例を示すものであり、(a)は情報ドット104を囲む4点の基準格子点ドット103または基準格子点からなる正方形または矩形領域を6個配置型、(b)は前記領域を9個配置型、(c)は前記領域を12個配置型、(d)は前記領域を36個配置型の概略図である。
【0100】
図12に示すドットパターン101は、1ブロックに16個(4×4)の情報ドット104を配置した例を示している。しかし、この情報ドット104は1ブロックに16個配置することに限定されずに、図15、17に示すように、情報ドット104を囲む4点の基準格子点ドット103または基準格子点からなる領域、および当該領域で定義される情報ドット104の符号化を種々変更することができる。
【0101】
なお、本発明に係るスキャナが読み取るドットパターンは、上述したドットパターンに限られず、他のアルゴリズムによって生成されたドットパターンでもよいことはもちろんである。
【0102】
図8は、読取ユニットがドットパターンを読み取る動作について説明したフローチャートである。なお、本発明は、省電力モードから通常モードへ復帰するためのスイッチがポイントの一つなので、このフローチャートでは、現在、読取ユニットが省電力モードの状態であるという前提により、説明を行っている。
【0103】
まず、小CPUは、所定時間、待機する。小CPUには、微弱な電流が流れており、LEDの発光を待機している状態である(ステップ31、以下S31と略す)。
【0104】
次に、小CPUは、所定時間経過後、媒体面を検知するために必要な発光量を確保できるだけの電力を用いてLEDを発光させる(S32)。
【0105】
次に、小CPUは、発光された光が、読取ユニットの開口部に当てられる媒体面により反射され、反射光が導光管を介して光学スイッチにより検出されたか否かを判断する(S33)。
【0106】
検出されなかったと判断した場合は、S31の処理に戻る。
【0107】
検出されたと判断した場合は、S34の処理に進む。
【0108】
検出されたと判断した場合、小CPUは、読取ユニットを通常モードに復帰させる。通常モードでは、大CPUおよびC−MOSカメラが起動し、制御が小CPUから大CPUに移行される。また、LEDが画像撮影用の電力を用いて発光される(S34)。
【0109】
次に、大CPUは、C−MOSセンサを用いて、開口部からの反射光を撮影し、撮影された画像の解析のために、画像処理を行う(S35)。LEDからの光が開口部に当てられた媒体面を照射し、C−MOSセンサは、その反射光を撮像する。
【0110】
次に、大CPUは、撮影された画像が暗いか否かを判断する(S36)。画像が暗い状態であれば、読取ユニットの開口部に媒体面が当てられていない、すなわち、読取ユニットがユーザにより使われていないと判断する。画像が暗い状態ではない場合は、媒体面のドットパターンを読み取り、解析してドットコードに変換する(S37)。
【0111】
次に、大CPUは、省電力モードへの移行を行う(S38)。読取ユニットは、省電力モードへの移行を完了すると、S31の処理に戻る。
【0112】
図9は、読取ユニットのライトガイドを、その軸方向、上面から示した図である。ライトガイドの中央は中空部となっており、左側に溝が形成されている。この溝に、導光管が設置されている。また、ライトガイドの右側にはスリットが形成されており、スリット内部にLEDが設置されている。
【0113】
図10〜11は、本発明で用いられる導光管の構造について示す説明図である。
【0114】
上述したように、導光管は、例えば光ファイバーまたは内部が空洞の材質で形成されており、LEDからの照射光のうち媒体面で反射した光を、赤外線スイッチに導くための管である。形状は、直線形状または曲線形状である。また、導光管の断面は、円・楕円形でも多角形でもよい。
【0115】
図10(a)は、直線形状の導光管について説明する図である。同図においては、例えば内部が空洞であり、周囲を赤外線吸収材料とするので、内壁において反射はしない。それ故、赤外線スイッチまで直接入射する光、すなわち狭い範囲において反射された光のみを検知する。これにより、ライトガイドに導かれた光が媒体面に反射せず、直接導光管に進入するのを防ぐことができる。また、導光管外部には、赤外線反射層を設けることによって、外部からの赤外線を遮断する。
【0116】
なお、導光体内部が空洞でない場合は、媒体面からの反射光は臨界角で屈折する。
【0117】
同図(b)は、曲線形状の導光管について説明する図である。曲線形状の場合、媒体面からの反射光は、内壁で反射しながら赤外線スイッチに到達する。導光管外部には、赤外線反射層を設けることによって、外部からの赤外線を遮断する。
【0118】
図に示すように、曲線状の場合および直線状であっても管の内壁により臨界角での全反射が起こる場合、より広い範囲からの反射光を、赤外線スイッチまで導くことが出来る。
【0119】
図11は、曲線形状の導光管の、先端部の構造について示す説明図である。
【0120】
曲線形状の導光管の先端部は、内壁における赤外線の全反射により、同図(b)のように、読み取るべき媒体面の検知範囲が広がる。そこで、狭い範囲からの反射光を読み取る場合には、同図(a)のように、先端部内周面を赤外線を吸収する内壁(カーボン)をもった空洞の管(赤外線吸収層)とすれば、検知範囲を狭めることができる。すなわち、ある角度で入射した、直接赤外線を吸収する領域に入らないものは吸収して、スポットを絞ることができる。スポットを絞ることによって、ライトガイドから直接入ってきた光が、導光管内部で反射して、赤外線スイッチに到達できないようにする。
【0121】
赤外線吸収層を設ける管の長さは、赤外線スイッチを起動させるのに必要な光量を得るために必要な反射面の面積から求める。
【0122】
なお、先端部以外も臨界角での反射を用いる場合、導光管の外壁はカーボンでよい。光を逃がさないようにする場合は、導光管の外壁は赤外線反射素材にする。
【0123】
また、図12(b)の場合には、臨界角を超えているために、反射光が導光管の外部に出てしまう。そこで、このような場合には、導光管内部に、赤外線反射材料をコーティングすれば、反射光が外部に漏れることなく、赤外線スイッチまで到達することが可能となる。
【0124】
また、光ファイバーを用いる場合、空洞の材質を用いる場合のいずれにおいても、導光管の外部に、赤外線を遮断するコーティングをすることが必要である。導光管の外部に存在する赤外線の進入を防ぐためである。コーティングは、赤外線を反射する材質、または、赤外線を吸収する材質で行う。赤外線を反射するコーティングをした場合は、反射光がどんな角度であっても、反射しながら赤外線スイッチに到達する。臨界角を超えた流れであっても、たくさんの光がスイッチに届く。一方、赤外線を吸収するコーティングをした場合は、導光管内部の反射光は、臨界角を下回っていないと、赤外線スイッチまで届かない。
【0125】
また、空洞の材質を用いて導光管を形成する場合、導光管すべてを空洞の材質とする場合の他、反射光を入光する側の端部のみを空洞の材質とし、他の部分は光ファイバーを用いて形成してもよい。
【0126】
なお、上述した実施形態においては、代表例として、ドットパターンが形成された媒体面を読み取るための読取ユニットについて説明したが、本発明はこれに限らず、媒体面に印刷されているコードは、QRコード等の他の2次元コード、あるいはバーコード等の1次元コードでもよい。さらには、文字、図形、記号等の印刷情報であってもよい。
【0127】
<省電力機構の他の実施形態>
次に、本発明に係る読取ユニットにおける省電力機構の他の形態について説明する。
【0128】
従来の光学式スキャナでは、撮像の際、CMOSセンサの絞りを制御して光量を調節することによって、媒体面のドットパターンが正確に撮像できるように制御していた。すなわち、フレームバッファの撮像画像が明るすぎる場合には絞りを絞って光量を少なくし、暗すぎる場合には絞りを開いて光量を増加させる。
【0129】
これに対して本発明に係る読取ユニットは、絞りの動的制御を行わず、絞りを固定値としている。これは、本発明にかかる 読取ユニットでは、読取ユニットを媒体面に当てて読み取る目的に用いるので、媒体面に当てた時に最適の露光条件となって媒体面を撮像できるように、予め絞りを設定しているからである。
