説明

読取装置およびプログラム

【課題】金券の利用により生じるオペレータの作業の負担を軽減する読取装置およびプログラムを提供する。
【解決手段】実施形態の読取装置は、撮像手段と、取込手段と、読取手段と、判断手段と、禁止手段と、を備える。前記撮像手段は、画像を撮像する。前記取込手段は、前記撮像された画像を取り込む。前記読取手段は、前記取り込んだ画像から、現金の代わりに用いる金券の画像を検出するとともに、前記検出した金券の画像から、金券を識別する金券情報を読み取る。前記判断手段は、前記読み取った金券情報が、使用済みの金券を識別する使用済金券情報と一致するか否かを判断する。前記禁止手段は、前記読み取った金券情報が前記使用済金券情報と一致すると判断した場合に、前記読み取った金券情報により識別される金券の利用を禁止する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、読取装置およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、インストアプロモーション等の一環として、商品を購入した顧客に対して、次回の商品の購入時に行う値引等のサービスを示すサービス情報が印字されたクーポンレシート等の金券を発行する店舗が増えている(特許文献1参照)。顧客は、次回の商品の購入時に、商品の会計業務を行うオペレータに金券を提示することにより、提示した金券に印字されサービス情報が示すサービスを受けることができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、クーポンレシート等の金券は、一般に紙媒体であるため、不正にコピーされて繰り返し使用される、という実態がある。このような金券の不正使用を防止する方法として、商品の会計業務を行うオペレータが、金券に印字された有効期限等の内容を確認しかつ使用済の金券を回収することにより、金券の不正使用を防止する方法もあるが、金券が提示される度に、オペレータが金券の確認および回収を行わなければならず、作業に負担がかかる。
【課題を解決するための手段】
【0004】
実施形態の読取装置は、撮像手段と、取込手段と、読取手段と、判断手段と、禁止手段と、を備える。前記撮像手段は、画像を撮像する。前記取込手段は、前記撮像された画像を取り込む。前記読取手段は、前記取り込んだ画像から、現金の代わりに用いる金券の画像を検出するとともに、前記検出した金券の画像から、金券を識別する金券情報を読み取る。前記判断手段は、前記読み取った金券情報が、使用済みの金券を識別する使用済金券情報と一致するか否かを判断する。前記禁止手段は、前記読み取った金券情報が前記使用済金券情報と一致すると判断した場合に、前記読み取った金券情報により識別される金券の利用を禁止する。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【図1】図1は、本実施形態にかかるコード読取装置を備えたチェックアウトレーンシステムの構成を概略的に示す斜視図である。
【図2】図2は、コード読取装置の構成を示すブロック図である。
【図3】図3は、商品とカメラの撮像エリアとの関係の一例を示す図である。
【図4】図4は、クーポン券付レシートとカメラの撮像エリアとの関係の一例を示す図である。
【図5】図5は、通し番号特徴テーブルを説明する図である。
【図6】図6は、店舗名特徴テーブルを説明する図である。
【図7】図7は、有効期限特徴テーブルを説明する図である。
【図8】図8は、サービス表示特徴テーブルを説明する図である。
【図9】図9は、取り込んだ画像データの一例を示す図である。
【図10】図10は、取り込んだ画像データの一例を示す図である。
【図11】図11は、バーコードデータを説明するための図である。
【図12】図12は、サービスコードを説明する図である。
【図13】図13は、複合コードを説明する図である。
【図14】図14は、コード読取装置が行う情報出力処理の手順を示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0006】
図1は、本実施形態にかかるコード読取装置を備えたチェックアウトレーンシステムの構成を概略的に示す斜視図である。図1に示すように、チェックアウトレーンシステム4は、商品を入れた買い物かごを戴置するためのサッカー台1と、サッカー台1の略中央に立設されたコード読取装置2と、コード読取装置2と図示しない伝送路によって相互通信可能に接続されたPOS端末3とを備えている。
