説明

警報器

本発明は、火災緊急状態の検知で警報を出すための警報器で、煙検知器、警報インジケータ及び熱検知器を有する。煙検知器は第1電源から電力を受け取り、熱検知器は第2電源から電力を受け取ることが出来る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は火災の緊急事態を検出した際に警報を発する警報器に関するものである。この警報器は煙検知器、サウンダ、及び熱検知器を有しており、煙検知器は第1電源から電力を受けることができ、熱検知器は第2電源から電力を受けることができる。
【背景技術】
【0002】
本出願との関連においては、「〜を有する(comprise)」という用語は、「数ある中で、〜を含んでいる」ということを意味しており、「〜のみから構成されている」ということを意味するものではない。
【0003】
本出願との関連においては、「約(about)」という用語は、「±10%」を意味している。
【0004】
本出願との関連においては、「サウンダ」という用語は、「(例えば、電気信号などの)受信した命令を可聴警報に変換する能力を有する装置」を意味している。
【0005】
既存の警報器は、人命の救助においてそれらが果たしている重要な役割を考えた場合に、設計面の脆弱さを有しており、この結果、それらは実際に使用する際に不十分なものになっている。後述するこれらの脆弱さの結果として、警報器は完全に動作可能ではない状態において住宅や事務所などに設置されている。多くの場合に、警報器は正しく保守されてはいない。例えば、多くの既知の警報器は、限られた寿命を有する電池又はバッテリーから電力を供給されているが、しばしば、様々な理由から、電池又はバッテリーは、電荷を失った時、交換されていない。これは、電池又はバッテリーを交換する必要性に警報器のユーザーが気付いていなかったり、電池又はバッテリーの交換が不便であったり、或いは、単に電池又はバッテリーの交換を忘れていることがその原因であろう。これらは、潜在的に命に関わる問題である。
【0006】
大部分の既知の警報器は電池又はバッテリーから電力を供給されており、サウンダを具備すると共に、アクセスが困難な天井に取り付けられている。それらは、目立たず、且つ、妨害されることのないように、このような場所に配置されているが、この結果、誤警報の際にサウンダをミュート(mute)することは困難である。又、特に、高齢者、子供、及び障害者にとって、電池又はバッテリーの交換は困難である。そして、これが、電荷を失った電池やバッテリーを交換しないことにも導くことになろう。
【0007】
更に、多くの既知の警報器は、誤警報を発しやすい。誤警報の理由の一例は、焼けたトーストからの煙の検知に起因するものである。これは苛立たしいものであり、この結果、誤警報を防止するべく電池やバッテリーを除去したり、その電源から警報器を切断したりすることになってしまうことが従来から知られている。誤警報の再発を防止するべく警報器を無効にした場合には、警報器を即座に再接続することにはならないであろう。警報器が動作不能状態になっておれば、命に関わる状況をもたらすことになろう。
【0008】
いくつかの既知の警報器は、そのサウンダの遠隔消音を実現する遠距離高周波遠隔制御装置と通信可能なレシーバを有している。しかしながら、これらの遠距離高周波遠隔制御装置は、遠隔制御装置とレシーバ間の見通し線(line of sight)が無いままサウンダのミュート制御を実現しているため、危険である。例えば、レシーバが住宅内の1つの部屋の内部に位置している場合に、サウンダが鳴っていることの理由を必ずしも調査せず、それが誤警報であるという仮定の下に、住宅内の別の部屋から遠隔制御装置を操作可能である。
【0009】
組み合わせ型の「侵入者及び煙」警報器についても周知であり、これらは、煙/一酸化炭素検知器と侵入者検出システムを内蔵している。これらは、手が出ないほどに高価であり、且つ、設置が複雑である。これらは、侵入者検出システムの遠隔起動又は停止及び/又は煙検知器にリンクされたサウンダの遠隔ミュートを実現する遠距離高周波遠隔制御装置を有していることが知られている。前述のように、これらの遠隔制御装置も危険である。
【0010】
米国特許第4,319,229号明細書は、熱検知器、煙検知器、及び赤外線放射検知器という3つの別個の多様なセンサを有する警報システムについて記述している。これらの検知器の1つ又は組み合わせは、サウンダを起動する信号を供給することができる。赤外線検知器を使用することにより、侵入者を検出可能である。
