警報装置ユニット及びそれを用いた警報装置
【解決手段】複数の警報入力に応じて各々独立して警報出力する出力手段と、警報継続時間を設定する警報鳴動継続時間設定手段と、警報出力のブザ−及び状態表示をフリッカ動作させるフリッカ手段と、1回路毎にブザ−と状態表示とを切替える切替手段と、警報入力によりブザ−及び状態表示中に、別の新たな警報が入力されてきたときに、別の新たなブザ−及び状態表示よりなる警報を一括して出力する一括警報出力手段とを備えてなる警報装置ユニット及びそれを備えた警報装置。
【効果】長時間に渡って鳴動して近隣に迷惑を掛けることなく、複数の警報入力に応じて各々独立して警報出力し、ブザ−及び状態表示をフリッカ動作し、警報出力中に別の新たな警報が入力されてきても最初の警報を保持しつつ別の新たな当該ブザ−及び状態表示よりなる警報をも一括して出力可能で、1回路毎にブザ−と状態表示とを切替えることができる。
【効果】長時間に渡って鳴動して近隣に迷惑を掛けることなく、複数の警報入力に応じて各々独立して警報出力し、ブザ−及び状態表示をフリッカ動作し、警報出力中に別の新たな警報が入力されてきても最初の警報を保持しつつ別の新たな当該ブザ−及び状態表示よりなる警報をも一括して出力可能で、1回路毎にブザ−と状態表示とを切替えることができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、警報装置ユニット及びそれを用いた警報装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
複数の警報入力に応じて警報報知を行う警報装置は、各種の用途に用いられ、例えば、プラント制御・監視の分野で、複数の故障が発生した場合に、警報を発すると共に、異常状態を表示して故障警報を行うような場合や、貯水漕に蓄えられた水量などを液面センサなどのセンサ(感知器なども含む)を用いて検知し、水の貯水状態などの複数の何等かの異常が発生した場合に、警報を発すると共に、異常状態を表示したりする場合や、ショ−ケ−スの温度等の複数の監視項目を監視する場合等で使用される。
【0003】
当該警報(ブザ−)の鳴動により上記のような故障などの存在を知り得るのであるが、長時間に渡って鳴動しても、無駄で近隣に迷惑を掛けたりするし、逆に短か過ぎても、故障が発生しているのに、故障を見逃してしまったりする等で、当該警報ブザ−の出力に際して警報ブザ−を鳴動させる継続時間を設定可能としておくことが好ましい。
【0004】
当該複数の警報入力に応じて警報報知を行う警報装置にあっては、従来有接点のアナンシェ−タリレ−を用いた警報装置がある。
図13はアナンシェ−タリレ−を用いた従来の故障警報・表示回路の構成図で、図14は図13の動作説明用のタイムチャ−トである。
図13において、1〜Nは夫々一括故障としての故障入力信号(単に故障又は故障入力ともいう)、又、131(131−1〜131−n)は一括故障131に属する下位の複数の故障入力信号である。例えば一括故障をボンプ故障とした場合、このポンプの軸受温度異常信号や巻線温度異常信号などがその下位の故障入力信号となる。又、図13において、AR(AR1〜ARN)は夫々一括故障131…Nの別の設けられたアナンシェ−タリレ−、LP(LP1〜LPN)は夫々このアナンシェ−タリレ−AR1〜ARNごとに設けられた一括故障の表示灯、BZはリレ−AR1〜ARNに共通に設けられた警報用のブザ−、FLは同じくリレ−AR1〜ARNに共通に設けられた表示灯LPの点滅用のフリッカリレ−、LOは異常監視員等が操作するスイッチとしての表示復帰釦、BSは同じく警報停止釦、LTは同じくランプテスト釦である。尚、PCはリレ−用直流電源の正極ライン、NCは同じく負極ライン、PLはランプ用直流電源の正極ライン、NLは同じく負極ラインである。
次に、図14を参照しつつ、図13の動作をアナンシェ−タリレ−AR1の回路を例にとって説明する。アナンシェ−タリレ−AR1内のリレ−Yは常時(即ち、故障入力がなくリレ−Xの消勢,待機状態)には付勢されており、そのa接点はオン状態にあり、c接点はa側にある。ここで故障入力信号1−1〜1−nの何れかが入力(接点オン)すると、故障入力信号の保持用のリレ−Xが付勢され、そのa接点Xaがオンしてリレ−Xは自己保持状態となり、又、リレ−Xの、2つのc接点はa側となる。尚、このときリレ−Yはそのa接点により自己保持したままの状態にある。これによりアナンシェ−タリレ−AR1の7番端子には、警報停止釦BSの接点を介してリレ−用電源PCが印加され、ブザ−BZが警報を発生し、フリッカリレ−FLはその接点FLaを所定周期で断続する。一方、このとき表示灯LP1はこの接点FLaとリレ−X,Yの夫々のc接点を介してランプ用電源PLと接続される構成となるため接点FLaのオン/オフに合わせて点滅(フリッカ)し警報表示する。
次に監視員が警報停止釦BSを押すと、リレ−Yは消勢され、7番端子のリレ−用電源PCをオフすることで、ブザ−BZ及びフリッカリレ−FLをオフする。しかしこのとき表示灯LP1はランプ用電源PLからフリッカリレ−接点FLaを介することなく点灯される接続構成となり、連続点灯状態になる。次に監視員が表示復帰釦LOを押すと、このとき故障入力131−1〜131−nが何れも存在しない(オフ)ならば、リレ−Xは消勢され、表示灯LP1で消灯すると共に、リレ−Yが付勢され待機状態に戻る。
しかしながら、図13の故障警報・表示回路においては、例えば一括故障信号131の下位の故障信号131−1の入力後、この信号131−1が消滅(接点オフ)し、次に別の故障信号131−nが入力されたとしても、この間に表示復帰釦LOが押されていない限り、故障入力信号を保持するリレ−Xが自己保持状態にあり、この新たな故障に対する警報は出力されない。即ち、図13の回路では、最初に発生した故障に対しては警報・表示を行うことができるが、最初の故障が復旧する前に、他の故障が発生した場合は警報・表示を行うことができないため、独立した警報・表示が必要な区分毎の故障入力に対しては夫々独立にアナンシェ−タリレ−を設けなければならず、故障警報・表示回路がコスト高になるという問題があった。
【0005】
当該複数の警報入力に応じて警報報知を行う警報装置にあっては、従来、出力回路に短絡が起こった時には、その出力回路が短絡した影響が他の回路にも波及して警報装置全体が機能しなくなるような場合もあった。
【0006】
当該警報装置の組立に際しては、従来、制御基板に半導体回路装置等を搭載した警報ユニットを、ボックス内にネジ等で取付けていたが、取付が厄介で、時間も要するものであった。又、当該制御基板の表面は裸であったりしていたので、危険でもあり、故障の一因にもなっていた。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記従来技術の有する欠点を解消することの出来る技術を提供することを目的としたものである。
本発明の他の目的や新規な特徴については本件明細書及び図面の記載からも明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の特許請求の範囲は、次の通りである。