【0007】
POS端末3は、客が購入する商品の販売登録を行うものである。図1に示すように、POS端末3には、キーボード31、オペレータ用の表示器32、客用の表示器33、レシート印字等を行うプリンタ34、現金等を収容するためのドロワ35等が設けられている。キーボード31には、商品代金の決済に必要な締めキー等が配設されている。POS端末3は、この種のチェックアウトレーンシステムで標準的に使用されているPOS端末と同様の構成と機能とを備えている。
【0008】
コード読取装置2は、商品に貼付され、当該商品を示す商品コードなどの商品情報を表すバーコードを検出し、検出したバーコードが表す商品情報をPOS端末3に出力するための装置である。図1に示すように、コード読取装置2は、読取窓21と、キーボード22と、ディスプレイ23と、表示LED24と、ブザー25とを主に備えている。キーボード22は、バーコードで登録不能な商品の登録を行う場合に、各種キーによる入力を受付ける。また、キーボード22は、代金の代わりに用いるクーポン券などの金券の使用を要求するクーポン使用キーを備えている。ディスプレイ23は、登録された商品の品名や価格等を買い物客に対して表示する。表示LED24は、商品に貼付されたバーコードから商品情報が読み取られた場合に点灯して、商品情報が読み取られていることをオペレータに報知する。ブザー25は、商品に貼付されたバーコードが表す商品情報が読み取られた場合にブザー音を鳴らして、オペレータに報知する。読取窓21が設けられたコード読取装置2の内部には、CCD(Charge Coupled Device)カメラ等のカメラ20(図2参照)が内蔵されている。
【0009】
図2は、コード読取装置の構成を示すブロック図である。コード読取装置2は、CPU(Central Processing Unit)50と、ROM(Read Only Memory)42と、RAM(Random Access Memory)43と、通信I/F44と、出力ポート46と、キーボードコントローラ47と、表示コントローラ48と、カメラコントローラ49と、メモリ45とを主に備えており、これらをアドレスバス、データバスなどのバスライン41で接続して構成されている。
【0010】
CPU50は、コード読取装置2の動作全体を制御する制御部として機能する。ROM42は、本実施形態にかかるプログラムや、CPU50の動作を制御するその他のプログラム等を記憶している。RAM43は、CPU50がROM42が記憶する各種プログラムを展開する際にワークエリアとして機能するものである。また、RAM43は、カメラ20によって撮像した画像データなどの各種データを格納する。
【0011】
通信I/F44は、バスを介して接続されたPOS端末3(図1参照)とのデータ通信を制御する。出力ポート46は、ブザー25と表示LED24に駆動信号を出力する。キーボードコントローラ47は、キーボード22からキー信号を取り込む。表示コントローラ48は、ディスプレイ23に対するデータ表示を制御する。カメラコントローラ49は、カメラ20の撮像動作を制御する。
【0012】
カメラ20は、商品に付されたバーコードまたは二次元コード等のコードシンボルや、商品を購入する際に現金の代わりに用いるクーポン券付レシートなどの金券を撮像する。
【0013】
次に、本実施形態のコード読取装置2により処理される商品またはクーポン券付レシートとカメラ20の撮像エリアとの関係について説明する。図3は、商品とカメラの撮像エリアとの関係の一例を示す図である。図中鎖線で囲った領域は、カメラ20が1フレームで撮像できる領域である撮像エリア70aである。図3に示す商品60には、バーコードラベル61が貼付されている。
【0014】
バーコードラベル61には、商品名「豚バラうす切り」や、商品価格「200円」や、バーコード62等が表示されている。バーコード62には、商品60の販売データをPOS端末3で登録処理するのに必要な商品情報として、商品コード等の情報が組み込まれている。また、バーコード62の下部には、バーコード62が組み込んでいる商品コード「2101234567890」が数字で表示されている。
【0015】