【0011】
米国特許第3,938,115号明細書は、煙検知器及び熱検知器を具備する警報器について記述しており、それぞれの検知器は、圧縮ガスの形態の内蔵式エネルギー源(self−contained energy source)にリンクされている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
従って、適切な保守を促進すると共に、誤警報の際にサウンダを容易且つ安全にミュートする手段を含み、これにより、警報器が動作不能状態に残される可能性を低減する、改善されたユーザーフレンドリーな警報器に対するニーズが存在する。更には、火災が発生した際に、主電源が電荷を失っており、且つ、交換されていない場合にも、サウンダが動作することを保証する手段を具備した煙警報器に対するニーズも存在している。更には、サウンダが動作している理由を調査した後にのみ、誤警報の際のサウンダのミューティングを許容する手段を具備した警報器に対するニーズも存在している。
【0013】
特筆すべきことに、本発明は、前述の問題を解決する改善された警報器を提供している。
【課題を解決するための手段】
【0014】
第1の態様においては、本発明は、煙検知器、熱検知器、及び第1警報インジケータを有する警報器を提供しており、煙検知器は、第1電源から電力を受けることができ、熱検知器は、第1電源及び/又は第2電源から電力を受けることができる。
【0015】
好適な実施例においては、警報インジケータは、サウンダ又は光源である。好ましくは、警報インジケータは、サウンダである。
【0016】
本発明の好適な実施例においては、煙検知器は、第1電源から排他的に電力を受けることができる。好ましくは、熱検知器は、第2電源から排他的に電力を受けることができる。
【0017】
好適な実施例においては、熱検知器及び煙検知器は、第1警報インジケータと電気的通信を行う。有利なことに、単一の警報インジケータを使用することにより、コンポーネント数とコストが低減される。
【0018】
別の実施例においては、警報器は、第2警報インジケータを更に有しており、第2警報インジケータは、熱検知器と電気的通信を行うが、煙検知器とは電気的通信を行わない。好ましくは、第2警報インジケータは、サウンダ又は光源である。更に好ましくは、この警報インジケータは、サウンダである。
【0019】
好適な実施例においては、第1警報インジケータは熱検知器と電気的通信を行わず、第2警報インジケータは煙検知器と電気的通信を行わない。
【0020】
好適な実施例においては、警報器は、第1電源から電力を取得する端子と第2電源から電力を受ける端子を有しており、第1電源から電力を受ける端子は煙検知器と電気的通信を行い、第2電源から電力を受ける端子は熱検知器と電気的通信を行う。
【0021】
好適な実施例においては、第1電源及び第2電源は、少なくとも1つの電池又はバッテリーを有している。好ましくは、第2電源は、長寿命電池又はバッテリーを有しており、更に好ましくは、長寿命電池又はバッテリーは、リチウム電池又はバッテリーである。
【0022】
別の実施例においては、第1電源は電灯線電源(a mains power source)である。
【0023】
好適な実施例においては、熱検知器は、温度が約40℃(更に好ましくは、約50℃)の既定の温度を超えて上昇した場合に、警報を発するように命令する信号を生成する能力を有している。例えば、使用の際に、既定の温度を上回る温度が検出されると、熱検知器は、第2電源、熱検知器、及び警報インジケータを含む電気回路を完成させる。
【0024】
好適な実施例においては、熱検知器は、電流が熱スイッチを通じて流れることができない「オフ」状態又は電流が熱スイッチを通じて流れることができる「オン」状態になることができる熱スイッチを有している。既定の温度未満の温度においては、熱スイッチは、「オフ」状態にあり、温度が既定の温度を上回って上昇した場合に、熱スイッチは、「オン」状態に切り替わる。温度の上昇と、これに続く「オン」状態への熱スイッチの遷移により、熱スイッチ、第2電源、及び警報インジケータを接続する電気回路が完成し、これにより、電流が警報インジケータを通過可能となり、警報が発せられる(例えば、警報インジケータがサウンダである場合には、警報が鳴り、警報インジケータが光源である場合には、光が放出される)。
【0025】