(請求項1) 第一警報、第二警報等複数の警報入力手段と、当該個々の第一警報、第二警報等複数の警報入力に応じて各々独立して警報出力する出力手段と、当該警報の出力に際して警報を鳴動させる継続時間を設定可能な警報鳴動継続時間設定手段と、前記警報出力のブザ−及び状態表示をフリッカ動作させることのできるフリッカ手段と、前記複数の警報入力に応じて各々独立して警報出力する1回路毎に当該ブザ−と状態表示とを切替えることのできる切替手段と、警報入力により前記ブザ−及び状態表示により警報出力している際中に、別の新たな警報が入力されてきたときに、当該別の新たな当該ブザ−及び状態表示よりなる警報をも一括して出力可能とする一括警報出力手段とを備えてなることを特徴とする警報装置ユニット。
(請求項2) 警報鳴動継続時間設定手段が、ディップスイッチの操作により行われるようになっていることを特徴とする、請求項1に記載された警報装置ユニット。
(請求項3) 警報出力する1回路毎にブザ−と状態表示とを切替えることのできる切替手段が、ディップスイッチの操作により行われるようになっていることを特徴とする、請求項1又は2に記載された警報装置ユニット。
(請求項4) 請求項1に記載された警報装置ユニットと、当該警報装置ユニットの警報装置への取付け手段であるレ−ル部と、当該警報装置ユニットを作動させるバッテリ−ユニットと、状態表示部と、ブザ−部と、操作スイッチ部とを備えてなり、当該警報装置ユニットは前記レ−ル部に取付けできるように取付部を有してなることを特徴とする警報装置。
(請求項5) 警報装置ユニットは、保護カバ−を備えてなることを特徴とする、請求項4に記載された警報装置。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、その警報装置ユニットは、警報の出力に際して警報を鳴動させる継続時間を設定可能な警報鳴動継続時間設定手段が設けられており、例えば、当該警報鳴動継続時間設定手段を構成するディップスイッチを操作することにより、例えば、10分、30秒及び10秒のように、その警報をどの位の時間鳴動させるかを予め設定(調節)しておけるので、長時間に渡って鳴動して近隣に迷惑を掛けたりすることがないし、適宜時間継続してブザ−が鳴動するので、故障を見逃してしまったりすることがなく、又、当該継続時間の種類により、故障の種類を判別することもできる。
本発明によれば、その警報装置ユニットは、第一警報、第二警報等複数の警報入力手段とそれら出力手段との回路が1回路毎に独立しており、当該個々の第一警報、第二警報等複数の警報入力に応じて各々独立して警報出力することができる。例えば光表示灯による状態表示が、個々の第一警報、第二警報等複数の警報入力に応じて各々独立して表示出力される。
本発明によれば、その警報装置ユニットは、警報出力のブザ−及び状態表示をフリッカ動作させることのできるパソコン操作によるフリッカ手段を備えているので、状態表示が例えば点滅点灯のフリッカ動作をすると共に、ブザ−もフリッカ動作によりフリッカ鳴動することができる。
本発明によれば、その警報装置ユニットは、最初の警報入力によりブザ−及び状態表示の警報出力をしている際中に、別の新たな警報が入力されてきたときに、従来のアナンシェ−タリレ−では、最初の故障が復旧する前に、他の故障が発生した場合は警報・表示を行うことができなかったが、本発明の警報装置ユニットによれば、その警報装置ユニットは、第一警報、第二警報等複数の警報入力手段とそれら出力手段との回路が1回路毎に独立しており、当該個々の第一警報、第二警報等複数の警報入力に応じて各々独立して警報出力することができ、最初の警報入力によりブザ−及び状態表示により警報出力している際中に、別の新たな警報が入力されてきても、当該最初の警報を保持しつつ別の新たな当該ブザ−及び状態表示よりなる警報をも一括して出力可能とする一括警報出力手段を備えてなり、当該一括警報出力は、パソコン操作に依るので、従来のアナンシェ−タリレ−のように、その有接点のリレ−が自己保持状態にあって、新たな故障に対する警報が出力されないということを回避できる。
本発明によれば、その警報装置ユニットは、複数の警報入力に応じて各々独立して警報出力する1回路毎に当該ブザ−と状態表示とを切替えることのできる切替手段、例えば、前記したディップスイッチの操作により行われるようになっているので、当該ディップスイッチの操作により、各回路について警報保持から状態表示への切替が可能である。
本発明によれば、その警報装置ユニットは、上記のように、1回路毎に独立し、各々警報入力がされ、ブザ−及び状態表示の警報出力がなされるので、従来例の複数の警報入力に応じて警報報知を行う警報装置にあっては、出力回路に短絡が起こった時には、その出力回路が短絡した影響が他の回路にも波及して警報装置全体が機能しなくなるような場合があったが、本発明では、これを回避できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
図1に、本発明の警報装置ユニットのブロックダイアグラム図を示す。
当該警報装置ユニット1は、その一例として、4回路で構成された例を示す。
第一警報、第二警報、第三警報及び第四警報からなる複数の警報入力が、それぞれ入力部(TB1)100に入力されるようになっている。入力部100は、例えば、圧着端子の接続端子で構成され、例えば、プラント制御・監視の分野で、複数の故障が発生した場合に、複数のそれぞれに応じた警報ブザ−を発すると共に、異常状態を表示して故障警報を行うような場合に、各検知部(センサ部)と接続される。
当該入力部(TB1)100には、ブザ−停止入力信号が入力されるようになっていて、後述のように、当該警報装置ユニット1を内蔵した警報装置の外部のブザ−停止釦を押すことにより、当該ブザ−停止入力信号が当該入力部(TB1)100に入力されて、必要に応じてブザ−の鳴動を停止できる。
当該入力部(TB1)100には、警報停止(状態表示停止)入力信号も入力されるようになっていて、上記のブザ−停止釦と同様に、当該警報装置ユニットを内蔵した警報装置の外部の当該警報停止釦を押すことにより、当該警報停止入力信号が当該入力部(TB1)100に入力されて、必要に応じて状態表示を停止できる。
当該入力部(TB1)100には、ランプテスト入力信号が入力されるようになっていて、当該状態表示が適切に行われるか否かのテストをなし得る。
【0011】
ディップスイッチ(DIP switch、DS1)101は、警報の出力に際して警報を鳴動させる継続時間を設定可能な警報鳴動継続時間設定手段として使用することができる。
当該ディップスイッチ(DS1)101を操作することにより、例えば、10分、30秒及び10秒のように、その警報をどの位の時間鳴動させるかを予め設定(調節)しておける。
当該ディップスイッチ(DS1)101は、スィッチの形状として、そのスィッチを押し下げる形のロッカ−形や左右にスライドさせるスライディング形等により構成され、ペン先などでオン・オフの切替が可能である。
