説明

負荷制御装置

【課題】車両の負荷を確実に動作させる。
【解決手段】第1指令部121は、操作部111からの信号に基づいて、電力供給制御部124に対して負荷113への電力供給の指令を行う。監視部122は、第1指令部121の異常の有無を監視し、第1指令部121の異常を検出した場合、リセット信号を出力する。第2指令部123は、監視部122からリセット信号が入力された場合、電力供給制御部124に対して負荷113への電力供給の指令を行う。電力供給制御部124は、第1指令部121または第2指令部123からの指令に基づいて、負荷113への電力の供給を制御する。本発明は、例えば、車両の負荷制御装置に適用できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、負荷制御装置に関し、特に、車両の負荷を制御する負荷制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ヘッドランプの操作スイッチとヘッドランプの制御を行う制御装置との間に通信不良が発生しても、ヘッドランプの点灯を可能にする技術が提案されている。
【0003】
例えば、ヘッドランプスイッチを備える送信側ECU(Electronic Control Unit)とヘッドランプECUとの間を通信用バスおよび電源供給線で相互に接続し、ヘッドランプスイッチをオンすると、送信側ECUからヘッドランプECUに、通信用バスを介してヘッドランプONの通信データを供給するとともに、電源供給線を介してヘッドランプONのアナログ信号を供給することが提案されている(例えば、特許文献1参照)。これにより、通信用バスが切断されても、電源供給線を流れるアナログ信号を用いてヘッドランプを点灯させることができる。
【0004】
また、従来、図1に示されるような車載システムが提案されている。
【0005】
具体的には、図1の車載システムは、コンビネーションSW(スイッチ)11、BCM(Body Control Module)12、および、ヘッドランプ13を含むように構成される。また、コンビネーションSW11は、ヘッドランプSW21およびCPU22を含むように構成される。BCM12は、CPU31、ハイサイドドライバ32、および、トランジスタTRを含むように構成される。さらに、コンビネーションSW11とBCM12は、通信線14および信号線15を介して相互に接続されている。
【0006】
コンビネーションSW11のヘッドランプSW21がオンされると、CPU22は、ヘッドランプSW21のオンを検出し、通信線14を介して、BCM12のCPU31へのヘッドランプON信号の出力を開始する。ヘッドランプON信号を受信したCPU31は、ヘッドランプ13の点灯をハイサイドドライバ32に指令するための正論理(ハイ・アクティブ)の指令信号をハイサイドドライバ32に入力する。指令信号の入力を受けたハイサイドドライバ32は、バッテリ電源+Bからの電力のヘッドランプ13への供給を開始し、ヘッドランプ13を点灯させる。
【0007】
また、ヘッドランプSW21がオンされると、トランジスタTRのベースの電位がローレベル(グラウンドレベル)になり、トランジスタTRがオンする。そして、イグニッション電源がオンされている場合、イグニッション電源IGからの電力が、トランジスタTRを介して、ハイサイドドライバ32に入力される。これにより、ハイサイドドライバ32の入力電圧がHighレベルとなり、指令信号が入力された状態と同様の状態になる。
【0008】
従って、図2に示されるように、通信線14に障害が発生し、CPU22とCPU31との間の通信不良が発生し、CPU31がヘッドランプSW21の状態を検出できなくなっても、イグニッション電源IGおよびヘッドランプSW21をオンさせることにより、ヘッドランプ13を点灯させることができる。
【0009】
しかし、特許文献1に記載の発明および図1の車載システムでは、送信側ECUとヘッドランプECUの間の配線、または、コンビネーションSW11とBCM12との間の配線がそれぞれ1系統ずつ増加する。そのため、増加した配線用のハーネスやコネクタピン等を追加する必要があり、車両のコストアップや重量アップの要因となる。
【0010】
また、特許文献1に記載の発明および図1の車載システムでは、2系統の配線に断線、天絡、地絡等の異常が同時に発生した場合、ヘッドランプを点灯させることができなくなる。
【0011】
さらに、特許文献1に記載の発明では、配線に異常が発生していなくても、ヘッドランプECUに異常が発生した場合、ヘッドランプを点灯させることができなくなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開平7−232603号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、ヘッドランプ等の車両の負荷を確実に動作させるようにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の第1の側面の負荷制御装置は、ユーザにより操作される操作部から入力される信号に基づいて、車両の負荷を制御する負荷制御装置において、操作部からの信号に基づいて、負荷への電力供給の第1の指令を行う第1の指令部と、第1の指令部の異常の有無を監視し、第1の指令部の異常を検出した場合、第1の指令部の状態をリセットするためのリセット信号を出力する監視部と、監視部からリセット信号が入力された場合、負荷への電力供給の第2の指令を行う第2の指令部と、第1の指令または第2の指令に基づいて、負荷への電力の供給を制御する電力供給制御部とを備える。
【0015】
本発明の第1の側面の負荷制御装置においては、第1の指令部により、操作部からの信号に基づいて、負荷への電力供給の第1の指令が行われ、監視部により、第1の指令部の異常の有無が監視され、第1の指令部の異常が検出された場合、第1の指令部の状態をリセットするためのリセット信号が出力され、第2の指令部により、監視部からリセット信号が入力された場合、負荷への電力供給の第2の指令が行われ、第1の指令または第2の指令に基づいて、負荷への電力の供給が制御される。
【0016】
従って、車両の負荷を確実に動作させることができる。
【0017】
この操作部は、例えば、スイッチ、ボタン、キー等の操作手段により構成される。第1の指令部は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、ECU(Electronic Control Unit)等の制御回路により構成される。監視部は、例えば、ウォッチドッグタイマにより構成される。第2の指令部は、例えば、駆動保持積分回路、駆動保持回路により構成される。電力供給制御部は、例えば、ドライバ回路により構成される。
【0018】
第2の指令部には、車両の所定の電源がオンされている場合に、第2の指令を行わせることができる。
【0019】
これにより、例えば、第1の指令部に異常が発生した場合に、車両の所定の電源のオン/オフにより、負荷のオン/オフを制御することができる。
【0020】
第2の指令部には、車両の所定の電源からの電力を電力供給制御部に出力することにより第2の指令を行わせることができる。
【0021】
これにより、第2の指令部の構成を簡素化することができる。
【0022】
第1の指令部には、操作部との間の通信不良を検出した場合、車両の駆動系の電源がオンされているときに、第1の指令を行わせることができる。
【0023】
これにより、操作部と第1の指令部の間に通信不良が発生しても、車両の負荷を確実に動作させることができる。
【0024】
車両の所定の電源を、車両の駆動系の電源とすることができる。
【0025】
これにより、例えば、異常発生時に車両の駆動系の電源に連動して負荷の起動/停止を行うことができる。
【0026】
リセット信号を、パルス状の信号とし、第2の指令部に、所定の数のリセット信号のパルスが入力された場合、第2の指令を行わせることができる。
【0027】
これにより、ノイズ等による誤動作を防止することができる。
【0028】
第2の指令部には、コンデンサを備えた積分回路を含ませ、リセット信号が入力されることによりコンデンサに蓄積される電荷量が所定の閾値以上になった場合、第2の指令を行わせることができる。
【0029】
これにより、簡単に所定の数のリセット信号のパルスを入力して、第2の指令を行わせるようにすることができる。
【0030】
第1の指令部には、自身が正常に動作している場合、第2の指令を停止するための停止信号を出力させ、第1の指令部から停止信号が入力された場合、第2の指令部による第2の指令を停止させる停止部をさらに設けることができる。
