説明

負荷駆動装置と画像読取装置および画像形成装置

【課題】 負荷入力端での信号間のタイミングを最適にする。
【解決手段】 CCD1を駆動するための駆動信号およびそれとは別のバラツキを検出するためのバラツキ検出用信号を生成して出力するTG3(駆動信号生成手段)から出力された、CCDドライバ(ドライバIC)4を介していないバラツキ検出用信号ref1とCCDドライバ4を介したバラツキ検出用信号ref2との位相遅延バラツキを遅延検出部10が、CCDドライバ5を介していないバラツキ検出用信号ref3とCCDドライバ5を介したバラツキ検出用信号ref4との位相遅延バラツキを遅延検出部20がそれぞれ検出し、それらの位相遅延バラツキをフィードバック回路8,9がTG3にフィードバックし、そのTG3が、そのフィードバックされた各位相遅延バラツキに基づいて出力する各駆動信号の立上り,立下りの位相を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、負荷駆動装置、その負荷駆動装置を備えたスキャナ等の画像読取装置(デジタル複写機やデジタル複合機,ファクシミリ装置等の画像形成装置に搭載された画像読取部あるいは単体の画像読取装置)、およびその画像読取装置を搭載した画像形成装置に関し、特にセンサ等の負荷の高速駆動技術に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、スキャナは、原稿の画像面(以下単に「原稿」ともいう)からの反射光を取得し、それをセンサ基板(SBU)内に配置されているCCD(Charge Coupled Device)イメージセンサ(以下単に「CCD」と略称する)で光電変換して電気信号に変えることで原稿の画像を読み取る。
SBUは主に、原稿からの反射光を光電変換するCCDと、そのCCDからの出力信号に種々のアナログ処理を施すアナログ信号処理部(AFE:Analog-Front-End)と、CCD又はAFEを駆動するための駆動信号を生成するタイミングジェネレータ(TG:Timing-Generator)と、CCDを駆動するCCDドライバとによって構成される。なお、AFE(アナログ信号処理部)やCCDドライバはIC(集積回路)によって構成されている。
【0003】
TGで生成されたCCD駆動信号は、CCDドライバを介してCCDに供給されるが、CCDを駆動するためには、CCD入力端において任意の2信号間の信号タイミングを一定期間以上確保しなければいけないといったように、単一又は2信号間における様々なタイミング制約を満足する必要がある。しかし、CCD駆動を高速にするにつれ、タイミング制約を満足することが困難となる。これは、CCDドライバでの入出力遅延や、抵抗/容量の公差、伝送線路の寄生成分(抵抗/容量/インダクタ成分)、CCDの端子容量など、回路上に多数のバラツキ要因が存在しているためである。
【0004】
特に、CCDドライバの立上り/立下り特性のバラツキにより、駆動信号の立上りエッジと立ち下がりエッジでCCDドライバの入出力遅延時間がばらつくことや、それによりCCD入力においてタイミングの対象となる立上り/立下りエッジの位相や、CCD駆動信号のH(ハイレベル)/L(ローレベル)期間のデューティーがばらつくことが大きな問題となる。CCD駆動信号は多数存在するため、複数のCCDドライバを使用するが、その場合はパッケージが異なることによる上記の特性バラツキはさらに大きくなる。
【0005】
CCD駆動回路は、これらバラツキ要因がワーストとなった場合でも、タイミング制約を全て満足できるようにマージンを持たせて設計しなければならないが、高速化によってそのタイミングマージンが取れなくなる。
上記の問題に対応する技術としては、CCDに入力している駆動信号をTGにフィードバックし、それにより任意の信号の遅延(位相)を制御する構成とすることで、各バラツキ要因を最小限にし、CCDの高速駆動を可能にすることができる技術は既に知られている。
【0006】
例えば、特許文献1には、CCD駆動信号のタイミングスキューなどのばらつき要因を最低限にするため、駆動信号を発生して出力する駆動信号発生手段と、その駆動信号発生手段から負荷に出力される駆動信号を駆動信号発生手段にフィードバックするフィードバック手段とを備え、駆動信号発生手段が、フィードバックされた駆動信号に基づいて遅延を制御した駆動信号を発生して出力することにより、CCD駆動信号のタイミングスキューなどのばらつき要因を最低限にする構成について開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、このような従来の技術では、信号の遅延差を検出するためのフィードバック手段が駆動信号に直接つながっていることにより余分な負荷が増え、フィードバック手段の寄生成分などにより駆動信号に影響を与え、特に負荷の軽い信号では、遅延差バラツキを制御しても、CCD入力端での信号タイミングは結局ばらついてしまうという問題があった。
【0008】
この発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、CCD等の負荷を駆動するドライバICの入出力端での駆動信号の立上り/立下りの遅延バラツキ、H/L期間のデューティーのバラツキを最小限にし、尚且つ、ドライバICのパッケージが異なることによる特性バラツキを最小限にして、負荷入力端での信号間のタイミングを最適にすることにより、負荷の高速駆動を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明は、上記の目的を達成するため、以下の(1)〜(9)に示す負荷駆動装置、画像読取装置、および画像形成装置を提供する。