当該ディップスイッチ(DS1)101は、制御基板(CPU)に実装することもできる。
当該警報鳴動継続時間設定手段として、ジャンパスイッチ等も使用することができる。
当該ディップスイッチ(DS1)101により、警報をどの位の時間鳴動させるかを予め設定(調節)しておけるので、長時間に渡って鳴動して近隣に迷惑を掛けたりすることがないし、適宜時間継続してブザ−が鳴動するので、故障を見逃してしまったりすることがなく、又、当該継続時間の種類により、故障の種類を判別することもできる。
【0012】
ディップスイッチ(DS2)102は、第一警報、第二警報、第三警報及び第四警報からなる複数の警報について、それらの各々の第一警報、第二警報、第三警報及び第四警報を、警報ブザ−を鳴動させるか状態表示にさせるかの切り替えできるようになっている。
【0013】
当該警報装置ユニット1のCPU(中央演算処理装置)103には、上記した第一警報、第二警報、第三警報及び第四警報からなる複数の警報入力が、それぞれ入力部(TB1)100を介して入力され、又、ディップスイッチ(DS1)101からは、設定された警報の出力に際しての警報を鳴動させる継続時間が入力され、更に、ディップスイッチ(DS2)102からは、第一警報、第二警報、第三警報及び第四警報からなる複数の警報の各々について、その選択に応じて第一警報、第二警報、第三警報及び第四警報を、警報ブザ−を鳴動させるか状態表示にさせるかを切替信号が入力される。
【0014】
当該警報装置ユニット1には、フリッカ回路104を備える。当該フリッカ回路については、前記では、有接点のアナンシェ−タリレ−を用い、当該リレ−の付勢保持でフリッカリレ−FLについてその接点FLaを所定周期で断続させてフリッカ動作を起こさせるようにしていたが、本発明では、当該CPU(中央演算処理装置)103で当該フリッカ動作を起こさせるようにしており、当該フリッカ回路104をリレ−によらずに、フリップ、フロップのロジック回路により構成する。図示では、当該フリッカ回路104をCPU(中央演算処理装置)103とは別個にしているが、当該フリッカ回路104をCPU(中央演算処理装置)103に内蔵させてもよい。本発明では、当該有接点のアナンシェ−タリレ−を用いず、パソコン操作でフリップ動作を起こさせるようにし、又、各警報回路を独立させて構成しているので、警報ユニットを当該有接点のアナンシェ−タリレ−を用いた場合よりも安価に構成できる。又、従来のアナンシェ−タリレ−のように、その有接点のリレ−が自己保持状態にあって、新たな故障に対する警報が出力されないということを回避できる。
【0015】
本発明の警報装置ユニット1では、例えば4回路で構成された第一警報、第二警報、第三警報及び第四警報からなる複数の警報入力がそれぞれ入力部(TB1)100に入力され、CPU(中央演算処理装置)103を経由して、出力部(TB2)105から第一警報、第二警報、第三警報及び第四警報からなる複数の警報入力がそれぞれ独立して出力される。出力部(TB2)105からは、一括警報信号も出力され、又、ブザ−信号が出力される。
【0016】
図2は、当該警報装置ユニットの結線図であり、又、図3は、同内部結線図である。
図2及び図3に示すように、制御基板Cの警報接点1のP1−S1、P4−S4、警報接点2のP2−S2、P4−S4、警報接点3のP3−S3、P4−S4及び警報接点4のP4−S4、P4−S4は、それぞれa接点で構成されている。一括警報端子のA1−A2からは、警報が重複したときの一括警報が出力される。警報ランプL1、警報ランプL2、警報ランプL3及び警報ランプL4は、第一警報、第二警報、第三警報及び第四警報からなる複数の警報の各々に対応して状態表示を行う。制御基板には、警報ブザ−BZが電気的に接続され、又、そのブザ−停止(PB)釦RSTが電気的に接続されている。更に、制御基板Cには、警報リセット(R)釦RSTが電気的に接続されている。
【0017】
図4の当該警報装置ユニットのタイムチャ−ト図に基づいて動作を説明する。
単独警報例えば警報接点1のP1−S1から入力1があると、当該a接点入力に対応して、前記の図1に示すように、CPU(中央演算処理装置)103の制御により、表示1L1の有電圧信号がフリッカ出力する。図示のように、当該表示の点滅点灯と共に、ブザ−BZもフリッカ鳴動する。ブザ−停止(BZ停止)により、ブザ−が停止し、当該表示1L1の表示が、点滅点灯から連続点灯(全灯)になる。フリッカ動作は、表示、ブザ−共同時動作で例えば0.5秒サイクルである。P1−S1が表示1L1に対応しているように、他、P1−S2が表示2L2に、P3−S3が表示3L3に、P4−S4が表示4L4にそれぞれ対応している。従って、図示が省略されているが、P1−S1からの入力と同様に作用する。
重複警報の場合、最初の警報入力例えば入力3が有ったときには、図示のように、表示3が点滅点灯する。前記の図1に示すように、CPU(中央演算処理装置)103の制御により、当該表示3の点滅点灯と共に、ブザ−BZもフリッカ鳴動する。ブザ−停止(BZ停止)により、ブザ−が停止し、当該表示3L3の表示が、点滅点灯から連続点灯(全灯)になっているときに、別の新たな警報が入力4されてきたときに、当該入力4に応じた表示4L4が点滅点灯する。ブザ−BZも、表示4L4の点滅点灯と共に、フリッカ鳴動する。ブザ−停止(BZ停止)により、表示4L4は、点滅点灯から連続点灯に変わる。ブザ−停止(BZ停止)により、ブザ−は少し鳴動して停止する。
A1−A2端子からは、当該入力3及び入力4が一括警報される。
【0018】
図5の当該警報装置ユニットのタイムチャ−ト図に基づいて警報停止、不使用の場合の動作を説明する。
前記図4の単独警報例えば警報接点1のP1−S1から入力1があり、当該a接点入力に対応して、前記の図1に示すように、CPU(中央演算処理装置)103の制御により、表示1L1の有電圧信号がフリッカ出力して当該表示の点滅点灯し、それと共に、ブザ−BZもフリッカ鳴動する。ブザ−停止(BZ停止)により、ブザ−が停止し、当該表示1L1の表示が、点滅点灯から連続点灯(全灯)になっていて、警報停止Rし、不使用としたときに、図5に示すように、入力3が警報接点3のP3−S3から入力されてきたときには、当該入力3に応じた表示3L3が点滅点灯し、ブザ−BZも、当該表示3の点滅点灯と共に、フリッカ鳴動する。ブザ−停止(BZ停止)により、表示3L3は、点滅点灯から連続点灯に変わる。その後、新たな入力4があった時には、その他、図4の重複警報の場合と同様に動作する。又、再び、警報停止Rを掛けたときにも、前記したように、各入力1,2,3,4に応じて表示1,2,3,4がなされる。
【0019】
本発明の警報装置ユニットにおける警報の出力に際しての警報の鳴動の継続時間の設定について、図6のフロチャ−ト図に基づいて更に説明する。
