説明

豆類ソースの冷凍品

【課題】 優れた食品素材である豆類を配合したスパイシーな香りとコクを有する豆類ソースの冷凍品を提供する。
【解決手段】 製品に対する目開き11.2mmパス〜目開き2.8mmオンの範囲に含まれる大きさにカットした豆類の配合割合を20〜60%とし、唐辛子および酒石酸を配合されている豆類ソースの冷凍品。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特定の大きさにカットした豆類を特定割合配合したスパイシーな香りとコクを有する豆類ソースの冷凍品に関する。詳しくは、製品に対する目開き11.2mmパス〜目開き2.8mmオンの範囲に含まれる大きさにカットした豆類の配合割合を20〜60%とし、唐辛子および酒石酸を配合することにより、スパイシーな香りとコクを有する豆類ソースの冷凍品に関する。
【背景技術】
【0002】
豆類は、イソフラボン、サポニン、レシチン及びペプチド等の成分に加えて、蛋白質、ビタミンB群、カルシウム、食物繊維等が多く含まれており、優れた食品素材であるといわれている。例えば、イソフラボンは、女性ホルモンに似た作用を有しており、体内のカルシウムの溶出損失を抑制し、骨粗しょう症の予防に有効であることが注目されており、さらに、更年期障害や癌に対しても改善効果や予防効果があると考えられている。また、サポニン、レシチン及びペプチドは、コレステロールの低減効果や抗酸化作用等を有し、生活習慣病の予防に効果があるとして注目されている。
【0003】
競争の激しい食品業界において、他との差別化を図るために特徴のあるソースが要求されている。そこで、本発明者は、優れた食品素材である豆類に着目し、豆類を主原料とするスパイシーな豆類ソースを検討した。
【0004】
豆類を主原料とする豆類ソースしては、例えば、特許第3497838号公報(特許文献1)には、豆カレーが記載されている。しかしながら、特許文献1に記載されているように、豆類を配合すると豆類によるマスキング効果により、ソースのコクや香りが弱くなる傾向があり、豆類を主原料とする豆類ソースにおいてスパイシーな香りとコクを有するのは困難であった。
【0005】
【特許文献1】特許第3497838号公報
【0006】
また、豆類を主原料とする豆類ソースは、通常、長期保存を目的として、或いは、消費者に供されるまでの流通過程において、冷凍条件下で保存されているのが一般的である。ところが、このように冷凍保存された豆類ソースは、冷凍保存中にさらに香りとコクが弱くなりやすく、スパイシーな香りとコクを有するのは、非常に困難であった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、優れた食品素材である豆類を配合したスパイシーな香りとコクを有する豆類ソースの冷凍品を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明者は、まず豆類を配合して冷凍保存することによる豆類ソースの冷凍品のスパイシーな香りやコクの低下を補うために、唐辛子の配合割合を増やした豆類ソースの冷凍品を試作してみたが、単に唐辛子の配合割合を増やしただけでは、唐辛子の辛味ばかりが強く感じてしまい、スパイシーな香りとコクを有する豆類ソースの冷凍品にはならなかった。
【0009】
そこで、本発明者は、上記目的を達成すべく配合原料に関し鋭意研究を重ねた結果、特定の大きさにカットした豆類を特定の割合で配合し、唐辛子および酒石酸を配合するならば、意外にも、冷凍保存したにもかかわらず、スパイシーな香りとコクを有する豆類ソースの冷凍品になることを見出し、遂に本発明を完成するに至った。
【0010】
すなわち、本発明は、
(1)製品に対する目開き11.2mmパス〜目開き2.8mmオンの範囲に含まれる大きさにカットした豆類の配合割合を20〜60%とし、唐辛子および酒石酸を配合してなる豆類ソースの冷凍品、