【0130】
本発明にかかる読取ユニットでは、絞りを動的制御する時間を省略できる分、読み取ったドットパターンの解析時間を短縮することができる。
【0131】
さらに、絞りの動的制御には電力を消費するため、絞りの動的制御を行わないことによって消費電力を削減することができ、省電力型の読取ユニットを提供することが可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0132】
本発明は、バーコードや、ドットコード等の2次元コードの読み取りに用いるコードリーダに利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0133】
【図1】本発明に係る光学式スキャナの先端部である読取ユニットの内部構造を示す拡大図である。
【図2】スキャナの先端部の構成について説明するハードウェアブロック図である。
【図3】本発明に係る光学式スキャナがどのように使用されるか、その使用状態の例を示した説明図(1)である。
【図4】本発明に係る光学式スキャナがどのように使用されるか、その使用状態の例を示した説明図(2)である。
【図5】本発明に係る光学式スキャナがどのように使用されるか、その使用状態の例を示した説明図(3)である。
【図6】本発明に係る光学式スキャナがどのように使用されるか、その使用状態の例を示した説明図(4)である。
【図7】本発明に係る光学式スキャナがどのように使用されるか、その使用状態の例を示した説明図(5)である。
【図8】読取ユニットがドットパターンを読み取る動作について説明したフローチャートである。
【図9】読取ユニットのライトガイドを、その軸方向、上面から示した図である。
【図10】導光管についての説明図であり、(a)は直線形状の導光管、(b)は曲線形状の導光管について説明した図である。
【図11】曲線形状の導光管の、先端部の構造について示す説明図である。
【図12】ドットパターンの一例であるGRID1について説明する図(1)である。
【図13】ドットパターンの一例であるGRID1について説明する図(2)である。
【図14】ドットパターンの一例であるGRID1について説明する図(3)である。
【図15】ドットパターンの一例であるGRID1について説明する図(4)である。
【図16】ドットパターンの一例であるGRID1について説明する図(5)である。
【図17】ドットパターンの一例であるGRID1について説明する図(6)である。
【符号の説明】
【0134】
101 ドットパターン
102 キードット
103 基準格子点ドット
104 情報ドット
【技術分野】
【0001】
本発明は、ドットパターン等の二次元コードまたはバーコード等の一次元コードの読み取りに用いる光学読取装置(スキャナ)に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、音声や画像等の種々の情報を記録するための識別子として、バーコード等の一次元コードやQRコード等の二次元コードが広く用いられている。特に最近では、符号化情報としての複数のドットを2次元に配置したドットコード(ドットパターン)が注目されている。ドットコードは、特殊なスキャナを用いて読み取るので写真や絵柄等の印刷物に重ねて印刷出来るため、印刷物の美観を損ねることがなく、また、印刷物の領域を犠牲にすることがないため、バーコード等に比べ、より多くの情報を印刷することが可能となる。
【0003】
このような一次元コードや二次元コードは、専用のスキャナによって読み取られる。たとえば、ドットコードを読み取る場合、ドットコードが印刷された印刷面に、ペン型のスキャナから発光される光を照射し、ドットコードが印刷された部分およびドットコードが印刷されていない部分から反射光の明暗や色の違いによりドットコードを読み取る。
【0004】
このようなペン型スキャナに設けられたLEDは、照射方向のばらつきが非常に大きく、そのため、ドットコードを照射する際に、媒体面を均一に照射することができず、照明むらが起きやすく、正確にドットコードを読み取れないという問題があった。また、このような問題を解消しようとすると、LEDの数を増やさなければならず、消費電力およびコストが大幅に上がってしまうという問題があった。
【0005】
このような問題を解決するために、照明部をユニット化したコードリーダが提案されている(たとえば、特許文献1)。このコードリーダでは、LED等の複数の光源と、光源が実装された照明用基板と、光源から発射された照明光を拡散するための光拡散部材と、光拡散部材から拡散された拡散光をコードパターンに向けて反射させる光反射部材とが一体的にユニット化されている。
【0006】
このようにユニット化することにより、ユニットの時点で照明部の良否判断ができるため、光量むらによる不良品の発生を事前に防止し、正確にドットコードを読み取ることのできる製品を提供することができる。
【0007】
また、本文献中には、LEDの光軸付近に拡散部を設け、光軸から離れた位置には非拡散部を設けたコードリーダも提案されている。これによれば、LED光軸付近の強度の強い光は拡散部により拡散されて発光強度が弱くなり、LED光軸から離れた強度の弱い光はほとんど減衰せずにコードパターンに到達する。
【0008】
そのため、LEDの数を増やしたりLEDの駆動電流を増やしたりせずに、照明むらの無い均一な照明光が得られ、低コストで省電力のコードリーダを提供することが可能となる。
【0009】
【特許文献1】特開平11−7490号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかし、特許文献1のコードリーダでは、複数のLEDが必要であるため、消費電力の低減には限界がある。また、コードリーダを使用する際には読み取りスイッチを操作する必要があるが、このようなスイッチは、常に電源を流し続ける構造に比べ、消費電力が少なくて済むという利点があるものの、操作が面倒であり構造が複雑で製造にコストがかかり、さらに壊れやすいという問題がある。
【0011】
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、ユーザの操作が必要なく丈夫であり、省電力化が実現でき低コストであり、簡易に製造できる光学読み取り装置を提供することを技術的課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
(1)前記課題を解決するため、本発明に係る読取ユニットは、媒体面を撮影する読取ユニットであって、該媒体面に対して光を照射する光源と、該媒体面からの反射光を入射するレンズと、該レンズを経た入射光を入光する撮像手段と、該光源と撮像手段とを制御する制御手段と、中空部を有する筒状であり、その先端に該媒体面からの該反射光の入口となる開口部が形成された、該光源からの光を該媒体面に照射させるための第1の導光体とを備え、該レンズは、該第1の導光体の開口部を臨むように、該第1の導光体の該中空部に配置され、該光源は、該第1の導光体内部に設けられたスリットの端部に配置されており、該光源からの照射光は、該第1の導光体の内部を進行し該開口部より該媒体面に対して均一に照射されることを特徴とする。
【0013】
(2)本発明に係る読取ユニットは、前記光源から照射する光は、所定波長光であることを特徴とする。
【0014】
(3)本発明に係る読取ユニットは、前記光源は、前記第1の導光体内部に設けられた前記スリットの端部に1個のみ配置されていることを特徴とする。
【0015】
これによれば、光源(LED)から照射された光は、ライトガイドの内部を進行することによって、光源が設けられていない側にも照射光が行き渡る。そのため、従来のように2個光源を設ける必要がなく、1個の光源のみで媒体面を撮影することができるため、消費電力を少なくすることができる。
【0016】
(4)本発明に係る読取ユニットは、前記媒体面上の所定領域で反射した前記光源からの光を所定の位置に導く第2の導光体と、前記所定の位置に配置された、所定波長光の検出により動作する光学スイッチをさらに備え、前記照射光は、前記第1の導光体の内部を拡散・屈折しながら進行し前記開口部より該媒体面に対して照射された後、該媒体面の該所定領域において反射し、該第2の導光体を介して該光学スイッチに到達し、該光学スイッチにより感知され、前記制御手段は、該照射光を感知した該光学スイッチからの信号に基づき、少なくとも撮像手段を動作させることを特徴とする。