警報入力があると(S1)、ディップスイッチの操作により、例えば、10分、30秒及び10秒のように、警報をどの位の時間鳴動させるかを予め設定(調節)されているか否かを判定し(S2)、当該設定(調節)されているときには、その設定された警報鳴動継続時間が、CPU(中央演算処理装置)の記憶装置に記録され(S3)、タイマ−と設定時間との演算処理により(S4)、設定時間になったときには、警報ブザ−の鳴動を停止する(S5)。
前記の設定が無いときには、その警報ブザ−の鳴動を保持し(S6)、ブザ−停止や警報停止Rがあったときには、警報ブザ−の鳴動を停止する(S7)。
【0020】
図7、図8、図9、図10及び図11に基づいて本発明の警報装置ユニットの機械的な構成を説明する。
本発明の警報装置ユニット1は、制御基板Cとその下部の当該警報装置ユニット1を警報装置2のレ−ル部200に取付けできるように取付部106とを備えてなる。当該取付部106は、例えば、図示のように、ネジ107により、当該制御基板Cの底部に付設される。
当該取付部106には、当該警報装置2のレ−ル部200に取付けできるように、2箇所に切欠部1060を有し、図10に示すように、当該左右の切欠部1060を当該レ−ル部200に嵌合して、当該レ−ル部200上を移送して、当該当該警報装置ユニット1を警報装置2のレ−ル部200に取付けする。当該警報装置ユニット1を警報装置2の内部に取付けする場合、従来は、ネジ締めを行っていたが、取付が厄介で、時間も要するものであったが、本発明に依れば、簡単に短時間で当該警報装置ユニット1を警報装置2の内部に取付けすることができるようになった。
【0021】
当該警報装置ユニット1を構成する制御基板Cは、前記ディップスイッチ(DS1,DS2)101,102、CPU(中央演算処理装置)103、接続端子108、109等が搭載され、配線の敷設などで半導体回路配置装置を形成している。
【0022】
当該警報装置ユニット1の取付部106を取付けする警報装置2のレ−ル部200は、例えば、図9、図10及び図11に示されるように、断面コ字状に構成され、当該レ−ル部200の左右の上部突出部2001に、前記のように、当該警報装置ユニット1の取付部106の2箇所の切欠部1060を嵌合して、当該レ−ル部200上を移送すると、簡単に当該当該警報装置ユニット1を警報装置2のレ−ル部200に取付けすることができるようになっている。
【0023】
当該警報装置ユニット1には、図7に示すように、保護カバ−110を備えてなる。当該警報装置ユニット1における当該制御基板Cの表面が、外部にさらされていると、感電等で危険でもあり、当該警報装置ユニット1の故障の一因にもなったりするが、当該保護カバ−110により、それらの危険や故障を避けることができる。又、一旦設定した前記ディップスイッチ(DS1,DS2)101,102をいじられて、警報に誤動作を生じないようにすることもできる。保護カバ−110は、内部が見えるように透明板で構成するとよい。
【0024】
本発明の警報装置ユニット1は、図12に示すように、その取付部106を警報装置2に敷設されたレ−ル部200に前記のように取付けし、当該警報装置ユニット1を作動させるバッテリ−ユニット201、警報のブザ−を鳴動させるブザ−部202、警報の状他表示を例えば光の点滅点灯で表示する状態表示部203及び操作スイッチ部204を備設することにより、当該警報装置2を構成することができる。
当該警報装置の操作スイッチ部204は、スイッチング機能を有するものであればよく、押釦などでも構成することができる。当該状態表示部203は、例えば、光表示灯などで構成される。
図12に示すように、当該状態表示部203に加えて、前記一括警報の集合表示部205を備えさせてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0025】
本発明は、複数の警報入力に応じて警報報知を行う場合の各種用途に用いることが出来るが、プラント制御・監視の分野で、複数の故障が発生した場合に、警報を発すると共に、異常状態を表示して故障警報を行うようなに有用である。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の実施例を示す警報装置ユニットのブロックダイアグラム図である。
【図2】本発明の実施例を示す警報装置ユニットの結線図である。
【図3】本発明の実施例を示す警報装置ユニットの内部結線図である。
【図4】本発明の実施例を示す警報装置ユニットのタイムチャ−ト図である。
【図5】本発明の他の実施例を示す警報装置ユニットのタイムチャ−ト図である。
【図6】本発明の実施例を示す警報装置ユニットのフロチャ−ト図である。
【図7】本発明の実施例を示す警報装置ユニットの側面図である。
【図8】本発明の実施例を示す警報装置ユニットの立体構成図である。
【図9】本発明の実施例を示す警報装置ユニット及びレ−ル部の断面図である。
【図10】本発明の実施例を示す警報装置ユニットを警報装置のレ−ル部へ取付後の断面図である。
【図11】本発明の実施例を示すレ−ル部の構成図である。
【図12】本発明の実施例を示す警報装置の構成図である。
【図13】従来例の有接点のアナンシェ−タリレ−を用いた警報装置の構成図である。
【図14】従来例の有接点のアナンシェ−タリレ−を用いた警報装置の動作説明用のタイムチャ−ト図である。
【符号の説明】
【0027】
1 警報ユニット
2 警報装置
101 ディップスイッチ
102 ディップスイッチ
106 取付部
106 取付部
110 保護カバ−
2 警報装置
200 レ−ル部
201 バッテリ−ユニット部
202 ブザ−部
203 表示部
204 スイッチ部
C 制御基板
【技術分野】
【0001】
本発明は、警報装置ユニット及びそれを用いた警報装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
複数の警報入力に応じて警報報知を行う警報装置は、各種の用途に用いられ、例えば、プラント制御・監視の分野で、複数の故障が発生した場合に、警報を発すると共に、異常状態を表示して故障警報を行うような場合や、貯水漕に蓄えられた水量などを液面センサなどのセンサ(感知器なども含む)を用いて検知し、水の貯水状態などの複数の何等かの異常が発生した場合に、警報を発すると共に、異常状態を表示したりする場合や、ショ−ケ−スの温度等の複数の監視項目を監視する場合等で使用される。
【0003】
当該警報(ブザ−)の鳴動により上記のような故障などの存在を知り得るのであるが、長時間に渡って鳴動しても、無駄で近隣に迷惑を掛けたりするし、逆に短か過ぎても、故障が発生しているのに、故障を見逃してしまったりする等で、当該警報ブザ−の出力に際して警報ブザ−を鳴動させる継続時間を設定可能としておくことが好ましい。
【0004】
当該複数の警報入力に応じて警報報知を行う警報装置にあっては、従来有接点のアナンシェ−タリレ−を用いた警報装置がある。
図13はアナンシェ−タリレ−を用いた従来の故障警報・表示回路の構成図で、図14は図13の動作説明用のタイムチャ−トである。