(2)唐辛子の配合割合が、製品に対して0.05〜5%である(1)の豆類ソースの冷凍品、
(3)酒石酸の配合割合が、製品に対して0.001〜0.5%である(1)または(2)の豆類ソースの冷凍品、
(4)カットした豆類が、いんげん豆、ひよこ豆、大豆、えんどう豆から選択された1種または2種以上の豆類である(1)乃至(3)のいずれかの豆類ソースの冷凍品、
である。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、優れた食品素材である豆類を配合した豆類ソースの冷凍品において、スパイシーな香りとコクを有することが可能であることから、豆類の新たな用途の拡大および豆類ソースの冷凍品の新たな需要の拡大が期待される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下本発明を詳細に説明する。なお、本発明において「%」は「質量%」を意味する。
【0013】
本発明の豆類ソースの冷凍品は、特定の大きさにカットした豆類を特定の割合で配合し、唐辛子および酒石酸を配合することにより、豆類を配合し、冷凍保存することで生じる豆類ソースの冷凍品のスパイシーな香りやコクが低下するという課題を改善し、スパイシーな香りとコクを有する豆類ソースの冷凍品を得ることができる。
【0014】
本発明の豆類とは、マメ科植物の種子のうち食用に供されるものの総称であり、例えば、白いんげん豆、赤いんげん豆、金時豆、黒いんげん豆等のいんげん豆、ひよこ豆、大豆、えんどう豆、グリーンピース、そら豆等が挙げられる。これらの豆のなかでも、いんげん豆、ひよこ豆、大豆、えんどう豆は、本発明の効果が発現し易く好適である。
【0015】
前記豆類は、生原料をそのまま、乾燥品、レトルト品、冷凍品等のいずれでもよいが、原料の取り扱いやすさや豆類のくずれにくさから、乾燥品を使うのが好ましい。乾燥品の戻し工程は、まず10〜35℃の水に6〜24時間浸漬処理させた後、80〜100℃の湯で5分〜1時間ボイル処理することが好ましい。前述した乾燥品の戻し工程を行うことにより、豆類の歩留まりは200〜250%となる。一方、乾燥品の戻し工程のうち、浸漬処理を行わずにボイル処理を行ったものを用いたり、あるいは、浸漬処理後にボイル処理を行わずにソースを作る加熱工程で豆類を戻すと、スパイシーな香りは有するがコクは有しにくくなる場合があり好ましくない。
【0016】
前記豆類を、目開き11.2mmパス〜目開き2.8mmオンの範囲に含まれる大きさにカットする。豆類の大きさが前記範囲よりも大きいと、コクは有するがスパイシーな香りは有しにくく、一方、豆類の大きさが前記範囲より小さいと、スパイシーな香りは有するがコクは有しにくい。なお、当該豆類を上述した大きさに処理するに当たっては、ダイサー、スライサー、くし刃カッター等を適宜選択し、截断すればよい。
【0017】
前記目開き11.2mmパス〜目開き2.8mmオンの範囲に含まれる大きさにカットした豆類の配合割合は、製品に対して20〜60%であり、好ましくは30〜55%である。特定の大きさにカットした豆類の配合割合が前記範囲より少ないと、コクは有するがスパイシーな香りは有しにくい、スパイシーな香りは有するがコクは有しにくい、または豆類を味わいにくく豆類ソースとは言い難いもののいずれかであり、不適である。一方、豆類全体の配合割合が前記範囲より多いと、豆類が多くなりすぎて、ソースとしての風味のバランスが悪くなるので不適である。
【0018】
また、前記特定の大きさにカットした豆類も含めた豆類全体の配合割合は特に規定していないが、好ましくは20〜60%であり、より好ましくは30〜55%である。前記特定の大きさにカットした豆類も含めた豆類全体の配合割合が前記範囲より少ないと、豆類を味わいにくく豆類ソースとは言いがたいものとなり、好ましくない。一方、前記特定の大きさを有した豆類も含めた豆類全体の配合割合が前記範囲より多いと、豆類が多くなりすぎて、ソースとしての風味のバランスが悪くなり好ましくない。