【0017】
これによれば、導光体からの微弱な照射光が流れてきたときにのみ、制御装置が撮像素子(C−MOSセンサ等)を動作する。そのため、常時撮像素子を動作させておく従来の読取ユニットに対して、消費電力を大幅に削減することが可能となる。
【0018】
(5)本発明に係る読取ユニットは、前記第2の導光体は、少なくとも前記所定領域における反射光を入光する側の端部が、中空の管状であることを特徴とする。
【0019】
(6)本発明に係る読取ユニットは、前記制御手段は、前記光源を媒体検知時のみ媒体検知用電力により点灯させる省電力モードと、該光源を継続的にまたは前記撮像手段を制御し撮像する際に、撮像用電力により点灯させる通常モードとを備えており、該省電力モードと該通常モードとの切り替えによって省電力制御を行い、少なくとも該省電力モードから該通常モードへの移行は、前記光学スイッチからの信号により行うことを特徴とする。
【0020】
これによれば、光源を間欠にすることができるため、消費電力を削減することができる。
【0021】
(7)本発明に係る読取ユニットは、前記第2の導光体の少なくとも端部断面を除く外周部には、所定波長光の、第2の導光体内部への進入を防止するために所定波長光遮断層を設けたことを特徴とする。
【0022】
これによれば、外部からの不要な所定波長光の進入を防止して、必要な光源のみ導光体を通過させることができる。
【0023】
(8)本発明に係る読取ユニットは、所定波長光遮断層は、所定波長光反射層または所定波長光吸収層であることを特徴とする。
【0024】
(9)本発明に係る読取ユニットは、前記所定波長光遮断層は、前記所定領域における反射光が前記第2の導光体に入光し、該導光体内部の周壁で反射して進行するための所定波長光反射層であることを特徴とする。
【0025】
(10)本発明に係る読取ユニットは、前記第2の導光体の中空を有する管状部分の少なくとも前記媒体面側の端部近傍の内周面は、該媒体面の前記所定領域からの前記反射光のみが該第2の導光体を入光・進行するように、前記第1の導光体から導かれ、少なくとも前記第2の導光体の端部延長上の前記媒体面付近で反射した反射光を除く全ての所定波長光を吸収させるために、所定の領域に所定波長光吸収層を設けたことを特徴とする。
【0026】
これによれば、導光体の内壁で所定波長光が反射することによって媒体面の検知範囲が広がってしまうことを防ぐことができる。
【0027】
また、所定波長光遮断層と所定波長光吸収層の両方を設けると、外部からの不要な赤外線光の進入を防止すると同時に、最も適切な検知範囲で媒体面を読みとることが可能となるため、少ない電力で効率よく媒体面を読みとることができる。
【0028】
(11)本発明に係る読取ユニットは、前記第1の導光体の開口部近傍に防塵および/または防水用などの保護フィルタが設けられたことを特徴とする。
【0029】
これによれば、塵埃が読取ユニット内部に侵入することを防止することができる。
【0030】
(12)本発明に係る読取ユニットは、前記フィルタが、前記光源および/または前記第1の導光体の開口部に入光する光の所定波長光だけを透過させる所定波長光透過フィルタであることを特徴とする。
【0031】
これによれば、撮像素子の先端の所定波長光フィルタを配置する必要がなくなるため、読取ユニットの構造を簡略化することができる。
【0032】
(13)前記所定波長は、赤外線であることを特徴とする。
【0033】
(14)本発明に係る読取ユニットは、前記媒体面の撮影により読み取る情報は、該媒体面に形成されたコード値および/または座標値からなるドットコードが所定のアルゴリズムに基づいてパターン化された、光学的に読取り可能なドットパターンであることを特徴とする。
【0034】
これによれば、光源(LED)から照射された光は、ライトガイドの内部を進行することによって、光源が設けられていない側にも照射光が行き渡る。そのため、従来のように2個光源を設ける必要がなく、1個の光源のみで媒体面のドットパターンを撮影することができるため、消費電力を少なくすることができる。
【発明の効果】
【0035】
本発明によれば、従来に比べて、消費電力が大幅に少ないコード読取ユニットを、簡易かつ安価に提供することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0036】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0037】
<概要>
図3は、本発明に係る光学式スキャナがどのように使用されるか、その使用状態の例を示した説明図である。
【0038】
同図に基づき、一連の流れを説明すると、以下のとおりである。
【0039】
まず、光学式スキャナは、コンピュータ等に接続して用いられる。媒体には、文字や絵などが印刷された紙などの印刷物である。この媒体には、後述するドットパターンが、文字や絵等と重畳印刷されている。ユーザが光学式スキャナを用いて媒体上の文字や絵をタッチすると、タッチされた文字や絵に重畳印刷されたドットパターンが読み取られる。読み取られたドットパターンは、光学式スキャナ上のCPUにより画像解析され、そのドットパターンに対応したコード値および/または座標値に変換される。コード値および/または座標値は、光学式スキャナからコンピュータに送信される。コンピュータの制御部は、受信したコード値および/または座標値に対応付けられた画像、映像、音声等を、コンピュータに接続されたディスプレイ等に出力する。なお、画像解析処理は、光学式スキャナ上のCPUにより行われてもよいし、光学式スキャナが接続されたコンピュータ上のCPUにより行われてもよい。
【0040】
なお、光学式スキャナは、コンピュータ以外のものに接続、あるいは、機器と一体となった状態で使用してもよい。図4〜7は、その具体例について説明したものである。 図4は、スタンドアローンタイプのボイスレコーダに光学式スキャナを接続したものである。本実施例では、写真にドットパターンを重畳印刷している。光学式スキャナで写真をタッチすると、ドットパターンが読み取られ、写真に対応した音声が、ボイスレコーダのスピーカから発せられる。
【0041】
図5は、スキャナと音声再生装置が一体となったもの(スピーキングペン)である。本装置のスキャナ部で媒体上の文字や絵をタッチすると、文字や絵に重畳印刷されたドットパターンが読み取られ、文字や絵の内容に対応した音声が、スピーカから発せられる。
【0042】
図6は、スキャナとリモコンが一体となったリモコン装置である。本リモコン装置は、ペーパーコントローラと共に、テレビやセットトップボックスの操作に用いるものである。ペーパーコントローラには、「電源」や「音量」等、操作指示を表すアイコンが印刷されており、アイコンには、ドットパターンが重畳印刷されている。リモコン装置のスキャナ部でアイコンをタッチすると、ドットパターンが読み取られ、ドットパターンに対応した赤外線信号が、赤外線発光部から、セットトップボックスの赤外線受光部に発光する。すると、セットトップボックスは、赤外線信号に対応した処理、すなわち、ペーパーコントローラのアイコンが意味する処理を行う。
【0043】
図7は、携帯電話にスキャナを接続したものである。ペーパーコントローラには、操作を指示するための、図示しない絵や文字が印刷されており、絵や文字には、ドットパターンが重畳印刷されている。スキャナで絵や文字をタッチすると、ドットパターンが読み取られ、絵や文字に対応した操作(発信、メール受信等)が行われる。
【0044】
なお、本発明に係る光学式スキャナの使用例は上述したものに限られず、種々の装置に接続したり、一体に形成したりして使用できることはもちろんである。
【0045】
図1は、本発明に係る光学式スキャナの先端部である読取ユニットの内部構造を示す拡大図である。このスキャナの先端部は、図示しない光学式スキャナ(ペン型ドットパターン読取装置本体)に装着されており、印刷物等の媒体面に形成されたドットパターンを読み取る。