図13において、1〜Nは夫々一括故障としての故障入力信号(単に故障又は故障入力ともいう)、又、131(131−1〜131−n)は一括故障131に属する下位の複数の故障入力信号である。例えば一括故障をボンプ故障とした場合、このポンプの軸受温度異常信号や巻線温度異常信号などがその下位の故障入力信号となる。又、図13において、AR(AR1〜ARN)は夫々一括故障131…Nの別の設けられたアナンシェ−タリレ−、LP(LP1〜LPN)は夫々このアナンシェ−タリレ−AR1〜ARNごとに設けられた一括故障の表示灯、BZはリレ−AR1〜ARNに共通に設けられた警報用のブザ−、FLは同じくリレ−AR1〜ARNに共通に設けられた表示灯LPの点滅用のフリッカリレ−、LOは異常監視員等が操作するスイッチとしての表示復帰釦、BSは同じく警報停止釦、LTは同じくランプテスト釦である。尚、PCはリレ−用直流電源の正極ライン、NCは同じく負極ライン、PLはランプ用直流電源の正極ライン、NLは同じく負極ラインである。
次に、図14を参照しつつ、図13の動作をアナンシェ−タリレ−AR1の回路を例にとって説明する。アナンシェ−タリレ−AR1内のリレ−Yは常時(即ち、故障入力がなくリレ−Xの消勢,待機状態)には付勢されており、そのa接点はオン状態にあり、c接点はa側にある。ここで故障入力信号1−1〜1−nの何れかが入力(接点オン)すると、故障入力信号の保持用のリレ−Xが付勢され、そのa接点Xaがオンしてリレ−Xは自己保持状態となり、又、リレ−Xの、2つのc接点はa側となる。尚、このときリレ−Yはそのa接点により自己保持したままの状態にある。これによりアナンシェ−タリレ−AR1の7番端子には、警報停止釦BSの接点を介してリレ−用電源PCが印加され、ブザ−BZが警報を発生し、フリッカリレ−FLはその接点FLaを所定周期で断続する。一方、このとき表示灯LP1はこの接点FLaとリレ−X,Yの夫々のc接点を介してランプ用電源PLと接続される構成となるため接点FLaのオン/オフに合わせて点滅(フリッカ)し警報表示する。
次に監視員が警報停止釦BSを押すと、リレ−Yは消勢され、7番端子のリレ−用電源PCをオフすることで、ブザ−BZ及びフリッカリレ−FLをオフする。しかしこのとき表示灯LP1はランプ用電源PLからフリッカリレ−接点FLaを介することなく点灯される接続構成となり、連続点灯状態になる。次に監視員が表示復帰釦LOを押すと、このとき故障入力131−1〜131−nが何れも存在しない(オフ)ならば、リレ−Xは消勢され、表示灯LP1で消灯すると共に、リレ−Yが付勢され待機状態に戻る。
しかしながら、図13の故障警報・表示回路においては、例えば一括故障信号131の下位の故障信号131−1の入力後、この信号131−1が消滅(接点オフ)し、次に別の故障信号131−nが入力されたとしても、この間に表示復帰釦LOが押されていない限り、故障入力信号を保持するリレ−Xが自己保持状態にあり、この新たな故障に対する警報は出力されない。即ち、図13の回路では、最初に発生した故障に対しては警報・表示を行うことができるが、最初の故障が復旧する前に、他の故障が発生した場合は警報・表示を行うことができないため、独立した警報・表示が必要な区分毎の故障入力に対しては夫々独立にアナンシェ−タリレ−を設けなければならず、故障警報・表示回路がコスト高になるという問題があった。
【0005】
当該複数の警報入力に応じて警報報知を行う警報装置にあっては、従来、出力回路に短絡が起こった時には、その出力回路が短絡した影響が他の回路にも波及して警報装置全体が機能しなくなるような場合もあった。
【0006】
当該警報装置の組立に際しては、従来、制御基板に半導体回路装置等を搭載した警報ユニットを、ボックス内にネジ等で取付けていたが、取付が厄介で、時間も要するものであった。又、当該制御基板の表面は裸であったりしていたので、危険でもあり、故障の一因にもなっていた。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記従来技術の有する欠点を解消することの出来る技術を提供することを目的としたものである。
本発明の他の目的や新規な特徴については本件明細書及び図面の記載からも明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の特許請求の範囲は、次の通りである。
(請求項1) 第一警報、第二警報等複数の警報入力手段と、当該個々の第一警報、第二警報等複数の警報入力に応じて各々独立して警報出力する出力手段と、当該警報の出力に際して警報を鳴動させる継続時間を設定可能な警報鳴動継続時間設定手段と、前記警報出力のブザ−及び状態表示をフリッカ動作させることのできるフリッカ手段と、前記複数の警報入力に応じて各々独立して警報出力する1回路毎に当該ブザ−と状態表示とを切替えることのできる切替手段と、警報入力により前記ブザ−及び状態表示により警報出力している際中に、別の新たな警報が入力されてきたときに、当該別の新たな当該ブザ−及び状態表示よりなる警報をも一括して出力可能とする一括警報出力手段とを備えてなることを特徴とする警報装置ユニット。
(請求項2) 警報鳴動継続時間設定手段が、ディップスイッチの操作により行われるようになっていることを特徴とする、請求項1に記載された警報装置ユニット。
(請求項3) 警報出力する1回路毎にブザ−と状態表示とを切替えることのできる切替手段が、ディップスイッチの操作により行われるようになっていることを特徴とする、請求項1又は2に記載された警報装置ユニット。
(請求項4) 請求項1に記載された警報装置ユニットと、当該警報装置ユニットの警報装置への取付け手段であるレ−ル部と、当該警報装置ユニットを作動させるバッテリ−ユニットと、状態表示部と、ブザ−部と、操作スイッチ部とを備えてなり、当該警報装置ユニットは前記レ−ル部に取付けできるように取付部を有してなることを特徴とする警報装置。
(請求項5) 警報装置ユニットは、保護カバ−を備えてなることを特徴とする、請求項4に記載された警報装置。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、その警報装置ユニットは、警報の出力に際して警報を鳴動させる継続時間を設定可能な警報鳴動継続時間設定手段が設けられており、例えば、当該警報鳴動継続時間設定手段を構成するディップスイッチを操作することにより、例えば、10分、30秒及び10秒のように、その警報をどの位の時間鳴動させるかを予め設定(調節)しておけるので、長時間に渡って鳴動して近隣に迷惑を掛けたりすることがないし、適宜時間継続してブザ−が鳴動するので、故障を見逃してしまったりすることがなく、又、当該継続時間の種類により、故障の種類を判別することもできる。
本発明によれば、その警報装置ユニットは、第一警報、第二警報等複数の警報入力手段とそれら出力手段との回路が1回路毎に独立しており、当該個々の第一警報、第二警報等複数の警報入力に応じて各々独立して警報出力することができる。例えば光表示灯による状態表示が、個々の第一警報、第二警報等複数の警報入力に応じて各々独立して表示出力される。