図4は、クーポン券付レシートとカメラの撮像エリアとの関係の一例を示す図である。図中鎖線で囲った領域は、カメラ20が1フレームで撮像できる領域である撮像エリア70bである。図4に示すクーポン券付レシート80には、商品60を販売した店舗名、販売日時、販売を担当した担当者、販売した商品の商品名等を含む販売データ80aに加えて、金券の一例であるクーポン券80bが含まれている。
【0016】
クーポン券80bとしては、クーポン券80bを識別する金券情報としての通し番号81、クーポン券80bを利用可能な店舗名82、クーポン券80bの有効期限83、およびクーポン券80bにより付与されるサービスを示すサービス表示84などを含むものであれば良い。
【0017】
なお、本実施形態では、サービスを示すサービス表示84がクーポン券80bに印字されている例について説明するが、サービスの内容が組み込まれたバーコードおよび当該バーコードの下部に表示されたサービスコード(例えば、「99××××××××××××」)を含むクーポン券80bであっても良い。一般的には、サービス内容が組み込まれたバーコードの下部に表示されたサービスコードの「99」以下の数字が代金の代わりとして用いることができるクーポン券80bの金額を表している。
【0018】
不揮発性のメモリ45は、クーポン券80bを識別する通し番号81と当該通し番号81の特徴とを対応付けた通し番号特徴テーブルT1、クーポン券80bを利用可能な店舗名82と当該店舗名82の特徴とを対応付けた店舗名特徴テーブルT2、クーポン券80bの有効期限83と当該有効期限83の特徴とを対応付けた有効期限特徴テーブルT3、およびサービス表示84が示すサービスの内容であるサービス情報とサービス表示84の特徴とを対応付けたサービス表示特徴テーブルT4を格納している。
【0019】
図5は、通し番号特徴テーブルを説明する図である。図5に示すように、通し番号特徴テーブルT1は、クーポン券80bを識別する通し番号81と、当該通し番号81が含む文字やシンボルの特徴を示した通し番号特徴データとを対応付けて記憶している。
【0020】
より詳細には、通し番号特徴データとは、クーポン券80bに含まれる通し番号81からOCR等の文字認識処理によって抽出される情報のことである。即ち、図4に示すように、通し番号「NO.0077」と記載されたクーポン券80bについては、図5の通し番号特徴テーブルT1において通し番号「NO.0077」と対応付けられた通し番号特徴データ「NO,0077」という情報が文字認識処理によって抽出される。
【0021】
図6は、店舗名特徴テーブルを説明する図である。図6に示すように、店舗名特徴テーブルT2は、クーポン券80bを利用可能な店舗の店舗名82と、当該店舗名82が含む文字やシンボルの特徴を示した店舗名特徴データとを対応付けて記憶している。
【0022】
より詳細には、店舗名特徴データとは、クーポン券80bに含まれる店舗名82からOCR等の文字認識処理によって抽出される情報のことである。即ち、図4に示すように、店舗名「○○スーパー」と記載されたクーポン券80bについては、図6の店舗名特徴テーブルT2において店舗名「○○スーパー」と対応付けられた店舗名特徴データ「○,○,ス,ー,パ,ー」という情報が文字認識処理によって抽出される。
【0023】
図7は、有効期限特徴テーブルを説明する図である。図7に示すように、有効期限特徴テーブルT3は、クーポン券80bに含まれる有効期限と、当該有効期限が含む文字やシンボル等の特徴を示した有効期限特徴データとを対応付けて記憶している。
【0024】
より詳細には、有効期限特徴データとは、クーポン券80bに含まれる有効期限からOCR等の文字認識処理によって抽出される情報のことである。即ち、図4に示すように、有効期限「有効期限:2010年6月1日」と記載されたクーポン券80bについては、図7の有効期限特徴テーブルT3において有効期限「2010.06.01」と対応付けられた有効期限特徴データ「有,効,期,限,2010,年,6,月,1,日」という情報が文字認識処理によって抽出される。
【0025】
図8は、サービス表示特徴テーブルを説明する図である。図8に示すように、サービス表示特徴テーブルT4は、サービス表示84に含まれる文字やシンボルの特徴を示したサービス表示特徴データと、当該サービス表示84によって付与されるサービスを示すサービス情報とを対応付けて記憶する。