【0046】
読取ユニットは、動作モードとして、ドットパターンの読み取りおよび解析を行う通常モードと、待機時に消費電力を抑えるための省電力モードとを備えている。各モードにおける読み取りユニットの各部材の動作についての詳細は、後述する。
【0047】
スキャナの先端部は、中空部を有する筒状で、その先端に開口部が形成され、ライトガイド(第1の導光体)を備え、該ライトガイドの開口部を臨むようにライトガイドの中空部にレンズが配置されている。レンズから後退した位置にはIRフィルタおよびC−MOSセンサ(撮像手段)を備えている。
【0048】
光源であるLEDは、ライトガイド内部に形成されたスリットの端部に設けられている。LEDは赤外線を発光するものであることが望ましいが、この周波数帯に限定されるものではなく、例えば、紫外線を発光する光源を用いてもよい。但し、紫外線を用いる場合、IRフィルタの代わりにUVフィルタを用い、媒体面に印刷されるドットパターンも、紫外線領域において、ドットパターン以外の印刷された情報から区別することが出来るインクにより、媒体面上に印刷される必要がある。なお、LEDの発光制御は、本発明にかかる省電力機構において重要な点であるので、詳細は後述する。
【0049】
また、ライトガイドのスリットが設けられた側と反対側内部には、導光管(第2の導光体)が設けられている。導光管をスリット、すなわちLEDと反対側に設けることにより、LEDから開口部を介して媒体面へ照射される光に対する、導光管による干渉を最小限に抑えることが出来る。
【0050】
先端部の上部にはプリント配線板(PCB)が実装されており、該PCB上には、LEDの点灯制御を行うための反射光測定を行う赤外線スイッチ(光学スイッチ)と、赤外線スイッチからの感知信号に基づきLEDの発光制御を行う、低消費電力の小CPU(制御手段)と、C−MOSセンサの制御およびC−MOSセンサによって読み取られた画像の解析を行うための大CPU(制御手段)とが設けられている。
【0051】
開口部には、透明ガラス板または透明プラスチック板等からなるフィルタが取り付けられている。フィルタは、開口部を閉塞することにより中空部等の内部空間への塵埃等の侵入を防止するとともに、LEDからの赤外線を透過するIRフィルタとしての役割も有している。したがって、このフィルタを取り付ける場合は、上述のIRフィルタは設けなくてもよい。
【0052】
ライトガイドは、透明または乳白色の樹脂製であり、その内部が導光路として機能する。LEDからの照射光は、ライトガイドの内部を進行し、前記開口部より媒体面に対して照射される。ライトガイドが乳白色の樹脂製である場合は、LEDからの照射光は、ライトガイド内を進行する際、適度に拡散されるので、開口部から媒体面を照射する光をより均一にすることが出来る。
【0053】
ライトガイドの外周には、光反射層が設けられている。光反射層は、赤外線を反射する材質でコーティングすることによって形成されている。
【0054】
このように、ライトガイドの外周に光反射層をコーティング等によって設けることによって、照射光の外部への発散を防ぎ効率的に媒体面を照射でき、LEDの適切な発行量に制御することにより、省電力にも効果がある。また、ライトガイドの強度を向上させることが出来る。もし同じ強度のままとする場合は、ライトガイド自体に要求される強度を減らすことができる。また、ライトガイドを覆うキャップやカバーを用いることなくライトガイド外周を傷や摩耗から保護することができる。
【0055】
また、上述したように、ライトガイドのLEDが設けられていない側には、導光管が設けられている。導光管は光ファイバー等、光を透過する素材により形成された管でもよいし、内部が空洞となった管でもよい。導光管は、LEDから媒体面に照射された光の反射光のうち、特定の領域から反射した光を赤外線スイッチまで導く。赤外線スイッチは、導光管により導かれた照射光を感知すると、感知信号を大CPUに送信する。大CPUは、赤外線スイッチからの感知信号に基づいて、C−MOSセンサ(撮像手段)を起動および動作させる。大CPUにより起動されたC−MOSセンサは、LEDから媒体面に照射され、媒体面において反射した反射光を撮像し、撮像した画像を解析してドットパターンを読み取る。
【0056】
通常モードにおいて、動作に関与するスキャナの先端部の構成部材は、大CPUと、LEDと、ライトガイドと、レンズと、IRフィルタと、C−MOSセンサとである。
【0057】
大CPUは、ユーザによって媒体面がタッチされたことを認識すると、通常モードにおいては、まず、大CPUが、 読取ユニットの開口部に当てられる媒体面のドットパターンを読み取るために、LEDを発光させる。LEDがライトガイドを介して媒体面を照射すると、その反射光がレンズに入光し、C−MOSセンサが、反射光を撮影する。
【0058】
C−MOSセンサにより撮影された画像を解析することにより、媒体面のドットパターンから情報が読み取られる。
【0059】
大CPUは、撮影画像の解析が終わった後、再度、C−MOSセンサによる画像撮影を行う処理に戻る。
【0060】
LEDは、通常モードの間、常に点灯させておいてもよいし、C−MOSセンサによる画像撮影の間のみ点灯させてもよい。画像撮影の間のみ点灯させる構成では、消費電力を削減することが出来る。
【0061】
大CPUは、画像撮影の結果の明るさが所定量を下回ることにより、 読取ユニットの開口部に媒体面が当たっていないことを示す場合、ユーザが 読取ユニットを使用していないと判断し、通常モードから省電力モードへの移行を行う。
【0062】
省電力モードへの移行では、まず小CPUを起動し、起動確認後、大CPU自身は、動作を休止し、電力の消費を抑える。
【0063】
ここで媒体面のドットパターンは、赤外線を吸収する、カーボンインクまたはステルスインク(不可視インク)で印刷されている。
【0064】
ドットパターン以外の部分は、赤外線を反射または透過する特性を有する、ノンカーボンインク等のインクで印刷されている。なお、透過性のインクを用いた場合は、透過した赤外線が媒体面で反射し、再度当該インクを透過してC−MOSセンサにより撮像される。
【0065】
このカーボンインクおよびステルスインク(不可視インク)は赤外線を吸収する特性を有しているため、前記C−MOSセンサでの撮像画像では、ドットの部分のみ反射光を得られないため黒く撮影されることになる。
【0066】
図2は、省電力モードに関与する、スキャナの先端部の構成について説明するハードウェアブロック図である。
【0067】
同図に示すように、省電力モードにおいて、動作に関与するスキャナの先端部の構成部材は、大CPUと、小CPUと、赤外線スイッチと、LEDと、ライトガイドと、導光管とである。
【0068】
省電力モードにおける各部材の動作は、以下のとおりである。
【0069】
まず、大CPUが、通常モードにおける画像解析結果に基づき、スキャナが読み取りの為に使用されていない状態であることを検知する。
【0070】
大CPUは、スキャナが使用されていないと判断し、読取ユニットを通常モードから省電力モードに切り替えるために、小CPUを起動し、小CPUの起動確認後、大CPU自身は、動作を停止し、電力の消費を抑える。
【0071】
次に、省電力モードにおける制御を引き継いだ小CPUは、予め設定された時間間隔により、LEDを発光させる。発光量は、ペンの使用が再開され、読取ユニットの開口部に媒体面が当てられた際に、ライトガイドを介して照射され、媒体面から反射した光を検出できる量であればよい。それ故、媒体面を画像として撮影し解析する場合に較べ、間欠点灯している時間も僅かでよく、少量のみ発光すれば足りるので消費電力を抑えることが出来る。
【0072】
LEDが発光した時に、開口部に媒体面が当たっていない場合、LEDからの光は媒体面により反射されないので、導光管を介して赤外線スイッチに到達する反射光はない。それ故、赤外線スイッチから小CPUに対して、感知信号は送信されない。感知信号が受信されない場合、小CPUは、再度所定時間が経過しLEDを発光させるまで待機する。
【0073】