本発明によれば、その警報装置ユニットは、警報出力のブザ−及び状態表示をフリッカ動作させることのできるパソコン操作によるフリッカ手段を備えているので、状態表示が例えば点滅点灯のフリッカ動作をすると共に、ブザ−もフリッカ動作によりフリッカ鳴動することができる。
本発明によれば、その警報装置ユニットは、最初の警報入力によりブザ−及び状態表示の警報出力をしている際中に、別の新たな警報が入力されてきたときに、従来のアナンシェ−タリレ−では、最初の故障が復旧する前に、他の故障が発生した場合は警報・表示を行うことができなかったが、本発明の警報装置ユニットによれば、その警報装置ユニットは、第一警報、第二警報等複数の警報入力手段とそれら出力手段との回路が1回路毎に独立しており、当該個々の第一警報、第二警報等複数の警報入力に応じて各々独立して警報出力することができ、最初の警報入力によりブザ−及び状態表示により警報出力している際中に、別の新たな警報が入力されてきても、当該最初の警報を保持しつつ別の新たな当該ブザ−及び状態表示よりなる警報をも一括して出力可能とする一括警報出力手段を備えてなり、当該一括警報出力は、パソコン操作に依るので、従来のアナンシェ−タリレ−のように、その有接点のリレ−が自己保持状態にあって、新たな故障に対する警報が出力されないということを回避できる。
本発明によれば、その警報装置ユニットは、複数の警報入力に応じて各々独立して警報出力する1回路毎に当該ブザ−と状態表示とを切替えることのできる切替手段、例えば、前記したディップスイッチの操作により行われるようになっているので、当該ディップスイッチの操作により、各回路について警報保持から状態表示への切替が可能である。
本発明によれば、その警報装置ユニットは、上記のように、1回路毎に独立し、各々警報入力がされ、ブザ−及び状態表示の警報出力がなされるので、従来例の複数の警報入力に応じて警報報知を行う警報装置にあっては、出力回路に短絡が起こった時には、その出力回路が短絡した影響が他の回路にも波及して警報装置全体が機能しなくなるような場合があったが、本発明では、これを回避できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
図1に、本発明の警報装置ユニットのブロックダイアグラム図を示す。
当該警報装置ユニット1は、その一例として、4回路で構成された例を示す。
第一警報、第二警報、第三警報及び第四警報からなる複数の警報入力が、それぞれ入力部(TB1)100に入力されるようになっている。入力部100は、例えば、圧着端子の接続端子で構成され、例えば、プラント制御・監視の分野で、複数の故障が発生した場合に、複数のそれぞれに応じた警報ブザ−を発すると共に、異常状態を表示して故障警報を行うような場合に、各検知部(センサ部)と接続される。
当該入力部(TB1)100には、ブザ−停止入力信号が入力されるようになっていて、後述のように、当該警報装置ユニット1を内蔵した警報装置の外部のブザ−停止釦を押すことにより、当該ブザ−停止入力信号が当該入力部(TB1)100に入力されて、必要に応じてブザ−の鳴動を停止できる。
当該入力部(TB1)100には、警報停止(状態表示停止)入力信号も入力されるようになっていて、上記のブザ−停止釦と同様に、当該警報装置ユニットを内蔵した警報装置の外部の当該警報停止釦を押すことにより、当該警報停止入力信号が当該入力部(TB1)100に入力されて、必要に応じて状態表示を停止できる。
当該入力部(TB1)100には、ランプテスト入力信号が入力されるようになっていて、当該状態表示が適切に行われるか否かのテストをなし得る。
【0011】
ディップスイッチ(DIP switch、DS1)101は、警報の出力に際して警報を鳴動させる継続時間を設定可能な警報鳴動継続時間設定手段として使用することができる。
当該ディップスイッチ(DS1)101を操作することにより、例えば、10分、30秒及び10秒のように、その警報をどの位の時間鳴動させるかを予め設定(調節)しておける。
当該ディップスイッチ(DS1)101は、スィッチの形状として、そのスィッチを押し下げる形のロッカ−形や左右にスライドさせるスライディング形等により構成され、ペン先などでオン・オフの切替が可能である。
当該ディップスイッチ(DS1)101は、制御基板(CPU)に実装することもできる。
当該警報鳴動継続時間設定手段として、ジャンパスイッチ等も使用することができる。
当該ディップスイッチ(DS1)101により、警報をどの位の時間鳴動させるかを予め設定(調節)しておけるので、長時間に渡って鳴動して近隣に迷惑を掛けたりすることがないし、適宜時間継続してブザ−が鳴動するので、故障を見逃してしまったりすることがなく、又、当該継続時間の種類により、故障の種類を判別することもできる。
【0012】
ディップスイッチ(DS2)102は、第一警報、第二警報、第三警報及び第四警報からなる複数の警報について、それらの各々の第一警報、第二警報、第三警報及び第四警報を、警報ブザ−を鳴動させるか状態表示にさせるかの切り替えできるようになっている。
【0013】
当該警報装置ユニット1のCPU(中央演算処理装置)103には、上記した第一警報、第二警報、第三警報及び第四警報からなる複数の警報入力が、それぞれ入力部(TB1)100を介して入力され、又、ディップスイッチ(DS1)101からは、設定された警報の出力に際しての警報を鳴動させる継続時間が入力され、更に、ディップスイッチ(DS2)102からは、第一警報、第二警報、第三警報及び第四警報からなる複数の警報の各々について、その選択に応じて第一警報、第二警報、第三警報及び第四警報を、警報ブザ−を鳴動させるか状態表示にさせるかを切替信号が入力される。
【0014】
当該警報装置ユニット1には、フリッカ回路104を備える。当該フリッカ回路については、前記では、有接点のアナンシェ−タリレ−を用い、当該リレ−の付勢保持でフリッカリレ−FLについてその接点FLaを所定周期で断続させてフリッカ動作を起こさせるようにしていたが、本発明では、当該CPU(中央演算処理装置)103で当該フリッカ動作を起こさせるようにしており、当該フリッカ回路104をリレ−によらずに、フリップ、フロップのロジック回路により構成する。図示では、当該フリッカ回路104をCPU(中央演算処理装置)103とは別個にしているが、当該フリッカ回路104をCPU(中央演算処理装置)103に内蔵させてもよい。本発明では、当該有接点のアナンシェ−タリレ−を用いず、パソコン操作でフリップ動作を起こさせるようにし、又、各警報回路を独立させて構成しているので、警報ユニットを当該有接点のアナンシェ−タリレ−を用いた場合よりも安価に構成できる。又、従来のアナンシェ−タリレ−のように、その有接点のリレ−が自己保持状態にあって、新たな故障に対する警報が出力されないということを回避できる。
【0015】