【0031】
これにより、第2の指令を確実に停止させることができる。
【0032】
この停止部は、例えば、トランジスタ等のスイッチング素子を含む電気回路により構成される。
【0033】
第1の指令部には、第2の指令部により第2の指令が行われているか否かを検出させ、自身が正常に動作している場合に第2の指令が行われているとき、停止信号を出力させることができる。
【0034】
これにより、第2の指令が行われている場合にのみ、第2の指令の停止処理を行うことができる。
【0035】
停止信号を、パルス状の信号とし、停止部には、所定の数の停止信号のパルスが入力された場合、第2の指令部による第2の指令を停止させることができる。
【0036】
これにより、ノイズ等による誤動作を防止することができる。
【0037】
停止部には、コンデンサを備えた積分回路を含ませ、停止信号が入力されることによりコンデンサに蓄積される電荷量が所定の閾値以上になった場合、第2の指令部による第2の指令を停止させることができる。
【0038】
これにより、簡単に所定の数の停止信号のパルスを入力して、第2の指令を停止させるようにすることができる。
【0039】
本発明の第2の側面の負荷制御装置は、ユーザにより操作される操作部から入力される信号に基づいて、車両の負荷を制御する負荷制御装置において、操作部からの信号に基づいて、負荷への電力供給の第1の指令を行う第1の指令部と、第1の指令部の異常の有無を監視し、第1の指令部の異常を検出した場合、故障検知信号を出力する監視部と、監視部から故障検知信号が入力された場合、負荷への電力供給の第2の指令を行う第2の指令部と、第1の指令または第2の指令に基づいて、負荷への電力の供給を制御する電力供給制御部とを備える。
【0040】
本発明の第2の側面の負荷制御装置においては、第1の指令部により、操作部からの信号に基づいて、負荷への電力供給の第1の指令が行われ、監視部により、第1の指令部の異常の有無が監視され、第1の指令部の異常が検出された場合、故障検知信号が出力され、第2の指令部により、監視部から故障検知信号が入力された場合、負荷への電力供給の第2の指令が行われ、第1の指令または第2の指令に基づいて、負荷への電力の供給が制御される。
【0041】
従って、車両の負荷を確実に動作させることができる。
【0042】
この操作部は、例えば、スイッチ、ボタン、キー等の操作手段により構成される。第1の指令部は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、ECU(Electronic Control Unit)等の制御回路により構成される。監視部は、例えば、ウォッチドッグタイマにより構成される。第2の指令部は、例えば、駆動保持積分回路、駆動保持回路により構成される。電力供給制御部は、例えば、ドライバ回路により構成される。
【発明の効果】
【0043】
本発明の第1の側面または第2の側面によれば、車両の負荷を確実に動作させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】従来の車載システムの構成例を示す回路図である。
【図2】従来の車載システムの通信不良発生時の動作を説明するための図である。
【図3】本発明を適用した車載システムの第1の実施の形態の基本的な構成例を示すブロック図である。
【図4】本発明を適用した車載システムの第1の実施の形態の具体的な構成例を示す回路図である。
【図5】本発明を適用した車載システムの第1の実施の形態の正常時の動作を説明するための図である。
【図6】本発明を適用した車載システムの第1の実施の形態の通信不良発生時の動作を説明するための図である。
【図7】本発明を適用した車載システムの第1の実施の形態のCPUの異常発生時の動作を説明するための図である。
【図8】BCMの各部の電圧の変化を示すグラフである。
【図9】本発明を適用した車載システムの第2の実施の形態の基本的な構成例を示すブロック図である。
【図10】本発明を適用した車載システムの第2の実施の形態の具体的な構成例を示す回路図である。
【図11】本発明を適用した車載システムの第2の実施の形態の正常時の動作を説明するための図である。
【図12】本発明を適用した車載システムの第2の実施の形態の通信不良発生時の動作を説明するための図である。
【図13】本発明を適用した車載システムの第2の実施の形態のCPUの異常発生時の動作を説明するための図である。
【図14】本発明を適用した車載システムの第3の実施の形態の具体的な構成例を示す回路図である。
【図15】本発明を適用した車載システムの第3の実施の形態の動作を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0045】
以下、本発明を実施するための形態(以下、実施の形態という)について説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
1.第1の実施の形態(駆動保持積分回路を用いる場合)
2.第2の実施の形態(駆動保持回路と停止回路を用いる場合)
3.変形例
【0046】
<1.第1の実施の形態>
まず、図3乃至図8を参照して、本発明の第1の実施の形態について説明する。
【0047】
[車載システムの第1の実施の形態の基本的な構成例]
図3は、本発明を適用した車載システムの第1の実施の形態の基本的な構成例を示すブロック図である。
【0048】
図3の車載システム101は、操作部111、負荷制御装置112、負荷113、および、電源114を含むように構成される。負荷制御装置112は、第1指令部121、監視部122、第2指令部123、および、電力供給制御部124を含むように構成される。
【0049】
車載システム101は、各種の車両に設けられ、操作部111に対するユーザ操作に従って、負荷113への電力の供給を制御するシステムである。なお、車載システム101が設けられる車両の種類は、特に限定されるものではなく、例えば、エンジンで駆動される車両、EV(Electric Vehicle、電気自動車)、HEV(Hybrid Electric Vehicle、ハイブリッドカー)、PHEV(Plug-in Hybrid Electric Vehicle、プラグインハイブリッドカー)などが想定される。
【0050】
操作部111は、各種の操作手段(例えば、スイッチ、ボタン、キー等)により構成され、例えば、負荷113を起動したり、停止したりするために、ユーザにより操作される。また、操作部111は、操作内容または自身の状態(例えば、オン/オフ状態等)を示す操作信号を第1指令部121に出力する。
【0051】
第1指令部121は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、ECU(Electronic Control Unit)等の各種の制御回路により構成される。第1指令部121は、操作部111からの操作信号に基づいて、電力供給制御部124に対して負荷113への電力の供給の指令を行う。また、第1指令部121は、操作部111との間の通信不良を検出した場合、車両の電源の状態に基づいて、電力供給制御部124に対して負荷113への電力の供給の指令を行う。さらに、第1指令部121は、自身が正常に動作している場合、所定の信号を定期的に監視部122に出力する。また、第1指令部121は、監視部122からリセット信号が入力された場合、再起動等を行うことにより、自身の状態を初期状態にリセットする。
【0052】
監視部122は、例えば、ウォッチドッグタイマにより構成される。監視部122は、第1指令部121から入力される信号に基づいて、第1指令部121の異常の有無を監視する。そして、監視部122は、第1指令部121の異常を検出した場合、第1指令部121の状態をリセットするためリセット信号を、第1指令部121および第2指令部123に出力する。つまり、このリセット信号は、監視部122が第1指令部121の異常を検出した際に出力される故障検知信号とも言える。
【0053】
第2指令部123は、例えば、駆動保持積分回路等の電気回路により構成される。第2指令部123は、監視部122からリセット信号が入力された場合、車両の電源の状態に基づいて、電力供給制御部124に対して負荷113への電力の供給の指令を行う。
【0054】
電力供給制御部124は、例えば、負荷113への電力の供給を制御するドライバ回路により構成される。電力供給制御部124は、第1指令部121または第2指令部123からの指令に基づいて、電源114からの電力の負荷113への供給を制御し、負荷113の起動および停止を制御する。
【0055】
