説明

販売データ処理装置およびプログラム

【課題】釣銭等の手渡しも兼ねてクーポンの進呈をスムーズに行い易くする販売データ処理装置およびプログラムを提供することである。
【解決手段】実施形態の販売データ処理装置は、入力受付手段と、販売登録手段と、表示制御手段とを備える。入力受付手段は、商品情報の入力を受付ける。販売登録手段は、前記入力受付手段が受付けた前記商品情報の商品を客が買い上げる商品として販売登録し、客が買い上げる商品の合計買い上げ金額を算出する。表示制御手段は、前記販売登録手段が算出した前記合計買い上げ金額が所定の金額に達している場合には、当該金額に応じて客に進呈可能であるクーポンに関する情報および釣銭額を含む表示領域を表示器上に表示させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、販売データ処理装置およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
スーパーマーケットや量販店等の店舗においては、客の買い上げ金額やポイント数に応じて値引券や割引券等のクーポンを進呈し、次回以降の買物にてそのクーポンによる値引サービスを行うサービスがある。このようなサービスに関して、従来は、客の買い上げ金額やポイント数がクーポンを進呈できる条件となった場合にブザー動作や表示通知等を行って店員に報知する技術が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、従来技術においては、釣銭等の手渡しも兼ねてクーポンの進呈をスムーズに行えるようにしたいという要望があった。
【課題を解決するための手段】
【0004】
実施形態の販売データ処理装置は、入力受付手段と、販売登録手段と、表示制御手段とを備える。入力受付手段は、商品情報の入力を受付ける。販売登録手段は、前記入力受付手段が受付けた前記商品情報の商品を客が買い上げる商品として販売登録し、客が買い上げる商品の合計買い上げ金額を算出する。表示制御手段は、前記販売登録手段が算出した前記合計買い上げ金額が所定の金額に達している場合には、当該金額に応じて客に進呈可能であるクーポンに関する情報および釣銭額を含む表示領域を表示器上に表示させる。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【図1】図1は、本実施形態に係るPOS端末の構成を示す外観斜視図である。
【図2】図2は、POS端末の電装系の構成を示すブロック図である。
【図3】図3は、アラート画面の一例を示す図である。
【図4】図4は、前取引のクーポンに関する情報が表示された、次取引の登録画面の一例を示す図である。
【図5】図5は、クーポンに関する情報を含めて印字されたジャーナルの一例を示す図である。
【図6】図6は、POS端末が実行する販売登録処理の手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0006】
本実施の形態においては、スーパーマーケットや量販店等の店舗において使用されるPOS(Point Of Sales:販売時点データ管理)端末に販売データ処理装置を適用する場合について説明する。
【0007】
図1は、本実施形態にかかるPOS端末1の構成を概略的に示した外観斜視図である。POS端末1は、現金等を収容するためのドロワ12の上に載置されており、このドロワ12の引出し12aの開閉を制御する。POS端末1の正面側には、キーボード13、モードキー14等が設けられている。キーボード13には、例えば、置数キーや、1取引として販売登録が行われた商品の合計出力を指示するための小計キー、1取引の代金を決済することを宣言するための現計キー等が設けられている。モードキー14は、登録、点検、精算、設定などの各種業務モードを選択するためのキーで、鍵を用いて操作される。また、キーボード13に近接する位置には、磁気カードに記憶された磁気情報を読み取るカードリーダ11が設けられている。
【0008】
POS端末1には、商品等に付与されたバーコードを読取るためのスキャナ19が接続されている。また、POS端末1には、正面側には店員用ディスプレイ15が、背面側には客用ディスプレイ16が取り付けられている。店員用ディスプレイ15および客用ディスプレイ16は販売登録された商品の品名、価格や、販売登録の終了が宣言された1商取引の合計金額、釣銭額などを表示する。また、これらディスプレイとしては、液晶カラーディスプレイ等が用いられる。また、POS端末1は、レシート、ジャーナル等を印字するプリンタ17を内蔵している。プリンタ17によって印字されたレシート、ジャーナル等はPOS端末1の正面側に形成されたレシート発行口18から発行される。