【0010】
(1)負荷を駆動するドライバICを有する負荷駆動装置であって、上記負荷を駆動するための駆動信号およびそれとは別のバラツキを検出するためのバラツキ検出用信号を生成する駆動信号生成手段と、それによって生成された駆動信号およびバラツキ検出用信号を上記ドライバICへ出力するバッファ手段と、上記ドライバICへの入力前と上記ドライバICからの出力後の上記バラツキ検出用信号の位相遅延バラツキを検出する遅延検出手段と、
該遅延検出手段によって検出された位相遅延バラツキを上記駆動信号生成手段にフィードバックするフィードバック手段とを設け、上記駆動信号生成手段に、上記フィードバック手段によってフィードバックされた位相遅延バラツキに基づいて、上記駆動信号の立上り,立下りの位相を制御する位相制御手段を備えたものである。
【0011】
(2)(1)の負荷駆動装置において、上記バラツキ検出用信号を、上記ドライバICを介する信号と介さない信号の2つの信号によって構成したものである。
(3)(1)又は(2)の負荷駆動装置において、上記遅延検出手段が、上記位相遅延バラツキとして、上記ドライバICへの入力前と上記ドライバICからの出力後の上記バラツキ検出用信号の立上り,立下りの遅延時間を電位として検出するものである。
【0012】
(4)(3)の負荷駆動装置において、上記位相制御手段を、上記駆動信号の遅延を制御するための複数の遅延素子,位相比較器,位相セレクタ,および位相セレクタ制御部からなるDLL回路によって構成し、上記位相セレクタ制御部が、上記フィードバック手段によってフィードバックされた上記遅延検出手段によって検出された電位に基づいて上記位相セレクタを制御するものである。
(5)(3)又は(4)の負荷駆動装置において、上記遅延検出手段に、上記バッファ手段の電源電圧を検出する手段を備えたものである。
【0013】
(6)(1)〜(5)のいずれかの負荷駆動装置において、上記遅延検出手段を、上記駆動信号生成手段の内部に備えたものである。
(7)(1)〜(6)のいずれかの負荷駆動装置において、上記負荷をイメージセンサとしたものである。
(8)(1)〜(7)のいずれかの負荷駆動装置を備えた画像読取装置である。
(9)(8)の画像読取装置を備え、その画像読取装置によって読み取られた画像データに基づいて画像形成処理を行う画像形成装置である。
【発明の効果】
【0014】
この発明によれば、負荷駆動装置が、駆動信号生成手段によって負荷を駆動するための駆動信号およびそれとは別のバラツキを検出するためのバラツキ検出用信号を生成し、バッファ手段によってドライバICへ出力すると、そのドライバICへの入力前とそのドライバICからの出力後のバラツキ検出用信号の位相遅延バラツキを遅延検出手段によって検出し、その位相遅延バラツキをフィードバック手段によって駆動信号生成手段にフィードバックして、その駆動信号生成手段が、そのフィードバックされた位相遅延バラツキに基づいて出力する駆動信号の立上り,立下りの位相を制御することにより、負荷(CCD等)を駆動するドライバIC(CCDドライバ等)の入出力端での駆動信号の立上り/立下りの遅延バラツキ、H/L期間のデューティーのバラツキを最小限にし、尚且つ、ドライバICのパッケージが異なることによる特性バラツキを最小限にして、負荷入力端での信号間のタイミングを最適にすることができるので、負荷の高速駆動を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】この発明の実施形態であるSBU内のCCD駆動回路の構成例を示すブロック図である。
【図2】図1の遅延検出部10の構成の第1例を示す回路図である。
【図3】その遅延検出部10の動作を説明するためのタイミング図である。
【図4】図1に示したCCD駆動回路による作用効果について説明するためのタイミング図である。
【図5】図2に示した遅延検出部10を有するフィードバック回路8による遅延検出からフィードバックまでの流れについて説明するための図である。
【図6】図1のTG3が有する位相制御部3aの構成例を示す回路図である。
【0016】
【図7】図6の位相セレクタ制御部51,52の動作例を示すフロー図である。
【図8】図6の位相セレクタ41〜44での位相変化を説明するためのタイミング図である。
【図9】図1の遅延検出部10の構成の第2例を示す回路図である。
【図10】図9に示した遅延検出部10の動作を説明するためのタイミング図である。
【図11】図1の遅延検出部10の構成の第3例を示す回路図である。
【図12】図1の遅延検出部10をTG3内に配置した場合の構成例を示すブロック図である。
【0017】
【図13】この発明によるSBUを有するスキャナを搭載した画像形成装置の構成例を示す図である。
【図14】従来のSBUの構成の第1例を示す回路図である。
【図15】図14のTG3で生成されたCCD駆動信号のタイミング制約について説明するためのタイミング図である。
【図16】図14のCCDドライバ4,5の入出力端での駆動信号の遅延バラツキとH/L期間バラツキについて説明するためのタイミング図である。