【0026】
より詳細には、サービス表示特徴データとは、サービス表示84からOCR等の文字認識処理によって抽出される情報のことである。即ち、図4に示すように、「100円引」と記載されたサービス表示84については、図8のサービス表示特徴テーブルT4において、No.1のサービス表示特徴データが示すように、「100,円,引」という情報が文字認識処理によって抽出される。
【0027】
サービス情報とは、サービス表示84から読み取った値引情報やポイント付与情報などのサービスに関する情報を、POS端末3の販売登録処理において使用できるよう英数値に変換した情報のことである。例えば、図8に示すように、サービス表示特徴データ「100,円,引」に対しては、100円の値引を意味するサービス情報「−100YEN」が対応付けて記憶されている。
【0028】
次に、本実施形態のコード読取装置2が有する特徴的な機能について説明する。CPU50は、RAM43に展開されたROM42が記憶するプログラムに従って動作することで、図2に示すように、画像データ取込部51と、第1読取部52と、第2読取部53と、判断部54、禁止部55、情報出力部56と、報知部57として機能する。
【0029】
画像データ取込部51は、カメラコントローラ49に撮像オン信号を出力してカメラ20に撮像動作を開始させる。画像データ取込部51は、カメラ20が撮像した撮像エリア70a,70b内の画像データを取り込んで、RAM43の画像ワークエリアに格納する。また、画像データ取込部51は、第1読取部52または第2読取部53の指示を受けた場合に、カメラ20が撮像した撮像エリア70a,70b内の画像データを取り込んで、RAM43の画像ワークエリアに格納する。
【0030】
ここで、画像データ取込部51が取り込む画像データについて図3、図4、図9、および図10を用いて説明する。図9および図10は、取り込んだ画像データの一例を示す図である。
【0031】
図3に示すように、画像データ取込部51は、第1読取部52の指示を受けた場合に、商品60に貼付されたバーコードラベル61の画像901および当該バーコードラベル61に表示されたバーコード62の画像902を含む画像データ900(図9参照)をRAM43の画像ワークエリアに格納する。
【0032】
さらに、画像データ取込部51は、第2読取部53の指示を受けた場合に、クーポン券付レシート80に含まれるクーポン券80bの画像1001を含む画像データ1000(図10参照)をRAM43の画像ワークエリアに格納する。なお、クーポン券80bの画像1001には、通し番号81、店舗名82、有効期限83、およびサービス表示84が含まれているものとする。
【0033】
第1読取部52は、画像データ取込部51がRAM43の画像ワークエリアに格納した画像データ900から、バーコード62の画像902を検出し、検出したバーコード62の画像902から商品60の商品情報を読み取るバーコード読取処理を行う。
【0034】
より詳細には、第1読取部52は、RAM43の画像ワークエリアに格納された1フレームの画像データ900(図9参照)を2値化し、2値化したデータ内にバーコード62に関するデータ領域が存在するか否かを検出する。第1読取部52は、取り込んだ画像データ900においてバーコード62に関するデータ領域を検出した場合には、バーコード62をデコードして、図11に示すJ1〜J13のバーコードデータ(JANコード)C1を、商品60の商品情報として読み取る。図11は、バーコードデータを説明するための図である。バーコードデータC1は、メーカーコードや、商品情報としての商品コードや、チェックデジット等を含んでいる。第1読取部52は、読み取ったバーコードデータC1をRAM43のバーコードワークエリアに格納する。
【0035】
第2読取部53は、キーボード22が備えるクーポン使用キーが押下された場合に、画像データ取込部51に対して画像データ1000の取り込みを指示する。そして、第2読取部53は、画像データ取込部51がRAM43の画像ワークエリアに格納した画像データ1000から、クーポン券80bの画像1001を検出し、検出したクーポン券80bの画像1001に含まれるサービス表示84からサービス情報(図8参照)を読み取る。
【0036】