【0009】
図2は、POS端末1の電装系の構成を示すブロック図である。POS端末1は、CPU(Central Processing Unit)と、記憶部として機能するROM(Read Only Memory)およびRAM(Random Access Memory)(いずれも不図示)等から構成されるコンピュータ構成の制御部50を備えている。ROMは、CPUが実行する各種プログラムや各種データを記憶する。RAMは、CPUが各種プログラムを実行する際に一時的にデータやプログラムを記憶する。また、RAMは、商品の販売記録を示す販売データや、店員用ディスプレイ15や客用ディスプレイ16に表示する各種の画面表示データを記憶するものである。
【0010】
制御部50は、I/O機器制御部34およびバス32を介して、キーボード13、店員用ディスプレイ15、客用ディスプレイ16、プリンタ17、スキャナ19、HDD40等のI/O機器を制御し、POS端末1のシステム全体を制御するものである。また、制御部50は、通信I/F33を介してLAN(Local Area Network)で接続されたストアサーバ(不図示)と相互に通信を行うことが可能となっている。本実施の形態のPOS端末1は、1台のPOS端末1が単独で商品登録および商品販売登録等を行っても良い。或いは、店舗内に複数のPOS端末1が設置される場合には、これら複数のPOS端末1をストアサーバに接続して、商品登録および商品販売登録等の処理を一括して管理するように構成してもよい。
【0011】
ここで、HDD40は、記憶手段として機能するものであり、CPUが実行する各種プログラムの他、対象商品マスタ41を格納している。また、HDD40の一部の記憶領域には、クーポン判定フラグ格納エリア42と、ジャーナル格納エリア43とが設けられている。尚、ここでは記憶手段としてHDD40を用いる例を示すが、記憶手段としてSSD(Solid State Drive)等その他のメモリを用いる形態としてもよい。また、ストアサーバ等、POS端末1に接続されたその他の情報処理装置がこの記憶手段を備えるとして、POS端末1はネットワークを介してこの記憶手段にアクセスする形態としてもよい。尚、HDD40内のデータについては、ネットワーク接続されたストアサーバによってアクセス可能とし、ストアサーバからこれらデータを編集または更新する形態としてもよい。
【0012】
本実施形態においては、客が買い上げた商品のうち、店舗側が予め定めた所定の商品(対象商品)の合計買い上げ金額が所定金額に達した場合に値引券や割引券等のクーポンを客に進呈するサービスが用いられる。そこで、対象商品マスタ41には、クーポン発行に必要な買い上げ金額を算出する対象となる対象商品の商品コードが格納される。
【0013】
クーポン判定フラグ格納エリア42は、客が買い上げた対象商品の合計買い上げ金額が所定金額に達して、その客に対してクーポンを進呈することができるか否かを示すクーポン判定フラグの値を格納する記憶領域である。クーポン判定フラグは、後述するクーポン判定部55の判定によって設定され、例えばフラグ値が1の場合にはクーポン進呈可能であり、フラグ値が0の場合にはクーポン進呈は不可能であることを示すものである。なお、クーポン判定フラグの値は、現計キーが選択操作された場合に設定され、次の取引で現計キーが選択操作された場合にその値が更新される。
【0014】
ジャーナル格納エリア43は、POS端末1で処理された各取引の売上データであるジャーナルを記憶する記憶領域である。ストアサーバは、1日の営業時間が終了した場合に店舗内の各POS端末1にアクセスして、各ジャーナル格納エリア43に格納されているジャーナルのデータを収集することができる。
【0015】
次に、制御部50の機能について詳述する。制御部50は、CPUがROMに格納されている本実施形態のプログラムをRAMに展開して実行することによって、図2に示すように、表示制御部51、入力受付部52、販売登録部53、対象商品判定部54、クーポン判定部55、印字制御部56として機能する。また、RAMの記憶領域の一部は、商品を販売登録する場合に用いられる登録用ワークエリア57として使用される。