負荷113は、例えば、操作部111を操作することにより起動および停止することが可能な各種の車載用の電装部品により構成される。例えば、負荷113は、ヘッドランプ、テールランプ、ワイパーモータ等の安全運転を行うために必要な電装部品により構成される。
【0056】
電源114は、例えば、車両に設けられているバッテリ等により構成される。
【0057】
[車載システムの第1の実施の形態の具体的な構成例]
図4は、図3の車載システム101をより具体的にした車載システム201の構成例を示す回路図である。
【0058】
車載システム201は、コンビネーションSW(スイッチ)211、BCM(Body Control Module)212、および、ヘッドランプ213を含むように構成される。
【0059】
コンビネーションSW211は、図3の操作部111に対応する。コンビネーションSW211は、スイッチ221−1乃至221−n、CPU222、および、抵抗R1乃至Rnを含むように構成される。
【0060】
スイッチ221−1乃至221−nは、車載システム101が設けられている車両の各種の負荷の動作や状態を切り換えるためのスイッチである。そのうちの1つであるスイッチ221−1が、ヘッドランプ213のオン/オフを切り換えるためのスイッチである。なお、以下、スイッチ221−1をヘッドランプSW(スイッチ)とも称する。
【0061】
スイッチ221−1乃至221−nの一端は、それぞれCPU222に接続され、他の一端はグラウンドに接続されている。また、スイッチ221−1乃至221−nとCPU222の間に、それぞれ抵抗R1乃至Rnを介して、所定の直流電圧(例えば、5V)の電力を供給する電源VDDが接続されている。
【0062】
CPU222のライン端子(LIN)は、通信線214を介して、BCM212のCPU232のライン端子(LIN)に接続されており、CPU222とCPU232は、通信線214を介して相互に通信を行う。例えば、CPU222は、スイッチ221−1乃至221−nの状態を検出し、検出した状態を通知するための信号(以下、スイッチ状態信号と称する)を、通信線214を介して、CPU232に出力する。
【0063】
BCM212は、レギュレータ231、CPU232、WDT(ウォッチドッグタイマ) IC233、駆動保持積分回路234、ハイサイドドライバ235、ダイオードD11、および、抵抗R11乃至R13を含むように構成される。そのうち、CPU232は、図3の第1指令部121に対応し、WDT IC233は、図3の監視部122に対応し、駆動保持積分回路234は、図3の第2指令部123に対応し、ハイサイドドライバ235は、図3の電力供給制御部124に対応する。
【0064】
レギュレータ231の入力端子は、図示せぬバッテリからの所定の直流電圧(例えば、12V)の電力を供給するバッテリ電源+Bに接続されている。レギュレータ231の出力端子は、電源VDD、および、CPU232の電源端子(VDD)に接続されている。レギュレータ231は、バッテリ電源+Bから供給される電力の電圧を所定の電圧(例えば、+5V)に変換し、CPU232に供給する。
【0065】
CPU232の入力端子(IN)は、所定の電圧(例えば、+12V)の電力を供給するイグニッション電源IGに接続されている。
【0066】
イグニッション電源IGは、車両の駆動系の電源であり、車両のイグニッションスイッチまたはパワースイッチが、車両を走行可能な状態にする位置または車両を運転するときの位置(例えば、イグニッションまたはオン等)に設定されている場合に、電力の供給を行う電源である。そして、CPU232は、入力端子の入力電圧に基づいて、イグニッション電源IGのオン/オフを検出する。また、CPU232は、イグニッション電源IGのオン/オフの検出結果に基づいて、イグニッションスイッチまたはパワースイッチが、イグニッションまたはオン等に設定されているか否かを検出することができる。
【0067】
なお、以下、イグニッション電源IGのオン/オフを切り換えるためのスイッチの名称をイグニッションスイッチで統一し、イグニッション電源IGがオンされるイグニッションスイッチの位置の名称をイグニッションで統一する。
【0068】
CPU232のクリア端子(CLR)は、WDT IC233のクロック端子(CLK)に接続されている。CPU232は、自身が正常に動作している場合、WDT IC233のカウンタをクリアするためのクリア信号を、定期的にクリア端子からWDT IC233に出力する。
【0069】
CPU232のリセット端子(RESET)は、WDT IC233のリセット出力端子(RESET−O)に接続されている。CPU232は、WDT IC233からリセット端子にリセット信号が入力された場合、再起動等を行うことにより、自身の状態を初期状態にリセットする。
【0070】
CPU232の出力端子(OUT)は、ダイオードD11のアノードに接続されている。CPU232は、後述するように、スイッチ221−1(ヘッドランプSW)の状態等に基づいて、ヘッドランプ213の点灯を指令する点灯指令信号を出力端子から出力する。CPU232から出力された点灯指令信号は、ダイオードD11および抵抗R12を介して、ハイサイドドライバ235に入力される。
【0071】
なお、点灯指令信号は、例えば、正論理(ハイ・アクティブ)の信号とされる。
【0072】
抵抗R11の一端は、ダイオードD11のカソードに接続され、他の一端はグラウンドに接続されている。抵抗R12の一端は、ダイオードD11のカソードに接続され、他の一端はハイサイドドライバ235に接続されている。抵抗R13の一端は、レギュレータ231の出力端子に接続され、他の一端は、CPU232のリセット端子に接続されている。
【0073】
WDT IC233のリセット出力端子(RESET−O)は、CPU232のリセット端子、および、駆動保持積分回路234の抵抗R21の一端に接続されている。
【0074】
WDT IC233は、内部にカウンタを備えており、動作中は常時カウントを行っている。WDT IC233は、CPU232からのクリア信号がクロック端子に入力されると、カウンタをリセットし、最初からカウントをやり直す。
【0075】
一方、所定の時間CPU232からクリア信号が入力されず、カウンタの値が所定の閾値を超えると(すなわちカウントアップすると)、WDT IC233は、リセット出力端子から負論理(ロー・アクティブ)のパルス状のリセット信号の出力を開始する。WDT IC233から出力されたリセット信号は、CPU232のリセット端子および駆動保持積分回路234に入力される。また、WDT IC232は、リセット信号の出力中にCPU232からクリア信号が入力されると、カウンタをリセットするとともに、リセット信号の出力を停止する。
【0076】
駆動保持積分回路234は、抵抗R21乃至R31、コンデンサC21乃至C23、ダイオードD21、および、トランジスタTR21乃至TR24を含むように構成される。トランジスタTR21,TR23はNPN型であり、トランジスタTR22,TR24はPNP型である。
【0077】
抵抗R21のWDT IC233のリセット出力端子に接続されている一端と異なる一端は、トランジスタTR21のベースに接続されている。抵抗R22は、トランジスタTR21のベースとエミッタの間に接続されている。トランジスタTR21のエミッタは、電源VDDに接続されている。
【0078】
抵抗R23の一端は、トランジスタTR21のコレクタに接続され、他の一端はトランジスタTR22のベースに接続されている。抵抗R24は、トランジスタTR22のベースとエミッタの間に接続されている。抵抗R25の一端は、トランジスタTR21のエミッタに接続され、他の一端は、トランジスタTR22のコレクタに接続されている。トランジスタTR22のエミッタはグラウンドに接続されている。
【0079】
抵抗R26の一端は、トランジスタTR22のコレクタに接続され、他の一端はコンデンサC21の一端に接続されている。コンデンサC21の抵抗R26の一端に接続されている一端と異なる一端は、ダイオードD21のアノードに接続されている。ダイオードD21のカソードは、コンデンサC22の一端、および、抵抗R27の一端に接続されている。コンデンサC22のダイオードD21のカソードに接続されている一端と異なる一端は、トランジスタTR22のグラウンドに接続されている。
【0080】
抵抗R27のダイオードD21のカソードに接続されている一端と異なる一端は、コンデンサC23の一端、および、抵抗R28の一端に接続されている。コンデンサC23の抵抗R27の一端に接続されている一端と異なる一端は、グラウンドに接続されている。