LEDが発光した時に、開口部に媒体面が当たっている場合、LEDからの光は媒体面により反射されるので、反射光が導光管を介して赤外線スイッチに到達する。赤外線スイッチは、到達した反射光を感知し、感知信号を小CPUに対して送信する。感知信号が受信された場合、小CPUは、スキャナの使用が再開されたと判断し、読取ユニットを省電力モードから通常モードに切り替えるために、大CPUを起動する。小CPUは、弱電力で作動するので、常時作動していても電力消費に殆ど影響はしない。
【0074】
通常モードに復帰すると、大CPUは、光学撮像素子であるC−MOSセンサを起動し、LEDから媒体面に照射された光の、媒体面からの反射光を撮像する。
【0075】
また、大CPUは、LEDの発光制御も通常モードに適した制御に復帰させる。例えば、LEDを常時点灯させてもよいし、撮影した画像を解析する間はLEDの発光を停止するように間欠点灯させてもよいし、スキャナの使用に支障のない範囲で、所定の間隔により間欠点灯させてもよい。
【0076】
<可動部の無い構成の利点について>
従来、読取ユニットを起動させたり、省電力モードから通常モードに復帰させたりするためには、スライドスイッチ、プッシュスイッチ等の物理的なスイッチが用いられた。しかし、物理的なスイッチは、操作が面倒な場合もあり、構造が複雑で製造費用もかかり、さらに壊れやすいという問題があった。そこで、本発明では、反射光を検知することにより通常モードに復帰する構成とすることによって、ユーザの操作の必要のない、簡易な構造で壊れにくいスイッチを有する読取ユニットを実現することができる。
【0077】
<ドットパターンについて>
媒体面にはドットパターンが印刷されている。上述したように、ドットパターンはカーボンインクまたはステルスインク(不可視インク)で印刷されており、ドットパターン以外の部分はノンカーボンインク等の赤外線を反射または透過する特性を有するインクで印刷されている。なお、透過性のインクを用いた場合は、透過した赤外線が媒体面で反射し、再度当該インクを透過して光学撮像素子により撮像される。
【0078】
このカーボンインクおよびステルスインク(不可視インク)は赤外線を吸収する特性を有しているため、前記光学撮像素子での撮像画像では、ドットの部分のみ反射光を得られないため黒く撮影されることになる。
【0079】
ここで、照射光については、本実施形態では赤外線を用いてカーボンインクおよびステルスインク(不可視インク)で印刷されたドットパターンを用いた場合で説明したが、照射光とインクの特性については、これに限らず、たとえば紫外線や特定の周波数を有する光線を用いて、紫外線を吸収する特性や、光特性が変化する特性を有するインクを用いてドットパターンを印刷してもよい。
【0080】
このようにして読み取ったドットパターンの撮像画像は、大CPUに送信され、大CPUはドットパターンの解析プログラムによってコード値および/または座標値に変換する。
【0081】
このようなドットパターンについて、図12〜図17を用いて説明する。
【0082】
なお、これらの図において、縦横方向の格子線は説明の便宜のために付したものであり実際の印刷面には存在していない。ドットパターン101を構成するキードット102、基準格子点ドット103、情報ドット104等は撮像手段であるスキャナが赤外線照射手段を有している場合、当該赤外線を吸収するカーボンインクまたはステルスインク(不可視インク)で印刷されていることが望ましい。
【0083】
図12はドットパターン101のキードット102、基準格子点ドット103および情報ドット104の配置の一例を示す拡大図である。図13(a)、(b)はベクトル情報を表す情報ドット104と符号化を示す説明図である。
【0084】
ドットパターンを用いた情報入出力方法は、ドットパターン101の生成と、そのドットパターン101の認識と、このドットパターン101を解析し、情報およびプログラムを出力する方法とからなる。すなわち、ドットパターン101をセンサユニット3により画像データとして取り込み、CPUが読み込んだプログラムに基づいて、まず、基準格子点ドット103を抽出し、次に本来基準格子点ドット103があるべき位置にドットが配置されず、所定の方向にずれた位置にドットが配置されていることによってキードット102を抽出し、1ブロック分のドットパターン101と、その方向を特定する。次に4つの基準格子点ドット103またはキードット102に囲まれた情報ドット104を抽出して所定のアルゴリズムにより符号化し、1ブロック分のドットパターン101における情報ドット104の配置により、各情報ドット104の集合から所定のコード値および/または座標値に復号し、このコード値および/または座標値を音声、画像、動画像等の情報やプログラムとして出力する。
【0085】
ドットパターン101の生成は、ドットコード生成アルゴリズムにより、符号化するためのベクトル情報を認識させるために微細なドット、すなわち、少なくとも1個のキードット102と、基準格子点ドット103および情報ドット104を所定の規則に則って配列する。図12に示すように、ドットパターン101のブロックは、5×5の基準格子点ドット103を配置し、4点の基準格子点ドット103または基準格子点に囲まれた仮想中心点105の周囲にベクトル情報を表す情報ドット104を配置する。なお、ブロックの配置・構成は、キードット102によって定められる。本実施形態の場合、当該キードット102はブロックの1コーナーの基準格子点上にはドットを配置せずに、そこから所定方向にずらしてドットを配置したものであり、ブロックの大きさを確定するとともに、当該ブロック、すなわちドットパターン101の方向を定義している。このブロックには任意の数値情報が定義される。なお、図12の図示例では、ドットパターン101のブロック(太線枠内)を4個並列させた状態を示している。ただし、ドットパターン101は4ブロックに限定されないことは勿論である。
【0086】
なお、キードット102は、前記ブロックのコーナーに限らず、ブロック内またはブロック外のいかなる位置に配置してもよい。
【0087】
センサユニットでこのドットパターン101を画像データとして取り込む際に、ドットコード解析アルゴリズムは、そのセンサユニットのレンズの歪みや斜めからの撮像、紙面の伸縮、媒体表面の湾曲、印刷時の基準格子点ドット103の配置の歪みを矯正することができる。具体的には歪んだ4点の基準格子点ドット103を元の正方形または矩形に変換する補正用の関数(Xn,Yn)=f(Xn’,Yn’)を求め、その同一の関数で情報ドット104を補正して、正しい情報ドット104の位置からベクトル情報を求める。
【0088】
情報ドット104は種々のベクトル情報を認識させるドットである。この情報ドット104は、キードット102で構成される1ブロック分のドットパターン101内に配置すると共に、4点の基準格子点ドット103で囲まれた仮想中心点105にして、これを始点としてベクトルにより表現した終点に配置したものである。たとえば、この情報ドット104は、4点の基準格子点ドット103または基準格子点に囲まれ、図13(a)に示すように、その仮想中心点105から離れたドットは、ベクトルで表現される方向と長さを有するために、時計方向に45度ずつ回転させて8方向に配置し、3ビットに符号化する。したがって、1ブロックのドットパターン101で3ビット×16個=48ビットを表現することができる。
【0089】
図13(b)は、図8のドットパターン101において、1個の情報ドット104毎に2ビットに符号化する方法であり、+方向および×方向にドットをずらして各2ビットに符号化し、2ビット×16個=32ビットを表現している。これにより、1ブロック分のドットパターン101で、本来48ビットの数値情報を定義できるが、用途によって分割して32ビット毎に数値情報を与えることができる。+方向および×方向の組み合わせによって最大216(約65000)通りの情報ドットの配置パターンが実現できる。
【0090】
なお、これに限定されずに、16方向に配置して4ビットを符号化することも可能であり、種々の方向に配置し、符号化を変更できることは勿論である。
【0091】
キードット102、基準格子点ドット103および情報ドット104のドットの径は、見栄えと、紙質、印刷の精度、センサユニット3の解像度および最適なデジタル化を考慮して、0.03〜0.05mm程度の範囲にあることが望ましい。