【0016】
表示制御部51は、I/O機器制御部34を介して店員用ディスプレイ15または客用ディスプレイ16を制御し、店員用ディスプレイ15または客用ディスプレイ16に各種画面を表示させる。例えば、表示制御部51は、販売登録処理時において、販売登録された商品の商品名や価格、個数、そして販売登録された全商品の合計金額等、一取引にかかる取引データが示される登録画面(例えば、図4の登録画面15a)を店員用ディスプレイ15に表示させる。また、表示制御部51は、小計キーが選択操作された場合に、販売登録された全商品の合計金額等が示され、支払処理のために用いられる支払い画面(例えば、図3の支払い画面15b)を店員用ディスプレイ15に表示させる。
【0017】
また、表示制御部51は、クーポン判定フラグの値が1である場合に、客に進呈可能であるクーポンに関する情報および釣銭額を含む表示領域(例えば、図3に示すアラート画面152)を、店員用ディスプレイ15に表示させる。
【0018】
図3は、アラート画面152の一例を示す図である。図3に示すように、アラート画面152には、この取引の釣銭額とともに、客に進呈可能なクーポンに関する情報が表示される。クーポンに関する情報としては、クーポン種別やクーポンの換金額、クーポン枚数、クーポンの有効期限、使用可能な店舗名等を表示することができる。
【0019】
これにより、客に手渡しする釣銭額およびクーポンについてひと目で確認し易くなり、クーポン進呈をスムーズに行い易くすることができる。また、一般的にクーポンはドロワ12内に収納されている場合が多いため、店員がドロワ12内から釣銭を取り出す際に、ドロワ12内のクーポンを合わせて取り出すよう店員の注意を向けることが可能となり、釣銭およびクーポンの手渡しをスムーズに行い易くすることができる。
【0020】
さらに、表示制御部51は、クーポン判定フラグの値が1である場合に、前取引において進呈可能と判定されたクーポンに関するクーポン情報を、次取引の登録画面上に表示する。
【0021】
図4は、前取引のクーポンに関するクーポン情報154が表示された、次取引の登録画面15aの一例を示す図である。図4に示すように、この取引の取引番号(取引No.)153は「0002」となっており、図3に示す取引の取引番号151「0001」の次取引であることを示している。商品登録欄の下部には、「前回クーポン 500円」と前取引において進呈可能と判定されたクーポンに関するクーポン情報154が表示される。
【0022】
尚、クーポン情報154としては、特に前回であることが示されず「クーポン 500円」のように単にクーポンの種別が表示されるとしてもよい。また、クーポン情報154としては、クーポンの種別の他にも、クーポンの枚数等のその他の情報を含めるとしてもよい。
【0023】
また、クーポン情報154の表示領域を、値引情報など他の情報の表示領域と兼用させる場合には、当該他の情報を表示させるタイミングにおいて一時的にクーポン情報154の表示を中断するとしてもよい。これにより、表示領域に限りが有る場合であっても、クーポン情報を表示させることができる。
【0024】
入力受付部52は、I/O機器制御部34を介してキーボード13、スキャナ19からの入力を受付ける。一例として、入力受付部52は、スキャナ19が商品に付されたコードシンボルに記憶されている商品コード等の商品情報を読み込んだ場合に、その商品情報の入力を受付ける。尚、入力受付部52は、キーボード13に設けられた置数キーから商品コード等の商品情報が入力操作された場合に、その商品情報の入力を受付けるとしてもよい。また、入力受付部52は、現計キーが選択操作された場合に、一取引の会計処理を行って釣銭額を算出するための会計指示を受付ける。
【0025】
販売登録部53は、入力受付部52が受付けた商品コードの商品を、客が買い上げる商品として販売登録し、登録用ワークエリア57に格納する。また、販売登録部53は、キーボード13の小計キーが選択操作された場合に、客が買い上げる商品の合計買い上げ金額を算出する。さらに、販売登録部53は、小計キーが選択操作された場合に、客が買い上げる商品のうち、対象商品の合計買い上げ金額を算出する。
【0026】
対象商品判定部54は、対象商品マスタ41を参照して、入力受付部52が受付けた商品コードの商品が対象商品であるか否かを判定する。また、対象商品判定部54は、その商品が対象商品である場合には、登録用ワークエリア57に登録されたその商品の商品コードに対して、その商品が対象商品であることを示す対象商品フラグを有効化し、そのフラグ値を1に設定する。