好適な実施例においては、熱スイッチは、サーミスタを有している。
【0026】
温度の上昇により、熱スイッチが「オン」状態に切り替わった際には、警報インジケータが警報を発し(例えば、警報インジケータがサウンダである場合には、サウンダが鳴る)、これをミュートすることはできない。温度が既定の温度未満に降下し、熱スイッチがその「OFF」状態に戻った際に警報は停止する(例えば、サウンダが無音になる)。この結果、有利なことに、例えば、警報器の第1電源が電荷を失っているか又は煙検知器が無効になっている場合にも、火災/熱源が発生した場合に警報が発せられる。
【0027】
好適な実施例においては、警報器は、レシーバと遠隔トランスミッタを含む制御装置を更に有しており、煙検知器、第1警報インジケータ、及びレシーバが電気的通信を行う。
【0028】
使用の際には、煙検知器が煙を検知した際に、警報を発する第1警報インジケータによって受信される信号を生成する能力を有している。制御装置は、第1警報インジケータによる警報の発令を停止させる能力を有しており(例えば、第1警報インジケータがサウンダである場合には、サウンダをミュートさせることが可能である)、この機能は、警報器が誤警報を発する場合に使用することを意図している。
【0029】
好適な実施例においては、レシーバが受信できる信号を送信するように遠隔トランスミッタに対して命令することができる。レシーバは、この信号を受信すると、例えば、第1電源から煙検知器及び第1警報インジケータへの電力供給を切断することにより、第1警報インジケータによる警報の発令を停止させる。
【0030】
好ましくは、レシーバは赤外線レシーバを有しており、遠隔トランスミッタは赤外線トランスミッタを有している。使用の際には、赤外線レシーバと赤外線トランスミッタが見通し線内にあり、且つ、5〜10メートルのレンジ内の最大距離を上回らないで離隔している場合に、赤外線レシーバが受信できる赤外線信号を送信するように赤外線トランスミッタに対して命令することができる。更に好ましくは、赤外線トランスミッタと赤外線レシーバを離隔配置できる最大距離は可変である。例えば、好適な実施例においては、赤外線レシーバの感度を調節することにより、赤外線トランスミッタと赤外線レシーバが離隔配置できる最大距離を変更することができる。
【0031】
有利なことに、赤外線レシーバと遠隔赤外線トランスミッタを使用して警報器による警報の発令を停止又はミュートできるのは、赤外線レシーバと遠隔赤外線トランスミッタが見通し線内にあり、且つ、警報器の既定のレンジ内に存在する場合のみである。これにより、ユーザーが警報器を見ることができず、従って、誤警報の存在を確認することができない離れた場所から警報の発令が停止又はミュートすることが防止される。この結果、ユーザーは、警報インジケータによる警報の発令を停止する前に、誤警報の存在をチェックしなければならない。
【0032】
好適な実施例においては、赤外線レシーバと遠隔赤外線トランスミッタには、その他の赤外線装置がそれらの動作と干渉することを防止する手段が提供されている。
【0033】
好ましくは、赤外線トランスミッタは、特定の赤外線周波数又はトーンにおいて信号を送信し、赤外線レシーバは、特定の周波数又はトーンの赤外線信号を選択的に受信する。特定の周波数又はトーンは、例えば、テレビの遠隔制御装置などのその他の家庭内の赤外線装置に使用されているものとは異なるものにすることができる。これにより、これらの装置からの干渉を防止する。或いは、この代わりに、赤外線トランスミッタは符号化信号を送信し、赤外線レシーバは適切な符号を有する信号を選択的に受信する。好ましくは、この符号は3デジット符号(a three−digit code)である。
【0034】
有利なことに、誤警報の迅速且つ容易な停止ミューティングを実現し、警報の動作をユーザーフレンドリーなものにすることにより、遠隔制御装置は、ユーザーにとって有益なものとなる。この結果、誤警報を防止するように、ユーザーが警報器の電源を切断したり、電荷を失った電池又はバッテリーを意図的に交換しないことを思いとどまらせる。対照的に、誤警報を迅速且つ便利に停止又はミュートすることが可能であれば、ユーザーは警報器を適切に保守するようになる。
【0035】