【0092】
また、撮像面積に対する必要な情報量と、各種ドット102,103,104の誤認を考慮して基準格子点ドット103の間隔は縦・横それぞれ、0.3〜0.5mm程度の範囲にあることが望ましい。基準格子点ドット103および情報ドット104との誤認を考慮して、キードット102のずれは格子間隔の20%前後が望ましい。
【0093】
この情報ドット104と、4点の基準格子点ドット103で囲まれた仮想中心点105との間隔は、隣接する基準格子点ドット103と仮想中心点105間の距離の15〜30%程度の間隔であることが望ましい。情報ドット104と仮想中心点105間の距離がこの間隔より大きいと、基準格子点ドット103と情報ドット104が塊として視認されやすく、ドットパターン101が模様として見苦しく見えるからである。逆に、情報ドット104と仮想中心点105間の距離がこの間隔より小さいと、仮想中心点105を中心にしてベクトル情報を持たせた情報ドット104がどの方向に位置しているかの認識が困難になるためである。
【0094】
図12に示すように、1個のドットパターン101は、4×4個のブロック領域で構成されたドットパターン101であり、各ブロック内には2ビットの情報ドット104が配置されている。この情報ドット104の集合を構成する1ブロック分のドットパターン101のドットコードフォーマットを示したものが図12である。
【0095】
図16(a)に示すように、1個のドットパターン101中には、パリティチェック、コード値が記録されている。(b)は、パリティチェック、コード値、XY座標値が記録されている。なお、ドットコードフォーマットは任意に定めることができる。
【0096】
図14は、ベクトル情報を持たせた情報ドット104と、その符号化の他の形態を示す例である。この事例のように、情報ドット104について基準格子点ドット103または基準格子点で囲まれた仮想中心点105から長・短の2種類を使用し、ベクトル方向を8方向とすると、4ビットを符号化することができる。このとき、長い方が隣接する仮想中心点105間の距離の25〜30%程度、短い方は同じく15〜20%程度が望ましい。ただし、誤認しないよう、長・短の情報ドット104の中心間隔は、これらの情報ドット104の径より長くなることが望ましい。
【0097】
4点の基準格子点ドット103または基準格子点で囲まれた情報ドット104が複数あると、隣接するドットが塊として視認されやすく模様が発生するため、見栄えを考慮し1ドットが望ましい。しかし、見栄えを無視し、情報量を多くしたい場合は、1ベクトル毎に、1ビットを符号化し、情報ドット104を複数のドットで表現することにより、多量の情報を有することができる。たとえば、同心円8方向の8ベクトルでは、4点の基準格子点ドット103または基準格子点で囲まれた情報ドット104が0〜8個で8ビットが符号化でき、同心2重円8方向の16ベクトルでは、1ブロックの情報ドット104が0〜16個で16ビットが符号化できる。
【0098】
図15は、同心2重円8方向の16ベクトルの情報ドット104と符号化の例であり、(a)は情報ドット104を2個、(b)は情報ドット104を4個および(c)は情報ドット104を5個配置したものを示すものである。
【0099】
図17はドットパターン101の変形例を示すものであり、(a)は情報ドット104を囲む4点の基準格子点ドット103または基準格子点からなる正方形または矩形領域を6個配置型、(b)は前記領域を9個配置型、(c)は前記領域を12個配置型、(d)は前記領域を36個配置型の概略図である。
【0100】
図12に示すドットパターン101は、1ブロックに16個(4×4)の情報ドット104を配置した例を示している。しかし、この情報ドット104は1ブロックに16個配置することに限定されずに、図15、17に示すように、情報ドット104を囲む4点の基準格子点ドット103または基準格子点からなる領域、および当該領域で定義される情報ドット104の符号化を種々変更することができる。
【0101】
なお、本発明に係るスキャナが読み取るドットパターンは、上述したドットパターンに限られず、他のアルゴリズムによって生成されたドットパターンでもよいことはもちろんである。
【0102】
図8は、読取ユニットがドットパターンを読み取る動作について説明したフローチャートである。なお、本発明は、省電力モードから通常モードへ復帰するためのスイッチがポイントの一つなので、このフローチャートでは、現在、読取ユニットが省電力モードの状態であるという前提により、説明を行っている。
【0103】
まず、小CPUは、所定時間、待機する。小CPUには、微弱な電流が流れており、LEDの発光を待機している状態である(ステップ31、以下S31と略す)。
【0104】
次に、小CPUは、所定時間経過後、媒体面を検知するために必要な発光量を確保できるだけの電力を用いてLEDを発光させる(S32)。
【0105】
次に、小CPUは、発光された光が、読取ユニットの開口部に当てられる媒体面により反射され、反射光が導光管を介して光学スイッチにより検出されたか否かを判断する(S33)。
【0106】
検出されなかったと判断した場合は、S31の処理に戻る。
【0107】
検出されたと判断した場合は、S34の処理に進む。
【0108】
検出されたと判断した場合、小CPUは、読取ユニットを通常モードに復帰させる。通常モードでは、大CPUおよびC−MOSカメラが起動し、制御が小CPUから大CPUに移行される。また、LEDが画像撮影用の電力を用いて発光される(S34)。
【0109】
次に、大CPUは、C−MOSセンサを用いて、開口部からの反射光を撮影し、撮影された画像の解析のために、画像処理を行う(S35)。LEDからの光が開口部に当てられた媒体面を照射し、C−MOSセンサは、その反射光を撮像する。
【0110】
次に、大CPUは、撮影された画像が暗いか否かを判断する(S36)。画像が暗い状態であれば、読取ユニットの開口部に媒体面が当てられていない、すなわち、読取ユニットがユーザにより使われていないと判断する。画像が暗い状態ではない場合は、媒体面のドットパターンを読み取り、解析してドットコードに変換する(S37)。
【0111】
次に、大CPUは、省電力モードへの移行を行う(S38)。読取ユニットは、省電力モードへの移行を完了すると、S31の処理に戻る。
【0112】
図9は、読取ユニットのライトガイドを、その軸方向、上面から示した図である。ライトガイドの中央は中空部となっており、左側に溝が形成されている。この溝に、導光管が設置されている。また、ライトガイドの右側にはスリットが形成されており、スリット内部にLEDが設置されている。
【0113】
図10〜11は、本発明で用いられる導光管の構造について示す説明図である。
【0114】
上述したように、導光管は、例えば光ファイバーまたは内部が空洞の材質で形成されており、LEDからの照射光のうち媒体面で反射した光を、赤外線スイッチに導くための管である。形状は、直線形状または曲線形状である。また、導光管の断面は、円・楕円形でも多角形でもよい。
【0115】
図10(a)は、直線形状の導光管について説明する図である。同図においては、例えば内部が空洞であり、周囲を赤外線吸収材料とするので、内壁において反射はしない。それ故、赤外線スイッチまで直接入射する光、すなわち狭い範囲において反射された光のみを検知する。これにより、ライトガイドに導かれた光が媒体面に反射せず、直接導光管に進入するのを防ぐことができる。また、導光管外部には、赤外線反射層を設けることによって、外部からの赤外線を遮断する。
【0116】
なお、導光体内部が空洞でない場合は、媒体面からの反射光は臨界角で屈折する。
【0117】
同図(b)は、曲線形状の導光管について説明する図である。曲線形状の場合、媒体面からの反射光は、内壁で反射しながら赤外線スイッチに到達する。導光管外部には、赤外線反射層を設けることによって、外部からの赤外線を遮断する。
【0118】
図に示すように、曲線状の場合および直線状であっても管の内壁により臨界角での全反射が起こる場合、より広い範囲からの反射光を、赤外線スイッチまで導くことが出来る。
【0119】
図11は、曲線形状の導光管の、先端部の構造について示す説明図である。