【0027】
クーポン判定部55は、販売登録部53が算出した合計買い上げ金額が所定の金額に達しているか否かを判定する。一例として、クーポン判定部55は、販売登録部53が算出した対象商品の合計買い上げ金額が所定の金額に達している場合に、当該所定の金額に対応するクーポンを客に進呈可能であると判定する。この場合に、クーポン判定部55は、クーポン判定フラグを有効化し、フラグ値を1に設定する。
【0028】
印字制御部56は、I/O機器制御部34を介してプリンタ17によるレシートやジャーナル等の印字処理を制御する。印字制御部56は、現計キーが選択操作された場合に、その取引で客が買い上げた商品の商品名や個数、価格、合計金額、釣銭等(すなわち、一取引の売上データ)を含むレシート用印字データを生成し、この印字データによってプリンタ17にレシートを印字させる。
【0029】
また、印字制御部56は、一取引の売上データを含むジャーナル用印字データを生成し、この印字データによってプリンタ17にジャーナルを印字させる。また、クーポン判定フラグの値が1である場合には、印字制御部56は、一取引の売上データとともに、進呈可能であると判定されたクーポンに関する情報を含めて、ジャーナルの印字データを生成する。
【0030】
図5は、クーポンに関する情報を含めて印字されたジャーナル171の一例を示す図である。図5に示すように、ジャーナル171には、一取引の売上データ172とともに、進呈可能であると判定されたクーポンに関するクーポン情報173が印字される。これにより、店舗側は、進呈可能と判定されたクーポンについて、ジャーナル171を参照して確認することができる。
【0031】
次に、POS端末1が実行する販売登録処理の手順について説明する。図6は、POS端末1が実行する販売登録処理の手順を示すフローチャートである。
【0032】
入力受付部52は、スキャナ19が商品に付されたコードシンボルに記憶されている商品コードを読み込んだ場合等に、その商品コードの入力を受付ける(ステップS1)。販売登録部53は、受付けた商品コードを登録用ワークエリア57に格納してその商品を販売登録を行う(ステップS2)。
【0033】
対象商品判定部54は、登録用ワークエリア57に格納された商品コードが対象商品マスタ41に登録されている商品コードであるか否かを判定することにより、その商品が対象商品であるか否かを判定する(ステップS3)。その商品が対象商品であると判定された場合(ステップS3:Yes)には、対象商品判定部54は、登録用ワークエリア57に格納されたその商品の商品コードに対して、対象商品フラグを有効化し、フラグ値を1とする(ステップS4)。その商品が対象商品でないと判定された場合(ステップS3:No)には、対象商品判定部54は、対象商品フラグを有効化せず、ステップS5に移行する。尚、対象商品フラグの初期値は0であるので、ステップS3:Noの場合にその商品に対するフラグ値は0のまま保持される。
【0034】
入力受付部52は、小計キーが選択操作されたか否かを判定する(ステップS5)。小計キーが選択操作されていない間(ステップS5:No)は、ステップS1に戻ってステップS1〜S5の処理を繰り返す。小計キーが選択操作された場合(ステップS5:Yes)には、表示制御部51は、支払い画面15b(図3参照)を店員用ディスプレイ15に表示させる(ステップS6)。また、販売登録部53は、登録用ワークエリア57において対象商品フラグが1である商品の合計金額を算出して、対象商品の合計買い上げ金額を算出する(ステップS7)。
【0035】
次に、入力受付部52は、現計キーが選択操作されたか否かを判定する(ステップS8)。現計キーが選択操作されていない場合(ステップS8:No)はステップS8に戻って入力待ちをする。現計キーが選択操作された場合(ステップS8:Yes)に、クーポン判定部55は、ステップS7で算出された対象商品の合計買い上げ金額が所定の金額に達しており、この金額に対応するクーポンを客に進呈可能であるか否かを判定する(ステップS9)。
【0036】