【図17】従来のCCD駆動回路の構成例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、この発明を実施するための形態を図面に基づいて具体的に説明する。
以下の実施形態は、CCD駆動信号(負荷駆動信号)のバラツキ抑制に際して、以下の特徴を有する。
すなわち、CCD駆動信号(以下単に「駆動信号」ともいう)の他に、駆動信号のバラツキを検出するための信号(ref_clk)を設け、駆動信号と同一のCCDドライバを介すことにより、信号ref_clkのCCDドライバ入力と出力での位相遅延バラツキ(立上り/立下り遅延時間)を検出する構成とする。そして、検出された立上り/立下り遅延時間をタイミングジェネレータ(TG)にフィードバックし、その遅延時間分だけ駆動信号の立上り/立下りの位相設定を制御できる構成とする。
【0019】
以上の構成により、CCDドライバの入出力端での駆動信号の立上り/立下り遅延による、駆動信号の立上り/立下りの位相タイミングのバラツキを補正することができ、同時にH/L期間のデューティーバラツキも補正できる。
また、各CCDドライバに、上記の立上り/立下り遅延時間を検出する構成を設けることにより、入出力するCCDドライバのパッケージが異なる信号間のタイミングのバラツキを最小限にすることができることが特徴になっている。
【0020】
そこで、その特徴について詳細に説明するが、その説明に入る前に、理解の便宜のため、従来のスキャナに搭載されているSBU(センサ基板)内での信号の流れと、そのSBUの問題点について、図14〜図17を参照して説明する。なお、タイミングジェネレータ(TG)がアナログフロントエンド(AFE)と別チップの構成の例で説明するが、TGがAFEに内蔵されている構成でも良い。
図14は、従来のSBUの構成の第1例を示す回路図である。
【0021】
このSBU(センサ基板)を備えたスキャナは、原稿からの反射光を取得し、それをSBU内に配置されているCCDで光電変換して電気信号に変えることで原稿の画像を読み取る(図示省略)。その中でSBUは主に、原稿からの反射光を光電変換するCCD1と、そのCCD1からの出力信号に種々のアナログ処理を施すAFE(アナログ信号処理装置)2と、CCD1又はAFE2を駆動するための駆動信号を発生するタイミングジェネレータ(TG)3と、CCD1を駆動する複数のCCDドライバ4,5とによって構成されている。
【0022】
CCD1およびAFE2の駆動に必要な駆動信号(CCD_CLK,AFE_CLK)および各種ゲート信号(GATE)は、駆動信号生成手段であるTG3で生成され、CCD1やAFE2に入力される。
TG3で生成されたCCD1の駆動に必要な駆動信号であるCCD駆動信号(CCD_CLK)は、ドライバICであるCCDドライバ4,5を介してCCD1に供給される。
【0023】
CCD1は、TG3からのCCD駆動信号に基づいて、原稿からの反射光を光電変換してアナログ電気信号として出力する。
CCD1から出力されたアナログ電気信号(画像信号)は、エミッタフォロワ回路で構成されるバッファ回路6を介してコンデンサ7により交流結合され、AFE2に入力される。
【0024】
AFE2は、図示しないクランプ部,サンプル・ホールド部,増幅部,およびA/D変換部を備えており、コンデンサ7から出力された画像信号がクランプ部に入力されると、そのクランプ部により画像信号の基準黒レベルが当該AFE2の内部基準電圧に補正される。次に、クランプ部からの画像信号がサンプル・ホールド部によってサンプリングされ、一定時間保持される(サンプルホールドされる)ことにより、画像信号を連続したアナログ画像信号として出力される。そして、そのアナログ画像信号が増幅部で増幅された後、A/D変換部でデジタル画像信号(画像データ)として出力される。
【0025】
図15は、図14のTG3で生成されたCCD駆動信号のタイミング制約について説明するためのタイミングチャートである。
TG3で生成されるCCD駆動信号を構成する各駆動信号φ1,φ2,φ2L,RS,CPは、CCDドライバ4,5を介してCCD1に入力されるが、その各駆動信号は図15に示すように単一又は2信号間でのタイミング制約が存在する。例えば、RSのHigh期間(t5)、又はRS↓とCP↓(t7)には各々確保しなければならない最小値が設定されており、CCD1を駆動する上では、部品のばらつきがある場合でも、これらのタイミング制約を全て満足しなければならない(t1〜t4,t6,t8の規格についても同様に確保しなければならない最小値が設定されている)。
【0026】
また、Vx1はφ1↓−φ2↑,φ1↑−φ2↓のクロスポイントに関する規格であり、所定の電圧以上でクロスポイントを確保するように制約されている。例えば、図15(a)でφ2↑タイミングが遅れた場合、φ1↓−φ2↑クロスポイントVx1は小さくなり、φ2↑遅延時間が大きくなるとVx1は所定の電圧以下となり、制約を満足できなくなる。そのため、この制約を満足するためには、ばらついた場合でもクロスポイントが確保できるようにφ1↓−φ2↑,φ1↑とφ2↓のタイミングを揃える必要がある。φ1↓−φ2L↑,φ1↑−φ2L↓のクロスポイントVx2に関しても同様である。
【0027】