より具体的には、第2読取部53は、RAM43の画像ワークエリアに格納された1フレームの画像データ1000(図10参照)に対して、OCR(Optical Character Reader)等の文字認識処理を行う。第2読取部53は、クーポン券80bが含む文字や絵やシンボル等の特徴と、サービス表示特徴テーブルT4とを照合して、一致度の高いサービス表示特徴データを検出した場合に、クーポン券80bの画像1001からサービス表示84を検出したと判断する。
【0037】
次いで、第2読取部53は、検出したサービス表示特徴データに該当するサービス情報をサービス表示特徴テーブルT4から読み取る。さらに、第2読取部53は、読み取ったサービス情報をコード化してサービスコードC2(図12参照)を生成し、RAM43のサービスコードワークエリアに格納する。
【0038】
なお、本実施形態では、第2読取部53は、文字認識処理によりサービス表示84を検出し、当該サービス表示84からサービス情報を読み取っているが、クーポン券80bにサービスの内容が組み込まれたバーコードが含まれている場合には、画像データ1000を2値化し、2値化したデータ内にサービスの内容が組み込まれたバーコードに関するデータ領域が存在するか否かを検出し、バーコードに関するデータ領域を検出した場合には、バーコードをデコードして、サービスコードC2(図12参照)を、サービス情報として読み取る。
【0039】
図12は、サービスコードを説明する図である。図12に示すように、サービスコードC2は、サービスの種類を設定するフラグFと、値引額や値引率や付与ポイント数など提供されるサービスの値を示すデータP1〜P5を含んでいる。フラグFは、例えば、1:値引率、2:値引金額、3:ポイントとしてサービスの種類を表すことができる。
【0040】
また、第2読取部53は、クーポン券80bの画像1001から、通し番号81、店舗名82、および有効期限83を読み取る。
【0041】
より具体的には、第2読取部53は、RAM43の画像ワークエリアに格納された1フレームの画像データ1000(図10参照)に対して、OCR等の文字認識処理を行う。第2読取部53は、クーポン券80bが含む文字や絵やシンボル等の特徴と、各テーブルT1〜T3とを照合して、一致度の高いデータ(通し番号特徴データ、店舗名特徴データ、有効期限特徴データ)を検出した場合に、クーポン券80bの画像1001から通し番号81、店舗名82、および有効期限83を検出したと判断する。
【0042】
また、第2読取部53は、検出したデータ(通し番号特徴データ、店舗名特徴データ、有効期限特徴データ)に該当する通し番号81、店舗名82、および有効期限83を、各テーブルT1〜T3から読み取る。
【0043】
判断部54は、第2読取部53により読み取られた通し番号81、店舗名82、および有効期限83を用いて、クーポン券80bが有効なものであるか否かを判断するものである。
【0044】
具体的には、判断部54は、通信I/F44を介してPOS端末3または店舗内のホスト端末(不図示)から、使用済のクーポン券の通し番号を記憶するマスタファイルを読み込む。次に、判断部54は、第2読取部53により読み取られた通し番号81と、読み込んだマスタファイルに記憶された使用済のクーポン券の通し番号とが一致するか否かを判断する。そして、判断部54は、第2読取部53により読み取られた通し番号81とマスタファイルに記憶された使用済のクーポン券の通し番号とが一致した場合には、クーポン券80bが有効なものでないと判断する。なお、判断部54は、第2読取部53により読み取られた通し番号81がマスタファイルに記憶されていなかった場合、マスタファイルに当該通し番号81を記憶させるものとする。
【0045】
また、判断部54は、第2読取部53により読み取られた店舗名82が、クーポン券80bが利用された店舗の店舗名と一致するか否かを判断する。そして、判断部54は、第2読取部53により読み取られた店舗名82が、クーポン券80bが利用された店舗の店舗名と一致しなかった場合、クーポン券80bが有効なものでないと判断する。
【0046】
また、判断部54は、第2読取部53により読み取られた有効期限83が現在の日時を過ぎているか否かを判断する。そして、判断部54は、第2読取部53により読み取られた有効期限83が現在の日時を過ぎていた場合、クーポン券80bが有効でないと判断する。
【0047】