【0019】
本発明で用いる唐辛子とは、ナス科の植物のことであり、青唐辛子、赤唐辛子(レッドペパー)のいずれでもよい。その品種は特に限定するものではなく、いずれのものでもよいが、例えば、タカノツメ、カイエンペパー、チリーペパー等を挙げることができる。本発明に配合される唐辛子の配合割合は、製品に対して0.05〜5%が好ましく、0.1〜3%がより好ましい。唐辛子の配合割合が前記範囲より少なくなると、後述する酒石酸と組み合わせたとしてもコクは有するがスパイシーな香りは有しにくく、一方、前記範囲より多くなると、スパイシーな香りは有するがコクは有しにくい傾向が見られる。
【0020】
本発明で用いる酒石酸とは、葡萄に多く含まれている有機酸の1種である。また、酒石酸には、L体(右旋性)、D体(左旋性)、DL体(ラセミ体)およびメゾ体(光学不活性)の4種の異性体があることが知られているが、天然に存在するのは主にL体である。本発明に配合される酒石酸の配合割合は、製品に対して0.001〜0.5%が好ましく、0.002〜0.1%がより好ましい。酒石酸の配合割合が前記範囲より少なくなると、前述した唐辛子と組み合わせたとしてもスパイシーな香りは有するがコクは有しにくく、一方、前記範囲より多くしても、スパイシーな香りは有するがコクは有しにくい傾向が見られる。
【0021】
本発明の豆類ソースの冷凍品には、上述した原料の他に、大豆油、菜種油等の油脂類、馬鈴薯澱粉、コーンスターチ等の澱粉、またはそれらに架橋、エステル化等の処理を施した化工澱粉やアルファ化等の処理を施した加工澱粉、砂糖、醤油、食酢、食塩、ブイヨン、酵母エキス、グルタミン酸ナトリウム等の調味料、キサンタンガム、グアガム等の増粘剤、乳酸、クエン酸、アジピン酸、リンゴ酸等の酸味料、甘味料、酸化防止剤、着色料、香辛料、香料、保存料、トマト、玉葱、馬鈴薯、人参、ほうれん草、ニンニク、生姜、エビ、タコ、イカ、ツナ、貝類、牛肉、豚肉等の肉類等の具材等を本発明の効果を損なわない範囲で適宜選択して用いることができる。
【0022】
本発明の豆類ソースの冷凍品の製造方法は、加熱撹拌釜に、本発明の必須原料である目開き11.2mmパス〜目開き2.8mmオンの範囲に含まれる大きさにカットした豆類、唐辛子、酒石酸、その他の具材、調味料、ソース類、清水等をそれぞれ所定量ずつ投入し、加熱しながら全体を撹拌混合する。次いで、パウチ等の包装容器に充填密封後、必要に応じて70〜100℃で5分〜60分間の加熱殺菌処理を行っても良い。その後、冷媒で冷却し、凍結処理する方法が挙げられる。
【0023】
以下、本発明の豆類ソースの冷凍品について、実施例等に基づき具体的に説明する。なお、本発明はこれらに限定するものではない。
【実施例】
【0024】
[調製例1]目開き11.2mmパス〜目開き2.8mmオンの範囲に含まれる大きさにカットした豆類
白いんげん豆、赤いんげん豆、ひよこ豆、大豆、えんどう豆を20℃の水に12時間浸漬処理し、そして、95℃で30分間ボイル処理を行い、水切り・水冷後に水切りした。次に、ダイサー(米国アーシェル社製、モデルRA−A、カットサイズ:6.4mm×6.4mm×6.4mm)にてカットし、豆類の重量に対して4倍量の清水を注ぎ、豆類が壊れないように静かに撹拌して、豆類分散液を調製した。当該豆類分散液を、JISZ8801−2000(日本工業規格)の目開き11.2mmの標準フルイで濾過し、さらに、当該目開き2.8mmの標準フルイで濾過した。そして、当該目開き2.8mmの標準フルイの裏側よりキムタオル(登録商標)を用いて余分な水分を除き、白いんげん豆、赤いんげん豆、ひよこ豆、大豆、えんどう豆を4:2:2:1:1の割合(質量比)で混ぜた豆類を、目開き11.2mmパス〜目開き2.8mmオンの範囲に含まれる大きさにカットした豆類とした。
【0025】
[調製例2]目開き11.2mmオンの大きさの豆類