ここで、φ1/φ2はCCDイメージセンサ1内のフォトダイオード(PD)で得られた信号電荷をアナログシフトレジスタ上で電荷転送を行うための転送クロックであり、φ2Lは最終段の転送クロックである。また、RSは出力段に転送されてきた信号電荷を電圧として検出するフローティングキャパシタに蓄積した信号電荷を初期状態にリセットするリセット信号であり、CPはCCD出力信号の基準を任意の電圧となるように調整(クランプ)するクランプ信号である。さらに、上記以外に、PDで得られた信号電荷を1ラインに1回アナログシフトレジスタに転送するためのシフトゲート信号があるが、その図示は省略している。
一方、各駆動信号は、TG3内の図示しないクロック生成部にて任意のタイミング関係となるように生成される。
【0028】
図16は、図14のCCDドライバ4,5の入出力端での駆動信号の遅延バラツキとH/L期間バラツキについて説明するためのタイミングチャートである。
CCD1の駆動を高速にするにつれ、タイミング制約を満足することが困難となる。これは、CCDドライバ4,5での入出力遅延や、抵抗/容量の公差、伝送線路の寄生成分(抵抗/容量/インダクタ成分)、CCD1の端子容量など、回路上に多数のバラツキ要因が存在しているためである。
【0029】
例えば、図16に示すように、特にCCDドライバ4,5の立上り/立下り特性のバラツキにより、ドライバ出力後1とドライバ出力後2のように、駆動信号の立上りエッジでの入出力遅延時間(ta)、立ち下がりエッジでの入出力遅延時間(tb)がばらつくことで2信号間の位相関係がばらついてしまうことや、ta,tbがばらつくことによりCCD駆動信号のH/L期間のデューティーがばらつくことが大きな問題となる。
【0030】
駆動信号のH/Lデューティーがばらつくと、H期間/L期間が直接ばらつくため、図15に示したt1(φ1/φ2差電圧幅)、t2(φ1/φ2L差電圧幅)、t5(RSのH幅)、t8(CPのH幅)などの信号のH幅/L幅が関係するタイミング規格がダイレクトに影響を受けることになる。
また、信号間の位相関係(立上り/立下りエッジのタイミング)がばらつくことにより、t3(φ2L↑−RS↓)、t4(CP↓−φ2L↓)、t6(RS↑−CP↑)、t7(RS↓−CP↓)などの2信号間でのエッジのタイミング関係が規定されている規格においてダイレクトに影響を受けることになる。
【0031】
CCD駆動回路は、これらバラツキ要因がワーストとなった場合でも、タイミング制約を全て満足できるようにマージンを持たせて設計しなければならないが、高速化によって特性バラツキが満足すべきタイミングに対して大きくなるために、そのタイミングマージンが取れなくなる。
なお、この説明では、CCDドライバ4,5をバッファタイプを例として説明するが、インバータタイプでも良い。
【0032】
図17は従来のCCD駆動回路の構成例を示すブロック図であり、図14に対応する部分には同一符号を付している。
上記のような駆動信号のタイミングバラツキに対応するために、例えば図17に示すような構成が開示されている。
【0033】
図17に示すCCD駆動回路は、CCD駆動信号のタイミングスキューなどのばらつき要因を最低限にする目的で、駆動信号を生成して出力する駆動信号生成手段に相当するTG3と、そのTG3から負荷であるCCD1に出力される駆動信号を駆動信号生成手段にフィードバックする(FB−1,FB−2)フィードバック手段であるフィードバック回路8,9を備え、TG3が、フィードバックされた駆動信号に基づいて遅延を制御した駆動信号を生成して出力することにより、CCD駆動信号のタイミングスキューなどのばらつき要因を最低限にする構成である。
【0034】
しかし、図17の構成は、信号の遅延差を検出するためのフィードバック回路8,9が駆動信号に直接つながっていることにより余分な負荷が増え、フィードバック回路8,9の寄生成分などにより駆動信号自身に影響を与え、特に負荷の軽い信号では、遅延差バラツキを制御しても、CCD1の入力端での信号タイミングが結局ばらついてしまい、最適に制御できないという課題がある。
【0035】
そこで、上述した問題を解消するため、この発明の実施形態を以下に示す。
図1は、この発明の実施形態であるSBU内のCCD駆動回路の構成例を示すブロック図であり、図17に対応する部分には同一符号を付している。
【0036】
この実施形態のCCD駆動回路(CCD駆動装置)では、TG3が、CCD駆動信号およびそれとは別のバラツキを検出するためのバラツキ検出用信号(ref_clk)を生成し、それらの信号を後述するバッファ(バッファ手段)によってCCDドライバ4,5へ出力する。バラツキ検出用信号(ref_clk)は2つの信号(2信号)であり、その2信号を用いて、CCDドライバ4,5の入出力遅延時間をそれぞれ遅延検出手段である遅延検出部10,20が検出し、フィードバック回路8,9が、TG3内にある位相制御手段である位相制御部3aに遅延差分としてフィードバックする(FB−1,FB−2,FB−3,FB−4)ことで、その検出された遅延差分だけCCD駆動信号の立上り/立下りの位相を制御できる構成としている。
【0037】
これにより、駆動信号に影響を与えることなく、高速駆動の際に問題となるCCDドライバ4,5の入出力端での駆動信号の遅延バラツキによる、位相タイミングのバラツキやH/L期間のデューティーバラツキを補正することができる。
ここで、図1に示したように、CCD駆動信号とは別の2信号とは、バラツキ検出用信号(ref_clk)のCCDドライバ4,5をそれぞれ介さない信号(ref1,ref3)とCCDドライバ4,5をそれぞれ介す信号(ref2,ref4)とする。