好適な実施例においては、警報器はタイマを更に有している。好ましくは、タイマは、レシーバ、煙検知器、及び第1警報インジケータと電気的通信を行う。タイマは、レシーバが遠隔トランスミッタから信号を受信した際に起動される。既定の時間設定された期間が完了した際に、タイマは、例えば、第1電源から煙検知器及び第1警報インジケータへの電力供給を回復することにより、第1警報インジケータの停止又はミュート状態を停止するように命令する。
【0036】
別の実施例においては、レシーバ及びタイマは第3電源から電力を受けることができる。好ましくは、警報器は第3電源から電力を受ける端子を有しており、レシーバ及びタイマはこの第3電源用の端子と電気的通信を行う。
【0037】
更なる好適な実施例においては、遠隔トランスミッタは、電源から電力を受けることができる。好ましくは、遠隔トランスミッタは、電源から電力を受ける端子を有している。
【0038】
好適な実施例においては、警報器は、警報インジケータによる警報の発令を実行するのに十分なレベルの電荷を具備しているかどうかを確認するための第1及び/又は第2電源の試験を実現する試験装置(test facility)を有している。好ましくは、試験装置は、第2電源を試験するためのものである。
【0039】
好ましくは、試験装置は、第2電源及び警報インジケータと電気的通信を行うスイッチを有しており、スイッチと熱検知器は並列に接続されている。好ましくは、スイッチは、プッシュボタンスイッチである。スイッチが押下されると、警報インジケータと第2電源を接続する電気回路が完成し、電流は警報インジケータを通過可能となり、この結果、第2電源が十分なレベルの電荷を具備している場合に警報が発せられる(例えば、サウンダが鳴る)。
【0040】
好ましくは、試験装置は、更に(又は、この代わりに)、第1電源及び警報インジケータと電気的通信を行うスイッチを有しており、スイッチと煙検知器は並列に接続されている。好ましくは、スイッチはプッシュボタンスイッチである。
【0041】
好適な実施例においては、試験装置は、遠隔トランスミッタ上に配置されたスイッチを有している。正常な使用の際には、スイッチは「オフ」状態にあり、「オン」状態にスイッチを切り替えることにより、回路が完成し、回路の完成により、遠隔トランスミッタから信号が送信される。警報器は、第2電源及び警報インジケータと電気的通信を行わない、且つ、遠隔トランスミッタから信号を受信する能力を有するレシーバを有している。レシーバは、信号を受信すると、第2電源と警報インジケータをリンクする回路を完成させ、これにより、電流が警報インジケータを通過可能となり、この結果、第2電源が十分なレベルの電荷を具備している場合に警報が発せられる。好ましくは、スイッチはプッシュボタンスイッチである。警報器は、更に(又は、この代わりに)、前述のものに対応した構成を具備する第1電源を試験する能力を有する試験装置を有することも可能であることを理解されたい。
【0042】
好適な実施例においては、警報器は、ハウジングを天井に取り付けるための固定アパーチャを定義しているハウジングを具備している。好ましくは、ハウジングは、空気の対流を促進することによって煙検知器と熱検知器の感度を極大化可能なプラスチックケースを有している。
【0043】
以下、添付の図面を参照し、現時点における好適な実施例を説明することにより、本発明の更なる特徴及び利点について説明する。以下の説明を参照することにより、本発明の更なる特徴及び利点について明らかとなろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0044】
明瞭性と簡潔な説明を目的とし、本明細書においては、同一又は別個の実施例の一部として特徴を説明しているが、本発明の範囲は、記述されている特徴のすべて又はいくつかの組み合わせを具備した実施例をも包含していることを理解されたい。
【0045】
本発明による警報器の好適な実施例が図1A及び図1Bに示されている。警報器は、第1電源(1)、煙検知器(2)、熱検知器(3)、タイマ(4)、好ましくは赤外線レシーバであるレシーバ(5)、第2電源(6)、サウンダ(7)、及び好ましくはプッシュボタンスイッチである試験スイッチ(8)を有している。第1電源(1)は、煙検知器(2)、タイマ(4)、及びサウンダ(7)に電力を供給する能力を有しており、第2電源(6)は、熱検知器(3)及びサウンダ(7)に電力を供給する能力を有している。
【0046】