クーポンを進呈可能であると判定された場合(ステップS9:Yes)には、クーポン判定部55は、クーポン判定フラグ格納エリア42(図2参照)に格納されているクーポン判定フラグを有効化し、フラグ値を1に設定する(ステップS10)。尚、クーポン判定フラグの値は次取引まで保持されるので、前取引で設定されたフラグ値はステップS10またはS14において更新される。そして、表示制御部51は、進呈可能であるクーポンに関する情報と、釣銭額とを含むアラート画面152を支払い画面15b上にポップアップ表示させる(ステップS11)。印字制御部56はプリンタ17によってレシートを発行する(ステップS12)。また、印字制御部56はプリンタ17により、この取引の取引データと、進呈可能なクーポンの情報とを含むジャーナル171(図5参照)を印字する(ステップS13)。
【0037】
ステップS9においてクーポンを進呈可能ではないと判定された場合(ステップS9:No)には、クーポン判定部55は、クーポン判定フラグ格納エリア42のクーポン判定フラグを無効化し、フラグ値を0に設定する(ステップS14)。そして、表示制御部51は、釣銭額を示すアラート画面(不図示)を支払い画面15b上にポップアップ表示させる(ステップS15)。印字制御部56は一取引の取引データを印字したレシートを発行する(ステップS16)。また、印字制御部56は、一取引の取引データを含むジャーナルを印字する(ステップS17)。
【0038】
次に、入力受付部52は、商品コードの入力を受付けたか否かを判定する(ステップS18)。商品コードの入力を受付けない間(ステップS18:No)はステップS18に戻って入力待ちをする。商品コードの入力を受付けた場合(ステップS18:Yes)には、新たな取引、即ち次取引の販売登録処理を開始する。
【0039】
表示制御部51は、クーポン判定フラグ格納エリア42を参照して、クーポン判定フラグのフラグ値が1であるか否かを判定する(ステップS19)。クーポン判定フラグが1である場合(ステップS19:Yes)には、表示制御部51は、次取引の登録画面15aにおいて前取引に進呈可能と判定されたクーポンに関するクーポン情報154(図4参照)を表示する(ステップS20)。クーポン判定フラグが0と設定されている場合(ステップS19:No)には、表示制御部51は、次取引の登録画面を表示させる(ステップS21)。ステップS20またはS21の後はステップS1に移行し、次取引の販売登録処理を行う。
【0040】
以上説明したとおり、本実施形態によれば、合計買い上げ金額が所定の金額に達している場合には、客に進呈可能であるクーポンに関する情報および釣銭額を含む表示領域を表示器上に表示する。これにより、店員は釣銭とクーポンとを同一の表示領域内で素早く確認し易くなるため、釣銭等の手渡しも兼ねてクーポンの進呈をスムーズに行い易くする販売データ処理装置およびプログラムを提供することができる。
【0041】
また、上述のように、次取引の登録画面15aに前取引のクーポン情報154を表示させることにより、次取引の客の商品がスキャンされて次取引の登録画面15aに表示が移行した場合であっても当該登録画面15a内において前取引のクーポン情報154を確認することができ、クーポンの進呈ミスを防止し易くすることができる。
【0042】
特に、販売登録処理を2人制で行う場合には、キャッシャ担当者がアラート画面152においてクーポンの情報を確認する前に、スキャン担当者が次取引の客の商品をスキャンしてしまった場合等においても、キャッシャ担当者は次取引の登録画面15aで前取引のクーポン情報154を確認することができ、適切なクーポンを前取引の客に進呈することができる。
【0043】
尚、上述では、予め用意されたクーポンを店員が客に進呈する形態について説明したが、本実施形態はこれに限定されるものではない。その他の例として、印字制御部56がプリンタ17によって進呈可能と判定されたクーポン情報を印字媒体に印字して、レシート発行口18から発行するとし、この場合に上述した本実施形態を適用するとしてもよい。
【0044】
なお、本実施形態のPOS端末1で実行されるプログラムは、ROM等に予め組み込まれて提供される。本実施形態のPOS端末1で実行されるプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。
【0045】
さらに、本実施形態のPOS端末1で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、本実施形態のPOS端末1で実行されるプログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良い。