白いんげん豆、赤いんげん豆、ひよこ豆、大豆、えんどう豆を20℃の水に12時間浸漬処理し、そして、95℃で30分間ボイル処理を行い、水切り・水冷後に水切りした。次に、豆類の重量に対して4倍量の清水を注ぎ、豆類が壊れないように静かに撹拌して、豆類分散液を調製した。当該豆類分散液を、JISZ8801−2000(日本工業規格)の目開き11.2mmの標準フルイで濾過した。そして、当該目開き11.2mmの標準フルイの裏側よりキムタオル(登録商標)を用いて余分な水分を除き、白いんげん豆、赤いんげん豆、ひよこ豆、大豆、えんどう豆を4:2:2:1:1の割合(質量比)で混ぜた豆類を、目開き11.2mmオンの大きさの豆類とした。
【0026】
[調製例3]目開き2.8mmパスの大きさの豆類
白いんげん豆、赤いんげん豆、ひよこ豆、大豆、えんどう豆を20℃の水に12時間浸漬処理し、そして、95℃で30分間ボイル処理を行い、水切り・水冷後に水切りした。次に、プレート目穴径3mmチョッパーですり潰した後、JISZ8801−2000(日本工業規格)の目開き1mmの標準フルイで裏ごしして、白いんげん豆、赤いんげん豆、ひよこ豆、大豆、えんどう豆を4:2:2:1:1の割合(質量比)で混ぜた豆類を、目開き2.8mmパスの大きさの豆類とした。なお、当該目開き2.8mmパスの大きさの豆類の重量に対して4倍量の清水を注ぎ、静かに撹拌して、豆類分散液を調製した。当該豆類分散液を、JISZ8801−2000(日本工業規格)の目開き2.8mmの標準フルイで濾過したところ、全ての豆類がパスした。
【0027】
[実施例1]
下記配合割合の豆類ソースの冷凍品を製した。つまり、下記配合割合に準じ、加熱撹拌釜に、調製例1で得られた目開き11.2mmパス〜目開き2.8mmオンの範囲に含まれる大きさにカットした豆類と他の原料を投入し、加熱しながら全体を撹拌混合、90℃に達温後に加熱撹拌を停止した。次いで、パウチに充填密封し、90℃で30分間の加熱殺菌処理を行った後、冷媒で冷却し、−35℃で凍結処理した。
【0028】
<配合割合>
豆類(調製例1) 50%
挽肉 8%
サラダ油 3%
カレー粉 2%
食塩 1%
化工澱粉 0.5%
L−グルタミン酸ナトリウム 0.5%
赤唐辛子 0.4%
上白糖 0.2%
L−酒石酸 0.005%
――――――――――――――――――――――
合計 100%
【0029】
[試験例1]
実施例1で配合した豆類および当該豆類の配合割合を表1のように変更した以外は、実施例1と同様の方法で、実施例2〜5および比較例1〜4の豆類ソースの冷凍品を製した。そして、実施例1〜5および比較例1〜4で得られた豆類ソースの冷凍品を解凍し、室温(20℃)にて、豆類ソースの風味について、官能評価を行った。結果を表1に示す。
【0030】
【表1】

【0031】
表1より、目開き11.2mmパス〜目開き2.8mmオンの範囲に含まれる大きさにカットした豆類(調製例1)の配合割合が20%未満である比較例1〜4は、コクは感じるがスパイシーな香りは感じにくい、あるいはスパイシーな香りは感じるがコクは感じにくいので、好ましくない。一方、目開き11.2mmパス〜目開き2.8mmオンの範囲に含まれる大きさにカットした豆類(調製例1)の配合割合が20〜60%である実施例1〜5は、スパイシーな香りとコクを感じるので好ましい。特に、目開き11.2mmパス〜目開き2.8mmオンの範囲に含まれる大きさにカットした豆類(調製例1)の配合割合が30〜55%である実施例1〜3は、スパイシーな香りとコクを感じるので非常に好ましいことが理解される。
【0032】
[比較例5]
実施例1において、実施例1で配合した赤唐辛子を除いた以外は、実施例1と同様の方法で豆類ソースの冷凍品を製した。
【0033】
[試験例2]
実施例1および比較例5で得られた豆類ソースの冷凍品を解凍し、室温(20℃)にて、豆類ソースの風味について、官能評価を行った。結果を表2に示す。