【0081】
抵抗R28の抵抗R27の一端に接続されている一端と異なる一端は、トランジスタTR23のベースに接続されている。抵抗R29は、トランジスタTR23のベースとエミッタの間に接続されている。トランジスタTR23のエミッタは、グラウンドに接続されている。
【0082】
この抵抗R26からトランジスタTR23までの回路により、積分回路が構成されている。
【0083】
抵抗R30の一端は、トランジスタTR23のコレクタに接続され、他の一端は、トランジスタTR24のベースに接続されている。抵抗R31は、トランジスタTR24のベースとエミッタの間に接続されている。トランジスタTR24のコレクタは、ダイオードD11のカソードに接続され、エミッタはイグニッション電源IGに接続されている。
【0084】
駆動保持積分回路234のトランジスタTR24は、後述するように、WDT IC233から所定の数のリセット信号のパルスが入力されると、オンする。そして、トランジスタTR24およびイグニッション電源IGがともにオン状態の場合、イグニッション電源IGからの電力が、トランジスタTR24および抵抗R12を介して、ハイサイドドライバ235に入力され、ハイサイドドライバ235の入力電圧がハイレベルに設定される。
【0085】
なお、以下、このイグニッション電源IGからの電力を用いて、駆動保持積分回路234からハイサイドドライバ235に出力される正論理(ハイ・アクティブ)の信号を、異常時点灯指令信号と称する。
【0086】
ハイサイドドライバ235は、CPU232から入力される点灯指令信号、または、駆動保持積分回路234から入力される異常時点灯指令信号に基づいて、バッテリ電源+Bからの電力のヘッドランプ213への供給を制御することにより、ヘッドランプ213の点灯/消灯を制御する。
【0087】
なお、以下、図内のCPU232のリセット端子、WDT IC233のリセット出力端子、および、抵抗R21の間の接続点をA点とする。また、図内のダイオードD21のカソード、コンデンサC23、および、抵抗R27の間の接続点をB点とする。さらに、図内のトランジスタTR24のコレクタ側の出力点をC点とする。
【0088】
[ヘッドランプ213を点灯させるときの車載システム201の動作]
次に、図5乃至図8を参照して、ヘッドランプ213を点灯させるときの車載システム201の動作について説明する。
【0089】
なお、ヘッドランプ213を点灯させる前において、駆動保持積分回路234のトランジスタTR21乃至TR24はオフされているものとする。
【0090】
(正常時の車載システム201の動作)
まず、図5を参照して、車載システム201に異常が発生しておらず正常な場合に、ヘッドランプ213を点灯させる場合の動作について説明する。
【0091】
ヘッドランプ213を点灯させるためにヘッドランプSWがオンされると、CPU222のライン端子から、ヘッドランプSWがオンされたことを示すスイッチ状態信号が出力される。CPU222から出力されたスイッチ状態信号は、通信線214を介して、CPU232のライン端子に入力される。
【0092】
CPU232は、スイッチ状態信号に基づいて、ヘッドランプSWがオンされたことを検出すると、ヘッドランプSWがオフされるまで、出力端子から点灯指令信号を出力する(点灯指令信号をハイレベルに設定する)。CPU232から出力された点灯指令信号は、ダイオードD11および抵抗R12を介して、ハイサイドドライバ235に入力される。
【0093】
ハイサイドドライバ235は、CPU232から点灯指令信号が入力されている間、バッテリ電源+Bからの電力をヘッドランプ213に供給する。これにより、ヘッドランプ213が点灯する。
【0094】
また、CPU232は、正常動作中に、定期的にクリア端子からクリア信号を出力し、WDT IC233のクロック端子に入力する。
【0095】
WDT IC233は、クリア信号が入力されると、内部のカウンタをリセットする。従って、CPU232の正常動作中は、WDT IC233のカウンタがカウントアップすることはなく、WDT IC233からリセット信号は出力されない。
【0096】
従って、駆動保持積分回路234にリセット信号が入力されないため、駆動保持積分回路234の状態は変化せず、トランジスタTR24はオフ状態を維持する。そのため、駆動保持積分回路234から異常時点灯指令信号は出力されない。
【0097】
(通信不良時の車載システム201の動作)
次に、図6を参照して、通信線214の断線、天絡、地絡、コンビネーションSW211の異常等により、コンビネーションSW211とBCM212との間に通信不良が発生した場合に、ヘッドランプ213を点灯させるときの車載システム201の動作について説明する。なお、BCM212は正常に動作しているものとする。
【0098】
この場合、CPU232は、通信不良によりコンビネーションSW211のCPU222からスイッチ状態信号を受信できないため、ヘッドランプSWの状態を検出することができない。一方、CPU232は、通信不良によりCPU222からの信号の入力が全て停止するため、通信不良の発生を検出することが可能である。
【0099】
そこで、CPU232は、通信不良を検出した場合、イグニッション電源IGの状態に基づいて、点灯指令信号の出力を制御する。
【0100】
具体的には、CPU232は、入力端子の入力電圧に基づいて、イグニッション電源IGがオンされているか否かを検出する。そして、CPU232は、イグニッション電源IGのオンを検出している間、出力端子から点灯指令信号を出力する(点灯指令信号をハイレベルに設定する)。これにより、ヘッドランプ213が点灯する。一方、CPU232は、イグニッション電源IGのオフを検出している間、点灯指令信号の出力を停止する(点灯指令信号をローレベルに設定する)。これにより、ヘッドランプ213が消灯する。
【0101】
このように、通信不良が発生している場合には、イグニッション電源IGに連動して、ヘッドランプ213の点灯/消灯が制御される。すなわち、通信不良によりCPU232がヘッドランプSWの状態を検出できなくなった場合でも、車両のイグニッションスイッチをイグニッションに設定し、イグニッション電源IGをオンすることにより、ヘッドランプ213を点灯させることができる。従って、車両の走行中にヘッドランプ213を点灯させることができ、安全運転を確保することができる。一方、車両のイグニッションスイッチをアクセサリやオフ等に設定し、イグニッション電源IGをオフすることにより、ヘッドランプ213を消灯させることができる。
【0102】
なお、この場合も、上述した正常時の場合と同様に、CPU232が正常に動作しており、CPU232からWDT IC233に定期的にクリア信号が入力され、WDT IC233からリセット信号が出力されないため、駆動保持積分回路234から異常時点灯指令信号は出力されない。
【0103】
(CPU232に異常が発生した場合の車載システム201の動作)
次に、図7および図8を参照して、BCM212のCPU232に暴走や突然の停止等の異常が発生した場合に、ヘッドランプ213を点灯させるときの車載システム201の動作について説明する。なお、この場合、コンビネーションSW211とBCM212との間の通信不良の発生の有無に関わらず、同じ動作が行われる。
【0104】
この場合、ヘッドランプSWの状態、および、イグニッション電源IGの状態に関わらず、CPU232から点灯指令信号が出力されなくなるため、CPU232からの指令により、ヘッドランプ213を点灯させることはできない。
【0105】
また、CPU232の異常により、CPU232からWDT IC233にクリア信号が出力されなくなる。その結果、WDT IC233のカウンタがカウントアップし、WDT IC233は、リセット出力端子からリセット信号の出力を開始する。
【0106】
図8は、WDT IC233からリセット信号の出力が開始された直後の図7のA点乃至C点の電圧の変化の例を示すグラフである。なお、A点の電圧の波形は、リセット信号の波形と等しくなる。
【0107】
WDT IC233から出力されたリセット信号は、駆動保持積分回路234に入力され、抵抗R21を介して、トランジスタTR21のベースに入力される。トランジスタTR21は、リセット信号がローレベルになっている間、オンし、ハイレベルになっている間、オフする。また、トランジスタTR21がオンすると、トランジスタTR22のベースの電位がハイレベルになり、トランジスタTR22がオンし、トランジスタTR21がオフすると、トランジスタTR22のベースの電位がローレベルになり、トランジスタTR22がオフする。従って、リセット信号のパルスに合わせて、トランジスタTR22がオン、オフを繰り返す。