【0046】
本実施形態のPOS端末1で実行されるプログラムは、上述した各部(表示制御部51、入力受付部52、販売登録部53、対象商品判定部54、クーポン判定部55、印字制御部56)を含むモジュール構成となっており、実際のハードウェアとしてはCPU(プロセッサ)が上記ROMからプログラムを読み出して実行することにより上記各部が主記憶装置上にロードされ、表示制御部51、入力受付部52、販売登録部53、対象商品判定部54、クーポン判定部55、印字制御部56が主記憶装置上に生成されるようになっている。
【0047】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0048】
1…POS端末、15a…登録画面、15b…支払い画面、41…対象商品マスタ、42…クーポン判定フラグ格納エリア、43…ジャーナル格納エリア、50…制御部、51…表示制御部、52…入力受付部、53…販売登録部、54…対象商品判定部、55…クーポン判定部、56…印字制御部、57…登録用ワークエリア、151、153…取引番号、152…アラート画面、154…クーポン情報、171…ジャーナル、172…売上データ、173…クーポン情報
【先行技術文献】
【特許文献】
【0049】
【特許文献1】特開平10−198867号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品情報の入力を受付ける入力受付手段と、
前記入力受付手段が受付けた前記商品情報の商品を客が買い上げる商品として販売登録し、客が買い上げる商品の合計買い上げ金額を算出する販売登録手段と、
前記販売登録手段が算出した前記合計買い上げ金額が所定の金額に達している場合には、当該金額に応じて客に進呈可能であるクーポンに関する情報および釣銭額を含む表示領域を表示器上に表示させる表示制御手段と、
を備える販売データ処理装置。
【請求項2】
一取引の会計処理を行って釣銭額を算出するための会計指示を受付ける受付手段をさらに備え、
前記表示制御手段は、前記受付手段が前記会計指示を受付けた場合に、前記進呈可能であるクーポンに関する情報および釣銭額を含む表示領域をポップアップ表示させる、請求項1に記載の販売データ処理装置。
【請求項3】
前記販売登録手段が算出した前記合計買い上げ金額が前記所定の金額に達している場合に当該所定の金額に対応するクーポンを客に進呈可能であると判定する判定手段をさらに備え、
前記表示制御手段は、商品の販売登録を行うための登録画面を表示器に表示させて、且つ、次取引の前記登録画面において、前回の取引時に前記判定手段が客に対して進呈可能であると判定した前記クーポンに関する情報を表示する、請求項1または2に記載の販売データ処理装置。
【請求項4】
前記判定手段が客に対して進呈可能であると判定した前記クーポンに関する情報を、一取引の売上データとともに印字する印字制御手段をさらに備える、請求項3に記載の販売データ処理装置。
【請求項5】
前記販売登録手段は、前記合計買い上げ金額を算出する対象となる対象商品の商品コードを記憶する対象商品記憶手段に基づいて、客が買い上げる前記対象商品の合計買い上げ金額を算出し、
前記判定手段は、前記販売登録手段が算出した前記対象商品の合計買い上げ金額が前記所定の金額に達しているか判定する、請求項3または4に記載の販売データ処理装置。
【請求項6】
販売データ処理装置を制御するコンピュータを、
商品情報の入力を受付ける入力受付手段と、
前記入力受付手段が受付けた前記商品情報の商品を客が買い上げる商品として販売登録し、客が買い上げる商品の合計買い上げ金額を算出する販売登録手段と、
前記販売登録手段が算出した前記合計買い上げ金額が所定の金額に達している場合には、当該金額に応じて客に進呈可能であるクーポンに関する情報および釣銭額を含む表示領域を表示器上に表示させる表示制御手段と、
として機能させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−50886(P2013−50886A)
【公開日】平成25年3月14日(2013.3.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−189172(P2011−189172)
【出願日】平成23年8月31日(2011.8.31)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】