禁止部55は、判断部54によりクーポン券80bが有効でないと判断された場合、第2読取部53によってRAM43のサービスコードワークエリアに格納されたサービスコードC2を消去して、第2読取部53により読み取られた通し番号81により識別されるクーポン券80bの利用を禁止する。
【0048】
情報出力部56は、第2読取部53が生成したサービスコードC2がRAM43に格納されている場合には、第1読取部52によりRAM43に格納されているバーコードデータC1にサービスコードC2を結合して複合コードC3を生成し、これをPOS端末3に出力する。
【0049】
図13は、複合コードを説明する図である。図13に示すように、複合コードC3は、スタートコードで始まり、バーコードデータC1と、サービスコードC2と、サービスコードC2のチェックデジットCDと、複合コードC3のチェックデジットCODE128CDとを含んでおり、ストップコードで終わるコードとなっている。POS端末3は、コード読取装置2から受け取った複合コードC3に基づいて、商品60にサービスコードC2が示すサービスを付与した販売登録を行う。
【0050】
一例として、図4に示すように、クーポン券80bに100円引きのサービス表示84が含まれていた場合には、第2読取部53が読み取ったサービス情報「−100YEN」をデジタル化したサービスコードC2が生成される。従って、複合コードC3は、商品コード「2101234567890」に対応するバーコードデータC1と、「−100YEN」に対応するサービスコードC2を含むこととなる。POS端末3は、POS端末3または店舗内のホスト端末(不図示)が保持する商品マスタ等を参照して、バーコードデータC1に対応する商品60の価格を読み込む。さらにPOS端末3は、サービスコードC2に基づいて、読み込んだ価格から100円値引をして、商品の販売登録を行う。
【0051】
報知部57は、第1読取部52によって商品情報が読み取られた場合に、商品情報が読み取られた状態にあることをオペレータに報知するため、バーコードオン信号を出力して表示LED24を発光させる。また、報知部57は、情報出力部56がPOS端末3に対して複合コードC3、或いはバーコードデータC1を出力した場合に、バーコードオフ信号を出力して表示LED24を消灯する。
【0052】
さらに、報知部57は、情報出力部56がPOS端末3にバーコードデータC1を出力した場合には、ブザー25を駆動して、商品情報のみが読み取られ、サービス情報は読み取られなかったことを示す第1のブザー音(例えば“ピッ”)を鳴らす。
【0053】
また、報知部57は、情報出力部56がPOS端末3に複合データC3を出力した場合には、ブザー25を駆動して、商品情報およびサービス情報の双方が読み取られたことを示す第2のブザー音(例えば“ピッ、ピッ”)を鳴らす。
【0054】
さらに、報知部57は、判断部54によりクーポン券80bが有効でないと判断された場合に、表示コントローラ48を介してディスプレイ23にメッセージを表示して、金券の不正使用であることを報知する。
【0055】
次に、コード読取装置2が行う商品の販売登録処理について図14を用いて説明する。図14は、コード読取装置が行う情報出力処理の手順を示したフローチャートである。
【0056】
コード読取装置2のCPU50は、POS端末3からのコマンドにより業務起動が指令されると、情報出力処理を開始する。画像データ取込部51は、カメラコントローラ49に撮像オン信号を出力し、カメラ20による撮像動作を開始する(ステップS1401)。画像データ取込部51は、カメラ20が撮像した画像データ900をRAM43の画像ワークエリアに取り込む(ステップS1402)。そして、第1読取部52は、上述したバーコード読取処理を開始する(ステップS1403)。
【0057】
第1読取部52は、ステップS1403のバーコード読取処理においてバーコード62の画像902を検出したか否かを判断する(ステップS1404)。バーコード62の画像902を検出していない場合(ステップS1404:No)には、第1読取部52はカメラ20による撮像を続ける(ステップS1402)。
【0058】
バーコード62の画像902を検出している場合(ステップS1404:Yes)には、報知部57は、バーコードオン信号を出力して表示LED24を点灯させ(ステップS1405)、バーコード62の画像902が検出されたことをオペレータに報知する。次いで、第2読取部53は、キーボード22が備えるクーポン使用キーが押下されたか否かを判断する(ステップS1406)。