【0120】
曲線形状の導光管の先端部は、内壁における赤外線の全反射により、同図(b)のように、読み取るべき媒体面の検知範囲が広がる。そこで、狭い範囲からの反射光を読み取る場合には、同図(a)のように、先端部内周面を赤外線を吸収する内壁(カーボン)をもった空洞の管(赤外線吸収層)とすれば、検知範囲を狭めることができる。すなわち、ある角度で入射した、直接赤外線を吸収する領域に入らないものは吸収して、スポットを絞ることができる。スポットを絞ることによって、ライトガイドから直接入ってきた光が、導光管内部で反射して、赤外線スイッチに到達できないようにする。
【0121】
赤外線吸収層を設ける管の長さは、赤外線スイッチを起動させるのに必要な光量を得るために必要な反射面の面積から求める。
【0122】
なお、先端部以外も臨界角での反射を用いる場合、導光管の外壁はカーボンでよい。光を逃がさないようにする場合は、導光管の外壁は赤外線反射素材にする。
【0123】
また、図12(b)の場合には、臨界角を超えているために、反射光が導光管の外部に出てしまう。そこで、このような場合には、導光管内部に、赤外線反射材料をコーティングすれば、反射光が外部に漏れることなく、赤外線スイッチまで到達することが可能となる。
【0124】
また、光ファイバーを用いる場合、空洞の材質を用いる場合のいずれにおいても、導光管の外部に、赤外線を遮断するコーティングをすることが必要である。導光管の外部に存在する赤外線の進入を防ぐためである。コーティングは、赤外線を反射する材質、または、赤外線を吸収する材質で行う。赤外線を反射するコーティングをした場合は、反射光がどんな角度であっても、反射しながら赤外線スイッチに到達する。臨界角を超えた流れであっても、たくさんの光がスイッチに届く。一方、赤外線を吸収するコーティングをした場合は、導光管内部の反射光は、臨界角を下回っていないと、赤外線スイッチまで届かない。
【0125】
また、空洞の材質を用いて導光管を形成する場合、導光管すべてを空洞の材質とする場合の他、反射光を入光する側の端部のみを空洞の材質とし、他の部分は光ファイバーを用いて形成してもよい。
【0126】
なお、上述した実施形態においては、代表例として、ドットパターンが形成された媒体面を読み取るための読取ユニットについて説明したが、本発明はこれに限らず、媒体面に印刷されているコードは、QRコード等の他の2次元コード、あるいはバーコード等の1次元コードでもよい。さらには、文字、図形、記号等の印刷情報であってもよい。
【0127】
<省電力機構の他の実施形態>
次に、本発明に係る読取ユニットにおける省電力機構の他の形態について説明する。
【0128】
従来の光学式スキャナでは、撮像の際、CMOSセンサの絞りを制御して光量を調節することによって、媒体面のドットパターンが正確に撮像できるように制御していた。すなわち、フレームバッファの撮像画像が明るすぎる場合には絞りを絞って光量を少なくし、暗すぎる場合には絞りを開いて光量を増加させる。
【0129】
これに対して本発明に係る読取ユニットは、絞りの動的制御を行わず、絞りを固定値としている。これは、本発明にかかる 読取ユニットでは、読取ユニットを媒体面に当てて読み取る目的に用いるので、媒体面に当てた時に最適の露光条件となって媒体面を撮像できるように、予め絞りを設定しているからである。
【0130】
本発明にかかる読取ユニットでは、絞りを動的制御する時間を省略できる分、読み取ったドットパターンの解析時間を短縮することができる。
【0131】
さらに、絞りの動的制御には電力を消費するため、絞りの動的制御を行わないことによって消費電力を削減することができ、省電力型の読取ユニットを提供することが可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0132】
本発明は、バーコードや、ドットコード等の2次元コードの読み取りに用いるコードリーダに利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0133】
【図1】本発明に係る光学式スキャナの先端部である読取ユニットの内部構造を示す拡大図である。
【図2】スキャナの先端部の構成について説明するハードウェアブロック図である。
【図3】本発明に係る光学式スキャナがどのように使用されるか、その使用状態の例を示した説明図(1)である。
【図4】本発明に係る光学式スキャナがどのように使用されるか、その使用状態の例を示した説明図(2)である。
【図5】本発明に係る光学式スキャナがどのように使用されるか、その使用状態の例を示した説明図(3)である。
【図6】本発明に係る光学式スキャナがどのように使用されるか、その使用状態の例を示した説明図(4)である。
【図7】本発明に係る光学式スキャナがどのように使用されるか、その使用状態の例を示した説明図(5)である。
【図8】読取ユニットがドットパターンを読み取る動作について説明したフローチャートである。
【図9】読取ユニットのライトガイドを、その軸方向、上面から示した図である。
【図10】導光管についての説明図であり、(a)は直線形状の導光管、(b)は曲線形状の導光管について説明した図である。
【図11】曲線形状の導光管の、先端部の構造について示す説明図である。
【図12】ドットパターンの一例であるGRID1について説明する図(1)である。
【図13】ドットパターンの一例であるGRID1について説明する図(2)である。
【図14】ドットパターンの一例であるGRID1について説明する図(3)である。
【図15】ドットパターンの一例であるGRID1について説明する図(4)である。
【図16】ドットパターンの一例であるGRID1について説明する図(5)である。
【図17】ドットパターンの一例であるGRID1について説明する図(6)である。
【符号の説明】
【0134】
101 ドットパターン
102 キードット
103 基準格子点ドット
104 情報ドット
【特許請求の範囲】
【請求項1】
媒体面を撮影する読取ユニットであって、
該媒体面に対して光を照射する光源と、
該媒体面からの反射光を入射するレンズと、
該レンズを経た入射光を入光する撮像手段と、
該光源と撮像手段とを制御する制御手段と、
中空部を有する筒状であり、その先端に該媒体面からの該反射光の入口となる開口部が形成された、該光源からの光を拡散・屈折させて該媒体面に照射させるための第1の導光体とを備え、
該レンズは、該第1の導光体の開口部を臨むように、該第1の導光体の該中空部に配置され、
該光源は、該第1の導光体内部に設けられたスリットの端部に配置されており、
該光源からの照射光は、該第1の導光体の内部を拡散・屈折しながら進行し該開口部より該媒体面に対して均一に照射されることを特徴とする読取ユニット。
【請求項2】
前記光源から照射する光は、所定波長光であることを特徴とする請求項1記載の読取ユニット。
【請求項3】
前記光源は、前記第1の導光体内部に設けられた前記スリットの端部に1個のみ配置されていることを特徴とする請求項1記載の読取ユニット。
【請求項4】
前記媒体面上の所定領域で反射した前記光源からの光を所定の位置に導く第2の導光体と、
前記所定の位置に配置された、所定波長光の検出により動作する光学スイッチをさらに備え、
前記照射光は、
前記第1の導光体の内部を拡散・屈折しながら進行し前記開口部より該媒体面に対して照射された後、
該媒体面の該所定領域において反射し、
該第2の導光体を介して該光学スイッチに到達し、
該光学スイッチにより感知され、
前記制御手段は、
該照射光を感知した該光学スイッチからの信号に基づき、
少なくとも撮像手段を動作させることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の読取ユニット。
【請求項5】
前記第2の導光体は、少なくとも前記所定領域における反射光を入光する側の端部が、中空を有する管状であることを特徴とする請求項4記載の読取ユニット。
【請求項6】
前記制御手段は、
前記光源を媒体検知時のみ媒体検知用電力により点灯させる省電力モードと、
該光源を継続的にまたは前記撮像手段を制御し撮像する際に、撮像用電力により点灯させる通常モードと
を備えており、