【0108】
また、トランジスタTR22のオン、オフに合わせて、抵抗R25および抵抗R26を介して、電源VDDからコンデンサC21にパルス状の電圧が印加される。これにより、コンデンサC21からダイオードD21の方向に電流が流れ、コンデンサC22に電荷が蓄積される。また、リセット信号のパルスが駆動保持積分回路234に入力される毎に、コンデンサC22の蓄積電荷量が増加し、図8に示されるように、B点の電位が上昇する。
【0109】
そして、所定の数(例えば、2つ)のリセット信号のパルスが駆動保持積分回路234に入力され、コンデンサC22の蓄積電荷量が所定の閾値以上になり、B点の電位が所定の閾値th以上になった時点で、トランジスタTR23がオンする。トランジスタTR23がオンすると、トランジスタTR24のベースの電位がローレベルになり、トランジスタTR24がオンする。
【0110】
トランジスタTR24がオン状態になると、イグニッション電源IGがオン状態の場合、イグニッション電源IGからの電力が、トランジスタTR24および抵抗R12を介して、ハイサイドドライバ235に入力され、図8に示されるようにC点の電位が上昇する。すなわち、ハイサイドドライバ235に異常時点灯指令信号が入力される(異常時点灯指令信号がハイレベルに設定される)。
【0111】
ハイサイドドライバ235は、駆動保持積分回路234から異常時点灯指令信号が入力されている間、バッテリ電源+Bからの電力をヘッドランプ213に供給する。これにより、ヘッドランプ213が点灯する。
【0112】
また、B点の電位は、閾値th以上になった後、リセット信号が駆動保持積分回路234に入力されている間は閾値th以上の状態を維持し、その結果、トランジスタTR24のオン状態が維持される。
【0113】
一方、CPU232が正常な状態に戻り、WDT IC233からのリセット信号の出力が停止されると、B点の電位が閾値th未満になり、トランジスタTR24がオフする。その結果、駆動保持積分回路234からの異常時点灯指令信号の出力が停止する。
【0114】
従って、CPU232に異常が発生し、所定の数のリセット信号のパルスが駆動保持積分回路234に入力されてから、CPU232が正常な状態に戻るまでの間、イグニッション電源IGをオンすることにより、ヘッドランプ213を点灯させることができる。また、イグニッション電源IGをオフすることにより、ヘッドランプ213を消灯させることができる。
【0115】
以上のように、車載システム201では、コンビネーションSW211とBCM212との間に通信不良が発生したり、CPU232に異常が発生したりしても、ヘッドランプ213を確実に点灯させることができる。
【0116】
また、所定の数のリセット信号のパルスが入力されてから、異常時点灯指令信号が出力されるので、ノイズ等による誤動作を防止することができる。
【0117】
<2.第2の実施の形態>
次に、図9乃至図15を参照して、本発明の第2の実施の形態について説明する。
【0118】
[車載システムの第2の実施の形態の基本的な構成例]
図9は、本発明を適用した車載システムの第2の実施の形態の基本的な構成例を示すブロック図である。
【0119】
なお、図中、図3と対応する部分には、同じ符号を付してあり、処理が同じ部分については、その説明は繰り返しになるため適宜省略する。
【0120】
図9の車載システム301は、図3の車載システム101と比較して、負荷制御装置112の代わりに負荷制御装置311が設けられている点が異なる。また、負荷制御装置311は、負荷制御装置112と比較して、第1指令部121および第2指令部123の代わりに、第1指令部321および第2指令部322が設けられ、停止部323が追加されている点が異なる。
【0121】
車載システム301は、図3の車載システム101と同様に、各種の車両に設けられ、操作部111に対するユーザ操作に従って、負荷113への電力の供給を制御するシステムである。
【0122】
第1指令部321は、図3の第1指令部121と同様の機能を有している。さらに、第1指令部321は、停止部323を制御する機能を有している。具体的には、第1指令部321は、第2指令部322により電力供給制御部124に対して負荷113への電力の供給の指令が行われているか否かを検出することができる。そして、第1指令部321は、自身が正常に動作している場合に、第2指令部322により電力供給制御部124に対して負荷113への電力の供給の指令が行われているとき、その指令を停止するための停止信号を停止部323に出力する。特に、第1指令部321が異常状態から正常状態にリセットされた場合などに、このような処理が行われる。
【0123】
第2指令部322は、図3の第2指令部123と同様の機能を有している。さらに、第2指令部322は、停止部323からの制御の下に、電力供給制御部124に対する負荷113への電力の供給の指令を停止する機能を有している。
【0124】
停止部323は、例えば、トランジスタ等のスイッチング素子を含む電気回路により構成される。停止部323は、第1指令部321から停止信号が入力された場合、第2指令部322による電力供給制御部124に対する負荷113への電力の供給の指令を停止させる。
【0125】
[車載システムの第2の実施の形態の具体的な構成例1]
図10は、図9の車載システム301をより具体的にした車載システムの第1の構成例である車載システム401を示す回路図である。
【0126】
なお、図中、図4と対応する部分には、同じ符号を付してあり、処理が同じ部分については、その説明は繰り返しになるため適宜省略する。
【0127】
車載システム401は、図4の車載システム201と比較して、BCM212の代わりにBCM411が設けられている点が異なる。
【0128】
また、BCM411は、BCM212と比較して、CPU232の代わりにCPU431が設けられ、駆動保持積分回路234の代わりに、駆動保持回路432および停止回路433が設けられている点が異なる。さらに、BCM411は、BCM212と比較して、ダイオードD101、抵抗R101乃至R106、および、ツェナーダイオードZD101が設けられ、ダイオードD11および抵抗R11乃至R13が設けられていない点が異なる。
【0129】
なお、そのうち、CPU431は、図9の第1指令部321に対応し、駆動保持回路432は、図9の第2指令部322に対応し、停止回路433は、図9の停止部323に対応する。
【0130】
CPU431のライン端子(LIN)は、通信線412を介して、コンビネーションSW211のCPU222のライン端子(LIN)に接続されており、CPU222とCPU431は、通信線412を介して相互に通信を行う。
【0131】
CPU431の入力端子(IN)は、イグニッション電源IGに接続されている。そして、CPU431は、入力端子の入力電圧に基づいて、イグニッション電源IGのオン/オフを検出する。
【0132】
CPU431の電源端子(VDD)は、レギュレータ231の出力端子および電源VDDに接続されている。
【0133】
CPU431のクリア端子(CLR)は、WDT IC233のクロック端子(CLK)に接続されている。CPU431は、自身が正常に動作している場合、WDT IC233のカウンタをクリアするためのクリア信号を、定期的にクリア端子からWDT IC233に出力する。
【0134】
CPU431のリセット端子(RESET)は、WDT IC233のリセット出力端子(RESET−O)に接続されている。CPU431は、WDT IC233からリセット端子にリセット信号が入力された場合、再起動等を行うことにより、自身の状態を初期状態にリセットする。
【0135】
CPU431の出力端子1(OUT1)は、ダイオードD101のアノードに接続されている。CPU431は、図4のCPU232と同様に、スイッチ221−1(ヘッドランプSW)の状態等に基づいて、ヘッドランプ213の点灯を指令する点灯指令信号を出力端子1から出力する。CPU431から出力された点灯指令信号は、ダイオードD101および抵抗R102を介して、ハイサイドドライバ235に入力される。
【0136】
CPU431の出力端子2(OUT2)は、停止回路433の抵抗R121の一端に接続されている。CPU431は、後述するように、駆動保持回路432から出力されている異常時点灯指令信号を停止させるための正論理(ハイ・アクティブ)の停止信号を出力端子2から出力し、停止回路433に入力する。
【0137】