【0038】
図2は、図1の遅延検出部10の構成の第1例を示す回路図である。図3は、その遅延検出部10の動作を説明するためのタイミングチャートである。なお、図1の遅延検出部20の構成および動作は遅延検出部10と同様なので、遅延検出部20の構成の図示および動作の説明は省略する。
【0039】
例えば、バラツキ検出用信号ref_clkのH/L期間のデューティー比が1/1で、CCDドライバ4の立上り,立下りの入出力遅延時間をそれぞれT1,T2とする。
CCDドライバ4を介さない信号(ref1)と、CCDドライバ4を介した信号(ref2)の位相関係は、図3の(a),(b)に示すように、ref2の立上りエッジ,立下りエッジがCCDドライバ4の入出力遅延時間T1,T2分だけ遅れることになる。
【0040】
遅延検出部10内の排他的論理和回路11によってref1とref2の排他的論理和をとると、図3の(c)に示すように、T1とT2の期間のみHが出力される信号3を検出できる。更に、AND回路12により信号3とref1のANDをとると、同図の(d)に示すように、CCDドライバ4の立上り遅延時間T1のみHが出力される信号4を検出できる。また、AND回路13によりref2と信号3のANDをとると、同図の(e)に示すように、CCDドライバ4の立下り遅延時間T2のみHが出力される信号5を検出できる。
【0041】
以上のようにして検出した信号4と信号5をTG3の位相制御部3aにフィードバックし、図3の(f)に示す位相制御前の駆動信号(ccd_clk)に対し、検出した信号4のT1分だけ立上りの位相が速く、検出した信号5のT2分だけ立下りの位相が速くなるように位相を制御し、TG3の出力での駆動信号が同図の(g)に示すタイミングになるようにする。
【0042】
位相制御後にTG3から出力した駆動信号は、CCDドライバ4を介すことにより、立上りエッジがT1、立下りエッジがT2だけ遅延するので、CCDドライバ4の出力(CCD入力端)では、図3の(h)に示すような位相タイミングとなり、同図の(f)に示した位相制御前のTG3の出力の駆動信号と同位相となり、CCDドライバ4を介すことによる立上り/立下りの遅延バラツキによる、位相タイミングバラツキやH/L期間のデューティーバラツキを補正することができる。
【0043】
図4は、図1に示したCCD駆動回路による作用効果について説明するためのタイミングチャートである。
ここで、図1に示したように、各CCDドライバ4,5につきそれぞれ、ref_clkを供給し、CCDドライバ4,5を介さない信号(ref1,ref3)と介す信号(ref2,ref4)、遅延検出部10,20を設ける。
【0044】
CCDドライバの特性は、同一パッケージ内では特性はトラッキングし、バラツキを小さく抑えることができるが、パッケージが異なると特性バラツキは大きくなり、更にCCDドライバの使用数が増えると、同一基板上にロットが異なるCCDドライバが搭載される可能性もあり、その場合バラツキはさらに大きくなる。
【0045】
例えば、図4の(a)に示すように、異なるパッケージのCCDドライバ4,5では、立上りエッジの入出力遅延時間(T1,T3)と立下りエッジの入出力遅延時間(T2,T4)のバラツキが大きくなり、T1−T2,T3−T4の時間も大きくばらつくことになる。CCDドライバ4,5の入力前の駆動信号(ccd_clk1、ccd_clk3)の立上り/立下りエッジの位相関係、H/L期間デューティーが同一であったとしても、異なるCCDドライバ4,5を介すことにより、CCDドライバ4,5の出力後には、立上り/立下りエッジの位相関係やH/L期間のデューティーがCCD_CLK1とCCD_CLK3のように大きくばらつくことになる。
【0046】
そこで、各CCDドライバ4,5につきそれぞれ、ref_clkを供給し、CCDドライバ4,5を介さない信号(ref1、ref3)と介す信号(ref2、ref4)、遅延検出部10,20を設ける構成にすることにより、CCDドライバ4,5毎に入出力端での駆動信号の遅延バラツキを補正することができ、パッケージの違いによるCCDドライバ4,5の特性バラツキを抑制し、図4の(b)に示すCCD_CLK I,CCD_CLK IIIのように、CCDドライバ4,5の出力において、位相制御前のTG3の出力と同位相の駆動信号を得ることができ、初期設定で駆動信号を最適の位相関係にしておけば、後段のバラツキ要因に影響されても、この実施形態での位相関係の制御(補正)により、CCDドライバ4,5の出力(CCD入力端)でのタイミング関係を最適にすることが可能となる。
【0047】
図5は、図2に示した遅延検出部10による遅延検出からフィードバック回路8によるフィードバックまでの流れについて説明するための図である。
フィードバック回路8では、図3によって説明した遅延検出部10の動作により、信号4,信号5で立上り/立下り遅延時間分だけHを出力する信号を検出でき、これらの信号を、図2の高域カットフィルタ(FIL)14,15に通す。
【0048】
例えば、図5に示すように、立上りのCCDドライバ4の入出力遅延時間T1が、駆動信号の周期Tの1/4のとき、信号4は1周期の1/4の期間Hを出力することになるので、高域カットフィルタ14を通すことにより、電圧検出回路16からVcc/4の直流信号が得られる(Vcc:電源電圧)。同様に、立下りのCCDドライバ4の入出力遅延時間T2が、駆動信号の周期Tの1/8だとすると、高域カットフィルタ15を通すことにより、電圧検出回路(V検出回路)17からVcc/8の直流信号が得られる。