【0034】
【表2】

【0035】
表2より、赤唐辛子を配合しなかった比較例5は、コクは感じるがスパイシーな香りは感じにくいので好ましくないが、赤唐辛子を配合した実施例1は、スパイシーな香りとコクを感じるので非常に好ましいことが理解される。
【0036】
[実施例6]
実施例1において、実施例1で配合したL−酒石酸0.005%を0.001%に変更した以外は、実施例1と同様の方法で、豆類ソースの冷凍品を製した。
【0037】
[実施例7]
実施例1において、実施例1で配合したL−酒石酸0.005%を0.002%に変更した以外は、実施例1と同様の方法で、豆類ソースの冷凍品を製した。
【0038】
[実施例8]
実施例1において、実施例1で配合したL−酒石酸0.005%を0.1%に変更した以外は、実施例1と同様の方法で、豆類ソースの冷凍品を製した。
【0039】
[実施例9]
実施例1において、実施例1で配合したL−酒石酸0.005%を0.5%に変更した以外は、実施例1と同様の方法で、豆類ソースの冷凍品を製した。
【0040】
[比較例6]
実施例1において、実施例1で配合したL−酒石酸0.005%を除した以外は、実施例1と同様の方法で、豆類ソースの冷凍品を製した。
【0041】
[比較例7]
実施例1において、実施例1で配合したL−酒石酸に換えて乳酸を用いた以外は、実施例1と同様の方法で豆類ソースの冷凍品を製した。
【0042】
[比較例8]
実施例1において、実施例1で配合したL−酒石酸に換えてクエン酸を用いた以外は、実施例1と同様の方法で豆類ソースの冷凍品を製した。
【0043】
[比較例9]
実施例1において、実施例1で配合したL−酒石酸に換えてアジピン酸を用いた以外は、実施例1と同様の方法で豆類ソースの冷凍品を製した。
【0044】
[比較例10]
実施例1において、実施例1で配合したL−酒石酸に換えてリンゴ酸を用いた以外は、実施例1と同様の方法で豆類ソースの冷凍品を製した。
【0045】
[試験例3]
実施例1、実施例6〜9および比較例6〜10で得られた豆類ソースの冷凍品を解凍し、室温(20℃)にて、豆類ソースの風味について、官能評価を行った。結果を表3に示す。
【0046】
【表3】

【0047】
表3より、酒石酸を配合していない比較例6、および酒石酸を他の有機酸に変更した比較例7〜10は、スパイシーな香りは感じるがコクを感じにくいので好ましくない。一方、酒石酸を配合した実施例1および実施例6〜9は、スパイシーな香りとコクを感じるので好ましい。特に、酒石酸を0.002〜0.1%配合した実施例1、実施例7および実施例8は、スパイシーな香りとコクを感じるので、非常に好ましいことが理解される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
製品に対する目開き11.2mmパス〜目開き2.8mmオンの範囲に含まれる大きさにカットした豆類の配合割合を20〜60%とし、唐辛子および酒石酸を配合してなる豆類ソースの冷凍品。
【請求項2】
唐辛子の配合割合が、製品に対して0.05〜5%である請求項1に記載の豆類ソースの冷凍品。
【請求項3】
酒石酸の配合割合が、製品に対して0.001〜0.5%である請求項1または2に記載の豆類ソースの冷凍品。
【請求項4】
カットした豆類が、いんげん豆、ひよこ豆、大豆、えんどう豆から選択された1種または2種以上の豆類である請求項1乃至3のいずれかに記載の豆類ソースの冷凍品。


【公開番号】特開2009−11289(P2009−11289A)
【公開日】平成21年1月22日(2009.1.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−179726(P2007−179726)
【出願日】平成19年7月9日(2007.7.9)
【出願人】(000001421)キユーピー株式会社 (657)
【Fターム(参考)】