煙検知器(2)と熱検知器(3)は、いずれも、サウンダ(7)と電気的通信を行う。煙検知器(2)は、煙の存在を検出した際にサウンダ(7)に対して信号を送信する能力を有しており、熱検知器(3)は、既定の温度を上回る温度を検出した際に、サウンダ(7)に対して信号を送信する能力を有している。サウンダ(7)は、煙検知器(2)から信号が受信された際には、第1トーンを、熱検知器(3)から信号が受信された際には、別の第2トーンを放出する能力を有している。
【0047】
第1電源(1)は、9Vの四角形タイプの電池などの電池又はバッテリー、電灯線電源、又はこれらの組み合わせを有することができる。第2電源(6)は、リチウム電池又はこれと類似した長寿命電池などの長寿命電池を有している。試験スイッチ(8)が起動されると、サウンダ(7)及び第2電源(6)を接続する回路が完成し、サウンダ(7)に電力が供給され、この結果、第2電源(6)が十分なレベルの電荷を具備している場合に鳴ることになる。これによって第2電源(6)の電荷を試験可能である。
【0048】
警報器は、図1Bに示されているように、レシーバ(5)と遠隔トランスミッタ(9)を含む制御装置を更に有している。好ましくは、レシーバ(5)は、赤外線レシーバを有しており、遠隔トランスミッタ(9)は、赤外線トランスミッタ(10)を有している。赤外線トランスミッタ(10)は、赤外線トランスミッタLED(11a)と駆動回路(11b)を有している。更には、遠隔トランスミッタ(9)は、スイッチ(12)(これは、プッシュボタンスイッチであってよい)と電源(13)を有している。電源(13)は、例えば、小さなボタン電池又はリチウム電池を有することができる。遠隔トランスミッタ(9)は、スイッチ(12)が押下された際に信号を送信する能力を有している。信号はレシーバ(5)によって受信され、レシーバ(5)は、この信号を受信すると、サウンダ(7)の第1トーンをミュート化する。この結果、警報器が誤警報を発した場合に、サウンダ(7)をミュート化可能である。
【0049】
本発明による警報器の別の好適な実施例が、図2A及び図2Bに示されている。警報器は、煙検知器及び第1サウンダ(これらは、図2Aに単一のユニット(14)として示されている)、タイマ(15)、赤外線レシーバ(16)及び遠隔赤外線トランスミッタ(17)、第1電源(18)、熱検知器(19)、第2サウンダ(20)、第2電源(21)を有している。煙検知器及び第1サウンダ(14)、タイマ(15)、赤外線レシーバ(16)、第1電源(18)、熱検知器(19)、第2サウンダ(20)、及び第2電源(21)は、ハウジング(22)内に配置されており、遠隔赤外線トランスミッタ(17)は、別個のハウジング(23)内に配置されている。
【0050】
熱検知器(19)は、熱スイッチ(24)を有しており、これは、「オン」状態又は「オフ」状態になることが可能であり、その「オン」状態にある場合には、第2サウンダ(20)と第2電源(21)を接続する電気回路が完成する。この結果、例えば、第1電源(18)が電荷を失っている(又は、切断されている)場合にも、火災の際に、第2サウンダ(20)が鳴ることが保証される。第2電源(21)には、ユーザーからアクセス不可能であり、一旦、熱スイッチ(24)がその「オン」状態となった場合には、第2サウンダ(20)をミュートすることはできない。このサウンダの動作が停止するのは、温度が既定の温度未満に降下した場合のみである。
【0051】
第2電源(21)は、リチウム電池又はバッテリーであり、これは、約10年の貯蔵寿命を具備しており、約20分間にわたって(又は、ユニットが火災によって破壊されるまで)サウンダを鳴らすのに十分な電力を具備している。
【0052】
警報器は、第2電源(21)及び第2サウンダ(20)と電気的通信を行うプッシュボタンスイッチ(25)を更に有しており、プッシュボタンスイッチ(25)と熱スイッチ(24)は並列になっている。プッシュボタンスイッチ(25)を押下することにより、第2サウンダ(20)と第2電源(21)を接続する電気回路が完成し、この結果、電流が第2サウンダ(10)を通じて流れることが可能になり、第2電源(8)が十分な電荷を具備している場合に警報が鳴るため、ユーザーは、プッシュボタンスイッチ(25)により、第2電源(21)が十分な電荷を具備しているかどうかをチェック可能である。
【0053】