このようにして得られた、直流信号をフィードバック回路8によりTG3にフィードバックする。
【0049】
図6は、図1のTG3が有する位相制御部3aの構成例を示す回路図である。
位相制御部3aは、例えば図6に示すようなDLL(Delay-Lock-Loop)を用いることで、誤差の少ない構成にすることができる。この位相制御部3aは、遅延素子(D)21〜24と、位相比較器31〜34と、位相セレクタ41〜44と、位相セレクタ制御部51,52とを備えている。
【0050】
TG3内で生成される各駆動信号(S1〜S4)をDLLの基準信号としており、それらと各遅延素子(D)21〜24の各出力との位相をそれぞれ各位相比較器31〜34で比較して、各遅延素子21〜24の遅延を制御し、最終的に基準信号S1〜S4と遅延素子21〜24の出力との位相が360°異なる(1周期分異なる)ように調整される(位相がロックされる)。このとき、各遅延素子21〜24の1段当たりの遅延量Dは、基準信号の周期T、遅延素子の数nとすると、D=T/nとなり、遅延量Dは基準信号の周期Tと遅延素子数nのみで決まる。分解能を上げる(設定ステップを細かくする)ためには遅延素子数nを大きくすればよい。
【0051】
なお、61〜70はバッファであり、外部と通信するために使用される。バッファ61,62,65,66,69,70は、TG3内で生成された駆動信号およびバラツキ検出用信号をCCDドライバ4,5へ出力(送信)するためのバッファ手段である。バッファ63,64,67,68は、フィードバック回路8,9によってフィードバックされる信号を受信するためのバッファ手段である。
【0052】
図7は、図6の位相セレクタ制御部51,52の動作例を示すフローチャートである。図8は、図6の位相セレクタ41〜44での位相変化を説明するためのタイミングチャートである。
ここで、位相セレクタ制御部51は、遅延検出部10で検出された遅延差分に相当する電位V(FB−1),V(FB−2)がフィードバックされるため、その電位に応じて図7に示すような動作を行う。なお、図7は立下りエッジの制御を例にしているが、立上りに関しても同様である。
【0053】
例えば、図8に示すように、遅延素子の数n=32、初期位相が立上りエッジはD(9)、立下りエッジはD(25)であったとする。遅延検出部10でV(FB−1)=Vcc/4の電位が検出されてフィードバックされたとき、V(FB−1)=8*Vcc/32=Vcc/4となり、立上りの位相設定を−8してD(1)を選択するよう制御させる。また、V(FB−2)=Vcc/8の電位がフィードバックされたとき、V(FB−2)=4*Vcc/32=Vcc/8となるので、立下りの位相設定を−4してD(21)を選択するよう制御させる。
これにより、CCDドライバ4,5での入出力遅延時間のバラツキによる、位相タイミングのバラツキ、H/L期間のデューティーバラツキを補正することができる。
【0054】
図9は、図1の遅延検出部10の構成の第2例を示す回路図であり、図2と対応する部分には同一符号を付している。なお、図1の遅延検出部20の構成および動作は遅延検出部10と同様なので、遅延検出部20の構成の図示および動作の説明は省略する。
これまでは、CCDドライバ4,5がバッファタイプを例に説明してきたが、インバータタイプの場合(通常、高速性の観点からインバータタイプを使用することが多い)には遅延検出部10を図9に示すような構成にすることにより、CCDドライバ4の立上り/立下り遅延時間を検出することができる。
【0055】
図10は、図9に示した遅延検出部10の動作を説明するためのタイミングチャートである。
CCDドライバ4の立上り,立下りの出力遅延時間をそれぞれT1,T2とする。TG3から出力されるref_clkのCCDドライバ4を介さない、図10の(a)に示す信号ref1に対し、CCDドライバ4を介す信号としては、CCDドライバ4で論理が反転して立下りエッジがT2、立上りエッジがT1だけ遅延した、同図の(b)に示すような信号ref2が出力される。
【0056】
そして、AND回路71によってref1とref2のANDをとることにより、図10の(c)に示す信号3を検出できる。この信号3のH期間はCCDドライバ4の立下り遅延時間T2に相当する。
また、NOR回路72によってref1とref2のNORをとることにより、図10の(d)に示す信号4を検出できる。この信号4のH期間はCCDドライバ4の立上り遅延時間T1に相当する。
【0057】
以上のようにして検出した信号3,4を、図5〜図8によって説明したような方法で、電位に変換してTG3にフィードバックし、位相を制御することにより、インバータタイプのCCDドライバ4においても、入出力遅延時間のバラツキによる、位相タイミングのバラツキ、H/L期間のデューティーバラツキを補正することができる。
【0058】
図11は、図1の遅延検出部10の構成の第3例を示す回路図であり、図9と対応する部分には同一符号を付している。なお、図1の遅延検出部20の構成および動作は遅延検出部10と同様なので、遅延検出部20の構成の図示および動作の説明は省略する。