CPU431のアナログ端子(A/D)は、ツェナーダイオードZD101のカソード、および、抵抗R103の一端に接続されている。CPU431は、アナログ端子の入力電圧に基づいて、駆動保持回路432からの異常時点灯指令信号の出力の有無を検出する。
【0138】
抵抗R101の一端は、ダイオードD101のカソードに接続され、他の一端はグラウンドに接続されている。抵抗R102の一端は、ダイオードD101のカソードに接続され、他の一端はハイサイドドライバ235に接続されている。ツェナーダイオードZD101のアノードは、グラウンドに接続されている。抵抗R103のCPU431のアナログ端子に接続されている一端と異なる一端は、抵抗R104の一端、および、抵抗R105の一端に接続されている。抵抗R104の抵抗R103の一端に接続されている一端と異なる一端は、グラウンドに接続されている。抵抗R105の抵抗R103の一端に接続されている一端と異なる一端は、ダイオードD101のカソードに接続されている。抵抗R106の一端は、レギュレータ231の出力端子に接続され、他の一端は、CPU431のリセット端子に接続されている。
【0139】
駆動保持回路432は、抵抗R111乃至R115、ダイオードD111、および、トランジスタTR111,TR112を含むように構成される。トランジスタTR111はPNP型であり、トランジスタTR112はNPN型である。
【0140】
抵抗R111の一端は、WDT IC233のリセット出力端子に接続され、他の一端は、トランジスタTR111のベースに接続されている。抵抗R112は、トランジスタTR111のベースとエミッタの間に接続されている。トランジスタTR111のコレクタは、ダイオードD111のアノードに接続され、エミッタはイグニッション電源IGに接続されている。ダイオードD111のカソードは、ダイオードD101のカソードに接続されている。
【0141】
抵抗R113の一端は、抵抗R115の一端に接続され、他の一端は、トランジスタTR112のベースに接続されている。抵抗R114は、トランジスタTR112のベースとエミッタの間に接続されている。トランジスタTR112のコレクタは、WDT IC233のリセット出力端子に接続され、エミッタはグラウンドに接続されている。抵抗R115の抵抗R113の一端に接続されている一端と異なる一端は、トランジスタTR111のコレクタに接続されている。
【0142】
駆動保持回路432のトランジスタTR111は、後述するように、WDT IC233からリセット信号が入力されるとオンし、停止回路433によりオフされるまで、オン状態を保持する。そして、トランジスタTR111およびイグニッション電源IGがともにオン状態の場合、イグニッション電源IGからの電力が、トランジスタTR111、ダイオードD111、および、抵抗R102を介して、ハイサイドドライバ235に入力され、ハイサイドドライバ235の入力電圧がハイレベルに設定される。
【0143】
なお、以下、このイグニッション電源IGからの電力を用いて、駆動保持回路432からハイサイドドライバ235に出力される正論理(ハイ・アクティブ)の信号を、異常時点灯指令信号と称する。
【0144】
停止回路433は、抵抗R121、R122、および、NPN型のトランジスタTR121を含むように構成される。
【0145】
抵抗R121のCPU431の出力端子2に接続されている一端と異なる一端は、トランジスタTR121のベースに接続されている。抵抗R122は、トランジスタTR121のベースとエミッタの間に接続されている。トランジスタTR121のコレクタは、駆動保持回路432の抵抗R113のトランジスタTR112のベースに接続されている一端と異なる一端に接続され、エミッタはグラウンドに接続されている。
【0146】
後述するように、停止回路433のトランジスタTR121は、CPU431から停止信号が入力されるとオンし、トランジスタTR121がオンすると、駆動保持回路432のトランジスタTR111がオフする。これにより、駆動保持回路432からの異常時点灯指令信号の出力が停止する。
【0147】
[ヘッドランプ213を点灯させるときの車載システム401の動作]
次に、図11乃至図13を参照して、ヘッドランプ213を点灯させるときの車載システム401の動作について説明する。
【0148】
なお、ヘッドランプ213を点灯させる前において、駆動保持回路432のトランジスタTR111,TR112、および、停止回路433のトランジスタTR121はオフされているものとする。
【0149】
(正常時の車載システム401の動作)
まず、図11を参照して、車載システム401に異常が発生しておらず正常な場合に、ヘッドランプ213を点灯させるときの動作について説明する。
【0150】
ヘッドランプ213を点灯させるためにヘッドランプSWがオンされると、CPU222のライン端子から、ヘッドランプSWがオンされたことを示すスイッチ状態信号が出力される。CPU222から出力されたスイッチ状態信号は、通信線412を介して、CPU431のライン端子に入力される。
【0151】
CPU431は、スイッチ状態信号に基づいて、ヘッドランプSWがオンされたことを検出すると、ヘッドランプSWがオフされるまで、出力端子1から点灯指令信号を出力する(点灯指令信号をハイレベルに設定する)。CPU431から出力された点灯指令信号は、ダイオードD101および抵抗R102を介して、ハイサイドドライバ235に入力される。
【0152】
ハイサイドドライバ235は、CPU431から点灯指令信号が入力されている間、バッテリ電源+Bからの電力をヘッドランプ213に供給する。これにより、ヘッドランプ213が点灯する。
【0153】
また、CPU431は、正常動作中に、定期的にクリア端子からクリア信号を出力し、WDT IC233のクロック端子に入力する。
【0154】
WDT IC233は、クリア端子が入力されると、内部のカウンタをリセットする。従って、CPU431の正常動作中は、WDT IC233のカウンタがカウントアップすることはなく、WDT IC233からリセット信号は出力されない。
【0155】
従って、駆動保持回路432にリセット信号が入力されないため、駆動保持回路432の状態は変化せず、トランジスタTR111はオフ状態を維持する。そのため、駆動保持回路432から異常時点灯指令信号は出力されない。
【0156】
(通信不良時の車載システム401の動作)
次に、図12を参照して、通信線412の断線、天絡、地絡、コンビネーションSW211の異常等により、コンビネーションSW211とBCM411との間に通信不良が発生した場合に、ヘッドランプ213を点灯させるときの車載システム401の動作について説明する。なお、BCM411は正常に動作しているものとする。
【0157】
この場合、CPU431は、通信不良によりコンビネーションSW211のCPU222からスイッチ状態信号を受信できないため、ヘッドランプSWの状態を検出することができない。一方、CPU431は、通信不良によりCPU222からの信号の入力が全て停止するため、通信不良の発生を検出することが可能である。
【0158】
そこで、CPU431は、通信不良を検出した場合、イグニッション電源IGの状態に基づいて、点灯指令信号の出力を制御する。
【0159】
具体的には、CPU431は、入力端子の入力電圧に基づいて、イグニッション電源IGがオンされているか否かを検出する。そして、CPU431は、イグニッション電源IGのオンを検出している間、出力端子1から点灯指令信号を出力する(点灯指令信号をハイレベルに設定する)。これにより、ヘッドランプ213が点灯する。一方、CPU431は、イグニッション電源IGのオフを検出している間、点灯指令信号の出力を停止する(点灯指令信号をローレベルに設定する)。これにより、ヘッドランプ213が消灯する。
【0160】
このように、通信不良が発生している場合には、イグニッション電源IGに連動して、ヘッドランプ213の点灯/消灯が制御される。すなわち、通信不良によりCPU431がヘッドランプSWの状態を検出できなくなった場合でも、車両のイグニッションスイッチをイグニッションに設定し、イグニッション電源IGをオンすることにより、ヘッドランプ213を点灯させることができる。従って、車両の走行中にヘッドランプ213を点灯させることができ、安全運転を確保することができる。一方、車両のイグニッションスイッチをアクセサリやオフ等に設定し、イグニッション電源IGをオフすることにより、ヘッドランプ213を消灯させることができる。
【0161】
なお、この場合も、上述した正常時の場合と同様に、CPU431が正常に動作しており、CPU431からWDT IC233に定期的にクリア信号が入力され、WDT IC233からリセット信号が出力されないため、駆動保持回路432から異常時点灯指令信号は出力されない。