図2Aに示されているように、煙検知器及び第1サウンダ(14)及び第1電源(18)は、スイッチを具備したリレー(26)を有する電気回路内にリンクされている。リレー(26)のスイッチは、第1位置に位置することが可能であり、この場合には、この回路が完成し、これにより、第1サウンダ(14)を電流が通過可能であり、この結果、煙が検出された場合に第1サウンダが鳴り、且つ、このスイッチは、第2位置に位置することも可能あり、この場合には、この回路が遮断される。図2Aに示されているリレー(26)のスイッチは、その第1位置に位置している。赤外線レシーバ(16)とタイマ(15)は、リレー(26)と電気的通信を行う。
【0054】
赤外線トランスミッタ(17)は、第1サウンダ(14)をミュートすべく押下可能なボタン又はスイッチ(27)を有している。赤外線トランスミッタ(17)は、赤外線レシーバ(16)と赤外線トランスミッタ(17)が見通し線内にあり、且つ、互いに既定のレンジ内にある場合に、赤外線レシーバ(16)によって受信される赤外線信号を送信する。赤外線信号を受信すると、赤外線レシーバ(16)は、リレー(26)のスイッチに対して、その第2位置に移動することにより、第1電源(18)、煙検知器、及び第1サウンダ(14)間の電気回路を遮断し、第1サウンダの警報を停止するように命令する。更には、赤外線レシーバ(16)は、赤外線信号を受信した場合に、タイマ(15)を起動する。既定の期間が経過すると、タイマは、リレー(13)のスイッチに対して、そのオリジナルの位置に復帰するように命令し、煙検知器及び第1サウンダ(14)に電力を供給する。この既定の期間は、誤警報を生成している煙を発散させるのに十分なものであり、従って、電力が再接続された際には、警報は、もはや鳴らない。好ましくは、この既定の期間は、約3分〜約10分の範囲内である。更に好ましくは、既定の期間は、約4分〜約6分の範囲内である。最も好ましくは、既定の期間は約5分である。
【0055】
図2A及び図2Bに示されている赤外線レシーバ及び遠隔赤外線トランスミッタは、単一チャネルの赤外線コードロックトランスミッタ及びレシーバを有している。
【0056】
図2Aに示されているように、タイマ(15)は、可変抵抗器(28)を有しており、これを使用することにより、タイマ(15)によって判定される期間を変更可能である。これは、期間の長さを設定する警報器の試験の際に使用可能である。別の実施例においては、タイマ(15)は、既定の抵抗値を具備する抵抗器を有することができる。
【0057】
遠隔赤外線トランスミッタは、電源(29)から電力を受けることができる。図示の実施例においては、電源(29)は、12Vの電池を有している。
【0058】
当業者には、本明細書に記述されている現時点において好適な実施例に対する様々な変更及び変形が明らかであることを理解されたい。それらの変更及び変形は、本発明の精神及び範囲を逸脱することなく、且つ、その付随する利点を低減することなしに、実行可能である。従って、それらの変更及び変形も、添付の請求項に包含されることを意図するものである。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1A−1B】本発明による警報器の好適な実施例の概略図を示している。
【図2A】本発明による警報器の好適な実施例の回路図である。
【図2B】本発明による警報器の好適な実施例の回路図である。
【図1A】

【図1B】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
煙検知器、熱検知器、及び第1警報インジケータを有する警報器において、前記煙検知器は、第1電源から電力を受けることができ、前記熱検知器は、第1電源及び/又は第2電源から電力を受けることができる警報器。
【請求項2】
前記警報インジケータは、サウンダ又は光源である請求項1記載の警報器。
【請求項3】
前記警報インジケータは、サウンダである請求項1又は2記載の警報器。
【請求項4】
前記煙検知器は、前記第1電源から排他的に電力を受けることができる請求項1ないし3のいずれか一項に記載の警報器。
【請求項5】
前記熱検知器は、前記第2電源から排他的に電力を受けることができる請求項1ないし4のいずれか一項に記載の警報器。
【請求項6】
前記熱検知器及び前記煙検知器は、前記第1警報インジケータと電気的通信を行う請求項1ないし5のいずれか一項に記載の警報器。
【請求項7】
第2警報インジケータを更に有しており、前記第2警報インジケータは、前記熱検知器と電気的通信を行うが、前記煙検知器とは電気的通信を行わない請求項1〜5の中のいずれか一項に記載の警報器。
【請求項8】