図11に示す遅延検出部10は、図9に示したものの改良版である。
この実施形態では、CCDドライバ4を介すことによる遅延時間を電位として検出するが、この場合、CCDドライバ4に供給される電源電圧Vccがばらつくと、CCDドライバ4から出力されるクロックの振幅も同様にばらついてしまうため、遅延時間を電位に変換する際の精度もばらついてしまうことになる。
【0059】
そこで、遅延検出部10を図11に示すような構成とし、スタンバイ時にref_clkは常にLベタの信号を出力するようにする。インバータタイプのCCDドライバ4を介したref2はHベタの信号が出力されることになるので、信号5を高域カットフィルタ73を通し、電圧検出回路74で電位を検出すると、V=Vccが検出される。この電源電圧をTG3の位相制御部3aにフィードバックし(FB−0)、その電源電圧の情報をもとに、上述の位相制御を行う動作シーケンスとすることにより、CCDドライバ4の電源電圧のバラツキも考慮したより精度の高い位相制御が可能となる。
【0060】
図12は、図1の遅延検出部10,20をTG3内に配置した場合の構成例を示すブロック図であり、図2,図9,図11と対応する部分には同一符号を付している。
これまでは、CCDドライバ4の入出力端での駆動信号の遅延バラツキを検出して位相を制御する構成であった。しかし、厳密には、TG3が生成した駆動信号を出力する際にも、立上りエッジと立下りエッジの出力遅延バラツキが存在し、立上り/立下りの位相関係やH/L期間のデューティーがばらつく要因となる。
【0061】
そこで、例えば図12に示すように、図2,図9,又は図11によって説明したような遅延検出部10,20をTG3内に配置し、TG3で生成されるバラツキ検出用信号の内部信号(ref1,ref3)と、TG3から出力され、CCDドライバ4,5を介した信号(ref2,ref4)をTG3にフィードバックした信号のバラツキを検出し、位相制御を行う構成とする。
これにより、CCDドライバ4,5の入出力端での駆動信号の遅延バラツキに加え、TG3の出力の際の立上りエッジと立下りエッジの出力遅延バラツキも含めた遅延バラツキを検出し、制御することができるので、図1に示す構成よりも更にバラツキを小さくすることができ、CCD1の入力端でのタイミングをより最適にすることが可能となる。
【0062】
以上、この発明をCCDによって原稿の画像を読み取るスキャナに搭載可能なSBUに適用した実施形態ついて説明したが、この発明はこれに限らず、他のイメージセンサによって原稿の画像を読み取るスキャナに搭載可能なSBUには勿論、それらのイメージセンサによって原稿の画像を読み取る他の画像読取装置に搭載可能なSBU、それらのSBUを搭載した画像読取装置、その画像読取装置を搭載したデジタル複写機,ファクシミリ装置,プリンタ等の各種画像形成装置にもそれぞれ適用可能である。画像形成装置本体は、画像読取装置からの画像データを可視画像として印刷媒体に印刷することができる。また、この発明をイメージセンサ以外の負荷(モータ等)を駆動する負荷駆動回路を有する基板を搭載した画像読取装置や画像形成装置等の各種電子機器にも適用可能である。
【0063】
図13は、この発明によるSBUを有するスキャナを搭載した画像形成装置の構成例を示す図である。
この画像形成装置は、システム制御ユニット101,画像読み取りユニット(スキャナ)102,画像処理ユニット103,画像書き込みユニット104,操作部ユニット105,複写機機構部106,画像表示ユニット107,ドラムユニット108,中間転写部109,現像部110,給紙部111,および定着部112を備えている。ここで、操作部ユニット105と、画像表示ユニット107とを個別に設ける代わりに、切り替えて使用することのできる1つのユニットとして構成してもよい。
【0064】
画像読み取りユニット102により、原稿を光源により照射しながら原稿を走査して、原稿からの反射光像を図示しないCCD(SBU内のCCD駆動回路によって駆動される)によって読み取り、画像データを画像処理ユニット103に送る。
画像処理ユニット103では、画像読み取りユニット102からの画像データに対してスキャナγ補正,色変換,主走査変倍,画像分離,加工,エリア処理,階調補正処理などの画像処理を行い、その画像処理を行った画像データを画像書き込みユニット104へ送る。
【0065】
画像書き込みユニット104では、画像処理ユニット103からの画像データに応じて図示しないLD(レーザダイオード)を変調駆動し、対応するレーザビームを射出する。
ドラムユニット108では、一様に帯電された回転する感光体ドラムにLDからのレーザビームにより潜像を書き込み、現像部110によりトナーを付着させて顕像化させ、トナー画像を形成する。
【0066】
感光体ドラム上に作られたトナー画像は、中間転写部109の中間転写ユニットの転写ベルト上に再転写される。中間転写ベルト上には、フルカラーコピーの場合、4色(Bk、C、M、Y)のトナーが順次重ねられる。フルカラーコピーの場合には、Bk(ブラック),C(シアン),M(マゼンタ),Y(イエロー)の4色作像・転写工程が終了した時点で中間転写ベルトとタイミングを合わせて、給紙部111より転写紙(他の媒体でもよい)が給紙され、紙転写部で中間転写ベルトから4色同時に転写紙にトナー画像が転写される。トナー画像が転写された転写紙は、搬送部を経て定着部112に送られ、定着ローラと加圧ローラとによって熱定着され、排紙される。