【0162】
(CPU431に異常が発生した場合の車載システム401の動作)
次に、図13を参照して、BCM411のCPU431に暴走等の異常が発生した場合に、ヘッドランプ213を点灯させるときの車載システム401の動作について説明する。なお、この場合、コンビネーションSW211とBCM411との間の通信不良の発生の有無に関わらず、同じ動作が行われる。
【0163】
この場合、ヘッドランプSWの状態、および、イグニッション電源IGの状態に関わらず、CPU431から点灯指令信号が出力されなくなるため、CPU431からの指令により、ヘッドランプ213を点灯させることができなくなる。
【0164】
また、CPU431の異常により、CPU431からWDT IC233にクリア信号が出力されなくなる。その結果、WDT IC233のカウンタがカウントアップし、WDT IC233は、リセット出力端子からリセット信号の出力を開始する。
【0165】
WDT IC233から出力されたリセット信号は、駆動保持回路432に入力され、抵抗R111を介して、トランジスタTR111のベースに入力される。上述したようにリセット信号は負論理のパルス信号なので、トランジスタTR111は、ベースにリセット信号の1つ目のパルスが入力された時点でオンする。
【0166】
トランジスタTR111がオンすると、トランジスタTR111、抵抗R115、および、抵抗R113を介して、トランジスタTR112のベースにイグニッション電源IGが接続される。従って、イグニッション電源IGがオンされている場合、トランジスタTR112がオンする。
【0167】
トランジスタTR112がオンすると、トランジスタTR111のベースが、抵抗R111およびトランジスタTR112を介して、グラウンドに接続される。従って、トランジスタTR112がオンしている間、トランジスタTR111は、リセット信号の入力の有無に関わらず、オン状態を維持する。また、トランジスタTR111がオン状態を維持することにより、トランジスタTR112もオン状態を維持する。
【0168】
従って、トランジスタTR111,TR112がオンされた後、イグニッション電源IGがオンされている間、駆動保持回路432へのリセット信号の入力が停止されても、後述するように、停止回路433によりオフされるまで、トランジスタTR111,TR112のオン状態が維持される。
【0169】
そして、トランジスタTR111およびイグニッション電源IGがオンしている場合、イグニッション電源IGからの電力が、トランジスタTR111、ダイオードD111、および、抵抗R102を介して、ハイサイドドライバ235に入力され、ハイサイドドライバ235に異常時点灯指令信号が入力される(異常時点灯指令信号がハイレベルに設定される)。
【0170】
ハイサイドドライバ235は、駆動保持回路432から異常時点灯指令信号が入力されている間、バッテリ電源+Bからの電力をヘッドランプ213に供給する。これにより、ヘッドランプ213が点灯する。
【0171】
一方、駆動保持回路432にリセット信号が入力されている場合に、イグニッション電源IGがオフされたとき、駆動保持回路432が停止し、異常時点灯指令信号が出力されなくなり、ヘッドランプ213が消灯する。
【0172】
その後、CPU431が正常状態に復帰した場合、CPU431は、クリア端子からのクリア信号の出力を再開する。これにより、WDT IC233のカウンタがリセットされ、WDT IC233は、リセット信号の出力を停止する。
【0173】
また、CPU431は、アナログ端子の入力電圧に基づいて、駆動保持回路432からの異常時点灯指令信号の出力の有無を検出する。CPU431は、異常時点灯指令信号の出力を検出した場合、異常時点灯指令信号が停止されるまで、出力端子2から停止信号を出力し、停止回路433に入力する。
【0174】
停止回路433に入力された停止信号は、抵抗R121を介して、トランジスタTR121のベースに入力され、トランジスタTR121がオンする。トランジスタTR121がオンすると、トランジスタTR111のコレクタ電流は、抵抗R115、トランジスタTR121、グラウンドの経路を流れ、トランジスタTR112のベースに流入しなくなる。これにより、トランジスタTR112がオフする。トランジスタTR112がオフすると、リセット信号が入力されていないため、トランジスタTR111もオフする。その結果、駆動保持回路432からの異常時点灯指令信号の出力が停止する。
【0175】
従って、CPU431に異常が発生してから、CPU431が正常な状態に戻るまでの間、イグニッション電源IGをオンすることにより、ヘッドランプ213を点灯させることができる。また、イグニッション電源IGをオフすることにより、ヘッドランプ213を消灯させることができる。
【0176】
以上のように、車載システム401では、コンビネーションSW211とBCM411との間に通信不良が発生したり、CPU431に異常が発生したりしても、ヘッドランプ213を確実に点灯させることができる。
【0177】
[車載システムの第2の実施の形態の具体的な構成例2]
図14は、図9の車載システム301をより具体的にした車載システムの第2の構成例である車載システム501を示すブロック図である。
【0178】
なお、図中、図10と対応する部分には、同じ符号を付してあり、処理が同じ部分については、その説明は繰り返しになるため適宜省略する。
【0179】
車載システム501は、車載システム401と比較して、BCM411の代わりにBCM511が設けられている点が異なる。また、BCM511は、BCM411と比較して、停止回路433の代わりに停止回路531が設けられている点が異なる。
【0180】
停止回路531は、抵抗R151乃至R154、コンデンサC151乃至C153、ダイオードD151、および、トランジスタTR151を含むように構成される。
【0181】
抵抗R151の一端は、CPU431の出力端子2に接続され、他の一端は、コンデンサC151の一端に接続されている。コンデンサC151の抵抗R151に接続されている一端と異なる一端は、ダイオードD151のアノードに接続されている。ダイオードD151のカソードは、抵抗R152の一端、および、コンデンサC152の一端に接続されている。コンデンサC152のダイオードD151のカソードに接続されている一端と異なる一端は、グラウンドに接続されている。
【0182】
抵抗R152のダイオードD151のカソードに接続されている一端と異なる一端は、抵抗R153の一端、および、コンデンサC153の一端に接続されている。コンデンサC153の抵抗R152の一端に接続されている一端と異なる一端は、グラウンドに接続されている。
【0183】
抵抗R153の抵抗R152の一端に接続されている一端と異なる一端は、トランジスタTR151のベースに接続されている。抵抗R154は、トランジスタTR151のベースとソースの間に接続されている。トランジスタTR151のコレクタは、駆動保持回路432の抵抗R113のトランジスタTR112のベースに接続されている一端と異なる一端に接続され、ソースはグラウンドに接続されている。
【0184】
また、CPU431は、正論理(ハイ・アクティブ)のパルス状の停止信号を出力端子2から出力し、停止回路531に入力する。
【0185】
[ヘッドランプ213を点灯させるときの車載システム501の動作]
次に、図15を参照して、ヘッドランプ213を点灯させるときの車載システム501の動作について説明する。
【0186】
なお、正常時および通信不良発生時の車載システム501の動作は、車載システム401と同様であり、その説明は繰り返しになるため省略する。
【0187】
(CPU431に異常が発生した場合の車載システム501の動作)
図15を参照して、BCM511のCPU431に暴走等の異常が発生した場合に、ヘッドランプ213を点灯させるときの車載システム501の動作について説明する。なお、この場合、コンビネーションSW211とBCM511との間の通信不良の発生の有無に関わらず、同じ動作が行われる。
【0188】
CPU431の異常発生時の車載システム501の動作は、車載システム401の動作と比較して、駆動保持回路432からの異常時点灯指令信号の出力を停止する場合の動作のみが異なる。
【0189】
具体的には、停止回路531は、図4の駆動保持積分回路234の抵抗R26からトランジスタTR23までの間の積分回路と同様の構成を有している。従って、停止回路531のトランジスタTR151は、所定の数の停止信号のパルスがCPU431から停止回路531に入力されたときオンする。