該省電力モードと該通常モードとの切り替えによって省電力制御を行い、
少なくとも該省電力モードから該通常モードへの移行は、前記光学スイッチからの信号により行うことを特徴とする請求項4または5記載の読取ユニット。
【請求項7】
前記第2の導光体の少なくとも端部断面を除く外周部には、所定波長光の、第2の導光体内部への進入を防止するために所定波長光遮断層を設けたことを特徴とする請求項4または5記載の読取ユニット。
【請求項8】
前記所定波長光遮断層は、所定波長光反射層または所定波長光吸収層であることを特徴とする請求項7記載の読取ユニット。
【請求項9】
前記所定波長光遮断層は、前記所定領域における反射光が前記第2の導光体に入光し、該導光体の周壁内部で反射して進行するための所定波長光反射層であることを特徴とする請求項7記載の読取ユニット。
【請求項10】
前記第2の導光体の中空を有する管状部分の少なくとも前記媒体面側の端部近傍の内周面は、該媒体面の前記所定領域からの前記反射光のみが該第2の導光体を入光・進行するように、前記第1の導光体から導かれ、少なくとも前記第2の導光体の端部延長上の前記媒体面付近で反射した反射光を除く全ての所定波長光を吸収させるために、所定の領域に所定波長光吸収層を設けたことを特徴とする請求項4〜8のいずれかに記載の読取ユニット。
【請求項11】
前記第1の導光体の開口部近傍に防塵および/または防水用などの保護フィルタを設けたことを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項に記載の読取ユニット。
【請求項12】
前記フィルタは、前記光源および/または前記第1の導光体の開口部に入光する光の所定波長光だけを透過させる所定波長光透過フィルタであることを特徴とする請求項11に記載の読取ユニット。
【請求項13】
前記所定波長は、赤外線であることを特徴とする請求項2、7〜10、12のいずれか一項に記載の読取ユニット。
【請求項14】
前記媒体面の撮影により読み取る情報は、該媒体面に形成されたコード値および/または座標値からなるドットコードが所定のアルゴリズムに基づいてパターン化された、光学的に読取り可能なドットパターンである請求項1〜13のいずれかに記載の読取ユニット。
【請求項1】
媒体面を撮影する読取ユニットであって、
該媒体面に対して光を照射する光源と、
該媒体面からの反射光を入射するレンズと、
該レンズを経た入射光を入光する撮像手段と、
該光源と撮像手段とを制御する制御手段と、
中空部を有する筒状であり、その先端に該媒体面からの該反射光の入口となる開口部が形成された、該光源からの光を拡散・屈折させて該媒体面に照射させるための第1の導光体とを備え、
該レンズは、該第1の導光体の開口部を臨むように、該第1の導光体の該中空部に配置され、
該光源は、該第1の導光体内部に設けられたスリットの端部に配置されており、
該光源からの照射光は、該第1の導光体の内部を拡散・屈折しながら進行し該開口部より該媒体面に対して均一に照射されることを特徴とする読取ユニット。
【請求項2】
前記光源から照射する光は、所定波長光であることを特徴とする請求項1記載の読取ユニット。
【請求項3】
前記光源は、前記第1の導光体内部に設けられた前記スリットの端部に1個のみ配置されていることを特徴とする請求項1記載の読取ユニット。
【請求項4】
前記媒体面上の所定領域で反射した前記光源からの光を所定の位置に導く第2の導光体と、
前記所定の位置に配置された、所定波長光の検出により動作する光学スイッチをさらに備え、
前記照射光は、
前記第1の導光体の内部を拡散・屈折しながら進行し前記開口部より該媒体面に対して照射された後、
該媒体面の該所定領域において反射し、
該第2の導光体を介して該光学スイッチに到達し、
該光学スイッチにより感知され、
前記制御手段は、
該照射光を感知した該光学スイッチからの信号に基づき、
少なくとも撮像手段を動作させることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の読取ユニット。
【請求項5】
前記第2の導光体は、少なくとも前記所定領域における反射光を入光する側の端部が、中空を有する管状であることを特徴とする請求項4記載の読取ユニット。
【請求項6】
前記制御手段は、
前記光源を媒体検知時のみ媒体検知用電力により点灯させる省電力モードと、
該光源を継続的にまたは前記撮像手段を制御し撮像する際に、撮像用電力により点灯させる通常モードと
を備えており、
該省電力モードと該通常モードとの切り替えによって省電力制御を行い、
少なくとも該省電力モードから該通常モードへの移行は、前記光学スイッチからの信号により行うことを特徴とする請求項4または5記載の読取ユニット。
【請求項7】
前記第2の導光体の少なくとも端部断面を除く外周部には、所定波長光の、第2の導光体内部への進入を防止するために所定波長光遮断層を設けたことを特徴とする請求項4または5記載の読取ユニット。
【請求項8】
前記所定波長光遮断層は、所定波長光反射層または所定波長光吸収層であることを特徴とする請求項7記載の読取ユニット。
【請求項9】
前記所定波長光遮断層は、前記所定領域における反射光が前記第2の導光体に入光し、該導光体の周壁内部で反射して進行するための所定波長光反射層であることを特徴とする請求項7記載の読取ユニット。
【請求項10】
前記第2の導光体の中空を有する管状部分の少なくとも前記媒体面側の端部近傍の内周面は、該媒体面の前記所定領域からの前記反射光のみが該第2の導光体を入光・進行するように、前記第1の導光体から導かれ、少なくとも前記第2の導光体の端部延長上の前記媒体面付近で反射した反射光を除く全ての所定波長光を吸収させるために、所定の領域に所定波長光吸収層を設けたことを特徴とする請求項4〜8のいずれかに記載の読取ユニット。
【請求項11】
前記第1の導光体の開口部近傍に防塵および/または防水用などの保護フィルタを設けたことを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項に記載の読取ユニット。
【請求項12】
前記フィルタは、前記光源および/または前記第1の導光体の開口部に入光する光の所定波長光だけを透過させる所定波長光透過フィルタであることを特徴とする請求項11に記載の読取ユニット。
【請求項13】
前記所定波長は、赤外線であることを特徴とする請求項2、7〜10、12のいずれか一項に記載の読取ユニット。
【請求項14】
前記媒体面の撮影により読み取る情報は、該媒体面に形成されたコード値および/または座標値からなるドットコードが所定のアルゴリズムに基づいてパターン化された、光学的に読取り可能なドットパターンである請求項1〜13のいずれかに記載の読取ユニット。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2010−44469(P2010−44469A)
【公開日】平成22年2月25日(2010.2.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−206432(P2008−206432)
【出願日】平成20年8月8日(2008.8.8)
【特許番号】特許第4336838号(P4336838)
【特許公報発行日】平成21年9月30日(2009.9.30)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.QRコード
【出願人】(503349741)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年2月25日(2010.2.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年8月8日(2008.8.8)
【特許番号】特許第4336838号(P4336838)
【特許公報発行日】平成21年9月30日(2009.9.30)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.QRコード
【出願人】(503349741)
【Fターム(参考)】
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