本発明の警報装置ユニット1では、例えば4回路で構成された第一警報、第二警報、第三警報及び第四警報からなる複数の警報入力がそれぞれ入力部(TB1)100に入力され、CPU(中央演算処理装置)103を経由して、出力部(TB2)105から第一警報、第二警報、第三警報及び第四警報からなる複数の警報入力がそれぞれ独立して出力される。出力部(TB2)105からは、一括警報信号も出力され、又、ブザ−信号が出力される。
【0016】
図2は、当該警報装置ユニットの結線図であり、又、図3は、同内部結線図である。
図2及び図3に示すように、制御基板Cの警報接点1のP1−S1、P4−S4、警報接点2のP2−S2、P4−S4、警報接点3のP3−S3、P4−S4及び警報接点4のP4−S4、P4−S4は、それぞれa接点で構成されている。一括警報端子のA1−A2からは、警報が重複したときの一括警報が出力される。警報ランプL1、警報ランプL2、警報ランプL3及び警報ランプL4は、第一警報、第二警報、第三警報及び第四警報からなる複数の警報の各々に対応して状態表示を行う。制御基板には、警報ブザ−BZが電気的に接続され、又、そのブザ−停止(PB)釦RSTが電気的に接続されている。更に、制御基板Cには、警報リセット(R)釦RSTが電気的に接続されている。
【0017】
図4の当該警報装置ユニットのタイムチャ−ト図に基づいて動作を説明する。
単独警報例えば警報接点1のP1−S1から入力1があると、当該a接点入力に対応して、前記の図1に示すように、CPU(中央演算処理装置)103の制御により、表示1L1の有電圧信号がフリッカ出力する。図示のように、当該表示の点滅点灯と共に、ブザ−BZもフリッカ鳴動する。ブザ−停止(BZ停止)により、ブザ−が停止し、当該表示1L1の表示が、点滅点灯から連続点灯(全灯)になる。フリッカ動作は、表示、ブザ−共同時動作で例えば0.5秒サイクルである。P1−S1が表示1L1に対応しているように、他、P1−S2が表示2L2に、P3−S3が表示3L3に、P4−S4が表示4L4にそれぞれ対応している。従って、図示が省略されているが、P1−S1からの入力と同様に作用する。
重複警報の場合、最初の警報入力例えば入力3が有ったときには、図示のように、表示3が点滅点灯する。前記の図1に示すように、CPU(中央演算処理装置)103の制御により、当該表示3の点滅点灯と共に、ブザ−BZもフリッカ鳴動する。ブザ−停止(BZ停止)により、ブザ−が停止し、当該表示3L3の表示が、点滅点灯から連続点灯(全灯)になっているときに、別の新たな警報が入力4されてきたときに、当該入力4に応じた表示4L4が点滅点灯する。ブザ−BZも、表示4L4の点滅点灯と共に、フリッカ鳴動する。ブザ−停止(BZ停止)により、表示4L4は、点滅点灯から連続点灯に変わる。ブザ−停止(BZ停止)により、ブザ−は少し鳴動して停止する。
A1−A2端子からは、当該入力3及び入力4が一括警報される。
【0018】
図5の当該警報装置ユニットのタイムチャ−ト図に基づいて警報停止、不使用の場合の動作を説明する。
前記図4の単独警報例えば警報接点1のP1−S1から入力1があり、当該a接点入力に対応して、前記の図1に示すように、CPU(中央演算処理装置)103の制御により、表示1L1の有電圧信号がフリッカ出力して当該表示の点滅点灯し、それと共に、ブザ−BZもフリッカ鳴動する。ブザ−停止(BZ停止)により、ブザ−が停止し、当該表示1L1の表示が、点滅点灯から連続点灯(全灯)になっていて、警報停止Rし、不使用としたときに、図5に示すように、入力3が警報接点3のP3−S3から入力されてきたときには、当該入力3に応じた表示3L3が点滅点灯し、ブザ−BZも、当該表示3の点滅点灯と共に、フリッカ鳴動する。ブザ−停止(BZ停止)により、表示3L3は、点滅点灯から連続点灯に変わる。その後、新たな入力4があった時には、その他、図4の重複警報の場合と同様に動作する。又、再び、警報停止Rを掛けたときにも、前記したように、各入力1,2,3,4に応じて表示1,2,3,4がなされる。
【0019】
本発明の警報装置ユニットにおける警報の出力に際しての警報の鳴動の継続時間の設定について、図6のフロチャ−ト図に基づいて更に説明する。
警報入力があると(S1)、ディップスイッチの操作により、例えば、10分、30秒及び10秒のように、警報をどの位の時間鳴動させるかを予め設定(調節)されているか否かを判定し(S2)、当該設定(調節)されているときには、その設定された警報鳴動継続時間が、CPU(中央演算処理装置)の記憶装置に記録され(S3)、タイマ−と設定時間との演算処理により(S4)、設定時間になったときには、警報ブザ−の鳴動を停止する(S5)。
前記の設定が無いときには、その警報ブザ−の鳴動を保持し(S6)、ブザ−停止や警報停止Rがあったときには、警報ブザ−の鳴動を停止する(S7)。
【0020】
図7、図8、図9、図10及び図11に基づいて本発明の警報装置ユニットの機械的な構成を説明する。
本発明の警報装置ユニット1は、制御基板Cとその下部の当該警報装置ユニット1を警報装置2のレ−ル部200に取付けできるように取付部106とを備えてなる。当該取付部106は、例えば、図示のように、ネジ107により、当該制御基板Cの底部に付設される。
当該取付部106には、当該警報装置2のレ−ル部200に取付けできるように、2箇所に切欠部1060を有し、図10に示すように、当該左右の切欠部1060を当該レ−ル部200に嵌合して、当該レ−ル部200上を移送して、当該当該警報装置ユニット1を警報装置2のレ−ル部200に取付けする。当該警報装置ユニット1を警報装置2の内部に取付けする場合、従来は、ネジ締めを行っていたが、取付が厄介で、時間も要するものであったが、本発明に依れば、簡単に短時間で当該警報装置ユニット1を警報装置2の内部に取付けすることができるようになった。
【0021】
当該警報装置ユニット1を構成する制御基板Cは、前記ディップスイッチ(DS1,DS2)101,102、CPU(中央演算処理装置)103、接続端子108、109等が搭載され、配線の敷設などで半導体回路配置装置を形成している。
【0022】
当該警報装置ユニット1の取付部106を取付けする警報装置2のレ−ル部200は、例えば、図9、図10及び図11に示されるように、断面コ字状に構成され、当該レ−ル部200の左右の上部突出部2001に、前記のように、当該警報装置ユニット1の取付部106の2箇所の切欠部1060を嵌合して、当該レ−ル部200上を移送すると、簡単に当該当該警報装置ユニット1を警報装置2のレ−ル部200に取付けすることができるようになっている。
【0023】
当該警報装置ユニット1には、図7に示すように、保護カバ−110を備えてなる。当該警報装置ユニット1における当該制御基板Cの表面が、外部にさらされていると、感電等で危険でもあり、当該警報装置ユニット1の故障の一因にもなったりするが、当該保護カバ−110により、それらの危険や故障を避けることができる。又、一旦設定した前記ディップスイッチ(DS1,DS2)101,102をいじられて、警報に誤動作を生じないようにすることもできる。保護カバ−110は、内部が見えるように透明板で構成するとよい。