【0190】
従って、図10のBCM411では、最初の停止信号のパルスが停止回路433に入力されたとき、駆動保持回路432からの異常時点灯指令信号の出力が停止されるのに対し、BCM511では、所定の数の停止信号のパルスが停止回路531に入力されたとき、駆動保持回路432からの異常時点灯指令信号の出力が停止される。これにより、ノイズ等による誤動作を防止することができる。
【0191】
<3.変形例>
以下、本発明の実施の形態の変形例について説明する。
【0192】
例えば、図3の車載システム101において、監視部122が、第1指令部121の異常を検出した場合、第2指令部123のみにリセット信号を出力するようにしてもよい。そして、第2指令部123が、監視部122からリセット信号が入力された場合、車両の電源の状態に基づいて、電力供給制御部124に対して負荷113への電力の供給の指令を行うようにしてもよい。
【0193】
同様に、例えば、図9の車載システム301において、監視部122が、第1指令部321の異常を検出した場合、第2指令部322のみにリセット信号を出力するようにしてもよい。そして、第2指令部322が、監視部122からリセット信号が入力された場合、車両の電源の状態に基づいて、電力供給制御部124に対して負荷113への電力の供給の指令を行うようにしてもよい。
【0194】
なお、この場合のリセット信号は、第1指令部121または第1指令部321の状態のリセットには用いられないため、第1指令部121の異常を通知するための故障検知信号としてのみ機能する。
【0195】
また、上述したBCMの回路構成は、その一例であり、適宜変更することが可能である。
【0196】
例えば、バイポーラトランジスタの代わりにFET(Field Effect Transistor)を用いるようにしてもよい。
【0197】
また、回路構成の変更に合わせて、各信号の正論理と負論理を逆にしたり、パルス信号を連続信号に変更したり、連続信号をパルス信号に変更したりすることが可能である。
【0198】
さらに、図10乃至図15では、駆動保持回路432と停止回路433または停止回路531とを、トランジスタなどの回路素子で構成する例を示したが、例えば、これらと同様の機能を有するIC回路を用いてもよい。
【0199】
さらに、以上の説明では、駆動保持回路432からの異常時点灯指令信号の出力を検出した場合に、CPU431から停止信号を出力する例を示したが、例えば、異常時点灯指令信号の出力の有無に関わらず、停止信号を出力するようにしてもよい。
【0200】
また、以上の説明では、スイッチ221−1乃至221−nとBCMの間にCPU222を設け、CPU222がBCMと通信を行う例を示したが、本発明は、通信線を介してスイッチを直接BCMに接続し、スイッチとBCMが通信する場合にも適用することができる。
【0201】
さらに、本発明は、上述したヘッドランプ以外の車載用の電装部品への電力の供給を制御する場合も適用することができる。
【0202】
また、以上の説明では、通信不良またはCPU異常の発生時に、イグニッション電源IGに連動させてヘッドランプ213を点灯させる例を示したが、例えば、負荷の種類に応じて、他の電源(例えば、アクセサリ電源)に連動させるようにしてもよい。
【0203】
なお、本発明の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0204】
101 車載システム
111 操作部
112 負荷制御装置
113 負荷
114 電源
121 第1指令部
122 監視部
123 第2指令部
124 電力供給制御部
201 車載システム
211 コンビネーションスイッチ
212 BCM
213 ヘッドランプ
214 通信線
221−1乃至221−n スイッチ
222 CPU
232 CPU
233 WDT IC
234 駆動保持積分回路
235 ハイサイドドライバ
301 車載システム
311 負荷制御装置
321 第1指令部
322 第2指令部
323 停止部
401 車載システム
411 BCM
412 通信線
431 CPU
432 駆動保持回路
433 停止回路
501 車載システム
511 BCM
531 停止回路
C21乃至C153 コンデンサ
TR21乃至TR151 トランジスタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザにより操作される操作部から入力される信号に基づいて、車両の負荷を制御する負荷制御装置において、
前記操作部からの信号に基づいて、前記負荷への電力供給の第1の指令を行う第1の指令部と、
前記第1の指令部の異常の有無を監視し、前記第1の指令部の異常を検出した場合、前記第1の指令部の状態をリセットするためのリセット信号を出力する監視部と、
前記監視部から前記リセット信号が入力された場合、前記負荷への電力供給の第2の指令を行う第2の指令部と、
前記第1の指令または前記第2の指令に基づいて、前記負荷への電力の供給を制御する電力供給制御部と
を備えることを特徴とする負荷制御装置。
【請求項2】
前記第2の指令部は、前記車両の所定の電源がオンされている場合に、前記第2の指令を行う
ことを特徴とする請求項1に記載の負荷制御装置。
【請求項3】
前記第2の指令部は、前記車両の所定の電源からの電力を前記電力供給制御部に出力することにより前記第2の指令を行う
ことを特徴とする請求項2に記載の負荷制御装置。
【請求項4】
前記第1の指令部は、前記操作部との間の通信不良を検出した場合、前記車両の所定の電源の状態に基づいて、前記第1の指令を行う
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の負荷制御装置。
【請求項5】
前記車両の所定の電源は、前記車両の駆動系の電源である
ことを特徴とする請求項2乃至4のいずれかに記載の負荷制御装置。
【請求項6】
前記リセット信号は、パルス状の信号であり、
前記第2の指令部は、所定の数の前記リセット信号のパルスが入力された場合、前記第2の指令を行う
ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の負荷制御装置。
【請求項7】
前記第2の指令部は、コンデンサを備えた積分回路を含み、前記リセット信号が入力されることにより前記コンデンサに蓄積される電荷量が所定の閾値以上になった場合、前記第2の指令を行う
ことを特徴とする請求項6に記載の負荷制御装置。
【請求項8】
前記第1の指令部は、自身が正常に動作している場合、前記第2の指令を停止するための停止信号を出力し、
前記第1の指令部から前記停止信号が入力された場合、前記第2の指令部による前記第2の指令を停止させる停止部をさらに備える
ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の負荷制御装置。
【請求項9】
前記第1の指令部は、前記第2の指令部により前記第2の指令が行われているか否かを検出し、自身が正常に動作している場合に前記第2の指令が行われているとき、前記停止信号を出力する
ことを特徴とする請求項8に記載の負荷制御装置。
【請求項10】
前記停止信号は、パルス状の信号であり、
前記停止部は、所定の数の前記停止信号のパルスが入力された場合、前記第2の指令部による前記第2の指令を停止させる
ことを特徴とする請求項8または9に記載の負荷制御装置。
【請求項11】
前記停止部は、コンデンサを備えた積分回路を含み、前記停止信号が入力されることにより前記コンデンサに蓄積される電荷量が所定の閾値以上になった場合、前記第2の指令部による前記第2の指令を停止させる
ことを特徴とする請求項10に記載の負荷制御装置。
【請求項12】
ユーザにより操作される操作部から入力される信号に基づいて、車両の負荷を制御する負荷制御装置において、
前記操作部からの信号に基づいて、前記負荷への電力供給の第1の指令を行う第1の指令部と、
前記第1の指令部の異常の有無を監視し、前記第1の指令部の異常を検出した場合、故障検知信号を出力する監視部と、
前記監視部から前記故障検知信号が入力された場合、前記負荷への電力供給の第2の指令を行う第2の指令部と、
前記第1の指令または前記第2の指令に基づいて、前記負荷への電力の供給を制御する電力供給制御部と
を備えることを特徴とする負荷制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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