前記第1警報インジケータは、前記熱検知器と電気的通信を行わず、前記第2警報インジケータは、前記煙検知器と電気的通信を行わない請求項7に記載の警報器。
【請求項9】
前記第1電源から電力を受ける端子と前記第2電源から電力を受ける端子とを有し、前記第1電源から電力を受ける前記端子は、前記煙検知器と電気的通信を行い、前記第2電源から電力を受ける前記端子は、前記熱検知器と電気的通信を行う請求項1ないし8のいずれか一項に記載の警報器。
【請求項10】
前記第2電源は、少なくとも1つの電池又はバッテリーを有する請求項1ないし9のいずれか一項に記載の警報器。
【請求項11】
前記第2電源は、長寿命電池又はバッテリーを有する請求項10に記載の警報器。
【請求項12】
前記長寿命電池又はバッテリーは、リチウム電池又はバッテリーである請求項11に記載の警報器。
【請求項13】
前記第1電源は、少なくとも1つの電池又はバッテリーを有しているか、或いは、電灯線電源である請求項1ないし12のいずれか一項に記載の警報器。
【請求項14】
前記熱検知器は、温度が約40℃の既定の温度を上回って上昇した場合に、警報インジケータによって警報を発することを命令する信号を生成する能力を有する請求項1ないし13のいずれか一項に記載の警報器。
【請求項15】
前記熱検知器は、温度が約50℃の既定の温度を上回って上昇した場合に、警報を発すすることを命令する信号を生成する能力を有する請求項14に記載の警報器。
【請求項16】
使用の際に、既定の温度を上回る温度が検出されると、前記熱検知器は、前記第2電源、前記熱検知器、および警報インジケータを含む電気回路を完成させる請求項14又は15に記載の警報器。
【請求項17】
前記熱検知器は、電流が熱スイッチを通じて流れることができない「オフ」状態、又は電流が前記熱スイッチを通じて流れることができる「オン」状態になることができる前記熱スイッチを有しており、
既定の温度を下回る温度において、前記熱スイッチは、前記「オフ」状態となり、温度が既定の温度を上回って上昇した際には、前記熱スイッチは、「オン」状態に切り替わる請求項1ないし16のいずれか一項に記載の警報器。
【請求項18】
前記熱スイッチは、サーミスタを有する請求項13に記載の警報器。
【請求項19】
レシーバと遠隔トランスミッタを含む制御装置を更に有し、前記煙検知器、前記第1警報インジケータ、及び前記レシーバは、電気的通信を行う請求項1ないし18のいずれか一項に記載の警報器。
【請求項20】
前記煙検知器は、煙を検知した際に、警報を発する前記第1警報インジケータによって受信される信号を生成する能力を有しており、前記制御装置は、前記第1警報インジケータによって発せられる警報を停止する能力を有している請求項15に記載の警報器。
【請求項21】
前記レシーバによって受信可能な信号を送信するように前記遠隔トランスミッタに対して命令可能であり、前記レシーバは、この信号を受信した際に、例えば、前記第1電源から前記煙検知器及び前記第1警報インジケータへの電力供給を切断することにより、前記第1警報インジケータによって発せられる警報を停止する請求項19又は20に記載の警報器。
【請求項22】
前記レシーバは、赤外線レシーバを有しており、前記遠隔トランスミッタは、赤外線トランスミッタを有する請求項19〜20の中のいずれか一項に記載の警報器。
【請求項23】
前記赤外線レシーバと前記赤外線トランスミッタが見通し線内にあり、且つ、5〜10メートルのレンジ内の最大距離を上回ることなしに離隔している場合に、前記赤外線レシーバによって受信可能な赤外線信号を送信するように前記赤外線トランスミッタに対して命令可能である請求項22に記載の警報器。
【請求項24】
前記赤外線トランスミッタと前記赤外線レシーバが離隔可能な前記最大距離は、可変である請求項23に記載の警報器。
【請求項25】
前記赤外線レシーバの感度を調節することにより、前記赤外線トランスミッタと前記赤外線レシーバが離隔可能な前記最大距離を変更可能である請求項24に記載の警報器。
【請求項26】
前記赤外線レシーバと前記遠隔赤外線トランスミッタには、その他の赤外線装置がそれらの動作と干渉することを防止する手段が提供されている請求項22〜25の中のいずれか一項に記載の警報器。
【請求項27】
前記赤外線トランスミッタは、特定の赤外線周波数又はトーンにおいて信号を送信する能力を有しており、前記赤外線レシーバは、前記特定の周波数又はトーンの赤外線信号を選択的に受信する能力を有する請求項26に記載の警報器。