【0059】
次に、画像データ取込部51は、キーボード22が備えるクーポン使用キーが押下され(ステップS1406:Yes)、かつ第2読取部53からの指示を受けると、カメラ20が撮像した新たな画像データ1000をRAM43の画像ワークエリアに取り込む(ステップS1407)。そして、第2読取部53は、ステップS1407でRAM43の画像ワークエリアに取り込んだ画像データ1000に対して、サービス情報、通し番号81、店舗名82、および有効期限83の読取処理を開始する(ステップS1408)。そして、判断部54は、第2読取部53により読み取られた通し番号81、店舗名82、および有効期限83を用いて、クーポン券80bが有効なものであるか否かを判断する(ステップS1409)。
【0060】
クーポン券80bが有効なものであると判断した場合(ステップS1409:Yes)には、情報出力部56は、RAM43のバーコードワークエリアに格納されているバーコードデータC1とサービスコードワークエリアに格納されているサービスコードC2とから、複合コードC3(図13参照)を生成する(ステップS1410)。そして、情報出力部56は、生成した複合コードC3を通信I/F44を介してPOS端末3に伝送出力する(ステップS1411)。報知部57は、ブザー25を駆動して第2のブザー音を鳴らす(ステップS1412)。さらに、報知部57は、バーコードオフ信号を出力して商品情報が読み取られていることをオペレータに報知していたLED等の表示器を消灯する(ステップS1413)。
【0061】
その後、POS端末3からのコマンドにより業務終了が指令されたか否かを判断する(ステップS1418)。業務終了が指令されていない場合(ステップS1418:No)には、ステップS1402に戻って、ステップS1402〜S1418を全ての商品の販売登録が終了するまで繰り返す。業務終了が指令された場合には(ステップS1418:Yes)、CPU50は、カメラコントローラ49に撮像オフ信号を出力し(ステップS1419)、カメラ20による撮像動作を終了する。
【0062】
一方、クーポン券80bが有効なものでないと判断された場合(ステップS1409:No)、禁止部55は、第2読取部53によってRAM43のサービスコードワークエリアに格納されたサービスコードC2を消去して、第2読取部53により読み取られた通し番号81により識別されるクーポン券80bの利用を禁止する。さらに、報知部57は、ディスプレイ23にメッセージを表示して、クーポン券80bの不正利用が発生したことを報知する(ステップS1414)。
【0063】
次いで、ディスプレイ23にメッセージが表示された場合およびキーボード22が備えるクーポン使用キーが押下されなかった場合(ステップS1406:No)、情報出力部56は、RAM43のバーコードワークエリアに格納されているバーコードデータC1を、通信I/F44を介してPOS端末3に伝送出力する(ステップS1415)。報知部57は、ブザー25を駆動して第1のブザー音を鳴らす(ステップS1416)。また、報知部57は、バーコードオフ信号を出力して商品情報が読み取られていることをオペレータに報知していたLED等の表示器を消灯する(ステップS1417)。その後、CPU50は、ステップS1418に移行する。
【0064】
このように本実施形態にかかるコード読取装置2によれば、クーポン券80bの画像1001を含む画像データ1000を撮像し、撮像した画像データ1000を取り込み、取り込んだ画像データ1000から、クーポン券80bの画像1001を検出するとともに、検出したクーポン券80bの画像1001から、通し番号81を読み取り、読み取った通し番号81が、使用済みのクーポン券を識別する通し番号と一致するか否かを判断し、読み取った通し番号81が使用済のクーポン券の通し番号と一致した場合に、読み取った通し番号81により識別されるクーポン券80bの利用を禁止することにより、オペレータがクーポン券80bの確認や回収を行わなくてもクーポン券80bの不正使用を防止できるので、クーポン券80bの利用により生じるオペレータの作業の負担を軽減することができる。
【0065】
以上説明したとおり、本実施形態によれば、金券の利用により生じるオペレータの作業の負担を軽減することができる。