【0024】
本発明の警報装置ユニット1は、図12に示すように、その取付部106を警報装置2に敷設されたレ−ル部200に前記のように取付けし、当該警報装置ユニット1を作動させるバッテリ−ユニット201、警報のブザ−を鳴動させるブザ−部202、警報の状他表示を例えば光の点滅点灯で表示する状態表示部203及び操作スイッチ部204を備設することにより、当該警報装置2を構成することができる。
当該警報装置の操作スイッチ部204は、スイッチング機能を有するものであればよく、押釦などでも構成することができる。当該状態表示部203は、例えば、光表示灯などで構成される。
図12に示すように、当該状態表示部203に加えて、前記一括警報の集合表示部205を備えさせてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0025】
本発明は、複数の警報入力に応じて警報報知を行う場合の各種用途に用いることが出来るが、プラント制御・監視の分野で、複数の故障が発生した場合に、警報を発すると共に、異常状態を表示して故障警報を行うようなに有用である。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の実施例を示す警報装置ユニットのブロックダイアグラム図である。
【図2】本発明の実施例を示す警報装置ユニットの結線図である。
【図3】本発明の実施例を示す警報装置ユニットの内部結線図である。
【図4】本発明の実施例を示す警報装置ユニットのタイムチャ−ト図である。
【図5】本発明の他の実施例を示す警報装置ユニットのタイムチャ−ト図である。
【図6】本発明の実施例を示す警報装置ユニットのフロチャ−ト図である。
【図7】本発明の実施例を示す警報装置ユニットの側面図である。
【図8】本発明の実施例を示す警報装置ユニットの立体構成図である。
【図9】本発明の実施例を示す警報装置ユニット及びレ−ル部の断面図である。
【図10】本発明の実施例を示す警報装置ユニットを警報装置のレ−ル部へ取付後の断面図である。
【図11】本発明の実施例を示すレ−ル部の構成図である。
【図12】本発明の実施例を示す警報装置の構成図である。
【図13】従来例の有接点のアナンシェ−タリレ−を用いた警報装置の構成図である。
【図14】従来例の有接点のアナンシェ−タリレ−を用いた警報装置の動作説明用のタイムチャ−ト図である。
【符号の説明】
【0027】
1 警報ユニット
2 警報装置
101 ディップスイッチ
102 ディップスイッチ
106 取付部
106 取付部
110 保護カバ−
2 警報装置
200 レ−ル部
201 バッテリ−ユニット部
202 ブザ−部
203 表示部
204 スイッチ部
C 制御基板
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一警報、第二警報等複数の警報入力手段と、当該個々の第一警報、第二警報等複数の警報入力に応じて各々独立して警報出力する出力手段と、当該警報の出力に際して警報を鳴動させる継続時間を設定可能な警報鳴動継続時間設定手段と、前記警報出力のブザ−及び状態表示をフリッカ動作させることのできるフリッカ手段と、前記複数の警報入力に応じて各々独立して警報出力する1回路毎に当該ブザ−と状態表示とを切替えることのできる切替手段と、警報入力により前記ブザ−及び状態表示により警報出力している際中に、別の新たな警報が入力されてきたときに、当該別の新たな当該ブザ−及び状態表示よりなる警報をも一括して出力可能とする一括警報出力手段とを備えてなることを特徴とする警報装置ユニット。
【請求項2】
警報鳴動継続時間設定手段が、ディップスイッチの操作により行われるようになっていることを特徴とする、請求項1に記載された警報装置ユニット。
【請求項3】
警報出力する1回路毎にブザ−と状態表示とを切替えることのできる切替手段が、ディップスイッチの操作により行われるようになっていることを特徴とする、請求項1又は2に記載された警報装置ユニット。
【請求項4】
請求項1に記載された警報装置ユニットと、当該警報装置ユニットの警報装置への取付け手段であるレ−ル部と、当該警報装置ユニットを作動させるバッテリ−ユニットと、状態表示部と、ブザ−部と、操作スイッチ部とを備えてなり、当該警報装置ユニットは前記レ−ル部に取付けできるように取付部を有してなることを特徴とする警報装置。
【請求項5】
警報装置ユニットは、保護カバ−を備えてなることを特徴とする、請求項4に記載された警報装置。
【請求項1】
第一警報、第二警報等複数の警報入力手段と、当該個々の第一警報、第二警報等複数の警報入力に応じて各々独立して警報出力する出力手段と、当該警報の出力に際して警報を鳴動させる継続時間を設定可能な警報鳴動継続時間設定手段と、前記警報出力のブザ−及び状態表示をフリッカ動作させることのできるフリッカ手段と、前記複数の警報入力に応じて各々独立して警報出力する1回路毎に当該ブザ−と状態表示とを切替えることのできる切替手段と、警報入力により前記ブザ−及び状態表示により警報出力している際中に、別の新たな警報が入力されてきたときに、当該別の新たな当該ブザ−及び状態表示よりなる警報をも一括して出力可能とする一括警報出力手段とを備えてなることを特徴とする警報装置ユニット。
【請求項2】
警報鳴動継続時間設定手段が、ディップスイッチの操作により行われるようになっていることを特徴とする、請求項1に記載された警報装置ユニット。
【請求項3】
警報出力する1回路毎にブザ−と状態表示とを切替えることのできる切替手段が、ディップスイッチの操作により行われるようになっていることを特徴とする、請求項1又は2に記載された警報装置ユニット。
【請求項4】
請求項1に記載された警報装置ユニットと、当該警報装置ユニットの警報装置への取付け手段であるレ−ル部と、当該警報装置ユニットを作動させるバッテリ−ユニットと、状態表示部と、ブザ−部と、操作スイッチ部とを備えてなり、当該警報装置ユニットは前記レ−ル部に取付けできるように取付部を有してなることを特徴とする警報装置。
【請求項5】
警報装置ユニットは、保護カバ−を備えてなることを特徴とする、請求項4に記載された警報装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2010−267125(P2010−267125A)
【公開日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−118741(P2009−118741)
【出願日】平成21年5月15日(2009.5.15)
【出願人】(504190537)千葉電機株式会社 (2)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年5月15日(2009.5.15)
【出願人】(504190537)千葉電機株式会社 (2)
【Fターム(参考)】
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