【0067】
また、コピーモード等のユーザが設定するものは、操作部ユニット105によって入力される。設定されたコピーモード等の操作モードは、システム制御ユニット101へ送られ、システム制御ユニット101では、設定されたコピーモードを実行するための制御処理を行う。このとき、システム制御ユニット101から画像読み取りユニット102,画像処理ユニット103,画像書き込みユニット104,画像表示ユニット107等のユニットに対して制御指示を行う。
【0068】
画像表示ユニット107に画像読み取りユニット102から読み取った画像を表示するには、システム制御ユニット101からの制御指示により、画像読み取りユニット102が原稿画像の読み取りをスタートし、画像読み取りユニット102からの画像信号(画像データ)に対して、画像処理ユニット103において画像表示装置で表示するのに適した画像処理を行った後、画像表示ユニット107に原稿の画像データを出力する。
【産業上の利用可能性】
【0069】
以上の説明から明らかなように、この発明によれば、負荷を駆動するドライバICの入出力端での駆動信号の立上り/立下りの遅延バラツキ、H/L期間のデューティーのバラツキを最小限にし、尚且つ、ドライバICのパッケージが異なることによる特性バラツキを最小限にして、負荷入力端での信号間のタイミングを最適にすることができる。したがって、負荷の高速駆動を実現できる負荷駆動装置,画像読取装置,および画像形成装置を提供することができる。
【符号の説明】
【0070】
1:CCD 2:AFE 3:TG 3a:位相制御部
4,5:CCDドライバ 8,9:フィードバック回路 10,20:遅延検出部
11:排他的論理和回路 12,13,71:AND回路
14,15,73:高域カットフィルタ 16,17,74:電圧検出回路
21〜24:遅延素子 31〜34:位相比較器 41〜44:位相セレクタ
51,52:位相セレクタ制御部 61〜70:バッファ 72:NOR回路
【先行技術文献】
【特許文献】
【0071】
【特許文献1】特開2008−072392号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
負荷を駆動するドライバICを有する負荷駆動装置であって、
前記負荷を駆動するための駆動信号および該駆動信号とは別のバラツキを検出するためのバラツキ検出用信号を生成する駆動信号生成手段と、
該駆動信号生成手段によって生成された駆動信号およびバラツキ検出用信号を前記ドライバICへ出力するバッファ手段と、
前記ドライバICへの入力前と前記ドライバICからの出力後の前記バラツキ検出用信号の位相遅延バラツキを検出する遅延検出手段と、
該遅延検出手段によって検出された位相遅延バラツキを前記駆動信号生成手段にフィードバックするフィードバック手段とを設け、
前記駆動信号生成手段は、前記フィードバック手段によってフィードバックされた位相遅延バラツキに基づいて、前記駆動信号の立上り,立下りの位相を制御する位相制御手段を有することを特徴とする負荷駆動装置。
【請求項2】
前記バラツキ検出用信号は、前記ドライバICを介する信号と介さない信号の2つの信号からなることを特徴とする請求項1に記載の負荷駆動装置。
【請求項3】
前記遅延検出手段は、前記位相遅延バラツキとして、前記ドライバICへの入力前と前記ドライバICからの出力後の前記バラツキ検出用信号の立上り,立下りの遅延時間を電位として検出することを特徴とする請求項1又は2に記載の負荷駆動装置。
【請求項4】
前記位相制御手段は、前記駆動信号の遅延を制御するための複数の遅延素子,位相比較器,位相セレクタ,および位相セレクタ制御部からなるDLL回路で構成され、
前記位相セレクタ制御部は、前記フィードバック手段によってフィードバックされた前記遅延検出手段によって検出された電位に基づいて前記位相セレクタを制御することを特徴とする請求項3に記載の負荷駆動装置。
【請求項5】
前記遅延検出手段は、前記バッファ手段の電源電圧を検出する手段を有することを特徴とする請求項3又は4に記載の負荷駆動装置。
【請求項6】
前記遅延検出手段は、前記駆動信号生成手段の内部に有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の負荷駆動装置。
【請求項7】
前記負荷は、イメージセンサであることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の負荷駆動装置。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれか一項に記載の負荷駆動装置を備えたことを特徴とする画像読取装置。
【請求項9】
請求項8に記載の画像読取装置を備え、該画像読取装置によって読み取られた画像データに基づいて画像形成処理を行うことを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2012−74803(P2012−74803A)
【公開日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−216529(P2010−216529)
【出願日】平成22年9月28日(2010.9.28)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】