【0066】
なお、本実施形態のコード読取装置2で実行されるプログラムは、ROM42等に予め組み込まれて提供されるが、本実施形態のコード読取装置2で実行されるプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。
【0067】
さらに、本実施形態のコード読取装置2で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、本実施形態の〜装置で実行される〜プログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良い。
【符号の説明】
【0068】
2 コード読取装置
20 カメラ
51 画像データ取込部
52 第1読取部
53 第2読取部
54 判断部
55 禁止部
56 情報出力部
57 報知部
80b クーポン券
81 通し番号
82 店舗名
83 有効期限
84 サービス表示
【先行技術文献】
【特許文献】
【0069】
【特許文献1】特開2002−367037公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像を撮像する撮像手段と、
前記撮像された画像を取り込む取込手段と、
前記取り込んだ画像から、現金の代わりに用いる金券の画像を検出するとともに、前記検出した金券の画像から、金券を識別する金券情報を読み取る読取手段と、
前記読み取った金券情報が、使用済みの金券を識別する使用済金券情報と一致するか否かを判断する判断手段と、
前記読み取った金券情報が前記使用済金券情報と一致すると判断した場合に、前記読み取った金券情報により識別される金券の利用を禁止する禁止手段と、
を備えたことを特徴とする読取装置。
【請求項2】
前記読取手段は、前記検出した金券の画像から、金券の通し番号を前記金券情報として読み取り、
前記判断手段は、前記金券情報として読み取られた通し番号が、使用済の金券の通し番号である前記使用済金券情報と一致するか否かを判断し、
前記禁止手段は、前記金券情報として読み取られた通し番号が、使用済の金券の通し番号である前記使用済金券情報と一致した場合に、前記読み取った金券情報により識別される金券の利用を禁止することを特徴とする請求項1に記載の読取装置。
【請求項3】
前記読取手段は、前記検出した金券の画像から、金券の有効期限を読み取り、
前記判断手段は、前記読み取った有効期限が現在の日時を過ぎているか否かを判断し、
前記禁止手段は、前記読み取った有効期限が現在の日時を過ぎていると判断した場合に、前記読み取った金券情報により識別される金券の利用を禁止することを特徴とする請求項1または2に記載の読取装置。
【請求項4】
前記読取手段は、前記検出した金券の画像から、金券を利用可能な店舗名を読み取り、
前記判断手段は、前記読み取った店舗名が、前記金券情報により識別される金券が利用された店舗の店舗名と一致するか否かを判断し、
前記禁止手段は、前記読み取った店舗名が、前記金券情報により識別される金券が利用された店舗の店舗名と一致しなかった場合に、前記読み取った金券情報により識別される金券の利用を禁止することを特徴とする請求項1から3のいずれか一に記載の読取装置。
【請求項5】
前記読み取った金券情報が前記使用済金券情報と一致すると判断した場合に、金券の不正使用であることを報知する報知手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1から4のいずれか一に記載の読取装置。
【請求項6】
コンピュータを、
撮像手段により撮像された画像を取り込む取込手段と、
前記取り込んだ画像から、現金の代わりに用いる金券の画像を検出するとともに、前記検出した金券の画像から、金券を識別する金券情報を読み取る読取手段と、
前記読み取った金券情報が、使用済みの金券を識別する使用済金券情報と一致するか否かを判断する判断手段と、
前記読み取った金券情報が前記使用済金券情報と一致すると判断した場合に、前記読み取った金券情報により識別される金券の利用を禁止する禁止手段と、
として機能させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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