【請求項28】
前記赤外線トランスミッタは、符号化信号を送信する能力を有しており、前記赤外線レシーバは、前記適切な符号を有する信号を選択的に受信する能力を有する請求項26に記載の警報器。
【請求項29】
前記符号は、3桁符号である請求項28に記載の警報器。
【請求項30】
タイマを更に有する請求項19〜29の中のいずれか一項に記載の警報器。
【請求項31】
前記タイマは、前記レシーバ、前記煙検知器、及び前記第1警報インジケータと電気的通信を行い、
前記タイマは、前記レシーバが前記遠隔トランスミッタから信号を受信した際に起動され、
既定の時間設定された期間が完了した際に、前記タイマは、例えば、前記第1電源から前記煙検知器及び前記第1警報インジケータへの電力供給を回復することにより、前記警報インジケータによる警報発令の停止を停止することを命令する請求項30に記載の警報器。
【請求項32】
前記レシーバ及びタイマは、第3電源から電力を受けることができる請求項30又は31に記載の警報器。
【請求項33】
前記第3電源から電力を受ける端子を有しており、前記レシーバ及び前記タイマは、前記第3電源用の前記端子と電気的通信を行う請求項32に記載の警報器。
【請求項34】
前記遠隔トランスミッタは、電源から電力を受けることができる請求項19〜33の中のいずれか一項に記載の警報器。
【請求項35】
前記遠隔トランスミッタは、前記電源から電力を受ける端子を有する請求項34に記載の警報器。
【請求項36】
警報インジケータによる警報を発するのに十分なレベルの電荷を具備しているかどうかを確認するための前記第1及び/又は第2電源の試験を実現する試験装置を有する前項までの請求項中のいずれか一項に記載の警報器。
【請求項37】
前記試験装置は、前記第2電源を試験するためのものであり、前記試験装置は、前記第2電源及び警報インジケータと電気的通信を行うスイッチを有しており、前記スイッチと前記熱検知器は並列に接続されている請求項36に記載の警報器。
【請求項38】
警報インジケータによる警報を発するのに十分なレベルの電荷を具備しているかどうかを確認するべく前記第2電源の試験を実現する試験装置を有しており、前記試験装置は、遠隔トランスミッタ上に配置されたスイッチと、前記第2電源及び警報インジケータと電気的通信を行うレシーバを有しており、前記スイッチを切り替えることにより、電気回路が完成すると共に前記遠隔トランスミッタから信号が送信され、前記レシーバは、前記信号を受信する能力を有しており、この結果、前記レシーバは、前記信号を受信した際に、前記第2電源及び警報インジケータをリンクする電気回路を完成させ、これにより、電流が前記警報インジケータを通過することを可能にし、この結果、前記第2電源が十分なレベルの電荷を具備している場合に警報が発せられる請求項19〜36の中のいずれか一項に記載の警報器。
【請求項39】
前記スイッチは、プッシュボタンスイッチである請求項37又は38に記載の警報器。
【請求項40】
ハウジングを天井に取り付けるための固定アパーチャを定義している前記ハウジングを具備する前項までの請求項中のいずれか一項に記載の警報器。
【請求項41】
実質的に、添付図面中の図のいずれかを参照して本明細書に記述されている、又は、添付図面の図のいずれかに示されている警報器。

【図2A】
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【図2A】
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【図2A】
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【図2B】
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【公表番号】特表2007−517302(P2007−517302A)
【公表日】平成19年6月28日(2007.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−546333(P2006−546333)
【出願日】平成16年12月23日(2004.12.23)
【国際出願番号】PCT/GB2004/005451
【国際公開番号】WO2005/062271
【国際公開日】平成17年7月7日(2005.7.7)
【出願人】(506217601)
【Fターム(参考)】